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小坂憲次君
大臣に現場とのコミュニケーションの充実を賛同していただいた後でそういうお話をしようかなと思ったんですが、さすが
大臣でありまして、私もここに紙持ってまいりました。
避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインの改定についてという形で、今おっしゃったことが紙になっているということを
確認させていただきました。
大臣の御
指示だと思います。
このように、的確に、市町村の
避難勧告等の
発令の
基準が曖昧な
ケースがあって、明確化が必要だと。そして、おっしゃったように、待ちの姿勢でなくて、お互いに日常的なコミュニケーションを図って、国が言ってくれば言ってやるよという話ではなくて、双方のコミュニケーションを図ることによって充実させていく。また、最終的に自分の命は自分で守るということのその意識をやはり持っていただかなければ、なかなか
警報を出してもそれに
対応していただけないということもあるわけですから、そのことに言及していただいて記者会見までされた。私は、大変にすばらしいことだと思って、僣越な言い方かもしれませんが、高く評価をさせていただきたいと思っております。
そのようなことを重ねることによって強靱化、あるいは安心、安全の暮らしというのが実現することだと思いますので、引き続きよろしくお願いを申し上げます。
さて、次に、先ほどの
災害報告、
現地報告の中でもありましたが、
砂防堰堤が食い止めたということの話がございました。お手元に写真を配らせていただきましたので、若干の
説明をさせていただきたいと思います。
一枚目は、今回の
大島町の事例でございまして、ここにありますように、三番目の大金沢本川
堆積工という部分と、四番目の八重沢
堆積工、この中間部分にオレンジ色の細い線で囲った部分が今回の
災害発生現場でございます。これで見てお分かりのように、一番下の八重沢
堆積工の下流部分はこの
堆積工によって守られているんですね。この堰堤が効いたということです。
大金沢本川の
堆積工につきましても、この写真でいえば、その下にあります丸のところに堰堤があるわけですが、この写真から見れば上部部分、上下の
関係でいえば下流部分でございますが、これは
被害受けないで守られたということであります。
大金沢の支川の
堆積工も、その上の茶色く崩れた部分の
土砂がそこの堰堤で止まり、その下部には行かずに緑が残っている。長沢支川の
堆積工も同様でありまして、その下に青い筋で書いてありますが、もしこの堰堤なかりせばこの青点線の部分に
被害が及んだであろうという部分でありまして、堰堤の効果が見られる例でございます。
一枚めくっていただきまして、熊本県の球磨郡の例もそうでございまして、一番右の上に捕捉前、すなわち
災害発災前の、
災害といいますか、
土石流発生前の堰堤の姿でありまして、二番目の真ん中の部分が
土石流がその堰堤で食い止められた、そういう形でございまして、それを上部側からよく下の方も見通してみますと、このような
状況で、茶色い水がたまっていますが、その下流部分に
被害は及んでないと。左側の大きな写真で見ていただいても、そのことが
確認できるわけでございます。
三枚目にあります長野県の岡谷市の間下の部分でございますが、ヒライシ沢と言われる
防災堰堤が
平成十六年に完成をいたしまして、そのおかげで、十八年の七月二十四日の時点でこのように
流木等が堆積をしてもう満杯の状態になりましたけれ
ども、左側の写真のように黄色い網掛け部分は守られて
災害がなく、病院も老人ホームも大丈夫だったということでございます。
その後、下伊那の梨子野川
砂防堰堤の例が書いてございますが、同様でございます。右下にあります
家屋には、流出の
土砂により人家が埋没するという
状況になってしまいました。これは、その上の写真を見ていただきますと分かるように、井ノ洞と書いてありますが、ここの沢には堰堤がないんでございまして、そのために人家にまで
被害が及んだと。左側の梨子野川の方は
砂防堰堤があったために、その下流部分には
災害が出なかったという例でございます。明暗を分けたということでございます。
それから、
東日本大震災の翌日の三月十二日に地震がありました下水内郡の栄村でございますが、長野県の栄村、ここの中条川というところに大きな橋が架かっておりましたが、これは地震で落ちて、そのときにも話題になりました。しかし、ここに
平成二十五年に
砂防堰堤が完成しておりまして、現在、雪解けによる
土砂の再移動に備えて堰堤に堆積した
土砂を除去中でありますけれ
ども、この堰堤も、造ったときは上のような状態で十分にまだ余地があったんですが、今はもういっぱいになってしまって、もうこれ以上もし
土砂が来ると支え切れないという
状況にありまして、このように不断の努力によって
土砂災害を食い止めている姿、そこの中で活躍している堰堤の姿が見ていただけると思います。この栄村は、九月十六日の
台風十八号による
大雨で
土石流が
発生した姿でございます。
このように、堰堤というのは日ごろは、前政権においては無駄だと言われたこともございました。しかし、このように非常に有効に機能しておりまして、この中で更にこの機会にお願いしたいことの
一つは、実際には、これらの堰堤を造ればこれだけ有効でありますけれ
ども、今年の六月の
災害対策基本法の改正を受けまして、
住民の円滑かつ安全な
避難の確保に向けて、市町村長は安全性の一定の
基準を満たす
施設又は
場所を緊急時の
避難場所としてあらかじめ
指定しなければいけないと、このようになっております。しかしながら、長野県を例に取りますと、中山間でございまして、山間地の多い県においては、一定の
基準を満たす
施設というのを選定しようとしても、実際にはそれが
土砂災害の危険
地域内にあって、その
施設を
指定してもいざ
発災すれば危険が及んでしまうという
状況にある、そういうところが多いんでございます。
また、これを数でちょっと調べてみましたが、長野県の場合、県内の
避難箇所は四千百九十
施設あるんです。そのうち
土砂災害のおそれのある区域に立地する
避難所、これは重複等がありますので、千九百五十三というふうな数字はありますが、実際には、絞って絞っていきますと、八十七
施設が、これは
避難所として
指定をされましても、その
地域は
避難区域内にあって、
避難しなければいけない
地域内にあるという
状況であります。これらを守る方法は、その上流部に堰堤等を造ってこれを防ぐことでありまして、また
避難所及び
避難路の安全確保について是非とも緊急に整備する必要性を訴えたいと思います。
また、
砂防堰堤、先ほど見ていただいた中にも、
土砂が流出によりまして満砂の状態、砂がいっぱいになっている状態になっている部分が多いんですね。機能回復させるためには、今回の
大島の
作業のように、しゅんせつ、除石を行わなきゃいけないわけです。しかしながら、現行制度においては、これらに対する、石を除く除石あるいはしゅんせつ
作業は補助事業、交付金事業の対象とはなっておりませんので、都道府県財源では
対応に苦慮をするという
状況にあります。急速に進みます社会資本の老朽化等に備え、それらの
対策を確実にするためにも、維持管理に係る補助、交付金制度、これを是非ともつくっていただきたい。
砂防堰堤の除石補助事業をお願いをしたいと思っております。
時間がだんだん迫ってまいりましたので少し急ぎたいと思いますが、瓦れきの処理についてお願いをしたいと思います。
今回、
激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律、いわゆる激甚法によりまして局地激甚の
指定を受けるということになったというふうに内定をしたということを聞いております。今回の
大島の局激の
指定でございますけれ
ども、大変に速やかに判断をしていただいたことは有り難いことだと思っております。
今後、
復旧作業が進むに従いまして、
災害瓦れきの処理が問題になってくると思っております。瓦れきの処理費用は、これ一体誰が負担するんでしょうか。環境省から、よろしくお願いします。