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2014-05-13 第186回国会 参議院 外交防衛委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十六年五月十三日(火曜日)    午前十時六分開会     ─────────────    委員異動  四月二十三日     辞任         補欠選任      小坂 憲次君     水落 敏栄君      滝沢  求君     宇都 隆史君      三宅 伸吾君     島尻安伊子君      河野 義博君     山口那津男君  四月二十四日     辞任         補欠選任      水落 敏栄君     小坂 憲次君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         末松 信介君     理 事                 佐藤 正久君                 松山 政司君                 三木  亨君                 福山 哲郎君                 石川 博崇君     委 員                 宇都 隆史君                 岡田 直樹君                 小坂 憲次君                 島尻安伊子君                 牧野たかお君                 脇  雅史君                 北澤 俊美君                 白  眞勲君                 藤田 幸久君                 牧山ひろえ君                 山口那津男君               アントニオ猪木君                 小野 次郎君                 中西 健治君                 井上 哲士君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君        防衛大臣     小野寺五典君    内閣官房長官        内閣官房長官  世耕 弘成君    副大臣        内閣府副大臣   西村 康稔君        法務副大臣    奥野 信亮君        外務大臣    岸  信夫君    政府特別補佐人        内閣法制局長官  小松 一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        宇佐美正行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       武藤 義哉君        内閣法制局第一        部長       近藤 正春君        内閣大臣官房        審議官      麻田千穗子君        内閣府賞勲局長  黒羽 亮輔君        総務大臣官房審        議官       山崎 重孝君        法務大臣官房審        議官       萩本  修君        外務大臣官房審        議官       新美  潤君        外務大臣官房審        議官       金杉 憲治君        外務大臣官房審        議官       長谷川浩一君        外務大臣官房審        議官       和田 充広君        外務省北米局長  冨田 浩司君        外務省国際法局        長        石井 正文君        外務省領事局長  三好 真理君        厚生労働大臣官        房審議官     鈴木 俊彦君        国土交通大臣官        房技術審議官   坂下 広朗君        防衛大臣官房長  黒江 哲郎君        防衛大臣官房審        議官       吉田 正一君        防衛省防衛政策        局長       徳地 秀士君        防衛省人事教育        局長       豊田  硬君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (安全保障法的基盤の再構築に関する懇談会  の報告書提出後の対応に関する件)  (自衛隊員に対する叙勲に関する件)  (南シナ海での中越船舶衝突事案に関する件)  (海上自衛隊護衛艦乗組員自殺事案に関する  件)  (在日朝鮮総連中央本部の土地・建物の売却許  可に関する件)  (アジア諸国との船舶安全に関する地域協力に  関する件)  (オバマ米大統領アジア歴訪に関する件)  (集団的自衛権に関する件)  (諸外国との防衛装備協力に関する件) ○南インド洋漁業協定締結について承認を求め  るの件(内閣提出衆議院送付) ○二千四年の船舶バラスト水及び沈殿物の規制  及び管理のための国際条約締結について承認  を求めるの件(内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 末松信介

    委員長末松信介君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、河野義博君、滝沢求君及び三宅伸吾君が委員辞任され、その補欠として山口那津男君、宇都隆史君及び島尻安伊子君が選任されました。     ─────────────
  3. 末松信介

    委員長末松信介君) この際、外務大臣及び防衛大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。岸田外務大臣
  4. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 四月二十三日から二十五日まで、オバマ米大統領が国賓として訪日をしました。その後、私は、四月二十九日から五月七日にかけてデンマークカメルーン及びフランス訪問しました。  その主な成果を御報告いたします。  日米首脳会談では、幅広い課題について率直な意見交換が行われ、両首脳日米同盟の力強さを確認し、共同声明を発出したことは非常に有意義でした。  まず、両首脳は、日本積極的平和主義米国アジア太平洋重視政策を共に地域の平和と安定に資するものとして相互に評価、歓迎し、平和で繁栄するアジア太平洋を確実にするための日米同盟主導的役割を確認しました。  また、両首脳は、ガイドライン見直しを始め、幅広い安保防衛協力推進を確認しました。また、在沖縄海兵隊グアム移転普天間飛行場の移設を含む在日米軍再編に着実に取り組む互いの決意を改めて確認し合いました。さらに、安倍総理からは、普天間飛行場の五年以内の運用停止を始めとする沖縄負担軽減に関する仲井眞知事からの要望についても説明し、沖縄負担軽減について米国の引き続きの協力を求めました。  TPPに関し、両首脳は、TPPは戦略的に重要であるとの認識で完全に一致し、甘利経済再生担当大臣フローマン通商代表との間での交渉の結果、合意には至っていないものの、前進する道筋が特定されました。  人的交流の一層の強化でも両首脳間で一致し、安倍総理からは、今年度、日本学生生徒六千人を米国派遣することをお伝えしました。  ウクライナ情勢に関しては、力を背景とする現状変更は許されないことを確認しました。ウクライナの安定に向け、引き続き日米やG7で連携し、またウクライナ支援していくことの重要性でも一致しました。  北朝鮮問題に関しては、引き続き日米韓三か国の連携が重要であることを確認しました。また、安倍総理から拉致問題解決に向けた引き続きの理解協力要請し、オバマ大統領からは支持表明がありました。  中国に関しては、法の支配による自由で開かれたアジア太平洋地域を維持し、そこに中国を関与させていくために連携していくこと、力による現状変更動きに明確に反対すべきことで両首脳一致しました。オバマ大統領からは、日本施政下にある領土は日米安全保障条約第五条の適用対象であり、尖閣諸島もそれに含まれる旨述べました。  今後とも日米協力し、アジア太平洋地域の平和と繁栄に積極的に貢献していく考えです。  また、私は、日本外務大臣として二十九年ぶりデンマーク訪問し、女王陛下皇太子殿下表敬し、首相外相、貿易・開発相会談しました。デンマーク側とは、成長とイノベーションのための戦略的パートナーシップ具体化に向け、様々な分野連携強化することで一致しました。また、日EU・EPAの早期締結重要性についても一致しました。さらに、史上初の日・デンマーク・グリーンランド三者会談開催し、北極や捕鯨などについて意思疎通を深めていくことで一致しました。  その後、日本外務大臣として初めてカメルーン訪問し、アフリカ五十二か国から三十四名の外相閣僚出席を得て、第一回TICAD閣僚会合共同議長を務めました。  私からは、昨年一年間で今後五年分の四分の一に当たる支援を既に行ったことを報告し、多くの国から謝意が示されるなど、我が国の対アフリカ外交及びTICADプロセス信頼性に大きく資するものとなりました。また、ポスト二〇一五年開発アジェンダ、女性と若者の能力強化、農業の三つのテーマについて議論を行い、積極的平和主義の実践として、アフリカの発展と平和の定着に引き続き貢献する姿勢を力強く示すことができました。  また、ビヤ・カメルーン大統領表敬同国首相及び外相との会談南スーダン情勢に関する関係国閣僚会合のほか、各国外相との二国間会談を精力的に行いました。  その後、フランスに移動し、我が国OECD加盟五十周年に当たり、三十六年ぶり日本OECD閣僚理事会議長国を務めました。  安倍総理基調演説を行い、今後の成長戦略等について力強いメッセージを発信し、OECD東南アジア地域プログラム立ち上げ式典等東南アジアから七名の閣僚出席を得て開催されました。  閣僚理事会では、しなやかで強靱な経済包摂的社会、そしてOECD東南アジア関係強化を二本の柱として活発に議論が行われ、私と甘利経済財政担当大臣茂木経済産業大臣議長を務めたほか、林農林水産大臣出席をいたしました。  今回の閣僚理事会は、日本存在感国際社会に強く印象付ける良い機会となりました。  また、フランスでは、ファビウス外相会談を行い、ウクライナ情勢を始めとする国際情勢につき有意義な意見交換を行いました。  以上、御報告申し上げます。
  5. 末松信介

    委員長末松信介君) 岸田大臣、ありがとうございました。  小野寺防衛大臣
  6. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 四月二十六日から三十日にかけての豪州マレーシア訪問、五月六日から十一日にかけてのイタリア南スーダンジブチ訪問について御報告を申し上げます。  私は、四月二十六日から二十八日まで豪州訪問し、ジョンストン国防大臣との会談及び基地視察を実施しました。  ジョンストン国防大臣との会談では、両国防衛政策について意見交換を行い、私から日本国内での集団的自衛権に関する議論状況について説明し、先方から支持したい旨発言がありました。また、四月七日の日豪首脳会談等での議論も踏まえ、共同訓練装備技術協力等日豪防衛協力を更に強化するための方策について意見交換を行いました。地域情勢についても意見交換を行い、力を背景とする一方的な現状変更は認められず、国際法に基づき対話により解決すべきとの認識を共有しました。さらに、マレーシア国際緊急援助隊の受入れに係る豪州支援に対して謝意を伝えました。  その後、スターリング海軍基地及びピアース空軍基地視察しました。特に、ピアース空軍基地では、マレーシア国際緊急援助活動に参加している自衛隊部隊の労をねぎらい、豪州軍関係者からは自衛隊部隊協力に対し感謝の言葉がありました。  四月二十八日から二十九日にはマレーシア訪問し、日マレーシア防衛相会談ナジブ首相への表敬及び基地視察を実施しました。  日マレーシア防衛相会談では、海洋安全保障分野における協力強化防衛交流の覚書の早期署名に向けて努力をすることで一致しました。また、我が国防衛政策及び防衛装備移転原則について私から説明し、ヒシャムディン国防大臣から我が国安全保障に関する取組に対し理解支持をいただきました。また、東シナ海や南シナ海情勢についても意見交換を行い、力を背景とする一方的な現状変更が認められないとの認識を共有しました。  ナジブ首相への表敬では、マレーシア航空機消息不明事案についてマレーシア政府の真摯な対応及び懸命な捜索活動に敬意を表するとともに、防衛関係強化に向け尽力する旨お伝えをしました。ナジブ首相からは、マレーシア航空機捜索に係る自衛隊部隊の貢献に謝意が述べられました。また、日本国内での集団的自衛権に関する議論状況については十分に理解している旨発言がありました。  五月七日にはイタリア訪問し、ピノッティ国防大臣との会談を行いました。会談では、私から、日本国内での集団的自衛権に関する議論状況及び防衛装備移転原則について説明し、先方より、我が国安全保障に関する取組について理解支持が示されました。また、両国を取り巻く安全保障環境日イタリア防衛協力についても意見交換を行いました。  五月八日には南スーダン訪問し、国連南スーダン共和国ミッション派遣されている自衛隊施設部隊活動状況視察しました。私からは、厳しい環境の中で活動している隊員を激励するとともに、引き続き安全面に万全の配慮をして任務を遂行するよう指示をしました。  また、UNMISS及び南スーダン政府要人との会談を行いました。ジョンソンUNMISS事務総長特別代表との会談では、現在の南スーダン情勢対応するために当面は避難民支援中心活動を継続していく必要性について意見一致を見ました。先方からは、自衛隊活動に対する謝意表明があったほか、UNMISSの今後の活動について説明がありました。  マニャン国防大臣との会談及びキール大統領への表敬では、南スーダンにおける和平必要性同国国づくり両国協力していくことについての意見一致を見ました。先方からは、自衛隊活動に対する感謝期待表明がありました。  五月九日にはジブチ訪問し、ソマリア沖アデン湾において海賊対処行動を実施している派遣海賊対処行動水上部隊及び航空隊活動状況視察したほか、ハッサン国防大臣との会談を行いました。  ジブチにおいては、航空隊活動拠点ジブチ港に寄港していた水上部隊護衛艦視察しました。この視察においては、両部隊が多国籍の海賊対処部隊であるCTF151の中で活動することで、ソマリア沖アデン湾における海賊行為の抑止と民間船舶の航行の安全確保により一層効果的に貢献できるようになったことを確認できました。また、私からは、厳しい環境の中で整々と重要な任務に励んでいる隊員を激励するとともに、平和な海を守るという我が国が果たすべき重要な役割を担ってもらいたいと伝えました。  ハッサン国防大臣との会談では、自衛隊海賊対処行動を通じて我が国ジブチとの関係を更に進展させていくことについて意見一致を見ました。また、私から、水上部隊ジブチへの寄港や航空隊活動拠点運用について引き続き支援をしてもらいたい旨要請をし、先方からも理解を得られました。  また、米軍及びフランス軍司令官会談を行い、今後とも協力して活動を継続していく必要性について意見一致を見ました。  以上述べましたとおり、今回の訪問を通じて、我が国防衛政策について各国理解支持を得るとともに、防衛協力を一層促進していくことで一致をしました。また、我が国自衛隊部隊派遣がグローバルな安全保障環境改善に重要な役割を果たしていることを自ら確認することもできました。今後とも、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、国際社会の平和と安定のため、各国との関係強化に努めるとともに、国際平和協力活動等に積極的に取り組んでまいります。
  7. 末松信介

    委員長末松信介君) 防衛大臣、ありがとうございました。     ─────────────
  8. 末松信介

    委員長末松信介君) 次に、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官武藤義哉君外十八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 末松信介

    委員長末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  10. 末松信介

    委員長末松信介君) 外交防衛等に関する調査を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  11. 佐藤正久

    佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。  外務大臣防衛大臣におかれましては、今報告がありましたように、積極的な外交等を展開していただき本当にありがとうございます。  両大臣報告共通事項でありました南スーダン、これについてまずお伺いをしたいと思います。  岸田大臣は、カメルーンの方で開催されましたTICADⅤの閣僚会合機会を利用しまして、外務大臣が呼びかけまして、南スーダン関係する周辺国外務大臣、そして南スーダン外務大臣を集めていろんな意見交換を行い、その結果として、今回また南スーダンの中で停戦合意という動きの私は後押しにもなったと思います。  この会合成果についてもう少し詳しく説明願いたいと思います。
  12. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘のように、第一回TICAD閣僚会合機会を捉えまして、私は、ベンジャミン南スーダン外相及び近隣国閣僚級等との間で、この南スーダン情勢安定化に向けた会合、これを主催させていただきました。  同会合では、私の方から、情勢安定化に向けたアフリカ自身取組支援するという我が国考えを伝えるとともに、南スーダン及び近隣国努力を促させていただきました。そして、ベンジャミン外相からは、情勢安定化への決意が示されたほか、近隣国出席者からは、対話による解決に向け南スーダン当事者努力を後押しすることの重要性、この点で一致をし、事態解決への連携が確認をされた次第であります。  その後、九日、キール大統領と反政府側マシャール前副大統領により、二十四時間以内の敵対行為停止等に関する合意が署名されました。今後とも、この合意の確実な履行、これを求めるとともに、南スーダンの全ての当事者が、同国人道状況改善、あるいは平和の定着、そして国民和解、安定的な国づくり、こうしたものに向けてしっかり努力することを我が国としましては期待をしたいと考えております。
  13. 佐藤正久

    佐藤正久君 ありがとうございます。  非常にタイミング的にぴったしのこの会合を主催していただいたと。本来、自衛隊隊員たち南スーダン派遣されているのは、本来は避難民対応ではなくて、まさに国づくり支援を目的として部隊を編成し、そういう任務大臣から与えられて行っているということを考えますと、やはり早くこの安定化に向ける外交努力というのも政府全体としてやらないといけない。非常にタイミングがいい会合を開いていただき、結果として停戦合意というものもできたと。ただ、それがいつまで続くか分からないという状況がありますので、引き続き外交努力、これをお願いしたいと思います。  また今回、防衛大臣は、初めて南スーダンの方に訪問してもらって、実際に自分肌感覚で雰囲気あるいは風、暑さというのを体験していただき、また向こうの要人とも意見交換をしてもらったと。これは、隊員の士気の高揚と同時に、やっぱり、指揮官現地の方の感覚を何となく分かると、非常に私は大事なことだと思っています。  非常に、今回の状況では、ヒルデ・ジョンソン特別代表と当面の方向性については一致をしたと報告があります。ただ、一致している間はいいんですが、一番難しいのは、これから避難民がどんどん自分の家に帰っていくというときに、国連として、じゃ避難民支援だけでなくて元のように国づくりに行くんだというような方向性が示されたときに、本当に日本部隊が外に出てやっていいのかどうか、そこはやっぱり判断が必要になると思うんですよね。まさにそういう面において、今回、意見交換は当面は避難民支援、でも次の段階として、じゃ任務が変わる、元に戻すときに、そこが国連日本隊が本当に一致できるかどうか、そこの観点からも今回の大臣訪問というのは非常に私は大事だったと思うんです。  今後の話として、じゃ、本来任務国づくり支援の方にまた再開をするというときの条件とかあるいは課題というものについて大臣はどのようにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
  14. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今、南スーダン和平についてのお話がありました。実は、五月八日、ちょうどキール大統領表敬をしたときに初めて、翌日、キール大統領と対立するマシャール氏とエチオピアで会談をするということを大統領から伝えられました。これが、初めてこの会談が行われるというときの状況について対外的に出たときであります。非常にタイミングが良かったと思っております。  今お話がありました国連UNMISSにおけます自衛隊部隊の現在の活動状況ですが、本当に現地自衛隊宿営地近隣近接、入口、門、そこに多くの避難民がテントのようなものを作り、そこで生活をする、大変、雨季になっていく中では、かなり病気を含めた心配な状況があるということが私どもも肌身で感じました。  自衛隊施設部隊は二週間で数万人規模の難民キャンプ造成を行い、これは、各国大変驚異の目で見るぐらいしっかり働いているという状況であります。今後とも、ヒルデ・ジョンソンからは、しっかりとした宿営地を、難民キャンプを造っていただきたいという要請がありました。今回、六次隊を今月末から派遣しますが、従前であれば東西のエクアトリアに拡大をして施設部隊を広げる方向で検討しておりましたが、国連からの要請もありまして、まず、現在の任務としては、避難民宿営地キャンプ造成を最優先としたいと思っております。  今後、今御指摘がありましたように、元の国づくり、特にインフラ整備道路整備、それをジュバ以外のところに広げるということにつきましては、これは治安状況、特に対立する部族間の和解、この状況を見ながら注意深く対応していきたいと思います。当面は、現在要請があります避難民に対してのキャンプ造成、これを中心活動させたいと思っております。
  15. 佐藤正久

    佐藤正久君 どうもありがとうございます。  住民の要求というのは結構移ろいやすくて、ずっと支援が止まっているといろんな要求国連の方にも来ると思います。そういう状況を見ながら、でも一番は、治安に関する情報をやっぱりしっかり我が国として見極めて、我が国判断活動をどうするんだという部分が基本だと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。  じゃ、次に、安保法制懇報告書、あるいはそれに伴う政府対応等について議論を進めていきたいと思います。  総理官房長官記者会見等で、今週中に安保法制懇、これを開いて最終的な報告書提出してもらって、それを受けて与党協議に資する政府基本的方向性、これを出すというふうに言われていますが、この認識で間違いないでしょうか。
  16. 武藤義哉

    政府参考人武藤義哉君) お答えいたします。  今朝の閣議後の記者会見菅官房長官から発表がなされまして、明後日、十五日の午後、安全保障法的基盤の再構築に関する懇談会第七回会合開催をされまして、懇談会委員の方々から安倍総理に対して報告書提出される予定でございます。また、その懇談会からの報告書提出を受けまして直ちに国家安全保障会議の四大臣会合開催をいたしまして、その上で、夕刻に記者会見において安倍総理政府としての検討の進め方についての基本的方向性をお示しをするという予定でございます。  政府としては、その上で、内閣法制局意見も踏まえつつ、与党とも相談の上、対応を検討していきます。仮に憲法解釈変更を行うこととなる場合には、閣議決定を行い、国会で議論をいただくということになります。
  17. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、明日、安保法制懇会議を開いて最終的な報告書を受けて……(発言する者あり)あさって十五日に受けて、その後にNSCを開いて基本的方向性を示すということだと今確認いたしました。  その基本的方向性というものについても、官房長官記者会見の方で、厳しい安保環境の中で、どのような形で国民の生命、財産、国の安全を守っていくのかを示した政府考え方というふうに言及し、まさに安保法制懇与党協議、これをつなぐものだという認識だというふうに言われていますが、これは間違いないでしょうか。
  18. 武藤義哉

    政府参考人武藤義哉君) 明後日の夕刻の、十五日夕刻の記者会見において安倍総理政府としての検討の進め方についての基本的方向性をお示しをするという予定でございますが、この基本的方向性の内容について現段階でそれ以上申し上げることは差し控えますけれども、御指摘のように、八日の定例記者会見官房長官が述べられましたように、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国の平和と安全を維持するためどのように考えるべきかという問題意識を踏まえたものになると思われます。  政府としては、その上で、内閣法制局意見も踏まえながら、与党とも相談の上で対応を検討していくということで、先ほども申し上げましたように、仮に憲法解釈変更を行う場合には、閣議決定を行って、国会で議論をいただくということになるかと思います。
  19. 佐藤正久

    佐藤正久君 ちょっと私、意外だったのは、正直申し上げまして、報告書が出て、それで数日やっぱり置いて、それから基本的方向性が出るのかと思ったら、同じ日に出るということは、要は、普通、多分出てくると言われているのは、集団的自衛権についてはこういう考え方、そしてグレーゾーンを含めた個別的自衛権、警察権、グレーゾーンについてはこういうもの、あるいは国際協力におけるPKOについての武器使用はこういうことと、いろんなのが多分報告書で出てくると思うんですよね。それを受けて政府与党協議をするときに、それぞれごとにこういう事例で検討してくださいというやつを作るのにやっぱり時間が掛かると思ったんですけれども、同じ日に出るというのはちょっと意外でした。  でも、やる以上はしっかり、NSCがせっかくできたわけですから、やっぱりそのNSCの場で、本当に与党、こういう形で与党内で協議をしてほしいということはしっかりやっぱり詰めて示していただきたい。これは自民、公明を含めて本当に与党で真面目にやりますから、そういう意味においては、しっかりとしたものをNSCの場で責任を持ってそこは示していただきたいと思います。いかがでしょうか。
  20. 武藤義哉

    政府参考人武藤義哉君) 先ほども申し上げましたように、報告書提出を受けて直ちに国家安全保障会議の四大臣会合開催をいたしまして、その上で、夕刻の記者会見安倍総理政府としての検討の進め方についての基本的方向性をお示しするという予定になってございます。
  21. 佐藤正久

    佐藤正久君 外務大臣、これはいろいろあるかもしれませんけれども、やっぱり非常に大事な基本的方向性だと思うんですよ。これは非常に、その基本的方向性については間違いなくこの委員会でも政府の方に考え方をやっぱり聞かないといけないと思います。  この四大臣会合、どのぐらい時間が掛かるか分かりませんけれども、やっぱりしっかり内容のあるものにしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
  22. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘基本的方向性については、たしか総理も会見等で、検討の進め方について考え方を示したいというコメントをされておられたと記憶しております。  是非、この基本的な方向性、これに基づいてまずは政府与党としての議論が行われるわけでありますし、そしてその後、政府としての方針が決定されて、国会での議論も行われるということでありますので、是非しっかりと外務大臣の立場から貢献したいと考えております。
  23. 佐藤正久

    佐藤正久君 この安保法制懇報告書は、あくまでもこれ総理の私的諮問機関ですから、やっぱり政府の方として、与党にこういう形で検討してほしいというのを政府が作らないといけない。それが多分基本的方向性だと思うんですよ。  だから、やっぱりこれNSCというものでしっかりそこを押さえて与党協議をやってください、その結果を受けて最終的には政府与党一体となってしっかりしたものができると思うんですけれども、さはさりながら、基本的方向性が余り薄っぺらいものだと、あくまでも報告書政府報告書ではありませんので、そこの部分はしっかり押さえてやっていただきたいと思いますけれども、防衛大臣、いかがでしょうか。
  24. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 委員の御指摘のように、今外務大臣からお話がありましたが、私どもとしてもしっかり対応していきたいと思います。
  25. 佐藤正久

    佐藤正久君 非常にしっかり我々やりたいと思いますので、しっかりしたものを基本的方向性で打ち出していただきたいと思います。  また、昨日の読売新聞の世論調査で、集団的自衛権に対する限定的容認論、これは自民党支持層で約七割を超えて、公明党や民主党支持層でも六割を超えたという何か調査結果が出ました。これに対しての外務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  26. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘の世論調査の結果につきましては、まず、集団的自衛権と憲法の関係につきまして国民の皆様方の中にあっても理解が進み、関心が高まっていることの一つの表れであると受け止めております。  今後、この問題につきましては、先ほども答弁させていただきましたように、安保法制懇の最終報告書が出て、そして与野党で議論をし、政府の方針を決定した後に、国会でもしっかりと議論していただかなければなりません。是非、丁寧な議論を行うことによって国民の皆様方の御理解が一層進むように、しっかり努力をしていかなければならないと感じております。
  27. 佐藤正久

    佐藤正久君 まさにそのとおりで、やっぱり国民にとっても大事な問題であり、関心も高い問題です。でも、なかなか、言葉の定義から、あるいはいろんな事態を、これは集団かあるいは個別かと、いろんなことが錯綜しますので、でも、ただ、この世論調査の結果を見ると、限定的という形の中で容認論というのはだんだん広まってきた、以前より理解が広まっているということについては、私は今までの議論の一つの成果ではないかなと思います。  さらに、この基本的方向性というものを受けて与党内でもしっかり議論をし、それをまた国民の方にも分かるような形で示しながらこの理解というものを更に深めていきたいというふうに私自身も思っております。どうぞよろしくお願いします。  では次に、自衛隊員への叙勲、これについて質問をさせていただきたいと思います。  今般策定されました防衛計画の大綱、その「人事教育」の項目に、「栄典・礼遇に関する施策を推進する。」とあります。防衛大綱の方で栄典という文字が入ったのは今回初めてです。それを受けてか、今般、竹河内元統幕議長が瑞宝大綬章を受章されました。元自衛官がこんな旧勲一等に当たるような大綬章、これを受章されたのは初代陸幕長が受けられた昭和五十二年以来で、三十七年ぶり、実に二人目と聞いています。  これは非常に、私は、いろんな面で、隊員の士気を上げるという意味でも非常に大きな今回成果ではなかったかと思いますが、防衛大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
  28. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) まず、大綱の中に今回「栄典・礼遇に関する施策」ということが入りましたが、これは当時、この大綱の策定の中で重要な役割を果たされました佐藤委員が御指摘をされた内容が十分盛り込まれている内容だと承知をしております。  今回の叙勲は個人の功績を総合的に評価して行われたというふうに承知をしておりますが、特に竹河内氏は、長年にわたる自衛官としての功績、特に統合幕僚議長としての顕著な功績が評価されたものであると承知をしております。  防衛省としましては、隊員が高い士気と誇りを持って任務を遂行するためには、栄典や礼遇に関する施策についても積極的に取り組んでいくことが重要であると考えております。防衛省としまして、自衛隊員の名誉や処遇に係る施策の充実に努めているところでありまして、今回の竹河内氏の瑞宝大綬章の受章はそのような観点からも非常に大きな意味があるものだと思っております。
  29. 佐藤正久

    佐藤正久君 非常に、これは極めて画期的で、実質的には多分、元自衛官が勲一等をこれまで受けたというのは実質的に初めてのことだと思います。本当に大臣等の御努力に敬意を表したいと思いますが、ただ、これまで非常に米軍の方に対する叙勲と自衛官に対する叙勲がバランスを私は欠いていたというふうにやっぱり指摘せざるを得ない。幾ら外交的な配慮といっても、そこはちょっと問題があるような気がします。  例えば、太平洋軍の司令官あるいは日本にいる在日米司令官、彼らについてはもう大綬章だったんです、ずっと。旭日大綬章をずっと与えていた。でも、肝腎の日本のトップには勲一等ではないようなこの瑞宝重光章ですか、という形の扱いだった、非常にバランスが悪かった。しかも、聞くところによると、在日米軍のほかの海兵隊あるいは陸軍あるいは第七艦隊という方にも全部それなりのものをやっているそうなんですね。  これはなぜかと聞いたら、これは相互主義だということなんですけれども。我々は与える、でも、日本の統幕長とか陸海空幕長は、全員がアメリカから同じようなものをもらっているというふうには私は聞いていないんですけれども、この辺りは現状がどうなっているのか、説明を願いたいと思います。
  30. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) 先生御指摘のとおり、在日米司令官あるいは在日米軍の陸軍司令官等々の方に対して、我が国がしかるべき勲章を授与させていただいているというのは事実でございますが、一方、米国からは、我が国の統合幕僚長等に対しまして、米国との関係強化に寄与した功績で外国人に授与される勲章の中で最高位の勲章が授与されているというふうに承知しております。最近でございますと、陸海空、それから統幕長が米国訪問しましたときに、ザ・リージョン・オブ・メリット、ディグリー・オブ・コマンダーという米国における最高位の勲章を頂戴したところであります。
  31. 佐藤正久

    佐藤正久君 ただ、これは、私が聞いたところだと全員じゃないと。相互主義はいいんですけれども、相互主義は。であれば、やはり、うちの方が彼らにそれなりのものを与えるのであれば、日本の統幕長とか陸海空幕長も同じようにやっぱりアメリカからもらうという努力も、これは事務方の方がやらないとできないと思いますので、その辺りについてはしっかりやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  32. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) 彼我両国日米両国の友好親善に貢献したという形で、相互主義に基づきまして、お互いの国を訪問した際に叙勲が行われているという事実はございますけれども、先生の御指摘も踏まえまして、相互主義の観点からどういった対応が取れるかという点につきまして検討してまいりたいというふうに思います。
  33. 佐藤正久

    佐藤正久君 これはしっかり、相互主義である以上はそこはしっかりやらないとやっぱり片手落ちだというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  さらに、今回、大綱の中で栄典に関する施策を推進するというふうにありますけれども、これは、やっぱり現状にそれなりに問題点があるということから前に進めないといけないというふうに思っておりますが、防衛大臣の、現在の生存叙勲、隊員の生存叙勲に対する課題、これはどのように認識しておられるか、御答弁願います。
  34. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 御指摘がありましたように、叙勲については隊員の士気高揚等の観点から重要であると認識をしておりますが、例えば、いわゆるB幹部の大部分、具体的には、定年退職時に特別昇任をして二佐になった者及び三佐以下の者が叙勲の対象となっていない等の問題が指摘をされております。ちょうど真ん中のところの方々が叙勲の対象になっていないということになります。  いずれにしても、防衛省としましては、新大綱の中で、今回、この叙勲制度について、栄典に関する施策を推進するとしておりますので、関係機関に働きかけるなど、言わば欠けている部分についての対応をしていきたいと思っております。
  35. 佐藤正久

    佐藤正久君 今日は資料を一枚お渡ししておりますので、それを見ていただきたいんですが、ここで、縦の区分がこれは階級構成で、横の方が春秋叙勲と危険業務従事者の叙勲と、こうありますけれども、この見方、要は、ADM幹部、いわゆる一般大学から、あるいは防大から初めから幹部候補生として自衛隊に入った人間は、生存叙勲というものは一佐以上、しかも一佐の階級を六年以上就けて、しかも一佐の(二)の職に就かないとこの対象にはならない。  また、B幹部、C幹部、准曹。B、C、准曹というのは入ったときはみんな一緒です。士から始まります。その後、頑張って勉強して試験に突破した人間がB幹部になる、各部隊の中枢で仕事をしてもらいます。C幹部の方は定年近くになってから選考等でこの幹部になるというものですけれども。  例えば、B幹部の場合、防衛省の資料によりますと、大体もらえる方が二%、B幹部は二%しかもらえない。片やC幹部の方は九五%を超える方がもらえている。頑張って幹部候補生の試験を受けて候補になると、その方が二佐以上になるというのはもう本当に難しいんですよ、実際上は。しかも、そのもらえるパーセンテージも二%、C幹部の方は九五%を超えている。  これだと、すごく士気の問題で、若いときはみんな意識しないんですよ、ところが定年を過ぎてだんだん年を重ねると、どうしてもこの名誉、叙勲というものに対する意識が非常に高くなってきて、やっぱり、同じOB同士でも何であいつがもらって俺がもらえないんだと出てくるんですよ、どうしても。やっぱり天皇陛下からいただくというのは物すごく重みがあります。  これについては、やはり正直言って枠の問題と対象者の拡大と。元々、この叙勲の場合は、勲章の枠が決まっておりますから枠をいかに拡大するかという問題と、あとはその対象者をいかに拡大するか、こういう部分に私は問題があると。これは真剣に考えないと余りにも不公平感が大き過ぎるというふうに思いますが、防衛大臣、改めて御見解をお伺いしたいと思います。
  36. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今御指摘ありましたように、懸命に頑張っている隊員が、それなりの、退職後に叙勲の対象として、今言ったそのバランスを欠くような内容については、これは関係機関と相談をしながら対応できるように努力をしていきたいと思っています。
  37. 佐藤正久

    佐藤正久君 賞勲局長にお伺いします。  この前、沖縄の方を訪問されまして、実際いろいろ現場からの話を聞かれたというふうに伺っています。例えば、沖縄の十五旅団の方は緊急患者空輸というものを任務として行っています。以前、徳之島の方の緊急患者空輸やった際に、天候不良の関係で山にぶつかってしまってパイロット等亡くなりました。何人か亡くなってはいるんですけれども、そういう中で昇任を、特別昇任という形で二佐になった人はまたいろいろ加算も変わってきますけれども、普通にいって、頑張って頑張っても二佐になれないんですよ、普通。ああいう方は勲章の対象にならないんです。  片や、こういうC幹部の方も頑張っていますけれども、多くの方が、ほとんどの方が勲章をもらえるというふうに実際現場の話を聞かれると思います。このことについて、防衛省の方から要請があったら前向きに検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  38. 黒羽亮輔

    政府参考人(黒羽亮輔君) お答え申し上げます。  先生からお話ありましたように、私、昨年十一月に那覇市に所在します陸上自衛隊の第十五旅団を視察させていただきました。その中でも、特に不発弾の処理の訓練に立ち会わせていただいたり、あるいはおっしゃられたような夜間、海上の緊急患者輸送の実態を映像資料で御説明いただいたりいたしました。殉職者も出ておられるというような現場でございまして、危険を伴う大変常に緊張を強いられる業務に携わられておられるということでございまして、よく認識できたところでございます。  ただ、小林旅団長ほか現場の幹部の方々からは、こうした隊の指揮に当たる方々でも勲章の対象にならない方がおられるんだというお話を現場で聞いてまいりました。現在、防衛省の方でその点について検討されているとお聞きしておりますので、今後、防衛省から相談がありましたら、よくお話を聞いてまいりたいと思っております。
  39. 佐藤正久

    佐藤正久君 まだ防衛省の方から経過の報告を受けていないから対応できないということでの答弁でしたので、これは大臣要請がまだないそうですから、だから早めにこの辺りはやっぱり検討を要請していただいて、やり方としては、全体の枠は決まっていますから、あるところを増やすとどこかが減るとなりますので、やっぱり、この自衛官のこういう特に危険な任務については別枠を含めて枠を増やすなり、その検討を早く進めていただいて、早めに賞勲局の方に投げていただいて、一緒に協議を始めるということをやっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
  40. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 賞勲局長の方から話を伺いたいというお話がありましたので、速やかに省内で意見をまとめてしかるべく協議をしたいと思っています。
  41. 佐藤正久

    佐藤正久君 そういうふうにやっぱりなかなか大臣のところに情報がいかなくて、下の方の調整ってすごく時間が掛かるんですよね。でも、こういう話は、非常に現場のやっぱり士気、これは指揮官行為ですから、この栄典ってまさに指揮官の統率行為、防衛大臣の統率行為の一番大事な分野でもありますから、ここはしっかり対応していただきたいと思います。  特に私自身は、国のために命を懸けるという任務に就いている方々というのは、アメリカもそうですが、やっぱりそれなりの名誉というものを与えるべきだというふうに認識しています。本来であれば全員がこれもらえるということがいいんでしょうけれども、なかなかそうはいかないという状況だと思います。であれば、少しでもその枠を広げる、こういう努力、まさに人教局長の実務者能力に懸かっているかと思いますけれども、人教局長、やっぱりこの問題を、もう分かっているわけです、ずっと、あとはいかに必死になって理論武装しながら知恵を出していくか、ここに懸かっていると思います。  人教局長決意のほどをお伺いしたいと思います。
  42. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) お叱りをいただきましたけれども、私も、任務に精励している隊員の功績が認められ、その功績にふさわしい国家の栄典が受けられるということは、自衛隊員の皆さんにとりまして、誇りと名誉を感じる上で大変重要なことだというふうに考えております。先生の御指摘を踏まえて頑張りたいと思います。
  43. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、これひとつよろしくお願いします。賞勲局長も、やっぱり現場の方の思いというのが伝わったと言われていますので、しっかり対応をお願いしたいと思います。  最後の質問に移ります。  今、西沙諸島において、中国とベトナムがそれなりに多くの公船を出してにらみ合ったり、あるいは公船同士がぶつかったりしているという事案が起きています。非常に日本にとってもこれは懸念すべき状況だと、外務大臣官房長官もやっぱりこの懸念を表明されておられると思いますが、まず、この今回の問題に対する我が国政府のスタンスをお聞かせ願いたいと思います。
  44. 岸信夫

    ○副大臣(岸信夫君) ただいまの御質問の件でございますけれども、西沙諸島周辺においては現在も現場での対峙が続いておるというような状況でございます。十日から十一日につきましても、ベトナム側からの報道では、小規模な衝突が続いている、十二日には中国側の放水に対してベトナム側が放水で応酬しているというような情報もございます。  我が国としては、この境界未画定の海域での中国による一方的な掘削活動の着手により地域における緊張が高まっていることを深く憂慮をしております。関係国が緊張を高める一方的な行動を慎み、関連国際法を遵守し、冷静に対応することを期待をしているということです。
  45. 佐藤正久

    佐藤正久君 全くそのとおりなんですが、ただ、現実問題として、中国の軍事力含めた海洋警察能力とフィリピンやベトナムの能力比べたら、格段に違うんです。というより、フィリピンと中国に至っては、海洋警察、海軍力、もう物すごい差ですから。これ、実際厳しい現実があります。ベトナムもそうです。  よって、今般新たに制定しました防衛装備移転原則、こういうものを用いまして、今までもインドネシアにも巡視船艇を供与をしております。フィリピンとかベトナムの方にも、やっぱり日本から巡視艇というものを供与をして、更に安定化を図るという努力も必要ではないかと思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
  46. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 南シナ海を始めとするシーレーンの安全確保、これは我が国にとりましても大変重要な観点でございます。  こうした観点から、我が国は、海洋における法の支配、あるいは航行の自由、安全、こういったものを確保するべく、ASEAN各国に対しまして、人材育成あるいは巡視船艇の供与、これを海上法執行能力の強化という観点から協力を実施しております。  巡視船艇の供与につきましては、平成十八年度の無償資金協力案件によりインドネシアに巡視艇三隻を供与したほか、昨年十二月には、フィリピンに巡視艇十隻を供与する円借款の交換公文、署名いたしました。供与に向けた準備を今進めているところであります。  また、ベトナムからも、この海上法執行能力の強化につき、我が国に対する協力の強い要請がなされたことを受けて、同国への巡視船供与等に向け、具体的な協議、現在行っているところであります。
  47. 佐藤正久

    佐藤正久君 どうぞよろしくお願いします。  終わります。
  48. 白眞勲

    ○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。  まず、防衛大臣にお聞きしたいと思います。  海上自衛隊の男性隊員の自殺をめぐり、先輩のいじめを示す証拠を防衛省が隠蔽していたと東京高裁が認定した件について御質問したいと思うんですけれども、今回の裁判で国が上告しなかったわけですね。  重要なのは、私は、どのような経緯で、この隊員への調査結果が誰が隠蔽を指示して、その事実を誰が知っていたのか、早急に徹底調査して公表すべきだというふうに思いますけど、防衛大臣としてのお考えはいかがでしょうか。
  49. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 平成十六年十月に護衛艦「たちかぜ」の当時の乗員が尊い命を自ら絶つという痛ましい事案があったことについて、亡くなった故人及び御家族に対して改めて心からお悔やみを申し上げたいと思います。  四月二十三日の東京高裁判決では、当時の上官等は自殺を予見可能であったとして、暴行、恐喝等と自殺の相当因果関係を認めるとともに、平成十七年の情報公開請求に対し、当時の横須賀地方総監部監察官及び「たちかぜ」艦長の二人がアンケート原本等の文書を隠匿したと判示をされました。私としては先般の控訴審判決を重く受け止め、関係機関とも協議の上、上告をしないことにいたしました。御遺族の御心痛が少しでも軽減できるよう、意を用いてまいりたいと思っております。  その上で、今回判断されました例えばこの隠蔽、隠匿というような内容がございます。再発防止に対してしっかりとすることが大切だと考え、今回、五月八日付けで事務次官通達を発出いたしました。その中では、コンプライアンスに関する意識の徹底、不適切な部下の指導及び自殺事故の防止、情報公開関係業務及び行政文書の管理の適正な実施について全省的に一層の徹底を図るとともに、防衛監察本部による定期防衛監察等も通じて実施状況を確認することとして、実務面、意識面の両面から徹底を図っていくこととしたいと思っております。  今回の事案を大変重く受け止めて、今後こんなことがないように適切に対応していきたいと思っております。
  50. 白眞勲

    ○白眞勲君 私もこの事件につきましては、この高裁判決の前にテレビのドキュメンタリーで、ドキュメンタリー番組というんでしょうかね、それで放送しておりまして、私も驚いたんですけれども、結構複数の人物が調査結果があるのを認識していたにもかかわらず、告発した方というんでしょうかね、その方がもう上司に報告しても相手にされないとか、結構私、根っこが複雑だと思うんですよね。今防衛大臣、そのように御答弁されましたけれども、あとまた情報公開請求に関しましても、実際には保管されていたにもかかわらず廃棄したというふうに回答をしたりというこの根っこの深さ、私はしっかりとこれは対応していかなければいけないなというふうに思うんですね。  ちょっとここで、事務方で結構でございますが、後輩らに対して私的制裁を加え処分される自衛隊員が二〇一二年度は四十七人に上っているというふうに報道で出ているんですけど、これ過去十年では一番多かったというんですが、去年、二〇一三年度はいかがだったんでしょうか、お答えください。
  51. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、防衛省における平成二十四年度の懲戒処分の状況につきましては昨年の八月二十八日に公表させていただいておりまして、私的制裁による懲戒処分者数は四十七名ということで非常に多うございました。  他方、平成二十五年度の懲戒処分の状況につきましては現在集計作業中でございまして、作業がまとまり次第公表させていただきたいというように思います。
  52. 白眞勲

    ○白眞勲君 そんな集計するのに時間掛かるんでしょうかね。ちょっと、まあでも急いでまたそれはお知らせいただきたいというふうに思うんですけど。  そこで、今言った私的制裁というのは、一体これは何を指すんだろうかなというふうに思うんですけれども。それで、私的制裁と傷害、あるいは暴行、あるいは言葉による暴力、つまり、いじめというこの辺りについての調査というのは、この辺のすみ分けというのはどうなっているんでしょうか。
  53. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。  防衛省・自衛隊におきまして、いじめ、私的制裁といった文言につきまして、規則等で明確に定義しているわけでございませんけれども、一般的な用語として、いじめとは弱い立場の者を肉体的又は精神的に痛め付けること、私的制裁につきましては法によらず私人が勝手に加える制裁といったような意味合いで使ってございます。  私的制裁といじめの関係ということになりますけれども、個別の事例によって判断されることになるというふうに考えておりますけれども、一般的な意味でのいじめに該当する行為の中には私的制裁とも考えられるものが含まれる場合もあるというふうに認識しているところでございます。
  54. 白眞勲

    ○白眞勲君 そこがよく分からないんですね。今の説明を聞いてもさっぱりよく分からないんですけれども、私的制裁というのはいわゆるリンチとも言われるようなもので、やっぱりたたいたりなんかで、たたいただけでこれは暴行になるわけですよね。暴行じゃない、暴力をふるっているわけではない私的制裁というのは一体どういう例が例えばあるんでしょうか、それ。ずっと立たせるとか、そういうことを言っているわけなんですか。  私的制裁と暴行あるいは傷害との違いについて、もう少しはっきり説明していただきたいというふうに思います。
  55. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) 先生御指摘の点は、非常に用語上正確な定義がございませんので難しいところもございますけれども、私どもの方が私的制裁という形で処分等において処分事由に計上している際には、職務遂行上の行為又はこれに関連する行為に係る懲戒処分の事由として、言わば職務遂行上又はこれに関連する行為として行われたときに私的制裁という用語を使いまして、純粋な私的行為に係る懲戒処分等につきまして、先生御指摘のように、例えば傷害でございますとか暴行ですとか脅迫ですとか、そういった形での用語で整理をさせていただいているところでございます。
  56. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、職務に関するか関係ないかということで分けているというふうに何か今私聞いたんですけれども、でも、職務に関係していたって暴行は暴行じゃないのかなというふうに思うんですね。ですからその辺、ちょっと防衛省の中での何か言葉の色分けなんですか。その辺についてどうなんでしょうか。
  57. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) 繰り返しになりますけれども、いじめあるいは私的制裁等につきましては防衛省・自衛隊におきまして規則等で明確に定義をしているわけでございませんので、先ほど申し上げましたような具体的な処分をケース・バイ・ケースで当てはめる際に、職務遂行上の行為なのか私的行為なのかという形で整理をさせていただきまして、その中の一つとして私的制裁という欄を設けて処分事由とさせていただいているところでございます。
  58. 白眞勲

    ○白眞勲君 今明確な定義がございませんというのに、何で四十七人とかいう数字が出てくるのでしょうか。明確な定義がないのにそういうその人数だけが出てくるというのは私はすごく疑問なんですね、これ。  ですから、ここを、例えばこれ、平成二十年五月十三日の質問主意書においては、平成十五年度から十八年度までの私的制裁として九十二名、傷害又は暴行、脅迫としては二百九十一名に対し懲戒処分を行ったというふうに明確に分けているわけですよね。明確に分けていても、詳細については調査に膨大な作業を要するといってお答えは困難だと言っているわけで、こういうところって、私ちょっとさっぱりここら辺分からないので、もう少しこの辺整理した方が私いいと思いますよ。  ちょっと大臣、これ、今話聞いていて変だと思いませんか。
  59. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 私的制裁という言葉の定義というのは、これはなかなかやはり明確にしにくい事案だと思いますが、少なくてもこのような隊員の中で、いわゆる私どもとしていじめというふうに考えられるような内容について、それがあった場合にはしっかりとした懲戒処分を行い、再発防止を行うということが大切だと思っております。  私も各部隊を回りますと、その部隊に必ず、そういういじめあるいはハラスメント等があった場合には速やかに通報してください、相談をしてくださいというようなホットライン、あるいは個人が分からないような形で相談できるようなそういう窓口があります。まずはそういうところからしっかりと情報を集めることが大切だと思っております。
  60. 白眞勲

    ○白眞勲君 今大臣指摘したとおり、やはり通報とか個人が分からない形できちっとしたそういった制度をもっと活用していかなきゃいけないなというふうに思うんですね。  片や、自衛隊というこの一種の、ちょっとどうしてもその閉鎖空間というんでしょうかね、それと同時に秘密性が高い軍事組織の場合というのは、私、その対策って極めて重要で、かつ、国民の生命、財産を守っていただかなきゃならない自衛隊部隊で、ある部隊で、実は内部的にいじめがあったら、その部隊の本来の役割というのは十二分に果たせるのかとか、そういった部分というのも非常にあると思うんですよね。  ですから、報道ですと、例えばこれは自衛隊に限らず、どこの国の、軍隊というんでしょうかね、韓国軍でもあるいはアメリカ軍でもそういったものというのはあったと報道されているんですけど。防衛省にお聞きします。このような他国の軍隊のいじめの実態とか、そういったものについての対策とか、そういったものというのは調べているんでしょうか。
  61. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。  防衛省といたしましては、いわゆるいじめ防止等として他国の軍隊における事例の検証等は行っておりませんけれども、服務事故全般につきましては、様々な情報を収集するなどしまして服務事故防止に努めているところでございまして、今回先生御指摘の事案も踏まえまして、今後ともしっかり再発防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
  62. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、調べていないなら調べたらいいじゃないですか。調べていませんけれども云々かんぬんじゃなくて、やっぱりこういうのを調べる、どうしているのということを聞けばいいじゃないですか。防衛大臣、どうですか。
  63. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 他国の例を参考にするか、今の内容ですぐにお答えはできませんが、少なくてもこのような事案が起きないように様々な施策を講じることは大切だと思っております。その中には、例えば今委員が御指摘ありました、他国がどのようなことを対策として行っているかということも当然参考にすべき内容の一つだとは思っております。
  64. 白眞勲

    ○白眞勲君 私もそうだと思うんですね。  それと、今大臣がおっしゃいましたように、個人が分からないようにしながらやっぱりきちっと対応していくというのは重要だと。目安箱ですよね。目安箱についての状況について、今どうなっているんでしょうか、防衛省は。
  65. 豊田硬

    政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。  防衛省・自衛隊におきましては、隊員がいわゆる救済を求めるために利用できるものとしまして、苦情申立ての制度、それから公益通報制度がございます。防衛省としましては、これらの制度を活用することによりましてこういった通報に対応しているところでございます。  なお、防衛省全体として苦情申立ての件数については集計を取ってはおりませんが、公益通報者制度につきましては、例えば上司による部下に対する不当な指導等々につきまして、平成十九年度から二十五年度までの実績ではございますけれども、三十件の通報があったという事実がございます。
  66. 白眞勲

    ○白眞勲君 私は、しっかりとした目安箱をつくるといっても、なかなかこういった状況の中では大変であるなら、国会に定期的に報告させるとかいうのも私は必要だと思っているんですよ。例えば、もうこの当外交防衛委員会に目安箱をつくるとか、そういったこともまた私考えていかなければいけないんじゃないかなと思うので、これは理事会で、委員長、ちょっと御検討をお願いしたいというふうに思います。
  67. 末松信介

    委員長末松信介君) ユニークな提案でございますので、後刻理事会で協議させていただきます。
  68. 白眞勲

    ○白眞勲君 続きまして、資料一を御覧ください。  御承知のとおり、これは朝鮮総連ビルの入札の件で、今年の三月の二十五日の当外交防衛委員会における議事録であります。それで、この一番最後に、資料一の一番最後に、これ何かというと、一回目はそのまま流して、二回目は二番札の人に落札をさせたという、この辺りについての質問をしたわけですけれども、そうしましたところ、政府参考人からは、把握している限りにおいては、そもそも一回目の入札のときには一人しか入札をしなかったということだというふうに言っているわけですね。  これで、ちょっと変だなというふうに私は思いまして、今回もう一回質問するぞと通告したら、何か違っていますというふうに言っているんですけど、これについて、法務省、どうなっているんでしょうか。法務副大臣、どうぞお願いします。
  69. 奥野信亮

    ○副大臣(奥野信亮君) 法務副大臣でございます。  今御質問の一回目の入札参加者の数でありますけれども、白委員も御承知のとおり、競売というのは裁判所の手続でございます。したがって、裁判所における競売の手続は非公開で行われておりますから、個別の事件の内容について詳しく私は把握しておりません。しかしながら、委員の御指摘の競売事件における一回目の入札参加者については四者であったというふうに承知しております。  そして、三月二十五日における萩本審議官の答弁についてでありますけれども、委員の御指摘のとおり、萩本審議官は、一回目の入札のときは一人しか入札しなかったというふうに答弁をしたようでありますけれども、この答弁は先ほど述べた入札参加者の数とは異なるものでありまして、不正確な認識に基づき事実と異なる答弁をしたことは誠に遺憾であるというふうに思います。  今後の国会答弁に対する姿勢については、いずれにいたしましても、今後とも、法務省の担当者が政府参考人として答弁する際には、委員各位の御質問の内容を正確に把握して、そして正確かつ適切な答弁をするように指導してまいりたいと思っております。
  70. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、これ大変重要な答弁なんですよ。  たまにはやっぱり、我々でもそうですけれども、聞き間違えたり、あるいは単位を間違えたり、そういう答弁のミスというのは当然これはあると思うんですね。ところが、今回の件については、まさに質問の本質はそこなんですね。私は、一人しかいないんだったら、ああ、それだったら、これ一回目の入札が流れて二回目になって、二回目になるのはしようがないねという、その部分の一番大きなポイントがここの部分でありまして、今、裁判所がやっているからどうのこうの、確かにその前の議事録でもそれ出ていますよ。しかし、把握している限りにおいてはそもそも一回目の入札はと、把握しているとはっきりおっしゃっているわけなんですよ、萩本さん。  ですから、これ、私が質問しますよという通告をするまで知らぬふりですよ、正直申し上げて。なおかつ、これ多分、これだけマスコミで大きく注目をされているこの件に関して、あっ、違ったということは分かっているはずだと思うんですよね。分かったまんまスルーしちゃっている形になっているわけですよ。私が今回質問しなければそのままだったんじゃないかと。これについてはどうなんですか。
  71. 奥野信亮

    ○副大臣(奥野信亮君) 私のところに抗弁に来たのが昨日今日でありますから、事実を知らなかったわけでありますけれども、事実を聞くにつけ、今委員指摘のとおり、自分で間違ったと思ったら、まあ三月二十五日ですから、これまでにもう二か月近くあるわけですから、そういう意味では、早く間違ったんだぞということを自分から申し上げるのが筋だろうと思います。  そういう指導を私どもは今後はしてまいりますから、よろしくお願いしたいと思います。
  72. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、これは委員会全体について、これ僕は与野党関係ないと思うんですね。ちょっとこれ問題なんですよ、今まで。  萩本さん、いらっしゃいますね。萩本さん、ちょっとこれ答弁してくださいよ。
  73. 萩本修

    政府参考人(萩本修君) 三月二十五日の本委員会における白委員の御質問に対する私の答弁の中で、事実関係につきまして誤りがございました。  これは、その一回目の入札参加者の数につきまして一人であると思い込んでしまっておりまして、その誤った記憶に基づいて答弁をしてしまったものでございます。正しくは今、奥野副大臣の御答弁のとおりでございまして、不正確な答弁をしてしまいましたことにつきましては訂正をし、おわびを申し上げます。申し訳ございませんでした。  また、その誤りに気付いてからの対応ですけれども、その点につきましても、誤りに気付いた時点で白委員に対してその旨の御説明に上がるとともにおわびを申し上げるべきであったというように反省をしております。
  74. 末松信介

    委員長末松信介君) 三月の二十五日の、今、この資料の議事録を拝見しておりますんですが。  じゃ、白先生、もう一度御指摘いただけますか。
  75. 白眞勲

    ○白眞勲君 資料一の一番最後ですね。萩本さんの、「把握している限りでは、そもそも」、分かりますよね、皆さん。一回目……
  76. 末松信介

    委員長末松信介君) ちょっともう一回、具体的な場所を教えてください。
  77. 白眞勲

    ○白眞勲君 資料一の一番最後の部分です。「把握している限りでは、そもそもは一回目の入札のときは一人しか入札をしなかったということがまず違うと思いますし、」というところでございます。  この「一人しか」というところが実は四人いたということでございます。ちょっと委員長、止めてください。
  78. 末松信介

    委員長末松信介君) じゃ、速記を止めてください。    〔速記中止〕
  79. 末松信介

    委員長末松信介君) 速記を起こしてください。  今お話しした内容ですけれども、白先生、もう一度ちょっと御質疑いただけますか。
  80. 白眞勲

    ○白眞勲君 はい。  これはどういうことかというと、一回目の入札では一件しかなかったんですと、その手を挙げた人がね。だから、その一回目の入札で結局入札としては成り立たなくなってしまった。いわゆる一回目の人が金が払えなかったからと。だから二回目に移ったんですというニュアンスの話をされているわけですよね。ですけど、実際には一回目の入札には四人がいたということになると、私の質問自体の内容と、私、これ納得しちゃったんですよ、ある意味、今、萩本さんがおっしゃったように、一回目の入札が一人しかいないから二回目の入札に移ったんだというふうに言えば、ああ、それはしようがないねと、一人しかいないんだったら。  ところが、一回目の入札で四人いたんだったらば、当然、この答弁で言うならば、一回目の入札で、二番札があるわけですから、二番札の人に当然落札させてもいいんではないのかというニュアンスがあるわけなんですけど、そういうふうには取れないということになるわけですよね。今、萩本さんも副大臣もこの部分については勘違いしていたということで謝罪をされているわけですよね。ということだと思います。  分かります、言っていること、委員長
  81. 末松信介

    委員長末松信介君) ええ、分かります。
  82. 白眞勲

    ○白眞勲君 以上です。
  83. 末松信介

    委員長末松信介君) じゃ、もう一度、法務大臣官房萩本審議官、御答弁いただけますか。
  84. 萩本修

    政府参考人(萩本修君) 本日、資料として配付されております三月二十五日の速記録になってしまいますと、確かにちょっと読み方がはっきりしない部分があるかもしれませんが、今、白委員から御指摘がありましたとおり、私自身、この答弁は誤解に基づいておりまして、一回目の入札のときは一人しか入札をしなかったということが二回目の入札と違いますという趣旨で答弁をしてしまった記憶でございます。ですから、それは誤った答弁で、訂正と同時におわびをさせていただきたいと、先ほど申し上げたとおりでございます。
  85. 末松信介

    委員長末松信介君) 今の答弁に基づいて、白先生。  じゃ、白眞勲君。
  86. 白眞勲

    ○白眞勲君 いえ、ですから、私はこれである意味納得したわけです。一人しかいないんだから、一回目。一回目、一人しかいなけりゃ、それは二回目入札やるよねということになるわけですよね。ですから、そういう部分でいうと、いや、萩本さんのおっしゃっていることの趣旨は私もそのときそう取っているわけですから、すとんと落ちたわけで、ああそうだと思った。  ところが、何か、あれっ、何かちょっと変だなと思ってもう一回聞いたら、私が質問通告をしてから、そのときにも担当者の方はこうおっしゃっているんですよ。新聞情報によりますとと言ったわけですよ。新聞情報によりますとって、私はちょっとそれもおかしいんじゃないか。  萩本さん、これ勘違いしたのはいつから分かったんですか、勘違いしたの。
  87. 萩本修

    政府参考人(萩本修君) この資料で配られている速記録を目にしましてしばらくしてからですから、四月の上旬頃であったと記憶しております。
  88. 末松信介

    委員長末松信介君) これ、質疑を繰り返しましても解決がなかなか図れないと思います。  いずれにしましても、萩本審議官、法務省として答弁のミスがあったことは認めざるを得ないということでございますので、その点、今後、質問者の趣旨、そして事実関係、きちっと間違わないように答弁をいただきたいということを一点申し上げたいと。  それと、今、白先生の御質疑に対して内部で協議いただきまして、補足する必要があるところが出てきたならば次回の委員会で御答弁をいただきたいと、補足答弁をいただきたいと思います。  白先生、どうでしょうか。
  89. 白眞勲

    ○白眞勲君 是非、この辺の間違った経緯、四月上旬ですよね、今おっしゃったのは。四月上旬なら、間違った時点で是非来てもらいたいんですよ。私、やっぱりその辺の誠意がないわけですよ、正直申し上げて。  今回、私、この件については、最初から、質問通告するときにも、もう政治家は要りませんと申し上げているんですよ。これはあくまでも手続的なことを、私が知らないことを聞きたいから事務方だけで結構ですよと言って、それで私は、法務大臣、副大臣にも来ていただかなくてもいいだろうということでやっていたら、こういう答弁があるとこれ参っちゃうわけですよ、本当に。  是非、それは文書でちょっと提出していただきたいというのが一点お願いしたいというふうに思います。委員長
  90. 末松信介

    委員長末松信介君) 文書でですか。
  91. 白眞勲

    ○白眞勲君 経緯を、お願いします。
  92. 末松信介

    委員長末松信介君) はい、分かりました。  今、白委員の方から文書できちっと説明をいただきたいということなので、いろいろと、次回の理事会で、場所で、副大臣、そして審議官、いずれかの方が一応お出ましをいただきまして御説明をいただきたいということ、このことを委員長から申入れを行います。よろしいですか。  じゃ、副大臣、一応、御答弁だけ。
  93. 奥野信亮

    ○副大臣(奥野信亮君) おっしゃっていることが分かりますから、一応私も出席して、書面を持って参上し、きっちりとした説明をさせていただきます。
  94. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、それでね、結局そういうふうになると、これが分からなくなっちゃうわけですよ、この答弁が。だから、その答弁についてもきちっとこれはそのときにお願いをしたいと思うんですね。つまり、一回目に四人いたんだったら、これ、どういう経緯で一回目はスルーして二回目は二番札なのかというのも、是非これも併せてお願いしたいということが一点。  それともう一点なんですけれども、この文書の中で審議官は、要は二回目の書類のときのモンゴルの企業ですよ、某モンゴルの企業について、書類を私はちゃんと提出したにもかかわらず最終的に落札した後に書類の不備が分かったからだということに対して、この資料一のその手前の、皆さんでいうとこの辺り。その辺になりますと、その個別の事案についてその執行官の判断で分かりませんが、後に裁判所が否定した書類について認めてしまったということは、執行官は気付かなかったと、見逃してしまったということでございますというので、これもちょっと私、すごい不誠実な答弁だと思うんですね。  これ、書類の不備を見逃したのを、執行官というのは何の問題にもならないんですか。これ、萩本さん、どうなんですか。
  95. 萩本修

    政府参考人(萩本修君) 裁判所の内部における執行官の責任の在り方あるいはその所在についてはちょっと承知しておりませんけれども、前回も御答弁申し上げましたとおり、執行手続においては、まず開札期日において執行官が最高価買受申出人を定め、その者に対して売却を許可するかどうかを日にちを改め今度は執行裁判所が裁判手続で判断するという、この二段構えの仕組みになっております。それで、今回は、その一段階目では気が付かなかったものについて二段階目の手続において執行裁判所が気付いて、前回申し上げたような判断になったというように承知しております。
  96. 白眞勲

    ○白眞勲君 だと思いますとかだろうと思いますというんだったら、もう裁判所の人に来てもらいたいですよ、私。そうしないとこれはっきりしないんですね。それも是非、何か、私は裁判所に来てくれと言ったら、いや、これは法務省の方からちゃんとしっかり答えますから大丈夫ですと言っておいて、いや、ちょっと分かりませんけどとか言われちゃうと、じゃ何なんですかという話になっちゃうわけですよ、これ、大切な時間を使って。  だから、ちょっとこれ、副大臣、どう思いますか。
  97. 奥野信亮

    ○副大臣(奥野信亮君) 分かりやすい話をすれば、やはり裁判所が出てくるというのが一番一つの道だろうと思います。  しかしながら、それをするにはやっぱりそれなりの手続がありますから、それらをよく吟味して一番ベストな方法をまず省内でちょっと相談してみます。
  98. 白眞勲

    ○白眞勲君 是非、ちょっとこれ納得いくような答弁をお願いしたいなというふうに思います。  時間がどんどんどんどん過ぎてしまいまして、ちょっと私も、いや参ったなというような感じなんですけれども。  拉致問題についてちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、外務大臣、ちょっとこれ質問通告していないんですけれども、例の報道で、ASEAN地域フォーラム、今度、八月開かれるフォーラムで北朝鮮の外務大臣との会談を打診するという報道が出ているんですけれども、大臣、どうでしょうか、これやる気あるんですか。
  99. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) そうした報道が出ていることは承知しておりますが、そういった事実は全くありません。そういったことが決まっているということは全くございません。
  100. 白眞勲

    ○白眞勲君 資料二を御覧いただきたいと思います。  これは拉致事案だと私は思っているんですけれども、北朝鮮の方と、夫と共に渡った日本人妻が脱北して中国にいたところを北朝鮮の工作員によって強制的に北朝鮮に連れていかれた事件についてお聞きしたいんですけれども、この事実について外務省としてどの程度把握されているんでしょうか。
  101. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) この件につきましては、本件が初めて報じられました二〇〇五年一月以来、この人物が脱北者保護の対象となる可能性があるという観点から、韓国政府に対して累次にわたり情報収集を行うなど、対応をしてきております。そして、この裁判所の判決におきましては、この人物が一九六〇年代末頃に朝鮮人と結婚し、北朝鮮に渡った旨の証言も紹介されております。  我が国としましては、いわゆる日本人配偶者に係る問題については、人道的な観点から北朝鮮側に対し様々な機会を捉えて安否確認等を求めてきております。そして、三月末の日朝政府間協議においても、朝鮮側と更なる議論を行ったところであります。情報収集、引き続き継続しております。脱北者問題あるいはこの日本人配偶者の問題ということから、人道的な観点から引き続き対応していきたいと考えております。
  102. 白眞勲

    ○白眞勲君 この日本人女性が、この判決文、私も今手元にあるこの判決文を見ますと、リャン・チョオクという朝鮮名で名のられているようなんですけれども、この方の日本名は分かるんでしょうか。
  103. 金杉憲治

    政府参考人(金杉憲治君) 事実関係ですので、私の方からお答えさせていただきます。  白先生御指摘のとおり、この方の朝鮮名はリャン・チョンオクさんというふうに言われておりますけれども、日本名は不明というふうに承知しております。  以上でございます。
  104. 白眞勲

    ○白眞勲君 これは、一部報道によりますと、瀋陽の日本総領事館で、脱北しているさなかに日本の親戚と連絡が付いて生活費の支援を受けていたけれども、発見され連れていかれたというふうな報道もあるんですけれども、事実関係はいかがなんでしょうか。
  105. 金杉憲治

    政府参考人(金杉憲治君) 私どもの認識ではそのような事実はないというふうに承知しております。
  106. 白眞勲

    ○白眞勲君 それと、あと、この犯人は今韓国で裁判所の判決を受けて収監されているわけですけれども、その犯人というんでしょうかね、その方と接触をして直接話を聞いたことはあるんでしょうか。金杉さんでいいから答えてください。
  107. 金杉憲治

    政府参考人(金杉憲治君) お答え申し上げます。  韓国政府とは情報のやり取りをしておりますけれども、当該犯人に直接私どもが話を聞いたということはございません。  以上でございます。
  108. 白眞勲

    ○白眞勲君 何で話聞かないんですか。
  109. 金杉憲治

    政府参考人(金杉憲治君) まずは、韓国政府とのやり取りを通じて情報収集をするということで韓国政府とやり取りをしているという状況でございます。
  110. 白眞勲

    ○白眞勲君 まずはといったって、これは二〇〇〇年ですよ、もう。判決だって二〇〇五年ですよ、これ。まずはというのにちょっと遅過ぎませんか。  それと、西村副大臣にちょっとお話聞きたいんですけれども、これは私は、日本人が、これは判決文でも略取という言葉を使われているんですよ。この拉致をした犯人は今韓国の裁判所で裁判を受けたわけですけれども、判決文では略取ってなっているんですね。要は、これは拉致ですよね。ですから、これは拉致と認定するべきなんじゃないか、拉致事件としてしっかりと対応するべきなんではないか、日本人拉致事件ではないんだろうか。つまり、日本人の方が北朝鮮から出てきて、また北朝鮮に強制的に連れ戻された、連れ戻されたというのか、連れていかれたということですよ。これ、拉致なんじゃないんでしょうか。  西村副大臣の御認識をお聞きしたいと思います。
  111. 西村康稔

    ○副大臣(西村康稔君) 先ほど来外務省から答弁がありましたとおり、事実関係について確認に努めているところでありまして、北朝鮮による拉致に当たるかどうか、現時点ではコメントをすることは困難でございます。
  112. 白眞勲

    ○白眞勲君 何で困難なんですか。
  113. 西村康稔

    ○副大臣(西村康稔君) 先ほど来御答弁ありましたとおり、事実関係の確認をしているところであるからであります。
  114. 白眞勲

    ○白眞勲君 韓国の裁判所では、この日本人女性を略取というふうにもう判決が出ているんですよ。判決が出ているにもかかわらず、韓国政府と相談しているけれども、まだ何か結論が出ないから拉致とは分かりませんというのは、余りにもちょっとおかしいんじゃないですか。  つまり、被害者不詳で拉致事件としてしっかりと捜査をすべきなんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  115. 西村康稔

    ○副大臣(西村康稔君) 先ほど外務大臣から御答弁ありましたとおり、三月末の日朝政府間協議においてもこうしたことについて協議を行っておりますので、事実関係の確認を急いでいるということだと思います。
  116. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、事実関係、全然急いでないんですよ。これ急ぐべきだと思います。  外務大臣、これちょっと急いでやってくださいよ、お願いします。ちょっと一言答弁お願いします。
  117. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 日朝政府間協議は、継続することで日朝間で一致をしております。是非、次回の日朝政府間協議におきましても、本件を含めましてこの日本人配偶者問題、しっかりと粘り強く協議していきたいと考えています。
  118. 白眞勲

    ○白眞勲君 いや、協議をじゃなくて、この事案についてもっと急ぐべきなんじゃないかと私申し上げているんですけれども、もう一回答弁お願いします。
  119. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 本件も含めて日本人配偶者問題、取り上げたいと存じます。
  120. 白眞勲

    ○白眞勲君 安全保障法的基盤の再構築に関する懇談会、いわゆる安保法制懇についてお聞きしたいと思います。  今、先ほどの佐藤委員の答弁で、あさって十五日に七回目の懇談会を開いて提出した後、すぐに記者会見をするというんですけれども、私もこれ、すぐ記者会見するってちょっとやけに早いですね。これ、世耕長官、まず私は、この報告書が出たら当然これ、NSCも含めて内閣でいろいろ相談し合って、それから記者会見しても遅くはないと思うんだけれども、何でそんなに急いで記者会見するんですか。
  121. 世耕弘成

    内閣官房長官世耕弘成君) 安保法制懇報告書は、あさって十五日の午後、第七回の会合開催された上で、懇談会委員の方々から安倍総理に対して提出をされるという予定になっております。その後、すぐ記者会見というわけではなくて、直ちに国家安全保障会議のまず四大臣会合開催をして、そこで議論をした上で夕刻の記者会見において安倍総理が、政府としての検討の進め方です、検討の進め方についての基本的方向性をお示しをする予定というふうになっております。
  122. 白眞勲

    ○白眞勲君 それにしても余りにも早いんじゃないでしょうかね。検討の進め方も検討するのが重要なんですよ。私はそういうふうに思いますよ。しっかりと検討していかなきゃいけないなというふうに思うんですね。  それで、そうすると、何か前もって安保法制懇とやはり総理、NSCの皆さんとの事前の意見のすり合わせというのをやっているんでしょうか。
  123. 世耕弘成

    内閣官房長官世耕弘成君) それは私の方では確認はしておりません。あくまでも第七回の懇談会報告書をいただくというふうに確認をしております。
  124. 白眞勲

    ○白眞勲君 私、今まで詰めの議論は行っているということだったんですけど、その詰めの議論こそ集まってやるのが詰めの議論だと思うんですね。個々に詰めの議論をしていますというのは、これは私は論理的に矛盾しているんではないかなというふうに思うんですけど、これを行ったり来たりしても世耕さん大して答えてくれそうもないから先に進みたいと思うんですけれども。  法制局長官にお聞きします。この懇談会に法制局の次長はずっと参加していました。その理由は何でしょうか。
  125. 小松一郎

    政府特別補佐人(小松一郎君) 安保法制懇への内閣法制次長のオブザーバー参加につきましては、懇談会の事務を処理する内閣官房からの要請に基づいて行っているものでございます。
  126. 白眞勲

    ○白眞勲君 懇談会の事務を法制局次長がやるんですか。もう一回ちょっと答弁お願いします。
  127. 小松一郎

    政府特別補佐人(小松一郎君) 失礼しました。言い間違えました。  懇談会の事務を処理する内閣官房からの要請に基づいて行っているということでございます。(発言する者あり)
  128. 白眞勲

    ○白眞勲君 ちゃんと言っている、失礼しました。  つまり、今まで、この前の御答弁でも、一度も意見を聞かれることはなかったということだったですよね。そうすると、うわさによると、何か憲法の解釈を変えるような議論が進められているという中で、じっと横に座っているということから、私、逆に次長から何で意見言わないんですか。これちょっとおかしいんじゃないですかという意見は言わないんですか。なぜ言わなかったんですか。
  129. 小松一郎

    政府特別補佐人(小松一郎君) 懇談会における議事の進め方でございますけれども、これはその事務を行います内閣官房においてお決めになることでございまして、私どもはそれに従って対応している次第でございます。
  130. 白眞勲

    ○白眞勲君 つまり、今回報告される報告書は法制局の意見を聞かないで作られたものであるということでよろしゅうございますね、法制局長官
  131. 末松信介

    委員長末松信介君) 先生の質疑時間は終了いたしておりますので、最後ということで。
  132. 小松一郎

    政府特別補佐人(小松一郎君) 仰せのとおりでございます。
  133. 白眞勲

    ○白眞勲君 終わります。
  134. 末松信介

    委員長末松信介君) それでは、法務副大臣、また審議官、御対応よろしくお願いします。
  135. 石川博崇

    ○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  まず、私の方から取り上げさせていただきたいのは、先月、四月の十六日、韓国の旅客船セウォル号が沈没をするという大変痛ましい、日本国内でも連日のように大きく取り上げられている事故が発生をいたしました。最終的な事実関係あるいは原因究明等、まだ捜査段階であり、まだ引き続き行方不明者の方もおられる、その救出作業が続いているところでございますが、お亡くなりになられた方々、特に修学旅行中の高校生、未来ある高校生も含めて多くの方が命を落とされたということに対しまして心からお悔やみを申し上げたいというふうに思っておりますし、報道を受けて、日本の国内におきましても、日本国民も韓国の方々と悲しみを共有しているということをこの場をお借りをして申し上げたいというふうに思っております。  冒頭、通告はしておりませんが、外務大臣にお伺いをしたいというふうに思います。  今回の事故についての御所見をお伺いしたいと思いますが、今回沈没したセウォル号、元々日本国で建造されたものであり、また鹿児島―沖縄間でフェリーとして十八年間運航された後、韓国に売却され、その後、船体改造等が行われたというふうに報じられております。今回の事故原因等については様々報道ベースで指摘されており、捜査の段階でありますけれども、貨物の過積載でありますとか、あるいはバラスト水の操作、救命ボートの不具合など様々指摘されているところでございます。  こういう本当に大変痛ましい事故に対して、我が国としてできる限りの協力をしていくべきというふうに考えておりますし、また、再発防止に向けて日韓両国協力できるようなことがあるのであれば是非前向きに取り組んでいただきたいというふうに思います。またさらに、やはりこの東アジアにおける海上の安全確保という観点からも、日本でも折に触れてこうした海上交通事故というものは発生しておりますが、そうした教訓というものを互いに共有をしておくということは、今後の両国間の、あるいはこの地域全体における海上の安全確保という点にも資するんだというふうに思います。  こうした点を踏まえて、外務大臣、今回の事故について何か御所見ございましたら一言お願いできますでしょうか。
  136. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 今回の韓国旅客船沈没事件、誠に痛ましい事件であり、私の方から、事件発生後、尹炳世韓国外相に対しましてもお悔やみとそしてお見舞いのメッセージを発出させていただきましたし、献花台が設けられました在京大使館にも私自身出向かせていただきまして、献花をさせていただきました。そうしたお悔やみとお見舞いの思いを表明させていただきましたが、あわせて、我が国としましてできることは何でもさせていただきたい、こういった点もしっかり伝えさせていただきました。今回の事件の原因究明等においても、我が国としましてできることは全てやらせていただき、協力をさせていただきたいと考えております。  今後とも、韓国政府としっかり意思疎通を図っていきたいと考えます。
  137. 石川博崇

    ○石川博崇君 是非、日韓両国協力しながら、特に、今回沈没した旅客船が元々日本で建造されていたということも様々報道等で取り上げられております。日本からは外交ルートを通じて日本で運航していた際の設計図の提供等を行っていただいているというふうに伺っておりますけれども、今後とも、協力できることがあれば積極的に協力していただきたいというふうに思っております。  今日は国土交通省に来ていただいておりますけれども、我が国においては、こうした船舶の安全運航につきまして様々な法整備がなされております。今回の事故の事故原因究明というのはまだまだ継続中でございますけれども、まずは今の日本船舶の運航、安全管理というものがどういう法律に基づいて行われているのか、そのことの概要についてまず御説明をお願いをしたいと思います。
  138. 坂下広朗

    政府参考人(坂下広朗君) お答えいたします。  我が国におきましては、旅客船の安全確保のために、まず船舶そのものの安全性でございますとかあるいは設備につきまして船舶安全法により、また船長が果たすべき責任等につきましては船員法、そして事業者の運航上の安全管理につきましては海上運送法により、それぞれハード、ソフト、この両面から対策を講じております。  具体的には、ハード面につきましては、船体が容易に転覆あるいは沈没をしない構造であることでございますとか、最大搭載人員に対して十分な救命胴衣、救命いかだ等の救命設備を設置することを求め、また、毎年一回、国による検査を義務付けておるところでございます。  また、ソフト面に関しましては、船長に出航前に積載物の積付け等の安全確認でございますとか、定期的な非常時を想定した避難訓練の実施などを義務付けますとともに、国におきまして立入り監査を実施しておる状況でございます。  またさらに、安全管理につきまして、事業者に安全な航路の設定、荷崩れ防止措置の実施、あるいは事故時の対応手順の策定といったような内容を義務付けますとともに、これにつきましても国において立入り監査を実施しておるところでございます。  また、経営トップによる積極的な安全への取組というものを評価する運輸安全マネジメント評価というものを実施しておりまして、事業者自らの安全意識の向上も併せて図っておるところでございます。
  139. 石川博崇

    ○石川博崇君 今、国土交通省から御説明いただきましたとおり、我が国におきましては、船舶安全法による船舶の安全基準への適合の義務付け、それに対する国の検査、船員法によって船長等に安全確保を義務付けたり、また船舶所有者に対して旅客の誘導等の教育訓練等を義務付けていること、それに対する国が監査を実施していること、さらには、海上運送法におきましては事業者に対する運航の安全管理を義務付けた上でこれに対する監査を実施する等、複合的な施策が取られているわけでございますけれども、これがきちんと現場で運用なされているのか、やはりしっかりと徹底していただくということも重要であろうかというふうに思いますし、また、先ほども申しましたとおり、今現在セウォル号の事故につきましては正確な事故原因の把握というのが終わっていないわけでございますが、それが行われた上で、もし仮に我が国における今御説明いただいたような検査体制や、あるいは事故災害時を想定した訓練内容等に見直しが必要な、あるいは改善が必要な点があるとすれば、それはしっかりと、国土交通省、検討していただく必要があろうかというふうに思いますけれども、この点、いかがでございましょうか。
  140. 坂下広朗

    政府参考人(坂下広朗君) お答え申し上げます。  今回の事故を踏まえまして、事故の重大性に鑑みまして、事故発生の翌日でございますけれども、四月十七日に我が国の旅客船事業者に対しまして、改めて事故防止それから非常時の対応について徹底いただくように指示をしておるところでございます。  委員から御指摘ございましたけれども、現在、韓国による事故原因の究明を私どもとしても見守っておるところでございますが、事故原因が明らかになった段階で、現在我が国で行っております安全対策に照らして新たな対策が必要かどうかという点を精査をして、必要なものがございましたら適切に対応していきたいというふうに考えております。
  141. 石川博崇

    ○石川博崇君 そういう意味では、韓国との緊密な情報共有、あるいはIMO等を通じた国際機関での連携強化ということを是非ともお願いしたいというふうに思っております。  また、先ほど少し申し上げましたけれども、こうした事故の教訓というものをどう今後につなげていくのかということをしっかりと検討していくことが重要ではないかというふうに思っております。そういう意味で、我が国と近隣諸国あるいはASEAN諸国と協力しながら海運の安全管理制度などについて知見の共有を深める機会を増やすべきではないかということを御提案をさせていただきたいというふうに思います。  日本は、アジア諸国の中でも、特にASEAN諸国、フィリピン、インドネシア等に対しましては船員の育成、養成に対して様々な協力を行っているというふうに認識をしております。これは、日本の外航船などにこうした国々の方々が勤務されるということが非常に多くある関係で、日本の商船で働く方々の育成、養成というものが念頭にあって行われているものだというふうに思いますけれども、やはり東アジア全体で海上交通あるいは海上の安全輸送というものをしっかり確立していくためにも、今後、例えば、今回の事故を踏まえてということが適切な言い方かどうか分かりませんけれども、日韓あるいは日中等でこうした知見の共有を深める機会を持っていくということは、ひいては海上安全全般に対する地域の安定あるいは相互理解というものを促進することにつながるのではないかというふうに考えております。  質問の順番ちょっと変わっておりますけれども、この点について政府の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  142. 坂下広朗

    政府参考人(坂下広朗君) 船舶の安全に関する国際協力でございますけれども、先生から今御指摘ございましたように、船員の育成に対する教育、現在私どもが行っておりますが、これに加えまして、現在、ASEANからの要請に基づいて、ASEAN域内を航行します船舶の安全ルールを見直していこうというプロジェクトが進んでおりまして、これに対して我が国から協力を行っておるところでございます。  今回の事故に関しましては、現在、事故原因究明を見守っておるところでございますけれども、今後、この事故原因を踏まえて、韓国を始めとする近隣諸国政府から再発防止に関して協力要請がありましたら、我が国としてもこれにしっかりと協力を行っていきたいというふうに考えております。
  143. 石川博崇

    ○石川博崇君 我が国は、海洋国家として国際社会における海事分野でリーダーシップを発揮すべき立ち位置にあるというふうに考えております。そういう意味でも、今、海洋権益をめぐって、中国との間の様々な問題、あるいは韓国との間で解決していかなければならない課題等もございます。この海上交通における相互理解というものをしっかりと深めていくことが中長期的なこの地域の利益に直結するのではないかというふうに思っておりますので、是非積極的に御検討をいただきたいというふうに思います。  その上で、我が国国内の内航船、内航海運の航行の安全というものを考えた場合、一番懸念されておりますのが船員に従事される方々の人員の減少問題、それから高齢化の問題でございます。  日本の産業に不可欠な資材、これは旅客船ではなく内航海運の話でございますが、不可欠な資材である石油製品であるとか、あるいは鉄鋼、セメントなど、こうした産業の基礎資材の輸送は日本においては内航海運によって支えていただいている。日本は内航海運大国と言ってもいいのだというふうに思います。一年間に日本の内航海運が輸送する物量というのは、これは日本が島国であるということもありますが、EU全体の内航海運の物流量を上回る量を輸送しておりますし、また日本国内の貨物輸送の全体の七割をこの内航海運が担っていただいております。  しかしながら、その内航海運に従事される船員の方々の数というのは、昭和四十九年にピークの二十七・八万人でございましたけれども、直近の平成二十二年には六・九万人と劇的に減少し、四分の一になっているというふうに伺っております。しかも、人員の減少に加えて、今この内航海運に従事されている方々の高齢者の方々の割合、中高年齢者と言っていいかと思いますが、五十歳以上の方々の割合が半分以上という現状を踏まえて、将来的にこの人員がきちっと維持管理できるのか、これは日本経済安全保障にとっても極めて重要な課題だというふうに思っております。  優秀な若い人材を確保していく。当然、技能の習得には様々な業種、職種の方々が必要でございますけれども、技能の習得には時間及び経験も必要になってまいります。安全航行を確保するという上でもしっかりとこれ取り組んでいかなければならない問題であります。  また、安全保障の観点からいいましても、やはり大規模災害、あの東北、東日本大震災の折に物資の輸送を多く担っていただいた内航海運業者の方々の協力というのは極めて重大なものがございました。当時、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、外国船籍の中には日本の港湾に入港を取りやめた事例も多く確認されているわけでございますが、そういったときにあっても日本国船籍そして日本人船員の方々の献身的な努力によって東日本、東北に対して物資の輸送を行っていただいたという観点からも、しっかり日本人船員を育成していくこと、若い人材を確保していくということが、いざ災害時あるいは有事にあっても極めて重要な課題だというふうに思っております。第二次大戦の様々な分析を行う学者の中にも、第二次大戦の敗戦の大きな要因の一つとして、ロジスティックの特に根幹に当たる海上補給作戦が破綻したということを分析する有識者も多くおります。  様々な観点から、こうした国内の内航海運の人材育成に是非総力を挙げて御努力いただきたいというふうに思いますけれども、国土交通省、こうした海運安全管理を担う人材を含めた船員の確保、さらには、これを確保するためには当然待遇の改善ということも重要な課題でございます。若い方々、船に乗ると、例えば携帯電話が通じないとか、そういうデジタルデバイドの問題もあったりします。こうしたことも含めて取り組んでいただく必要があろうかと思いますが、いかがでしょうか。
  144. 坂下広朗

    政府参考人(坂下広朗君) 委員から御指摘ございましたけれども、我が国の内航海運、我が国における経済活動あるいは国民生活にとって非常に欠くことのできない重要な役割を担ってございます。  御指摘のございましたこの内航海運に携わる船員でございますけれども、五十歳以上の高年齢層が五割を占めるといったような高齢化が進んでおる状態にございます。今後、この高齢の船員さん方が退職をしてまいりますので、円滑に若い船員の方々を確保する、あるいは魅力ある職場環境を実現するといったことに向けまして、現在、国土交通省におきまして様々な施策を講じておるところでございます。  具体的には、計画的に新人船員の試行雇用に取り組む海運事業者に対しまして、六か月間、雇用に係る費用を助成することによりまして、若者船員の就職機会の拡大を図っておるところでございます。平成二十五年度にはこの制度によりまして四百三十名が内航業界に就職をいたしております。また、加えまして、本年四月には内航船員育成に特化をいたしました練習船である大成丸を就航させまして、即戦力となる若年船員の養成を強化したところでもございます。また、海の魅力をPRするために海フェスタあるいは帆船の一般公開、海洋少年団の活動の拡大などに努めておるところでございます。  こうした取組を進めておりまして、五十歳以上の高年齢層の割合は、平成十九年には五一・六%という数字でございましたけれども、平成二十四年には五〇・四%と、若干ではございますけれども改善に転じておるような状況でございます。  国土交通省としましては、今後とも、若年内航船員の確保と魅力ある職場環境の整備にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  145. 石川博崇

    ○石川博崇君 五一%から五〇%というのはほとんど変わっておりませんので、引き続き御尽力いただきたいというふうに思います。  続きまして、国際刑事裁判所、ICCの被害者信託基金、TFVに対する我が国の拠出について御質問させていただきたいというふうに思います。  先々月、当参議院の外交防衛委員会におきまして私から指摘をさせていただきましたけれども、平成二十六年度予算におきまして、このTFVに対する拠出金が盛り込まれていたところでございますが、今回、安倍総理の北大西洋理事会に出席された際の演説で、このTFVに対して追加的な拠出を含めて六十万ユーロの拠出を表明をしていただきました。このICC、国際社会における法の支配を確立をしていくこと、そして我が国として女性に対する支援強化していくこと、そうしたことからも今回のTFVへの拠出、極めて意義のあるものと評価をしたいというふうに思いますけれども、まず外務大臣、今回のこの新しい、初めての拠出についての意義、評価をお聞かせください。
  146. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 今般、日本政府は、国際刑事裁判所の被害者信託基金、TFVに対しまして初めて、約六十万ユーロですが、拠出を行うことといたしました。我が国にとりまして、この国際社会における法の支配の確立、これは外交政策の柱の一つであります。ICCが国際社会で最も重大な犯罪を訴追、処罰することによって、法の支配の確立に向けて果たしている役割、極めて大きいものがあると考えております。その中で、被害者に寄り添い具体的な救済を行うTFVの活動、これはICC制度全体への理解と評価を高め、制度の存続に当たり欠かすことのできない極めて重要な活動であると認識をしております。  今般初めて我が国として拠出を行うこと、これは本件に積極的に貢献する我が国の姿勢をより効果的な形で示すことができるのではないか、こういったことも期待するところであります。
  147. 石川博崇

    ○石川博崇君 このTFVは、現在、理事長を我が国の野口最高検察庁検事が務めているということもございます。日本として、今後とも、このTFVと、またICCとしっかり連携して、我が国が拠出した資金をしっかり現場で有効的に活用していただくことが必要だというふうに思っております。  そういう意味でも、現場でしっかり顔の見える形で我が国が拠出したことを運用していく必要があろうかと思いますが、現在、このTFVは、コンゴ民それからウガンダで二十八の事業が実施されているというふうに伺っております。なかなか治安状況の厳しい現地だというふうに伺っておりますけれども、こうした現地我が国、首都には大使館があり、またJICAの活動も行っているわけでございますので、こうした我が方現地大使館あるいはJICA事務所とも連携しつつ、プレゼンスを確保していくということが重要なんではないかというふうに思います。  時間も限られて、最後でございますので、このことを最後に外務大臣にお伺いしたいというふうに思いますけれども、しっかり、単にTFVという、本部との関係で資金を拠出して終わりにするんではなくて、現地大使館、我が国はそういった優れたツールを持っているわけですから、そことの関係努力をしていただきたいと思いますけれども、大臣の御所見を伺いまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
  148. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 我が国から選出されました野口元郎TFV理事長は、新案件を形成、実施する際に、直接現地に赴き現場のニーズを把握するなど、現地の方々に日本の顔が見えるよう積極的に活動しています。  我が国の大使館あるいはJICAとの協力に関する御指摘がありました。こうした御指摘も踏まえまして、我が国として、このTFVの活動に更に貢献し、国際社会における法の支配の確立を推進できるよう、現地意見も踏まえながら、野口理事長を始めTFV側と協議を重ね、我が国の貢献が更に目に見える形でしっかり伝わるように工夫をしていきたいと考えております。
  149. 石川博崇

    ○石川博崇君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
  150. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。元気があれば、そうです、子供もできるということで、世の中少子化で、少子化というか、いろいろ新聞の記事にも毎日出ています。  この連休中、ちょっと地方を回ってまいりましたが、まだ消費税が上がってちょうど一か月半ですか、いろんな、タクシーの運転手さんやいろんな話を聞きますが、全然まだ地方にはその景気の影響は来ていませんという話も聞きます。  そしてまた、季節も暖かくなってきましたね。女性のいでたちも大分変わってきたなと。消費税と女学生のスカートの丈は下がることを知らないと。ちなみに猪木の人気も下がることを知らないということで、本当に世の中が今こういう状況で、我々もいろんな勉強をさせてもらいながらも、一日も元気な日本をと思います。  それで、今回、衆議院とまた参議院、両方合わせて五名が訪朝する計画を立てておりました。最初、両委員会の方も全部了承をいただいていたという、議運からも返事をもらっていたんですが、残念ながら、最終的に議院運営委員会内で議論が調わないという理由で今回は不許可になりました。  事前にそういう意味で議運でも了承をいただいていたわけですが、複数の報道によりますと、首相官邸の意向が働き国会が判断を変えたとありました。衆議院議長から訪朝の取下げの要請もありました。行政府の圧力に屈した立法府の姿に、こんな形でいいのかなということを実感しております。  この度、ネットを通じて私たちもそのような考え方を発信しますが、それに対して大変、三権分立、こういうものが機能しているのかということで、いろいろネットからも返事をもらっています。立法、司法が行政の意向に沿った動きになっているのではないかという声も大きく寄せられていますが、法制局の見解をお聞かせください。
  151. 近藤正春

    政府参考人(近藤正春君) お尋ねの点につきましては、大変恐縮でございますけれども、当局としてちょっとお答えすることは差し控えたいというふうに思いますが、一般論として三権分立についてお答えをいたしますれば、三権分立とは、国家の作用を立法、司法、行政の三権に分かち、各々を担当する機関を相互に分離、独立させるとともに、その行使の適正を期するため、相互に牽制させるという統治組織原理を指すものと承知しております。  この原理は近代民主主義国家において広く採用されており、日本国憲法の定める統治組織もこの原理を基本原理としているというふうに承知しております。
  152. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 大臣もブラジルとは大変いろいろ交流があると思いますが、昨日ですかね、ワールドカップのメンバーが発表されました。かつて私が何回かブラジルを訪問して、アマゾンにいるときですかね、まだ携帯、テレビなんかありませんでした。携帯電話もなし、そういう中でジャングルの奥地に入っていると、ブラジルが点が入ると、その船頭さんたちが、全然ニュースもないんですけど、いきなり立ち上がって喜ぶ。何だろうと思ったら、遠くの方で花火を上げるんでしょうね。そうすると、点が入ったということの合図だという。  非常にサッカー熱の熱いところで、とにかくサッカーが始まったら町の中が全く人が、タクシー一台、車一台通らないという状況になりますけど、そういう中で、二〇一六年にはまたリオデジャネイロでオリンピックが開催されると。そういうことで、私にとってブラジルは第二の故郷でもあります。それで、この大会が何とか成功してほしいなと。一部、聞くところによると、まだ工事ができ上がっていない、これから突貫工事だと。まあ間に合うのか間に合わないのか、とにかく万全な準備で大会が開催されればいいなと思っております。  そんな中で、一つは、日本は既に多くの国とビザなし渡航が実現しているにもかかわらず、ブラジルとの間で依然としてそれが行われていません。この状況を一日も早く是正すべきだと私は思っております。また、いろんなところから陳情も来ますので、早くお互いの国民が自由に、もっと活発に交流ができるようなビザなし渡航について、政府取組をお聞かせください。
  153. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) ブラジル人へのビザ緩和につきましては、昨年九月、私がブラジルを訪問させていただきました際にも、フィゲイレド外務大臣、あるいは現地の日系人の皆様方からも要望がありました。また、全国知事会等からも要望をいただいているところです。六月のサッカーワールドカップ、また再来年のリオ・オリンピック、こうした行事を念頭に、これら要望、重要な課題として真剣に取り組んでいきたいと考えております。また、そのためにできることを具体的かつ速やかに前進させたいと考えております。  そうした思いで、現在、政府部内でブラジル人へのビザ緩和実現に向けて検討をしており、今、最終段階に入っております。相互主義の観点から、日本人に対するブラジル側のビザ緩和についても検討を促しながら、是非、スポーツ交流を含む両国人的交流、一層活発化させていきたいと考えております。
  154. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 私はかつてブラジル移民として向こうに渡ったんですが、当時は農業に従事しておりました。移民政策に対してこれから、私は肯定的な意見を持っておりますが、しかし移民の内容については、いろんな各国、あるいはヨーロッパなんかもいろんな問題が起きたり、そしてまた一部、欧州議会では治安の悪化ということでなかなか移民を今やめているという話も聞いております。  ただ、移民政策のこのメリットというか、人口問題が今一番大きな問題。そして、かつてはブラジル、出稼ぎと言っていいんでしょうか、かつての二世、三世の方、それに関係する、日本にも来ていましたが、その辺を、ブラジルの経済が良くなってきたということもありますが、これから一つに、どうしても人口の減少という問題に今ぶち当たっているわけですから、そこはこれからどういうふうに日本政府が移民政策を考えているか、お聞かせください。
  155. 三好真理

    政府参考人(三好真理君) お答えいたします。  移民政策につきましては、我が国の将来の形、あるいは国民生活全般に影響する問題として、国民的な議論を経た上で多様な角度から検討していく必要があると認識いたしております。
  156. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 次に、政府の移民政策の考え方ということで今お答えをいただきましたが、自民党はかつて一千万人移民政策を掲げていましたが、そのときは大きな支持が得られなかった。先ほどの答弁にあったように、メリットとデメリットきちんと把握して、我が国にとって有益な移民政策を行わなければなりません。  例えば、建設や単純労働者、期限付の工事現場が終われば帰国してしまう短期労働移民制度の導入など工夫が必要だと思いますが、私が一九六〇年にアメリカに修行に行っているときに、よく短期労働移民で、例えばオレンジの収穫あるいはイチゴの収穫と、いろんな県から来ておりましたが、本当に夢を追ってアメリカに行って、短期ですから帰らなきゃいけない。そのために非常にいろんな、偽装結婚とかいろんな問題も起きましたが、そういう中で、これからこの議論は慎重にしてもらいたいと思いますが、政府の移民政策、これから本当にもうちょっと議論を重ねて、私たちも、こういう理解がまだ一般の人には薄いのかと思いますんで、ネットを通じて発信していきたいと思います。  一言、お言葉を。
  157. 三好真理

    政府参考人(三好真理君) 御指摘のありました建設分野における外国人材の活用につきましては、本年四月に開催された関係閣僚会議におきまして、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの建設需要の増大あるいは東日本大震災の復興需要に対応するための緊急措置が、二〇二〇年までの時限的措置として決定されたところでございます。  来年度初頭から、建設分野の技能実習修了者が、引き続き国内に在留あるいは一旦本国に帰国した後に再入国により、雇用関係の下で建設業務に従事できることとなっております。この技能実習制度につきましては、人権面等で国際的な批判も強いことから、本緊急措置では、人権に最大限配慮し、国際的批判に堪え得る制度の適正化を図ることが重要と考えておりまして、今後具体的な議論醸成では、関係省庁と緊密に連絡してまいりたいと考えております。
  158. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 先日の新聞ですかね、二〇四〇年には全国千八百の市区町村のうち八百九十六の自治体が消滅の可能性があるとの報道がありましたが、このような問題は既に二、三十年前からもう予測されていたことだと思うんですが、その点について政府が今、どのような政策を取っていくのか、今になって大騒ぎになっている、十年、二十年、三十年、あるいは五十年、百年の大計とは言わなくても、その辺をどのように政府考えているかお聞かせください。
  159. 麻田千穗子

    政府参考人麻田千穗子君) お答えをいたします。  政府は、一九九〇年代に本格的に少子化対策の検討を始めまして、エンゼルプラン等をまとめるなど、仕事と子育ての両立支援などの対策を進めてまいりました。また、二〇〇三年には議員立法によりまして少子化社会対策基本法が成立し、同法に基づいて、育児休業制度の雇用環境の整備、保育サービス等の充実、地域社会における子育て支援体制の整備等に取り組んできたところでございます。  一方で、合計特殊出生率は二〇〇五年に一・二六と過去最低を記録して以降、二〇一二年に一・四一と近年微増傾向にはありますものの、先進国の中ではなお低い水準にとどまっております。こうした少子化の主な要因は、結婚や出産、子育ての希望がかなわず、未婚化や晩婚化等、夫婦が持つ子供の数の減少が進んでいることというふうに考えております。  こうしたことの背景には、子育ての負担感、あるいは仕事と家庭との両立が困難な職場の在り方、若者の雇用など将来の生活への不安感、結婚や家族に関する意識の変化など複合的な要因があるというふうに考えております。このため、様々な対策をパッケージとしまして総合的な政策の充実強化に取り組むことが必要と認識しております。  昨年六月に少子化社会対策会議におきまして決定しました少子化危機突破のための緊急対策では、これまでの取組中心であった子育て支援と働き方改革の一層の強化に加えまして、新たに結婚・妊娠・出産支援を対策の柱として打ち出しまして、これらを三本の矢として推進することといたしました。現在、この緊急対策に基づきまして、政府を挙げまして少子化対策を推進しているところでございます。
  160. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 大分時間がなくなってきましたんでちょっとはしょりますけど、外国人の日本国参政権あるいは永住権であったり、私もかつてはアメリカで永住権の申請をしまして、大変な、前にもお話ししたことがありますが、モハメド・アリやいろんな人の推薦ももらいまして、十日間で申請が通ったというケースがありますが、非常にこれは簡単なことではありませんけれども、これからのそういう、日本が永住権の資格あるいは参政権の問題についてどう考えているか、お聞かせください。
  161. 萩本修

    政府参考人(萩本修君) 二点お尋ねをいただきましたが、まず法務省から国籍の点について御答弁申し上げます。  外国人が帰化によって日本の国籍を取得するには、法務大臣の許可を得なければならないとされております。法務大臣が帰化を許可するための一般的な要件は国籍法五条に規定されておりまして、五年以上日本に住所を有すること、二十歳以上であること、素行が善良であること、自己又は親族の資産又は技能によって生計を営むことができること、帰化の結果、重国籍とならないこと、憲法を遵守すること、以上六つの要件を満たさなければならないとされております。  この法律上の帰化の要件は、諸外国の法制度と比較しましても決して緩やかなものではありません。また、帰化申請の審査におきましても、例えば素行に関する要件については過去の犯罪歴の審査を行い、生計に関する要件については納税関係や収入関係を証する書面の提出を求め、また憲法遵守の要件につきましては、申請者に我が国の憲法を遵守する旨の宣誓をさせるなどしております。  したがいまして、我が国における帰化の制度は、法律上の要件としても帰化申請の審査の運用におきましても適正なものであるというように認識をしております。
  162. 山崎重孝

    政府参考人(山崎重孝君) 住民投票について御発言がありました。  法律を根拠とする住民投票、例えば市町村長のリコール、議会の解散等につきましては、投票できるのは日本国民のみとされておりまして、永住外国人には認められておりません。  法律を根拠とする住民投票以外にも、地方自治体が地域課題等について住民の意向を問うために、条例や要綱等によりましてそれぞれの自治体の判断で住民投票を行うことは可能であります。このような住民投票につきましては、外国人を投票権者に含めることも否定はされておりません。ただ、条例等に基づく任意の住民投票につきましては、投票結果をもって長や議会を拘束することはできないものと解されております。  また、永住外国人への地方選挙権付与に関しましては、公職選挙法第九条によりまして、我が国における地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権は日本国民にのみ認められておりまして、永住外国人には認められていないところであります。  永住外国人への地方選挙権付与の問題につきましては、様々な意見があることは承知しておりますが、我が国の制度の根幹に関わる問題でありますので、総務省といたしましては、各党各会派においてしっかり御議論をいただくことが必要であると考えております。
  163. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 今、一番新聞も注目されている南シナ海の問題ですが、今回もう既に同僚議員も発言されましたけれども、中国船がベトナム船に体当たり、放水を繰り返しているという、この辺の問題については、ただ見守るだけではなくて、日本としてどのようなこれから対応をしていくか、その辺の見解があればお聞かせください。
  164. 金杉憲治

    政府参考人(金杉憲治君) お答え申し上げます。  日本としてはこの事態を深く憂慮しておりまして、対話を通じて平和的に問題が解決されるように、関係国が一方的な行動を慎むとともに、関連国際法を遵守し、冷静に対応することを期待しております。  こうした立場につきましては、対外的に外務大臣ほかから明らかにするとともに、中国、ベトナム両国に対して外交ルートを通じて説明をしてきていると、こういった努力をしている次第でございます。  以上でございます。
  165. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 先日ミャンマーで行われた外相会議、その中で、新聞でも出ていますが、日本としてなすべきあるいは役割というのがあると思いますが、その辺についてまたお聞かせください。
  166. 金杉憲治

    政府参考人(金杉憲治君) 先生御指摘のとおり、ASEANとの連携というのは大変重要だと思っております。  昨年の暮れに日本開催いたしました日本・ASEANの特別首脳会議、ここにおきましても、国際法に基づいた紛争の平和的解決や自制的行動の重要性といったのを日本とASEANとの間で共有しておりますので、今後ともASEANを含めた関係国との意思疎通協力を深めていきたいというふうに考えております。  以上でございます。
  167. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 先日も質問させていただきましたが、フィリピンの旧米軍基地の使用をすること、地域の安定にどのような効果をもたらすのか、また日本との関係はどうなのか、その辺をお聞かせください。
  168. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 先月二十八日、米国とフィリピンの間で米軍のフィリピンにおけるプレゼンスの強化等を目的とする米比防衛協力強化協定が署名されたということは承知をしております。  米国は、二〇一二年の国防戦略指針や本年三月に発表されました四年ごとの国防計画の見直し、いわゆるQDRですが、それに見られるように、アジア太平洋地域を重視し、同地域へのプレゼンスを強化する方針を継続しているものと考えております。米国が同地域におけるプレゼンスを強化することは、地域安全保障環境が一層厳しさを増す中、その平和と安定にとって極めて重要であると考えております。
  169. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 先日のオバマ大統領の来日ですが、日本の報道とまた海外、特にニューヨーク・タイムズあるいはロイター通信の報道によりますと、その日本との報道の大分食い違いがあります。その辺は政府としてどのように把握し、どのように考えているか、お聞かせください。
  170. 冨田浩司

    政府参考人(冨田浩司君) お答えをいたします。  オバマ大統領の訪日に関する海外の報道についての御質問でございますけれども、その一々について論評することは差し控えたいと存じますけれども、他方で、アメリカの国内においても今回の訪日について非常に高い評価をする報道もあるということでございます。  例えば四月二十五日付けのウォール・ストリート・ジャーナル紙の社説におきましては、オバマ大統領の訪日は民主主義国家である同盟国との連帯という必要なメッセージを送るものとなったというふうな評価の論説を出しているところでございます。
  171. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 最後に、キューバの問題についてちょっとお聞きをしたいと思います。  今年はちょうど伊達政宗の家臣であります支倉常長がキューバを訪問して四百年の節目になります。何回か委員会でも話をさせてもらいました。キューバは最初に私が国会議員として訪問させてもらい、またカストロ議長とも何度も食事をしたり会談をさせてもらいました。そんな中で、今非常にキューバは日本びいきというか、この前、去年でしたね、外務大臣来られたときに大臣お会いしていますね、キューバの、名前が出てこないので、今、済みません。  そういう中で、キューバにはいろんな、またこれは世間で知られていない資源もあります。そういう中で、人的交流というか、これから是非、私のはスポーツ交流が基本ですが、資源外交も含めて、キューバという国、非常に、天皇陛下が崩御されたときに半旗を翻したと、そういう友好的な国なので、是非訪問されて、今回は無理でしょうけど、お時間があればまたその辺の友好を深めていきたいと思っていますので、最後に一言。
  172. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 残念ながら、私自身、まだキューバには訪問する機会を得ていませんが、御指摘のように、慶長遣欧使節団がキューバ上陸してから今年が四百年目ということであります。今年は交流年、日本とキューバの交流年と指定をされています。そして、様々な行事が予定されているところです。  例えば、この二月には日本から音楽家を派遣し、キューバにおいて邦楽演奏を行い、大変好評を博したということもありました。また、この交流年の一環として、一月には日本・キューバ友好議員連盟がキューバを訪問いたしました。政府としましても、こうした様々なレベルでの交流あるいはキューバ側の事業、しっかりと協力をしていきたいと存じます。  本年後半もキューバとの間で、政治経済のみならず、文化、教育、スポーツ、幅広い分野で多くの交流が予定されております。是非、政府としましてもこうした機運、引き続き維持そして活用をしながら、友好協力関係、一層深めていきたいと考えております。
  173. アントニオ猪木

    アントニオ猪木君 終わります。
  174. 中西健治

    ○中西健治君 みんなの党の中西健治でございます。  まず、今日は、集団的自衛権に関して質問をさせていただきたいと思います。  先ほどの質疑で、明後日に安保法制懇報告書が出てくると、その後、NSC四大臣会合開催されて、安倍総理記者会見と、ここで基本的な方向性というのが示されるということでありましたけれども、あの四大臣会合に参加される両大臣はそこでまた意見をお述べになられたりということになるかと思いますので、この集団的自衛権議論を進めるに当たって、今行うに当たっての問題認識についてお伺いしたいと思うんです。  現在の政府憲法解釈、すなわち、集団的自衛権は有しているけれども行使できないという解釈につきましては、よく引用されますあの一九八一年五月の鈴木善幸内閣のときの質問主意書に対する答弁書、これがそこで確立されたということはよく言われているわけでありますけれども、その答弁書を読んでみるとその先がありまして、「集団的自衛権の行使が憲法上許されないことによつて不利益が生じるというようなものではない。」と、こういうふうに書かれているわけでありますが、その後の我が国を取り巻く環境、世界の社会情勢の変化等により現時点で不利益を生じているのかどうか、現時点で不利益を生じているという考えなのかどうかということについて、まず外務大臣考えを聞かせていただきたいと思います。
  175. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、我が国を取り巻く安全保障環境、一層厳しさを増していると認識をしております。また、サイバー攻撃のような容易に国境を越えてくる新しい脅威も増大しております。もはや、どの国も一国のみでは自国の平和と安全を守ることはできない、こういった状況にあると考えております。  そして、そういった観点から安全保障法的基盤を再構築する必要があるのではないか、こうした考えに基づいて現在、安保法制懇において議論が行われてきているということでございます。このように、国際情勢の変化、またこれからの動き等を見通して、絶えず国民の生命、財産、自由を守り、そして国家の主権を守るためにはどうあるべきなのか、こうした検討を加えていく、こういった姿勢は大変重要であると考えております。  そして、現状において何が求められるかについては、今はまだ、今日現在はまだ最終報告書安保法制懇から出されておりませんので、この辺もしっかり踏まえた上で政府としての対応与党とも議論をした上で決定をすることになると思っておりますし、国会においても引き続き御議論をいただくことになると考えております。
  176. 中西健治

    ○中西健治君 防衛大臣にも同様の質問をしたいと思います。現時点で不利益を生じているかどうか、そういった問題認識があるからこそ今後どうすべきだということについては安保法制懇報告書を受け取って議論をして決めていくということだと思いますけれども、やはり不利益が全くないのであれば議論を今するということでもないのではないかと思うんです。そうした問題認識について防衛大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  177. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 委員が御指摘されておりますのが、一九八一年五月の稲葉議員に対する質問主意書の答え、答弁書の中で、不利益が生じるというようなものではないということ、集団的自衛権についての政府の解釈があります。  ですが、もうそれから三十年以上がたっております。そして、例えば冷戦も終結をし、その後、多種多様な地域紛争が発生しておりますし、我が国は、湾岸戦争を契機としまして、一九九〇年代からPKO活動を始めとします国際平和協力活動に参加をしてきております。ですから、三十年前とは我が国自衛隊役割というのもかなり変わってきているということは事実であります。  また、昨年、例えば北朝鮮は様々な威嚇的な発言をし、弾道ミサイルの開発を行い、核の実験を累次行っている、そのような新しい脅威も出てきております。そういう問題に対してどう対応していくかということは、これは政府全体としてしっかり検討することが必要なことだと思っております。  いずれにしても、政府としましては、現在、報告書があさって出されるということでありますので、それが提出された後、与党とも相談の上、政府対応を検討し、また国会での議論をしていただくことになると思っております。
  178. 中西健治

    ○中西健治君 はっきりとはおっしゃりにくいんだろうと思いますけれども、両大臣の御発言というのは、やはり今不利益が生じていないという環境とは変わっているということなんだろうと思います。ということは、私が理解すると、不利益が現段階では生じてきてしまっていると、それを改めていく必要があるということなんだろうというふうに私自身は理解をしているところでございます。  これと少し関連して直近のことでお伺いしたいと思うんですが、安倍総理は連休中に欧州に歴訪されまして、六日にブラッセルで北大西洋条約機構本部で演説をされております。そこで中国の海洋進出や軍拡の傾向が顕著だとして、我が国を含む国際社会の懸念事項になっていると、中国を名指しで批判をしたわけでありますけれども、昨今、西沙諸島のところで起こっているベトナムと中国の公船同士の衝突でも、この緊張の中にあってもASEAN諸国は中国を名指しにはしていません。こうした事態について大きな懸念を示していますけれども、名指しにしないで声明を発表していると。こうした違いが直近のことで起こっているわけでありますけれども。  もちろん中国現状変更への力での試みということに対しては厳しく我々は問うていかなきゃいけないというふうに思っていますけれども、これ、今、集団的自衛権議論を行おうとしている中で、これは、集団的自衛権の行使を容認するということになると中国という国は当然反発を強めるだろうということが予想されるわけですけれども、あえて中国を名指しで批判するということについて、やはりこれはすべきなのかどうかということについて、外務大臣の御意見を伺いたいと思います。
  179. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) NATOの北大西洋理事会におきまして、総理は、NATOが積極的平和主義を実践する最適なパートナーであること、そして地球儀を俯瞰する日本にとって、NATOは具体的行動に裏付けられた信頼できる必然のパートナーである、こういった趣旨の演説をされました。その中で、このアジア太平洋地域安全保障環境が一層厳しさを増していることを具体的に説明した上で、この地域の平和と繁栄の実現のため、関係各国が建設的役割を果たしつつ協力する重要性を強く訴えた次第です。  そして、御指摘のこの中国に対する発言ですが、この一連の流れにおいて、総理中国の軍備拡大など、事実関係に基づいて触れたということであったと承知をしております。
  180. 中西健治

    ○中西健治君 集団的自衛権に関する議論、これを前に進めていくのであれば、やはりいたずらに近隣諸国を、まあいたずらにというか、いわゆる近隣諸国を挑発するようなことというのは我々も慎んでいかなきゃいけないだろうというふうに思います。  総理の靖国神社参拝というのも去年行われましたけれども、それについては今日は深入りするつもりはありませんけれども、やはりこうしたことをすることで集団的自衛権議論が進みにくくなってしまうのではないかと、そうした懸念に対してはいかがでしょうか。
  181. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 先ほど答弁させていただきましたように、今回の総理発言につきましては、アジア太平洋状況について説明をさせていただき、その中で客観的な事実を述べたということであります。そして、今、我が国においては集団的自衛権と憲法の問題等について有識者会議での議論が行われ、そしてその最終報告書を待ってこの議論が更に深められようとしております。  こうした我が国取組議論につきましては、やはり近隣諸国等関係国の理解を得るという点、これは大変重要なことであると認識をしております。是非、今後、我が国におけるこの議論の進み具合等も見ながら、近隣諸国に対しましては是非丁寧に我が国の真意なり考え方、説明努力は続けていきたいと考えております。
  182. 中西健治

    ○中西健治君 それは是非やっていただきたいと思います。  先ほど防衛大臣の出張の御報告の中で、オーストラリアそしてイタリア説明をされたということがありました。特に近いところ、ここの諸国に対してはやはり緊密に連絡を取って説明をしていかなきゃいけないだろうというふうに思いますので、それは両大臣に是非やっていただきたいというふうに思うところであります。  続きまして、オバマ大統領アジア歴訪ですけれども、オバマ大統領は先月二十五日の米韓首脳会談後の記者会見で、従軍慰安婦問題について甚だしい人権侵害だと、ショックを受けたと、こんなような発言をされました。日本を離れて僅か数時間後にこんなような発言をしたわけでありますけれども、日米首脳会談後の記者会見におきましても、尖閣は日米安保の対象であるということはおっしゃいましたけれども、それと同時に、主権の問題にはタッチしないというようなことで、中国にも配慮するような発言もされておりました。  今回のオバマ大統領アジア歴訪について、従軍慰安婦に関する発言も含めて、外務大臣、どのように評価されているでしょうか。
  183. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、今般のオバマ大統領の訪日ですが、両首脳間で日本積極的平和主義米国アジア太平洋重視政策、これは共に地域の平和と安定に資するものとして相互に評価、歓迎し、平和で繁栄するアジア太平洋を確実にするための日米同盟主導的役割、これを確認することができたと受け止めています。そして、両政府は、安全保障経済アジア太平洋地域情勢等について率直な意見交換を行い、日米同盟の力強さを確認いたしました。そして、我が国に続いて訪問した韓国、マレーシア及びフィリピンにおいて、米国のアジア重視政策への明確で強固なコミットメントが示されたと承知をしております。  そして、米韓首脳会談後の慰安婦問題についての発言でありますが、この発言につきましては、その発言の直後、総理発言させていただいておりますように、慰安婦問題については、筆舌に尽くし難い思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛む、総理自身もその直後そう発言をされているわけですが、やはり二十一世紀こそ人権侵害のない世紀にすることが大切であり、我が国としましても全力を尽くしていきたいと考えております。  オバマ大統領は、この発言と併せて、未来に視点を合わせることの重要性についても言及をしております。我が国として、未来志向の日韓関係構築するために更なる努力をしていくところですが、大統領もこの点につきましては十分に理解していただいていると認識をしているところでございます。
  184. 中西健治

    ○中西健治君 続きまして、防衛大臣にお伺いしたいと思いますけれども、オバマ大統領はフィリピン訪問の際に、フィリピンでの米軍派遣拡大を可能にする新軍事協定に署名をいたしました。これは米軍アジア太平洋地域安全保障、そして我が国安全保障にとって私自身はかなりプラスに働くんではないかというふうに考えているところでありますけれども、防衛大臣はこの軍事協定についてどう評価されているか、教えていただきたいと思います。
  185. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) フィリピンはASEANの中でも日本と大変友好な国でありますし、私も昨年、二度訪問をさせていただいております。  今般、米国とフィリピンの間で署名されました米比防衛協力協定を含め、米国アジア太平洋地域を重視し同地域へのプレゼンスを強化するということは、これは地域安全保障が一層厳しさを増す中、大変重要だと思っております。  先般、私が訪問したときには、スービック基地を視察をさせていただきました。フィリピン政府として、やはり今後ともこの地域の安全のためには、日本との関係もそうですが、特に米国関係強化したいというのが先方の国防大臣発言でありました。  今回、このような米国とフィリピンの関係が一層強まるということは、これは地域の安全にとって重要なことだと思っております。
  186. 中西健治

    ○中西健治君 評価はまさにそうなんじゃないかなというふうに思うわけでありますけれども、今後実施される沖縄の海兵隊のグアム島への移転を含めた米軍のリバランス、アジア地域における再編成に影響があると考えるかどうか、この点についてはいかがでしょうか。
  187. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 委員が御指摘されましたリバランスの問題でありますが、これは沖縄に例えばおります米国のプレゼンス、これは引き続き確保するというようなことになっておりますが、それの中で、例えば司令部、陸上、航空、後方支援部隊、各要素から構成されます海兵空地任務部隊、MAGTFと呼んでおりますが、これを日本、グアム、ハワイに置くとともに、オーストラリアへローテーションさせるというのがアメリカの考え方であります。そして、グアム移転、これについても2プラス2において示されましたが、こういう全体としての米軍のプレゼンスというのは確かにこの太平洋地域に広がりますが、今回こうして新たにフィリピンとの協定を結ぶということの中で、決して私どもアジア太平洋地域のプレゼンスが下がるということはないんだと思っております。
  188. 中西健治

    ○中西健治君 確認しておきたいんですが、日米のガイドラインの見直しについても、これは特段影響はないものだというふうにお考えになっていらっしゃるかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
  189. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) ガイドラインについては、現在、今年末の策定に向けて協議中でありますが、特に今回のフィリピンとアメリカとの協定がそれに影響するというふうには承知はしておりません。
  190. 中西健治

    ○中西健治君 外務大臣にお伺いしたいと思いますけれども、今回のフィリピンのこの新軍事協定、我々の同盟国がまたそちらと結んでいくということになるわけでありますけれども、集団的自衛権議論の中で、いろんな類型ですとか事例というものが示されるだろうということでありますけれども、同盟国が結ぶそうした軍事協定、近いところで結んでいく、こうしたものが集団的自衛権議論に何らかの影響を与えるだろうと考えるかどうか、ここら辺についてはいかがでしょうか。
  191. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 今回の米国とフィリピンとのこの協定ですが、フィリピンにおける米軍のローテーション展開による米軍のプレゼンスを強化するとともに、人道支援あるいは災害救援など、こういったものが促進されるものと考えております。米国のリバランス政策の具体化の一つであり、我が国としましてはこれを歓迎しているところです。  一方、このことが集団的自衛権議論に影響を与えるのかという御質問ですが、私自身は、こうした動きが直接我が国集団的自衛権議論に影響を与えるものではないと考えております。
  192. 中西健治

    ○中西健治君 質問を終わらせていただきますけれども、幾つかの事例という中にこうしたものが、より可能性の高いものとしてフィリピンのことが入ってくるのかもしれないなというふうに思っております。そうした観点で問題意識を持って質問させていただきました。  どうもありがとうございました。
  193. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  まず、海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」のいじめ自殺問題についてお聞きいたします。  三月二十五日に本委員会で取り上げましたけれども、東京高裁は四月の二十三日に、海自によるいじめの証拠隠しを認めた上で、自殺の予見性、そして上司が対策を講じなかった責任を認めて、一審の四百四十万円から大幅に増えた約七千三百万円の賠償を国などに命じる判決を下しました。  上告をせずに判決は確定したわけでありますが、防衛大臣が判決をどのように受け止められているのか、そして、当然遺族に対して謝罪が行われるべきかと考えますが、これはどうなっているのか、まずお聞きいたします。
  194. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 平成十六年十月に護衛艦「たちかぜ」の当時の乗員が尊い命を自ら絶つという痛ましい事案があったことについて、亡くなった方及び御家族に対して、改めて心からお悔やみを申し上げます。  四月二十三日の東京高裁判決では、当時の上官等は自殺を予見可能であったとして、暴行、恐喝等、自殺との相当因果関係を認めるとともに、平成十七年の情報公開請求に対し、当時の横須賀地方総監部監察官及び「たちかぜ」艦長の二人がアンケート原本等の文書を隠匿したとして判示をされました。  防衛省としましては、この判決を重く受け止めたところであります。私としましても、この判決を見、そして関係機関とも協議の上、上告を行うことはしないという判断をさせていただきました。防衛省・自衛隊として、二度と同じような問題を起こすことがないよう、しっかり再発防止に努めてまいりますとともに、御遺族への謝罪についても、今後、御遺族の意向を踏まえた上で、できる限り誠意ある対応をしてまいりたいと思っております。
  195. 井上哲士

    ○井上哲士君 高裁での焦点は、海自がいじめを把握していたことを示す艦内生活実態アンケートについて、情報公開請求に対して廃棄したと答えていたけれども、三等海佐の内部告発で存在が明らかになったということでありました。  海自も内部告発後には存在を認めましたけれども、行政文書を適切に管理する知識が不足し、情報公開業務の重要性に対する認識が不十分だったと、こういう内部調査報告書を発表して、あくまでこれはミスだということで隠蔽については否定をし、裁判でもそういう主張をいたしました。しかし、高裁判決は、明確に隠匿であり違法だと断じました。  私も先日の質疑で、これは隠蔽というのは担当者だけの問題ではなくて組織全体の問題だということも指摘をいたしました。マスコミも一斉に、「隠蔽体質が断罪された」、「いじめ・隠蔽体質を改善せよ」など、社説を掲げているわけであります。  一方、海自のこれまでの再発防止策はやはり知識、認識不足によるミスだという前提だったわけでありますが、こういう判決も受けて更に踏み込んだ対策が必要だと考えますけれども、大臣認識と、そして具体的対応についてお聞きいたします。
  196. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) この事案を、発生時の状況について報告を受けた中で、その文書管理が適切ではなかったという報告は私は受けております。ただ、今回の判決の中で、裁判所はこれは隠蔽体質があったというようなそういう判断もされたということ、これは大変重いものだと思っております。  この判決を受けまして、私として、速やかな再発防止を徹底を更にするということが必要と考えまして、五月の八日でございますが、事務次官通達ということで新しい措置の内容を発出させていただきました。一つはコンプライアンスに関する意識の徹底をすること、不適切な部下の指導及び自殺事故の防止、そして情報公開関係業務及び行政文書の管理の適正な実施について全省的に一層の徹底を図るとともに、防衛監察本部による定期防衛監察等も通じて実施状況を確認することで、これは実務面、意識面の両面から徹底を図っていくということが重要だと思っております。  今回の事案は、この高裁判決を受けて、私どもとしてやはり真摯に反省すべき重要な問題だと思っております。今後とも、このようなことが起きないようにしっかり対応していきたいと思っています。
  197. 井上哲士

    ○井上哲士君 意識面まで踏み込んだということでありますが、これ自身の実践とともに更に踏み込むことも必要かと思います。  海自は、アンケートの存在を内部告発した三等海佐について、告発のために内部文書のコピーを持ち出したのは不適切だとして処分に向けた調査を始めました。私は前回の質問で、処分などあってはならないとして調査の中止を求めたわけでありますが、答弁は、公益通報をしたことを理由にして公益通報者に対して不利益な取扱いを行うということはないというもので、やや曖昧な答弁だったと思います。  内部資料の持ち出しがあっても、それはもう公益通報と一体のものでありますから、処分はあり得ないと考えますが、三佐に対する処分に向けた調査というのは中止をされたということでよろしいでしょうか。
  198. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今御指摘がありましたこの公益通報をした三等海佐に対してですが、私からは、海幕長、海上幕僚長に対して、護衛艦「たちかぜ」訴訟の高裁判決が確定したことを受け、三佐の懲戒処分等については、公益通報者保護法の趣旨も踏まえ、適切に対処するように指示をしております。  いずれにしても、防衛省としましては、公益通報者保護法及び防衛省における公益通報の処理及び公益通報者の保護に関する訓令を踏まえ、公益通報したことを理由として公益通報者に対して不利益な取扱いを行うことはありません。
  199. 井上哲士

    ○井上哲士君 内部資料の持ち出しは、繰り返しになりますが、公益通報と一体のものでありますから、これは処分などは行われないということで確認をしたいと思います。  ただ、私はやっぱり処分を検討したこと自体がこの隠蔽体質の根深さを示していると思います。自衛隊での自殺問題というのはほかにも裁判も行われておりますし、泣き寝入りしている遺族もあるわけでありまして、対応を抜本的に見直すとともに、二度と起きないような踏み込んだ対応を改めて強く求めたいと思います。  次に、武器輸出の問題についてお聞きいたします。  先日の大型連休は安倍内閣が武器禁輸政策を転換してから最初のものでありました。総理防衛大臣外務大臣、外国訪問をされたわけでありますが、際立ったのは非常に各国との武器共同開発での協力を進めたということでありました。マスコミも、「装備協力各国に広げる 首相の欧州訪問」、日経、「武器 首相が売り込み 欧州輸出、成長戦略の一環に」、東京、武器共同開発へ着々 首相欧州歴訪」、京都、等々報道をいたしました。  具体的にお聞きしますけれども、まず、防衛大臣はオーストラリアに訪問をされて、船舶の流体力学分野に関する共同研究を進めることを確認というふうに発表されておりますが、この共同研究というのは、報道されているように、潜水艦の関連技術を含んだものということで確認してよろしいでしょうか。  また、防衛装備・技術協力の枠組みに関する協定を結ぶ交渉開始が合意されたとされておりますが、現在こういう協定を結んでいる国はどこか、そして交渉開始で合意済みの国はどこなのか、併せてお答えいただきたいと思います。
  200. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 日豪の首脳会談がありまして、その会談の結果、両首脳より進めるように指示を受けましたのが船舶の流体力学分野に関する共同研究ということであります。これは、船舶が海洋を航行する際に船舶の周りに生じる水の流れについて研究を行うものでありまして、具体的な研究の詳細については現在検討中ですが、研究内容は科学技術分野における基礎的なものであります。その結果の応用というのは、いかなる種類の船舶においても応用可能なものだと思っております。  また、装備・技術協力に関する枠組み協定ですが、米国とは一九八三年に対米武器技術供与取決めを締結をしております。また、英国とは日英間の防衛装備品等の共同開発に係る枠組みを昨年七月に締結をしております。また、本年四月にオーストラリアと、そして本年五月にはフランスと類似の装備・技術協力の枠組みの合意に向けて交渉を開始することを決定をしております。
  201. 井上哲士

    ○井上哲士君 いかなるものにも応用可能ですから、報道されているように潜水艦にも関連をする技術を含んだものだということでありました。  そしてまた、この装備・技術協力の枠組みに関する交渉開始もフランスも含むということが今答弁があったわけでありますが、続く日本イタリア防衛大臣会談では、防衛装備・技術に関して両国間でどのような分野での協力が可能か、引き続き意見交換を行うことで一致したと、こうなっておりますが、具体的にはどういう分野そしてどういう意見交換を今後行っていくんでしょうか。
  202. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 五月七日に実施されました日本イタリア防衛大臣会合でありますが、これは、様々な日本の今の、例えばNSCができました、あるいは防衛大綱、あるいは防衛装備移転原則、そういう日本安全保障政策についての説明をしたということであります。その中で、先方ピノッティ国防大臣から新しい防衛装備について今後とも技術協力をしていきたいという先方からの申出がございました。ただ、現在イタリアとの間で装備・技術協力分野においての具体的な協力案件が出てきているわけではありませんが、今後とも、両国でどのような分野協力が必要かということは、これは重要かと思っております。  なお、今自衛隊として次期主力戦闘機として考えておりますF35につきましては、イタリアも同じくヨーロッパの一つの生産拠点になるということでありますので、そういう面では防衛装備の中での意見交換はできる環境にあると思っておりました。
  203. 井上哲士

    ○井上哲士君 さらに、ちょっと遡りますが、四月にアメリカ国防長官との会談で、武器技術協力強化一致をしたということの一環として、アメリカとの間で互恵的な装備品調達に関する覚書を結ぶ協議に入ったと言われておりますが、これは具体的にどういう中身になるんでしょうか。
  204. 吉田正一

    政府参考人(吉田正一君) 先生御指摘ございました互恵的防衛調達覚書と申しますのは、アメリカが、同盟国でございますとか友好国との間で相互に防衛装備品の調達を効率化すること等を促進するため、これまでに欧州主要国等二十三か国と作成している覚書でございます。このような覚書の作成により、例えば米国安全保障の観点から講じている特殊金属規制、これは米国以外で製造した特殊金属が原材料として含まれている防衛装備品を米国国防省が購入することを禁止する規則でございますが、こういった適用を除外する、そういったことが可能となるというふうなことでございまして、また、米国及び相手国は調達手続の透明、公平性のための措置等を講ずることになると、こういったものを内容とする覚書でございます。
  205. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本からの輸出をより促進をすることに働くものだと思います。  安倍総理は英国を訪問をしておりますが、英国とは既に化学防護服に関する共同研究が進められておりますが、これも更に拡大をするという方向だと報じられておりますが、これはどういうような分野を想定しているんでしょうか。
  206. 吉田正一

    政府参考人(吉田正一君) 五月一日の日英首脳会談後に発出されました日英共同声明におきましては、二〇一三年七月に署名された協定及び過去二年間のこれらの分野における両国協力に基づいて、共同開発・生産のための様々な適切な防衛装備品プロジェクトを特定し続けていく旨が盛り込まれております。  このような方針に基づきまして、今後とも日英防衛当局の様々なレベルで意見交換を実施していきたいと考えてございますが、現時点で化学防護以外に英国との間で合意している具体的な協力案件はございません。
  207. 井上哲士

    ○井上哲士君 さらに、総理フランスでは無人潜水機を中心に複数の分野での協力促進を申し合わせたとされておりますが、四月から既に武器共同開発の実務者協議の初会合開催をされておりますけれども、これは、双方出席者はどういうレベルなのか、また、今後どういうテンポでこの実務者協議が行われるんでしょうか。
  208. 吉田正一

    政府参考人(吉田正一君) 先生御指摘にございましたように、本年一月に開催されました日仏外務防衛関係閣僚会合で日仏間の防衛装備協力に関する委員会を設置することで合意しておりまして、これを受けまして、第一回会合を四月九日に東京で開催したところでございますが、基本は双方の課長レベルで開催したところでございます。それで、今後のことでございますが、第二回を六月中旬にフランス開催することと予定してございます。
  209. 井上哲士

    ○井上哲士君 このフランスでの協力促進にある無人潜水機について、ある報道では、日本としては中国が進出を図る東シナ海や西太平洋での運用を想定していると、こういうこともありましたけれども、こういうことでしょうか。
  210. 吉田正一

    政府参考人(吉田正一君) 先ほど申し上げました日仏首脳会談後の共同プレスリリースでは、防衛装備協力については、両国は、無人システムを始めとする幾つかの分野において協力する共通の関心を特定した旨の言及がなされてございまして、そういった分野について今後意見を深めていこうと、そういうことでございます。
  211. 井上哲士

    ○井上哲士君 今ずっと答弁していただきましたが、総理防衛大臣の外遊やトップ会談を通じて、次々武器共同開発での各国との協力が広げられております。  自民党は、こうした政府間交渉の強化のための組織改編も求めておりまして、先日、自民党の国防部会が、武器の国際共同開発や輸出の拡大に向けて政府間交渉に乗り出すように求めて、防衛装備庁の早期設置を提言をしております。大臣は、しっかり受け止めて五月か六月に防衛省としての方針を出すと述べたと報道をされておりますが、元々防衛省は、昨年八月に発表した「防衛省改革の方向性」で、防衛装備庁の設置も視野に入れた改革を行うとしております。  この自民党の提言も受けて、防衛省としても、輸出や共同開発の促進も含んだ組織改編を検討をしているということでしょうか。
  212. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 自民党の国防部会・防衛政策委員会合同会議においては、本年二月より十回にわたって防衛生産・技術基盤に係る議論がなされ、本年四月二十一日に、我が国の防衛生産・技術基盤をいかにすべきかという提言、これを防衛省に対して手交されまして、私ども受領させていただきました。  同提言におきましては、防衛装備の海外移転推進、国際協力機能、技術管理機能、プロフェッショナルな人材を育成する機能、そして構想段階から研究開発、取得、維持整備段階に至る一貫したプロジェクト管理機能などを有する強固な組織を外局として防衛省に設置することを求めております。  防衛省においても、防衛省改革の一環として、防衛装備庁、仮称ではありますが、それの設置も視野に入れた装備取得関連部門の統合に向けた検討を行っているところでありますが、私どもとしては、特に防衛省改革としての観点でありますので、この防衛装備庁は、例えば防衛装備を新しく検討、導入する場合にプロジェクトマネジャーの制度を入れ、少しでもコストが安く、そしてまた、最終的に運用に十分に対応できるような、そういう一貫した防衛装備の充実ということを視野に入れた現在の防衛装備庁の設置、検討中ということであります。
  213. 井上哲士

    ○井上哲士君 輸出についてどう取り扱うかというのは今のではよく分かりませんでしたが、私は全体としていろんな分野で加速していると。  三月の予算委員会で質問した際に、防衛大臣は、防毒マスクとかブルドーザーとか、そういうのを自衛隊がいろんな支援で持っていったときに一々例外措置をしなくてもいいようにするためだと、こういうような趣旨の答弁もされまして、委員お話を聞いているとまるで武器という話ですが現実的には防衛装備ということだと、こういうふうに答弁をされました。  しかし、まさに現実的には、武器そのものの共同開発や輸出へトップセールス、そして協定の整備、推進のための組織改編など、次々と加速をしているのが実態だと思うんですね。  武器禁輸政策撤廃して僅か一か月余りでありますが、この急テンポを見ておりますと、厳格な管理と盛んに言われますけれども、日本からの武器や技術が拡散をして国際紛争を助長するんじゃないかと、この懸念が広がるわけでありますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  214. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 現在の日英間で行っているのも防護服の開発ということになりますし、また、今各国議論されているのは、むしろ、今新しい防衛装備については多国間での共同開発が主流になっているということでありますので、日本の防衛装備を積極的に海外にという、そういう印象を持たれたのであれば、それは今回私が各国と話した中の内容とは少し異なる内容ではないかと思っております。  防衛省としましては、今お話ししましたように、国際的な主流となっています国際共同開発・生産への適切な対応や諸外国との安全保障防衛協力を一層強固にしていくために、装備技術の技術協力を行っていくということは、これは全体としての考え方であります。  他方、新たな防衛装備移転原則においては、防衛装備の海外移転に係る手続や歯止めを今まで以上に明確化し、内外に対して透明性のあるルールを定めております。  御指摘の点も、移転された防衛装備が国際的な平和及び安全を妨げる用途に使用されることがないよう、目的外使用や第三国移転についても適正な管理を確保することとしております。  いずれにしても、今回の防衛装備原則、新しい原則というのは私どもとしてやはり今の新しい防衛装備は多国間で共同開発するのが主流の中で、日本がその中で取り残されないということに関しても重要な検討をしていただいたことだと思っております。
  215. 井上哲士

    ○井上哲士君 改めて、武器輸出で栄えたり、国際紛争を助長するような国にはなってはならない、武器禁輸政策に立ち返るということを求めまして、質問を終わります。
  216. 末松信介

    委員長末松信介君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。  防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。お疲れさまでした。     ─────────────
  217. 末松信介

    委員長末松信介君) 次に、南インド洋漁業協定締結について承認を求めるの件及び二千四年の船舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。岸田外務大臣
  218. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) ただいま議題となりました南インド洋漁業協定締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この協定は、平成十八年七月にローマで開催された国際会議において採択されたものであります。  この協定は、南インド洋の公海における漁業資源の長期的な保存及び持続可能な利用の確保を目的として、締約国会議で定める保存管理措置をとること等について定めるものであります。  我が国がこの協定を締結することは、このような目的に積極的に協力し、及び我が国の漁業の安定した発展を図るとの見地から重要であります。  よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に、二千四年の船舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この条約は、平成十六年二月にロンドンで開催された国際会議において採択されたものであります。  この条約は、船舶の安定性を確保するため船舶に取り入れられたバラスト水及び沈殿物の規制及び管理により、有害な水生生物及び病原体の移動から生ずる環境等に対する危険を防止すること等について定めるものであります。  我が国がこの条約を締結することは、船舶バラスト水及び沈殿物による環境等への被害の防止のための国際的取組に貢献するとの見地から重要であります。  なお、この条約に定める基準の一部については、国際海事機関総会が、同総会が決議した計画に従って実施するよう勧告していることに鑑み、我が国としては、その勧告するところによりこの条約を実施することとしております。  よって、ここに、この条約を所要の留保を付して締結することについて御承認を求める次第であります。  以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
  219. 末松信介

    委員長末松信介君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  両件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時十五分散会