○伊東信久君
日本維新の会、伊東信久です。
小規模企業振興基本法案につきまして、
日本維新の会を代表して質問させていただきます。(
拍手)
外科医でもある私は、
日本を大手術というスローガンを掲げ、議席を得させていただきました。しかるに、現在の
日本列島を見渡しますと、社会的に急性、慢性の多くの疾患が至るところに見られるように思われてなりません。
本日の質問の対象となります小規模企業の経営についても、病気に例えれば、慢性的に風邪に似たものもあり、多くは、自然治癒を期待しての
経過観察となっているのではないでしょうか。
風邪が、直接命を落とす危険性は低いと言われても、古来から言われているように、風邪は万病の
もとであり、手当てを間違えると、国の命にかかわる大病に進むことも考えられます。また、慢性化して長引くことにより、国の体力、すなわち国力の低下を招く危険性も否定はできません。
風邪を引かない元気な体をつくるためには、今回の
議題である小規模基本法によって小規模企業に元気になってもらうことが
日本の活性化にもつながると考えます。
その上で、
政府が示すべき小規模企業
振興政策について、今回の質問をさせていただきます。
小規模企業の
振興に関する基本的
施策についてお伺いいたします。
国際的な価格競争の中で、大規模なナショナルチェーンと一線を画す必要があると考えます。
ITは、うまく活用すれば地方にもメリットがありますが、例えば、インターネットでばかり本を買われると、
地域の本屋が疲弊してしまう
可能性もあります。小規模事業者が国内外の多様な需要に対応することで、価格競争でなく、付加価値の提供が必要であると思います。
私の実家は大阪で呉服店を営んでいるのですが、お客様のニーズに合った素材のいいものを提供することでの他店との差別化はとても大事であると、父親に話を聞いたことがあります。
今回の
法案の第五条で、小規模企業の
振興に関する
施策を総合的に策定することを国の責務と定めておりますが、小規模事業者が国内での多様な需要と対応するために価格競争以外で付加価値を提供するためには、国としては、どのような方策で多様な需要を掘り起こせるとお考えでしょうか。
さて、昨年上場いたしました、精神疾患に特化しました訪問看護の企業である株式会社N・フィールドのように、今後、医療、
介護の分野においても、企業の参入、発展が期待されます。
簡単な医療行為を行うことができる、医師と看護師の中間職種である特定看護師の創設、養成も、多様な需要に対応するために必要であると、
日本心臓外科学会などが積極的に研修
制度と国家資格として認められるように活動されてきましたが、ことごとく既得権益の壁に立ちはだかられて、国家資格の仕事にはならないようです。
安倍
政権は特区を設けられ、そのことに関しては、私も心強く思っております。抜本的な外科医の労働
環境の
改善のみならず、閉塞状況の在宅医療の
現場に風穴をあけることとなると思われますが、このような医療、
介護の業種において小規模事業者の増加を促進される
政府としての、茂木
大臣のお考えはないでしょうか。
小規模企業は、人口減少、高齢化という
我が国経済の構造的変化に直面しております。この際、労働人口の減少が著しい昨今ですが、労働力の
確保は喫緊の課題だと考えます。
同時に、自営業主の高齢化も進んできています。
その事業の継承や、場合によれば廃業も視野に入れる必要があると思いますが、大阪市立大学大学院の本多哲夫教授らが東大阪市の町工場を調べた結果、自分の代で廃業したいと答えた経営者が、従業員が三人以下の工場で五四・八%、四人から九人で一六・八%にも上り、加えて、経営者の平均年齢は六十歳で、これを
もとに計算すると、今後十年で、六千の町工場のうち千八百もの工場が廃業することとなります。
工場同士が支え合うネットワークづくりと、物づくりに関心を持つ若い世代を育てる公的な支援が必要であると指摘されています。今までの枠を超えて、女性、若い世代やシニア層のさらなる戦力化が必要となっていると思います。
また、一方で、地方に強靱で自立的な経済を構築するためには、いたずらに保護するばかりではなく、企業の新陳代謝が求められます。
以上の二点の指摘に関しまして、茂木
大臣はどのようにお考えでしょうか。
企業の新陳代謝も必要の場合があるとしても、廃業に関しては、個人保証の問題が立ちはだかります。
ガイドラインでは、法人と個人が明確に分離される場合などには個人保証を求めないとありますが、従業員五人以下が九〇%の多数を占める小企業者で法人と個人を明確に分離することは、極めて困難だと考えます。法人と個人の明確な分離ができていると判断する場合、会計基準や保証人担保も含め、どのような基準で判断されるのか、茂木
大臣にお尋ねいたします。
長野県佐久市では、地元商店街の多大なる努力で、イオンと
連携ができていると伺っています。電子マネーWAONの利用を可能にしたのだそうです。大手スーパーと
地域に根差した商店街の共存のよい例だと思いますが、全ての
地域で同じようなことができるとは思えないのです。
それでも、自立的な
地域経済の実現のために、
地域ごとに取り組みを行っています。
愛知県岡崎市では、商店街が実行
委員会をつくり、五名から十名単位で、まちゼミを地元住民に提供しています。そして、私の地元枚方市では、その岡崎から実行
委員長を講師に招いて、まちゼミを計画しております。
バルウォーク福岡では、八十二店舗が参加して、店ごとにいろいろな企画をして、共通チケット購入者が、ふだんは敷居が高くて利用しづらい店でも、気楽に利用できるようにしています。
このような
地域ごとの取り組みに対して、国としては、どのような支援をされていくおつもりでしょうか。
加えて、国、
地方公共団体、支援機関などの枠組みについてお尋ねいたします。
中長期的
観点から事業の持続的発展を図るために、構造的変化に一貫して対応するための五年間のコミットとして基本計画を創設し、年次ごとで見直していくことは、評価できると思います。ただ、総力を挙げた支援
体制の構築とありますが、総力であるならば、国や
地方公共団体などの役割などを、具体的に茂木
大臣にお尋ねいたします。
小規模企業の
振興のための
施策についてお尋ねいたします。
総量規制が、延滞を起こさない
可能性の高い個人事業主への貸し付けを制限することで、逆に、延滞を促進させ、資金繰りを切り詰めたり、過払い金返還請求を含む債務整理を行ったり、銀行のカードローンを利用することになったというデータがあります。皮肉にも、利用者を消費者金融から銀行のカードローンに移行させただけにとどまらず、消費者金融会社が銀行の子会社になるという現象を引き起こしました。
貸金業の見直しも必要と考えますが、このような状況下で、小規模事業者経営
改善資金融資事業で、上限額を二千万円まで引き上げるとあります。経営
改善で再スタートをする会社や創業間もない会社に融資することはいいのですが、やはり、うまくはいかないと思います。ここは思い切って、五年間は金利のみの返済でいいようにし、元本は五年たって十分に利益が出てからの返済でいいことにするくらいの手厚さが必要と考えますが、国としての懐の広いお考えはお持ちでしょうか。
今では当たり前のコンピューターですが、ウィンドウズXPのサポートが四月九日に終了しました。いまだに六百万台も稼働しているようです。私のクリニックでは三台入れかえましたが、十五万円かかりました。このことは、小規模事業者には負担と考えます。
国内外で販路開拓支援としてIT活用支援が基本的
施策として示されていますが、小規模企業のこのような事務所
環境の向上は、国としてはどのようにサポートされるおつもりですか。具体的にお示しください。
ものづくり・商業・サービス革新補助金と中小企業投資促進税制の拡充についてお尋ねいたします。
一言で物づくりといいましてもいろいろありますが、どのような物づくりをイメージされているのでしょうか。
政府が力を入れている
日本医療研究開発機構による医療分野の製品化をスピード感を持って進めていただくことを期待していますが、しかしながら、今のSTAP細胞の
経過を見ていても、スタートからひがみや内部告発などの足の引っ張り合いをしているようでは、進むものも進まないと思います。
車で例えれば、iPS細胞はねじなどの部品、そして、エンジンなどに当たる肝臓や腎臓などの臓器の
再生は開発の段階です。STAP細胞に至っては、まだそのねじや歯車の開発段階のお話で、現状のような足の引っ張り合いでは先が思いやられます。
政府の力強い指導力により、STAP細胞はありますので、このような画期的な
日本の新しい技術開発への支援を期待しています。
これから開発する技術の中では、今ほぼ海外製である医療器具や医療治療機器などのデバイス開発を、大手企業だけではフォローできない部分を、小規模事業者のお力をかりることで、より効率よく、スピード感を持って進められるのではないかと思います。
ペースメーカーでさえ
日本製が使われていない現在の
日本医療市場の状況において、
日本の物づくりの技術が生かされるべきと考えますが、
政府はどのようにお考えでしょうか。
大阪府市の信用保証協会が昨日合併されました。府市の二重行政の解消を進める大阪都構想の一つの象徴ですが、合併効果で、職員が、今まで保証や代位弁済に業務が集中していましたが、余裕ができ、手厚いサービスが期待されています。市協会を府協会が吸収する形にしたことで、
審査能力が相対的に低かった市協会の水準も引き上げられると期待されています。
合併こそ橋下
改革の象徴と考えますが、国において、中小零細の事業者をしっかりとサポートされていくことを期待します。
小規模事業者のみならず、国民の多くが若干の景気回復の兆しを予感はしていますが、まだ、実感ができるところまでは至っておらず、所得も大きくふえるところまで来ていません。日々において
対処的に生活防衛しているのが現状です。
そういう
環境の中で、我々国
会議員の歳費二〇%カットはことし四月で終わり、五月から実質二〇%歳費が上がりました。
日本維新の会の公約である歳費の三〇%カットを、みんなの党、結いの党と、三党で共同
提出しましたが、残念ながら、受け入れられていません。
今こそ、我々国
会議員が、国民の皆様のことを考え、身を切る
改革が必要なのではないでしょうか。茂木
大臣はどのようにお考えでしょうか。
先人には知恵を学ぶべきところが多く、
我が国にも、手当てに手を書いて、手当て手という言葉があり、痛いところへ手を当てることによる症状の緩和は、二〇一六年の世界頭蓋外科学会の会長であり、アメリカ脳神経外科学会誌の表紙を飾られた大阪市立大学医学部脳神経外科大畑教授も事あるごとに提唱されています。
今こそ、我々は、
日本の国の経済を支えてきた小規模企業に十分な手当てを施し、元気を取り戻すことが急務だと考えております。
これにて私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(
拍手)
〔国務
大臣茂木敏充君
登壇〕