運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2014-03-17 第186回国会 参議院 環境委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十六年三月十七日(月曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員の異動  三月十三日     辞任         補欠選任      浜野 喜史君     藤末 健三君      水野 賢一君    渡辺美知太郎君  三月十四日     辞任         補欠選任      藤末 健三君     浜野 喜史君     渡辺美知太郎君     水野 賢一君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         佐藤 信秋君     理 事                 中西 祐介君                 吉川ゆうみ君                 柳澤 光美君                 市田 忠義君     委 員                 岩城 光英君                 尾辻 秀久君                 岸  宏一君                 高橋 克法君                 中川 雅治君                 藤井 基之君                 山本 順三君                 小見山幸治君                 榛葉賀津也君                 長浜 博行君                 浜野 喜史君                 竹谷とし子君                 水野 賢一君                 清水 貴之君    国務大臣        環境大臣     石原 伸晃君    副大臣        内閣府副大臣   岡田  広君        経済産業大臣  赤羽 一嘉君        環境大臣    井上 信治君        環境大臣    北川 知克君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       田中 良生君        環境大臣政務官  牧原 秀樹君        環境大臣政務官  浮島 智子君    政府特別補佐人        原子力規制委員        会委員長     田中 俊一君    事務局側        常任委員会専門        員        櫻井 敏雄君    政府参考人        厚生労働大臣官        房審議官     大西 康之君        厚生労働省職業        安定局次長    宮野 甚一君        経済産業大臣官        房審議官     谷  明人君        資源エネルギー        庁廃炉汚染水        特別対策監    糟谷 敏秀君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    梶原 成元君        環境省総合環境        政策局長     清水 康弘君        環境省総合環境        政策局環境保健        部長       塚原 太郎君        環境省地球環境        局長       関 荘一郎君        環境省水・大気        環境局長     小林 正明君        環境省自然環境        局長       星野 一昭君        原子力規制委員        会原子力規制庁        長官官房審議官  山本 哲也君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○平成二十六年度一般会計予算内閣提出、衆議  院送付)、平成二十六年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付)、平成二十六年度政府関係  機関予算内閣提出衆議院送付)について  (総務省所管公害等調整委員会)及び環境省  所管)     ─────────────
  2. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房審議官大西康之君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) 去る十二日、予算委員会から、本日一日間、平成二十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管について審査委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  予算説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 中西祐介

    中西祐介君 おはようございます。自民党の中西祐介でございます。  本日は、今委員長からお話があったとおり、予算委員会委嘱審査ということで質疑をさせていただきたいと思いますが、まず冒頭、先般起きました東電汚染水漏れにつきまして質疑をさせていただきたいというふうに思っております。  去る二月の二十日に高濃度汚染水が百トン漏れたということでございますが、この事案は配管の弁の操作を誤ったということがまず一因でありまして、水位の上昇を知らせる警報が出ても対応し切れなかったという状況、まさにずさんな対応は非常に残念というふうに思っております。  この事案に対して、経産大臣から東電に対して再発防止策徹底を指示をしたというふうなことを伺っておるところでありますが、その防止策について改めて東電から報告があったのかどうか、あったのであればどのようなものであったのか、伺いたいと思います。
  6. 山本哲也

    政府参考人山本哲也君) 規制庁の方から、まずお答えをさせていただきます。  まず、御指摘汚染水漏えいにつきましては、二月の十九日の日付が変わる直前に発生したわけでございますけれども、この事案発生したことを受けまして、東京電力から原子炉等規制法に基づく法令報告規制庁として受けているところでございます。  さらに、この問題に対して対処、検討するために、二月の二十四日と三月の五日に規制庁に置かれております汚染水対策ワーキンググループにおきまして、東京電力から原因対策についての報告を受けたところでございます。  まず、漏えいいたしました汚染水につきましては、拡大防止観点から残水を既に回収済みでございますし、汚染いたしました土壌についても回収し、引き続き拡大防止対策が実施されていることを確認してございます。  それから、今回の漏えいの問題につきましては、誤った移送先タンク移送をしてしまったということが大きな問題点ではございますが、その際に、まず一つは、水位計警報が発報したにもかかわらずこれを故障というふうに判断をしてしまったこと、それから移送先タンク水位が増加していないことに気付いていなかったこと、それから弁の操作が誤った方向に、位置にあったこと、こういった点の問題点が挙げられているところでございます。  したがって、これらに対応するための再発防止対策といたしまして、まず一つは、この水位計警報が発報した場合には、現場におきまして天板からのタンク水位確認いたしまして、単にタンク漏えいのみならず、上部からの漏えいがないかどうかも併せて確認をすること。それから、移送に当たりましては、移送先タンク水位、これは計器で観測しているわけでございますけれども、このトレンドがきちっと送られているかどうか、送られることによって水位が上昇しているかどうか、こういったことの監視をきちっと行うという監視強化を行うことにしているところでございます。  それから、問題の弁の操作につきましては、誤った方向に弁があったということでございますので、この弁の施錠管理徹底してまいります。これまでは施錠もなく容易に操作することができる状態でありましたので施錠管理を行うということと、それから、弁の操作をきちっと記録に残して適切に行われているかどうかを常に事後でも確認できるようにすると、こういったような対策報告されているところでございます。  規制委員会としましては、当面の必要な再発防止対策が講じられているというふうに考えておるところでございますけれども、これらの対策実施状況が適切に行われているかどうかを引き続き規制委員会としてもしっかり確認をしていきたいというふうに考えておるところでございます。  以上でございます。
  7. 中西祐介

    中西祐介君 ありがとうございます。  今お話をいただいたように、まず原因の究明については報告ベースであるということでありますが、実際のところ、今伺った中では判断誤りあるいは操作誤りということが原因として挙げられているんですが、じゃなぜそういう誤りにつながったのか、そういう根本的な議論をしていかないと、多分対症療法的な対策ではまた同様のミスが起こるんではないかなと、そんなふうな危惧はしております。なので、報告を受けてその監視強化するであるとか、弁の操作を安易にできないようにするというのが、今回、事故原因に対して直接的に効果的な対策になっているのかどうか、こうしたことも改めて見直す必要があるのではないかなというふうな認識を持っております。  さらに、今申し上げたような細かいヒューマンエラーについては相次いでいる、これに対して対応しなきゃいけないということでありますが、さらに、現状として、汚染水貯蔵タンク既存設置分のおよそもう半分が満杯にあるというふうな状況でありまして、さらにはほかの委員会でも議論がありましたが、その貯蔵タンク自体構造も、実はパッキンで間をつないでいるということで、ゴムのような緩衝材を間に挟んでこのタンク設置があるということでありますので、常識的に考えれば劣化の時間が来るということも一方で想定に置いていかなければならないし、あるいは構造が弱いのであれば改めて強いものを、強度のあるものを建て替えるということが何よりも重要だと思っておりますので、そうしたことを具体的に取り組む方策を是非規制委員会の方からも徹底お願いを申し上げたいなと、こんな思いがしております。  もう一つ伺いたいと思っておりますが、今申し上げたようないろんなトラブルがない体制にいかにするかということをしていただくと同時に、これは汚染水が、雨水も含め、あるいは地下水も含め、幾ら防護をしても完璧にその中に入ってこないということは考えられないということであります。そうした意味から考えますと、やはりこのタンク、貯蔵するという一方で、たまったタンクの中身をいかに浄化をして、また自然に極力戻していく方向を考えなきゃいけないと思っております。  一つは、ALPSという処理ができる装置がありますが、こうしたものを通じて極力レベルを下げた上で、これはもう国の責任として自然に放出するということも方向としては考えなきゃいけないと思っておりますが、こうしたことについて丁寧なリスクコミュニケーション是非お願いをしたいというふうにお願いをいたします。是非積極的な取組お願い申し上げたいというふうに思います。  続いて、もうこれは予算ですので、委嘱審査についての質疑を行いたいと思っておりますが、大臣がもし到着されていなければ、副大臣、代わって答弁でも結構でございます。  まずエネルギー基本計画についてでございますが、昨年の十一月に開催されたCOP19で、二〇一五年にパリで開催されるCOP21に向けたスケジュールが決定をいたしました。その中では、二〇二〇年以降の気候変動への対応に向けた目標案について、各国がCOP21に先立って、準備できる国は二〇一五年第一・四半期までに示すというふうなスケジュールになってまいりました。日本といたしましても、来年三月に削減目標案を示すという決意の下で、今年は検討を進める重要な年になろうかなというふうな思いはしております。  現在、エネルギー基本計画案が出されたところでありますが、与党内でも議論をしておりまして、私も環境部会長代理ということで、この与党協議、二十日をめどという報道がありましたが、こうした今議論をさせていただいているところであります。  日本が同分野において引き続き主導的な役割を果たすためには、これまでの石原環境大臣の御答弁にもあったように、野心的な削減目標を示していく必要があるというふうに考えております。そういうためには、原子力発電政策、具体的な方向性とか、あるいは再生可能エネルギー最大限導入、あるいは徹底した省エネ推進が何よりも不可欠だというふうに思っております。  他方で、再生可能エネルギー推進に当たっては、環境系への影響風力発電の騒音問題などもありまして、排出削減以外の環境配慮の視点も必要だと考えております。エネルギー基本計画にもこうした点がきちんと位置付けられるように、環境省としても働きかけを是非お願いを申し上げたいと思います。  このように、また、ベースロード電源確保、あるいは省エネ、再エネ推進、あるいは環境への配慮という観点を、エネルギー基本計画へ明確に位置付けていただくということに対して、環境省として今後どう関わっていただくのか。また、COP21も踏まえて、再生可能エネルギー推進省エネ推進にどう取り組んでいくのか、可能であれば大臣に伺いたいと思います。     ─────────────
  8. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) この際、石原環境大臣から発言を求められておりますので、これを許します。石原環境大臣
  9. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 冒頭大変失礼をさせていただきましたことを心から陳謝申し上げたいと思います。     ─────────────
  10. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) それでは、中西委員の御質問にお答えさせていただきたいと思います。  昨年十二月の原子力関係閣僚会議において、私の方から、ただいま委員ベースロード電源の話について御言及がございましたとおり、今年は二〇二〇年度以降の温暖化対策目標づくりに向けた重要な年であること、エネルギー基本計画で……(発言する者あり)今、再エネ省エネ、失礼いたしました、エネルギー基本計画のところから御答弁を続けさせていただきたいと思います。エネルギー基本計画で、再エネ省エネ等地球温暖化対策を充実すべきであることを会議で申し述べさせていただいたところでもございます。  エネルギー基本計画の、これは現在与党の方で御議論をいただいているところでございますが、政府原案の中でも、再エネ最大限導入徹底した省エネルギー社会の実現がこの結果盛り込まれたところでもございます。また、エネルギー政策の要諦として、安全性安定供給、コストの最小化と同時に、当委員会で再三御議論になられます環境への配慮環境への適合を図るということも明記をしていただいたということを御報告させていただきたいと思います。
  11. 中西祐介

    中西祐介君 ありがとうございます。  まさに大臣おっしゃっていただいたとおり、我が党内の環境部会でもそのような議論を今させていただいているところでございますので、是非環境省からもバックアップお願いしたいというふうに思います。  続いて、廃棄物対策について伺いたいと思っております。  まず、今年の予算案につきましては、廃棄物リサイクル対策、3Rであるとか適正処理について六十二億五千万円、あるいは、廃棄物処理リサイクル施設、浄化槽の整備ということで四百七十八億八千万円ということで予算案をいただいているところであります。  この廃棄物処理の仕組みについては非常に重要なインフラでございまして、かつてダイオキシン対策のために全国で設備更新された一般廃棄物処理施設、いわゆるごみ焼却施設の多くが現状として多く老朽化をしている状況でありまして、二十年程度の耐用年数を迎えている、言わば更新需要が大きくあるところがたくさんございます。  また、東日本大震災発災から三年を過ぎたところでありますが、今後想定される南海トラフ巨大地震首都直下地震などの大規模災害備えて、一般廃棄物処理施設防災拠点としての機能も求められているところであります。  そこで、更新需要が増大している一般廃棄物処理施設について、災害対策強化という観点から、本年度予算を踏まえて、今後環境省としてどう整備を進めていくのか、伺いたいと思います。
  12. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいまの点も、当委員会で大変御議論をいただいているところでございます。  委員が御指摘のとおり、一般廃棄物処理施設更新期が到来しております。この施設整備を図るための循環型社会形成推進交付金確保は、極めて環境省にとりましても重要であると認識をしているところでございます。各市町村における更新需要対応するため、平成二十五年度補正予算で六百四億円を確保いたしますとともに、平成二十六年度当初予算案には三百四十三億円を計上させていただいたところであります。これで十分では決して、全国的にこのダイオキシン等々の問題が発生した後の建て替え、そしてそれからの更新ということで起こっておりますので、引き続き、可能な限り予算の充実に努めてまいりたいと考えております。
  13. 中西祐介

    中西祐介君 大変地方からも要望の強い分野でございますので、バックアップ是非お願いしたいと思います。  先週の十四日の未明に、四国地方でも実は震度五強が襲ったところであります。愛媛県始め多くの災害が起こるかどうかで危惧をしたところでありますが、東日本大震災から三年が経過したところでありまして、ようやくこの三年間を総括してみますと、やはり、当初、災害廃棄物が片付いて整地されるのに最初の二年間というのは大変な時間を要したと。言わば、瓦れきを置いているから復旧復興が進まないということがこれまでの総括として挙げられるのではないかと思っておりますが、そうしたことを念頭に置きながら、これから発災が予想される南海トラフやあるいは首都直下、こうしたものに対する備えが重要だと思っております。  先月の二月の末に公表された環境省の推計では、予想される南海トラフ巨大地震では最大で三億四千万トン、首都直下では最大で一億一千万トンもの廃棄物発生されるというふうなことであります。これは、東日本大震災が起こったときと比べると、東北では三千万トンということでございますので、およそ十倍以上の規模になるということであります。あと、また加えて、南海トラフ巨大地震に関して言えば、全国既存廃棄物処理施設処理を可能とする量と比較しても、実は積み上がる瓦れきの量は十九年四か月分ぐらいを要する、それぐらい膨大なものがこれから出る可能性があるということであります。  私の地元の四国でもございますけれども、南海トラフ巨大地震だけで最大八千万トンを超えて廃棄物が出るという結果が出ておりますが、過疎が進んで、さらには既存施設老朽化をしている状況にあって、さらに地形的なことを考えると、徳島や高知、愛媛もそうでありますが、西日本というのは海の近くまで山がせり出しているところがほとんど多い、これも特徴であります。こうした中で、いざ災害が起こったときに仮置場がないと、そのために平地に置いて復旧が進んでいかないと。こうしたことはもはや想定外ではございませんので、これに対した体制構築が必要だと思っております。  環境省に対して、こうした巨大地震に対する備えとして、どのように検討を進めて災害廃棄物対策を進めていくのか、計画を伺いたいと思います。
  14. 井上信治

    ○副大臣井上信治君) 委員のおっしゃるとおり、東日本大震災教訓からしっかり学び取って、そして、またいつ来るか分からない次の災害に向けて万全の対策を取っていくということ、非常に重要なことだというふうに考えております。このため、環境省では、大規模災害時に発生する災害廃棄物対策について、巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会、昨年十月に設置をし、検討を進めております。  委員もおっしゃったとおり、先月、この南海トラフあるいは首都直下地震、もしこういった地震発生した場合の災害廃棄物発生量、そして既存施設における年間処理可能量、これを比較検討した結果をお示しをいたしました。今月中には、このデータに基づいてどのような対策を行っていくべきかという中間的な取りまとめ、これを行う予定であります。  さらに加えて、次年度からは、国だけではなくて公共団体民間団体とも連携をして、地域ブロックごと災害廃棄物対策具体化を進めて、大規模災害発生備え行動指針、また、地域ブロックごと行動計画、これを策定して、そしてしっかり備えてまいりたいというふうに思っております。
  15. 中西祐介

    中西祐介君 今、井上大臣おっしゃっていただいたとおり、国の計画があって、それをいかに現場に落としていくか、これから重要な観点だと思っております。  いざ災害が起こって、私も東北に伺いましたが、最初のスピードが上がったのは、実は首長さんがもう独自に協定を結び、あるいは災害のときに助け合える態勢を取れたところが最初の初動は物すごくうまくいったところが多いんですね。そのためには、これから起こるかもしれないこのエリアについても、最前線に立つ市町村取組バックアップしていくことが何より重要だと思っておりまして、それを円滑に行うためには、例えば先ほど出た災害廃棄物の仮置場の話でいきますと、事前に選定場所のリストアップをしておくであるとか、あるいは、例えば南海トラフ太平洋側であれば、その影響が少ないエリア市町村との協定を結んでおくとか、万が一の事態に備えておくことが何よりも重要だと思っております。  二月の末、ちょうど同じ時期に環境省の発表の出た資料の中では、仮置場とか集積場候補地リストを有している市町村全国平均して三一%しかないということであります。市町村間で災害廃棄物処理に関する協定を締結していると、そういったところに限定をしてみた市町村では全国平均で二一%、まだまだこの協定やら連携が進んでいないという状況にあろうかと思っております。  こうした状況において、環境省としてこれからサポートできる取組について具体的に伺いたいと思います。
  16. 井上信治

    ○副大臣井上信治君) これも委員おっしゃるとおり、大震災に限らず、災害時の市町村災害廃棄物対策における役割というのは非常に重要だと思っておりまして、その強化に向けて国もしっかりサポートをしてまいりたいと思っております。  具体的には、東日本大震災での教訓を踏まえて、これまで震災廃棄物対策指針そして水害廃棄物対策指針、これを策定をしておりましたけれども、これを大幅に見直す予定であります。この二つの指針を統合して、地震と津波などによる水害が同時に発生した場合でもしっかり対応できるよう、今年度中に新たに災害廃棄物対策指針、これを策定する予定であります。  この指針の中には、委員がおっしゃった仮置場、その確保をどういうふうにやっていくのか、あるいは自治体同士災害協定策定など、こういったことについても指針を設けて、国として積極的にサポートしていきたいと考えております。
  17. 中西祐介

    中西祐介君 ありがとうございます。是非バックアップをよろしくお願い申し上げたいと思います。  この環境分野において、予算の中でもこれは目玉だと思っておりますが、今年は大臣の所信の中で、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律改正案の明示をしていただいたところであります。この法律改正案については、私はかなり画期的な取組だなというふうに評価をさせていただいているところでありますが、今本当に、鹿やイノシシ、野生鳥獣については、個体数の増加あるいは分布の拡大が著しく、生態系や、特に田舎で小さな畑を耕しながら、お米を作りながら、だけれど野生動物にやられてしまう、本当に絶望的な思いをしながら、深刻な被害が地域の農村のところにもあるわけであります。  省の推定によりますと、鹿が全国で三百二十五万頭、イノシシが八十八万頭ということで、現在の捕獲率では本州以南の鹿が五百万頭まで増加する可能性があるというふうに言われておりまして、更に今後、生態系や農林水産物への被害が想定されているところであります。  今後の被害を減らしていくためには、具体的な捕獲の目標を決めて、結果の伴う対策を講じていくべきだと思っておりますが、この改正案の趣旨も踏まえて、御答弁いただきたいと思います。
  18. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいまの中西委員が御指摘されましたように、鳥獣被害というものは、北は北海道、南は沖縄まで極めて深刻でございまして、その対策というものは急務であると認識をさせていただいているところでございます。  昨年の十二月に農林水産省と共同で抜本的な鳥獣捕獲強化対策を取りまとめさせていただきました。取りまとめでは、当面の捕獲目標として、委員が御指摘になりました鹿、イノシシ等々でございますけれども、生息数を十年後、平成三十五年度までに半減させることを目指すとしたところでもございます。環境省では、この目標達成に向けて、鳥獣保護法を抜本的に改正し、鳥獣の数を減少させ、生息地を縮小させることを管理と明確に位置付けることを考えているところでございます。  改正案の内容に若干触れさせていただきますと、都道府県が自ら行う捕獲事業を法律に明確に位置付ける、さらに、鳥獣の捕獲を行う事業者に対する認定制度を創設する。これらによりまして、鳥獣の捕獲等の一層の推進とその担い手の育成に取り組んでいく考えでございます。
  19. 中西祐介

    中西祐介君 十年で半減という本当に高い目標を掲げながら、それを実現化するということが何よりも重要だと思っておりまして、こうした具体的な目標に基づいて進めるということは、今現場でも非常に評価をされるべき点じゃなかろうかと思っております。  今大臣おっしゃっていただきましたが、各都道府県ごとに捕獲をすべき目標を決めていくということでありますが、そのためには、まずどれぐらいの生息数があるのか、捕獲目標を設定するということが重要でありまして、その期間をどれぐらい例えば要することが必要なのか、あるいは市町村を超えて都道府県ごとで対策を打っていくということについては、広域的な観点での役割分担が必要だと思っております。  こうしたことにつきましていかがお考えなのか、伺いたいと思います。
  20. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいま中西委員が御指摘されましたとおり、一体どこにどういう分布状態になっているかということを把握するということが極めて重要であると認識しているところでございます。  このため、平成二十五年度補正予算によりまして、鹿とイノシシについて地域別の生息数の推定を行うこととさせていただいております。この結果を踏まえ、都道府県ごとに必要な捕獲数等の目安を示すなど、都道府県の捕獲を推進していく考えでございます。さらに、鳥獣保護法の改正によりまして、都道府県が行う捕獲事業を法定化することともさせていただいております。  捕獲目標の達成に向けて都道府県の対策が進むよう、環境省としてもしっかりバックアップをさせていただきたいと考えているところでございます。
  21. 中西祐介

    中西祐介君 もう一つ観点、先ほど大臣おっしゃいましたが、捕獲従事者を増やしていくということであります。これは事業者としての認定をするということで、これも大きな第一歩だなと思っているところであります。現在は猟友会等々を中心にしながらその担い手が確保されているわけでありますが、実は、その捕獲の担い手である狩猟者の数、昭和四十五年に五十三万人だったのが現在は六割減少している。さらに、その平均年齢も六十歳を超えているというところが、それも六割を超えているということで、かなり高齢化をしながら、かなり人数も少なくなっているということが現状であろうかと思っております。  また、事業者認定をするということでありますが、そもそもこの猟をできる資格がある方々、あるいは、例えば一つの案としてセキュリティー関係の事業者が担うこともこれは想定だと思いますが、こうしたことを含めて考えても、やはりエリアによって担い手の偏在問題がどうしても出てくるんじゃないかと思っております。例えば、田舎で人口が少なくて高齢化が進んでいるところほど実は鹿やイノシシの被害が大きくて、だけど担い手が少ないという状況がこれからやはり想定をされると思いますが、その点についてどうお考えになるか、伺いたいと思います。
  22. 牧原秀樹

    大臣政務官(牧原秀樹君) 今の御指摘の点は、本当に中西委員が御指摘のとおりであると環境省としても考えております。  やはり、委員も御指摘ありましたし、先ほど大臣からも答弁させていただきましたが、まずはやはり担い手が十分に足りていないという問題がございますので、その点についての育成確保をするということをまず第一歩とさせていただきたい。そのために、今の鳥獣被害がどれだけひどいのか、そして鳥獣の捕獲が社会的意義をそのために有するんだということについて国民への普及啓発をさせていただいてきているところでございます。また、狩猟免許を取得しようというこの促進のためのイベントを開催するなど、担い手の育成確保についての取組を行ってきているところではございます。  そして、偏在のところがあるというのは全く御指摘のとおりでございます。先ほど来お話をさせていただいていますように、従来の市町村に加えて都道府県あるいは国が捕獲の事業主体になり得るということを法律上位置付け、そしてこの実施には、今委員指摘のあった認定、新たに認定された鳥獣の捕獲等事業者が請け負うということができるようになります。したがって、そういうところが足りなくても、認定することによって、委員が御指摘になったような新しい担い手が入ってきて取り組んでいただくということを私たちとしてはしてもらい、適切な捕獲が進むように取り組んでまいりたいと思います。
  23. 中西祐介

    中西祐介君 ありがとうございました。とにかく、また法改正のタイミングでしっかりと審議をさせていただきながら、鳥獣対策も進めていきたいと思っております。  予算についての審議でありますが、この環境分野については、世界に対して日本のメッセージを大きく発信できる分野がまさに環境だと思いますし、国民の皆さんに寄り添う重要なテーマを扱うのもまさに環境省の管轄の分野だと思っておりますので、是非積極的なお取組を今後ともお願いを申し上げまして、質問とさせていただきます。  ありがとうございました。
  24. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 おはようございます。民主党の柳澤光美でございます。  昨年の臨時国会で、一年一か月、福島の原子力災害現地対策部長を務めさせていただいた経験と、むしろ私の考えを交えて質問をさせていただきました。福島の復興再生なくして日本の再生はないというのは、与野党を超え、党派を超えての最大の課題だというふうに認識をしております。前回の議論を踏まえて、そのことがどうなっているのか、確認も含めてお話をさせていただきたいと。  そして、今日は内閣府の岡田副大臣もお越しいただいています。どうしても最後になってしまうんですが、関連死が増える、特に福島だけ自殺者も増えているという実態もございまして、最後にそのお願いもさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  あの三月十一日から丸三年が過ぎました。実は、お手元に資料を出させてもらいました。ちょっとお時間をいただいて、この三年間の経過を確認させてもらいたいと思うんですが、あの三月に事故が起きて、避難指示を二十キロ圏内に出しました。しかし、その後、放射線量が、風でかなり流れて、浪江町あるいは飯舘の皆さんには大変御苦労と御迷惑をお掛けしたことが分かる。私はお伺いするたびに浪江町の馬場町長さんからは何回も何回もお叱りを受けましたけど、それを受けまして、四月に線量によって警戒区域と計画的、緊急時の三つに区域の見直しが行われました。  私が着任したのは、九月の五日に任命を受けて、八日に現地入りをさせていただいて、そのときの最大の使命は、一日も早く、一人でも多くの方にどう戻っていただける体制をつくるかというのが最大の使命でした。真ん中の表を見ていただきたいんですが、そこの紫色の緊急時避難準備区域、これは線量的には全く問題ないんでできるだけ早く解除をしたいというふうに考えました。市町村を回って、実は、あの亡くなられました当時の経済産業大臣に大変な御協力をいただいて、首長さんあるいは住民の皆さんにお願いをして、ようやく九月末にこの紫色の部分の解除が済みました。  その後、福島第一原発の復旧復興最大の使命で、私も福島第一原発の事故現場には何回も入らせていただいて、実は、現場で働いている作業員の皆さんの献身的な御努力には本当に頭が下がりましたし、日本人の現場力のすごさというのも肌身で感じさせてもらいました。  原発の事故現場はもちろんなんですが、実は、敷地内をいかにきれいにするか、そして放射線が外にいかに飛ばないようにするか。当時は、ほとんどの皆さんがタイベックスを着て、瓦れきを人海戦術で全部運んで封じ込める、そして大型掃除機を掛ける、あるいは一号機にカバーを掛けるという大変な努力をしました。その結果、境界線の空間線量が収まってくる。  さらに、十二月には、ここにありますように、冷温停止状態という確認が取れて、ある程度福島第一原発のところから放射線が飛び散っていないということも踏まえて、本格的な除染と同時に、実は、この二十キロ圏内は法律で一切入れなくなっていますけれども、ここも含めて線量別に区分をして、帰れるところは帰れるという警戒区域の見直しを線量別にせざるを得ないという方針を立てて、ここから本格的に動き始めました。市町村を回る中で御理解をいただいて、実は二〇一二年の四月一日に川内村、田村市、それから四月の十六日に南相馬市、七月の十七日に飯舘村、そして八月の十日に二十キロ圏内の楢葉町、ここは大変、住民の協議会にも私も出させていただいて、お願いをして区域の見直しが済みました。  その後、多くの皆様に大変な御努力をいただいて、右上にありますように、昨年の八月に避難指示区域の見直しが被災十一市町村で全て完了をするというステップを踏むことができました。  そして、実は大変うれしかったのは、先回も、私はその一番右端の田村市の水色になっている地域、これが都路地区です。その後、ずっと地域を回る中で、次には、今度は解除をするところをどこにしようかと。田村市の都路が、いわゆる除草、草も全部刈る、それから除染も進む、ここが一番最初に解除をするターゲットになるだろうということをお願いして、その九月の末に現地本部長を辞めることになって現在に至っています。  先回も赤羽本部長に、本当にこの解除、大変だと思いますけどというお願いをして、赤羽本部長も大変な御努力をされ、実はこの四月一日にここが解除をされるという大変うれしいニュースを見て、自分のことのように喜んでおります。  今日は、赤羽本部長に来ていただいておりますので、その辺の住民の皆さんの話も含めたり、苦労話も含めて少し御報告をいただければというふうに思います。
  25. 赤羽一嘉

    ○副大臣(赤羽一嘉君) 私も、一昨年の十二月二十七日に柳澤委員の後を受けまして、現地対策部長として一年三か月近く務めさせていただいております。この今回の田村市都路地区が四月一日に避難指示解除、正式に決定の運びとなりましたのも、前職であられます柳澤委員始め多くの皆様の本当に大変な御努力のたまものと、改めてこの場をお借りしまして感謝を申し上げたいと思います。  都路地区の経緯、簡単に御説明をさせていただきますが、昨年の八月の段階で避難指示解除の客観的な要件、三要件がおおむね満たされまして、この解除後に円滑に生活を再開できるためのふるさとへの帰還に向けたいわゆる準備宿泊を去年八月一日から三か月間実施をさせていただきました。対象の百二十世帯のうち約三分の一の方がこの準備宿泊を利用されて参加をしていただきまして、十月三十一日に終了するということを受けて、十月の中旬に住民集会を行って本格的な解除をするかしないかということの会合をさせていただきました。冨塚市長からは、十一月一日からできればそのまま本格解除にしたいという御意向も示されましたが、やはりまだあの当時では、これから寒い冬が迎えるということ等をきっかけとして、様々な不安要素が、御意見が出されまして、私は、その段階で十一月一日の解除はちょっと難しいんではないか、無理があるのではないかということで、その後、集落ごとの細かい単位での住民集会を行いまして、様々な線量に対する不安ですとか、商業施設をもう少し充実させていただきたいとか、具体的な要望を受けて、様々な努力を国としても市としてもさせていただきました。  それを受けて、先月の二月二十三日に、いよいよ様々な要望も出てきたので、一応去年の十月の集会では来年の春を目途に本格解除をしようということが一つの結論でございましたので、この点についての引き続いての会合をさせていただきました。まだまだ不安があるといったことを言われた方も少なくは、少なくはというか一部いらっしゃいましたが、例えば都路ファームの呑田さんという女性からは、多少の不安は誰でも持っているけれども、とにかく一日も早く自宅に戻らなければ第二の人生の再建は始まらないと、何としても解除してほしいという意見ですとか、農業をやられている方も、事前準備宿泊で農業をやったと、実際いいものができているけれども、本格解除にならないと風評被害をやっぱり取ることができないと、やっぱり二十四時間ちゃんと本格解除した上でやりたいとか、あと、住宅の補修をするのに職人さんがなかなか本格解除しないと来てくれないといったことが出て、多くの皆さんが是非四月一日で解除をしていただきたいということでございました。  元々この避難指示というのは、ある意味では憲法で認められている居住権を制限する大変強い指示でもございますので、多くの方が避難指示を解除してほしいという意見は大変重く受け止めざるを得ませんし、私も、早く、一日も早く自分のふるさとに戻って具体的な再建を始めるということに、個人的に私は阪神大震災の自らの被災者の体験としてそういうことを強く私の信念と思っておりますので、四月一日に正式に解除をさせていただいたということでございます。
  26. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 ありがとうございます。  本当に、赤羽本部長を中心に支援チームの皆さんも含めて献身的な御努力をいただいたことに心から感謝を申し上げるとともに、敬意を表したいというふうに思っています。  恐らく苦労されたのが、後ほどちょっとお伺いまたしますけれども、リスクコミュニケーションの、放射線量への不安、もう一つは、この前お話ししたように、賠償問題がこの解除にはずっと大きな課題になってきておりまして、先回も、是非帰った人に賠償ではなくて何か支援策みたいなことを政府の中で少し真剣に考えてほしいと、あるいは、都路地区もかなり農家で田んぼをする、それが売れるか売れないかということも含めて、そのときに赤羽本部長から政府としても検討をしたいというお話がありましたが、これはそう簡単にはいく問題じゃないと思っていますが、何か差し支えない範囲で検討情報があればお話しいただきたいと思います。
  27. 赤羽一嘉

    ○副大臣(赤羽一嘉君) 除染につきましては、もう全体一度終わっているということなので、もう一度全面的にはやらないという方針ではあるものの、小さなお子さんが帰ってきて、自分の家の裏がまだ放射能、線量が高いというようなこととか、個人的に、きめ細かく丁寧に御相談を受けて相談の体制環境省からもつくっていただいておりますので、相談を受けてやれることはしっかりと実施をしていこうということでございます。  また、個人線量計の貸与も、持っていただいて、空中線量は多分、都路地区はもう四ミリ以下になっていると承知をしておりますが、個人線量はもう実質は一ミリを上回っていないというようなことも被害に遭われた避難者の皆さんにとっては大変な安心感にも通じると思います。そういったこともしっかりやっていきたいと。  また、なかなかリスクコミュニケーションというのは、どうしても一ミリ以下ではないと安全じゃないということがもう非常に浸透し切っていますので、そこを丁寧にしていくのかと。そういった意味で、今回第一号となる都路地区の本格解除というのは大変重要な、他の周辺の市町村の皆さんに対しても大変一つの大きな、何というか事例になると思いますので、丁寧に、より被害に遭われた皆さんの立場に立った施策を重厚にやっていきたいと、こう考えております。
  28. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 よろしくお願いしたいと思います。  実は私の中には思いがありまして、福島の復興というのは、福島県は実は会津と中通りと浜通りに分かれておりまして、その復興のテーマも私は優先順位が違うと思っています。  会津の方は線量的にはほとんど問題ありませんし、むしろ観光を含めて風評被害対策をどこまで取っていくのか。後ほど質問しますが、中通りが、今度は除染によって増えた仮置場、それ以上に現場保管、これが更に増えていくのをどう片付けて復興を、いわゆる再生をしていくのか。私は、浜通りは復興とか再生ではなくて、新生、新しい町を生み出す形を取らないとなかなか進まないと。  一番右の地図を見ていただきたいんですが、この後、緑のところが解除を目指す除染も含めて地域になりますが、楢葉、川内、あるいは浪江も南相馬と連携をすれば、この請戸の海岸、海岸線というのは一気にきれいにできて戻れるところだと思っています。しかも、富岡も楢葉と連携をする、あるいは大熊も川内と連携をすれば戻れる、解除ができる場所が広がってくる。  私はいつも現地でお話ししていたのは、本当にこの浜通りだけは、実は行ったときに市町村を回りながら、合併しないと本当の解決にはなりませんよと、広域インフラも含めてという、まだ半年もたっていないところで発言したものですから大変なひんしゅくとお叱りを受けたんですが、私は、丸三年たってこれを俯瞰的に見たときに、八町村ばらばらではなくて、双葉八町村がいわゆる双葉市になるぐらいのことを頭に置いて将来どうするかという検討を始める時期に私は来ているというふうに思っています。  ですから、そんな中で、川内村に菊池製作所とかコドモエナジーあるいは四季木工などの企業に来ていただいたり、あるいはヤマト財団の三億を使って野菜工場を造るとかやりましたけど、市町村単位ではなくて、特に楢葉南工業団地と広野の工業団地はあれ岩盤が非常にしっかりしていて地震にも全く影響を受けなかった地域ですから、あの辺に本当に先端的な、除染だとかあるいは廃炉に向けて、ロボットも含めた企業、産業を誘致してくるようなところをつくるべきだというお話もさせていただいておりましたら、この前、赤羽副大臣を座長として福島・国際研究産業都市という構想もスタートをしたということを聞いて大変うれしく思っています。  それから、農地の除染も本当に、土地改良も含めて公共事業と一緒にすることによってもっと大型農業化をしていく。私は、町外コミュニティーにしても、今大熊町が会津若松で仮設にいますけど、その近くに復興住宅を造るんではなくて、この双葉郡に十分戻ってこれる、そこを市町村の枠を超えて考えると、本当に高層の復興住宅、津波のために場合によったら一階、二階はコミュニティーのスペースにして、そしてそこに医療、介護のシステムが付くというようなコンパクトシティー構想ができて戻ってこれるというような発想も私は必要だろうというふうに考えています。そんなことも是非、今後の中で御議論いただければなと。  それから、私、今民主党のエネルギー調査会で再生エネルギーに取り組んでいるんですが、この前、高知の大豊町に行って、バイオマスに基づく林業の復興と雇用の拡大、特にバイオマスの場合には、熱利用をすると大変地域の活性化になる。特に、葛尾を中心にこの辺は林業の中心のところですから、エネルギーにしても、私が思っているのは、この浜通りこそ本当に特区にしていただいて、農業、産業、医療、介護、教育などあらゆる分野が特区構想で申請を行って、エネルギーも本当に分散型の地産地消型のエネルギーにしていくような取組をする。  二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピックが来ます。そのときには、世界から来られた皆さんに是非復興復旧し再生した福島を見ていただくという機会にできるように私はしてほしいと思っておりますし、これは党派を超えて是非御協力もさせていただきたいというふうに思っておりまして、赤羽本部長、何か一言ございましたら。
  29. 赤羽一嘉

    ○副大臣(赤羽一嘉君) 大変心強い御発言、ありがとうございました。  昨年十二月二十日に福島原子力災害からの復興の加速という閣議決定をいたしましたが、その中で、双葉郡を始めとする広域的な、また中長期的なこれからの姿を国の責任としてつくっていかなければいけないということがありまして、その閣議決定の内容を受けて、今回の福島・国際研究産業都市構想研究会を立ち上げさせていただきました。  浜通りは、もう御承知のように、これまで原子力関連の企業で成り立っていた地域でございますが、福島第一原発の立地地域でもあり、今住民調査をしても、なかなか帰りにくいという地域でもあると。しかし、一方では、廃炉自体はこれから三十年、四十年掛かる工程がございますし、乗り越えなければいけない技術の開発、また遠隔作業しなければいけないロボットの開発、実証、そういったことを本当にトータルでつくっていかなければいけないと。国の予算で楢葉にモックアップ施設設置はすることは決まっておりますが、それ単独では終わらずに、そのこと、中心拠点として、まさに世界の英知がここに来れるようなフィールド、また研究開発拠点をつくりたいと。  加えて、それだけではなくて、やっぱり農業に従事されている方もたくさんいらっしゃいます。なかなか風評被害でも御苦労されていることにもなるでしょうし、これは私の個人的な見解ですが、新しい農業をやっぱりこの地域で再生できるようなことも含めて、モックアップの廃炉に関すること、災害対応のロボットに関すること、そして農業に関すること、あと、新しい産業の基盤の再構築を、やはり私も、これは福島県が決定することでありますが、国家戦略特区として絵を描いて提案をするということが私はより良い道なのではないかと、こう考えております。  我々のこの構想研究会、今精力的に、毎月テーマを決めて、それぞれの専門家の皆さん、前回は、経団連でも災害用のロボットに関する委員会もやっておりますので、その委員長にも来ていただいて様々な議論をさせていただいております。この六月を目途に、一つの浜通りの広域的な姿をお示しをさせていただいて、絵に描いた餅にならないようにしっかりと実現をしていくという決意で臨ませていただいております。  これは、二〇二〇年の東京オリンピックを一つの目途に、大胆な発想で、まさに今御指摘いただきましたように再生ではなくて新生、やっぱり私は、一番御苦労されていってしまった地域であるだけに、私は一番幸せになる権利があるし、そのために国も責任を果たさなければいけないという強い気持ちでやっていきたいと、こう考えております。
  30. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 ありがとうございます。  一人でも多くの方に帰還していただくどころか、全国から浜通りに来たいと、あるいは世界からもあそこで研究をしたいという形で再生していくことが一番大事なことですし、原発事故を起こしてしまった私たちの責任でも、国の責任でもあるというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。  済みません。副大臣お忙しいでしょうから、委員長よろしければ、ここで退席していただいて結構でございます。  それでは、この前、質問させていただいた仮置場現場保管についてお話しします。  実は急遽、一枚ぺらで資料を追加をさせていただきました。  去年、質問させていただいたのは、いわゆる直轄地域ではない福島全県、あるいはもっと言えば、これは栃木、茨城、千葉まで広がっている大きな問題なんですが、除染が進む中で、特に、これは実態、私も行っていて思ったのは、一番最初に除染が進んだのは伊達市でありました。伊達が進むと隣の福島もやらざるを得なくなる。福島が進むと郡山もする。  これは急激に除染が進むと、それをどこへ持っていくか。恐らく仮置場と保管場所の問題が大変なことになるというふうに思っていまして、去年質問したときにどうなっているかという報告を求めたら、実は去年のこの四月末の数字が出てきました。その後、七月三十一日もやっていたというのは今回分かったんですが、そのときに、私は、倍以上に増えて一万三千に保管場所がなっている、これが急激に広がっていくということをどうするんだろうと、私にとっては大変な驚愕と同時に危機感を感じたわけです。  それが今回出していただいた数字、皆さんちょっと見ていただきたいと思います。四月三十日が七月三十一日には一万増えて二万三千、それが去年の十二月三十一日には四万七千を超える数に膨大に膨れ上がっている。仮置場ももちろん五倍に、一年間でいうと百二十六から六百三十六。しかし、現場保管に関しては五千百六十から四万七千五百二十八、ほぼ十倍に近い。この一、二、三も除染がされていますから、今年がどの程度増えていくのか。  是非その辺を環境省として、私は大変な危機感を持っていますが、どう捉えているのかお話をいただければ。
  31. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 今お尋ねございました市町村除染の中での現場保管、これは中身を分析してみますと、特にやっぱり市街地、大きな都市につきまして仮置場がなかなか確保、御努力いただいておりますが、難しい面があるということで現場保管が増えているところでございます。  仮置場も含めてでございますが、これを解消していくためには中間貯蔵施設のめどを付けるというのは非常に重要だということで、これは大きな政策として一つやっているところでございます。  あと、具体的に、それぞれのところで台帳も作り、しっかり管理をしていただいておりますが、これをどのような形でやっていくかですね、これは。
  32. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 何もしていないんですよ。いいですか。  先回、大至急その実態を環境省として把握すべきだと。そのときに小林参考人は、市町村がやっている部分については市町村が調べて県が把握しています、ただこれは、御指摘のとおりデータとしてしっかり把握する整備を進めているところでございますという答弁だったんです。  何をしてきましたか。
  33. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) それにつきましては、結構膨大な量になりますので、台帳にも様々な記載事項がございます。これを整理するということで、最終的にはデータベースのような形で整理をするということで予算も頂戴しているところでございますので、これを進めていきたいと思っております。
  34. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 していなかったでしょう、何もまだ。イエスかノー。
  35. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) 小林局長、イエスかノー。
  36. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 補正予算をいただいて、今その準備をしているところでございます。
  37. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 こんなのはデータベースで整理するのは簡単なんですよ。私はあのときに、必要であれば全員が歩いて写真を撮るぐらいのことをしなければ駄目だという話をしました。  これは恐らく、福島第一原発の増え続ける汚染水タンクと同じ不安を福島全県、関係の府県に広げることになりますよと。中身がそんなに線量が高くないといっても、フレコンが積み上がっているところに関してはそこに放射線の元があるぐらいの不安感が目に見える形で伝わるんですね。それが、仮置場市町村の仮置場がどの程度、直轄のところの仮置場は私も確認させてもらっているから完璧です。しかし、市町村の仮置場でさえどうなっているのか。ところが、現場保管なんというのは、もっとどうなっているか分からないわけですよ。フレコンに入っているかどうかも分からない。燃えるものと燃えないものが区分がされているのか、あるいはその量がどのくらいあるのか、どういう場所にどの程度保管されているのか、雨風に当たって汚水が流れ出しているようなことはないのか。これは、もう答弁は要りませんけど、大至急やらなきゃ駄目です。  是非、大臣お願いしたいんですが、大臣もそのときにこういうふうに答弁をされました。圧倒的に増えているのは市町村部分で、福島県だけでなく、関係する県と環境省とがどういう形で連携しているのかもう一度確認し、県と市町村からヒアリングしてトータルなものを取りまとめるよう指示しますというふうに御答弁をされました。  誰に指示をして、どうなっているのか、お答えいただけますか。
  38. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 原局の方に指示をし、特に私どもが直轄でやっております十一市町村ですか、こちらの方のフレコンバッグの劣化の状況等々も詳細に調査をし報告をするようにという報告を受け、フレコンバッグの詰め替え等々も行われたと承知しております。
  39. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 大臣、直轄地はいいんですよ。ここは私も、シートを敷いてきちんと防御をしている、仮置場がきちんとされているということを確認をしています。しかも、直轄除染のところは現場保管していません。だから、逆に言えば、仮置場が見付からないからということで除染が遅れていると、今度は逆の弊害も出ているんです。  それ以外のところは今年一年急激に進みます、間違いなく。これはもう今でも増えているんですよ。去年でさえ、十二月三十一日から四月の冬の雪のある時期に増えているんですよ。是非、これに対して、もう一度大臣から、大至急、徹底的にやることを確認をさせてください。
  40. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) この問題意識は私もずっと就任以来持っておりまして、東北の他府県も含めまして、町を歩きますと、委員が御指摘のとおりフレコンバッグやいろいろなものが目に付くと。こういうものの管理は徹底的に市町村に対しても国として把握をするようにと指示を出していただかせていただいております。それを受けて予算化されたことによって、この実態把握をより精度を上げていくというような答弁局長の方からさせていただいているところでございます。
  41. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 私は、政治主導というのは、政治家が先頭に立って官僚の皆さんと一緒に今できることをすぐやる。このいわゆる今年、今度、復興に向けて環境省の仕事が一番大事になってきます。この除染を進める、そして仮置場をきちんとする、さらに現場保管。  例えば、皆さん、現場保管をされているものを、市町村であってもできるだけしっかりした仮置場現場保管を移さなきゃいけないんです。現場保管、僕らは仮仮置場と言ったんですが、これ原則二年のはずです。仮置場が三年という約束で市町村も動いているはずです。少なくとも仮置場にきちんと保管をする。そのときに、その中身を分別をして、チップ等はもっと小さく、いわゆる木やなんかだったらチップを小さくして、減容化も減量化もしてフレコンにきちんと入れて押さえ込むということも大至急やんなきゃいけないんです。それが実態も把握されていないのが現状です。こんなのはあしたからでも進めないと、恐らくまた倍になりますよ。四万、五万どころか、六万、七万と増えていく。その中で、私は、環境省の考え方に、中間貯蔵さえできればそこに放り込んで蓋をしてしまえばいいという甘えがあるんじゃないかと思っています。  ところが、どうですか、その中間貯蔵が楢葉町の拒否もあって大熊、双葉に再編成をしなきゃいけない。そして、地権者との交渉の問題、市町村との問題。先回のときには井上大臣から、二十七年の一月の搬入大丈夫ですかと、不可能とは思っていませんという答弁をいただきました。今現在、できると思いますか。
  42. 井上信治

    ○副大臣井上信治君) 委員からは前回も御質問をいただきまして、二十七年一月搬入開始ということで今鋭意取り組んでおります。  その二町集約の件に関しましても、もう近日中にお答えを返したいと思っておりますし、その後、住民説明会もやらせていただいて、是非地元で受入れをしていただきたい。そうすれば、数か月のうちに搬入開始、実現できると思ってやっております。
  43. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 実は、私たち、政府を中心に国は福島の皆さんにずっとうそついてきたんですよ。私もその責任者の一人です。あの福島第一の汚染水の問題も大丈夫だと。ところが、私たちは大丈夫だといい方にいい方に解釈をしてやってきたけれども、そんな生易しいものではないと思う。恐らく中間貯蔵も、希望的な観測、やりたいしやれるようにしたい、これでは駄目なんですよ。最悪の事態を想定して最善の手を打っていく。私は、中間貯蔵が遅れると。もしできたとしても、東京ドーム二十三杯、二十八杯とも言われるものをどうやって運び込むのか。生活道路は使えない。新たな道路を造らなければ私は駄目だろうと思っています、物量的にも。  とすれば、私は、先回からお願いしてきたように、除染に近いところで仮設焼却も含めて減量、減容化を徹底的に行う。私は、中間貯蔵はできるだけコンパクトにして、そこに高濃度のものもきちんと押さえ込むというためには今から動かなければいけないというふうに思っておりますが、いかがですか。
  44. 井上信治

    ○副大臣井上信治君) この減容化についても、前回も御質問をいただきまして、委員おっしゃるとおり、仮置場などにこの減容化施設を併設をして、そしてそこで減容化できる、これが一番望ましいことだと思っております。現在、六市町においてはそういった形で進めておりますけれども、その他の部分についてもなるべくそういったことが実現できるように、こちらの方もしっかり取り組んでまいりたいと思います。
  45. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 できるようにしたいという希望的観測をできるだけ発表をしないように私はしていった方がいいと思っています。もっと厳しく判断をして進めなきゃいけない。  一つ聞きます。仮置場というのは、三年を原則にして地権者の方と契約を結んでいるはずです。これは直轄だけではないですよ、ほかの市町村も含めて、その三年間の契約期間が切れる仮置場、どれだけありますか。
  46. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 仮置場につきましては順次整備をしておりますので、それぞれ、一定時期から順次出てくるということだろうと思っております。
  47. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 されていないんですよ。実は、場合によったら、仮置場の契約状況、地権者と、それから地元の市町村、住民の皆さんに密閉をきちんとしている安心感を訴えて契約期間を延長することを進めていかなければ私はいけないときだというふうに思っていますが、いかがですか。
  48. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) 小林局長
  49. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 局長じゃなくて政務に。
  50. 井上信治

    ○副大臣井上信治君) 仮置場の保管期間につきましても、これは仮置場から中間貯蔵施設に移すわけでありますから、じゃどうやってどういうタイミングで中間貯蔵施設に移すことができるのか。もちろん建設受諾というものが必要ではありますけれども、それと別途並行して、輸送計画というものを、今、昨年末から審議会立ち上げてその中で検討をしております。そういったことと併せて、仮置場のそれぞれの保管期間がどれぐらいになるかと、こちらの方も検討を進めてまいりたいと思っています。
  51. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 だから、正直言わせていただければ、実態把握してないんでしょう。恐らく、二十七年の一月というのは、仮置場の三年の契約が切れるところが出てくる。私は、このまま行くと二十七年の一月の搬入は、やったとしてもパフォーマンスのごまかしの搬入になると思っています。本格的に中間貯蔵施設ができて、きちんと順序立って搬入が始まるんではなくて、私はその目先のごまかしはできるだけやめてほしいと。  実は、大臣お願いあるんですが、私は、この後、福島の復興再生には、環境省の除染、仮置場、中間貯蔵が一番大きなウエートになります。そういう意味でいくと、これは、できるできないかは私は分かりませんが、少なくとも、環境省の政務が現地本部長として入って、その先頭に住民説明会もひっくるめてやらないと、そして具体的に一歩一歩進めないと大変なことになるというふうに思っておりますが、やるやらないは答えれないと思いますけど、御所見を。
  52. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいま委員が御指摘されましたこの住民説明会、議会への説明あるいは住民の皆様への説明を一日も早く行わせていただきたいということを県並びに市町村お願いをしているところでございます。まだ、どうぞ説明会をやって結構ですという御回答はいただいておりませんが、スケジュール的に大変厳しくなってきて委員の御指摘のようなことにならないようにしていくためにも、一日も早い住民説明会、議会への説明というものを行えるよう、政府一丸となりまして取り組んでいきたいと考えております。
  53. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 正直言わせてもらいます。先ほどの赤羽本部長取組に比べれば、私は環境省取組は弱いと思っています。何も現地に常駐しろと言うつもりはありませんし、私も二月の十日に復興庁ができるまで一部常駐に近かったんですが、泊まり込まなくても新幹線で一時間半で往復できます。それから、ホテルの部屋を借り切らなくても、定宿にしてお願いすれば便宜を図ってくれます。そのくらいの思い現場に入って、政務が、政治が主導権を取って、政治主導を進める、そのことが私は大変大事だというふうに感じております。  時間がありませんから、もうそれ以上答弁は求めません。是非よろしくお願いしたいと。二〇二〇年に世界の皆さんに福島を見せたいと、そんな思いで是非取り組んでいただければというふうに思います。  次に、リスクコミュニケーションなんですが、今日は田中委員長に来ていただいておりますが、実は資料をちょっと出させてもらいました。これ、二枚目なんですが、航空の写真で、非常に当時はこの放射線量に対する不安感等、声が大きくて、何か言うと、もう本当に、正直言います、もう皆さんからがんがんで、とてもお話ができないような状況だったんですが、これは、この二年半、航空モニタリングで空間線量がどう動いてきているかという表なんですが、毎年小さくなってきているんですよ。  これは、除染の効果ももちろんあります。でも、それ以上に大きいのは、今回の爆発では、プルトニウムとかストロンチウムが飛び散るよりも、ほとんどがセシウムでしたから、セシウムは134と137があって、134は半減期二年なんです、137が三十年。その134が七割を占めていますから、時間の中で減っていく。ですから、森林除染、大騒ぎになっていますが、住宅の近くは何とかしなきゃいけませんけれども、全体とすれば、その辺のこともきちんと伝えていく必要が私はあると思っています。  それから、次のページなんですが、こういう話も当時は本当できなかったんです。私たちは自然界からも、右端にありますように、自然放射線からも、日本では二・一ミリシーベルトの放射線を浴びているんだと。あるいは、世界でいえば、イランとかインドでは十ミリを超えるところにも生活されている皆さんがいっぱいいるんだというような話。あるいは、人工放射線、左にありますが、生活の中でも、先回、石原大臣も、衆議院の環境委員会で、委員の方が医療従事者の方で、私は毎年三十ミリ以上浴びていますけれども安全ですよというお話がありましたという話もありました。  是非この辺、私が言っていることが私は正しいと思いますし、その当時はそういう発言をしていただく研究者の皆さんはほとんど政府側の御用研究者だという形で、メディアも含めて大変な思いをされました。三年たってこの辺を本当に、住民の皆さんあるいは福島の皆さんはもちろんなんですが、日本国民にきちんと伝えるということを進めていくときだというふうに思っておりますが、田中委員長お越しいただいておりますので、私が言っていることが正しいかどうかも含めたり、あるいは、この前、十一月の二十日には対策案も出していただきましたけれども、その辺、御見解、御所見があればお話しいただきたいと思います。
  54. 田中俊一

    政府特別補佐人田中俊一君) 先生が御指摘のことについてはおおむね多分そのとおりだと思いますが、それはそれとして、昨年三月から秋まで掛かりまして、いろいろ検討させていただきました。  それで、国際的に見ると、百ミリシーベルト以下の被曝線量に関しては、健康への影響というのは明らかに見られるというようなことはないと、今の医学では検出不可能なような状況であるということがあります。  一方、いわゆる国際放射線防護委員会、ICRPの考え方、これはALARAと俗に言う、できるだけ、いろんなコストベネフィットとリスク等のバランスの中でできるだけ被曝線量を低くすべきだというようなことで、通常の場合は一ミリシーベルト・パー・イヤー、年間一ミリシーベルト以下にするのを目標とすべきだということを言っております。これは、一ミリシーベルトが安全か危険かということではなくて、今申し上げましたようにいわゆるALARAの精神の中でできるだけ、そういうことであります。  それで、今回の緊急事態が起こったような場合には、これは要するにまさにALARAの考え方なんですけれども、実際に避難しなきゃいけないのは、年間二十ミリシーベルトを超えるような場所は避難させた方がいいでしょうと、放射線の影響ということを考えた場合。ただし、一から二十ミリシーベルトぐらいの間であれば、そこに住みながらできるだけ一ミリシーベルトを目指すと、年間一ミリシーベルト以下の被曝線量を目指すべきであろうという考え方を取って、現存被曝状況ということになっております。それが、先ほどもあの絵にありましたように、避難準備区域に大体相当するところでございます。  私たちの検討でも、一応現在の考え方を、そういった考え方を取り入れてやっております。ただ、リスクコミュニケーション、一回決められたものとかいろんな御意見がありますが、それを一遍に変えることはできないので、できるだけ住民のいろんな様々な不安に寄り添っていくことが大事だということで各省にお願いしているところでございます。
  55. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 是非、科学的知見のバックアップ体制も取っていただきたいのと、先回、空間線量と個人線量では違うと。ですから、空間線量というのは外に、一ミリシーベルトというのは一年間そこに立って浴び続けた外部被曝であって、家の中にいたり、車に乗っているときには被曝しないわけですから、個人線量計をきちんと配付をして、その個人の線量は決して高くならないということの安心感をもう一回やると。これは、田中委員長からも、そのことが大事だと。今回、六億を超える予算も組んでいただいています。  ただ、お願いしておきたいのは、個人線量計を配るのが目的じゃないんですね。それに基づいて個人個人が地元のお医者さんだとか保健師さんを通じてきちんと説明を受けて安心をする、帰っても全く問題ない。下手をすると浜通りの避難区域よりも郡山とか中通りの方が高いところだって個人線量だとあり得るわけですね。ということも踏まえて、これはもう答弁求めません、是非お願いしたいと。  最後に、岡田副大臣最初から副大臣には座っていただいていて、本当に申し訳ございません。実は、今日は尾辻先生もお座りですが、私は二〇〇四年に当選したときから、当時尾辻先生が厚生労働大臣で、民主党は亡くなられた山本孝史さんを中心に自殺問題にずっと取り組んできました。九八年から増えた三万人を超える自殺が一昨年には三万人を切りまして、おかげさまでここかなり自殺者は減ってきております。  ただ、ここへ来て三年たって、むしろ福島だけではなくて被災地全体の関連死の問題、その中に自殺の問題も含まれていると思っています。この三年間で岩手が十七人、八人、四人と着実に減らしているんですが、宮城は二十二から三人に減ったんですが、また十人に増える。しかし、福島は十人、十三人、そして去年十人増えて二十三人というふうに増えてきている。  この三年たつということが意外と怖い問題で、逆にここで一旦落ち着くと、農業をされている皆さんとかが将来戻ってできる、先が見えてきたりしますし、だんだん緊張感が弱まってくる。阪神・淡路の自殺のときにも、仮設に入った後、復興住宅に移るところから自殺者が増えるんですね。仮設のときにはみんなで一緒に頑張っていますけれども、そこからばらばらになっていくときに増えてくる。あるいは、市町村の職員の皆さんもかなり限界に来ている。そんなことを含めて、岡田副大臣から、今どのように把握をされて、どのように今考えられているか、お話しいただければと思います。
  56. 岡田広

    ○副大臣(岡田広君) 柳澤委員には、自殺対策推進する議員の会の事務局長としてこの自殺対策には本当に真剣に取り組んでおられておりますことに、心から敬意を表したいと思っております。  この東日本大震災に関連する自殺の把握は平成二十三年六月から実施をしております。数字につきましては、委員御承知のとおりでありますけれども、二十五年が宮城、福島県では前年より七人、十人と増加しているということもあり、これからも更にこの自殺対策につきましては努力をしていかなきゃならないと考えています。年齢別、原因、動機別に見ますと、平成二十五年は、岩手県ではほとんどの項目で減少している一方、宮城県では五十歳代、健康問題など、福島県では八十歳代以上、健康問題及び経済・生活問題などが前年よりも増加しているということであります。  一昨年には減少した自殺者数が昨年には増加したことは大変憂慮すべきこと認識しております。政府としては、さらに被災者の心のケア等、自殺総合対策大綱に基づく取組推進しており、内閣府においても、復興庁及び被災三県に実態を更に伝えつつ、地域自殺対策緊急強化基金を通じた支援を行っているところであり、引き続き基金等も通じまして取組をより一層推進してまいりたいと考えております。
  57. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 ありがとうございます。  終わります。
  58. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。  本日は、平成二十六年度予算委嘱審査ということで、まずは再生可能エネルギー推進、そして低炭素社会の実現、さらには福島の復興に関連してお伺いをさせていただきたいと思っております。  再生可能エネルギーは地域の資源でございます。再生可能エネルギー、固定価格買取り制度ができまして進んできておりますけれども、資力がある大手企業、またノウハウもあるそういったところが先に来て、本来、地域資源の、その享受するべき地域主体の方々がやるもの、本来はそれが優先されるべきでありますけれども、大手企業が先に行ってしまって系統の制約が出てきたりとか、そういった反面問題も出てきていると認識をしておりますけれども、地域主体の取組を後押しする、そういう予算平成二十五年度予算で地域低炭素投資促進ファンド創設事業ということでできていると思います。今年もそれが四十六億円ということで増額されておりますが、まずこの平成二十五年度予算の実績についてお伺いしたいと思います。
  59. 清水康弘

    政府参考人清水康弘君) お答え申し上げます。  地域低炭素投資促進ファンド創設事業、この事業、平成二十五年度に創設いたしまして予算十四億円ということでございます。出資となる案件の選定は、公募により選定しました基金設置法人が行っております。  現時点で三件に出資を決定しております。一番目が、収益の一部を地域社会に還元するソーシャルビジネスとして行う太陽光発電事業、二番目が、これは群馬県の飲料工場敷地内で従来焼却されておりました食品廃棄物を利用してバイオガス発電を行い、電気や肥料を地域で活用する事業でございます。それから三番目が、大分県の地域金融機関や地方公共団体が共同して温泉熱発電事業等へ出資するファンド、これに対する出資でございます。  現在決まっているのは三件でございますが、加えまして、本年度内に残りの予算額を有効に活用できるよう、現在、基金設置法人において複数の案件について審査を行っていると、そういうことでございます。
  60. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 これは事業ノウハウがなかなかない、その地域にノウハウを持った方がいないという場合も多いと思います。そういう意味で、相談を受けて親身になってアドバイスをしてあげる、環境とか再エネのコンサルをやれる方というのは今引っ張りだこなんですね、どこでもそういう案件が出ていて。そういう方にもなかなか付いていただけないというような状況もありますので、是非、親身になって相談に乗ってあげるという体制を取りつつ、なるべくたくさんお金を必要とする方々に真水のお金が行くように取り組んでいただきたいというふうに思います。  再エネに関しまして、私は、廃棄物を利用したバイオマス発電、この調査を重ねております。前回の先週の環境委員会でも、生ごみをメタンガス化してそしてガスエンジンで発電させる、そして、併せてできた熱を利用して温水をハウスで使いまして南国フルーツを作るという、そういう取組をされている新潟県村上市の企業の取組も取り上げさせていただきましたけれども、その企業は八年前から事業を構想して、元々米農家だったところが新しい農業のビジネスモデルというものを二代目の方が試行して研究を重ねてきて、たまたま固定価格買取り制度ができた年に稼働することになったので、バイオマスのメタンガス発酵の発電の第一号に経産省から認定されたというところでございますが、その取組を見て、固定価格買取り制度では事業として成り立つということで、報道もされたそういったものを見て、福島県の南相馬の方々が、お住まいの方々が新潟県まで見に来られたそうでございます。そして、この事業を是非南相馬でやりたいということでその事業者に相談をして、一年余り事業計画を立てられてきているというふうに伺っております。  メタン発酵のバイオマス発電の場合には、食品の残渣とか下水とか、まあ混合していいんですけれども、メタン発酵した後に液肥というものが残ります。濃い廃棄物とも言えるんですけれども、実はこれ廃棄物ということではなく、肥料として有用な成分を含んでいますので、そのまま水田にまいたり、また固形化する技術も開発をされて畑で使ったりということができるわけでございますが、これを南相馬で行う場合にやはりセシウムの問題が出てきます。濃い濃度のものがたまってきますので、土から植物を通じて、あるいは下水等を通じてそれを濃縮していったような状況になりますので、セシウムの問題が出る。  発電事業で出た液肥というのがセシウム含んでいる場合、処分するに当たって産業廃棄物となるというふうに環境省に伺いました。これは、本来であれば国が責任を持って除染の一環として行うべきものだったこのセシウムというものであると思いますが、この場合、今のような事業の場合、液肥にセシウムがたまって処分する、その扱いというのはどうなりますでしょうか。環境省に伺います。
  61. 梶原成元

    政府参考人(梶原成元君) バイオガスの発電事業、これ、先生がおっしゃられるように、例えば福島県におきましても、昨年の十二月に福島県の農林水産部で、避難指示地域における資源作物の生産及びエネルギー化に関する基本方針といったようなものを取りまとめて、今、例えばトウモロコシのメタン発酵をして、そのメタン発酵したメタンガスをバイオガス発電に使うといったような技術を含めた五種類の技術について、その経済性あるいは技術評価を行っているというところでございます。  そこから出てきますものにつきましては、液肥というもの、これは肥料として使います場合につきましては、例えば農林省の定めております肥料に含まれることが許容される放射性セシウムの量として四百ベクレル・パー・キログラムまでのものだったらいいよという形でなってまいります。それより超えるものがもしも出てきた場合でございますけれども、液肥としては暫定基準を超えるということでございますので使えないということでございます。  これにつきましては、放射性物質特措法におきまして、もしも八千ベクレルを超えるものでありますれば指定廃棄物として国が処理をするということでございますけれども、八千ベクレル以下のものにつきましては廃棄物処理法に基づいて通常の処理をしていただくといったようなことになります。
  62. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 これは一般廃棄物あるいは産業廃棄物となるということであると思います。この方々は研究者の方々とも組んで、そのセシウム除去も自分たちでやろうということで何とか挑戦しようというふうに思われているわけですけれども、やはりそれを、そこに頼ってしまっていいのかなというのを私すごく思いました。  ほかの地域でこのバイオマス発電のメタンガス発酵を同じ形式でやる場合には、セシウムという問題は出てこないんですね。この一般廃棄物、産業廃棄物、それなりにやるにも処理費用が掛かって、そこまで南相馬でやる場合見なきゃいけないんですよね、事業者が、固定価格買取り制度でたとえやるとしても。それは余りにも、本来国の原子力行政の失敗によって、事故によって起きてしまったものを、福島の方にそれをまたお仕着せるような形になるというのは、私はこれはどうかというふうに思っております。  今日、赤羽副大臣に大変お忙しい中お越しくださっていますけれども、これにつきまして、経済産業省で、福島でまさに新しい農業をやろうとされているんですね。トウモロコシを植えて、下水とか食品廃棄物も利用しますが、トウモロコシというのは燃料作物として非常に有効であるということがもう分かっています。ドイツでは農家の方々を中心にもう既にこのトウモロコシなどのバイオマスの発電が八千基やっていると、しかも豊かに暮らしながらやっていらっしゃるということでございますので、これは大きな可能性であると思いますが、経済産業省として、また復興の現地の原子力災害対策部長として赤羽副大臣も行かれていらっしゃいますけれども、この取組、このセシウムの問題ということについて、経産省としてこれを、この障壁を取り除いてあげるようなそういう取組をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  63. 赤羽一嘉

    ○副大臣(赤羽一嘉君) 済みません、この件についてはちょっと事前通告をいただいていなかったので十分な準備はしているわけではありませんけれども、今のお話聞かせていただいて、この原子力災害の被害に遭われた地域の特殊性について前向きに考えなければいけないのではないかというのは、全くそのとおりだと思います。  原子力災害で大変な状況を受けたこの被害地域、私は福島こそ再生可能エネルギー日本の拠点でありトップリーダーであるというふうに国としても支援をしていかなければいけないと考えておりますので、私はまだ、実はこのトウモロコシによるバイオマスも、南相馬の取組現場も行っておりませんので、足を運んで状況を見ながら、やられている方のお話も聞かせていただいて、環境省の皆さんとも相談をさせていただきたいと。  私は、震災というのは平時じゃないので、平時のルールが実は震災の復旧復興の一番の足かせになるということを阪神・淡路大震災からの復興の過程で強く感じていましたので、平時ではない地域の特殊なルールというのを私は想定していいのではないかと、こう考えております。  加えて、セシウム除去につきましては何もやっていないわけではございませんで、我々の独法でございます産総研で、川内村におきまして放射性セシウムの除去に資するプラントを今建設して実証実験に取り組んでいるということも一つ報告をさせていただきたいと思います。  以上です。
  64. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 通告をしていたつもりでしたが伝わっていなかったようで、この南相馬の件に関しまして、今、期せずして赤羽副大臣が行ってくださるという御答弁いただいたので、是非行っていただきたいというふうに思いました。  川内村のプラントを産総研でお造りになっているということでもございますので、そのノウハウが生かされるのかどうかということも含めて、現場に行って事業者の方々、やろうとしている有志の方々に、相談に来れば乗ってあげるよというような姿勢ではなくて、こちらからアウトリーチで行って取り組むということを是非産総研の皆様にも副大臣のリーダーシップで御指示いただきたいというふうに思います。  再生可能エネルギーに関しまして、福島再生可能エネルギー研究所が産総研で造られるということをお聞きしております。先日、赤羽副大臣も御視察に行かれたというふうにも聞いておりますけれども、こちらで、再生可能エネルギーの技術開発や実証などを行う新拠点ということで、技術開発だけではなくて、大学や企業と連携した事業化、また関連企業の集積や人材育成を通じて復興に貢献するということを目的としていると聞いておりますけれども、先ほどの南相馬の方々が本当の復興に貢献したいと思って意欲を持って取り組まれていると聞いています。  メンバーの中には津波で御家族を亡くした方もいらっしゃる。そうした中で、いつまでも国や東電の賠償に頼るのではなくて自分たちで真の復興をやっていこうというふうに思って取り組まれている、これは私すごいことだと思うんです。国がお仕着せで何かをしてということではなくて、福島の被災された方が自らこれがいいんじゃないかと思って研究をしてやろうとしている、これが本当のこれからの復興、人間の復興、心の復興、被災された方自身が復興作業を通じて自分たちが役に立っていこうということで取り組まれているということですから、本当すばらしいことだと思うんです。  この再生可能エネルギー研究所では、最先端の技術研究ということなんですけれども、先ほど言ったようなセシウムの除去ですとか、今ある技術を使ってやっていくに当たっても様々な障害が出てきます、事業としてやっていくことになりますので。そうしたことも含めてこの研究所で助けていただきたいというふうに思うんです。どこかの人が来て、白衣を着て白亜の塔に閉じこもって研究をするのではなくて、被災者御自身が再エネに取り組む、そう思っている方々の手伝いが一番先に優先されるべきものであるというふうに私は思います。  いかがでしょうか。
  65. 赤羽一嘉

    ○副大臣(赤羽一嘉君) 来月の四月一日から郡山市でオープンいたします産総研の福島再生可能エネルギー研究所につきましては、一つの大きなミッションは、今、竹谷委員の御指摘にあるように、再生可能エネルギーに関する世界最先端の研究開発、実証等を行うための私は世界一番の研究開発拠点にしたいと、こう考えておりますが、同じように、被災地を始めとした地元の皆様また企業の皆さんの技術的な課題を解決して事業化を後押しするということも、それこそが福島に造った大きな意味があると思っておりますので、四月一日から、当面はまず次世代の太陽電池開発ですとか水素によるエネルギーの長期貯蔵技術ということをメーンテーマにする予定でありますけれども。  加えて、産総研というのは実は全国につくばを入れますと九か所目の研究センターでありまして、先ほどのバイオマスについても実は広島の中国センターでファシリティーを置いて担当でやっているんですけれども、そことも連携をしながら、より親身になって地産地消が実現できるように、繰り返しになりますが、私も早々に南相馬の現場に行かせていただいてお手伝いができるようにしたいと思っております。
  66. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 ありがとうございます。心強い答弁いただいたというふうに思います。  続きまして、環境省に伺いたいと思います。  赤羽副大臣、お忙しいと思いますので、もしよろしければここで御退出いただければと思います。
  67. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) では、赤羽副大臣、どうぞ御退席を。
  68. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 汚染稲わらにつきまして、その処理につきまして環境省取組現状について伺いたいと思います。  これは、宮城、福島で、まだ処分されないで山積みになっているようなところがございます。私も、登米市、栗原市に足を運んで農家の方々からお話を聞いておりますけれども、八千ベクレル以下は一般廃棄物として自治体の処理をするということになっていますけれども、処理が滞って畜産農家のまだ負担になり続けているということで、国の後押しを是非お願いしたいと思いますが、副大臣、いかがでしょうか。
  69. 井上信治

    ○副大臣井上信治君) 汚染稲わらの処理ということでありますけれども、御承知のように、放射能濃度八千ベクレル以上は指定廃棄物ということで、今手順を踏んでその処理に努めているところであります。八千ベクレル以下でありますけれども、これにつきましては、科学的、技術的には通常の処理で十分適正に処理することができるということで、廃掃法に基づいて市町村が責任を持ってこの処理を行っていただくという整理になっております。  ただ、他方で、やっぱり地元で伺いますと、どうしても住民の方々の御心配あるいは反対があるということで、処理が迅速に進まない、何とかしてもらいたいという声もよく聞いております。ですから、我々としては、例えば財政支援として、市町村がこういったものを処理する場合のその処理費というものを補助をしていく、こういった制度も今実施をしておりまして、福島であるとか岩手とか群馬とか、こういったところで活用していただいております。  あとは、やはり、例えばいかに処理が安全にできるかという安全性のPRなど、こういったものをパンフレットとかホームページでほかの優良事例ということで紹介をしたりとか、あるいは、職員が直接地元に伺って技術的な様々な支援をしたりと、宮城県においてもそういう御要望が非常に多いものですから、現在取り組んでおりますし、これからもしっかり対応をして、そして、この八千ベクレル以下の農林系の廃棄物についても処理が適切、迅速に進むように支援をしていきたいと思っています。
  70. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 やはり、恐らくこれまで優先順位として、指定廃棄物の中間貯蔵という問題が非常に重いので、そちらに重点が置かれている面もあると思いますし、市町村の仕事ということで、市町村主体で財政的な措置とか様々な職員の皆様の派遣とかやられていたと思いますけれども、やはり進んでいないという状況がございますので、この件につきましても、是非復興を加速させるという意味でも力を入れていっていただきたいというふうにお願いを申し上げます。  続きまして、最後にお堀の浄化、内堀、外堀ございますけれども、私も東京都選出の議員でございますので、お堀が夏になりますとアオコが発生して、臭いもあるということで、住民の方々から苦情、相談を受けるようなものでございますが、これ、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてこのままでいいのかということを言われます。  内堀については、環境省所管をして、また東京都とも一緒にやっているというふうに承っておりますし、平成二十七年度までに東京都の下水の工事が一定の完了をするということで、内堀についてはかなりきれいになると聞いておりますけれども、外堀が放置されているような状況で、マラソンコースにもなると言われています。夏にすごく臭いが発生するんですけれども、マラソンしているときにそんな状況でいいのかというのもありますし、オリンピック・パラリンピックで我が国の豊かな自然環境を国内外の方に楽しんでいただけるようにということで、環境大臣の所信にもございましたけれども、まず玄関口であるこの東京で美しい自然環境を楽しんでいただけるように、お堀の浄化について取り組んでいって、東京、大臣も御地元でございますし、何か研究会を立ち上げるとか、取組を東京都に任せるだけではなくて、国としても取り組んでいただけるようにお願いをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
  71. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 竹谷委員の大変きめ細かい御指摘であると思っております。  もう委員が御指摘されましたように、内堀については、環境省が管理しておりますので、浄化というものにこれまでも取り組ませていただいております。外堀につきましては、神田川とか日本橋川といった河川は東京都管理、また、すぐそこの赤坂付近の水面でございますが、これは千代田区管理となっております。  環境省としても、内堀で実施をさせていただきましたので、浄化対策を、知見を持っておりますので、どのような支援が、この東京都あるいは千代田区ですか、できるか、早速事務方に指示をさせていただきたいと思います。
  72. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  73. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) この際、石原環境大臣から発言を求められておりますので、これを許します。石原環境大臣
  74. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 冒頭、陳謝をさせていただきましたが、この度、予算委嘱審査という大変重要な審議の冒頭に遅参いたしましたことを、委員長始め理事、委員の皆様に重ねておわびを申し上げます。  今後、このようなことがないように厳に慎み、改めて皆様方に深い謝意を表させていただきたいと思います。本当に申し訳ございませんでした。
  75. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十六分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  76. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) ただいまから環境委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成二十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  77. 水野賢一

    水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。  今日は、フロンの問題を取り上げたいと思います。  まず、私自身のこの問題に対する基本的な考え方についてちょっと申し上げたいと思うんですが、フロンというのは大きく分けて二つの問題があるわけですよね。一つはオゾン層を破壊するという問題で、もう一つは極めて強力な温室効果ガスだという二つの問題があるわけなんですけれども、最初にこれ問題になったのが、オゾン層を破壊するということが問題になって、だからこそオゾン層を破壊するタイプのフロンというのはだんだんだんだんいろいろと生産が規制をされていったわけですよね。ですから、最近作られるフロンというのはさすがにオゾン層は破壊しない。  ただ、もう一つの問題、つまり極めて強力な温室効果ガスだということには変わりはないわけであって、しかも、それは二酸化炭素に比べれば、物によってですけれども百倍とか、物によっては一万倍も強力な温室効果ガスなわけなんですが、これ、フロンというのは、それで二酸化炭素と決定的に違うのは、二酸化炭素というのは元々自然界に存在をしている。存在をしているものが、だから化石燃料を使うと放出されちゃうというだけであって、人為的に別に二酸化炭素をわざわざ人間が生産しているわけじゃなくて元々自然界にあるのに対して、フロンというのはこれは自然界にないものなわけですよね。わざわざ人為的に作って、そしてそれが今問題を引き起こしているという商品だということなわけですね、これは、フロンというのは。  私がだから申し上げたいのは、これだけ温暖化対策ということが大切だという、排出削減に取り組まなきゃいけないということが大きい問題になっている中で、極めて強力な温室効果ガスであるフロンをわざわざ人為的に作って売ってもうけるということが果たして倫理的にもどこまで許されるのかということが問題意識の根底にあるということを最初に申し上げます。  もちろん、一つの考え方としては、そうやって作ったって最終的に大気中に放出しなきゃいいんだという考え方もあり得ることはあり得るわけですよ。ただ、つまり、きちっと回収して破壊すれば問題ないじゃないですかという考え方はあり得なくはないんだけれども、実際にはスプレーなんかが典型なんですけれども、最初から大気に放出することを前提として作っているわけですから、こういうものに対しては一定の規制が必要じゃないですかということが私の考えの根底にあるということを申し上げながら、質問に以下入っていきたいと思いますが。  これは参考人で結構なんですけれども、最初のタイプのフロンですね、つまりオゾン層を破壊するタイプのフロン、具体的に言えばCFCとかHCFC、こういうようなフロンというのは生産そのものをやっぱり規制しなきゃいけないということで、国際的にもモントリオール議定書とかいろんな形で規制されてきているわけですけれども、これ国内法ではオゾン層破壊のタイプのフロンは、国内法で生産とかに対する規制は何法で規定されていらっしゃいますか。
  78. 関荘一郎

    政府参考人(関荘一郎君) モントリオール議定書の措置を国内で担保するために一九八八年にオゾン層保護法というのが制定されておりまして、この法律に基づきまして、オゾン層の破壊物質、CFC、HCFCでございますけれども、この生産、輸入等の規制が規定されているところでございます。
  79. 水野賢一

    水野賢一君 さすがにオゾン層を破壊するタイプのフロンというのは、まさに名前どおりにオゾン層保護法によっていろんな規制が、日本ではCFCはもう生産禁止とか、HCFCは何年までに生産禁止ということが決まっているんですね。  ただ、これは今答弁にあったように、オゾン層保護法という名前の法律ですから、オゾン層は破壊しないけれども温室効果は高いというタイプのフロン、具体的に言うと、これは俗に言う代替フロンですね、具体的に言えばHFCというフロンですけれども、こういうようなフロンに関しては、今まで生産とか使用に対して何らかの規制を加える法律というのは今まではございましたか。
  80. 関荘一郎

    政府参考人(関荘一郎君) 代替フロンHFCにつきましては、我が国におきましては、その生産、使用を直接規制する法律というのはないと理解しております。
  81. 水野賢一

    水野賢一君 そうなんですね。ですから、極めて強力な温室効果ガスのこのHFCについては生産、使用を直接禁止する法律というのはないわけですね。ないんだけれども、去年改正されたフロン法によって、初めてHFCに関しても生産や使用に対して一定の基準というか、判断基準とかの書き方によってはここに制限を加えるということが可能になったというふうに私は理解していますけれども、そういう理解でよろしいですか。
  82. 関荘一郎

    政府参考人(関荘一郎君) 御指摘のように、昨年の通常国会におきましていわゆるフロン回収・破壊法大改正がされたところでございまして、主に二点、御質問の関連するところがございます。  一つは、その改正法におきまして、フロン類を生産及び輸入するガスメーカーに対しまして、温室効果ガスがより低いフロンへの転換、あるいはフロン類の製造量の削減を進めるために目標を判断基準として示しまして、その遵守を求めるための新たな規制を導入したところでございます。  また、もう一点は、フロン類を使用する機器の製造メーカーに対しまして、ノンフロン製品への転換や温室効果のより低いフロン類を使用する製品への転換を促進するための目標を判断基準として示しまして、その遵守を求める新たな規制を導入したところでございます。  そういう意味では、改正法におきましては、広い意味で温室効果の高いフロン類というものを低減するような規制措置と言うこともできるかと考えてございます。
  83. 水野賢一

    水野賢一君 そうすると、つまり、今までは全くフロンの生産とか使用について、今言っているフロンというのはいわゆる代替フロンです、つまりオゾン層は破壊しないけれども温室効果が極めて高いというこのタイプのフロンについては、従来は全くそこに規制がなかったけれども、去年の改正された法律を生かせば、この部分に関してもしっかりと取り組んでいく余地は出てきたということだと思うんですね。だからこそ、この法律の運用に当たって、しっかりとした運用をしてもらいたいと思うんですが。  じゃ、北川副大臣に伺いますけれども、そうすると、この法律に基づいていろんな製品指定するわけですね。その指定する製品の中で何が含まれるかということが大切になるわけですよね。そうすると、例えばカーエアコンなんというのは、フロンをたくさん使っているもののうちの一つがカーエアコンですよね、そのほかには業務用冷凍空調機器とかいろいろありますけれども、カーエアコンは、これは指定製品に入るという理解でよろしいですか。
  84. 北川知克

    ○副大臣(北川知克君) ただいま水野委員指摘のカーエアコンについてでありますが、その前に、水野委員お話をされましたように、フロンに対する基本的姿勢、長年、一緒に仕事をさせていただいたときもありますし、水野委員のこのフロンに対する思い入れ等も重々私は理解をしているつもりでありまして、今回のこの法の改正によってカーエアコンを含むハイドロフルオロカーボン、HFCの点について御心配の点もあろうかと思います。  そういう中で、今回のフロン類法においては、フロン類使用製品のうち代替技術があるなどの条件を満たす製品を指定製品として指定することを規定をいたし、その上で機器メーカーに対してノンフロン製品や温室効果の低いフロン類使用製品への転換を義務付ける判断基準を策定することといたしており、それに基づきまして、具体的な製品の指定については現在、経済産業省において検討中でありまして、国際的に最も先進的な水準でノンフロン化等が達成されるような製品がカーエアコンも含め指定されることが我々は望ましいと考えております。
  85. 水野賢一

    水野賢一君 今、副大臣答弁にもあったように、最終的には経済産業省の判断ということもあるわけでしょうが、環境省側はこうやって望ましいというふうに副大臣答弁をしましたけれども、経産省の参考人で結構ですけれども、カーエアコンは入る見込みだというふうに理解してよろしいですか。
  86. 谷明人

    政府参考人(谷明人君) お答えさせていただきます。  カーエアコンにつきましては、御指摘いただきましたように、欧州では二〇一七年以降に上市される乗用車につきまして、GWP一五〇以下の冷媒を搭載することとするEU指令につきまして、加盟国で対応検討が進められているところでございます。  我が国におきましても、こうした状況を踏まえつつ、カーエアコンを含め、指定製品の対象につきましては、産業構造審議会におきまして専門家の意見もいただきながら、本年夏頃までに結論を得るべく、しっかりと検討させていただきたいと考えております。
  87. 水野賢一

    水野賢一君 だから、産構審のその議論の結果を踏まえというのも分からなくはないんだけれども、基本的に今おっしゃられた前半の部分は、ヨーロッパなんかでだってそうやってやっているということですよね、だから厳しい、GWPが一五〇以下にしなきゃいかぬとかという。というようなことをおっしゃられたということは、今環境大臣答弁もあったんで、これは前向きに指定に入れたいという、そういう方向で、産構審なんかの議論は経なきゃいけないかもしれないけれども、指定はしたいという方向性はあると、そういう理解でよろしいですか。
  88. 谷明人

    政府参考人(谷明人君) お答えさせていただきます。  世界最高水準のレベルを目指して検討させていただきたいと思っております。
  89. 水野賢一

    水野賢一君 さてそこで、何を製品として指定するかということもあるんですが、それに加えて、指定製品について、指定製品の製造業者等の判断基準というのもこの法律の十二条で書いてあるわけですよね。  その判断基準については、トップランナーの水準を求めるというような答弁が今もあったふうに思いますけれども、これは、そういうふうに僕はしてもらいたいというふうに思いますけれども、そういうふうにしていくのかどうかという辺りをちょっと北川副大臣にまず伺いたいと思います。
  90. 北川知克

    ○副大臣(北川知克君) ただいま委員指摘のこの同法十二条の判断基準につきましては、この作成に当たって、設定時点の国内外の市場における最も優れたノンフロン製品等を考慮をする、いわゆるトップランナー型の制度とすることが想定をされているということを我々承知をしておりまして、具体的な製品の指定や目標設定の内容につきましては、現在、経済産業省において検討中であるとお聞きもいたしております。そして、国際的に最も先進的な水準でノンフロン化等を達成する目標設定がなされるものと我々は考えております。
  91. 水野賢一

    水野賢一君 じゃ、同じ質問について、経済産業省の政務官にもお願いしたいと思います。
  92. 田中良生

    大臣政務官田中良生君) このフロン法の第十二条に基づく指定製品の製造業者等の判断基準、これにおきましては、水野議員御指摘のとおりであります。指定製品の種類ごとに、判断基準の策定時において商品化されている最も地球温暖化係数の優れた製品や技術開発の見直し等を考慮して定める、いわゆるトップランナー型の制度とすることを想定しております。  制度の具体的な内容に関しましては、来年四月の法施行に向けて、産業構造審議会におきまして専門家の御意見、これをいただきながら、本年ですね、本年の夏頃までに結論を得るべく、しっかりと検討していきたいと思っております。
  93. 水野賢一

    水野賢一君 ちょっと大臣に基本的な考え方だけ伺わさせていただければと思うんですが、今、環境大臣そして経済産業務官からも前向きな答弁あったというふうに思います。トップランナーの最高水準のものを判断基準にしたいということなわけですけど、これ、トップランナー方式というのは、基本的にそういった、今ある技術的に可能な最高水準のものを一つの基準にするんだということですよね。それに対する、言わば反対というか、それに対する、相対する考え方としては、言わばどの会社の製品も達成できるような、つまりどの社もできるようなレベルのものを基準にしちゃうというふうにすると、これまた、言わばこうなると護送船団方式みたいなもので、誰でもクリアできるものというのは、これじゃ環境水準を上げていくことにはならないというふうに思うので、今答弁にもありましたけど、トップランナー基準をしっかりやっていくということを、決意を大臣からも伺いたいと思います。
  94. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいま水野委員がこのフロンの規制について、トップランナー方式、もう一つはコンボイ方式とでもいうんでしょうか、どちらに合わせるか、両省の方からトップランナー方式で行くと。やはり、最高水準のものに合致したもので世界に先駆けて日本国がこの問題について取り組んでいるという姿を示していく上からも、環境省並びに経産省の答弁にあったような形が望ましいと考えているところでございます。
  95. 水野賢一

    水野賢一君 しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  去年改正されたフロン法では、一方でフロンの漏えい量の報告ということも十九条で定められているわけですね。要するに、フロンというのは使っているうちに、業務用冷凍空調機器のフロンであれ、カーエアコンのフロンであれ、いろんなフロンというのは、漏えいしちゃうから、そうすると、自然に漏れちゃったという、でもそれは極めて強力な温室効果ガスなんだからと。これを、漏えいを止めるのはそう簡単でないかもしれないけど、一方、どのぐらい漏えいしているのかというまず実態把握する必要がありますからね。その漏えい量の報告ということが法律には定められていて、十九条で、やり方の詳細は主務省令で定めることになっているわけなんですけど、主務省令というと、これ、具体的に何省令なんでしょうか、どこの省の省令なんでしょうか。
  96. 関荘一郎

    政府参考人(関荘一郎君) この十九条の漏えいにつきましての主務省令は、環境省経済産業省及び事業所管省の定める省令ということでございます。
  97. 水野賢一

    水野賢一君 事業所管省庁というのは、要するに、例えば病院とかだったら厚生労働省とかって、そういうような理解でよろしいんですか。
  98. 関荘一郎

    政府参考人(関荘一郎君) 先生御指摘のとおりでございます。
  99. 水野賢一

    水野賢一君 じゃ、この省令というのは具体的にはいつ頃定める方向にあるんでしょうか。
  100. 関荘一郎

    政府参考人(関荘一郎君) 現在、この省令を制定すべく審議会において検討を行っているところでございますけれども、今後、審議会の更なる検討及びパブリックコメントを踏まえまして、今年の夏頃に省令を公布したいと、このように考えております。
  101. 水野賢一

    水野賢一君 そうすると、それで、じゃどういうふうに省令定めるかという話になってくるんですが、漏えい量の報告というときに、事業所単位で行うのか、事業者単位で行うのかという話があるわけですね。要するに、事業所というのはその一個一個の工場ですよね、事業者というのは会社全体という形になりますから、当然事業所の、例えば電力会社なんかでいったら、事業者と言うときは東京電力ということですし、事業所と言ったときは何とかかんとか発電所ということになるわけですけど、当然データとしては発電所単位にデータを得た方が細かいデータになるわけですよね、会社全体でひっくるめちゃうよりはですね。  そうすると、漏えいのデータに関しても、基本的に事業所のデータというものも報告、公表させるように、そういうような省令の方がいいんじゃないかというふうに、つまり細かいデータが取れるわけですから、と思いますけど、副大臣、いかがですか。
  102. 北川知克

    ○副大臣(北川知克君) ただいま水野委員指摘漏えい量につきましては、今回の法改正におきましてはこの報告漏えい量の報告制度、事業者単位で国にフロン類の漏えい量を報告すること、これを求めておりますが、ただいま御指摘のように、事業者ではなくて事業所ごとに統計を取るという方がこれは精緻な数字というか、これはもっともなことであります。  今後、この報告事項、こういうことを具体的に検討するに当たっては、中小企業を含めた事業者の方々、こういう方々の御負担も生じるわけであります。そして、政策効果、こういうものも勘案をしていかなきゃならないわけでありまして、そういう点を勘案をしながら、今後、事業者単位の漏えい量に加えて事業所ごとの漏えい量を報告いただく必要があるかについても検討をしていきたいと我々は考えております。
  103. 水野賢一

    水野賢一君 確かに、物すごい小さいところの中小企業とかでそんなに漏えいしていないところまで全部報告というと、これはまた労多くして益少なしという、そこまでやれというわけじゃなくて、やっぱり一定以上の漏えい量のあるところに関しては事業者はもちろん事業所もデータを取っていいんじゃないかと思いますが、これは経産省の方はいかがお考えですか。
  104. 田中良生

    大臣政務官田中良生君) まず、昨年の五月三十日にこの参議院の環境委員会におきまして環境省の齋藤政務官から回答がありました。そのように、このフロン類の漏えい報告制度につきましては、まずはやはり中小企業、これを含めた事業所の負担ですとか政策効果、こうしたものも勘案しつつ、事業者単位の漏えい量に加えまして事業所毎の漏えい量、これをやはり御報告いただく必要があるのかどうか、これは検討を今しているところでございます。  制度のこの具体的な内容についてでありますが、来年四月のこの改正フロン法、この施行に向けまして、やはり中環審そして産構審、この合同審議会におきまして専門家の御意見、これをいただきながら検討して、今年の夏頃までに具体的な制度、これを是非とも策定していきたいと考えております。
  105. 水野賢一

    水野賢一君 今いみじくも田中務官おっしゃられたとおり、去年、法律を制定するときの審議の中で当時の環境務官だった齋藤健さんも、これは会社全体単位はもちろんのこと、そういう事業所単位のデータも取れるようにした方が望ましいというようなことを答弁しているんですよね。  ですから、これは法律というのは、法律を審議するときに答弁していたことを、運用するときになってやめちゃったというのだと、これは国会審議は何だったんだという話になっちゃいますから、そういうことを踏まえての今、政務官の御答弁だったと思いますので、当然、産構審や中環審とかでの議論もあると思いますけれども、前向きな方向でこれ、省令のレベルの話ですから、しっかり作っていただければというふうに思います。  政策的な質問は以上でありますけれども、最後にちょっとお伺いしたいのは、これ大臣、先ほど謝罪されていたことなので余り蒸し返すつもりはありませんけれども、環境委員会冒頭、午前中、これは自民党さんの御質問の時間中でありましたけれども、遅延をされるという、いろんな事情はあったと思いますので、私も余りそれをそれ以上言うつもりありませんけれども、どういう事情だったのか。先ほどもちょっと話ありましたけれども、本来、やっぱり大臣委員会出席ということを約束して、理事会とかで事前にこのときは欠席で構わないということで合意があれば話は別ですけれども、事前にそういう形じゃなかった中での十分ぐらいの遅れでございましたが、ちょっと状況をもう一度御報告をしていただければということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  106. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) この点につきましては、委員会冒頭並びに午前中審議の終盤に委員長の御許可をいただきまして御答弁をさせていただきましたとおり、本当に申し訳ないことをしてしまった、ざんきの念に堪えないところでございます。  以後、このようなことのないように戒めて頑張ってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。重ねて陳謝申し上げます。申し訳ございませんでした。
  107. 水野賢一

    水野賢一君 最後の質問と言ったんですけれども、時間まだ二分ぐらいあるので、非常に恐縮で、そのことを余り蒸し返すつもりはないですけれども、理由は何ですか、交通渋滞という、そういう理由でよろしいんですか。
  108. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 理由はともかく、本当にこの大切な審議に所管の担当の私が遅刻してきたのは本当に、遅参して参りましたことは本当に申し訳ないと。  理由については、委員の御指摘のとおりでございます。
  109. 水野賢一

    水野賢一君 以後気を付けていただければということを申し上げながら、私の質問を終わります。
  110. 市田忠義

    ○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。  今日は、福島の復興にとって極めて重要な除染事業の在り方と町の復興の問題について幾つかお尋ねしたいと思います。  厚生労働省の福島労働局は、今月三月十二日に除染事業者に対する監督指導結果を取りまとめられました。これは厚労省にお聞きしますが、それによりますと、去年一年間の監督指導の実施事業者数が一千四十七事業者、このうち労働基準関係法令違反が認められたのは七百九事業者、違反率、実に六七・七%ですから、約七割であります。違反数の総数と、そのうち労働条件関係の違反件数と安全衛生関係の違反件数はどうなっているか、お答えください。
  111. 大西康之

    政府参考人大西康之君) ただいま御質問の違反の件数ですが、労働条件関係違反が千二百十件、安全衛生関係違反が五百七十四件で、延べの件数は千七百八十四件でございます。
  112. 市田忠義

    ○市田忠義君 今言われたような大変な数字であります。その中には、労働基準監督官に対して、賃金額について問われたら、手取り額ではなくて総額で回答しなさいと会社から言われたと申述した労働者がいたと。そうしないと、不当な天引きやピンはねがされていることが一目瞭然だからであります。あるいは、除染の場合には、国直轄の場合、除染手当が支払われると。このことについて説明を受けていないのに、労働基準監督官に尋ねられたらもらっていると回答しなさいよと、そう言われたと、作業員がそう申述したと、こういう例もあると。これも厚労省に聞きますが、こういう事例はどんな違反に当たり、その後、事業者に対してどう指導したか、簡潔にお答えください。
  113. 大西康之

    政府参考人大西康之君) まず、除染手当の関係でございますが、除染手当を支払うことにしているにもかかわらず、労働条件通知書にその手当額等の明示がなされていないというような場合には労働基準法第十五条の違反でございます。また、例えば除染等業務に従事するために必要な特別教育の時間を労働時間とみなさず、その時間分の賃金を支払っていないというようなときには労働基準法第二十四条の違反でございますので、それぞれ是正に向けて指導を行ったところでございます。
  114. 市田忠義

    ○市田忠義君 定期賃金の支払に関する違反について、これは労働基準法第二十四条に関する違反ですけれども、労使協定を結ばず、締結せずに寮費、食費等を賃金から控除していると、こういう違反が最も多い。その他、除染に係る、先ほど先にお答えになりましたが、特別教育の受講に要した時間、あるいは内部被曝測定に要した時間に対する賃金を支払っていないと、こういうケースが多数認められておると、これも間違いありませんか。
  115. 大西康之

    政府参考人大西康之君) 先生御指摘の労使協定の締結なく親睦会費、あるいは寮費、食費等を賃金から控除していた事犯につきましては、労働基準法第二十四条違反でございますので、必要な指導を行ったところでございます。
  116. 市田忠義

    ○市田忠義君 安全衛生関係についてですが、これ除染に係る特別教育が実施されているものの、その実施時間数や実施科目が不十分であったと、こういうケースや、また防じんマスクや線量計を正しく装着していないケース、こういう問題も散見されていますが、これも事実、間違いありませんか。
  117. 大西康之

    政府参考人大西康之君) 今御指摘の除染等業務に関する特別教育を行っていなかったという違反はございまして、三十五件でございます。あるいは、防じんマスク等の保護具を適切に使用させていなかったという違反もございまして、これは四十四件でございました。あるいは、被曝線量についても正しく測定をしていなかったという違反もございまして、これは三十一件でございました。
  118. 市田忠義

    ○市田忠義君 特殊勤務手当の不払、要するに危険手当ですね、こういうのが把握された場合には、福島労働局から福島環境再生事務所に情報提供を行っておられるはずですが、これまでの情報提供数は何件になっているか、これも厚労省、お答えください。
  119. 大西康之

    政府参考人大西康之君) この情報提供数、福島労働局から福島環境再生事務所に対しては、平成二十四年の十一月以降で総計二十一件でございます。
  120. 市田忠義

    ○市田忠義君 私、去年の五月九日と六月十一日の当委員会でこれらの問題について大臣にただしました。  今、昨年七月二十四日の福島労働局の監督指導結果に基づき事実関係を幾つか確認しましたが、それはこの間の私の指摘を裏付けたものであります。  当時の私の質問に石原環境大臣はこう答えておられます。厚労省と連携を密にしてこうしたことがないように努めていく。暴力団の介入に対しても、これはたしか秋田で裁判になった例もありますが、そのようなことがあってはならない、不払、搾取を撲滅するよう徹底したいと、そう答弁をされております。また、発注者責任についても、発注者側は環境省であり、事業者に指導する責任があると、発注者責任を明確に認める答弁石原環境大臣された。  しかし、事態は改善されていません。その後一層深刻な事態になっていると。こういう事実を大臣としてどう受け止めになっているのか、また、なぜこんなことが今も続いているのか、この点について大臣の考えをお聞きしたいと思います。
  121. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 昨年の春先でございますか、市田委員から御質問を頂戴しまして、督励をしたところ、昨年の下期においては事案が一件と減少するに至ったわけでございます。これも、そういう御指摘をいただき、関係省庁と厳密に連絡取り合って行った結果ではございますが、これが氷山の一角であってはならない、そういう思いも強く持たせていただいていることもまた事実でございます。  そして、御議論のございました除染手当の支払等々についてでございますけれども、これは間違いなく一義的に発注者である環境省対応しているということを御答弁させていただきましたし、その思いを持って頑張ってまいらなければならないと思っております。
  122. 市田忠義

    ○市田忠義君 下期一件というのは、何が一件ですか。
  123. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 厚労省の方から環境事務所の方に情報提供があったのが一件と、減ったということを事実としてお話しさせていただいたところでございます。
  124. 市田忠義

    ○市田忠義君 何か下期は物すごく問題が減ったかのように、一件だと言われると、そう、通報があったのが、報告があったのがそうだというだけの話であって、除染労働に従事している労働者の実態が極めて深刻で、労基法違反やその他はむしろ下半期の方が増えているという数字がこれは示されているわけですから、実態は改善されていないと。  福島県労連の労働相談センターに入った相談によりますと、国直轄の葛尾、川内、楢葉の三町村の一次下請が組合をつくって単価決めていると、これはもう明らかに法令違反です。日給が一万二千五百円しか支払われていないが、そこから宿泊費、食費、ガソリン代、所得税、健康保険などが引かれて、手元に残るのは僅か八千五百円、日給。労基署が入ってきてみたが、みんな口裏を合わせて事実と違うことを言わされたと労働者が申述しているんです。こういう報告があると、一層深刻な事態が起こっているということを私は直視すべきだと。  これは厚労省にまた確認したいんですが、福島労働局は、福島県内のハローワークに寄せられた除染作業員の求人百三十七件を調査しました。このうち、国直轄は四十五件で平均月額は三十三万一千円、日給に換算すると一万六千五百円だった。一方、市町村は九十二件で平均月額は二十三万九千円、日給計算で一万二千円だったと。すなわち、国直轄とそれ以外、市町村の分との差が僅か四千五百円しかない。これは厚労省、間違いありませんか。
  125. 宮野甚一

    政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。  ただいま委員がお示しをございました数字の内容、おおむね事実でございます。福島県内のハローワークにおきまして、平成二十五年七月に新たに受理をした除染関連の求人件数が百三十七件でございます。そのうち、環境省からの発注による求人が四十五件、それ以外の自治体発注による求人が九十二件でございます。環境省からの発注による四十五件の求人で、パート求人を除いた四十四件の求人におけます平均月収が三十三万一千円、環境省からの発注以外の九十二件の求人で、これもパート求人を除いた八十八件の求人における平均月収が二十三万九千円となっております。
  126. 市田忠義

    ○市田忠義君 もうおおむねどころか全く事実なんですよ。  福島労働局は、国直轄地域と市町村地域の作業員の平均日給の差額が僅か四千五百円しかないということを認めています。国が除染手当の支払を徹底していると、この間の質問のときも言われました。業者側が手当を支払う一方で賃金を引き下げて、もう事実上、中抜きは、じゃなくなったかと。もう非常に巧妙で、こうなっているんです。  私、前回の質問のときに、危険手当一万円をピンはねしているという事業者は多いと、これはきちんと取り締まるべきじゃないかと。そうしたら、除染手当のピンはねは問題になったので若干なくなった、あるいは完全になくなったと。逆に、そうしたら、これ賃金の方を下げて、総額を変えないで、ちゃんと危険手当は払っていますよと言いながら基本的な賃金を下げるという、もう非常にひどい悪知恵と言うべきこと、いわゆる事実上の中抜きは今も続いていると。  環境省は、業者の賃金台帳の確認を進めているので不払の問題は解消しつつあると、そう説明されておりますが、除染手当、この支払が形骸化しているというのが実態じゃないかと、この辺、環境省はどうお考えですか。
  127. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 除染の作業につきましては新しく起こった事業でございまして、そういう中で新しい制度をつくってやっております。確かに、直轄地域については特別手当を付け、それから、それ以外のところについては普通の労働者賃金に即した基準を設けてやっているわけでございます。  この辺は順次、労働市場もできてきていると思っておりますので、そういうものも調査しつつ、それから全体の労働環境なども整備をして、しっかり進めていきたいというふうに考えているところでございます。
  128. 市田忠義

    ○市田忠義君 除染手当、形骸化しているんじゃないかと、前に質問したときに徹底すると言ったけれども、いろんな中抜きの不当なことがやられているということを環境省としてつかんで、きちんと指導しているのかと聞いているんです。そこはどうなんですか。きちんとやられていると、確信持って言えますか。
  129. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) この除染の特別手当につきましては、契約できちんと払えということをやっておりまして、これについては徹底をしているところでございます。  あと、その他全体、もちろん、労働法規に合う形でしっかりやっていただくというのは当然のこととしてもちろん指導しておりますし、そういう中で、場所とか時期によりまして、どういった形で労働者を集めてやっておられるか、この辺は若干、実勢の中で決まっている部分があるのかなということで、全体を注視しているという状況でございます。
  130. 市田忠義

    ○市田忠義君 全体を注視しているだけでは駄目なんですよ。やっぱり、巨額の予算を投入しておきながら、これ発注者は国直轄のやつは環境省なんですから、やっぱり発注者責任、大臣は前の私の質問のときにお認めになっているわけですから、その責任しっかり果たすと。幾ら民間契約であっても、これ本当に悪知恵働かせた、除染手当を払っているように見せかけながら、事実上払っていないのに等しいようなやり方がやっぱり横行していることは問題だというふうに思うんです。  実際の国直轄の賃金は一万五千五百円程度で、市町村の賃金と差がないという状況になっています。それは、特殊勤務手当分を除く賃金が福島県の最低賃金程度に抑え込まれているからなんです。国直轄の積算単価、これ二万五千円と比較して一万円近くも違ってくるのは、これは工事単価が不当に高いからなのか、元請や下請が中抜きしているからなのか、これどちらというふうに見ておられますか、環境省は。
  131. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 重ねてでございますが、まず、元請事業者に対しまして、きちんと特殊勤務手当を払うのはもちろん、法令に遵守してしっかりやること、また、労働者に対して労働条件、諸手当も含めてしっかり示して、それで契約を結んでやるようにと、こういう指導をしているところでございます。また、共通仕様書なども改正をいたしまして、きっちりそういった位置付けも明示しております。また、労働者からの相談窓口も設けて、いろんな労働者からの声についてもしっかり耳を傾けてやっているということでございます。  今の状況については、労働市場の実勢がどうかということも見ながら考えていると、そういう状況でございます。
  132. 市田忠義

    ○市田忠義君 指導しているとおっしゃったけど、指導が余りされていないんです。  福島の労働相談センターに入った相談によりますと、国直轄事業で、寮費無料、賃金一日一万一千円と、こう書かれた広告を見て二次下請の会社に入った。危険手当一万円をもらえるんじゃないですかと会社に聞いたら、一万円プラス賃金六千円から寮費、食費を五千円引くと、そう言ってきた。一次の会社からは、うちに来れば一万六千円払うと言われた。二次の社長が五千円ピンはねしていることは明らかじゃないかと報告されています。一万円近くも違っているのは、元請や一次、二次下請が中抜きをしているという証明だと私は思うんです。  国直轄除染地域の市町村ごとの請負企業名と予算額一覧を皆さんのお手元に資料として配りました。この提出資料を見ますと分かりますように、これまでの契約金額の合計は三千六百十一億三千百三十二万円。これだけの巨額、巨費が除染事業に投入されています。  その中で、私、最大の疑問を持ったのは、世帯数四百六十一戸の葛尾村に五百十八億七千万円が投じられています。契約した奥村、西松、大豊のJVの工期は、二〇一三年三月十九日から二〇一四年三月二十八日、間もなくですね、までとなっていますが、現在の葛尾村での実施率どうなっているか、環境省、お答えください。
  133. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 葛尾村におきましては、同意取得がほぼ終了しております。  事業の発注率、これは市町村の除染対象の面積に対する契約済みの面積という意味でございますが、これが宅地、農地、森林、道路とも一〇〇%でございます。  実施率、そのうち除染行為が終了したもの、面積ということでございますが、宅地で五九%、農地で〇・一%、森林で九九%、道路で一%というような進捗状況でございます。
  134. 市田忠義

    ○市田忠義君 これ宅地は五九%で六割近い、農地〇・一、道路一%、なぜこれだけ遅れているんですか、これだけの巨額を投じて。これ二〇一四年の三月二十八日までですね、工期は。間もなく終わるんですよ。これだけの進捗状況というのはどうしてですか。なぜこういうことが起こる。
  135. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) これは、地元の村とどういう優先順位でやるのかということ、それから仮置場が現実にどういう形で調達できたかと、こういうことによって各市町村ごとに差がございます。  葛尾の場合には、やはり森林それから農地が多い土地柄でございます。ただ、農地の場合には、土を剥ぎ取っていくと、そういう作業を伴いますので、そういう意味で作業に時間を要しているということでございます。森林については、大変森林部分について重要視されているところでございますので優先的に進んできたと、そういう経過でございます。
  136. 市田忠義

    ○市田忠義君 仮置場なども例に挙げられましたけれども、奥村、西松、大豊のJVが作成した新規入場時教育用資料によりますと、葛尾村除染等工事の通常の賃金が福島県の最低賃金以上、特殊勤務手当が一人当たり一万円と明記されています。具体的な事例として、その下請の企業ですけれども、企業名は挙げませんが、同地域でのある会社のある労働者の労働条件通知書には、基本賃金で日給六千円、除染手当一万円と書かれています。また、同じ地域で別の建設会社のある労働者の雇入れ通知書を読みましても、日当六千円、危険手当一万円、ホール・ボディー・カウンター検査費三千六百円、宿舎費控除三千五百円と明記されている。もうこれらを見ますと、JVが作成した教育用資料に明記された賃金と全く符合するわけです。  JVは、国直轄の除染事業の積算用単価として一日二万五千円の労賃で受注しながら、実際の除染現場では一万六千円程度の賃金支払を指示していることになる。これは私は、発注者である環境省、こうした事態を放置しちゃならないと思うんですけれども、これは事務方じゃなくて大臣、以前にも私指摘したわけで、こんなことが今も続いているという問題についてやっぱり思い切って是正を図る必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。
  137. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) ちょっと今やっている作業につきまして、作業あるいは事務方の認識についてまずお答えをさせていただきます。  除染の労働市場、また実勢がどうかというのは、新しくできた分野でなかなか分かりにくい部分がございます。そういう中で、人件費もあれば、いろんな意味の事業の歩掛かりもございます。こういったものも総合的に見ていく必要があるだろうということで、そういうものを精査する中で考えていきたいというふうに考えているところでございます。
  138. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 個々の案件についてということよりも、総論としてお答えをさせていただきますけれども、やはり、委員の御指摘のとおり、元請事業者がその責任を果たすということは当然のことでございます。これは一省でできる話でもございません。厚労省の皆さんを始めとする関係省庁と、御指摘のような事案が個々に発生することのないように指導監督を強化してまいらねばならない、そういう問題であると認識をしております。
  139. 市田忠義

    ○市田忠義君 労働相談センターに入った相談によりますと、国直轄の葛尾村で、同僚が一次下請の責任者から暴行を受けました。で、JVに対処を求めたら、被害者宅に一次下請の責任者がやってきて、自分でけがをしたと言えと、JVには何もなかったと報告しろと、こう言ってきたと。この件がJVに分かれば二次下請の会社そのものが撤退させられると、そう言われて、JVにこの事実を否定したと、こういう報告もあります。  すなわち、私は、国の危険手当、特殊勤務手当の中抜きの横行がやっぱり過酷な除染現場の作業を敬遠する傾向を助長して、国直轄除染の一層の遅れにつながると。除染の遅れが、仮置場の問題や中間処理施設の問題、同時に人手不足というのをたしか挙げておられますね、環境省の資料によりましても。なぜ人手不足が多いかというと、こんなひどい働かせ方をすれば、元々危険な労働現場であるわけで、そこへかき集められて、しかもきちんとした労働条件も明記しないで、明記した場合でもごまかしのやり方でやれば人が集まらなくなると。特に、これから東京オリンピックで東京に公共事業が集中すると、ますますこういうところの除染事業に集まる労働者が少なくなると。それで除染が遅れて町の復興の遅れにもつながるから、私、こういう問題、単に労働条件の問題だけじゃなくて、復興の促進という点から見てもやっぱり重大な問題だというふうに思うんです。  除染の労働環境がこういう過酷な状況の下で、除染事業は現に大変遅れている。先ほど私、葛尾村の話をしましたが、特に特別地域内の飯舘村ですね、七百五十九億九千二百七十万円、川俣町では四百六億六千五百八十八万円の資金が投入されている。これらの町村の実施率はどうなっているか。ちょっと時間がありませんので、進捗率のパーセントだけお答えください。
  140. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 飯舘村、川俣町、それぞれでございますが、同意が八割終了、実施率は宅地で九%、農地四%、森林五%、道路〇・九%、これは発注は全体行っているんでございますが、そんな状況でございます。また、川俣町も発注率同様でございますが、宅地が一七%、農地で五%、森林一四%、道路は〇・三%が実施済みということでございます。
  141. 市田忠義

    ○市田忠義君 非常に遅い進捗率なんです。このうち、飯舘村の「いいたて までいな復興計画」というのを読みますと、二〇一三年四月段階に、二〇一三年度で村全域の宅地及び農地の除染を達成する計画になっていた。そこで、帰村の見通しを、二〇一四年秋から一五年春頃に避難指示解除準備区域四行政区、居住制限区域十五行政区について避難区域解除及び帰村宣言を考えていたと。ところが、昨年十二月、除染実施計画の見直しが行われた。飯舘村の除染完了のめどが、宅地及びその近隣の農地、森林について二〇一四年度内の完了を目指す、残りについては二〇一六年度内に延長になったと。  この計画の見直しについては、もう時間なので、事実か事実でないか、そういう見直しをやったということは間違いありませんね。
  142. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) これは町とよく御相談をしまして、帰還に余り影響を与えないようにということで、住宅を優先して二〇一四年度、目標としては二〇一四年内を目標にやろう、それから、その他の地域については二〇一六年度内、これもなるべく前倒しでやろうと、こういう計画に見直したところでございます。
  143. 市田忠義

    ○市田忠義君 時間になりましたので終わりますが、やっぱり過酷な現場作業員が報われない限り除染の加速はないと、やっぱり監督官が直接現場に入って違反の事態や暴力団の入り込みを厳しく指導を徹底していくと、国が発注者責任をきちんと果たすことが必要だということを改めて指摘して、終わります。
  144. 清水貴之

    清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。よろしくお願いいたします。  今、市田委員もずっと質問をされておりましたが、私も同じ視点から、除染の事業そして除染の労働者の問題、お聞きしていきたいと思います。  といいますのも、今日は環境省予算委嘱審査ということで、この除染にはやはり多額の予算が使われているわけですね。平成二十六年度、この当初予算ですけれども、除染に必要な予算としては二千五百八十二億円計上されています。平成二十三年度から平成二十五年度当初予算までの間、除染に要する費用一兆二千八百七十五億円、昨年度の補正と、二十五年度の補正と二十六年度予算を合わせますと一兆六千二百六十億円、一兆六千億というもう大変な予算が注ぎ込まれているわけなんですけれども、やはりその除染のやり方などに問題がありましたらこの費用というのは幾らあっても足りません。どこまでこの予算が膨らんでいくのか、今後どれだけお金が掛かっていくのかも分かりません。そして、先ほど市田委員もありましたように、作業のやり方などに問題があったりしましたら今度は除染そのものが遅れてしまうということで、大変大きな問題だと思っております。ですから、この除染の実施状況そして労働の実態について私も質問をさせていただきたいと思います。  まず初めになんですが、不適正な除染、よく言われております手抜き除染の問題ですね、請け負った業者とか作業員一人一人がしっかりとやるべきことをやっていない、剥ぎ取った土をどこかもうちゃんと捨てなければいけないのに適当なところに放り投げてしまうとか、そういった問題なんですけれども。  環境省は、昨年一月十八日に策定しました除染適正化プログラムで除染事業者の施工責任の徹底など再発防止策を盛り込んでいます。その例としましては、下請事業者が指名停止処分に相当する不適正な行為を行った場合、政府全体で指名停止とするほか、抜き打ち的検査である確認調査や第三者による事後モニタリングを実施するということになっています。  現在のこの調査の状況、結果、教えていただけますでしょうか。
  145. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 適正な除染を実施するということは、大変、進捗の加速化とともに非常に重要な課題だと考えているところであります。  昨年一月の除染適正化プログラムに基づきまして、大きくは事業者にしっかり責任を果たしてもらうという観点で、事業者の指導徹底、それから横の連携、そういったことをやっております。それから、環境省が各省とも連携をし、また地元の自治体とも連携をして監督をしっかりやっていくと、こういうこともやっておりますし、労働者の皆様方からの一一〇番、いろんな御指摘も受け止めて逐次それは確認をしているところでございます。  そういう中で、この一年弱の間の通報件数としては三十五件ございました。今現在、判明している情報からは不適正除染というようなものに当たるものは出てきておりません。しかしながら、引き続きこういった適正化に向けての取組はしっかり進めてまいりたいと思いますし、また有識者からの適正化委員会というものにも逐次御相談をしております。こういうところとも連携をしてしっかり施行してまいりたいと考えているところであります。
  146. 清水貴之

    清水貴之君 今ありました年間で三十五件ということで、こうやって見ていきますと、いろいろと通報がありまして、それに対して対応されて、不適正なものはなかったという判断でいらっしゃると思うんですけれども、その感覚としてはどうなんでしょうか。  本当に、じゃ不適正なものはないと、全てがきちんと行われているからこのままでいいと思われているのか、いや、もしかしたらあるかもしれないという思いでしっかりともっとモニタリングをしていこうと、そういった思いなのか。この思い一つで大分やり方というのは変わってくると思うんですが、いかがでしょうか。
  147. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) これは、今そういう御報告をいたしまして、これは引き続きしっかりチェックを続けていきたいと思っております。これは、不断に緊張感を持って我々はしっかり監督していく立場にございますので、そういう目で見ていく、それから、我々だけではありませんで、地元の自治体にも共同して、あるいは時には抜き打ちで入っていただく、そういうこともやっております。また、情報を、いつどこでやるかというようなことをお知らせをしまして、だんだん一般の方の立入りもできるようになってきておりますので、いつ住民の方が御覧になるかも分からないというような一つの緊張感の下でやるということも重要でございまして、これは地元の信頼を得て、それが事業の進捗にも関わると考えておりますので、これは引き続きしっかり気を引き締めてやっていきたいと考えているところでございます。
  148. 清水貴之

    清水貴之君 続いて、除染業者なんですが、先ほど市田委員からもありましたとおり、厚生労働省の福島労働局が発表しています除染事業者の監督指導の結果です。私も、これ繰り返させてください。大変もう驚く数字なんですね。  十二日に発表しました除染事業者に対する監督指導結果、これは昨年の下半期、七月から十二月実施分です。繰り返しになりますが、六百六十の事業者に対し監督指導しました。うち、四百四十六の事業者に何らかの労働基準関係法令違反があり、是正勧告をしたと。違反率は、昨年下半期六七・六%です。これ一年間で見てみますと、千四十七の事業者に対し監督指導を実施し、このうち法令違反あったのが七百九と、違反率六七・七。一年間トータルで六七・七、下半期だけで六七・六、もう全くパーセンテージ変わってないわけですね。前半もやっているでしょう、後半もやったわけですね。でも、この数字ずっと変わらず六七%です。三分の二の業者に何らかの問題があると。  問題の中身もいろいろあるのはそれは分かりますけれども、でも、何らかのやはり問題がある業者、三分の二です。この数字、どう捉えていますか。
  149. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 全くここに表れているように、不断にしっかり見ていく必要があるということだと思います。  やはり基本は、元請事業者が責任を持ってやっている、責任施工ということでございますので、そこが厳しい気持ちを持ってやるということが重要でございます。我々もふだんからそこは督励をしておりますし、それから多様な地域でいろんな方が入ってこられる、それをどうやって監督していくかという問題でございます。そこについては、各JVもいろんな工夫を凝らしておりますので、そういう横の連携、それから自治体とか第三者からの厳しい指摘を受けるというようなこと、こういったことをもろもろ動員をしてやっていく必要があるというふうに考えているところでございます。
  150. 清水貴之

    清水貴之君 除染というのは緊急を要する作業ですから、もうどんどん進めていかなければいけないのも分かります。ただ、もう三年がたっているわけですね。三年もたっていて、いまだにこういった問題のある業者がたくさん入り込んでいると。今おっしゃったとおり、環境省一つ一つの業者を見ていくのは、これは難しい作業だと思います。ですから、ある程度元請にぽっと任せるというのはまあまあ当然かなとも思うんですけれども、でも一方で、やはりどんな業者が入っていてきちんと作業しているか、それを監督する、これだけの一兆円、二兆円というお金をもう間もなくつぎ込もうとしているわけですから、その責任は大変強くあると思うんですね。  実際に、これまで労働者を雇用したことがないような事業者まで次々と除染事業に参入してきているわけなんです。実際調べてみますと、その業者の中には電話番号がちゃんとつながらなかったりホームページも持っていなかったりとか、本当にあるのかないのか分からないような、そういった業者もたくさん入り込んできているわけなんですね。会社登記すらない零細企業というのも多々あるというふうに聞いています。そんな状態、確かに元請がとおっしゃるのは分からなくもないんですが、じゃそれでいいのかとも思うんです。その辺り、いかがでしょうか。
  151. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 重ねての御答弁になりますが、やはり元請が、責任施工ということである以上はしっかり責任感を持って下請に至るまで目を及ぼし、それから人の教育までも含めまして行き届かせると、それが非常に重要なことだというふうに考えております。  そのためにはいろんな工夫がございます。いかに労働者にやる気を持ってやってもらうのか。そういう中には、なるべく地元の方の雇用に努めるというようなことも含めまして、全体の士気を高め、除染というのは何か物を構築していくというよりは、ある意味、見えない放射線を取り除くというようなものでございます。そういうものをどうやってしっかり自覚を持ってやってもらうかという、これはいろんな知恵が出てきておりまして、最近いろんな情報交換をしましても、それぞれの工夫をしております。これをなるべく、まあ水平展開といいますか、横の展開もいたしまして、下までそういう意識をしっかり植え付けてもらうと。前提となる安全教育ですとか全体の教育でございますね、そういうものはもう大前提として必要なことだと、そういうふうに考えております。
  152. 清水貴之

    清水貴之君 除染というのは、やはり公共事業なわけですね、もう大規模な公共事業なわけです。やはりそこには税金が投入されているわけですから、その使い道はしっかりと見ていっていただきたいと。  昨年の上半期と下半期でこの問題の業者の数字も変わっていないわけですから、必ずこれはもう下げていただくと。国民の皆さんにやっぱりそういった、おかしな業者は入ってきていないんだと、除染はちゃんと進んでいるんだと、ですから皆さんのお金をそれだけしっかりと預かって除染、福島のために使っていくんだよということを示すためにも、この数字は下げるべきだと思います。それを是非お約束いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  153. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 不適正な形で、法令違反はもちろんでございますし、契約違反も含め不適正なものはやらないのは当然でございます。そういうものがないように全力を挙げてやっていくということだと思いますし、それが信頼感を地元で得て事業が進んでいくということにもつながると、そういう気持ちでやってまいりたいと思っております。
  154. 清水貴之

    清水貴之君 続いて、同じ除染なんですけれども、派遣ビジネスの件についてもお聞きしたいと思います。  やはり、これも市田委員からもありましたが、反社会的勢力も入り込んできているということなんです。派遣が一つ、除染はもうかるなんて話もありまして、反社会的勢力がその除染に群がるといいますか、巣くうといいますか、そういった状況になってきているわけですね。  実際にもう、昨年、これ三月ですが、除染の作業をめぐりまして、山形地裁、住吉会系の暴力団の元幹部に対し、労働者派遣法違反、無許可派遣の罪で執行猶予付きの有罪判決が出ているわけです。ですから、もう事実としてこれはあるわけですね。この被疑者はもう、除染は日当が高くもうかると思った、こういって供述をしているわけなんですね。去年の十一月にも、山口組系暴力団幹部とその家族らが警察に逮捕されています。  こういったうわさはもうたくさん流れていたりとか週刊誌に書かれていたりとかするんですが、こうやってもう裁判になって判決まで出ているんです。ということは、そういった事実があるのはこれは間違いないわけですね。この辺りについてはいかがですか。
  155. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) いわゆる暴力団などが入ってこないかというような指摘、つとにあるところでございます。この辺につきましては、警察当局と連携を取り、情報交換をしてやっていくということが肝要だと思っておりますし、また地元の自治体などともふだんから情報交換、連携をして進めるということ、これは当然のことでございますが、引き続き励行していきたいというふうに考えております。
  156. 清水貴之

    清水貴之君 その一方で、それはもう本当にしっかりとやっていただきたいと思うんですけれども、予算が逆に使われていない部分もあるわけなんですね。予算措置、平成二十三年度、二十四年度で七千八百九十七億円されていますが、執行額は四千六百九十三億円に逆にとどまってしまっているわけなんです。ですから、どんどん使えばいいというものではないですよ、無駄なところに行ったらもちろんこれはいけないわけですし、きちんとした業者、作業員の方にきちんとお金が渡るようにしなければいけないと思うんですが、その一方で、予算措置をとりながら執行されていない、その分、除染というのは結果的に遅れていくわけなんですね。その分が、国は、原発周辺の直轄除染とは別に、県内三十六市町村が行う除染の費用を支払うため県が管理する基金に積み立てているわけですけれども、そのまた基金も積み上がってきている、また更にそこの基金に予算を計上してお金入れようとしていたりするわけです。  この予算、これだけ高く計上されておきながら執行が滞っている、これについてお願いします。
  157. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 除染の予算につきましては、御審議の上、しっかり予算を付けていただいておりまして、これにしっかり応えていきたいと考えております。  二十三年度、かなりモデル的な事業から始まりましたところがございまして、基本的にかなり大きな、それから時間も要する事業でございますので、実際上、繰越しなども含めながら事業執行に努めているところでございますが、二十三年度、残念ながら余り執行率が上がらなかったというところがございます。  二十四年度以降は、そういうように計画的に、二年計画、三年計画ございますので、繰越措置なども含めながら、しっかり執行率を上げていきたいと考えております。これについては引き続き励行してまいります。  それから、市町村の除染につきましては、特に福島県の事業につきましては、県の基金に必要額を入れまして、これを県から配分をいただいていると、そういう仕組みでございます。これについては県とよく連携を取りながら、事業の進捗が滞らないためには幾らぐらいが必要かというようなことをかなり緊密に連携をして必要額を投入しているというところでございます。  ここら辺の執行状況のウオッチにつきましては、県と私どももしっかり連携して目配りをしていきたいと考えております。
  158. 清水貴之

    清水貴之君 滞っている原因なんですけれども、それがはっきりしないとこれは改善されないと思うんですけれども、原因は今どこにあると考えていらっしゃいますか。
  159. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 計画と事業執行がなぜ当初計画予定どおりいかなかったというところからいろんな分析をしているところでございます。元々、スタートの段階では除染に着手するのに非常に時間を要した部分がございます。これは、除染の計画策定ということもございますが、地域の、区域の見直しとか、これは賠償問題も絡んでまいりますが、そういうことの整理がないとなかなか除染計画ができなかったと。そういうことで、除染計画策定自体が随分ばらつきがあったというようなことがございます。  それから、除染の作業に着手する前にはやはり仮置場をしっかり確保して、行き場がないという状態がない状態で進めたいということでございますが、これがなかなか地元の御理解を得るのが、比較的進んだ地域もあればなかなかそういかなかったところもあると。  それから、あと力作業としては、それぞれ個人の庭とか家に手を付けてまいりますので、同意をしっかり取り付けると。これはかなりしっかりした形で、避難されている方についてもそういったものをやっていくというようなところが時間を要したところがございますが、ちょっとさっきも一部を御報告いたしましたが、ちょっとまだ地域のばらつきがございますが、仮置場の進捗それから同意の取り付けにつきましても大分数字が上がってきておりますので、ここから加速化してしっかり進めていきたいと考えております。
  160. 清水貴之

    清水貴之君 その除染に関して、若干これは細かい話になってしまうんですけれども、これ今年の一月に読売新聞が報じているものでして、福島県が発注した除染事業、下請業者が除染費用のおよそ一千万円、これを住民に直接請求していたということが起きているんですね。一千万円は本当だったら環境省に請求するものを、直接住民に、二十世帯に請求していたと。これ、なぜこんなことが起きたかといいますと、除染は郡山市の元請業者が昨年七月、およそ一億円でこれ受注したものです。作業を担当した福島市の下請業者が、元請業者からの支払がこれ滞ってしまったということなんですね。ですから、元請から入ってこないから、だったら住民に直接請求しようじゃないかということで、払ってくれという文書を住民の皆さんに配ったと。  結局、支払った方はいないので、被害にはならなかったんですが、除染で、放射能で汚染されて一次被害があって、また除染の中でもこうやってトラブルが起きてしまったら、これはもう住民の方にとっては大変大きな心労だと思いますので、まずこの事実、把握していらっしゃいますか。そして、どう考えていらっしゃいますか。
  161. 小林正明

    政府参考人(小林正明君) 今ちょっと手元に細かいものございませんが、その報道があったことは承知をしております。要は事業者間の連携というか関係がうまくなかったということが住民の方あるいは地元自治体にもそういうような影響を与えかねないということだったということで承知しております。  これにつきましては、環境省としても、しっかり法的な検討もした上で、自治体にも我々の見解も伝え、自治体ですとかあるいは住民の皆様方に不安を生じないようにというような措置を講じたところでございます。
  162. 清水貴之

    清水貴之君 大臣にも是非お聞きしたいんですけれども、この除染で様々なこうやってやはりいろいろと問題が起きている、でも除染をしっかりと進めていかないといけない、その思いを強くお持ちでいらっしゃると思います。改めて、大臣のこの除染に対する思いをお聞かせいただけますか。
  163. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) ただいまの清水委員と政府委員の御議論、また御同僚の市田議員との御議論を通じて、総じて言えますことは、各論につきましては御答弁は御容赦願いたいと思うのでございますが、やはり信頼性の確保ということが一番重要でございますし、ただいま委員が後段に御質疑をされた個々の事案については聞かせていただく限りは詐欺まがいな行為ではないか、もちろんこれは詳細を存じておりませんので感想としか申すことができないんですけれども、そういうことのないように質の高いものをつくっていくという気持ちを絶えず発注側の環境省、また元請側にもいろいろな通達等々は出させていただいておりますけれども、当委員会の審議を通じてこのような御意見が出たということを踏まえて行動するように、原局にまた指示を出させていただきたいと考えております。
  164. 清水貴之

    清水貴之君 繰り返しになりますけれども、もうこれまでに一兆六千億という予算が計上されている事業です。これは本当に公共事業なんです。もう税金を使って行っている事業ですので、本当に無駄のないように、で、無駄がないということは除染も進むことにつながっていくと思いますので、もう本当にしっかりと監視をしながら、ウオッチをしながら進めていただきたいと思います。  もう一つお聞きしたいんですが、鳥獣保護法の改正案です。今国会に間もなく提出されるんだと思うので、法案の中身についてはまたこの委員会でいろいろと審議を進めていければなと思うんですけれども、今、我々日本維新の会のこの環境委員のメンバーでも、衆議院ともいろいろと議論をしているんですけれども、基本的なところを大臣の考えをお聞かせいただきたいなと思っておりまして。  今、鹿やイノシシの被害というのが大変増えている。これも農作物に対する被害というのも増えているというのも大変これよく分かります。ですから、午前、中西委員からの質問もありましたけれども、管理するということである程度頭数を減らしていく考えだということなんですが、その一方で、じゃ増えてしまったから、ただただ減らす方向に向かっていいのかと。環境省環境委員会ですから、やはり自然との共生というのも考えていかなければならないんじゃないかと。  今度の改正案では、狩猟できる時間を夜中もどうするとか、猟銃を持てる範囲を広げるとか、なかなか難しい部分も入っているなというふうに感じておりまして、すんなりと、我々維新の会の今の環境メンバーで話している感じですと、賛否が非常に分かれているんですね。ですから、今後議論を深めていくに当たっての基本的な概念というのをお聞かせいただきたいんですけれども、この鳥獣の管理と、一方で自然環境の保存、この両立、この辺りについての大臣の所見をお願いいたします。
  165. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) 星野局長、簡潔に。その後、大臣
  166. 星野一昭

    政府参考人(星野一昭君) 鳥獣の保護というのは科学的な観点に基づいてしっかりやっていく必要があると思います。たくさん増えて、農林水産業への被害、自然生態系への被害ということもございます。全国二十か所の国立公園で大きな被害が出ていると。科学的な観点でしっかりと詰めながら、増え過ぎたものを一定の水準に落としていく、これも自然を守る上で、さらに農林水産業の被害を軽減していく上で、生活環境を守る上で重要なことでございます。一方、減り過ぎたものについては、しっかりとした対策を取って一定の水準に戻す。人と生き物と、人と自然との間の折り合いをうまく付けていく。根っこは科学的な観点でしっかり取り組むということが大事だと思っています。  今回の法律改正の中でも、そういった考え方をしっかり入れて取り組んでいくというのが考え方でございます。  取りあえず、事務方からはそんな答えをさせていただきます。
  167. 石原伸晃

    国務大臣石原伸晃君) 清水委員が後段言われたところが、実はこれから人類と自然との共存の中で一番私も重要な観点だと思ってきております。  そんな中で、二週間ほど前、星野局長と一緒にこの一番管理がうまくいっていると言われる知床に行ってきたんですけれども、そちらでも、私どもが見てもまだエゾシカ等々がかなり多く繁殖して、実はのり面の木の幹を食べてしまうことによってのり面が崩れる交通遮断みたいなことも起こっていて、この交通の確保観点から何とかしていただきたいというような陳情もいただきました。  そこで重要になってくるのは、この管理するという概念を新たに入れていくわけですけれども、管理と保護のバランスをどう保っていくか。これまでは生態系が自然の環境の中でバランスを保ってきた。私、質問をさせていただいたんですけれども、やはり鹿が、エゾシカ、大きな鹿ですけれども、大雪等々が降ることによって淘汰されてきたというようなお話を地元の方からお聞かせ願いました。こんなところにも温暖化の影響が出ている。そうであるならば、人為的につくられたこの温暖化の中で、くどいようですけれども、管理と保護、このバランスをこの委員会で御議論をいただいて良い結果を出してまいりたい、こんなふうに考えております。
  168. 清水貴之

    清水貴之君 質問を終わります。ありがとうございました。
  169. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) 以上をもちまして、平成二十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総務省所管のうち公害等調整委員会及び環境省所管についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  170. 佐藤信秋

    委員長佐藤信秋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時十五分散会