○
大島(敦)
分科員 衆議院議員の
大島でございます。
きょうは、三十分間の時間をいただきまして、何問か、主に今回の積雪
被害を
中心に
質問をさせていただきます。
〔
主査退席、
今村(雅)
主査代理着席〕
政治というのは私は土着だと思っていまして、それぞれの選挙区があって、そこに根づいて衆議院議員あるいは参議院議員の
皆さんは政治をしていると思っています。この土着のそのものが
農業だと思っています。今回も、積雪の
被害を受けまして、二月十四日から
東京では雪が降り始め、もちろん関東全域で雪が降り始めて、十五日の未明ぐらいに、これから
質問する
ハウスを
中心に大きな
被害が出ています。
私も関東で五十七年間生きているんですけれども、こんなに雪が降ったことはないんです。五十七年の人生でこんなにたくさん雪が降ったことはなくて、ほとんど埼玉県の公共施設もこんなにたくさん雪が降るという前提でつくっていないものですから、最近できた大きな体育館の屋根が落ちちゃったり、想定外の、余り想定外というのはよくないですね、想定を超えた積雪があったということをまず御理解ください。
ですから、私もびっくりしています。天気予報ですと、前回降った雪の半分ぐらいかなというのが
最初の天気予報で、安心していたんです。でも、十四日から降り始めて、特に関東では、十四日の夜ぐらい、要は深夜に雨に変わりまして、雨に変わると、降った雪が五十センチとか一メートルぐらいあったとすれば、この雪の中に雨の水がたまるわけなんです。相当な荷重がかかって、未明、夜中の大体三時とか五時ぐらいから、
ハウス、
ハウスでも二つありまして、ビニール
ハウスとガラスでできている
ハウスがあって、特にビニール
ハウスについてはぐしゃっと潰れてしまったり、これから写真で
説明するんですけれども、ガラスの
ハウスについても、残った
ところもあるんですけれども、ガラスが割れたり倒壊してしまったガラスの
ハウスもあって、結構な
被害がその未明に起きています。
私の知り合いも、大変だということで夜中の三時とか四時ごろ、ガラス
ハウスの中に入っていろいろと対応をとっていた
ところ、重みで雪と一緒にガラスが降ってくるわけですよ。そうすると、至る
ところにガラスが刺さるわけです。怖くなってすぐに
ハウスから出て、けががなかったということです。
私の選挙区というのが、大宮の上でして、あと熊谷との真ん中で、長細い選挙区ですから、埼玉県の真ん中の選挙区でも気温の差があります。上尾という
ところはそれほど寒くない。徐々に北に向かっていくと寒くなって雪が多く積もり、そして、
ハウスが倒壊したり
被害がある。ですから、県北はもっと
被害があって、
大臣御承知のとおり、群馬県とか、群馬県はもともと空っ風ですから、冷たい雪は大体新潟で落ちてしまって空っ風として三国峠を越えて来るから、ほとんど雪が降らない群馬県、埼玉県、そして雪の余り降らない甲府盆地、ここに降ったことが、多きに面的に
ハウスが倒壊しているというのが今の実態だと思います。これは、日々、雪が解けてくるとともに
被害額は大きくなってくると思います。
埼玉県でも
最初の
被害額よりも今の
被害額の方が相当大きくなっておりまして、お手元の資料の一ページ目を見てほしいんですけれども、
ハウスの全景一、二、三とありまして、この一とか二というのが、専門用語だとパイプ
ハウスというそうです、普通の用語ですとビニール
ハウスというこの
ハウス、これを建てかえるとすればどのくらいの値段がかかるかという
ところに着目してください。
ハウスの全景一とか二のこのパイプ
ハウスですと、大体、私たちが農家の人と話すときには一反とか一町歩という単位で話します。一反というのが三百坪です。
ハウスの一とか
ハウスの二ですと大体坪二万ぐらいです。ですから、一反分
ハウスを全部新しくすると、新しくするだけで、暖房機を入れて六百万ぐらいかかります。
ハウスの三、こちらの
ハウスはしっかりとしたガラスの
ハウスですから、これは坪七万かかる。坪七万ですから、三百坪では二千百万かかります。ですから、一反当たり六百万から二千百万ぐらい、
ハウスを新しくすると。そして、ビニール
ハウスとガラスの
ハウスの真ん中に、鉄骨なんですけれども、ガラスではなくてビニールで覆うという、ちょうど中間的な
ハウスがあって、それが坪五万ですから、新しくすると一反当たり一千五百万です。
この値段です。六百万、一千五百万、二千百万ぐらい新たな投資が一反当たり必要だという
ところが、まず着目してほしい点なんです。
次の、これはキュウリ農家です。キュウリ農家は、今A重油が大分上がってしまってきているので、前は暖房機でたいてできるだけ早くキュウリをつくっていたんですけれども、今は、苗をちょうど
ハウスの中で植えて、これから六十日間ぐらいかけて収穫に臨むという苗を植えた段階で雪で
ハウスが倒壊してしまった。
次のページを見てください。この梨農家はなかなかやる気のある梨農家でして、四人から五人で梨農家の
皆さんが集まって、二十年ぐらいかけて新しい梨の品種を、農事試験場ではなくて個人で新しい品種をつくって、今、農水省で二つぐらい新しい品種を認めていただいておりまして、そういうやる気のある農家なんです。
埼玉県は、甲府とかとは違って、それほど一メーターを超えた雪は降っていないものですから、ちょうど棚の上ぐらいでとまっていて、
ハウスは使い物にならなくなったんですけれども、どうにか棚までは傷んでいない状態。
トマトについては、次のイチゴについても、この二つは十一月からボイラーをたいているわけです。十一月から十二月、一月と三カ月間ボイラーをたいて、A重油が今上がっていますから、一リッター九十円ぐらいのボイラーをずっとたき続けて、ようやくなんです。ようやくトマトも一つの房が出荷する
ところ、イチゴもようやくこれから出荷する
ところで
ハウスが倒壊してしまいましたから、出荷できなくなってしまったんです。
要は、イチゴというのは、一つの苗から五月ぐらいまでとることができます。トマトは、一つ枝が出ると、これがずっと二十段ぐらい出て、大体夏の終わりぐらいまで収穫できるのがトマトです。
ですから、これから五カ月間とか七カ月間かけて、これまで投入した苗代とかA重油の代金を回収する
ところで壊れてしまったので、これらの農家は当座の運転資金に今非常に困っている状態なんです。
前回は、
内閣委員会で先週の金曜日、
質問させていただいたときには、
金融庁に、その点の借りかえの条件変更については柔軟に対応してくれというお願いをさせていただきました。これが一つ。こういう
状況なんです。
設備投資で六百万、一千五百万、二千百万するときに、では、一反当たりどのくらいの収入があるかというのも、それぞれの農家でヒアリングをさせていただきました。農家を営んだことがないと、どのくらいの収入になるかわからないんですよ。トマト、イチゴ、キュウリの野菜ですと、売り上げが大体一反当たりキュウリだと五百万ぐらい。手元に残るのが百五十万ぐらいです。結構いい農家です、一反百五十万。
ですから、野菜をつくっている
ところは、総売り上げ引くことの総コストで人件費を含めた粗利益というのかな、人件費を含めたものは一反当たり大体百万から二百万ぐらいです。花農家だと、二百万を超えて三百万ぐらいまでいく
ところがあります。大体これが、人件費含めて農家の売り上げです。ですから、しっかりやっていれば、一反やっている
ところは大体百五十万ぐらいかな、二反で三百万だ、三反やっていれば四百五十万で、一家族がちょうど食べられているというのが今の農家の実態です。
ですから、今回の例えば一千五百万の設備投資をしようと考えたときに、一千五百か、そうすると、十年返済だと百五十万ずつ返済しなければいけませんから、売り上げが全て飛んでしまうわけです。六百万ぐらいの一番廉価なパイプ
ハウスでも六十万の十年間の返済ですから、百五十万ぐらいしか残らないものですから、返済を六十万ずつしても、農家の収入としては大分落ちてしまうというのが今の現状なんです。
その現状を踏まえて、今、農家は大分迷っています、どうするのか。
やる気のある農家、やる気があるというのは後継者がいる
ところです、後継者がいる
ところは結構早く割り切って、壊れたパイプ
ハウスは業者さんに頼んでどけていただいて、新しくパイプ
ハウスをもうつくり始めています。でも、これは特殊な、本当にやる気のある
ところです。ほかの
ところは、まだ手つかずの
ところが非常に多いのが実態なんです。
もう一つは、やる気があるというのかな、若い
人たちがやっているのはリーマン・ショック後だと思います。今の農家、こうやって私も何十軒各農家を訪問させていただいてヒアリングさせていただくと、四十歳前後の息子たちが継いでいるんです。
皆さん、サラリーマンをやめて継いでいらっしゃる。恐らく、リーマン・ショック後に会社をやめて
農業大学校に入って、一年か二年
農業を勉強しておやじの
農業を継いでいるという方が結構多くて、結構やる気があります。民間
企業で鍛えられた計数処理とか、結構マーケティングとかできますから、本当にやる気がある
人たちなんです。
やる気あるその気持ちをなえさせないようにしなければいけないなというのが今回の私の
質問の趣旨でして、こういう農家とともに、もう一つタイプがあるんです。
それは、六十五歳以上、七十歳以上の方で、息子が継いでいない農家。関東の私の
ところでも大体一割から二割ぐらいいらっしゃると思う。県北の方、埼玉県でも北部に行くともっとそれが五割を超えてきて、恐らく、地方に行くと結構多いかもしれない。六十五歳、七十歳を超えて、今回の災害によってやめようかなというふうに思っていらっしゃる方も多いのも事実なんです。
ですから、ここを切り分けながら
対策について議論しなければいけないなと考えておりまして、きょうは
環境省さんにも来ていただいて、農水省さんにも、
大臣を含め政務三役の方あるいは局長の方に
質問させていただくんですけれども、まず、
ハウスが倒壊して、それに対する補助、助成制度があるかどうかということなんですよ。
この間聞いたら、十分の三はしっかり農水省が見ていただけるよということだったんですけれども、手短にその点についてお答えください。