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2014-04-01 第186回国会 参議院 厚生労働委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十六年四月一日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      石橋 通宏君     小西 洋之君  三月二十八日     辞任         補欠選任      礒崎 哲史君     西村まさみ君      東   徹君     片山虎之助君      吉田 忠智君     福島みずほ君  三月三十一日     辞任         補欠選任      木村 義雄君     柘植 芳文君      西村まさみ君     林 久美子君      片山虎之助君     東   徹君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石井みどり君     理 事                 高階恵美子君                 古川 俊治君                三原じゅん子君                 津田弥太郎君                 長沢 広明君     委 員                 赤石 清美君                 大家 敏志君                 大沼みずほ君                 島村  大君                 滝沢  求君                 武見 敬三君                 柘植 芳文君                 羽生田 俊君                 足立 信也君                 相原久美子君                 小西 洋之君                 林 久美子君                 森本 真治君                 浜田 昌良君                薬師寺みちよ君                 山口 和之君                 小池  晃君                 東   徹君                 福島みずほ君        発議者     薬師寺みちよ君    国務大臣        厚生労働大臣   田村 憲久君    副大臣        厚生労働大臣  佐藤 茂樹君        厚生労働大臣  土屋 品子君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       高鳥 修一君        厚生労働大臣政        務官       赤石 清美君    事務局側        常任委員会専門        員        小林  仁君    政府参考人        内閣大臣官房        審議官      安田 貴彦君        内閣規制改革        推進室長     滝本 純生君        内閣地域活性        化推進室長代理  富屋誠一郎君        内閣男女共同        参画局長     佐村 知子君        文部科学大臣官        房審議官     義本 博司君        厚生労働大臣官        房総括審議官   生田 正之君        厚生労働省医政        局長       原  徳壽君        厚生労働省健康        局長       佐藤 敏信君        厚生労働省職業        安定局雇用開発        部長       内田 俊彦君        厚生労働省雇用        均等・児童家庭        局長       石井 淳子君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    蒲原 基道君        厚生労働省老健        局長       原  勝則君        厚生労働省保険        局長       木倉 敬之君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○社会保障及び労働問題等に関する調査  (ベビーシッターに係る取組在り方に関する  件)  (失語症患者実態把握と今後の支援策に関す  る件)  (特別養護老人ホームにおけるリハビリテーシ  ョンの在り方とその充実のための体制整備に関  する件)  (原爆症認定基準及び認定の見直しの必要性に  関する件)  (保険外併用療養在り方に係る規制改革会議  の提案に関する件)  (厚生労働省の締結する契約透明性確保に関  する件)  (不妊治療に対する公費助成に係る年齢制限に  関する件) ○労働安全衛生法の一部を改正する法律案内閣  提出) ○労働安全衛生法の一部を改正する法律案(薬師  寺みちよ君外一名発議)     ─────────────
  2. 石井みどり

    委員長石井みどり君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、石橋通宏君、礒崎哲史君、吉田忠智君及び木村義雄君が委員辞任され、その補欠として小西洋之君、福島みずほ君、柘植芳文君及び林久美子君が選任されました。     ─────────────
  3. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長原徳壽君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 林久美子

    林久美子君 おはようございます。民主党林久美子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  田村大臣には初めて質問をさせていただきますが、田村大臣はかねてから保育問題に非常に熱心に取り組んでおられまして、民主党政権時代にも、子ども子育て制度、当時は子ども子育て新システムとかいう呼び方もしていましたが、その三党協議実務者としても調整に当たっていただいて、子ども子育て関連三法案の成立にも大変御尽力をいただきました。  私も、文部科学大臣政務官のときに、大臣もとても親しくしていただいていますが、小宮山洋子厚生労働大臣と一緒にこの子ども子育て制度ワーキングチーム検討会議などに参加をして、この新しい制度を、まさに次の世代を担っていく子供たちをしっかりと育んでいく制度をつくっていこうということで取り組まさせていただきました。  当時、振り返ると、様々なステークホルダーの方が会議参加をしていらっしゃいまして、それぞれにやはり子供のことを考えてはいるんですけれども、やはり背負っているものがいろいろあって、非常に議論も難しい中でスタートいたしました。今日は、役所の方も当時のメンバーの方も後ろに控えていらっしゃいますけれども、そうした意味では、本当に途中、これまとまるのかなと思うぐらいに議論は厳しかった。それを常に、いや、いろんな御意見はあるけれども、まずは子供たちにとって何が最善の利益なのかという原点に立ち返りましょうと言いながら、議論しては原点に戻り、議論しては原点に戻りということで積み重ねてきたわけでございます。  待機児童の問題はもちろん、幼稚園と保育所の一体化や学童保育の改善あるいは小規模保育所への支援、さらには質、量の拡充をまさに実現するための内容で、私は、非常にこの子ども子育て制度が成立したことをうれしく思っているし、来年四月からいよいよ本格的に始まるということで大変に期待もしているところでもございます。  しかし、それを前にして、今回本当に痛ましい事件が発生をいたしました。ベビーシッターを名のる男に預けられた横浜市磯子区の兄弟のうち、二歳の男の子が亡くなってしまったと。私も息子がおりまして、今度、小学校新六年生になるんですけれども、二歳のときどうだったかなと思うと、やっぱりママママママママと、寝ても覚めてもママママで、本当にだっこすると丸くて柔らかくて温かくて、そういう二歳の男の子が一体どんな気持ちで最期のときを迎えたんだろうかと思うと本当に胸を締め付けられる思いです。  今回はインターネットベビーシッターマッチングサイトを使って両者が知り合ったというか子供を託す形になったやに報道されていますけれども、当時、子ども子育て制度議論をしているときにはこういったことが起きるなんていうことを本当に想像もしていなかったといいますか、非常に現実のこのインターネット社会というのは我々の想像を絶するスピードで拡大をしていると、その中に子供たちも巻き込まれているということなんだと思います。  そういう今回の事件を受けて、世の中にはお母さんの責任を追及する声というのがありますけれども、親の責任と同時に、やっぱりこういうインターネットマッチングサイトを利用せざるを得ない人たちがいるんだということをやっぱり政治はしっかりと受け止めなくてはいけないんだというふうに思います。今回の事件を教訓に、こうしたことがもう二度と繰り返されないように、そういう思いでちょっと今日は大臣質問をさせていただきたいと思います。  まずは、大臣、今回の事件についてどんなふうに感じていらっしゃるのか、お聞かせいただければと思います。
  7. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 私も、大変この痛ましい事件、お亡くなりになられましたお子さんには心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。  今委員おっしゃられましたとおり、いろんなことを言われる方がおられますが、しかし、実態として、このサービスをやはり受けざるを得ない、そういう実態があるわけであります。それはいろんな側面があると思いますが、しかし実際問題、子供がそれによって命を落とすという状況が生まれたわけでありますけれども、そういう環境があるということをどのような形で国として対応していくか、これは大変重要なポイントであると思います。  特に、このインターネットというものを使う場合、一つは、そのサービス事業者、今回の場合、個人でありますけれども、名前、住所、これが分からない。さらには、ベビーシッターといいながら、自宅の方に来たわけではなくて、どちらかというとこれは逆に預かっているというような形でございますから、その預かっている場所も分からなかったという状況があるわけでありますし、あわせて、資格があるのかどうかもよく分からない。更に申し上げれば、情報提供すら本当かどうか分からないと。  今回の場合もうそがあったわけでありますね、以前使って、この方はということで違う人をと思っておったら、違うようなニックネームで登録しておったということでありますから、そういう意味では、インターネットを介した仲介というものの秘匿性みたいなものがあるわけであって、これをどうするかということをやはり考えていかなきゃならぬわけであります。  一方で、いろんな規制を強めるという方法もありますが、規制を強めた結果、実際、利用される方々がそれによって費用が大幅に増えるというような形でサービスが受けられないというのも、これまた一つ問題もあるわけであって、そういう部分をいろいろと勘案しながら、どのような形で対応していくか。  今ちょうど類似の形態サービスに対する実態調査を始めております。この実態調査の結果を踏まえながら、規制をするための必要性等々を勘案してこれは検討してまいらなければならないと、このように考えております。
  8. 林久美子

    林久美子君 今回の事件から浮かび上がる私自身の問題点は、実は四つあります。  一つは、この子ども子育て制度で今回のような事件が防げるようになるのかということが一つ二つ目は、やはり、とはいっても保育ニーズ緊急性多様性、これにいかに迅速に対応していくのかということです。三つ目は、今大臣おっしゃいましたけれども、低所得者対策です。そして四つ目は、冒頭申し上げましたが、急激に拡大し続けるインターネットのこうしたサイトにどう対応するのかということです。  時間も限られておりますので順次テンポよくお伺いしたいと思いますが、まず一点目の、今回の事件のようなことが子ども子育て制度で防げるのかどうかということですが、恐らく今回は新制度の中の一時預かりの訪問型のような感じになるのかなと。実際、今回の事件は、私は認可外保育所形態だと思っていますが、ただ、ベビーシッターということであるとするならば、一時預かりの訪問型になるのかなというふうに思いますが、しかしながら、これは確かに保育必要性認定を受けない子供たちが、過疎地障害児等も含めて、対応できる体制訪問事業できちっとつくってやっていこうということではあるんですが、これはあくまでも事業実施主体市町村なんですよね。  確かに、自治体の自主性というのは大事だし、それを尊重してしっかりと地域の需給バランス見てもらおうということでこういう仕組みにしてはいるんですけれども、果たして新制度で今回のような事件を防げるとお考えでしょうか。
  9. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 今般のことに関しましては、留意点等々、注意喚起もさせていただいたわけでありますし、インターネットサイト運営者にもその留意点を載せていただくような要請もさせていただいておるわけでありますけれども、今お聞きになられた点からいたしますと、一つは、地域型給付事業の中の居宅訪問型の保育事業という形、これは、例えば一人親の夜間というような形、それから障害児お子さん、こういうような方々に対して対応する事業は、これは二分の一補助地域給付型でもあるわけでありますが、限られておるわけであります。  今委員がおっしゃられた意味からいたしますと、一時預かり事業、それからあと子育て短期支援事業、これは夜間の要するに宿泊等々を含んでおるわけであります。こういうもので、言われたとおり、地域子ども子育て支援事業一つでありますから、市町村主体になって、今考えておりますのは補助率も三分の一ぐらいであるわけであります。  当然のごとくこれは義務的経費ではございませんので、そういう意味では予算の規模もあるわけでございますから、そういう意味でこれが全て今言われたようなベビーシッター問題、今般のベビーシッター問題に対応できるかというと、地域によってもかなり量は違うわけでありますから、それ全て需要といいますかニーズに対応できるかというと、なかなかそうじゃない部分もあるのではないかということも予測できるわけでありまして、そういう意味では、認可外というものに対してもどう対応していくかということはやはり検討していかなきゃならぬ課題であるというふうに考えております。
  10. 林久美子

    林久美子君 認可外への支援在り方も確かに課題でありますし、今ほどお話がありました居宅訪問型保育、でも、これは保育認定が必要なんですよね。だから、急遽のときにどれだけ対応できるかというと、これはやっぱりなかなか私は難しいんじゃないかなと思います。  私事で恐縮ですけれども、私も、まだ子供息子が三歳ぐらいのときに、この仕事をしていましたので私の実母に結構いろいろ助けてもらっていたんですね。その母ががんになって入院をして、結構長期にわたって入院をして、当然子供保育所にも入れなくて、ベビーシッターさんをお願いしたことがありました。そのときに、やっぱりシッターさんと子供の相性ってあって、うちの息子はもう当時三歳でしたから、最初の人とは合わなくて、泣いて電話掛かってきたんです、ママと言って。三人目ぐらいで割と合う方が見付かったんですね。ただ、単発でのお願いなので、毎回その方に助けてもらえるとも限らないし、非常に難しいと。  私、使ってみて思うのは、じゃ、ベビーシッターさんにお願いするから、その都度、例えば保育士資格を見せてくださいとか、どういうキャリアがあるか確認をさせてくださいとかという余裕はほとんどない。もうとにかく優しく扱ってくれて、安全に子供の面倒を私が帰るまでの間見てくれる、そういう人であれば、もうわらにもすがる思いでやっぱりお願いをするわけなんですね。  そういうことを思うと、やはりこのベビーシッターには、保育とかいろんな形態があるけれども、一定ニーズがやはりあるんだと思います。一つ保育形態として大事なんだと思います。にもかかわらず、現在の状況では、ベビーシッターには公的な資格行政への届出義務はないと、誰でも名のってしまえばベビーシッターになれてしまうと。  そういう意味において、二つ目問題意識なんですが、この緊急性多様性に対応していくという意味では、ベビーシッターというものを一定しっかりと位置付ける必要があるのではないかと。とすれば、ベビーシッター資格の創設や、一定行政の関与もやはり必要かと思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
  11. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 現在でいいますと、全国保育サービス協会ベビーシッター協会とよく言われておりますけれども、ここの研修事業、これに国が一定補助をいたしております。  ベビーシッター資格というものをつくるかどうかというのはなかなか難しい問題でありまして、それによって、やはり学んでいろんな資格を取るために、もちろん研修等々はしていただきたい部分はあるんですけれども、余りハードルが上がりますと先ほど言ったような問題が起こってくるわけでありまして、それをどう考えるか。ただ一方で、子供たち安全性考えた場合に、やはり一定の知識は持っていただきたい、経験を持っていただきたいというのもあるわけでありまして、そこは非常に悩ましいところであります。  それから、国としてどう関与するか。今言われたように、認可外というふうな形なのか、それともベビーシッターという自宅に行って見るというような形態を捉えるのか、ちょっと捉え方によって違うんですけれども、今、要するに認可外に関しては五人という基準一つ設けながら、それより大きいところに関しましては都道府県に、これは児童福祉法にのっとって届出をしていただくという形になっております。でありますから、その届出ということも、今実態調査しておりますけれども、その必要性に応じては検討をしなければならないのかなということで、今いろいろとその点実態調査に入っておるわけでございまして、どういう形態で関与するかというのはこれからの検討の中においていろいろと議論をさせていただきたい、このように思っております。
  12. 林久美子

    林久美子君 ベビーシッターさんもやっぱり保育士さんと同じように、資格をつくっても、仮に、きちっとした待遇がないと、資格は持っているけどやらない人というのが多くなるんですよね。もう大臣よく御存じのように、保育所待機児童問題も、保育士さんはいっぱいいるんだけれども待遇が悪いからやってくれないわけですよ。施設が足りないから待機児童ということもあるけれども、一方で、保育士さんが来てくれないから本当はもっと人数見れるのに見れなくなって待機児童が起きているというやはり地域もあります。そうした意味では、待遇の問題と同時に、やっぱり私はこれ、資格をつくることで同時に一定待遇を付けていってより量の拡充を図っていくというのも一つの選択肢ではないかなと思うんですね。  大臣おっしゃったように、ベビーシッター資格認定制度全国保育サービス協会への支援も国がしていらっしゃいます。していらっしゃいますけれども、やはりこうした事件契機に、やはりその部分はもう少し手厚く、より手厚くしていただいて、もっとその辺の、質のいいベビーシッターさんが、国の資格とするかどうかは別ですけれども、認定資格を持っている方が増える取組をこれは是非していただきたいと思います。  あわせて、子供を預かる施設については届出制度検討すると今お話しいただきました。ちょっと先ほど申し上げましたが、私は、今回の事件認可外保育所のやはり形態でありましたので、五人以下のところは届けなくてもいい、だから一体どこで何がされているか分からない、どんな人が子供を見ているか分からないという状況がありますので、私もこれは広く届出制度に、是非今回のことを契機にかじを切っていただきたいというふうに思います。  今回の事件で、私もベビーシッターサイトというのをいろいろ見てみたんですね。大臣も御覧になっているかと思いますが。会員になるとシッターさんの顔が見えたり経歴も見えるというサイトもあれば、全くそうじゃなくて、何か顔も出ていない、経歴もよく分からないというような人たちシッターと名のって、子供さんの面倒を見ますと書いているようなところが実はいっぱいあるんですね。それでもそういうところを頼らざるを得ない人がやっぱりいると。  何でかというと、ちゃんとした資格を持った方たちに頼むと、やはり大きい企業が間に入るので、そこの研修費とか事務方経費とか管理費とかいろいろ入りますから、費用が上乗せをされていきます。一定所得がある人は使えるのかもしれませんけれども、シングルマザーの方とか、なかなか安定した仕事に就けていない方は、どうしてもそういう安いサイトに、直接契約だからどうしても安くできるわけですから、流れてしまうのではないかなと思います。  それで、三つ目問題意識の低所得者対策なんですね。質を担保すると、それだけ費用がかさむのは仕方がないと思います。でも、子供の命に関わる部分ですから、私はそれでいいんだと思います。それに対してどう政治支援をするかなんだろうということを考えると、これはフランスとかアメリカとかでも、海外でも一定導入をされていますが、こういう一定の質を保ったベビーシッターさんにお願いしたときには、その分は税額控除の対象にするんだという仕組みを導入している国って結構あるんですね。これ、大臣、御検討いただけないでしょうか。いかがですか。
  13. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) これ、今言われた部分に関して、例えば米、英、仏、独、スウェーデン、こういうところでどうかということは、今ちょっとまだ我々もしっかりと把握しておりませんので、これは調査をしなければならぬというふうに思っておりますが。  いずれにいたしましても、一月二十日、余り皆様方はよろしく思われておられない産業競争力会議というのがございまして、いつもここで怒られているんですけれども、ここで、やはりこのベビーシッター等々を利用する子育て、こういう方々支援として、利用した場合の税額控除みたいな形の一つ軽減策というもの、利用者負担軽減策、これ、いろいろと検討しろというような方向でございます。  それも踏まえてどういう方法があるのか、所得税に控除するのか何か、ちょっと検討しなきゃいけませんが、低所得者ですと実は税金も払っておられないという方々もおられるかも分かりませんから、これはなかなかどうするのがいいのかというのは問題があるわけであります。先ほど言いました地域子ども子育て支援事業の中ですと、これは一定程度公費が入るわけであります。ただ、先ほど言われたとおり、地方の負担もかなりあるわけでございますので、どのような制度設計にするのかも含めて、その点が問題があるわけでありますが、いずれにいたしましても、どういう在り方があるのか、これは検討をしてまいらなけりゃならぬというふうに思っております。
  14. 林久美子

    林久美子君 税額控除についても検討をいただけるということですが、取りあえずとして、まずは、例えば一定の質を保っているシッター会社を応援をして、そこのパイを増やしていくというのも、これまた一つのやり方なわけですね。例えば、妊婦健診なんかでしたら公費が入っていますから、私なんかの頃は何か券が付いていて、それを持っていくと返ってくるか、ただになるか、何かそんなのだったんですけれども、例えばバウチャー券みたいなものを付けてみるとか、実は余り質のいいところが知られていないとかいう問題もあるし、質がいいところは高くて使えないという問題をクリアしようと思うと、そういうところを育てながら、そういうところに誘導していく仕組みというのも一つあるのかなとも思いますので、税額控除と同時にバウチャーみたいなものも御検討いただければというふうに思います。  今、お金の話が出ました、財源の話が。子ども子育て制度は一・一兆円掛かると。今、残念ながら、現政権下では七千億しかめどが立っていないわけですね。私もいろいろお話を伺っていると、例えば地域子育て家庭に向けた活動を実施するための費用も、所要額は五十九億円なのに十八億程度しか確保できる見込みが立っていないと。あるいは、地域の教育・保育子育て支援の利用についての情報提供、相談、助言、関係機関との連絡調整をする利用者支援事業も三百四十二億円の所要額のうち百九十二億円しかめどが立っていないと伺っています。  昔のように、おじいちゃん、おばあちゃんがみんなそばにいて、地域社会がしっかりとあれば、こういうことって要らなかったんだと思うんですよ。逆に言えば、ベビーシッターだってこれほどまでにニーズが高くならなかったかもしれない。でも、今、残念ながら、産業構造を見ても都市部に企業が集中をする、あるいは核家族化が進んでいる、こういう中においてはもうしようがないわけですよ、しっかりと政治が支えるしか。やっぱり子供たちを、少子化だから子供を産んでもらおうという前に、生まれてきてくれた子供たちをやっぱりしっかりと育てることをしていかなくちゃいけない。であれば、当然この財源の確保は、それはもう何があっても行っていかなくては私はいけないんだというふうに思います。  この点について大臣の御見解をお伺いしたいというのが一点と、もう時間もありますので併せて伺いますが、今回のインターネット対策ということに関しては、インターネットを介した事業については完全に双方間の合意のみで今やってしまっていますけれども、何の基準もないままに契約が成立しているということを考えれば、手続とかに、これも規制の掛け方、なかなか難しいと思うんですが、一定の要件とか基準をやっぱりこれはしっかりと政治責任を持っていって、その辺りは枠組みをつくって掛けていく必要が私はあるのではないかと思いますので、この二点についての御答弁をお願いします。
  15. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 財源に関しては、これは三党で法律を作ったときからの課題でございまして、そういう意味では、七千億円は消費税の部分で対応できる、残り三千億円強どうするかということで、参議院の附帯決議の中でもお書きをいただいたわけであります。  昨年六月だったと思いますけれども、少子化社会対策会議、これ全閣僚出席の下でやりまして、その中で緊急提言をいたしました、緊急対策といいますか。その中において、この七千億円はこれはまあ当然でありますけれども、更に一兆円、つまり三千億円強、これを確保することを努めるというふうにしたわけでございまして、努めるじゃないかと言われるかも分かりませんが、しかし緊急対策という形でまとめたわけでございます。  我々としては、やはり一兆円強を確保するために、厚生労働省といたしましても最大限努力をいたしたいというふうに思っております。  あわせて、言うなればどういうふうな対応をするかでありますが、対応するためには当然のごとくまず実態調査をしなきゃならぬわけでありまして、どのような使われ方をしておるのかということも含めて今調査をいたしておりますので、それを調査した上で、どのような課題があるか、これを抽出いたしまして、それに対して今委員が言われたような観点も含めて対応できるべく、そのような方策を検討してまいりたい、このように考えております。
  16. 林久美子

    林久美子君 最後に、少しだけきついことを申し上げます。  財源確保のお話ありました。民主党政権時代は、当時、安住財務大臣が一兆円何とかするという答弁を一応しています、国会でしています。で、分かるんです、大変なのは、財務省と大変なんだろうなということはもうお察し申し上げます。しかし、この通常国会の冒頭で成立した補正予算ありますね、大臣。昨年秋の行政事業レビューで現政権が無駄だと判定した事業のうちの八割の三千六百億円が補正予算で復活をしています。私たちゾンビ予算と呼ばせていただいていましたが、この三千六百億円をそういうことに使うんだったら、こっちに振り向けた方が私はいいんだと思うんですね。だから、それは大変ないろんなパワーバランスの中で御苦労いただいていると思いますが、是非ここは大臣、闘っていただきたいということです。  それともう一つ実態調査をしっかりしてというお話いただきました。これ是非お願いしたい。ただ、昨日の状況で、このインターネット仲介業者を含めた実態把握のための調査というのは今後対応になっているんですよ、厚労省からいただいた資料では今後対応。今まだ着手していないんです。ですから、しっかりともうスピード感を持ってすぐに着手をしてもらって、今この瞬間も、ああいうシッターサイトを使って子供たちを託している人がいるかもしれませんので……
  17. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、質疑はおまとめください。
  18. 林久美子

    林久美子君 大臣、くれぐれもよろしくお願いいたします。  以上、終わります。
  19. 小西洋之

    小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。  本日は、失語症という疾患をめぐる医療、介護、福祉、年金、あるいはその就労問題、あるいはその失語症の方々の社会における理解の普及などについて横断的に論点を取り上げさせていただきます。  失語症でございますが、厚労省は咽頭の切除やあるいは舌の切除といったようなものについても失語症に含めてお考えでいるようでございますけれども、本日私が取り上げさせていただく失語症は、脳梗塞などの脳血管障害などによる脳機能の損傷を起因とする、そうした失語症について議論をさせていただきたいと思います。  この失語症というものでございますが、大臣、言語のコミュニケーション能力に障害を持ってしまうものでございまして、具体的には、話をすること、人の話を聞いてそれを理解すること、読むこと、書くことなど、言葉に関わる全ての機能について多かれ少なかれ障害を有してしまうというものでございます。  一方、ただ、物事を考える、失語症の方であっても物事を普通にしっかり考えるという機能は保たれております。ただ、それがゆえに自分の考えを言葉にして、形にして表現できない、能力があってもそれを人に伝えることができないという大変に苦しい事態が生じるという、そうした疾患でございます。  専門家の方の御見解によりますと、個別の方のお名前を国会で出すのは余り好ましくないことだと思いますけれども、あえてこういう大事な議論ですので申し上げさせていただきますが、亡くなりました田中角栄元総理、あの方は重い失語症であったというのが専門家の方の一致した御見解でございます。  実は、私の父親も失語症でございまして、もう亡くなっておりますけれども、私が小学生のときに、初め脳卒中で倒れまして、右半身麻痺の一級障害で寝たきりになってしまったんですけれど、まあ車椅子に乗れるぐらいのですね。ただ、その後、今度は十年後に脳梗塞で失語症を患いまして、我々家族が見る分には、田中角栄さん、時たまテレビに出られておりましたけれども、それぐらいの重度のものであったかというふうに思っております。  私事で恐縮でございますけれども、私の父親も京都大学で博士号を取って、今ネイチャーという世界的な権威のあるあの雑誌に二回論文が載った立派な科学者だったそうなんですけれども、そうした社会人として、あるいは一人の父親として、自分の今まで培ったものを十分に表現し切れない、あるいはそうした事態について周りの方から理解されない、そうしたつらさに私も寄り添ってまいりました。  私の父親が失語症を発症したときは言語聴覚士の制度がまだできた頃でございまして、十分なリハビリ、社会的な理解も届かないような状況だったのでございますけれども、その後、今日お越しいただいておりますけれども、失語症の患者会であります全国失語症友の会の方、またその患者の方とともに歩まれております全国失語症患者家族会、今日は代表の園田尚美さんにもお越しいただいておりますけれども、そうした失語症を持っていても社会の中で尊厳を持って、生きがいを持って生きられるような、そうした社会を共に目指すべく頑張ってきているところでございます。ただ、なお課題が山積でございます。  では、早速大臣に伺わせていただきます。  今申し上げました脳疾患を起因とする失語症の患者の方の日本社会全体における総数、またそういう方々が実際、日常生活や就労などの社会生活においてどういう状況にあるというふうに御認識でいらっしゃいますでしょうか。
  20. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 脳卒中等による脳の機能の損傷によられる失語症、こういう方々の全国推計というものは我々持っていないわけであります。また、今言われた失語症によります生活のいろんな制限といいますか、言うなれば障害の程度の実態、これに関しましても今現状を我々としては認識をいたしておりませんが、二十六年度、すなわち今年度、今日からでありますけれども、今年度において厚生科学研究の中で今のような部分に関して調査も含めてやってまいりたいと、このように考えております。
  21. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  実は、今全国で失語症の患者さんが何人いらっしゃって、今大臣お答えいただきましたけれども、どういう生活あるいは社会生活の実態にあるのかということについてデータがないわけでございます。  アメリカの例ですけれども、これは今日、資料でお付けさせていただいています患者会の皆様が中心になって作られました失語症の人の生活のしづらさに関する調査の中などでも述べられておりますけれども、アメリカでは約百万人、日本の人口の倍ですね、逆に日本の人口の二分の一のイギリスでは二十五万人ぐらいいらっしゃるということでございます。失語症の方は、しかも三十歳から五十歳ぐらいの若い年代で失語症になってしまうケースが、こちらの調査によるデータですと八割ぐらいとおっしゃられていますけれども、同様にこちらの調査では、その方々のうちの五%しか仕事に復帰することができていない、あるいは新たな仕事ができていないというような現状にあります。  実は、そうした実態は今まで全く分かっていなかったんですが、厚労省の立派な官僚の皆さんと私議論をさせていただいて、今年から厚労省で初めて科研費を付けていただいてその実態調査をしてくださることになりました。この実態調査ですけれども、今申し上げました、失語症という障害を持つことによってどういう日常生活あるいは就労、仕事などの社会生活の上で具体的な不便あるいは障害に直面することになるのか、その実態調査していただくわけでございますので、特に障害部局がやってくださるわけですので、いわゆる障害等級の問題など、そうしたものも検討の、端的に言うと見直しの重要な基礎資料になるというふうに私の方では理解をさせていただいているところでございます。  こうした基礎資料を、データを国としてしっかりやっていくということになるわけでございますけれども、では、今、先ほど申し上げました医療や介護、福祉、様々な問題があるわけでございますけれども、医療のリハビリの問題について議論を移させていただきます。  この失語症の方、例えば脳梗塞などになって失語症を患った場合に、その急性期、回復期、リハビリを行っていくわけでございますけれども、そうしたリハビリが、回復期以降、いわゆる大体半年以降と言われておりますけれども、半年以降のリハビリであっても、失語症については、人間の言語機能というのは非常に多くの脳の領域に関係していて、失語症の言語機能の回復というのは長期間にわたってその改善が実現できるものであるというような学術研究がございます。具体的には、半年ではなくて二年、三年あるいはそれ以上でも適切なリハビリを行えばその改善が見られると、こういう学術研究や、あるいは実際の診療現場のお医者様の方からもそうした声を私はよく聞くところでございます。  厚労省に伺いますけれども、失語症のリハビリというのは長期間にわたって改善の効果がある、あるいはあり得るものであるというふうな認識でよろしいでしょうか。
  22. 蒲原基道

    政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。  失語症が発症した後、二年以上経過しても治療によって言語機能が改善したといった民間の調査研究というのがあるということについては承知をいたしております。ただ一方で、厚生労働省としては、現在のところ、そのような可能性に関する十分な知見というのはまだ有していないと、こんな状況でございます。  こうしたことでございますので、本年度から実施をいたします厚生労働科学研究の中で、失語症発症後、長期間経過後の治療による言語機能の改善に関する調査、あるいは研究報告の収集が可能かどうか、こういったこともよく検討してまいりたいというふうに考えております。
  23. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  まさに平成二十六年度からやっていく科研費、もう採択は決まったということでございますけれども、そのメンバーでいらっしゃる種村教授という方がいらっしゃるんですが、その方の学術研究ですね、民間研究ではなくて学術研究でそういうことも立証されておりますので、是非厚労省も認識を深めていただきたいというふうに考えます。  その失語症の医療のリハビリでございますけれども、いわゆる百八十日の日数制限の問題がございまして、これは医師の判断で失語症においてはそのリハビリを継続することができるというふうになっているわけでございますけれども、今日お越しの失語症友の会あるいはその患者会の皆様からのお話など、あるいは実際の医療現場のお医者様あるいはSTの方々などのお話を伺っていると、なかなか各医療機関、経営判断もあるんでしょう、そうした、引き続き優れたリハビリを当事者の失語症の方が受けたいと願い、かつ家族の方も受け続けたいと願うんだけれども、それがなかなかかなわない、リハビリテーションを断られてしまうんですね、事実上、そうしたことが残念ながら起きているということでございます。  つまり、今の医療リハビリの制度実態の乖離があるということでございますけれども、今の医療リハビリがどういう制度になっているかというのはもうこの国会でも答弁かつて何回もされていますのでそこは結構ですので、厚労省として、先ほど申し上げましたように、初めて失語症の患者数あるいはその障害の程度の実態調査が行われるようになるような疾患でございますので、この医療リハビリの課題について、改めて患者会の皆様あるいは失語症の患者の方々からしっかりヒアリングを行うと、そういうことでよろしいでしょうか、そういうことをしていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
  24. 木倉敬之

    政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。  先生御指摘のように、脳血管障害、それに伴います失語症の問題、これに医療の方のリハビリも、それから介護保険の方に移りましてもリハビリを、これをきちんと言語の訓練も含めて行っていくこと、大変大事なことだというふうに思っております。  百八十日の制限につきましては、今御指摘のように、本当にお医者さんの方がこれ必要だということになればその制限なしに続けていただけるという仕組みにしておるところでございますけれども、更にその維持期といいましても、今おっしゃるように、ケアマネさんなんかがきちんとその方の状態を見て言語聴覚士さんなんかの訓練も含めたケアプランを作ったりして、しっかりと医療と連携を取って介護の方もやっていただけるということで、この介護と医療のリハビリを両方やりながら介護の方にも移っていただける、一応お医者さんの、状態をよく見ながら、介護の方の方にも担当していただけることで、一回前、二十四年の改定のときでも、この同時並行でリハビリを受けていただく期間を二か月に延長もいたしましたし、それから介護に移った後でも、短期の通所のときにやっぱりそういうしっかりやっていただきたいということで、そこを、短期の通所のリハも個別に充実をすると。  今回、この四月からでございますけれども、介護の方に移っても、医療の方でちゃんとやられておったその情報がちゃんとケアプラン、ケアマネさんに伝わっていない、含まれていないということの御指摘がございました。そういうことで、今回は、維持期の方に移ります際に、医療保険の側から介護保険の側にきちんとそういう情報を提供していただいて連携を取ってやっていくということで、五百点という評価を付けて、この連携を図っていただきたいということであります。  今御指摘のように、障害保健福祉部の方でも実態調査を進めることとしております。私ども、障害保健福祉部とも連携を取って、患者会の皆様あるいは言語聴覚士の皆様の御意見も聞きながら、また見直し、検証も進めてまいりたいというふうに思っております。
  25. 小西洋之

    小西洋之君 局長、ありがとうございました。当事者の現状を聞いていただきながら見直し等々の検討をしていただくというふうな御答弁をいただきました。  今局長が御答弁いただきましたように、これは実は医療と介護をまたがる問題でございまして、逆に言うと、まさにその医療と介護の谷間に失語症の患者さんの皆さんが落ちてしまっているという問題でございます。  つまり、医療施設におけるリハビリを受けられた患者さんは、その後、介護保険サービスの下でのリハビリを受けられることが多いわけでございますけれども、肝腎のその介護分野において失語症のリハビリを行ってくださる言語聴覚士、STの方の介護分野への進出が端的に言うと遅れている現状にあるわけでございます。  ちょっと時間がございませんので私が読み上げさせていただきますけれども、言語聴覚士協会のホームページからのデータでございますけれども、二〇一一年の三月末でSTの方は日本には約一万九千人いらっしゃるんですけれども、そのうちの七五%が医療機関でいらっしゃいます。片や介護保険関連の施設は八%でございます。  つまり、失語症の患者の方は、一旦失語症になると、急性期、回復期で御自分が満足されるところまで治らない方は、そういう維持期などにおいて介護保険サービスの下でのリハビリを受ける方が非常に多いわけでございますけれども、ところがそのSTの方の割合が医療機関は七五%、介護保険分野は八%という現状でございます。  失語症の友の会あるいは患者会の皆様、あるいは専門家の方と御議論をさせていただいていて、なぜこういうことが起きているのか、いろんな原因があるんだと思いますけれども、一つの問題として、言語聴覚士法を作ったときに作った言語聴覚士の方のカリキュラム、あるいはその養成、学校ですね、資格を持つことができる学校の指定規則が医療のリハビリのことしか規定していなくて、介護のリハビリについては十分な教育ができていないのかという問題が指摘されているわけでございますけれども、今度、医療と介護の連携推進の法律を作るということでもございますので、こうしたSTの方の教育訓練の問題、具体的にはこういうカリキュラムの問題を見直していただくということでよろしいでしょうか。
  26. 原徳壽

    政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。  言語聴覚士養成の教育内容については、養成所の指定規則に沿って養成所の判断で弾力的に決められるようになっております。  具体的には、養成所指定規則の中で教育内容を別表で定めておりますが、その中で、当然ながら訓練に必要な医学的な知識としての医学的なリハビリテーションについては臨床医学という項目の中でやることになっておりますし、また、今御指摘のような介護分野でのどのような活動があるかというところにつきましては、社会福祉・教育という項目がございまして、その中で社会的なリハビリあるいは地域のリハビリといった項目についても学ぶことになっております。  さらに、国家試験の方でもその内容として、地域リハビリやこの社会リハビリについての科目も課すことになっておりますので、実際には、時代に応じた形にはなると思いますけれども、それぞれの時代に応じた形で必要なものが教育されているものと承知しております。
  27. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  今のその社会福祉・教育の一環というのは、ちょっと私が調べたものだと、いわゆる介護分野のリハビリの重要性ですとか、あるいはまさに医学的な見地ですとか、そうしたものではないように思いますが、ちょっとそこはまた厳しく意見交換をさせていただきたいと思います。  今申し上げた問題に加えまして、介護分野で行われているリハビリでございますけれども、失語症の方の言語訓練というのは、一対一、患者さんとSTの方の一対一の場合が効果的な場合もあれば、あるいは同じ失語症の方、元々言葉が残念ながらコミュニケーションが不自由な方でございますので、ほかの普通に言葉を話せる人、要は普通の介護施設で普通の高齢者の方と一緒にいると失語症の患者さんが萎縮をしてしまったりとか、なかなか本来のいいリハビリ環境を得られないというような問題がございます。なので、失語症の患者さんの一対一のリハビリ、プラス失語症の患者さんがグループでこのリハビリを受けれるような、そういう制度もつくってほしいというような、いろいろな課題がございます。  ですので、老健局の方に伺わせていただきますけれども、今申し上げましたような失語症における介護のリハビリの問題について、老健局の方であります介護保険部会あるいは介護保険の診療を議論する審議会があろうかと思いますけれども、そうしたところで議論をしていただく、そういうことを検討いただけますでしょうか。
  28. 原勝則

    政府参考人(原勝則君) 言語聴覚士の方々、大変介護分野におけるリハビリテーションの確保の上で大きな役割を果たしていただいていると思っております。  今も議員がおっしゃられましたような個別の言語聴覚療法の対応の問題もございますけれども、介護のリハビリテーションでは、そうした問題に加えて、機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなくて、地域の中で生きがいや役割を持って生活できるような地域づくりなど、高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも重要だと考えております。このため、住民に身近な市町村が中心となって、言語聴覚士を始めとしたリハビリテーション専門職等を積極的に活用し、失語症の方も含めて、要介護状態になっても生きがい、役割を持って生活できる地域の実現を目指していきたいと考えております。  そういった方向で、今回、地域医療確保総合推進法案というものを国会に出させていただいておりまして、厚生労働省といたしましては、そうした法案の成立も踏まえながら、議員の御指摘のような観点にも立ちながら、今後、職能団体等の関係者の方々の御意見を伺いつつ、審議会の議論を踏まえながら必要な検討を行ってまいりたいと考えております。    〔委員長退席、理事古川俊治君着席〕
  29. 小西洋之

    小西洋之君 現状は、失語症の方、あるいはその患者家族の方、あるいはその支援者の皆さんで、本来行政が主導してつくっていただくべき介護のリハビリの取組なんかを一生懸命、今、各地域で、まだ先進例は少ないですけれどもやっているのが現状なんですね。なので、今おっしゃっていただきましたように、医療、介護の推進確保の法制度ができるわけですので、そうした中でそういう取組を強力に進めていただけるように、ちょっと意見交換を是非させていただきたいと思います。  ちょっと時間がないので私が申し上げさせていただきますが、今申し上げましたように、医療分野のリハビリをしていただくSTの方については医療法の体系の中で、脳卒中のガイドラインの中で記載がございます。ところが、介護分野でリハビリをやっていただくSTの方をどうやって計画的に地域で確保していくかについては、その計画体系が何にもないんでございます。  医療分野のものは、お配りしている資料二というもの、この課長通知でございますけど、実は私もこの作成についていろいろ関わらさせていただいたんですけれども、厚労省の方に伺いますけれども、今度、医療と介護の推進確保の法律ができるわけでございますけれども、今、介護分野にはリハビリを行うSTの方を計画的に確保する体系がないわけでございます。医療にはあると。で、医療と介護のそういう大きな制度ができるわけでございますので、その中のガイドラインなどで体系立った制度をつくるということでよろしいでしょうか。
  30. 原徳壽

    政府参考人(原徳壽君) お答えいたします。  改正後の地域における医療及び介護の総合的な確保の促進に関する法律において定めることとしております総合確保方針というのがございます。これは、国が定めて、それに基づいて都道府県が事業計画をそれぞれ作っていくと、こういうような形になるわけでありますけれども、この法案成立後に、総合確保方針について、医療と介護の関係者が参画する協議会を設置の上作成することとなります。  その中では、医療、介護の総合的なニーズの推計、あるいはサービスの提供体制の整備目標の考え方を示した上で、この目標を実現するための急性期の病床やその後の受皿となる病床、あるいは在宅医療・介護サービスの提供体制の整備方策、また、在宅医療・介護サービス提供体制考え方、医療・介護従事者の確保等に関する考え方等を定めることとしております。  こういう中で、医療、介護の一連のサービス地域の実情に応じて総合的、一体的に確保できる仕組みとなるように考えていきたいと思います。
  31. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。しっかりと取組を、そして私も是非意見交換をさせていただきたいと思います。  続いて、障害福祉の問題に移らせていただきます。  まず、失語症の患者の方が障害福祉サービスを受けるための障害認定でございますけれども、ちょっと時間がないのでまた私が申し上げさせていただきますけれども、失語症の方は、耳鼻咽喉科の先生がその障害認定を各地域で、まあ県ですけど、やっていただくケースが多いというふうなことをお話を伺っております。ただ、耳鼻咽喉科の先生は、ふだんなかなか失語症の患者の診療に携わることは、主に携わっていらっしゃるのは神経内科やリハビリテーション科の医師というふうに伺っておりますので、そうした失語症認定実態について、厚労省として地域の医師会などともしっかり意見交換をしながら確認をしていただきたいと思います。  その上で、そうした障害認定を受けた後の話でございますけれども、先ほど初めて科研費で失語症の障害の実態について調査をいただくということでございました。これは障害部局がやっていただきますので、障害者の等級表の見直しなどの重要な基礎データになるというふうに私は理解しておりますけれども、お配りしておりますこの資料でございますけれども、資料三と四のところを御覧いただけますでしょうか。資料三が障害等級でございまして、資料四は、大臣、これは障害年金でございます。  実は、私の父親も脳卒中の一級障害でございましたのでこの障害年金を受けておりました。私、四人兄弟だったんですけれども、姉、私で、下の妹は私と八歳、十歳離れて、母親は四人の子供を抱えて、寝たきりの父親で大変だったわけでございますけれども、正直、この障害年金のおかげで勉強などもさせていただくことができました。  先ほど申し上げましたように、失語症の患者さんは若くしてなられる方が非常に多い。かつ、その障害特性ゆえに、就労の復帰が非常に困難であるわけでございます。つまり、この障害年金制度というのはもう非常に重要なまさに生活保障の制度でございます。  ところが、この障害年金の資料四の一ページめくっていただきますけれども、一級と二級があって、一級、二級でもらえる障害年金の金額は一・二五倍違うらしいんですけれども、一級を御覧いただけますか。ちょっと線を引っ張らさせていただきますけれども、これは分かりやすく申し上げますと、両方の足が、足関節、くるぶしぐらいだというふうに教えていただきましたけれども、以上を欠いている方でございます。本当にそれはまさに重い大きな障害であろうと思います。この方が一級であることについては、私、何ら異存は全くございません。ところが、その下の二級、実は失語症というのは、失語症単独では二級にしかならないわけでございます。  考えていただきたいんですけれども、両足が不自由で車椅子に乗っている方で、社会復帰をなされ、お仕事をなさっている方はたくさんいらっしゃいます。もちろん、そういう方々の社会活動にはまだまだ厚労行政として取り組んでいただくべき課題はたくさんあると思うんですけれども、いらっしゃいます。ところが、重度の失語症の患者さんは、コミュニケーション、言葉を操り、あるいは言葉を理解する、そして話す、そういう言葉を操る機能を損傷されておりますから、就労というのが非常にもう根本的に難しいわけでございます。つまり、障害の実態と、それによる社会参加への障害の実態考えたときに、この年金等級の表というのはなかなかちょっと理解し難いところがあると。  大臣に伺いたいんですけれども、この度、科研費で、同じ問題が生じている障害等級についての見直しの基礎研究を行っていただくこととなりました。同じ厚労省でございますので、是非大臣の下で年金部局とあと障害部局がよく情報交換をして、同じようにこの見直しの検討を行っていくということでよろしいでしょうか。
  32. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 今の障害基礎年金の問題でありますけれども、生活の制限の度合い、これに応じて決まってくるわけでありまして、今言われた一級に関しては、自分のことができない方、こういう方々が一級。二級の方は、労働をして所得の得られない方、こういうような形になっておるわけでありまして、そういう意味では、コミュニケーションが取れないということで、失語症の方々はなかなか働けないという形の中で二級と、このような形になっておるわけでありますが。  いずれにいたしましても、これは専門家会合で議論をいただいて、順次それぞれの疾患に関して、これ毎年調査を、調査といいますか、検討しておるわけであります。この専門家の方々にやはり議論をいただくべきであろうと思いますし、そこは医学的な見地からもいろんな御議論をいただくわけでありますが、いずれにいたしましても、こちらの方の障害認定の方でもう可及的速やかにやらせていただこうというふうに考えております、失語症の方も。ですから、厚生科学研究はちょっと違った観点からでございますので、こちらの方でしっかりと障害認定、これに関して検討させていただきたいというふうに思っております。それほどお待たせをするようなことにはならないというふうに思いますので、御理解をいただければ有り難いと思います。
  33. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。障害等級の方では力強い答弁をいただきました。可及的速やかといただきましたけれども。  障害年金のこの表なんですけれども、両足が御不自由であるという物理的要件だけで年金をいただけるような制度になっているんですね。なっているわけでございます。ですので、それと同じような、決して勝るとも劣らない障害の実態がある方や失語症の方、重度の失語症の方がいらっしゃるわけでございますので、そこはしっかり、同じ役所の中でございますので、検討を進めていただきたいというふうに強くお願いをいたします。私の方も是非それを議論させていただきたいと思います。    〔理事古川俊治君退席、委員長着席〕  ちょっと時間が押してまいりましたので次に行かせていただきますけれども、こうした失語症の方の障害福祉の問題でございますけれども、コミュニケーションの支援ですね、障害者自立支援法の下でのコミュニケーション支援事業というものを地域でどんどんまだまだ普及させていただく必要があります。  資料の五を御覧いただきたいんですけれども、総合支援法の中の地域生活支援事業の中で意思疎通、つまりコミュニケーション支援事業というものがございます。二ページめくっていただいて、これも厚労省の立派な官僚の皆さんと議論をさせていただいて、三重県の四日市市で、あるそういう失語症の方のコミュニケーション支援事業があるんですけれども、それを今日お越しの患者会の方に私がいただいて、私が厚労省の方でこういう立派な事業だとも思うので検討してくださいというふうにお渡しして、厚労省の方が、先月ですかね、全国会議で全国に向けてこういう事業ができるという周知をいただいているところでございます。  つまり、こういう先進例を各地域で育ててしっかりと進めていかなければいけない。もう全国には五十万とも思われるような多くの失語症の患者さんがいらっしゃるわけでございますので、その方々にちゃんと福祉のサービスを届けなきゃいけないわけでございます。そうした福祉のサービスを届けるための画期的な仕組みが、民主党政権の下で津田弥太郎務官が取り組まれて、私も党の政調でお手伝いをさせていただきましたが、障害者総合支援法の中でつくられております。  具体的には、資料の六を御覧いただきましょうか。障害福祉体系にPDCAサイクルといいまして、分かりやすく申し上げますと、都道府県や市町村が作る障害福祉計画を、最悪の場合は今までは作ったら三年間置きっ放しだったんですけれども、それを医療法の医療計画のように、ほったらかしではなくて各地域の障害福祉サービスの現状を踏まえてちゃんと見直していく、見直しに当たって障害者の方々の意見を聞いていくというような仕組みをつくりました。実は、この条文、資料六の十六ページの条文は私が一言一句作ったものでございます。  ところが、次をもう一ページめくっていただくと、肝腎のこのPDCAサイクルのマニュアルというのを今厚労省作ってくださっているんですけれども、今申し上げました地域生活支援事業、特に意思疎通支援、コミュニケーション支援についてちゃんとしたPDCAサイクルの内容として定めていないんですね。十九ページの中にはございません。  次をめくっていただきますと、これは各市町村地域の障害者の方々にどういうサービスが必要かというアンケート調査のひな形を厚労省が作っているんですけれども、その中にも、何とコミュニケーション支援については質問の項目にすら入っていないと。高次脳機能障害というふうにはあるんですけれども、実は次の資料七で、高次脳機能障害のある総合支援法の施策について失語症も一緒にやっていただくことを、厚労省、昨年度からこれも議論させていただいてやっていただいているんですけれども、そういうことをやっているのに、高次脳機能障害しか聞いていないと。  誠に、申し訳ないですけど、条文を作らせていただいた立法者としてはけしからぬということで、これを、もうイエスかノーかで、時間がないので余計な答弁要りませんから、しっかり見直していただくということでよろしいですか。見直しのタイミングはまた、ちゃんと医療、介護の取組がいろいろあるわけですからその中で検討いただくわけですけれども、見直していただくということでよろしいですか。
  34. 蒲原基道

    政府参考人(蒲原基道君) 簡単に申し上げます。  お話しのとおり、地域生活支援事業でいろんな支援をするというときに、やはり各自治体の判断なんで、やっぱりその情報をきちっと全国のいい事例を渡していくということが非常に大事だというふうに思っています。そうした中で、都道府県の主管課長会議だとかホームページ等できちっと情報提供していくということは必ずやっていきたいと思っております。  先生おっしゃるような、マニュアルの中でどういうふうに……(発言する者あり)はい、分かりました。丁寧にやっていきたいと思います。
  35. 小西洋之

    小西洋之君 最後の方、分かりました。PDCAをちゃんと働くようなマニュアル等々の見直しをしかるべきときにやっていくという理解でよろしいですね。はい、うなずいていただきました。ありがとうございました。  今、ちょっと御説明いたしましたけれども、高次脳機能障害の方々についての支援事業が都道府県単位でございます。これも、昨年度から失語症の方も対象になるということを厚労省と議論してやっていただいているわけですけれども、今年調査結果が出るそうですので、ちゃんとこの事業地域の失語症の方々支援に結び付いているかどうかというのをしっかり厚労省で検証をしていただきたいと思います。  最後に、もう一つ重要な課題として就労支援の問題があるわけでございますけれども、ちょっとこれ、私、もう口頭だけで申し上げさせていただきますけれども、私の理解ですけれども、失語症の方は言語が不自由でございますので、そうした言語の不自由な方をSTといった専門家の方が中心になって家族の皆さん、地域の皆さんと一緒に支えていって、その支えの中でようやく就労への道が見出されるというふうに理解しております。  つまり、旧労働省の部局の就労支援の政策だけをぽんと地域に置いても、なかなかそこで失語症の方の就労支援仕組みというのはできないと。諸外国には、失語症センターという、失語症の方のそういう、今申し上げたような言語機能の支援あるいは就労支援を一体的に行うような仕組みがあるわけでございまして、我が国でもそうしたものの御検討を是非お願いしたいと思います。  最後に、大臣に伺わせていただきます。  今、失語症の問題について、医療、福祉、介護、あるいは地域の理解、就労問題といろいろさせていただいたんですけれども、今後に向けた取組というものについて、是非、力強くお願いをいたしたいと思います。  そしてまた、資料八をちょっと御覧いただけますか。今日お越しいただいていますけれども、失語症の友の会、まあいろんなところでおっしゃっていると思うので申し上げさせていただきますが、旦那様が失語症になられて、ただ、今日お越しいただいた園田さんという方なんですけれども、園田さん自らが、失語症の方を地域で支え合っていくような介護サービス仕組みをもう自分たちでつくっていかなければ駄目だと、そういう思いでこういう事業を始められております。  そうした方々への励ましも含めて、失語症対策への取組の決意をお願いいたします。
  36. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 言語機能の回復それからそれぞれの生活、そういう意味では、しっかりと必要なものが対応できるような形態といいますか、我々は支援をしていかなきゃならぬというふうに思っております。  今言われた機能回復のためのリハビリテーション、これも重要でありますし、それから福祉サービス、これも重要であります。それから、高次脳機能障害による失語症の支援普及事業、これ地域生活支援事業の中にございますけれども、こういうものもしっかりと充実をさせながら、とにかく、今いい事例を御紹介いただきました、このようなことも参考にさせていただきながら、支援ができるようにしっかりと体制整備してまいりたい、このように考えております。
  37. 小西洋之

    小西洋之君 最後に一言。  ありがとうございました。しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  最後に、この失語症の課題でございますけれども、脳卒中を起因とすることが多うございますところ、今、石井委員長の下で脳卒中の対策の法律というものを御検討いただいていて、私もずっとこの問題、脳卒中のその法律、いろんな団体の方と意見交換などさせていただいておりましたけれども、是非、石井委員長の下で実現いただいて、その中でこうした失語症をめぐる様々な対策についてしっかりと取組を進めていただくということをお願いさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  38. 山口和之

    ○山口和之君 みんなの党の山口和之でございます。  先ほど小西さんの方からリハ職が地域に少ないという話もありましたけれども、確かにカリキュラムが医療中心で来ていますので病院の中でということが多いですね。それで、卒業してから地域の中で学んでいきましょうとか、そういうようなイメージですので、予防と地域のカリキュラムというものの充実はこれは絶対必要なところだと思います。  さて、ちょっと、質問に入る前なんですけれども、仕事と介護を両立できる職場環境の整備促進のためのシンボルマークというものが厚生労働省が三月二十八日に発表されました。これ、資料を提出していなかったので皆さんにお見せできないんですけれども、介護離職を防止するための取組に向けた社会的機運の醸成を図っていきますということでマークが出されたんですけれども、是非とも国の威信を懸けて、ふなっしーには負けないように広げていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。  ちょっと深刻な話をさせていただきます。資料の一を見ていただきたいんですけれども、資料の一に、被災三県の中で、福島県、被災三県の自殺者数がここに書かれているんですけれども、特に福島県においては震災関連の自殺者が増えているという事実があります。これについてどう見ているか、お答え願います。
  39. 安田貴彦

    政府参考人(安田貴彦君) 東日本大震災に関連する自殺につきましては、一昨年には減少した自殺者数が昨年には増加をしており、憂慮すべきことであると認識をしております。特に、福島県においては二年連続で自殺者数が増加したことに続き、今年も二月時点で前年よりも増加をしており、他県と比べて深刻な状況にあると考えております。
  40. 山口和之

    ○山口和之君 三月二十七日にも調査されているということで、その報告を待つことになるんですけれども、三年たって今初めて調査するのか、あるいはそういった原因を以前にも調査しているのか、ちょっと質問通告はしていなかったんですけれども、今回の調査が初めてなのか、あるいは以前にもこういった調査を行われてPDCAサイクルをしっかり行われているのか、ちょっとお聞きしたいなと。
  41. 安田貴彦

    政府参考人(安田貴彦君) 以前から被災県とは緊密な連携を取りつつ自殺対策を推進しているところでございますけれども、議員御指摘のとおり、先週、三月の二十七日に福島県に職員を派遣をいたしまして、県庁及び相馬広域こころのケアセンターでヒアリングを実施をいたしたところでございます。
  42. 山口和之

    ○山口和之君 今までには行われていたんでしょうか。例えば昨年、一昨年と。
  43. 安田貴彦

    政府参考人(安田貴彦君) 特に福島において自殺の調査ということで職員を派遣したということは今回が初めてでございます。
  44. 山口和之

    ○山口和之君 自殺の原因あるいはその傾向、そういうのを見た上で、今やっている事業が正しいのかどうか、あるいはその事業がどういうふうに形を変えていくべきなのかというフィードバックというのがやはり大事なところじゃないでしょうか。今まで自殺対策にどのようなことを取り組まれてきたのか、内閣と厚労の方にお聞きしたいと思います。
  45. 安田貴彦

    政府参考人(安田貴彦君) 震災関連の自殺に係る取組といたしましては、政府として、自殺総合対策大綱に基づきまして被災者の心のケア等の取組を実施をしているところでございます。  内閣府におきましては、復興庁及び被災三県に震災に関する自殺の状況をお伝えをしつつ、地域自殺対策緊急強化基金を通じまして被災地の取組支援をしているところでございます。  基金を活用した取組といたしましては、例えば、被災者の見守り訪問等を通じて把握をされましたフォローが必要と判断される方々への専門的な支援、あるいは被災者の心のケアマニュアルの作成及びその普及のための研修会などの取組が実施をされているところでございます。
  46. 蒲原基道

    政府参考人(蒲原基道君) 厚労省の取組を御説明いたします。  被災者に対する自殺対策の取組につきましては、これまで被災者の心のケアを中心に実施をしてきたところでございます。具体的に申し上げますと、福島県に活動拠点となります心のケアセンターとして一つの基幹のセンターと六か所のエリアごとのセンターというのを設置いたしまして、相談支援あるいは市町村保健所への人材派遣等の支援を行っているわけでございます。  少し数字を申しますと、平成二十四年度におきましては相談支援で九千百九十三件実施しておりますし、さらには啓発普及活動として一千三百十六か所において心の健康講話ということで住民の健康支援を行っているところでございます。また、心のケアに当たる専門職が精神科の診療所を拠点といたしまして多職種のチームをつくって、訪問支援、アウトリーチをやるということもやっておりまして、これが二十四年度千二百六十五件のそういう専門的な医療支援というのを行ってきていると、こういう状況にございます。
  47. 山口和之

    ○山口和之君 とはいえ、結果として福島県では増えているのは、これは致し方がないことなのか、それは防御できなかったのか。結果として自殺者が増えているんですけれども、何が課題だったんでしょうか。
  48. 石井みどり

    委員長石井みどり君) どちらが答えるか。
  49. 山口和之

    ○山口和之君 内閣から先に、じゃ。
  50. 安田貴彦

    政府参考人(安田貴彦君) 福島県におきます平成二十五年の東日本大震災に関連する自殺について分析をいたしましたところ、年齢別では五十歳代及び八十歳代以上、そして原因・動機別では健康問題及び経済・生活問題などが前年より増加している状況ということでございます。  また、そういった状況を踏まえた上で、現地における自殺の実態や対策の状況について把握するため、先ほど申し上げたとおり職員を派遣をしてヒアリングを実施したところでございますけれども、そうした中で、やはり担当者等からは、人材不足等により支援が必要な方々を完全には把握できていないなどの課題が指摘をされたところでございます。  今後、そういったヒアリングなどの結果も踏まえまして、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
  51. 蒲原基道

    政府参考人(蒲原基道君) 御指摘のように、福島県で自殺者が増えているということにつきましては憂慮すべきことと認識をしておりまして、更なる心のケアというのが重要であると考えてございます。  自殺対策、自殺防止のための課題でございますけれども、先ほど内閣府から話がございましたけれども、支援が必要な方に対して十分にその把握ができていなかったことなどが挙げられると考えておりまして、先ほど申し上げました心のケアセンターにおける支援活動に結び付かない方々に対してそこに支援が届くように、いろんな機関との連携を図っていくということが大事だと思っています。  少し具体的に申し上げますと、心のケア支援事業の中で総合調整・活動支援という一つ取組がございまして、その中で、市町村、保健所あるいは医療機関との連携を一層図るとともに、あわせて、仮設住宅を運営している機関だとかあるいは民間団体との連携調整を更に図って、幅広く支援が届くような形でやっていきたいと思います。  もう一つ、先行きのなかなか見えない中でそれぞれの方が孤立感を高めていると、こういう問題もあろうかと思います。そこら辺については、例えば地域ぐるみで見守りの支援をするだとか、あるいはお互いに被災者の方々が交流できる場を設定する、こんなことを通じまして、そういうコミュニティーで支えるといったような取組もこれからやっていく必要があるんじゃないかというふうに考えております。
  52. 山口和之

    ○山口和之君 ちなみに、自殺された方々が福島県では五十二名なんですけれども、この方々は、その心のケアあるいはそれ以外の今言っていただいたような支援を受けたんでしょうか、受けていないんでしょうか。
  53. 蒲原基道

    政府参考人(蒲原基道君) 心のケアセンターの活動の中で、実はいろいろ、昨日もいろいろ事実確認をしましたら、残念ながら、そういうケアを受けている中での自殺者の方というのはおられずに、その枠外のところでそういうことが起こっていたということでございますので、先ほど申しましたとおり、心のケアのセンターの活動の範囲をいろんな関係機関と連携しながらより広げていくことが大事であるというふうに認識をいたしております。
  54. 山口和之

    ○山口和之君 つまり、いろんなことをやったんだけれども、そこには引っかかってこなかった方々ということですね。自分も福島県において介護予防というのをよくやっておったんですけれども、各市町村で講演あるいはそういう指導をやると、大体集まってこられる方は同じ顔なじみの方がほとんどで、本当に来てほしい、介護予防をしてほしい方が来るかというと、そういう方々はどちらかというと閉じこもって、来られない方が多い。  そう考えていくと、従来のやり方をこのまま継続したのでは、また自殺者はどんどん増えていくわけですよね。是非、今回の調査を踏まえた上でしっかりとフィードバックして、どういう支援が必要なのかを是非検討していただきたいなと思います。  そしてまた、自殺者、これは資料三と四を見ていただくと、これは心のケアの事業なんですけれども、少し見ておいていただきたいと思いますが、関連死も十都道府県で三千三十二人に上って、現在でも十三万人以上が避難している福島県では半数超の千六百六十四人と、直接亡くなられた千六百七人を上回る方々が関連で亡くなられているんですね。自殺を含めて、それから関連死というふうになっていこうとすれば、啓蒙啓発活動だけではとてもちょっとやり切れない。もう先ほどもおっしゃっていただきましたけれども、根本的な包括的なケアをしていかなきゃいけないんだろうというふうに思います。  以前にも田村大臣の方へお願いした、福島県あるいは被災地をモデルとして日本の未来を築いていただきたいと。被災地は日本の縮図です。福島県は特にそうです。そう考えていくと、全国に先駆けて、手挙げ方式で手を挙げてきた自治体に対して何かをするのだけではなくて、こちらも積極的に、国からも積極的に地方自治体に働きかけていくということが非常に大事なんだろうなと思います。  モデルをつくるときに、手を挙げてください、それは確かに手を挙げてくれたところの方が言いやすいんですが、先ほど言いましたように、介護予防も同じです。来てくれる人の方は予防はしっかりできるんです。それよりも、できない人にどうやって支援をするかというのがすごく大事なところで、地域包括ケアシステムを総合的に、拠点をつくりながら動いていくような体制を、まあお金を出すか出さないかということは別問題として、何か議論をしていく必要があるんじゃないかと思っています。  さて、少し、関連するんですけれども若干変わります。以前から特養の話で恐縮ですけれども、特養のことについてお聞きしたいと思いますが、特養はついの住みかと言われていますが、住まいでしょうか。
  55. 原勝則

    政府参考人(原勝則君) 介護保険法上、住まいの定義というものがあるわけじゃございませんので、明確ではございませんが、特養の役割と考えますと、重度の要介護状態となったとしても地域で暮らしていけるように地域包括ケアシステムの構築を実現する上で住まいの役割は大変重要であるわけでございますが、特養については、入所者が安心して暮らすことのできる居住空間を提供するとともに、日常生活上の世話、機能訓練、健康管理等を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにするためのものであるということになっております。  こうしたことから、重度の要介護者等にとってはついの住みかというような言われ方もされておりますけれども、そういった住まいの機能も有しているというふうに考えているところでございます。
  56. 山口和之

    ○山口和之君 昔から日本の中では、特別養護老人ホーム施設というイメージが非常に強いんです。住まいは自分が、利用される方が主役ですけれども、施設に入ると主役ではなくなってきて、運営側がどちらかというと主役っぽいような形になってきます。この住まいという考え方を是非その特養あるいは施設の中でも考えていただきたい。  そう住まいとして考えたときに、実は特養、特別養護老人ホームと特定施設、特定施設というのは例えば有料老人ホームにしっかりとしたケアのサービスが付く、あるいはそういういろんなサービスが付いているのを特定施設というんですけれども、実はパッケージ化されているところに入っていらっしゃる方々は、在宅で住まわれている方、住んでいらっしゃる方々と比較してサービスが選べない、パッケージのおかげで。例えばリハビリテーションが集中的に必要だなと思っても、特養に入っているとすれば、それは不可能なわけです。  資料を、しつこいようなんですけれども、もうこれ何度も出した資料なので使い回しして申し訳ないんですが、資料四を見ていただけると、介護保険法では自らがサービスを選ぶことができると、特養にいようが在宅にいようが、同じ要介護四、五、三、どこにいようが、自分に必要なサービスを受けることができるというのが大事なことです。  下の特養の入所後の改善状況を見ていただくと、これはスーパー特養です、高機能のスーパー特養であって一般的な特養ではありませんが、非常に改善率が高いと。特養だからといってもうほかのサービスは手薄でもいい、パッケージ化されているのでこれで十分だということで、外の例えば必要なサービスを受けようと思っても受けられない、特養にいると受けられない状況があります。この要介護改善率、すごいなと思いますけれども、周りのサービスが悪いのかもしれません、これは何とも言えないところですが、人員配置等々を見ると、ここの特養に関してはもうスーパー機能を持っているところだと思います。  そういった観点から、特養、特定施設にいらっしゃる方々が、在宅の方と同じようにしっかりとしたサービスを受けたいときに受けられない、改善する方がこれだけいるとすれば、必要なサービスを受けることによって改善できる方がたくさんいるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  57. 原勝則

    政府参考人(原勝則君) 特別養護老人ホームにつきましては、入所者ごとに個別に策定される施設サービス計画に基づきまして、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うものでございまして、特別養護老人ホームの入所者が安心して日常生活を過ごすことができるよう必要なサービスが提供されるものでございます。特定施設も同様でございます。これらのサービスについては、居宅サービスの場合と同様にケアマネジメントを通じて入所者ごとに適切なサービス提供がなされることから、居宅サービスと比較しても遜色のないものだと考えております。  もちろん、どんな施設であっても、介護保険法の目的は、高齢者の自立支援と尊厳の保持と、そういう理念の下でサービスの提供が行われるものでございますので、その利用者の方の状態に応じた適切なサービスが提供されるものであるべきであると考えております。
  58. 山口和之

    ○山口和之君 多分、いい施設の視察が多い可能性もあるので、正直言って、お一人の機能訓練の担当者だけで、百人に対して一人いて、それ以外の方がいらっしゃらないような特養もたくさんあるわけですね。だから、現実的に言えば、特養に入ったらば重介護はしていただけるかもしれませんけれども、それ以外のサービスを集中的に受けたい、あるいは受けたいとしてもなかなか難しいというふうに考えれば、在宅にいる方と特養にいらっしゃる方、ここで差別を付けないような、区別を付けないようなサービス在り方考えていくことが、一つ大きな持続的な社会保障をしっかりと行っていくにも必要なことだと思います。  次に、今後、特養において、病院から直接、例えば骨折したときに病院に入ってすぐに特養に戻るようなケースも見受けられてくると思うんですが、それに対するリハビリテーションは必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  59. 原勝則

    政府参考人(原勝則君) 特別養護老人ホームにおきましても、入所者の自立支援に資するようにということで、機能訓練指導員を一人以上配置をするということになっております。また、常勤の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等が入所者ごとに作成する個別機能訓練計画に基づきまして計画的に機能訓練を行っている場合には、個別機能訓練加算として報酬上も評価をしております。  また、病院との関係でいいますと、今回の国会に提出しています地域医療・介護総合推進法案で目指しております医療機能の分化と連携、そして介護と医療との連携といったようなことを構築をしていく中で、地域においてその方に必要な医療、リハビリテーションというものが適切に提供されるような体制をつくっていくことによって、議員の御指摘のようなことについても対応していくべきではないかと考えております。
  60. 山口和之

    ○山口和之君 大変申し訳ないんですけれども、自分は福島県で機能訓練担当者の指導者をしておりましたが、大きな差がやっぱりどうしてもあります。しっかりとその辺を見据えた上で、これは医療と介護の大改革、これから日本で行われるわけですから、そこを視野に入れて、住まいとして考えて必要なサービスを医療機関じゃなくても受けられるというような形をつくっていただきたいと思います。  資料五を見ていただきたいんですが、大腿骨頸部骨折なんですが、平均在院日数、日本の場合は三十日を超えております。ちなみに、元勤務していた病院で議員になる前は大体二十日ぐらいの入院でしたけれども、日本では三十日を超えて、それ以外の国ではグラフのような状況です。  その下の写真を見ていただくと、これはアメリカのシアトルにある高齢者住宅で、病院の近くにあるんですけれど、この赤いマークで囲われたところ、ここの位置だったかどうかちょっと記憶にはないんですが、ここには看護師さんとケアスタッフだけがいる集中してケアのできる部屋があるんですが、何人部屋、何十床分だったかちょっと覚えていないですけれども、そんなに大きくはなかったと思います。  ここには大腿骨頸部骨折が大体平均三・七日で戻ってこられるんですね。ドクターは、前にあるクリニックの方からドクターがこちらの方にいらっしゃいます。それから、理学療法士も外からここに入って理学療法、医学的なリハビリテーションが行われます。作業療法士もこの中に外から入ってこられて、生活の再建に専門的な支援を行います。大腿骨頸部骨折三・七日、いいかどうかは分からないですけれども、日本の三十日を超えるようなサービスと。自分はケアの現場に早く戻ることが大事だと思っていますので、お金だけの面ではなくてもこういう体制ができる。で、ここの施設は長期間、重度になっても住んでいられるところなんですね。そういうふうに考えていくと、少し日本の地域包括ケアの体制も大きく考えていかなきゃいけないんではないかと思っております。  さて、早めの住み替えと言われているんですが、障害の度合いによって転々としていきます。御本人中心にこれから地域包括ケアで考えていくんですけれども、実は軽費老人ホームに住んでいたと思えば、重度になったら特別養護老人ホームに行かなきゃいけない。障害が重度になったら、サービスが、住むところが変わっていかなきゃいけない。本来であれば、その人の人生を考えていくんであれば、なじみの関係をしっかり、ようやくなじんできたと思えば骨折して重度になって寝たきりになって今度また違う人にお世話になるという地域社会が本当にいい社会なのかというふうに考えていくと、何とかしてなじみの関係を継続できないかと思いますが、いかがでしょうか。
  61. 原勝則

    政府参考人(原勝則君) まさに議員が御指摘のように、地域包括ケアシステムというのは、高齢者の方が住み慣れた地域でできるだけ長く生活ができるようにということで医療や介護を一体的に提供するという、そういうシステムでございますので、そうした方向で施策についても進めていくべきであろうと考えております。
  62. 山口和之

    ○山口和之君 今回の医療の大改革、そして地域包括ケアシステムを地域の中でやっていく、それを被災地をモデルにして日本の新しい未来をつくっていく、安心して地域の中で生活して、先ほどの小西委員のところでもありましたけれども、尊厳を持ってその中で生きていける、これはもう大きな大改革の絶好の機会ですね。自分は、厚労省、厚労を含めて、ここのメンバー含めて物すごい期待をしているところです、自分も含めてですけれども。そういうふうに考えていくと、一緒になって是非ともいろんなところを、世界の見本になるような日本をつくっていきたいなと思いますので、何とかお願いしたいなと思います。  そこで、通告はないんですけれども、一連の自殺関連の地域づくり、あるいは国づくり、地域づくりですね、地域包括ケアづくりについて、大臣思いというか、そういうのを聞かせていただければと思うんですが。
  63. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 初めの自殺の問題、それに対するいろんな手挙げ方式のお話もありましたけれども、なかなか自治体の協力をもらおうと思うと、ある程度体制を整備していただく、若しくはやる気を持っていただくところじゃないと、無理やり押し付けというわけにもいかない。逆に言えば、やる気を持っていただくようにどうエンカレッジしていくかみたいな話があるわけですね、これ。  ですから、そういう意味からすると、全般としてこれ地域包括ケア、いよいよ進めていくに当たって、それぞれの地域で、今般の場合、地域支援事業も予防給付の方を移す部分もあるわけでありまして、そういう部分でどれだけ意欲を持ってやっていただくか、これ大変重要なことであろうと思いますので、そのために我々厚生労働省としてどのようなアプローチをしていくか、ここはこれからいろんな工夫をさせていただきたいというふうに思います。  それから、住まいの部分でありますが、それはアンケート調査しましても、住み慣れた地域でやはり人生最期まで住みたいと言われる方々は多いわけであります。その中において、特養でありますが、これはやはり重度の方々にとってはついの住みかのニーズが高いわけでございまして、そういうところもございまして今般重度というところを一つターゲットに法改正の中で対応させていただこうという思いがあるわけであります。あわせて、サ高住それから有料老人ホーム、これは特定施設も含めてでありますけれども、軽度から重度の方が、中重度の方々まで住むという形になるわけでございまして、そういう意味では地域包括ケアの中では住まいという意味でも一つ大きな役割があることは事実であります。  いずれにいたしましても、リハビリという観点からすれば、今委員がおっしゃられたように、居宅サービスであろうと施設サービスであろうと、やはり必要なもの、適正なサービスを提供いただかなきゃならぬことはこれは確かなことでありまして、そのような体制を我々は整えていかなければならない、そういう思いでございます。
  64. 山口和之

    ○山口和之君 どうもありがとうございます。  特養でもし重度の方を見るようにシフトしていくのであれば、低所得者対策をしっかり、低所得者の要介護の軽い方の問題、ここがクリアされないと、そちらをハードルを高くしたとしてもそちらの方が浮いてしまいますので、どうしても在宅に住めない方っていらっしゃいます。是非これもやらなきゃいけない。やらなきゃいけないことたくさんあるんですけれども、これは大きな機会ですので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。  どうもありがとうございました。
  65. 小池晃

    ○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  原爆症の認定訴訟について最初に聞きます。  三月二十日に大阪地裁、二十八日には熊本地裁で判決が出ました。いずれも、昨年十二月に国が定めた新基準で却下された被爆者を原爆症と認定したわけであります。  しかし、厚労省は昨日、大阪地裁で原爆症と認定された原告四人のうち一人について控訴いたしました。高齢の原告に更に苦しみを強いる非人道的な控訴にまず断固抗議をしたいというふうに思います。同時に、今回新しい基準に基づく再審査でも却下されていた残りの三人については控訴しなかったわけであります。これは、結果としてやはり新基準の不十分さを政府も認めたことになるのではないかというふうに思います。  大臣に伺いたい。  まず、熊本地裁判決については、これは控訴は断念すべきであるということが一点。それからもう一点は、司法判断と行政の乖離はもう明確になったというふうに思います。原爆症の認定基準の再改定、そして認定行政の抜本的な改善を求めたいと思います。いかがでしょうか。
  66. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 今般の裁判でありますけれども、旧方針、つまり認定基準に合わせて結審をされたものでございますから、新方針、新しい基準は、昨年の十二月に関係者の方々の話合いの中において新たな方針というものが決められたわけであります。いろんな御意見があったことは私も承知いたしております。  でありますから、新しい方針、これは特に科学的な観点から、例えば距離基準に関しても明確化したわけでありますけれども、こういう新しい方針にのっとってやはり司法の判断を仰ぐというのが基本的な考え方の中において、一番初めの大阪に関しましては、これは更に上級審での判断を仰ぐということにさせていただいたわけであります。  熊本に関しましては、これから今申し上げたようなところをひとついろいろと勘案しながら、どうすべきか判断をさせていただきたい、このように考えております。
  67. 小池晃

    ○小池晃君 いや、それは、新基準は結審後にできたわけですから、新基準そのものを司法判断できないのは当然でしょう。でも、結果として、新基準に基づいて再認定求めたら却下したわけですよ。その人たちが原爆症と認定されるという判断が、司法判断が下ったわけでしょう。そのうち三人についてはそれを受け入れたわけじゃないですか。  ということは、これは新たな基準自体に問題があるということですよ。少なくともその三人についてこれは控訴しなかったということは、やはりその新基準に基づく認定を却下したことは間違っていたということでしょう。だとすれば、認定行政はやはり改めなければいけないじゃないですか、いかがですか。
  68. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 以前の基準基準としてあったわけでありますが、非常に不明確な部分があるという御指摘もいただいておったわけであります。  それを一つ勘案しながら司法の方で判断をされた結果があったわけでありますが、そういうことも踏まえて新しい基準、方針を十二月に作ったわけでありますから、それをもってして司法がどのような御判断をいただくか、そこは科学的な観点も含まれておるわけでございますので、その判断を仰ぎたいということであります。
  69. 小池晃

    ○小池晃君 私の言ったことに答えていないと思いますね。  今回の大阪地裁の裁判で、私、ひどいなと思ったのは、例えば骨髄異形成症候群の原告について要医療性を争った人については、これは放射線起因性は認められるけれども、高齢で輸血などができないということで、単なる経過観察だから要医療性はないという、こういう主張をしているわけですよ。  今回、厚労省は、この主張を否定した判決を受け入れたわけですね。私、当然だと思います。こういう非人道的な許されない主張はきっぱりやめるべきだというふうに思いますし、大臣、幾ら言っても、結局、新しい基準作りましたと、それに基づいて再申請したら却下された人が裁判では認定されているわけですから、それを受け入れたわけだから、厚労省も。やっぱり、これは認定行政見直すの当然だし、認定行政見直すのであれば、その中にある基準についてもこれは当然見直すべきだということを改めて申し上げたいというふうに思います。  続いて、混合診療の問題です。  今日、内閣府に来ていただいていますが、三月二十七日の規制改革会議で選択療養制度の創設という議論がなされて、これ、今日お配りした資料はそこで配付されている論点整理なるものです。これは、保険外診療について、患者が書面で承諾すれば選択療養として認めて保険外併用療養費を支給するということなんですね。ちょっとこれも私の理解をはるかに超えた中身になっているものですから、ちょっと聞きたい。  論点整理では、無用な診療に関する牽制効果を働かせるために、患者、医師間の診療契約書を保険者に届け出ることなどが提案をされておりますが、無用な診療か否かというのは一体誰がどこでどのような基準で判断するんですか。
  70. 滝本純生

    政府参考人(滝本純生君) 無用な診療と申しますのは、合理的な根拠が疑わしい診療でありますとか、あるいは効果がないのに患者に経済的な負担を不当に押し付けるような、そういう診療を念頭に置いているものだと思います。  それで、今回の提案では、患者の選択を尊重するという立場に立っておりますが、あくまで、読んでいただければ分かりますように、一定の手続、ルールの範囲内でということでございますので、そこで今申し上げたような無用の診療をどのように除外していくのか、そういうことを今後その手続、ルールの中で具体的に検討をしていくことにいたしております。  誤解のないように申し上げますけれども、患者と医師が了解すれば、同意すれば、何でもかんでも認めると、そういう意味での、定義は必ずしも定かではありませんけれども、いわゆる全面解禁みたいな話ではないということは御理解いただきたいと思います。
  71. 小池晃

    ○小池晃君 いや、全然理解できないですよ。だって、じゃ、誰がこの判断するわけですか。これ、保険者に届け出るというわけでしょう。保険者がそんなことを判断できるわけないんですよ。診療報酬や療担規則や法律があるから保険者は判断できるんですよ。それを超えて、保険者がこれは合理性があるかどうかなんて判断できるわけないじゃないですか。それは仕事じゃないんですよ。  こういうでたらめなことを言って、それでルールを作る、ルールを作ると言うけれども、保険外診療の有効性とか安全性をチェックするルールがあるじゃないですか、既に。それが保険外併用療法制度なんですよ。実際に、小泉政権時代の厚生労働大臣規制改革担当大臣の基本的合意で、一定のルールの下に保険診療と保険外診療との併用を認めるとともに、これに係る保険導入手続を制度化するということで今の保険外併用療法制度できたわけでしょう。この今の一定のルールで何で駄目なんですか。何でわざわざ別のルール作るんですか。このルールに不備があるというんだったらば、どういう不備があるのかを説明してください。
  72. 滝本純生

    政府参考人(滝本純生君) 規制改革会議の各委員で共有されておりますのは、非常に困難な病気と闘っている患者がその病気を克服するためにずっと保険診療を重ねてきた、それで、どうしてもその保険外診療をしたいといったときに、今の評価療養の中にないものをしたいということになると、これは混合診療の禁止に触れてしまって、そこの病院ではできないとか、あるいは病院を変えてくれとか、やろうと思ったら全額負担にならなくちゃいけないとか、それは余りにもその患者さんにとって酷ではないかということで、今の評価療養制度でリストアップされていないものについても何とか受けられるようにできないかと、そういう問題意識議論されているものでございます。
  73. 小池晃

    ○小池晃君 いや、でたらめな議論だということが本当よく分かりますね。  だって、結局、何でもかんでもやるわけじゃないと言うけど、何でもかんでもやることになりますよ、それだったら。もうエビデンスなくたって患者さんがこれをしてほしいと言ったと、それで医師と合意したら、これどんどんやるということになるじゃないですか。こんなことで医療の安全性、有効性が保証できるんですか。しかも、極めて短期間に認めるというんですよ。もうとにかく、安全性はともかく有効性なんかどうでもいいということなんですか、規制改革会議というのは。  結局そういうことになるじゃないですか。例えば、この水がもう私の気か何かが入っていて、末期のがんだったらよく効くんだ、そういう治療をやるんだといって患者さんと医師で合意したらやるんですか。そんなことに保険外併用療法を出すんですか。おかしいじゃないですか。これ日本の医療を壊しますよ、こんなでたらめな議論をやっていたら。どうですか。
  74. 滝本純生

    政府参考人(滝本純生君) まさに、ですから、そこをどんなふうにしていくかというのをこれから厚生労働省の御意見などもお聞きしながら詰めようとしているわけでございます。  何度も繰り返しますけれども、私たちは、合理的な根拠が疑わしいような医療を、同意したから、選択したからといって認めることにしておりませんので、それは仕組みはいろいろあると思います。我々は、単に運用で広げようということではなくて、立法論として考えるべきだという提案をしておりますので、そこは今後、規制改革会議で十分に議論を深めたいと、そのように考えております。
  75. 小池晃

    ○小池晃君 立法論としてというんだって、さっき聞いたでしょう、今の保険外併用療法というのはまさにそういう保険外治療の合理性、妥当性、安全性、有効性を一定クリアするために作ったルールじゃないですか。このルールで何で駄目なのか説明できていないですよ。どうなんですか。
  76. 滝本純生

    政府参考人(滝本純生君) 今の評価療養制度は、厚労省はもういろいろ御努力いただきまして、通常六か月ぐらい掛かっていたのを、ハイウエー構想というようなことで、三か月に縮めようというようなことでいろいろやっていただいておりますけれども、そもそも厚労大臣があらかじめ決めた診療の中から選ぶということでありますので、極端に言えば、あした使いたい患者さんは三か月待っていられない、そういう困難な病気と闘っている人たちに最後のよりどころとして、海外で承認されているけれども国内でまだ未承認であるとか、そういったものについて、もちろん一定安全性等の評価とかあるいは審査といったものをどういう形でするかということは今後詰めなければなりませんけれども、そうしたことで、一定の手続、ルールをきちっと定めた上で、そういう患者さんたちを救いたいというのが規制改革会議のこれまでの議論でございます。
  77. 小池晃

    ○小池晃君 あした使おうというものを、何で安全性がそんなにチェックできるんですか。そういったことができないからちゃんとルールを作って、いきなり全部保険診療にならずとも、保険外併用療法という形でワンクッション置いて、そこでまず試して、それで安全性も確認して保険診療にと、そういうルートでやっているわけじゃないですか。何でそれをわざわざ壊すんですか。こんなことをやったら本当に日本の医療、崩壊すると私、思います。  しかも、結局これ評価療養よりも、やっぱりこんな制度入れたらば、財務省がこれ優先しますよ。そうしたら、結局保険適用どんどん遅れますよ。保険診療に掛かる経済的負担が治療の妨げにならないようにという、あたかも患者さんのためであるかのように言うけれども、結局こんなことをやったって画期的新薬というのは高いわけですよ、薬価が。だから、結局この制度を導入されても保険外併用療法のままでは、やっぱり高額な新薬を自費で購入できる人でなければ使えないわけで、やっぱり本気で経済的負担を心配する気持ちがあるのであれば、新薬を保険収載することを迅速化する、もちろん安全性チェックしてですけれども、そこにやっぱり規制改革会議というのは知恵を尽くすべきであって、逆に保険収載の、結局こんなことをやったら妨げになっていく。だって、それは保険に入れないでおいた方がもうかるということになっちゃいますから、こんなことをやったらば。そうすれば、結局、患者さんの費用負担だって軽減されることないんじゃないですか。これ、私はそういうことになると思いますけれども、いかがですか。
  78. 滝本純生

    政府参考人(滝本純生君) 保険外診療が高額な場合もそれはあると思いますけれども、逆に、手術代とか保険診療の方が高い場合もたくさんあるわけでございまして、必ずしも一概に金持ちのための制度改革だとは考えておりません。  それからまた、これまでの議論の中では、専ら保険外診療を目的として、それに伴って保険診療である検査だとか入院とか出てくる、こういったものは認めるのは問題ではないかというような議論も出ておりますので、今後そういうことも含めて検討していきたいと思っておりますし、それから保険収載も、当然我々は保険収載を前提にしないということで議論しているわけではございませんので、選択療養で使われて一定の実績を重ねればそれを評価療養の方に持っていくとか、そういったルートの整備というようなものも併せて検討したいと、そのように思っております。
  79. 小池晃

    ○小池晃君 これ、文書には確かに、広く使用される実績があれば保険収載され得ると書いてあるんですけど、こんな、実績さえあったら保険収載していったらば、エビデンスに基づく医療が崩壊するじゃないですか。きちっとやっぱり実績あるいは安全性、有効性とちゃんと検討してやらなければ、私は本当にもうたがが外れることになると思いますよ。  それから、今、何かいろいろと保険外診療がはびこっているからどうのこうのという、実際にこの規制改革会議の文書の中には、現実には様々な保険外診療が行われて、混合診療の原則禁止が安全確保策として機能していないと言っているんだけど、それを心配するのであれば、まさにこんな、患者が同意する手続さえ踏めば療養費支給するような仕組みつくったらば、怪しげな保険外診療がどんどんどんどん広がることになるんじゃないですか。こういうことをやってはいけませんよ。  大臣、私これ、本当でたらめな議論だと思いますよ。岩盤規制に穴を空けるというふうに言っているけれども、これは日本の医療を崩壊させますよ、こんなことをやったらば。これは本気でやっぱり、はっきり言って余りにもずさんででたらめな議論だと思いますし、日本の医療の実態を全く踏まえていない議論だと思いますし、これは六月に向けて具体化するなんというのは断じて許すべきでないというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
  80. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 国民皆保険制度の下、必要かつ適正な医療はこれは保険診療、これが基本であるわけでありますが、一方で保険外の医療も確かにあるわけであります。それに関しましては、安全性、有効性、これを一定のルールの下で審査した上で、保険外併用療養という形で今対応をいたしておるわけであります。  一方で、今言われたような議論はあるわけでありまして、でありますから、最先端医療迅速評価制度というものをこれを仕組みとしてつくったわけでありますが、さらに、確かに安全性と有効性をしっかりと審査した上ででありますけれども、早い方がこしたことはないわけでありますので、その点に関しましては、今言われたような、海外で一定程度もう言うなれば安全性というものを確認されながら、有効性というものも確認されながら使われておるというようなものに対して、これは抗がん剤なんかもそのうちの一つかも分かりませんが、どのようになるべく早くしていくかという努力はこれはさせていただきたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、保険収載を目指すというのが大前提でございますから、だって、なぜかといえば、こちらは保険なんですから、皆さん保険料を払っていただいているので、保険収載を目指すということを前提に、なるべく今の点を勘案しながら早めるところは早めさせていただくという努力はしてまいらなきゃならぬということでございまして、いろいろと規制改革会議とこの点は話合いをさせていただいて、いい制度をつくってまいらなければならぬというふうに考えております。
  81. 小池晃

    ○小池晃君 今の保険外併用療法のルールで十分やれるんだ、これが一番合理的なんだということをしっかり主張して、こういうばかげた議論は直ちにやめさせてください。よろしくお願いします。  子宮頸がんワクチンについて最後お聞きしますが、私どもはワクチンの公費負担を求めてまいりました。子宮頸がんの予防という課題は引き続き重要だと思っています。しかし、ワクチンの副作用の深刻さというのはやっぱり重く受け止めなければならないのではないかと思っていますし、やはりほかのワクチンに比べて副作用の頻度が高いということも気になります。  そこで、まず確認で聞きますが、現状は、積極的勧奨は行われていないが法定接種です。現時点では、子宮頸がんワクチン接種を受けた場合の公費負担や健康被害救済水準はほかの法定接種のワクチンと同水準になっているわけですね。簡単にお答えください。
  82. 佐藤敏信

    政府参考人佐藤敏信君) お答えをいたします。  今お話がございましたけれども、HPVワクチンについては積極的な接種勧奨を差し控えているわけですけれども、現在も予防接種法に基づく定期接種の対象であることに変わりはございませんので、公費負担による接種が可能であって、また、御質問にありましたように、その接種により生じた健康被害についても法に基づく救済給付の対象となり得るものでございます。
  83. 小池晃

    ○小池晃君 私は、いろんな課題があると思っております。ワクチン定期接種を始めた後のフォローアップ、それをやっぱりチェックしていく仕組み、日本版ACIP発足したというけれども、結局、結核感染症課が事務局という水準で、やっぱりアメリカの水準なんかとはかなり違いがあると思います。しっかりこの検証体制をつくっていくことが必要だと思うんです。  それから、ワクチンギャップということがよく言われますが、世界と日本のギャップの解消はもちろん大事なんだけれども、やっぱりそのワクチンを受ける側と医療従事者というか、そのギャップといいますか、やっぱりどれだけの効果のあるワクチンなのか、あるいはどれだけの副作用があるのか、まだまだそこがきちっと、教育のギャップというか、できていない、解消されていないような部分もあるのではないかなというふうに思っておりまして、こういう課題はたくさんあるというふうに思います。  サーバリックスもガーダシルも本邦初の遺伝子組換えワクチンです。アジュバントとしても新しい成分が含まれているといいます。やはりその副反応を接種の痛みが惹起した心身の反応だというふうに結論付けるのは拙速ではないだろうかと。やはり、きちっとした疫学調査など徹底した検証をやっていく必要があると思いますし、積極的勧奨は当面やはり再開すべきではないんではないかというふうに考えますが、大臣の見解を伺います。
  84. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 昨年四月、定期接種化したわけでありますけれども、五月にいろんな症例があるということで、これは被害者連絡会の方からいろんな症例をいただきまして、六月に副反応検討部会の中において、積極勧奨に関しましてはこれは一時止めるという形にしておるわけでありますが、その後、それぞれ治療された医師、それからまた治療の現場にも行っていただいて、いろいろとその場においてその状況というものを御判断いただいた。一定の意見の一致は見たわけであります。  その一定の意見の一致というのは、御承知のとおり、海外においてはこれは一定の症例はありますけれども、しかしながらワクチンの安全性、これに対する言うなれば懸念とは捉えられていないでありますとか、それから今言われた心身の反応という部分、さらには身体的アプローチと心理的アプローチ双方を用いて、集学的な治療により……
  85. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
  86. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 重症化、長期化を防ぎ、軽快させていくことが重要等々いろいろあったわけであります。  こういうものを含めて判断を最終的に審議会の方でいただくと思います。それに基づいて我々としては最終的な判断をさせていただきたいというふうに思います。
  87. 東徹

    ○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。  まず初めに、国家戦略特区のことについて質問をさせていただきます。  平成二十六年三月二十八日、国家戦略特区の指定区域として示されました関西圏について、医療における規制改革ということが示されておりますけれども、具体的にはどのようなものなのか、政府としてどのような効果を期待されているのか、まずはお聞きしたいと思います。
  88. 富屋誠一郎

    政府参考人富屋誠一郎君) お答えを申し上げます。  三月二十八日の国家戦略特区諮問会議におきましては、国家戦略特別区域及び区域方針の案が示され、この中において大阪府、兵庫県、京都府の全部又は一部が関西圏の対象区域として示されたところでございます。この関西圏では、病床規制の特例や外国医師の診察、業務の解禁、保険外併用療養の拡大等の規制の特例措置を活用すること等によりまして、健康・医療分野における国際的イノベーション拠点の形成を通じ、再生医療を始めとする先端的な医薬品、医療機器等の研究開発や事業化が推進されるものと期待しておるところでございます。
  89. 東徹

    ○東徹君 今、内閣府の方から御答弁ありましたけれども、厚生労働大臣としては今の答弁を聞かれましてどのように思われますでしょうか。
  90. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 厚生労働省として、制度の中において必要なもの、必要なものといいますか、我々としてもそれに関しては一定程度理解できるものに関しましては、それはそれで、やはり新たな試みでございますので、その点はしっかりと対応をしてまいらなければならないというふうに思っています。
  91. 東徹

    ○東徹君 ありがとうございます。  それでは、先ほどもう質問がありました規制改革会議のことについて質問をさせていただきます。  平成二十六年三月二十七日の規制改革会議におきまして、患者と医師の合意で治療方法を選択できるように、混合診療の拡大というのは新聞報道ではそういった言葉が使われておりますけれども、保険外併用の拡大ということでしょうか、選択療養制度を創設というのが提示されております。  患者の治療費用負担の軽減、それから、それに伴って実質的に患者の治療方法の選択肢が広がっていくという効果があるというふうに思われますが、この規制改革会議の提示について厚生労働省としてはどのようにお考えになられるのか、お聞きしたいと思います。
  92. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 今、制度の中身に関して御議論をいただいておるわけでありまして、先ほど小池委員の御質問にもお答えいたしましたけれども、基本といたしましては、安全性、これは絶対外せないところでありますし、それから有効性、全く有効性が分からない、例えば先ほど言われたようなこの水を飲んだら良くなるんだみたいな、そのコップの水かどうかは分かりませんが、そういうものはやはりどう考えてもそぐわないことは誰が見ても明らかなわけでございまして、まさかそんなものを対象にしようと考えておるわけではないというふうに思うわけでございまして、一定の有効性というものをちゃんと検証した上で、しかも保険収載というものを目指していただくということを前提といたして、迅速化、効率化というものはこれは必要でございますから、どういう手法をすれば、まあ今も、実は先ほど言いましたが、最先端医療迅速評価制度というのがありますけれども、それ以外で更に効率化できるような方法があるとすればどういう仕組みなのか、そういうことは我々も規制改革会議皆様方と御議論をさせていただいて、いろいろと制度設計はさせていただきたいというふうに思います。
  93. 東徹

    ○東徹君 是非とも、先ほども話がありましたけれども、困難な病気と闘う患者さん、難病を抱える患者さん、そういった方が患者の治療費用負担の軽減につながっていくとか、そしてまた、それに伴って実質的に患者の治療方法の選択肢が広がっていく、是非そういった効果のあるものにしていっていただきたいというふうに思います。  続きまして、JEEDのことについて関連して質問をさせていただきます。  厚生労働省の締結した随意契約について、随意契約の見直し状況のフォローアップが平成二十二年度分までホームページで公開されております。その後の平成二十三年度、二十四年度のフォローアップは公開されていないんですが、フォローアップは実施されているのかどうか、まずはお聞きしたいと思います。
  94. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  随意契約の見直し状況のフォローアップにつきましては、平成十七年に設置されまして、現在は廃止されてございますけれども、公共調達の適正化に関する関係省庁連絡会議の十八年決定に基づきまして、二十二年度分まで委員御指摘のとおり公表していたところでございます。二十三年度以降につきましては、フォローアップは実施してございません。
  95. 東徹

    ○東徹君 今回、JEEDのことについていろいろと厚生労働省に、入札方法とか契約についていろいろと調べさせていただきました。本当にちょっと問題だなというふうに思います。  今回、その随意契約の見直し状況のフォローアップということで、平成二十二年度分まではホームページでしっかりと公開されておるわけですけれども、その後はされていないわけですね。是非これやっていくべきじゃないのか、公開するべきじゃないのかというふうに思うんですが、是非これやるべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  96. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 今回の事案、JEEDの事案につきましては、現在、厚生労働省の監察本部の外部委員による徹底的な真相究明、事実関係の調査を行ってございまして、その結果を踏まえまして、随意契約在り方も含めまして入札手続の在り方について必要に応じた見直しを検討していきたいと考えてございます。
  97. 東徹

    ○東徹君 是非、これ、こういうふうに公開しないからいろいろと問題が出てくるんだと思うんですね。これまでずっとこれ前政権の下では公開してきたことが公開しない、非公開にしていっているというふうなことだからこういった問題が出てきているというふうに思うので、この随意契約の見直しのフォローアップも是非公開をしていただきたいというふうに思います。  それから、続きまして、厚生労働省の締結した契約について、平成二十三年度から平成二十五年度まで各年度において、全体の契約数をお伺いしたいと思います。
  98. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  厚生労働省が締結いたしました契約数につきましては、少額随意契約を除きまして、平成二十三年度で八千百七十二件、平成二十四年度で七千三百四十件でございますけれども、二十五年度につきましては現在集計中でございます。
  99. 東徹

    ○東徹君 平成二十五年度分については集計中ということでありますけれども、これまではこうやって公開されてきていたんですよね。二十三年度、二十四年度、契約件数とそれから金額、それについて是非きちっとお示しをいただきたいと思います。  その次に、その内訳として、単純随意契約、企画競争、公募、一般競争入札、総合評価方式も含むんですけれども、それから指名競争入札その他の契約の件数をそれぞれお伺いしたいと思います。
  100. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  恐縮でございますが、二十三年度と二十四年度分の内訳でございますけれども、平成二十三年度につきましては、単純随意契約が二千七百九十五件、企画競争が七百六十件、公募が二百十四件、一般競争が四千三百八十五件、指名競争が十八件でございます。  平成二十四年度につきましては、単純随意契約が二千四百七十三件、企画競争が七百四十一件、公募が二百二十四件、一般競争が三千九百二件、指名競争がゼロ件でございます。
  101. 東徹

    ○東徹君 じゃ、次に、それらの中で一者応札、それから一者応募になった件数はどの程度あるのか、まずはお伺いしたいと思います。
  102. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 一者応札、一者応募になりました件数でございますが、二十三年度は千九百七件でございますけれども、企画競争では五百十二件、公募で百五十九件、一般競争で千二百三十六件でございます。  平成二十四年度では千六百七十九件でございましたが、企画競争で五百十件、公募で百六十一件、一般競争で千八件でございます。
  103. 東徹

    ○東徹君 そしたら、一者応札、一者応募になったもののうち、応札又は応募した事業者が国家公務員の再就職先に当たる場合の件数をお伺いしたいと思います。
  104. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) お答えいたします。  一者応札、一者応募になりましたもののうち、応札あるいは応募した事業者が国家公務員の再就職した先である件数につきましては把握をしてございません。
  105. 東徹

    ○東徹君 それは是非、把握することができると思いますので、お示ししていただけますでしょうか。
  106. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 現時点で作業をすればお示しすることができるものにつきましては、国家公務員の再就職状況につきまして管理職職員、これ管理職職員といいますのは七級以上で企画官相当職以上の者でございますけれども、これにつきましては離職後二年以内に再就職した場合等につきまして再就職状況を届け出るということになってございますので、その届出のあった再就職先につきまして、千七百件二十四年度はあるわけですけれども、それを分析して把握することは可能でございますので、作業はさせていただきます。
  107. 東徹

    ○東徹君 是非その作業をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、JEED、今回の高齢・障害・求職者雇用支援機構に関する入札についてですけれども、厚生労働省契約主体ということになっておりますけれども、その経緯を踏まえると、より一層の競争性の確保と透明性の向上というものを図るため、厚生労働省としては、各契約について、一者応札、一者応募になった理由を検証し、その結果を公表すべきではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
  108. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 今回の案件につきましては、非常に不適切なところがたくさんございまして、反省すべき点が多いということでございます。おわび申し上げます。  公共調達につきましては、随意契約によらざるを得ないような場合を除きまして、原則として一般競争入札による調達を行うということにされてございます。また、随意契約でございましても、少しでも競争性が高いものになるような企画競争にするということが求められてございます。  現在、厚生労働省の監察本部の外部委員によりまして徹底的な事実関係の調査を行ってございますけれども、その結果を踏まえまして、関係職員の処分、あるいは、そういった問題も含めまして、御指摘いただいたような入札の手続の在り方につきましても見直しの検討をしていきたいというふうに考えてございます。
  109. 東徹

    ○東徹君 入札に当たって、公共調達委員会というのがありますよね。公共調達委員会についてですけれども、平成二十五年度における委員会の開催回数と、そこで審査された案件の数をまずお伺いしたいと思います。
  110. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 厚生労働省の公共調達委員会につきましては、平成二十一年の十二月に厚生労働省独自の取組として設置したものでございますけれども、平成二十五年度の開催回数は七十三回でございまして、審査の件数は千百二十六件でございます。
  111. 東徹

    ○東徹君 千百二十六件を七十三回ということですけれども、これ単純に割ると、一回につき大体何件ぐらいを審査しているんですかね。
  112. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 一回当たりの審議件数は十五件程度でございますけれども、事前に委員の方に相当読み込んでいただいたものも別途ございまして、そういうものも含めまして、相当慎重なというか徹底的な審査をお願いしているところでございます。
  113. 東徹

    ○東徹君 徹底的な審査をしているというふうに言いますけれども、十五件をこれ一回でやるというのは相当無理のあることだと思います。これは形だけの公共調達委員会でしかないというふうに思いますが、そう思いませんか。
  114. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 今お答えいたしましたとおり、委員の方には二、三日前に資料をお渡しして、十分読み込んでいただいた上で効率的に審議をお願いしておりまして、十分中身のある審査になっているというふうに考えてございます。
  115. 東徹

    ○東徹君 じゃ、委員の構成はどういうふうになっていますかね。
  116. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 公共調達委員会につきましては四つの委員会に分かれてございますけれども、一番代表的なものが一般会計の公共調達委員会でございまして、これにつきましては内部、行政職員が三名と外部の委員が三名でございます。  外部の方につきましては、お名前を言うのがいいのかどうかちょっとよく分からないんですけれども、学者の方が二名、それから有識者の方が一名ということで、三名の方の外部委員が、要するに六名中三名が外部委員でございます。
  117. 東徹

    ○東徹君 内部の方が三名というのは、厚労省の方ということですよね。
  118. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 内部の人間を申し上げますと、会計課長、それから会計担当の参事官、それから会計経理室長でございます。
  119. 東徹

    ○東徹君 委員会といっても、実質は内部でやっているということで、外形的に見て本当に公平、公正でやられているかというふうには余り思えない委員会だなというふうに思います。  ちょっと時間がないので。今回のJEEDの件ですけれども、これは公共調達委員会にかかっているんですか、かかっていないんですか。
  120. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 今回の案件につきましては、公共調達委員会にかかってございません。
  121. 東徹

    ○東徹君 これ、今回は厚労省が入札したわけですけれども、何でこれ公共調達委員会にかかっていないんですか。
  122. 生田正之

    政府参考人(生田正之君) 公共調達委員会につきましては、厚生労働省が自ら行う事業につきましてかけるという整理もございまして、今回の事業につきましては基金の造成先が中央職業能力開発協会というところでございまして、そういった関係もございますものですから対象とならなかったということでございます。国が公告するなどの受託者の選定に関わってはございますけれども、厚生労働省が自らは調達はしないということもございまして、今回こういうことになったということでございます。
  123. 東徹

    ○東徹君 この公共調達委員会、ただでさえ形だけのような委員会でほとんど審議する時間もなくやっているのが実態でありますし、やっている人たちというのはもうほとんど内部というか、まあ半分は内部ですから厚労省がやっているというような状態でありますよね。ましてや今回の入札については、厚労省が入札しているにもかかわらず公共調達委員会にかけない。理由はというと、中央職業能力開発協会が間に入っているからというふうな話なんですね。非常にこれ、もう分かりにくいというんですか、複雑というか、非常に問題だというふうに思います。  私も、この中央職業能力開発協会、それから高齢・障害・求職者雇用支援機構、この二つについてもう中身もちょっと見させていただきましたけれども、これ本当に要らないですよ。要らないです、要らないですよ。これ、国と地方でできますよ、国と地方自治体とで。これ同じようなことです。別にこれわざわざつくらなくても厚労省でやるべきことはやれるし、地方自治体でやるべきことはやれると思います。是非そういうふうな改革をしていただきたいと思いますが、もう時間ですので、終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  124. 福島みずほ

    福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  今日は四月一日、消費税が上がると同時に、実は今日から不妊治療の助成が縮小されます。治療開始時の妻の年齢が四十歳未満の場合、通算助成回数は六回までとなります、昨年度までは十回。再来年四月からは対象年齢自体が四十三歳未満に限定され、通算助成回数も、初回四十歳未満の妻が六回、初回四十三歳未満の妻が三回に引き下げられます。  私の周りにも不妊治療をしている人も非常に多いんですが、不妊治療への助成レベルを引き下げたのはなぜでしょうか。
  125. 土屋品子

    ○副大臣(土屋品子君) 近年、結婚年齢の上昇に伴いまして不妊治療を受ける方が増加している一方で、医学的には年齢が上がるほど妊娠、出産に伴うリスクが高くなるということが明らかになってまいりました。  そのため、昨年、有識者検討会で、より安心、安全な妊娠、出産に資する観点から適切な支援在り方について検討をいただきましたところ、妊娠等に関する正確な知識の普及啓発や相談支援を行うこと、それから助成事業における医療機関の要件や対象者の範囲などについて見直しの方向性が示されたところでございます。  この助成事業の見直しには、こうした検討会での御議論を踏まえて実施するものでありまして、見直しに当たっては現在治療を受けている方等にも配慮することとしております。具体的には、今先生からお話ありましたように、回数等が変わったような状況でございます。
  126. 福島みずほ

    福島みずほ君 ただ、四十歳以上の出産率は、二〇〇〇年の一・三%から二〇一一年には三・六%に上がっていると、出産数も四万人を超えている。  このことについて、結構私はいろんな方からメールをいただきました。女性から、一生懸命仕事をしてきたのに日本という国に裏切られた気持ちでいっぱいですという四十代前半の女性。この世代の女性の中には、均等法によって社会進出が拡大し、仕事を優先して頑張ってきたという人も多いと。実際、私の知り合いでも四十歳で子供を産んだとかという方もいらっしゃいます。  確かに年齢はあるかもしれないが、一律に年齢でぶった切るというのは、これはちょっと考え直していただきたい。いかがでしょうか。
  127. 土屋品子

    ○副大臣(土屋品子君) 実際に今治療を受けている方は、二年間の一定期間置いて治療を継続できるという形にはさせていただきますが、子供を産むとか産まないとかということは、いつ産むとかいった問題は当事者の意思で判断するものであると考えるところでございます。  今回の検討会は、こうした認識に立った上で、先ほども言いましたけど、一般的に年齢が上がるほど妊娠、出産に伴うリスクは高くなる傾向があるといった医学的知見を踏まえて、より安心、安全な妊娠、出産に資する観点から適切な支援在り方検討していただいたものであります。検討会で示された助成事業の対象範囲の見直しは、あくまでも国等が公費によって助成を行う範囲であって、治療を受けること自体は当事者の選択によるものであります。
  128. 福島みずほ

    福島みずほ君 今、産む産まないというか、どうするかは個人の選択だとおっしゃいました。だからこそ年齢だけで区切るのはちょっとやめていただきたいというか、対象年齢が今までは限度なしだったけれど、新制度では四十三歳未満になる。四十二歳六か月とか四十三歳になった途端に駄目ということになるわけで、御存じ不妊治療は物すごくお金が掛かると。ですから、助成があってようやくそれで助かるという面があるので、年齢で区切るともう何かタイムリミットまであと何か月みたいな形になってしまいますので、今まで対象年齢の限度がなかったのを新制度で年齢を区切るというのは是非見直していただきたいというふうに考えています。  次に、パートタイム労働法についてお聞きをいたします。  今、法案がこれから議論になるわけですが、通常の労働者と同視すべき短時間労働者の三要件、一、職務内容が同一、二、人材活用の仕組みが同一、三、無期労働契約のうち、今回の法改正案で三が削除されますが、救済対象者はどれぐらいからどれぐらいに変わるのでしょうか。
  129. 石井淳子

    政府参考人石井淳子君) 今回のパートタイム労働法の改正法案では、差別的取扱いの禁止の対象となる短時間労働者について、有期労働契約である場合にも対象を拡大することといたしております。  平成二十三年のパートタイム労働者総合実態調査の結果によりますと、職務の内容、人事異動の有無や範囲が正社員と同じパートタイム労働者は二・一%。現在の要件に合致する方でございます。それに加えまして、今回、新しい、現行要件では無期を締結している人、この方々はその要件なくなるわけでございます。一・三%差引き〇・八%程度の対象者の増加というのは見込まれるものでございます。  このデータ等によって単純に推計をいたしますと、この差別的禁止の対象の範囲になる方の増加は十万人程度というふうに見込んでいるところでございます。
  130. 福島みずほ

    福島みずほ君 今回の改正法案によると、対象者が一・三%から二・一%になると。微々たるものですよね。均等待遇ということをうたいながら、僅か二・一%でしかないと。私自身は、無期雇用のパートって十万人もいるかなという感じもちょっとしているんですが、それはさておき、二・一%しか対象者じゃないんですよね。だから、均等待遇うたいながら二・一%って、余りに少ないんじゃないでしょうか。どうでしょうか。
  131. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) これも委員御承知のとおり、職務の内容が同じであり、さらに、一要件は外しましたけれども、人材活用の仕組み、これも同等だということでありますから、そういうようなパート労働者の方はこの数だということでございます。    〔委員長退席、理事高階恵美子君着席〕  ただ、そうはいいましても、パートとそれから要するに常用の正規の方々との、その人材活用、そういうような働き方ですね、こういうようなものが合理的な範囲の中で待遇というものを差を付けるということでございますから、そういう意味ではその部分方々も、例えば雇入れ時の説明でありますとか求められたときの説明義務でありますとか、いろんな中においてやはり合理的な対応、待遇になるということでございますから、ぴったり一緒になるのは十万人でありますけれども、他の部分も含めて均衡待遇という意味では今般の法改正の意味合いというものはあろうというふうに考えております。
  132. 福島みずほ

    福島みずほ君 今、非正規労働者は千九百八十九万人、過去最高となったと。政府は、繰り返し繰り返し、均等待遇実現します、均衡処遇実現しますというふうに言うが、パートタイム法案でも二・一%しか対象がないわけですよ。こんなのは、やっぱり均衡処遇と言いながら、ほんのちょびっとじゃないですか。やっぱり差別が本当に残る。  それで、今から質問するのは、厚労省は、今年七月一日施行の男女雇用機会均等法施行規則改正において、全ての労働者の募集・採用、昇進、職種の変更に当たって、合理的な理由なく転勤要件を設けることは間接差別に該当するとしております。これを禁じている。これを私は高く評価をしております。  しかし、今般のパート労働法改正においては、依然として要件に人材活用の仕組みにおいて人事異動と配置転換の有無が合理的差別として認められています。パート労働において女性に対する間接差別を温存、強化する措置と言わざるを得ません。いかがですか。
  133. 石井淳子

    政府参考人石井淳子君) 確かに、パート法の中の考え方としまして、職務の内容にとどまらず、人材活用の仕組みや運用というものを一つメルクマールとしまして均等待遇、均衡待遇の対象の範囲かどうかという形で切り口として持っておるわけでございます。  その人材活用の仕組みや運用の中に転勤の有無等々もこれも含まれているわけでございますけれども、あくまでこれは長期的な雇用管理を行っている日本の雇用慣行に照らした場合に、それはやはり一つの要素としてそれをあらかじめ捨象することは適当ではないというふうに考えているわけでございます。  しかしながら、その転勤自体が適切なものかどうか、これは別途均等法の中での考え方で律するものであるわけでございまして、例えば合理性を欠いている場合については、今回、七月一日施行を予定しております新しい省令、指針の改正の下で募集・採用、昇進、職種変更の要件とされている場合には、それは違法という形で是正の対象としていく、そういうものでございます。
  134. 福島みずほ

    福島みずほ君 諸外国はこの間接差別について随分議論があり、だからこそ国連の女性差別撤廃委員会からも勧告が出て、日本もやっぱり間接差別、もうちょっとちゃんとやらなければというので均等法の改正につながったというふうに思っています。  転勤要件設けることは間接差別だということじゃないですか。女性が転勤できないということを理由に差別されてはならないというのが、これは女性差別になるから均等法違反です。でも一方で、パート法では勤務、要するに転勤できるかどうか、転勤できなければ正社員とは違うんだから均衡処遇設けなくてもいいんだというんだったら、やっぱりこれ、法律の整合性が取れないというふうに思いますよ。女性で、パートの女性が転勤要件、私はこの地域でしか働けない、転勤はできない、これは均等法上恐らく、恐らくというか、均等法上、女性差別、間接差別になる、均等法違反になるわけですよ。    〔理事高階恵美子君退席、委員長着席〕  でも一方で、均衡処遇するときは、その女性のパートの人は正社員と給料や報酬や昇進やいろんなことが平等でなくてもパート法違反でない。これは整合性取れない。パート法の中からこの転勤要件、人事異動と配置転換の有無を削除すべきではないか。いかがですか。
  135. 石井淳子

    政府参考人石井淳子君) 我が国の雇用システムの実態を踏まえますと、転勤の有無等を含めて人材活用の仕組み実態的に判断することはこれは合理的なのではないかと考えております。  ただ、転勤のその位置付けでございます。転勤自体がある意味ではその合理性を欠いている場合があるわけでございます。例えば、ほとんど実態がないとか、そもそもそういう支社とか何かの展開の予定がないとか、そういう合理性を欠く転勤についてはこれは別途考えるべきだと思いますが、転勤自体を間接差別として捉えるというのは、これは均等法の考えでもありませんし、また間接差別の考え方でもない。あくまで合理性があるかどうかというところが非常に重要な点ではないかというふうに考えております。
  136. 福島みずほ

    福島みずほ君 転勤要件を設けることが問題だというふうにされているところにポイントがあると思います。  実際、ある人が転勤拒否するかどうかが、これが合理的な範囲内の転勤かどうかというのは裁判で争われることになると思います。しかし、問題は、転勤要件を設けている、これが合理性がなければ間接差別になるんですよ、間接差別になる。合理的理由はそんなに大きく認めては駄目ですよ、間接差別をなくせとさんざんぱら言われているんですから。じゃないと女性差別はなくならない。にもかかわらず、パート法において転勤の、人事異動と配置転換の有無を入れれば、結局、正社員とこのパートの女性は転勤の有無について条件が違うから給料も賞与も違っていいということになる。これは、一生懸命均等法では間接差別を禁じながら、一方でパート法では、そのパート法の適用される均衡処遇の人間が少なくなるんですよ。ここは見直してほしい。いかがですか。
  137. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) 確かに、パートタイムという形態で働く方々には女性が多いのは事実でありますが、これは女性に限った働き方ではないわけでありまして、当然、男性もパートタイム労働をされている方々はおられるわけであります。  ですから、その中において、この転勤というもの、まあ転勤だけではありませんけれども、その人材活用の仕組みというものが要件に入る。これは一般の働き方と同じ話でありまして、一方、均等法の中で合理的でないものに関して、それは転勤等々は要件にしちゃならぬわけでありまして、そこは十分に両方ともバランス取れているわけでありますから、女性に限ったパートタイム労働法でないということで御理解をいただきますようお願いいたします。
  138. 福島みずほ

    福島みずほ君 いや、言っている意味を理解していただけないと思います。  つまり、均等法では、合理的な理由なく転勤要件設けることは間接差別だとはっきり書いてあるわけですよ、全ての労働者に関して。でも一方で、パート法では人事異動と配置転換の有無が、これは差を設けていいというふうになっているので、これは矛盾しているでしょうということなんですよ。ほとんどの、多くの女性はパートです。ですから、せっかく間接差別をなくそうとしてきた均等法の趣旨が、実はパート法では生かされていないということなんですよ。  もちろん、パート法が、男女共に適用があることだけれども、これは何となくそうだなという顔もされているような気もするし、それはこちらの思い違いでしょうか。  これは、やっぱりおかしいんですよ。間接差別の趣旨を生かすのであれば、これはなくすべきだと。でないと、結局、限定正社員なんというのは、もちろん男性もなるかもしれない、でも、女性が地域限定で雇われて、結局、間接差別を禁止しようとした均等法の趣旨が、ほかの法律によって、あるいはほかの制度によって生かされないという事態が起きる。これは是非検討していただきたいというふうに思いますし、また法案のときもお聞きをいたします。  合理的差別の程度問題ないし受忍限度についてお聞きをします。  要件、職務内容、人材活用の仕組み一定の差異があるとしても、諸手当、賞与、通勤費負担、慶弔金や慶弔休暇など、広範にわたって金額や内容に著しい差異が設けられている場合、合理的な差別の限度を超えていると言えると考えるが、いかがでしょうか。
  139. 石井淳子

    政府参考人石井淳子君) 今回、提出しておりますパートタイム労働法につきましては、差別的取扱いの禁止の対象も拡大をいたしますけれども、それに加えまして不合理法理というものを取り入れているところでございまして、それに応じて個別に見ていくということになるわけでございます。  具体的に手当等の話を御指摘いただきましたけれども、まず、同視すべき短時間労働者については、例えば住宅手当などについて正社員の扱いと異なる扱いをする場合は違反になりますし、またそれ以外の短時間労働者につきましても、これは働き方の違いに応じた合理的なものとしていくという考え方に基づきまして、現在でも職務給、職務に関連する賃金を均衡確保の努力義務の対象としているわけでございますが、それ以外のものについては均衡確保の努力の対象から外しておるわけでございます。  しかしながら、その一方で、今回の法案の中では、多様な就業実態を踏まえて、その他の手当も含めて法律で対象となっていないものについてもバランスを考えていただくことが重要という観点から、広く全ての短時間労働者を対象に、通常の労働者の待遇との相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとの待遇の原則を一般的な考え方として新たに規定するとともに、事業主による雇用管理の改善等の措置についての説明義務を創設することとしております。  こうした取組を行うことによりまして、より一層パートタイム労働者の均等・均衡待遇を進めることができるのではないかと考えているところでございます。
  140. 福島みずほ

    福島みずほ君 是非、同一の条件でなくても均衡処遇が、というか、合理的でない差別が行われないように、それはよろしくお願いします。  性暴力被害者並びにその支援仕組みについてお聞きをいたします。  関西では性暴力救援センター大阪、SACHICO、東京では性暴力救援センター東京などありまして、それぞれ視察に行っております。  共通しているのは、病院を拠点として、そこで様々な人が来ると。例えば、大阪のSACHICOの例では、この三年間の間に一万百六十件の電話相談、来所件数が千七百四十六人、初診人数が五百五十七人、病院の中で緊急避妊薬処方六十六人、証拠採取八十六人、妊娠二十二人、入院三人、弁護士紹介やカウンセリング紹介などやっております。やっぱり、病院を拠点に産婦人科の人たちが本当に頑張って、性暴力に遭った人たちに証拠の採取をしたりケアをしたり、これはとてもいい活動をとてもやっています。  こういう活動について、男女共同参画局そして厚生労働省、とりわけ厚生労働省はこれ病院に対して、実際見に行くと、SACHICOなどは病院の一部分を明け渡してそういう空間つくってお医者さんが一生懸命自分で診ているという状況があって、診療報酬で考えていただくのか、何かこういうことを助成するのか。  今後、全国的に、性暴力救援センター、こういうのは大事だと思うんですが、是非、病院拠点型で産婦人科とやっぱり連動するのはとても女性にとっていいと思っております。これへの応援について、男女共同参画局、それから厚労省の見解を教えてください。
  141. 佐村知子

    政府参考人(佐村知子君) 内閣府の犯罪被害者等施策推進室において、ワンストップ支援センターを進めるための手引を作成しております。その手引の中では、形態として、先生が今おっしゃられたいわゆる病院拠点型とか、あるいは相談センター拠点型、また地域によってはそれが難しいことがありますので、相談センターを中心とした連携型など幾つかの事例を挙げております。  私どもの方としては、性犯罪被害者等のための総合支援に関する実証的な調査研究事業というものを今、二十六年度考えておりまして、また、地域男女共同参画センターの相談員等を対象とした研修等を通じて、いわゆる地域の実情に応じたできるだけいい性犯罪被害者等に係るワンストップサービス等の推進に取り組んでまいりたいと思っております。
  142. 原徳壽

    政府参考人(原徳壽君) 性犯罪被害者の支援を行うに当たって、産婦人科や精神科を始めとした医療機関の果たす役割は重要だと認識しております。  このため、第二次犯罪被害者等基本計画において、医療機関に対してワンストップ支援センターについての啓発を行うほか、犯罪被害者支援団体等からワンストップ支援センター開設に向けた相談があった場合には、協力が可能な医療機関に関する情報を収集し、提供することとしているところでございます。  厚生労働省におきましては、平成二十四年の七月に、医師会、四病院団体協議会に対し、内閣府が作成されました性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター開設・運営の手引を関係機関に周知することを依頼したところでございます。  また、本年の三月に開催いたしました全国の医政関係主管課長会議におきましても、内閣府の資料等を活用しながら、各都道府県に対して、犯罪被害者支援団体等からのワンストップ支援センター開設についての相談について、その具体的な要望内容を踏まえ、医療関係団体等と連携しつつ対応するよう周知を行っているところでございます。
  143. 福島みずほ

    福島みずほ君 是非、厚生労働省そして男女共同参画局、よろしくお願いします。手引の紹介だけでなく、具体的な支援方法を是非、厚生労働省男女共同参画局はとりわけやっていただいていますが、よろしくお願いいたします。  今日は、長期療養、入院している、闘病している子供たち支援、とりわけ勉強の支援について、ちょっと済みません、時間が過ぎているので、一言、文科省から、これは長期入院している子供は勉強が遅れるんじゃないかとかすごく心配すると思うんですね。健やか親子21などありますが、まだまだこの勉強についての支援が病院の中では遅れています。  一言決意をお願いします。
  144. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。
  145. 義本博司

    政府参考人義本博司君) お答えいたします。  病弱、身体虚弱の児童生徒の教育につきましては、いわゆる院内学級も始め、あるいは訪問教育を中心に教育を提供しているところでございます。具体的には、院内の学級におきましては、病気の状態や治療の過程に配慮しながら小中学校と同等の教育ができると。特に学習については、非常に大事でございますので、病院を出られない児童生徒については、例えば教師がベッドサイドで指導を行うとか、タブレットも含めましてICTの活用の指導をしているところでございます。  文科省においては、病気の子供に対する教育の充実を図ることが大変重要だと思っているところでございます。昨年の三月にも、病気の子供たちへの指導に当たっての留意事項等を整理した通知を発出して、その充実を促しているところでございます。  また、平成二十六年度の予算におきましても、特別支援教育の就学奨励費等によります病気療養児への支援の充実を含めて、特別支援教育の推進につきましての拡充を図っているところでございまして、これらを活用しながら、引き続き病気の子供に対する教育の充実に取り組んでまいりたいと思います。
  146. 福島みずほ

    福島みずほ君 ありがとうございます。
  147. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────
  148. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 労働安全衛生法の一部を改正する法律案(閣法第六四号)及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案(参第七号)の両案を一括して議題といたします。  まず、労働安全衛生法の一部を改正する法律案(閣法第六四号)について、政府から趣旨説明を聴取いたします。田村厚生労働大臣
  149. 田村憲久

    国務大臣田村憲久君) ただいま議題となりました労働安全衛生法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。  近年、事業場で使用される化学物質の数が年々増加する中、その危険性又は有害性の調査等、事業者の化学物質管理が適切に行われていないことを原因とする労働災害が依然として多く発生しています。  また、労働者が職場から受けるストレスは増大する傾向にあり、精神障害を原因とする労災給付の支給決定の件数は年々増加している状況です。  さらに、同一企業の異なる事業場の中で、同様の重大な労働災害が繰り返し発生する事案が生じており、企業全体で安全衛生の改善を図ることが必要となっています。  こうした最近の社会情勢の変化や労働災害の動向に即応し、労働者の安全と健康を確保するため、労働安全衛生対策の一層の充実を図ることとし、この法律案を提出いたしました。  以下、この法律案の内容についてその概要を説明いたします。  第一に、化学物質による労働災害を防止するため、労働者に危険又は健康障害をもたらすおそれのある一定の化学物質について、危険性又は有害性等の調査を行わなければならないこととしています。  第二に、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止するため、事業者は、労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査等を行わなければならないこととしています。  第三に、厚生労働大臣は、同一企業での重大な労働災害の再発を防止するために必要があると認めるときは、事業者に対し、当該企業の事業場全体の安全又は衛生に関する改善計画の作成を指示することができるとしています。  第四に、事業者は、職場での受動喫煙を防止するために、実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとするとともに、国が必要な援助を行うこととしています。  最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日としています。  以上がこの法律案の趣旨です。  御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。  以上であります。
  150. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 次に、労働安全衛生法の一部を改正する法律案(参第七号)について、発議者薬師寺みちよ君から趣旨説明を聴取いたします。薬師寺みちよ君。
  151. 薬師寺みちよ

    薬師寺みちよ君 ただいま議題となりました労働安全衛生法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  国民の健康増進については、健康増進法等により様々な対策が講じられております。最近においては、口腔健康の保持が糖尿病を始めとする生活習慣病の発症を予防することなどに寄与することから、歯科疾患の予防の取組が極めて有効であるとされております。従来より、学校保健等の分野では健康診断において歯科健診等が行われておりました。加えて、歯科口腔保健の推進に関する施策を総合的に推進するため、平成二十三年の第百七十七回国会において、議員立法により、基本法的性格を有する歯科口腔保健の推進に関する法律が成立いたしました。その一方で、労働者を対象とした産業保健分野においては、労働安全衛生法により有害業務に従事する労働者に対する歯科健診が義務付けられているにすぎません。  また、近年、快適な職場環境への取組が行われる中で、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約が平成十七年に発効し、また、受動喫煙の有害性に関する知識の普及や健康志向の強まりなどから、労働者の職場における受動喫煙防止への意識が高まりつつあります。このため、政府は、平成二十三年の第百七十九回国会において、職場の全面禁煙又は空間分煙を事業者に義務付けることなどを内容とする労働安全衛生法の一部を改正する法律案を提出いたしましたが、平成二十四年の第百八十一回国会において、衆議院の解散により廃案となっております。政府は、今国会において法案を再提出いたしましたが、その内容は事業者の努力義務としており、職場における受動喫煙防止の対策への取組姿勢は後退するものとなっております。一方、事業者の受動喫煙防止の取組は着実に進んではいるものの、全面禁煙等に取り組んでいる事業場は平成二十四年において約六割にとどまっております。  こうしたことから、本法律案は、労働者の健康の一層の確保を図るため、職場における歯科保健対策の充実及び受動喫煙の防止のための措置を講じようとするものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、産業歯科医の法定化等についてであります。  事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師のうちから産業歯科医を選任し、その者に労働者の健康管理等を行わせなければならないものとしております。また、産業歯科医に関し、労働者の健康管理等を行うのに必要な歯学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならないものとすること等現行の産業医と同様の規定の整備を行うものとしております。  第二に、一般健康診断における歯科医師による健康診断の実施についてであります。  事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師による健康診断を行わなければならないものとしております。  第三に、歯科医師による保健指導についてであります。  事業者は、第二の歯科医師による健康診断等の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対し、歯科医師による保健指導を行うように努めなければならないものとしております。  第四に、受動喫煙の防止についてであります。  事業者は、労働者の受動喫煙を防止するため、屋内作業場その他の厚生労働省令で定める作業場について、専ら喫煙のために利用されることを目的とする室を除き、喫煙を禁止することその他の厚生労働省令で定める措置を講じなければならないものとしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願いを申し上げます。
  152. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。  両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十三分散会