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2014-05-29 第186回国会 参議院 総務委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十六年五月二十九日(木曜日)    午後一時三十分開会     ─────────────    委員異動  五月二十八日     辞任         補欠選任      上月 良祐君     礒崎 陽輔君      那谷屋正義君     藤末 健三君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         山本 香苗君     理 事                 二之湯 智君                 丸川 珠代君                 吉川 沙織君                 若松 謙維君                渡辺美知太郎君     委 員                 井原  巧君                 石井 正弘君                 礒崎 陽輔君                 小泉 昭男君                 島田 三郎君                 関口 昌一君                 柘植 芳文君                 堂故  茂君                 藤川 政人君                 石上 俊雄君                 江崎  孝君                 難波 奨二君                 林 久美子君                 藤末 健三君                 片山虎之助君                 寺田 典城君                 吉良よし子君                 又市 征治君                 主濱  了君    国務大臣        総務大臣     新藤 義孝君    副大臣        総務大臣    関口 昌一君    大臣政務官        総務大臣政務官  松本 文明君        財務大臣政務官  山本 博司君    事務局側        常任委員会専門        員        小野  哲君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       向井 治紀君        人事院事務総局        総括審議官    千葉 恭裕君        内閣地方分権        改革推進室次長  新井  豊君        消費者庁審議官  川口 康裕君        総務大臣官房地        域力創造審議官  関  博之君        総務省人事・恩        給局長      笹島 誉行君        総務省自治行政        局長       門山 泰明君        総務省自治行政        局公務員部長   三輪 和夫君        総務省自治税務        局長       米田耕一郎君        総務省情報通信        国際戦略局長   阪本 泰男君        総務省情報流通        行政局郵政行政        部長       今林 顯一君        総務省統計局長  須江 雅彦君        法務省民事局長  深山 卓也君        文部科学省初等        中等教育局長   前川 喜平君    参考人        日本放送協会経        営委員会委員長  浜田健一郎君        日本放送協会会        長        籾井 勝人君        日本放送協会専        務理事      塚田 祐之君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○行政制度公務員制度地方行財政選挙、消  防、情報通信及び郵政事業等に関する調査  (日本郵政株式会社等ユニバーサルサービス  維持のための支援策に関する件)  (公務部門における人事政策に関する件)  (地方法人課税の改革に関する件)  (人口減少、低所得化の下での行政優先政策  に関する件)  (国の出先機関の見直しに関する件)  (都道府県における女性管理職の登用に関する  件)  (日本放送協会における会長発言等の諸問題に  関する件)  (公務員の雇用と年金の接続に関する件)     ─────────────
  2. 山本香苗

    委員長山本香苗君) ただいまから総務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、那谷屋正義君及び上月良祐君が委員を辞任され、その補欠として藤末健三君及び礒崎陽輔君が選任されました。     ─────────────
  3. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官向井治紀君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会会長籾井勝人君外二名を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 行政制度公務員制度地方行財政選挙消防情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 藤末健三

    ○藤末健三君 民主党の藤末健三でございます。本日は、郵政について集中的に一般質疑させていただきたいと思います。  この郵政の問題につきましては、大きく二つの問題があると考えております。一つユニバーサルサービスという問題でございまして、前回の郵政民営化法改正におきまして、郵便のみならず金融についてもユニバーサルサービスを課すということになりました。と同時に、地域への貢献そして公益性発揮ということにつきまして政府支援するということを改正法で決めたという状況にございます。また同時に、この地域性そして公益性発揮ということにつきましては、ユニバーサルサービスのみならず、地域方々への貢献ということが非常に大きな議論になるのではないかということで考えておりまして、このユニバーサルサービス議論とともに、また新しい価値を高めていく、上場に向けて、株式売却益復興財源となるということもございますので、いかに郵政企業価値を高めるかと、この二つについて議論をさせていただきたいと考えます。  まず、ユニバーサルサービスについてでございますが、一つ是非政府皆様提案したいのは、改正前の郵政民営化法にございました社会地域貢献基金の復活を検討すべきではないかということを申し上げたいと思います。  実際に、郵政民営化法改正のときに、使いにくいという問題もございましたので、実際に実績も上がらないという問題がございましたので、民営化法改正で廃止してしまったわけでございます。しかしながら、来年におきまして株式上場を控えまして、この基金株式上場益の積立てができるということ、将来の金融二社の株式上場に備えまして、より使いやすいユニバーサルサービス維持するための基金検討すべきではないかと考えております。  前の民営化法のこの基金役割局ネットワーク維持というのが目標でございましたが、初めに申し上げましたように、郵便ユニバーサルに加え、金融ユニバーサルサービスというものが入ってございます。したがいまして、ユニバーサルサービス維持という目的に即した基金というのを検討していただいてはどうかと考えています。特に、金融二社の株式売却収入については、日本郵政内部留保して、ユニバーサルサービス維持のために活用すべきではないかと考えておりますが、いかがでございましょうか。  皆様のお手元に今ちょっと資料を、表を配ってございますが、諸外国郵政事業ユニバーサルサービスというのがございます。先進国ユニバーサルサービスを比較したものでございますが、ポイントは大きく三つございます。  一つが、ユニバーサルサービス範囲というのでありますが、ほかの国々、アメリカ、イギリスドイツフランス、イタリアなどにおきましては、郵便のみのユニバーサルサービス義務になっている。それが、我が国におきましては、簡易な貯蓄等、簡易な生命保険等ユニバーサルサービス範囲に入っているのが一つございます。  そして、二つ目にございますのは、その位置付けでございますが、ほとんどが国営の独立機関株式会社になっているということで、民営化の動きが非常に動き出しているということがあります。  そして三つ目、この表には書いてございませんが、様々な支援ユニバーサルサービスに対して国が行っています。例えば、米国におきましては基本的に国がその責任を負う形になっておりますし、イギリスは昨年株式上場を果たしたわけでございますが、イギリスにおいては、郵便局ネットワーク維持のために年間約五百億円の支援をしている、政府支援がございます。と同時に、昨年の株式上場時には一〇%の株式社員持ち株にしているというような状況もございますし、また、ドイツフランスにおきましては、今提案させていただきましたユニバーサルサービスのための基金が備え付けられています。その基金は使っていないようでございますが、基金をつくっているという状況ユニバーサルサービスを担保しているという状況でございますが、それにつきまして総務省の見解をちょっとお教えいただきたいと思います。お願いいたします。
  9. 今林顯一

    政府参考人今林顯一君) お答え申し上げます。  基金につきましては、先生指摘のとおり、以前は社会地域貢献基金というものがございましたが、使いにくい、使い勝手が悪いと、自らの内部留保を自由に使いたいというようなことで廃止をされたというふうに承知しております。  金融二社の株式売却についてお触れいただきましたけれども、につきましては、民営化法の中で、日本郵政郵政事業ユニバーサルサービス提供責務の履行への影響等を勘案しつつできる限り早期に処分するというふうにされてございます。  日本郵政におきましては、本年二月に中期経営計画を公表されました。これは、十九年十月の民営化から六年を経て初めて策定、公表されたものでありますが、その中でも、ユニバーサルサービス責務を遂行するとともに、上場を見据え、グループ企業価値を向上させるというふうに実際に触れられているところでございます。  金融二社の株式処分、それからその売却収入活用につきましては、一義的には日本郵政経営判断に委ねられるものというふうに考えておりますが、総務省といたしましても、同社が郵政民営化法基本理念を踏まえ、ユニバーサルサービス確保、より一層多様で良質なサービス提供、あるいは公益性地域性の十分な発揮、こういったことで国民民営化の成果を実感していただけるよう取り組むことを期待してございます。  総務省といたしましても、適時適切に協力、指導をしてまいりたいと存じます。
  10. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非検討していただきたいと思います。  それで、部長が今おっしゃいましたのは、郵政、ホールディングの判断です、経営判断ですということをちょっとおっしゃっていただいたんですが、総務省においては、やはりこの郵政を監督していく義務が私はあると思います、法的には。したがいまして、そしてまた同時に、郵政民営化法の中には、地域性公益性発揮すると書かれ、かつその後に、政府支援をすると、支援の措置をするということを明確に書いているわけでございますので、会社に任せますという話は僕はないと思うんですよね。そこの点、いかがですか。  法律に書かれた政府支援ということをきちんとやるということがまず一つ。そして、郵政法上、また設置法上に、総務省がきちんと郵政グループを管理する、そして監督するという責務を負っているというふうに考えますけど、特にその中にはユニバーサルサービスという国民の生活の基盤に関するものが入っているはずなんですよ。これは行政府が責任持つべきだと思うんですが、いかがでございましょうか。
  11. 今林顯一

    政府参考人今林顯一君) 郵政事業ユニバーサルサービスにつきましては、まずは日本郵政グループにおかれて、新規サービスによる収益構造多角化、強化、あるいは経営効率化、こういったことを進めることによってその責務を果たしていかれるべきものだというふうには認識しております。  ただ、将来的な郵政事業ユニバーサルサービスの安定的な確保と、これは重要な観点かと存じます。確かに、今後、人口減少社会の到来あるいはICT化進展、こういったことで郵政事業を取り巻く環境が一層厳しくなるということで、将来にわたったユニバーサルサービス安定的確保のための方策検討が必要になっているという状況については私もそのとおりだと思います。  したがいまして、総務省におきましては、昨年十月、情報通信審議会に、郵政事業ユニバーサルサービス確保郵便信書便市場活性化方策の在り方ということで諮問を申し上げまして、現在有識者の方々による御議論をいただいているところでございます。  総務省といたしましては、経営自主性創造性効率性を高めるとともに、公正かつ自由な競争を促進し、多様で良質なサービス提供を通じた国民利便向上等を図ると、こういった郵政民営化基本理念を踏まえながら、様々な支援制度あるいは諸外国状況につきましてもよく勉強を重ねまして、将来にわたってより良い郵政事業ユニバーサルサービス確保のための方策を探ってまいりたいと存じます。
  12. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非検討いただきたいと思います。  皆様手元にもお配りしました二枚目の紙がございますが、金属鉱業等鉱害防止準備金制度というのがございます。これは経済産業省が持っている税制上の制度でございまして、何かと申しますと、炭鉱を掘ったりするときに、その炭鉱の地盤が落ちたりして、炭鉱の害、鉱害が起きたりすることのためにお金を積み立てていくと。その積み立てたお金損金算入損金として計上していいですよ、ですからその分だけ黒字が減るという、そういう税制がございます。是非総務省におかれましてもこのような制度を、似たような制度をいろいろ研究していただいたらどうかということをちょっと御提案したいと思います。私は元々経済産業省にいましたので、この手の税制いろいろ議論させていただいていましたので、一つ提案としてさせていただきたいと思います。  そこで、是非ここで、財務省山本政務官、お越しいただいているわけでございますが、財務省としてこのような制度についてはどのようにお考えかということを教えていただいてよろしいでしょうか。お願いいたします。
  13. 山本博司

    大臣政務官山本博司君) 今委員のお話でございますけれども課税の特例としての新たな準備金制度の創設という御提案だと思います。これは委員、まずは所轄の官庁でございます総務省におきまして、この準備金制度の前提となる基金、これが必要があるかどうか、こういう検討をしていただくことが先になるのではないかと思います。
  14. 藤末健三

    ○藤末健三君 本当に、政務官におかれましては、いつも前向きな答弁をありがとうございます。  今ちょうど、総務省においては、情報通信政策審議会郵政部会において議論をしていただいているところでございまして、まさしくその中で議論は進められると思うものの、是非、やはり税というのは国の基盤であり、かつ財務省が所管していただいておりますので、いろいろ政務官からアドバイスをいただきたいということを、お願いだけ申し上げさせていただきたいと思います。どうも、政務官、ありがとうございました。  続きまして、私自身、次にございますのは、ユニバーサルサービス支援とともに、地域性公益性発揮ということにつきまして御質問申し上げたいと思います。  今、総務省におかれましては、過疎集落等自立再生対策事業予算というものをつくられて、より郵便局自治体連携しながら過疎地での支援を行うと。例えば見守りサービスというのがございますが、そのようなサービスであったり、また地域産品郵便局で販売するといった自治体との協力事業を進めていただいております。この制度は、そもそも平成二十四年度の補正予算でつくっておりまして、民主党政権与党時代につくらさせていただいて、それを今の与党皆様に大きくしていただいたという経緯がございまして、非常に徐々に徐々に規模も大きくなっていると。  ただ、問題は何かと申しますと、今までの実績が累積三百三十五件ある中に一件しか郵便局で使われた事例がないという状況でございます。  私は、実際にいろんな郵便局に伺いまして話を伺った中で聞いておりますのが、例えば、実際にいろんな連携をやりたいけれども、協定を結ばなきゃいけないと、自治体との間で。その手続が非常にきついということとか、あと、交渉に時間が掛かる、自治体と。やはり各郵便局方々って皆さん非常に忙しくされていますので、なかなかその手続などに踏み出せないということを聞いております。  したがいまして、総務省お願いしたいのは、これは是非郵行部自治行政局にお聞きしたいんですけれども予算を持っている自治行政局としてはどういう取組があられるか、そしてまた、郵政行政を預かる郵政行政部として、是非とも、例えばいろんな手続マニュアル化をする、そして普及、徹底をしていただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。これはまさしく、もう与党野党関係なくつくってきた制度でございますので、これをきちんと使っていただく、そして、このような制度がどんどんどんどん普及することによってまた新しい郵政価値が生まれると思いますので、是非お答えいただきたいと思います。お願いいたします。
  15. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  御案内のとおり、過疎集落等自立再生対策事業ということで、郵便局関係、一件の事例が出ているわけでございます。  私ども制度の趣旨から申し上げて、まず地域住民の皆さんが主導をして、それで郵便局などの地域の組織と連携をして取組を行っていただきたいということで、今年も、都道府県課長会議などで、郵便局さんとか農協さんとか、こういう方々住民方々とが連携して進めていただきたいということで、そのような資料もお配りして説明会を行っております。  また、これはあくまでも住民計画の添付が必要でございますので、そういう辺りも、これは様式は自由にしてございますので、そういうことにしていただいて私どもの方に御提出いただきたいということで、是非地域からこのような取組が上がってきていただきたいなということで期待をいたしているところでございます。  あくまでも集落でございますので、自治体が取り組む場合には、例えば過疎債ソフト分を使うとかいろんな取組が更に可能でございますので、幅広く我々も御相談に応じてまいりたいと考えております。
  16. 今林顯一

    政府参考人今林顯一君) 郵便局は、これまでも過疎地におきましても地域の拠点として重要な役割を果たしてきておるというふうに考えておりますが、御指摘のとおり、改正民営化法におきまして公益性地域性の十分な発揮ということも追加をされました。また、先ほど申し上げましたように、少子高齢化あるいは人口減少進展で、今後一層過疎地における郵便局役割は大きくなってくるというふうに考えております。  そういう観点から、御指摘をいただきました過疎集落等自立再生対策事業、これは一つの大きなツールだろうと私どもも認識しておりまして、まだなかなか浸透まで至っていないようでございますけれども地域郵便局におきましても理解が深まるように、私ども日本郵政日本郵便協力をして、その周知あるいは働きかけといったことを強化してまいりたいと思います。
  17. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非進めていただきたいと思います。  私が見ている範囲でございますけれど、実際にひまわりサービス、配達員の方々が各家を訪ねながら独居老人方々の安否をチェックしたり、実際に特定郵便局局長さんなんかが見回るみまもりサービスとか、あと、私が印象深かったのは、沖縄の方の島で、郵便局でパパイヤとかマンゴーとか売っておられるんですよ。そして、見ていると列をつくって売られていると。それはまさしく地域方々連携して販売されているんですね。  ですから、それも多分申請すれば該当するというのは間違いないと思うんですよ。ただ、申請されていないという状況でございますので、是非そのような事例を発掘していただき、そして普及お願いしたいと思います。これは必ず私は将来の局ネットワークの大きな役割をどんどんどんどんテスト的につくることができると思いますので、お願いしたいと思います。  続きまして、局ネットワークのまた活用という意味では、マイナンバー、いよいよあともう二年ぐらいで活用が始まるわけでございますが、マイナンバー郵便局での活用検討していただきたいと思っております。  このマイナンバーは、我々が政権与党だったときに議論させていただき、私が担当させていただいたんですが、その中で、いろんなことを勉強していく中で記憶に残っていますのはフィンランドとかの事例がございます。  それは何かというと、あの国々はやっぱり高福祉国家でございますので、税と社会福祉は全て統合されているという状況になっている。もう本当に、聞いたら、隣のお子さんにアルバイト代を払ったら課税されたとか、そういう話もあるぐらい管理しているという話を聞いたことがございます。  ただ、一つは何かと申しますと、いろんなものが一つの端末でできるというふうになってはいるものの、やはりコンピューターを使えない高齢者方々などについては、ちゃんとその地域単位にそういうサポート窓口があって、高齢者方々が使ったり、あと非常にコンピューターなどのリテラシー、スキルが低い方々に対するサポートを行うということをNPOなどが行っているという話を学ばさせていただいて、まさしく日本であれば郵便局がしていただくべき仕事じゃないかなというふうに思いました。  それもありまして、実は、マイナンバー法附帯決議には民間利用開放の際には公益性に配慮すべしということを書きまして、何でも民間の営利的なものに使っていいんですよという形にはなっておりません。  是非ともこのマイナンバー活用につきまして意見をいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。官房からお願いします。
  18. 向井治紀

    政府参考人向井治紀君) お答えいたします。  マイナンバー制度利活用につきましては、IT総合戦略本部の下にマイナンバー等分科会を設置し検討を行いまして、先頃、中間取りまとめを行ったところでございます。こういう中で、例えば暮らしに係る利便性の高い官民オンラインサービス提供するマイガバメントの実現とか、あるいは預貯金への付番に拡大するとか、そういうようなことが検討されているところでございまして、今後具体的な検討を進めることとしております。  こういう中で、マイナンバー制度を円滑に導入し定着、発展させていくに当たり、私どもといたしましても郵便局は重要なパートナーと考えております。ただいま先生の御指摘のありました、郵便局にマイポータルへのアクセス端末、あるいは行政キオスク端末を設置していただけるということであれば私どもとしては大変歓迎したいと思っておりますし、あるいは、当然マイナンバーには幾つかの通知がございますが、これは郵便を利用することになろうと考えられます。  それ以外に、今後の新たな活用策といたしまして、暮らしに係る利便性の高い官民オンラインサービスを実現するに当たりまして、例えば郵便会社にデジタル郵便サービスのようなものを提供していくことになるとすれば、連携活用すると非常に便利になるのではないかと。例えば、現在、生命保険の支払った額というのを郵便で送ってきますけれども、これを電子的に送れるようになり、かつ送達の効果が出るようになれば、これは完全にワンストップで申告ができるようになるようなことが考えられます。  それから、預貯金の付番につきましても、ゆうちょ銀行の口座へのマイナンバー付番検討対象と考えております。  さらに、一般論でございますけれども民間活用の、何というか、希望を取りますと、やはり最新の住所、居所が欲しいという希望が圧倒的に多いと。一方で、そういうもののデータベースはやっぱり一番信用できるのは郵便局であろうと。そういうことを考えると、郵便局マイナンバーとひも付けた何らかの例えば郵便番号みたいなものを考えれば、こういうふうな、引っ越した場合のワンストップサービスみたいなことが可能になるのではないかというふうなことも考えられるというふうに考えております。
  19. 今林顯一

    政府参考人今林顯一君) 公益性地域性の十分な発揮、あるいはICTの活用、こういったことにつきましては、昨年就任をされました西室新社長以下で積極的に取り組んでおられるところでございます。民営化された会社でございますので、サービスとして成り立つ事業性を持つ形で行われるということも重要と考えております。  一義的には日本郵政経営判断によるものではありますけれども総務省としても、政府内における連携、それから日本郵政への協力ということをやってまいりたいと思います。
  20. 藤末健三

    ○藤末健三君 向井議官には想像以上の前向きなお答えを、本当に感謝したいと思います。まさしく、今本当に今林部長にも聞いていただきたいですよ。そのぐらいやっぱり考えてくださいよ、本当に。  だから、マイナンバー等分科会郵便局活用を考えて提案してくれるというのは有り難い話でございますが、逆に、郵行部から是非こういうふうに使えるのを研究していただいて提案していただければと思います。  既にマイナンバー的なものを持っている国は諸外国ございます。かつ、この間伺ったアメリカも同じようなことをやろうとしている。ですから、大きなトレンドとして動いているなと。  オーストラリアも同じで、オーストラリアは、マイナンバー的なものは発行はほとんど郵便局がやっています。かつ、それに付随してパスポート、あとドライバーライセンスの更新は郵便局なんですよ。これは法律で担保しているんですね。是非そういう事例を研究していただいて、マイナンバーが動き出してからじゃなくて、動く前から向井議官内閣官房連携をして議論していただくことを是非お願いしますので、よろしくお願いいたします。  そして、もう一つ御質問でございますが、これはもう大臣是非お伺いさせていただきたいと思っておりますが、限度額の拡大又は撤廃ということをちょっと検討していただけないかなと思っております。  それには大きく二つの理由がございまして、一つは、企業価値を高めるということにおいてやはりこの限度額は大きな足かせになっているんではないかということがまず一つ。そして、もう一つございますのは、やはり利用者がすごく不便な思いをされている。特に、地域の方に伺いますと、おじいちゃん、おばあちゃんが年金をためられている。そこはやはり郵便局しかございませんので、当然貯金の口座を、ゆうちょの口座を持たれている。ところが、一千万円が限界でございますのでなかなか不便な思いをされているということもございますので、この企業価値を高めるという観点、そしてもう一つは、特に地域の利用者の方々利便性という観点から是非検討していただけないかと思います。大臣の御見解をお願いします。
  21. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) この件につきましては、藤末委員から度々そのような御意見をいただいております。ですから、そういったものは私もその都度に頭に入れているわけであります。その上で、現行制度のことはよく御承知のことでありますから、それはもう申し上げません。  そして、全国には、郵便局以外に金融機関のない地域、二十四町村あるということでありまして、これらの地域に主たる事務所を置く地方公共団体、医療法人等については、ゆうちょ銀行の預け入れ限度額の適用除外をしていると、こういう配慮もさせていただいているところであります。  今後の金融サービス利便性確保とそれから限度額の問題については、これは様々な観点からいろんな御議論があるわけですから、それには耳を傾けてまいります。直近の国会での附帯決議においては当面引き上げないこととされているわけでありますから、それがございますけれども、それと併せて、様々な議論には耳を傾けていきたいと、このように考えております。
  22. 藤末健三

    ○藤末健三君 是非大臣におかれましては、いろんな環境、株式上場とか、環境は変化がございますので、その環境の変化をやっぱり前提にいろいろ御検討いただきたいと思っております。  最後の質問でございますが、実は数日前に、オーストラリアの郵政公社と、中国のネット商店で阿里巴巴という非常に大きなネット商店がございますが、そこが協力協定を締結しております。これは日本の新聞にはほとんど載っていませんが、東南アジアの方では大きな記事になってございます。  これは何かと申しますと、オーストラリアの郵政公社が中国のネット商店に、何というか、仮想モールみたいなのをつくって、そこでオーストラリアの商品を売ると。当然、オーストラリアの商品が売れたらそれをオーストラリアの郵政公社が運ぶと。同時に、中国の商品もオーストラリアの方で売れるように構造をつくっていこうということを新聞記事ですけど書いてございまして、それで中国の製品もオーストラリアの公社が運びましょうというような、非常にこの発展するアジアを捉えた新しい取組じゃないかと私は思っております。  そういう中でも、大臣におかれましても、このアジア展開というのをずっとおっしゃっていただき、また、あとミャンマーとの展開、あとベトナムなんかとも議論をしていただいていることはもういろいろ報告をいただいているわけでございますが、是非郵政とほかの宅配便との違いは何かというとやっぱり万国郵便協定という条約に基づくネットワークがあるという、法的なネットワークがあるというのが非常に大きなアドバンテージでもありますし、同時に大きな責務だと私は思います、それは。国際的な郵便と物流を行うということは。したがいまして、総務省とされても、その情報収集、国際間の交渉とかを積極的に支援を行っていただいてはどうかなと。  特に大事なことは、国境を越していろんな物を動かすときに、物を動かすということと同時に、決済、支払をどうするかというのが非常に大きな問題でございまして、その問題につきましても、このオーストラリアの郵政公社と阿里巴巴の間では決済をする会社が一つございまして、それが行うということになっています。ただ、我々のこの郵便日本郵政においては決済機能も持っているわけでございますので、そういう利点を生かすような取組ができないかということを是非検討していただきたいと思いますが、その点いかがでしょうか。
  23. 今林顯一

    政府参考人今林顯一君) グローバル化が進展をしておりますので、御指摘の各国の郵便事業体との連携も含めまして、日本郵政グループが積極的にアジアなどへの国際展開に取り組んでいくことは日本全体の成長戦略にも大きく寄与するものでございますし、利用者利便企業価値向上等につながるというふうに考えております。総務省では、新藤大臣の下で、こういった取組に対して日本郵政が行う場合に可能な範囲で最大限支援を行ってきております。  例えば、三月に御質問をいただきましたミャンマーの件につきましては、四月に新藤大臣に覚書を締結いただきまして、そのリーダーシップの下で、今年の五月から既に現地に職員が入りまして協力を開始しております。また、その所要経費などはひとまず総務省予算措置を行っているものでございます。  また、ベトナムにつきましても、これまで日本郵便とベトナム・ポストの間で協力の対話は行われていたわけではございますけれども、具体化に至らなかったということもございますので、昨年九月に政務に御出張いただきまして、総務相と先方の情報通信相との間で協力に関する覚書を更新し、その機会に郵便事業の近代化、高度化というものを追加をいたしました。それで、先週はハノイで四者間での実務者協議を開始したところでございます。  こういった各国様々ございますけれども、そのニーズも踏まえながら、相手国との交渉あるいは情報収集、こういったところは積極的に支援をしてまいりたいと思います。  また、郵便と決済との連携、これは最近のICT技術の進展、端末の普及あるいはオンラインショッピングの発展、こういったことから考えますと、とても重要な視点だというふうに考えております。  今年四月に日本郵便株式会社におきまして、国内の取組ではございますけれども、電子商取引による販売事業者に対しましてクレジットカード決済等を提供する子会社を設立したというふうに承知しております。今後、当社におきまして、海外向けの活用も含めて検討されるというふうに考えております。  総務省といたしましても、こうした取組について助言を行うなど、あるいは海外の場合には交渉もございますので、こういったところでリードしてまいりたいと存じます。
  24. 藤末健三

    ○藤末健三君 これで最後の発言でございますけれど、今日はいろいろ提案をさせていただき、前向きな回答をいただきまして、本当に有り難いと思っております。  私が思いますのは、やはりこのユニバーサルサービスというものが課されている中で、いかに企業の価値を高めていくかというのは非常に大きな課題だと思います。先ほど申し上げましたように、様々な予算的な措置も含め、税的な措置も含め、そして新しい枠組みをつくる、そして国際展開といった様々な局面がございますので、是非とも皆様と一緒に、新しく、この郵政がより一層日本国のために役立つようにしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  終わらさせていただきます。
  25. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。  明日、五月三十日、公務員制度改革の一環として内閣官房内閣人事局が新設されます。これに伴い、各府省別となっている参議院の委員会の所管事項についても見直され、当参議院総務委員会についても、国家公務員制度内閣委員会に移すという協議が今議院運営委員会でなされているところです。  いずれにいたしましても、総務省の人事・恩給局はなくなってしまい、人事院も今後は内閣委員会で対応されることになり、本日が組織変更前最後の質疑の機会となりますことから、総務省と人事院に最初に二問質問させていただきます。  バブル経済崩壊後、民間企業では、業績維持のためなどで人件費圧縮に奔走しました。立地条件や効率性の問題から一律的に例えば窓口を閉鎖してしまう、そして効率化の名の下に現場対応部門が一律削減される例があるなど、一定数値などにより効率性を優先して人員の配置、人件費削減等が行われている事例がたくさんございます。職場の必要性などは数値に表しにくい、そういうものでございますが、それらを切り捨てるという傾向はなきにしもあらずの側面があると思います。  これが人事政策についてはよく言われる成果主義と言われるものでありますが、そもそも成果主義は、外見的な業績、成果に見合った処遇をするという趣旨から、また労働意欲の向上にも資するという観点からも一時もてはやされました。しかし、最近では、専ら削減やセレクトといった方向で活用されているようで、また制度的にも、客観性のない基準での評価、挑戦意欲の低下、短期的な目標、結果だけの追求、あるいは部署間の横のつながりの希薄化などの欠点も指摘されており、そのため、目立った成功例は少なく、合理的ではないという指摘もございます。  そこで、まず、市場原理、競争原理にはなじまず、国民が必要な業務は公務員が担うという公務部門においてこの成果主義的な考え方はなじまないのではと考えますが、総務省と人事院、それぞれの所見を伺います。
  26. 笹島誉行

    政府参考人(笹島誉行君) お答え申し上げます。  人事評価につきまして御質問いただきました。  この人事評価の仕組みは、平成十九年の国家公務員改正によって導入されたものでございますが、御指摘のとおり、公務におきましては、必ずしも数値化、定量化できない業務や、短期で成果が出せない業務があるといったことも事実でございます。  このため、人事評価の運用に当たりましては、目標設定に当たっては、定性的な目標や中長期的な成果に向けた当面の到達水準といった設定も行うことができるとともに、評価に当たっては、目標の達成度だけではなくプロセスも踏まえて評価することとなっているところでございます。  民間企業等におきまして行き過ぎた成果主義といったような指摘がなされているということは承知しておりますけれども、評価制度の中におきまして、上司と部下の間での目標の明確化、認識の共有によって組織パフォーマンスを向上させていくといったこと自体は重要なことであるというふうに認識しております。  御指摘の点も踏まえながら、引き続き人事評価の適正な運用を図ってまいりたいと考えております。
  27. 千葉恭裕

    政府参考人(千葉恭裕君) お答え申し上げます。  人事評価制度は、単なる数値目標の達成度合いだけでなく、職員の能力、実績を的確に把握し、人材育成等の人事管理の基礎といたしますとともに、職員の任免、給与などの処遇を決定する根拠となる重要な仕組みとなってございます。  人事院といたしましては、各職員の勤務の実績が人事評価に的確に反映され、その結果を活用して、昇給、ボーナス等の給与や、昇任、降任等の任用等の人事管理を適切に推進する必要があると考えております。
  28. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 今、人恩局長としては今日の答弁が最後になろうかと思いますが、行き過ぎた成果主義という御発言ございました。  昨日、二十八日の産業競争力会議でも、経営者代表の意見を踏まえて、総理は、成果で評価される新しい労働時間制度の選択肢を増やすべきと、新しい制度検討を指示なさっています。一方で、厚生労働大臣は、成果を評価することには反対しないが、そのためには測らなければならないと言い、また、一昨日、二十七日の閣議後記者会見において、「いろんな仕事をやっていて成果を測れないような働き方の方々は、それは成果を測れないのですから難しいのではないか」とも発言なさるなど、成果を評価することの難しさを指摘されています。  現状、成果に対して報酬を支払う新たな制度に突き進む中で、成果主義には弊害もあるのではないかとお伺いしたとしても、目標値を設定させて人事評価を行う制度や業績評価制度を進めている総務省や人事院としてもお答えづらかったとは思います。  しかし、一定の成果を人員配置や人事評価に用いる場合に、評価のため余りにも客観性に欠ける数値だけを偏重したり、数値の定義の曖昧さを放置したまま評価をするのであれば、特に公務部門において、かえって実態を反映しないものになるおそれがあるのではないかと最近特に危惧しております。  我々参議院議員に一番身近であり、議員を補佐する公務部門である国会事務局についても、国民的要請を踏まえて、その必要性、価値が認められた制度として法律などにより設けられた各組織がございます。それぞれ固有の業務などを持つ一方で、政治状況や政治情勢によって、組織別の活動量を一定にしたくとも、こっちの委員会は開けるけれどもこっちの委員会は定例日の関係で開けないなど活動量が一定しない中で、また、人員についても様々な事情がございます。出産、育児、介護など、個別事情を勘案した人員配置が求められる、こういう状況にございます。  そうした中で、成果目標には主観的、恣意的議論を避けるというメリットはあるとはいえ、例えば短期的観点を重視したり、それから客観的指標として信頼度に欠ける、そして信頼度が低い数値などを使ったりして、完全に同種同一の業務を行っていない組織を単なる客観性に欠ける数値で、相対評価だけで人員配置を行うというのは、公務部門人事政策としてこれまで担当してきた総務省や人事院としては一般論としてどう考えるか、それぞれ見解を伺います。
  29. 笹島誉行

    政府参考人(笹島誉行君) お答え申し上げます。  国家公務員の人事評価の仕組みでございますけれども、これは他の組織との比較ではなく、職員一人一人の職務遂行能力や勤務実績を的確に把握し、評価するため、絶対評価によって行っているところでございます。  また、委員指摘のとおり、公務には多種多様な業務があり、必ずしも数値化、定量化には向いていないといった業務もあるし、短期では成果が出せないといった業務もあるところでございます。このため、先ほど申し上げましたように、公務の特殊性を踏まえた目標設定や評価を人事評価の中で行っているところでございますし、やっぱり人事評価の仕組みそのものが適切な運用をすることによって公務のパフォーマンスの向上とか行政サービスの向上につながっていくということが重要なんだろうと思います。  また、人事管理の面で申し上げますと、御指摘がありましたように、各行政組織というのは与えられた役割とか目標があるわけでございまして、こういったものを十分踏まえて、一方で、人事評価で得られました職員の能力あるいは適性といった情報をきちんと活用して適材適所の人事配置を行っていくということが重要であるというふうに認識しております。
  30. 千葉恭裕

    政府参考人(千葉恭裕君) お答え申し上げます。  人事評価制度におきまして、個々の職員の官職や職員ごとに設定された業績目標に照らして、その能力、業績等を絶対評価により的確に評価、把握するとともに、それを適切に活用していくことが肝要であるというふうに考えてございます。
  31. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 二年前の郵政改正法案の採決の前の質疑のときにも申し上げましたが、私は前身が公社であった企業の元社員でございます。民営化されて随分たった後の入社で、事業環境が厳しい中、株式会社には効率性が求められます。厳しい中で勤務しておりましたが、公について考えることはたくさんございました。それぞれ官と公と民があって、国会事務局や国家公務員の皆さんは特に官の最たるものです。その官の最たるものでそれぞれの役割が求められている中、その評価は絶対評価だとおっしゃいましたが、その数値目標が絶対的にそれらの部門で測ることができるのか、私は甚だ疑問に感じています。  私は営業職でございましたから、売上げが上がれば目に見える数値として結果は出ます。でも、この国会では、それぞれの委員会がいろんな政治情勢によって開かれたり開かれなかったり、それから法案の付託件数が多かったり少なかったりするわけです。ですから、そういった意味で、余りにも今表面的、雑駁な数値で人事政策が行われる、そしてそういう影響が出かねないような状況になっていることについて非常に危機感を抱いております。  千葉総括審議官、そして今日が総務省の人恩局長として最後になる笹島局長、それぞれ公務を目指す方に向けたメッセージを書かれている文を拝見いたしました。お二方とも、公務というものは、志を持って使命感を強く持ち続けることができること、そして、本当に困っている人、社会から置いていかれそうな人に対する想像力や共感力を必要として、明日に対する道を開いていくということ、本当に心温まる、そして志高く公務部門を目指す人に対するメッセージを送っています。  今の答弁、もう一言いただけませんでしょうか。今日が最後の答弁になろうかと思います。よろしくお願いします。
  32. 笹島誉行

    政府参考人(笹島誉行君) 恐縮でございます。  公務を目指す人たちがやっぱりやりがいを持って公務に邁進できる、あるいは将来に対して希望を持って仕事ができるといったことが非常に重要なんだろうと思います。  人事管理あるいは評価制度といったものは、まさにインフラでありますけれども、そういったものを実現するための手段であります。ですから、評価自体に価値があるというわけではなくて、そういったものを適切に活用しながらやっぱり人材を育てていくといったことが非常に重要なんだろうというふうに思っております。
  33. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 ありがとうございます。  人員も財源も不足している地方においては、国以上に残念ながら短期的な目標、結果だけの追求等の弊害が如実に現れています。住民に目に見えるサービス向上、これも評価の一つでしょう。そして、実際に問題が発生した課題に対処することのみに限られた人材と財源が投入され、実際に問題が起きたら甚大な被害が発生することが認識されていても、予防的な観点行政は後回しにされているのが実態であろうと思います。そして、その代表的な一例が情報セキュリティー分野と言えるのではないでしょうか。  当委員会では、そういった思いもあり、四月八日に採決をいたしました電気通信事業改正附帯決議において、「特に地方公共団体等における情報システムの安全性確保のため、必要な支援を行うこと」を求めています。そこで、その採決の翌日、四月九日に提供企業のサポートが終了したウィンドウズXPの問題などを中心に、地方公共団体における情報セキュリティーの対応状況についてこれから問うていきます。  この問題については、昨年の十月二十三日の予算委員会でも取り上げたところですが、四月十一日に総務省が公表した集計結果によれば、サポート終了後もXPを業務で使っている台数は地方公共団体で二十六万五千百四十三台となっており、地方公共団体保有PC全体に占める割合は一三・〇%となっています。サポート終了後、もうすぐ二か月が経過をすることになりますが、最新の数値について伺います。
  34. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  私ども、四月九日時点での数値を取りました。今お話しいただいた数値でございます。二日後に自動集計でできましたので、公表させていただきました。約二十六万五千台ということでございます。現在、二か月たっておりますが、その後について改めた調査は実施しておりません。
  35. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 今、私が申し上げた数値のとおりだと御答弁いただきました。  四月十一日の閣議後記者会見において総務大臣は、「総務省としては、更新の完了していないパソコンにつきましては、可及的速やかに、まず更新を実施してくださいということです。」とおっしゃっています。さらに、一斉調査システムにおいて四月十一日公表の資料について調査したこともお触れになっていますが、この一斉調査システムは地域の元気創造プラットフォームにあるということなので、現在調査しておりませんということでしたが、地域力創造審議官調査するおつもりはありませんか。
  36. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  まだ二か月の時点ですので、更新といいましても、各自治体も更新の手続、いろいろ契約の諸段階もありますので、また一定時期過ぎましたら改めて、このシステムは瞬時に自動集計もできるシステムでございますので、時期が参りましたらまた私どもの方も改めて調査を実施して集計をしてみたいと考えております。
  37. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 それはいつ頃を予定されておられますか。なぜならば、XPは最新のOSに比べたら二十一倍の感染の危険性があると、こういう報道もありますし、事実上そうなっています。個人情報や住民情報を大量に預かる地方公共団体において、もし不法侵入、不正アクセスを許せば個人情報は瞬時に悪用されてしまうおそれが出てくるということになります。一刻も早く、大臣も閣議後記者会見でお触れになっておられますとおり、可及的速やかにこれ更新をしなければならない状況にありますが、定期的に例えば集計をする、こういう御予定もないんでしょうか。
  38. 関博之

    政府参考人関博之君) 私ども、これ毎年、例年行っているものでございませんので、時期を見て実施したいと考えているところでございまして、通常、更新でいろいろ仕様書を作成して進めていく手続などを考えてみますと、我々は、前回の、その前の調査が十月に、半年前に実施しているところでございますので、その辺のタームは、自治体方々も今一生懸命やっておりますので、少しタームを取ってから調査をすべきだと、お手間を掛けないようにしたいと思っております。
  39. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 昨年十月二十三日の予算委員会総務大臣は、「XPが使えなくなってしまう、そういう状態のときに注意喚起をして、そしてこれを更新ができなくなったときにはもう利用を停止するようにと、こういうことで、そういったことも含めまして地方自治体の方にはお話をしております。」と答弁なさいました。  総務省としても、今、去年十月の集計結果を引かれましたが、注意喚起を行ってこられたということは私も重々承知しておりますが、実際この約二十六万台が今XPのままだということ、これについて使用を停止するということは、つまりは全保有台数の一三%がXPです、これを使用停止してしまったら自治体の業務に影響が出るのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  40. 関博之

    政府参考人関博之君) お答え申し上げます。  やめて更新を実施するということは一番いい策でございまして、更新ができるまでの間につきましては、そのパソコンについて外部との接続をしない、インターネットとかで接続をして、外からウイルスの侵入とかを防ぐためにも外とはつながない。それから、つながなくても、記憶媒体を使って伝染する場合もございますので、記憶媒体についてもきちっとチェックをした上で、オートランなどの仕組みを取らないようにということで、そういう使い方も含めて四月には周知しているところでございます。
  41. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 私も更新ができない場合は完全使用停止するということが最善の策だと思います。ただ、一三%XPがある。そして、それを外部と接続しない。これについても今外部メモリーの危険性を指摘なさいましたが、実際に、これは二年前、六月十三日の予算委員会で、完全に独立した制御システムが外部から攻撃を受けた事案というものを紹介させていただきましたので、これは徹底していただきたいと思います。  ただ、四月十日の報道によりますと、九州のとある自治体では、情報政策室情報システム担当課長が、更新までの間、怪しいホームページを見ないなど、これまで以上にパソコンの適正利用を呼びかけたいとお話しされていますが、怪しいホームページがよく分かりませんけれども、怪しいホームページが御覧いただけるということは、これXP端末をインターネット接続しているということのあかしでもありますが、大丈夫でしょうか。
  42. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  お話しいただきましたように、そういうものを見ていただいては困るわけでございまして、私どもインターネットに接続することをしないということで周知をさせていただいているところでございまして、ちょっとその報道が正しいかどうかは私ども分かりませんが、いろいろな会議でその点は我々周知をしてきているところでございます。
  43. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 では、先ほども何回か引用しておりますが、いずれにしても、地方公共団体の全保有PCのうち一三%の更新が完了していない、これを使っていないか、完全に独立したところで使っているかは別としても、この更新が完了しない理由について総務省としてはどう分析されておられますか。
  44. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  一つは、やはり我々も接続しないで使ってもらっているところに伺いましたところ、やはり機器の更新の時期と予算措置の時期の問題があるということを伺ったことがございます。すなわち、たまたま四月ではなくて今年の七月に更新時期を迎えて、そこに向けて更新の手続を取っていたので、この数か月間は何とか接続しないでしのいでいきたいと、こういうお話もございました。  また、あと予算措置でございますが、それについてもしっかりと今補正予算も含めて整理をしているというお話を伺ったところもございますので、この辺りはそれぞれの自治体で工夫して今進めていただいているだろうと思っております。
  45. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 今、更新時期をおっしゃいました。大体、地方公共団体のシステムのリプレースは四、五年に一度です。でも、このXPのサポート終了は七年前に提供企業から周知されていました。七年前に周知されていたということは、その四、五年のリプレースの前回のときに間に合っていたはずです。  先ほど、国家公務員人事政策について伺ったとき、地方においても、人員そして財源が厳しい中で、何かあってからそれに対処する予防的観点については後回しにされがちだということを申し上げましたが、その一つの表れではないかと思っています。  今、更新が進まない理由で、時期ずれと予算のことをおっしゃいましたが、この更新が進まないと思われる理由の一つに、税や住民情報などの業務システム自体がXP専用であるということも指摘できると思います。総務省として、更新が完了していないPCのうち、どの程度が業務システムに使用されて継続使用せざるを得ない状況に置かれているのか、把握されていますでしょうか。
  46. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  今御指摘のいただいたシステムがあるということは私どもも承知しておりますが、具体的な数などは把握しておりません。
  47. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 この業務システムを例えばどうしても継続使用しなければいけない、ただ、これをインターネットに接続した時点でウイルス感染それから不正アクセスの可能性はもう格段に高まってしまうという状況があります。では、やむを得ず継続使用しなければならない場合、完全に独立したネットワーク下に置かれているのかどうか、これも把握は難しいということでよろしいですか。
  48. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  それは我々も再三注意喚起をしておりますし、税のシステムあるいは住民基本台帳の関係のシステムというのは基本的にその自治体でしっかりやるべき事務の一つでございますので、私どもは注意喚起をし、各自治体が外部接続などしないようにきちっとやっていただいているものと考えております。
  49. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 性善説で御答弁いただきましたが、違う観点から伺えればと思います。  業務継続計画、BCPというものがございます。このBCPについては、内閣府が平成十九年六月に中央省庁業務継続ガイドラインを策定しましたが、その旗振り役の内閣府において平成二十年四月時点でも策定が終わっていなかったことから、当時、災害対策特別委員会指摘したこともございますが、これとは別に、ICT部門にICT—BCPというものがございます。このICT—BCPの最新の策定状況について、都道府県、市区町村、それぞれについて数値を教えてください。
  50. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  昨年、平成二十五年四月一日現在の策定状況でございますが、都道府県は二十六団体、市区町村は百八十八団体という状況でございます。
  51. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 総務省が今年三月二十四日に公表しました地方自治情報管理概要を拝見すると、ICT—BCPについて、今後策定を予定している団体は都道府県で十九団体、市区町村は七百二十二団体となっていますが、問題は、今後も策定予定がないと回答している、この数です。都道府県においても二団体、市区町村においては全体の四七・八%に上る八百三十二団体が策定予定なしと回答しているからです。  今後発生が懸念される大規模災害のみならず、サイバー攻撃等の危険性も現実の問題として今ございます。早急な策定が不可欠だろうと思いますが、それぞれの団体において、このICT—BCPの策定が進まない理由について、総務省の見解を伺います。
  52. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  実は、ICT—BCPの策定状況は先ほどのとおりでございますが、全体のBCP自身についても、自治体の方でどちらを先にやるかとか一緒にやろうかとか、いろいろ悩んでいるお話は伺います。  私どもは、やはりこれはきちっとICT—BCP作っていただきたいということで、自治体の方に指針としてもこの春にお示しをいたしました。全体のBCP自身は、ほかの担当部署もございますが、やはり連携を取りまして、自治体で、やはりこれ基本的な取組でございますので、是非進めていただくように我々の方でも促進を促してまいりたいと考えております。
  53. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 策定が進まない理由の分析を伺いましたので、一つでもいいので答弁をお願いします。
  54. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  まず、やはり一つは、自治体側でも、いろいろな自治体がございますので、そういう中で、このICT—BCPについて高い関心を持って、これは組織でいえば担当者ということだけではなくて、やはりしかるべき地位にある方も含めた組織としてのこのICT—BCPに対する理解度、必要性に対する理解、その辺りを我々今一生懸命啓発しているところでございまして、やはり人材面でこの育成をしていくということも、この問題に限らず、情報化の面では大事だなということで思っております。
  55. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 これもどこかに理由書いていないかと思って全部資料を読みましたら、平成二十四年九月二十七日、総務省の災害に強い電子自治体に関する研究会第八回ICT部門の業務継続・セキュリティワーキンググループの資料一によりますと、ICT—BCP未策定の理由などに関する調査を行っています。先ほどから、人事政策のところから申し上げております。やはりこれも財政措置、要員確保の問題、そして今答弁があったように専門知識やスキル不足を挙げておられます。  ですから、やっぱり地方において本当に目に見える住民サービスを、これだったら向上しますよ、そして何かあったらそれに対応しなけりゃいけませんよというところには行くんですけれども、このICT—BCPの問題のみならず、例えばずっとこれも指摘し続けている避難勧告の策定基準についても、自治体の防災計画についてもそうですが、なかなか進まないという、予防的観点行政はどうしても後になってしまうという、こういうこともあると思います。  総務省は、平成二十年八月に、地方公共団体におけるICT部門の業務継続計画(BCP)策定に関するガイドラインを公表されています。ICT分野の技術は日進月歩であり、当時と現在では取り巻く状況も激変しており、総務省としては、自治体におけるICT—BCPを進めるために、例えば、昨年五月八日に、地方公共団体におけるICT部門の業務継続計画初動版サンプルほか、地方公共団体のICT—BCP策定の補助となる資料を取りまとめたことについては承知しておりますが、その基となっているガイドラインの見直し、される予定ございませんでしょうか。
  56. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  ICT部門の基本的なガイドラインでございますが、これにつきましては、政府自身のいろんなガイドラインの動向なども我々状況を見ながら必要に応じて見直しを行うと、こういうスタンスで臨んでいるところでございます。
  57. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 なぜこういう問いを立てたかと申しますと、この初動版サンプル、去年の五月八日に総務省公表なさっています。ただ、この基となっているのが平成二十年八月のガイドラインです。このガイドラインの基本的考え方には三つ書かれています。この三つと申しますのは、「ICT部門を対象とする」、「大地震を主たる対象事象とする」、「あらゆる規模の地方公共団体を対象とする」、この大地震を対象とするというところにサイバーテロという言葉が出てくるんですが、今情報セキュリティー政策は非常に大事になっています。これが前提となっていないものですから、ここで見直しをして新たに策定をしてはいかがですかということを申し上げているんですが、いかがでしょうか。
  58. 関博之

    政府参考人関博之君) ですから、我々もそういう状況を見ながら見直しについて検討してまいりたいということでございます。
  59. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 今、与党の方で議員立法の動きが様々な委員会、所管の委員会で活発なようでございます。この情報セキュリティー分野についても例外ではなく、与党の方でサイバーセキュリティー基本法案というものを今策定を進めておられると伺っております。  この法案要綱を拝見いたしますと、五、地方公共団体の責務として、地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との適切な役割分担を踏まえて、サイバーセキュリティーに関する自主的な施策を策定し、及び実施する責任を有することとなっています。だからこそ、見直しをしてこれに資するものに、これが通るかどうかは別として、そういう状況に迫られていると思いますので、いかがですか、一言で構いません。
  60. 関博之

    政府参考人関博之君) 今一つの条文の例を先生の方でお読みいただきましたけれども、やはり自治体においてそういう責務というのは持っているという点については私としても同じ考え方でございます。ですから、それに対してどうするのかということにつきましては、きちっと我々も鋭意研究をし、見直しについて検討してまいりたいと考えております。
  61. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 では、この基となるセキュリティーポリシー、これはいろんな定めたものでございますが、このセキュリティーポリシーについて、都道府県と市区町村、それぞれの策定状況について伺います。
  62. 関博之

    政府参考人関博之君) 平成二十五年四月一日現在の数字でございますが、セキュリティーポリシーについては、都道府県においては一〇〇%、全て、市区町村においては千七百二団体ということですので、九八%弱の策定状況でございます。
  63. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 このセキュリティーポリシーも、ICTの技術の進展に伴って様々な攻撃の手法も多様化しておりますし、今、標的型攻撃というものが、昔はなかったものが今は攻撃の手法として使われています。だからこそ、このセキュリティーポリシーについても不断の見直しが必要であると考えますが、策定後一度も見直しを行っていない団体が市区町村においては約半数存在しています。定期的な見直しが必要であると考えますが、総務省の見解を伺います。
  64. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  私ども、このセキュリティーポリシーに関しましてはガイドラインを地方自治体の方にお示しをしております。最初は平成十三年にお示しをしまして、その後、十五年、十八年、二十二年という形で、逐次私どももガイドライン自身の見直しをしてお示しをしてきているという状況でございます。  その団体がどの段階でお作りになられたかは分かりませんけれども、我々の方も、このセキュリティー部門というのは、議員御指摘のとおり、日進月歩でいろんな事象が起きることがございますので、逐次見直しをしたいと考えているところでございまして、その動向を見ながら、あるいは先んじて自治体においてもいろいろ御研究いただいてお取り組みいただくなどして、やはり見直し自身はそれぞれの団体が定期的には進めていただくということが大事だなと思っております。
  65. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 今、地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを答弁の中で引かれました。総務省はこれは随時見直しをされていて、最新の策定は、平成二十二年十一月九日に改定されたのが直近のセキュリティポリシーに関するガイドラインとしてあります。  ここから一つ質問をさせていただければと思います。  このガイドラインの中の三の六、「技術的セキュリティ」の項目において、「職員等は、パソコン等の端末に無断でソフトウェアを導入してはならない。」としていますが、昨年末とそれから先月末にちょっと気になる事案がありました。一つはバイドゥIME問題と、先月末のIEの脆弱性の問題です。  このバイドゥIME問題は、百度が無料配布するIMEソフトからユーザーが入力した文字列データが百度のサーバーに送信されて、これが機密情報や個人情報の漏えいにつながるおそれが指摘されたものです。読売新聞の一月十三日の報道によれば、都道府県と政令市のうち二十九府県市で一千台を超える公用PCにバイドゥIMEがインストールされていたと報じられています。  無断で勝手にインストールしてはならないというふうに総務省はガイドラインを定めています。地方公共団体においてこれが徹底されているのかどうか把握なさっていますでしょうか。
  66. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  今御指摘のような問題が生じたことも我々承知しております。やはり、このセキュリティーポリシーというのは、作ることに意義があるのではなくて、さらにそれを基にして一人一人の職員がきちっとこのセキュリティーポリシーを遵守していくということが大切でございまして、やはりその遵守のための徹底、あるいは遵守のためのリテラシーの向上などもきちんとそれぞれの自治体で進めていただく、それがあって初めてきちっとしたものになるというふうに理解しております。
  67. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 冒頭からずっと申し上げておりますとおり、地方においては特に人員も財源も厳しい状況にあります。そういう中でシステムを維持していかなければならない。そして、システムを構築するときに、財源が厳しい団体においては業務用に無料ソフトやアプリを使うことは多いかもしれません。しかし、知らずして悪意あるソフトを抱き合わせでインストールをしている可能性もあるからこそ、公用のパソコン調達や運用に関してソフトやアプリについてのルールを定めるということも総務省として検討してはいかがかと思いますが、一言でお願いします。
  68. 関博之

    政府参考人関博之君) 私ども、この問題につきましては、職員の問題もございますが、やはり組織全体として責任ある方も含めた取組が必要だと思っておりまして、そういう面できちっと我々も周知をしながら、組織全体として認識を持っていただく、先ほど番号制度議論もございましたが、まさにこれは大きな改革でございまして、自治体の首長を始め皆さんで取り組むべき時期に来ておりますので、その中でこのセキュリティーの問題、きちっと取り組んでまいりたいと考えております。
  69. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 もう何度も申し上げておりますが、大臣に一言だけ感想を賜れればと思います。  今ずっとやり取りをさせていただきました。公務部門における人事政策、それから地方における情報セキュリティーの問題、実際に人員も財源も不足している地方については情報セキュリティー対策は国の支援というものが絶対的に不可欠であると思います。大臣の決意、済みません、一言いただけたらうれしいです。
  70. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) 私は、このICT化を徹底的に進める、行政の電子化を行うことによって、同じ予算を少ない人数で効果を出す、それから同じ人間で同じ予算で数倍の効果をもたらす、こういったものを目指さなければいけないんだと。その上で、電子化に関する今のようなセキュリティーの問題も、これは徹底して効率を上げていこうではないかと、こういう指示を出しておりますし、適宜それは、スローガンに終わることなく、現実的にそれが実行できるように指導していきたいと、このように考えております。
  71. 吉川沙織

    ○吉川沙織君 ありがとうございます。  昨年十月も前向きな御答弁をいただきましたし、是非総務省、旗振り、まあいろんな省庁がこれは関係する話でございますが、私は総務省が先頭に立って是非やっていただきたいと思います。  総務省の人事・恩給局の局長として答弁をいただきました笹島局長、そして千葉人事院総括審議官、本当にありがとうございました。これからも公務部門における人事政策についてはしっかりチェックするとともに、地方の情報システムについても、人員、財源の側面から、これもしっかりチェックしていきたいと思います。  ありがとうございました。
  72. 片山虎之助

    片山虎之助君 それでは質問いたします。  私は何回もこの総務委員会でも予算委員会でも税制改革のことを質問させていただきました。特に、今話題になっております法人税の実効税率の引下げ、それをやると税収が減りますから、法人税収の六割は地方の財源になっている、交付税を入れて。だから、これは必ず財源補填をしなきゃいかぬ。その補填の仕方の際に、地方税の偏在性の是正と安定性を強化すると。  具体的にどういうことかというと、もうこの委員会でも何度も申し上げましたように、法人事業税の外形標準課税化をもっと進める。それから法人住民税の法人税割依存をやめていくということ。本当は全部やめればいいんですが、まあ財源なくなりますから、今は均等割か何かを増やしていって、将来は地方消費税に振り替えていくと。そういうことを提案してまいりましたが、最近の政府税調、自民党税調、あるいは経済財政諮問会議議論を聞いていますと、大体私が言っているような方向に行っているんですよね。フォローの風が吹いている。大臣の御努力もあると思いますが、大変いい傾向だと思うんです。  せんだっては、経済財政諮問会議で、新藤大臣、いろいろ発言されたようですけど、まずそれを御披露ください。それからあと局長で結構ですから、政府税調と自民党税調のこの関係の議論を紹介してください。お願いします。
  73. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) 私は、先日の経済財政諮問会議において、法人実効税率を下げていく、それは我が国の国際競争力、それから産業成長力を高める上で、これは内閣全体としての方針に私たちも協力をしていくと、こういうことで申し上げました。  しかし一方で、現状においても、地方財政はプライマリーバランスは黒字になっております。そういう仕組みになっておるわけでありますから、現状黒字のものを赤字にした状態で、国全体の赤字解消できるわけがないわけでありまして、地方財政に穴を空けたままのそうした改革は、これは受け入れられないと。したがって、様々な知恵を出しましょう、また我々も出しますということを申し上げておるわけであります。それは一つにして、今委員が御指摘いただきましたような法人事業税の外形標準の拡充につきましては、これは一つ方策であるのではないかと、このようなことを申し上げました。
  74. 米田耕一郎

    政府参考人米田耕一郎君) 政府税調、それから自民党税調での議論について少し御報告させていただきます。  現在、政府税調におきましては、法人課税について、法人課税ディスカッショングループというのを設置をされまして、集中的な議論が行われております。去る五月十六日には、今回の法人税改革の趣旨等をまとめた法人税の改革についてというメモが座長から示されたところであります。その中では、地方税における法人課税の見直しは法人税改革の重要な柱であるということ、地方税は応益課税の考え方に立っているので、この観点から、企業間で広く薄く法人課税を担う構造にすることが重要だということ、さらに、法人事業税の外形標準課税平成十五年度には導入され既に定着しているが、この外形標準課税についても応益性を高めるために一段の見直しが求められるといった考え方が示されました。この考え方につきまして、もちろん反対、賛成の御議論がございましたけれども、そのような御議論を経て更に具体的な項目について取りまとめられるというふうに承知をしております。  次に、与党であります自民党の税制調査会の状況でございます。  地方法人課税を含めた法人税改革につきましても最近議論が行われておりまして、一昨日には、法人税改革に当たっての基本認識と論点と題しました論点整理が税調の会長から示されたところでございます。その中では、地方法人課税については、法人税改革の基本的認識の一つとして、応益課税の考え方に基づく地方法人課税の改革というのが一つの柱として掲げられているところでございます。今後、この点についてやはり議論が深まっていくものというふうに承知をしているところでございます。
  75. 片山虎之助

    片山虎之助君 財務政務官財務省としてのお考えがあればちょっとお聞かせください。
  76. 山本博司

    大臣政務官山本博司君) 政府税制調査会におきましては、今ございましたように、税率の在り方、課税ベースの在り方などについて法人課税の構造改革を行うという観点から幅広く検討を行っております。その中でも、この課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるという世界標準に沿った改革を行うことにより成長志向の法人税改革を行うべき、こういう意見もございます。さらに、恒久減税である以上恒久財源を用意することは鉄則、こういった議論もなされておる次第でございます。  また、与党におきましては、法人税改革に関しまして、昨年末の与党税制改正大綱におきまして、政策効果の検証とか、また課税ベースの拡大、また他税目での増収策の検討、こういった論点が示されておりまして、現在これらを踏まえつつ更なる検討が行われるものと承知をしております。  また、経済諮問会議、先日、五月十五日、総理から法人税を成長志向型の構造に変革していくための方向性を年末を待たずに骨太方針に示していただきたい、こういう発言があったところでございまして、これを踏まえて、今後、政府税調、また与党、諮問会議、それぞれにおいて更に議論が詰められていくものと承知をしております。
  77. 片山虎之助

    片山虎之助君 時間が短いものですから、また質問します。今日はもう税制はこれで、ほかができませんからやめますけれども、ひとつよろしく頼みます。私は方向としては絶対正しいと思っております。ただ、中小企業その他の議論がありますから、そこは十分配慮しながらお願いいたしたいと思います。  それから、せんだっての地方自治法改正で、認可地縁団体の所有権移転ですね、土地の。これについての特例が設けられたことは皆さん御承知のとおりだと思いますね、入会だとか免田だとかね。  今、日本の地縁団体で土地を持っているのが一万六千あるといったかな。ところが、これはなかなか登記が大変なんですよ。みんなの名前で登記したり代表者で登記したり、みんなの名前で登記すると、いなくなる、死んじゃう。だから移転登記なんか取れないんですよね。そこで今度の地方自治法で便法を作ったわけでしょう。一定の資料を出したら市町村長が証明をして、その証明を持って登記所に行けば認可を認めるというやつね、三か月間公告をして異議がなかったら。  こういうことなんですが、私は、これをやるには、まず一つは、いろいろあるんだけど、一つは法務省の協力が要ると思うんですよ。その協力体制がちゃんと得られるかどうか、法務省、お願いします。
  78. 深山卓也

    政府参考人(深山卓也君) 今お話に出ました認可地縁団体の所有する不動産の移転登記手続の改善措置、これは元々、昨年二月に総務省行政評価局から法務省の民事局とそれから自治行政局、共に地縁団体名義への所有権移転登記手続の改善促進に係るあっせんを受けたと、これに基づいて内容を検討してきたものでございまして、法務省と総務省で一緒に内容を検討してきて、この度改正法に盛り込まれたというものでございます。  この改善措置の細目は総務省令で定めることとされておりますけれども、今後とも、法務省としては、今回の措置に基づく不動産の移転登記手続が円滑に進むように、総務省における省令の策定等に十分な協力をしてまいりたいと思っております。
  79. 片山虎之助

    片山虎之助君 総務省に聞くけれども、地縁団体、何十万ぐらいあるのか。それから、認可地縁団体、認可制度つくったわね、平成の初めに、私が大臣のときだったかもしれぬが。それが今どのくらい認可があって、余り進んでいないと思うんですよ、一割ちょっとぐらいで、その理由をちょっと言ってください。
  80. 門山泰明

    政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。  平成二十五年四月時点の調査でございますけれども、地縁団体、町内会、自治会等、地縁団体の総数は二十九万八千七百という数字がございます。それに対しまして、今お話ございました平成三年に認可地縁団体の制度ができておりますが、同じく二十五年四月時点で認可地縁団体ということで認可を得ている団体が四万四千八団体、約一四・七%ということでございます。  実際、これは不動産登記が必要になったときに認可の手続に移られるということがありますので、進み方は年間千件とかそのぐらいのペースで来ておりますので、今このぐらいの数字になっているということかと思っております。
  81. 片山虎之助

    片山虎之助君 それで、私が言った地縁団体が、町内会や自治会が土地を持っているのが一万六千件あるというんだ。それが事実かどうか。そのうち認可団体がどのくらいかということと、この制度が、来年だわね、来年の四月から動き出すわけでしょう。動き出したらどのくらい出てきますか、この特例適用が。それは見込みだわね。見込みで結構だから、ちょっと教えてください。
  82. 門山泰明

    政府参考人(門山泰明君) 御指摘ございましたように、認可地縁団体四万四千のうち、今回言っております、戦前から認可地縁団体が保有管理しておりまして、かつ代表者の単独名義となっていない不動産というのが、一万六千二百九十六団体が持っているということでございます。実際の筆数は、複数持っているところもございますので、もう少し多いと思います。  それで、これから、その中のどれだけのところが実際に申請してくるかということにつきましてはなかなか見通しは難しいんですが、例えば、市町村でこういう相談を受けたことがありますかというふうにお尋ねしましたところ、二百ぐらいの市町村がもう具体的な相談を受けていますということでございますので、かなりの数の申請が出てくるというふうに考えております。
  83. 片山虎之助

    片山虎之助君 この制度が元々できたのは、苦情から出てきたんですよ。総務省で所管している行政苦情、行政に対する注文から。みんな困っているんですよ、これは。いろいろ私も相談を聞いているけど。  そこで、今度、資料を町内会、自治会が作って出すんでしょう。十年間、平穏、公然と所有しているか、そういう資料がちゃんとみんな作れるのか。それ相当指導をしてやらないと、市町村が、できないと思うんですよ。また、市町村もそれだけの手が余っているかというと余っていないんで、私は制度だけつくっても動くのかどうか心配しているのよ。  法務省は協力すると言っているんだから、本当だろうと思いますよ。だから、その協力するようなうまいネットワークというのか、何かつくらないかぬけれども、何か工夫がありますか。やるところとやらぬところが出てくる。それはなかなか手間が大変だから、ほっておこうかということになる。どうですか。
  84. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) それは非常に重要なポイントなんですが、そういうことを電子化することが重要だと思うんですね。各市町村でばらばらに、また町内会で独自のいろんなものを出してくると、集計することすら大変になってしまう。さっきのXPも同じなんです。  ですから、一つのサーバーに、標準のフォーマットに、そこにみんなで書き込んでもらうと。だから、こういう仕組みつくるからここに入れ込んでくださいと、こういう形を整備することが重要だと思います。であるならば、我々は、これはもう理論的に一秒で全国把握できるわけです。そういう電子化を是非こういう分野でも研究させてみたいなと、このように私は考えております。
  85. 片山虎之助

    片山虎之助君 局長、何か補足あったら。
  86. 門山泰明

    政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。  今先生からお話ございましたように、申請を具体的にしていただくに当たりましては、当該不動産を十年以上所有の意思をもって平穏かつ公然と占有しているといったような一定の要件を満たす必要があるわけでございまして、それを疎明する資料を付けていただかなきゃいけないということになっております。  具体的には、不動産の固定資産税納税証明書ですとか公共料金の支払書などといったものが疎明の材料になると思っておりますが、これは、例えば法定外公共物の移管のときにもかなり幅広く地元の方々の、古老の方々の、こういうふうに聞いているという証言ですとか、航空写真ですとか、いろいろなものを、使えるものは使ってきたという実績もございますので、そういった実績もよく勉強いたしまして、また、法務省には法案作成の段階から多大な御協力をいただいておりますので、十分連携を取りまして、市町村に負担が少ないように私どもとしても準備をしていきたいと思っております。
  87. 片山虎之助

    片山虎之助君 もうちょっとだけ時間あるから、私は市の制度を聞こうと思ったの。今度の自治法で特例市と中核市を一本化するでしょう。簡単に言うと、特例市を全部中核市に上げるんですよ。政令指定都市は、私が大臣のときに合併促進のために百万の人口を七十万に下げたんですよね。約十年間七十万だった。元に返りました、平成二十二年か三年かに。政令市は百万に戻ったわね。何で私は特例市と中核市を二本立てにしたのかよく分からなかったのよ。保健所だけよ、あれ違うのは。あんな制度を複雑にして、政令市に、中核市に、特例市に、普通の市に、町村でしょう。訳分からぬが。  だから、それを整理したのはいいんだけれども、やっぱり制度を弄んだ反省ありますか。局長はもう昔から自治省なんだから、今総務省か、しようがないわ。
  88. 門山泰明

    政府参考人(門山泰明君) 一つは、確かに現状におきまして政令市があり、中核市があり、特例市があるという複雑な制度になっておりますが、これは時系列でございまして、政令市は昭和三十一年にできておりますが、中核市が平成六年、さらに、権限移譲を進めるために二十万の都市でもやろうというので十一年にできましたのが特例市ということでございますので、それを今回、中核市と特例市については、特例市ぐらいの実力があれば今中核市がやっている仕事は全部していただけるということで、権限移譲の増大でございます。  そういうことで拡大してきたわけでございますが、やはり分かりにくいという指摘はいろいろございますので、できるだけ整理をしますとともに、内容につきましても説明は丁寧にしていきたいと思います。
  89. 片山虎之助

    片山虎之助君 もう時間がありませんが、それは言い訳なの。そういうのを言い訳と言うんだよ。この次やります。  どうもありがとうございました。
  90. 寺田典城

    ○寺田典城君 寺田でございます。よろしくお願いします。  こんな税金の使い方あるのということで、これ、おたくの方で出したパンフレットなんですが、独創的な人向け特別枠、通称変な人という予算なんですよ。これ、狙いは何ですか、これは。
  91. 阪本泰男

    政府参考人(阪本泰男君) 少しちょっと経緯を含めて御説明をさせていただきます。  まず、我が国の成長戦略に貢献するために、総務省では、平成二十五年の二月より総務大臣が主宰するICT成長戦略会議を開催するとともに、その一環として情報通信審議会におきましてイノベーション創出実現に向けた情報通信政策の在り方について……
  92. 寺田典城

    ○寺田典城君 答弁短く。
  93. 阪本泰男

    政府参考人(阪本泰男君) 分かりました。  御議論いただいて、その中で中間答申をいただきました。  そのときの問題意識なんですけれども、やはりICT分野というのは非常に技術革新が激しくて、社会的ニーズが最近SNSとかツイッターとか、もうサービス中心に移行しているという状況があるわけですね。そういった状況下の中ではやはりスピード感を持ってサービスを開始して、またそのユーザーの反応を見ながら……(発言する者あり)
  94. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 答弁途中ですが、よろしいんですか。
  95. 寺田典城

    ○寺田典城君 説明聞きに来たんじゃないんです。狙いは何だということで、それじゃ狙いじゃないです。私から言いますよ。  それこそ、研究費、上限で三百万円。そして、十人程度募集しますと。これ、総務省の本省でやる仕事ですかということなんですよ。そして、やっていることは、奇想天外でアンビシャスなICT技術課題とかと書いているんです。これ、みんな読んでいるんだから、おたくから説明聞く必要ないんです。  だから、私は、ICTイノベーションというのをいつも、ICTイノベーションという、うちの方の我が総務大臣は念仏のごとくそれを唱えているから、そんたくしてそういう予算付けたのかなと、そんな勘ぐりもしたくなるんです。だから、こういう予算なんか、これを付けるなんという自体がちょっと、幾ら情報通信国際戦略なんて、飛んでる局だか知らぬけれども、もう少し考えてやってもらいたいです。  以上です。別に移ります。答弁要らないから、言いたいことだけ言わせていただきます。  それでは、本題に入ります。  今いろいろ人口減少の話出ています。二〇四〇年になると、それこそ二割、三割の人口減少をする地域が半分近くあるとか、若い人方がいなくなると。都市に一極集中してしまう、特に東京とか。それで地方では、やはり工場の撤退だとか農業の自由化だとか、人口減少、低所得化が避けられないと思うんですね。それで、一か月二十万円の所得で、一家、私は三人、子供一人と夫婦というような、で暮らしていくことを前提にした場合に、それこそ地域創造力の方ではどう考えるのか、文科省ではどういうことをしたらいいのか、そのことをお聞きしたいと思います。
  96. 関博之

    政府参考人関博之君) お答えいたします。  やはり今御指摘いただいたような人口減少社会で、地域がこれから非常に大変な時期を迎えるという中で、一番やはり大事なことは、その地域で産業をきちっと興して雇用を確保して、仕事で所得を得るという循環の仕組みをきちっとつくることだと考えております。  ですから、我々、今イノベーションサイクルなどで地域のある資源を生かして、金融機関の協力もいただいていろんな取組を各地域で起こしていただいて、これを拡大しようとしていることもこの人口減少社会に向けた一つの対策の一環であると考えております。
  97. 前川喜平

    政府参考人(前川喜平君) 子供たちの生まれ育った環境によりまして子供たちの将来が左右されることのないように、教育の機会均等を図るということは非常に大切なことだと考えております。また、貧困の状態にある子供が安心して学ぶことができる環境を整備するということも大事であるというふうに考えておりまして、まず、全国どこでも一定水準の教育が受けられるようにするという義務教育の機会均等、また高等学校教育の機会均等といったものを実質的に図っていくということが必要だと思っております。  また、金銭面におきましては、就学援助の実施でございますとか、また幼稚園就園奨励費補助、また高等学校につきましては前政権時代に無償化の措置がとられまして、それが現政権におきまして所得制限の導入によりましてより低所得層に手厚い仕組みに見直されておりますけれども、こういった手当てを進めまして、家計の所得にかかわらず教育の機会がきちんと享受できるようにするということが大事であるというふうに考えております。
  98. 寺田典城

    ○寺田典城君 地域力創造審議官は産業を興すと、それから文科省の方では教育の機会均等、学ぶことに対してしっかりやっていきたいということなんですね。  私は、ある面では、二十万円でも都市よりリッチな形にも持っていけると思うんですよ。本当に安定して二十万円の所得があれば。例えば、今、平均値というんですか、中央値というんですか、二百二、三十万ですね、所得の中央値が。そうすると月二十万ぐらいになる。貧困がその半分ですから百十何万になるわけなんですが、要するに、税金払って保育園入れて、児童手当入るからそれで五、六十万、六十万ぐらいいって何とかなる。それと、私的な部分として、例えば地方に行ったら公共交通なんか余りないんで、ほとんどが自動車とか何かなので、そういう点も含めれば、NHKの受信料入れても七、八十万ぐらいでいくと、百三十万、四十万ぐらいで何とかなると。  だったら、あとどうするかというと、やはり、うちは公的な住宅ですごく安い住宅にするとか持家になるとか、それと若しくは、簡単な言い方すると、あとは食べ物はそんなに余計に掛けないというような形で、うちで田んぼあったりなんかすればあれなんでしょうけれども、でなくたってそんなに、三万円とか掛かればいいことなんで、あとはやっぱり教育になってくると思うんですよ。子育て支援と教育だと思うんですよ。これが一つしっかりして、安定した職業がきっちりとあると、そうなると二十万ぐらいだったら何とかなるんですよ、地方だって。  そうすると、若い人方がそこに住むという夢を、国家がこれを打ち立てていくことが、都会に人が流出を避ける、地方が維持できる一つの、何というんですか、ラインじゃないのかな、二十万ぐらいがですね。それをサポートできるような社会システムをひとつ是非地域力審議官頑張っていただきたいし、それから文科省でいえば一番先の教育から始まりますから頑張っていただきたいし、それを要望したいと思います。二人の、お二方の意気込みを聞きたいと思うんです。  いいんだ、私は今日は大臣は要らないから。
  99. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 時間が来ておりますので簡潔に。
  100. 関博之

    政府参考人関博之君) 文部科学省さんを始め関係省庁いろいろありますので、横割りで、横串で我々も一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
  101. 前川喜平

    政府参考人(前川喜平君) 教育こそは未来をつくるものだと考えておりますので、これからもしっかりと頑張ってまいりたいと思います。
  102. 寺田典城

    ○寺田典城君 よろしくお願いします。  以上です。ありがとうございました。
  103. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 みんなの党の渡辺美知太郎です。  私は、おとといの第四次一括法案のときにハローワークの話、出先機関の話などをさせていただきました。やはり出先機関の廃止についてまた伺いたいなと思っております。  地方分権改革推進委員会は、出先機関、第二次勧告で言っております。これは平成二十年十二月なので前政権下での二次勧告ではありますが、そのときに国の出先機関の事務・権限の見直しやそういった組織の見直しが指摘されまして、これを踏まえまして、ちょっと第二次勧告で言われていたことの成果、どれぐらいできたのか、あと、今後の積み直しがどのぐらいあるか、ちょっと総務省に伺いたいなと思います。内閣府ですね、失礼しました。
  104. 新井豊

    政府参考人(新井豊君) 御指摘がございました地方分権改革推進委員会の第二次勧告でございます。  第二次勧告におきましては、国と地方の役割分担の見直し等の観点から、国の出先機関につきまして、その事務・権限の地方への移譲と併せて、組織の統廃合等について勧告いたしたものでございます。この勧告を受けまして、平成二十一年三月に政府地方分権改革推進本部において出先機関改革に係る工程表が決定されましたが、二十一年九月の政権交代後、事実上これについては凍結された状態が続いていたということでございます。  その後、出先機関改革をめぐりましては、平成二十四年十一月に閣議決定されました国の出先機関のブロック単位での移譲に関する法案、これを閣議決定したところでございますが、その際に、全国市長会から、国と地方の役割分担の在り方、大規模災害時の危機管理体制の在り方、こういったことについて丁寧な議論が必要であるにもかかわらず、衆議院が解散されるという慌ただしいときに法律案の閣議決定を行ったことは、基礎自治体を重視した地域主権改革の推進を標榜する政府の姿勢に反するものであり、誠に遺憾であるという意見が表明されております。  また、全国町村会からも、同様の趣旨で、大規模災害時の危機管理体制が機能するのか、一つの国の中で広域連合が担う地域と引き続き国が担う地域が混在することで強力な体制が維持できるのかなどの町村長の懸念が払拭されない中で、国会提出の見込みすらないまま法律案を閣議決定したことは極めて遺憾という意見が表明されているところでございます。  このような第二次勧告以降の状況も踏まえまして、出先機関の統廃合に関しまして、今回の第四次一括法では、着実に地方分権を進める観点から、組織の統廃合等は対象とせず、国から地方への事務・権限の移譲のみを対象としたところでございます。  また、先ほど積み残しというお話がございました。  第四次一括法までの取組によりまして、地方分権改革推進委員会の勧告内容全体につきましておおむね検討の俎上にのせた上で国と地方の間で調整を行いまして、現時点で可能なものについては措置してきたと考えております。それをもって一通り検討を終えたと考えておりますが、積み残しの課題、例えば昨年十二月に閣議決定いたしました事務・権限の移譲等に関する見直しの方針の中でも、農地転用に係る事務・権限等の移譲、昨日も議論ございましたが、これにつきましては、地方の意見も踏まえつつ、地方分権観点及び農地確保観点から、本年を目途として農地転用事務の実施主体や国の関与等の在り方について検討を行うと、こうされたというものもございまして、現在、農地・農村部会で議論を進めているというところでございます。  こういった積み残しの課題について、引き続き検討を進めているというところでございます。
  105. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 積み残し、今回一区切りというわけでありますが、結局、事務の移譲で終わってしまったわけであります。  この間も大臣から答弁いただきまして、ハローワークの話、初めて一体となってやって分かったというふうな話があります。確かに人が多い方がいいっちゃいいんですよ。だけど、私も田舎ですから、確かに出先機関余り削らないでくれという要望をたくさんいただいております。法務局であれば支局をちょっと廃止するのをやめてほしいみたいな話もいただきますが、例えば支局であれば、今はオンラインがありますから、オンライン申請の方で大体もうほとんどできるわけですよ。近くの司法書士事務所へ行けばそれはできるわけですし、オンライン申請の認知度が低いのであれば、まずはそっちを上げるべきだと、こうやって代替案を示しているわけでありまして、ちょっと失礼な言い方かもしれないんですけど、できないというか、難しい理由をおっしゃれば多分山のように出てくると思うんですよ。  先ほど、前もおっしゃっていた、初めて積み上げることによって分かったと、そういった話もありますが、やはり私は、出先機関については、ハローワークについても一万二千人の職員がいるわけでして、これは非常に非効率的であります。厚生労働省だって職員が余っているわけじゃなくて、人手不足でこの間のコピペ事件みたいなことが起きちゃうわけであって、やっぱり人材をできるだけ集中していく、これはそれにこしたことはないと思うんですよ。  それについて、是非大臣からも、出先機関の見直しについてはもうちょっと前向きな答弁をいただきたいと思うんですが、ちょっと御見解をお尋ねします。
  106. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) この出先機関の見直しは、これは検討を引き続き行っていくことに、方針に変わりはございません。ただ、やはり危機管理体制の在り方ですとか、それから国と地方の役割に関して、これは根本的な重要な議論であって、これを閣議決定をしただけで非常に大きな反発が出るほどのまだいろんな意見があると、こういう状況も踏まえて引き続き議論をすると言っているわけであります。  仕事は少なくならないんですよ、仕事はどんどん増えていくわけです。それを少ない人員でやればいいと、これは形として削ればいいじゃないかといっても、仕事の質が落ちては意味がありませんね。それから、大勢の人がいいからというんじゃなくて、人は大勢いるわけじゃありません。  ただ、国、県、市はそれぞれ役割が違うんです。だから、その分担をうまく合わせることで機能しているということ、これは私が初めて知ったのではなくて、現場で自分たちがやってみて、それぞれがプロで、それぞれが自分たちで担当してできると言っていた人たちが、組み合わせてみて初めてこういう効果があるのかという、そういう声も上がってきたということなのであって、形をもって、形さえ切り替えれば物事がうまく改善するということだけでは、我々は責任ある成果を出していく、そういう我々には使命がありますので、そこは慎重に、また、しかし前向きに議論はしていくと、こういうことでございます。
  107. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 様子を見るということでありますが、ただ、前向きにということは、やはりゴールとしては、できれば出先機関は見直していくという理解でよろしいんでしょうか。
  108. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) 国と地方の役割分担をどのようにしていくか、それは、例えば別途、道州制の議論もあります。様々な議論があるわけです。そういう中で、これからの社会情勢、そしてそのときに必要な行政ニーズ、これをどこがどう分担していくか、こういう総合的な観点からの議論が進めていかなくてはいけないと、こういうことでございます。
  109. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 ただ、大臣、この出先機関の見直しについてはもうずっと前から言われていたわけでありますよ。今回初めてやってみて、これから、じゃ出先機関ちょっと見直そうよといってやったわけじゃなくて、もう五年も何年も前からやっているわけでありまして、何でそこで、今初めて分かったことがあるということで理由にして止められたのか、ちょっとそこは理解に苦しむんですけど。
  110. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) もう二十年も前からいろんな御意見がありました。そして、二十年、全然違う社会状況が生まれているんです。でも、一方でそういう問題点の批判というのは同じ論調で行われているんです。社会が変わっているのに同じ形でしか主張されていないものに対して、分からないというよりも、それはよく現状をそれぞれもう少し、変化しているんだと、それを踏まえて私はお答えをしているわけでございます。
  111. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 でも、二十年前からというのはありますけど、もちろんその社会の情勢において時の政府が何もしていなかったわけじゃないわけじゃないですか。どんどんどんどん積み上げていって改善をしていったわけでありまして、そこは何かこう、何もしていなかった、だから今から昔の話で直すのはいかがなものと思うというわけでは私はないと思うんですよね。  ちょっと話が長くなっちゃいました、変えますけど、じゃ、これについて、財源の移譲についてもちょっとお話しいただきたいなと思うんですが、今回、第四次一括で一区切りというわけでありますが、明確な確実な税源移譲、これ交付税の形であるのか、それとも税源をもうそのまま移譲しちゃうのか、ある程度もしビジョンがあったらちょっとお尋ねしたいんですけど。
  112. 新井豊

    政府参考人(新井豊君) 今回の第四次一括法におきます権限移譲につきましては、財源、人員、そういったものにつきまして、移譲後の事務が確実、円滑に実施されるように適切な措置をするということになっております。  例えば、今回、第四次一括法に書かれました県費教職員の給与負担、こういったものについては一部税源移譲で行われるという内容も決定されたところでございますが、案件によりまして、税源、交付金的なものがあるかどうか、また、あるいは交付税で措置をするのか、そういったことについて、一番直近の施行日が来年の四月一日ということになっておりますので、その施行に当たるまでの間において計算し、事務の円滑な執行に支障がないようにしてまいりたいと思います。
  113. 渡辺美知太郎

    渡辺美知太郎君 税源移譲については前もいろいろと議論をさせていただきました。  ちょっと今日は時間終わりなんですけど、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
  114. 吉良よし子

    吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  この間、安倍首相は、女性が輝く日本と言い、その中の柱の一つに、女性役員、管理職の増加を掲げています。そうであるなら、政府として、まずは公務員の管理職の登用を積極的に始めるべきかと思いますが、女性管理職の登用を始めるべきかと考えますが、今回は、地方、とりわけ都道府県に絞って女性管理職の問題を取り上げます。  では、総務省に伺います。今、都道府県における女性管理職登用率はどのようになっていますか。
  115. 三輪和夫

    政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。  都道府県の管理職、これは本庁の課長相当職以上でございますけれども、管理職に占める女性の割合は、内閣府の調査によりますと、平成二十五年四月一日現在で六・八%となっているところでございます。
  116. 吉良よし子

    吉良よし子君 六・八%ということですが、東京都でも九・六%、それを筆頭にして、場所によっては二%台のところもあるというお話であり、増えてきたというようなこともありますが、まだまだ少ない、一割にも満たないという状況です。  このように、女性の管理職がなかなか登用されないという理由を総務省としてはどのように考えているか、お答えください。
  117. 三輪和夫

    政府参考人(三輪和夫君) 女性管理職の登用がなかなか進まないという、その理由についてでございますけれども、一部の地方公共団体が職員を対象に調査等を行ったことがございます。そういったものによりますと、例えば管理職としての仕事と家庭の両立が困難であるということ、あるいは、男女間で配置されるポストや業務の内容が異なるために職務経験に差があり、女性職員が管理職となることに不安を抱えていること、こういったようなことが答えとしてあったというようなことを伺っております。  こういった結果を踏まえまして、女性職員の登用を進めるためには、女性職員のキャリア形成の支援あるいは働きやすい職場環境の整備というものが重要であると、このように認識をしているところでございます。
  118. 吉良よし子

    吉良よし子君 調査もなさって、その上で、仕事と家庭の両立が困難であるとか、若しくは配置の仕方で男女の違いがあるだとか、そうした課題を洗い出した上で、キャリア形成を応援するために、一つ一つ地道に課題を解決するために努力しているということですが、都道府県公務員においても女性管理職増やしていくことを強く望むわけですけれども、そもそも公務の職場で働く女性の数が少なければ、管理職として登用される人もおのずと限られてくるのは必然だと思います。  そこで、改めて総務省に伺います。今、都道府県の職員に占める女性職員の比率及び新規採用の男女の比率を述べてください。
  119. 三輪和夫

    政府参考人(三輪和夫君) まず、都道府県の職員の女性の比率でございます。都道府県の一般行政職の職員でありますけれども、この一般行政職の職員に占める女性の割合は、総務省調査におきましては、平成二十五年四月一日現在で三〇・一%という状況でございます。  次に、都道府県の新規採用職員の女性の比率ということでございます。都道府県の、これは試験採用者でございますけれども、試験採用者に占める女性の割合は、内閣府の調査によりますと、平成二十四年度で三〇・三%という状況でございます。  以上でございます。
  120. 吉良よし子

    吉良よし子君 現在の女性職員の比率が三〇・一%、そして、新規採用でも三〇・三%とほぼ変わらないと。現に比率が少ないだけでなく、採用も極めて三割台と偏っているという、このこと自体が問題だと考えます。  その一方で、非常勤の職員はどうかといえば、例えば都道府県の一般事務職員に限って見ると、三万六百八十六人のうち二万四千二百六人が女性、一般事務員のほとんどが女性だということなんです。この実態を見れば、初めから女性は管理職への道、昇進の道を閉ざされていると言っても言い過ぎではないのではないでしょうか。  事実、公務員制度を研究している成蹊大学法学部の西村美香教授という方は、任期の定めのない常勤職員にモデルを限定せず、こうした検討からこぼれ落ちがちな臨時・非常勤職員まで含めて多様な人材の職務遂行能力や実績を適正に評価し、意欲に応じてチャンスを与えることができれば、様々なキャリアパスを経た女性管理職の増加につながり、公務員制度全体にも活力を与えることになると指摘しています。  安倍首相は、今年三月三十一日の参議院決算委員会で、我が党の田村智子議員の公務職場における非正規職員の正規化についての質問に対して、様々な形でニーズがある中で働き方が多様化している、そこで、公務員でも非正規から正規に扉が開いている、道が広がるよう努力をしていきたいと答えています。  総務大臣、女性の管理職登用という場合、こうした立場から、非常勤職員にまで視野を広げて考えていく必要もあると考えますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
  121. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) 女性の登用につきましては、女性の能力が十分に発揮できるような、そういう働きやすい環境整備が必要だと、このように思います。  そして、今のこの地方公共団体におきましても、非正規職員の正規化につきましては、多様な行政サービスに対応していく必要がある、一方でまた様々な働き方へのニーズも踏まえる、そういったことを含めてより良い行政運営のために正規職員や臨時・非常勤職員という様々な任用、勤務形態の組合せを工夫していくことが必要だと、このように考えております。
  122. 吉良よし子

    吉良よし子君 組合せでということですけれども、結論として、非正規を正規化していく中で女性の管理職登用も広げていくというお考えでよろしいでしょうか。
  123. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) 女性の管理職登用につきましては、これは私どもかねてより、まず登用拡大、そして女性職員の採用を積極的に進めてもらえるように、例えば平成二十五年度だけでも九回、自治体との会議の場で女性登用のそういった働きかけを行っております。それから、具体的に自治体の女性向け幹部登用研修というのがございますけれども、これを本年から従来の二倍にしたわけであります。毎年一回百二十名定員で行っていたんですけれども、それを二回二百四十名の定員に拡充して、そういった現実の研修の場も増やしていると、こういうことでございます。
  124. 吉良よし子

    吉良よし子君 研修の場を増やすというのは大事なことだと思いますけれども、問題は、多くの女性が非常勤として働いている現実の中で、その段階でもう既に管理職への道を閉ざされているのではないかということが私の問題意識なんですね。  また、現在非常勤職員であるために、専門的でかつ管理職となるべき十分な能力があるにもかかわらず、その能力を発揮するどころか、いつ雇い止めに遭うか分からない極めて不安定な立場に置かれている人たちが多数いるというのも事実なんです。  ここで消費者庁に伺います。  今、消費生活相談員の採用形態別の人数をお答えいただきたい。また、消費生活相談員に占める女性の割合が分かればお答えください。
  125. 川口康裕

    政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。  消費者庁で行っております平成二十五年度地方消費者行政の現況調査によりますと、平成二十五年四月一日現在で全国には三千三百七十一人の消費生活相談員がいらっしゃいますが、常勤の消費生活相談員はこのうち百三十四名、比率にして四・〇%、非常勤の消費生活相談員につきましては二千五百五十四名、比率にして七五・八%となっておるところでございます。  また、性別の把握でございますが、これは私ども調査では把握していないところでございますが、参考となると思われるものといたしまして、公益社団法人全国消費生活相談員協会による会員調査がございまして、この協会は会員が二千百名でございますが、同調査で回答があった九百六十名のうち七九・九%が現職の消費生活相談員、一六・四%がその経験者となっているところでございます。そこで、お尋ねの件でございますが、この回答者に限って申し上げますと、回答者の性別は九六・九%が女性ということで、ほとんどが女性でございました。  以上でございます。
  126. 吉良よし子

    吉良よし子君 要するに、九六・九%、圧倒的に女性が多く、さらには非常勤の割合も七五%に上る、これが消費生活相談員の実態だということです。今や消費者行政というのは地方自治体にとっても重要な行政の分野であり、それを担う消費生活センターというのは都道府県に必ず置かねばならず、市町村にも設置の努力が義務付けられています。  では、そこで働く消費生活相談員はどのような仕事をしているかというと、訪問販売、電話勧誘販売、マルチ商法、モニター商法、住宅リフォーム詐欺など、近年特に悪質さを増す業者と消費者との間の相談、さらには、あっせんなどにとどまらず、相談内容によっては全国に情報発信をするなど専門的かつ膨大な業務を処理しています。特定商取引法、割賦販売法などや民法、消費者契約法、各種業法などについても当然精通していなければなりません。  こんな広範で専門的な知識も要する業務がほとんど非常勤職員によって担われている。年収は二百万円前後、一年契約で任用を繰り返して、中には二十年以上も仕事を続けている人もいるけれども、昇進はもちろんないというのです。さらに、自治体によっては任用の更新回数を制限、いわゆる雇い止めするところも現れており、これは問題だと考えますが、一方、こうした中で、消費者庁は、平成二十三年二月十日、消費生活相談員に対するいわゆる雇い止めについて、任用回数に制限を求めないよう求める文書を都道府県知事及び市町村長宛てに出しました。  消費者庁、この文書で任用回数を制限しないように求めた理由を御回答ください。
  127. 川口康裕

    政府参考人(川口康裕君) 近年、商品、サービスの複雑化、高度化、取引形態、決済方法の多様化等に伴いまして、消費生活相談の内容も複雑化、高度化しております。このため、相談の質を維持向上するためには、消費生活相談員、実務の中で知識の蓄積と技術の向上を図っていただくことが必要だと考えております。  非常勤職員等につきまして一律に任用回数、更新回数の上限を設けまして同一者を再度任用しないいわゆる雇い止めということが行われますと、蓄積、向上した知識や技術の喪失を伴うことから好ましくないものと認識しておりますが、現在でも雇い止めを行っている地方公共団体が存在するということでございます。  こうした考え方の下で、消費者庁として先ほどの長官名の通知を発出したところでございます。
  128. 吉良よし子

    吉良よし子君 御紹介いただいた理由のとおり、複雑高度化している中で、消費者トラブルが、専門的な知識が必要であり継続的な業務が必要であるからこそ雇い止めの任用回数制限をしないようにということで通知を出したということであり、この消費生活相談員という仕事は、一時的、臨時的職員によって担われるようなものではなく、正規職員として担われても当然というものを示している、そういうことでもあるのではないでしょうか。消費者庁は、二〇〇九年四月、消費生活相談員の処遇改善についてという通知文書も出し、待遇改善促しています。  ここで総務大臣にもう一度伺いますけれども、少なくともこうした専門的な知識を持ち継続的な実務に携わる職員については正規職員化を進めていく、そういう過程を経ながら女性の管理職登用の道も更に広げていくということが女性の輝く社会のために重要なのではないでしょうか。いかがでしょう。
  129. 三輪和夫

    政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。  臨時・非常勤職員は、その職務の性質、つまり、臨時的あるいは補助的な業務、あるいは専門的な資格等を要するという、そういった性質から、本来は長期にわたって勤務するということは想定はされないところでございます。ただ、御指摘の消費生活相談員のように、専門的な知識あるいは資格を要するということが地域の事情等々によって人材確保上困難な問題もあると、こういったような事情で再度の任用が必要なケースも考えられるということでございます。  消費生活担当の大臣からメッセージが発せられた折にも、私どもとして、任期ごとに客観的な実証を行った結果として、同じ者を再度任用するということは排除されないと、こういった点について消費者庁と認識を共有をしているところでございます。
  130. 吉良よし子

    吉良よし子君 大臣にも是非一言伺いたいところなんですけど、そもそも社会の中では男性と女性というのは数は半々なわけです。ところが、就職した途端若しくは管理職登用となった段階で圧倒的に男性の方が多くなって女性の方が少なくなるということ自体はやはりおかしいことだと思うんですね。そういった採用の段階であるとか登用の段階で女性にだけ道が閉ざされるようなことがないよう、とりわけこうした専門的な業務であったり継続的な業務であったりする場合には、正規職員としての登用も含めて、女性も管理職登用の道、是非開いていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  131. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) まず、地方公務員は、これはその公共団体において自らの判断で適切な採用が行われると、我々はそれに対して適切な指導を行っていきたいと思います。  それから、一般論として、男女に差があってよいわけがなくて、それはそれぞれの特性を生かして、それは適材適所で能力のある人がそこに、ふさわしい職に就くべきだと私も思っておりますし、そういった意味でいろんなチャンスを広げていく、これは努力をしていかなきゃいけないと、このように思います。
  132. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 時間が参っております。
  133. 吉良よし子

    吉良よし子君 是非、人材の登用という場合には非常勤職員にも視野を広げること、そして、その職員それぞれが置かれている様々な分野での均等待遇の確保などを進めるべきだということを求めて、今回の質問は終わらせていただきます。
  134. 又市征治

    ○又市征治君 社民党の又市です。  今日はNHKにも御足労いただきました。まず、会長の就任会見に端を発した一連の問題について、国民からの様々な御批判があると思いますが、現在どのぐらいになっているのか、またその内訳、つまり会長への批判と激励の数はどうなっているか、その点からお伺いします。
  135. 塚田祐之

    参考人(塚田祐之君) お答えいたします。  記者会見のありました一月二十五日から寄せられた視聴者の皆様の御意見などは、昨日の夕方まででおよそ四万三千七百件となっております。月ごとに見ますと……
  136. 又市征治

    ○又市征治君 月はいいです。
  137. 塚田祐之

    参考人(塚田祐之君) 月はいいですか。はい。  内訳につきましては、批判的な御意見がおよそ二万八千三百件、全体の六五%、肯定的な意見がおよそ七千百件、一六%、その他問合せなどとなっております。
  138. 又市征治

    ○又市征治君 ちょっと前に聞いたよりも率上がっていますね、批判的な意見が。  次に、NHK理事の人事が協議された四月二十二日の経営委員会の議事録を基に伺いますが、この経営委員会では、籾井会長からの理事の任命提案に関して、委員から、放送法施行規則で「委員長は、経営委員会の招集の通知を行うときは、原則として、事前に十分な時間的余裕をもつてそれを発出するものとし、付議すべき事項その他参考となるべき事項を明確にするものとする。」となっており、従来から事前に経営委員会に知らせる慣例があります、役員の担当について前歴との比較対象がよく分かりません、今日同意を求めるというのはあり得ないと思いますという発言がされていますね。これに対して籾井会長は、以前、事前に提出したら人事情報が漏れたので、今回は事前に提示しなかったと述べ、さらに、理事の担当は同意人事の附帯事項ではない、会長が決めさせていただきますと述べられたとあります。  そこで、経営委員長に伺いますが、この放送法施行規則第十九条の意味をどのように考えておられるのか、十九条に定められた事項は、会長の一存で、あるいは判断で遵守されなくてもやむを得ないというふうにお考えなのか。また、私はこの議事録を読んで、会長は委員が自分を信頼していようがいまいが自分の専権事項はやらせてもらいますといった高飛車な態度に見えてしようがありません。こうしたことが会長と経営委員会の関係で適切だと思われるのかどうか、経営委員長からお伺いします。
  139. 浜田健一郎

    参考人浜田健一郎君) この度の人事案は、四月二十二日の経営委員会の当日に示されましたが、これは会長から情報の漏えいを避けるために氏名は当日まで示さないことにしたいとの提案がその前の三月二十六日の経営委員会の場であったことを受けたものであり、会長の一存でルールが曲げられたという認識は持っておりません。  しかし、上村代行の指摘どおり、これまでは放送法施行規則の趣旨を踏まえ理事任命については付議すべき事項の具体的な名前まで事前に通知する慣例がありました。今回の手順につきましては、経営委員内部からも様々な意見があり、今後は情報管理を徹底しつつ十分な審議時間の確保ができるような改善が必要だと考えますので、執行部とも話し合ってまいりたいというふうに思っております。
  140. 又市征治

    ○又市征治君 会長が委員会に事前に十分な情報提供をしなかったというのは、簡単に言えば、施行規則の趣旨に照らして必ずしも適切ではなかったというふうにお考えだということですよね。  経営委員会はやっぱり会長の任命責任があるわけですから、また、会長は、協会を代表して経営委員会の定めるところに従ってその業務を総理する、こういうふうに放送法第五十一条にも規定しているわけでありますから、是非そういう意味で委員長のリーダーシップを強くこの機会に改めて求めておきたいと思います。  次に、会長に伺いますが、報道によりますと、会長は四月三十日の理事会で、放送法が定める公平性の原則は一つ一つの番組でやるべきだという趣旨の発言をされて、理事たちと論議になったというふうに伝わっています。  そこで、私は先日の当委員会で、二〇〇七年の十二月二十日のこの総務委員会で当時の増田総務大臣の答弁、つまり政治的な問題を取り扱う放送番組の編集に当たっては、不偏不党の立場から、特定の政治的見解に偏ることなく放送番組全体としてのバランスの取れたものであること、これは一つの番組ではなくて当該放送事業者の番組全体を見て判断することが必要という答弁を引用して、これが政府の見解、今日の見解かというふうに新藤大臣にお伺いをしました。大臣は同じことを聞かれればそれは同じように答弁をすると、その後幾つか述べられましたが。  そこで伺うんですが、会長は今月十五日の記者会見では、異なった立場の意見を何が何でも全て一つ一つの番組で取れと言っているわけではない、こういうふうに述べて、考えを変更されたようですけれども、改めて、この公平性の原則の捉え方と放送への反映についての姿勢をお伺いしたいと思います。
  141. 籾井勝人

    参考人籾井勝人君) お答えいたします。  NHKは、国内番組基準におきまして、「政治上の諸問題は、公正に取り扱う。」、それから「意見が対立している公共の問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにし、公平に取り扱う。」と定めております。原則として、個々の番組において、対立する意見の双方を伝えるように努めるということであります。また、企画や番組の演出により複数回にわたる場合は、同一のシリーズの中などで公平に取り扱うように努めております。このようにNHKの放送全体として公平性を確保するようにしております。  今後もこうした考えにのっとり、番組の制作、放送に当たっていきますが、私が申し述べたことは方法論の問題でありまして、全体としてバランスを取るための方法論で、やはり一つ一つの番組について今申し上げたようなスタンスでバランスを取っていかなきゃいかぬということを申し上げたわけでございます。
  142. 又市征治

    ○又市征治君 一つ一つの番組でそんなバランス取ったら番組にならないんだよね、これね。そういうのがえてしてあるわけでしょう。長い時間のものをやっているならともかく、討論番組とかなんかならね。  いずれにしても、NHKを代表する会長の一言一言が陰に陽にやっぱり現場職員に影響を与えるわけでありますから、何度もこの委員会で問題になっている。現場の士気を後退させたり、あるいは萎縮させるような発言のないように、改めて求めておきたいと思います。  NHKの方は私はこれでもう結構ですから、御退席いただいても結構です。
  143. 山本香苗

    委員長山本香苗君) NHKの皆様、御退席いただいて結構でございます。
  144. 又市征治

    ○又市征治君 次に、国勢調査のオンライン化の問題について伺います。  来年の秋に実施が予定されている国勢調査にオンライン化ということのようでありますが、まず、この国勢調査のオンライン化の理由といいますか、それが国民にとってどのように利便性が高まるというふうにお考えなのか、また、回答にネットを利用する世帯はどのぐらいあるというふうに見積もっておられるのか、まずこの点からお伺いしたいと思います。
  145. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) 私は度々ほかの場面でもお話を申し上げておりますが、我が国においてこの電子化、行政の電子化をどれだけ進めていけるか、それは経済成長や行財政改革、そして財政再建、こういったものに大きな成果を及ぼすことができるんではないかと、このように思っているわけであります。  国民にこの行政の電子化を認識してもらう一つのチャンスとして、今回は、我が国の最も基本的な統計であり全ての世帯を対象とするこの二十七年の国勢調査において、パソコンやスマホも活用してのオンライン調査を全面的導入をすることとしたわけであります。  これによって調査の精度向上が図られることと、それから利便性が向上します。さらには、国民がオンラインの回答に参加することで、調査員のそこに出かけていって作業するための時間ですとか経費、こういったものも削減できます。ですから、私は、国民の参加が高まれば高まるほど、国費、皆さんが出していただいている税が、税金が使わずに済むと、こういうような側面もあるのではないか。  そして、この国勢調査のオンライン回答率は二〇%以上を予測しております。それは回答世帯数として一千万世帯を超えるわけで、世界でこのようなオンライン調査はございません。ですから、統計局の皆さんと一緒に、これはビッグチャレンジだと、このように名付けて、まずやってみようではないかというので様々な準備を今しているところでございます。
  146. 又市征治

    ○又市征治君 さりながら、国勢調査をオンライン化するというのは未知の領域なわけですよね。したがって、既に導入されている諸国の経験に学ぶことも当然大事でしょうから、やっておられるんだろうと思うんですが。  既にカナダ、韓国、イギリスドイツなどでオンライン化を導入しているとのことでありますけれども、これらの国でインターネットを使って回答する国民の割合、あるいはオンライン化で一人当たりの国勢調査の費用はどういうふうに変化したのか、調べておられるならば若干お示しいただきたいと思います。また、これらの国は元々国勢調査の回収率はどの程度だったのかということもベースになりますから、説明をいただきたいと思うんです。とりわけ、これらの諸国の経験からの教訓はどんなものなのか、御説明いただきたいと思います。
  147. 須江雅彦

    政府参考人(須江雅彦君) お答え申し上げます。  国勢調査につきましては、各国ともオンライン調査を導入している国、していない国ございますが、導入している国の幾つかでお答え申し上げますと、例えばイギリスでは一六%がオンラインで回答されている、それからカナダでは五〇%を超えている、前回ですね、あるいはドイツでは一割程度といった各国のICTの浸透、あるいは何回繰り返してオンライン調査をやったかによって習熟度は上がっていきますので、我々としては今回ファーストトライアルだと思っておりまして、一般的には同時並行で調査をしますと八%程度のオンライン回答率というのが、大体世帯系の調査ではそうなっております。  昨年、住宅・土地統計調査におきまして、大臣の御指示もあって、市町村の協力を得てオンライン化をできるだけやってみたらどうなるだろうかというトライアルをしてみました。そうしたところ、最もオンライン回答率の高かった市町村で二五%を超えております。ただ、残念ながら片一方で数%程度の都道府県もございまして、平均するとやはり一〇%程度でございました。  そういったことから、次回の国勢調査でどれだけオンライン調査に誘導できるかという点に関しましては、同時並行の調査では難しいだろうということで、各国の実例をつぶさに検討しながら、オンライン調査を先行して実施するという形で、まず先行して実施して掘り起こし、残りを調査調査を掛けるという形にすればオンライン回答に誘導がある程度可能になるだろうということでございまして、二〇%、一千万世帯というのは世界でも類のない規模の調査になりますので、セキュリティーの点を含めて適切に管理運営してまいりたいというふうに思っております。
  148. 又市征治

    ○又市征治君 資料によりますと、日本より人口が多い国でオンライン化を導入しているのはブラジルだけで、アメリカ、中国、インドなどはもちろん実施していないわけですね。アメリカもやっていないというのはそれだけ問題もあるということなんだろうと思いますから、慎重な準備が必要なんだろうと思います。  そこで、今やインターネットによって蓄積されたデータが、漏えいが日常化をしているということを、言い換えれば、その時点でどんな安全性を高めたと思ってもそれを破壊する技術がまたすぐに生まれてくるというのが今日の残念ながら実態ということですから、このオンライン化に伴って生じるデータの漏えいの危険性に対してどのように対処をしていこうとされているのか、今現在時点の考え方あればお聞かせをいただきたいと思います。
  149. 須江雅彦

    政府参考人(須江雅彦君) お答え申し上げます。  オンライン調査の実施に当たっては万全のセキュリティー対策を行いつつ進めることが極めて重要であると、先生おっしゃるとおり、そう思っております。  国勢調査につきましては、前回、平成二十二年の調査において東京都だけで試行的に実施したことがございます。その際でも、回答データの保護ですとか通信の安全確保、あるいはフィッシングサイトや成り済まし対策、そういったことを講じております。システム基盤のセキュリティー確保対策など様々な対策を実施しておりますが、二十七年国勢調査におきましては、ある意味攻める方も、攻撃する方も進化しておりますので、そういった意味で、これらの対策について一層強固なものとするように、外部からの攻撃への対策なども実施することにしておりまして、専門家などの意見を踏まえて、引き続き万全のセキュリティー対策を実施していきたいというふうに考えております。
  150. 又市征治

    ○又市征治君 先ほども指摘しましたが、絶対に安全ということはないわけでありますし、そのことは御認識当然されているわけでしょうけれども、情報の集中化というのはそれだけリスクを高めるということでもあるわけでありますから、是非慎重の上にも慎重を期していただいて、絶対に失敗がありましたなんてことにならないように進めていただくことを要望して、今日のところは終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  151. 主濱了

    ○主濱了君 生活の党の主濱了であります。早速質問に入ります。  まず、先ほど来いろいろ話題になっておりますけれども総務大臣として国家公務員に関する最後の質問になるのではないかというふうに思いまして、そういう意識を持って、まず第一番に、雇用と年金の接続についてお伺いをいたしたいと思います。  国家公務員の定年は六十歳であります。一方、年金の支給年齢は、昨年、平成二十五年からはもう六十一になっていると、一年のギャップがもう生じているわけです。二十八年には六十二になります、二年のギャップが生じます。一歳ずつ支給年齢が上がっていくわけであります。これに対して、退職する公務員に無年金期間を生じさせないようにさせるために現在は再任用制度で対応をしていると、こういうことでございます。この件については人事院の方は、定年年齢を引き上げてください、こういうふうな申出があったわけですけれども、再任用という格好で今対応していると。  今後、この雇用と年金の適切な接続について、果たして今のままの再任用でいっちゃうのか、あるいは定年をもう思い切って、先が分かっているわけですから、定年年齢をそれに合わせて引き上げるのか、この辺の方向についてまずはお伺いしたいと思います。
  152. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) 国家公務員の雇用と年金の接続につきましては、先月成立した国家公務員法等の一部を改正する法律の附則の第四十二条の規定におきまして、平成二十八年度までに、定年の段階的引上げ、再任用制度活用の拡大その他の措置を講ずることについて検討することになっているわけでございます。  政府としては、この規定と、さらに昨年三月の雇用と年金の接続に関する閣議決定を踏まえて、民間高齢者雇用の動向、再任用制度活用状況等を勘案して雇用と年金の接続の在り方について検討していくと、こういうことでございます。  なお、この事務はあした新設される内閣人事局に引き継がれて、同局において適切に対応がなされていくと、このように考えております。
  153. 主濱了

    ○主濱了君 分かりました。方向性は出ていない、これから検討する、あした引き継ぐと、こういう状況、よく分かりました。  やむを得ないんですけれども、とにかく年金の支給年齢はどんどんどんどん後退をしていく、公務員も無年金時代が生ずる可能性がある、これはきちっと対応する必要があるというふうに思います。  この問題につきましては、国家公務員だけではなくて地方公務員にも同じことが言えるわけであります。地方公務員の方は、地公法の二十八条の四などの規定によりまして定年退職者等を再任用することができることになっておりますが、既に状況は同じで、定年年齢を支給年齢の方が上回っていると、こういう状況なわけですが、地方公共団体においてこの雇用と年金の適切な接続について支障を来してはいないでしょうね。この点を確認をさせていただきたいと思います。
  154. 関口昌一

    ○副大臣関口昌一君) まだ検討状況ということでありますが、雇用と年金の接続はしっかり対応するということで、各地方自治体においても、公共団体においてもしっかり対応していただいているという今認識を得ております。  そして、大事なことは、昨年三月、副大臣通知が、出させていただいて、地方公務員の雇用と年金の接続についての通知を出して、任命権者は、公的年金の支給開始までの間、当該職員を再任用するものとすることなどを内容とする助言を行ってきたところであります。そして、全国の六ブロックの会議とか人事委員会の事務局長会議、さらに全国人事担当課長・市町村担当課長会議等を通じて、この会議を通じて雇用と年金の接続の必要性を説明して、再任用による接続の実施を要請したところでございまして、今後も地方公共団体に積極的に説明と助言を努めてまいりたいと思っております。
  155. 主濱了

    ○主濱了君 ありがとうございます。  確認ですが、今の部分は、この地方公務員の部分はこの総務委員会に残ると、こういうことでよろしいですよね。──いや、いいです。ありがとうございます。  では、今度は地方分権改革について伺いたいと思います。  総務省として取り組むべき課題の一つに国、地方を通じた財政健全化と、それからもう一つあるんですよ、地方分権改革の推進、これを掲げているところであります。  日本が元気になるためには私もやはり地方全体が元気にならないといけないと、このように思っている一人であります。地方分権改革の推進のために最も必要な政策、これは一つ挙げるとすれば、一つでも二つでもよろしいんですけれども、挙げるとすれば何と考えているか、これは総務大臣にお伺いをいたしたいと思います。
  156. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) 私は、人口減少少子高齢化社会、これの解決、克服のためには、もう地域の活性化、これが最大必要であると。そのために、あらゆる規制緩和、また分権の推進、さらにはICT、電子化、こういったものを取り入れていきたいと、このように思っておりますし、これは広域の連携なりそれぞれの地域取組というものを重要にしなければいけないと。したがって、私は、今回のこの分権改革推進の中で、これまでの取組に加えて、住民の発意と多様性をもっと取り上げていこう、そしてそれは地方自らの取組を更に促進をしていただく、そのために国がいろいろな御支援をさせていただこう、こういう政策を取りたいと、このように考えているわけでございます。
  157. 主濱了

    ○主濱了君 まさにそのとおりだと私も思います。これについてはまた後で質問をさせていただきます。  地方分権を進める上で、地方公共団体の財政上の自立、これも考えなければいけないというふうに思うわけですが、この財政上の自立、これをどのように確保をしていこうと考えておられるのか、これについて伺いたいと思います。
  158. 関口昌一

    ○副大臣関口昌一君) 地方分権の、先生が自立という話が出てまいりました。これ一番大事なことは、地方税の一般財源を充実させることだと思っております。  とにかく今年は新藤大臣も頑張っていただきまして、地方の一般財源の総額六十・四兆円、過去最高の水準を確保することができたわけであります。そして、まず地方税を充実させるということ、そして地方交付税の機能をより発揮できるように総額も確保していく、あわせて地方の一般財源の総額をしっかりと確保していくことが一番大事になってくるかと思っております。
  159. 主濱了

    ○主濱了君 ありがとうございます。  地財計画上の税収のところについてはこの間議論して、これは折り合いが付かなかったというところで、是非とも、地財計画上の税収、特に法人税関係の税収についてはしっかりと頑張っていただきたいなというふうに思っております。そうじゃないと穴空きますよね。地財計画に穴空いちゃうと、そういうことなので、是非とも頑張っていただきたいというふうに思います。  それで、今、関口大臣からお話がありましたけれども、地方公共団体の財政上の自立を考えるに当たっては地方税の充実によることがこれは基本であります。ただ、全ての地方公共団体の財政需要を満たす、要するに横断的な、全国横断的な税源というものがあるであろうか、こういう問題ですよ。これがないがゆえに今非常に苦労されているんじゃないかなというふうに思いますが、諸外国の例も含めまして、この辺についてお考えをお示しをいただきたいと思います。
  160. 米田耕一郎

    政府参考人米田耕一郎君) 今御質問のございました地方税でございますけれども、御承知のとおり、地方税の特徴というのは課税対象が所在する地方団体が課税をするということでございます。したがいまして、課税対象が地域的に偏在をいたしますと、必然的に地方税収というのも地域的な偏在というのが出てまいります。  例えば、法人課税でございますと法人所得、法人の活動、それから固定資産税でございますと土地建物などの固定資産、消費税、地方消費税で申しますと消費がどこで行われたかというような、課税の対象の偏在というのはどうしても出てまいります。  特に、日本の場合ですと、この課税対象の基礎となっております経済活動の状況がかなり地域的な偏在が大きい、地方と都市との偏在がかなり大きいといったことで、やはり大きな地方税の税収の偏在という問題が出てきているのではないかというふうに考えているところでございます。  そういう意味でも、できるだけ今も申し上げました課税対象の偏在が少ないような税、例えば地方消費税でございますと一人当たりの都道府県ごとの税収額の最大と最小の格差が一・八倍ということで比較的少ないわけでございますので、このような税を充実させていくということが重要かというふうに思っております。  一方、御質問のございました諸外国でございますけれども、諸外国、地方団体の担う役割の大きさが国によって異なっておりますので、これに応じまして地方税の制度も様々でございますから一概には申せませんけれども、例えば地方の財政規模が比較的大きなスウェーデン見ますと、地方税収のほとんどは個人所得課税が占めております。一方で、地方の財政規模が比較的小さなイギリスでは、地方税収の全てを居住用資産に対するカウンシルタックスが占めております。日本でいいます居住用資産に対する固定資産税と住民税が合わさったような制度かと思います。同様に、フランスにおきましては、固定資産税とか外形標準課税である国土経済税といったものが地方税収の大半を占めているということで、それぞれ税収も各国によって違うわけでございますけれども、いずれの国におきましても、税収だけでその地方の財政需要を全て賄うということはできない、交付金や補助金等の中央政府からの財政移転によって地方の財政運営というのが行われているということだろうというふうに承知しております。
  161. 主濱了

    ○主濱了君 ありがとうございます。いろいろ新しい情報をいただきまして、本当にありがとうございます。  昨年来、当委員会で新藤大臣と一括交付金についていろいろ議論をさせていただきました。問題は、ここには首長さん、知事さんも、それから市町村長さんもいらっしゃいますけれども、地方団体において縦割りの省庁にどう対応するかというのが一つの大きな課題であるというふうに思っております。この省庁縦割りの例えば補助金とか交付金であるとか、そういうふうなものを解決する一つの策が一括交付金であるというふうに思っております。少なくても、一括交付金でなくても、省庁縦割りの弊害をなくした補助金ですね、そういうふうなものが必要ではないかなというふうに思っております。  総務大臣は、各団体の使い勝手が悪いから、これはその評価に基づいてやめたと、こういうことなんですが、一方において、この交付金と同じ手続を踏んでいるものとしては復興交付金、今ある復興交付金、これは復興庁を窓口にしてやっているものです。それから、沖縄一括交付金というのもあります。これも一本化して沖縄で、これ、自由に使えるような交付金が実際にあるんです。これが評判がいいわけであります。  いずれ、省庁の枠を超えた事業推進を進めるべきである。そして、これを今進めているのは実は総務省だけなんですよ。総務省がこれを真剣になって考えている。あとは、逆の、ほかの省庁は、もう自分の方に取り込もうと、こういうふうなことを考えている。このような問題意識から、この一括交付金の復活、あるいは、一括交付金という名前は使わなくていいです、とにかく各省庁の枠を超えた交付金の創設、この辺について改めて大臣の御意見を伺いたいと思います。
  162. 新藤義孝

    ○国務大臣(新藤義孝君) 私は、是非これは、言葉ではなくて、実際の手続としてどうなっているかということを着目いただきたいと思うんです。  私がこの自主戦略交付金を廃止いたしましたのは、それは確かに窓口は内閣府なんです。一括で受けるんですけど、その後から、内閣府へまず事業実施計画を出した後に、そこから各省庁にもう一回申請し直すんですよ。ですから、申請二回やっているわけなんです。かつ、実際のお金は各省から出ているんですよ。ですから、それで手続がこれはかえって面倒になっていると。  ですから、そういったものを、まず、もっと、そもそも仕事を大くくり化しようじゃないかと。同じ交付金においても、同様のものは、これ、県と市町村で分かれちゃっているものもあります。ですから、そういった制度を整理して、私は自主戦略交付金を発展的に解消して今のような制度にさせていただいていると。精神は、横串を刺す、そして省庁の縦割りの弊害をなくして全政府的にそういった支援をできるようにしようではないかと。この精神は何ら変えておりません。  それから、私は、その中で、今回地域のプラットフォームという仕組みを新たに提案をし、今これは内閣全体でやらせていただいております。これは各省が予算を持ち寄って、どの町にどんな仕事がどこの省でやっているか、それの情報交換をしながら、じゃ、もっとここをやろう、集中化、複合化、総合化、こういったものができるような仕組みを今年度から始めておるわけでありまして、まさに自治体にとって使い勝手のいい、また国として最大限支援をできるような、そういう制度の構築はしていきたいと、このように考えております。
  163. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 時間が参っております。
  164. 主濱了

    ○主濱了君 一言だけ。  実は、岩手県で七つの玄関がある複合施設というのがあったんですよ。これ、七年前に私取り上げたらば、岩手県に質問が殺到して、何だ何だと、こういうふうなことになった。一つ一つの補助金を集めて七つの補助金をやって複合施設を造った、全て玄関を設けよう、こういうふうなことになるわけですよ。結局そうなんですよね。  ですから、そういうふうな施設にならないように、要するに各省庁の縦割り、あるいは同じ省庁でも局の縦割りもあります。そういうふうなものを超えた補助金あるいは交付金、これを考えていただきたい。是非、これは省庁縦割りの弊害を廃した予算措置をしていただくことをお願いをいたしまして、終わります。  ありがとうございました。
  165. 山本香苗

    委員長山本香苗君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時一分散会