○今村(洋)
委員 おはようございます。
日本維新の会の今村でございます。
先般、私は、第一分科会において、
中国人民解放軍に尖閣諸島や琉球諸島南部の島嶼群を電撃的に奪取する計画があり、そのための訓練をしている、
中国軍は、東シナ海で
日本の部隊を破壊する短期集中戦を遂行できるよう、新たな任務を与えられているという米海軍のジェームズ・ファネル大佐の個人的見解について質問いたしました。
私は、その質疑の中で、
中国がこの猫の額のような島嶼群を欲しがる理由の
一つに、
中国の飢えと渇き、そういったものがあると申し上げました。人にせよ国にせよ、何らかの行動を起こす際には、当然ながら理由があります。
今般、
ウクライナのクリミア半島を
ロシア軍が事実上の占領を行い、自国領に編入してしまったことも、
ロシアなりの理由があると思います。
日本とのかかわりにおいては、古くは日露戦争当時、クリミアのセバストポリ港からバルチック艦隊の第三艦隊が出港したこともあるように、現
ロシアにとっても変わらず、セバストポリは重要な不凍港であります。
ロシアはこの重要な不凍港であるセバストポリを
ウクライナから租借しており、二〇一〇年には、租借の延長を行うかわりに
ロシアが供給する天然ガスを値引きするという合意をしておりました。
しかし、今般、クリミア半島の編入で、
ロシアはその合意を破棄し、
ウクライナに値引き分や滞納した額、
日本円にして一兆六千億円の返済を求めています。
ロシアは、国際世論から非難を受けるリスクをとっても、
ウクライナの政権交代によって起こる、クリミアのセバストポリ港を手放すという事態を受け入れることが到底できず、実力行使し、併合後は当然ながらこれまで行った譲歩を逆に破棄しました。
ロシアは、
アメリカ以外のヨーロッパ各国との
関係が
エネルギー資源の供給の面からあり、
クリミア併合による自国の
国際社会での決定的な孤立は回避できると見込んでおるようでもあります。
ロシアの例を見ても、二十世紀、二十一世紀においてなお、
国際社会を支配するのは国際法や国際世論ではなく
軍事力であり、
ウクライナ軍は国家
安全保障の面から見て最終的な担保となる
軍事力において圧倒的に
ロシア軍に劣っており、いまだNATOに参加していないことも、
ロシアの併呑を容易にした冷厳とした事実があろうかと思います。
この事実は、軍事的な
同盟というものがギブ・アンド・テークを基本としていることを鑑みても、
我が国の集団的自衛権の問題も早急に決断すべき事案であることを示すものだと思いました。
翻って、話は戻りますが、
中国にとって、彼らの言う核心的利益、また第一列島線、第二列島線なるものも、国際法、国際世論からすれば笑止な話でありますが、
中国の国土の荒廃と環境汚染による飢えと渇き、これが
中国の核心的利益を主張する根底にあるというふうに思います。
ちなみに、
中国は、
世界の人口の二〇%を超えておりますが、耕地面積は
世界の全耕地の七%しかありません。加えて水不足も砂漠化しつつある
中国国土には深刻で、水の供給は
世界平均の四分の一しかないと言われております。
中国が南シナ海、東シナ海を手中に入れ、海洋国家としての地歩を築けるか否かは、
中国にとっての死活問題だというふうになっておると思います。
ロシアがセバストポリ港を軍事的要請から諦め切れなかったように、
中国にとって、東シナ海、南シナ海の海洋資源、海洋権益は、他国は
中国が核心的利益を手放すことを夢想すべきではないという
中国の国防相常万全の発言に表される、
中国人民の飢えと渇きの前に決して諦めることができない資源、権益だ、そういうことだと思います。
先日、私は、ある自衛隊OBの元幕僚級幹部とお話しする機会を得た際に、
中国軍が尖閣を強襲する
可能性があるのではないですかという質問をいたしました。
自衛隊OB氏は、
中国人民解放軍は元来陸軍主体であり、今の
中国海軍はまだまだ未熟で、その域には達していない。また、艦艇、
潜水艦の装備も旧式、
潜水艦などは音が大きくて、楽隊みたいに音を鳴らして来るから、到底秘匿行動はとれない。
日本の
潜水艦、サブマリナーの方が格段に優秀であります。艦艇数では自衛隊にまさっても、総合力では
中国軍は到底自衛隊にはかなわない。彼我の戦力差は彼らが一番よく知っています。電撃作戦についても、作戦行動の前には必ず武器、兵たんの集積や通信の増加など何らかの兆候があるはずなので、奇襲されるということはまず
考えられないというふうにおっしゃいました。
以前、私は、分科会での質疑において、特定秘密保護法が成立したことで、いわゆるECHELONという諜報手段を持つアングロサクソン系五カ国、ファイブアイズの
情報を
日本が得ることはできますでしょうかとお聞きいたしました。
今般、平成二十五年の
防衛大綱の中では、「こうした
中国の軍事動向等については、
我が国として強く懸念しており、今後も強い関心を持って注視していく必要がある。」と書かれています。また、「このため、平素から、常時継続的な
情報収集・警戒監視・偵察
活動を行う」ともあります。軍事
活動、軍事行動の前には何らかの兆候があり、それを常続監視によって察知するということなんでしょうけれども、加えて、今申し上げたアングロサクソン系からの機密
情報というものは得る必要があると私は
考えますが、その点についてお答えいただけますか。