○河野義博君 公明党の河野義博でございます。
自公政権に戻りまして一年半がたちました。
アベノミクスという言葉ももう耳慣れた言葉でございますけれども、今一旦立ち止まってその効果を検証して、そして三本目の
成長戦略をどういうふうに結び付けていくのかということを改めて
考える時期だと思っておりますので、私なりの
考えを述べさせていただきたいと思っております。
まず、一本目の矢でございますが、
金融緩和政策、これは金融機関のポートフォリオ・リバランスを行う、また貸出しを増やしていこう、そういった意図もございましたけれども、残念ながらその効果は乏しかった。
銀行から
国債を買い上げてリスク性商品に転換をさせようとしましたが、それはまだうまくいっていない。また、貸出しも御存じのとおり残高というのは余り期待したほど増えていない。
一方で、じゃ何の効果が大きかったかというと、やっぱり私はマインドを変えたということが
最大の効果だったと思います。二十年間続いてきたこの
デフレのマインドを、この
アベノミクスという強力なメッセージと異次元の
金融緩和によって
国民のマインドを変えた、そのことによって
景気回復の筋道を示したということに関しては非常に大きな意義があったんだろうと思っております。
二本目の矢ですが、言うまでもなく、
財政出動が指標を変えたという面で大きく寄与をしておりまして、
アベノミクスの現象を見てみますと、実態はこの
財政出動に尽きるといったのが現時点での効果だと思います。
ここまでは言うまでもございませんので、私が今後力を入れて
皆さんとともに取り組んでいく
成長戦略をどう描いていくかということだと思っております。
私は、三点大切なポイントがあろうかと思います。
財政再建のためにも、
人口減少社会に立ち向かっていきながら
経済成長させるという非常に困難な命題を私ども国
会議員は与えられております。他国に類の見ないこの険しい山ですけれども、それを克服していくために三点私申し上げたいんですけれども、まずは実態把握をできるような当たり前の公会計を導入していくことだと思っております。
国と
地方の
借金が一千兆円になったとみんな騒いでおります。私も危機感は非常に覚えておりますけれども、一方で、国の資産が幾らあるのか、国と
地方を合わせたら幾ら資産があるのかというのは誰も把握ができておりません。言うまでもなく、現金主義の会計を導入して単年度会計を行っております。複式簿記を導入せずに管理会計もやっていない。
企業では当たり前のことをやっているはずなのに、大切な税金を使って
事業をやっておりますけれども、その効果というのが見える
状況にはなっていない、
財政の見える化というのが全くできていない。私、
銀行員をやっておりまして貸出先のリストラも協力してまいりましたけれども、リストラが必要な会社というのは、往々にして財務
状況の把握が正しくできていないという会社がたくさん多うございました。その
状況に非常に酷似している。
まずはしっかりと、
日本の
財政がどういうものなのかというのを
国民全員が分かるように
財政を見える化していくということは急務なことだと思っております。
二つ目に、この
成長戦略にどこに光を当てていくかという点だと思います。確かに、大
企業、
日本に本社を置くグローバル
企業を後押ししていく、そういった観点が重要であるというのは私は否定をしませんし、指標を上げるには大
企業の業績を上げるというのが一番でございますので、これに取り組んでいくことは否定はいたしませんし、やっていくべきことだと思います。
しかしながら、大切なことは何かと申しますと、私、比例の議員でございまして、九州と沖縄、八県担当させていただいております。毎週いろんなところに行かせていただいておりますが、この
景気回復の波というのは残念ながら九州、沖縄でごく一部の大都会にしかやってきておりません。どこに行っても、
地方に行けば、
アベノミクスなんて来ていない、給料上がらない、
消費税上がって大変だ、そういう声しか聞かれないし、私ども国
会議員一人一人が本当に
地方の
国民生活に耳を傾けて、耳をそばだてていくということが大事かと思っております。
他の
委員の御
発言にもございましたが、そういった観点から申しますと、
中小企業に光を当てていく、
中小企業と申しましても、会社法の定義は資本金一億円以下という私からすれば大
企業でございますので、資本金一千万に満たないような小さな会社、私たちがイメージするような
中小企業、むしろ小規模
事業者に光を当てていくということが大事だと思っております。
もう一つは、
地方に光を当てていくこと、また女性に光を当てる、若者に光を当てる、そして高齢者に光を当てていく、他の
委員の御
発言にもありましたのでこの重要性に関しては割愛をさせていただきたいと思っております。
最後に、大切なことは私は何といっても
教育だと
考えております。公明党は若い議員が多うございますが、その中でも私、三番目に若い議員でございまして、学生局の次長を仰せ付かっております。公明党は五年前に学生局を立ち上げまして、昨年、体制を変更しまして更に強化をしております。
地方の学生の生の声に耳を傾け、毎月、学生懇談会を実施をしております。古くは教科書の無償配付から、最近では無利子の奨学
制度の創設や給付型奨学金の創設に取り組んでまいりましたけれども、やはり、
教育改革こそ時間が掛かることでございますので、しっかりと子供たちの貧困の連鎖を断ち切って、子供たちがグローバル
社会で活躍できるような
教育に取り組んでいきたい、そんな思いを持っております。
以上の三点のポイント、これを私、胸に刻んで今後とも取り組んでまいりたいという決意表明でございますが、簡単ですが終わらせていただきたいと思います。