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2014-04-24 第186回国会 参議院 経済産業委員会 第11号
公式Web版
会議録情報
0
平成二十六年四月二十四日(木曜日) 午前十時一分開会 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
大久保
勉君 理 事 有村 治子君 岩井 茂樹君 松村
祥史
君 加藤 敏幸君 倉林 明子君 委 員 磯崎
仁彦君
北川イッセイ
君
高野光二郎
君 滝波 宏文君 宮本 周司君 渡邉 美樹君 小林 正夫君 直嶋 正行君 増子 輝彦君 杉
久武
君 谷合 正明君 松田
公太
君 中野 正志君 真山
勇一
君 荒井 広幸君
事務局側
常任委員会専門
員 奥井 俊二君
参考人
京都大学原子炉
実験所教授
山名
元君
立命館大学国際
関係学部教授
大島
堅一
君 ───────────── 本日の
会議
に付した
案件
○
原子力損害賠償支援機構法
の一部を改正する法
律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ─────────────
大久保勉
1
○
委員長
(
大久保勉
君) ただいまから
経済産業委員会
を開会いたします。
原子力損害賠償支援機構法
の一部を改正する
法律案
を議題といたします。 本日は、本案の
審査
のため、二名の
参考人
から御
意見
を伺います。 本日御
出席
いただいております
参考人
の
方々
を御紹介申し上げます。 まず、
京都大学原子炉実験所教授山名
元
参考人
でございます。 次に、
立命館大学国際関係学部教授大島堅一参考人
でございます。 この際、
参考人
の
方々
に
委員会
を代表して一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ本
委員会
に御
出席
をいただきまして、誠にありがとうございます。
参考人
の皆様からの忌憚のない御
意見
を拝聴し、今後の
審査
の
参考
にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、
議事
の進め方について申し上げます。 まず、お一人十五分
程度
で、
山名参考人
、
大島参考人
の順に御
意見
を述べていただき、その後、
委員
からの
質疑
にお答えをいただきたいと存じます。 また、御
発言
の際は、挙手していただき、その都度、
委員長
の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。 なお、
参考人
、
質疑者
とも御
発言
は着席のままで結構でございます。 それでは、まず
山名参考人
にお願いいたします。
山名参考人
。
山名元
2
○
参考人
(
山名元
君)
山名
でございます。
皆さん
、おはようございます。 十五分
程度
お時間をいただきまして、この
法改正案
に対する私の
意見
を申し述べたいと思います。 まず、私は、
京都大学
の
教授
、特に
原子力
を
専門
とする
技術者
の
立場
として、また
福島
第一の
廃止措置
に必要となる
技術研究開発
を
関係者
が担当するという目的でつくった
技術研究組合国際廃炉研究開発機構
の
理事長
として、この
福島
第一の
廃止措置
に関して
技術
的な
側面
から深く
関与
してまいりました。その
技術
的な
側面
から私の
意見
を申し述べたいと思います。 まず、お
手元
の
レジュメ
に書いておりますが、総論といたしまして、基本的に
東京電力
は、
損害賠償
それから
電気
を安定に
供給
する、
社会的損失
を生まないということに加えて、
福島
第一の
廃止措置
を確実に着実に遂行するという
責任
を有しております。この
賠償
、
安定供給
、
廃炉
、三拍子、これに対しては、
政府
の包括的な
支援
と
監督
を確実にするような
体制
、強くした
体制
が必要であるということをかねてから私は申し上げてまいりました。今回のこの
法改正案
はこの私の
考え
に沿っているものと
考え
ておりまして、極めて重要なものであると思っております。 二のところに書いてございますが、この
法改正案
は、従来の
賠償支援機構
に
廃止措置
、
廃炉支援
の
機能
を新たに加えるという
提案
になっているわけですが、当初、率直に申し上げまして、私は
技術者
として、
廃止措置
という
技術
的な
取組
とそれから
賠償
という
社会
的、
経営
的な
取組
というのは別な
次元
にあるものだなということを印象としては
考え
ておりました。ただ、今その
考え
は改めるに至っております。 といいますのは、こうして一、二年
廃止措置
というのを見てきますと、この
廃止措置
の失敗というのは、多くの
被災者
の
方々
が頑張っておられる努力をまた無にしてしまう、あるいは国際的な信頼を喪失してしまう、あるいは、この一Fの
事故
に直接
関係
していない
国民
の
皆さん
にも多大な不安とか
風評被害
とか、そういった
損失
を与えているということがあります。これは現実にあるわけでありまして、そういう
意味
で、
東京電力
が
廃止措置
をきちんとやるということは、この
賠償
や
電気
の
安定供給
、
国民
への不安を解消するという様々な
意味
で
必要要件
だろうというふうに思うに至っております。 そういう
意味
で、
廃止措置
というのは、
東電
がきちんと今後やっていく、
賠償
もやっていく、
電気
の
供給
も絶やさない、この
三つ
どもえの一環にあるという思いに至っているわけであります。そういう
意味
で、この
廃止措置
というのは、非常に大きな国の重大な
リスク要因
で
考え
ると、これに全力で取り組むという
体制強化
というのは必須のものであろうと、こう
考え
るに至っておるわけです。 では、その
強化
というのがどういうことかというと、この
レジュメ
の三のところに書いておりますが、まず、
廃止措置
をきちんとやるにはここの
三角形
の絵が描いてありますこの
三つ
が必要であると。つまり、
廃止措置
に関わる
技術戦略
や
技術判断
をきちんと行うということ、これは非常に大局的な
判断
であり、高度に
専門
的な
技術判断
になってきます。それから、
現場
できちんと
廃炉
を進めるという
現場
の
オペレーション
が大事でありますし、それには非常に革新的な
技術
を
開発
する必要がございます。これは世界的にも未
曽有
な
状態
にありますので、従来の
技術
だけでは乗り越えられないということで、
技術開発
が必要です。この三者が、この三本の矢が一体になって
連携
してきちんと進めないと、
廃止措置
がずるずると遅れたり、汚染水問題のように派生的なトラブルが発生して、それでまた多くの
国家的損失
を生むという
可能性
があるわけであります。 そういう
意味
でこの三者の
連携
が必要ですが、私はこの三
者連携
が現時点ではまだ完全な
状態
ではないと思っております。 まず、
現場オペレーション
というのは、これ
東京電力
が行うことであります。
技術開発
は、今私が担当しておりますような
技術研究組合
のようなところが担っていくものでありますし、また
一般
的な民間の
事業者
が入る
可能性
もあります。
技術戦略
、
技術判断
は
東電
の
責任
でもあるんですが、これぐらい非常に
技術
的に難しい問題になってくる、あるいはその
影響
が多岐にわたるということを
考え
ると、
政府
が
前面
に出たような
技術戦略
あるいは
ロードマップ
の策定、
技術判断
が必要だということになってくるわけです。
現場オペレーション
の
東電
の問題は、率直に申しまして現状の
東電
では弱いというふうに私は
判断
しております。その弱さは、やはりその
技術
の
専門性
が弱い、リソースの
投入
が十分ではない、
技術
的な
判断
のガバナンスが弱いというようなことがあるかと思います。そのために、
東京電力
は、
社内分社化
を行いまして
廃炉推進カンパニー
というのをつくって、これを
強化
していくということを
特別事業計画
で既に明確にしておるわけですが、さりとて
自分たち
の
強化
にもまだ時間が掛かるという段階であろうかというふうに思っております。 それから、この
技術戦略
、
技術判断
のところなんですが、これは
廃止措置
の
閣僚等会議
のリーダーシップの下で、今
エネ庁
の
事務局
的な
立場
の
廃炉対策収束室
が頑張ってやってきているわけですが、この
戦略
のところにはまだまだ重要なタスクが控えております。 例えば、先ほど言った
国家レベル
での
廃炉戦略
をきちんとやる、その
リスク
をどうやって下げるかということを
国レベル
できちんとやっていくということ、それから、
東京電力
だけでは決め切れないものが
幾つ
かあります。その
一つ
が、
放射性廃棄物
の最終的な
処理処分
をどうしていくかと。この
福島
第一で出てくる
廃棄物
というのはもう従来の
原子力
では
考え
られないようなものがたくさん出てきます。これ
最後
どうするんだという話で、我々これを
エンドステート
と、
最終戦略
といいますか
出口戦略
というか、そういう呼び方をしているんですが、実は、今、国でつくっている
ロードマップ
にはこの
エンドステート
については明確なことが決まっておりません。
最終戦略
を決めないと実は事が進まないというのが
幾つ
かあります。そこを決めていくということは
東電
ではできない。 それから、もう
一つ
重要なことが
安全規制
の問題です。この
特定原子力施設
の
規制
というのは通常の
原子力プラント
の
規制
とは全然違う
次元
にあります。これは
規制委員会
の
独立案件
でありますので、我々のような
技術界
にいる者としてはなかなかやりにくいんですが、いずれにせよ、そこで
国民
への
リスク
を下げる、住民への
リスク
を下げる、
周辺影響
を下げる、そういったきちんとした
安全規制
の
在り方
を、今後、
規制当局
や当事者である
東電
やあるいは
監督官庁
である
エネ庁
、
関係
する
技術者
が集まって決めていく必要があるということであります。そういったことを
戦略
上は重要になってくる。 それから、
技術開発
に関しては、私の
組合
がここの
部分
を今請け負っておりますが、実はこの
三角形
の絵の中にあります
矢印
の
部分
ですね、つまり
現場オペレーション
と
技術開発
の
関係
、これをもっともっと緊密なものにしていかないと実効的な
技術
が
開発
できないという問題があるわけです。さらに、この
開発
というのは、当然、
技術戦略
、
ロードマップ
、それに沿ったものである必要がありまして、この
矢印
をもっと太いものにしていく必要があるということであります。 しかし、
政府
の今
事務局
になります
事故対策
の
収束室
は、超人的に頑張っておられるんですが、やはりそこに
政府
が
専門的知見
を集めてくるというその
仕組み
には多分
限界
があると思います。つまり、有識者を集めて
事務局
はいろいろ
考え
ておられるんですが、そのやり方にはやはり
限界
があると思います。むしろ私は、
専門家
をもっと本格的に集めたCOE、
センター
・オブ・エクセレンス、
専門性
の高い
技術者集団
をどこかに、
政府
の近いところにつくって、そこが
政府
の
事務局
と
連携
しながら
情報
を提供して高い
戦略性
をつくると。当然それを
東電
に対して、しっかりとした
技術的専門性
の
立場
から助言、指導、
監督
すると。まあ
監督
と言うと言い過ぎになりますが、勧告を出すというような
組織
が必要であるというふうに思うわけであります。そのイメージがこの
賠償支援機構
に
廃炉支援
の
機能
を組み込むということであろうかと私は理解しております。
最後
の四
ポツ
のところになりますが、今まで申し上げましたことを実現するための
一つ
の最も現実的で実効的な形として、この
賠償支援機構
の中に
廃炉支援部門
を組み入れると。
賠償
支援
的な話、それから
経営
をきちんとさせるという話、
廃炉
をきちんと進めさせるという話、
廃炉
全体の
国家的戦略
や
開発
の
在り方
をもっと
専門
的に決めていくという話、そういったことを一括でこの
機構
で担っていくということは、
実効性
を
強化
するとか、
迅速性
を
強化
するとか、
廃炉計画
や
研究計画
の
最適化
を行うという
意味
で有効であろうというふうに
考え
るわけです。
最後
に、今回
提案
されていますこの
法改正
の中に
法定業務
としては書かれておりませんが、
情報提供
とかその他
附帯事項
という形で理解しておるんですが、この新しい
機能
がこの
機構
の中にできれば、先ほど言いましたような
廃炉
に関わるような
情報
を集約できる。
情報
の
センター
になれると。それから、
人材育成
というのが今後非常に重要になります。この
廃止措置
を四十年にわたって進めていくためには、しっかりとした
技術者
を集めていくということが重要になりますが、今の時点ではこの
人材育成
に当たっていく
機能
が
日本国
全体としてやっぱり弱いんです。
文科省
は
文科省
で施策を打っているし、経産省は経産省で何か
考え
ている。私
たち
の
技術研究組合
もそれは
考え
ているんですが、どうしてもばらばらであります。これを統合的に
考え
るような
人材育成戦略
もこういうところで
考え
ることができるんではないかというような期待も持ちますし、この
廃止措置
や
原子力
の
過酷事故
の結果どうなったか、どう対応したかという
技術
の
情報
を集約して後世に残していく、
技術アーカイブ
をする、そしてそれを国際的に
技術情報
として発信していくと。これはこの
事故
を起こした
日本
としての国際的な責務があると思っております。こういった
情報
を集めるという拠点としても、この
機構
に設置する新しい
機能
がしっかりと役に立つんではないかということを派生的な効果としてイメージしております。 以上申し上げましたようなことで、私は、この
賠償支援機構
を拡大していく、
廃炉支援
に向けて拡大していくというこの法案、
法改正案
については強く期待しているということを申し述べたいと思います。 以上でございます。
大久保勉
3
○
委員長
(
大久保勉
君) ありがとうございました。 次に、
大島参考人
にお願いいたします。
大島参考人
。
大島堅一
4
○
参考人
(
大島堅一
君) おはようございます。
立命館大学
の
国際関係学部
、
大島
と申します。 今日は、私、
環境経済学
が
専門
でして、その観点から
幾つ
か御
意見
を申し述べさせていただきます。体調がちょっと悪いので声がなかなか出ませんが、お聞き苦しい点があるかと存じますが、申し訳ございませんけれども、よろしくお願いいたします。 まず、私の
意見
の
概要
は、お
手元
の「「
原子力損害賠償支援機構法
の一部を改正する
法律案
」に対する
意見
」というところでまとめさせていただいております。 私の
意見
の第一点目は、
廃炉
・
汚染水対策
にはやはり
原子力規制委員会
あるいは
原子力規制庁
が
責任
を持つべきではないかというふうに思っております。 まず、その理由は、一点目は、
原子力損害賠償
と
廃炉
、
廃止
に関する
事業
は全く異なる、性格が全く異なるということであります。先ほど
山名参考人
もおっしゃっていましたように、
技術
を集大成し、様々な
人材育成
もするということに関して、私は非常に重要な
業務
だというふうに思っておりますが、それと
損害賠償
を適切にまた丁寧に進めることとは全く別だというふうに思っています。 さらに、今回の
福島原発事故
においては、どのようなことが
原因
になったのかというのが、もちろん
政府
の
事故調査委員会
の
報告書
ないしは様々な
事故調査委員会
の
報告書
から出ておりますけれども、本当にどのように起こったかということは、まだサイトの中、
原子炉
の
中心部
についてアクセスできておりませんので分かっておりません。そういう
意味
では、
調査
及びその
事故
の
原因
の
調査
も含めた総合的な
対策
が必要なわけです。そのときに、今ある
原子力損害賠償支援機構法
に付随的にくっつけてやることが本当の
意味
で国が
前面
に立つ
対策
になるのかどうかということについて私は疑問に思っております。 そのように申し上げますのも、二点目ですが、
原賠機構
、今の
原賠機構
ですけれども、
政策決定
、
意思決定
ですね、
意思決定プロセス
が非常に閉鎖的で、
情報
が十分に公開されていないということが、私には
懸念
として持っております。 別の
資料
として、今回の
原子力損害賠償支援機構
のホーム
ページ
の一部を持ってまいりました。これは最も最近の第三十一回の
運営委員会
の
議事要旨
というふうに公開されているものですが、ここに、御覧いただければ分かりますように、「
議事内容
」と称して、「「新・
総合特別事業計画
」に基づく
経営評価
について等」と書いてあるだけで、一体それがどのように、どういう
資料
を基に
審議
されたのかというのが、
議事録
もないんです、
あと
どういう
資料
が使われているのかということもないので、これではおよそ
情報
を
国民
に示しながら丁寧に議論しているということは分からないわけです。今度、これに今回非常に
国民
的な関心もある
廃炉等
の
業務
が付け加わることになると、何の
情報
も出ないまま結果だけ出てくると。それが、結果が非常に適切なものであるかどうかということは、そういうふうに信頼してくださいということだと思うんですけれども、本当にそうかどうかというのは、やはり
国民
的な英知を結集して
事業
を行っていくべきだと思いますので、少なくともこういった閉鎖的な
意思決定プロセス
は改める必要がありますし、今の
原賠機構
にこういった重要な
機能
を付け加えるということについては私は
懸念
を持っております。
三つ目
は、
廃炉
に関わって、今、
山名参考人
もおっしゃいましたが、
原子力規制委員会
、これは
特定施設
になっておりますので
原子力規制委員会
が関わりますし、経産省、
あと
その
政府
の
事故対策収束室
、
あと
原賠機構
、IRIDですね、等々が
関連
するようになって、一層
役割分担
が複雑化するというふうに私は
懸念
しておりまして、やはりここは国が
前面
に立つ統一的な
体制
を取ることが必要であり、例えばですが、
福島
第一
原発廃炉公社
とか
原子力廃止措置機関
、これはイギリスにあるようなNDAみたいな
組織
を国としてつくって、そこに
廃炉
の
技術
ないしは
体制
を一括して集中させてはどうかというふうに思います。これについては、お
手元
の冊子の方で、百八十九
ページ
からもありますし、八十七
ページ
からにこの
技術
的な
取組
についてはこうではないかというふうな提言をさせていただいております。これは
原子力市民委員会
、私も関わっておりますが、「
原発
ゼロ
社会
への道」というふうに書いてありまして、脱
原発
を政策提言しておるものなんですけれども、脱
原発
をしないという選択をしたとしても、重要なことについて政策提言しておりますので、是非御覧いただきたいというふうに思います。
意見
の
概要
の二点目は、今回の
提案
で
廃炉
、
事故処理
への
国費
の
投入
が無原則に行われる
可能性
があるのではないかというふうなことを私は
懸念
しております。 なぜかというふうに申しますと、
丸ポツ
の三番目ですけれども、四十一条三項に、
先生方
はもう既に御存じのように、
廃炉
・
汚染水対策
についての
書類
を提出するようということでなっておりますが、そこと
資金援助
の
関係
が明確ではありません。なぜこれが入っているのかということです。四十一条二項については
損害賠償
の要
賠償額
であるとか
経営
の
状態
に関する
書類
を提出しなさいというふうにあって四十一条一項との
関連
があるわけですけれども、四十一条三項との
関連
がはっきりしません。実際には、ここに、四
ポツ目
にありますように、第六十八条に基づく
資金交付
というのがありまして、実際ここから、後でも申し上げますけれども、
中間貯蔵関連費用
が発動されて一・一兆円出ることになっております。そこからすれば、今回のここに
廃炉機能
を持たせるということによって
国費
の
投入
ないしは
国民負担
が
廃炉
にまで入ってくるのではないかというふうに私は
懸念
しているところであります。実際、少額ではあるとはいえ、
廃炉等技術委員会
の
人件費
は
負担金
からの拠出であるということが
審議
の回答の中であったというふうに私も見ておりますので、実際、既に
負担金
から
廃炉
の
費用
が出てきているということでありますので、そこはやはり
懸念
しております。 少なくとも、ここの一番
最後
に書いてありますが、
廃炉
の
資金
を国が肩代わりしてよいのかどうかというのをはっきりとやはり決める必要がございますし、超
長期
にわたる、少なくとも三十年、四十年にわたる
巨額
の
費用
が発生する
可能性
があります。今は
中間貯蔵
や当面の
汚染水対策
に限定されていますけれども、最終的にはそこの
原子炉
を解体して、もし解体するとすれば、解体して様々な高
レベル放射性廃棄物
が、今までなかったような
廃棄物
が出てくるわけであります。それの
最終処分
どうするのかということになりますと、非常に多額の
資金
が必要になってくるわけですね。 そういう
意味
では、超
長期
に及ぶ
巨額
の
費用負担
が発生するわけで、これがこの
原賠機構
を通じて行うということになってしまうとすれば、事実上の
国費
の
投入
の
在り方
が、その一
認可法人
である
原子力損害賠償支援機構
が
判断
するということになってしまうわけです。やはりそれは
国民
の
関与
や
国会
の強い
関与
が必要だと思いますので、というのは、
国民
がお金を出すということですので、そういう
意味
ではいま一度慎重な
審議
が必要なのではないかというふうに思っておる次第です。
事故関連費用
の
負担状況
につきましては次の
ページ
と次の
ページ
に書いておりますが、例えば
被害者
への
損害賠償
は、今のところ
東電
が直接的な
支払者
になっておりますが、
一般負担金
を通じて
消費者
が負担するような
仕組み
になっていますとか、
あと
、
廃炉費用
も、実際は
効率化
による捻出というのが一兆円なされておりますが、もしかすると、
廃炉会計
の変更が既になされておりますので
電気料金
への一部転嫁が可能になっているとか、
あと
、ちょっと飛ばしますが、
中間貯蔵関連施設
については第六十八条が発動されて
財政措置
がとられるようになっている。
あと
、
除染費用
は二・五兆円
東電株
が上がることをまず見込んだ上で
考え
ているわけですが、これ達しない場合どうするのかということも非常に大きな問題として残っているわけで、ここを見ますと、やはり
消費者負担
、
国民負担
が増えてくる中で一体この
費用
をどうするのかということを、この際、
損害賠償支援機構法
の
改正案
の御
審議
の中で御検討いただきたいというふうに思っております。
意見
の
最後
ですけれども、
ページ
でいいますと六
ページ
以降になりますが、私は、じゃどういうふうにしたらいいのかと申しますと、やはり
東電
と国の
責任関係
を明確にした上で、その
責任分担
において
費用負担
なり
事業
を行うというふうにやはり整理し直した方がいいのではないかというふうに思っております。 私、
東京電力
は国の
資金援助
なしには
損害賠償
だけでもう
一般
の企業であれば存立し得ないような
状況
になっているというふうに思っております。もしそうでなければ、実際、
東京電力
が自ら
損害賠償
すればいいのであって、そうではなくなってきているというふうに私は思っています。 実際には、
東京電力
というのは、
国会
の
事故調査報告書
でも明らかなように、
事業者側
が
規制者
をとりこにしてきたということがあるんです。さらに、であるにもかかわらず、
事故
を起こして国が
関与
して絶対に
破綻
しない会社になってきていると。それは非常に倒錯したというか転倒した
状況
になってきているのではないかと。
損害賠償
につきましても、大
規模訴訟
が
幾つ
も提起されるような
状況
になっておりまして、もちろん
賠償
はされているわけですけれども、
原子力損害賠償
の
紛争審査会
が作る
指針
というのは、あれは基本的には
東電
も納得し得るような
指針
になっているがために、やはり中間的になっているわけですね。そういう
意味
では、
被害者
にとってはまだまだ十分な
損害賠償
がされていないというところで苦しんでいらっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。そういう
意味
では、
東電
の
損害賠償
の
在り方自体
も非常に不十分で不誠実な
状況
に陥っているのではないかと。 更に
懸念
されますのは、
事故
を起こしても
破綻
をしないと。
破綻
といっても様々な形態あると思います。清算もあれば再生もあると思うんですけれども、それはどちらでもいいと思いますが、
破綻処理
もされずに実際国が大きく
関与
するということになれば、
事業者
に対する
モラルハザード
を引き起こすのではないかと。これは
資本主義
の
社会
においてはあり得ない。民間企業が
事故
や被害を及ぼしたときに、国がほとんど見てくれるというか
支援
してくれるというのはほかの企業ではあり得ないので、それは
モラルハザード
を引き起こして、かえって
原子力
事業
が不健全な
状況
になるのではないかというふうに私は
懸念
しております。
最後
に、簡単に申し上げますが、やはり国の
責任
において、
原発
事故
を防ぎ得なかったという
責任
、
あと
原子力
開発
一辺倒であったということの
責任
を踏まえて、その
事故
を引き起こした
責任
が国にあるということを認識した上で、その反省に基づいて国家規模の統一的な
事故
収束、
廃炉
の
体制
、
あと
損害賠償
の
体制
をつくり直すべきではないかというふうに
考え
ております。 以上、簡単でございましたが、私の
意見
とさせていただきます。 ありがとうございます。
大久保勉
5
○
委員長
(
大久保勉
君) ありがとうございました。 以上で
参考人
の皆様の
意見
陳述は終了いたしました。 これより
参考人
に対する
質疑
を行います。
質疑
のある方は順次御
発言
願います。
渡邉美樹
6
○渡邉美樹君 自民党の渡邉美樹でございます。質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず、私、自分のことを少しお話しさせていただきますが、六年ほど前からエネルギー
事業
に関わっておりまして、
原発
事故
の前からでございます。現在、秋田で風力発電三基、六千キロワットアワー、そして北海道でメガソーラー、一万五千キロワットアワーということで、グループ一千七百億の三分の一を再生エネルギーでできる
状況
を道筋を付けてから議員になったわけであります。 その中で、実は
山名
先生、
大島
先生の著書については大変興味深く勉強させていただいております。「それでも
日本
は
原発
を止められない
日本
にトドメを刺すエネルギーボケの
国民
世論」というような本も読ませていただいております。また、
大島
先生の「
原発
のコスト」という本も読ませていただいておりまして、今日はこの二冊の本から
幾つ
か絞って質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず一点でありますが、お二人の御
意見
、全く読んでいて両極端でございますが、
一つ
、一番違うのが
原発
の経済合理性でございます。 コスト分析ということで、発電コスト、それからバックエンドコスト、これは
廃炉等
々のコストです。製作
費用
、研究
開発
、それから
事故
費用
ということで
賠償
費用
等々です。大きく分かれてこの四つのコストになると思うんですが、この四つのコスト、どれを入れてどれを入れるべきではないのか、そしてこれを入れるからトータル幾らになるのかというところで、概算で結構でございますから、お二人から
原発
のコストについてお話を聞きたいというふうに思います。
山名元
7
○
参考人
(
山名元
君) 発電コストについては、前政権時代に国家
戦略
室の下でコスト検証
委員会
という場をつくって、そこでそれぞれの
事業
の、
事業
というのは、例えば
原子力
発電をやった場合、石炭火力発電をやった場合、天然ガスをやった場合、再生可能、全ての
事業
を四十年間やった場合の均等化コストというものの試算は既に行われているわけです。 その結果、御承知かと思いますが、
原子力
発電がキロワットアワー当たり九円、それから天然ガスが十・何円かで、石炭が九・数円ぐらいという結論が出ておりまして、そのときには非常に大きな議論があったんですが、特に
原子力
のコストの中身ですが、もちろんキャピタルコストとそれから運営コストとそれからウランなどの燃料コストとそれからバックエンドのコスト、それから、
事故
が起こったときの
対策
のコストを入れようということになりまして、そのときは、何というんですか、相互扶助制度のような
仕組み
を
考え
て、ある一定額を
原子力
発電
事業者
はコストに入れるという
仕組み
で九円というのが出ているということであります。 この中身についてはまだ議論があるんですが、私はその結論はそこそこ妥当になっているというふうに理解しておりまして、微細調整は可能ですよ、だけれども、大体そういう
考え
方で発電コストは
考え
ていいだろうというふうに思っております。 ただ、
一つ
付け加えますと、現在は再稼働の問題が議論されておりますですね。再稼働の場合は、施設が既にできて減価償却等が進んだ
状態
でのコストの比較というのが非常に問題になります。
原子力
発電の場合には、燃料コストが全体コストの中の数%にしかすぎませんから燃料費というのはほとんど掛からなくて、維持費、まあキャピタルコストはかなり償却されているということになりますが、火力発電の場合には燃料費が非常に高いということで、有価証券
報告書
で全国平均で評価すると、さる研究所が出していますが、火力全体で平均すると大体キロワットアワー十二円ぐらいと、既存の
原子力
だと六円から七円ぐらいというのが出ていますので、こういう感覚でこの発電コストのことは議論すべきかなというふうに思っております。 以上です。
大島堅一
8
○
参考人
(
大島堅一
君) どうもありがとうございます。お答えします。
概要
については
山名参考人
がお話しされたことだと思うんですけれども、私、二〇一一年に
山名参考人
とともにメンバーになって、コスト検証
委員会
の
委員
として
原子力
のコストも含めたコストの抜本的な見直しということに関わってまいりました。そこでは、一度目の計算値では八・九円、
原発
のキロワットアワー当たりの発電コストは八・九円と、これは
社会
的
費用
も含めての分であると。その後、もう一度見直しまして九円ということになったわけです。 そのときの
考え
方は、重大な
考え
方は、
社会
的
費用
を含めるか含めないかということで、これは世界的にも非常に珍しいことだと思うんですけれども、
事故
のコストと国家が
関与
してきた様々な
原子力
開発
の
費用
を含めて
原発
をどのように評価するかということを
考え
たわけです。それを
社会
的
費用
というふうに申しますけれども、そのように
考え
ました。そのときの計算結果も、私はそれでまあまあ妥当だなというふうに、
山名参考人
もおっしゃっておりますように
考え
ておりますが、その後事態はかなり変わっております。 というのは、そのときの
考え
方は、簡単に申し上げれば全部の総
費用
を総発電量で割ると。
社会
的
費用
の総
費用
のところは、あのときはたしか五・八兆円だったか、なんですね、二〇一一年当時ですから。今の
原発
の
事故
の
関連
費用
というのは、これは、私は
政府
の
委員
として試算したわけではないので正確ではないかもしれないということを留保にした上で申し上げますと、この私の提出させていただきました
資料
の一番裏の八
ページ
のところにありますが、これは二〇一四年二月ぐらいなので新しい予算も含めておりませんけれども、大体十兆円超えて十三兆円ぐらいのオーダーになるんじゃないかと。そうなりますと、
事故
のコストはもう倍になっているわけですね。 さらに、先ほど申しましたように、全部のコストを発電量で割るということですが、二〇一一年当初の
考え
方は今後四十年にわたって五十基の
原発
を従来どおり動かすことができるということを前提に計算しております。今、再稼働の議論がなっておりますが、たしか十八基だったと思います。ですので、五十基の
原発
を動かすということの前提はほぼ崩れているというふうに私は
考え
ます。 さらには、安全
対策
に少なくとも、各電力会社が発表している
資料
によりますと一・二兆円要るというふうに言っていますので、そういったデータを全て勘案しますと、要するに、コスト全体は上がり、かつ発電量が少なくなっているわけですから、十二・六円ぐらいになっているというふうに私は
考え
ていて、計算をしております。 ただ、それが本当に正しいかどうかというのはやはり
政府
の
委員会
で再検討していただきたいなと。二〇一一年の当時の
原発
の
状況
や
原発
事故
の
状況
で九円なんだということを、もう二年も三年も前のことはこの問題に限って言えば大昔なわけですから、九円だということを前提にして議論をさせていただきたくないなというふうに私自身は思っております。
渡邉美樹
9
○渡邉美樹君 どうもありがとうございます。前提によって
山名参考人
とそして
大島参考人
のその経済合理性についての
考え
方が違うということはよく分かりました。 次に質問させていただきます。 総理は、施政方針演説で
原発
依存度を可能な限り低減していくという
発言
をされているわけでありますが、今回、エネルギー基本計画において、
原発
ゼロではない、
原発
をベースロード電源とした形における計画を作ったわけであります。 私は、自民党の部会の中において、繰り返し、現在は仕方ないかもしれない、しかし二十年、三十年先から見てビジョンというものをしっかり立てた上においては、現状否定からできるかできないかということをしっかり探るべきではないかということを何回も繰り返し
発言
させていただいてきました。 そこで、お二人にお聞きしたいのは、この
原発
ゼロということに関して、今このエネルギー基本計画に基づいて、ゼロではない前提で今この国は大きく動いているわけですが、それについて、それは当たり前なのか、若しくはそれは違うと思うのかというところで、率直な
意見
を聞かせていただきたいと思います。
山名元
10
○
参考人
(
山名元
君) あくまで私の私見ということになりますが、私は可能な限り下げるという現
政府
の方針はそのとおりだというふうに思います。どこまで下げれるかということになるんですが、それを
判断
する指標というのはたくさんあるんですが、恐らく我々が一番
考え
るべきはこの国のエネルギー安全保障であるというふうに思っています。 といいますのは、
日本
が今までこうやってそれなりの
社会
をつくってきた。それは、資源や燃料を輸入して、大量のお金を、二十数兆円のお金を使って燃料を輸入して、自国内のエネルギーはほとんどない、これでいい製品を作って輸出して、そのお金で燃料を買うというビジネスモデルでやってきたわけです。この形をやはり維持していくというのが安定な
社会
をつくっていく基本であろうというふうに思いますし、そうしますと、エネルギーを確保することに対する
一つ
の保障、それを確保するというのは国の最も基本であるというふうに思うわけです。
原子力
を、じゃ、できるだけ下げる、例えばゼロにした場合には、再生可能はもちろんこれから増やしていきますが、そのためにかなり大きな投資を必要とするということと、相当天然ガス火力とか天然ガスに依存する
社会
にならざるを得ないというふうに思っていますし、前民主党政権が描いたビジョンも、電力の中で天然ガスが四〇%ぐらいになるというような絵を描いているわけです。 しかし、今世界的に見ますと、アメリカのシェールガス革命等を見ますと、世界中のエネルギーマーケットは大きく変わりつつある。エネルギー輸入国が輸出国になり、輸出国だった国がエネルギーを輸入している。中東の国が天然ガスを輸入したり
原子炉
を輸入したりしているわけです。全てが変わってきている。それから、大きな国際的な政治
関係
も今変わりつつある。新興国が膨大なエネルギーの消費を増やしている。従来、エネルギー輸出国であった新興国がエネルギーの輸入国になっている。あらゆるものが変わっていく中で、
日本
がガスや石炭、石油一辺倒で生きていけるとはとても思えないわけです。 その中で、私は、この国の基幹的なエネルギーを
供給
する
部分
である、電力でいえばベースロードの
部分
に、相当安定で我が国が自国産製を持っているというか、完全にコントロール下に持てるようなエネルギーが必要だと思いまして、それは恐らく
原子力
だろう。そういう
意味
で、ベースロードは、石炭と
原子力
と水力と再生可能をどこまで増やせるか、この構造で決まってくるというふうに思っていまして、そのどこまで下げれるかというのは、これから分析的に世界の
状況
とかマーケットの
状況
を
考え
て、投資がどれぐらいになるかを
考え
て評価する必要があると思いますが、その評価を待った上で、
原子力
がある一定規模必要だというふうに個人的には
考え
ております。 以上です。
大島堅一
11
○
参考人
(
大島堅一
君) 今回のエネルギー基本計画において
原子力
の依存度をできるだけ引き下げていくということを決定したことに関しましては、今までの政策からすると大きな転換であって、このことがエネルギー基本計画に出てきたというのは初めて、私もずっと二十年以上エネルギー政策を研究しておりましたけれども、そんなことが出てきたのは初めてですので、それに関しては私は評価しております。 ただ、
原子力
のことを見ますと、相変わらず、
原子力
の位置付けというのを見直すというのが本来的にはエネルギー基本計画の役割だったわけです。そこに注目しますと、安くて
安定供給
に資して、かつ温暖化
対策
にも役立つと、しかも準国産エネルギーであるというふうに書かれているわけです。これは二〇一〇年の民主党政権下で作られたエネルギー基本計画と全く同じです。
事故
を経たとしても位置付けは変わらなかったということの宣言だったわけです。 私は非常に驚きまして、やはり安いということはほぼ覆っているわけです。
国民負担
も非常に多いわけです。さらに、安定的であるというのも、この
長期
にわたって止めなければならないということでも、安定していないわけです。こんな電源はないわけです。さらには、環境保全といっても、放射能汚染が出るのはここだけでして、しかも地域的にもう住めないような地域が出てくるのはここだけです。そういう
意味
では、
事故
を踏まえるとこういった位置付けがされてしかるべきであるにもかかわらず、元の位置付けを基にエネルギー基本計画が立てられたということについては、驚きとともに、ちょっと残念に思っている次第であります。 ゼロにできるかということですけれども、しばしば言われるのが、電源としての性格と、それがエネルギー全体に貢献しているんだということが、しばしば論点がずれて語られることがあるんですね。
原子力
は、電源については確かに二割、三割だったんですけれども、エネルギー全体からすれば数%でした。それは省エネや様々な
対策
をすれば十分取れるし、電源についても、再生可能エネルギーの世界の伸びからすれば、
原子力
をなくすという選択を取ったとしても十分賄い得る
可能性
を持っているというふうに私は思っております。
渡邉美樹
12
○渡邉美樹君 どうもありがとうございます。
小林正夫
13
○小林正夫君 民主党・新緑風会の小林正夫です。 今日はいろんな角度からお話をいただきまして、本当に
参考
になりました。ありがとうございました。 まず、
大島参考人
にお聞きをいたします。
原子力損害賠償支援機構
は
政策決定
プロセスが閉鎖的で
情報
が十分に公開されていないと、このように先ほど指摘をされました。これはどこに
原因
があるのか、少し掘り下げてお話を聞かせていただければ有り難い。 さらに、
原子力規制委員会
は
責任
を持つべきだと、このようにもおっしゃいましたけれども、
原子力規制委員会
はアドバイスをしないと、このように私聞いて、受け止めておるんですけれども、どのように
原子力規制委員会
がこの
機構
に
関与
していくべきなのか、この辺についてお聞かせ願いたいと思います。
大島堅一
14
○
参考人
(
大島堅一
君) 二つ御質問をいただきまして、十分な回答になるかどうかは分かりませんが、私の個人的な
意見
を述べさせていただきます。 一点目の
原子力損害賠償支援機構
がなぜこんな閉鎖的なのかというのは、私もなぜこんな閉鎖的なんだろうなというふうに思っております。
一つ
は、これ
認可法人
であるということがあるのかなというのもありますけれども、余りにも、これは数兆円も
国費
が、
国費
というか交付金が入っているわけです、実際上ですね、
東電
に対して。それに当たっての決定が、これほどまでに、数兆円というのは非常に大きい財源です、これほどまでに、なぜこういう決定をしているのかというのが分からないというのは私も本当に疑問で、本来的にはこれは
国会
の
審議
にも関わるような
巨額
の
資金
拠出なのではないかと思いますので、これにつきましては是非
審議
していただいて、なぜそうなのかということを追求していただければと思っております。 私も、これでは全く政策を、何でこういうふうに
意思決定
しているのかということを細かく追うことが、
損害賠償
であれ何であれ
資金
の拠出に当たっての、それが適切かどうかというような
判断
、研究者としては
判断
できるんですけれども、今はちょっと分かりません、結論だけ出てきますので。そういう
意味
では、ここで申し上げましたように制度改革が必要なのではないかというふうに思っております。一度是非御覧いただきたいんですが、ホーム
ページ
も、数年前に作ったホーム
ページ
じゃないかというぐらい貧弱なものです。ですので、それちょっと御覧いただきたいというふうに思っております。 二点目ですが、
規制委員会
の
在り方
ですけれども、これは
規制委員会
が自らを、再稼働に当たっての
審議
というのが非常に忙しいということもあるんでしょうが、極めて限定的に捉え過ぎているんではないかと思っておりまして、やはり
規制委員会
の下に、例えばここで提言させていただいた
福島
第一
原発廃炉公社
というようなものをつくって、そこが指導
監督
するという
体制
をつくった方がいいのではないかと。今は、これは法律によるものなのか、自らの、
規制委員会
の自制といいますか、そういうものによるかは分かりませんけれども、やはり限定し過ぎていると。 アメリカのスリーマイル島
原発
事故
の処理においては、あそこの
原子力規制委員会
で、NRCが深く
関与
しています。今回は余りにも
関与
が少ないというか、やはり
規制者
として
原因
の究明もここでして、新たな知見も得られるわけですから、やっぱり
廃炉
にも主導権を握って頑張っていただきたいなと。むしろその方が、あそこは全部、
資料
等も全部公開ですので、
国民
の納得や信頼も得られるんではないかというふうに思っております。
小林正夫
15
○小林正夫君 次に、
山名参考人
にお聞きをいたします。
参考人
がある新聞で言われていたことを少し読まさせていただきました。その中で、最大の問題は一から三号機の溶け落ちた燃料の
状態
がよく分からないことであると、このようにおっしゃっておりました。どのような
状態
になっていることが最悪なのか、どういうふうに先生は
考え
られているのか。それと、この溶け落ちた燃料を取り出す最大のポイントは何なのか。 さらに、私は、防護服を新たに
開発
をして、少しでも今危険だと言われているところに人が行って直接見られるような、そういうような防護服を私は
開発
していく必要もあるんじゃないかと思うんですが、その辺についてどのようにお
考え
か、お聞かせ願いたいと思います。
山名元
16
○
参考人
(
山名元
君) まず、炉心の中の
状況
がどういう
状態
が最悪かという御質問でありますが、とにかく我々がこれを
廃炉
で目指すべきは、この炉心にある非常に非定常な
状態
のもののハザードを早く取り除きたいということなんですね。つまり、もっとコントローラブルなところに移して安全を確保したいと、こう思っているわけです。つまり、取り出すことが非常に重要なタスクで、これに急ぎたいという思いがあるんですが、恐らく最悪というのは取り出しに圧倒的に時間が掛かってしまうような
状況
なんですよ。 今、既に
過酷事故
のシミュレーション等によって
原子炉
の中にどういう
状態
であるだろうということは大まか推定ができております。例えば、二号機ですと、三〇%が圧力容器の底の
部分
にありまして、七〇%は格納容器の下に落ちていると、こう
考え
られているんですね。したがって、それをターゲットに取り出しの
開発
はやるんですが、できればなるべく早くアクセスして、うまくすっすっと取っていくような体系に持っていきたいということで今
開発
を進めているわけです。それが結構手間が掛かるとか、何というか、分散がし過ぎているとか、そういう
状態
というのは私としては非常に嫌ですね。 ただ、これは、御注意いただきたいのは、時間が掛かると。別な言い方をすれば、多少コストが掛かるという視点での話です。要は、中がどうなっていようが結局全部取り出しますので、そういう
意味
では、リンゴがあろうがミカンがあろうが同じだと言えば同じなんですよ。要は、たくさんばらばらあるか、さっと出せるかというような話でありまして、その
程度
の話だというふうに御理解ください。 それから、取り出すためにはできるだけ炉心を水で満たしたいわけです。冠水法と呼んでいますが、今水が漏れているところ、漏れ箇所を発見して、水を止めて、水をいっぱいにすれば、作業員の安全等も確保しながら合理的な取り出しができると。その水をどうやって止めるか、あるいは水が止められない場合には、万一止められない場合には別の方法を
考え
るというようなアプローチが結局キーになってくると思います。 防護服の御指摘は、貴重なコメントとして頂戴したいと思います。といいますのは、既に我々、遠隔
技術
の
開発
というのをチームをつくってやっているんですが、その中では、ロボットの
開発
に合わせてアシスト
機能
ですね、作業者が力を出せるような
機能
を持つとか、先生おっしゃるように、放射線防護についてもっと
機能
を持たせるようなアイデアもたしかあったと思うんです。おっしゃるように、作業員の安全確保というのは非常に重要ですし、高線量での作業になるので防護服をもっと快適なものにしていくというようなアプローチは今後必要であるというふうに
考え
ます。ありがとうございます。
小林正夫
17
○小林正夫君 引き続き
山名参考人
にお聞きします。
原子力
技術者
が減ってきている。特に三・一一以降の、福一の
原子力
事故
以降、
原子力
を目指したいという、そういう学生さんも随分減ってきたということを聞くし、また
廃炉
作業というのは三十年、四十年掛かる。
廃炉
の
現場
にもしっかり
原子力
の
技術
あるいは知識を持った方がそこに入ってこないとなかなかこれは進んでいかないんだと思います。 だから、
日本
全体として
原子力
の
技術者
を養成をし、またそういう道に進んでもらう人を多くつくっていく、このためにはどういうふうにしていったらよろしいか、
考え
ているか、お聞かせ願いたいと思います。
山名元
18
○
参考人
(
山名元
君) 今の人材の話は、まず人材のスペクトルをどうするかという問題があります。つまり、
現場
の
オペレーション
に当たっていく人と、それから比較的エンジニアとして動く人と、それから総合的にリーダーシップをやるようなプロジェクトマネジメントというような人間をどう確保するかと、それから
関係
する
技術開発
をやる人間をどうするかと、いろんな人材が要るわけですね。全部にわたって人材の
強化
が必要であると思いますが、恐らくやっぱりそのリーダークラスを確保するというのが全てに関わるというふうに思います。といいますのは、きちんとしたリーダーシップの下で
体制
ができていけば裾野というのは広がるという思いがあるわけです。 したがって、全体をリードしていくような、頭が良くて積極性のある人間をどう確保していくかというのがキーになってくるということで、それは実は私が
関与
している大学の話にもなってくるわけです。 今、私が大学の
立場
で感じているのは、学生に
情報
が行っていないんです。私
たち
授業とかゼミで話しますと、すごく分かってくれるし、自分もやろうというような意欲も出てくる。結局、今は報道ベースでやはりこの
福島
の
状況
のようなネガティブな
情報
が満ちていますので、その
情報
も大事なんですが、こういう
技術
的な重要性があるとかチャレンジがあるとか意義があるということがやっぱり学生
たち
に伝わっていないんですよ。彼らにはもうメディアしか
情報
入手がないですから。ですから、そこをやっぱり
強化
していく必要があると。大学は、やっぱりもう少しそういうものに関わる基礎的な研究とか学問をしっかり教えていけば、彼らは、彼らというのは学生のことですが、必ず、そういうものに従事するということは、重要性を自分で感じ取っていくことになります。 だから、その
仕組み
をつくることが重要で、そういう
意味
では、やっぱりこういった
原子力
の安全、
原子力
の
廃炉
や
技術
に関わる基盤的な科学研究をもう少し大学にきちんと残していくような根本的なてこ入れ施策を文部科学省とか、場合によっては経済産業省なんかにお願いしていくということなんじゃないかと。そこに我々
教授
陣が集まって
強化
していくことで、若い人
たち
は必ずこういうところに向いてくれるというふうに思っております。
小林正夫
19
○小林正夫君 時間の
関係
で
最後
の質問になると思いますけれども、
大島参考人
にお聞きをいたします。 先生は、昨年の十二月のある雑誌で、
原子力
発電所は
国民
にとって割に合わない電源である、再生可能エネルギーの利用で
原発
相当分の火力発電は減らすことができると、このようにおっしゃって、再生可能エネルギーを普及していくべきだ、こういう御主張だと思います。 私も再生可能エネルギーを増やすことは大賛成なんです。再生可能エネルギーは、しかし天候だとか、あるいは夜間発電できないとか、発電が非常に不安定だ、そういう点からいうと、再生可能エネルギーでつくった
電気
の分をどこかでバックアップ電源として用意しておかなきゃいけないということになります。 今回、電力システム改革で、自由化になった場合に発電と送配電と小売と、この
三つ
の
事業
体に分かれる、こういう法案が今出てきておりますけれども、最終的にこのバックアップ電源、どこが、誰が持つことがいいのかどうか、もしこの辺の御所見があればお聞かせ願いたいと思います。
大島堅一
20
○
参考人
(
大島堅一
君) お答えさせていただきます。 全部お答えできるかどうか分かりませんが、再生可能エネルギーはよく天候によって不安定だというふうに言われることがありますが、多くの再生可能エネルギーを入れてきている国々の経験によりますと、特に風力は予測
技術
が発達しておりまして、一日前、一時間前、十五分前というふうに予測をして、ほぼ予測どおりの出力が得られるということになっています。予測どおりの出力が得られれば、後は今御指摘のように調整用の電源を稼働させるということによって需給がバランスするようにしていけばよろしいということで、今、ドイツやスペイン、そのほかの再生可能エネルギーが二割、三割と入ってきているところだと、今のところ調整用電源としては確保できていると。それは電力自由化の下でも確保できていると。それを例えば四割、五割、あるいは八割にするんだということになりますと、調整用電源としてどこがどう用意しなければならないのかということになりますが、基本は自由化された電力市場をうまくコントロールして、調整用電源が高くなってくるわけです、価値が上がるわけですから。ですので、それのビジネスが発達してくるわけです。ですので、そのようなビジネスが発達するような
規制
と誘導を
政府
として行えば、十分再生可能エネルギーが、少なくとも三割ぐらいは今の
状況
でも入るんではないかというふうに
考え
ている次第です。
小林正夫
21
○小林正夫君 ありがとうございました。 終わります。
谷合正明
22
○谷合正明君 公明党の谷合です。 今日は、お二人の御
参考人
の皆様、大変ありがとうございます。 私の方からも、
一つ
、人材の確保について両
参考人
にお伺いしたいと思います。
山名参考人
におかれましては衆議院の
参考人
質疑
も
出席
されておりますので、そこでも言及されていたかと思うんですが、特に
東京電力
における
技術
的な
専門性
の集約の低さであるとか、
技術
的集約でも国際的な知見の集約ができていないというような御指摘もございました。 そこで、今、
東京電力
ということでいいますと、
原発
事故
以降、累計で約千八百人の方が退職をされていて、特に三十代までの若年層の流出が三分の二を占めるということでございまして、特定の年代がごっそり抜けているというのは
組織
上、これは特に三十代が抜けているということは、ちょっと二十年先とか
考え
ると非常に危機感を持って対応しなきゃいけないのかなと思っております。未来の人材を確保するということもそうなんですけれども、今をどうするかということだと思うんですね。 そこで、経済産業省、
エネ庁
としても、
東京電力
そのものをしっかりと
賠償
してもらいながら未来のある会社に戻していかなきゃならないというふうに今問題意識を持っているわけでありますが、まず
山名参考人
にお伺いしますが、今回新しい
機構
をつくろうとしております、
廃炉
と
賠償
を一元管理する
機構
でありますが、これが
東京電力
にとって人材や
技術
を集約する手だてとする具体的な、何というんですかね、これは
法定業務
外なのかもしれませんが、具体的にどういうことを先生としてこの人材確保について、集約についてアドバイスをされるかということをお伺いしたいと思います。
山名元
23
○
参考人
(
山名元
君) 仮にこの
機構
が
廃炉支援
の
機能
を持って、そこで
人材育成
についてのある種の、国としての
人材育成戦略
のリーダーシップを取るようなことがこの
機構
の
業務
として、附帯
業務
としてできるようにもしなるのであれば、多分、
東電
に新たに入っていく人材の道筋を付けるような広い
仕組み
をつくるとか、その場をつくるとか、
戦略
をつくるというところにはかなり貢献していけるというふうに思います。先ほど言いましたように、例えば大学や
文科省
等の協力も得て大きな
人材育成
と
供給
の流れをつくっていくことで、
東京電力
の
廃炉
カンパニーやあるいは
原子力
関係
の
技術者
がそこに入っていくというような大きな流れは、誘導するというか
仕組み
をつくっていけるんじゃないかというふうに思います。 一方で、
東京電力
の先ほどの人材流出の御指摘でございましたが、この問題は、労働条件の問題とか、それからやっぱり非常にネガティブな仕事が目の前にあるというような、あるいは
社会
的なバッシングとかですね、現実的にいろんな問題がある中で起こっている話です。したがって、これは
東電
の一種の
経営
問題でありまして、
経営
問題として
東電
がきちんとそれができる人間を集めていくということが大事なわけです。 それは、
東電
は既に
総合特別事業計画
というのをこの
機構
と
東電
で作って
政府
に出して認可をいただいているわけで、その中にも恐らく
人材育成
にきちんと向いていくよという
経営
方針が書かれているはずであります。それを
東電
がきちんと
経営
としてやっていくということをやっていただいて、それを、この
機構
側が
考え
る
人材育成
のメカニズムなども生かしてそこを
強化
していくということになるんじゃないかというふうに思います。 したがって、もしこの法案が通れば、恐らくこの新しい
機構
は、
東電
と
特別事業計画
としてきちんとした
技術者
を確保する
経営
戦略
をつくって、それを
政府
に上げていくということを、この
機構
は
廃炉
の面からも指導していくことになるんじゃないかと、こう期待しております。
谷合正明
24
○谷合正明君 大変ありがとうございます。 人材確保ということについては
大島参考人
にもお伺いしたいと思います。
参考人
は、今回の
機構
、
廃炉
と
賠償
を一元化することについては反対のお
立場
ですから、もう少し広い
意味
で、
廃炉
であるとか
原子力
であるとか、この人材の、あるいは
技術
の確保について、先生のグループでやっているような
立場
の中でどんなような御提言をされているのか、お伺いしたいと思います。
大島堅一
25
○
参考人
(
大島堅一
君) 私は、
東京電力
という
組織
を維持すること、それを前提に議論を立てているからだと私は思っていて、人材が流出するのはですね、
東京電力
にこだわる必要はないと私は思っているわけです。
東京電力
を潰すか潰さないかとかそういうことではなくて、こだわっていることが問題の原点だと思っておりまして、これは人材流出についてもそうです。
東京電力
というのは
事故
を起こした企業であって、やはり世間体にも悪いとか、その
事故
を、本来的には
事故
を収束したり
廃炉
にしたりというのは非常に使命感を持って取り組める課題だと思いますので、本来的には人材が集まってしかるべきものですが、
東京電力
の一、今度は
廃炉
カンパニーになるんでしょうが、カンパニーの人間としてやるのは、やはりなかなか働く者としても意義を持って働き切れないんじゃないかというふうに思っております。 そういう
意味
では、
東京電力
という存在を前提にするのではなく、一旦処理をしてすっきりさせて、
廃炉
の
専門
の会社をつくり、それが国家的な役割を持っているんだというふうにした方が人材的には集まると思います。特に三十代の人材が抜けているということについては私も把握しております、聞いておりますので、これは非常に重大な問題で、やはりやりがいのあるものにする、
あと
労働環境も良くする、それによって人材を確保できるんじゃないかというふうに思っております。
谷合正明
26
○谷合正明君 ありがとうございます。 次に、
廃炉
について
山名参考人
にお伺いしたいんですが、いわゆる
福島
の
事故
炉の
廃炉
とそれから通常の
廃炉
、あると思うんですね。今、世界で四百基を超える
原発
のうち、四十年を超えるものが一割で、三十年を超えるものが四割ということで、今後世界的にこの
廃炉
というのは大きく進むということであります。 この
事故
炉の
廃炉
と通常炉の
廃炉
というのは全く性質が違う
部分
もあれば、ただ一方で、何ですかね、応用ができるような
部分
もあるんだと思いますが、この
事故
炉の
廃炉
と通常炉の
廃炉
についての研究とか人材面についての整理について、
参考人
の御所見をお伺いしたいと思います。 また、茂木大臣自身は衆議院の
委員会
質疑
で、通常の
廃炉
の問題、通常炉の
廃炉
の問題というのを、
機能
なりを集約してやることがいいのか、あるいはそれぞれの炉の設置者において、少なくとも通常の
廃炉
については
技術
的に確立された分野でもあるので、それぞれがきちんとした人材、ノウハウを持って進める方がいいのか、一体となってちゃんと通常の
廃炉
も進めるべきなのか、それぞれの炉の
責任
者がやるべきなのか、そこはちょっと真剣な検討が必要ですと言われているんですが、
参考人
の御所見をそこの
部分
についてお伺いしたいと思います。
山名元
27
○
参考人
(
山名元
君) まず、
福島
第一と通常炉の
廃炉
の
関係
の話でございますが、今、
福島
第一の非常に大きく損傷した炉に対する
廃止措置
は、かなり
福島
で起こっている特殊性に由来するものが多いです。つまり、溶け落ちた燃料の回収とか大量な汚染物質がビルティングの中にあるのでそれを除染するとか、そういう一Fに特化した
技術
というのがかなり入っていることは確かであります。 もう
一つ
、
一般
的な
廃炉
は既に先生御承知のように世界的にはもう民間ビジネスとして行われておりますし、既に世界中で完全なデコミッショニングが行われた例も二桁ぐらいあるわけです。そういう
意味
では、通常炉の
廃炉
というのは
技術
的には商業ベースに既になっているし、そのノウハウも海外のメーカーにはある、メーカーというか海外の会社にはあるという
状態
です。 ただ、我が国の
廃炉
というのを
考え
ますと、まだまだ改善の余地があると。改善の余地って、まだ始まったのは
一つ
しかないんで改善ではないんですが、それは
放射性廃棄物
の発生をもっと減らしていくというアプローチとか作業員の被曝を下げるとか工期期間を短縮するとかコストを下げるとか、どんどん改善の余地というのは
一般
炉の
廃炉
でもたくさんあるわけです。そのために必要な研究
開発
も今、
日本
原子力
研究
開発
機構
で「ふげん」発電所を使ってやったりしているわけですね。そういう
意味
ではまだこれから伸ばしていく
部分
がかなりあるという、こういう
状況
にあるわけです。
福島
で取り組んでいる
技術
は、
福島
の一に特化しているとはいえ、実はそれをうまく使えばそのまま
一般
炉の
廃炉
にも適用していく
技術
になるはずです。それはかなり高
機能
を持たせているから、絶対さっき言った工期短縮とかコスト削減に向いていく
技術
があると思います。ですから、この一Fの対応でつくった
技術
は確実に
一般
炉の
廃炉
にも将来展開していく余地を探るべきだというふうに私は思っております。 茂木大臣のその、個々にやるべきか、全体でやるべきかという議論はまだまだこれは分析的評価が必要になりますが、ある個人的な非常にジェネラルな
考え
でやりますと、人材の話とか、そのツールをどう使うかとか、時間的なずれがあるとかいうことを
考え
ると、
日本
全体をうまく合理化してやっていく余地はあるわけですよ。それは、個々の会社がばらばらにやっているんじゃなくて、例えば
一つ
の会社をつくって、それが今年はここをやる、来年はあそこをやるとか、そういうことをやっていけば
技術
としても知能としても人材としても合理化が発生するだろうという思いはあります。 しかし、大事なことは、あくまでこれは民営ビジネスですので、これがビジネスとして成立していくというビジネス環境をつくる必要があるわけですね。つまり、それが
事業
として成立するということが必要でして、そのためには、
関係者
が集まって大きな会社をつくるとか、何か産業界が自発的に、そういうことを合理化する会社をつくるというような動きがやっぱり自発的に動くということが期待されるということになると思いますね。そういう
意味
では、市場メカニズムでそういう動きになるかもしれませんが、
技術
的には
福島
の
技術
などがどんどん民間で使われていくような流れをつくる必要があると、こう思っております。
谷合正明
28
○谷合正明君 それでは、
あと
二分ぐらいですから短く質問しますが、
原子力
広報ですね、先ほど
大島参考人
が今の
機構
の広報はなっていないという話があったんですけれども、
山名参考人
にではお伺いしたいんですが、新しい
機構
を今度発足させるとすれば、この汚染水だとか
廃炉
に関する広報について、どういったことをしっかり対応していかなければならないのか。諸外国では
原子力
広報についてはもっと進んでいるんだといった
専門家
の御
意見
もあるわけでありますが、そういった御所見をもしお持ちでしたらよろしくお願いします。
大久保勉
29
○
委員長
(
大久保勉
君)
山名参考人
、時間の
関係
もございますので、答弁は簡潔にお願いします。
山名元
30
○
参考人
(
山名元
君) 御指摘のとおりで、恐らくこの
機構
がもしできた場合には、
情報
の発信
機能
を相当高めていただかないと困ると思います。 実は、この
廃炉
の
状況
というのはほとんど
一般
の方
たち
に
情報
が伝わっていないんです。メディアが出していないこともありますし、
東京電力
のサイトで
情報
を見ようにしても、ややこしくて見てられないというのがありまして、これをもっと集約して、国として、ここを見たら何でも分かるよという舞台にこの
機構
がなっていただけるなら、これは大変あるべき姿だというふうに思います。
谷合正明
31
○谷合正明君 終わります。ありがとうございます。
松田公太
32
○松田
公太
君 みんなの党の松田
公太
です。 本日は、大変お忙しい中お越しいただきまして、誠にありがとうございます。大変勉強になっております。 まず、
山名参考人
にお聞きしたいんですけれども、IRIDの
理事長
として御所見を伺いたいんですが、
廃炉
と
汚染水対策
というのは一体だと思うんですね。もちろん、その中では
汚染水対策
を、今見えている問題が多々出てきているわけですから、それをとにかく処理をしていかなくちゃいけないという中で、山側から流れてくる地下水の問題、これをどうにか食い止めようということで、私も
福島
原発
に行きまして、今行われている凍土壁の実証実験、実証試験ですね、これを拝見させていただいたりしておりますけれども。 いろいろ、私は
専門家
ではありませんけれども、拝見させていただくと、またいろんな知見者の御
意見
をお聞きすると、やっぱり凍土壁というのは問題があるのかなと。様々な問題があってなかなか
政府
が思っているようにいかないんではないかと。しかも、今行われている実証試験というのが、たしか十メーター掛ける十メーターの小さな中で行われておりますけれども、これが一・五キロぐらいの大きなものになると全く違う
次元
の話になってくるのかなというふうにも感じているんですね。 IRIDさんは世界中の知見も含めて集められて、たしか八百件ぐらいのそういったノウハウを集められたと。私もざっと目を通させていただきましたが、その中には、凍土壁ではなくて、むしろ堀を掘ってしまおうと、その貯蔵タンクも含めてですね。そして、キャナル形式というんでしょうか、それは
廃炉
にもつながるというお話をしましたが、最終的には、例えば方向性としては冠水をするという方向性ではなくてドライ型を
考え
るということにもつながっていくのかなというふうに思っておりますけれども、今現在、
山名
先生が思われる凍土壁の問題点等ございましたら、またそのメリット、デメリット、また場合によってはそのキャナルの方も、お
考え
になったことがありましたら、それについてもメリット、デメリットを教えていただければと思います。
山名元
33
○
参考人
(
山名元
君) この件は国の
閣僚等会議
の下の汚染水処理
委員会
が
技術
的に
考え
ておりまして、そこで凍土壁というのを最良の方法というふうに
判断
しております。 私
たち
は世界からアイデア集めまして、先生おっしゃるようにいろんな方法が
提案
されていて、御指摘のドライ・アイランド方式というのもその中には入っております。 ただ、凍土壁というのは、一メートル間隔で凍らせて、その間が凍るかどうかということがある
程度
確証できていけば、これを後はつなげていくということで、それさえ確証できればその実用性というのは十分
判断
できるだろう、こういうふうに私は、直接の担当者じゃないんですが、汚染水処理
委員会
の
判断
はそういうふうに見ておりまして、まずそれを確証することが先だろうというふうに思っています。 それから、ドライ・アイランドの話は、もう少し
長期
的に見る話だろうというふうに思っています。喫緊にそれをやるとか凍土壁とそれを比べるとかいう話というよりは、長い目で見たときはそういうサイト全体を改良するというようなアプローチもあるというような見方で見た方が恐らくいいだろうと。 そういう
意味
で私は、今は凍土壁方式にまず全力を尽くして、まずあそこを区画を造るということに全力を尽くして、それからまたドライ・アイランド等のほかのオプションもゆっくりコストも含めながら検証していくべきだというふうに思います。
松田公太
34
○松田
公太
君 確認ですけれども、じゃ、将来的な
廃炉
ということを
考え
ずに、地下水を止めるという観点においても、現状であればキャナルを掘る、堀を掘るという方式よりもその凍土壁を造るという方が成功の確率が高いというふうに思われているということでよろしいですか。
山名元
35
○
参考人
(
山名元
君) 時間的にはまず十分早いと思いますし、一年以内ぐらいに十分実現できるアイデアかなというふうに思っています。
松田公太
36
○松田
公太
君 ありがとうございます。
大島参考人
、今日初めてお会いしまして、話を拝聴させていただきまして、実は昨日、
資料
も読ませていただいたんですが、初めて話をするとは思えないぐらい、実は私が今まで
考え
てきた
原発
の政策に非常に近しいものをお持ちだなというふうに感じて、非常に心強く思っている次第なんですけれども。 今日のお話でも一部ありましたが、私は
原発
は国有化をするべきだというふうに
考え
ているんですね。その過程で、
東京電力
につきましては
破綻処理
をするべきではないかなというふうに
考え
ております。その際は、送電網ですね、送配電網を国が一旦国有化をして、そこから上がる収益をもって
廃炉
対策
、
汚染水対策
にも投じていくべきだというふうに
考え
ているわけですけれども、国有化について
大島参考人
がどのようにお思いかということを教えていただければと思います。
大島堅一
37
○
参考人
(
大島堅一
君) 今先生がおっしゃったように、一旦私も、これはなぜ国有化するのかとか、なぜ
東京電力
がしなくていいのかということを、その前提はもちろんございます、というのは、国が
原発
事故
に関して重大な
責任
を負っているということを踏まえれば、そういうことを、むしろ国有化を行って全
責任
を負うという
体制
をつくった方が私は合理的だと思います。 今、国や
東京電力
、国の中でも様々な
機構
、今回の
機構
の話もありますが、様々な機関が関わっているがために統一的な
対策
が取られないでいます。ですので、今先生がおっしゃったような、送配電網も含めて一旦ちゃんと整理をした上で、
破綻処理
をした上で、国が持つなりあるいは売却するなりして資産をきちんとやった上で
事業
を統一的に、
廃炉
もですね、統一的に行った方が合理的だと思います。先生がおっしゃるとおりだと私は思っています。
松田公太
38
○松田
公太
君 ありがとうございます。 それでは、同じ質問を
山名参考人
にもしたいんですけれども、
山名参考人
はお話の、今日の、中で、
廃炉
と
賠償
と
安定供給
ですね、ここが
三つ
どもえで進めなくてはいけないというお話だったと思います。国が全力で取り組む
強化
が必要なんですよというお話もいただきましたが、お話を伺っていますと、であれば国有化するというのも
一つ
の方策だと
考え
られるのかなというふうに思うんですが、その点についてはいかがお
考え
でしょうか。
山名元
39
○
参考人
(
山名元
君)
廃炉
という
事業
に関して言えば、
長期
的に
考え
るともう少し国が入った
組織
というのはあり得ると思いますし、私もイギリスのNDAのようなイメージというのは前から持っておったんです。ただ、現実的に、今時点で取り組むためには、それを目指すことは今はできないだろうというふうに思っています。 それは、何というんですか、
大島
先生もおっしゃったように、
国民負担
の
在り方
をどう
考え
るというような非常に重い議論がなされねば少なくともならないし、そのための人材の
体制
とか人材の育成とか、そういうものもそうそう一朝一夕にできるものでは少なくともないです。もしそれを
考え
るんであればもう少し
長期
に
考え
るべきであって、私は少なくとも、当面、この
賠償
機構
を使うというような方式が現実的にはフィージブルだというふうに思っているんです。 それから、もし
東電
を解体すると、国有化するというのが
大島
先生の御
意見
だったというふうに思うんですが、今大事なことは、やはり
賠償
も進めながら
電気
も安定に確保しながら
廃炉
も進めなければという喫緊の課題が今目の前にある、その中でそれだけ大きな
体制
変換をやっても、それを変えられる強固な
体制
をすぐつくるというのは現実的には難しいんじゃないかというふうに思います。これを、むしろ
東電
というあの
事故
を起こしたライアビリティーのある
組織
にきちんとやらせるということを、
政府
がこういった新しい
機構
できちんとサポートし、
監督
、監視しているという
体制
をやることがまずはでき得る最大の方法だなというふうに私は今
考え
ています。
松田公太
40
○松田
公太
君 今るるお話をいただきましたが、例えば
国民負担
の
部分
に関して言うと、もう私は、これも
大島参考人
と近いと思うんですが、もう既に全て
国民負担
なんですよ、結局は、最終的にはですね。それを
考え
ると、
国民負担
というのは、国が一旦、例えば
原発
、
廃炉
をしなくてはいけないということで国有化する、それをまたその送電部門の収益からしっかりと
費用
を出していくということを
考え
れば、私は
長期
的に見たらむしろ
国民負担
は減るんだろうというふうに思うんですね。その送電網も一旦国有化しますけれども、最終的には私は売却すればいいと思っているんです。そこで六兆円から八兆円ぐらいの収益が得られるのかなというふうにも思っておりますし、また、その人材が、
体制
がちょっと難しいんじゃないかというお話に関しても、私はそんなに大きくそう変える必要はないと思っていて、今
東電
が抱えているまさしくその
廃炉
カンパニーなんかを国が一旦そのまま受け入れてしまえばいいという話だと思うんですね。 私は元々
経営
をしておりましたけれども、
経営
にとって一番重要なのは、
安定供給
のために重要なのは、やっぱりキャッシュフローなんですよ。お金が投下されれば会社というのは倒産することはないんですね、どんなに赤字だったとしても。ですから、そこの
部分
は国がしっかり面倒を見るということであれば、明確に、国と
東電
の
責任
を、しながら、
国民
にも理解をいただきながら、私は
廃炉
処理を進めることができるのかなと、このように思っております。 今の
山名参考人
のお話に対して、もし
大島参考人
の方から何か反論がございましたら、是非お願いできればと思います。
大島堅一
41
○
参考人
(
大島堅一
君) 私は、今
委員
がおっしゃったように、
廃炉
カンパニーが四月からできたということで、その
廃炉
カンパニーと今
機構
が持つような
機能
をもう国の中で合体させて公社なりなんなりをつくった方が公明正大にできますし、また効率的にできると私は思っているわけです。
あと
、その
組織
改革がそれほど大きな
事業
だとは、また大変なものだとは思っていなくて、むしろ
廃炉
の方が大変なことですから、その
廃炉
に向けた
組織
をきちっとつくるということが
国会
なり
政府
なりの役割ではないかというふうに
考え
ております。
松田公太
42
○松田
公太
君 ありがとうございます。 ちょっともう時間がないので
最後
の質問とさせていただきたいと思いますが、先ほどコスト等検証
委員会
のお話が出ておりました。元々八・九円でしたっけ、二〇一一年に出された数字というのが。九円でしたっけね。現状は
大島参考人
は十二・六円ぐらいじゃないかというふうに試算をされていると。私どもも独自な試算をしておりますけれども、バックエンドのコスト、特に
最終処分
とかそういったものをもっと入れる必要があるのではないかなと思っていまして、その場合はもうちょっと高い、場合によっては十五円、十六円ということになってくるのかなというふうに思っております。 その根拠、そういった
部分
は今日時間がないのでもうお聞きしませんけれども、お二方にお聞きしたいのは、そのコスト等検証
委員会
、
最後
に行われたのが二〇一一年、
事故
の後ということで、もう大分前になりますので、これはもう九円というのは全く今では
参考
にならない数字かなと私も思っておりますので、なぜこのコスト等検証
委員会
が開かれないのかということは私は非常に不思議に思っていて、
国会
でも質問したことがあるんですが、なぜこれが行われないのか。お二人は
委員会
のメンバーでもありますから、是非これを開いてくれというお話も
委員
の方からもしていただきたいなというふうに思っているんですが、いかがでしょうか。じゃ、
山名参考人
からお願いします。
山名元
43
○
参考人
(
山名元
君) 私が答える
立場
にないんですが、経済政策、経済政策というかエネルギー政策として
考え
るときに二つあると思うんですよ。
一つ
は、四十年均等化コストを新ビジネスに関して評価するというああいうやり方と、それから現在の
状態
、ここ近々の数年から十年ぐらい何がコストとしてどうだという話と二つに分けて
考え
る必要があると思っています。 そういう
意味
で、四十年均等コストとしてああやって出したものは、ある過程でああ出したという
一つ
の結論があって、それを見直すのはもう少し長いスパンで私はいいと思います。もっと大事なのは、これ、近々のコストですね。今、ここ数年、何をどうやったら一番安くて得なのかと、それが新しいエネルギーの、
日本
に生きるのかというのを
考え
るのが先だと私は思っております。
大島堅一
44
○
参考人
(
大島堅一
君) 私は、やっぱりあの
原発
事故
の後に様々なコストが発生しているということは事実です。それをもう一度、独立したというか、相対的に独立した
専門家
が検証する必要はあると思っております。これは
国民負担
と直結するからです。ですので、
政府
の中かあるいは
国会
の下でか分かりませんが、是非
国民
が透明性がある場で監視できるような形で再検証していただきたいなというふうに思っております。私もそれについては微力ながら貢献したいというふうに思っております。
松田公太
45
○松田
公太
君 どうもありがとうございました。
倉林明子
46
○倉林明子君
日本
共産党の倉林明子でございます。 今日は両
参考人
に御
出席
いただきまして、本当にありがとうございます。
大島参考人
におかれましては、体調が悪いところ、押して
出席
していただいたようで、本当にありがとうございます。 最初に
山名参考人
にお伺いしたいと思うんですけれども、今日の
意見
の陳述の中でも、
考え
方改めたということで強調されていたところで、本来、この
廃炉
については公的な
専門
機関が管理をしていくべきだということを主張されていて、その
部分
かと思うんですけれども、本来、公的な管理をしていくべきだという
考え
方をしていたというところをもう少し説明いただきたいと思うのと、先ほどの
質疑
の中でも、当面は今の
機構
が
提案
しているやり方をしていくべきだと、維持してサポートと監視をしていくべきだという御
発言
だったかと思うんですけれども、じゃ、当面ではなくて本来
機能
に戻すというタイミング、どこでならそういう切替えをしていけるのか、していくべきだとお
考え
なのか、その辺お聞かせいただきたいと思うんですけれども。
山名元
47
○
参考人
(
山名元
君) 私はかねて、英国が取っているようなニュークリア・デコミッショニング・オーソリティー、NDAのような
仕組み
というのは
一つ
のアイデアだというふうに思っておりました。ただ、NDA、イギリスと
日本
の大きな違いは、英国のNDAは国営でやってきた
原子力
の
廃炉
を国営でやろうという
考え
方ですが、こちらは
東電
という民間ビジネスの失敗を国がどこまで
関与
するかという問題なんです。 これは、先ほどから
国民負担
という議論が出ていますけれども、非常に大きな問題でして、私は個人的には、結局この一Fの
廃炉
の失敗というのは
国民
全体の
損失
になるので、非常に公益性があるという思いは持っておりました。したがって、そういう
意味
でNDAと、NDAと完璧には言いませんが、それとやや民間性を持ったものの中間ぐらいのイメージを持って、むしろ
技術
の集約という点を強調してです、そういう
組織
をイメージしていたということであります。 ただ、今当面と言いましたが、この
賠償支援機構
を拡大するという
仕組み
が確実に動くということをまずはやるべきだというふうに思います。そこに
技術者
を集約すれば、今目指していたような、
技術
を集めるという半NDA的な
組織
というのはまず一度できるわけですから、それがまずきちんと動くということに全力を傾注すべきだというふうに思います。ですから、当面というのは、いつ何どきどうするというイメージでは決してないということです。
倉林明子
48
○倉林明子君 国が今回
前面
に出るということで、
国費
投入
の
仕組み
ということが
賠償
にとどまらず
廃炉
、汚染
対策
等に広がっていくということになるわけです、この法が成立すれば。 ただし、国と
東電
、
責任
についての御
発言
もありましたけれども、負担の
在り方
ということではやっぱり大きく議論していく必要があると、
国会
としてもしていく必要があると思っているんですけれども、それぞれの
参考人
に負担の
在り方
についてお
考え
を表明していただきたいと思います。
大島堅一
49
○
参考人
(
大島堅一
君) 国と
東電
の負担の
在り方
なんですけれども、私は
環境経済学
なので
環境経済学
の観点から申し上げますが、環境汚染が出た場合の基本的な
費用負担
の原則というのは汚染者負担原則です。ですので、基本は
東電
が負担しなければなりません。これはどのような環境問題でも貫いていて、
国費
が基本的に汚染問題に対して支払われるということはないわけです。というのは、これは
モラルハザード
を引き起こしますので。なぜなら、汚染者がもし汚染した場合に、国が出てきて全てお金を払ってくれるということであれば
対策
はしなくてもよいということになりますので、それは
モラルハザード
を引き起こすわけですね。 ですが、今回の場合は、非常に大きな
事故
であるということもあって、国が出ざるを得ないというのはもう
国民
もしっかり認識しているというふうに思いますし、私もそのように思います。そのような場合は、やはり汚染者がどこまできちっと負担したか、要するに、汚染者の負担の
在り方
というのは、
一般
の自由主義的な経済原則でいうと、やはり出すところが出して自らを整理するというところから始まるはずです。さらには、国もこの汚染問題に対して大きな
責任
があったということをきちっと公的に認めることですね。これはあの
国会
事故調査報告書
の中でも繰り返し指摘されているところでありますので、やはり今回の
福島原発事故
に関しては、
規制者
が
規制
し切れなかったとか
原発
をむやみやたらと
開発
してきたという原則に立てば汚染者なんであるということを認識した上で、汚染者として
賠償
するということはあり得るだろうというふうに思っています。 ですので、この原則をきちっとした上で負担をきちっとしないと、お金が足りないから国が出すとか、それはいつまでも出すことになってしまうので、それは非常によろしくないわけです。
モラルハザード
を引き起こしてしまうわけです。ですので、
モラルハザード
を引き起こさないような原理原則を立てた上で、最終的には
国民負担
になるというのも必要かなというふうに思っています。 以上です。
山名元
50
○
参考人
(
山名元
君) 御質問に対して、まず負担という
意味
では、
東電
がそのライアビリティーの下で負担すべきというのが全ての原則であるというふうに思います。 一方、国の方が担うものが
幾つ
かありまして、それは、
一つ
は、この
事故
に対して非常に難しい
技術
が要求されておりますので、
技術開発
が必要です。これも本来は
東電
の一義的
責任
になるんですが、
東電
がやっていたら多分相当時間が掛かったり
技術
を集約できないということから、国が
一つ
の先端的
技術
の
開発
を担うという
考え
方があっていいと思います。 もう
一つ
は、この
福島
の対応を世界がどう見ているかという問題です。世界はこの
福島
の問題は
日本国
全体の問題として見ているわけです。
東電
なんて出てこないんですね。であれば、これを国として世界にどう向かい合っていくかという国際
連携
の
在り方
、国際協力の
在り方
、そういったものについては国がそこを担っていくというのはあるべき姿かというふうに思います。 それから、この
事故
によって、
東電
の力がまだ不十分だということはさっき私申し上げましたが、その
状態
によって起こっている様々な広い派生的
影響
、国際的信頼の喪失、
風評被害
、この
福島
に直接
関与
していない
国民
の人
たち
もいろんな
損失
を受けているという国全体としての
国家的損失
を防止するには国がそれを負担して行うべきだというふうに思います。 それから、
最後
に、
原子力
安全規制
の問題が議論されました。あるいは、
放射性廃棄物
の
最終処分
なり、そういった国としてあるポリシーを決めていかないと進まないものが必ずあります。この
部分
については国が
責任
を持って行っていくということが必要だと思います。 以上です。
倉林明子
51
○倉林明子君 あれだけの
原発
事故
を起こした企業がまだあるということの方が世界には不思議かもしれないなと率直に思っております。 この
事故
を起こした
責任
ということでもう
一つ
両
参考人
にお聞きしたいのは、プラントメーカー、この
責任
についても私はしっかりはっきりさせる必要があるというふうに思っているわけで、原賠法では免責ということになっているわけですが、
事故
原因
の徹底解明を進めて、果たすべき
責任
がやっぱりプラントメーカーにもあるんじゃないかというふうに思っていますが、お
考え
はいかがでしょうか。
山名元
52
○
参考人
(
山名元
君) 原賠法で定義するという
意味
での
責任
はメーカーにはないというのは明確であると思います。 ただし、先生御指摘のように、
福島
の発電所を造ってきたメーカーというのは
技術
的にそれを造ってきたという問題がありまして、
オペレーション
の失敗、つまり
東電
側が、発電
事業者側
で起こったトラブルであるからそれを製作、設計した者については
責任
はないといえばそのとおりなんですが、実際は電力
事業者
とメーカーが一緒にプラントを
考え
てそれを導入してきたという歴史は確かにあるわけです。 そういう
意味
では、
技術
的にメーカーがこの問題を解決するという
技術者
としてのある種の
責任
はあるだろうというふうに思っていまして、そのことはまさに私が担当しています
技術研究組合
にメーカーは参画して、自分のお金を払ってですよ、これは自分の補助金の負担分を払ってその解決に努力しているということをやっておりますから、そういう
意味
で
技術
的
責任
について彼らは取り組んでいるんだろうというふうに思います。 以上です。
大島堅一
53
○
参考人
(
大島堅一
君) プラントメーカーは、今の原賠法の下では
東京電力
に
賠償
責任
が集中しておりますので、
賠償
に関して支払
責任
はないというのは確定しておりますけれども、ただ、
責任
集中しているというのは
損害賠償
を容易に進めるためというのが基本だと思います。それを免罪するためではないと私は思っております。 ですので、例えば、今、
山名参考人
がおっしゃったような
技術
的な協力に加えて、例えばメーカーが、これは自主的なものになるのか法律的なものかは分かりませんけれども、メーカーがある種の基金を設けて、そこから一定
程度
技術
なり
損害賠償
なりに
資金
を拠出する、そのような
仕組み
が
考え
られると思います。これは大気汚染なんかでもメーカー
責任
が問われたときにやられていることですので、こういった手法を使って改善の余地はあると。
あと
、もう
一つ
は、原賠法の中で、メーカー、ほかのメーカーも含めて、
原子力
事業者
、
事故
を起こした
原子力
事業者
がほかに求償できないという形になっていますが、原賠法を改正して求償できるという形にすれば、こういった問題は避け得るだろうなというふうに思います。
倉林明子
54
○倉林明子君
東電
を存続させるということが前提となったこの
機構
法のスキームなんですけれども、このことによって株主、メガバンクの
責任
は問われていないと、これは本当に重大だなというふうに思っているんです。ところが、
破綻
させれば電力債が優先されるという現行法の
仕組み
がありまして、これを盾に
被害者
への
賠償
ができなくなるということを盛んに
政府
も説明としてしているわけですが、この現在の
仕組み
について
大島参考人
に御
意見
を伺っておきたいと思います。
大島堅一
55
○
参考人
(
大島堅一
君) このことについては、例えば私がお配りいたしました冊子の百九十二
ページ
を御覧いただきたいと思うんですけれども、電力債、今御指摘いただいた電力債については、当然ながらルールを変えるわけにはいきませんので保護した上で、
あと
一般
の商取引の債権については国が保護した上で、そういう
意味
で、それをすればいわゆる経済的な混乱は避け得ますし、また
電気
事業
を維持するという
意味
での商取引が妨げられることはないので、そこに関しては保護した上で
破綻処理
するというのは可能だというふうに思っております。
倉林明子
56
○倉林明子君 今日、
大島参考人
から「
原発
ゼロ
社会
への道」ということで大きな冊子もいただいたので、ここも本当はもうちょっとお聞きできればよかったんですが、
最後
に、今回、エネルギー基本計画ができて、先ほども御紹介あったんですが、重要なベースロード電源と
原発
の位置付けが明確にされた。これについて
最後
、
大島参考人
の御
意見
を伺って、終わりたいと思います。
大久保勉
57
○
委員長
(
大久保勉
君) 時間が迫っておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
大島堅一
58
○
参考人
(
大島堅一
君) 先ほどどなたかの御
発言
というか御質問にお答えしたとおりなんですけれども、やはりこういった位置付け後、更にもう一度今回のエネルギー基本計画の中で位置付けられたというのは非常に私は残念に思っておりますので、もう一度
福島原発事故
の現状に立って、反省に立って、
原子力
という電源の位置付けをいま
一つ
見直していただきたいなというふうに
考え
ております。
倉林明子
59
○倉林明子君 ありがとうございました。
中野正志
60
○中野正志君
日本
維新の会の中野正志でございます。 両
参考人
にお伺いをいたします。 ここ二、三日前でございますけれども、私は産経新聞で読ませていただいたんですが、国連の気候変動に関する
政府
間パネル、いわゆるIPCC第三作業部会の
報告書
が明らかになりました。その中で、CO2に代表されるいわゆる温室効果ガスの削減を検討した
報告書
だと。それで、このIPCCの第三作業部会は、
実効性
の高い温室効果ガス削減の三本柱として、
一つ
に再生可能エネルギー、二つ目、
原子力
エネルギー、
三つ目
、CCSを伴う火力発電、いわゆる、御存じのとおり、地中深くCO2を埋め込んでいるというCCSを伴う火力発電、この
三つ
を掲げているわけでありまして、これらの低炭素エネルギーの比率を二〇五〇年までに今の三、四倍にすれば、何とか地球温暖化、せいぜい二度、三度ぐらいの上昇で済ませることができると、こう書いてあります。 私は、ノーベル平和賞をもらったIPCCでありまして、ここが、
福島
事故
の後であるにもかかわらず、
福島
事故
を理由に排除することなく温暖化
対策
の柱の
一つ
として大きなウエートをこの
原子力
エネルギーにも置いているということに実は注目したんです。
原子力
エネルギーの位置付けで、こう書いてあるんですね。成熟した低い温室効果ガス排出のベースロード電源と、こういうふうに位置付けをされているわけであります。 今年十二月にはCOP20、ペルーのリマで開催をされます。このときに、この温室効果ガス排出削減の新たな国際的な枠組みづくり、これもしなければなりませんけれども、
原発
を持っている国は
原発
による温室効果ガス排出削減を当然ながら織り込んだ数値を表明することができるのに対しまして、残念ですが私
たち
の
日本国
はそういうわけにはいかない。 そんなことどもなども踏んまえながら、この温室効果ガスの、私は、無理に削減をしよう、あるいは結果的に
電気
代の高騰、こういうことになりますと、製造業、もう今以上に海外移転が加速されるということにもなるわけでありますけれども、こういったIPCC第三作業部会のこの
報告書
について、両
参考人
に感想をひとつお聞きをしたいと思います。
山名元
61
○
参考人
(
山名元
君) IPCCの報告は、私も先生と同じように非常に重要であるというふうに思っています。 一番問題なのは、世界のエネルギー需要が今後急増するという問題、それから火力、火力というか化石資源のマーケットが世界中でこれから大きく変わっていくという問題ですね。そういう
意味
で、需要増、それから新興国の発展、それからマーケットが不安定、その中でもCO2下げていくためには何が必要かという非常に難しいことが問われているというわけです。 そういう
意味
では、世界全体をグローバルに見ると、
原子力
というのは私は不可欠であるというふうに思います。といいますのは、火力にCCSを付けるというのはやっぱりコスト的に非常に大きくなるということが言えます。コストという市場メカニズムで入っていくためには相当時間が要るだろう。再生可能エネルギーは当然世界中で増やしていきますけど、それがその投資としてどこまで入るかというのはまだ見極めないと駄目だと。そういう不確定性を
考え
ると、
原子力
が世界的に拡大するということは、今の温室効果ガス低減のかなりプルーブンな手法の
一つ
であるということになります。 以上です。
大島堅一
62
○
参考人
(
大島堅一
君) 気候変動問題については、私が気候変動枠組条約の第一回締約
国会
議から参加しておりましたので、非常に関心を持って見ております。 IPCCの第五次評価
報告書
の第三ワーキンググループの
報告書
が出て、このような、今後、二〇五〇年までに半減、二一〇〇年ぐらいまでにゼロぐらいにCO2を排出削減しなければならないということは、まさに環境問題が非常に大きな問題として出てきたということを表すもので、私も非常に関心を持って見ております。 ここで重要なのは、
原子力
というのは
電気
しか
供給
できないということです。よく、先ほども申し上げましたように、
原子力
はエネルギーの
安定供給
に資するんだというふうに言うんですけれども、
電気
なんですね。
日本
は三・一一以前はたしか
原発
は
電気
の三割を
供給
しておりましたが、これ私は最大だと思いますけれども、それであってもエネルギー全体からすれば一割満たないぐらいのエネルギー源なんです。 ですので、温暖化
対策
の本命は何かというと、省エネと再エネです。
原発
が幾ら増やしたとしても、元に戻したとして、まあ無理だと私は思いますけれども、元に戻したとしても一割行かないぐらいなんです。その中で本質的に温暖化
対策
を進めて二一〇〇年までに温室効果ガスをゼロにするにはどうするかというと、全体的なエネルギー消費量をゼロに近づけて、エネルギー消費量を、どんどん需要を減らしていって、
供給
面では再生可能エネルギーを中心とした
供給
構造にするということによってしか多分解決できないだろうと、こういうふうに思います。 申し上げておけば、気候変動枠組条約の中で
原子力
というのは位置付けられておりませんで、まだ
原子力
を利用して促進すべきかどうかということについては、
対策
の案の中には、もちろんオプションの
一つ
、考慮のオプションとして入っておりますけれども、そこを促進すべきだというような条約はないわけですから、そこは誤解のないようにしていただければというふうに思います。 以上です。
中野正志
63
○中野正志君
大島参考人
、この間、環境省、地球温暖化の
日本
への
影響
に関する
報告書
、発表いたしました。茨城大学の三村
教授
らの研究チームでありまして、洪水被害、今世紀末三倍になると。気温は最大で六・四度上昇だと。もうこういう形になりますと、今世紀半ばでも暑さが
原因
で亡くなる人が今の二倍ぐらいだろうと。あるいは、例えば米作りですね。私は宮城県ですけれども、もうどんどんどんどん、今北海道の米が一番うまいとかいろいろ言われるんでありますけれども、亜熱帯の結局は
日本
ということになったら、農作物を含めて大変な
影響
も当然ながら出てくると。 私は、そんなことを
考え
ますと、やっぱりこの温室効果ガス、なかんずくCO2の問題を
考え
れば、当然ながら、やっぱり今、
大島参考人
とは逆な
意味
で、
原子力
エネルギー、これはこれでしっかりと確保されるべきだと
考え
ます。 この
原子力
エネルギー、ゼロにしたときに、そのいわゆるエネルギー分、省エネとそれから再生可能エネルギーでしっかりと補填できるとお
考え
になられますか。
大島堅一
64
○
参考人
(
大島堅一
君)
原子力
に関しては最大で電源の三割でしたので、それに関して再生可能エネルギーで賄うことは十分だというふうに思っております。 付け加えれば、これから、IPCCのレポート、これは第一次評価レポートなんかでも書かれておりますが、極端現象というのが起こるとされています。極端現象には、例えば台風が非常に大きくなって、風速、秒速八十メートルを超えるような台風が出てくると。これ竜巻並みですから、竜巻並みとなりますと
原子力
施設は大丈夫なのかということになります。竜巻になりますと、八十メートルぐらいになりますと、自動車が飛ぶとかそういうようなレベルです。
一般
の家屋は倒壊する、鉄筋も含めて倒壊するというレベルですので、そのときに
原子力
が維持できるんだろうかと、私、素人ながら、
技術
的には素人ながら
考え
たりしますので、
原子力
は過酷な気候変動の下で維持できるのかなというのを私はちょっと
懸念
しているところであります。
中野正志
65
○中野正志君
山名参考人
、ただいまの
大島参考人
のコメントに、当然
山名参考人
の御反論もあろうかと思いますが、一言、二言、御反論いただけませんか。
山名元
66
○
参考人
(
山名元
君) 再生可能で三〇%
供給
、これは率直に私は難しいと思います。 それは、その装置の投資、それから送電系統の、電力に関してはですよ、送電系統の全体的な
強化
、それから、保証できない電源になるので、
大島
さんは予測できるとさっきおっしゃっていたんですが、太陽光等含めて
考え
ると、そうそうその
供給
を保証できない、予測できない、短期変動を伴うというようなことができますし、それからバックアップ電源の議論が先ほどありましたように、大量の動かさない火力発電所を持っているというようなことがペアになってきます。 そういうことから全体的に
考え
ると、三割入れるというのは物すごい大きな投資と無駄な設備を維持することになっていくと思います。そういう
意味
で三割は難しいだろうというふうに私は思っております。
中野正志
67
○中野正志君
山名参考人
とまさに
考え
方は共有できるかと思います。 さっき、
技術
の改善はますます進むというお話が
山名参考人
、ありました。IRIDをつくられまして、本当に
日本
の
技術
の層、厚い、強い、たくましい、こういうことで、実はおとといのこの経産
委員会
でもIRIDの問題、私なりの評価度で紹介をしたばっかりであります。 このIRID、今回の新しい
法改正
に基づく
機構
もそうでありますけれども、
廃炉
研究というのは後ろ向きだけの研究ではないんだ、新しい
技術
によって新しいビジネスもしっかりと生み出し切れる、生まれる
可能性
も非常に大きいんだ、そう理解をしているところでございます。是非、この
廃炉
の後始末は明るい未来につながると、こういう確信で非常に期待感を持っておるんでありますけれども、
山名参考人
、感想を一言お願いします。
山名元
68
○
参考人
(
山名元
君)
廃炉
というのは、先生おっしゃるように、比較的ネガティブなレガシーに対する始末というふうに
考え
られがちですが、あらゆる
技術
、別に
原子力
だけじゃないんですよ、どんな産業でもある始末を付けながら次の産業につながっていく、そういう流れがサステーナブルに続くというのがまともな私は国家だというふうに思っています。
原子力
の
廃炉
もそれの
一つ
でありまして、これをきちんと安くやることでまた新しい未来が、新しいエネルギー形態が生まれていくという
一つ
のスタートのトライだというふうに私
たち
は
考え
て取り組んでいるところでありますので、先生の御指摘に私は共感いたします。
中野正志
69
○中野正志君 ありがとうございます。
山名
先生については、京大
教授
という大変御多忙の身でありながら、このIRID
理事長
ということで、大変お忙しい毎日であります。コメントをちょっと読ませていただきましたが、
福島
事故
の後始末を早く終わらせることは
福島
を元どおりにする第一歩、早く意義深い成果を出したいと、こう書かれておりました。健康こそ命でございますので、御健康で毎日頑張ってください。ありがとうございました。 また、
大島参考人
、ありがとうございました。
真山勇一
70
○真山
勇一
君 結いの党、真山
勇一
です。
山名参考人
、そして
大島参考人
、今日はありがとうございました。 早速質問をさせていただきたいと思うんですけれども、
大島
先生からいただいたこの
資料
の中に
原子力損害賠償支援機構
のホーム
ページ
というのがあって、私はこれ見てやっぱり私も驚きを隠せません。これが
情報
公開なのだろうか、そういう思いでいっぱいです。これは単なるお知らせじゃないかというふうな感じを受けています。 〔
委員長
退席、理事加藤敏幸君着席〕
情報
公開ということは本当にこれ大事だと、もうどなたも繰り返しおっしゃることであって、今日恐らく、
原発
それからこうした
賠償
の問題に対しての賛成、反対、それぞれの御
意見
をお持ちの方も、やはり
立場
は違っても
情報
公開はちゃんとやらなくちゃいけないということでは共通だと思います。 先ほどの
山名
先生のお話の中でも、学生に
情報
が行っていなくて、学生が何も分からない。それから、先生の著作の中でも、放射能
情報
というのは正確に伝わっていないから放射能に対する誤解があるというふうなことも言われていますね。私も、本当にこの今の現在の世の中で
情報
公開がどれだけ大事かと、そう認識持っております。
原発
に対する、
原子力
に対する安全神話、それから放射能に対する逆に不安、これ両方とも
情報
不足から来るものではないかと私は思います。 これは本当に毎回毎回、もうこれまで何度も何度も繰り返されていることですけれども、
情報
公開、実現できていません。
原発
事故
があったけれども、この
原子力
関係
ではこうした反省が本当に生かされているのかどうか、私はそんなことをとても疑問に思う。何も変わっていないんじゃないかというふうに思うんですが、お二人にお伺いしたいんですが、この体質どうなっているのか、一体どうすれば変わるんでしょうか、処方箋あるんでしょうか、これをお伺いしたいと思います。じゃ、まずこの
資料
をいただいた
大島
先生からお願いします。
大島堅一
71
○
参考人
(
大島堅一
君)
原子力損害賠償支援機構
に関してホーム
ページ
を取ってまいりましたが、これは本当にこの
原子力損害賠償支援機構
がいかに秘密主義というか、
情報
を出さない機関かということが端的に分かるところであります。もちろん結果は出ています。結果は出ていますが、結果だけ出して、じゃそれでよいのかということが、実は
福島原発事故
の直後から
原子力
政策に
関連
して様々指摘されてきたことなわけです。 〔理事加藤敏幸君退席、
委員長
着席〕 これはもちろん国が非常に強く関わる、
認可法人
というのは国が強く関わる法人ですので、やはり
審議
の
在り方
、
審議
プロセス及び
資料
に関しては公開すべきだと思います。これに関しては
原子力規制委員会
が最も公開に関して進んでいると思います。というのは、全ての
会議
はビデオも通じて公開されておりますし、
資料
も出ております。利害
関係者
と会うときにはこういう記録を残すようにとか、そういうものまで付け加えられています。 ただし、これは
原子力
政策に関して、
規制
に関しては
規制委員会
で公開されるようになりましたが、
原子力
開発
政策の本体である、
原子力損害賠償支援機構
もその
一つ
ですけれども、経産省の
意思決定プロセス
とかに関しては余り出てきません。もちろん
審議
会の
資料
は出てきますけれども、
原子力規制委員会
で取られているような厳しい
情報
公開、あるいは利害
関係者
と会うときの原則等々についてはまだまだ不十分だと私は思っていますので、この
原子力損害賠償支援機構
に関して
資料
をお持ちいたしましたが、全ての
原子力
政策に関わる行政の
資料
と
審議
内容については基本公開であるということをすることによって初めて
国民
の信頼が得られると思っておりますので、これは
国会
の
先生方
にお任せというか、こういうことがないように御指導いただければというふうに思っております。
山名元
72
○
参考人
(
山名元
君) 御質問の件は、
原子力
に関わる全体の
情報
公開の話と、この
機構
に関わる
情報
公開の話に分かれるかと思います。
原子力
について言いますと、先生の御指摘のように、
原子力
という非常に
技術
的になかなか難しい問題については、
国民
の
皆さん
ときちんと
情報
を共有するということがもう基本中の基本であるというふうに思います。したがって、
情報
公開というのはもっともっと進めていくべきものであります。 ただ、
情報
公開だけじゃなくて、対話ですね、コミュニケーションというのが非常に重要だというのはもうあらゆるエネルギー政策の場でも議論されてまいりました。いわゆるステークホルダーインボルブメント、
関係
する人
たち
にきちんと常にディスカッションと
情報提供
があるという何かの
仕組み
は、恐らくこれは
政府
が主導してつくっていくべきものであるというふうに思います。当然地方自治体も絡む話であります。 それから、この
賠償支援機構
に関する
情報
公開については、この絵も私はこんなものかなと思って見ていたんですが、
賠償
支援
の
部分
については私はちょっと論評できない
立場
にあります。
立場
にあるというか、
専門性
が低いということです。 今問題になっている
廃炉支援
に関してだけ申し述べますが、
廃炉支援
で大事なのは、やっぱり最新
状態
が
福島
でどうなっているか、今何が起こっているかという
情報
をリアルタイムにお伝えすることが物すごく大事なんですよ。これをお伝えすればある
程度
安心していただけたりしますので、リアルタイムの
情報
を出す
機能
をこの
支援
機構
には是非持っていただきたいというふうに思います。
真山勇一
73
○真山
勇一
君 ありがとうございました。 そして、今回のこの
廃炉
というのは、海外ではもう既に行われていることですけれども、
日本
ではこれから始まるということなので、まだいろいろな
情報
がないということですけれども、一昨日のこの同じ経産
委員会
で私が伺ったら、今後、四十八基というかなりたくさんの
原発
が順次
廃炉
に向かっていくわけですね。その
費用
が、総
費用
が二兆七千億円という話があったんですね。これ、一基当たりは五百五十億円ということなんですが、このようにお金が掛かるということで、
原発
の稼働期間が四十年ないし六十年、
原発
というのは建設まで至る期間にいろんな、環境
調査
ですとかいろんなことがある、それから
原発
の使命が終わって
廃炉
というのもまた二十年から三十年続くということで、しかもまた核のごみと言われる処理の問題も残るというようなことがあります。 やはり
原発
というのはコスト、このコストというのは、やはり
原発
を存続させるのかなくすのかということで一番大きなこれまでの議論のポイントになってくるんじゃないかと思うんですね。そのためにやっぱり出てくるのが、燃料費ですとか発電効率ですとかCO2排出量とかというのはあるんですが、今回の
福島
第一
原発
事故
を契機に、やっぱり
電気料金
のコスト計算の転換を求められているときに来ているんじゃないかというふうに思っております。 先ほどの
大島
先生のお話でも発電コストと
社会
的コストということがありましたが、これちょっと確認になりますが、今の
状態
でそういうことを勘案して
原発
というのは本当にコストに見合うものなのかどうかということと、それから、やはりこういう新しい段階に入った
電気料金
というものを、これを計算する、コストを計算する新しい計算式みたいなものというのを、
一般
の人が、こういう形で計算をするんだよねというのがやはりなくてはいけないのではないかな。 先ほど
大島
先生は多少遠慮がちにおっしゃいましたけれども、やはり
影響
力のある方が、
原発
コストというのはこうやって計算するんだというようなことを言っていただく、やはり
原発
をどうするかというのは、このまさにコストがキーポイントだと思っております。これをどういうふうにお
考え
になっているのか、
大島
先生にお伺いしたいと思います。
大島堅一
74
○
参考人
(
大島堅一
君)
原発
のコストを含む発電コストの計算については、民主党政権時代にコスト等検証
委員会
がつくられ、そこでエクセル表となっています。私が先ほど申し上げた十二・六兆円ぐらいじゃないかというお話も、その計算に基づいて行っております。 ただ、その後、その計算方法について分かりやすく示す、あるいはアップデートするようなことは
政府
としてされていませんので、それはやはり今後もしていくべきだろうなと。特に
原発
のコストというのはどんどん増えております、
事故
を中心に増えておりますので、それは計算しておくべきだろうなと思います。 もう
一つ
原発
のコストで大事な点は、先生が今御指摘のように、
放射性廃棄物
の処理、処分、
あと
その
廃炉
、今先生がおっしゃられたようなコストが今見込まれているわけですが、では将来本当にそれで収まるのかというと、
あと
次の
事故
がないかというと、誰も分からないわけです。それは要するに計算できない、アンカウンタブルだというところが
原発
のコストの大きな特徴です。ですので、計算できないというところが大きな特徴なんですね。 もう
一つ
は、そのコストに関しては、計算できない以上、元々の
事業
を成り立たせる上で入っていないわけです、そのコストが。ということは、最終的に計算できないものが後で出てくると、今回の
事故
の処理でもあるように、必ず国家が
関与
しなければならないと。要するに、国家が
関与
なしに存立し得ないものであるということがこのコストを見ると分かる。そういう
意味
で、コストを見る上で、
国民
がコストを理解することは、
原子力
のエネルギーの国家への依存というか、というところが分かることでもありますので、今後も分かりやすく
政府
としても示していただきたいなというふうに私は感想を持っております。
真山勇一
75
○真山
勇一
君 次に
山名
先生にお伺いしたいんですけれども、
山名
先生ならではの答えをいただきたいと思うんですが、
原子力
の
技術者
の
専門家
というふうにおっしゃっていただいたので。 今回のやはり
廃炉
というのは、普通の
廃炉
でなくて、
日本
の場合はいきなり
事故
を起こしちゃった、それもかなり重大
事故
を起こした大変危険で難しい
廃炉
から始まる、それが
廃炉
のファーストステップになると。これはやはりそういう
意味
でいうと試練だと思いますね、大変な。 ですから、
廃炉
に、例えば先生の
専門
の
技術者
という
立場
でいうと、どのぐらい
専門家
の方が必要で、どのぐらいの作業員が、この例えば
福島
第一
原発
のもし
廃炉
という実際の
事業
に入った場合、どのぐらい必要なものというふうに
考え
ておられるのか。これはなぜかというと、今、人員不足が言われている、そういう中で本当にこれで果たしてちゃんとやっていけるのかな、大丈夫なのかなという不安が
一つ
感じるのと、その点をお伺いしたいのと、そういう今までにないものですから、やはり一大
事業
、これをやるためにはやはり
専門
の部門をつくった方がいいのではないか。 私が思うには、
賠償
というのはやはり負のイメージ、マイナスのイメージですね。先ほど先生は、
廃炉
はこれは次の
技術
の
開発
、産業につながっていくとおっしゃった。私もそういうふうに思うんです。そうすると、やはりこれは、
日本
はこれから
福島
以外の
原発
も
廃炉
にしていかなくちゃいけないんですから、やはり
技術
を集約するという
意味
で何か
専門
の方がいいというふうに思いますので、その二つ、お願いいたします。
山名元
76
○
参考人
(
山名元
君) 人員の御質問ですが、これ私は時間によって変わるものだというふうに思っています。現在、
東京電力
は、月平均四千人とか六千人とか、かなり大量な人間を
投入
して対応していますが、これは要するに今非常に不安定な炉心の
状態
と汚染水の
状態
があるというところでの総動員
体制
でそうなっているわけです。今やるべきことは、それをできるだけコントローラブルな形にしていく。つまり、建屋の中を除染したり、凍土壁で地下水汚染の問題を小さくしていったり、炉心の燃料デブリを取り出すという作業をこれから十年、十五年でやっていくことになります。それが始まっていきますと、今度は人海戦術で
投入
する
部分
は減ってくることになるわけですよ。だんだんやりやすくなってくる、環境がそろってくるということになりますし、今も労働環境の改善というのは
東電
の中で進んでいて、それもうまく進んでいけば、
投入
する人間も減っていく方になります。したがって、今後減っていくというつもりで御理解いただいた方がいいかと思います。 それから、IRIDでの
技術
集約の問題は、IRIDがまさにそのためにあると思ってください。
関係
する
技術
組織
が全部集まって、これをいずれ
廃炉
の
技術
としてビジネスに生かしていくための最初のステップを
連携
してやっているということですので、先生の御指摘に沿っているかと思います。
真山勇一
77
○真山
勇一
君 ありがとうございました。
荒井広幸
78
○荒井広幸君 荒井でございます。
最後
になりますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 大変、お二方のお話、それぞれ御自分の研究成果、それからまた人生哲学を含めて信念をお持ちの御
発言
で、大変それなりの共鳴を持ってお伺いをしていた次第でございます。
山名
先生に最初にお尋ねしたいんですが、先ほども先生お話がありましたけれども、恐らく格納容器の冠水工作を進めて水で冷却する段階になって、工程表によってもですね、その次に燃料デブリを取り出す、こういう話だと思うんですね。 先生は、ハイテクというよりはむしろローテクなんだと、今日もそれに近いお話をされていたわけですが、例えば、この間も、トーラス室の管を止められないかと、格納容器の修復の、漏水のためにはですね。そのために空気を風船で入れて、風船は非常に強いもので、そうしたら、やっぱりいろんなものがそこに入っているので、そこからまた管の中を通っていく。そこで今度は水の中でも固まるコンクリートを入れるという作業ですね、こういうことをやっていらっしゃるんだと思うんですね。こういうことをやっていって冠水ができたということになる。中にどういうものが残っているか分かりませんからロボットを入れて、そのロボットも蛇のようなロボットを入れるということになって、そこが、中に降りたら、今度、マジンガーZか何か分かりませんが、何か組み立てて、今度は歩くようになって中を見れるという、こういう趣向ですね。 そういう
意味
でハイテクよりローテクだというような御指摘があったんだろうというふうに思うんですが、そういう工法でやっていったときに、私もスリーマイルに行ってまいりまして、スリーマイルのときは、結局燃料デブリは二、三メーターから取り出しなんですね。ところが、今回、今分かっている範囲では、更にその三倍、五倍という深いところからつるし上げてこれを取っていくということですね。そういう足場を組むにしても、放射線量が非常に高いということがロボットを含めて分かったものだから、足場組むところに人が入れないので、更にそのためのロボットを今研究していると。 こういうようなことで、確かに先生おっしゃるようにローテクのような気はするんですけれども、非常に危険といいますか、もう一度いわゆる溶融が始まらないとは言えない、そういう局面でもあろうというふうに思うんですね。ですから、やっぱりそこは、先生、是非、自信がおありなんだと思いますが、十分に御注意をいただきながら、念には念を入れた御対応をいただきたいと、こういうふうに思うんですが。 そこで、
山名
先生にお尋ねなんですけれども、いわゆるそういう作業に
原子力規制委員会
ってどういうふうに関わるんでしょうか。
山名元
79
○
参考人
(
山名元
君)
規制委員会
については、先ほど言いましたように、現在、
特定原子力施設
、
原子炉
等
規制
法で定義するこういった
事故
を起こした施設に対する特別な安全を確保するための措置を要求するというのを
規制
上やっているんです。しかし、これを修復するという、今の燃料デブリ取り出しのときにどういう
規制
をやるかというのは、実は全く
規制委員会
でも
考え
られていない
状態
にあります。それもある
意味
で当然で、それを実施する側がまだ
技術開発
中ですし、様々な手法を同時並行で
考え
ておりますから、どういう
規制
に持っていくべきかというのは、今のところ、まだ
規制委員会
としてどうするかという
立場
も何もないような
状況
であるというふうに理解しております。 私は、こういう
賠償
機構
が変わっていけば、そこを、本当に燃料取り出しをどうするかと
考え
ている
技術
的な
専門
的なアイデアと、それを
安全規制
という
意味
でどう管理するかという
規制委員会
側の
考え
ががっぷり四つに組んで、こういう
規制
でなるべく早く安全に済まそうという方向性を示せることができると思うんです。 そういう
意味
で、むしろ今御質問の
規制委員会
の
立場
は、これからこういった
機構
などを母体に
政府
として進めていただくテーマであるというふうに思います。
荒井広幸
80
○荒井広幸君 先生が冒頭そうした趣旨のことをおっしゃったんですね。ですから、まさに
規制
する側も、そもそも
技術
的に言えば、工程も含めて分からないでやっているんですから、なかなか
規制
のしようもないということですが、がっぷり四つに組むというのは一種私は重要なところ、プロセスであると思うんですが、そこはやっぱり、どちらかというと反目していくという緊張感は是非必要だと思うんですね。 そこで、
規制委員会
について更に、の
関与
についてお尋ねしたいんですが、これは
大島
先生なんですが、今のような
技術
的な
側面
以外に、
規制委員会
がやはり生ぬるいんじゃないかと、十分な
規制
しているんだろうかと、こういう御指摘はございませんか。
大島堅一
81
○
参考人
(
大島堅一
君) 今、
山名参考人
もおっしゃったように、
特定原子力施設
に指定されて
福島
原発
というのは今
廃炉
、
廃炉
というか、
事故
の収束と
廃炉
のプロセスにあるわけですが、ここで重要なのは、単に
廃炉
、もちろん
廃炉
をきちっとするということなんですけれども、
事故
の
調査
もきちんとしないといけないと。それが、何でしょう、
原因
の究明と今後の
対策
、
あと
さらには
廃炉
と
廃炉
のプロセスを適切に管理、監視していくというものに必要なわけですね。そこが、もし仮に、ちょっと私もまだ今回の
損害賠償支援機構法
の改正では見えていないのは、どこがそういった司令塔になるのかというところなんです。 やはり私は、むしろ
原子力損害賠償支援機構
を拡大するのではなくて、
原子力規制委員会
の
機能
を、先ほど申し上げましたように、
福島
原発
の
廃炉
公社みたいなものを
原子力規制委員会
の下につくって、
調査
と
廃炉
を総合的に行うようなものをつくった方がよいのではないかということですね。 以上です。
荒井広幸
82
○荒井広幸君 両先生、ありがとうございました。 そこで、
関連
してまいりますが、
原子力規制委員会
の法律は、これは物の見事に、私から言うと官僚にそのままやられちゃったんですね。ノーリターンルールを持ち出して、第三者
委員会
にしてというようなところにやられたんですが、九五%以上は全く三月十一日前の法律をそのまま持ってこられました。例えば、建設、再稼働、
廃炉
という文言は一切ありません、
原子力規制委員会
設置法には。建設、再稼働、
廃炉
、私はちょっとここの辺は、
廃炉
以外は問題があるんですが、明確にこれはしておかなくちゃいけない。
廃炉
というのを入れる。 それからもう
一つ
は、特に
山名
先生、
廃炉
安全
専門
審査
会というものを分科会
程度
に持っているんですよ。それを法定によってきちんと
廃炉
安全
専門
審査
会を立てていく。この
原子力規制委員会
には、
原子炉
安全
専門
審査
会と核燃料安全
専門
審査
会はありますが、
廃炉
というところに集中した
専門
審査
会というのはないんですよ。これはもう完全にやられた、我々議論の中で。ある一種悪意があるならば、物の見事に我々はここを捨て去られて、今やっているこの
機構
に若干それをやらせようという、まあ私から言ったら魂胆があったんだろうなと、こういうことなんですね。その
意味
で、どういうふうに受け止められるか。
規制委員会
に
廃炉
安全
専門
審査
会というのをつくるのはどうか。 そして、ちょっと読ませていただきます。
原子力規制委員会
は、
福島
原子力
発電所
事故
の教訓を踏まえ、その惨禍を二度と繰り返すことのないよう、
福島
原子力
発電所
事故
の
原因
の究明に当たるとともに、
福島
原子力
発電所
事故
に係る
原子炉
施設の管理、当該
原子炉
施設の
廃止
に向けた
取組
等に関する安全の確保を図り、及びできるだけ早期に当該
原子炉
施設の
廃止
の措置を完了させるため、最善の措置を積極的に講ずるものとする。 この
原子力規制委員会
に、これだけの
事故
を起こしながら、
福島
のフの字もありません。当たり前の、炉規法、先ほどから
先生方
からあるように、炉規法の重大
事故
を起こしたという指定だけ受けさせるというやり方で経済産業省に置いているだけなんですよ。 そこでお尋ねいたします。
山名
先生から
大島
先生、お願いします。今この
三つ
、
廃炉
を明確にする、
廃炉
安全
専門
審査
会の設置をする、そして、附則でございますが、今申し上げたように、
福島
のこの
原発
についてしっかりやれということを明記するという
改正案
を自民、公明以外が提出しておりますが、背景としてですよ、その政党がどうのこうのでなくて結構でございます、この案についてどのように御
意見
をお持ちになられますでしょうか。
山名元
83
○
参考人
(
山名元
君) 非常に難しい問題です。恐らく、この
廃炉
専門
審査
会の話は、
廃炉
というのは
一つ
の定型ビジネスでは決してないような気がするんです。それは、一F対応の問題もあるし、
一般
的な
原子炉
についての様々な違った問題があると思います。これを
専門
的に
審査
する
会議
があった方がいいかと言われると、それを議論する、
審査
の
専門性
の高いグループをつくるべきだというのは間違いなくそうだと思います。ただ、それを今の
原子炉
等
規制
法の枠の中で、核燃料
専門
審査
会と
原子炉
の方の
審査
会と同格にそれを持ってくることが適切かどうかというのは、申し訳ありません、私にはそれはちょっと
判断
できません。ただ、先生のおっしゃるように、この
廃炉
というものがいろんな様々な
状態
がある中で、そこに
専門
的に安全を
審査
するグループが要るというのは間違いないと思います。 以上です。
大島堅一
84
○
参考人
(
大島堅一
君) 先生から御指摘のように、
廃炉
と
福島
原発
に関する
専門
的な機関なり
委員会
なりというのが必要になっているというのははっきり言えるかと思います。ただ、法案は私、拝見しておりませんので、それについてのコメントというか
意見
は差し控えさせていただきます。ただ、今回の
原子力損害賠償支援機構
がその先生がおっしゃられるような
機能
を持ち得るとは私は思っていませんで、やはり本格的な
委員会
なり
組織
なりというのは別に必要ではないかというふうに
考え
ております。
荒井広幸
85
○荒井広幸君 政治的には今、政党間でそうやって調整しているという背景を申し上げながら御
意見
をいただいたということなんですが、我々も対立する必要はないと思っているんです。つまり、念には念を入れていくという姿勢がやはり政治に、法律に必要なんではないかと、こういうことなんですね。 そういう
意味
において言うと、非常にこの
過酷事故
というよりも、いまだに避難している人がたくさんいる中で、果たしていわゆる我々が十分に応えていくためにはそういう姿勢というものも含めて非常に重要なところでございまして、そういうものを今我々は取り組んでいるというところを若干御報告をさせていただきたいというふうに思います。今のようなことを
先生方
にお持ちしましたので、
資料
を後ほどお持ちさせていただきたいというふうに思います。
山名
先生のIRID、これも
一つ
のつくり方で十分な意義があることなんですが、十七法人今入っておられるんだと思いますが、もうほとんど
原発
のメーカーと、それから沖縄を除く電力会社と
日本
原燃とかそういうところが入っておられるんで、私はちょっと
一つ
だけ気になりますけれども、いわゆる
国会
事故
調では、やっぱりメーカーや
事業者
に、とりこになって、そして政策が進んできたというところなんですよ。選挙運動もしかり、地元
対策
と称しての建物造りもそう。で、必要以上の雇用を生んで、その親戚がやっぱり
原発
がないと困ると。私も
福島
で推進してきましたから、そういうあざなえる縄のごとき
関係
というものを超えていくという
社会
をつくっていくということはすごく重要だと思うんですね、
大島
先生も。 やはり超
原発
社会
なんですよ。脱
原発
という物理的電源の問題ではないんです。そうした我々の人間の弱さを構成しているそういう
原発
社会
、
原発
に象徴されるような仕掛けを変えていくと、こういうところがひとつ必要だと思いますので、是非、
大島
先生、
山名
先生にはお心のどこかに留めていただきまして、安全神話がこの災害を
技術
的にももたらしたという、どこかにその、やっぱりこの
技術
の不安定さ、特に核の問題というものを、私
たち
はどこかに恐ろしさを秘めた行動が必要ではないかなと、私自身、自戒しながら締めくくりにさせていただきます。
大久保勉
86
○
委員長
(
大久保勉
君) 以上で
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。
参考人
の
方々
には、長時間にわたり有益な御
意見
をお述べいただきまして、誠にありがとうございます。
委員会
を代表して御礼申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十一分散会