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2013-11-26 第185回国会 参議院 内閣委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十五年十一月二十六日(火曜日)    午前十時八分開会     ─────────────    委員異動  十一月六日     辞任         補欠選任      寺田 典城君     江口 克彦君      荒井 広幸君     浜田 和幸君  十一月十三日     辞任         補欠選任      大野 元裕君     北澤 俊美君  十一月十四日     辞任         補欠選任      北澤 俊美君     大野 元裕君  十一月二十日     辞任         補欠選任      大野 元裕君     藤田 幸久君  十一月二十一日     辞任         補欠選任      藤田 幸久君     大野 元裕君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         水岡 俊一君     理 事                 佐藤ゆかり君                 松下 新平君                 芝  博一君                 山下 芳生君     委 員                 岩城 光英君                 岡田  広君                 上月 良祐君                 鴻池 祥肇君                 世耕 弘成君                 福岡 資麿君                 山崎  力君                 山谷えり子君                 大野 元裕君                 神本美恵子君                 蓮   舫君                 秋野 公造君                 江口 克彦君                 浜田 和幸君                 山本 太郎君    衆議院議員        修正案提出者   近藤 洋介君    国務大臣        国務大臣     新藤 義孝君        国務大臣     甘利  明君    副大臣        内閣府副大臣   関口 昌一君        文部科学大臣  西川 京子君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        伊藤 忠彦君        文部科学大臣政        務官       上野 通子君        厚生労働大臣政        務官       高鳥 修一君    事務局側        常任委員会専門        員        五十嵐吉郎君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       由木 文彦君        内閣官房地域活        性化統合事務局        長        川本正一郎君        内閣官房内閣情        報調査室内閣審        議官       鈴木 良之君        内閣法制局第二        部長       林   徹君        総務省自治行政        局選挙部長    安田  充君        文部科学大臣官        房審議官     藤原  誠君        厚生労働大臣官        房審議官     大西 康之君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○国家戦略特別区域法案内閣提出衆議院送付  )     ─────────────
  2. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) ただいまから内閣委員会開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る六日、寺田典城君及び荒井広幸君が委員辞任され、その補欠として江口克彦君及び浜田和幸君が選任されました。     ─────────────
  3. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国家戦略特別区域法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官由木文彦君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 国家戦略特別区域法案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。新藤国務大臣
  6. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) この度、政府から提出いたしました国家戦略特別区域法案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  我が国が直面する最重点の課題は、我が国経済を中長期的な成長軌道に乗せていくことにあります。そのためには、成長戦略を着実に実施していくことが不可欠であり、我が国を取り巻く国際経済環境の変化に対応して、各政策分野における施策を迅速かつ確実に実施することが重要ですが、とりわけ、国、地方公共団体民間が三者一体となって取り組むプロジェクトを対象に、大胆な規制改革等を集中的に推進する新たな手法が必要とされています。  この法律案は、このような観点から、国が、国家戦略特別区域を定めて、規制特例措置整備その他必要な施策を総合的かつ集中的に講ずるとともに、地方公共団体及び民間事業者その他の関係者が、国と相互に密接な連携を図りつつ、これらの施策を活用することにより、産業国際競争力強化及び国際的な経済活動拠点形成実現を図り、もって我が国経済社会の活力の向上及び持続的発展を図ろうとするものであります。  次に、この法律案要旨を御説明申し上げます。  第一に、政府は、国家戦略特別区域における産業国際競争力強化及び国際的な経済活動拠点形成に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るため、基本方針閣議決定により定めるものとしております。  第二に、国による国家戦略特別区域の指定及び国家戦略特別区域ごとに定められる区域方針についての所要手続を定めております。  第三に、国家戦略特別区域ごとに組織される国家戦略特別区域会議、同会議による区域計画の作成及び認定申請内閣総理大臣による計画認定等所要手続を定めております。  第四に、国家戦略特別区域において講ずる規制特例措置等内容について定めております。  第五に、国家戦略特別区域における施策に関する重要事項について調査審議等を行うため、内閣総理大臣を議長とする国家戦略特別区域諮問会議内閣府に設置することとしております。  以上がこの法律案趣旨であります。  何とぞ、十分御審議の上、速やかに成立させていただきますよう、お願い申し上げます。
  7. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員近藤洋介君から説明を聴取いたします。近藤洋介君。
  8. 近藤洋介

    衆議院議員近藤洋介君) ただいま議題となりました国家戦略特別区域法案衆議院における修正部分につきまして、御説明申し上げます。  第一に、国家戦略特別区域会議は、国家戦略特別区域計画に、構造改革特別区域法に規定する特定事業規制特例措置内容等を記載することができるものとし、内閣総理大臣から認定を受けた当該計画については、当該認定構造改革特別区域法に規定する認定とみなして同法に規定する規制特例措置を適用するものとすることとしております。  第二に、内閣総理大臣及び関係行政機関の長は、国家戦略特別区域会議に対し、個別労働関係紛争未然防止等のための事業主に対する援助の実施に関し国家戦略特別区域会議から申出があった意見について意見を述べるものとし、国家戦略特別区域会議は、内閣総理大臣及び関係行政機関の長が述べた意見を尊重するものとすることとしております。  第三に、政府は、毎年、国家戦略特区支援利子補給金の活用及び認定区域計画に定められている国家戦略特区支援利子補給金に係る事業実施状況について検討を加え、その結果に基づいて、この法律の施行後三年以内に、必要な措置を講ずるものとすることとしております。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  9. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 松下新平

    松下新平君 皆さん、おはようございます。自由民主党の松下新平です。  まず冒頭に、開会が遅くなりましたことをおわび申し上げます。与党といたしまして時間を調整をさせていただきたいというふうに考えております。  ただいま議題となりました国家戦略特区法案につきまして質問をいたします。  今国会は、成長戦略実現国会と銘打って、それぞれ衆参、審議が連日行われておりますが、その中でも柱となるのが本日スタートいたします国家戦略特区法案でございます。衆議院でも四日間にわたり内閣委員会において、総理出席質疑もあったとお伺いしておりますが、二十一時間を超える審議をされたと。そして、修正をいただいて参議院に送付されました。参議院におきましては、二十二日、先週ですけれども、本会議におきまして趣旨説明をいただいて、質疑、そしてこの内閣委員会に付託されました。そして、本日、委員会趣旨説明をいただいて、今日から参議院でスタートいたすわけでございます。  冒頭に申し上げましたように、この柱となる国家戦略特区法案でございますので、また、参議院では参議院らしい、ならではの質疑になるように、質問皆様、そして答弁者新藤大臣を始め皆様の御理解、御協力をまずよろしくお願いしたいと思います。  自民党会派として私の方で冒頭質問いたしまして、その後は、旧自治省、現総務省出身上月委員から経験を踏まえた質問を予定しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  まず私から、この法案審議に当たってイメージの共有をすることが大事だと思います。この法案に対するあるべき姿を共有することによって議論も深まっていくわけですし、誤解を生じないということでも最初にお尋ねしたいと思います。  世界で一番ビジネスがしやすい環境、これを整備する、今回の特区制度の第一義でございます。世界から人材と投資を呼び込んで日本経済活性化していくことにあるというふうにとらえておりますが、この世界で一番ビジネスがしやすいとはどのような状況イメージされているのでしょうか。  国家戦略特区につきましては、そもそも産業競争力会議において立地競争力強化という発想から出てきたものと承知しております。そして、五月に国家戦略特区のワーキンググループが設置されて本格的議論が開始され、六月に策定された日本再興戦略で、日本産業再興プランにおいて立地競争力の更なる強化ということで国家戦略特区が位置付けられております。  世界で一番ビジネスがしやすい環境とは、単に外国人が働きやすいということだけではないでしょう。居心地の良さ、快適さ、治安の良さといった無形のインフラをどう整備していくかという話にもなると思いますが、世界で一番ビジネスがしやすい環境とはどのようなものを想定されているのか、イメージができるようにお答えいただきたいと思います。
  11. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) まず、この国家戦略特区は、今、安倍政権が進めていきます、いわゆるアベノミクスと呼ばれておりますが、日本経済を再び興すと、日本再興のためのシンボル的なプロジェクトにしようと、こういうことで位置付けられているわけであります。御案内のように、我々はもう二十年にわたる経済の低迷の中で、日本底力をもう一回出せないのかと、我々のこの国には可能性がないのかということを自問自答しながら、そして選挙の中で国民の負託を得ながら、今回、安倍政権ができたわけであります。  この金融緩和財政出動によりまして、当面の景気は底を打ち、今あらゆる指標がプラスとなっていると、経済成長軌道が生まれつつあるということだと思います。しかし、委員皆様も全員が御承知されていると思いますが、これは実体経済のまだ本格的な回復には至っていないわけでありまして、この政策が有効なうちにこの成長戦略、持続可能なものをいかに打ち出していくか、これが私たちの、今、日本の国の最大の課題でありますし、私たちは今それを取り組まなければいけないと。  そのときに、これは経済というものを一つプロジェクトや何かの個別のものでもって日本の国全体が動くわけがありません。全ては合わせ技であります。しかしその中で、新しいこの国の経済を開く象徴的な事柄として、まずこの成長を阻害している規制緩和することによって新しい可能性が生まれるのかどうなのか、そしてそれは特区において試行的に行ってみて効果があるかどうかも、これも検証する必要があると。  この国家戦略特区目標というのは、まずはこの我が国における新しい経済起爆剤になるということであります。国内のまず経済を開こうと、更に開くための特区をやってみようというのが一つ。一方で、それは海外から投資を呼び込むものであってもいい。そして、私たち日本世界に出ていくんだという、その意気込みを示すものであってほしいと、こういうことがございます。  今委員が御質問いただきましたように、四月のころにこのような構想が生まれました。しかし、それは本当に最初のきっかけだったわけでございます。連休をも使いつつワーキングチームというのをつくって、私がずっとやってきたのは、まず、いかに、何が必要なんだと、コンセプトをきちんと固めようということでございます。その作業を延々やりながら、どういう可能性があるのかということをやってまいりました。そして、そこでミッションとして、使命として決めさせていただいたのが、この世界で一番ビジネスがしやすい環境をつくるということであります。  このビジネスというのは、是非、狭い意味ではなくて広い意味でとらえていただきたいんです。ビジネスセンターをつくるだけではないんです。仕事をしやすい環境をつくろうと。それは、今申し上げましたように新しいこの日本経済起爆剤になるわけでありますから、そこでは先端的な研究開発も行われるでありましょう。それから、ビジネスの集積の区域があってもいいと思います。一方で、日本がこれから経済成長の柱となるような、例えば医療分野であるとかライフイノベーション分野ですね、それからエネルギーもあるかもしれません。様々な、もしかしたら伝統、文化、歴史、こういうものも開発の要素として出てくるかもしれません。それは、これから法案が成立させていただいた後の諮問会議においてそのコンセプトも含めて煮詰めていこうと、決めていこうということになっているわけでありますが、そういういろんなコンセプトに基づいて特区をつくってみようと。  ですから、私たち目標は、この分野においては世界の三大プロジェクトだと、ある分野ではもう五本指に数えられるプロジェクト日本で始まると、それは国内のいろんな人が参加をして持ち上げていくし、海外からも参加できると、こういうものにしたいというのが願いであります。それができるかどうかはこれからの作業に懸かっておりますし、この国会議論を通じていろんな御意見もちょうだいいたしました。  その中で、前置きが長くなって恐縮なんですが、結局そのときに、じゃ、ビジネスしやすい環境仕事をしやすい環境というのは何だといったらば、それはいろんな基盤を整えることが必要だと思います。それから、人が働くわけですから、じゃ、都心部における、またその地域における居住環境も整えなければいけませんねと。そして、人が集まってそこで住み働くとするならば、当然御家族がいらっしゃいます。御家族皆さんが求めるのは、買物であったり、それから子供たちの教育であったり、医療であったり、そしてもしこれが国際拠点としてワールドビジネスセンターになるんだとするならば、これは時差を超えて仕事をするならば、それに対する交通のバックアップであるとか、それからアミューズメント、いろいろなものも含めた快適な町、便利な町をつくって、そこで仕事がしやすい環境をつくると。そういうもろもろと併せて、根幹となる、もし経済成長を阻害している規制があるならば、それはこの特区において思い切って挑戦してみようじゃないかと、こういう合わせ技で今度の特区は考えているということであります。  この国家戦略特区法案は、どうやって決めてどう進めていくかという骨格をまずは政府として提案をし、この法律として成立させていただいて決めた暁には、それに沿って、今私が申し上げたようなことを加味してこのプロジェクトを膨らましていく、そしてそれが名実共日本経済起爆剤になるようなものに仕上げていかなければいけないと、そういう私どもには責任があると、このように考えております。
  12. 松下新平

    松下新平君 ありがとうございました。  諸外国から、日本は閉鎖的だと、いろんな規制が、ハードルが高いと指摘されて久しいわけですけれども、今、新藤大臣からイメージということでいろんな角度からお述べいただきました。是非日本底力、存分に発揮できるように、我々も注視し、また応援していきたいと思います。  続きまして、今度は違う角度から御質問ですけれども国家戦略特区による子育て環境整備についてお伺いしたいと思います。  日本経済の停滞を招いている大きな要因に、やはり少子高齢化課題がございます。その観点から質問をしたいと思います。  成長戦略あるいは経済政策という話になりますと、どうしてもその政策によってGNPがどれぐらい伸びるのかという話になってしまいがちですけれども少子化の進行は、単に若年労働力が減少するだけにとどまらず、社会から活気が失われてしまいますし、子育てに際しては両親や祖父母、親戚が前向きにお金を使うことがありますから、消費の活性化の面からも少子化に歯止めが掛かって子供が増えていくことは大変望ましいことだというふうに考えます。とりわけ、世界で一番ビジネスがしやすい環境を目指すということですから、働く人の家庭生活が円滑に行われる環境子育てがしやすい環境というのも当然その内容に含まれてくると思います。  私も子育て世代でございます。子育て中の親御さんたちからもこの法案に対しての注目が集まるわけですが、国家戦略特区において子育て関連規制改革はどのように想定されていらっしゃるのでしょうか。当然、自治体からなされた特区提案の中にも子育て関係規制改革がたくさん含まれていたのではないかと思われますが、国家戦略特区制度子育て環境にどのような規制改革をもたらすのか、その可能性について伺います。
  13. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) お答えを申し上げます。  今委員御指摘のように、世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくるということになりますと、いわゆる事業環境整備するだけではなくて、そこで働く方、それから家族の方々の生活環境整備を進めていくということが非常に大きな課題になるというふうに私どもも認識をしているところでございます。  今回、国家戦略特区の御提案の前に地方公共団体民間から多数御提案をいただきました。ビジネス環境整備という観点から、今申し上げた生活環境整備についての御提案も大変多々ございましたが、子育てにフォーカスを絞ってという御提案は必ずしも多くなかったわけでございますが、私ども、まず働く人が子育てしやすい環境、暮らしやすい環境整備するということで、都心居住実現する、職と住を近接した町づくりを進めるということで、今回の法律の中でも、都心居住のための住宅の容積率特例措置というものを盛り込んだところでございます。  さらに、こういった町づくりの中で特区を具体化していく中では、子育て環境整備のためということでこれからいろいろ規制改革の御提案もあろうかと思っております。そういった御提案があれば、それを受けて必要な改革に取り組んでまいりたいと考えております。
  14. 松下新平

    松下新平君 ありがとうございました。  次に、規制改革意義国家戦略特区につきまして、規制改革そのもの意義についてお伺いしたいと思います。  規制改革は、アベノミクスの第三の矢とされております。しかし、規制改革自体小泉構造改革時点から見てももう十年来の懸案とされております。これまでの間、規制改革会議等様々な会議体が設置されては答申を出し、その答申に従って規制改革するということが少なくとも自公政権の下ではずっと行われてまいりました。また、民主党政権においても、行政刷新会議の下で規制制度改革を行ってきたわけで、政権交代にかかわらず、十年来、規制改革政権における大きな政策課題であり続けたわけでございます。  構造改革特区制度での実証を踏まえて全国実施が可能となった農業への株式会社の参入など、規制は徐々に取り除かれているようにも見えますが、依然、岩盤規制というものが指摘され続けております。今回の特区制度はこの岩盤に風穴を空ける大胆な規制改革を行う特区制度であるとされておりますが、ここ十年の取組我が国規制改革についてはどのような問題点が浮き彫りとなったのか、そして岩盤規制を突破していくために本特区制度はどのように有意義なのか、改めて説明をいただきたいと思います。
  15. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) この規制改革については、大きく言うと二つの流れがあるんだと思います。  一つは、全国的に規制緩和する、それが今委員がおっしゃったような規制改革委員会、今も稲田担当大臣が任命されておりますが、そういう全国的な規制緩和していく、そういう取組がなされていて、それは一定の成果が上がりつつ、しかし全国でやるわけですから、その効果安全性、こういったものを検証する上においてなかなか進まない。  そして、岩盤規制と言われるようなものは、これは、生活基本であったり自治基本に当たるようなものについて、これを大きく変えることに関しては、それは賛成の方もいれば不安に思う方もいる、そういう中での試行錯誤が行われていると。進んでいることでありますが、なかなか一遍にいかないのは、これは現状が物語っているところだと思います。  一方で、それとは別に、ある地域で、そこの地域で限定をして緩和してみようと。その検証をしつつ、それが有効であるならば全国に広めていこうと、こういう動きがあるわけで、それは構造改革特区であり、総合特区であり、今回の国家戦略特区と。そういう区域を定めて、その中で規制をいろいろと考えてみようと、こういう動きがあったというふうに思っております。  今度の構造改革特区は、一つ規制緩和事項をどこかの地域でやると。規制改革のみなんですね。それが認定されれば、それを望む自治体は、全国どこでも手を挙げればそれを適用できると、こういう仕組みでございます。  総合特区というのは、今度は、規制緩和に加えて、プロジェクトをそこで地域が考えて、単体の規制緩和ではなくて複合的な事業としてプロジェクトにして、その中で規制緩和も組み入れると。したがって、その規制緩和はその地域のみに使われる項目なんですね。  かつ、この構造改革特区総合特区制度も、それはまさに地方事業者からの手挙げ方式であります。御提案いただいたものに対して国がマル・バツを定めて、それで要件に当てはまるもの、指定した範囲についてはどうぞといって御支援をすると、こういう仕組みであります。  今度の国家戦略特区は、地域からの御提案もいただきます。民間事業者からも御提案いただきます。そして、あわせて、国も一緒になってそこで事業体になると。ですから、国と地方民間一つになって同じ立場で事業を推進していく。それはまさに国力の総合的な力をここでつくって推進してみようではないかと。  ですから、これまでの特区とは根本的に違うんです。国が枠を定めて、その指定に合致したものを認めて、どうぞではなくて、一緒にやりましょうということであります。しかし、この根底にあるこの特区ならではの大きな取組の中で規制緩和をやって、その効果のほどをチェックすると。これは、可能であればそれは全国展開していこうと。  それから、全てがうまくいくとは限りません。駄目だとするならば、その駄目な原因をやはり徹底的にチェックをして、改善をして、次なる新しい提案を起こしていくと。  こういう流れをつくっていこうと、こういうことでございまして、今度の特区制度が、規制緩和、特にこの岩盤規制と言われるようなものは、やはりそれだけの物事というのは大きな効果があって、そしてその規制緩和することによる心配が取り除かれると。それは、取組を大きくすればするだけ効果もきちんとチェックしやすくなるという意味におきましては、この国家戦略特区を活用して、結果的に規制緩和が大きく進むのではないかと、こういう期待をしているわけでございます。
  16. 松下新平

    松下新平君 ありがとうございます。既存の特区制度との比較にも触れていただきまして、ありがとうございました。  次に、トップダウンで国家戦略特区を行う意味についてお伺いしたいと思います。  国家戦略特区制度につきましては、特区をトップダウンで進めることが重要であると説明されてこられました。そして、本法案におきましては、内閣総理大臣を議長とする国家戦略特区諮問会議を設置することにより、議長である総理が会議を主導する結果、トップダウンで戦略特区が推進されていくものと理解されております。  現行の総合特区制度でも特区推進本部が内閣にあり、本部長内閣総理大臣ですが、本部はどちらかというと決定機関ですから、議論の場としては余りふさわしくないと思われます。経済財政諮問会議のようにいろいろ議論して、それに基づいて総理が決断し、特区制度全体あるいは規制改革全体を望ましい方向に向けていくということに重点があるのだろうと考えております。  国家戦略特区諮問会議は総理のトップダウンを担保する機関としてどのような役割を期待されているのか、お伺いいたします。
  17. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) この国家戦略特区は、先ほどから申し上げておりますように、言わば日本の本気を示すと、そういう特区にしたいと思っているわけであります。ですから、それは、新しい斬新な提案を入れて、それから規模を集中して、また複合させることによってこの効果を狙うと。この仕事を、やはり大事なことは、迅速にかつ簡潔な意思決定によって進む、そういう形をつくろうということでこの特区諮問会議というものが設けられているわけであります。  しかし、これは、あえて申し上げますが、総理といえども、またその担当の大臣といえども、一存で決められることは何一つございません。あらゆる方々の意見を聞き、知見をきちんと検証し、その上でまとめたものを決定するときに、強力な推進体制と、そこの迅速でかつ簡潔な意思決定体制をつくるというふうにしたわけでありまして、この特区諮問会議では、区域の方針、それから事業内容、様々なものが決められます。しかし、それは、最終的には閣議決定するんです。ですから、そこで全閣僚が承認をして進むということになります。  ですので、これまでと違うところは、その決定する仕組みをシンプルにしました。しかし、それは、最終的には国家の意思決定をするわけでありますから、これは閣議で決めていくということで、これは議論の方はしっかりとする、充実した議論を前提にして、しかし決められるものは速やかに決められるようにすると、こういう形をつくる、それが国家戦略特区諮問会議でございます。
  18. 松下新平

    松下新平君 ありがとうございました。日本の本気度、是非それを存分に発揮していただきたいと思います。  明治の初期のころの思想家で歴史家である徳富蘇峰という方がいらっしゃいますが、国家が興隆するときは理想をもって生活とし、国家が衰退するときは生活をもって理想とするという言葉を述べられています。私もこの徳富蘇峰にいろいろ学んでいるわけですけれども、もちろん我々の日々の生活というのはそれぞれ大切なところでございますが、国家が伸びていくときには大きな理想を掲げて、それにみんなの気持ちを一つにして突き進んでいくという大きな意思と申しますか、志と申しますか、そういったものが大事だという教えだろうと思います。  今回の国家戦略特区法案新藤大臣から意気込み、具体的なイメージも含めてお示しをいただきました。まさに、この日本底力を発揮するこのタイミング、チャンスを逃したら日本が再びまた興隆することがないと、そういった背水の陣、危機感でこの法案に取り組んでいらっしゃるということを感じました。我々も、それぞれ議員の立場、与野党はございますが、この衰退、そして閉塞する日本を打破する大きな切り札でございますので、そういった意味で、参議院でもこれからこの法案審議を深めて、より良きものにしてまいりたいと思います。  それでは、この後は上月委員にバトンタッチをしたいと思います。ありがとうございました。
  19. 上月良祐

    上月良祐君 自由民主党の上月良祐でございます。  それでは、引き続き御質問させていただきたいと思います。  私は、かつて小泉官邸に勤務をいたしておりました。ここにいらっしゃる世耕官房副長官のポジションの秘書官をさせていただいておりました。そして、当時、鴻池当時の特区担当大臣、今座っていらっしゃいませんが、参議院出身の鴻池大臣が、参議院の官房副長官、当時、上野公成先生でしたが、のところへ何度も来られて、そして当時の特区制度の創成期というんでしょうか、始まりのところ、一生懸命苦労してつくられた、それを下支えを少しだけ手伝わせていただいたという経験がございます。そして、茨城県庁に赴任をいたしまして、構造改革特区もいろいろと経験をさせていただきましたし、国際戦略総合特区、これは今つくばで大変な取組を行っておりますが、その指定に当たりまして副知事としまして一生懸命、なかなか厳しかったんですが、そのハードルを乗り越えようということでみんなと一緒になって真剣に取り組ませていただいた経験がございます。そういう経験を基に今日も御質問をさせていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたしたいと思います。  新藤大臣には、前回、十一月の五日のときに、大臣所信に対する質疑で、特区制度の成果とそして課題につきましていろいろとお伺いをさせていただきました。大変丁寧に答えていただきまして、御礼を申し上げたいと思います。その中で、課題もあり成果もありということでいろいろとお話をいただきました。私は、おっしゃっていただいたことは本当にそのとおりだと思います。しかし、それに加えてもう一点、私は大変重要ではないかと思っていることがございます。  それは何かといいますと、実は特区制度、今ではもう当たり前になっています。ここ十年間、特区がない日本というのが考えにくいぐらいたくさん特区がある、まあ、なじみがあります。しかし、特区制度が始まる前は、霞が関では、私が記憶が間違っていなければ、こういうのは憲法違反なんだと、どこかの地域だけ規制を緩めるというのは、こんなことはあり得ないんだということで、絶対にできない制度だというふうに言われていたんです。それがころっと変わってしまった。頭が切り替わることでこんなにも制度が切り替わるんだという大変重要な例なんだと思っております。私は、大切なのはそこではないかと、成果の一つというんでしょうか、重要なポイントはそこにあるのではないかとも思っております。  といいますのは、世界の中でこれからグローバルな戦いをしていかなければいけません。そのときに、国内の制度や国内の考えで自縄自縛になっているということほどばかげたことはないのではないかと私は思っております。ほかの国から見たらどうでしょうか、逆に。日本は自分で手足を縛って走れない状況になっていると、こんなばかな話はないんだと思います。したがって、自分たちの頭を切り替えていくということの大切さ、それが重要なんじゃないかと思っております。  そして、失われた何十年というふうに言われておりますけれども、私自身は、それはキャッチアップから抜け出せない、それが重要な、まあ何というんでしょうか、ポイントではないかと思っております。  追い付け追い越せと言います。しかし、キャッチアップというのは追い付くだけです。追い越せません。新しい価値観をつくっていく、新しい社会価値をつくっていく、そういうふうな取組をしていかなければ追い越せない、次の日本の発展はないのではないかと思っておりまして、そういう意味でもこの特区への取組というのは大変重要じゃないかというふうに思っているところでございます。  そういう意味で、改めまして、今回はこの国家戦略特区というのも出ておりますが、この特区制度をフルに活用して、前回、甘利大臣がおっしゃった成長戦略を作文で終わらせないように頑張りたいと、まさに重要だと思っているんです。その御決意、お考えを改めてお伺いしたいと思います。
  20. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) まさに今委員が御指摘のように、二十年ぐらい前でしょうか、ですから、一九九三、四年のころでしょうか、何か、バス停一個動かすのにがんじがらめとか、懐かしい思いで聞きますよね。今は全くそういうこと、なくなりました。それから、国と地方の対立といいますか、地方の声をなかなか国が吸い上げられない。それから、国が画一的に、新幹線の駅前は全部金太郎あめのように、再開発や都市計画をやってもみんな同じと、これから脱しなきゃいけないという長い取組があったと思います。それは結局のところ、国民の意思、そして、その意思を得た政治、またそれを受けた行政、こういったものが取り組んできた結果が今になっているんだというふうに思います。  ですから、まさにこの国民主権の下に、まずはこの国に住んでいる人々の意見をきちんと聞いて、それを民主主義のルールにのっとって政治が実現していく、このたゆみない努力というものを更に進めていかなくてはいけないと思います。  その上で、今私が心掛けなければいけないのは、安倍内閣はもう一度日本を持ち上げようと、この力を最大発揮できるように、最大効果を得られるように工夫してみようじゃないかと、頭を切り替えて変えられるところは変えていこうと、しかし一方で、残すべきものは残す、良いものはきちんと受け継いでいく、こういう思想が我々の根底にはございます。その意味において、今度の特区というのは、何かを悪者にして、対立概念の中でこれを打ち破ると、こういうことではないんだというふうに私は思っているんです。最も改めなければいけないのは手段の目的化でございます。  ですから、今度のことも、規制緩和のみで、これをやれば経済が良くなるって、一つのことでそんなふうに簡単には動きません。先ほど、一番最初に言いました合わせ技です。そして、その中で、しかし大切なことは、集中して複合的に総合力を発揮してある一定のエリアでやってみた結果がどんな効果が出るか、この規制を変更することによってどういうメリットがあるのか、そして例えばそこに投下した投資はどういうふうにして回収できるのか、こういうものをやはりきちんと測った上で、客観的な指標、私どもは最近KPIとよく呼びますけれども、達成すべき目標、目安です。それから、PDCAサイクルというのはもういつでも言われます。このあらゆる部分においてチェックをして評価をして、そしてフィードバックする、この連携をつくる中で効果を上げてみようと。今度の特区は、ですからこれまでの長年の取組を踏まえた上でのブラッシュアップしたものにならなければいけないと。それから、次元を変えて少し違う観点からやってみようと。  いろんなものを組み合わせながら、しかし、これによって何らかの成果を上げて、それがこの国の、日本経済全体が再興していく中での我々は一定の役割を果たしたいと、このことを責任だと感じてやらせていただいているわけでございます。
  21. 上月良祐

    上月良祐君 大臣、ありがとうございます。全く思いは同じでございます。そして、そのことを現場で頑張らせていただきたいと私は思っております。  それで、ちょっとお尋ねしたいことがあるんですが、まず三本目の矢に関しまして、この前もちょっとお話ししたんですが、一本目も二本目も大変難しい矢なんだと思います。しかし、三本目の矢ほどではないんだと思っております。三本目の矢、すなわち成長戦略の矢を飛ばせなかったからこそ失われた何十年ということになってきてしまったのではないかと思っております。そういう意味で、まさに三本目の矢が飛ばせるかどうかがこれから日本が、大臣がおっしゃるように、もう一度日本世界の中心になっていけるような、安倍総理がおっしゃっておりましたけれども、そういった、もう一遍良くなっていけるかどうかの大きな岐路だと思っております。  ちょっと私、腑に落ちないところが一点あるんですけれども国家戦略特区なんですけれども、私は国際戦略総合特区に一生懸命取り組みました。どうも、国際戦略総合特区取組を加速していく、それにエンパワーすることで十分カバーできるのではないかなという思いもちょっとするんです。恐らく、しかし、新たな法案を出してこういうふうな取組をしたいという意気込み、先ほどの松下先生の御答弁にもありました、強い意気込みを感じるんですが、やはりこれまでと違って国家戦略特区じゃないと駄目だという点につきましてちょっと御教示いただければと思います。
  22. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 私、大事に思っているのは、今回の国家戦略特区コンセプトペーパーの中にも入れさせていただきましたけれども、これ一つで考えていないんですよ。ですから、構造改革特区ももっとやっていきます。それから、総合特区も、これはもう強力に推進していかなきゃいけないと、既にもう四十八の指定があるわけですから。ですから、これはこれで進めていくんです。それ以外にも、私は今、地域活性化担当大臣で、七つのそういったプロジェクトあります。中心市街地活性化、それから環境モデル都市、都市再生ですとか、いろんなのがあるんです。ですから、それはそれでやっていかなくちゃいけない。  それから、特区だとか特別の制度ではなくて、それぞれの地域が今やろうとしていることはたくさんあります。そういうものもこれは全部推進していかなくてはならないんでございます。  ですから、総合特区と今度の国家戦略特区が、場合によると、あるエリアが部分的にかぶるところも出てくるかもしれません。それから、総合特区の中で国際戦略総合特区地域活性化総合特区、どちらでも結構です。その特区の中のものがよりそこをブラッシュアップして国家戦略特区の部門になることもあるかもしれません。ですから、それは連携できるものはきちっと連携していこうと。  今回、法案修正で入れていただきましたのは、構造改革特区国家戦略特区との連携というのは事務手続上もっとスムーズにしようじゃないかと、こういう御提案をいただいて御修正いただいたわけであります。ですから、それはあっちが駄目だからこっちにするのではないんだということでございます。  その上で、国家戦略特区は、先ほど言いましたように、世界で三本の指にしようと。例えば、農業の新しいプロジェクトとしてどこかの国がやっているフードバレー、これに匹敵するものを日本でやろうではないかと。そして、最先端の再生医療を始めとするライフイノベーション、こういったものを、これが世界の三大研究拠点だと、それには地域取組に加えて国も一緒に入って事業をやるんだと、こういう仕組みで極めて限定的に地区を絞って、その代わり強力にこれまでのとはまた違う次元のものをやってみようということでありますので、総合特区はもう既に四十八あって、いずれもそれぞれ皆さん地域で頑張っていらっしゃるわけでありますから、ですから、今の制度の中でやるのではなくて、手挙げ方式ではない、いずれにしても、今までは国というのは、全部申請したものに対してマル・バツ付けてどうぞと、補助金あげますよ、税制付けますよ、どうぞおやりくださいって実は言っているんです。いつの間にか日本は自分たちでやらなくなっちゃったんです、国は。  今、先ほど明治維新のお話出ましたけれども、余り長話していると怒られちゃうんですけれども、やっぱり国家目標をきちっとやるということですからね。ですから、私は、その意味において今度の特区というものが、新しい試みとして是非これを加えていきたいと、こういう思いでございます。
  23. 上月良祐

    上月良祐君 ありがとうございます。  今のお話を聞きながら、本当に同感だなと思いながら聞いていたんですが、地域の指定をめぐる課題というのがあるんじゃないかなと私は思っております。といいますのは、どうしてもあの地域振興立法、これまでもたくさんありました。新産・工特から始まって、近くはリゾート法といったようなものもありました。  地域振興立法というのは、まさにどの法律のどの制度をやっているときも、指定する新しい制度が始まるときは、今の大臣みたいなまさに物すごくみんな力が入って、これこそ大事だというふうにやるんです。そして、地域指定をめぐってはみんな必死になるんです。地方団体も、国が指定するとはいってもやっぱりこれやりたいという地方団体と組まないといけないと思うのである。そして、何ていうんでしょうか、役所の方も選ぶのにもう一生懸命になって、もう一大、何ていうんでしょうか、大騒動になって、やっているときはいいんですけれども、やっぱりその後、地域の方にも課題があるんだと思うんですよ。  指定してもらったら、まさに後はもうバラ色だと、あとは国が何かやってくれるんじゃないか、補助金くれるんじゃないかというふうになってしまっては駄目なんだという地域の側の課題もあると思います。そして一方で、やはり国の方も、大臣の意気込みをまさに体現する官僚の皆さん方の取組、そういったものも大切になるんだと思います。  これは一つは、地域の側からの目線で、これは地方議会にもいらっしゃって、地域の目線を本当に大切にされている大臣だとお聞きしております。そういう目で見て、指定が、今回は特に国家戦略特区であれば指定される、国がやってくれる、ああ、もうこれは指定されたら後はもうバラ色じゃないかと、こうなってしまってはいけないと思うんですけれども、その辺りについて、地域の側からの指定について教えていただければと思います。
  24. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) それは、今回、八月の十二日から九月の十一日まで事業の応募期間を、御提案の期間を設けました。私、そのときに、八月に説明会やりまして、私の方から説明させていただいたんです。そこで申し上げたのは、是非事業者皆さんは自分たちでPDCAを出してくださいと、自分たちが達成できる目標というのを自らがきちんと出して、その上で、こういう成果を上げるからこの規制緩和してほしい、この税制措置が欲しいと、こういうような御提案をお願いしますということを言ったんですね。  ですから、まずはそれは、事業をやるのは大半は民間の方であり地方自治体の方々でありますから、地方皆さんですから、その皆さんがやりたいこと、また求めていることを我々はそれを一緒に協力していくと。それに加えて、国も、例えばその事業を進める上での国家的見地から基盤整備であるとか新しいそこで国の事業もかみ合わせてみて複合的に効果を上げようと、こういうふうに持っていこうということでありまして、これはやはり地域を国が抱きかかえるわけでもないし、地方が独自にやって、国は何でもいいからお金だけ出してくれればいいんだでもないし、一緒になってやりましょうと、こういう仕組みにしたいと考えているわけであります。
  25. 上月良祐

    上月良祐君 ありがとうございます。  それで、ちょっと国際戦略総合特区についてここでお聞きしたいと思います。  先ほども申し上げましたように、成長戦略を作文だけに終わらせない、そのために、じゃ何が必要なんだろうかということでございます。それは、私はやっぱり現場を大切にするということではないかと思っております。一生懸命やっている、真剣に取り組んでいるその現場を大切にする。まさに今大臣がおっしゃったように、地域の側も真剣に取組をしなきゃいけない。そして、その真剣に取り組む現場を的確に支援していく。甘やかすとかということではないですし、突き放すことでもなくて、的確に支援していく。本当にそれをやらなければ、日本成長点をつくっていくということはできないんだと思います。  私はもう、何というんでしょうか、バブルの時代あるいは高度成長のように、国が何かお金をまいたり政策をつくれば日本全国が一斉に上がっていくというようなことはもうないんだと思っております。どこかのやはり地域、地点がその周りのことも含めて引っ張っていって、そういう地点が次々出てくることで国全体を引っ張り上げていくようなイメージ。その特区というのは非常に大きなですからポイントではないかというふうに思っております。  そして、例えて言いますと、国家戦略特区もそうです。しかし総合特区もそうでした。日本一を目指すものじゃないんだと思っているんです。それは世界一を目指すものでなければならないんだというふうに私は思っております。そういうつもりで例えばつくばなんかは一生懸命やっております。それは、例えばで言うと、オリンピックで金メダルを取るようなものだと思うんです。したがって、世界一なんですから、そのためには何が必要かと。それは本人がもう本当に血と汗と涙の結晶のような努力をしなければ絶対に駄目だと、それがないと絶対に成果なんか出ないんだというふうに思っております。  そういう覚悟で今一生懸命地元ではやっておりますけれども、あわせて、やっぱり本人だけでは駄目で、客観的に見てくれて、アドバイスをしてくれて、教えてくれてという、やっぱりサポートしてくれる人あるいはコーチ、そういったものがないと金メダルなんか絶対取れないんだと思っております。本人が頑張ることに加えて、国がやはりコーチの役割、あるいはサポートの役割か分かりませんが、そういった役割を的確に果たしていかなければ金メダルなんというのは絶対に取れないんだというふうに思っております。もちろん前提として、先ほど来申し上げていますように、地元が頑張らないと何も始まらないと思っております。  そして、私思うんですけど、コーチの機能の大変重要な部分の一つというのは、やはりどういうふうに、何というんですか、いい点が伸びているか、悪い点が改善されているかをきちっと的確に評価をしてあげられているかどうか。きちんと、何というんでしょうか、オリンピックの候補選手をちゃんとずっと見て、そして、何というんでしょう、悪いところはこうやってやった方がいいぞとアドバイスをする、そしていいところは伸ばしてあげる、そのアドバイスをするためにもきちっと評価をしないといけないんだと思うんです。きちっと見る、現状を見なきゃいけないというふうに思っております。  そして、きちっと見ること、進捗状況を評価する、その結果、中にはオリンピックの指定選手を外れる人も出てくるかもしれないというふうに思います。あるいは、今年は、何級か知りませんが、A級かB級か分かりませんが、その級から、ナショナルチームから外れて準備チームに入ってくださいというような人が出てくるのかもしれない。しかし、そこで頑張ればまた上がるようなことがあるのかもしれません。金メダルを取るというのが日本にとっても大切だと思えば、的確に、本当につぶさにその辺を見ていかなければいけないんだというふうに思います。  そして一方で、厳しくそういうふうに的確に評価をして、そして、何というんでしょうか、見ていって、一方で、よく伸びている人には更にやっぱり重点的な、まさに強化選手に対する支援みたいに的確に更に重点的に指導をしていったり支援をしていく、そのことでしか本当に成長はできないんだと私は思っております。それが現場で一生懸命動き回ってこれまで働いてきた者の実感でございます。  そういう意味で、国際戦略総合特区、これ七地域あるわけでございますけれどもプロジェクトがいろいろありますから、その下にぶら下がっているプロジェクトがあります。つくばでも例えば四つの上に今度三つ指定して七つあるわけでございますけれども大臣がそれを全部分かるという、そんな時間はないし、そんなことをする必要はないんだと思いますけれども、そういったことを、やはり官僚の皆さんども督励しながら、きちっと見させて、きちっと評価をする、継続的に評価をする、そのことがすごく重要だと思うのですが、そういう意味で、国際戦略総合特区の現状、進捗状況、それに対する評価がどうなっているかについて、概括的にまず大臣から是非お伺いしたいと思います。
  26. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) まさにPDCAですね、自己評価それから客観評価、これを組合せして、そして不断の見直しを掛けていくということだと思います。ですから、現状の進捗をまず把握する、その上で、その原因の分析をし、その改善点を出し、実行していくと、こういうことになると思います。  総合特区においては、指定後一年でこの評価をして、それを公表することにしております。ですから、二十四年度の各地域の評価結果、これを、過日、十一月八日、公表したわけであります。それは自分たちが、まず事業主体が評価する、あわせて、国において有識者による評価検討委員会がございますので、そちらでもチェックをして、見直しをして改善点を指摘すると、こういうふうな仕組みになっているわけでございます。
  27. 上月良祐

    上月良祐君 ありがとうございます。  それで、つくばについてはこの後ちょっと細かく聞きたいと思うんですけれども、それ以外のところの地域も含めて今どんなになっているのかというのは、なかなか地元のことに集中していると全体が分からないということもありまして、その辺りにつきまして、これは政府参考人でも結構でございますが、是非教えていただければと思います。
  28. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) お答えを申し上げます。  ただいま大臣の方から御説明ございましたように、十一月八日に平成二十四年度の評価結果を公表いたしました。この評価につきましては、有識者によります調査検討会で自己評価に対する評価を行ったところでございますが、この有識者の評価結果でございますが、総合評価でいわゆるA評価、大変優れている、著しく優れているという評価が十三地域、B評価、優れているという地域が二十三地域、適当である、C評価が六地域という数字になっておりまして、各地域において個別には、こういうところがまだ問題が残っておる、こういうところが評価されるということを細かく評価シートにいたしまして、それを公表いたしますとともに、各自治体の方にもお伝えをし、取組を促すと、こういうことをしているところでございます。
  29. 上月良祐

    上月良祐君 ありがとうございます。  局長さんはまだ比較的新しくなられたというふうにお聞きしておりますけれども、これまでの代々の局長さんも一生懸命やってこられたことでございます。  是非、今私申し上げましたように、例えば指定したところの強化選手を外します。これは大変厳しいことかもしれませんし、できたらそういうことがないにこしたことはないです。しかし、本当にサボっているところがあったら、そんなことに皆さん、忙しい皆様方はそれにかかわっていること自体がやっぱりまずいんだと思います。より頑張っているところに集中していくということも必要かなと思います。しかし、そうなった原因が指導する側にあるんじゃまたいけませんから、的確に是非指導していただいて、そして的確にウオッチしていっていただきたいというふうに思いますので、是非ともその点はよろしくお願いいたしたいと思います。  つくばについてちょっとお聞きさせていただきたいと思います。ここ、本当に一生懸命かかわってきてやってまいりました。大きく変わり始めております。何が変わり始めているかというのは、これは皆さんの意識と実際の取組が本当に動き始めてきております。私は、これを是非とも加速していきたいというふうに思っておるんですが。  元々で申し上げますと、つくばというのは全国の三分の一ぐらいのナショナルレベルの研究機関が集中しているわけでございます。研究者だけで二万人、人口の十分の一が研究者で、八千人からのドクターがいるというような、どこかの町や村の、町村の人口でいうと全員ドクターだというようなすごいポテンシャルがあるところではありました。  しかし、これは総合特区の当初の指定のときの反省の弁でも述べましたけれども、しかし、これまで次々と成果があふれ出てくるような取組というのが十分にできていたのかというと、そうではなかったというのが反省点としてございます。そして、それはなぜかというと、すごい研究機関がたくさんあるものですから、やっぱりどうしても横の連携が十二分にできなかった。そして、どちらかというと基礎研究の方に集中していたような嫌いがあって、何かを成果として生み出すというようなことに関して十分な取組ができていなかったということがあったのではないかという反省に立って、そういう意味で、国際戦略総合特区の枠組みというのがすばらしかったのは、提案者は県がなれるというか、なるということだったものですから、どうしても自治体との関係というのが、特にまた国立の大きな、まあ独法ですけど、が研究機関だということで離れていたのが、やっぱり自治体とも一緒になってやるということで横串が刺さり始めたということが非常に大きなきっかけであったというのが実際のやっている経験でございます。  今、何というんでしょうか、次世代のがんの治療、切らない、痛くない、そして中性子線を当てるだけでがんが消えるような本当に次世代のがんの治療や、HAL、ロボットスーツですね、これはヨーロッパの方で先を越されてしまったんですね。国の予算でニューロリハセンターというのがドイツにどんとできちゃいました。もう医療保険の適用もドイツに先越されちゃいました。結局、そうやって、せっかくいいものがあるのにまたヨーロッパに負けようとしているというようなことがありますが、だからそうならないようにということで国家戦略特区でも御提案をさせていただいておりますけれども、そういったロボットとか。  あるいは、エネルギー問題。エネルギーの安全保障というのは大変重要なことですけれども、藻類、この藻から油が取れるという、うそみたいな本当の話が現実に産業化できるようなところの一歩手前まで来ている。アメリカはもっと激しくやっておりますけれども、そういったもの。あるいは全体に共通するようなナノの話、あるいは創薬の話、こういったものを一生懸命取り組んでいるところでございます。  産学官の連携と、あるいは産学官、金融まで入れて、産学官金の連携がないと私は駄目だと思っておりますけれども、そういったものの連携というものが本当に目に見えて、しかも、ファシリテーターというんでしょうか、本当の成長をつくっていくキーパーソンというのは肩書じゃないんですね。恐らく大臣とか副大臣とかが部下の方を見られても、もちろん肩書が上の人は立派なんでしょうけれども、その下の方にもきらきら光るような人がたくさんいらっしゃるんだと思うんです。どこかの機関を代表したような人たちを集めて、同じようなポジションの人を集めることには、余り私は意味がないんだと思っています。  むしろ、私はいつも、これまでもそうしてきましたけれども、肩書とかどんな経歴の人かというのは何にも気になりません。本当にどれだけ現場のために一生懸命働いているのかという、そういう人が実は勝手に集まって勝手に議論し始めているんです。私もそこに飛び込ませてもらって、選挙の前まではなかなか時間がなかったのであれですけど、もう是非ともと、終わってからは顔を出して議論に、まあ余りこっちからは言わないようにして、いろんな皆さん方の議論を聞いて吸収をさせていただいている、そういうふうな取組がそれだけではなくてあちらこちらで始まっている。  これは一昔前のつくばでは考えられなかったことです。そして、これこそが日本の発展の本当に大切な私は成長点の芽だというふうに思っています。それを大切に育てていくことが本当に重要だと思っていまして、自分でもそのことを、是非かかわりたい、日本成長に現場の実践を通じてかかわりたいと思っております。なので、そういうふうな現状にあるということでいろいろお話をさせていただきました。  そして、ハブ機構といいまして、何というんでしょう、全体を取り回しをするようなグローバル・イノベーション推進機構というのも筑波大学を中心につくって、いよいよ動き始めているというところでございますが、つくばの評価、もちろん自分でも評価しております、今局長からもお話がありましたように評価も出ておりますけれども、他と比較をして、この前何か経団連の評価でもつくばは一位だったとかというふうに聞いておりますけれども、それはまあいいです。実際に御担当されている大臣あるいは局長から見て、つくばのいい点、あるいはここをもうちょっとやった方がいいんじゃないかという点、ほかとも比較してどういう点があるのかということにつきまして、これはもうアドバイスも含めて是非意見を承りたいと思います。よろしくお願いします。
  30. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) お答えを申し上げます。  今委員の方から御説明がございましたように、つくばの国際戦略総合特区、次世代がん治療の実用化でありますとか、藻類バイオマスエネルギーの実用化などで着実に事業が進んでいるというふうに認識をいたしております。それぞれにつきまして、次世代がん治療実用化プロジェクトでいえば、創薬、薬剤の開発を行う企業に対する減税措置や財政支援、それから、藻類のバイオマスエネルギー実用化プロジェクトについては、平成三十二年までに一・四万トン分のオイルを生産するということで、耕作放棄地を使って大量に藻を培養するというようなプロジェクト、これも財政支援を受けて進んでいるということで、先ほど申し上げました特区の評価におきましては、こういった個別の各部門での研究開発そのものについては着実に進んでおって、成果が上がってきているという評価を受けております。  一方で、有識者の中では、今回三つプロジェクトの追加になったわけですが、その前にこれまで行われてきた四つの先導的なプロジェクトがございます。あえてもう四つ申し上げませんが、それぞれがそれぞれで行われておって、もう少し研究機関同士あるいは研究者同士の横の連携、部門間の連携というものを考えればもう一歩先に進むようなこともできるのではないかと、そういった部門間連携というのが今後の課題になるのではないかという評価がされておりまして、この点については茨城県あるいはつくばの方にいろいろお話をしているところでございます。
  31. 上月良祐

    上月良祐君 ありがとうございます。  今の部門間の連携とおっしゃるのは、四つのプロジェクトについてと言いましたけれども、まさか藻類バイオマスとロボットで一緒にやれということではないですよね、それは。
  32. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) 四つ全てごっちゃにしてという意味ではなくて、関係する部分があればそれをもう少しお互いに、例えばロボットの部分、それからナノテクの部分とか、もう少し何か相互に連携取れるようなところがあるのではないかという指摘が有識者からあったということでございます。
  33. 上月良祐

    上月良祐君 多分、その有識者の連携って、私は別に文句付けるつもりはありませんが、ちょっと何かステレオタイプな御意見じゃないかなという気がします。  もちろん、確かにロボットとナノは関係するところがないことはないかもしれない。けれども、そんなことは言われなくたって一生懸命やりますから。むしろ、もっと各、何というんでしょう、プロジェクトの中での横の連携で、この部分が足りないんじゃないか、ほかの地域とかから見たらまたこういったところが足りないんじゃないかということがあったら、是非ともアドバイスをいただければと思います。  とにかく、横の連携が重要だというのは本当におっしゃるとおりだと思いまして、そこは私自身も、他人事ではなくて自分でしょっている課題だというふうに思って一生懸命やっていますので、十分頑張りたいと思います。  これは大臣にも是非お願いをいたしておきたいんでございますけど、先ほど来の大臣の御答弁で私はもう非常に安心をして、悩みといいますか、ちょっと思っていたことが氷解しておりますけれども、国際戦略総合特区は、これは前政権の時代、民主党政権の時代の制度なんですね。それで、自民党の方々が話をしている中では、これは前政権の制度じゃないかといったような声、これは事実としてはそうかもしれませんが、私は、前政権でも前々政権でもその前の政権がつくった制度でも、そんなことは何の関係もないんだと思っております。  日本成長戦略を作文で終わらせないようにするためには、是非とも各制度の中で頑張っているところを的確に、何というんでしょうか、支援してあげていただきたい、それは甘やかすということではなくて、していただきたいと思っております。是非とも、国際戦略総合特区の中でも頑張っているところにはきちっと御指導もいただき、御支援もいただければというふうに思います。  先ほど、さらに、大臣からお話がありました国家戦略特区構造改革特区総合特区との連携みたいなお話がございました。法文上は構造改革特区だけ入っているのはなぜかなと思う気もしないではないですけれども、連携のところが。  ただ、そんなことは、もう法文とか、私、どうでもいいです。現場のことを考えて是非とも、何というんでしょう、今回、例えばつくばでは、HALに関しては国家戦略特区提案もさせていただきますし、茨城県は農業の提案もいたしております。別にそれを、何というんでしょう、私がかかわっているから取り上げてくれと言うつもりはないですけれども是非中身をよく見て、現場でこれまでやってきた経験というその積み上げ、そしてその人材の集積というものは大変大きなものがあると思いますので、是非ともその点もよく見ていただければというふうに存じます。  さらに、先ほど大臣からお話がありました規制の、岩盤規制とよく言われておりますけれども、今回の国家戦略特区岩盤規制を対象にするんだといったようなお話があります。ある意味で、政令で地域を指定するかどうかとか、国が一緒になってやるというのは重要なんですけれども、これまでの総合特区だって国家戦略特区だって、そのつもりでやれば余り違いはないのかなとも思うんですが、岩盤規制を対象にするかどうか、これまでよりも規制に関してもっと、いわゆる岩盤規制を対象にするかどうかというようなことがるる言われております。  ただ、私は、そこは気を付けていただきたい点もちょっとあるんです。実は、例えば大店法といいますか、大規模小売店舗立地法ですね、正直、あの緩和をしたから中心市街地あるいは商店街というのは地域では壊滅状態ですよ。日本国中でうまいこといっている商店街なんてまず、一生懸命探しましたけど、正直、四国の一個ぐらいですか、あれもちょっと枠組みが違うので、一つもないというのが実態だと思います。東京の都心にある商店街は残っているところがありますが、いわゆる地方ではほとんどない。それは、規制緩和と呼ぶのかどうか分かりませんけれども、あの法律の見直しと密接に関係していると私は思っているんです。  一方でそうやって緩和をしながら、中企庁辺りがやや小さめの補助金を国として、別に自治体でも配れそうな補助金を配ろうとしていると。それは風呂の底に穴を空けながら水を入れるような話であって、やっぱり地域の、何というんでしょうか、現実をよく見て緩和もしていただきたい。ただ、大規模小売店舗でも欲しいと言っているところもあるんです。どこでもかしこでも駄目というわけではなくて、こういう種類の大規模小売店舗が欲しいというふうに言っていますけれども地域によってはそういうところもあるんだと思います。だから、そこは丁寧に、特区みたいな制度で一つずつ丁寧に見て、地域の兼ね合いを見て穴を空けていく、例外をつくるということがいいんじゃないかと思います。  岩盤規制とかという呼び名自体が私は本当に余り、何というんでしょうか、好ましからざるものというか、レッテル張りみたいな、潰すか潰さないか、それでマルかバツかみたいな話じゃなくて、丁寧にやっぱり見ていって、こういったものは例外をつくるけれども、こういったものは例外をつくらない、守るんだというようなことがあってもいいんだと思います。それはマスコミとかでは厳しく言われるかもしれないけれども、その後、是非地域に影響がないように、これは地域で御活躍をされていらっしゃった大臣としてはそういった思いもあられるのかなと思いますけれども、そういった意味で、しかし、積極的に規制にはチャレンジしていただきたいと思うんですが、このことに関して大臣の御意見あればお伺いいたしたいと思います。
  34. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) ですから、まさに私たちが陥ってならないのは、手段の目的化なんです。何かをやればいい、だから全部壊せということになると、その結果は惨たんたるものになるのは、いろんな経験があります。  大いなる反省でいえば、今の取り上げていただいた大店法については、これは非常にその後の中心市街地活性化法と都市計画法の改正を伴いましたけれども、今まだ苦労しているということもありますね。それから、特石法などという小売の石油スタンドの規制については、これはもう今どうにも手の出しようがないようなことになってしまって、要するに、初期のころ、これが悪いんだ、だから全部取り払っちゃえばこれで直るんだなんていって勢いでやってみたら、その後のことはもう誰もフォローしなくなっちゃうというようなことがあってはならないと、こういう思いは私も共有しております。  一方で、やはりこれは、岩盤と言われるのはそれだけ強力な影響力があるということですから、それを触るということは良い影響力も期待できるわけですね。ですから、悪い影響が出ないようにしつつ、良い影響が出るならば、それは挑戦すべきだし、これはもう取組と、何のためにやるのか、どういう成果を得られるのか、それをきちっと検証した上で、これは特区諮問会議において定められることになりますが、そもそもの進め方としては、やはり我々は最初から予定調和のようなものがあるわけではありません。  とにかく、大体においてイノベーションというのは誰も気が付かなかったところから始まるんですから、ですから、この法案審議するときも、こんな法案で本当に国の経済が開くのか、何も書いてないじゃないかと。書いてあって、その枠の中でやるんだったら、それは同じその想定される効果しか出ないんでございまして、これは是非、私たち日本のいろんな課題をブレークスルーするんだと。この中から新しいイノベーションが起こせるかどうかをやってみようじゃないかということを挑戦したいと思っておりますから、これはフロンティア精神はいつも持ち続けてやりたいと思います。
  35. 上月良祐

    上月良祐君 ありがとうございます。  そして、もう一つ重要な点をお聞きしたいと思います。  実際に成果を上げるために、これから国家戦略特区総合特区もいろいろありますけれども、重要なものが何なのかということなんです。これは、正直申し上げますと、プロデューサーです。研究所じゃないんですよ。研究所も重要なんですよ。しかし、研究所とか研究している会社とかそれは重要なんですが、それは一つ一つのプレーヤーです。つまり、今の日本問題点は、端的に言うと、指揮者のいないオーケストラなんです。オーケストラの何か演奏している人は、一人一人は物すごい技術を持って演奏しているんです。しかし、オーケストラ全体を取りまとめて人々を感動させるような演奏をするには指揮者が重要な役割を果たさなければならないんですが、この指揮者に当たる人というのが地域になかなかいないというか、いるんです、本当は。いるんだけど、その人たちが評価されていないんです。そして、そういうものを評価する評価軸というのが日本国内にはほとんどないんです。大学にもない、役所にもありません。役所に、何というんでしょうか、ほかの役所と一緒になって何かをつくった、国民のためにすごくなった、しかし、自分の役所の権限は失った、それで役所の先輩から評価されるか、それは評価されません。でも、それじゃ駄目なんだと思います。  指揮者になるプロデューサーの役割、プロデューサーというのは、間違えないでください、プロデューサーというのは単なるコーディネーターと違います。あっちとこっちから聞いて、ああ、これとこれをつなげればいいとかというマッチングするだけじゃないんです。マッチングはもちろんしながら、更に自分なりの価値観で何かをつくり出していく、そういうふうな役割を担う人、そのプロデューサー、指揮者に当たる人がどこにもいないんです。まあ、いないと言うと言い過ぎかもしれません。  成果を出すためにそれが重要だということが分かっていなくて、例えばどこかのところで取り回しをする人が、どこかの試験研究機関から出してくださいなんというふうにしてやるわけですよ。試験研究をする人の評価基準というのは論文の数ですよ。特に海外の論文に出た、海外の論文の数ですよ。そこは、一緒になって何かをつくったというその成果は、何というんでしょうか、その試験研究をやる人たちにとってさほどの評価基準にはなっていないというのが現実なんですね。  そのプロデューサーという役割というのが本当に日本には足りないんですよ。これは肩書じゃ本当にないんですよ。もうアメーバのようにいろんな人のところへ行って結び付けて、そして成果を出していくようなそういう役割の人、そのプロデューサーというのを大切にしなければ絶対に成果は出ません。絶対に人を感動させるような演奏はできません。  個々の人たちが一生懸命、ガラパゴス化というようなことかもしれません、みんなが一生懸命技術志向、何というんでしょうか、もう入り込んでいって、自分のところの、特に基礎研究を中心にぐうっとぐうっと入り込んでいく。それで、アウトプット、アウトカムをもっともっと意識していくときに、それをやる人たち、これは評価するのが難しいんですよ。  しかし、例えば大学でも、大学は研究機関なのか、それとも教育機関なのか。最近は三本目の柱で地域への貢献というようなことが言われています。しかし、実際には、教育機関として、研究機関としての評価軸はあります。しかし、地域への貢献のという、三本目の柱と言われているので、評価軸というのは、どこかの大学にはあるかもしれません、しかし普通の大学ではそんなのはないですよ。変わり者が勝手に地域で走り回ってやっているだけだ。その先生が地域にとってみれば非常に重要な役割をしていても、俺、大学では余り評価されないんだよねって、そういう感じですよ。  でも、本当に重要なのは、これはどこの地域、何というんですか、これだけではなくて、例えば私が入っていた県庁の中でもそうかもしれない、どこの会社でもそうかもしれない。そういったアウトカム、結果を出すためにいろんなものを結び付けていって、そして自分なりの価値観を持って、単にマッチングするだけじゃない、そういうふうなプロデューサーというのがすごく重要なんです。  そういったことをもっと意識してほしいと、しなければいけないんじゃないかと、私自身の、何というか、思いも込めてそう思うんですけれども、この点について、大臣、どんなふうに御意見あられるか、お伺いいたしたいと思います。
  36. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 今の御指摘のその推進役、それから仕掛け人、演出家、そういう意味で、事業をプロデュースする人材若しくは組織がこれは鍵を握るというふうに思います。大事なことは、何をなすべきかという使命と目標をきちんと打ち立てて、それに対する実行手段としてどういう戦略があるのか、戦略を実現するための実行手段、かつそれを推進していく実務能力、これが備わって物事は成功するんですね。  ですから、今、いみじくもまさに我が国が国家的な戦略目標といいますか、どういう国になすべきなのか、そしてそれをどのような戦略を持って実現させ、そのための個別具体な施策は何だと、この組合せがうまくいかない結果がこの日本の迷走というか、かつて漂流とまで言われるようなところまで招いたんだと思います。ですから、そういった反省、私たち、自己反省も踏まえて、やはり物事、プロジェクトを成功させるには、もう決まっているんです。それが分かっているけどできないから難しいのでありまして、それに挑戦したいとは是非思います。  それから、そういう意味においては、この特区諮問会議で全体を決めますが、区域を設定して事業内容が決まると、その事業を推進するための特区会議というのができます。法律上は国家戦略特区会議となっています。私どもは通称で統合推進本部と呼んでいるんです。それは、事業体皆さんが参加していただいて、進めるためにはどうしたらいいんだと、国と地方民間と、この事業に携わる人たちが入ってその協議をする。そこには特区の担当大臣が入って、そして皆さんの御意見を吸い上げながら、必要なものはこの諮問会議なり国、それぞれの省庁に戻す、こういうことをやろうと思っています。  ですから、我々は、しかしプロデューサーではありません。やっぱりコーディネーターであって、また決定者でもあります。ですから、今のことは、それぞれの事業において、それぞれの区域で必ずそういう人が出てくるし、成功したプロジェクトというのはそういう方が必ずいるんですね。ですから、そういう方に対しても、働きやすいような、仕事しやすいような環境をつくることは是非心掛けていきたいと、このように思います。
  37. 上月良祐

    上月良祐君 大変ありがとうございます。  本当にそういう人を大切にしていただきたいと思います。その地域のことを聞こうと思ったら、その人を呼べば、何というんでしょうか、何でもかんでもしゃべれる、紙なんか見なくたって、これがどうなっている、ああなっているとしゃべれる、そういうふうに一生懸命走り回っている人。ただし、先を見通してこういうものが必要だというふうに思えるような、見えるような炯眼を持って、そして健脚で、足で走り回っている人。そして、何よりもよく耳で人の言うことを聞けるような、そういう大切な人たちがいなければ、結局、日本の将来の発展もないということなんじゃないかと私は思っております。  非常に逆説的かもしれませんけれども、科学技術の将来というのは科学者が担っているわけでは決して必ずしもない。大切なのは、科学者はもちろん大切なんですが、先ほどのオーケストラの例と一緒で、やっぱりそれは、社会学というんでしょうか人間学というんでしょうか、極めて人間くさい、そういうふうな努力が間になければ、結局アウトプットにはつながっていかないのだというふうに思っております。そういった点でも是非認識していただければ、大臣のお答えを聞いて非常に安心しました。  一つこういうことがございました。台湾につくばと同じように、これはIT中心と聞いておりますけれども産業を集積させている新竹という地区があるんです。ここの人がつくばに来てお話をした、研究機関のかなり偉い方とお話をした。私、その方と直接いろいろお話ししたんですが、そして言われたことは、プロデュースはこっちでしますから、台湾でしますから、日本は優秀な部品を出してくださいと言われたと。格好悪いと思います。屈辱的だとすら私は思います。製品はこっちで作る、プロデュースはこっちでしますから、こっちで売るので、優秀な部品だけ出してくれればいいですと。もう本当に腹立たしいけれども、これほど端的に日本状況を示しているものも、言葉もないのかなと。耳が痛いけれども、反省を込めてそれを聞かなきゃいけないんじゃないかなとも思います。  その状況を脱するためには、やっぱりプロデュースができなきゃいけないし、していって、物をつくるというところにつなげていくまでやらなきゃいけない。性能じゃなくて、是非新しい社会価値をつくっていかなければいけないし、事業でまとめるというふうにしなきゃいけないので、機関をまとめるというふうになりがちなんですね。だから、地域ごとに会議をつくられるというのは、それはまあいろんな方々がバランス考えてつくるのかもしれませんけど、その下に、実務的に動くような方々は、そのポジションとか関係なく本当に動く方々が集まってくれるといい成果につながるのではないかなというふうに思っておりますので、是非ともそういうことを意識していただければ有り難く存じます。  それから、一つ、官僚の皆さんのことというんでしょうか、役所の難しさということに関してもちょっとお伺いしたい、御指摘もしたいというふうに思います。  岩盤規制岩盤規制というふうに言われたりしますけれども、私は役所の壁ほど大きな岩盤はないんだというふうに思っております。ただし、私は壁は必要だと思っています。壁がなくて、みんなが好きなことをできるようになっちゃうと、いいことだけみんながやる、嫌なことは誰もやらないみたいになってしまうといけないと私は思っています。だから、基本的に縦割りというのが悪いと思ってはいません。しかし、やはり壁が厚過ぎて、横の意思疎通が良くなければ、それは大変まずいと思います。  そして、役所ごとの国境線がやっぱり、何というんですか、どっちに動くかどうかというのは物すごく意識しているんですね。そして、それにしかしこだわり過ぎているとやっぱり新しい発展というのも絶対にないんだというふうに思っております。新しいものをつくっていく中で、国境線といいますか、みんなの国土が増えていけば一番いいんですが、どうしてもそうじゃなくて、どっちかが踏み込んでみたいな話になるとぱたっと動かなくなってしまうのが役所の習性でもあろうかというふうに私は、反省も込めて、自分もおりましたので、感じております。  そして、もう一つは、これは官僚の組織の構造的な、致命的な問題点とも言えると思うんですが、どうしても二年、三年で変わっていっちゃう、下手すると一年で変わっていってしまうわけです。それで、先ほど来申し上げてみたように、前の制度をつくったのに、そのときやり始めた人はすごいもう大臣のお話、御意向なんかももう本当に入って一生懸命やっているんですけど、そのうち役人がころっと替わってしまう。そうすると、前の経緯がよく分からなくて、その思いもそこまで。引継ぎもだから重要だと思うんですが、そうやっているうちに、思いがだんだんなくなってきているうちに新しい制度ができると、そっちの前の制度はどんどんどんどん、何というんでしょうか、余り意味のないものになってしまうというような問題。  これをまたさらに反省を込めて言うと、政治家の方もまた、総理が一年ごとに替わるなんて言われましたけれども、そういったときにぐるぐる上も替わっているようでは、それがもっと加速していってしまうというような問題点もあります。  そして、もう一つありますのは現場を見る力だと思うんですけれども、昔はもっともっと現場に出ていたんだと思うんです、官僚の人も。ただ、今は余り出張ってないんじゃないでしょうか。泊まりで出張して、何というんでしょう、地元の人と本当は割り勘ででも飲んだりしながら、いろんなことを聞いたり人間関係つくるというのは大切なことだと思うんですが。私は、官官接待とかそういうのは一切駄目なことだと思っておりますけれども、もっとやっぱり地元を見る力というんでしょうか、これがかなり落ちているんじゃないかなと。  これは、定数もどんどん減らされて仕事は増えてきている、その中で現場に出かけていくほどやっぱり重要なことはないんだと思います。やっぱり百聞は一見にしかず、どうしても上がってくるものを見るだけになりがちなのが、現場に行って現場のことを見るということほど重要なことはないのではないかというふうに思います。現場を見る力、そして継続的に取組をしていく力、これは今のどうしても役所の組織では構造的になかなか難しいことになっている点もあります。  しかし、例えば長くやっている特区の担当大臣でもいらっしゃって、特区の本部の人たちをちゃんと成果が出るまでちょっと長くいさせてもらう、もうちょっと、一年じゃなくて二年、三年、ちゃんと成果が出るまでいさせる、これはもう大臣の御意向があればできなくはないことなんだと思います。ましてや、現場を見てこいというのは、大臣が何か所か行ったら、ああ、そういうことを評価されている大臣だなと思えば役所の人はみんなそうやって動き始める、そういうこともあります。  大臣がもう現場のことをよく御存じだということは私も総務省の人からもよく聞いておりますけれども、そういう意味で、役所の構造的な問題点、どうしても替わりがちであるというようなこと、あるいは現場にアクセスする力が落ちてきているのではないかと、そして、どうしても役所の壁が大きいという点、壊すべきはそういった点ではないか。壊すというんでしょうか、例外をつくるというのかうまく連携するというのか分かりませんけれども、そういった点が役所を使って動かしていくときの大きな一つ問題点ではないかなと思いますけれども、この点について大臣のお考えを是非お聞きしたいと思います。
  38. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 最も秩序を持った組織が行政組織だと思いますね。私は、それが日本という国家の信頼につながっているし、日本の官僚制度は世界に冠たるものだと思っています。それから、官僚の優秀度ということに関して言えば、これは世界の中でまさにトップであって誇り得るものがあるというふうに思います。  しかし一方で、今委員がお話しされたような省庁間の縦割り、それから、どうしても独創性に欠けるといいますか融通に欠ける部分がある、こういうものは否めない事実であります。しかし、行政というのは政を行うと書きますから、決められたことを行うのが行政組織なのであって、法律を遵守しなさいと、これ、もう初めて入ったときから研修を受けるわけであります、勝手に運用されては困るわけでありますから。私は、そこはやはり行政に指示を出す政治、これは政を治めると書きます。ですから、政治の責任が極めて重いんです。そして、それは官僚組織においてもそれぞれのつかさつかさを束ねる長がいます。その人たちがいかに自分で課題を整理をして部下の人たち仕事を割り振るか、進行管理するか。  同じように私も今心掛けているのは、至りませんが、大臣として省内の把握に努め、その上で、やはり自分たちがやりたいことはこういうことだというミッションを示す、そしてそのためのビジョンをつくり、実現するためのアプローチというものを設定すると。これは私、総務大臣になって、自分の役所に来てやったことであります。そういう課題を全員で共有し、問題意識を持って、そのための、解決のためのそれぞれ役割分担を果たしていく、これがうまく回せるかどうかは紙一重のところなんだと思うんですが、結果は大きな違いが出てくるということだと思います。  したがって、まずは、自分と一緒に仕事をする組織を信頼できない人間は組織を動かすことはできません。一方で、その組織に盲従、盲従というか、組織に委ねて自分が意思を示さない限り何の成果も出ません。だから、それぞれがみんな責任を持たされているわけでありますし、私どもも、そういった意味では、大臣になる前には政務官となり、そして副大臣となり、また様々ないろんな経験を積みながらこうやってやらせていただくような、そういう仕組みを我が党においてはつくっているわけですね。  ですから、あとは、それは個人のセンスもあるし志向性も違いますから、もろもろではありますが、とにかく総合的にみんなで力を発揮していこうではないかと。縦割りと役割分担も紙一重なんですよ。ですから、何でも一つにすればって、そういうことを言ったらもう管理できなくなってしまいます。かといって、細分化し過ぎちゃって連携がなくなれば縦割りだと言われるんですから、そこはやっぱり大事なことは、それはどっちにしたって、ゼロ、一〇〇で絶対に間違いない、全然駄目ではないんですから、では全体として成果を上げていくためにどういうふうに進行管理するか。重要なのは、オーケストラでいえば、同じ能力を持つ楽団員であっても指揮者によって全然違う音が出ると。だから、そこは私は政治の責任の重さというのは実感し、また、至りませんけれども心掛けているところでございます。
  39. 上月良祐

    上月良祐君 ありがとうございます。  今おっしゃったような方向で是非とも役人を使いこなしてほしい、元役人としてそう思います。力をもっと出したいんだと思っております。大臣がおっしゃっていたように、私も前もここでも申し上げましたけれども、やっぱり社長が自分の会社の社員を、うちのところの社員は全然働かないやつ、ばかばっかりでみたいに思っていて、そんなんで絶対成果は出ないんだと私は思う。信頼関係がまずないといけない。しかし、その上で、うまくというんでしょうか、もう積極的に使っていただきたいというふうに思っております。  そしてまた、長く使っていただきたいという点は是非頭に留め置いていただきたいと思いますが、やはりその前に、大臣に長く是非頑張っていただいて、いや、もっと偉くなられるかもしれませんけれども、やっぱり成果を出すという観点から是非頑張っていただきたいと思います。  それで、義務教育についてちょっとお聞きしたいと思います。  附則で、義務教育で公設民営学校の設置について一年検討するという点が出ております。この点につきまして、一年間の検討ということになっているわけでございます。この附則が入るか入らないかというふうな議論もありました。私は入って良かったなと思っております。是非とも積極的に検討をしていただきたいというふうに思っております。  今も私学があるわけです。私学って、まあ民間ですよね、どっちかというと。もちろん、公益法人といいますか、法人にはなっておりますけれども民間でできないことなんかはないはずだと私は思っています。しかし、義務教育だから慎重に検討しなければいけない。先ほど大店法の話ししましたけれども、やっぱり慎重に検討しなきゃいけない。しかし、義務教育にそんなことはないんだということで、もう、何というんでしょうか、最初から思考停止になるのは私はまずいんだと思っています。もちろん、検討した結果、これは無理だからこういうふうにするという、その選択肢はいろいろあっていいんだと思います。しかし、やっぱりこういうふうな難しい、これを規制と言うのかどうか分からないですけれども、こういうものだからこそ是非ともチャレンジをしていただきたいというふうに、しかし慎重にチャレンジをしていただきたいというふうに思っております。  株式会社立の、特区で、学校などもあったと思うんですが、大学なんかうまくいかなかった例もあったように思います。しかし、あれは私学助成がなかったんですね。なので、経営的に厳しいからどうしても経営自体が難しくなっていくという面もあったと思います。今回のは枠組みが少し違いますので、そういった意味でも、やり方によっては十分生かせるような余地があるのではないかと、本体を全部置き換えるような話にはならないんじゃないかと思いますけれども、そこにチャレンジの余地があるんだと思いまして、このことにつきまして、御意見といいますか、御見解をお伺いしたいと思います。
  40. 上野通子

    大臣政務官(上野通子君) 上月先生、ありがとうございます。  今回の上月先生の御質問は、公設民営の学校に当たってのチャレンジがあってもいいんじゃないかという文科省に対しての励まし、それと同時に、しかし待てよと、検討して慎重に進めるべきだという御忠告、両方しかと受け止めさせていただいてございます。  そして、文科省としましては、さらに、先生の御指摘のように、新たな発想に向かって取組を推進していくことを大変重要だと認識しております。具体的なことをちょっと言わせていただきますと、例えば、不登校やまた発達障害の児童を含めて、なかなか、特別な学習のニーズが必要な、また能力のある子供たちに対して、その能力を伸ばせないことに対して、公立学校や私立学校の今の現状ではなかなかそこに踏み込めないという教育の現状があります。そういう子供たちに対しての対応し切れない対応をしていくという観点から、またもう一つは、国際化を進めるに当たって国際バカロレアの課程の導入をするなどのグローバル人材の育成のための多様性を持ったという、そういう教育を行う観点というのもあります。このような様々な観点に対して積極的に対応してまいりたいと考えているところです。  しかし、また一方では、義務教育について、先ほど御指摘がありましたように、これを確実に保障することは国や地方公共団体の最も重要な責務の一つであることから、特に慎重な検討を進めてまいりたいと思っております。  そこで、具体的制度の在り方については、省内に設置しました西川副大臣を主査とする検討チームを置いて、関係地方公共団体とも協議を行いながら、公立学校としての教育水準の維持向上に、及び公共性の確保を図りつつ、検討を行うこととしております。  一歩踏み込んだということを大変評価していただいて有り難いと思いますが、なお、この日本の教育に合うかどうか、これから一年間掛けて検討していこうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  41. 上月良祐

    上月良祐君 ありがとうございました。  是非とも、今のようなスタンスで積極的に、難しい、まあ何というんでしょうか、規制と言うのかどうか分かりませんが、ことであるからこそ積極的にチャレンジをしていただきたいというふうに思います。私も現場でしっかり頑張って、日本成長に貢献できるようにしっかり働かせていただきたいと思っております。  私の質問は以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
  42. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時四十二分休憩      ─────・─────    午後一時二分開会
  43. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国家戦略特別区域法案議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  44. 芝博一

    ○芝博一君 民主党・新緑風会の芝博一でございます。それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。  新藤大臣、昨今、私は特にそう思うわけでありますけれども、政治や選挙や金に関係する多くの事件、事案がまさしく取りざたされておりますけれども、少しその問題について大臣のお考えも含めてお聞きをさせていただきたい、こう思っております。  その中で肝要なことは、昨年の末の衆議院選挙、これに対して一票の格差是正のために全国で裁判が起こされておりました。その結果、最終的には最高裁判決が出されました。これは御存じのとおりであります。結果は違憲状態。  辛くもといいましょうか、選挙無効だけは免れたなという思いもしているわけでありますけれども、ここは、昨年の今ごろ、当時の安倍総裁と前野田総理がクエスチョンタイムの中で、一票の格差是正のために定数削減をやりましょう、社会保障制度改革、抜本的に改革してみましょう、お約束をできるなら解散しましょうという部分は皆さんの記憶に新しい部分だろうと、こう思っておりますけれども、そんな中で今回の最高裁判決が出ました。  この部分を含めて、残念ながらまだまだ国会内での、また各党での議論が進んでいるとは私自身も残念ながら思っておりません。もっともっと前に進めなきゃならないと思っておりますけれども、この件に関して、最高裁判決に関して、大臣の所感、コメントがありましたら、お聞かせください。
  45. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) まず、二十日に判示されましたこの十二月の衆議院議員選挙に係る一票の格差訴訟の最高裁判決、これは違憲状態、合理的期間未経過とするということでありまして、これはもう厳粛に受け止めさせていただきたいと、このように思っております。  そして、今回の判決が、この〇増五減による区割り改定については司法からの要請、そして立法府からの要請に沿って行ったわけでございます。私ども政府としては、この格差是正に向けた一定の評価がなされたものとは理解をしております。  一方で、この一人別枠方式についてはその構造的な問題が最終的に解決されているとは言えないと、そして国会における取組の必要性というものが指摘されております。これはもとより、昨年の党首討論において政党の代表が国民の前でお話をし、協議をしていこうとお約束されたことでありますから、これは是非、この一票の格差是正を含めた衆議院選挙制度については引き続き御議論を賜りたいというふうに思います。  一議員とすれば、これは我々が取り組まなければいけないことであります。一方で、私ども行政とすれば、これは最高裁という憲法上の要請と、それから各党各会派の御議論による議員立法によって、その立法府からの御要請に沿って、我々とすれば、行政は適切に対応してまいりたいと、このように考えております。
  46. 芝博一

    ○芝博一君 まさに思いは私も一緒でございまして、共に、それぞれ立場は違いますけれども、この改善に向けて前に進んでいきたいと、こう思っております。  そこで、続いて、選挙のこの最高裁判決が出ましたが、その衆議院選挙の、絡めての公選法違反事件が取りざたされました。御存じのように、徳洲会グループによる運動員買収事件であります。全国の病院から五百人余り、五百人以上の人たちが動員をされて買収された、一億五千万ぐらいの費用が使われたと、このこと伝わってきておりますけれども、強制捜査をされまして六人が逮捕されております。中には、残念ながら現職の国会議員、徳田毅衆議院議員の兄弟の方、関係者の方が含まれているようでありますけれども、この徳田毅衆議院議員も任意で聴取を受けた、こう聞いておりますし、現実的に、残念ながら私たちの城であります議員会館、ここの家宅捜索も受けた、大変不名誉なことだと、こう思っております。  この一連の徳洲会事件の公選法違反事件に関して、特に大臣からコメント、所感があればお述べいただきたいと思っております。
  47. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) まず、大臣といたしましては、この公選法を所管する総務大臣でございますが、これは個別の事案について実質的な調査権を有していないわけであります。ですから、具体的な事実関係を承知する立場にはございませんので、大臣としてのコメントというのは控えさせていただきたいと思います。  一方で、一議員として、政治と金の問題でこのような逮捕者まで出ると、誠に遺憾なことであると思いますし、これはきちんとこの事実が明らかになって、そしてこの事態が解決される、そしてまたきちんとした国民に対して説明がなされるものと期待をしております。
  48. 芝博一

    ○芝博一君 公選法を所管いただいている大臣でありますから、立場でお述べいただく、ただし、事件の概要等々の中身については、それは当然ながら今司法の手で解明をされようとしておりますから、私もそちらには委ねなければならないと、こう思っています。  ちょっと私も勉強不足で申し訳ございませんが、今お話のありました政治と金、若しくは選挙と金の件について、大臣にちょっと簡単にお教えをいただきたい、これは一般論で結構ですからお教えをいただきたいと、こう思います。  今お話に出ました公職選挙法、要するに私たち選挙を受ける身であります。当然ながら、正直なところ、選挙には資金、すなわちお金が掛かることも事実だろうと、こう言われております。その部分は適正に使わなければならないと、こう思っておりますけれども、その選挙資金を得るための部分はいろいろあろうと、こう思うんですけれども、今回、お金に関して、特に選挙のために寄附金をお願い、寄附を受け取る、若しくは借入をする、貸し付けることはないと、こう思いますけれども、こういうことを行った場合、こういう部分は、お金に関する部分の処理方法についてちょっと、一般論で結構ですからお教えください。簡単で結構です。
  49. 安田充

    政府参考人(安田充君) 公職選挙法に関する一般的なお尋ねでございますけれども選挙運動に関する寄附や借入れを受けた場合には、出納責任者は会計帳簿に記載するとともに、寄附につきましては寄附者の氏名、住所、金額等を、借入金につきましては、その他の収入として金額等を記載いたしました選挙運動費用収支報告書を原則として選挙の期日から十五日以内に選挙管理委員会に提出しなければならないとされているところでございます。
  50. 芝博一

    ○芝博一君 選挙費用収支報告書で報告する。  それじゃ、もう一つ、私どもは常日ごろ政治活動をしております。その中で、当然ながら多くの費用、資金的なものも必要となってくるわけでありますけれども、この活動の中で、寄附を受ける又は借入をする、若しくは貸し付ける場合も多々、いろいろな状況によってはあるんだろうと、こう思っておりますけれども、この場合の処理の方法について、また、いろんな足かせ、限定があるんなら、そこの部分を簡略にお教えください。
  51. 安田充

    政府参考人(安田充君) 政治資金規正法上、政治活動に関する寄附につきましては、会社等の行う寄附は、政党及び政治資金団体以外の者に対しては禁止されております。また、公職の候補者個人に対する政治活動に関する金銭等による寄附は、選挙運動に関するものを除いて禁止されております。また、同一の者がする寄附の総額の制限、いわゆる総枠制限というものでございますが、あるいは同一の者に対する寄附の制限、いわゆる個別制限というものでございますが、こういった規制が設けられているところでございます。  一方、借入れにつきましては、政治資金規正法上、特段の規制は設けられていないところでございます。  また、政治団体が寄附又は借入れを受けた場合における政治資金収支報告書への記載につきましては、寄附については、同一の者からの寄附で、その金額の合計額が年間五万円を超えるものについて、氏名、住所、金額等の明細を記載すること、借入金につきましては、借り入れた年分について、収入として借入先及び金額を記載し、かつ十二月三十一日現在において借入先ごとの残高が百万円を超える借入金を有している場合には、資産等としてその借入先及び借入残高を記載することとされているところでございます。
  52. 芝博一

    ○芝博一君 政治資金規正法上は、寄附はしても、寄附をいただいても、また借り入れても貸付けをしても、全て政治資金収支報告書、ここは制度、限定はありますけれども、そこに報告をする、これが基本だろうと、こう思って、私たちはしっかりとそれを遵守していきたいと思っています。  そこで、もう一点お聞きをしたいんですけれども、私たち政治家には、国会議員のみならず首長等々も踏まえて、個人の資産を公開する制度がございます。ここの部分についてお聞きをしたいわけでありますけれども、ここは参議院ですから参議院議員、私たちも毎年資産を公開をしております。これは資産公開法にのっとって、その事務手続などの運用の部分につきましては庶務部がやっているわけでありますけれども、片や、政府において、大臣、副大臣、政務官、ここも当然ながら資産公開をされております。就任当時、辞任した後も含めてです。  そこの部分を含めて、どんな法根拠によるものか、そこの部分をお教えいただけませんか。内容は結構でございます。
  53. 由木文彦

    政府参考人由木文彦君) お答えいたします。  大臣、副大臣、政務官につきましては、平成十三年の一月に閣議決定をされました国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範に基づきまして資産公開が行われております。この規範に基づきまして、就任及び辞任の約一か月後にそれぞれ資産を公開するということになっておりまして、その中に、貸付金や借入金についても公開をするという決まりになっているところでございます。
  54. 芝博一

    ○芝博一君 大臣等々の公開は大臣規範、法ではないわけですね、閣議決定された規範である。  それでは、ちょっとお聞きをしたいんですけれども全国の知事とか市長も資産公開等々されていますが、これはどういう法根拠によるんでしょうか。
  55. 安田充

    政府参考人(安田充君) 都道府県知事の資産等の公開につきましては、平成五年に施行されました政治倫理の確立のための国会議員の資産等の公開等に関する法律七条に基づいて、国会議員の資産等の公開の措置に準じて各都道府県の条例において定めることとされているところでございます。
  56. 芝博一

    ○芝博一君 各首長さんは資産公開法に基づいて、準じて条例で定めてやっているわけですね。  それじゃ、この今申し上げました公選法、政治資金規正法、それから各それぞれの資産公開法の部分ですが、簡略で結構ですが、三つの部分についての罰則規定、特に、ほかの部分は結構ですよ、お金にまつわる、寄附であったり収入であったりいろいろな部分のそのお金に関する部分の罰則規定はどうなっているか、概略簡単に、結構ですが、お教えください。
  57. 安田充

    政府参考人(安田充君) 公職選挙法や政治資金規正法における罰則規定についての御質問でございますけれども、公職選挙法においては、故意又は重大な過失により会計帳簿に記載をせず又はこれに虚偽の記入をしたときや、選挙運動費用収支報告書に虚偽の記入をしたときは、それぞれ三年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する旨の定めがあるところでございます。  また、政治資金規正法におきましては、故意又は重大な過失により、収支報告書に記載すべき事項を記載しなかった者又は虚偽の記入をした者については五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金に処する旨の定めがあるところでございます。  また、資産公開についてでございますけれども、国会議員の資産公開に関する法律においては罰則は設けられていないものと承知しております。  また、都道府県が定める条例における資産公開についてでございますが、これは都道府県の条例でどのように定めるかということによるものだというふうに理解しているところでございます。
  58. 芝博一

    ○芝博一君 不記載であったり虚偽の部分があれば今言ったように禁錮若しくは罰金等々の刑があるけれども、資産公開については原則、今言ったように、国会議員の私たちの部分も、大臣規範で定められる大臣以下の部分も、首長の部分も罰則規定はない、こういう理解でよろしいですね。  そういうことを踏まえながら少し次に進まさせていただきますが、十一月の二十二日に、つい先日です、東京都知事の徳洲会グループから五千万円受領の件が発覚をいたしました。この件について少し大臣のお考え等々を含めてお聞きをしたいと、こう思うんですけれども国家戦略特別区域法案と関係ないじゃないかという御指摘があるかも分かりませんが、私は関係あると思っているんです。なぜなら、この特区の中の重要な位置付けに、区域会議、すなわち特区の推進本部が設置をされます。その中には、関係する関係地方公共団体の長が構成員となると、こうなっているわけでありますから、こういうことも兼ねて以下に続けさせていただきます。  その前に、少しおさらい的な部分を含めて共通認識としてお話を申し上げたいんですけれども、この東京都知事の五千万円受領の件について、本人の会見、そして新聞報道、マスコミ報道等々も含めて確認されている事項、十一月の六日に猪瀬副知事は徳田虎雄前理事長に鎌倉の方で面会をして選挙支援の要請をした、徳田虎雄前理事長からは支援をします、こんな受諾の言葉があったと、こういうことが既に聞こえてきております。  そして、問題はすぐその後、猪瀬東京現都知事の関係者から徳田毅衆議院議員に要請があった、こういうことがあります。一億円提供してほしい。それを受けて、新聞報道では十一月の二十日ぐらいじゃないかと、こう言われているわけでありますけれども、定かでありません。事もあろうに、衆議院会館の徳田毅議員の部屋で五千万円の現金が猪瀬知事に手渡されました。会見で猪瀬知事は、私が自ら手書きで用紙を作ったと、こう言っておりますけれども、そのことは後でまたお話ししたいと思います。そして、その後の知事選挙、そして衆議院選挙で猪瀬現知事も徳田毅衆議院議員も当選をされました。  時しばらく置いて、今年に入って九月の十七日、東京地検特捜部が強制捜査に着手いたしました。これは、先ほど述べた徳洲会グループの公選法違反の運動員買収事件の部分であります。そのことはもう既に大きく報道されていますから皆さんも十分御承知だろうと、こう思います。  問題は、この家宅捜査が行われた、強制捜査が行われた、全国に知れ渡りました、その直後、その直後であります。先ほどお話しした五千万円、猪瀬東京都知事は、当選していますからこのころは都知事であります、五千万円を秘書を使って徳田虎雄前理事長の奥様に返却をした、これが事実のようだと報じられております。ところが、徳田虎雄前理事長の奥様は、借用書は不知、知らない、持っていないと、ここにそんな証言のそごも出ていることも事実であります。そして、その後、先ほどお話し申し上げましたように、つい先日の十一月の二十二日、猪瀬知事の五千万円受領事件が発覚をいたしました。  その後、猪瀬都知事は記者会見を行いました。ところが、この記者会見の前に猪瀬都知事はあることをしていました。それは何かというと、先ほど御報告をいただいてお教えをいただきました、政治家が、首長が資産の公開を行っております。先ほど言いました都条例の部分で定められた部分だろうと、こう思っておりますが、会見の前に猪瀬知事は資産報告書を、ゼロのところを訂正をして五千万円と記入をして、こういう手続をされました。そして、会見に臨んだわけであります。いや、実はあの五千万円は個人で借り入れたんだ、借用書はある、しかし、いまだにその借用書、証拠として、あるけれども、どこにあるか分からない、探してみないと。私たちの前には出てきておりません、非開示であります。非常に不自然な部分であります。  以上、これまでの東京都知事と徳洲会グループとの五千万円の受領にわたる経緯であり、概略でありますけれども、こういう概略を新藤大臣は御存じでしょうか。
  59. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 今委員から御紹介をいただきました。そして、報道でなされていること、これについては私も承知をしております。
  60. 芝博一

    ○芝博一君 大方の方は報道等を通じてこの概略については認識をいただいている、知っていると私も思っています。  それでは、新藤大臣、大体の概略、今申し上げましたし、報道でも知っている。何が一連のこの経過の中で、特に東京都知事に関しての件では何が問題なんでしょう、大臣の認識をお聞かせください。  大臣の認識、部長、指名していない。
  61. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 大臣、お答えになりませんか。
  62. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは個別の事案でございまして、我々はその調査権を有していないと。ですから、具体的な事実を承知している立場でないわけであります。ですから、その際に、今私にコメントを求められても、私の方から今お答えすることはございません。  さらに、一般論として、この会計処理においての個別のその事務的なものであれば、これは担当の方からお答えさせていただきたいと思います。
  63. 芝博一

    ○芝博一君 それじゃ、大臣の答弁もありました。その中で担当の者からとありました。  何が問題か、今現時点で、選挙部長として、端的に、どの部分とどの部分のこのことが、詳しいことは結構です、お答えください。
  64. 安田充

    政府参考人(安田充君) 大臣の方からお答え申し上げましたように、総務省としては個別の事案については実質的な調査権を有しておらず、具体的な事実関係を承知する立場にございません。仮定の事実についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。  その上で、一般論といたしまして、選挙運動の収支報告について申し上げますと、選挙運動に関する借入れ、これを受けた場合には、出納責任者は会計帳簿に記載する必要がありますし、また、その他の収入として金額等を記載した選挙運動費用収支報告書を選挙管理委員会に提出しなければならない、このようにされているわけでございます。  この場合における選挙運動に関するその他の収入とは、選挙運動に関する収入の中から寄附を除いたものをいいますが、選挙運動の財源たらしめる目的を持ってなされた借入金、自己資金等が該当するものというふうに考えてございまして、この場合には実際に使用したか否かによって取扱いが異なるものではないというふうに考えているところでございます。
  65. 芝博一

    ○芝博一君 当然ながら、司法当局ではございませんし、調査権もないんですね。ということの部分も踏まえて、一般論としての部分でお答えをいただきました。  この五千万円の授受でありますけれども、先ほど私がお話し申し上げました。猪瀬都知事の関係者選挙の直前に、選挙は何があるか分からない、生活の不安もあるから何とかしてほしい一億円、こんな要請をしたということであります。  私は、選挙目的で借りたのではなかろうかと、こんな推測を個人的にはしておりますけれども、今部長が言われました、選挙のために借り入れた部分であれば、当然、公選法の中で適宜適切に処理をしなければならないと、こう思いますけれども大臣、そんな感覚でよろしいでしょうか、一般論として。これも部長、はい。
  66. 安田充

    政府参考人(安田充君) 一般論として申し上げますと、選挙運動に関する借入れというものを受けた場合には、選挙運動の収支報告書にそれを、収支報告書に記載をいたしまして選挙管理委員会に提出しなければならないというふうにされているところでございます。
  67. 芝博一

    ○芝博一君 その選挙運動のためにというくくりは大きな広義の意味があるんだろうと、こう思います。  原則的には、私も、選挙運動のために今申し上げました経緯の中で借入れをしたんじゃないかという推測は勝手にするわけでありますけれども、そうすると、部長、その借り入れたお金、使ったから報告する、使わなかったから報告しなくてもいいという処理の方法でいいんでしょうか。
  68. 安田充

    政府参考人(安田充君) 選挙運動に関する借入れを受けたという場合には、これは先ほど申し上げましたように、選挙運動費用収支報告書において記載をして提出しなければならないとされているところでございまして、選挙運動の財源たらしめる目的をもってなされた借入金ということであれば、実際に使用したか否かによってその取扱いが異なるものではないと、このように考えているところでございます。
  69. 芝博一

    ○芝博一君 私は、その意図といいましょうか意味合いが大事だと、こう思って、実際に使ったか使われなかったか、残ったか残らなかったかじゃなしに、ありのままをそのまま法の精神は求めているのであって、そこのところは非常に私は今回の部分においても疑義に感じているところであります。  大臣、先ほどから答弁いただけません。個々の案件だということです。しかし、大臣、コメントを出しているんですよ、コメント、この件に関して。二十二日の閣議後の会見でこの件に関して、猪瀬知事の献金問題、受領の件に関してコメントを出されていますけれども、もう一度この場で同じようにお答えください。
  70. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 選挙資金それから政治資金、政治と金の問題ですね、これは非常に国民の強い関心事項であるということであります。ですから、それに対して、猪瀬知事が今そのような報道がなされているわけでありますから、必要な説明責任は果たしていただきたいと、私もそれは一議員としてそういうふうに思っております。
  71. 芝博一

    ○芝博一君 一議員というより私は、公選法なり政治資金規正法なり、もろもろの所管する大臣として、そういう立場で、政治資金規正法を所管する大臣の立場でコメントをされたのだろうと私は解釈しているんですけど、そういう解釈でよろしいですね。
  72. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 私は今、総務大臣を拝命しております。そして衆議院議員であります。ですから、政治と金という問題につきましては、これは議員として、政治をやっている者として、これはもう最も基本的な問題であります。ですから、それについての説明責任を果たしていただきたいと、こういうことを今私の立場で、この置かれている立場でお話をしたわけでございます。
  73. 芝博一

    ○芝博一君 それは私も一議員ですから同じ思いです。新藤議員も議員であればもう当然であります。ところが、このコメント、記者会見しているのは二十二日午前の閣議後の会見で、しかるべき場所、議員会館じゃないんですよ、大臣という立場で会見をした中でコメントを出しているんですよ。それはちょっと大臣、違いますよ。だから、私がもう一度読み上げましょう、その部分。  先ほど言ったことと中身は変わりません、だから立場です、総務大臣として。政治資金については公正で透明な処理が求められている、そのとおりだと思います。政治と金の問題というのは国民の最大関心事項であり、説明責任を果たしてもらいたい。同感なんですよ。  だから、これは当然ながら、先ほど大臣は議員としてと言いましたけれども、私は総務大臣として強くこのことを訴えるべきだと、こう思っています。むしろ、先ほどの大臣の答弁は、議員ということを私は取り消していただきたい、こう思うんですが、いかがですか。その前に総務大臣です。
  74. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 私は、衆議院議員であり、そして総務大臣でございます。政治を行う者として、またその役にある者として発言をしたわけでございます。私の中での同一人格でございます。
  75. 芝博一

    ○芝博一君 私は、同一人格じゃなしに別格人格だと思うんですが、基本的には、閣議後で、大臣室の、ある部分の定められたところで総務大臣のコメント出しているんです。それは大きな問題じゃないですから、これ以上言いません。言いませんが、いずれにいたしましても、大臣、大事なことは、このときのコメントは、いろんな部分の記者会見を確認しました。政治資金についてと、こう大臣は明言されているんです、政治資金について。これが借入金について、個人の資産についてと言明していません。  ということは、先ほどからお話をしていますように、公選法に当たる選挙のための資金、若しくは、良く考えてもふだんの活動のための政治資金、政治活動費、こういうとらえ方をして、しっかり公正で透明な処理をしてほしい、説明責任を果たしてほしいという意図でいいんですね。
  76. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 私は、そのときも、また今現在も詳細な事実関係を承知していないわけであります。そして、今報道によってそのような問題が国民の関心を呼ぶようになりました。ですから、政治と金というこの広義の意味において、そういった問題についてはきちんとした説明責任を果たしていただきたいということで申し上げたわけでございます。
  77. 芝博一

    ○芝博一君 冒頭にも申し上げました。今私の説明、概略の経過の説明等、マスコミ等々通じて知っていると言われました。この問題は、今まさに新藤大臣がここで審議をしようとしている国家戦略特別区域法案と大変大事なかかわりを持ってくるということは私も冒頭に申し上げました。そんなことをもって、そして公選法、政治資金法の部分を、法案の所管をする大臣でありますから、大いにこの件については関心を持っていただきたい、知っていただきたいんですよ。知らないで私は済まない、より意欲を持って知っていただく立場にあるんだろうと、こう思っております。  そこの答弁は求めませんが、改めて新藤大臣、猪瀬東京都知事についての新藤大臣の御評価といいましょうか、見方、この部分についてお聞きをしたいと思いますが、私どもも、恐らく新藤大臣も記憶に新しいんだろうと、こう思います。  本来は猪瀬都知事は作家でありました。そして、あるときからジャーナリストとして、私の知る限りでは、国の借金増やし続けるな、政官業の癒着が駄目だ、こんなことをテレビ、新聞、マスコミを通じて強く活動されてきました。さらには、小泉政権のときだと思いますけれども、道路公団の民営化改革、これを先頭を切ってやってこられました。  まず、副知事になるまでの作家、ジャーナリスト、これらの活動に対して新藤大臣はどんな評価をされているんでしょうか。
  78. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) それは、報道等でも明らかになっておりますが、行政改革を推進すべしという様々な御提案をいただきました。そして、一定のそういった活動をされているということでございます。
  79. 芝博一

    ○芝博一君 ということは、私が冒頭申し上げたように、新藤大臣も副知事になる前の猪瀬さんという人についての活動は、ある意味では改革、行政改革等々も含めた改革の旗手といいましょうか、リーダーとして評価をしていた。私もそんな思いであったんです。同じ思いでということの解釈でいいんでしょうね。  それで、続けてお聞きをしたいと思います。  昨今では、さきに決まりました二〇二〇年の東京オリンピック、これの大功労者と、こう思っています。まさにチーム・ジャパンが一体となってやった部分でありますけれども、強いリーダーシップ、エネルギーを持ってやられたんだろうと、ここのところは私も評価をしたい、こう思います。  そして、石原前都知事の下で、まさに東京都というのは十二兆円の年間予算、これを動かしているわけであります。そして、その住民、都民というと千三百万人。まさに海外の小さな小国よりも大きな予算と住民を抱えている、都民を抱えている。それだけの権力者であることも事実であります。  この副知事、特に副知事よりも今は都知事として、この件が発覚するまで新藤大臣はどんな御評価を持っていたんでしょうか。
  80. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) それは、選挙によって都民の信任を得て都知事になった。そして、当面の大きなテーマであった東京の五輪の招致に対して熱心な活動を行って、そしてこの招致に成功したわけであります。また、様々な巨大自治体のトップとしてこれは実務に当たられてきたと、そういうことだと思っております。
  81. 芝博一

    ○芝博一君 その説明からも、私も申し上げましたように、副知事、特に都知事としても大いに成果を上げてきた、これからも期待していますよということがその言葉からもにじみ出ていると、こう思っています。  ところで、新藤大臣、今、ジャーナリスト、作家として、そして副知事、知事として活躍をしてこられました猪瀬都知事、猪瀬都知事のモットー、好きな言葉というのは御存じですか。有名なんです。
  82. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 残念ながら承知しておりません。
  83. 芝博一

    ○芝博一君 じゃ、改めて皆さんに御披露したいと思います。まず最初は英語で。ファクトとエビデンスを常に展開しろと。私も分かりませんから確認しました。事実と証拠を常に展開しろ、これが都政の中での彼のモットーなんですよ。事実と証拠を常に展開しろ、いい言葉ですね。(発言する者あり)という声も出ましたけれども、まさに私が言いたいのはそこなんです。正直な方が答えていただきました。  今回の一連の経緯を説明しても、多くの皆さんが、説明責任は私自身は果たしていないと、こう思っています。ここの部分がしっかりと、今申し上げましたように、都民の代表、いや、日本の首都の代表であります。客観的な事実や証拠を示してもらわなければ都民も国民も納得しないんじゃないか、こう思っていますけれども、現状で新藤大臣は猪瀬都知事は説明責任を果たしているとお思いか思っていないか。
  84. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは、国民の関心があって、それに対しての声がやまないということ、それは説明責任を果たしていないということになります。政治家の責任は、国民が納得するように、また公開性、透明性を持って説明を果たすことだと思っております。
  85. 芝博一

    ○芝博一君 今もう一つ心配されていることがあります。  東京五輪の功績大と、こうお話し申し上げました。皆さんも一緒でしょう、思いは。ところが、今回の件で東京五輪の開催に影響が出るんじゃないか、足を引っ張られるんじゃないかという危惧をする声も聞かれます。あわせて、先ほどから申し上げましたように、首都東京であります。世界の大都市、世界の国々からこの首都東京の信用が失墜するんじゃないか、今回の件で、こんな思いを聞くわけでありますけれども、そういう部分に対して新藤大臣のお考え、感覚はどうでしょう。
  86. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) この東京オリンピックは、まさに日本として、今目の前の大きな夢、目標を設定できたという意味において大きな出来事だったと思います。ですから、これを私たちはそれぞれの役割分担を果たしつつ大成功をさせたいし、させなければいけないというふうに思います。  ですから、この様々な問題、東京五輪に影響が出ないようにしなくてはならないということでありますし、日本の中の巨大首都の首長であります知事としての、また東京都の信用、これが失墜しないようにしなくてはならないというふうに思います。それはそれぞれが責任を果たしていただきたいと、このように思っております。
  87. 芝博一

    ○芝博一君 私もまさしく同じ思いなんです。  今回の一連の部分を受けて、私の部分には、なぜ、ある意味では初対面、人に紹介してもらって徳田虎雄前理事長と会っています。そこからの部分でグループから五千万円もの大金を無利子無担保で借りたんだろう、こんな疑問が素朴に残ります。そして、強制捜査、家宅捜査があった後に現金五千万円をなぜそのタイミングですぐに返したのだろうか。さらには、都民が自由に閲覧できる資産の報告書、これを会見の前に発覚してから訂正したんだろうかという素朴な疑問が残るんです。  だから、東京地検、捜査当局はこの金の動きについて徳田グループの関係者から事情聴取を行っていると聞いていますし、二十三日の日には市民団体から、猪瀬都知事、併せて徳田虎雄前理事長、そして徳田毅衆議院議員に対して公選法違反容疑で告訴状が送付されました。この送付はこれから検討の後、しっかり吟味をされて受付、受理をするかどうかが判断されるんだろうと、こう思っていますけれども、今言いましたように、今回の事件は、ただ単に五千万円の授受のみならず、多くの影響が出ると心配される案件であります。  私は、政治的にも道義的にも猪瀬都知事は速やかに責任を明らかにすべきだと、こう思っておりますし、捜査当局においても真相究明に取り急ぎ取りかかっていただきたい、そのことをまず期待して、この件については終わらせていただきたいと、こう思います。  それでは、本来の質疑の部分に入れ替えていきたいと、こう思います。  それじゃ、新藤大臣国家戦略特別区域法案の大きな目的、この部分を端的にお答えください、お教えください。
  88. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 午前中も御答弁させていただきましたが、この日本経済を再興させる、日本をもう一度元気な国にすると、それが私たち安倍政権の目的であります。そしてまた、それは日本人の共通の願いでもあると思っております。その新しい経済を強くしていく中で様々な取組が行われますが、特に今回、国家戦略特区という中で新しい日本経済の扉を開く、またそれは世界投資を促すものであり、また日本のこれからの成長の鍵となるような、種となるような、そういう分野において特区としてチャンスをつくってみようではないかと、こういうことを考えたわけでございます。
  89. 芝博一

    ○芝博一君 ありがとうございます。まさに、今、日本に求められているその部分の目的だろうと、こう思っております。  そこで、その目的を達成するために多くの会議体が置かれることになります。そのことについてお聞きをしたいと、こう思いますが、まず、総理大臣の下に内閣府に設置をされる特別区の諮問会議、このことについてお聞きをしたいと、こう思いますが、この構成員が誰になるか、大臣、お教えいただけませんか。
  90. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 多くの会議は設けません。まず、国家戦略特区……
  91. 芝博一

    ○芝博一君 諮問会議だけ答えてください。分かりましたので、訂正します。
  92. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) はい。  諮問会議の構成員は、議長は内閣総理大臣、そして議員は、内閣官房長官、国家戦略特区担当大臣、そして内閣総理大臣が指定する国務大臣及び内閣総理大臣が任命する民間有識者で構成されるわけであります。そして、議員の数は十人以内とし、そのうち民間有識者は全議員の半数以上でなければならないとさせていただいております。
  93. 芝博一

    ○芝博一君 ありがとうございます。  それで、具体的にちょっとお聞きをさせてください。国家戦略特区担当大臣、これは新藤大臣が就任いただくと考えてよろしいんでしょうか。どなたがなるんでしょう。
  94. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 私は、現在、地域活性化担当大臣として、官房長官決裁によりまして、国家戦略特区法案を作り、特区を準備するためのワーキンググループの担当大臣となるべしと、こういう御下命をいただいております。そして、国家戦略特区担当大臣というのは、この法律が成立した後に内閣総理大臣が任命されるものであります。ですから、それは法案成立後に総理の方から任命があると。どなたになるかは、それは現時点ではまだ、法案が成立後に総理の御判断ということになるわけでございます。
  95. 芝博一

    ○芝博一君 地域活性化の担当大臣としてこの法案の所管はしているけれども、イコールそのまま特区の担当大臣になると決まっているわけではない、これは総理が決めることだ、任命権は総理にあると、こういうことでよろしいですね。  そうしたら、もう一つ教えてください。  総理大臣が指定する国務大臣というのはどなたになるんでしょう。例えば必要に応じて各関係大臣が参加することできると思うんですが、総理が指定する国務大臣というのはどなたを指しているんでしょう。
  96. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) それは、諮問会議が十人のメンバーでございます。そして、決まっているのは、総理とそれから官房長官と特区担当大臣と、これで三人になりますね。民間議員は五人以上、過半数以上ということになっておるわけでありますから、そうすると、残ったものにそのときに必要な大臣がまた総理から任命されると、こういうことでありまして、まだどなたがそこの諮問会議の中の入る大臣になるかはこれは決まっておりません。
  97. 芝博一

    ○芝博一君 今、大臣としてはそうお答えいただく時期でありますし、そういう答えしかできないんだろうと、現時点では、こう思います。  そうしたら、新藤大臣、先ほど御説明いただいた民間の有識者、人数も今説明いただきました。この民間の有識者はどのような人を想定されて指名されるんでしょうか。新藤大臣のお考えで結構ですから、教えていただけませんか。
  98. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは、戦略特区基本方針や、さらには区域事業内容、そういったものを諮問会議で集約するわけでありますから、それぞれ必要な有識の持つ者、そういう方々になっていただくというふうに思います。  プロジェクトですから、プロジェクトを推進する立場の方もいらっしゃっていいと思いますし、また規制改革が大きな目的になっておりますから、そういう分野に精通された方もいらっしゃっていいと思います。さらには、日本の国を、これから経済を大きくしていくためにどんなシーズがあるかということを、そういったものを御見識を持っている方々、それらをこれは総理の責任において選ばれるものになると、有識の方がお入りになることだと思っております。
  99. 芝博一

    ○芝博一君 今の段階ではそれが担当所管大臣として、また政府としての見解なんだろうと、こう思うんですけれども、そうじゃないですよね。  そうじゃないというのは、政府の、甘利経済財政・再生担当大臣、二十三日に今の新藤大臣とは違う発言をしているんですよ、とあるところで、講演で、聴衆の前で。何を言っているか。総理が指名するこの民間議員に竹中平蔵慶應大学教授を起用すると明らかにしているんです。これは各紙に載っています。おかしいじゃないですか、そんな部分が出てくる、大臣から、政府から。どうなっているんでしょう、政府の部分は。そして、甘利さんはこう言っています。他の民間議員は学者と実業の世界で指揮を執っている人を入れたい、これも明言しているんです、講演の中で。  こんなことは許されますか。今日、大臣から法案趣旨を聞きました。そして、質疑が始まりました。しかし、これから質疑審議をしようとする参議院の中でやっていく中で、政府の代表である、一人である、責任ある立場の甘利さん、これは関係大臣でもありますよ、要求大臣です、当委員会の。その方が聴衆の前でこんな発言をする。許されるべきものではない。なぜか。参議院軽視、審議軽視なんですよ。そのことについてまず、新藤大臣、どう思われますか。
  100. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) まず、それはお話しされた当事者のお話というものを聞いていただきたいというふうに思います。  私が報道等でお伺いをしております範囲によりますと、これは今検討中であると、ただ、そういう人がいるのではないかというようなことを御本人はおっしゃったようでございます。  もとより、私は今この国家戦略特区法案を担当している大臣として、先ほど御答弁申し上げましたとおり、これは、諮問会議の有識者としてどなたかをどうしようかというようなことは一切決まっておりません。ただ、いろいろな可能性があって、それを、見解をいろんなところでお話しされる方がいるかもしれません。それは今聞かれておりませんが、数においても私は一度も言ったことがございません、場所について言ったこともございません。全てこれから決めなければいけないことでございます。
  101. 芝博一

    ○芝博一君 いや、だったら、大臣、怒ってくださいよ。大臣が所管している法案の中で、人も決めていない、場所も決めていない、数も決めていない中で、こんなことが堂々と聴衆の前で、それも講演会ですよ、一対一じゃないんです。新聞に、明らかにしたと、明言したと書かれているんですよ。  だから、私たちは朝の理事会で、この事実関係を確認をして、甘利大臣が発言をしたのかどうか、その部分を確認をして、発言をしているならしっかり説明をして陳謝をしろと。いや、陳謝じゃ済まないぐらいですよ。本当なら、政府からこんな発言が出たら、何だ、委員会審議を無視しているのかと。私は審議拒否をしたいぐらいなんですけど、そうもいかないでしょう。  しかし、これからの部分で、そこの部分をしっかりと私たちは、甘利大臣の事実関係、そして改めての陳謝を、事実がそうであるならば、しっかりとその責任を追及していきたい、こう思っています。  そうしたら、もう一つ教えてください、大臣。  多くの会議はない。諮問会議区域会議ですね、二つ。失礼しました。その特区の推進する部分、地域区域において、区域会議、すなわち推進本部が設置をされると、こうなっております。この中に構成される構成要員、会議の構成要員をお教えください。
  102. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) それは国家戦略特区会議のことで……
  103. 芝博一

    ○芝博一君 国家戦略特区会議です、区域会議
  104. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) はい。これは、この国家戦略特区担当大臣と、そして関係地方公共団体の長及び特区において特定事業実施すると見込まれる民間事業者によって構成されることになっております。
  105. 芝博一

    ○芝博一君 担当大臣の件については先ほどお聞きしました。  ここに関係地方公共団体の長とあります。ちょっと具体的に、長といってもいろいろあるんですが、知事も市長も町長も村長も区長も、それ以外に例えば事務組合であったりいろいろな部分があるんだろうと、こう思いますけれども、そういう解釈で、幅広い部分だと解釈してよろしいですか。
  106. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 地方公共団体の長というのは、その地方公共団体の長でございますから、その定められた方々でございます。
  107. 芝博一

    ○芝博一君 そうすると、今言いましたように、区域会議、推進本部の会議は、担当大臣地方公共団体の長と総理大臣が指名する、選定する民間事業者、すなわちもう早く言えば企業だと思うんです。個人じゃないと思うんですね、ここは。それと必要に応じてと、こうありますけれども、ここは、しっかりと区域計画を練ってそれを諮問会議に上げていく、基本的には省庁と連携を取りながら上げていくという形になるんだろうと、こう思っておりますけれども基本的に、当然ながらそこでは綿密な打合せと計画が必要なんだろうと、こう思っております。  そうすると、私なんかは、先ほどお聞きしました、今回の特区の目的、産業国際競争力強化するんだ、そして国際的な経済活動拠点形成をするんだと、こうなると、頭悪いものですからついつい浮かんでくるのは首都東京なんですよ、この条件を満たすのは。首都東京をおいて私の地元の、残念ながら何々県とは言えません、何市とは言えませんけれども、飛び出て、そこが制定されると思っておりません、この条件を満たそうと思うと。国際的に打って出よう、経済活性化にもつなげていこう、そうなってくると首都東京。そのときには、この地方団体の長は誰が指定されるんですか。
  108. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 現時点において、今どこというのは決めていないわけであります。それから、今委員はそのように予断を持って想定をされておりますが、それに対して、私どもの方は、私は今お答えのしようがありません。  それから、これは質疑の中でもよくお尋ねされましたので、都市に、特に大都市に行くのではないか、地方が置いていかれるのではないかと、こういうお話もございました。私はそうは思っておりません。場所ではなくて何をやるかでございますから、それが、必要な何をやるかが決まればそれをどこで実施するかの場所が決まってくるわけでございますので、あらかじめ決めたものについてこの法案を作っているわけではありませんので、現状においてはお答えしようがありません。  ただ、東京がこの区域指定になったとするならば、そこの長というのは知事でございます。
  109. 芝博一

    ○芝博一君 答弁の予想を兼ねてお聞きをしました。当然、現時点で決まっているわけじゃない、分かっていますけれども、私の冒頭申し上げました足らない知識の中ではついついそういう連係をしてしまうという前段を置いておりますから、ひとつ御理解いただきたいと思いますが、やっぱり、国が今挙げて、この日本を引っ張っていくためには、国際競争力を付けて経済の活動拠点をつくるんだ、再整備をするんだとなると、私が今言いました冒頭の部分というのはやっぱりどうしても根底に基本的な条件としてかかわってくるものですから、あえてお聞きをさせていただきましたけれども是非、ある意味ではそうなっていくんじゃないかなという見通しも私自身は持っています。  そういったときに、最初からずっと申し上げてきたときに、これは仮定の話で申し訳ない、聞き流してほしいんですけれども、もし東京でそういう計画計画されて、時の長、知事、地方団体の長が構成員になったと。これ、早いうちの立ち上げを政府としては考えてみえます、特区の立ち上げ。果たして、今の状況の中でその区域、すなわち都民や国民の皆さん方、十分な理解と信頼が得られるのかなという危惧を持っていることだけはお伝えをしたい。答弁は求めません。  そこで、もう一点、違う観点から御質問したいと思うんです。  今大臣は、地域もなければ、限定もしていないし、想像もしていない、発言もしていないと、こう言われました。ところが、こんなことあり得るのかなと私は思っているんですが、二十一日の日にこんな計画が明らかになっているんです。お台場カジノ、二十四時間型、中心に巨大ホテル、総合リゾート。まあ、考えられることですよ。ある意味では発想的には面白いと思うんです。カジノの良しあし、ここではおいておきます、賛否はおいておきます。事業主体はフジテレビと三井不動産、鹿島、そしてその中身は、カジノを併設した巨大ホテルを中心に商業施設や国際展示場などを整備、発電施設も備えた二十四時間のスマートシティーを目指していく。これからです。この計画案、政府国家戦略特区作業部会に既に提出されている、事実でしょうか。
  110. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは、提案募集を行ったときにそういったものもお受けしております。約二百件、全国から寄せられております中の一つでございます。
  111. 芝博一

    ○芝博一君 それ以外の中身の計画を見ますと、十分、その応募した中には、この計画があって、いろんなアイデア、計画があるんだろうと、こう思っておりますけれども、例えば、例えばの話ですが、私の想像の部分で、例えばこのお台場カジノ、二十四時間型が対象になったとしたときには、当然今申し上げた企業体と、そして首長、そして担当大臣がもっともっと詰めながらこの計画を練っていく、そういう発想でよろしいんでしょうかね。
  112. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 仮定のお話をされ続けておりますが、この件について、どんなものであろうともそれは、採択する際には、私申しました、御提案はまずあります、それから国としてもそこについて何をやろうかということを考えます。必要な規制や、これからでございますが、税制ですとか、そういったものが付いていって、そしてそれを事業として成り立たせなければならないということになるわけでございます。それぞれに課題があると思いますから、どれを採択するか、どのようなものに事業を行うべきか、それはこの法案成立後にきちんとした作業を進めていきたいと、このように考えているわけでございます。
  113. 芝博一

    ○芝博一君 法案成立後に全てのものが動き出すんだろうと、こう思っておりますけれども、ある意味ではいろんなアイデアも募集も含め、先ほどの民間議員の発言部分も含め、やっぱり少し政府としてしっかりと体制を立て直していただかないと、あらぬ誤解を招きますし、今言いましたように、地方自治体の長、こういう今私が申し上げたような課題を抱えている人もいます。  ということも踏まえながらお聞きをしたいんですが、この特区の推進計画諮問会議に上がるまでの区域会議等々を踏まえて、当然ながら、今大臣がお話しされたように、地域の首長と企業体が十分にやっぱり綿密に連携をして計画を練らなければならない。そして、担当大臣、国としても関与していかなければならない。当然、省庁の部分も入ってくるでしょう。ここには当然、そこの部分では多くの、大きな規制改革、解除、そして大きな権限、当然ながら大きな資金、予算も動くんだろう、こう思っています。そうでなければ国家戦略にならないわけでありますから、と思います。当然、そこの部分の関係に私は、公平、公正、透明性が求められると、こう思っているんです。そうでなければならない、こう思います。  ところが、残念ながら、いっときの、国においてもありました、地方にもありました、県にもありました、市にもありました、不適切な関係。すなわち責任者、首長と、そしてその関係する早く言えば企業体、業者等々との関係が、例えば時には接待でたたかれたり、献金でたたかれたり、パーティー券のことでたたかれたり、いろんな部分の不適切な関係がありました。  これだけ国家プロジェクトとしてやっていくわけでありますから、当然、大臣として透明性の確保をどのように担保するかということを考えなければならないと私は思っているんですよ。これは、行動規範的なものをお考えか、お考えがあったらその中身をお教えください。
  114. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 公平、公明、公開性ですね、さらに客観性というものも必要だと思いますね。そういった中で進めてまいります。  まずはどこを決めるかということに関しまして、この国家戦略特別会議、それから諮問会議、これはいずれも会議内容は原則公開であります。それから議事要旨の公表、それから一定期間経過後の議事録の公表、これもほかの会議と同じようにやってまいります。今御指摘ありましたところは重要だと思いますから、しっかりとそれはきちんと担保できるように取り組んでまいりたいと思います。
  115. 芝博一

    ○芝博一君 その思いは一緒だろうと、こう思います。  ただ、そういう部分を言葉じゃなしに担保していくことが大事と言われました。どんな形で担保するか、すなわち行動規範的なものを作って担保する。これは、首長も守っていこう、関係業者や民間企業体も守っていこうとか、ある程度目に見えた形の部分がなかったら、私はやっぱり不適切な関係というのは絶対ないとは言い切れないと、こう思うんです。現実に、今でも今まででも、全国でもどこでもあったわけでありますから。そこのところをしっかりと大臣のまさしく今力量でもってそういうものを取り組んでいただく、是非とも具体的な形で取り組んでいただくことを御期待申し上げまして、あといろいろ用意した質問等も立案経過等々を踏まえながらあるわけでありますけれども、前段に力が入り過ぎてしまいまして持ち時間がなくなってしまいましたので、この辺で今回の質疑は終了させていただきたいと。  どうもありがとうございました。
  116. 神本美恵子

    神本美恵子君 民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。  午前中の趣旨説明、そして質疑の中で、この国家戦略特区法案においてのこの戦略特区の目的というものも若干明らかになってきたところでありますが、私はこの法案の中の附則第二条第四項を中心に今日は質問をさせていただきたいと思います。  この法案の目的というのは、今も新藤大臣お答えになりましたように、日本経済の再興、新しい日本経済の扉を開く、そのためのチャンスをこの特区で開いていくというような御答弁がございましたけれども、この附則二条四項においては、「公立学校の管理を民間に委託することを可能とするため、関係地方公共団体との協議の状況を踏まえつつ、この法律の施行後一年以内を目途としてその具体的な方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」という項目が入ってございます。  いわゆる公立学校運営の民間への開放というものが提案されているというふうに受け止めるわけですけれども、この国家戦略の中に教育分野が入れられた経緯について御説明お願いしたいと思います。
  117. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) まず、この国家戦略特区における教育分野規制改革、これは本年六月に閣議決定をされました日本再興戦略という、その上位計画ですね、日本再興戦略において、そのワーキンググループにおける検討事項として公立学校運営の民間への開放が取り上げられました。そして、これを受けて、国家戦略特区のワーキンググループにおいて民間有識者からのヒアリングなどの検討を行ってまいりました。さらには、八月の十二日から九月の十一日でございましたが、この提案募集をそれぞれ事業者自治体からいただきました。その中においても、公設民営学校の設置というのが自治体民間事業者から御提案をいただいているところであります。  そういうこれまでの積み上げの中で、有識者から成る国家戦略特区ワーキンググループにおいて規制改革実現に向けての検討、調整を進めてまいりました。そして、その成果として、十月の十八日に日本経済再生本部により検討方針が決定された改革事項として、今委員が御指摘になられましたこの公設民営学校の設置というようなものを盛り込み、それにつきましては必要な検討を一年を目途として今後行っていくと、このようになったわけでございます。
  118. 神本美恵子

    神本美恵子君 日本経済再生本部で議論されて、決定がされて、それを受けてこの法案の中に盛り込まれたということでございますが、その議論の中では、産業国際競争力強化あるいは国際的な経済活動拠点形成というようなことが全体の議論の中でされて、いわゆる産業のためにこの特区を設けるんだけれども、その中に教育分野が、入れるべきだということで議論がされたというふうに承知をしております。  実は、この学校教育の民間開放については、小泉政権のときの構造改革特区、この中でも取り入れられておりました。学校教育の民間開放、この構造改革特区で取り入れられたものと今回の戦略特区で取り入れられようとする、これから検討になると思うんですけれども、その共通点と、目的も含めてですね、共通点と相違点について端的にお答えをお願いします。(発言する者あり)  構造改革特区における学校教育の民間開放と今回の戦略特区における学校の民間開放の共通点と相違点について端的に担当大臣からお答え願います。(発言する者あり)じゃ、答えられる方。
  119. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 神本委員の御質問にお答えさせていただきます。
  120. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) まだ委員長指名しておりません。まず、西川文部科学大臣
  121. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 失礼。  御質問にお答えさせていただきます。  構造改革特区の場合は、やはり地方からの要望によって、その特区の申請を国が認定する制度。そして、今回の国家戦略特区の方は、国家的視点に立って国、地方民間が三者一体となって日本経済再生につなげるプロジェクトの推進ということが一つの、あるいは違う点だと思います。  構造改革特区法に基づいて平成十五年に導入されました株式会社立の学校などは、本来学校法人に限定されている私立学校の設置者に対して特例的に特区内において株式会社の参入を認めたもの、あるいは平成十七年に構造改革特区法の一部改正で可能となった公私協力学校、あるいは、地方公共団体民間主体が協力して学校法人を設立し、地方公共団体が校地や学校の空き校舎などを提供するということの連携協力をして、高等学校と幼稚園を対象に学校運営を可能とするというものが今までの構造改革特区の形式でございます。その中で、具体的には平成十七年の分はありませんでした、具体例は。  他方、国家戦略特区で今回検討しております公設民営化学校は、公立学校の枠組みを維持したまま公立学校の管理について民間のノウハウを活用するというもので、自治体設置で運営は民間と、特区内において民間の活力を得ながら教育活動を実施するということが共通点なんですが、設置者が自ら管理する構造改革特区制度と異なり、国家戦略特区の方では公設民営学校は公立学校として設置、管理されるものでございまして、言わば構造改革特区の場合が、設置者、管理主体が株式会社、あるいは位置付けが私立ということに関して、国家戦略特区の今回の公設民営学校は、設置者が地方公共団体、管理主体が委託された民間、そして位置付けは公立と、こういうところが共通点と相違点でございます。
  122. 神本美恵子

    神本美恵子君 この特区の中に学校の民間開放を位置付けたその目的、構造改革特区と戦略特区の目的の違い、形態の違いは分かりました。目的の違いはあるんでしょうか、それとも同じなんでしょうか。
  123. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 今回の目的の違いといいますか、本来のこれが、最初構造改革特区の場合は地方からの発意でそれに国がこたえるという形で認定した制度でございますので、今回は、明らかに一つ経済活性化という目的を持って国家戦略として国、地方民間が一体となってやってきたというところが今回の国家戦略特区の特徴でございます。
  124. 神本美恵子

    神本美恵子君 それは決め方の違いであって、目的、構造改革特区は既にもう行われておりますので、はっきり地域活性化ということがあるのは私もこの委員会構造改革特区審議に参加しましたのでよく分かっているんですけれども、それと今度の戦略特区における学校の民間開放という目的は共通なのか、共通点があるのか、違う点があるのかということを、本当は提案者にお聞きしたいんですけれども、これはしっかり中に入っているわけですから。新藤大臣、いかがですか。
  125. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 大本の目的としては、これは教育の多様性それから様々な人材の育成と、こういったものが根っこにはございます。そして、この構造改革特区におきましては、地域活性化という観点から、今御説明をさせていただきましたように項目が決まっているわけであります。一方で、今度の国家戦略特区につきましては、特にグローバル人材の育成ですとかそういったものも加味された提案が出てきております。ただ、それはこれからどのように展開していったらいいかを検討するということでございます。  ですから、先生の御質問であれば、委員の御質問であれば、大本の目的の一つところに、同じ部分もあれば、さらに個別に言えば違っている部分があると、こういうことでございます。
  126. 神本美恵子

    神本美恵子君 最初からそう答えていただければとても分かりやすかったんですけれども。  共通点と相違点があるということですが、じゃ、具体的に、構造改革特区のときに実際に株式会社立学校や公私協力学校は一校もなかったということでございますが、このことについてもう既に評価結果が出ておりますので、私は学校教育を民間に開放するという、まあ部分開放というのは、管理部門だけを委託するというのはもう既に行われておるので分かるんですけれども、全体を民間委託してしまうという、包括的に民間委託するということについては非常に大きな懸念を持っております。そして、これは構造改革特区において既に評価が出ておりますので、それについてまず御説明をお願いしたいと思います。
  127. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) この不適切とされた株式会社立の学校数がどのくらいあるかという御質問と同じ趣旨の御質問だと思いますので、評価・調査委員会による評価結果及びその政府の対応方針というのが出ております。(発言する者あり)
  128. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) ちょっともう一度。じゃ、質問、もう一度しましょうか。
  129. 神本美恵子

    神本美恵子君 構造改革特区において講じられた規制特例措置の在り方に係る評価意見というのが、構造改革特区推進本部で評価が行われて、その意見がまとめられておりますので、その概要を御説明くださいとお願いしております。通告しております、これは。
  130. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) この学校設置会社による学校設置事業については、平成二十三年度の評価・調査委員会の調査において、不登校生徒の受入れなど地域の特色ある教育機会を提供する場としての教育の多様性が図られた例、それから、生徒の地域行事への参加や世代間交流による地域活性化、こういった効用が見られたという報告がございます。  一方で、この規制所管の省庁による調査によりますと、学校経営面において、特区外の民間教育施設で添削指導を実施するなど、学校設置会社や別会社が経営する民間教育施設における活動と混然一体となった運営がされているという問題が、課題が指摘されています。また、教育活動面においては、通信制の高校においてメディアを利用した場合の視聴確認や成果確認を行っていないなどの問題点が確認されておりまして、これは二十四年の八月、政府として本特例措置の運用を是正をするということで行いました。  これを受けまして、内閣府とすれば、法令にのっとった適切な対応が行われるように認定地方公共団体に通知をしております。そして、今後とも文部科学省と連携をして、適切な制度が運用されるように努めてまいりたいと、このように考えております。
  131. 神本美恵子

    神本美恵子君 今、御説明いただきました。  委員皆さんにはお手元にその評価の意見を資料としてお配りしております。つまり、結果から申し上げますと、表2の(2)のところに意見の概要ということで、評価の結果、学校経営面、教育活動面、認定地方公共団体における関係事務の実施状況について問題点が認識される。一方、成果もそこに幾つか書いてございますけれども、以上を踏まえて、全国展開は適切でなく是正というような結論が出されております。  具体的には、今、新藤大臣にも言っていただきましたけれども、資料の評価意見というところに書いてありますように、ちょっと細かい字で恐縮なんですけれども、そこの⑥のところですね、⑥、評価の判断の理由というところで、学校経営面においては、通信制高校において特区外の民間教育施設で添削指導等を実施する事例があったり、また教育活動面においては、通信制高校においてメディアを利用した場合の視聴確認、実際に視聴されたのか、あるいはその成果がどうなっているのかというふうなことが行われていない事例、大学においては専任教員や実務家教員の取扱い、教育課程に対し疑義が呈される点、また、③、これも是非注目していただきたいんですけれども認定地方公共団体がしっかりとそのチェックをしていない。  私は、この構造改革特区が導入されるときに、実際に特区民間株式会社立学校が運営されているところに対して公共団体としてチェックを、モニタリングをきちっとやらないと本当に教育がきちっとされているかどうかが確認できないではないか、これはしっかり教育委員会がその指定公共団体の中に入ってやりますというふうに答弁されていたんですけれども、実際の結果はこういう評価を受けてしまうようなことになっているという、こういう経験を踏まえて、今回また特区として規制緩和、どこがどういうふうに規制緩和されるのかまだ分かりませんけれども、導入されようとしているところであります。  こういう是正というふうな結果を受けた学校に今も子供は行っているわけですね。教育というのは、産業に貢献する、もちろん全く貢献しないわけではないけれども、そもそも我が国の教育制度の根幹にある憲法と教育基本法では、特に教育基本法では子供の人格の完成を目指す、また子供の最善の利益を求める、これは我が国も批准している子どもの権利条約で目指されているところであります。  そういったことを考えてしっかりとやるために今の日本の教育制度がつくられているのであって、規制緩和するのであったとしても、人格の完成を目指す、最善の利益を求めるということから見ると、まるで実験のように、この構造改革特区で株式会社がつくった学校ではちゃんとした教育がなされていなかったと、こういう私たちは経験をしてしまったわけです。今もそこに子供が行っている。そのことを考えますと、私は今度導入することにはもっともっと慎重でなければいけないし、私は所管省として文科省がそう簡単に、岩盤と言われようと何と言われようと、これは私は岩盤というような言い方はそれこそ不適切だと思っているんですけれども、そういう意味で、この不適切とされた株式会社立の学校数は今どのくらいあるんですか。
  132. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 今回、評価委員会で指摘された学校が二十七校、大学まであります。  先ほど新藤大臣から御報告がありましたように、通信制高校でレポート添削の大部分を多肢選択式としたり、メディアを利用してただ流しっ放しにしたりと、いろんな具体的な例がありますが、そのうち二十七校が指摘されております。  今回、そして、もう少し先まで行っていいですか、是正措置の問題、いいですか。(発言する者あり)はい。
  133. 神本美恵子

    神本美恵子君 答えたくないんですか。二十七校もあるということです。そして、今もそこには子供たちが通っている。この学校をこういう不適切なままで続けさせてはいけないということで、その後、認定公共団体が指導を当然されていると思いますけれども、どういう指導をされているのか、また、今度この戦略特区民間開放する場合にどのようにこの反省を生かしていくのか、その二点について今度はお答えをお願いします。
  134. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 昨年の特区評価を踏まえた政府の方針において、学校設置会社による学校設置事業について是正することとされたことを踏まえまして、文部科学省としては、各認定地方公共団体に対し、不適切な高校教育活動の改善を求める通知を発出したところであります。また、大学教育に関しましては、学校教育法、これは学校教育法の十五条第一項、これに違反しているということで、に基づく改善勧告を行うなど、適切な大学運営に向け、改善を促してきたところでございます。  先ほどから先生御指摘の今回の公設民営に関しては、皆様の御意見をちょうだいしながら慎重に検討してまいりたいと思っております。
  135. 神本美恵子

    神本美恵子君 通知を発出して指導しているということでありますけれども、同じような失敗といいますか、この構造改革特区で後追いのように指導をしていっても子供たちには取り返しが付かない、そういうものが教育であるということを所管省が一番御存じのはずですから、今回のこの戦略特区の中に民間開放というものを入れる場合には慎重の上にも慎重を、そして、これは午前中のとき、新藤大臣、必ず規制緩和するということが特区ではないということも御答弁の中でおっしゃったのを私は聞き逃しておりませんので、そういったことも含めた検討をしていく必要があるということを申し上げたいと思います。  そこで、この法案の中には、二条四項では公立学校の管理を民間に委託することを可能にするというふうになっておりますが、日本経済再生本部決定の国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針の中には、「公立学校運営の民間開放(民間委託方式による学校の公設民営)」となっている。この法案の管理の中に運営というものも含まれるんでしょうか。
  136. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 一般に学校の管理とは、一、学校の人的構成要素である教職員の人事管理、それから学校の物的構成要素である施設設備等の財産管理、それから人的管理、物的管理以外の学校の教育活動を実現するための運営管理ということで、当然、学校の運営も含まれるものと考えております。
  137. 神本美恵子

    神本美恵子君 つまり、物的管理、人的管理、学校の教育活動も全部入るというふうに今御説明があったかと思います。  これまで公立学校の民間開放については民間委託という形で部分的にやられてきているんですけれども、包括的民間委託ということについては法的整理がなされているというふうにお聞きしておりますけれども、これはどのようにされているんでしょうか。
  138. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) これまで、公権力の行使を伴う業務、これについては、いわゆる当然の法理により日本国籍を有する公務員が行うということが前提とされておりまして、これらの業務を民間委託することは困難であるという整理がなされてきたところでございますが、一方、近年、一つの例として、刑事施設における事務の民間委託のように、権力性が弱い業務については、法律の根拠等を設けることにより民間に委託することを可能とする事例としております。今後、委託の具体的な在り方については十分に検討してまいりたいと思っております。  なお、委員配付の資料については、民間委託の検討の当初の段階においてこれまでの考え方を整理して提示したものでありまして、その後の政府部内の検討により、このような法的な問題の解決も含め検討を行うということにしたところでございます。
  139. 神本美恵子

    神本美恵子君 ちょっとよく分からないのですが、要するに、これまで民間委託については今皆さんのお手元に資料としてお配りしているような法的整理をしてきたけれども、これを変えるということですか。もう一度お願いします。
  140. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) もちろん、最初申し上げましたように、公権力の行使に伴う業務は民間委託することは困難であるということが整理されてきたわけですが、先ほど申し上げましたように、この権力性の弱い業務については、今後、委託の具体的な在り方について検討してまいりたいと、可能とする事例が刑事施設等にありますので、今後検討するということでございます。
  141. 神本美恵子

    神本美恵子君 権力性の弱いというのは、もう少し詳しく教えていただきたいのですが。
  142. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 例えば、この刑事施設の民間委託が一つの例なんですが、刑務作業の技術上の指導監督、職業訓練、従来より委託が可能な例えば給食、清掃とか、そういうところに関しては委託が可能になるということで検討してみる方向で行うということでございます。
  143. 神本美恵子

    神本美恵子君 それはもう今既に行われているんですよね。ですから、業務、そういう給食とか清掃とか警備とか、今学校も実際そういうふうに民間委託されて、それは別に大きな問題を抱えているわけではなくて、そうではなくて、公の意思が働くところ、あるいは公権力の行使、例えば子供の入退学をどうするのか、進級をどうするのかというような公の意思が働くところについてはこれは業務委託になじまないというところで今まで整理がされているんですが、そこを変えるんですかと聞いているんです。
  144. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) 言わば、具体的な例が出てきた時点で検討していくということで、例えば学校の児童生徒の教育活動に関する事項に関しては、入学、転学の許可とか、停学、退学の処分を含む児童生徒の懲戒とか、そういう具体的な例が出てきた時点で検討していくということになっております。
  145. 神本美恵子

    神本美恵子君 もう時間がないんですけれども、恐らく一年以内の検討ですからこれから所管省が責任持って検討されると思うんですが、私が最も言いたいのは、冒頭も言いましたように、経済活性化、あるいは国際化、グローバル人材、多様な教育というようなことをおっしゃっていますけれども、それをやるのは大いにやらなければいけないと思っております。しかし、それが果たして今の公立学校、特に義務教育諸学校の中に民間業者を入れることによってうまくいくのか、うまくいかなかった経験を構造改革特区でやったのではないかと。  その後の指導も通知だけで所管省としてはやっただけで、そこに通っている子供たちが果たして今十全な教育を受けられているかどうかというのもはっきりしない中で、一年以内の検討をこれから、もしこの法案が成立すればされるわけですから、それはどのようなメンバーで、どこで行われるのでしょうか。
  146. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 委員の問題意識、これは私も共有しています。ですから、この教育の場が単なる経済成長の戦略の一環としてということは私も考えておりません。ですから、まず教育というのはきちんと確立させなければいけないと。しかし、その中で、多様な育て方、また国際的に通用する仕組みというものもいろいろございます。ですから、様々な工夫をしようではないか、それをまずこの国家戦略特区の中でやってみようと。構造改革特区の場合は一区域の中のことでございました。今度はもっと大きな取組の中で国も入って、しかも、そこの町がどういう町になるかによって、戦略特区のどこにでも同じような学校ができるかどうかはもう分からないわけであります。  ですから、今の教育に対する根本的な課題というもの、これはしっかり踏まえた上での検討が当然なされます。それは今後、内閣府とも、我々と連携していきますが、一義的には文部科学省の中において今政務中心に検討チームができてきますから、そこの中でやっていく。また、委員にもいろんな御意見はちょうだいすればいいと思います。  しかし、いずれにしても、この新しい取組を成功させなければ意味がありませんので、成功できるような体制をつくった上で物事を進めていくと、当然のことでありますが、心掛けてまいりたいと思います。
  147. 神本美恵子

    神本美恵子君 これからどういうメンバーでどこでということについては、文教委員会では文科省の中に西川副大臣を中心とするPTをつくって検討をされていくというふうにお聞きしておりますけれども、今の御答弁を聞いていて、私は、構造改革特区の経験というのは、やはり目的もちょっと違ったところもありますし、指定の仕方も違いますけれども、実際に学校運営が民間主体に委ねられたという点では、これからもそういう手法を取ろうとしているわけですから、あの経験をしっかりと生かす必要があるというふうに私は思っております。  特に、今回の特区に手を挙げているところは大阪府と市というふうに聞いておりますけれども、大阪府や市は既に民間人校長をたくさん公募で入れて、経験をしております。しかし、失敗例がたくさんあります。民間の経営やノウハウを入れて学校を活性化しようということでやってきた結果、セクハラ、パワハラ、たくさんそういうものが起きて、校長が、あるいは自らもうこんな給料ではやっていけないと言って辞めていく校長がいたり、民間人の一人校長を入れただけでそういう失敗をしているというような例も一つの例として申し上げて、私は、この民間開放ということについては非常に、包括的な民間委託については大きな懸念を持っているということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
  148. 西川京子

    ○副大臣(西川京子君) ちょっと訂正事項だけ、恐縮です。  神本先生のお話、しっかり受けて対応してまいりたいと思います。  済みません、ちょっと訂正事項がありましたので。二十七校が不適切と申し上げましたが、これは調査対象が二十七校でございまして、具体的な学校数はまだ確定しておりません。申し訳ありません。以上です。
  149. 秋野公造

    ○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てますように、質疑に入りたいと思います。  三本の矢と呼ばれる政府経済政策のうち、一本目の大胆な金融緩和と二本目の財政政策の結果、各種経済指標が好転をしています。この流れをしっかりと成長戦略の実行によってデフレからの脱却を目指していかなくてはならないと思います。その一つ規制緩和を行うための法案国家戦略特区法案によって、この成長戦略が国民のために、世界のために、そして役立つように願ってやみません。  一つ、まず最初に確認をしたいと思います。国家戦略特区を、規制緩和全国一律に展開せずに、まずそもそも区域に限定をして行う、その趣旨について教えていただきたいと思います。
  150. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは、アベノミクス成長戦略の中の一丁目一番地は規制改革だと、このように我々は位置付けているわけであります。ですから、この特区に限らずに、規制改革を進めていくための担当大臣を置いて、規制改革会議というものが政府の中にもございます。その中で、全国に対して新たな可能性を広げていく規制改革は何ぞやという議論とまた作業が行われているわけであります。  一方で、この国家戦略特区は、規制改革を活用しながら経済成長させるための象徴的なプロジェクト起爆剤となるようなプロジェクトをやってみようと。その中では、全国ではまだできないかもしれないが、ある区域でその事業と抱き合わせをすることによって効果が明確になってくる、そして区域の中における管理がしやすくなる、まずそういう観点からこの特区という中で規制緩和という実証をやってみようと、こういう試みが国全体の規制改革と併せて取り組もうとしているところでございます。
  151. 秋野公造

    ○秋野公造君 全国展開の前に区域を絞ってということ、よく理解をいたしました。  閣議決定の前には、自民党そして公明党の中においても活発な意見が出されて、議論が積み重ねられてまいりました。  当初、こういういい規制緩和はどんどん行うべきであるとの思いから、新しい知恵をどんどんどんどん集めていい規制緩和を行っていくべきとの思いから、新しいこういう提案をどんどん受け付けていくべきではないかとの思いから議論をさせていただきましたが、当初、そういったことはちょっと弱かったかと思います。しかし、この法案の中には明確に、我が党の意見も反映されて明確になっておりますが、その過程をちょっとだけ確認をしておきたいと思います。
  152. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) お答えを申し上げます。  法案の第五条第二項の第六号並びに第五条第七項において、新たな提案募集についての規定を置いております。これは、法案が成立した後に特区を指定して、特区で具体的に事業を進めていくということになるわけでございますが、当然、その中で実際の事業を行う際に、民間あるいは地域の方からこういう制度的なネックがある、規制の問題があるといったような御提案が出てくるというふうに考えておりまして、そういったものをしっかり受け取って、更に必要な規制改革を進めるということのために置いた規定でございます。  今委員から御指摘ございました本法案につきましては、法案の成文化の前に骨格という段階で与党の方でいろいろ御議論をいただいたところでございまして、そうした中で、実際に事業を行う際には現在考えているもの以上にどんどんと問題が生じてくるのではないかと、それをしっかり受け取って、国家戦略プロジェクトという特区にふさわしい、国家戦略特区にふさわしいプロジェクトが推進できるようにすべきだという御指摘をいただきました。それを踏まえて、事業の具体化に即した新たな規制特例措置にかかわる提案募集という規定を置いたものでございます。
  153. 秋野公造

    ○秋野公造君 せっかく第五条第二項の六号、そして第五条の第七項に新たな提案募集を行う仕組みが書き込まれました。もちろん法案が成立してからの話でありますが、今後どういう形でこの提案募集を行っていくのか、もうちょっと具体的なお考えがありましたら教えていただきたいと思います。
  154. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) お答えを申し上げます。  新たな提案の募集という際には、当然でございますが、より多くのアイデア、より多くのお考えをいただけるように工夫をするということが大変重要であるというふうに考えております。これは当然、法案の成立後に具体的な内容を決めていくということになるわけでございますが、ホームページに掲載するほか、例えばメールマガジンを配信する、さらには事務局が参加するいろんな会議において情報提供する、情報発信するといったような格好で、いろんな機会をとらえて周知に努めまして、募集期間というものも仮に設けるとすれば余裕を持った設定をした上で、様々な前向きな御提案をいただきたいと、このように考えております。  いただいた提案については国家戦略特区諮問会議においても御報告をして、ここで御議論をいただいて、次の規制改革の具体化につなげてまいりたいと、このように考えております。
  155. 秋野公造

    ○秋野公造君 どうか幅広く集めていただきたいと思います。  たくさんの専門家の意見というもの、そういう戦略を立てられる人の意見を集めていくことが日本の発展につながると思いますので、よろしくお願いをしたいと思いますが、立法趣旨を確認するという意味で、どういうイメージかをいろんな方にも持っていただくために質問をしてみたいと思いますが、第十三条に定められております医療法の特例のところ、すなわち病床規制緩和を行うというところでありますけれども、これ、具体的なイメージみたいなものお持ちであれば教えていただきたいと思います。
  156. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) お答えを申し上げます。  御指摘のありました病床規制特例措置についてでございますが、これ、現在医療法で、都道府県ごとに医療計画で基準病床数というものを全国統一の仕組みで決めております。これにつきまして、世界最高水準の高度な医療を提供するために必要となります医療機関が開設され、増床をするといったような場合につきましては、病床が過剰である地域についても許可することができるということにしたものでございまして、これによって、その特区においては世界最高水準の高度な医療というものが提供できるトップクラスの国際医療拠点形成というものができるのではないかと、それによって世界中の方々がそこで治療を受けたいと思えるような環境整備できるのではないかと、こういうように考えております。
  157. 秋野公造

    ○秋野公造君 世界最高水準の医療を提供するというお話になると、大体一般の方は、海外の進んだ医療日本に持ち込んで提供をするような、国民又は外国の方に提供するような、そんなイメージを持つかと思いますが、ここも立法趣旨を確認するという意味でちょっと私も提案をしてみたいと思います。  今日はちょっと資料を準備をさせていただきました。この資料は国立がん研究センター中央病院の内視鏡センターの科長であります斎藤先生のグループが学会発表等で発表しているものをお借りしたものでありますが、この内視鏡を使って日本では医療を、がんの手術を提供することができます。日本人の二分の一の方ががんにかかり、三分の一の方がお亡くなりになると言われています。世界においても長寿命化が進んでいくならば、この傾向は恐らく日本に近づいてくるだろうということを考えると、がんに対する最先端の医療を提供していくということは国家戦略に資する、そういったことは海外の方のためにもつながっていくと思っています。  少し説明をしたいと思いますが、この一ページ目の左上に出ています図一と書いてあるのがITナイフといいまして、これが国立がんセンターで、我が国開発された電気メスみたいなものであります。内視鏡の先っぽから出てきまして、このメスを使ってがんの病巣を取り除くといったようなことが行われるということでありまして、この左、下のところを見ていただきますと、一番左側の絵を見ていただきますと、左上に黒いものが見えますが、これが内視鏡であります。反転をして見ておりまして、真ん中にあるのががんでありまして、大きさは五センチぐらいでありますが、表面にとどまるがんは今や内視鏡のこのITナイフなどを使うことによって取り除くことができる、これは日本だけが行える医療であります。アジアでも始まっておりますが、これを海外に求めても海外でこの医療を受けることができない、日本が誇る、もう保険医療まで達することができた最先端の医療ということになります。  表面にとどまっているかどうかを確認するために、二つ目の絵を見ていただきますと、拡大内視鏡といって、近づきますと、その表面の絵を見ることによって、がんがどこまで広がっているか、幅として、範囲として広がっているかということと、奥にどれだけ深く広がっているかということをこの絵で確認をすることができます。それを大きく透明のものを使いまして展開をしまして、左から四枚目を見ていただきますと、先っぽに、先ほど説明したITナイフを使ってがんの病巣を切り取っているのが分かるかと思います。左から五枚目、右から二枚目の分はがんを取り除いた後の写真が写っておりまして、一番右側の写真は取り除かれたがんが写っているということになります。  十年前はこういった医療は全ておなかを開けた手術によって行われていたわけでありますけど、今、日本ではこれを内視鏡によって受けることができて、一番多くのこういった手術をやっているがんセンターにおいては、かつては外科手術が八割、内視鏡手術が二割であったものが、今や半分以上が大腸内視鏡を使って行うことができる時代になりました。  めくってください。二枚目でありますけれども、ちょっと言葉の難しいのは省きますが、上にNBIという手法、AFIという手法を示してありますけれども、下に七つの絵が並んでいますが、左から三つは同じ写真であります。普通の内視鏡で見た写真が一番左、AFIという手法を使うと紫色にがんの範囲が写っているのが分かるかと思います。その右側を見ると、NBIという手法を使って血管の像を表すことによって、どこまでがんが広がっているかということ、そしてどこまで深まっているかということが分かります。四つ目を見ると、インジゴカルミンという液を掛けると、それだけでも、これは二十年前から行われていた手法でありますが、これでも大体の範囲が分かりますが、右側に行きますと、NBIを使ったやつ、そしてインジゴの拡大、今はこういう様々な手法を使って表面構造を見ることによって、どこまでがんが深いところまで行っているかということまで分かる時代になりました。  三枚目を見てもらいましょう。その上の写真は先ほど説明したものであります。その下にあるジェットBナイフというものを使って表面を、周辺を切り取った上で、先ほど申し上げたITナイフでがんを下から剥ぎ取っていくような手法で、そしてそのような、隣にあるCO2を使って、かつては空気を入れて、ぴゅっぴゅぴゅっぴゅ入れていたわけでありますが、CO2、二酸化炭素を入れることによって粘膜から吸収されるようになったことから、患者さんはおなかが膨らむような感覚を感じることも少なくなったような状況でがんの手術が行われる状況であります。  そして、四枚目を見てください。こういった日本の最先端の医療を学ぶために百名近い海外からドクターが国立がん研究センターを訪れて研修を受けているということでありまして、五枚目も同じであります。そういったことを学んだ外国の先生たちが母国に帰ってこれを行おうとするわけでありますが、残念ながらなかなか医療体制が付いていったりしないと、外国でもそれを行うことがなかなか難しいという話も聞いています。  そこで提案であります。  こういったせっかく外国の方々がお集まりくださっているわけでありますから、日本しか提供することができないこういったがん医療、最先端の医療を、基準の病床の緩和を行って、一足飛びに外国人医師や外国人看護師ということではなくて、まさに研修を受けているわけでありますから、日本の医師免許を持つ指導医の下で外国人の医師が例えば外国人に対する診療を提供することを担保したりするならば、もっともっと日本人にとっても外国人を呼び込むことができるようなプロジェクトにつながるのではないかと思っています。  忘れてはいけないのが、病床だけ増やしたらいいんじゃないんです。すなわち、検査をする部屋も増やさなくてはなりませんし、手術を行う部屋も増やさなくてはなりませんし、外国人の医師の研修を集めるのであれば検査センターみたいなものもセットでつくっていかなくてはならない。そういった方々がお泊まりいただけるような、そういったような宿泊の施設なども造っていくようなこと。  そういう、例えば思い切って病棟も五倍、手術室も五倍、そして検査室も五倍、こんなような思い切った形で、外国の患者さんを呼び込むような形でプロジェクト提案したいと思いますが、こういったことは国家戦略に値しましょうか、御答弁を求めたいと思います。
  158. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) まさに今委員がおっしゃっていただいたようなこと、これを集中的に、そして複合的に展開していく、これが国家戦略特区コンセプトになり得るのではないかと、このように思います。具体的にどこでどんなふうにやるか、これはこれから決めるわけでありますけれども、そのような日本世界に先んじて持っている技術、これはいち早く実用化して世界に貢献すればいいと思います。そのためには、研究をするのにも、一緒に進めていく必要もあっていいと。ですから、外国人医師の拡充、臨床研修制度の拡充というのはそういう観点からあるわけであります。  それは、例えば今、医師として委員の専門的な知識の御披露はいただきました。私どもも、この間、NTTの技術研究所というところへ行きましたら、これは元々は超高速光通信用で開発した光学結晶というのがございます。これが何と特性によって、光を当てることで、患部の表皮からこれが約二ミリ、レーザー光が体内に入って、そして生体の内部構造を3D画面で出せるんですね。これは食道がんには極めて有効であると、こういうことで、これ実用化を進めていこうじゃないかと、まだ研究段階でございます。  ですから、いろいろ新しいプロジェクトもあるんです。これは既に山中先生がおやりになったことも含めていろんな可能性があって、それをここのところでまさに国家の戦略としてこれは、研究者、民間事業体、そして自治体、国、力を合わせてそういったものを、成果を出せるようにしていきたいと。  ですから、いい御提案をいただいたと思いますし、そういったものを我々もいろいろお聞きしながら進めていきたいと、このように考えております。
  159. 秋野公造

    ○秋野公造君 大臣からいい提案をいただいたと言っていただきましたので、どんどん調子に乗って提案をしたいと思いますが、この切り取る切除の範囲は今、保険適用まで認められています。日本医療というのはそこまで一般化されて広がっているということでありますが、残念なことに五センチまでという縛りが行われています。  もちろん上手な先生もいらっしゃれば、五センチまでしっかり行える先生もいらっしゃることから、そこは仕方がないと私は思いますが、がんセンターの先生方は、多分恐らくこういう最先端の先生方はもっともっと、六センチでも八センチでも広げて手術を行い得ることができると思いますが、この保険診療になった経緯は、先進医療を経て保険診療になって五センチと定められたことから、新たなもう先進医療の枠で行うことはなかなか難しい状況であります。  ですから、こういったことをもっと緩和する意味で、ある意味では先進医療として広げていく、また、新たな保険適用として広げていくということも戦略特区として行うべきではないか、伺いたいと思います。
  160. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) そういったことを特区諮問会議において、まずはコンセプトとして、じゃ、医療というものを打ち立てようかどうかということを議論するわけであります。その中で区域を決めて、では、ライフイノベーションそれから先進医療の研究拠点をつくろうと。それは民間の病院なのか公的病院なのか研究機関なのか、そういう御提案と、また我々の国の考えを入れて事業体ができます。そこでどんな治療やどんな活動をしようか決まっていって、結果として今のような御提案で、さらにもう少しここの規制なり基準が緩和、また改善できないかと、こういう順番で追っていくと。  したがって、我々は、まずはきちんとしたコンセプトを組み立てることが重要ですけれども、その先は不断の改善努力をしながら効果を出していくということを取り組みたいと、このように思います。
  161. 秋野公造

    ○秋野公造君 また提案をしたいと思います。  六枚目の資料を見ていただきたいと思いますが、エピゲノムという方法、遺伝子診断を活用することによって、がんが再発しやすい状況かどうか、がんになりやすい状況かどうかを診断することができます。  端的に申しますと、この六ページの(2)のところを見ていただきたいと思います。これは国立がん研究センターの研究所の牛島上席副所長のところでやっている研究でありますけれども、左側の胃カメラの写真でありますけれども、健常者の丸が入っているところ、これは正常と判断をされます。一方、右側の胃がんの患者、上側に胃がんの組織が隆起してあるかと思いますが、これの丸が付いているところ、ここについては正常という具合に判断をされます。しかし、同じ正常であっても、がんになりやすさというものを今や診断できるような技術を日本は持っているということであります。  もっともっと一般化するためには様々なものが必要だとありますが、こういった先進医療は、先ほど御提案したような戦略特区の中でこういった取組もどんどんどんどん実用化に向けて進めていくことがひいては世界のためにも役に立つかと思います。こういった点も提案をしてみたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  162. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 先ほどのお答えと同じでありまして、様々な御提案を受け止めていかなくてはなりません。ですから、そのための早く具体的な検討を行う組織をつくる上でもこの法案を成立させていただきたいと、このようになるわけであります。  ちなみに、こんないいことがあるなら先に私に診てもらってもいいかなと思いますけれども、しかし、健康に対する願いというのは万人、万国共通だと思いますね。ですから、医療分野日本世界に貢献できる可能性というのは極めて大きいのではないかと思いますから、是非そういったまた建設的な御提案をいただければ有り難いと、このように思います。
  163. 秋野公造

    ○秋野公造君 新藤大臣にはどうか国立がんセンターを一度見に行っていただきますと、今、私が説明した以上の現実感を持って様々なことをお感じになれるんじゃないかと思いますが。  このがんセンターでは、漢方薬を使いましてがん患者の病態生理も研究をしています。ここは上園先生という方が頑張っておりますけれども。しかしながら、この漢方薬の原料となる薬用植物が、中国が輸出をしてくれなくなりますと足りなくなってくるということでありまして、資料の中にもちょっと新聞記事を今日付けさせていただきましたが、厚生労働省や農水省でも様々な取組は行っているようではありますけれども、まだまだ実効が伴っていないようであります。  日本の農業は、せっかく質が高く、そして薬用植物もいいものを作れば、いい創薬が行えると思います。そういう意味では、薬用植物も日本一、そして作った創薬も日本一、そして今度、がんセンターの中で組合せでどう治療を行っていくという研究も行われており、こういったものが軌道に乗ってきますと低コスト化や高パフォーマンス性を求めて機械などの開発ども進んでくるんだろうと思います。  そういった意味では、農業についての規制緩和も今回は、例えば医療と連携する薬用植物の栽培を行う農業生産法人などには更なる要件緩和、一般のものともまた、特化しながら、更にお互いに伸び合っていけるようなものについては更なる規制緩和を認めるようなことも国家戦略特区の中では考えるべきであると思いますが、見解を求めたいと思います。
  164. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) そういうコンセプトを打ち立てることが重要だと思います。そして、この農業や食、そしてその関連の研究や、最終的には産業の育成まで含めたそういう国家戦略があってもいいとも私は思います。しかし、それをやるかどうかは今後であります。また、優先度として今どこまでのことができるのかという事業性も見なければいけないというふうに思うんです。  でも、今いみじくもいろいろ委員が御提案いただいたようにいろんな分野が考えられて、そうすると、ですから農業だけとか医療だけではなくて複合させることで、またマッチングさせることで新しい可能性が出てきますよね。そういうものを総合的、複合的に集中的にやっていこうと、これが国家戦略特区の精神だと思いますから、今日はいろいろ御意見ちょうだいしておりますけれども、そういった取組を可能とするために私ども提案をさせていただいていると御理解いただければ有り難いと思います。
  165. 秋野公造

    ○秋野公造君 最後の質問にしたいと思います。  十四条から十六条で容積率や用途など土地利用の規制の見直し、緩和が示されていますけれども、これをすることによる具体的な効果としてどういうものがあるのかということと、一定の考えがあって様々な規制がこれまであったんだろうと思います。ちょっと心配なのは、例えば災害などが起きたりしたときに、この容積率緩和などでちょっとあってはならないようなことが起きてしまったときに、弊害みたいな、あるいは住環境の弊害みたいな様々なことが起きたときに、一義的に責任はどこにあるのかということを最後にお伺いをしたいと思います。
  166. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) お答えを申し上げます。  容積率、用途等、土地利用規制に関する特例についてということでございますが、この特例、特区ごとに設置する国家戦略特区会議がこの特区計画区域計画に都市計画等に関する事項を記載して総理大臣認定を受けた場合には当該事項がそのまま都市計画の決定などになるワンストップ処理をすると。これと併せて、住宅容積率緩和等を認めるということによりまして国際都市として更に進化を目指す都市設計を推進する、さらに都心居住など都市の居住環境整備を推進するということを目的としているものでございます。  こういった容積率緩和などによる弊害という点につきましては、当然規制緩和による弊害がないように事前に十分考えると、これがまず基本になろうかと思っております。地方公共団体にもこの特区会議には御参加をいただいて、地域の住民の方の声というのも公共団体の方で十分受け止めていただいて、その町をどういうふうにしていくのかという設計をしていただくということを進めてまいりたいと考えております。  万が一問題が発生するということがありましても、この特区会議で協議を行って十分な改善策を講じるということで取り組んでまいりたいと考えております。
  167. 秋野公造

    ○秋野公造君 終わります。ありがとうございました。
  168. 江口克彦

    江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。  新藤大臣にお伺いしたいと思いますけれども地方分権、今非常に前に進めなきゃいけないということで、国も地方もそういうふうな方向でベクトルは動いているというように思うわけでありますけれども、この地方分権と国主導の国家戦略特区は考え方が相反しないかということですね。大体、地方に権限が移譲されていれば自治体は自らの判断で規制緩和ができるはずであります。中央集権で国が許認可を握っているから国主導で特区制度を導入しなければならないということになるのではないだろうかと。  そういう意味で、国家戦略特区国家戦略特区ともてはやされて今いますけれども、実は地方分権が進んでいないという証拠にもなるのではないか。そういう意味で、まず大胆に国の許認可権を地方に移すというか移譲していくべきではないだろうかというふうに強く思うんでございますけれども大臣、ちょっと御回答をお願いします。
  169. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 私は、地域活性化担当大臣とともに地方分権改革担当大臣拝命しております。そして、今委員がお尋ねの地方分権、これを推進をするということで様々取り組んでおります。また別の機会に御報告させていただければと思いますが、ここのところで、分権の、国から地方への事務権限の移譲、こういったものも取りまとめまして、きちんとした国会に対する提案もしていきたいと、このように思っているわけでございます。  それで、地方分権を進めていくこと、これはこれでもう強力にやっていきたいと思います。この分権ももう新しいステージに立とうと。今までは全国一律の一括の規制でした。それから、機関委任事務の廃止に代表されるように、国の事務を廃止して市町村に一律でやっていただくと。しかし、これからは、全国のそれぞれの市町村がやりたいこと、それぞれございます。ですから、例えばやる気のあって希望する市町村に適用される分権というのがあったっていいんではないかと。  もちろんルールは決めなくちゃいけませんよ。そういう、取りあえずのもう課題は整理して、やるべきことをここで全部出しますので、その次の段階のことも私、御提案しようと、今そういうことを分権の有識者会議の中でもうさんざんの議論をさせていただいております。ですから、分権は進めてまいります。しかし、一方で、地方の発意でそこの地域がおやりになりたいことを膨らませていくと。  それと、今度の国家戦略特区というのは、規制緩和をするために国家戦略特区があるのではございません。これは、国家戦略特区の重要な手段として規制緩和はございますけれども、基にあるのは何をするかというコンセプトでございます。  ですから、分権、それから規制緩和、こういったものを追求していくものと、それから、国として新しい経済を開くために地方民間と国が一緒になって先ほどから話が出ているようないろいろな可能性のある分野をつくっていこうと。ですから、それは数はやはりかなり限られることになると思います。  そういうものの中で、じゃ、有効なツールとして規制緩和というのがあれば、それが成功例を収めることができれば、それが全国展開できるならば全国にしていくし、先ほどの手挙げ方式のような形で、じゃ、自分たち地域でもやりたいという対応可能なものであれば移していけばいいしということで、手段が、あと目的、方向性は違いますが、最終的にはこれは国が良くなっていくということで一致すると、このようにお考えいただければ有り難いと思います。
  170. 江口克彦

    江口克彦君 今、分権、移譲を強力に進めていきたい、しかし、きめ細かいそうした目配り、あるいはまた気配りもしていきたいと、こういうことでありますけれども、この目配りは今度また新たなる規制というものにならないように、その辺は十分に大臣御配慮いただいて、規制強化というような形にならないように、バランスを取った規制というか、あるいはまたむしろ規制を弱めていくという、分散していくという方向でお考えいただきたいというふうに思います。  それから、国家戦略特区制度は、構造改革特区、あるいはまた総合特区に続く特区制度の第三弾ということになるわけでございます。  特区制度は、地域限定で規制緩和して地域経済発展を促そうとするものでありますけれども、特定の地域のみでなく、有効な規制緩和というものが認められる場合、特区規制緩和したら非常に効果があったといった場合には全国展開を進めるということが必要であるというふうに私は思うんでありますけれども、この国家戦略特区においてもそうやって有効な規制緩和だったという場合にはすぐに全国展開を、特区でないところにも規制緩和ということをやっていこうとされているのか、時期的にどういうふうに考えておられるのか。全くそういうようなことはもう特区だけで限定するんだというふうに考えておられるのか。どうなんでしょうね。
  171. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは国家戦略特区コンセプトペーパーの中にも書かせていただきましたが、まず仕事を起こすわけなんですけれども、それにはやはり厳しいチェックが必要だと思います。PDCAを回していくということであります。その中で成果の上がったものについては、それが全国展開可能なものは速やかに移行をすべしということも当然のごとく考えております。  また、今回、いい例でございますが、雇用の問題については、これはかなりの事務折衝をやりました。事務では終わらずに、閣僚間の折衝もやりました。結果として、雇用については、これは生存権や労働基本権の考えからいって特区になじまぬと。しかし、新しい働き方としてそういうことであるならば、全国で展開できるかどうかを検討してみようと。  このように、まず特区として取りかかってみたが、それは結果として全国展開がなじむかもしれないと。ですから、これから検討しましょうということになりました。これも、この国家戦略特区の検討の成果とまではいかないかもしれませんが、しかし、そういう意識があるということは御理解いただけると思うんでございます。  これは、日本人というのはとかく、ここまでとか、結局何だかんだ言いながら、これに当てはめてもらえるのかとなっちゃうんです。そうじゃないんです。もう自由に考えていただいて、アイデアを出していただいて、その代わり、実行可能であるかどうか、本当に成果が出るのかどうか、そういうことを厳しくチェックしながら、みんなでこの国の可能性を広げていこうではないかと、そういうふうにしていきたいと、このように考えております。
  172. 江口克彦

    江口克彦君 是非特区でその規制緩和が有効だったという場合には、今大臣がおっしゃったように、すぐに可能な限り全国的に展開をしていただくというその原則はやっぱりきっちりと貫いていただきたいと期待をいたしておりますけれども。  それからもう一つは、国家戦略特区制度においては、国が特区を政令に書き込んで指定するわけですね。また、国、地方公共団体民間事業者で構成する国家戦略特別区域会議仕組みにおいては、国が特定の事業者支援して、それを地方自治体に受け入れさせるような構造になってしまうのではないだろうかというふうに私は懸念を持っているわけでございます。  国家戦略特区の指定の在り方や、それから国家戦略特区特別区域会議の運営面で地方自治体の主体性を損なうような、要するに特定の業者を支援するというようなこと、そういうような懸念は払拭できるんでしょうか。あるいはまた、それを全く断るというか、なしにするというようなことはできるんでしょうか。可能性があるんでしょうか。
  173. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) そのような懸念が出ないようにしなくてはいけないということだと思います。  何よりも大切なことは、国と地方とまた民間事業者が共通の目標、これを共有することだと思いますね。何のためにやるのか、そして、それは、じゃ、誰がどの役割を果たすのか、そしてどういう成果を得られるのかということが明確になっていれば今のような御懸念は当たらないと思いますし、同じ立場で、民間事業者も公共団体も国も同じ立場で事業者としてやってみようと、こういうことになるわけですから、上意下達ではありません。それから、マル・バツで御提案いただいたものを国がお墨付きを与える、そういうものでもありません。地域が勝手にやるものでもありません。みんなで一緒にこの日本の国の総合力を発揮できるようなものにしたいともう願っておりますし、一番の重要なことは運用といいますか、だと思いますが、しかし、それは国民の前で公開されたプロセスの中で国民の視線を受けながら我々は検討していくわけでありますから、最もそれが最大のチェックになるんではないかなと、このように考えます。
  174. 江口克彦

    江口克彦君 国と地方が一緒になってということで、先ほどからも御質問もありましたし、そういうふうにお答えになっている。  ただ、私が非常に懸念するのは、国と地方が一緒になった場合には必ず国が地方を押さえ付けていくというか、そういう流れになっていくのがもう今までの過去の例なんですね。それはまあ仕方がないということかもしれません。それは、中央集権という体制になっているから仕方がないということかもしれませんけど、それでは地方が元気に活性化するという自主的な機運というか気風というか、地方が、特に地方の若い人たちがよしやってやるぞという気にはならないというふうに思うんですよ。  だから、国と地方が一緒になってやる、進めていくというのはこれはそれなりに大事なことだとは思いますけれども、そこでちょっと、やっぱり国が一緒にやりながら地方の特に若い人たちが元気に活性化できるようなそういう配慮でサポートしていく、一緒にやっていくという、だから、一緒にやるけれども国が一歩引き下がりながら、地域地方のそういった人たちが主体になるように持っていくという、そういう配慮を国の方も是非していただきたいというふうに思うんですが、いかがでございますか。
  175. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは、当然必要というよりも、必然になると思います。  やはり、コンセプトを定めて事業を組むときに、これは様々ないろんな情報を、国が持っている情報、世界の情報を集めてきて、そしてそれぞれの事業者のお考えになっていることと組合せをして事業をつくっていこうと。しかし、いざ事業が始まったときには、やはり地域の企業や地域皆さんが参加できるものでなければそこの地域は盛り上がれません。ある一定の特定企業のためのものであれば、それは全く事業としては盛り上がりませんから。ですから、ある時期においては、まさに今委員がおっしゃったようなことにもなっていくでしょうと。  そして、それは持続可能性のあるものでなければ意味がないわけでありますから、ですから、当然、成功した暁にはいろんな人が入り、そして自分で自発的に回転しながら伸びていくと、こういう事業になっていくと思うので、これは。それが、今委員が御指摘のことができないと事業はしりつぼみになると。それは成功と成果を得られることはできませんから、私は、今委員がおっしゃったような配慮をする、お互いがそれぞれの役割を分担しつつ適切な行動を取るのは必然でありますし、心掛けたいと思います。
  176. 江口克彦

    江口克彦君 いわゆる国の関与を最小限にとどめて地域の創意工夫が発揮できるような、そういう対応の仕方をしていただきたいという、それは是非そうしましょうと、地域が、地方が盛り上がるようなそういう工夫をいたしましょうというふうに大臣はお答えいただきましたけれども、その地域ですね、地方ですね、それを盛り上げるためには、どんな具体的に、一つの例としてでもいいです、どんな盛り上げ方を今考えておられる、想定されておられるんでしょうか。    〔委員長退席、理事芝博一君着席〕
  177. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは、国家戦略特区という全国で限定された地区においてどうするかということを超えまして、やはり全国の千七百を超える自治体をどのように活性化させていくかということと密接につながっていくと思います。私は、その担当する総務大臣であり、地域活性化担当大臣であります。  今、人口五万人以下の自治体全国で七割でございます。そして、三割の地域に八割の人口が住んでいる。ですから、五万人以下の千差万別の自治体が全自治体の七割を占めていく中で画一的に地方の制度をこうするからといっても、自分の町にそれが有効であるかどうか、それはそれぞれのやり方が違うんです。  ですから、私は、まず一つ一つ地域が自分たちでやりやすい、またやりたい政策というものを出していただいて、それを応援するプログラムを今組ませていただいております。それは、地域の資源を使うこともありますし、エネルギーを使うこともありますし、また複合的な医療や福祉のサービスの連携をするだとか、いろんな工夫があっていいと思うし、その町のやり方だと思います。林業によってじゃ町をもう一回興そうと、こういう地区もございます。ですから、それはまさに、私たちが今、もう既に画一的な一つの制度によって全ての地方活性化するのは極めて難しいと。  ですから、ナショナルミニマムとして、今までの市町村の制度と国からの支援というのはきちっと、今、まずその大前提として既存制度を活用すると。その上で、やはりオーダーメードといいますか、その町に合ったやり方を、しかも各省が横串を刺して、それも今やっておりますけれども、全省庁が対応可能なものについてはその地域に投下できるようなそういう仕組みをつくって、一つ一つの町の自立性を高めながら活性化を促していきたいと、こんなことを考えております。  そこで、国家戦略特区においても、そういう地域とのかかわりのあるものについては強く意識をしていこうと思いますが、いかんせん、それは国家戦略特区区域というのは限定されてしまいますから、全国自治体地域活性化を促すための制度、幾つもあります。ですから、合わせ技で日本を元気にしていくんだと、こういうことだと思います。
  178. 江口克彦

    江口克彦君 合わせ技がお好きのようでございまして、大臣は。それは、総合的にこういうものは取り組んでいかないといけないという、そういう意味だと思いますけれども。  ただ、私は、原点に返って、国は国が担うべき役割に特化して地域のことは地域に任せることの方が、これからの時代、また日本の将来にとって重要なことではないかというふうに思っているんですね。    〔理事芝博一君退席、委員長着席〕  国家戦略特区は首都圏だけでなく地方も対象に含むようではありますけれども地方のことをよく一番知っているのは地方ということになるわけですよね。地方特区を導入して地方のことに国が関与し続けるということよりも、国は国の役割に専念し、そして地域のことは地域に任せる、権限を移譲する。私はずっと主張し続けておりますけれども、道州制の導入こそが国と地方の役割が明確になって、そして国の方もプロフェッショナルができる、地方もプロフェッショナルができるというふうに、より効果的に我が国の全体の発展が期待できるのではないだろうかというふうに思っております。  道州制については、あした、あさって、また大臣にいろいろと御質問したいんですけれども、そういうことで、国と地方の役割というものをはっきり分ける方向でこれから政治を行っていくというふうなことについていかがでしょうか。
  179. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは大きな、国のこれからの統治機構、国と地域、それぞれをどのように統治していくか、そして活性化しつつ国全体の機能の強化を図っていくか、その観点からもう極めて重要な、そして大きな改革だと思います。  私はそれを今研究、担当するという道州制の担当大臣も仰せ付かっておりまして、幾つも仕事がございますが、でも、それは同じ流れの中なんですね。ですので、これは国民的議論の下で、道州制については、これはまず入れて、後で直していきましょうでは済みません。もう権限も財源も予算編成も、全てが一括で、まさに銀行がシステムを変更して何月何日をもって入れ替えるのと同じようにしなければ、これは国家のナショナルミニマムは維持できませんから、ですから非常に精緻な議論をしていかなくてはいけない。  その前に、まずどうあるべきかという議論を、道州制を導入するについては推進すべしという方と慎重な意見の方がいて、それの今国民的議論をやっていただいている最中であります。ですから、今なかなか、答えは急に、短兵急にえいやで決めていいものではないとも思いますが、しかし、私は担当大臣を拝命して、これは大きな方向性として検討していこうと。しかも、いっとき途絶えておりましたから、今、安倍内閣になってまた担当大臣が復帰いたしましたので、これはしっかりと、もう強い足並みでこれは取り組んでまいりたいと、このように考えております。
  180. 江口克彦

    江口克彦君 私は参議院議員になる前に経営者でありまして、経営者でといってもシンクタンク一方でやっておりましたので、一年間で大体百七十回、多いときには。大体百回から百五十回、ずっと全国講演して回りましたが、もう、そうすると、東京以外は壊滅状態ですね、どこの町も、どこの県も都道府県も。もう先生方、それぞれ地方御出身の方も多いと思いますけれども、もう本当にこれ、私、心配しているのはオリンピックなんですね。オリンピックで人も物も金も情報もまた一層東京に集中してしまう。もうこれは中央集権という統治機構、国の形だから仕方がないとはいえ、だけど仕方がないとは言っておれないんですよ。私がもう全国回って講演して、終わった後、中小企業、お店のおばさんとか、それから御主人なんかから泣かれるんですよね。何とかこの地方を、この地域を、沖縄を、何とか山形を、何とか新潟をって、こればっかりなんですよ。  ですから、大臣に、当然大臣そのことは十分御承知になっておられると思いますけれども、オリンピックが、これは成功させなければいけません。だけれども、同時に、オリンピックを成功させるためには、同時に地方も絶対に活性化させるんだという固い固い決意と、そして政策を展開していかなければ、これ、オリンピックによって地方は本当に壊滅状態になってしまうということを危機感を持っておられるのか、そして、地方活性化するための対策を何か持っておられるのか、そのことについて最後にお尋ねいたします。
  181. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは、人口減少下において、我が国は今後自治体というものの運営が維持できるのかという極めて厳しい状況があると思います。ですから、これから人口を一キロメッシュで切りますと、数十年後にはもう自治体を維持できないような、そういう人口減少地域が出てきてしまうのであります。ですから、過疎地を活性化する、少子高齢化であっても暮らしていける、そういう町づくりを考える必要があると思います。  私は、もちろんごく数少ないとはいえ、就任以来、いろんな地域、特にそういった人が行っていないところをお邪魔させていただいております。ですから、明治以来、総務大臣が初めて来た村とか幾つも行っているんです。  そこはとても工夫しています。むしろ、私が住んでいる東京の、大野委員も一緒なんだけれども、私たちの町なんかはもう何もしなくたってやっていけちゃうから。それに比べて、もう何かしなければ生きていけない町の危機感とやる気は半端じゃないですよ。ですから、そうした上勝にしても、マグロの大間にしても、隠岐の島にしても、離島だってそうです、それはすごい効果を上げつつあります。ですから、町づくりがうまくいっているところは何と人口が社会増になっているんです。そういうところもあるんです。ただ、それは二千人だったり三千人だったりするようなところでございます。  ですから、我々総務省とすれば、それぞれの地域でどんなメニューを使えるかと、これはしっかりそろえたいと思います。それから、成功事例をきちんと出したいと思います。そして、自分たちの町にはこういう応用展開が必要だと、これが大事だと思います。そして、それに対して国も地域と一緒になって支援をすると。それは、国から補助金が来る、交付金が来る、お金を受けたらラッキー、お金がなくなったら仕事終わりでは意味がありませんので、これは国のお金を出すことによって、それをきっかけとなって最終的には自分たちで自由に回していけるような、それが地域の元気創造プランというものでございまして、今年度始めました。来年度も予算要求しております。  様々なそういう工夫をして、簡単に、そんな国の、国家の構造的な課題ですから難しいんですが、でも成功例は出てきている。むしろ厳しい町の方が必死で頑張っている。それをただ、まだ全国皆さんは知らない人たちもたくさんいる。だから、私たちとすれば、そういったものをきちんと皆さんにお示ししながら、そしてこの国家戦略特区もそういう町の活性化一つにもつなげていければいいと。  国家として世界に向けて、世界で取り組むものであるとともに、その地域活性化起爆剤になるものにもできるならば有り難いと。たくさん欲張っているわけですけど、結果的にはそうなると思います。そういうものを目指していきたいと思っているわけでございます。
  182. 江口克彦

    江口克彦君 ありがとうございました。     ─────────────
  183. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) この際、甘利国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。甘利国務大臣
  184. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 十一月二十三日、土曜日の慶應義塾大学における私の講演におきまして、現在御審議をいただいております国家戦略特区法案にある諮問会議の人事に関しまして、法案が通ったらという条件付ではありますが、参議院における法案審議の前に誤解を与えるような発言を行ったことにつきましては、心から陳謝を申し上げます。     ─────────────
  185. 山下芳生

    ○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。質問をいたします。  まず新藤大臣に。国家戦略諮問会議はどのような権限を持ちどのようなメンバーで構成されるのか、また民間有識者の構成比はどうなるのか、お答えください。
  186. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 国家戦略特区諮問会議の役割、それは例えば、この国家戦略特区全体に共通する政府全体の指針でございます基本方針、それから戦略特区区域指定、また特区ごとの取組の方向性である区域の方針、こういった戦略特区に係る重要事項を定める際に実質的な審議を行い、内閣総理大臣に対して意見を述べるものでございます。  そして、この諮問会議の構成員につきましては、議長は内閣総理大臣でございます。議員は、内閣官房長官、国家戦略特区担当大臣、そして内閣総理大臣が指定をする国務大臣、また内閣総理大臣が任命する民間有識者で構成することとされております。議員の数は十人以内とされておりまして、そのうちの民間有識者は全議員の半数以上でなければならないとされております。
  187. 山下芳生

    ○山下芳生君 今あったように、非常に重要な中身を決めるのが諮問会議であります。その諮問会議の人事に関して先ほど甘利大臣から陳謝があったような事態が起こったんですが、分かっている人には分かるけれども分からない方には全く分からないので、少し記事について紹介をさせていただきます。  十一月二十四日の日本経済新聞にこうあります。見出しは、「民間議員に竹中氏起用へ 特区諮問会議で経財相」、「甘利明経済財政・再生相は二十三日、都内で講演し、地域を限定して大胆な規制緩和や税優遇を認める国家戦略特区の選定などにあたる「国家戦略特区諮問会議」の民間議員に竹中平蔵慶大教授を起用すると明らかにした。」と、こうあるわけですね。  先ほど陳謝されたのは、この発言についての陳謝というふうに理解していいんでしょうか。
  188. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 慶應義塾での講演に関して固有名詞を挙げたということに関してです。
  189. 山下芳生

    ○山下芳生君 これは慶應義塾大学での講演の中身ですから、これについての陳謝だったということだと思いますが、私は、参議院における法案審議のまだ前にそういうことを言っちゃったというのは、もちろん国会を軽視するものであって、これは陳謝に値すると思いますが、それだけで済まない問題がある。それは、竹中平蔵氏を選定しようとしているという、この人選の中身についてであります。  竹中平蔵氏は、実は私、ついこの間、本会議でこの法案審議をする際に具体的に名前を挙げて、竹中平蔵氏と三木谷浩史氏、このお二人はいろんな形で利害関係もあるので、こういう方々を民間議員にすべきではないのではないかということをあえて質問させていただいた直後にこの方の名前が甘利大臣から出たので、びっくりしたわけですね。  それで、まず、竹中平蔵氏の少し経歴を紹介しますけれども、小渕内閣のとき、一九九八年、経済戦略会議のメンバーになられました。それから、小泉内閣のときに、二〇〇一年、経済財政政策担当大臣になられ、二〇〇二年、金融担当大臣になられ、二〇〇四年、参議院議員に当選され、同じく二〇〇四年、郵政民営化担当大臣になり、二〇〇五年、総務大臣になられたわけです。  小泉内閣のときに経済担当の重要閣僚をずっと歴任されたのが竹中さんでありまして、竹中氏は大臣中に小泉・竹中路線と言われる路線で規制緩和路線を進めました。国会では竹中さんは、企業が良くなればやがて雇用、賃金に回ると、もう繰り返し述べてこられたわけですが、確かに二〇〇五年から二〇〇七年に大企業主導の景気回復局面はありましたけれども、それが賃金の増加にはつながらずに内部留保に回ってしまったわけですね。そのことが今のデフレ不況を生んでいるわけですね。  つまり、この日本経済の不況、景気の低迷をつくり出した本人だと思います、私は。その人に、経済成長のためにといって、またも国家戦略特区諮問会議という非常に大事なメンバーに据えていいのかと。自分が不景気をつくり出した自覚も責任も反省もないままの方なんです、この方は。さっさと国会議員も辞めていった方ですよ。そういう方をまたこういうふうに祭り上げていいのかということを、私は、先言っちゃったという以上に、こういう方を指名することが果たしていいのかと、こう思うんですが、甘利大臣の認識を伺いたいと思います。
  190. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 正確に申し上げますと、慶應義塾大学の三田祭の記念講演の講師として御案内をいただきました。講演テーマはアベノミクスの今後、二〇二〇年にオリンピックが来ますから、それを見据えてこれからどういうスケジュールで経済再生が進んでいくかということについての講演であります。  そこで、今この国会にこういう法案がかかっています、こういう法案がかかっていますと、その中で幾つか象徴的に取り上げました。産業競争力強化法も取り上げまして、これが成立をした後にはこういうことが行われていきます、この国家戦略特区法案も、これが成立した後にはこういうスケジュールで事が進んでいきますと、先のことをしゃべるわけですから、そういうお話をいたしました。もちろん前提付きであります。  その際に、慶應義塾という場所で講演したものでありますから、若干のサービス精神が入ったかもしれませんけれども、その検討されている中にこういう方がいられますと、ここの大学の教授をされている竹中さんもいろいろと取りざたされている中にいらっしゃいますと。この人は国家戦略特区の提唱者でありますから、ですから要するにその対象者、検討されている対象者の一人ですよということをお話をいたしました。  ただ、その後、ぶら下がり会見がございまして、いずれにしても法案が通ってからの話ですと、そして、法案が通った後に、この担当大臣新藤大臣ですから、新藤大臣を中心に人選が進められていくというふうに理解をしておりますということを記者さんの前でお話をいたしました。(発言する者あり)中心的な大臣ということでやっていらっしゃいますから、新藤大臣を中心に、もちろん総理が頭になるんですけれども、人選が進んでいくんではないでしょうかということを話したということです。
  191. 山下芳生

    ○山下芳生君 重大なのは、検討されている中に竹中さんがいるんだということを述べたということですよ。検討されているんですよ。  そんな、この方を検討する対象にしていいのかというのを私は問題提起したわけですが、これについてはお答えなかった。どうですか。
  192. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 業に携わる人というのは、いろんな人が競争力会議にいらっしゃいまして、産業界の代表です。それぞれ、広義で言えば、規制緩和はそれぞれ事業に関係してくるものであります。また、ビジネスの現場からこういう問題がある、ああいう問題があると、幅広くビジネス全体に共通をしている規制問題点というのは、現場の問題提起というのは大事だと思います。現場感覚が全くない人がこういう規制緩和をせよというような話について、一体その効能が本当にあるのかどうかという点もあろうかと思います。要は、自分の企業に対する利益誘導がなされるかどうかということでありまして、そこはきちんと線を引くという対応をしていくということになろうかと思います。  要は、この人だから、あの人だからといろんな議論はありますけれども、私が申し上げたのは、少なくともこの国家戦略特区をやるべきだということを競争力会議で提唱された方でありますから、そういう議論の中で取りざたされている一人ということを紹介を申し上げたつもりです。
  193. 山下芳生

    ○山下芳生君 竹中さんが大臣のときに規制緩和を小泉・竹中路線としてやった結果、非正規が非常に増えたということが一つの事実なんですね。そういうことをもう一度繰り返すことでいいのかと。  私、十一月十日にNHKの日曜討論に甘利大臣がお出になっていまして、いろいろ意見の違う点もありましたけど、おっと思うことをおっしゃっているんですよ。例えば、平均給与が下がっているのは非正規が増えているからだ、こうおっしゃいました。それから、非正規雇用の増大は社会問題だと。結婚できない、子供をつくれない方が増えていると。これは私、正論だと思いますね。  その非正規が増えたことが賃下げの原因になり、そして、若者にとってはなかなか結婚もできない、少子化の原因にもなっていると。その大本にあるのは小泉・竹中路線で、特に労働法制の規制緩和をやって、一九九〇年、派遣労働者が五十万人だったのが、二〇〇八年、ピークには四百万人に増えているわけです。これ、自然現象じゃないです。若者のせいでもないです。労働法制の規制緩和、雇用のルールを変えた結果、こうなったんです。  その結果、賃下げになっている、結婚できない、子供をつくれない人がいるとお認めになりながら、その中心にいてそういう政策を取った人をまたぞろ持ち上げるんですかと、おかしいんと違いますかと私言っているんですよ。どうですか。
  194. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 竹中さんがどう小泉内閣の当時関与をされて、それがどういう結果につながっているかということの検証は必要だと思いますが、あの当時行われた労働法制の規制緩和は製造業の解禁だったというふうに思います。その結果、確かに非正規の比率は上がりました。これはデータで出ていると思います。ただ、当時、失業率が相当高くなって、その近隣の数字としては一番高い数字を示しました。  そして、小泉総理の発言を思い起こすんですけれども、とにかく雇用の場をどんな形でもつくっていくことが大事で、職に就いていない人、失業率を下げていくというためにいろいろな手だてを講ずるというようなことをたしか総理がおっしゃったという記憶があるんでありますけれども、その結果、確かに失業率は下がっていったと思います。ですから、小泉総理の功罪いろいろおっしゃいます。私どもからすれば、金融機関が不良債権処理を先延ばしにしてちっとも踏み込んでいかないと、そこに公的資金の投入と併せて決断を迫らせて不良債権処理をしたと。その後に、金融機関が資金供給機能、経済の心臓の役を回復したということもあるわけであります。  功罪はいろいろあろうかと思います。竹中さんの功罪もいろいろあると思いますが、それは、総合的に失業率がどう変化していったか、今の御指摘の非正規が増えていったこともありますけれども、失業率が下がっていったという事実もあるわけでありますから、功罪は総合的に検証する必要があろうかなというふうに思っております。
  195. 山下芳生

    ○山下芳生君 いいところだけつまみ食いしちゃ駄目なんですよ。全体として失われた二十年の中心部分をつくっちゃっているわけですからね、小泉・竹中路線で。  それから、製造業のことを言いましたけど、日本の製造業の賃金がもう先進国の中でもずば抜けてというか、唯一下がっちゃっているんですよね。二〇〇〇年と二〇一一年比較しますと、韓国は一〇〇%増えています。イギリス、ドイツは四割台増えています。アメリカ、カナダも三割台増えていますけれども日本は製造業でこの十年間減っているわけです、賃金が、労働者の。  そういうことをつくっちゃった大本に非正規の増大があるというふうに労働経済白書も言っているし、甘利さんも言っているわけですから、その中心人物をまたこうやって持ち上げるようなこと、本当に無責任だし無反省だと思うんですが、加えて、もうさっき答弁されていましたけど、この竹中さんが大臣を辞められた後、二〇〇七年に株式会社パソナの特別顧問に就任され、二〇〇九年から現在までパソナの会長をされております。それで、そういう方にこの規制緩和に携わる諮問会議の議員を委ねていいのかと。  二〇〇九年九月八日の中日新聞、こうあります。規制緩和旗振り役、竹中元総務相、派遣大手パソナグループの会長に、究極の天下り、ワーキングプア、原因をつくったのにと。人材派遣最大手のパソナグループ会長に竹中平蔵元総務相が就任し、波紋を広げている。格差社会を生んだ元凶とも言われている改正労働者派遣法。この法改正に深くかかわり、規制緩和の旗振り役として派遣業界を急成長させた功労者がほかならぬ竹中氏であったからだ。これぞ究極の天下りかと首をかしげる向きは少なくない云々かんぬんという記事がいっぱいありまして、週刊ポストでも、パソナの売上げが、竹中氏の功労によって、二〇〇三年五月期の一千三百五十六億円から二〇〇八年五月期の二千三百六十九億円へと一・七倍になったと。明治大学高木勝教授の談として、自らが旗振りした規制緩和政策で拡大した派遣業界に、政治家を辞めた後とはいえ経営者として就任し、大金を受け取るというのはまさにマッチポンプ、これは竹中氏の規制改革路線が正しかったか否かの問題ではありません、パソナへの再就職そのものが道義的に批判されてしかるべきですと、こう言っておられます。  私は、もうそのとおりだと思います。その道義的責任を不問にしたまま、そのままパソナの会長のまま、こういうまた諮問会議の議員に選ぶようなことは私はあってはならない、本会議でもこういう質問しましたら、自民党の多くの方も、それはあってはならないと大きな拍手いただきましたけど、そんなことするつもりですか。
  196. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) いや、自民党から拍手が出たというのは知りませんけれども、それ、今書いてある話は週刊ポストですか。
  197. 山下芳生

    ○山下芳生君 週刊ポストと、これは中日新聞ですね。
  198. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) ああ、そうですか。  とにかく、確かに評価の分かれる方であることは私も承知をしております。そして、競争力会議のメンバーとして、競争力会議の進行役の大臣としても、正直お話ししますと、今までかなりぶつかったこともございます。  その上で、競争力会議のメンバーというのは多様な、ある程度とんがった人も入っているわけでありますから、それをうまく手綱を引っ張って使っていくと。なかなか、停滞する日本経済をブレークスルーしていくというのは、当たり前の発想だとなかなか閉塞状況を突破できないということもあります。だから、とんがった人が並べばいいということを言うつもりはありませんけれども、既成概念を打破するような発想が出てきたら、それをうまく活用する、ハンドリングしていくというのも政権側の役割かなというふうに思っております。  私は、この特区諮問会議メンバーの閣僚に仮に入ったとしたら、そこら辺の、誰が選ばれるかはまだ断定できませんけれども、どの方々が選ばれようと、うまく手綱を引いて、いいところは使って、ちょっととんがり過ぎるところは抑えて、うまく誘導していきたいというふうに考えております。  個々の人の評価については、この議場の場で私が断定してしまうのもどうかというふうに思っております。
  199. 山下芳生

    ○山下芳生君 選ばないとは言えないわけですよね。  それで、私、とんがっているかどうか聞いているんじゃないんですよ。とんがっている人かどうかはどうでもいいんです。そうじゃなくて、規制緩和によって莫大な利益を上げる直接の業界、人材派遣業界の会長ですよ。そういう方を、その規制緩和をやる、さっき新藤大臣からお答えありました、戦略を決める、地域を決める、その計画を決める、そのど真ん中に人材派遣会社の会長を入れていいのかということが問われているんですよ。  竹中さんは今でもそのことについて物すごい利益代表的発言されていますよ。三月六日、産業競争力会議、労働力の流動化を促すための手段として正社員を解雇しやすくするようにルール改正すべきだという趣旨のことを言って、日本の正社員は世界の中で見ると非常に恵まれたというか、強く強く保護されていて、容易に解雇ができない。企業は正社員をたくさん抱えるということが非常に大きな財務リスクになっているということで、要するに正社員を解雇しやすいものにしたらどうだということをこの方ずっと言っていて、それが世論の批判を受けてちょっとトーンダウンしたわけですが。  そうしますと、十月一日、竹中平蔵氏の「「成長戦略の当面の実行方針」について」というペーパーで、これまで、国家戦略特区ワーキンググループを中心に、当競争力会議立地競争力分科会もサポートして、関係省庁との協議を進めてきた。岩盤規制を含め、相当の前進もあったものの、まだ課題は多い。特に雇用分野は、残念ながら全く前進が見られないと評価せざるを得ない。また、一部ゆがんだ報道により、しっかりとした改革が止められる可能性についても危惧している。ゆがんだ報道じゃないですよ、自分が解雇しやすくせいと言っているんですから。解雇特区という語源を作ったのは竹中さんです。そういうことも踏まえて、雇用分野を含め、国家戦略特区を完成させるべく、引き続き全力を尽くしたいと、こう述べて、その後、規制改革会議などでは日雇派遣の禁止の見直しが提言されたりしております。  一貫としてこれは雇用の規制緩和をやるべきだ、岩盤規制というのはそこに焦点を当てて、もっと規制緩和をやれと。そのことによってパソナは非常に大きな利益を得るチャンスが広がることは間違いないんです。もう直結しているんですよ。とんがっているかどうかじゃないんです。そんな人入れたら、これは国民の信任を得られないでしょうと、そのことを言っているんですが、そう思いませんか。
  200. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 私は、解雇特区なる話が出たときに、解雇特区なるものは絶対につくるつもりはありませんし、つくらせませんと明確に申し上げました。労働関係者からも、甘利さんがいるから安心しているという御連絡もいただきました。  雇用に関しては、これは労政審で扱うということに手順上なっているわけであります。そこでは、関係者がみんな入って、労働関係の者も入って、きちんとそれぞれの立場からの議論が行われるはずであります。その経緯を経て結論が出されるというふうに承知をいたしております。
  201. 山下芳生

    ○山下芳生君 じゃ、確認ですが、労政審を経れば、竹中さんのような直接利益を得ることになるであろう人材派遣会社の会長であっても国家戦略特区諮問会議の議員にしても構わないというのが甘利大臣の認識ですか。
  202. 甘利明

    国務大臣(甘利明君) 見識を持っていらっしゃる方は多々いらっしゃいますし、そういう方が競争力会議、全て入っていらっしゃると思います。  いろいろ個人個人に評価はあります。そして、企業の代表は、いかなる企業の代表といえども規制緩和とかかわってくるわけであります。それによってビジネス環境が良くなる、そのための特区をつくるわけでありますから、この人は規制緩和ビジネスにかかわってくるけど、この人は絶対ないということはあり得ないわけであります、事業者である以上はですね。そういう、全てに対してプラスになると、特定のどこの企業にとってプラスだというようなことを誘導するつもりはありません。全てのビジネスにとってプラスになるような環境整備をしていかないと日本が立ち行かなくなるわけであります。  今、日本世界の競争に勝たなければなりません。世界で一番ビジネスが立地しやすい環境をつくっていく。と同時に、世界で一番ビジネスマンが、あるいはその家族が住みやすい環境をつくっていく。もろもろ、会社があって従業員がないということはあり得ないわけでありますから、企業を構成するステークホルダーにとって立地環境の良いところ、そういう日本にしていきたいというふうに考えております。
  203. 山下芳生

    ○山下芳生君 もう時間が来ましたのでやめますけれども、企業が世界で一番活躍しやすい国をつくる、それから日本産業競争力を強化すると、非常に大きなきれいな話ですが、実態はもうもろ自分の企業がもうけられるチャンスを広げたいというメンバーで構成しようとしている大問題だということを指摘して、終わります。
  204. 浜田和幸

    浜田和幸君 新党改革・無所属の会の浜田和幸です。新藤総務大臣に幾つか質問をさせていただきたいと思います。  これまでも、るる、日本経済を強くするという意味で、世界で一番ビジネスがやりやすい環境をつくるんだと、そのための国家戦略特区だというお話を聞かせていただいて、大変必要な発想だと思います。とはいいながら、日本の持っている最先端の技術ですとかサービスですとかそういうものはあえて戦略特区にしなくても、海外からどんどん日本のそういう優れたサービスや技術を求めて人も企業も来ているわけですよね。先ほど国立がんセンターのお話がありましたけれども、がんセンターに限らず、例えば地方の、群馬大学の重粒子線医学研究センター、こんなところは、もう中東やアジア、アメリカから、もう世界の大金持ちと言われるような人たちがプライベートジェットでやってきて、自分の命を日本の技術で救ってもらう、そういう事例がたくさんあるわけですよね。  ただ、問題は、そういう事例がありながら、まだまだ日本全体の底上げにつながっていない。そこの原因は、やっぱりすばらしい日本発の技術があっても、それを世界のスタンダード、デファクトスタンダードにするための国家のバックアップが足りないんじゃないかという受け止め方をしているんですが、そこのところを乗り越えるための方策は何かお考えでしょうか。
  205. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) まさにお説のとおりだと思います。今の群大のやつは、今回、地域活性化総合特区に指定をさせていただきました。ですから、様々な取組がございます。総合科学技術会議における取組もあります。それから、各省が持っている成長戦略、それは、攻めの農業であったり、農商工連携であったり、それから企業の競争力強化法案もそうでございますけれども、いろんな分野で、やはりそれは日本が、この少子高齢化、人口減少、市場が縮小していく中で私たち経済を維持するためには、私は経済国境を広げていかなくてはならないと。それからさらに、私たち世界に貢献できるものを持っていながらそれを国内にとどめているものがあるならば、それは開いていこうと。結果として喜んでいただき、貢献しながら経済を、日本の国に入ってくることもあってもいいと。様々な工夫があるわけでございますし、既にやってきている、これからもやっていこうと。  ですから私は、この国家戦略特区がなくてもいいじゃないかと、なくても今までも動いてきたんです。でも、これをやることによってまた新しいチャンスができないか。それは、ですからゼロ、一〇〇で、これがあればほかは要らないんではなくてということで合わせ技ということになってしまうんですけれども、いずれにしても私たちは、そもそも日本再興戦略というあのジャパン・イズ・バックは、あれは戦略特区のことを書いてあるわけじゃありませんから、あらゆる分野でもっと競争できるような、また経済を伸ばしていけるようなものに挑戦しましょうと、そういう、その一環として戦略特区があると。ツールであります、日本を元気にさせるためのツールの一つとして新しい取組をやってみてはいかがかという提案でございまして、委員がおっしゃっていることと方向は全く同じものだと思っております。
  206. 浜田和幸

    浜田和幸君 そこは御指摘のとおりよく分かるんですが、それを実現するための、世界日本の技術や日本仕組みをグローバルスタンダードとして受け入れてもらえるような、そういう仕掛けも同時に日本が考えていく、訴えていくということが必要ではないかと。そのための手だてをこの特区と一体化して何かお考えですかという質問なんです。
  207. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) それは結局、ガラパゴス化と言われるようなものがあります。それから、研究世界一ですけれども、実用化において大きく後れを取る、この再生医療ですね、これもやはり法律上の二つか三つの法律の壁があります。  ですから、我々は、まさに委員がおっしゃるような世界標準、若しくは私たち提案世界が動くような、そういうものを視野を広げていかなければいけないと。もちろん、企業は生き残りを懸けて世界戦略でやっているんであります。でも、それに対してやはりもっとできることがないか。それは、国家戦略としてグローバルスタンダードをつくっていこう、それからコンテンツなども世界展開していこうとか、今までやっていなかったのと言われてしまうような、あえて、そういう分野はまだたくさん残っているんでございます。  ですから、やはり市場を広げるために障害となっている、そこで規制緩和するかどうかというのは、呼び込むためにも、我々が出ていくためにも重要なツールにはなるんではないかなと、このようにも思います。
  208. 浜田和幸

    浜田和幸君 ということは、やっぱりこの日本の技術や企業をバックアップするために、デファクトスタンダードじゃないけれども、国際的なスタンダードづくりに国としても取り組むと、そういうことですよね。  その上で、今iPS細胞の話が出ましたけれども、やっぱり今どうしても最先端の部分に注目が行きがちですよね、ライフイノベーションということでですね。しかし、日本には、先ほど大臣説明あったように、伝統的な文化や価値観、例えば統合医療、そういうものだって世界から見ると、今までの西洋医学とは全く違った観点で魅力がある。先ほどのお話もありましたよね。ですから、そういう意味での従来とは違う、どちらかというと最先端ではないけれども日本の歴史や文化に根差したそういうすばらしい可能性、これも同時に吸い上げていって、ミックスすることによって新しいスタンダードを日本世界に発信していくという発想も必要だと思うんですが、その点はいかがですか。
  209. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 私も全く同感であります。  やはり日本世界に誇る、また世界の人から日本に対する評価と、そして日本人が日本に対する評価には、著しい乖離があります。どちらがいいか悪いかはそれぞれでございます。ですから、私たち日本の強み、それから私たちの、世界から知りたがられている、もっとこういう部分を欲しいというものもきちんと我々意識をして、そして展開していく必要があるというふうに思います。  日本に来てくれる人たちがもっと増える、それだけで大きな経済効果が出ることは間違いございません。観光立国というのもその線からあるわけでありますが、これだけのものを持ちながら、残念ながら観光客の来日数というのは世界の中でずっと下がっていってしまっていると。  ですから、いろんなシーズを探して開拓していくこと、また複合的な視点でこれに取り組んでいくことは重要だと、このように思います。
  210. 浜田和幸

    浜田和幸君 そういう意味では、例えば途上国、あるいは成長が期待できる地域日本はこれまでODA、そういう政府のお金でもって人や技術、お金を出して支援してきましたよね。  ですから、先ほどおっしゃった、日本のスタンダードを世界に広めるという意味では、この戦略特区においてもODAの予算、そういったものをうまく絡み合わせていく。あるいは今のODAでこれまで支援、育ててきた海外の専門家がたくさんいるわけですから、そういうところに携わってきた日本の企業や、あるいは日本海外支援で出かけていった人たち、そういう人たちをひとつ新しい戦略特区として位置付ける、そういうような発想というものも、ただ単に特定の技術ということを持っている地域を選定するんじゃなくて、少し柔軟な発想でこの特定地域の選び方ということも考えていただく余地があるのかどうか、お願いします。
  211. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは、余地は限りなくあると思います。ただ、それはどのタイミングでどういう制度を入れるかでございますね。  ODAというお話がありましたが、ODAは国内において使うことはあり得ませんから、しかし、ODAを活用したまたJICA等の人材の交流ですとか人材研修事業とか、そういったものをうまく合わせ技で日本がその受皿をつくり、また対外的に進出する拠点をつくった中に今までの知見や今までのその関係を生かした、またそこに人材を活用するとか、いろんな展開は可能だと、このように思います。ですから、それは柔軟に考えていくと。  午前中からの答弁の中でも申し上げたと思いますが、これをやりますと、ですからその枠の中で決めちゃって、もう今度は、決めちゃうと、あとそれに合致しないから駄目ですではなくて、とにかく目的は一つなんです。日本経済をもうちょっと大きくしようと、それから将来の成長可能性のあるものをきちんと確実な分野にしていこうではないかという中でこれはいろんな取組があってもいいと。是非、アイデアは出していただければ有り難いというふうに思います。
  212. 浜田和幸

    浜田和幸君 午前中の大臣のお話の中で、日本は森林大国であると。確かに、国土の七五%近くが森林。森林を守っていくためには、水源地、水が欠かせませんよね。  今、この数年ですけれども世界では水の先物取引市場というものが大変活性化してきています。ですから、石油とか天然ガスとか、そういう資源の中に水というものが大変大きなウエートを占めるようになってきているわけですけれども、A、B、Cの三ランクで区分けをすると、世界のヘッジファンド、投資ファンドの中で日本の水はトップAのランクを受けている、とても投資のしがいのある。ただ、なかなか日本国内では森林を守ると同時に水源地を守るという意識はどうも若干低調で、特に海外からの水源地の買収、森林の買収、様々な問題が今議論になっています。  そういう中で、水と例えばそういう自然のものも戦略的な、重要な要素として育て、あるいは守っていく、そういうのもこの戦略特区の中の位置付けとしてはちゃんとした、何というか、重要性というか意味付けというか、その支援というか、対象になると考えてよろしいんでしょうか。
  213. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 私もかつて議員立法で、水資源を守るための立法に一緒にかかわりました。また、それは安全保障上の問題も含めて重要な課題だと思っております。  あわせて、今この日本の自然の水をどう守っていくか、また活用していくかということに併せまして、世界における水問題というのは我々日本人が思っている以上に大きなウエートを占めていますね。大体において、地球上にある水の中で人類が使っているものはごく僅かですから、その貴重な資源をどうやって有効に使っていくか。  そして、水道事業などにもICTを活用して事業の効率化を図るというプロジェクトもございます。それから、スマートシステムで、下水から上水、そして降った雨を再活用するためのそういうサイクルというものも、日本というのは実は水問題についてはすごい技術を持っているんです。ですから、例えばそういうものを技術開発する、展開する、そして特区の中でそんなものを実用化できたとして、それは今度、特区から離れて日本の国際展開として外に出していけばいいわけですし、幾つかのウオータービジネスに参画する動きもございます。それは決してハイテクだけとは限りません。  是非、今委員はいろんなことを御承知でお話をいただいているんですけれども、そういう分野も含めた柔軟に可能性を追求できるプロジェクトにしていきたいと、このように考えております。
  214. 浜田和幸

    浜田和幸君 ありがとうございます。  是非、そういう日本底力を底上げするには、ある意味では官民一体となった超党派の、しかもグローバルな視点を持った取組が欠かせないと思いますので、是非この戦略的な価値観を持った特区、前進させていきたいと思います。  それで、ただ、こういう地域を特定して特区として指定していくとなると、やっぱり今でも地域間の格差、先ほどいろいろと議論になりましたですよね、そういう地域間の格差ということが更に固定化、拡大してくるという可能性もあると思うんですよね。ですから、そういう資源があったりすばらしい技術を持った人がいるような地域は国からの支援が得られてどんどん元気になるかも分かりませんけれども、なかなかそうじゃない。すばらしい個別の事例は今御紹介いただきましたけれども、そういう事例はやっぱり一部だと思うんですね。  日本全体としての特区の恩恵が行き渡るような、この格差という問題をどうやって乗り越えるか、そのための手だてをどういうことをお考えになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
  215. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは私、まだ具体的なお話を申し上げるわけにいかないんですが、今度の国家戦略特区、もちろん国力、総力を挙げて取り組むものであります。ですから、大きな取組になると思います。  しかし、そこには大きな会社、大きな組織のみが参加するとは限らないと思っているんです。私は、これから諮問会議等で議論していただく中で、いかに国民の参加性を高めるかというのはとても重要だと思うんです。そして、それは地域の参加性にもつながっていくと思います。特区として指定する地域は限られてまいります。しかし、それに協力をする、そこと一緒に作業する企業や地域というのはたくさんあっていいと思うんです。ですから、特区を成功させることでその周辺や関連の地域、団体にその効果が出るように、そういう設計を是非してみたいものだなと。どうしたらいいかは知恵が、私一人で考え付くわけもありませんから、みんなでそういう議論をしましょうというのを今までもやってきました。  それから、せっかく二百の御提案いただきましたが、選べるのは、幾つかは分かりませんが、いずれにしても少ない数です。であるならば、そういう御提案を、例えば提案の中で、規制緩和一本のいい提案であれば構造改革特区で使えますと。ですから、準特区といいますか、そういう形で展開もできるようにしよう、既存事業でこれはできるんじゃないかというものについてはそういった連関もしよう。御提案いただいて、選びませんでした、それではという、それで終わりではなくて、せっかくのいろんなアイデアがあるわけですから、それは活用していきたいと。また、それは第二弾、次なる、もう少し期間を長く考えていただくと。まずは一回やってみる。それはスピードを上げて成果を出さなきゃなりません。その結果においては次なるものも当然出てきていいと、こういうふうに思っているわけでございます。
  216. 浜田和幸

    浜田和幸君 ありがとうございます。  是非そういう、せっかくのいろんな地域からのアイデアあるわけですから、それが、その漏れたものの中にもお宝が眠っている可能性は大いにあると思うので、そういうアイデアを言ってみれば生かせるような工夫、長期的に是非お考えいただきたいと思います。  それで、実はTPPもこれは絡んでくると思うんですよね、日本の市場をもうオープンにしていくということになると。海外からのいろんな企業やあるいは人が入ってくる、そういう中に、日本国家戦略特区の中で今まで日本になかったようなサービスやアイデア、商品というものがどんどん入ってくる。当然、それによって日本がもっともっと市場が開ければ逆に日本から海外にも行けるわけですけれども、しかし、このTPPがもたらす様々な、言ってみれば想定していなかったようなアメリカ発のスタンダード、これは医療にかかわってくるし、法律にもかかわってくる、教育、あらゆる部分にかかわってきますよね。  そういった、今TPPで一方の議論が進んでいる、その中身とこの国家戦略特区との整合性というのか、どちらに重きを置くのかということになった場合に、どういう判断で採用するということをお考えなのか、基本的な考えをお聞かせいただければと思います。
  217. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) これは、まず国家戦略特区もTPPも我が国経済成長を促すという意味においての同じ方向の取組であります。  しかし、TPPを意識した特区であるとか、TPPの決められた内容の実験場として特区があるということは今考えておりません。これは経済統合ルールであって、経済連携協定という国際貿易のルールを決めることと、それから特区の中でやることとはこれは別のものとして今考えております。  ただ、結果としてどんな連携ができてくるかは、それは、そもそもどんなTPPになるのか、どんな戦略特区になるのか、そしてそれがどこかでクロスするといいますか、そういう場合もないわけではないと思いますが、ただ、私どもは、やはりこの日本という国を、これから将来の安心とまた希望を持てる状態にするためには構造的な課題があります。少子高齢化プラス人口減少です。これをどのように解決していくか。あわせて、資源のない国と言われていますが、私はこの分野だって新しいフロンティアがあると思っておりますから、そういうありとあらゆるものを含めて成長を促していく、そのきっかけづくりの一つずつだと、このように受け止めているわけでございます。
  218. 浜田和幸

    浜田和幸君 ありがとうございます。  今、国内では、TPPに対する、ある種備えるというか、日本の国益、守るべきところは守る、攻めるところは攻めるという形で、守らなければいけないという、そういう考え方もかなり根強く残っていますよね。そういうまあ言ってみれば外からの日本市場に対する強力な進出というのか、そういうものに、この国家戦略特区、ある意味では日本の大事な虎の子の技術ですとかアイデア、そういった地域の持っている特性といったものを守るためのそういう防波堤というか、そういう具合にもし外から見られるとなると、これはまた逆に、日本が閉ざされた世界というか、そういう形でまた国際社会とのあつれきが出てくる可能性もあるんですね。ですから、そこは国内だけではなくて外に向かって、この戦略特区の重要性というか開かれている度合いというものをきっちりアピールすることが必要だと思うんですが、その点は何かお考えはおありですか。
  219. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 非常にそこは私どもも意識しています。  やはり、この今度の国家戦略特区が付け焼き刃若しくは見た目のパフォーマンスであるならば、市場はすぐに見破ると思います。そして何よりも、そんな国を大きく変えるような取組が例えば何か月とか半年とかで成果が出るなどということは、これはないんですね。世界でやっぱり指折りのプロジェクトって、考えてみたらもう二十年やっていますとか、今になってオランダのフードバレーすごいというけれども、二十年やっていますから。  ですから、大事なことは、国の本気を示すというのは、将来のあるべき姿を示し、それに対して確実に実行していく、そして柔軟な体制をもって受け入れつつ進化していくと。またそれは、そうはいっても、まずは国民や世界から御期待をいただかなければ進みませんから、これはスピーディーに最初のやっぱりスタートダッシュもやりたいと、そういう中でございますので、やはり今度のプロジェクト世界から評価される、日本がそんなことを始めるなら私たちもそこに入りたいというようなものにしていかなくてはいけないと。とするならば、じゃ、人を世界から引き込んできたときに、日本で住めますか、日本で買物できますか、病院に行けますか、学校へ行けますか、そしてそれは世界の人が住むに足りる居住環境になっていますか、都市機能はありますかと、こういうふうになってくると、そこにいろんな規制緩和をここの中で入れようじゃないかというふうになっていくということでございます。
  220. 浜田和幸

    浜田和幸君 ありがとうございます。  是非世界から、世界で一番ビジネスがしやすい、住みやすい、そういう社会に変えていくということで、大変大きな事業だと思います。  それで最後に、今やっぱり日本の企業にとってこういう特区支援体制を組んでいただくのはとても期待する部分が大きいと思うんですが、と同時に、税制上の例えば法人税の減税とか様々な、そういうところに対して、やはり、特区もいいけれども、税制面でも支援体制というものがないとなかなか思い切った特区に対する関与はできないという声もよく聞くんですが、その辺りについては何か対策をお考えでしょうか。
  221. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) この国家戦略特区は、大胆な規制改革、そしてそれに伴う事業実施すると、必要なそこに税制措置も行うという組立てになっているんです。残念ながらといいますか、この時期ではまだ具体的なプロジェクトが決まらないまま個別の税制措置については検討のしようがないと。しかし、その上でも、まずは規制緩和の項目は十八項目、メニューはそろえさせていただきました。これは十八で終わりません。もっとどんどん増やせばいいと思います。具体的なプロジェクトが分からないまま、その折衝によって緩和できる項目が十八あると。それは、どれを使っていただいてもいいしということでお考えいただければいいわけでございます。  この年末の税調プロセスで、やはり企業の競争力を高めるための税制措置というのは、これは提案をしていきたい、また是非議論をいただきたいと、このように思っているわけでございまして、そういったものを踏まえて、これは財政措置というのは実は余り大きなものを考えていないんです。これは、税制や規制緩和することで、自分たち取組で大きくできる、そういうものでなければいけないと。ですから、予算措置というのは既存の制度を使うものは考えておりますけれども、それ以上の特別に何か……
  222. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 大臣、時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
  223. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) はい。  お金をつぎ込むとかそういうことではなくて、いろんな制度を工夫して効果を上げたいと、このように思っております。
  224. 浜田和幸

    浜田和幸君 ありがとうございました。是非ともこの成立に向けて御尽力いただければと思いますし、応援したいと思います。  以上です。
  225. 山本太郎

    ○山本太郎君 新党今はひとり、山本太郎と申します。よろしくお願いします。  今日は、まず、新藤大臣に、国家戦略特区法案と憲法九十五条の関連についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。  十一月十四日、衆議院内閣委員会の参考人質疑で参考人の北海道大学山口二郎教授が、今回の特区法案について、憲法九十五条の規定、一の地方公共団体にのみ適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会はこれを制定することができないとの問題があると発言されました。この点について、十一月二十日、衆議院内閣委員会新藤大臣は、今御指摘の憲法第九十五条に言う一つ地方公共団体のみに適用される特別法とは、これは一又は二以上の特定の地方公共団体についてのみ適用があり、その特定の普通地方公共団体について、他の同種の地方公共団体に対する一般的な取扱いと異なった取扱いを規定する法律のこと、このように解釈をしておりますと答弁されました。  この答弁、そのとおりでよろしいでしょうか。変更はないか、大臣の御確認、よろしくお願いします。
  226. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) 変更はございません。
  227. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  同じ答弁の中で、新藤大臣、このようにおっしゃっています。そして、この国家戦略特区法案というのは、一定の要件を備えた区域について、政令により、国家戦略特区国家戦略特別区域として指定することであります、具体的な地方公共団体法律で特定するものではない、こういうことでございまして、憲法九十五条に規定するそうしたものには該当しない、このように考えているわけでございますと答弁されました。  要するに、具体的な地方公共団体法律で特定せず政令で指定するので憲法九十五条には該当しないということですけれども新藤大臣、この答弁、そのとおりでよろしいでしょうか。御確認、お願いします。
  228. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) そのとおりでございます。
  229. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。なるほど、分かりました。  ということは、この政令で地域指定する場合でも、一又は二以上の特定の地方公共団体についてのみ適用がある場合は憲法九十五条が該当して、住民投票による同意が必要になるということでよろしいでしょうか。あっ、その逆や。そうですね、済みません。失礼しました。  では、その先に行きます。申し訳ないです。あっ、もう一回この場合手を挙げた方がいいですよね。
  230. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) いえいえ、続けてください。どうぞ。
  231. 山本太郎

    ○山本太郎君 済みません。緊張しています。ありがとうございます。  北海道大学の山口二郎教授、先ほど指摘した参考人質疑国家戦略特区の指定、言わば行政の意思決定によって特定地方公共団体の住民が本来持つべき権利を侵害するという危険がある。したがって、特区地域指定あるいはその特区の中身でどのような規制緩和を行うのかということについて地方からの意見を述べる機会を保障する、あるいは地方の側の同意を得るという手続を課すといった点でもう少し議論を深めていただきたいという発言をされました。私も全く同じ意見でございます。  新藤大臣、私は、国家戦略特区の指定によって当該地方公共団体や近隣の地方公共団体あるいはそのほかの地方公共団体などで不利益を受ける、あるいは不利益を受けるおそれのある地方公共団体の長と議会と住民、企業法人も含めて、きちんと地方意見を述べる機会を保障する、あるいは地方の側の同意を得る手続を課すべきだと思いますけれども、御意見をお聞かせ願えませんか。
  232. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) まず、不利益を受けるようなことのないようにしなくてはいけないと。そして、国家戦略特区という新しい経済の実験場であり起爆剤となるプロジェクトでありますが、それによってその周辺の地域経済にも好影響が出るようなものにしたいと、このように思っているわけであります。  そして、地域の声というのは、その地域を代表する公共団体の長の方が特区の進捗管理をする特区会議、統合推進本部と呼んでおりますけれども、そこに入って、そしてその長の同意を得て事業が進んでいくことになりますので、これは地域の声もしっかりと受け止めていきます。  また、そもそも地域からの御要望もそういったことで受け付けて、御要望も踏まえた上でのこれから区域の決定になっていくわけでありまして、既に地域の声が入った状態で進んでいくというふうに御理解いただければいいと思います。
  233. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  昨日、担当者の方の説明では、関係地方公共団体、これは都道府県だけの場合もあるということなんですけれども区域指定、区域方針の決定などでは必ず都道府県と市町村、この両方を関係地方公共団体とすべきと思うんですけれども大臣の御意見聞かせてください。
  234. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 大臣じゃなくてもいいですか、山本さん。
  235. 山本太郎

    ○山本太郎君 分かりました。
  236. 川本正一郎

    政府参考人川本正一郎君) お答えを申し上げます。  今御指摘のように、特区の指定の場合、それから特区ごとにどういう事業を行ってどういう特区にしていくかを決める区域方針を定める場合に、関係地方公共団体意見を聴くというふうにしております。特区の中身にもよりますが、当然、都道府県知事、それから必要に応じて市町村の首長さんから御意見を聴くということになろうかと思います。
  237. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  先週、土曜日ですか、十一月二十三日の新聞報道、これありました。国家戦略特別区域の指定、これ来年一月にも三か所から五か所、候補地は東京など首都圏、大阪府・市など近畿圏、愛知県の東海圏などに加えて沖縄、新潟が浮上などと報道されていましたけれども、これらの地域が指定される可能性があるのかどうか、大臣、お聞かせ願えますか。
  238. 新藤義孝

    国務大臣新藤義孝君) この新聞記事は私も拝見いたしましたが、全くこのようなことを決めたような事実はございません。どうしてこういう記事になるのかが我々も不思議なんでありますし、また、この中には誰がどこを推したとかと書いてありますが、全くそんなことはございません。これはこれから決めていくことでございますので、新聞報道は報道でありまして、私どもとすれば、きちんとずっと説明をさせていただいておりますように、この必要な地域、そしてまずコンセプトを定めて、諮問会議の中で地域を絞り込んでまいりたいと、このように考えております。
  239. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  この法案を、スピード感を持って特区推進していきたいというお気持ちは十分伝わってくるんですけれども、たとえこのことに関して時間が掛かったとしても、住民の意向というものを関与させる仕組み、盛り込んでいただきたいんですね。というのは、その土地その土地の自治体の長が絡んでいるから大丈夫だろうと、代表しているから大丈夫なんだろうということではなく、規制緩和だったりいろんなことによって地域住民の権利というものがないがしろにされる可能性があるということを心配しています。  一番はやっぱり意思決定の中というものに住民の関与がないんだろうなと。基礎自治体では、議会の関与、それから審議会、住民説明会、パブリックコメントなど様々な形で住民が関与する機会というのがあると思うんですけれども国家戦略特別区域会議の構成員、ここに入る人たち規制緩和することで利益を上げることのできる利害関係者ばかりになるおそれがあるんじゃないかな、このように心配しています。このままいっちゃったら経済版NSCみたいな形になっちゃうんじゃないかなとも心配しています。  国家戦略特別区域諮問会議、先ほども出てきましたよね、この話。これの民間議員、これになられる、そういううわさがある人材派遣会社パソナの竹中平蔵さん、これ今回行われる雇用規制なんかの話も出てきていますけれども、これ有期の雇用で期間を最長五年から十年にしようじゃないかという話もありましたよね。これって明らかに利害関係者と言ってもおかしくないんじゃないかなと思うんですよね。  何かそういうところのテンポは速いんですけれども、住民に対する配慮であったりとか、そういう人たちがどんどん入ってくるという部分を、もっと意向を関与させるような仕組みづくりというものを考えていただきたいなと思いました。済みません、ちょっと長かったですけれども、自分の感想です。申し訳ないです。  続きまして……(発言する者あり)済みません、感想というか、要望というか。  続きまして、私が十一月十二日、これ内閣に提出しました特定秘密保護法案に関する質問主意書についてお伺いしたいと思います。  その前に、今日午前十一時十五分、衆議院の特別委員会で、これ十分な議論がされたとも言えないと思うんですよね。けれども、特定秘密保護法案、強行採決されました。とんでもなくひどい話だと思っています。参議院に送られてきたら、是非、慎重の上にも慎重を重ねて、慎重な審議を重ねてよろしくお願いいたしますということを伝えたいです。  そして、一度、質問主意書の話に戻らせていただきます。  先週金曜日、閣議決定を経て、昨日、答弁書、配付されました。ところが、内閣官房から連絡があったんですよね。答弁書に間違いがあったので訂正したいということでした。  内閣官房に伺います。答弁書のどこが間違っていたのか、なぜそのような間違いが起こったのか、再発防止策どうするべきなのか、お答えいただけますか。
  240. 鈴木良之

    政府参考人(鈴木良之君) お答えします。  山本先生から提出いただきました特定秘密の保護に関する法律案に関する質問主意書に対して、本年十一月二十二日付けの答弁書におきまして、特定秘密保護法案における行政機関の長につきまして、本年八月に廃止されました社会保障制度改革国民会議を誤って記載したものでございます。改めておわび申し上げます。  本件誤りは、内閣官房内閣情報調査室職員が同国民会議の廃止の確認を怠ったことにより生じたものでございますが、二度とこのようなことがないよう、今後答弁書の作成及び審査に一層の細心の注意を払い、また、本件のように、関係省庁に確認可能な事項については、当該関係省庁に重ねて確認などをして再発防止に万全を期したいと考えております。
  241. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。
  242. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 山本太郎君、どうぞ。
  243. 山本太郎

    ○山本太郎君 失礼しました。済みません。  もう本当にびっくりしたんですよね。閣議決定経たものの中にもう既に閉鎖された機関も含まれていたということに本当に腰を抜かしそうになりました。  このことなんですけれども、結局どうしてこういう事態が起こるのかというと、やっぱり一つ一つしっかりと検証していないんだなという、機械的に行政機関の長をリストアップしていこうじゃないかと、そういう結果から生まれた今回の出来事なのかなというような印象を受けました。秘密指定を都合よく際限なく広げたいという思惑、その危険性というものがはっきりと浮かび上がった案件なんじゃないかなと思います。  続いての質問に行かせていただきます。  質問主意書の答弁書、閣議決定文書であると承知しています、質問主意書の答弁書は閣議決定文書であると。その際、内閣法制局のチェックを受けるというふうに聞いているんですよね。  内閣法制局に伺わせてください。今回の答弁書についてどのようにチェックされましたか。なぜ間違いをチェックできなかったのか、再発防止策はどうするのか、お答えください。
  244. 林徹

    政府参考人(林徹君) お答えいたします。  内閣法制局といたしましては、所管省庁が作成する質問書に対します答弁書の案文につきましては、法律問題を中心として必要な意見を述べているところでございます。  お尋ねの答弁書につきましても、先ほど内閣官房の方からお話がございましたように、内閣官房において作成をいたしました答弁書の案文を検討したところでございますが、この中に記載をされておりました社会保障制度改革国民会議が本年八月二十一日を限りに廃止されておりましたことを見落としたものでございます。  私どもといたしましても、答弁書の案文の審査につきましては誤りのないように一層注意深く検討作業を行うようにしてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。
  245. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。
  246. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) まだ指名しておりませんよ。
  247. 山本太郎

    ○山本太郎君 あっ、済みません。
  248. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 山本太郎君。
  249. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。済みません。  今回の質問主意書、この第一番目で私は、本法案でいう特定秘密の指定権者であり、特定秘密の取扱者に対する適性評価の実施者である行政機関の長、これの具体的な役職名、全て明らかにされたい、このように質問しました。  そうしたら、答弁書、こんなものが返ってきたんですよ。「お尋ねの特定秘密の保護に関する法律案(以下「本法案」という。)における行政機関の長は、内閣総理大臣内閣法制局長官、原子力防災会議、安全保障会議、中心市街地活性化部長、地球温暖化対策推進本部長、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長、都市再生本部長、知的財産戦略本部長、構造改革特別区域推進本部長地域再生本部長、郵政民営化推進本部長、道州制特別区域推進本部長、総合海洋政策部長、宇宙開発戦略本部長、総合特別区域推進本部長社会保障制度改革国民会議、人事院、宮内庁長官、公正取引委員会、国家公安委員会、金融庁長官、消費者庁長官、総務大臣、公害等調整委員会、消防庁長官、法務大臣、公安審査委員会、公安調査庁長官、外務大臣、財務大臣、国税庁長官、文部科学大臣、文化庁長官、厚生労働大臣、中央労働委員会、農林水産大臣、林野庁長官、水産庁長官、経済産業大臣、資源エネルギー庁長官、特許庁長官、中小企業庁長官、国土交通大臣、運輸安全委員会、観光庁長官、気象庁長官、海上保安庁長官、環境大臣、原子力規制委員会、防衛大臣、警察庁長官及び会計検査院のほか、本法案第二条第四号及び第五号の政令で定める機関について、その機関ごとに政令で定める者(合議制の機関にあっては、当該機関)である。」と書いてあります。長いでしょう。すごい多いですよね。(発言する者あり)本当にそうなんです。  これ、ちょっと待ってくださいと。安全保障上の問題でしたよね、これ、秘密指定されるって。じゃ、観光庁に安全保障上の秘密ってどんなものがあるんだという話だと思うんですよね。文化庁に安全保障上の秘密って一体どんなことがあるんだという、本当に驚きというか、これ全部で五十三機関なんですって。すごい数ですよね。これって本当に安全保障上の問題なのって。安全保障というのは建前だけで、都合悪いことはいつでも隠せる下準備ということをしているんじゃないかというふうに疑ってしまうんじゃないかなと思うんですよね。そうなんです。  この中にも気象庁というものがありましたよね。これ、原発の事故情報は秘密にしないみたいなことが何か言われていましたけど、それ本当なのかって。既に二〇一一年の三・一一のとき、気象庁、これ、風向きとか出すのをやめていますよね、福島原発の周辺、風向風速計が壊れたといってその風向きを隠した。どうして隠したと言えるか。IAEAにはその情報を提供し続けていたから。それだけじゃない。放射性物質の拡散予測、国民には発表しなかった放射性物質の拡散予測、それをIAEAに提供し続けていたんですよ。  道理で、これだけ多くのもの、これだけ多くの五十三機関、五十二機関、まあ一つ間違いがありましたからね、一つ間違いがあった、社会保障制度改革国民会議というのはもう既に廃止されていて間違いだったので、全五十三機関ではなく五十二機関、その中の一つの気象庁という部分を取ったとしても、それだけ国民に情報を開示しなかった。  気象庁は税金で賄われているんですよね。だとしたら、風向きであったりとか放射性物質であったりとか、そのような拡散予測は国民に提供されるべきだと思うんですけれども、そのようなものも隠されていた。気象庁だけの判断とは思えないですけれども、この情報があれば無駄な被曝をした人ももっともっと少なかったはずなんですよ。  これだけの五十三機関が本気になって自分たちに、自分たちにとってというか、分からないです、一握りの権力者なのかもしれない、時の政権なのかもしれない、ある力を持った官僚なのかもしれない、そういう人たちにコントロールされて、この五十三機関からの情報が都合の悪いことは秘密とされてしまったならば、一体どんな世の中になるんでしょうね。こんな法案を作られる前からもう既に秘密保全完璧じゃないですかという心配があると思うんですよね。  先ほど一番最後に言いましたよね、最後の。本法案第二条第四号及び第五号の政令で定める機関、これ、平成二十四年の十月一日現在で行政機関ってどれぐらいあるのという話なんですけれども、百一あるんですよね。この百一ある行政機関のうち政令で定める予定の行政機関は検察庁のみということなんですけれども。  じゃ、特定秘密保護法案における行政機関、五十二の機関プラス検察庁、合計五十三機関ということでよろしいんでしょうか。
  250. 鈴木良之

    政府参考人(鈴木良之君) お答えします。  本法案では、第二条で行政機関について規定した上で、第三条第一項に規定する行政機関の長が特定秘密を指定するものと規定しております。具体的な行政機関につきましては、本法案第二条の規定により行政機関に該当するもののほか、先生御指摘の本法案二条四号の政令及び二条五号の政令で定めるものが行政機関となりますが、これら政令で定めるものにつきましては、当初の政府案におきましては、国家行政組織法八条の三の特別の機関である検察庁のみを想定しておりました。  しかしながら、本日の衆議院の国家安全保障特別委員会で可決された修正案におきましては、本法案第三条にただし書が追加され、内閣総理大臣が有識者の意見を聴いて政令で定める行政機関の長を特定秘密の指定権者から除外することとされております。このため、検察庁について特定秘密の指定権者をどのように定めるかを、現時点では確たることを申し上げることは困難でございます。
  251. 山本太郎

    ○山本太郎君 なるほど、困難ということですけれども、じゃ、この後も増え続ける可能性もあるということですよね。今決めることは困難、今はっきりした数は分からないよということをおっしゃったと思うんですよ。  今、五十二プラス検察庁ということで五十三ですかという話をしたんですけれども、そこはちょっと分からないということなんですけど、ということは、この後も増える可能性というのはありますかね。
  252. 鈴木良之

    政府参考人(鈴木良之君) お答えします。  先ほど申し上げましたように、当初の政府案におきましては検察庁のみを想定しておりましたが、その検察庁につきましても、修正案を踏まえて含めるかどうかを検討していきたいと考えております。
  253. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  僕が聞きたかったのは、この百一に及ぶ行政機関のうち、この後、例えば閣議決定だったりいろんなことによって、この中に含まれる、今五十二プラス検察庁ということでお話をしていましたけれども、お話を二人の間でありましたけれども、これが、この百一に及ぶ行政機関のうちから、もっとその中から秘密を指定できる人というのは増えていく可能性があるかということをちょっとお聞きしたかったんです。済みません、通告はないものなんですけれども
  254. 鈴木良之

    政府参考人(鈴木良之君) お答えします。  本法案二条四号の政令及び二条五号の政令で定める行政機関としては、政府案の決定時におきましては、現時点におきましては検察庁のみを想定しております。
  255. 山本太郎

    ○山本太郎君 ありがとうございます。  本当に、何といいますか、確実に秘密にしなきゃならないもの、国を守るためには必要だということはあると思うんですよね。でも、何を秘密にするかも分からないって、取りあえず何でも秘密にできるようにしちまおうぜというようなにおいがぷんぷんするというのがすごく怖いと思うんです。  もう既に、外国であったりとか外国の機関であったりという部分に関して、情報の共有は十分にできていると思うんですね。事故後のSPEEDIを思い出してみてください。アメリカ軍には三日後に発表された、通達された。日本人には教えてくれなかった。それと同じように、先ほど言いました、この気象庁の風向き、福島原発周辺の、そのことも何日も隠し続けた。国民には発表しない放射性物質の拡散予測までIAEAに渡していた。もう既に秘密保全もされているし、外国の機関、外国の国との秘密の共有も十分にできているじゃないかという話なんですよね。  本当に、この法案、何とか慎重に慎重に時間を掛けて皆さん審議していただけるように、本当にお願いいたします。  ありがとうございました。質問を終わらせていただきます。
  256. 水岡俊一

    委員長水岡俊一君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時四十一分散会