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2014-02-19 第186回国会 衆議院 文部科学委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十六年二月十九日(水曜日) 午後零時十五分
開議
出席委員
委員長
小渕
優子君
理事
中根 一幸君
理事
丹羽
秀樹
君
理事
萩生田光一
君
理事
山本ともひろ君
理事
義家
弘介
君
理事
笠 浩史君
理事
鈴木
望君
理事
稲津 久君
池田
佳隆君
小此木八郎
君 神山 佐市君
菅野さちこ
君 木内 均君
工藤
彰三
君
熊田
裕通
君
小林
茂樹君
笹川
博義
君 新開 裕司君
冨岡
勉君 永岡 桂子君 野中 厚君 馳 浩君
比嘉奈津美
君
藤原
崇君 宮内
秀樹
君 宮川 典子君
菊田真紀子
君 津村
啓介
君 吉田 泉君 椎木 保君 三宅 博君 中野
洋昌
君 柏倉 祐司君 井出
庸生
君 宮本 岳志君 青木 愛君 吉川 元君 …………………………………
文部科学大臣
下村
博文君
文部科学
副
大臣
櫻田
義孝君
文部科学
副
大臣
西川 京子君
文部科学大臣政務官
冨岡
勉君
文部科学大臣政務官
上野 通子君
文部科学委員会専門員
久留 正敏君
—————————————
委員
の異動 二月十九日
辞任
補欠選任
青山
周平
君
笹川
博義
君
桜井
宏君
藤原
崇君
細野
豪志君
津村
啓介
君 同日
辞任
補欠選任
笹川
博義
君
青山
周平
君
藤原
崇君
桜井
宏君 津村
啓介
君
細野
豪志君
—————————————
二月十九日
教育費負担
の
公私間格差
をなくし、
子供たち
に行き届いた
教育
を求める
私学助成
に関する
請願
(
山田賢司
君
紹介
)(第一二号) 同(
重徳和彦
君
紹介
)(第三七号) 同(
関芳弘
君
紹介
)(第三八号) 同(
石崎徹
君
紹介
)(第四三号) 同(
漆原良夫
君
紹介
)(第四四号) 同(
高橋ひなこ
君
紹介
)(第四五号) 同(
長島忠美
君
紹介
)(第四六号) 同(
池田佳隆
君
紹介
)(第六三号) 同(
熊田裕通
君
紹介
)(第六四号) 同(
小林史明
君
紹介
)(第六五号) 同(
藤丸敏
君
紹介
)(第六六号) 同(
近藤昭一
君
紹介
)(第七一号) 同(
工藤彰三
君
紹介
)(第九五号) 同(
鈴木克昌
君
紹介
)(第九六号) 同(
小川淳也
君
紹介
)(第一二九号) 同(
原田義昭
君
紹介
)(第一三〇号) 同(
菊田真紀子
君
紹介
)(第一四〇号) 同(
今井雅人
君
紹介
)(第一五七号) 同(
藤井孝男
君
紹介
)(第一五八号)
教育
の
無償化
を目指して全ての
子供たち
に行き届いた
教育
を求めることに関する
請願
(
篠原孝
君
紹介
)(第六一号) 同(
務台俊介
君
紹介
)(第六二号)
教育費負担
の
公私間格差
をなくするための
私学助成
に関する
請願
(
今津寛
君
紹介
)(第七〇号) 同(
今津寛
君
紹介
)(第一五九号) 同(
高橋みほ
君
紹介
)(第一六〇号) は本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
文部科学行政
の
基本施策
に関する件 ————◇—————
小渕優子
1
○
小渕委員長
これより
会議
を開きます。
文部科学行政
の
基本施策
に関する件について
調査
を進めます。
文部科学大臣
から
所信
を聴取いたします。
下村文部科学大臣
。
下村博文
2
○
下村国務大臣
第百八十六回
国会
において各般の
課題
を御審議いただくに当たり、私の所信を申し述べます。 意志あるところ必ず道あり。前途ある
若者
がみずからの人生に一つの志を持ったとき、その目標は半ば
実現
しているのではないでしょうか。しかし、その志を疑いなく持つことがいかに困難であるかということは言うまでもありません。
若者
一人一人が志を持ち、その道を追い求めることができる状況を用意することが、我々大人が果たすべき役割です。 私は、
文部科学大臣
並びに
教育再生
及び
東京オリンピック
・
パラリンピック
を担当する
大臣
として、
我が国
の未来を担う
若者全員
がみずからの人生に誇りを持ち、幸福であると思える
社会
の
実現
を目指して、
教育
の
再生
、
科学技術イノベーション
の
推進
、
文化芸術
、
スポーツ
の
振興
など、
文部科学行政
の
充実
に全力を尽くしてまいります。
安倍内閣
における
政策課題
の二本柱は、
経済再生
と
教育再生
です。
教育再生
のための
原動力
として、昨年、
教育再生実行会議
が設置されましたが、ことしは、
教育再生実行会議
における
提言等
を本格的に
実行
に移すときだと思います。このため、今
国会
において、
教育再生
のために必要となる法案の
提出準備
を進めます。 また、ただいま
国会
で御審議いただいている
平成
二十六年度
予算案
においては、
文部科学省予算
として、
幼児教育
の
無償化
に向けた段階的な
取り組み
や
高校生
のための
奨学給付金
の創設など
保護者負担
の軽減、
グローバル人材
の
育成
に向けた
取り組み
の
充実
などのため、実質的に対前年度比〇・九%増となる額を
確保
いたしました。 しかしながら、現下の厳しい
財政事情
のもとで、より必要とされるところへ手厚い対応を図るためには、
教育財源
の
確保
に向けた新たな
取り組み
が求められます。 このため、例えば、現在、
日本人
の
海外留学
を促進するための財源を
確保
するため、私みずからが
企業関係者
に趣旨を御説明した上で、御理解を得ながら、幅広く民間からの財政的な協力を得る
取り組み
を進めています。さらに省内では、税制によるものも含むさまざまな
教育財源確保策
について、有識者の知見も活用しながら
検討
を進めているところです。 官民が協力して
若者
の夢を応援する。真の
教育再生
の
実現
のためには、
オール
・
ジャパン
の
体制
を構築することが必要であると私は考えます。 あの
大震災
から間もなく三年が経過しようとしています。しかし、
大震災
の爪跡はいまだに
被災地
に大きな影を落としています。私は、今後とも、
学校
の復旧、
就学支援
、
児童生徒
の心のケア、
学習支援等
を初め、
被災者
の心に寄り添った
被災地
の復興に全力を尽くしてまいります。また、
被災地
からの要請を踏まえ、
関係省庁
との密接な連携のもと、
東北地方
における
医学部新設
のための
取り組み
を着実に進めてまいります。 また、
原発事故
への対応として、除染や廃炉に関する
研究開発
や
人材育成等
に着実に取り組むとともに、
原子力損害賠償
については、和解の仲介の
体制強化
を図り、迅速、公平かつ適正な賠償が行われるよう万全を期してまいります。 常々申し上げているように、
人づくり
は
国づくり
です。
日本
の将来を担う
子供たち
は国の一番の宝であり、
教育
は、国の根幹を形づくる最
重要政策
です。 昨年発表された
OECD生徒
の
学習到達度調査
の結果によると、
我が国
は、
読解力
、
科学的リテラシー
の
分野
において
調査開始
以来初めて
OECD諸国
中
トップ
に、
数学的リテラシー
も
OECD諸国
中二位になるなど、過去最高の結果となりました。さらに、
OECD国際成人力調査
でも、
読解力
と数
的思考力
について、参加した国と
地域
のうち
トップ
の成績となりました。 これらの結果からも
我が国
の
学校教育
は
世界
に誇るべきものであると思いますが、みずから
課題
を解決し、未来を切り開く
子供たち
を
育成
するため、
我が国
の
学力水準
の向上と豊かな
人間性
の涵養に取り組むことが重要です。 このため、
教育再生実行会議
では、昨年来、
いじめ
問題への対応、
教育委員会制度
の
あり方
、
大学教育
の
あり方
、
高等学校教育
と
大学教育
との接続、
大学入試
の
あり方
について提言を行い、現在、
義務教育
の年限や
無償教育
の期間など、学制の
あり方
について審議を進めています。
教育基本法
の理念のもと、第二期
教育振興基本計画
に基づき、また、
教育再生実行会議
のこれまでの提言や議論を踏まえつつ、
教育再生
のための施策を
実行
に移し、
世界トップレベル
の
学力
と
規範意識
を備えた
人材
を
育成
してまいります。 具体的には、
教育基本法
にのっとりバランスよく記載され、
採択権者
が責任を持って選んだ
教科書
で
子供たち
が学ぶことができるよう昨年公表した
教科書改革実行プラン
に沿った
制度改革
を進め、今
国会
においては、
所要
の
法律改正
を行うための
準備
を進めます。 また、小
学校
における
英語教育
の
早期化
、
高等学校
における
日本史
の扱いなど
地理歴史
の見直しや新
科目公共
の
設置等
、
次期学習指導要領
に向けた
検討
に着手します。 さらに、
全国学力
・
学習状況調査
の活用、
高等学校段階
における
教育
の質の
確保
、向上、
言語活動
や
理数教育
の
充実
、
ICT活用
の促進に
取り組み
ます。 加えて、
グローバル化
に対応した
英語教育改革実施計画
に基づく
外国語教育
の
強化
や
高校生留学
の
推進
、スーパー
グローバル
ハイスクールとして
グローバルリーダー
を
育成
する
高等学校
の
整備
、持続可能な
開発
のための
教育
に関する
ユネスコ世界会議
の本年の
日本開催
を通じたESDの
推進
や、
国際バカロレア認定校
の
大幅増
に向けた
取り組み
などを進めてまいります。 障害のある
子供たち
の
教育
については、一人一人を大切にし、力を伸ばしていく
観点
から、通級による
指導
の
充実
、
拡大教科書等
の
普及充実
、
学校施設
の
バリアフリー化等
の必要な
教育条件
の
整備
を
推進
するための予算を拡充し、きめ細かな
指導
や
支援
を行う
特別支援教育
を
推進
してまいります。
いじめ
の問題については、
いじめ防止対策推進法
や同法に基づく
基本方針
をもとに、
いじめ
の問題に関する総合的な
対策
の
実施
を進めます。また、心と体の調和のとれた人間の
育成
に取り組む
観点
から、
道徳教育用教材
の「心のノート」を全面改訂した「私
たち
の道徳」の
全国
の小中
学校
への配付や、道徳を特別の教科として位置づけることに取り組むとともに、体罰の禁止の徹底を図ります。
学校
における食育については、
地場産物
を生きた教材として活用し、
地域
の自然や和食などの
食文化
に関する理解を深めるとともに、食に関する感謝の念を育む
取り組み
を進めてまいります。
教育
の
充実
を図るためには、教師の役割が極めて重要です。少
人数教育
の
推進
を初めとする
教職員等指導体制
の
充実
に努めるとともに、養成、採用、研修の各段階を通じた
教師力
の向上に
取り組み
ます。加えて、
公立学校
で多様な
教育
を提供する
観点
から、
公設民営学校
の設置について
検討
を進めてまいります。 また、昨年六月に成立した
子ども
の
貧困対策
の
推進
に関する
法律
を踏まえ、本年四月から、低
所得世帯
の
教育費負担
の軽減や公私間の
教育費格差
の是正を図るため、新しい
高等学校等就学支援金制度
や奨学のための
給付金制度
を円滑に
実施
するとともに、
幼児教育
の
振興
のため、幼稚園と
保育所
の負担の
平準化
の
観点
から、低
所得世帯
、
多子世帯
の
保護者負担
を軽減し、
無償化
に段階的に
取り組み
ます。さらに、
関係
府省と連携して、
子ども
の
貧困対策
に関する大綱の策定に
取り組み
ます。 さらに、安全、安心な
学校環境
の構築のため、
防災教育
の
充実
や
通学路
の
安全確保
、
天井材等
の非
構造部材
を含めた
学校施設
の
耐震化
や
老朽化対策
、
防災機能
の
強化
を
推進
してまいります。
子供たち
の土曜日の豊かな
教育環境
の
実現
に向けては、私を初め、
文部科学省
の職員が率先して
地域
の
教育活動
に参加するよう取り組むとともに、
地域
や企業の協力を得て、土曜日の
教育活動
が
全国各地
で展開されるよう取り組んでまいります。さらに、
放課後子どもプラン
の
全国展開
や
家庭教育
の
支援
の
充実
に
取り組み
ます。
教育委員会制度
の
改革
については、
教育行政
の
責任体制
を確立し、
教育現場
の問題に迅速かつ的確に対応できるよう、今
国会
において、
所要
の
法律改正
を行うための
準備
を進めます。
大学
力は
国力そのもの
です。
世界トップレベル
の
大学
力の
実現
や
世界
を牽引する
リーダー
の養成を目指して、
大学教育
の
改革状況
を踏まえた
重点的資源配分
や、
大学
の質の保証のためにシステムの
改善等
の
大学改革
を
推進
し、質、
量とも
に
充実
を図ってまいります。また、
大学
の
ガバナンス改革
について、今
国会
において、
所要
の
法律改正
を行うための
準備
を進めます。
大学
の
教育研究活動
を支える上では、
財政基盤
の確立と、基盤的経費のめり張りある配分を行うことが重要です。このため、
国立大学法人運営費交付金
や
施設整備費補助金
、
私学助成
を安定的に
確保
します。 また、
国立大学
が
社会
の期待に応えるための
機能強化
に向けて今後取り組むべき
改革
の
方針等
を示した
国立大学改革プラン
に基づき、
国立大学
の
改革
を
実行
いたします。 さらに、私学の
振興
に努めるとともに、運営上重大な問題のある
学校法人
に適切に対応できるよう、今
国会
において、
所要
の
法律改正
を行うための
準備
を進めます。 少子化が進行する
我が国
において、一人一人が能力を高め、
グローバル
な視点を持ってさまざまな
分野
で活躍できるよう、
スーパーグローバル大学
への
重点支援
など、
大学
の
教育研究環境
の徹底した
国際化
を
推進
します。 また、官民が一体となって留学の機運を醸成するため、
留学促進キャンペーン
「
トビタテ
!
留学JAPAN
」を展開するとともに、
留学経費
の
負担軽減
や、事前・事後の研修、インターンシップの
実施
など、国、
産業界
、
大学等
が
総がかり
で
日本人
の
海外留学
をきめ細かく
支援
する
仕組み
を築き上げてまいります。 あわせて、優秀な
外国人留学生
の戦略的な受け入れに必要な
環境整備
を図り、双方向の
留学生交流
の倍増を目指します。 さらに、
子ども
の
貧困対策
の
推進
に関する
法律
を踏まえ、意欲と能力のある
学生等
が
経済的理由
により学業を断念することがないよう、
奨学金事業
を初め
経済的支援
の
充実
を図るとともに、真に困窮している
奨学金返還者
に対する
救済措置
の
充実
に
取り組み
ます。
高等学校教育
と
大学教育
との接続、
大学入学者選抜
の
あり方
については、
教育再生実行会議
の提言を踏まえ、
知識偏重
の一点刻みの試験のみによる選抜から、能力、意欲、適性の多面的、総合的な評価への転換へ向けて具体的に
検討
を進めてまいります。 また、
学生生徒
が
学校生活
から
社会
、
職業生活
へ円滑に入っていけるよう、各
学校段階
を通じた体系的な
キャリア教育
や、高校、
大学
、
専修学校等
における実践的な
職業教育
の
充実
を図ってまいります。 さらに、
産業界
と協働して、
大学
、
専修学校等
における
社会人
、特に、
女性
の
学び直し
の
環境
を
充実
してまいります。
科学技術イノベーション
は、
安倍内閣
が掲げる三本の矢のうちの一つである
成長戦略
の重要な柱であり、
日本
の
経済再生
の
原動力
です。私は、
グローバル社会
で
我が国
が成長を続けるための鍵は、
革新的イノベーション
の継続的な創出による
国際競争力
の
強化
、そして、それを支える
人材
の
育成
だと考えます。 このため、
世界
で最も
イノベーション
に適した国をつくり上げることに注力し、これを
国家戦略
として強力に
推進
してまいります。 具体的には、
研究者
の
独創性
に基づいて行われる多様な
基礎研究
の
支援
、
世界
に冠たる
研究力
を有する
大学
や
研究拠点
の形成、
研究
不正の防止など、
研究環境
の
整備
を着実に進めるとともに、
研究開発法人
がその成果を最大化するための新たな制度の創設に取り組んでまいります。また、
大学
だけでも企業だけでも
実現
できない
革新的イノベーション
を
実現
する
産学連携プログラム
の
推進
や
大学発ベンチャー
の
創出等
による
研究開発成果
の
実用化
、
地域科学技術
の
振興
を図ります。 さらに、先般お認めいただいた
平成
二十五年度
補正予算
及び
改正独立行政法人科学技術振興機構法
に基づき、ハイリスク・ハイインパクトな
研究開発
を
推進
する
革新的研究開発推進プログラム
に
総合科学技術会議
と連携して
取り組み
ます。
世界最高水準
の
科学技術
の
振興
を図るため、
スーパーコンピューター
「京」の約百倍のエクサスケールの
計算性能
を有する
スーパーコンピューター
の
開発
に着手するとともに、
最先端研究施設設備
の
産学官
への幅広い利用を着実に進めます。また、
医療分野
の
研究開発
も強力に
推進
してまいります。
国家安全保障
や
基幹技術
の
強化
を図るため、
革新的技術開発
を
推進
してまいります。 人類のフロンティアである宇宙については、
新型基幹ロケット
の
開発
に着手するとともに、「はやぶさ2」の
開発
や
宇宙分野
における
安全保障
、防災への貢献、
国際宇宙ステーション計画
への
取り組み
を
推進
いたします。 海洋については、
海洋資源調査研究
を戦略的に
推進
してまいります。 また、
世界
に先駆けた
次世代インフラ
の
整備
に向けて、地震・
防災分野
の
研究開発
や
構造材料
の
研究開発
を進めます。 さらに、
人類共通
の
課題
の解決に向けて、
環境
・
エネルギー分野
の
研究開発
や
ITER計画
を着実に
推進
してまいります。 また、
宇宙創成
の謎の解明に向けた
国際協力
による
リニアコライダー計画
に関する
調査検討
を進めます。 加えて、
原子力
については、
日本原子力研究開発機構
について、安全を最優先とした、国民に信頼される組織への
改革
を着実に進めるとともに、
東京電力福島
第一
原子力発電所
の廃炉に向けた
技術開発
や
人材育成
に
取り組み
ます。特に、「もんじゅ」については、安全に運転管理する
体制
を整え、
廃棄物
の
減容化
や
高速増殖炉
の
研究成果
の取りまとめにつながるよう、
改革
にしっかりと責任を持って取り組んでまいります。 先般、
STAP細胞
を発見し、
再生医療
の
研究
に新たな一石を投じた
小保方晴子博士
の活躍は、
我が国
の
若手研究者
、
女性研究者
に大きな勇気を与えるものです。
グローバル
に活躍できる
科学技術イノベーション人材
を養成
確保
するため、
初等中等教育段階
から
高等教育段階
に至る
人材
の
育成
や
若手研究者
への
支援
を
強化
するとともに、
研究
と出産、
育児等
との両立などの
女性研究者
への
支援
の
強化
、
若手研究者
や
研究支援人材
の
流動化
と多様な
キャリアパス
の
整備
を図る新たな
仕組み
の構築に取り組んでまいります。 スイスのローザンヌで開催された
国際バレエコンクール
では、二山治雄さんと
前田紗江
さんという二人の
高校生
が一位、二位に輝きました。また、現在開催中のソチ・
オリンピック
では、
フィギュアスケート男子
で十九歳の
羽生結弦
さんが
アジア初
の金メダルを、
スキージャンプ男子ラージヒル
で四十一歳の
葛西紀明
さんが銀メダルを獲得しました。
日本人
が
文化
や
スポーツ分野
で活躍する姿は、私
たち
に興奮と感動を与えてくれました。 このように、
文化
と
スポーツ
が持つ、
人々
を引きつけ感動させる力は、
人々
の心を豊かにし、困難な問題に連帯して取り組む活力ある
社会
の構築に不可欠なものです。私は、
国家戦略
としてこれらを
振興
してまいります。
文化芸術立国
の
実現
のため、
我が国
が
世界
に誇る
有形無形
の
文化
財の保存、活用や、
実演芸術
や
メディア芸術等
の幅広い芸術の
振興
を図り、それらのための
人材育成
を
強化
するとともに、
日本文化
の魅力を国内外に積極的に発信します。そして、
文化芸術立国中期プラン
を策定して
我が国
の
文化力
を計画的に
強化
し、二〇二〇年には、
日本
が
世界
の
文化交流
のハブとなることを目指します。 さらに、
我が国
の
文化
と
日本
語の大切さを再認識し、歴史と
文化
をとうとぶ心の
育成
を図ってまいります。 加えて、
電子書籍
に対応した
出版権等
の
整備
のため、今
国会
において
所要
の
法律改正
を行うための
準備
を進めるなど、新しい時代に対応した
著作権施策
の展開に努めてまいります。
スポーツ
の
振興
に関しては、二〇二〇年を見据え、
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会組織委員会
を中心に、東京都やJOCと連携しながら
大会成功
に向けて取り組むとともに、
国立霞ケ丘競技場
の
全面改築
などの
インフラ整備
や、二〇二〇年に活躍が期待される
競技者
の
育成強化
などに取り組んでまいります。 また、二〇一九年の
ラグビーワールドカップ
の
日本開催
など、他の
国際競技大会
の招致、開催への積極的な
支援
や、
学校体育
の
充実
を図るとともに、国民が生涯にわたって
スポーツ
に親しむ機会を
充実
するため、
地域スポーツ
の
推進
に
取り組み
ます。 さらに、
スポーツ立国
の
実現
に向けて総合的、一体的に
スポーツ
を
推進
する
観点
から、
スポーツ庁
の設置について、その枠組みや意義、
方向性等
の
検討
を精力的に進めてまいります。
少子高齢化
が急速に進展する中にあって、今後とも
我が国
が引き続き成長、発展を持続するためには、一人一人の能力や
可能性
を最大限に引き出し、
付加価値
や
生産性
を高めていくことが不可欠です。このため、特に
若者
や
女性
に光を当て、
教育
の
再生
や
科学技術イノベーション
の
推進
のための
取り組み
を強力に推し進めることが必要です。 さきの
臨時国会
でも申し上げたように、招致に成功した二〇二〇年
東京オリンピック
・
パラリンピック
をまたとない好機と位置づけ、
日本
の
可能性
や
潜在力
を発掘、研磨、発信することにより、新しい
日本
の創造を
実現
しなければなりません。二〇二〇年
東京大会
における成果は、前回の一九六四年
東京大会
がそうであったように、
人々
の心の中にレガシーとして永続的に生き続け、
人々
の心の持ち方を変えて
社会
を変え、さらには、
日本
全体がさらなる発展に向かう
原動力
となることが期待されます。 このためには、東京だけのイベントとすることなく、
日本全国
に
波及効果
を生み出すことが重要です。
大会開催
による効果が
全国
にも波及するよう、
大会組織委員会等
とも連携して、国内の
強化拠点
や
海外選手団
の
キャンプ地
などの
スポーツ環境
が広く
全国
で展開されるように
取り組み
ます。
大会
後も見据えて、
障害者スポーツ
の
振興
や、アスリートを
学校
や
地域
に派遣して
オリンピック
・
パラリンピック教育
を進めるなど、
スポーツ
の裾野を広げていきます。
大会
に際して、選手だけでなく
観客等
も
地方都市
を訪れるように、
関係省庁等
と連携して、
日本
の魅力や旅行、
観光情報
の発信などに
取り組み
ます。その際、選手や
観客等
を市民や学生、
子供たち
が歓迎することができるよう、持続的に
国際交流
に取り組む
体制
を構築いたします。 あわせて、
大会
が円滑に運営できるように、政府としても、
交通インフラ
や
バリアフリー環境
の
整備
、セキュリティーの
確保
、
オリンピックマーク等
の
知的財産保護
、
医療サービス
の
充実
、地震、
津波等
に対する
防災対策
、ボランティアの
育成確保
、
環境保全
などに万全を期します。
オリンピック
・
パラリンピック大会
は、単なる
スポーツ
の
大会
にとどまらず、
スポーツ
を通じてメッセージを
世界
の
人々
に届け、それにより、心の持ち方を変え、
社会
を変えていく大きな力となるものです。二〇二〇年までの限られた六年半の間に、各界の英知を結集し、
若者
や
女性
を初めとする国民全体が参加する大きなうねりを生み出すことが我々に課せられた使命であると考えます。
文部科学省内
においても、
我が国
が目指すべき姿を描きながら、二〇二〇年、さらにはその先の将来を見据えた
取り組み
を
検討
するため、現在、省内の若手や中堅の職員が中心となって、
夢ビジョン
の
検討
を進めています。今後は、
オール
・
ジャパン
での
ビジョン
を作成していきたいと考えています。 私は、新しい
日本
を創造するため、
文部科学行政全般
にわたるさまざまな政策を力強く進めていくことはもちろん、
オール
・
ジャパン
で
日本
の
再生
を
実現
することができるよう全力を賭して各般の
改革
に取り組んでいく決意でありますので、引き続き、
関係各位
の御
指導
、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。 ありがとうございます。
小渕優子
3
○
小渕委員長
次に、
平成
二十六年度
文部科学省関係予算
の
概要
について説明を聴取いたします。
櫻田文部科学
副
大臣
。
櫻田義孝
4
○
櫻田
副
大臣
平成
二十六年度
文部科学省関係予算
につきまして、その
概要
を御説明申し上げます。
文部科学省関係予算
は、
一般会計
五兆三千六百二十七億円、
東日本大震災復興特別会計
一千四百五十億円、
エネルギー対策特別会計
一千百五十二億円となっております。 第一に、
我が国
の将来を担う
次世代
の
育成
を図り、
世界トップレベル
の
学力
、
規範意識
、
歴史
や
文化
を尊重する態度を育む
教育再生
を
推進
し、
社会
を生き抜く力を
養成
するため、
全国
的な
学力調査
の
実施
により、
子供たち
の
課題
を把握するとともに、
教育再生
実行
の基盤となる
教職員等指導体制
の
整備
や
道徳
教育
の
充実
を行うこととしております。 また、
特別支援教育
、
キャリア教育
、
職業教育
の
充実
、
いじめ
対策
や
食育
、土曜日の
教育活動
の
推進
を図るとともに、情報通信技術を
活用
した学びの
推進
及び専修
学校
、
大学等
における
社会人
や
女性
の
学び直し
の機会の
充実
を行うこととしております。 第二に、
未来
への飛躍を
実現
する
人材
を
養成
するため、徹底した
国際化
を
推進
する
スーパーグローバル大学
やスーパー
グローバル
ハイスクールの
創設
、小中
高等学校
を通じた
英語教育
の
強化
、持続可能な
開発
のための
教育
の普及
促進
を図るとともに、
官民
が
協力
して
日本人
学生
の
海外留学
を
支援
する新たな
制度
を
創設
することとしております。 また、各
国立大学
の強み、特色を生かした
機能強化
への
取り組み
を
支援
することで
国立大学
改革
を
促進
するとともに、建学の精神に基づき多様な
人材
を
育成
する
私学
の
振興
を図るため、基盤的経費の
充実
とめり張りのある
配分
、耐震改築事業への国庫補助
制度
の
創設
等を進めることとしております。 第三に、安心して
教育
を受けることができる学びのセーフティーネットを
構築
するため、
幼児教育
に係る
保護者負担
の
軽減
を図ります。また、
高等学校等就学支援金制度
に所得制限を導入し、それによる
財源
で低
所得世帯
の
教育費負担
を
軽減
するため、私立高校の低
所得世帯
等の生徒への
就学支援
金の加算の拡充や、
奨学
のための
給付金制度
の
創設
を行います。さらに、
大学等
奨学金事業
及び
大学
の授業料減免等の
充実
を図ることとしております。 また、公立
学校施設
の
耐震化
、
老朽化対策
等を
推進
するとともに、
国立大学
等の
耐震化
、最先端
研究
施設の
整備
、老朽施設や附属病院の
再生
等に取り組むほか、
防災教育
や
通学路
の安全
対策
の
推進
を行うこととしております。 第四に、きずなづくりと活力あるコミュニティーの形成のため、
学校
支援
地域
本部、放課後
子ども
教室、コミュニティースクールなどにより、
地域
の活性化や
社会
全体で子供を育む
環境
づくりを
推進
することとしております。 第五に、
スポーツ立国
の
実現
を目指し、二〇二〇年
オリンピック
・
パラリンピック
東京大会
に向けて、
スポーツ
の価値を高める国際貢献のための
スポーツ
・フォー・トゥモローの
実現
や、国際競技力の
向上
、
スポーツ環境
の
整備
などを
推進
することとしております。 第六に、
世界
に誇るべき
文化芸術立国
の
実現
を目指し、豊かな
文化芸術
の創造と
人材育成
、
文化
財の保存、
活用
及び継承、
我が国
の多彩な
文化芸術
の発信や国際
文化交流
の
推進
、国立
文化
施設の
機能強化
などを
推進
することとしております。 第七に、
科学技術イノベーション
・システムを
構築
するため、産学
連携
による国際科学
イノベーション
拠点を
構築
するとともに、
基礎研究
力
強化
を図るために、独創的で多様な学術
研究
などを継続的に
推進
します。また、
科学技術
を担う
人材
を
育成
するため、
若手研究者
や
研究支援人材
の
流動化
などを図る新たなる
仕組み
を
構築
します。さらに、ポスト「京」の
開発
に新たに着手するなど、国際水準の
研究環境
及び基盤の
充実
強化
、
科学技術
の国際活動の戦略的
推進
を図ることとしております。 第八に、ライフサイエンスによる
イノベーション
創出
のため、健康・医療戦略
推進
本部の
もと
、
関係
府省と
連携
し、革新的な医療技術の
実用化
を加速するとともに、クリーンで経済的なエネルギーシステムの
実現
を目指し、
ITER計画
などを
推進
します。また、
地震
、津波による被害
軽減
のための
調査
観測などの
実施
により、
次世代インフラ
の
整備
を図ることとしております。 第九に、
人類
のフロンティアの開拓及び
国家安全保障
・
基幹技術
の
強化
を図るため、
新型基幹ロケット
の
開発
着手、
海洋
資源の
調査
研究
、
高速増殖炉
「もんじゅ」の安全
対策
、維持管理に必要な
取り組み
などを
推進
するとともに、東
日本
大震災
からの早期の
復興
再生
を図るため、廃止措置、
除染
等に資する
研究開発
などの
取り組み
を
実施
することとしております。 以上、
平成
二十六年度
文部科学省関係予算
の
概要
につきまして御説明を申し上げました。 なお、これらの具体の内容につきましては、お手元に資料をお配りいたしておりますので、御説明を省略させていただきます。
小渕優子
5
○
小渕委員長
以上で説明は終わりました。 次回は、来る二十一日金曜日午前八時五十分
理事
会、午前九時
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十七分散会