○紙智子君 だから、
北方関連のそういうところでやる
事業という
認識が全然外れているわけですよね。それはもうすごく私問題だと思うんですよ。
過去に、あれはたしか小池百合子担当
大臣のときだったと
思いますけれども、
根室市立病院で、要するに医師確保が大変になって病院そのものが存続できるかどうかという事態になったんですよ。そのときに、厚生労働のサイドからいえば、確かにそこだけ特別視して、ほかも同じような
状況ある中ではそこだけ特別はできないという、省庁別でいえばそういう感覚なんだけれども、しかし、この
北方関係のことで考えれば、やっぱり領土
返還運動の拠点の地であると、その拠点の地である
根室市で病院がなくなるということは、
地域住民がそこに居続けられないわけですよ、住めないわけですよね。そういうことでいいのかと。
この沖北、
北方の担当の
委員会として言えば、やっぱりそういう
根室が、
根室とかその近隣の
地域が果たしている
役割、拠点としての
役割ということで言えば、やっぱりちゃんと存続をして、引き続きその運動を続けられるようにするというのはこれ考えなきゃいけないわけで、そういう位置付けが必要なんじゃないのかということが議論になりましたよ。
結局あのときは、省庁またがって、それこそ
内閣府も厚生労働も
外務省も含めて一体となって、やっぱり病院が存続できるということのための努力をしなくちゃいけないよねということが議論になった経緯があると思うんです。
何とか確保して、ただ、産科は結局確保できないままということなんですけれども、そういう経緯があるということを考えれば、やっぱりどう
北方のこの領土問題というのを位置付けるかということがすごく問われている問題だと思うんです。
北方四島の住民
支援事業において、医療
支援というのは本当に重要な
役割を果たしてきていると思うんですね。
昨年、実は私ども
日本共産党が領土問題と
根室の
地域経済を考える意見交換会というのを
根室市でやりました。そのときに多くの貴重な意見が出されていて、非常に有意義な懇談になったんですけれども、その中で、ある方は、人道
支援で一番喜ばれているのは実は医療
支援なんですというふうに言われたんですね。その方は、
北方四島の子供
たちが
根室の病院にかかって健康になって戻っていく、これはもう大変な喜びなんですと。
ある子供は、知能が遅れているということで
根室の病院に来ました。先生が診察すると、実は知能が遅れていたんじゃなくて耳が聞こえなかったということなんですね。それが分かったと。ロシアの補聴器でいうと非常に大きいらしくて、それで、子供が大きなのを付けているとばかにされるということで付けなかったわけですね。それで、本当はあれなんだけれども、聞こえないために意思の疎通ができないということもあったということだったんですけれども、
根室で診てもらって、そして非常に高性能な補聴器を提供されたと。それで、その後はもう子供
たちが、先生との対話でも非常にできるようになって、ばかにされることもないということで非常に喜ばれたということなんですけれども、結局、帰った後、その子は一生懸命勉強もして、それで学校の先生になりたいというふうに言っているらしいんですけれども、そういう取組を通じてやっぱり両国間の信頼が高まると。
だから、
北方のいろんな
事業があるわけですけれども、中身がやっぱり大事なんだと思うんですね。お互いにどう信頼関係をつくっていって、民間の間でも話し合う
環境をつくっていくと。私もビザなしで行ったことありますけれども、そのときに住民の皆さんと話したときに、やっぱり率直な話になって、いや、別に領土戻ってきたからといって出ていけなんということは言わない、共存共栄でやるという方向だってあるじゃないかという話にもなるわけですよね。
だから、そういうのをやっぱりつくっていくというのはすごく大事なわけで、そういうことから見ても、やっぱりこの
北方交流
事業というのは領土問題であるということをしっかりと位置付けるべきだし、ほかの
事業と同列に扱うというのはやっぱりおかしいと思うんですよ。その点、
山本大臣にお聞きしたいと思うんですけれども。