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森国務大臣 課徴金をどうして課すかといいますと、
行政目的である
偽装表示を抑止するという抑止効果、これが主たる目的でございます。
人に抑止をさせる場合には、全く故意、過失がない人に
課徴金を課すというふうにしてその抑止になるかといったら、なりませんから、そういう
意味では、主観的要件というのは必要であろうという説が一般的だと
思います。
ただし、この
景品表示法では、そもそもの構成要件として、著しく優良であると誤認させるというふうになっているんです。
消費者に著しく優良であると誤認させる
表示をするときに全く軽過失もないということがあるんだろうかという論点も
一つございます。現に、今まで
行政処分が課されている案件を見ますと、これは本当に故意、重過失がありましたねというような非常に悪質なものであります。
そういう
意味で、故意、重過失という主観的要件を付すかどうかというのはまだ決定はしておりませんけれども、
消費者委員会の中間整理では、そういった故意、過失がないことが証明された場合に例外的に
課徴金賦課の対象外とするという、反対から書いてあるような文章ですけれども、そういう
意見が多数であったというふうに承知をしております。
いずれにせよ、
消費者庁としては、
消費者委員会における御議論をにらみながら、今、
大臣室直轄で
課徴金検討室というのを設けておりまして、そこで諸外国の事例などとともに
制度を
検討しておりますが、この主観的要件の要否を含め、適切な要件設定をしてまいりたいというふうに
思います。
二点目の御
質問でございます、立証責任の転換でございますけれども、これは刑事上または民事上、裁判上のものではございませんでして、
課徴金というのは
行政処分でございますから、そこで立証責任を転換させるというようなことは、ほかに類例がない仕組みでございます。
ただし、まだ
消費者庁ができる前に、前の自民党政権時代に
法案が
検討されていたときに、立証責任の転換のような書きぶりのものがあったようでございますけれども、具体的に、課す上で、
行政処分の迅速な
執行、それから
業者の方の、真っ当な
業者さんが仮にそういったことになった場合の賦課等、さまざまなことを
検討して決めてまいりたいと
思います。
三つ目でございますけれども、
消費者庁に裁量性を持たせるかどうかということでございますが、
行政裁量を持たせますと、やはり、それが不透明になったり、これは公平であるかというような疑念を生じるということがあるというふうに
思います。
一方、裾切り要件というふうにいたしますと、公正取引
委員会で、過去に
課徴金を
導入したときに、
導入当初はぐっと
行政処分の件数が減ったということで、大量のものを、今までの
行政処分に加えて
課徴金について認定作業等をしていかなければならない、そういう論点もございますけれども、
委員会の御議論を参考にしながら、慎重に決定してまいりたいと
思います。