○平野達男君 平野達男でございます。
冒頭、今朝ほど
鶴保議員から公共施設のストックマネジメントに関連してのちょっとお話がありましたので、私からも一つ要望というか、意見として申し上げたいというふうに思いますけれども。
日本は、もうとっくに公共施設かなり積み上がった部分のその更新の時代にもう入っていると思います。これからどれぐらいのその更新費用が必要かということは、これからの公共投資計画を作る上においても、財政計画の運営をする上においても非常に重要な話なんだろうと思います。
中には、例えば公共下水道、流域下水道みたいに、昭和三十年代、四十年代頃にどんと突然富山平野のど真ん中に大きな大きな流域下水道の本管を造って、いまだにまだつなぎ込みが十分でなくて赤字経営に悩んでいるところもある。だけど、それがそのままそっくりいずれどこかで更新、維持しなくちゃならないというような話もありますし、それはそれとして、そもそもこの狭い
日本の中に高速道路造って、新幹線造って、飛行場造って、そして、今これから人口減少社会に入っていくという中で本当にメンテナンスができるのかどうかという本当に重要な問題があるんだろうと思います。この点につきましては、私も
財政金融委員会と
予算委員会の中で何度か取り上げてきました。
国交省が、将来の今のストックの試算はどれだけの額になっているか、つまり再建するのに置き換えようとすればどれだけの額かなんというのは、こんなの簡単に計算できます。彼らはそのプロだから。それをどうやって維持管理してメンテナンスしようかということに対して、例えば三十年、四十年計画でやろうと思ったらできないわけないんですね。ただ、一つ勘ぐりますと、彼らは非常にその更新事業とメンテナンスに金が掛かるということを出すことを嫌がっているかもしれないんです。それをやってしまいますと、今の新規投資が抑制される可能性があるから。でも、そこは勘ぐりです。今日は
国交省いないから、反論の機会がないから余り言いたくないですけどね。
でも、そこのところはやっぱりしっかり出していかないと、これからの要するに公共投資幾ら掛かるか。特に
日本は災害列島ですから、強靱化そのものの考え方に私は反対をいたしませんけれども、今までやってきた公共投資のメンテナンスをどうやってやっていくかということについては、これは相当やっぱりきっちり検討して、これからの財政運営の指標として持っておくということは大事ではないかなというふうに思います。
一つ余談になりますけれども、JR東
日本が、いわゆるローカル線が一旦災害ができますと、その復旧にかなりちゅうちょするようになっています。奥只見線なんかそうですね。これは三年前の新潟、福島の豪雨で奥只見線がかなりずたずたになってしまいました。あるところまで復旧するんですけれども、もう金がもうからないからもう今どうするかということでやめようとしています。それから、東
日本大震災で三陸の沿岸の、これはもう
愛知副
大臣はよく御存じのとおりなんですけれども、沿岸のいわゆるローカル線がずたずたに寸断されました。一部は復旧しますけれども、一部はBRTでやるからまだこれはいいんですが、今岩手県では山田線が何とか鉄路の復旧ということで話は付きつつあるんですけれども、経営を全部第三セクターに預けたがっているということで、今やり取りをしています。
何を言いたいかというと、こうやって人が少なくなって、
利用客が少なくなっていけば、JR東
日本さんなんかは全体のそのストックマネジメントの中で、何というか、できないところはできないということで、これは民間会社だからある程度、しようがないとは言いたくないんですけれども、しようがないというところはあるんですが、いずれこれは、縮図は、
日本全体としては、公共投資全体としてはそういうことになってくるんだろうということでありますから、
国交省もストックマネジメントの
審議会とか
審査会なんかつくっていろいろと検討をしていると思いますけれども、ここの問題はしっかりやっていく必要があるのではないかなというふうに思います。これは要望として申し上げておきます。これが一点目です。
二点目は、ちょっと本題なんですけれども、中長期の経済財政に関する試算、今年も、毎年これ出ていますが、これは
消費税八%、一〇%に上げるという前提で試算をされておりますが、これは、私いつも思うんですけれども、西暦二三年度とか、十年後のことまで一応試算としてずっと一覧表としてここに出してきます。
これを見てみますと、何となくすっと受け取ってしまうんですけれども、この中で非常に大事なことで注意しなくちゃならないのは、これは前からずっと私も言っているんですけれども、国債の発行残高がどんどん増えているということなんですね。この中でも、経済再生ケースの中であっても、そうでない、どちらかというと慎重型でやったケースでも、どちらでもとにかく国債発行残高はどんどん増えていく。来年度の
予算は四十一兆ということでありますから、このペースで、仮に少しぐらい下がったとしても国債発行残高は増えていく。経済再生ケースではGDPに対する比率は下がっていきますけれども、いずれどんどんどんどん増えていくということでありまして、この中で気になるのは、やっぱり金利はどうなるんだろうかという話であります。
今、日銀が事実上のオペレーションみたいなことをやっていますから、そういうこともあって国債の長期金利というのはずっと低いという状況になっておりますが、いつこの金利が暴れ出すかということが分からないわけですね。この表の中でこれを見たときに、どこかで金利がぽんと上がってしまいますと、一気にこの表のバランスが崩れてきますし、財政の見通しのそこで大きな修正をせざるを得ないということだと思います。
前にグリーンスパンさんのちょっとお話をしまして、二〇〇八年の秋の、九月の十六日でしたか十五日でしたか、あのリーマン・ショックが突然来るわけですけれども、その前にグリーンスパンさんは、その回顧録の中でこういうことを言っているんですね。当時の米国連銀の複雑な予測システムは世界経済における重要なリスクを予見しなかったと。それから、IMFモデルというのがありまして、二〇〇七年の春、世界経済のリスクは低下した、米国経済は全体は堅調だと言っていたというんです。
それから、JPモルガンさんが、まあ今ここは余り信用なくなったかもしれませんけれども、米国のGDP成長率は二〇〇九年前半には加速されるだろうという、あの当時はかなり楽観的な見通しに立っていたわけで、中には、連銀のイエレンさんなんかは当時から、サブプライムローンは問題だし、世界からこんな資金が集まってくれば、どこかでバブルみたいなのがはじけるみたいなことは警告していたようですけれども、問題は、いつ起こるかというのが分からなかった。
だから、これの、グリーンスパンさんの問題はある程度の予告はあったんだけど、いつその危機が起こるか分からないという構図は、前にもこの
財政金融委員会でも申し上げましたけれども、こうやってマグマのようにたまっていく、何というんでしょうか、全体の国債の残高がいつ破裂するか分からないんだというリスクを抱えているんだということを、私どもはもっともっとやっぱり真剣に考える必要があるんだろうと思います。
マグマと言いましたけれども、火山、私、随分今回
予算委員会で火山の話をやりましたけれども、火山の噴火予知というのは更に難しいんです。地下にマグマがたまっていてもマグマの量がなかなか見えないということもありますから。だけど、これだけの表ができて、一千兆を超えて一千百だとか一千二百兆とか、毎年毎年
予算組んでいて、そのマグマの量を例えればもう見えているわけですよ。で、何か起こるだろうと。これで起こらない方がおかしいですよね。これで起こらなかったら、要するにもう財政法の、先ほど財政法の話ありましたけど、財政法の趣旨も何ももう吹っ飛んでしまいますから、こんなものでいいということであれば。
だから、この問題について経済財政試算、この試算の表につきましては、実は私が
内閣府の副
大臣のときもこれを
担当しましたから余りでかいことを言えないんですけれども、こんなものをしゃあしゃあとして出すんだったら、注書きで、なお金利変動のリスクについては、何か書けないかどうかと言ったんですが、
政府の方で金利リスクありますなんということは言えないから、書けないということになったんですが、いずれ心の問題としてそういう問題を持っておかなくちゃならないということで、延々と演説になってしまいまして、時間となりましたので
麻生大臣、簡単で結構でございますからコメントをいただいて、
質問を終わらせていただきたいと思います。