○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
現在の
日本は岐路に立たされています。
アベノミクス三本の矢のうち、みんなの党が結党以来主張してきた金融緩和は一本目の矢として放たれました。しかし、残念ながら、一時しのぎにしかならない公共投資中心の二本目の矢は賛同できるものではありませんでした。
そして、最も重要だと言える三本目の矢。ここが中途半端に終わってしまうと、今までの
安倍政権が
日本経済再生と銘打ってきた数々の
経済対策が全て無意味なものになってしまいます。現在、ボックス圏内に入ってしまった株価を見ても分かるように、
世界は、本当に今の
政策で
日本の
経済は良くなるのだろうかと疑心暗鬼の中、見守っているような
状況なのです。まさしく踊り場を迎えています。
三本目の矢が良質の竹やカーボンシャフトでできた本物であれば、最後は射手に任せるということにもなろうかと思いますが、今、
安倍総理が手渡されようとしている矢は、残念ながらプラスチック製です。
経済産業の
法案でいうと電気
事業法の
改正もそうでしたが、外見は良く見えても、中身をしっかり見ると詰まっていません。これでは的に当たる前に落ちてしまいます。
そこで、
日本に改革をもたらすために生まれたみんなの党として、最後まで諦めずに提言を続けていきたいと思っています。
本日も、番号を振って
質問をさせていただきますので、漏れがないように、
答弁の際は番号をおっしゃってからお答えいただければと思います。
一、
産業競争力強化法案は
安倍政権の目玉のはずです。今
国会も
成長戦略実行国会とまで言われていました。しかし、衆院本
会議趣旨説明はトンネルの開通式でトルコに行かれ、本日の参院本
会議は国内にいるにもかかわらず出席されない、これでは本気度を疑ってしまいます。本当に
安倍政権は
日本再興戦略を
実現する気があるのでしょうか。総理の代わりに菅官房長官、お答えください。
二です。過去二十年間、
規制改革が声高に叫ばれ、どの
内閣もその重要性について論じてきました。ところが、総論賛成各論反対でなかなか物事が進まない。
安倍総理は、大胆な
規制改革、聖域なき
規制改革、次元の違うスピード感を持った
成長戦略と
発言されていますが、多くの族議員がいる中で、今までの自民党政権と違い、なぜ安倍
内閣ならばそれが可能だと思われているのか、菅官房長官と甘利大臣、教えてください。
三、
企業実証特例制度について
お尋ねします。これは
規制の早期改革への突破口と位置付けられておりますが、そのためには強いリーダーシップを発揮できるような仕組みが求められます。しかし、現状では、
事業所管大臣が
規制所管大臣に要請をするという仕組みでしかありません。このレベルで、実際、
規制改革が進むと思われますか。茂木大臣、お答えください。
四、今年の一月に最高裁が、市販薬のネット販売を認めない厚労省令を違法と認定しました。その後、
安倍総理も全ての大衆薬のネット販売を解禁することを表明していました。ところが、
政府は、一般薬のうち二十八品目、そして処方薬についてはネット販売を行ってはならないとの
方針で
法案をこの
国会に
提出しました。
しかし、
議論のプロセスが極めて不透明です。公開されている専門家会合の
報告書を見ても、ネット販売が対面販売より危険という論拠はどこにも明確にされていません。なぜネット販売が対面販売よりも危険なのか。対面だと薬剤師が五感で判断できるという話がありますが、実際に薬局で、ネットでは感知できない顔色や体臭で副作用のリスクを見極めているケースがどれだけあるというのでしょうか。田村大臣、件数も含め、数字でお答えください。
五、アメリカ、イギリス、ドイツなどでは処方薬もネットで買うことができます。なぜ
日本ではネット販売が危険なのでしょうか。安倍
内閣は、国際先端テストという
考え方を取っていたはずですが、どういう比較分析をしたのでしょうか。これも田村大臣お願いします。
六、
経済産業大臣は、この薬品のネット販売についてどうお考えでしょうか。例えば、楽天の子会社ケンコーコムが独自のシステムを開発し、一般薬二十八品目に対するリスク防止策をしっかりと講じることができた場合、この
企業実証特例制度にのっとり、厚生労働大臣に対し認定の要請をする
可能性はあるのでしょうか。
七、国家戦略特区
法案では、
制度枠組みと併せて
規制改革項目が列挙されています。それに対し、
企業実証特例制度では
制度枠組みだけで
規制改革項目は先送りされています。実証実験という以上はスピードが極めて重要なはずであり、今
国会で項目は当然挙げるべきではないでしょうか。国家戦略特区
法案に限らず、過去の構造改革特区
法案や総合特区
法案でも、
制度創設の際、併せて初期
メニューは提示されており、この種の
制度で中身抜きで器だけが提示されたのはほかに例がないのではないかと思われます。実際、なぜか一部の宅配会社や機械メーカーの具体的な名前が挙がっているのも事実です。茂木大臣、是非項目ぐらいは提示していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
八、
規制改革は、
規制所管省庁に提案したらすぐに解決するような簡単なものではありません。五月の
規制改革会議で、ビッグデータを使いやすくする
規制緩和を
民間委員が訴えたところ、消費者庁が現状維持を主張したのは記憶に新しいところです。こういった事情もあり、従来の
規制改革の
取組は各省庁よりも一段上の
内閣官房や
内閣府に調整の場を設けるのが通例でした。本
法案では、
事業所管大臣が
規制所管大臣に要請するという仕組みを用いておりますが、なぜ
内閣官房や
内閣府ではなく
事業所管大臣に権限を付与したのでしょうか。茂木大臣、お願いします。
九、次に、ベンチャー投資の
促進ですが、これは
ベンチャー企業に振り向ける資金を集める上では力を発揮すると思います。
一つ申し上げたいのは、
ベンチャー企業とベンチャーファンドの
成長は過去の歴史から見ても非常に深く関連しているということです。そして、
産業の
新陳代謝という意味では、比較的小規模ですが、優秀な人材が集まっていてハンズオンでやっているようなベンチャーファンドやPEファンドにも
成長してもらう必要性があるのです。本
法案では、どのベンチャーファンドに出資したら
企業が
支援措置を受けられるかを経産省が決めることになっています。これによって、大手と
中小のファンディングの差が更に深まる
可能性があります。それを回避するためにも、単純に規模や過去の実績にとらわれない
実施指針が必要になると思われます。
茂木大臣は
日本の独立系の
中小ファンドが育っていない現状をどのように思われていますか。アンフェアな格差をこの
法律で生じさせないためにはどのような
施策が必要だと思われますか。また、例えば数億円程度の小規模ファンドでも経営・技術指導を行う能力があるベンチャーファンドと認定する
可能性はあるのでしょうか。
十、
日本のベンチャーファンド、残念ながら成績が悪いのが実態です。二〇一二年のIRRを見ても八割以上のファンドが〇%以下です。そこで、例えばIRRが一〇%以下のファンドには、幾ら
日本の業界内で大手と言われていようが認定しないなどの
方針を持つべきだと思うのですが、いかがでしょうか。茂木大臣、お願いします。
十一、
日本ではベンチャーの出口はIPOが重んじられておりますが、当たり前ですけれどもMアンドAも立派な戦略です。米国では、研究開発途上で商品を持たない
企業を買収した場合でも、買収金額は丸ごと研究開発費として認められます。つまり、バイヤーサイドにもより大きな買収メリットを実感してもらうために同様の
制度を
日本でも
導入するべきだと思います。
麻生大臣、茂木大臣、いかがでしょうか。
十二、ベンチャー投資において、
支援措置として投資金額の八〇%の損金算入を検討しているとお聞きしております。ここまで来たら、私はむしろ一〇〇%でもよいのではないかと思います。いかがでしょうか。茂木大臣はどう思われるか、そして
麻生大臣はどう思われるか、教えてください。
そもそも、なぜ八〇%なのでしょうか。この
法案が通った場合は、
麻生大臣にはしっかりとこの優遇
措置を
実現していただくとともに、ベンチャーに限りませんが、各
企業の
成長支援に資する法人税率の引下げについても御検討いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
十三、みんなの党は、同
法案に対して衆院で修正案を
提出しています。その中に、株式会社に社外取締役の選任を義務付けることについて検討を加えることを入れさせていただいております。
産業の
新陳代謝には経営者の改革も必要不可欠だと思うからです。多くの先進国では、取締役の過半数を社外取締役とするよう義務付けることが標準的になっております。現政権には社外取締役の
導入義務付けを行う考えはありますか。茂木大臣、甘利大臣、お願いいたします。
みんなの党は既得権益に切り込む
成長戦略を最も強く主張してきた政党です。結党して四年が
たちますが、ぶれずに
経済再生のための方策を提言し続けています。本
法案の中でもかいま見えるターゲティングポリシー的な
発想、そして官僚が権限を
強化するようなやり方では過去の対策と何ら変わりありません。根底にある
考え方を変えていかないと、
日本がもう一度元気よく健全な
経済成長を成し遂げる時代を迎えることはないでしょう。
鍵となるのは
民間企業の自由な投資・
経済活動、新しい
企業がどんどん生まれてくるような下地づくりです。それがまさしく徹底した
規制改革なのです。
安倍
内閣の一丁目一番地と言われながら、本
法案にある改革の計画では不十分であり、逆行する部分もあります。みんなの党は、引き続き、岩盤
規制を打ち破るための戦いを続けることを申し上げて、
質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。(
拍手)
〔
国務大臣茂木敏充君
登壇〕