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2013-11-13 第185回国会 参議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十五年十一月十三日(水曜日)    午後一時一分開会     ─────────────    委員異動  十一月一日     辞任         補欠選任      相原久美子君     吉川 沙織君  十一月五日     辞任         補欠選任      堀井  巌君     舞立 昇治君      吉良よし子君     仁比 聡平君  十一月八日     辞任         補欠選任      小見山幸治君     森本 真治君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         竹谷とし子君     理 事                 小坂 憲次君                 松下 新平君                 牧山ひろえ君                 西田 実仁君     委 員                 磯崎 仁彦君                 高野光二郎君                 柘植 芳文君                 長峯  誠君                 羽生田 俊君                 馬場 成志君                 舞立 昇治君                 吉川ゆうみ君                 那谷屋正義君                 野田 国義君                 森本 真治君                 吉川 沙織君                 柴田  巧君                 仁比 聡平君                 室井 邦彦君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        古屋 圭司君    副大臣        内閣府副大臣   西村 康稔君        国土交通大臣  野上浩太郎君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        亀岡 偉民君        外務大臣政務官  木原 誠二君        国土交通大臣政        務官       中原 八一君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        内閣大臣官房        原子力災害対策        担当室長        兼原子力規制委        員会原子力規制        庁原子力地域安        全総括官     黒木 慶英君        内閣府政策統括        官        日原 洋文君        消防庁国民保護        ・防災部長    室田 哲男君        法務大臣官房司        法法制部長    小川 秀樹君        外務大臣官房参        事官       下川眞樹太君        文部科学大臣官        房文教施設企画        部長       関  靖直君        農林水産省農村        振興局次長    小林 祐一君        経済産業大臣官        房審議官     高田 修三君        国土交通大臣官        房技術参事官   清水  亨君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        森北 佳昭君        国土交通省水管        理・国土保全局        砂防部長     大野 宏之君        国土交通省道路        局次長      谷脇  暁君        国土交通省港湾        局長       山縣 宣彦君        気象庁長官    羽鳥 光彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (市町村長に対する防災研修必要性に関する  件)  (国土強靱化の意義に関する件)  (災害時における避難情報の発令の在り方に関  する件)  (フィリピン共和国における台風被害に対する  我が国支援在り方に関する件)  (防災に資する社会資本維持管理に関する件  )  (桜島火山活動による降灰被害対策に関する  件)  (首都直下地震防災減災対策取組状況に  関する件) ○参考人出席要求に関する件     ─────────────
  2. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、相原久美子君、吉良よし子君、堀井巌君及び小見山幸治君が委員辞任され、その補欠として吉川沙織君、仁比聡平君、舞立昇治君及び森本真治君が選任されました。     ─────────────
  3. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣大臣官房原子力災害対策担当室長原子力規制委員会原子力規制庁原子力地域安全総括官黒木慶英君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 長峯誠

    長峯誠君 私は、自由民主党の長峯誠でございます。県会議員都城市長を経まして、参議院に議席をいただきました。委員先生方、そして政府皆様方、御指導よろしくお願いいたします。  早速でございますけれどもフィリピン台風三十号が大変甚大な被害を及ぼしております。被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。  東日本大震災をほうふつとさせるような災害現場を見るにつけ、私ども大変心を痛めるわけでございますけれども政府としてどのような支援を行っていくのか、まずお伺いいたします。
  7. 木原誠二

    大臣政務官木原誠二君) お答え申し上げます。  今委員から御指摘いただきましたとおり、フィリピンにおける台風におきまして大変甚大な被害が生じている状況にございます。こうした状況に鑑みまして、我が国として可能な限りの支援を行っていく考えでございます。  まず、人的支援という面におきましては、一昨日の十一日、国際緊急援助隊医療チームを派遣することを決定をし、既に被災地のレイテ島に入って活動を始めているところでございます。また、昨日十二日には、自衛隊国際緊急援助隊として派遣することを決定いたしまして、既に一部マニラに入っているところでございます。  加えまして、一千万ドルの緊急無償資金協力を行うということを表明しておりますほか、ビニールシートマット等、六千万円相当の緊急援助物資フィリピンに供与することを決定させていただいているところでございます。  今後、これらの支援が確実に被災された方々に届くということが大切でありますので、政府を挙げて全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  8. 長峯誠

    長峯誠君 東日本大震災の際に世界中からいただきました我が国への御支援へ対する恩返しの意味でも、是非とも全力で御支援を続けていただきたいと存じます。  その台風でございますが、台風二十七号で伊豆大島大島町が大変甚大な被害を受けました。その際の情報提供在り方あるいは避難勧告在り方等について様々な課題が浮き彫りになっておるところでございます。  気象庁情報提供につきましては、一般の方にも分かりやすいように改善をされるということでございますので、これは大変望ましいことだというふうに思っておりますが、そのせっかくの情報を受け取る側がどう認識し、どう行動するか、これで結果は全て変わってくるわけでございます。  中でも、市町村長がその情報を受け取ってどう行動していくか。市町村長は、災害対策本部長として災害対応最終意思決定権者として振る舞うわけでございますので、この認識は非常に重要でございます。しかしながら、全ての市町村長防災に関して必ずしも詳しいわけではないということは現実問題としてございます。  したがいまして、市町村長として御当選をされてなるべく早い時期にこういった防災に関する研修を受けていただくような制度をつくっていただけないかなというふうに考えておりますが、御所見をお伺いいたします。
  9. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 大変重要な御指摘をいただいたと思っております。  今回の台風二十六号の大島町の災害事例でも分かりますように、首長は基本的に第一線の陣頭指揮を執るということでありますので、もちろん事前の防災重要性、あるいはいざ起こったときの危機管理、それに対応できる職員の養成等々、非常に重要な役割を担っていただくわけですけれども内閣府ではいわゆる幹部職員対象に特に今年度から、有明の丘、有明にあります丘の広域防災拠点一定研修を行っております、ちょうど今もやっているところなんですけれども。  さらに、首長をどうするかということなんですけれども首長研修については、消防学校において一定危機管理対応能力習得等についての研修を実施しているということでありますが、長い間、長期間、その町、役場等を不在にすることはできないという職務の特殊性もありますので、今後どういう形で、そうした研修あるいは今回の事例始め様々な事例から学べること、共有化していくこと、こういったことを是非何らかの形で行いたいと思っておりますので、研修やり方等については関係省庁とも是非相談をしたいと思いますが、最近では、首長一人ではなかなか対応できないケースにそれをカバーする形で、例えばそういう災害対応経験のある自衛隊OBども、県とか市町村で今三百名ぐらいOBが何らかの形で採用されておりまして、そうした方々知見も活用しながら首長には是非頑張っていただきたい。陣頭指揮、いざというときには陣頭指揮を執っていただけるように我々も何らかの対応を考えていきたいというふうに思います。
  10. 長峯誠

    長峯誠君 ただいま副大臣が御指摘いただいた消防学校研修なんですが、これ、私も調べましたら、千七百十九ある自治体の中でこの研修を受けていらっしゃる首長さんは年間二十一名ということでございまして、これ、実は三千二百三十二自治体があったころからの十年間平均統計でございますから、ほとんど実効性がないと言ってもいいかと思います。  さらに、担当者研修をされるという、これはいいことなんですけれども、実際の災害現場では、担当者首長に対して避難勧告を出すべきですと言うことは非常に難しいです。というのは、避難勧告というのは大変影響が大きいですし、そして多くの職員、多くの住民に負担を掛ける。この決断をできるのはやはり首長でないとできない。そのことを考えたときに、本当にこういう避難勧告というのは職員研修だけでは十分な機能を発揮しないと思います。  私も市長として何十回と避難勧告を出したことがあります。宮崎県、台風襲地域でございますし、いろんな災害ございましたので出しましたけれども、マスコミや住民から批判やバッシングが出ます。その際、本当に、行政アリバイづくりとして避難勧告を出しているんじゃないかとか、あるいは何度出しても全然土石流なんか起こらないじゃないか、こういった批判が出るんですね。私は現場に入りまして、直接住民方々を説得をいたしました。まず、避難していただければ命は助かります、そして空振りに終われば財産も助かりますと、避難所から帰るときは、ああ、よかった、よかったとお互いに喜び合いながら帰ってくださいということで、何度か説明会を開催しまして、ようやく地元皆さんも私どもを信頼していただき、そして共に災害と闘ったということがございます。  空振りは許されるが見逃しは許されない、これは防災基本原則でございまして、そのことを覚悟と責任を持って住民に説得できるのは首長であるというふうに思っております。私のいました市役所にも自衛隊OBの方もいらっしゃいました。それから、新燃岳が噴火した際には、各省庁からリエゾンの方が九名私の役所に来ていただいておりました。しかしながら、大変優秀な皆さんでございますけれども決断はやはり首長でないとできないわけでございます。  さらに、市役所の中に防災担当を置いていても、災害対策本部を開いてまた三年後、三年たって災害対策本部を開くと、そのときと同じメンバーというのは市長と副市長だけで、あとは全部異動で替わってしまいます。ですから、やはりこの首長研修というのは非常に重要だろうというふうに思っています。  私は実は、この問題意識強く持っておりまして、七月に当選させていただいて、八月に全国市長会事務局に伺いまして、こういう制度をつくってほしいということでお願いをいたしました。しかしながら、自分のそのときの気迫が足りなかったと非常に強く悔いておりますけれども伊豆大島のああいう災害が起こってしまった。実は今日、夕方にもう一度、今度は市長会長にアポを入れておりまして、更に情熱を持ってお願いしようと思っております。  是非、こういった仕組みに積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、再度御所見をお伺いいたします。
  11. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 自らの御経験に基づいて、まさに周りの者が幾ら言っても最後は首長の御決断、御判断になるわけでありますので、その判断するに際しての様々な経験あるいはいろんな知識、そうしたことを学んでもらう機会、ほかの人の経験自分なりに習得してもらうことも非常に大事だと思いますので、今おっしゃられた、まさに首長が集まるような機会がありますので、そうした機会をとらまえてそうした研修のようなものができないのか、そうしたことも含めて考えていきたいというふうに思います。  それと、後ほどまた議論になるかもしれませんけれども、その判断に資するような避難勧告のガイドライン、これも平成十七年に作って以来、最近の集中豪雨とかゲリラ豪雨のようなものがどんどん多発している中で、やっぱり見直しをしていかなきゃいけないと思いますので、そうした見直し是非進めてまいりたいというふうに思います。
  12. 長峯誠

    長峯誠君 大変前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  この防災におけるリーダーシップというテーマでお話をさせていただいておりますけれどもリーダーシップというのはポジションでなくてアクションであるという言葉がございます。是非とも副大臣リーダーシップを発揮されまして、この取組を進めていただきたいと存じます。  続きまして、FEMAについてお尋ねをいたします。  FEMAというのはアメリカの連邦緊急事態管理庁と申しまして、もう御案内と思いますけれども、ハリケーンなどの大災害に対しまして、行政縦割りを排して、強力な各省庁への指導監督権限指揮命令権限を持って災害対応をするという機構でございます。もちろん、これはカーター大統領のときにできたもので大変年数がたっておりまして、いろんな問題点指摘されておるということは私も承知はいたしております。しかしながら、私も災害経験から、このFEMAのような組織日本にも必要なんではないかという問題意識を強く持っております。  今までも、政党でございますとか、あるいは総裁選でありますとか、あるいは行政の段階でもいろんな議論があったというふうに認識をいたしておりますが、日本版FEMAに関する今日までの議論の経緯につきましてお教えをいただきたいと存じます。  さらに、西村大臣は先日、FEMAの御視察に行かれたと伺っておりますので、その御報告を是非いただきたいと存じます。
  13. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 御指摘FEMAの件でありますけれども、私も六月にFEMAを訪問しましてマニング副長官いろいろ話をさせていただいて、例えば、FEMA自体、五千人ぐらいの職員がいて、地方にもその支局があるということですけれども内閣府の防災、我々が今防災を担当している部局は百人も満たない組織でありまして、それから地方組織を持たないわけでありますので、そもそも組織全体の在り方が違うわけでありますけれども、さらに、強力な権限も持っているということで、我々参考にすべき点は多々あるなということでいろんなことを伺ってまいりましたけれども。  我が国体制は、御案内のとおり、平成十三年の中央省庁再編によって防災というものを、内閣の重要な政策中心の位置付けになりましたので、防災行政は国土庁の防災局から新設の内閣防災というところに移されてきたわけでありまして、その後、全体としての企画立案、それから総合調整を行うということになっております。さらに、本年からは災害救助法及び大規模災害からの復興に関する法律を新たにこの内閣府で所管をすることになりましたので、等々を含めて、防災、予防から応急、復旧復興まで通じて全体として政策の充実を図りつつ総合調整を行うということになってきております。  ただ、先ほど申し上げましたけれども地方部局は持ちませんし、いざというときの指揮命令系統、強力な権限があるわけでありませんので、FEMAのように各消防組織まで指揮するような、そういう権限がありませんけれども、日々この防災事務災害対応に当たっておりまして、やはり縦割り弊害というのも感じるところでありますので、さらにどういう形で、日本で警察、消防、それから自衛隊、それぞれ持ち味を生かしながら、今回の大島でも現地で連絡本部をつくって、対策室をつくって、役割分担しながら持ち場持ち場対応していただきましたけれども、こうした調整に加えて、さらに我々としてどんな危機管理体制をつくっていけばいいのかというのは日々これ考えていきたいというふうに思っております。  そんな中で、本年、いろいろFEMAと話した中で、そうした双方の組織在り方あるいは経験、それを共有化していこうということも確認をしたところでありまして、来年には内閣府の職員FEMAのそういう全体としての危機対応研修是非二人派遣をしたいということで概算要求しておりまして、何らかの形で是非これは実現をしたいというふうに思っております。  そうしたことを通じて、縦割りをどう乗り越えて一元的に迅速に対応、的確に対応できる体制をつくるのか、これは我々の課題でありますので、引き続き、FEMAのことも勉強しながら、日本ならではのそうした体制をつくっていくべく勉強していきたいと思っております。
  14. 長峯誠

    長峯誠君 先ほど申し上げましたが、私は、新燃岳という山が噴火をいたしまして、その災害対応をさせていただきました。  実は、お隣の鹿児島に桜島という山がありますが、桜島は今、年間千回ぐらい噴火しているんですね。もう非常に大きな被害を及ぼしているんですが、その桜島が一年間で噴く灰の十倍の量を新燃岳は三日間で噴いたということで、もう町じゅうが灰で埋まってしまったような状態でございました。その際、先ほどもお話ししましたが、国の方からリエゾン職員の方が来ていただいて、現場で本当に、国、県、市一体となって取組をさせていただきました。ただし、やはり現場は本当に混乱の極みでございました。  そういう中で、私がこのFEMAに倣うべきだと思うことは、今副大臣がおっしゃった問題意識と全く一緒なんですが、この縦割り弊害を超えるためには、同じ権限しか持っていない者同士が話して調整するということでは時間が掛かってしまうので、やはり上からきちっと命令を下せる体制が必要だなということを痛感をいたしました。  それからもう一つは、その新燃岳が噴火したのは実は三百年ぶりだったわけでございます。ですから、もちろん都城市役所の土木の職員も一人も火山防災なんかやったことがない、もっと言えば宮崎県の砂防課職員でさえ一人も火山防災なんかやったことがない状況でございました。その中で、やはり国土交通省方々、いろんな知見をいただきながら対応したんですね。こういった低頻度の災害についてはこれはもう自治体経験を積むというのは不可能でございますので、やはり国が先導的な役割を果たしていただく必要がある。さらには、その知見を、ある程度の年数を持ってプロパー職員をきちんと人材育成をしていく必要があるというふうに思っております。  ですから、今のような、全体の連絡調整が一つあって、お互いに、相互に関連し合う体制ではなくて、やはりプロパー職員を持ったある程度長期的な視野で取り組めるような体制。ですから、FEMAをそのまま取り入れればいいとは思いませんけれども日本型のそういう形を是非とも今後ともしっかり研究をしていただいて、模索をしていただきたいというふうに思います。  続きまして、南海トラフ巨大地震でございます。  今回、特措法がこれから議論されるわけでございますけれども、この南海トラフ地震、私の地元でございます宮崎県でも多くの皆さん方大変心配をいたしております。そして、これに何とか対応しなければいけないということで、いずこもそうだと思いますが、県や自治体が一生懸命対策を取り組もうと努力をいたしております。  しかしながら、御案内のとおり、大変財政が厳しい折柄、十分な形ができないという悩みをみんな抱えているわけでございます。その中で、今回、南海トラフ巨大地震に対しての特措法の中では、そういった地域指定をしていただきまして、その指定に対して支援かさ上げ等を行っていくという非常に私どもにとっては希望が持てる、そういうフレームになっております。  そこで、御質問でございますけれども、この中身ですね、緊急対策区域と呼ばれますけれども、この区域はどのように決定をしていかれるのか、これを教えていただきたいと思います。
  15. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 南海トラフ地震対策特別措置法案、今これから審議をいただくわけでありますけれども、その中で、地震対応をしていく推進地域と、さらに沿岸部中心津波対策も含めて特別強化地域というものがありまして、そこの指定については、本年八月に内閣府で公表いたしました南海トラフ巨大地震被害想定地震動、津波高、それから津波到達時間、こうしたものの想定に基づきまして、著しい災害が生じると、あっ、昨年八月ですね、公表しましたその被害想定に基づいて、地震防災対策を推進し、又は津波避難対策を強化すべき地域としてその地域中央防災会議に諮問をして、各都道府県に意見を聞いた上で指定をするということになります。  ちなみに、委員御出身の宮崎県でありますけれども、全域で震度六弱以上が想定されておると、さらに沿岸市町では津波高が最大十メートル以上ということでありまして、その津波も最短二十分で到達するということが想定されております。御案内のとおりだと思います。何としても人命を守るという観点から、津波対策を始めとする地震防災対策が本当に大事な課題だと考えておりまして、基本的には宮崎県下の市町推進地域及び特別強化地域指定対象になるというふうに認識をいたしております。
  16. 長峯誠

    長峯誠君 ありがとうございます。  この特措法を活用しまして、地域皆さんが安心できる対策をしっかりと取っていくように、私も地元自治体方々協力をしていきたいというふうに思っております。  次の質問ですが、土砂災害警戒区域というのがございます。これは、都道府県土砂災害警戒区域指定をいたしまして、そこに対していろんな対策を取るようにというふうに土砂災害防止法の中で定められているところでございます。  今回、伊豆大島で起こりました災害については、実はこれ、東京都の指定がなされていなかったということでございます。なぜなされていなかったかといいますと、たくさんあるんですね、この候補地といいますか、調べなければいけないところが。それを毎年の予算で、定額の予算でずっと順次やっていっているというのが、東京都に限らず、今全国の状況だというふうに伺っております。やはりなかなか予算が厳しい中で十分なお金が付けられない、そこで指定がかなり時間が掛かってしまうという状況がございます。  一つお伺いしたいんですが、一体この土砂災害警戒区域が全国で指定が終わるのは何年後なんでしょうか。どのぐらい時間が掛かるのか、その点をお伺いしたいと思います。
  17. 中原八一

    大臣政務官(中原八一君) 委員指摘の点でございますけれども国土交通省社会資本整備計画におきましては、平成二十八年度末までに約四十六万区域指定することを目指しまして、都道府県区域指定が進むように今促しているところでございます。
  18. 長峯誠

    長峯誠君 平成二十八年度と言いましたね。それならもう間近ということでございますが、促すだけではなくて、是非とも後押しをしていただいて、それが進むようにお願いしたいと存じます。  もう一つ、この警戒区域指定されますと、避難体制を整備しなければいけない。それは避難体制ですからソフト面が中心になるわけでございますが、さらには、市町村地域防災計画がございますけれども、この中にも、指定を受けた地域についてはちゃんと記入をしなければいけないというふうになっております。これらがどのぐらい現在進んでいるのか、お伺いをいたします。
  19. 中原八一

    大臣政務官(中原八一君) 都道府県土砂災害警戒区域指定することで、市町村区域ごとに情報伝達等の警戒避難体制地域防災計画で定めております。また、ハザードマップを作成し、住民に対しまして周知を行っているところであります。  平成二十四年三月末時点で、土砂災害警戒区域を有する市町村におきまして地域防災計画に例えば情報の収集伝達体制を定めている市町村は七一%となっておりまして、更に内容を充実させて実効性のある計画としていく必要があると考えております。また、土砂災害防止法に基づきましてハザードマップを作成、周知した市町村の割合は、土砂災害警戒区域指定がなされた市町村のうち約五四%となっておりまして、更なる作成の促進が必要と考えております。  国土交通省といたしましては、これまで土砂災害警戒避難のガイドラインやハザードマップの策定指針を作成し、警戒避難体制の整備を支援してきたところであります。今後とも、一層の整備が促進されるよう技術的な課題に対する助言を行ってまいりたいと、このように考えております。
  20. 長峯誠

    長峯誠君 地域防災計画というのは毎年更新するんですよね。大体、地域防災会議を開催して、そこでその地域防災計画の、まあマイナーチェンジも含めてですけれども、更新を図って、皆さんに承認してもらって変えていくという形ですから、その記載が非常に遅れているというのは、私の感覚からすると少し疑問に思うところがございます。  ですから、どういった要因でそれが進んでいないのかということもしっかり調査をしていただきまして、きちんと防災計画にこの土砂災害警戒区域、そしてその対応が記載されるように、是非とも促進を図っていただくようお願いを申し上げます。  最後になりますけれども災害時要援護者避難支援計画というのがございます。これは国の方でガイドラインを定めていただいているんですけれども、要するに、高齢者、独り暮らしの方、身体障害者、そういった災害が起こったときに避難が容易にできない人たちをどうやって助けていくのかということを、各自治体ごとにプランを作ってしっかり対応しなさいという中身でございます。  これにつきまして、私の地元の都城市ではそういうプランを作成をいたしておりまして、かなり細かいところまで作っております。例えば、浸水が想定される地域に住んでいらっしゃる要支援者の方には、避難勧告を出す際には全員に市役所から電話を入れます。そして、避難する場所がありますか、息子のうちに行きますよ、そういうのを全部確認をいたしまして、もし避難をする場所がない、避難所に行きたいけど車もないという方には、市役所の公用車を出して全員輸送します。そこまで被災が想定される地域の要支援者に対しては支援をするという形になっているんですね。ところが、実際はこのプランを策定していない自治体もまだまだたくさんあるというふうに伺っております。  そこで、全国におけるこの要支援者の支援計画の策定状況はどうなっているのか、そしてそれをどう今後国として促進をされていくのか、お伺いいたします。
  21. 亀岡偉民

    大臣政務官(亀岡偉民君) まさに委員地元はモデル的なケースだと思います。  まさに災害時の要援護者の避難支援については、国としては今まで法的な、固めてはいなかったんですけれども、ただ、災害時の要援護者の避難支援ガイドラインというのを作りまして、かなり市町村に対して作成をしていただくようお願いをしてきたところでありますけれども、今要請のあった現在のところの実施調査については、要するに、要援護者の名簿については約七三%の市町村が整備を済んでおります。残り二四%の市町村が今整備の途中であると伺っております。  それから、今お地元の話しされましたけれども、個人的にきちんと個別計画が作られているところは、三三%の市町村がもう策定済みであると、さらに今、五六%の市町村が今策定中であるということを伺っておりますので、その取組を一層促進するために、今年の六月の災害対策基本法の改正により、災害発生時の避難に特に支援を要する方々対象にした避難行動要支援者名簿を作成することを市町村長に義務付け、特に、本人の同意を得ないとこれはもう問題が起こりますので、本人の同意を得た上で、地域支援者に平常時から名簿の情報を提供するようにお願いしているところであります。  また、本年の八月には、従来のガイドラインを全面的に改定して公表した市町村向けの避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針において個別計画、まさに今モデル地区の、これはもう手本にさせていただいているんですけれども、計画を、具体的な作成方法を盛り込んで今促しているところでありまして、早急にこれは消防庁と連携をして周知徹底してまいりたいと思っております。
  22. 長峯誠

    長峯誠君 まさに今のお話で、実は作成するのは、名簿の作成は七割以上の自治体ができているというんですね。そして、この人たちにどう対応するかという個別支援計画については三割ぐらいの自治体しかできていないということなんです。  なぜこんなことになっているかといいますと、実は災害対策基本法が改正をされまして、この要支援者名簿の作成は自治体に義務付けられたんです。ところが、一番肝心要の救出するための個別計画の作成は義務付けられていない状態なんですね。何でこういう仕組みになったのかなと私は大変疑問に思っているんですが、どうしてこの災害対策基本法の方がこういう形になっているのか、ちょっと御説明をいただきたいと存じます。
  23. 亀岡偉民

    大臣政務官(亀岡偉民君) 今回の法改正においては、避難行動支援等の基礎となる名簿の整備を徹底することがまず第一の目的でありまして、その作成、活用については個人情報保護法制との関係がありますので、これはその関係を整理した上で市町村長にその作成を義務付けたところであります。  特に、一方で個別計画については、その作成に当たって基礎となる避難支援者等の関係者への名簿情報の提供は、要支援者本人の同意、これを得ないとできませんので、これは個々にいろいろありまして、個人でできる場合もあれば、これは例えば社会福祉法人なんかもそうですけれども、その組織でやりたいという要望もあったりして、個々に別のケースがたくさん出てきておりまして、その内容を含めてしっかり市町村の実情に合ったものにしていかないと、これは実効性ができないと思いますので、法律に一律に作成を義務付けていないのは、その点を考慮して今考えているところであります。  個別計画の作成については、避難行動支援実効性を高める観点からも重要であると思っておりますので、国としても、避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針に具体的な作成方法を盛り込んで今その周知徹底を図っているところでありまして、これは是非、各市町村に徹底して理解をしてもらうという努力は国が全面的にやっていきたいと思います。
  24. 長峯誠

    長峯誠君 ありがとうございました。
  25. 西田実仁

    ○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  私からも、この度の台風によって大災害が起きましたフィリピンの多くの犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、今もなお大変な混乱が続いておりまして、一日も早い復旧復興がなされるようにお祈り申し上げたいと思いますし、また政府におかれましても、全力を尽くして対策を打っていただきたいと思っております。  私の方から、まず今日は、先日視察をさせていただきました大島町の件で、引き続き地元皆様方にもお聞きをいたしまして、もちろんまだまだこれからの問題がたくさんございます。政府においても、また、当然町や都も全力を挙げていただいているわけでございますけれども、なお残っております課題等につきましてお聞きをさせていただきたいというふうに思います。  まず、一番住民皆さんが御心配なさっている二次災害ということからお聞きをしたいというふうに思います。  まあ一言で言えば、観測体制を強化するとともに、総点検をしていただくということではないかというふうに思いますが、この二次災害につきましては、特に三原山の東側の一部は断崖地形でございますが、北側斜面は比較的緩やか、そんな山になっております。今回、特に崩落等の被害がありました西側の斜面というのは急勾配であると、火山灰が多く積もっていて表層崩壊を起こしたと、こういう被害で、私たちもそのすさまじさを目の当たりにしたわけでございますが、今後こうした地域も始めといたしまして、二次災害を防いでいく、そのためにはこの危険箇所について今どういう状態なのかという常時観測することが、その体制を強化していくことが大事ではないかというふうに思いますが、現在のこの二次災害回避のための危険箇所の常時観測体制、これはどうなっておりますでしょうか。お答えいただきたいと思います。
  26. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 委員指摘のとおり、今後の二次災害防止するために、危険箇所の観測体制、しっかり行っていく必要があるというふうに考えております。  伊豆大島におきましては、土砂災害危険箇所の緊急点検、行いました。その結果を踏まえまして、特に危険性の高い五つの渓流十か所に土石流発生監視のためのワイヤーセンサー、これを設置をいたしております。土石流が発生いたしました際には、サイレンが鳴りまして避難を促すとともに、大島町等の関係機関に土石流の発生情報を提供することといたしております。  また、大島町が土砂災害に対する避難勧告等を発出する際の雨量の基準につきまして、町に対しまして技術的な助言等も行っておるところでございます。  国土交通省といたしましては、二次災害防止のため、大島町、東京都を始めとする関係機関と連携し支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
  27. 西田実仁

    ○西田実仁君 そうした常時観測体制の強化ということを図っていただいている一方で、住民の方はどうしても不安がなかなか拭い切れないという状況でございます。  特に、今回、波浮港の都道沿いの崖が崩れました。一部都道をふさぐ格好となりまして、この都道沿いの崖というのは切り立った岩盤の崖にもなっておりまして、従来想定しております地震を上回るような地震が万が一起きた場合には、ここが崩れ落ちてしまうのではないかという、そういう危惧を持っていらっしゃる住民の方もたくさんいらっしゃるわけですね。  ですから、要するに、島全体の総点検を、今回の二次災害もそうですけれども、更に大きな地震が起きたときとかのための万全なる危険箇所の総点検ということを是非ここで、この機にやっていただきたいという要望があるわけですけれども、いかがでしょうか。
  28. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 崩落のおそれのある危険箇所の総点検、実施しているのかと今お尋ねでございます。  国土交通省では、これまで崖崩れのおそれのある箇所を把握するために、全国の都道府県協力を得まして、急傾斜地崩壊危険箇所の総点検を実施してまいりました。平成七年には、兵庫県南部地震によります崖崩れ災害、それを契機といたしまして、急傾斜地崩壊危険箇所の再点検を実施するように各都道府県に依頼するなど、降雨に加えまして地震も考慮いたしました総点検、これを行っているところでございます。これまでの総点検の結果、大島町には急傾斜地崩壊危険箇所、三十一か所存在をいたしております。  今回の災害発生を受けまして、国土交通省では、テックフォース、緊急災害対策派遣隊でございますけれども、それを現地に派遣をいたしまして、大島町にある崖崩れ及び土石流災害のおそれのある箇所全て、七十一か所ございますけれども、それの土砂災害危険箇所の緊急点検を行いました。点検結果は、大島町そして東京都等の関係機関に情報提供いたしまして、警戒避難の判断のための情報として活用していただいているところでございます。
  29. 西田実仁

    ○西田実仁君 今日は、副大臣、お忙しい中わざわざお見えいただきました。  今お話がございました急傾斜地崩壊点検というのは既にしていただいておりますけれども、それに対する急傾斜地崩壊対策事業というのがございます。これにつきましては、特に大島町は海岸沿いに急傾斜地が多いということでありますので、この総点検をしていただくとともに、この対策事業がなかなかその採択基準が厳しいというふうにも聞いてございまして、大島町に関しましては、こうした従来の基準というのは当然あるわけでありますけれども、今回の大変な災害ということを受けて住民の方も不安に思っていらっしゃいますので、この急傾斜地崩壊対策事業というものを柔軟に運用して、できるだけ住民の方に安心いただけるように改善をしていただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
  30. 野上浩太郎

    ○副大臣野上浩太郎君) 今委員から御指摘のございました急傾斜地崩壊対策事業は、これは防災・安全交付金事業で実施をしておりまして、今、採択基準は自然崖の高さが十メートル以上、それから人家戸数が十戸以上、事業費七千万円以上などとなっております。  今回の災害を踏まえまして、大島町、東京都を始めとする関係機関と連携をいたしまして、崖崩れのおそれのある危険箇所においてどのような対応が可能か、これ、しっかり検討してまいりたいというふうに思います。
  31. 西田実仁

    ○西田実仁君 ありがとうございます。しっかり検討いただけるということで、期待をさせていただきたいと思いますが。  こうした総点検とかあるいは対策とかいろいろやっていただいているんですけれども、なお住民の方がやはり不安に思っているというのは、まさに自分が今住んでいる地域が本当に大丈夫なのかということだというふうに思います。その自分たちが住んでいる地域が大丈夫かということを、例えば住民方々を相手に説明会等をした際に、当然町の職員の方はいらっしゃるわけでありますが、国や都の職員の方で現場に実際調査していただいている方も多くいらっしゃるわけで、そうした現場調査をされた例えば国の職員の方がその住民説明会にも同席いただいて補足説明をしていただくということだけでも随分安心感が増すんだと、こういう話を住民の方からお聞きしました。  しかし、なかなか今、現状でありますと、きめ細かい住民に対する説明会とかにそうした方が出席をいただくのは難しいということを町からも聞いているようでありまして、そうしたことが可能になればより安心感も増すということでありますので、ちょっとその改善を願えないか、お聞きしたいと思います。
  32. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 大変重要な御指摘だというふうに思います。  十一月二十一日からは、今後の生活のこととか住宅のことについては町と都で連携をして相談窓口を設置して、いろんな様々な御要望、御相談に応じるというふうに聞いております。現時点で、委員指摘住民説明会がいつどのような形で開催されるというのはまだ我々承知をしていないんですけれども、今後、もしそのようなことが開催されるとなれば、そうした住宅や生活資金のことだけでなくて、危険箇所、これはテックフォースもかなり調べてくれておりますので、そうしたこととか、今後どのようなことが考え得るのか、可能な範囲で必要に応じて、これ関係省庁と連携をしながら、国交省、消防庁なんかとも連携しながら、是非、適切な助言が行えるように考えていきたいと思います。
  33. 西田実仁

    ○西田実仁君 そうした説明会に可能な限り出席いただけるということでよろしいんでしょうか。
  34. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 関係省庁と相談して、できる限りそのような形で対応したいと思います。
  35. 西田実仁

    ○西田実仁君 もう一つ、島には大変空き家が多いということでございます。こうした空き家を仮設住宅扱いの借り上げ住宅としたいということを希望しているわけでありますが、なかなか、その所有者との関係もありまして、法的な手続等々、やはり法律の専門家である弁護士等の助言なり助けがないと、なかなか町としてもそうした多くある空き家を使って借り上げ住宅とするということは難しいと。そういう法律のプロを、弁護士を、今ももちろん町の契約している弁護士はいるんですけれども、常駐ではないということであります。  こうした島常駐の弁護士を是非派遣いただいて、これからの生活の再建ということに際しての町の住宅政策に対して助言をもらいたいという希望を町の方はお持ちのようでありますけれども、これについては国としてどんなことができるのか、法務省からお聞きした上で内閣府の方にお聞きしたいと思います。
  36. 小川秀樹

    政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。  弁護士の派遣についてのお尋ねでございますが、まず、東日本大震災状況から申し上げたいと思います。  東日本大震災の被災自治体につきましては、日本弁護士連合会と日本司法支援センター、いわゆる法テラスでございますが、この両者の連携の上、弁護士を任期付きの職員として六自治体に派遣などをしているものと承知しております。  委員指摘の弁護士の常駐につきましても、今後、大島町から具体的な要望があれば、日本弁護士連合会、それから東京の三弁護士会と先ほど申し上げました法テラスが協議の上、適切に対応するものと承知しております。
  37. 西田実仁

    ○西田実仁君 ありがとうございます。  大臣もお戻りいただきましたので、大臣是非お答えいただきたいというテーマについてお聞きしたいと思います。  国土強靱化の担当大臣として、大臣御活躍いただいているわけでありますが、その前に、もし委員長がお許しであれば、副大臣はお忙しいと思いますので。
  38. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 野上副大臣の御退席、許可いただきましたので。
  39. 西田実仁

    ○西田実仁君 済みません。  大臣にお聞きしたいのは、国土強靱化、レジリエンスということであります。この強くてしなやかな国土、すなわちレジリエンスということは、本来医学用語であるというふうにも聞いております。最近では、今年のダボス会議におきましても、各国共通のテーマとしてもこのレジリエンスということが掲げられておりまして、世界的に今テーマになっている、そういうレジリエンスということであります。  しかし、なかなかまだこのレジリエンスという言葉、あるいは国土強靱化という言葉につきましては、国土強靱化と言うだけで何かばらまき的な公共事業ではないかという間違った考え方も一部にはあるようでございまして、やや懐疑的に扱われることもございます。  そこで、是非国土強靱化担当大臣とされまして、この国土強靱化、レジリエンスということの意義につきまして、その思いを語っていただきたいと思います。
  40. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 日本は、災害を始めあらゆるリスクにさらされていますね。特に災害が多い国でありますけれども、事災害一つに絞ってみても、やはりいかにしてその災害に打ちかつ対応をソフト、ハード両面で事前にやっておくことによって、いざ災害が来たときにも大きな効果を発揮しますし、一方では、そういうレジリエンス、強靱性を身に付けておくことによって、平時からの競争力が付いていくんですね。結果として、それは海外からの、例えばそのレジリエンスというのは国とか地方だけではなくて、企業、企業体と言った方がいいと思いますが、こういったものにもしっかりそのレジリエンス性を身に付けておく。これによって、やはり海外は、ああ、この日本という国自身が、どんなことがあってもそういった災害を始めリスクに打ちかてる国だなというふうな認識をしてもらえますね。そうすると、結果として投資にもつながりますし、結果として成長戦略にもつながる、今内閣で取り組んでいるアベノミクスにもつながると。これが私たちの考える強靱性です。  それで、今委員が御指摘があった、今年の一月にダボス会議でレジリエンスダイナミクスというのがテーマになりましたけれども、言わばグローバルスタンダードになりつつあるんですよ。例えば、アメリカでもハリケーン・カトリーナが来まして、今年の大統領教書演説の中にも、大統領がフィックス・イット・ファーストという、要するに強靱化のための具体的な計画、これ財源の手当ても含めて書いてありますね。イギリスももちろんそういう強靱化計画を作ってきている。  だから、やはりそういった世界のグローバル競争に負けないようにするためにも、私たちがソフト、ハード両面の、そしていざ災害が来たときも、もういつも私が申し上げているように、致命傷を負わせない、速やかに復旧できる、できるだけ被害を最小限に食い止める、こういった取組をしていくことが必要だと。  しかし一方では、間違っても今御指摘のあった無駄な公共事業と言われるような批判のそしりを受けることは許されませんので、だからこそ我々はプログラムでこの取組を考えた上で、そしてそのプログラム自身も優先順位を付けて、四十五の起きてはいけないプログラムの中から十五をまず優先的に選んで、そしてそれに対する取組というものはソフト、ハード両面で考えてそれを実行していこうと、こういう考え方に基づいてやっているわけでありまして、最近はこういった取組も少しずつ確実に国民の皆さんからの御理解を得られて、余りそういった批判を受けることはなくなりましたけれども、やはり私たちは我々の考える国土強靱化、レジリエンスの在り方というのを常にメッセージとして出していく。御党におかれましても、是非協力を賜りますようによろしくお願いを申し上げたいと思います。
  41. 西田実仁

    ○西田実仁君 今お話がございましたが、よくある批判の一つには、全国総合開発計画、全総の復活じゃないかと、こういう論を打たれる方もいらっしゃいます。かつて昭和三十年代から平成にかけまして五回にわたって作成されましたこの全総、その発想がその延長線上にあるんじゃないかというような批判めいた場合には、まさにこれがばらまき公共事業なんではないかと、こういう言い方をされることがございますけれども、ここで、この国土強靱化に関しましては今衆議院の方でこれから議論をされるんでしょうか、正確に題名を申し上げますが、防災・減災等に資する国土強靱化基本法ということでございますけれども、こうした批判ですね、全総の復活ではないかと。復活でいいという意見もあるかもしれませんし、復活ではここがいけないという点もあろうと思いますけれども、これについては大臣、どんなお考えなのか、お聞きしておきたいと思います。
  42. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 全総、いわゆる全国総合開発計画は、言わば産業とかインフラの配分計画と言えるものだと思いますので、したがって、大規模災害の発生だとか、今委員が御指摘の減災・防災という視点からの中身というのは余り反映されていないというのが実態ですね。ですから、我々の考える強靱化というのは、こういった全総の発想とは違います。基本的に違うということですね。  やはり、将来のそういったあらゆる災害、リスクが発生したときに、そのリスクに対してどういう脆弱性を持っているのか、そして、その脆弱性を克服するためにはどういう対策を講じていかなくてはいけないか、そして、その対策についてもやっぱり先ほども申し上げましたように優先順位をしっかり検討していくということであります。  それも、ハード対策だけではなくて、いろいろこの災害対策特別委員会とかほかの委員会でもソフト対策重要性というのはあらゆる場面で強調、指摘されていますよね。だから、ソフト、ハード両面の上手な組合せ。  それからもう一つ、やはり全て税金でやるのではなくて、やっぱり民間の資金、よくPFIと言われる、政府も今度PFIの取組の徹底につきまして、西村大臣もその担当で入っておられますけれども、そういった取組もしていきますので、その総合戦略を考えていくということでございますので、ちょっとその全総の発想よりはもっともっと大きな発想で我々は取り組んでいるということでございまして、そういう意味では、無計画なばらまきとかそういったものとはちょっと次元が違うのではないかと。むしろそういう批判を受けないように私たちはそういう立て付けをして、計画をして、その計画を実行していこうというふうに考えているということであります。
  43. 西田実仁

    ○西田実仁君 ありがとうございます。  まさに、今大臣おっしゃっていただいた無駄な公共事業にしないためには、まず出発点としてきちんと、何が弱いのかという脆弱性評価ですね、私ども公明党も昨年に、野党の時代でありましたが、参議院に防災・減災推進基本法というのを提出をさせていただきました。私自身も提案者だったわけでありまして、その後、自民党の国土強靱化基本法と合体をさせて、先ほど申し上げました防災・減災等に資する国土強靱化基本法、これを衆議院の方に提出をさせていただく作業もずっと携わってまいりました。  その中で、我々公明党の議員立法に一番特徴的だったのが、しっかり総点検をまず行おうと。どこが弱いのか、どこが何かあった場合には大変なのかという、そういう総点検を地域できちんとやった上で、それに対して手を打っていくと、それも重要度が当然高いものからやっていくという発想だったわけであります。それがまさに、総点検という言葉ではございませんが、脆弱性評価ということで今回お取り組みをいただいているということであろうかと思います。  そこで、この脆弱性評価、我々の言葉で言えば総点検でありますけれども、この考え方あるいは手法というものが世界の中でどう位置付けられているのか。是非、この事業の重点化ということも含めまして、実は日本でこの脆弱性評価を今やっていますけれども、もっと前に、先ほど話ありましたイギリスとかアメリカではもうこれについて法の下に進められているということも踏まえまして、脆弱性評価、すなわち総点検ということについての意義を大臣からお答えいただきたいと思います。
  44. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) この脆弱性の評価、総点検という御党の考え方とほぼ一致すると私も考えております。確かに海外は、例えばイギリスは大洪水に見舞われましたね。余りそういう自然災害がない国でありましたけれども、それ以来、やはり強靱化、レジリエンスという計画を着実に実施しています。  我々はそういったことも参考にしながら、あるいはアメリカの取組、ハリケーン・カトリーナですね、あれも例えばFEMAがもし事前に二千二百億円掛けて事前対策を講じていれば、あのとき生じた十五兆円以上の損害はほとんど防止することができたと、こんな報告書も実は出ていますね。やっぱりそういったことは我々参考にすべきだというふうに思います。やっぱり費用対効果ということも考えてですね。  それからもう一点、あえて言うならば、やっぱりそういう対応をしていくときは、先ほど申し上げましたように、平時にも活用ができる、そして有事の際にはその本来の目的を発揮する、こういったバランスも取りながらしっかり我々は取り組んでいく必要があるというふうに思っております。  御党と政府・与党の中で議論をいただいて、そして取りまとめている考え、基本的に同じ方向を向いていると思いますので、委員におかれましてもひとつ御協力をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
  45. 西田実仁

    ○西田実仁君 大臣が何度もおっしゃっているように、平時においてもやはり強くてしなやかな国、国土をつくっていくということは大変大事であるというふうに思います。また、民間の資本を大いに活用していこうという視点も、この法案の中に取り組むべき方針の一つとして掲げていただいているところでもございます。  その意味で、大事なのはコミュニケーション戦略ではないかというふうに思っております。民間の方に協力をいただくに際しましても、何を目指しているのかということをよりコミュニケーションを取って知っていただくことが必要でありますし、内外ともに、日本の国内のみならず外国からも投資をしていただく、これだけ強くてしなやかな国だということで投資していただくという意味でも、日本語のみならず外国語でもこうした日本取組をもっと知らせていくコミュニケーションということが必要ではないかと思っております。  そういう意味から、コミュニケーション戦略についてお聞きしたいんですが、いわゆる国土強靱化のホームページを見ても、まだ今のところは日本語だけのように思っておりまして、是非、この法案の中にも実は一文加えておりまして、外の方にも知っていただくということが必要だということを条文にも書き込ませていただいておりますので、この辺の改善も是非お願いをしたいということで、コミュニケーション戦略全般についてお聞きしたいと思います。
  46. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) まずホームページ、ウエブですね、日本語では相当PRしていますけれども、確かにおっしゃるとおり、あれ、英語版はないですよね。これ、反省点ですね。早速対応します。お約束します。  その上で、国内でもいろいろな広報戦略していますね。例えば、サッカーの佐々木監督にキャラクターを務めていただいて、日本はリスクの多い国だけれども、ありとあらゆるリスクを想定をして、それに打ちかつ。佐々木則夫監督率いるなでしこジャパンも、お一人お一人の選手能力は世界一の人ばかりではないと思いますけれども、チーム総合力で世界一になったわけですよね。そのイメージも合っているのかなと思います。  それから、実は、つい昨日だったですか、欧州委員会のゲオルギエヴァさんという欧州委員防災担当委員、まあ閣僚ですよね、お目にかかりましたので、もうこの国土強靱化で我々が何をしていくかということにほとんど時間を割いて我々の考え方を説明しました。非常に感心しておられましたね。恐らく欧州委員会委員、すなわち閣僚がそういうことを聞いていったということは、多分、本国に戻られてから後、そういう報告はしていただけるというふうに思います。こういった戦略も必要でしょう。場合によっては、我々政務三役が海外にもしっかり出ていって、そういったPRをしていくという必要もあろうかというふうに、ただ、国会がお許しをいただけるということが条件でございますので、これは是非お許しをいただければなというふうに思いますが。  それから、二〇一五年に仙台で世界防災会議がございまして、これは多分、六万人近い方が世界から見えますよ。日本は三・一一の教訓をしっかり世界にアピールして、どういう取組をしているかということも伝えようと思っています。この二〇一五年の世界防災会議も世界にアピールをする絶好の場だと思いますので、しっかり今から準備を、緻密に計画をしながら立てていきたいというふうに思っています。
  47. 西田実仁

    ○西田実仁君 終わります。
  48. 吉川沙織

    吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。  国内外で多発する災害に鑑みまして、初当選以来、この災害対策特別委員会、総務委員会、予算委員会、決算委員会等で国民の生命、身体、財産を守るためにどのような施策を取れるか、与野党の立場を超えて議論をしてきたつもりでございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。  さて、先月十月二十四日、これ異例な呼びかけだったと思うんですが、防災担当大臣は、台風二十七号の接近及び前線の影響に伴う大雨や強風への対応について国民への呼びかけ、予算委員会の合間だったと思いますが、行われました。内容についてはニュースでも大きく取り上げられましたし、内閣防災の担当のウエブページにも掲載されていたほどですので、それなりの呼びかけの効果はあったかと思います。  しかし、その後、避難勧告等が全国的に発令をされて、その当該の自治体において実際に避難勧告対象となった人数と実際に行動に移した人の割合について伺いたいと思います。
  49. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。  台風二十七号におきましては、全国において避難指示及び避難勧告が約二万五千世帯、人数にして約五万三千人に対して発令されたところでございます。  実際に避難所に避難された方の数は、把握できているものといたしましては対象者五万一千人に対して約一千七百人、ただし、この数字には、自主的に、例えば親戚だとかそういうところへ避難された方、あるいは垂直避難と呼んでおりますが、二階の方に避難された方、そういう方は含んでございません。
  50. 吉川沙織

    吉川沙織君 今対象が五万三千人で一千七百人というお言葉ありましたが、これは割合にすると何%になりますか。
  51. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) 三%程度でございます。
  52. 吉川沙織

    吉川沙織君 今三%程度とのお答えがございました。  私は、これ調べるすべございませんでしたので、報道に触れました。日経新聞の報道によりますと、台風二十七号の避難勧告、従った住民は残念ながら一・四二%というふうな報道もございます。ただ、一方で、これ特別警報のときもそうでしたけれども、範囲が広ければなかなか行動に移さない。でも、今回の台風二十七号に伴う接近の影響、前線の影響に伴って、この報道によりますと、高知県のいの町や、それから大分市、対象人数を絞って出したら、かなりの割合で避難行動に移されたというような事例もあります。このことについてどう思われますか。
  53. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) ただいま避難勧告についてのガイドラインの見直しを行っております。その中で、特に水害というんでしょうか、水の災害につきましては、やはり河川の状況や土地の状況によりまして、要するに避難所まで逃げた方がいいケースと、自宅の中で警戒しつつ上の方に逃げていただけばいいケースとか、ちょっと土地の柄によっていろいろございますので、今そういった点について住民の方に分かりやすく伝える仕組みを検討中でございます。そういったものをきちんと整理いたしますれば、実際に避難をしていただく、要するに集中的に警戒を出すようなこともできますので、そういった工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
  54. 吉川沙織

    吉川沙織君 内閣府において去年、災害時の避難に関する検討課題、避難の考え方の明確化というところでもいろいろまとめられていますので、併せて検討いただければと思っています。  実際、避難勧告や避難指示があって、避難準備情報と、いろんな種類があります。これも二年前から指摘をさせていただいているところですが、この理解度、住民皆さん避難勧告と避難指示がどう違って、避難準備情報はどういうものであるのか、なかなか分かりにくいものではないかなと思いました。  ですから、平成二十三年の、ちょうど二年前ぐらいですか、十一月四日の当委員会において、避難勧告と避難指示の違いについて住民の認知度がどうなっているか、そしてまた、そういう調査を実際政府としてしているかどうかというお尋ねをしました。そしたら、当時はないということでしたが、現状どうですか。
  55. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) お答えいたします。  前回御質問いただいたときに、避難準備情報、あるいは避難勧告、避難指示につきましての個別の認知率はどうかという御質問で、それについてはないというお答えいたしたんですけれども、実は、平成二十二年の梅雨前線による大雨による避難勧告等を発令した可児市、それから広島市、三原市、防府市、那珂川町の五市町住民に対してアンケート調査を行ったことがございます。これは、要は避難準備情報とか避難勧告とか避難指示につきまして、こういうものであるということを御説明した上で、その違いについて知っていましたかというふうなことをアンケートを行ったものがございます。  そのときに、違いが分からないと言われた方が四割程度おられたというような情報がございまして、その後はまだ調査をいたしてございませんけれども、様々な災害東日本大震災を含めて、災害がございますので認知度は上がっているとは思いますが、それを、どこまで上がっているか大変疑問でもございますので、引き続きその周知に努めてまいりたいというふうに思います。
  56. 吉川沙織

    吉川沙織君 今御答弁いただいたのは、災害時の避難に関する専門調査会の第四回会合の資料二の十ページだと思います。これ、何書いてあるかといいますと、避難準備情報避難勧告、避難指示の違いを初めて知ったと回答した住民が四一・九%、ある程度知っていたが五三・〇%、よく知っていたがたった五・一%という、こういう結果が出ています。しかも、ある程度というのがどの程度かさっぱり分かりませんので評価は難しいんですけれども、少なくとも、よく知っていた、今御答弁いただいた資料そのままですけれども、一割にも満たないようなこの状況は深刻ではないかと思いますが、いかがですか。
  57. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) 御指摘のとおりと思いますので、きっちり、また今度、先ほど申しましたように、避難を、その対象を少し絞るということも含めまして、実際の行動に移るような仕掛けを考えてまいりたいというふうに思います。
  58. 吉川沙織

    吉川沙織君 今の調査でも分かったように、避難勧告等の情報住民皆さんが入手したにもかかわらず、実際に行動に移されない方が残念ながら多くいらっしゃいます。先ほど引用されたページの次のページに何が書いてあるかといいますと、自分被害を受けるとは思わなかったというような回答も住民行動のアンケートの結果、出ています。また、東日本大震災においては、例えば宮城県内の沿岸部においては、地震発生から大津波が到達するまでに三、四十分間、時間の幅がありました。ですから、本当であればすぐに避難をしなければいけないのに、必要な物資を取りに戻られて犠牲になられた方もいらっしゃいます。  ですから、つまりは何が言いたいかと申しますと、避難勧告や避難指示が出ているという状況、どれほど危険が切迫したものであるか住民にまず正しく理解をいただくということ、そして具体的な避難行動に結び付けていただくための方策が必要ではないかということ。これも二年前の当委員会指摘申し上げましたが、人間は、自分が大丈夫だとどうしても思ってしまいがちな正常性バイアスというのがあります。これを取り除いて行動に移していただく、これを今度の計画に是非盛り込んでほしい、災害心理を考慮していただきたいということを申し上げて、前向きな答弁ございました。これについて、大臣、いかがお考えでしょうか。
  59. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 今委員指摘の、自分被害を受けるとは思わなかったというアンケート調査、そうなんですよね。だから、どうしても自分は大丈夫だろうと、こう思ってしまう傾向があるんです。だからこそ、私は、大島を視察しまして、実際に、まあ正直言って、あれ事前に避難、すぐ隣、全く罹災していない学校に避難していれば救えたと思うんですね、命を。  ただ、私はもう何度も言っている、犯人捜しをするのが目的ではありませんので、やっぱりそういう教訓を生かしていくというためには、やはり想定外を自らにもなくす、そういう視点で是非、土砂災害警報等々が出たら、避難勧告や指示が出ていなくても、自分判断で安全なところに避難してくださいということを、私はあえて、これはあくまでも市町村長が指示することですけど、私は内閣防災担当大臣として、もう六十名になる方が今年一連の災害でお亡くなりになっていますので、もう一人もこれ以上犠牲者を出したくないという気持ちで私は、ちょっと異例ではございましたけど、記者会見をさせていただいた。結果、みんなそういう認識を持っていただいたんじゃないでしょうか。やっぱり、避難が空振りだったら、これは幸いだと思うということなんですよ。  アメリカは、例えば五日前には避難計画を出して、三日前には、大きい、例えばサンディのような大きな災害が来ると予測されていると、もう三日前から避難指示出しますよ。でも、実際に空振りになるケース、結構多いんですね。でも、それはアメリカの住民は、いや、市町村長、余計なことしやがってというふうには思わないですよ。みんな、ああ幸いだったと、こういうふうに思う。  やっぱり、これは住民皆さん首長さんも、そして我々議員も、そして全ての国民がそういうふうに思って、自らの命は自ら守るという、しっかり意識も高めていくということが大切だというふうに思います。  そのためにいろいろ見直しをしていまして、今、統括官からもお話がありましたように、マニュアル見直しも含めて、今早急にその対応、全国で千七百十九市町村がありますので、そういった取組在り方も含めて検証して、我々として適切なアドバイスができるようにこれからもしていきたいなと思っています。
  60. 吉川沙織

    吉川沙織君 いい御答弁いただいたんですけれども災害心理についてちょっとお触れにならなかったので、もう一言お願いします。災害心理を考慮する必要性です。
  61. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 委員指摘のいわゆる正常性バイアスですね。これもその一つなものですから、やはり避難の判断基準をある程度明確化をするということが大切ですね。明確化をするだけではなくて、住民皆さんに理解をしてもらうということが、この両方が大切です。  それから、リスクコミュニケーションをしっかり十分に図るということ。それから、多様な伝達手段ですね。メールからファクスから、あるいは防災無線から、もういろんな伝達手段ありますね。こういったものをしっかり駆使をして多様化をしていく。あるいは、一番大切なのは声掛けですよ、地域の。こういった声掛けをしていくとか、それからあともう一つは日ごろからの訓練、啓発活動、これは極めて重要です。こういったものをパッケージでやっていく、それによっていわゆる正常性バイアスというものをしっかり対処していくという必要があると思います。
  62. 吉川沙織

    吉川沙織君 明確な判断基準と理解度を高めるというようなお話、それから多様な伝達手段、訓練の必要性、様々ございました。  ただ、この訓練、今日は触れませんけれども、訓練をやっていた東日本大震災被災地自治体ではやっぱり助かった住民の方が多かったというような結果も後のアンケート結果で出ています。ただ一方で、ノウハウがない、財政的な余裕がないということで避難訓練すらできていない自治体も残念ながら残されていますので、それに関してはまた別途の機会質問させていただければと思います。  実際、正常性バイアスから解き放たれて避難行動に移してもらう方策の一つとして、今、多様な伝達手段ありました。伝達手段、様々ありますけれども、例えば皆さん時報から聞こえてくる防災行政無線があります。この防災行政無線から流れるアナウンスで、避難してくださいではなくて避難せよという命令調の呼びかけで今回の大震災でも多くの命が救われたという事例がございます。  この命令調の呼びかけについてもずっと取り上げてきてはおりますが、これ、国としてもっと積極的にこういう方策があるんだよということを周知していくことは一考に値すると思いますが、いかがでしょうか。
  63. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 三・一一のときにも、実際、大洗町なんかでは避難せよ、避難せよと相当きつい口調で、命令口調で放送したそうですね。そうしたら、四メーターの津波が来たけれども、みんなもう一目散に避難して、あそこは、大洗町はゼロですよ、被害者。  やっぱりそういうこと必要でしょうね。やはり伝達手段とともにそのコンテンツ、中身をどういう伝え方にするかと。まあ役所の職員にしてみると、住民の皆様に命令口調でするのはちょっとはばかるなという気持ちは私は分からないでもないんですよ。だけれども、やっぱりそれは住民の命を守るためには、時には厳しく対応するということ必要でしょうね。おっしゃるとおりだと思います。
  64. 吉川沙織

    吉川沙織君 今、命令口調はばかられるんじゃないかという御答弁いただきました。実際、命令調の表現というのは、避難を命令するという法的な権限がなければ命令調の表現は使えないのではないかというような議論もあります。ですから、緊急事態において、法律上の命令というものと表現としての命令調というのを区別して使い分けるというような運用も考えられると思いますが、これについてはいかがでしょうか。
  65. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) これは実際、有事の際の話ですから、条文に書かれた中身を言うのは余り適切でないと思いますよ。その法律の精神というのは、やっぱり住民の命を守るということが精神ですから、それはどういうあれであっても、やっぱりちゃんと現場を預かる地方公共団体の首長さんがそういう認識を持っていただいてやれば、そういう命令口調になって、いや、あのときは命令のような口調でおかしい、法律違反だというようなことを訴える住民皆さん、よっぽど変わった人はそういう人はいるかもしれませんけれども、普通はないんじゃないでしょうかね。これも危機管理だと思います。
  66. 吉川沙織

    吉川沙織君 大臣がおっしゃるとおりだと思います。ただ一方で、先ほど、避難勧告、避難指示が出た場合は空振りに終わろうとも逃げてください、これ大事なことだと思います。  実際、今やり取りをさせていただいた避難せよというこの命令口調、最初は聞き慣れない、耳慣れない言葉ですから、住民皆さん、これを受け止めますと、これは何事だということで逃げるという行動に移すと思います。でも、これも、何回も出たところで、実際、大津波や大きな被害が来なかったとなると、オオカミ少年効果と言われていますが、これもまた行動に移してもらえなくなるような、こういう懸念も一方でございます。これをどう線引きしていくかというのは政治のリーダーシップが問われると思いますが、どうお考えでしょうか。
  67. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) そこはもう一言、これは日ごろの広報と訓練なんですよ。それで認識を持っていただくということなんですよ。何度も言うように、やはり避難をして空振りに終わったらラッキーだと思って、常にそういう心を持ってもらうということが何よりも大切なのではないでしょうかね。
  68. 吉川沙織

    吉川沙織君 なかなか日本においてそれが根付くのには時間掛かるかもしれませんが、粘り強く広報等をしていただいて、理解度と判断基準といろんな伝達手段で、是非住民皆さんがこれが出たら逃げるんだという行動に移していただければと思っています。  今、避難勧告や避難に関するやり取りをさせていただきました。避難勧告、この前の伊豆大島でも残念ながら出なかったというようなことございましたが、避難勧告を出す出さないの以前に、各自治体において避難勧告の発令基準がどうなっているか、これに関しては何年も前から実は指摘をさせていただいております。  避難勧告等の発令基準の策定状況については、平成二十五年、今年の一月二十九日、消防庁が避難勧告等に係る具体的な発令基準の策定状況調査を公表しており、これによれば、平成二十四年十一月一日現在の策定状況調査、公表されています。  もちろん、前年と比較をすれば、策定済みとなっている団体、見直し中とする団体はほんの僅かですが増えていますが、策定すらできていない団体はいまだに二四・七%、つまり四つに一つの地方公共団体が避難勧告を発令するための策定ができていない、こういう状況になっています。この発令基準の未策定の理由、見てみますと、ずっとこれも言い続けていますが、依然として、担当者が少ない、策定方法が分からないというのが理由としてまだまだ残っています。  去年の災対法の改正の質疑の際に、国の助言だけではなくて、もちろん避難勧告に対する助言も必要ですが、それ以前の策定基準、これに対する専門家を派遣するなどして支援を行うことを提案し、そのような仕組みをつくっていきたいと当時の大臣から答弁ありましたが、現在どう対処なさっていますでしょうか。
  69. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 今年も災対法を改正をして、そういった市町村あるいは都道府県に対する指示の部分が更に充実をしてきていますね。    〔委員長退席、理事西田実仁君着席〕  やっぱり、私は是非市町村長方々にもうお願いしたいのは、国に聞いてくることとか恥じることじゃないんですよ。むしろ、ややもすると、ちょっと遠慮するんですね。地方の小さな市町村長さんって非常に真面目ですので、お上に聞いていいんだろうかという、そういう認識があるんです。そんなこと一切ありませんから、我々はもう場合によっては派遣してでも、話を聞いて、教えてほしいというふうなことがあったら、内閣府としても最大限それは協力させていただきますよ。それで、やはり一〇〇%そういうルールを千七百十九の市町村につくり上げること、そしてそれを住民に徹底することなんです。しっかり内閣府としてもやっていきたいと思います。  昨年六月にも、災害の後、中川当時の大臣もそういう主張をされましたよね。ただ、残念ながら、それから余り進みませんでした。それで、政権が替わりまして、その後もう九か月たった、十か月たっていますんで、ちょうど今年の夏にこういった一連の災害が非常に多く起きました。  私たちは、その昨年の国会の答弁の経緯、そして今年のこういった災害が起きた、そして市町村が必ずしもそういった準備が十分ではないということがよく分かりましたので、今徹底的にそれぞれの市町村に対してアドバイスなり、調査をするなり、マニュアルの見直し、今やっておりますので、これは新内閣になってそういう取組をしているということも是非認識をいただきたいと思います。
  70. 吉川沙織

    吉川沙織君 今度また来年の一月に前年度比の策定状況調査結果が出ると思いますので、上がっていることを楽しみに是非拝見したいと思います。  十月二十一日の衆議院予算委員会において防災担当大臣は、避難勧告の発令の在り方について、「全てを地方公共団体に任せるということではなくて、いろいろな知見を持っている政府がしっかり指導的なアドバイスをしていくという環境も、場合によっては整えていくべきかもしれません。」と答弁なさいました。その後、ニュースそれから新聞報道等で国が避難勧告に大きく関与するんじゃないかという、そういう報道がなされました。  これに関しても、国が積極的に関与すべきだということを指摘し続けてきましたが、現行の災対法では首長判断で、最後、避難勧告を発令することになります。これを、このやり取りだけではちょっとよく分からなかったものですから、どのように変えていこうとされているのか。災対法、今回六十一条の二で改正された部分はありますが、それを超える内容をされようとしているのかどうか、教えていただきたいと思います。
  71. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 今度災対法を変えましたので、その改正の精神がしっかり生かされるようにしていくということがまず先決だと思っています。    〔理事西田実仁君退席、委員長着席〕  やはり、首長さんの中には、非常に防災意識が高い首長さんと、余り災害がない地域であったり、住民皆さんの意識も含めて余り高くないところもあります。また、職員も、やはりしっかりそういう職員がたくさんいらっしゃるところと、あるいは行革の一環でどんどん今職員の数が減っていますので、全体では、少し防災関係は、トータルで見ると役場の職員全体は下がっていても防災職員は上がっていますね。ちょっと、もしデータが必要なら、私、申し上げますけど。例えば、一般行政部門はマイナス〇・八ですけれども、二十四年度は防災部門は一九・一%。まあ、増えているんですけど。  ただ、本当に、増やすことだけではなくて、やっぱりそういう認識をしっかり持っていただくということが大切だと思います。それをしっかり今検証して、見直しをしているんです。その上で、今後何かもしも踏み込んで必要ならば、そのことも考えていかなくてはいけないですけど、まず変えたルールが適切に稼働するようにさせる、それを徹底するということが大切だと思います。
  72. 吉川沙織

    吉川沙織君 では、十月二十一日の予算委員会大臣の御答弁は、災対法が改正されたその精神を生かすという意味での御答弁であったということでよろしいですね。
  73. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) まず、そうなんです。その上で、今後のその推移を見守りながら常にそうやってリバイズをしていくという必要がありますので、そういう考えで私は申し上げました。
  74. 吉川沙織

    吉川沙織君 今の答弁の中で職員体制についてもありましたので、ここからは地方公共団体において消防防災体制がどのようになっているか、現状の把握と課題について質問をさせていただければと思います。  一昨年、台風十二号という大きな災害がございました。この台風十二号で大きな被害が出たある自治体では、一人で夜中対応せざるを得なくなって、対応が後手後手に回ったという事態が残念ながらございました。また、具体的な災害発生時ではなくても、例えば消防庁の地域防災計画における地震津波対策の充実・強化に関する検討会報告書においては、シンクタンクに地域防災計画を作成してもらう自治体が多いと指摘があります。  これは単に意識や知識の問題だけではなく、人手の問題もあると言えます。内閣府が最近、特に自治体職員に対して質の向上を図るための研修を行われているということは重々承知しておりますが、まずは市町村防災体制がどうなっているか、これ現状を把握することは非常に大事なことだと思います。  一昨年と昨年、この点について現状把握を行う必要について指摘申し上げましたところ、市町村防災体制について詳しく調査はしていきたいというふうに思っておりますと当時の防災担当大臣から答弁ありましたが、今この調査どうなっているか、やっている、やっていない含めて伺いたいと思います。
  75. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) 私どもといたしましては、総務省におきます調査結果から、先ほど大臣からお答えいたしましたように、各市町村におかれまして行政改革が求められ、職員の確保が困難となっている中でも、防災担当職員の確保に努力をされているというふうなことでございます。  数字につきましては、先ほど大臣申しましたが、二十三年度には、一般行政部門が一・一%減らされる中で防災部門は四・二%増えておりますし、二十四年度におきましては、一般行政部門が〇・八%減る中で防災部門は一九・一%の増員となっているということでございます。
  76. 吉川沙織

    吉川沙織君 何%増えたとかどうなったとかではなくて、どの市町村にどのような体制があるかというのをずっと聞いているんですが、これについていかがでしょう。なければないで結構です。
  77. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) 現在調査中でございます。
  78. 吉川沙織

    吉川沙織君 現在調査中、三回目の答弁いただいたので、今度は是非、把握できる限りで構いませんので、やはり現状がどうなっているか、そしてそこの充足状況を調べることによってその前年度比が生きてくると思いますので、是非お願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。  先日の伊豆大島での多くの犠牲は、地方公共団体における今申し上げましたような体制のまだまだ充足していないという不備とともに、小泉政権時代に行革をたくさんされました。その中に測候所の廃止というものも含まれていて、大島の測候所は四年前の十月一日に廃止されています。これに関しても影響がゼロであったということは断言できないと思います。測候所がもしあるならば、測候所と町役場で情報共有がもう少しできて、もしかしたら早い避難勧告ができたかもしれません。  事実、三年前に奄美大島で豪雨の災害があって、私自身も現地に行ってまいりました。あの奄美大島は範囲が広いということで、例外的にそこの測候所は残っています。連携ができた結果、気象庁が警報を出す前に独自で避難してくださいと呼びかけをすることもかないました。  ですから、今回の伊豆大島災害では、土砂災害警戒情報が出たということを町の職員のみならず、気象庁の現地職員も知らなかったという報道ございますが、測候所を廃止したことによる影響があったのかなかったのか、感想でも結構ですので、長官、いかがでしょう。
  79. 羽鳥光彦

    政府参考人(羽鳥光彦君) お答えいたします。  測候所の関係でございますが、測候所の廃止、無人化につきましては、基本的に、近年の気象衛星あるいは気象レーダーの観測技術、さらにはスーパーコンピューターを用いた解析・予測技術の高度化ということが進みましたので、平成十八年に行政の効率的な運用という観点から、気象観測を主に行う測候所について原則として廃止するという決定を行いました。これにより、先生御指摘のように、大島につきましては平成二十一年十月に無人化し、廃止してございます。  この無人化に際しましては、自動化された気象観測装置の新たな導入、さらには地域防災対応支援ということで、大島に限らず、各地の気象台にそういった支援を行う組織、定員を配置して、測候所の存在する市町村以外の全ての市町村についても支援を強化できるような体制を取ったところでございます。  例えば、電話会議システムを用意して多くの市町村台風説明会をやる、あるいは最近は気象台の台長が直接市町村を回って、訪問して市町村長と意見交換をするというようなことで市町村長等の意識の向上というものにもつなげるというような努力をやっているわけでございまして、測候所の無人化、廃止に合わせて、気象庁としてはより対応を強化したというふうに考えてございます。  今回の大島事例でございますが、この場合につきましても、台風の接近の直前に東京都庁に赴きまして、伊豆諸島全体の市町村も含めてテレビ会議システムで台風説明会を前日の十五日のお昼ぐらいにやってございます。さらには、大島等で大雨が記録的になったということで、深夜前後でございますが、直接、東京都あるいは大島町に電話等で、ホットラインで危機感をお伝えしたということがございます。  このように、気象庁として、測候所の無人化等のその後につきまして、単に気象情報を発表するということにとどまらず、やはり直接市町村等に電話するなり様々な対応を強化してございますので、測候所の無人化自体が自治体防災対応に影響したというふうには考えてございません。  以上です。
  80. 吉川沙織

    吉川沙織君 では、今回、測候所の廃止、つまり廃止というより無人化という表現が正しいんでしょうけれども、これは全く影響しなかったということでよろしいんですね。
  81. 羽鳥光彦

    政府参考人(羽鳥光彦君) 無人化自体の問題につきましては、影響はなかったと我々は考えてございます。  以上です。
  82. 吉川沙織

    吉川沙織君 いろんな御意見、それから書かれているいろんなものを見ますと、ゼロではなかったんじゃないかという意見もあります。  実際、これ、平成十八年の六月二十七日に竹中大臣地方支分部局見直し等についていろんな資料を出されています。気象庁は網掛けまでされて、厳格な定員管理に加え、業務の大胆かつ構造的な見直しにより純減を行えということを書かれています。ですから、そのとき定員を減らさざるを得なかったという側面がなかったとは言えないと思いますし、これについて当時はいろんなやり取りございました。  実際、平成十五年七月十五日の衆議院国土交通委員会において、測候所の廃止について当時の気象庁長官は、「気象サービスの基盤たる観測点としての役割は、今後とも変わらないというふうに考えております。」と断言をされています。と同時に、気象情報の提供についても今までと変わらないサービスを提供していくことができるとまでおっしゃっているんですが、結局、連携を密に取った奄美大島ではそれでも三人犠牲が出ました。  でも、今回の伊豆大島では、そういう顔と顔を突き合わせて、情報共有や連絡体制が、やっぱりホットラインを引いていても、顔と顔を突き合わせて、すぐに出すべきだ、出さないべきだという判断ができなかったという側面はあると思いますので、ここで気象庁を責めても当時の政権の方針ですから仕方ありませんので、これ以上申し上げませんけれども、実際、消防防災における効率化、行革というのは国民の生命、身体、財産を守れないという側面もございますが、大臣、御所見あればお願いします。なかったらいいです。
  83. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 私、できるだけお答えしているんですが、これはさすがに管轄が違う話なので私がお答えするのはいかがかなと思いますので、私の答える分は長官にお譲りをさせていただきます。
  84. 吉川沙織

    吉川沙織君 今申し上げたかったのは、結局、当時、行革の流れがあって、それで減らさざるを得なかったという側面ございますので、消防防災においては、やはり行革が求められる側面があろうとも過度にやってしまうと国民の命を守れないということにもつながりますので、そこは与野党を問わずしっかりやっていきたいなというような思いがございます。  危機管理体制、これ防災担当大臣、国家公安委員長でもいらっしゃいますので、特に関心持ってお聞きしたいと思います。  地方公共団体の現状を把握し、質を高める取組が進んだとしても、災害や国家の安全を揺るがしかねないような緊急事態というのは実際問題いつ起こるか分かりません。そのためには、地方公共団体の危機管理体制がどうなっているかということを把握していくことが必要です。  消防庁は、地方公共団体における総合的な危機管理体制の整備に関する検討会というので報告書を出しています。これによれば、危機発生時における二十四時間即応体制できる市町村は中核市ですらたったの二八%しかありません。ですから、夜中に大地震が起こる、それからどこかからミサイルが飛んでくるような武力攻撃事態があったときに二十四時間体制取っている中核市というのはこの報告書によれば二八%しかないということになります。  事前に接近がある程度予想される豪雨やそれから台風であればまだ体制を整えることができますが、地震等の災害や緊急事態が夜半や夜中に発生した場合、対応できない自治体も多数出てくることになりますが、これは解消すべき大きな課題の一つだと思います。大臣、いかがでしょうか。
  85. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) どんな災害が来ても、やはり地方公共団体が第一義的にその人材の育成、体制の強化をしていくという、極めて重要ですよね。もうこれはまず地方公共団体の責任なんですが、一方では、どうしてもいろんな人的な制約、あるいは人材の制約、ノウハウの制約でやり切れていないところがある。だからこそ、我々内閣府では、今年から地方公共団体の職員等々に対して災害対策全般に対する研修を実施したり、一方では戦略的なアドバイスを通じてその職員のノウハウの向上、こういう取組、積極的に協力をさせていただいております。やはり、こういったものを例えば都道府県市町村に対してやる必要あるでしょうね、我々ももちろんやりますけど。そうやってやはり全体のレベルを、千七百十九ある市町村のレベルをしっかり上げていくということが何よりも大切だと思います。これは、もう国、都道府県市町村、連携してやることだというふうに思います。
  86. 吉川沙織

    吉川沙織君 研修等で職員の質、レベルを上げていただくのはもちろん大切なことですが、今お伺いしたのは、日中帯はそういう職員さんいらっしゃると思います。でも、夜中等、危機それから大きな災害が起こった場合に、この人たちが不在、もっとさっきの調査、詳細に申し上げますと、守衛以外の職員も加わって二十四時間体制を取っているのは、都道府県庁所在地ですら市レベルで三〇%です。こういったときにどう対応していくかというのが大きな解決すべき課題の一つと考えますが、いかがでしょうかと伺いました。
  87. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) これこそ、地方公共団体がその人事のローテーションも含めて責任を持って体制を取っていただくということが何よりも大切ではないでしょうか。これは国がああしろこうしろとなかなか指示できるものではありません。やはり、地方公共団体が主体的にその取組をしていただく、これは住民を守る地方公共団体の責務だというふうに思います。しっかりそれをやっていきたい、そのためのノウハウとか人材の育成とか、そういうものが必要ならば我々は積極的に協力していく、私はそういうことを申し上げたんです。
  88. 吉川沙織

    吉川沙織君 今、地方公共団体が主体的にやっていく、もちろん当然だと思います。ただ、これ、いろんな考え方があって、例えば緊急事態には災害という側面と武力攻撃事態という側面があるとします。災害防災になれば、自治事務ですから、これは地方公共団体がやるのは当然です。でも、武力攻撃事態になりますと、これは法定受託事務になって国民保護事案になります。それぞれ、危機管理というのは二つの側面ありますので、自治事務であれば必ずこれは地方公共団体が主体的にやらねばなりませんが、法定受託事務という側面になれば国の責任で、国家の責任で国民の生命、身体を守らなければいけないという側面もあります。  ですから、これは防災に重点を置いて考えるか、国民保護に重点を置いて考えるかそれぞれですけれども、こういう観点に立てば、国がもっと支援をするという考え方もよって立つところにあると思うんですが、何か御感想あればお願いします。
  89. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 私は防災担当大臣でございますので、やはり防災の今は定められているルールに従って、しっかり私は地方公共団体を督励したり支援をしていくということが私の責務であります。
  90. 吉川沙織

    吉川沙織君 分かりました。  ただ、国としては、やはり国民の生命、身体、財産を守るために、地方公共団体ができない、これ実際、避難勧告の発令に関してもずっと言い続けて、やっと国がもっと関与しましょうということになってきました。結局、これは、足りなかった部分があるから国がもっと積極的に助言を求められれば行うというような改正になりましたので、いずれこういったことに関しても議論が深まることを期待したいと思います。  そしてまた、何かあったときに地方公共団体は住民対応をしなければいけませんので、業務は継続する必要があります。東日本大震災が発災をするまで、市町村庁舎の機能が滅失、損壊するということは前回の災害対策基本法ではまだ想定をされていませんでしたが、そういう事態に我々日本国は直面をしましたので改正が行われています。  この市町村を始めとする地方公共団体は、災害や緊急事態があったときに復旧復興住民対応をすることになりますから、速やかに業務を継続しなければいけません。ですから、これ、業務継続計画、BCPが非常に重要になります。五年前からこれずっと取り上げておりますが、現在、最新の都道府県市町村におけるBCPの策定状況について、数、教えてください。
  91. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) 地方公共団体における業務継続計画の策定状況でございます。  本年八月の消防庁の調査、速報値でございますけれども、によりますと、平成二十三年四月の調査におきましては都道府県では三八%の策定率であったものが約六〇%に上がってございます。市町村につきましては約四%、平成二十三年の四月が四%であったものが約一三%に伸びているということでございます。  なお、市町村は二十一年の十一月ではほぼゼロ、〇・一%でしたので、これからは伸びていくものというふうに考えております。
  92. 吉川沙織

    吉川沙織君 最新ので今おっしゃっていただきましたが、都道府県ですら六〇%、そして市区町村だとたったの一三%ということになっています。実はこれ、都道府県で最初に策定されましたのは、私のふるさと、南海トラフでも大きな災害が予想される徳島県でございましたけれども都道府県レベルですらまだ業務継続計画の策定が六割にしか届いていないという現状があります。  平成二十二年の四月、内閣府は、地震発災時における地方公共団体の業務継続の手引きとその解説というものを策定されています。非常にいい内容だと思いますが、その後に東日本大震災が発生をして、そして、これから切迫性がある様々な災害ございますのでこれを見直してはいかがですかと昨年申し上げましたところ、見直したいという、こういう答弁をいただきましたが、現在の状況について教えていただければと思います。
  93. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) 内閣府におきまして、委員指摘のとおり、平成二十二年四月に業務継続計画にあります手引と解説を策定したところでございます。なかなか進まない原因といたしまして、市町村において業務継続計画の必要性というものはまだまだちょっと認知度が低いということ、それから職員においてなかなか知見が不足しているということ、それから市町村防災関係の職員が不足しているというようなことが考えられるということでございます。  このため、その手引と解説につきまして、改正としていた方向といたしましては、一つは、東日本大震災における地方公共団体の庁舎、職員の被災事例等を周知することによって業務継続計画が必要である、その意義について十分理解を促進されるようにしたいということと、業務継続体制を策定する庁内体制あるいは市町村の団体規模別のモデル事例のようなものを紹介することによって更なる周知に努めてまいりたいと思っております。  なお、職員に関しましては、先ほど来御説明したように、研修等も進めているところでございます。
  94. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 事務的にはそういう答弁なんですけれどもね。  国は、政府は今年中に、政府のBCP、まあ私はBCPと言うよりもACPと言う方が正しいと思うんですね、ビジネスじゃないですから、アドミニストレーティブ・コンティニュアンス・プランですから、ACPを策定しますよ、国が。  そうしますと、やはりそのアナウンスメント効果というのは結構あると思うんですね。やはり三・一一があって、これ、できていないのはちょっとまずいよねという、もう都道府県はもちろん市町村も。だから、一三%、六〇%と言っていますけれども、やっぱりぐっとこれから加速度的に上がっていくし、我々が、政府も作る、そうしたら内閣府なり政府から、あるいは消防から是非作ってくださいということを積極的に、丁寧に働きかけていくということが何よりも大切だと思います。私は、市町村都道府県も一〇〇%を目指すというのが当然だと思っています。
  95. 吉川沙織

    吉川沙織君 大臣から力強い御答弁をいただきました。でも、最初、これ五年前に、BCPどうなっていますかとお伺いした際は、旗振り役の内閣府でまだできていなかったというような、こういう現実もありますので、是非大臣の強いリーダーシップを取って一〇〇%にしていただければと思います。  消防防災の関係は、三位一体の改革で地方において一般財源化されてしまったという経緯があります。ですから、装備も貧弱になったり、それから東日本大震災で多くの消防団の方が犠牲になられたりというようなことがございました。それぞれの側面から解決すべき課題はたくさんありますが、与党、野党を問わずに、国民の生命、身体、財産を守るべく議論に加わらせていただければと思いますので、これからもよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  96. 野田国義

    ○野田国義君 引き続きまして、民主党の野田国義でございます。  古屋大臣を始め本当に政府におきましては、日夜、国家国民の生命、財産を守るために御尽力をいただいておりますこと、心から敬意をまず表したいと思います。  そこで、先ほどもお話ございましたけれどもフィリピン台風三十号、甚大な被害が出ておると。何と百五メーターですか、そういった風速ということでございます。そして、邦人が百人以上まだ安否が確認できていないということでございますし、また、恐らく死者も一万人上回るのではないかと言われております。  そういう中にあって、やはり日本としても、友人として、あるいは友好国としてしっかりとした支援をしていかなくてはいけないと、我々、また国会議員もしっかりと支援もしていかなくちゃいけないんではないかな、そういうことを思っておるところでございますけれども政府としてどのような対策を今講じておられるのか、支援策を講じておられるのか、お聞きしたいと思います。
  97. 下川眞樹太

    政府参考人下川眞樹太君) この度のフィリピンにおけます台風三十号の被害に対する支援でございますけれども、その甚大な被害に鑑みまして、我が国としまして可能な限りの支援を行っていくという考えでございまして、具体的には、人的支援の面では、十一日に派遣を決定いたしました国際緊急援助隊の医療チームが先にレイテ島に入りまして所要の活動を開始しているところでございます。また、昨日、十二日には、自衛隊国際緊急援助隊と派遣することを決定いたしまして、既に一部がマニラに到着しているところでございます。今朝、三十五名が民間航空機で成田を出発いたしまして、本日午後には十名が小牧空港から航空自衛隊KC767機で出発する予定でございます。  引き続き、一刻も早く一人でも多くの方々を援助できるように努力してまいる所存でございます。
  98. 野田国義

    ○野田国義君 しっかりとした支援を改めてよろしくお願いしたいと思います。  それから、少し総論的な話と申しますか、先ほど全総の話が出ましたけれども、これ、ちょうど十一月十日の毎日新聞でございますけれども、私も大変尊敬しております前の岩手県知事であります増田さんのちょっと記事が載っておるところでございます、元総務相のですね。ここに書いておられるのは、私も全く同じだったので質問をさせていただくんですが、深刻ないわゆる人口減少の問題ですね、人口減少の問題。それから、私、アベノミクス見ておりますと、どうも、今日もたくさん議員の方もいらっしゃいますけれども、ほとんどが地方だと思うんですね。その地方ということが本当に考えていただいているのかというようなことも思うんです。  全総でも国土政策がいろいろやられて、多極分散型ということも大きな項目に入っておったんですね。しかしながら、増田さんもここに述べられておりますが、ことごとく失敗してきたということなんです。私は、ここが非常に大切だと思うんです。これは人口問題、あるいは町づくり、人づくりの問題だけじゃなくて、防災という観点からも私は非常に大切なことではないか。  後でちょっと話していきますけれども、いわゆる中山間地というか、非常に、私たち限界集落とよく呼んでおりましたけれども、そういったところがどんどんどんどん日本全国には増え続けているということなんですね。しかし、片一方では、私、水を差すわけではありませんけれども、オリンピックという名の下にこれから更に更に東京の一極集中というものが進んでいくと思うんですね。どうでしょうか。そういう中にあって、私は、また防災という観点からしても、過疎地、地方を、どう国土を守る、あるいは人命を守っていかなくちゃいけないのか、そして東京もこれから更に人口が増えていく中でどういう対策をしていかなくちゃいけないのか。  私も羽田空港に福岡から飛んできます。そうしますと、首都高あるいはモノレールでこの永田町まで来るということでございまして、このことだけ考えても非常に危険というか、そういうことを思うわけでございまして、これからそういった一極集中の中で対策を講じていかなくてはならないということと、また、やっぱり基本的には災害を防いでいくにも多極分散型の政策をしっかりやっていかないと、被害が更に更に多くなるのではないか。  そういうことを常日ごろから考えておりましたところ、この増田元岩手県知事の記事、あるいはここに猪瀬さんの記事もちょうど日経新聞に載っておりまして、猪瀬さんは逆に、心臓部だからどんどんどんどん東京が引っ張っていくんだというようなことを答えておられておりますけれども、私、ちょっとこれ違うんじゃないかなと。やっぱり分散していくということは、防災にとっても大切なこと。これまでどうしても、今その論議が下火になっているんじゃないかと。遷都論なんかも以前はありましたよね。しかしながら、今こういった論議がなされていない。三・一一以降も、都市機能あるいは国会機能も含めて大阪辺りに移さなくちゃいけないんじゃなかろうか、そういうことも論議がされておりましたけれども、最近もうそういうことも下火になっておるということでございますが、こういうことについては、古屋大臣、どうお考えになっているか、ちょっと総論的な話ですが、お聞きしたいと思います。
  99. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 野田委員市長、八女市ですよね、四期やられていますよね。やっぱり、八女市というとそんな大都市はなくて、むしろ過疎、限界集落も抱えている、そういうことでいろいろ思うところがあると思います。そういうお気持ちからの御質問だと思いますけれども。  一極集中と地方の過疎対策をどうすべきかということは、これは防災だけではなくて、もっと大きな国家的な政策課題だと思いますので、私が防災担当大臣としてここでとうとうと意見を言うのはちょっと控えるべきだと思いますが、むしろ私が取り組んでいかなきゃいけないのは、やはりそういった大都市における災害地方における災害、これはその発生の形態も違うし、対応の仕方も全然違うということですよね。  今、首都直下地震の最終報告書を取りまとめています。これは今年中には何とか出したいなと思っています。  それで、一方では、南海トラフ巨大地震の報告書を五月に出しました。そして、そこで、九県が対象になっていますので、被害想定だけではなくて、対策を講じた場合はどれだけ減少することができる、あるいはどういう対策を講じなきゃいけないかというようなことも書かせていただきました。やっぱり違うんですよね、基本的に。ですから、それぞれの都市の形態、地域の形態による適切な対策を講じていく。それは要するに、ソフトだけじゃなくて、ソフト、ハード両面でバランス良くやっていく。  それからもう一つ言えることは、やっぱり自助、共助、公助、このバランスをしっかり取るということだというふうに思う。先ほど来いろいろな答弁もありましたように、やっぱり自助という部分、結構大きいですよね。今度の東日本大震災でも相当、お亡くなりになった二万人、しかも行方不明も入れてある中で、津波でお亡くなりになった方が九三%ですね。陸前高田市、有名になりましたけれども、千八百人津波で犠牲になって、地震、いわゆる家屋の倒壊、火災で亡くなった方はゼロですよ。でも、東京の場合は、もし地震があれば、やっぱり木密地区で逆の状況になるかもしれない。だから、それぞれ相当細かな大綱をしていかなきゃいけない。  私たちはそういったことを今計画をして、首都直下地震もそれから南海地震もそういった対応をしていく法案を皆さん立法府にお願いして、今議論していただいています。国土強靱化の法案もいずれお願いをするということになるわけですが、やはり四つの基本的な考え方、一つはまず人の命絶対守ろうと、それから二つ目は致命傷を負わせない、三つ目はやはり被害はできるだけ食い止める、四つ目は速やかに復旧させる、これをやっぱりバランスよくやっていくことに尽きるんじゃないでしょうか。防災担当大臣としてそういう取組を徹底していきたいと、こういう考えでございます。
  100. 野田国義

    ○野田国義君 政治家としてお聞きしたかったわけでありますけれども。  極点社会は非常に危ないというようなことだと思います。そういったことでの一極集中、そして地方ではどんどんどんどん過疎化が進んでいく中、あるいは消滅をしていく集落すら、あるいは市町村すらあるというような中での防災ということもしっかりと考えていただきたいと思います。  それで、私は、昨年七月の十四日、私の地元でございましたけれども、北部九州豪雨が襲ってまいりまして、本当に甚大な被害が出たということでございまして、そのことをちょっと顧みながら、これは恐らく全国に共通する点だと思いますので、ちょっとずっと聞いていきたいと思います。  先ほど長峯議員から話ございましたが、首長リーダーシップ、本当に都城、大変でしたよね。新燃岳、それから口蹄疫の問題ということで大変なときに、本当に市長として頑張っておられるなと陰ながら応援しておったわけでありますが、何十回も避難勧告を出されたということです。  私、十六年間市長をさせていただきましたけれども、一度も避難勧告を出したことはありません。ほとんど災害はございませんでした。しかしながら、昨年、そういった大きな豪雨に見舞われたということでございまして、実を言うと、遷都論、いわゆる大東亜圏の中で、八女に人を移そうとか、そんなところにもなったことがあるんです。それは、自然災害が少ないからと、あるいは食料調達が容易だからということもあったようでございますが、そういう地域でございました。しかしながら、こういった災害というのは、いまだ経験のないような災害が起こると、豪雨が襲いかかるということであろうと思っております。  それで、その災害が、昼と夜、大島の場合が夜というか朝方と申しますか、起こった。幸いにして、私の地元でこの豪雨は朝方だったんですね。夜が明けておりました。それで本当に命が救われた方がたくさんおられたということでございまして、この大島においても、これが避難をしていたらどうなるかということも、本当に真っ暗の中に避難していてどうだったかなと、そういうようなことも思うわけでございますけれども。  そして、まず、幾つかの問題の中で、私ここに、お手元にお配りしておりますけれども、これは上流から中流、そして下流という問題になっていくわけでありますけれども、流木被害の問題ですね。  まず、上流の森林管理とかが、森がちょっと荒れているということで、こういった流木がたくさん流れてくるということでございまして、中流域の橋桁をどんどんどんどん壊していって、被害がどんどんどんどん大きくなっていきました。最終的には有明海に流れていくということで、漁業の方々が、ノリが非常に盛んでございますけれども、できないというようなことでございました。  ですから、この流木の問題というのは、我々のこの豪雨だけの問題ではなくて全国的な問題だと思いますけれども、どういった対策を講じていただいたのか、まずちょっとその辺りのところをお答えいただきたいと思います。
  101. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 私より、まず河川の流木についてお答えさせていただきます。  昨年七月の九州豪雨におきましては、河川に堆積した流木、そして橋梁に引っかかりまして閉塞した流木等につきまして、再度災害防止の観点から迅速に除去したところでございます。除去した流木につきましては、福岡県では中間処理施設で再資源化を行っております。また、八女市におきましても、一時的に仮置きをして、まとめて中間処理施設で再資源化処理、行う予定というふうに聞いております。  国土交通省といたしましては、今後とも被災した地方公共団体と相談しながら、災害復旧事業等を適切に活用いたしまして必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
  102. 山縣宣彦

    政府参考人(山縣宣彦君) 私の方からは港湾関係の説明をさせていただきます。  港湾の航路、泊地をふさいでおりました流木につきましては港湾管理者が災害復旧事業によりまして、また、海岸保全施設の機能を阻害しておりました流木につきましては海岸管理者が災害関連緊急大規模漂着流木等処理対策事業によりまして、迅速に回収、処分したところでございます。また、港湾区域以外の一般海域におきましては、現地の漁協とも連携をいたしまして、九州地方整備局が保有しております二隻の清掃船などによりまして、船舶の航行に支障となる大型の流木等を迅速に回収、処分させていただきました。  今回の事例も参照しながら、今後とも災害復旧事業等を適切に活用し、海岸及び海域におけます流木の回収、処分に適切に対応してまいりたいと考えております。
  103. 野田国義

    ○野田国義君 本当にこの流木の問題、ここまで大きな問題かというぐらい、地元皆さんは何とかこの流木対策をしてほしいというようなことで、国交省を中心にいろいろ御尽力をいただいたということでございます。  今後とも、そういったもちろん山の管理から、そして橋なんかに、どうその流木が流れたときに対応していくかとか、そういうことまで考えてやっていかなくちゃいけないだろうし、海でも本当に清掃が大変であったと、今御答弁いただきましたように、その辺りのところをしっかりと考えていく必要があろうと思っています。  その後、これをどう活用するのかというようなことが、結構、今環境問題にも、皆さんおっしゃるんですね、どう使うのかと、使ったのというような質問も受けたわけでございますけれども、私は、やっぱりこれチップとかにして、バイオとかいろいろ今あるわけでございますので、そういった形で再利用をするということで活用をするということが必要なことではないかということで、また皆さんにもお願いしたこともあるんですけれども、結果的にどういう形で処理をされたか、お聞きできたらと思います。
  104. 山縣宣彦

    政府参考人(山縣宣彦君) 流木の処分、最終処分でございますけれども、基本的には廃棄物として焼却処分を実施いたしましたが、一部、木材チップ等といたしまして再利用もしてございます。今後とも、再利用という観点でもしっかりと考えていきたいと思っております。
  105. 野田国義

    ○野田国義君 ありがとうございます。  それでは次に、地すべりの危険箇所、この調査と防止対策についてお聞きしたいと思いますけれども。  ちょっと、皆さんのお手元にも写真があるかと思いますけれども、これが上流でございます。星野村というところでございますけれども、ここはお茶畑になっておりました。そこが地すべりということでなりまして、いわゆる土砂ダムですか、それができて、ここでまた避難勧告が、いわゆる二次災害の心配があるということで避難勧告がなされたんですね。  ですから、こういう問題についても恐らくここだけの問題じゃなくて、先ほども土砂危険地域ですか、そこをどう指定するかというような話があっておりましたけれども、地すべりが起こるということでございますので、幸いにして民家はございませんでした、お茶畑ということで幸いにして民家はございませんでしたけれども、本当これ、この地域だけでもたくさんありますけれども、全国だったらもうすごい数だと思うんです。  ですから、こういったいわゆる地すべり危険箇所と防災の問題、大島でも堰堤を造ってというようなことでの論議がなされておったところでございますけれども、どう防止をしていくのか、そしてどう対処していくのかというようなところをちょっとお聞きできたらと思いますけれども
  106. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) お答えをいたします。  地すべり災害は、地すべり特有の地形を呈しておるところで発生をするということでございます。都道府県におきまして、地すべりの特徴的な地形、これを調査をいたしまして危険箇所を抽出をいたしております。  このように調査をいたしました地すべり危険箇所、全国で約一万一千か所ございます。このうち、人家等への被害、また河川への閉塞を生じるようなおそれのある箇所、そういった箇所につきましては、国民の生命、財産を守ると、そういう観点からその状況調査をいたしまして、地すべり等防止法に基づきます地すべり防止区域、その指定を行いまして対策工事行っておるところでございます。
  107. 野田国義

    ○野田国義君 そこで、人家がなかったからよかったわけでありますけれども、人家があるところもこういった危険箇所でもたくさんあると思うんです。そうしますと、事前にそういう人家とかは移転をしておくとか、そういうことも事前策として私は必要なことではないかなと思っております。この地すべりというのは、期間も長いんですけれども、大変な予算を伴うんですね。ですから、そういった対策、事前の対策をしていく必要もあるんではないかと思いますけれども、その点のところどうでしょうか。今現在、そういったことで事前に対策として講じておられること、ございますでしょうか。
  108. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 先ほども申し上げましたけれども、地すべり等防止法に基づきまして地すべり防止区域指定をいたしまして、その危険なところについての周知を行った上で必要な地すべり対策工事、これを適切に行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  109. 野田国義

    ○野田国義君 ですから、私が言いたいのは、事前にそういったところは早く移転していただくとか、そういう対策からしていかなくてはいけないのではないかというところを指摘しておきたいと思います。  それから、三枚目を見ていただきたいと思います。  ここが、これも本当びっくりいたしましたけれども、この豪雨によりまして、二か所の堤防決壊があったということなんです。本当に堤防決壊なんか想像もしませんでしたけれども、結果的に堤防決壊があったと。  この写真は、実を言いますとライブカメラ、国土交通省が設置していただいているライブカメラからその瞬間もずっと映像として残っておったんで、写真としての提供ができておると思いますけれども、では、このライブカメラも非常に、これから先、災害、地すべりもそうでありましょうし、河川のはんらんあるいは堤防の決壊、非常に役に立つということでございますので、こういったライブカメラの設置ですね、監視カメラ、そういうものをしっかりと設置をしていただくということが必要になってくるかと思いますけれども、この災害後、そういったカメラ関係はどのようになっておりますでしょうか。
  110. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 国の直轄管理河川におきましては、全国に約八千か所、CCTVカメラ、いわゆるライブカメラでございますけれども、設置をしておるところでございます。委員指摘のとおり、このライブカメラ、出水時におきまして河川の状況を確認する手段といたしまして非常に有効でございます。平常時におきましても、河川の利用状況を把握することができるというものでございます。今後とも、このようなライブカメラの設置に努めてまいりたいというふうに考えております。
  111. 野田国義

    ○野田国義君 しっかりとお願いしたいと思います。  それで、私は当時地元へ帰っていましたので、一番有効だったのはフェイスブックでしたね。もうリアルタイムで、家が流れたとか、そういう情報が送られてきましたので、非常に有効であったと。そして、こういったライブカメラをしっかり併用しながら情報収集に努めていく必要があるということではないかと思っております。  そこで、この堤防決壊が現実起こったわけでありますけれども、ここの箇所も恐らく調査されていなかったんじゃないのかなと思うんです。モグラの穴からとか、いろいろと原因が言われておりますが、その後調査をされたということでございますけれども、どういうことが原因でこういった堤防決壊につながったのかということをちょっとお聞きいたします。
  112. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 昨年七月の九州豪雨におきましては、矢部川におきまして、委員指摘のとおり、決壊いたしました。国土交通省では、学識者等から成ります矢部川堤防調査委員会というのを設置をいたしまして、現地調査、さらには技術的な検討を行いました。その結果、堤防決壊の主な原因は基礎地盤からのパイピングであるというふうにされております。  また、福岡県が管理しております沖端川、これは矢部川の派川になりますけれども、そこにおきましても堤防決壊をいたしましたが、洪水後の現地調査におきます痕跡等から、越水によります破堤であるというふうに承知をいたしております。
  113. 野田国義

    ○野田国義君 この矢部川は、また沖端川については、調査委員会までつくっていただいて調べていただいたということでありますけれども、しかし、これ、全国にはたくさんの一級河川あるいは二級河川、いろいろあるわけであります。たくさんあるわけでありますから、その辺りのところは調査はちゃんとしていただいて、どういう対策を現在講じておられるのか、お答えいただきたいと思います。
  114. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 昨年の九州豪雨災害を踏まえまして、全国の直轄河川堤防の緊急点検を各河川ごとの被災履歴、また堤防詳細点検結果等の既存のデータがございます、そういったものを活用いたしまして点検を行いました。その点検の結果、河川堤防の決壊の原因となります漏水等の対策が必要な延長約二千二百キロとなりました。現在、優先順位を付けまして対策を実施しているところでございます。国土交通省といたしましては、今後とも、この堤防緊急点検の結果を踏まえました対策を着実に推進してまいりたいというふうに考えております。
  115. 野田国義

    ○野田国義君 大変重要なことであろうと思いますので、しっかりと調査をし、そして対策を講じていただきたいと。この地元、柳川市になるんですけれども、柳川市の面積の三分の一が何と浸水したというか、つかったというような状況でございましたので、よろしくお願いをしたいと思います。  それから、最後になりますけれども防災予算関係についてでございますけれども、本当に、災害は忘れたころにやってくると、よく私も消防の出初め式辺りでスピーチをしたものだと思いますけれども、もうそんなスピーチができなくなりました。毎年どこかで災害が起こると、いつそれも来るかも分からないということでございますので。  ちょっと調べたところ、この約五年間で二十か所ぐらいの激甚指定があったと。ここの北部九州豪雨も当然激甚、していただきましたけれども、大体どのくらいの予算が要っていくのかと、まあ何百億という予算が当然ここでも要っているわけでありますけれども。どうでしょうか、予算の集計というのはできておりますでしょうか、この近年の五年間でよろしゅうございますけれども
  116. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) 恐縮でございます。  激甚災害だけを対象とした予算というものは持ち合わせておりませんが、災害復旧等の防災関係予算といたしまして、直近五か年で申しますと、平成二十一年に二千七百九十八億、平成二十二年に二千七百八十三億、平成二十三年度が二千五百四十七億、平成二十四年度が四千七百四十億、それから平成二十五年度が二千七百九十六億となってございます。ただ、この中には、いわゆる全体の、通常の予算と内数になってしまっているものがありますので、そうなっているものはちょっと除外しておりまして、災害が特定できるものを拾い集めた数字が以上の数字になっているということでございます。
  117. 野田国義

    ○野田国義君 四千億から要っている年もあるという。恐らくこれから日本は、よく言われます、亜熱帯気候になったのではないかと言われますが、恐らく頻繁にこういった大きな災害が起こってくると思います。その対策を講じていかなくちゃいけないし、また、災害に遭ったところの復旧復興に膨大な予算が要るということでございますので、これから国家を運営、経営していく中で、こういった予算というのもしっかりと押さえた中でやっていきませんと私は大変なことになっていくのではないかと思いますので、是非ともそういった予算も、どのくらいこれから要るのか、しかも頻発していくというのは確実でございますので、是非ともその辺りのところもよろしくお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  118. 柴田巧

    ○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。よろしくお願いをいたします。  まず冒頭に、私の方からも、フィリピンで大変な台風被害が生じました。お亡くなりになった方に哀悼の意を表し、御遺族の方、また被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  今なお連絡が取れない、安否が確認できない邦人の方もたくさんいらっしゃると聞いておりますし、何よりも現地は大変な混乱になっておる状況であります。できるだけの支援を、対策政府としても取っていただきますことを要望しておきたいと思います。  さて、質問に入りたいと思いますが、先般、会計検査院が平成二十四年度の決算検査報告を出したというか、中身が明らかになりましたけれども、大変驚きますのは、人命を守るためのいわゆる防災工事、あるいは防災にも関連しますが、インフラの補修、維持管理が極めてずさんなものになっているということが明らかになって、大変遺憾なことだと感じております。  今から二年八か月前に東日本大震災があって、いわゆる災害対策の事業、予算、それへの関心が高まっている中、また、そのいろんな取組が注目を浴びる中にもかかわらず、実際のところ、非常にずさんなことになっているというのは大変ゆゆしきことであって、国土強靱化をこれからやろうということでありますが、防災・減災を強めていくことには異論はありませんけれども、かといって、どんどんどんどん新たな事業を展開をしていく前に、まず既存の事業がしっかり政策効果を発揮しているのか、あるいはいろんな不備がないのか、まずしっかり点検をするのが大事なことだと思っております。  そのうちのまず一番目が、土砂災害情報相互通信システムというのがありますが、これは台風集中豪雨等によって、土砂災害から人命を守るために国土交通省平成十二年から運用を始めて、国交省が進めてきた事業でありますけれども、今年もいろんな土砂災害が起こりました。これからも、先ほどからお話があるように、まだまだこの日本では起きるかもしれない土砂災害でありますが、これはもちろん国やあるいは都道府県の持っているデータ、雨や河川の、それを市町村を通じて住民皆さんのところに行く。また逆に、この土砂災害警戒区域指定される地域の、例えば電柱などに設置された無線機から、住民皆さんからもいろんな情報自治体に届けられる、いわゆるその名のとおり相互通報システム目指していたわけで、土砂災害の危険情報自治体住民が相互に伝え合うと、それが早期避難にも役立てるということが目的とされて、全都道府県で導入をされたんですが。  いろいろ会計検査院が調査すると、いろんな不備等があって、お互い情報が行き来ができないようなところが少なくとも十五府県等に見られたということでありまして、情報が、先ほどからもお話があるように、最終的には人の命を救うということになるわけで、それが適時適切にお互いにつながらないということになると何のためのシステムかということになるわけで、やはり緊急時にしっかり活用できるように対策をしっかり急ぐべきだと思いますが、国交省にお聞きをしたいと思います。
  119. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) お答えをいたします。  地方公共団体におきまして、土砂災害情報相互通報システム、その整備事業で整備をいたしました機器の管理、これが適切に行われていないと、そういう実態を踏まえまして同事業の見直しを行っているところでございます。事業の効果、十分発現するように改善していく必要があるというふうに考えております。  国土交通省といたしましては、警戒避難体制の強化等を図っていくと、そういう観点から、地方公共団体におきまして機器の適切な管理を行うとともに、住民から提供される土砂災害に関する情報、それを有効に活用できるよう所要の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
  120. 柴田巧

    ○柴田巧君 せっかくこうやって全都道府県に導入したシステムが生かされていないというのは大変ゆゆしきことだと思います。是非しっかり見直すべきところ、地方自治体とも連携をしてやっていただきたいと思います。  それからもう一つ、驚くことは、びっくりしましたのは、阪神・淡路大震災以降、あのとき阪神高速道路の橋脚が、高架橋が倒れたり損傷したりしたのはまだ記憶に新しいわけですが、その後、いわゆるそういう崩壊、倒れるのを食い止めるために橋脚に、巻き立て工事と言ったりしますが、柱部分に鉄筋コンクリートを巻き付けていくという工事をしてきているわけですが、これが会計検査院が調べるところ、二十二年度から二十四年度でありますが、五十二の橋脚耐震補強工事の実態を調べたら、十八の工事、十の橋梁で基礎部分において、結局その橋脚自体が重くなって基礎部分の耐震性がなくなってしまったという大変愚かなことが起きているわけですね。橋脚が重くなってしまって、結局、基礎部分の耐震性がなくなって、何のために耐震補強工事をやっているのかさっぱり分からないということであります。  極めてお粗末な話だと思いますが、私は実は、参議院になる前に地元の富山で県会議員をしながら生コン会社の社長もしておりまして、幾らかコンクリートには知識がありますが、こういうのを設計する前からこういうことが、全体として例えば耐震性が落ちるんじゃないかというのは大体想像付くわけですが、何となく予算が付いたのでやみくもに工事をして、結局、耐震性を高めるためにやったのに耐震性を落としてしまったという、笑うに笑えない話ではないかと思いますが。  この会計検査院の指摘も踏まえてどのような対策を講じていくのか、国交省にお聞きをしたいと思います。
  121. 谷脇暁

    政府参考人(谷脇暁君) 既設橋梁の補強工事についてどういうふうに進めているかという点でございますけれども、今先生の方から御指摘ございましたように、兵庫県南部地震において、それまでに経験したことのなかった強い揺れに見舞われたという、それによりまして落橋、倒壊等の致命的な損傷が発生したという経験を踏まえたところからスタートしております。  この経験を踏まえまして、当面の目標として、一つは、橋梁の供用期間中に発生する確率は低いけれども大きな強度を持つような地震動、こういったようなものがあったとしましても致命的な損傷が生ずることがないようにという、これを目的といたしまして現在の対策を実施してきたところでございます。  予算の制約等もございますので、早期に効果を発揮させるために、一つは、緊急輸送道路のうち重要な道路の対策、これをしていこうということが一つ。それと、今申し上げました致命的な損傷を防ぐためということで、落橋防止装置の設置と橋脚の補強、これをまず優先的に進めていこうということで対策を進めてまいりました。こうした措置によりまして、さきの東日本大震災におきましても、支援物資、人員輸送の要となる緊急輸送道路につきましては、段差等が発生するといったようなことはございましたけれども、落橋、倒壊といった致命的な損傷に至ることなく早期に通行を確保できたというような状況でございます。  会計検査院の報告書は、こういうような私どもの進めてきました方針については、方針あるいは考え方につきましては認識をしていただいておると思っておりますが、その上で、先ほど御指摘のございました点でございますが、橋梁の供用期間中に発生する確率の高い中規模程度の強度の地震動におきましては、基礎部分で応力が許容値を上回って橋梁の耐震性能が確保されないおそれがあるということと、基礎部分の耐力について未照査の工事があるということでございました。  補強工事に伴う橋梁の重量増加によりまして基礎部分に被害が生じやすくなるという可能性も踏まえまして、国土交通省といたしましても、橋脚部分の耐力の照査を進めるとともに、対策の要否の判断方法について検討を進めまして、その結果に基づきまして必要な場合には措置を行っていきたいというふうに考えております。
  122. 柴田巧

    ○柴田巧君 今のように、既に本体があって補強していくというときは、そのときの、本体造ったときの設計思想、工法と補強するときと特に異なる場合はこういうことが生じ得るということを頭に入れてやはりそもそも設計をしていく、あるいは工事を発注していくというのが本来の在り方だろうと思いますので、いずれにしても耐震性がなくなってしまっては意味がないわけで、しっかり対策を講じていただきたいと思います。  このように、残念ながら、いろんな人命を守るべき防災工事でこういう状況になっているというのは大変、先ほども申し上げましたが遺憾なことだと思っております。強靱化をしていく前に、まずはこういったことを見直していくと。本当に効果が上がっているのか、こういうことをしっかり分析をした上でやっていく必要があると思いますが、いずれにしても、防災担当大臣の方からも、こういう状況を改善すべく関係機関に強くやっぱり申入れをすべきじゃないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
  123. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 今委員指摘の会計検査院の指摘は私も承知しておりますし、遺憾ですね。やはり適切に推進をされることが大切だと思いますので、関係省庁指摘を真摯に受け止めて対応されると思いますが、私としても、そういった適切な維持管理がなされるように関係省庁対応をしっかり見守って、注視してまいりたいというふうに思っています。
  124. 柴田巧

    ○柴田巧君 是非防災担当大臣からも、やっぱり関係機関、これ非常に、国だけじゃなくて地方自治体とかいろいろまたがっていきますが、強い関心を持って、これから国土強靱化をしようとされるならなおさらのこと、まず今ある施策を、事業をしっかりチェックするということが大事だということを申し上げておきたいと思います。  また、これは工事というか維持管理にかかわる問題ですが、高速道路にいわゆる跨道橋というのがいろいろ架かっておりますが、これの調査も、結果も大変な残念なものでありまして、未点検が六百三十五本もある、あるいは、点検状況が不明で点検したのかどうか分からないというのが五百四十八本もあるというのがどうも現状らしいということで、古くなった跨道橋がもし高速道路に落下、落橋した場合に、災害時の高速道路は先ほどからもお話がありますように緊急輸送路としての機能が果たせなくなるわけで、また新たな大惨事が起きるということになるわけで、こういったことをほっておくということは極めてその神経を疑うわけであります。  確かに、道路会社というか道路公団で造って、高速道路は、そして、そのとき分断されるので、跨道橋は大体、国もありますが、地方公共団体が資産として持っていると。本来はそこがやるべきことなんだろうとは思われますが、情報の共有がなされていないので自分たちの資産だと分かっていない自治体も正直あるようですし、道路会社としては目視をしながら一応点検をしているとおっしゃっておられるようですが、抜本的な更新や維持管理対策が取られているわけではありません。したがって、この維持管理在り方、やはり国交省としてもしっかり見直していくということを主導していくべきだと思いますが、どうか見解をお聞きをしたいと思います。
  125. 谷脇暁

    政府参考人(谷脇暁君) 若干説明させていただきますと、今、全部で跨道橋、全国で五千七百ほどございます。このうち、国で管理しておりますものが百三十四、高速道路会社が管理しておりますもの千百五十七橋、これらにつきましては定期的に点検を実施しております。それともう一つ、先生からもございましたように、高速道路会社におきましても、安全性大事だということで、本線内からの目視あるいは降車をして点検するというようなことは行っておりまして、不具合があれば管理者の方に報告するというようなことは行っているところでございます。  この度、会計検査院から、先生お話ございましたような指摘がございました。本来管理者の方で点検をしていない橋があるということでございました。この千百八十三橋のうち約九割が市町村の管理でございまして、やはり市町村は技術面、財政面ともに厳しいのが実情でございます。点検が十分に行われていないという現状がございます。  国土交通省といたしましては、まず高速道路会社に対しまして、点検や補修の実施状況について、各道路管理者と情報共有の体制を速やかに構築するように十月の一日付けで指示をしたところでございます。また、市町村における橋梁の老朽化対策、全般的に進めていかないといけないということで、技術面、財政面からも支援していきたいと考えております。
  126. 柴田巧

    ○柴田巧君 この跨道橋は非常に代表例ですが、いわゆるいろんな、国や、あるいは道路会社は今企業ですが、地方自治体や独法が管理しているようなものもあるらしいんですが、いろいろ多岐にわたりますので、管理者が、情報の共有がなされていないということからくる一つの盲点に今までなってきたところだと思います。しっかりこういう盲点がないように、国交省としても強い関心を持って取り組んでいただきたいと思います。  さて、こういう公共インフラなどのこれから老朽化も進んでいく中で、その点検やあるいは補修をしていく、あるいは災害対応をしていくというためにも、やっぱり最先端の技術を駆使して、そういう点検や補修の技術開発をしていくということはこれから重要なことになると思っております。なかなか人が一目ではよく見られない、あるいは人が入っていけないようなところにもたくさん点検すべきところ、インフラがあるわけで、そういう意味でも、ロボットなどの最先端技術を使って、そういった補修、点検の技術開発を進めていくということがこれから防災面でも非常に重要だと思いますが、どのように取り組んでいかれるか、お聞きをしたいと思います。
  127. 清水亨

    政府参考人(清水亨君) 委員指摘のとおり、ロボット等を使うことによりまして、作業員の安全を確保しながらインフラの点検、補修あるいは災害対応といったものを効率的に確実に行うことが可能であるというふうに考えてございます。  したがいまして、国土交通省といたしましても、委員指摘のとおり、そのロボット等を用いたインフラの点検、補修あるいは災害対応の技術開発というのは非常に重要であるというふうに認識しているところでございます。  そのため、今年七月には経済産業省と共同いたしまして次世代社会インフラ用ロボット開発・導入検討会というものを設置いたしまして、最新のロボット技術動向を踏まえ、現場ニーズに合った点検、診断及び災害対応用ロボットの開発、導入に着手したところでございます。  今後とも、国土交通省が管理してございます河川や道路などの現場での検証を通じまして、実用性の高いロボットの開発、導入に向けた取組関係省庁とも連携しつつ進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  128. 柴田巧

    ○柴田巧君 是非日本の最先端の技術を使った公共インフラの保守管理といいますか、点検、補修作業、そういったものを進めていくように、そして、それが人命を守ったり、災害を起こさせないようにする一つの大きな可能性を秘めていると思いますので、是非進めていっていただきたいと思います。  今、そのインフラの管理の方からお聞きをしましたが、我が国は御存じのようにロボット大国だと。産業ロボットの約七割は日本で、今世界の七割は作っておりますが、残念ながら、あの原子力建屋に東日本大震災で最初に入ったのはアメリカのロボットでございました。極めて、ロボット関係者にとっては非常に残念なことだったわけですが、これを、災害現場にこの災害ロボットを配備、活用をしていくためにも、まずはその実証実験、性能評価をやっていくと、そして実用化を進めていくというのはまず大事だろうと思いますが、どのように取り組んでいくのか、経産省に、短くで結構です、お答えいただければと思います。
  129. 高田修三

    政府参考人(高田修三君) ただいま先生の御指摘にありましたとおり、いい技術がちゃんと現場で使えるということが大事でございます。私どもは、研究開発に当たりまして、使える、実用度の高いロボットになりますよう、国交省と連携いたしまして、そしてニーズにかなったフィールドの選定、ロボットの評価などを一体的にやっていこうと考えております。  以上です。
  130. 柴田巧

    ○柴田巧君 いずれにしても、日本の最先端技術が我が国のいろんな災害対応に使えると同時に、フィリピンでも今大変な事態になっておりますが、世界の災害現場にそういった災害ロボットなどが派遣されて人命を救うあるいは災害復旧に当たるということができる、世界のそういった防災面でも貢献ができるのはこの災害ロボットだろうと思っておりますが、とはいえ、なかなかこれ難しい問題が横たわっているのも事実で、まず簡単に量産ができません。家に一台そういう災害ロボットを持つわけにはいきませんし、なかなか量産するというのは難しい問題だと言わざるを得ませんし、開発が極めて難しいというのも事実です。いろんな災害現場があって、どういうふうな想定、まあ想定外の対応ども考えていくとすると、なかなか技術開発が難しいと。  また、運用の仕組みも、システムも、今消防庁でもレスキューロボがあります。国交省でも今ほどあったものがあるし、各省にいろいろロボット研究開発をしていますが、なかなか運用システムが統一されていないという問題等々ありますし、規制緩和もある意味必要だろうと思いますが、いずれにしてもオールジャパンで、この災害ロボットの技術開発はもちろん、その配備、活用を防災面でやっていく、関係府省と連携して積極的に進めていくということが大事だと思いますが、大臣の御所見をお聞きして、最後にしたいと思います。
  131. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 大臣、簡潔に願います。
  132. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) ロボットの技術を災害のときに使う、危険な場所にも行ける、極めて効果あると思います。  ただ、一つ、やはり平時もある程度使えると、そういう設計をしながらやっていかないと、やはり今言ったように、なかなか設計が難しいということがある。実は、三月二十八日の総合科学技術会議で私これ提案をさせていただいておりまして、ロボット技術を災害対策に使う、そして平時の活用も視野に入れる、こういった取組、これ日本が一番得意な分野ですから、しっかり私も内閣の一員として督励をしていきたいと思います。
  133. 柴田巧

    ○柴田巧君 どうもありがとうございました。
  134. 仁比聡平

    仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  今日は、桜島の噴火活動の活発化に伴って、灰ですね、降灰被害について特に伺っていきたいと思っています。  お手元に資料を今お配りをしていますが、これは地元地方議会で作られている桜島火山活動対策議会協議会の被害を伝える資料ですけれども、一枚目の八月十八日の噴火の写真のように、これ、私もこの後、鹿児島にお邪魔をしまして、この大噴火というのは大変なことですよね。この五千メーターを超えるというときも、これは観測史上最高なんですが、この後も繰り返し日々のように爆発を続けて、桜島の上は大きな灰の雲みたいなものが常時あるような状態で、これが風向きによって例えば鹿児島市の上あるいは垂水市の上というところに流れていって、少し離れた例えば国分の辺りから鹿児島市方面を見ても、この噴火の雲からどんどんどんどん、ざあざあざあざあ灰が落ちているというふうにかすんで見える、そんな事情です。ですから、下の写真にあるように、皆さん傘を差してというような事態になっているわけですね。  二枚目に桜島年間爆発回数を、昭和五十年以降の数字がグラフにされていますけれども、御覧のとおり、平成二十一年からの活動の活発化というのは大変な事態になっていると思うんです。ですから、この降灰の除去はもちろんのことですが、健康被害も含めて、あるいは今後大爆発が起こるのではないかという不安も含めて、市民の不安というのは本当に高まっているということの中なんですが、まず気象庁に、こうした桜島活動についてどのように見ているか、御紹介いただきたいと思います。
  135. 羽鳥光彦

    政府参考人(羽鳥光彦君) 桜島火山活動について御質問ございました。  桜島では、平成十八年、昭和火口が五十八年ぶりに噴火活動を再開してございます。平成二十年以降活発な噴火活動が継続しておりまして、特に平成二十二年度以降は毎年八百回を超える爆発的な噴火というものを記録し、本年に入りましても本日までに既に七百八十五回の爆発的噴火がございました。  特に本年は、七月以降、噴煙の高さが火口から三千メートルを超えるような活発な噴火活動がございまして、先ほど先生お示しした写真にありますように、八月十八日の噴火では噴煙の高さが火口から五千メートルに達するということで、その降灰が鹿児島市内から薩摩川内市にかけて広い範囲に及び、交通機関などに大きな影響がもたらされました。  気象庁では、現在、桜島に対して噴火警戒レベル三の噴火警報を発表し、昭和火口及び南岳山頂火口からおおむね二キロメーター以内、これにつきましては弾道を描いて飛散する大きな噴石あるいは火砕流に警戒するよう呼びかけているところでございます。  なお、現時点では大正噴火というような大規模な噴火につながるような兆候は見られませんが、これまでのような同様の規模の噴火というものは引き続き警戒が必要だと考えてございます。  以上でございます。
  136. 仁比聡平

    仁比聡平君 その警戒も含めて、この火山活動の観測体制などについてもかねてから充実を私どもも求めてきたところですけれども、その質疑はまた別の機会に譲るといたしまして、この大変な灰の被害、ここについて所管の省庁に伺った上で、最後、大臣にお尋ねしたいと思うんですが、まず道路なんです。  この二枚目の下の写真の中に、道路の降灰除去作業を行っている車両の写真があります。これ、ロードスイーパーというふうに呼ばれていますけれども、御覧のとおり、これ、灰を除去するための極めて特殊な車両なわけです。この火山活動で多量の灰がずっと降るというこの地域だけが極めて需要が高いという、そうした車両でもあって、調達費、購入費が大変高いんですよね。しかも、特殊なものなので、メンテナンスをすることもなかなか大変で、部品がなかなかなくて直せないというような事態も起こると。  この特殊車両が、ロードスイーパーが、お金が高いものだから元々十分な車両数がないんです。圧倒的に不足しているというふうにも言っていいくらいなんですが、この間、昭和火口からの噴火というふうに桜島活動が変わってきまして、そうすると、この間の最近の桜島の灰というのは極めて粒子が小さくなって、パウダーのようになって、従来の様式のロードスイーパーでは上手に灰が取れないと。それで、ロードスイーパーが走ると、その細かい粒子の灰がもうもうと巻き上がってしまって、目を痛めるとかあるいは健康被害をもたらすのではないかという、そういう事態にもなっているわけですね。ですので、地元からは、こうした降ってくる灰の変化にもちゃんと対応できる十分な清掃能力を保持する高性能な降灰除去車両の開発を行っていただきたいという要望があります。  加えて、元々が老朽化をしていると。購入後十九年以上経過をしているというのが車両の多くということになっていまして、買換えも含めた必要な事業費の確保というのが一貫した要望なんですね。  この買換えに関しての地元の負担というのは、これは確かに補助事業があるんですけれども、灰が降らなければそうした事業費というのは必要ない中で、鹿児島市を始めとして地元自治体の負担というのはこれは極めて重いというふうに思います。ですから、補助基準の緩和や補助率の見直し、つまりもっと補助率を上げてほしいというこの地元の要望も私はもっともなことだと思っているんですが、いかがでしょうか、所管担当大臣
  137. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 降灰除去事業につきましては、活動火山対策特別措置法等に基づきまして、その年の一月から十二月までの年間を通じまして降灰量が一平方メートル当たり千グラム以上となる場合に降灰除去事業に要しました費用に対して補助することになっております。この場合、必要な機械器具の借り上げ、購入等の必要な経費も含めまして、降灰除去に要した費用を補助対象としているところでございます。  この降灰除去車両の購入につきましては、近年では鹿児島市へ平成二十二年に一台、さらに平成二十四年に五台の降灰除去車両購入費用につきまして補助を行っているところでございます。  なお、現行のこの補助制度では、借り上げ費用についても補助対象となっておるところでございまして、その場合には車両の納入期限等の問題もないというふうなことから、鹿児島市ではリース契約方式による降灰除去車両の確保について検討しているところというふうに聞いております。  以上でございます。
  138. 仁比聡平

    仁比聡平君 今そこをお尋ねしようと思ったんですが、後段のところで先に御答弁いただきましたけれども地元負担の軽減のために補助率の引上げも含めた事業費の確保を是非行っていただきたいと、これ強く要望をしておきたいと思います。  加えて、リースという話がなぜ出てくるかというと、会計年度が一月から十二月までだというので、十二月までにその高いロードスイーパーが納車をされないと補助の対象にならないと。ですから、大体六か月ぐらい納車に期間が掛かるというので、六月には買う買わないという判断をしなきゃいけないと、地元としては。  だけれども、噴火で大変な灰が降るというのは夏場が多いわけですよね。ですから、今回のように七月、八月というところでどか灰が降って、どうしたって必要だということになっているのに、地元では発注ができないという。前倒しをすると補助がされなかったときには自己負担が大変重いということになるわけですから、そうしたジレンマがないようにリース方式というのが検討されていると思うんですね。  これ、つまり地元の負担をなくすためということなわけですから、そういう意味で、国交省としても積極的にそういう立場で支援するということでよろしいですか。
  139. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 委員指摘のとおり、購入方式によります課題等ございます中で、地元鹿児島市においてはリース契約方式ということで、その点でのいろいろなメリットも考えて今検討していただいているというふうに承知をしているところでございます。
  140. 仁比聡平

    仁比聡平君 農道についてもちょっと伺いたいんですが、農水省おいでだろうと思いますけれども、この降灰、灰が、どか灰が降るということで、これが農道にたまれば、当然そこを走る農業用の作業車はもちろんですが、車はスリップをして事故を起こしかねないとか、あるいは巻き上げ、灰を巻き上げることによって周辺の農作物などへの甚大な影響があるということで、この農道の灰の除去ということももっともっと進めなきゃいけないということになっているわけですけれども、その事業の補助基準についてもっと明確にして、もっと活用できるようにしてほしいという要望はかねてからあると思います。いかがでしょうか。
  141. 小林祐一

    政府参考人(小林祐一君) 農道につきましては、降灰により交通に著しい妨げとなることが適用要件となりますが、委員今おっしゃられましたが、降灰の性状でありますとか、あるいは路面の状況でありますとか、あるいは傾斜、勾配、そういった様々な要因がございまして、その降灰の厚さで単純に算定するのは難しいというような実態にございます。こういったことを踏まえまして、それぞれの現場での状況を見ながら、それぞれに応じて判断することとしております。  例えば新燃岳の噴火、平成二十三年にございましたが、そのときには実車の実験を行いまして、降灰の厚さが十ミリメートル以上の場合には災害復旧の対象とするというような基準で運用したところでございます。  以上でございます。
  142. 仁比聡平

    仁比聡平君 新燃岳の噴火のとき、委員各位も行かれたことがおありかと思いますけれども、もう桜島の今現状のどか灰どころの話ではなかったわけですよね、それは。ですから、先ほどのように災害復旧事業としてという対応にもなるし、車のスリップどころか、わだち、もう埋まって動けないというようなくらいの灰でした。  そこに至らなければその農道についての除去の補助がうまく進まなくてもいいかといったら全然そんなことはないわけでありまして、今の基準では使いにくいという声が強く出されているわけですから、これは正面から受け止めていただきたいと、今日のところは強く求めておきたいと思います。  いずれにしても、灰の性状などのお話がありましたけれども、農道の利用が早く速やかに整うようにという立場で臨んでいかれるということでよろしいんでしょうか。
  143. 小林祐一

    政府参考人(小林祐一君) 委員指摘のとおり、そういうような被害が生じないように意を体していくという、いろいろな検討課題はあるかと思いますが、委員指摘のとおりだと思っております。
  144. 仁比聡平

    仁比聡平君 もう一点、これは今日、要望だけにしておきたいと思うんですけれども、農業生産のかかわりで、鹿児島、南九州いずれもですけれども、ビニールハウスが大変重要です。それで、そのビニールハウスの設置のときには様々な補助の事業があるわけですけれども、これが台風でハウスが壊れたというときには、その再建のために補助があるわけですが、灰がどんどんどんどん降って特にビニールが劣化してしまうといった場合の張り替えには、現状では補助がどうやらないようなんですよね。  ここについて、是非張り替えについての補助をという声を強く伺ってまいりました。中には硬質ハウスといって、台風に強い、耐候性の強いということだと思いますけれども、しっかりしたハウスに関しては、普通のハウスとは違って、その張り替えは業者さんに頼む必要があって、そのためには数百万円というような、もちろんハウスの規模にもよるんでしょうけれども、費用が掛かって、到底自己負担ではできないと。したがって、十何年も張り替えていないというところも多いというふうに私の方では伺っておりまして、こういう生産者の苦しみが軽減されるように、是非新たな補助ということも含めて検討をしていただきたいということを今日は御要望申し上げておきたいと思います。  それで、文科省にもおいでいただいていると思いますが、学校なんですね。垂水市の小学校、中学校にどうやら多いようなんですが、校庭にも当然どか灰が降るわけです。降ったときに、芝生が生えているところは灰を除去することがきっとなかなか難しいんですね。それで、グラウンドの方、土だけのところ、ここは案外灰が除去されていくと。だけれども、芝生のところは積もったままで更にその上に降り積もるという形になって、そうすると、芝生はその上に伸びていこうとするので、グラウンドの面から芝生の長さというか、高さといいますか、芝生が生えているところが段差がすごく高くなって、子供たちに支障が生じる。だけれども、この芝生を張り替えるということについてはなかなか現状難しいということになっているようなんですね。  この対策是非速やかにできるようにお願いしたいと思うんですが、いかがですか。
  145. 関靖直

    政府参考人(関靖直君) 火山の噴火に伴い学校の校庭等に堆積しました火山灰の除去につきましては、降灰除去事業といたしまして国庫補助の対象としておりまして、校庭の芝生のある部分につきましても、降灰除去、収集や運搬及び処分でございますが、これらの補助の対象としているところでございます。  今お話ございました芝生の張り替えということでございますが、長年の降灰が除去されずに堆積した場合の芝の張り替えにつきましては、一定の要件はございますが、屋外教育環境整備事業の一環としての芝の整備ということもございます。そういったものなどによる支援が考えられるところでございまして、具体的な要望があれば、よく関係の地方公共団体の話を聞きながら相談をしてまいりたいと考えております。
  146. 仁比聡平

    仁比聡平君 今御紹介があった現状のその屋外教育環境整備事業なんですが、これは事業費が一千万円以上で、加えて平成二十六年度までの時限事業なんでしょうかね。これではちょっと使いにくいというのが現場の様子のようですが、もっと柔軟に、何しろ学校のグラウンドがそんな状態になっていたら困るじゃないですか。何とかなりませんか。
  147. 関靖直

    政府参考人(関靖直君) 今御説明を申し上げました屋外教育環境整備事業、事業費が排水や舗装などのグラウンド整備等と合わせまして一千万円を超える場合に対象となるものでございまして、二十七年度以降の延長につきましては現在のところ未定でございますが、こういった制度の活用、あるいは日本スポーツ振興センターが行いますtotoの助成における事業などもございます。  こういった制度どもございますので、そういった制度の活用を含めまして、関係自治体からの具体的な要望があれば、よく状況をお聞きしながら相談をしてまいりたいと考えております。
  148. 仁比聡平

    仁比聡平君 大臣、お聞きになったとおり、どか灰に対する対策は何とかしようとしながらも、なかなか、被災地、被災者のニーズとの関係でいうと、突破すべきことがもっとたくさんあるんですよね。大臣として感想を一言伺いたいと思います。
  149. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 二十一年以降、桜島は爆発が増えて、降灰量多く、これはよく承知しております。  今、国交省、農水省、それから文科省から答弁もございまして、言わば活動火山対策特別措置法に基づいてそういう対応をしておりますので、引き続き、しっかり現地の要望を聞きながらそういった支援をしていくように、関係省庁がしっかり連携して対応していくように、私からも督励をしてまいりたいというふうに思います。
  150. 仁比聡平

    仁比聡平君 よろしくお願いします。終わります。
  151. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 日本維新の会の室井でございます。よろしくお願いをいたします。七番目の質問でございますので、多少それぞれ重複するところがあるかも分かりません。ひとつ御協力のほどお願いを申し上げます。  まず、こういうことを申し上げたいと思います。この日本の国の河川、これは平成二十四年四月三十日、国土交通省の発表でありますけれども、二万一千百二十九の河川、川がございます。そして、そこにはもちろん鉄橋とかそういう橋が架かっております。また、御承知のとおり、日本の国は平地が少なく、崖っ縁に近いところで道路や家そして鉄道が接近して造られている、こういうことでございますが。  またさらには、日本海溝にプレートがあり、いつ南海・東南海地震が起きるかも分からないという、小松左京さんでしたか、「日本沈没」というような本が出、三百八十万部というベストセラーを生み出したという、こういうことも想定した本が書かれました。  またさらには、この日本列島に三千を超す活断層が走っております。そして、まれに見る火山大国、まれに見る地震大国と、こういう国でありまして、そういう中で、この防災に関係しているもちろん皆様方におかれましては、もう大変な御苦労と、また昼夜問わずそれぞれ現場、またそういうところで頑張っていただいている方々、もちろん古屋防災大臣もそうでありますけれども、私は純粋に皆さん方に心から御苦労に対して敬意を表したい、このように思っておりますが、もうお互いに責務でございますから、国民、そして生活を、一人でも人命を失うことがないように対応していただきたい、そういう面から、幾つか私なりに気になるところ、また質問というよりも改めて確認をしておきたいな、こういうところございますので、今からその質問をさせていただきたいと思いますが。  まず、その前に、フィリピンを襲った台風三十号、このような超大型の台風が恐らくこれから日本にも来るんじゃないか、まずこういう我々は心配をするわけであります。今回は、風速九十メートル、そして十二日現在で犠牲者が千七百九十八人と聞いておりますし、邦人、連絡付かない日本人の方々が百名近くおられると、これはもうそういうふうに聞いております。またさらに、一万人近い人が犠牲になったんじゃないかということまで聞くわけでありますけれども、それほど甚大な被害が出ている、予想されているという、こういう災害でありますが、このような、いわゆる日本の国に襲来したときにどのような防災、また減災対策が考えておられるのか、お聞かせをください。
  152. 古屋圭司

    国務大臣(古屋圭司君) 確かに日本災害が多い国ですから、特に台風もそのリスクの一つですね。そのためにも国土強靱化基本法というのは、どんな災害があっても致命傷を負わないというようなことでお願いをしておりまして、是非、議員立法ではございますが、是非この法案の早期成立、そしてその具体的な政策の遂行をしてまいりたいと思いますので、是非委員におきましても御協力をお願いを申し上げたいと思います。  今委員の御指摘は、その台風に対してどういう対策、これは都市部とかいろいろありますね、地方とか。ただ、やはり一番懸念されるのは大都市で、例えば利根川とか荒川が河川が増えて、それがはんらんをしたときの対策、これが大きいですね、やっぱり影響する人たちも多いでしょうから。  中央防災会議で専門調査会を設置をして二十二年に最終報告書を出しまして、そして、内閣府は先週の十一月八日から、国とか都道府県とか市町村、そして道路管理者及び関係セクターの方が集まりまして、そういった首都圏の大規模の水害対策の協議会を発足をさせまして、そういった水害に対してはソフト、ハード両面でどういう対策をしていけばいいのかということを検討を始めておりまして、我々としては、そういった大規模な台風台風の場合は風ももちろんですけれども、水害というリスクもありますので、そういった対策を講じてできるだけ被害を食い止めていく、このために国も積極的に取組をしていきたいと思っております。
  153. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 よく分かりましたけれども、今までの台風とはちょっと事情が違うというか、これだけの、九十メートル近い台風日本には恐らく八十メートルか、多少台風の力が衰える、そのようなこともお聞きしておりますけれども、これだけの台風がもし日本に襲来したときに、もちろん今までの対応策じゃいけないとは思うんですけれども、その点を少しもう一度確認をしたかったんですが、いずれにしましても想像を絶するようなことにもなりますし、このような台風が来ても十分に対応するんだという心構えを是非していただければ有り難いなというふうに思います。  続きまして、原子力、私もくどいように、小泉さんじゃありませんが、ちょっとこの原子力のことについて非常に気になることがあります。それは、原子力銀座と言われているところがあります。それはもう御承知でしょう。福井県では十三基の原発があるということで、なぜ一つの県に十三基の原発を建築してきたのかな、それ自体私は理解ができない。また、そこに一千四百万人の水がめと言われる琵琶湖があると。関西人としてそういうことを考えると、まあ私は関西でありますから、黄砂、中国の、これが季節風か偏西風か風向きによって、車を置いておくとほとんどの車が黄色っぽくその黄砂がかぶると。こういうことを頭に入れていただきますと、この原発の一つから大規模な事故が発生したら、これ、どうなるんだろうかという、こういう恐ろしさを私は常日ごろ思っているんです。  こういうことになると、一千四百万人もの関西人の飲み水はどうなるか。また、関西が滅亡するんじゃないか、経済も何もかも西日本はストップしてしまって、日本の国全体が歯車が狂ってくる。こんなことは考えたくないんですが、いつどこで何が起きるか分からない。十三基の原発の一基がそうなってしまうと、非常に恐ろしいものを感じているんです。  こういうことを考えたときに、もちろん、PM二・五も日本の国にどんどん北から南下していっておりますから、十三基の原発は、日本海側、この風に乗って流れると、京都や大阪や滋賀県や兵庫県は完全に汚染されると。こんなことを、嫌なことを考えたくないんだけれども、考えてしまうんです。  こういうことに対して政府はどのような対応を検討されているのか、また、そのような事故が起きた場合のハザードマップは作成されているのか、是非お聞かせをいただきたい、このように思います。
  154. 黒木慶英

    政府参考人黒木慶英君) まずもって、琵琶湖の飲み水に影響を与えないということが一番大事なことでありまして、原発につきましては安全が最優先ということで、現在、原子力規制委員会において、東電福島第一原発の事故の教訓を踏まえまして新規制基準が策定されており、これに対する適合性が同委員会によって厳格に判断されることとなると承知しております。  その上で、原子力災害が起きた場合にも周辺住民被害から守ることができるよう、国の防災基本計画やあるいは原子力規制委員会から出されました原子力災害対策指針に従いまして各自治体地域防災計画を作成することとなっております。  去る九月三日、総理を議長とします原子力防災会議におきまして、住民避難の計画を始めとして、地域防災計画を充実強化していくための議論自治体の枠を超えて行うため、原子力発電所の立地地域ごとに関係府省と関係自治体をメンバーとするワーキングチームを設置すること、及び国を挙げてこのワーキングチームの取組支援することを決定し、現在支援を開始しているところでございます。福井県につきましては、いわゆる福井エリアということになりますけれども、そこについては、当然メンバーの中には滋賀県も入ってございます。  このワーキングチーム、先般開催されましたけれども、その場におきまして、滋賀県の方から同様の論点が提起されております。放射性物質の拡散に関する試算、恐らくこれはハザードマップという御趣旨だと思いますけれども原子力規制委員会や滋賀県等で実際取りまして、そのような試算結果を踏まえた取組についても、このワーキングチームの場、この枠組みで支援することができると考えておるところでございます。  私からは以上であります。
  155. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 実は、数年前、私、この同じ質問をしているんですよ。アメリカの原発の事故、それから各学校にハザードマップ、小冊子を皆、各地域に配付しているということがあったんです。今回の東日本大震災のことがあって私も質問したことがあるんですが、いまだに作成中と言われたんですか。そういうものが、五十四基の原発があるところの地域には既にそういう想定したものをもう当然できていなかったらいけないんじゃないのかな、このように私は思うわけでありますが、進捗状況がどういう状況なのか、ちょっと今分かりにくかったもので、もう一度おっしゃっていただけませんか。
  156. 黒木慶英

    政府参考人黒木慶英君) ハザードマップといった場合には、恐らく特定の地域、特定の地点における危険の種類であるとか危険の程度、そういった情報を一つの地図に落とし込むといったやり方だと思いますけれども、原子力事故というのは要するに放射性物質の大気中への拡散でございますので、なかなか、風向きであるとか、あるいは現実にどれだけの放射性物質が放出されたのか、いろんな要素がございまして、なかなかハザードマップみたいに特定の地点、例えば、その地点において過去こういった形で多くの土砂崩れが起こったみたいな、そういった被害経歴ですね、そういったものが要するに原子力災害の場合、蓄積されるというものでもございません。そういったことから、基本的にはハザードマップの作成というのは大変難しゅうございます。  したがいまして、多く取られるのは、基本的にはシミュレーションという形で、どういう形で要するに放射性物質が拡散していくのかという形の試算結果を住民皆さんにお示しするといったような形の対応を取っておるところでございます。ただし、シミュレーションにつきましても、当然のことながら、初期条件であるとか、あるいは計算コードであるとか、そういったことを踏まえた場合には必ずしも同じ結果を生み出すものではございませんで、場合によってはかなり結果が違うようなこともございまして、そのシミュレーションが正しいものとしてハザードマップを作れるというような状況でもございません。したがいまして、ハザードマップについては現時点においては作ってはございません。  以上です。
  157. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 これから作ろうとされるんですか。  やはり、いつどこで何が起きるか分からない、想定外のことが起きるわけですよね。このように、原子力発電所の放射能漏れがこれだけ恐ろしい結果になり、いまだ二十八万人の人たちが避難を余儀なくされているとか、こういう現状の中であるわけでありますから、私としては、難しいことかも分からないけれども、その五十四基の原発のあるところの地域、こういうことを想定し、こういうことがあればこういうふうに逃げよう、こういうふうにしようということぐらいのそういうものがやはりないと、あなたの説明では、非常に難しく、いろいろと、なかなか絞り込めないというか難しいと、だから、その避難路、またハザードマップができないということでしょうけれども、やはりこれ、もう国が積極的に努力をして推し進めていただくことによって一つの地域住民の心の安定剤というか、そういうことにもなると思うんですよね。ですから、何かしっかりとしたそういう、この小さな国に五十四基の原発がある以上、事何か起きればこのようにしよう、こうしていこうというようなことぐらいはやはり分かるように何か作っていただければ有り難いな、要望にしておきます。  ちょっとこれ、何かある。短めにしてください。
  158. 黒木慶英

    政府参考人黒木慶英君) 一言申し上げますと、もう既に、ハザードマップはできませんけれども、五キロメーター、三十キロメーターという形で、どういう形で避難をするかについての避難計画の策定に入っておりまして、大体地方自治体の約三分の一において今既に具体的な避難計画ができかけつつあるところでございまして、まさに先生御指摘のとおり、いざのときにどうするかということも含めまして、具体的な計画の策定の段階に入っております。ハザードマップという形にはなっておりませんけれども、そういう対応をしております。  以上です。
  159. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 分かりました。よろしくお願いを申し上げます。  東日本の大震災、死者、今現在一万五千八百八十三名、行方不明者は二千六百五十四名、今申し上げたように、避難を余儀なくされ生活をされている方々が約二十八万人近いという、戦後最大規模の災害であります。将来発生する災害対応を強化し、災害に強い国土づくりが改めて重要になっている、こういうことが言えますけれども。  さて、二〇二〇年に、先ほども委員の方から質問もございましたけれども、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックが東京において開催をされることによって、東京の一極集中が更に加速を増すということであります。その結果、首都圏における大規模地震への対応、これはもちろん近々の課題として強く意識し、万全の体制を期していくということが大切でありますが、この首都東京はもちろん政治の中心であり、経済、文化などの各分野の中心的な役割を併せ持っておりますが、複合的な機能が集積する中心都市であるがために、東京圏に大規模自然災害が発生したとき、人的被害また建物の被害、そして経済的な被害が極めて、無論甚大になるわけでありますが、首都直下地震が発生した場合、被害を最小化させるための防災・減災に取り組まれようとしておりますが、その内容、どのような対応をしていこうというふうに考えておられるのか、御説明をお願いをしたいと思います。
  160. 日原洋文

    政府参考人(日原洋文君) 委員指摘のように、首都直下地震等が起きました場合には甚大な被害が予測されるところでございます。被害の内容としては、人的被害のほか物的被害、さらには経済的被害、あるいは国家中枢にかかわるものという、いろいろ想定されるところでございます。  まず、人的、物的被害の軽減のためには耐震化の促進ということが最も重要でございまして、住宅、建築物等の耐震化の促進に努めているところでございます。また、関東大震災の経験を踏まえれば、火災の抑制、防止ということも非常に重要でございますので、家屋の延焼等を減らすために特に危険性の高い木造密集地域の解消等に取り組んでいるところでございます。  また、経済被害等を考えますとライフラインの確保というものも非常に重要でございますので、そういった道路、あるいは鉄道等の交通インフラ、ライフラインの耐震化というものも進めているところでございます。  さらに、首都機能の継続性とBCPのようなものでありますとか、あるいは首都東京で見ますと、経済的な影響も全国に及ぶ可能性がありますので、代替サプライチェーンの確保のようなことも、これは民間企業の方が中心になっておやりになることでございますけれども、そういったことも進めていく必要があると考えています。  現在、東日本大震災の教訓を踏まえまして、首都直下地震対策全般にわたる見直し作業を進めているところでございますので、今後とも関係府省庁と十分な連携を取りまして対策の推進に努めてまいりたいと思っております。
  161. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 室井邦彦君、おまとめください。
  162. 室井邦彦

    ○室井邦彦君 終わります。
  163. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  御退席ください。ありがとうございました。     ─────────────
  164. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のうち、南海トラフ地震及び首都直下地震に係る地震防災対策に関する件の調査のため、参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  165. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十七分散会