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2013-11-01 第185回国会 参議院 災害対策特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十五年十一月一日(金曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  十月二十四日     辞任         補欠選任      仁比 聡平君     吉良よし子君  十月二十五日     辞任         補欠選任      徳永 エリ君     小見山幸治君  十月三十一日     辞任         補欠選任      吉川 沙織君     相原久美子君      吉良よし子君     仁比 聡平君  十一月一日     辞任         補欠選任      舞立 昇治君     堀井  巌君      仁比 聡平君     吉良よし子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         竹谷とし子君     理 事                 小坂 憲次君                 松下 新平君                 牧山ひろえ君                 西田 実仁君     委 員                 磯崎 仁彦君                 高野光二郎君                 柘植 芳文君                 長峯  誠君                 羽生田 俊君                 馬場 成志君                 堀井  巌君                 舞立 昇治君                 吉川ゆうみ君                 相原久美子君                 小見山幸治君                 那谷屋正義君                 野田 国義君                 柴田  巧君                 吉良よし子君                 室井 邦彦君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        古屋 圭司君    副大臣        内閣府副大臣   西村 康稔君        環境副大臣    井上 信治君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        亀岡 偉民君        農林水産大臣政        務官       横山 信一君        国土交通大臣政        務官       土井  亨君        国土交通大臣政        務官       中原 八一君    事務局側        常任委員会専門        員        田中 利幸君    政府参考人        内閣府政策統括        官        日原 洋文君        総務大臣官房審        議官       青木 信之君        総務省総合通信        基盤局電気通信        事業部長     安藤 友裕君        消防庁国民保護        ・防災部長    室田 哲男君        文部科学大臣官        房審議官     藤原  誠君        文部科学大臣官        房審議官     義本 博司君        文部科学大臣官        房審議官     磯谷 桂介君        厚生労働省社会        ・援護局障害保        健福祉部長    蒲原 基道君        水産庁長官    本川 一善君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        森北 佳昭君        国土交通省水管        理・国土保全局        砂防部長     大野 宏之君        国土交通省海事        局長       森重 俊也君        観光庁観光地域        振興部長     吉田 雅彦君        気象庁長官    羽鳥 光彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)  (平成二十五年台風第二十六号、第二十七号及  び前線による大雨被害状況及びその対応に関  する件)  (特別警報の運用の見直しに関する件)  (災害れき処理への財政支援に関する件)  (避難勧告等発令在り方に関する件)  (災害情報伝達手段多重性に関する件)  (大島町の復旧復興への取組に関する件)     ─────────────
  2. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  平成二十五年台風第二十六号により亡くなられた方々に対して、御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。  どうぞ御起立を願います。黙祷。    〔総員起立黙祷
  3. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 黙祷を終わります。御着席ください。     ─────────────
  4. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 委員異動について御報告いたします。  昨日までに、徳永エリ君及び吉川沙織君が委員辞任され、その補欠として小見山幸治君及び相原久美子君が選任されました。  また、本日、仁比聡平君が委員辞任され、その補欠として吉良よし子君が選任されました。     ─────────────
  5. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官日原洋文君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、去る十月三十日に行いました平成二十五年台風第二十六号による被害状況等実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。牧山ひろえ君。
  8. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 去る十月三十日、東京大島町において、平成二十五年台風第二十六号による被害状況等実情調査してまいりました。  参加者は、竹谷とし子委員長松下新平理事小坂憲次理事西田実仁理事柴田巧委員吉良よし子委員室井邦彦委員、そして私、牧山ひろえの八名であります。  なお、今回の調査は、衆議院災害対策特別委員会との合同により実施いたしました。  現地調査概要を御報告いたします。  マリアナ諸島付近発生した台風第二十六号は、東日本、北日本の太平洋側中心大雨をもたらしましたが、特に、東京大島町では、台風がもたらす湿った空気の影響により、一時間に百ミリを超す猛烈な雨が降り、二十四時間雨量が八百二十四ミリに達するなど記録的な大雨となりました。  この雨量は、例年の十月の雨量の二倍を超すものであり、十月十六日未明に、大島元町神達地区において、流木を伴う大規模土石流発生し、十月三十日現在で、死者三十三名、行方不明者九名、住家被害確認されただけで全壊四十六棟、半壊四十棟、未確認被害を含めれば数百棟に達すると予想されるなど甚大な被害が生じております。  私どもは、まず、伊豆大島岡田港到着時に、船内で、犠牲者に対して黙祷を行った後、大島町役場に赴き、川島大島町長東京危機管理監東京大島支庁政府現地災害対策室より、台風第二十六号による被害状況台風第二十七号等への対応状況、応急・復旧対応現状等について説明を受けるとともに、大島町の基幹産業である観光への対策被災者住居確保被災地域まちづくりについての取組農林水産業被害状況災害瓦れき処理における課題避難勧告指示発令における課題土砂災害時における避難在り方土砂災害ハザードマップ作成状況等について、意見交換を行いました。  次いで、衆参両委員長が、調査団を代表して、大島開発総合センターに設置された避難所を訪問し、避難されている方々にお見舞いを申し上げ、激励をいたしました。  その後、現地視察に赴き、まず、家屋崩壊等被害が生じた元町地区被災現場を視察いたしました。発災当時、流入した流木土砂により地域内への立入りすら困難な中、消防等による懸命の救出活動が行われたとのことであります。渓流内の土砂は大半が除去されておりましたが、住宅地には依然として大量の土砂が残されておりました。また、一階部分が土石流によりそぎ落とされた建物、大きく損壊したガソリンスタンド等が残されており、土石流のすさまじさを目の当たりにしました。  次いで、八重沢の堆積工を視察しました。今回の災害においては、土砂災害危険渓流において整備された砂防堰堤土砂をせき止め、川下の小学校や市街地を直撃するのを防いだとのことであります。この施設も流下した土砂をせき止め、川下にある発電所伊豆大島火山博物館などへの被害を未然に防止したと考えられます。現在、二次災害を防止するため、堆積した土砂を除去する作業が行われておりました。  次いで、最も深刻な被害を受けた神達地区を視察しました。当地区では、山腹の表層崩壊による大量の土砂が集落を埋め尽くし、多くの人命が失われることとなりました。自衛隊消防等による行方不明者捜索堆積土砂搬出作業が行われている状況でありましたが、原形をとどめない自動車が放置されたまま残されているなど、復旧にはなお時間を要するものと思われました。  最後に、大宮沢の溶岩導流堤を視察しました。この施設は、三原山からの溶岩流を食い止めるために計画され、本年度に完成を予定されておりましたが、今回の災害において、発生した土石流を迂回させ、流域の人家への被害を防止する効果があったとのことです。  私どもは、この調査を通じまして、大規模土砂災害対策の一層の充実を図る必要があることを再認識いたしました。また、今回の災害は、避難勧告指示発令在り方についても教訓を残しており、これまでの経験にとらわれることなく、地域防災対策を検証することが喫緊の課題であることを痛感いたしました。  以上が、調査概要であります。  最後に、今回の調査に御協力いただきました皆様に心から御礼を申し上げ、行方不明者の一刻も早い発見と被災地の一日も早い復旧復興をお祈りして、派遣報告とさせていただきます。
  9. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 以上で派遣委員報告は終了いたしました。  次に、平成二十五年台風第二十六号、第二十七号及び前線による大雨被害状況及びその対応について政府より報告を聴取いたします。古屋防災担当大臣
  10. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 国土強靱化担当防災担当大臣古屋圭司でございます。  東日本大震災を始め、豪雨台風等一連災害によりお亡くなりになられた方々と御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災者方々に心からお見舞いを申し上げます。  我が国は、その自然的条件から各種の災害発生しやすい特性を有していると認識しております。こうした我が国特性を踏まえ、防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務であるとの認識に立ち、災害に対し強くしなやかな国づくりを進めてまいる所存です。竹谷委員長を始め、理事委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。  台風二十六号及び二十七号及び前線による主な被害状況及びその対応につきまして御報告を申し上げます。  まず、台風二十六号につきましては、十月三十一日時点で把握しているところでは、全国死者三十八名などの被害発生しました。特に東京大島町においては、土砂災害により死者三十四名の甚大な被害発生しました。また、依然として七名が行方不明となっており、現在も捜索を実施しています。  この災害によりお亡くなりになられた方々に対し、謹んで哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。  政府としては、総理からの指示を踏まえ、これまでに九回、関係省庁災害対策会議を開催することなどにより、関係省庁一体となって対応してまいりました。  十月十九日には、被害状況現地課題確認するため、私自身が団長となり、政府調査団として大島町に参りました。現地を目の当たりにして改めて極めて甚大な被害であることを認識するとともに、台風二十七号の接近が懸念される中、住民避難や二次災害防止対策が重要であると考え、これらを迅速かつ的確に実施するため、内閣大臣官房審議官を室長とする政府現地災害対策室の設置を決定しました。  現地における対応としては、行方不明者捜索避難勧告等に関しての技術的助言、救援のための人員や物資の輸送、入院をされている方の都心の病院への搬送、高齢者等島外への避難支援及び大島町内土砂災害危険箇所緊急点検などについて、政府現地災害対策室中心に、自衛隊、警察、消防海上保安庁及び国土交通省を始めとして政府一体となって対応してまいりました。  さらに、台風二十七号の大雨等対応については、総理から関係省庁に対して御指示をいただいたことを踏まえ、私からは国民皆様に対して、空振りを恐れず積極的に避難していただくよう呼びかけを行いました。幸いにも、台風二十七号においては、大島町を含め全国においても大きな被害発生しませんでした。  二十七日には、総理現地において被災状況調査及び大島町長等との意見交換をしていただきました。地元からは、激甚災害指定住宅再建などの被災者支援について御要望がありました。激甚災害については、大島町において、農地等復旧及び中小企業への助成についての指定基準に達する見込みとなりましたので、来週中の閣議決定に向けて速やかに所要の手続を進めてまいります。  今回の災害では、リードタイムのある台風であったにもかかわらず大きな被害発生しており、気象情報提供方法自治体避難勧告在り方などの課題も明らかになりましたので、これらを含め、関係省庁とともに検証し、今回の災害を今後の教訓として生かしてまいります。  大島町においては、依然として行方不明の方々がおられることから、行方不明者捜索を行うとともに、災害復旧被災者生活再建支援など、被災者方々が一日も早く安心した生活を送ることができるよう、引き続き関係地方公共団体と連携を密にし、政府一丸となって対応に万全を期してまいります。
  11. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 以上で政府からの報告聴取は終わりました。  この際、西村内閣府副大臣及び亀岡内閣大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。西村内閣府副大臣
  12. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 国土強靱化担当防災担当大臣西村康稔でございます。  東日本大震災以来、様々な災害豪雨台風竜巻等災害によってお亡くなりになられた皆様方、御遺族皆様方に対して深く哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  災害から国民の生命、身体、財産を守ることは、国政の最も重要な課題一つというふうに認識をしております。担当の副大臣として古屋大臣を補佐し、一連災害からの復旧復興、今後の災害対策と強靱な国づくり全力で取り組んでまいります。  竹谷委員長を始め、理事委員各位の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
  13. 竹谷とし子

  14. 亀岡偉民

    大臣政務官亀岡偉民君) 国土強靱化担当、それから防災担当政務官をしております亀岡偉民です。  古屋大臣西村大臣を補佐し、しっかりと災害対策、そしてしなやかな強い国づくりのために全力を尽くしてまいりますので、竹谷委員長を始め、理事委員皆様方に御指導賜りますようよろしくお願いいたします。
  15. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  16. 小坂憲次

    小坂憲次君 自由民主党の小坂憲次でございます。  質問に先立ちまして、ただいま委員長の御指示によりまして黙祷をささげさせていただきましたが、去る十月十六日未明に東京大島町で発生いたしました台風二十六号による災害犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、いまだ行方不明となっている方々の一日も早い安否確認と被災された皆様に心からお見舞いを申し上げて、質問に入らせていただきます。  ただいまの委員派遣報告にもありましたように、去る三十日に、東京大島町に被害状況等実情調査に行ってまいりましたので、これに関する特別警報について、あるいは砂防ダム、いわゆる砂防堰堤について、また激甚災害指定について、瓦れき処理等対策について、これらを中心として質問をさせていただきたいと存じます。  派遣当日は快晴で、海も穏やかな日でありましたが、船を降りてバスで被災現場に到着いたしますと、目に入ってまいりましたのは、地すべりによって森ごと削り取られた地肌をさらした山肌と、土石流に巻き込まれ、原形をとどめない自動車家屋、そして木材が泥や岩に埋まっている被災現場の激しさと、その中にあって必死に救出作業災害復旧活動に当たっておられる救助関係者の姿でありました。改めて、時間雨量百ミリ以上、二十四時間に観測史上初めて例年の十月総雨量の二倍と言われる八百二十四ミリに達した猛烈な雨が襲った豪雨の恐ろしさを実感をいたしました。  さて、東日本大震災平成二十三年の台風十二号紀伊半島豪雨災害等、これらの経験と反省に基づいて、本年八月から、こちらにありますこのパンフレットのように特別警報が創設をされました。にもかかわらず、今回の大島町の観測史上初と言われる猛烈な豪雨に際し、特別警報もないまま、このような災害となってしまったのであります。これはなぜでしょうか。  これらの災害において、気象庁警報を始めとする防災情報により重大な災害への警戒を呼びかけたにもかかわらず、災害発生危険性住民地方自治体に十分には伝わらなかったと言われております。このパンフレットの表紙には、先ほどの東日本大震災紀伊半島の例を引き、これらの災害において、気象庁警報を始めとする防災情報により重大な災害への警戒を呼びかけたものの、災害発生危険性住民地方自治体に十分には伝わらず、迅速な避難活動に結び付かなかった例がありました、気象庁ではこの事実を重く受け止め、大規模災害発生が切迫していることを伝えるために、新たに平成二十五年八月から特別警報を創設することといたしましたと書いてあるわけでございます。  このように、新たに創設したにもかかわらず、なぜ今回は特別警報が出なかったんでしょうか。気象庁説明をしてください。
  17. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 先生御指摘のように、警報あるいは土砂災害警戒情報を前日の夕刻に発表し、警戒を呼びかけてございました。また、二十三時過ぎ、あるいは二十四時以降、かなり記録的な雨だったということで、気象庁本庁から東京都あるいは大島町に直接電話で注意を呼びかけてございます。  今回につきましては、特別警報がなぜ発表できなかったかという問題でございますが、これにつきましては、平成二十三年の台風十二号等災害を契機として、それらの大規模災害を捕捉するということで、確実に、かなり高い精度で捕捉しようということで基準を作成しておりまして、比較的広い範囲で記録的な大雨となる、さらに、その後も降り続くというような状況で発表するという基準を設けてございました。今回のように局地的に集中豪雨が降るというケースにつきましては、なかなか、雨自体予測、さらには災害関係との予測ということが極めて難しい事例でございまして、特別警報の発表には至らなかったということでございます。  以上です。
  18. 小坂憲次

    小坂憲次君 気象庁から「気象等特別警報指標」というこの冊子をいただきまして、読んでみました。これによりますと、「雨を要因とする特別警報指標」と書いてありまして、「以下①又は②いずれかを満たすと予想され、かつ、更に雨が降り続くと予想される場合に、大雨特別警報を発表します。」とありまして、①は、四十八時間降雨量及び土壌雨量指数等を判断して五十年に一度の値であること、こうなったような場所を、五キロメートルの格子、すなわち五キロ四方に格子状にしたものを一つと数えて、それを府県程度広がり範囲内で五十格子以上出現した場合に①と該当すると。②の方は、三時間の降雨量及び土壌雨量指数において、これもまた五十年に一度の値、それが五キロ格子府県程度広がり範囲内で十格子以上出現した場合。この①と②という例を明記しているわけですね。  今回の大島の場合、五キロで格子を切っていった場合に、それは島はそうかもしれませんが、その周辺地域、それは海でございますが、海上はこれは格子の中で数えないんでしょうか。
  19. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 実際の自然災害という観点では、やはり陸上の人が居住する地域等での災害との関係ということで、現在、海上における観測値というものについてはカウントしてございません。  以上でございます。
  20. 小坂憲次

    小坂憲次君 そうすると、陸上を対象とするということですが、それでは、人の住まない山間地域が広がっている地域で、そしてその中には人の住んでいる町や何かもそれはあるわけでございますが、全体的に見ればほとんど人の住んでいないところが面積的にはかなり多い、こういう地域でその格子陸上に及んでいた場合はどうなんでしょうか。
  21. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 山間地域で人が少ないというところもございますが、日本全体的に多くの人口密度を持っていると考えてございまして、内陸につきましても全て格子としてカウントするように制度設計してございます。
  22. 小坂憲次

    小坂憲次君 私は若干違和感を覚えるんですね。要するに、人は住んでいなくても、例えば山であれば登山をしている人もあり、また海であれば漁船等もあり、そこにはいろいろな活動をされている方がいる可能性がある。そういうことを考えますと、その点で示される大島という場所もさることながら、このような基準メッシュで限って、五十メッシュとか十メッシュとかいうような形に限るんであれば、それはそこにどのような人が住んでいようといまいと同じようにカウントして、その中にある市町村に対しては警報発令すべきではないか、このように考えてこの今の質問をさせていただきました。  このパンフレットの頭には、「必要に応じ適時改善見直しを行っていくこととしています。」と、こう書いてあります。今後見直しますか。
  23. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 現時点におきましては、予測技術観点、特に局地的なものの予測精度あるいは災害との関係観点から、現行の基準、特に信頼性の担保ということを前提とした基準にしてございますが、これにつきましては、現状技術という点では見直すというのは難しいとは考えています。  しかしながら、今回の島嶼部ケース教訓としまして、気象庁では、例えば五十年に一度の値が大島に例えば一地点出てきたというようなところでございますが、これは観測では、今回の場合は一時半過ぎぐらいになるかと思うんですが、そういう段階になりましたら、かなり記録的な雨が降っていると、ポイントで。これについて、気象台の台長から直接的に地元自治体の長に、責任者に伝えて危機感を共有するというような緊急的な措置を講じたところでございます。
  24. 小坂憲次

    小坂憲次君 あわせて、ここに書いてありますように、①の場合、四十八時間降雨量及びと書いてありますので、これは四十八時間以上たって、その間の降雨量が把握した後でなければこれは警報発令するベースには至らないわけですね。
  25. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 現在、気象庁では、広域にわたって雨量観測する、かなり多くなってきたというときに、例えば府県単位での広がりの程度では、今後、降水量として多いところで五百ミリ、六百ミリ、例えば台風なんかですと、宮崎県等の例では、私の記憶では向こう二十四時間で千ミリ降るというような予想をやってございまして、そういった予想を加味して、四十八時間で格子が超えるかどうかということを予報官が判断して特別警報を発表してございます。
  26. 小坂憲次

    小坂憲次君 ということは、少し安心するんでありますが、四十八時間降水量というのは、これは実際の測定値、実測値ではなくて予想値を含めたものであると。並びに②の方で言っている三時間降雨量、この基準も、実測値ではなくて予測値でこれは警報を出すベースはカウントされると考えてよろしいですか。
  27. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 四十八時間に比して三時間の場合はかなり難しくはなっておりますが、基本的には予測も加味して、観測値とプラスアルファして警報を発表していくというプロセスを踏んでございます。
  28. 小坂憲次

    小坂憲次君 この特別警報を受けた自治体がどう判断するかということでありますが、発令する方はいろんな基準、手元に正確な精度の高い情報を持っているわけですね。しかし一方で、発令された警報は、警報という形で出ますので、具体的な内容はよく問い合わせないと分からない。特別警報発令されたけれども、例えば長野県であれば、長野県のどの辺にどのくらいの量のものがどのくらいの可能性で襲ってくるのか、それに対して自分たちはどういう形で避難勧告避難指示を出したらいいのか、現場の方はそのように悩むわけですね。  ですから、警報という一言でこっちはもう発令したんだということになりますが、受けた方は詳細なデータをもらわないと、自分たちとしての、また現場からの情報も含めた独自の勧告に当たるかどうかという判断ができなくなりますよね。その辺、警報の中にはどのような情報が含まれているんでしょうか。
  29. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) お答えいたします。  警報につきましては、詳細な情報まで含めて発表するということは難しいと考えてございます。  一方、気象庁は、例えば土砂災害警戒情報を発表する基盤となりますメッシュ情報、これも五キロメートルで持っていまして、現在これはホームページ等で公表しています。また、これは自治体等とも連携して作成していますので、都道府県の砂防部局、これがホームページ等で五キロメッシュ警戒度を公開しているということもございますので、今後、気象庁としても、こういったメッシュ情報を公開して、警報発令した地域のどこが一番観測等で危険な状況にあるか、自治体等が判断できる参考資料というものを積極的に提供していきたいと考えています。  以上です。
  30. 小坂憲次

    小坂憲次君 それを是非ともやっていただきたいし、また、それに併せて具体的なアドバイスをしていただきたいと思いますね。情報を提供するだけでなくて、それに伴って過去の国ベースで俯瞰した、全国の事例等を踏まえた具体的なアドバイスを自治体に対して提供してほしい、そのようにお願いをしておきます。  ただいまのお話の中で、インターネット等で雨量が分かる、これはすなわちXバンド、XRAINというふうに愛称を付けているようですが、XバンドMPレーダー、これが新たに八基配信を開始をいたしまして、本年九月の五日からネットワークの配信エリアを拡大したというふうに報道されました。これにより、近年増加する集中豪雨や局地的ないわゆるゲリラ豪雨による土砂災害や水害に対して、適切な河川管理や防災活動に役立つとして、局地的な雨量をリアルタイムに観測が可能になるというふうに発表をされております。  確かに、インターネットで見ると、Xバンドレーダーの地域というのはあるんですね。ところが、見にくいんですね。自分の該当地域を探すのはなかなか大変です。関東とか関西とか、その中に長野県なら長野県、で、長野県が出てくるまでに、長野県の中を見ようとすると、もっと難しい。それで、実際に自分が長野市のどの辺に住んでいるからどうだろうと、例えばそういうふうに消防団の人が見ようと思っても、これはなかなか見にくい。もう少し改善してください。もっと分かりやすく、現場が入手しやすいように改善を求めたいと思います。  これで、このXバンドや何か整備されたので特別警報が出て市町村は避難勧告避難指示が出しやすくなるかというと、そう簡単なものではないと。先ほど申し上げたように、アドバイスも必要だし、詳細な情報も入手しなければ自信を持って避難勧告はできないんですよ。  現場というのは、もう釈迦に説法かもしれませんが、安易な避難勧告避難指示は、それが実際に結果として当たらなかった場合に次回からの信頼を失っていくことになりますし、また、その範囲が余りに広く出してしまったために、局地的なものであれば逆に住民の方から不満を言われるような結果にもなりかねないということで、判断には非常に苦悩をする。  そのことを踏まえれば、詳細な情報をリアルタイムで提供すると同時に、そういった受け手側の悩みというものを、これは気象庁に限りません、これは国はもっと実際に話し合ってみる必要がある、このように思うんですね。都道府県を通じるんではなくて、基本自治体である市町村の防災担当者の声を直接聞いて、そしてこの国土強靱化、あるいは安全、安心の暮らしのためのシステムのブラッシュアップと更なる改善を、見直し、改善を行っていく必要があると思うんでございます。  今日は古屋大臣もおいでをいただきましたので、私は是非とも、古屋大臣消防の方の議連の会長でもいらっしゃるので、消防団のことはよくお分かりだと思いますし、市町村の防災担当者の悩みをよく御存じだと思います。是非とも、大臣の一声でこういうことは前へ進むと思いますので、現場担当者、市町村の現場担当者、防災担当者と国土交通省、各省問いません、内閣府ということだけでなく、全体を見渡して、やはりそういうことは必要だろうなと、私もそういう立場で指示していこうと、こうお考えであれば是非とも賛同していただきたいと思いますが、いかがでしょうか、大臣
  31. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 今委員御指摘の特別警報と、それからそれ以外の各地方公共団体が出す避難指示避難勧告在り方について、どういう取組をすればより精度が増していくか、こういうことだと思いますけれども。  まず、大島町の対応については、結果として避難勧告指示が出ていなかったんですね。極めて残念ですね、これは。やはり、十八時に土砂災害警戒情報が出されているわけですね。地域防災計画の中でも、土砂災害警報が出された場合には住民に自主的な避難を促すと、こうはっきり記されている。しかし、残念ながら、そういったものが機能しなかったということはあると思うんです。  しかし、全国で千七百十九市町村ある中で、ある意味、本当に災害が多くて、あるいはスタッフもしっかりしている市から、あるいは、そういった人が余りいない、残念ながら小さな町役場はやっぱり行革の一環でかなり人も減らしているところもありますね。それから、専門的な知識を持っていない方もいらっしゃいますよ。だから、そういったところについては、我々、今度の大島災害教訓あるいは災害対策基本法の改正もございましたので、ガイドラインの見直しを行うように私も指示させていただきました。  そして、御承知のように、災害対策基本法の六十一条だったですか、の二項には、町の方から要請があれば国はその助言をすることとすると。だから、要請がなかったら、しゃくし定規にやるんではなくて、お互いにそういう情報交換をして、いや、こういう場合はこうした方がいいですよ、こういう場合はこうした方がいいですよと、そういう親切な対応もできるというふうにこの条文は読むべきなんですね。ですから、そういう対応をする。  その上で、今後のこのガイドラインの見直しについては、例えば、今回のように暗くなってから異常な雨が降った場合、こういうことを考えれば、避難準備情報を早めに発令をするとか、それから、高齢者とか弱者の皆さんの自主的避難を早めに促すということもあるでしょう。それから、土砂災害警戒情報が出された段階で、その土砂災害の危険地域がございますので、こういった方についてはできるだけ避難勧告指示を出すということもあるでしょう。それからもう一つ、降り始めからの雨量のように、より定量的な指標、こういったものを積極的に活用していくということもあるかもしれません。また、できるだけ客観的な情報に基づいて警戒態勢をしく目安というものをする、こういったことを我々このガイドラインの見直しの中でもやっていきたいというふうに思っております。  ただ一点、やはり、私も十月の二十四日、ちょうど二十七号台風が来る直前でございますが、予算委員会の合間でございましたけれども、その合間に私、異例なことではありましたけど、会見をさせていただいて、土砂災害警報が出れば、仮に避難勧告指示が出ていなかったとしても、自主的に判断をして避難をしてほしいと。やはり五十八人も今度一連台風とか梅雨、豪雨で亡くなっていますので、やっぱり私は、防災担当大臣としてはこれ以上一人の犠牲者も出したくないと、そんな意識から、是非自主的避難をしてくれと、もしそれが空振りに終わったら幸いだったと思ってくれと、こういうようなことを申し上げました。  これはやはり、住民だけではなくて、地方公共団体の首長、そして防災関係者、ひとしくそういう意識を持つ必要があると思います。しかし、その前提は、今申し上げましたように、ガイドラインの見直し等によって、より正確で適切な情報を提供していくということが当然前提になっているということは申し上げるまでもないことであります。
  32. 小坂憲次

    小坂憲次君 大臣に現場とのコミュニケーションの充実を賛同していただいた後でそういうお話をしようかなと思ったんですが、さすが大臣でありまして、私もここに紙持ってまいりました。避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインの改定についてという形で、今おっしゃったことが紙になっているということを確認させていただきました。大臣の御指示だと思います。  このように、的確に、市町村の避難勧告等発令基準が曖昧なケースがあって、明確化が必要だと。そして、おっしゃったように、待ちの姿勢でなくて、お互いに日常的なコミュニケーションを図って、国が言ってくれば言ってやるよという話ではなくて、双方のコミュニケーションを図ることによって充実させていく。また、最終的に自分の命は自分で守るということのその意識をやはり持っていただかなければ、なかなか警報を出してもそれに対応していただけないということもあるわけですから、そのことに言及していただいて記者会見までされた。私は、大変にすばらしいことだと思って、僣越な言い方かもしれませんが、高く評価をさせていただきたいと思っております。  そのようなことを重ねることによって強靱化、あるいは安心、安全の暮らしというのが実現することだと思いますので、引き続きよろしくお願いを申し上げます。  さて、次に、先ほどの災害報告現地報告の中でもありましたが、砂防堰堤が食い止めたということの話がございました。お手元に写真を配らせていただきましたので、若干の説明をさせていただきたいと思います。  一枚目は、今回の大島町の事例でございまして、ここにありますように、三番目の大金沢本川堆積工という部分と、四番目の八重沢堆積工、この中間部分にオレンジ色の細い線で囲った部分が今回の災害発生現場でございます。これで見てお分かりのように、一番下の八重沢堆積工の下流部分はこの堆積工によって守られているんですね。この堰堤が効いたということです。  大金沢本川の堆積工につきましても、この写真でいえば、その下にあります丸のところに堰堤があるわけですが、この写真から見れば上部部分、上下の関係でいえば下流部分でございますが、これは被害受けないで守られたということであります。  大金沢の支川の堆積工も、その上の茶色く崩れた部分の土砂がそこの堰堤で止まり、その下部には行かずに緑が残っている。長沢支川の堆積工も同様でありまして、その下に青い筋で書いてありますが、もしこの堰堤なかりせばこの青点線の部分に被害が及んだであろうという部分でありまして、堰堤の効果が見られる例でございます。  一枚めくっていただきまして、熊本県の球磨郡の例もそうでございまして、一番右の上に捕捉前、すなわち災害発災前の、災害といいますか、土石流発生前の堰堤の姿でありまして、二番目の真ん中の部分が土石流がその堰堤で食い止められた、そういう形でございまして、それを上部側からよく下の方も見通してみますと、このような状況で、茶色い水がたまっていますが、その下流部分に被害は及んでないと。左側の大きな写真で見ていただいても、そのことが確認できるわけでございます。  三枚目にあります長野県の岡谷市の間下の部分でございますが、ヒライシ沢と言われる防災堰堤が平成十六年に完成をいたしまして、そのおかげで、十八年の七月二十四日の時点でこのように流木等が堆積をしてもう満杯の状態になりましたけれども、左側の写真のように黄色い網掛け部分は守られて災害がなく、病院も老人ホームも大丈夫だったということでございます。  その後、下伊那の梨子野川砂防堰堤の例が書いてございますが、同様でございます。右下にあります家屋には、流出の土砂により人家が埋没するという状況になってしまいました。これは、その上の写真を見ていただきますと分かるように、井ノ洞と書いてありますが、ここの沢には堰堤がないんでございまして、そのために人家にまで被害が及んだと。左側の梨子野川の方は砂防堰堤があったために、その下流部分には災害が出なかったという例でございます。明暗を分けたということでございます。  それから、東日本大震災の翌日の三月十二日に地震がありました下水内郡の栄村でございますが、長野県の栄村、ここの中条川というところに大きな橋が架かっておりましたが、これは地震で落ちて、そのときにも話題になりました。しかし、ここに平成二十五年に砂防堰堤が完成しておりまして、現在、雪解けによる土砂の再移動に備えて堰堤に堆積した土砂を除去中でありますけれども、この堰堤も、造ったときは上のような状態で十分にまだ余地があったんですが、今はもういっぱいになってしまって、もうこれ以上もし土砂が来ると支え切れないという状況にありまして、このように不断の努力によって土砂災害を食い止めている姿、そこの中で活躍している堰堤の姿が見ていただけると思います。この栄村は、九月十六日の台風十八号による大雨土石流発生した姿でございます。  このように、堰堤というのは日ごろは、前政権においては無駄だと言われたこともございました。しかし、このように非常に有効に機能しておりまして、この中で更にこの機会にお願いしたいことの一つは、実際には、これらの堰堤を造ればこれだけ有効でありますけれども、今年の六月の災害対策基本法の改正を受けまして、住民の円滑かつ安全な避難の確保に向けて、市町村長は安全性の一定の基準を満たす施設又は場所を緊急時の避難場所としてあらかじめ指定しなければいけないと、このようになっております。しかしながら、長野県を例に取りますと、中山間でございまして、山間地の多い県においては、一定の基準を満たす施設というのを選定しようとしても、実際にはそれが土砂災害の危険地域内にあって、その施設指定してもいざ発災すれば危険が及んでしまうという状況にある、そういうところが多いんでございます。  また、これを数でちょっと調べてみましたが、長野県の場合、県内の避難箇所は四千百九十施設あるんです。そのうち土砂災害のおそれのある区域に立地する避難所、これは重複等がありますので、千九百五十三というふうな数字はありますが、実際には、絞って絞っていきますと、八十七施設が、これは避難所として指定をされましても、その地域避難区域内にあって、避難しなければいけない地域内にあるという状況であります。これらを守る方法は、その上流部に堰堤等を造ってこれを防ぐことでありまして、また避難所及び避難路の安全確保について是非とも緊急に整備する必要性を訴えたいと思います。  また、砂防堰堤、先ほど見ていただいた中にも、土砂が流出によりまして満砂の状態、砂がいっぱいになっている状態になっている部分が多いんですね。機能回復させるためには、今回の大島作業のように、しゅんせつ、除石を行わなきゃいけないわけです。しかしながら、現行制度においては、これらに対する、石を除く除石あるいはしゅんせつ作業は補助事業、交付金事業の対象とはなっておりませんので、都道府県財源では対応に苦慮をするという状況にあります。急速に進みます社会資本の老朽化等に備え、それらの対策を確実にするためにも、維持管理に係る補助、交付金制度、これを是非ともつくっていただきたい。砂防堰堤の除石補助事業をお願いをしたいと思っております。  時間がだんだん迫ってまいりましたので少し急ぎたいと思いますが、瓦れきの処理についてお願いをしたいと思います。  今回、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律、いわゆる激甚法によりまして局地激甚の指定を受けるということになったというふうに内定をしたということを聞いております。今回の大島の局激の指定でございますけれども、大変に速やかに判断をしていただいたことは有り難いことだと思っております。  今後、復旧作業が進むに従いまして、災害瓦れきの処理が問題になってくると思っております。瓦れきの処理費用は、これ一体誰が負担するんでしょうか。環境省から、よろしくお願いします。
  33. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) まず、環境省でございますけれども、環境省といたしましても、現在、災害廃棄物の発生状況について情報収集に当たっているという段階でございます。私自身も、石原環境大臣の御指示を受けまして、明後日、あさって日曜日に現地の方に行ってまいりたいというふうに考えております。  災害廃棄物の処理でありますけれども、これは基本的にはその市町村の処理ということになっております。それに対しまして、環境省の災害等廃棄物処理事業費補助金、これによって、市町村が災害その他の事由のために実施した廃棄物の収集、運搬及び処分に関する事業に対して補助率を二分の一とした補助を行っているところであります。これに総務省からの支援を合わせますと、実質九割の費用を国が支援できるというふうになっております。  大島町におきましても、このスキームを適用し、今後、島外での処理を含めて処理が円滑に進むよう支援を行ってまいりたいと思います。
  34. 小坂憲次

    小坂憲次君 お答えをいただいたとおりでございますけれども、それでいきますと、約九割近くが環境省の予算並びに総務省の特別交付税等の措置によってカバーされるとしても、なおかつ地元負担が残るわけですね。これについて、激甚のかさ上げがどこにどう効くのか、補助率のかさ上げがですね。それから、残った分についての市町村負担についても、結局、特別交付税で最終的にはゼロになるのかどうか。  いずれにしても、私がお願いしたいことは、大島町のように観光で頑張っている、しかしながら、最近非常に観光客が若干落ち込んでいる状況にある、そういう財政的にも厳しい地域に対して国が一〇〇%処理費用を負担すると、これは東北の場合にもあったと思うんですが、その辺についてもう少し詳しく教えていただけますか。
  35. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) まず、先ほど私が申し上げたそのスキームに関しましては、これは激甚の指定とは直接関係ないという整理になっておるものですから、そういう意味では、総務省と合わせましても九割の支援にとどまっているということであります。しかし、まずは、とにかくこのスキームの中でしっかり支援を行っていくということが先決だと思っております。  私も、あさって島に参ったときに町長あるいは東京都とも協議をして、今後環境省としても一体何ができるかということをしっかり詰めて対応してまいりたいと思っております。
  36. 亀岡偉民

    大臣政務官亀岡偉民君) 今環境省のお話ありましたけれども激甚災害指定を受ければ災害復旧工事で七割から八割、これは国から補助が出るわけで、それが九割ぐらいになりますけれども、更に一割ぐらいかさ上げになりますので、ほとんど地方自治体の負担はなくなる、全部国庫と地方財政措置で負担ができるようになりますので、これは公共施設、農地に関しては一〇〇%近い形で補助ができる形になります。  ただし、民間の民有地にある瓦れきとかごみに関しては、これは先ほど環境省から話が出ました廃棄物処理法に基づく国庫補助や地方財政措置による財政支援がなされますので、その中でちょっと補助率は少なくなりますので、この辺をどうするかは、これから関係省庁又は東京都と大島町と相談をしながら、きちんと補助していきたいというふうに考えております。
  37. 小坂憲次

    小坂憲次君 ただいまの亀岡政務官とそれから井上副大臣のお話を聞いて、両方併せて思うことは、民地はおっしゃるとおり駄目なんですよね。ですが、道路復旧という名目でやるならば、道路上にあるものはいいんですね。ところが、井上副大臣いらっしゃるらしいので、ちょうどいいときですから見ていただきたいんですが、道路上の瓦れきは横の民地に積み上げられて排除されているんですね。これ、民地の上にあるんですよ。でも、元は道路にあったんですね。したがって、そういうふうにも見れますし、さらに神達の方を見ますと、この地区の崩れたところを見ますと、道路が左右に蛇行しながら登山道がずっと上がっているんですね。スカイラインがあって、バスが通れる大きな道だったんです。これが全部滑っているんですよ。この道路を復旧するためには、その間にある民地の上にあるものも全部除去しないと、これ、できないんですね。  ですから、言いたいことはもうお分かりだと思いますが、民地だ、施設上だとかいうことに余り目くじらを立てて査定をしないで、そこは、混然一体となって流れてきておりますので、そういう、自動車が形をとどめないほどに潰れて、そして民地の上にあるのは元は道路上に止めてあったかもしれない。そういったことを考えると、これは亀岡政務官にもう一度お伺いしたいんですが、そういうことを踏まえて、被災者の立場に立って、大島町の立場に立って、できるだけの御配慮をお願いしたい、このことをまずお願いしておきます。
  38. 亀岡偉民

    大臣政務官亀岡偉民君) 今、小坂委員、申し上げたとおり、まさに社会資本整備の機能回復ということに関して、これは激甚災害指定を受けた場合は国が全面的にやるわけですけれども、実際に道路上にあったものをどかせた場合、のり面も含めて、これは機能回復のために必要であったものと考えられますので、これはしっかりと国の方で対応していきたいというふうに考えております。これはあくまでも、道路上にないからということではありませんので、機能回復のために必要であったものということでありますので、そこはこれからきちんと対応していきたいと考えておりますので。
  39. 小坂憲次

    小坂憲次君 環境省。
  40. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) 小坂先生の御指摘を踏まえて、関係省庁、また関係自治体とも協議をして、しっかり検討していきたいと思っています。
  41. 小坂憲次

    小坂憲次君 ありがとうございます。  今前向きな御答弁をいただきまして感謝をいたします。  大島町の立場に立ってもう一つ考えますと、今現在、大島町の焼却炉の処理能力は八トンとも言われ、また新聞によると二十トンとも言われているんですね、一日に。瓦れきは土砂を含んでおりまして、非常にその焼却が困難であるという部分がありますし、また木材が大量にありまして、これもしけっておって焼却はそう簡単ではない。復旧が進むにつれて、この量は島内での処理を超えることはもう火を見るよりも明らかでありまして、島外に持ち出す必要がある。東京都が受入れをいろいろ考えてやっていただけるんだと思いますが、この持ち出し及び焼却その他の費用はこれは都が全部負担するんでしょうか、どこが負担するんでしょうか、教えてください。
  42. 井上信治

    ○副大臣(井上信治君) まず、先生が御指摘のとおり、瓦れきの処理につきまして、基本的にはまずは島内でできるだけ多くのものを処理したいということではありますが、現在精査をしているところですが、島内で処理できる量、最大で年間四千トン程度と聞いております。発生した瓦れきの量につきましては恐らく数万トンと見込まれるということでありますから、ですから、島内だけで処理するというのは非常に困難だというふうに考えております。  じゃ、一体どうするのかということにつきましては、これは先ほど言ったスキームの財政負担の方は島外の処理についても適用はされます。しかし、それにしても膨大な額に上がりますので、これまた東京都そして大島町といろいろと相談をしながらしっかり進めてまいりたいと考えております。
  43. 小坂憲次

    小坂憲次君 だんだん時間も迫ってまいりました。  ここで、瓦れきに関して言えば、もう一つ元町港というのが、今回の土砂災害が流出して、流入というんでしょうか、湾内に堆積をしているんですね。これが漁業資源に大きなダメージを与えておりますし、これを排除しなければなりません。これについて水産庁の意見を聞きたいこと。  それからもう一つは、現在は不明者の安否の確認並びに災害復旧全力を尽くすということでありますが、島全体から見ますと、面積的にあるいは人口的に言っても、それ以外、災害に直接遭われなかった方がやはり生活をしているわけでございまして、島の復興を考えますと、観光復興という経済的な復興を今のうちから考えておかないと、土砂等の排除、それから家屋復旧等はできたんだけれども観光復旧しないために経済的に二次被害に遭ってしまうということになりかねません。  これについて国交省、観光という意味での、水産庁と国交省、両方からの回答をお願いします。
  44. 本川一善

    政府参考人(本川一善君) 元町漁港の航路、泊地に堆積している瓦れきにつきましては、船舶の航行などに重大な支障を及ぼす場合には公共土木施設災害復旧事業により除去することが可能であります。この漁港の管理者は東京都でありますので、国と東京都で経費を負担いたしまして、大島町の負担なく実施をすることが可能になっております。
  45. 吉田雅彦

    政府参考人(吉田雅彦君) 今回の台風二十六号に伴う大島町の災害に関する観光面での風評被害を防止するためには、正確な情報の収集と発信に万全を期すことが重要と考えております。  観光庁におきましては、被害発生直後より関係団体からの情報収集を随時行ってきております。現在のところ、大島町では各種観光イベントが中止となるなど、復旧に努める中で観光客の受入れに関して通常の状態に回復しないと聞いております。  しかし、今後、災害発生した地域の意向も踏まえた上で、まず第一に、国土交通省及び観光庁のホームページにおいて観光地の状況について正確な情報を発信いたします。第二に、旅行業団体に対しまして、現地の情報収集に努めるとともに、旅行者からの問合せに対して正確な情報の提供を図るよう文書で要請をいたします。  といった取組を通じまして、観光に関する風評被害の防止に努めてまいりたいと考えております。
  46. 小坂憲次

    小坂憲次君 時間がほぼ参りましたので、最後に、回答は結構ですから、地元から聞いて、あっ、これは言っておこうと思ったことを一方的に言わせていただきます。  水防法の改正によりまして、新たに要配慮者とか避難行動要支援者というのが規定されたんですね、新たに定義されました。しかし、防災関係者の間、自治体では、あるいは防災基本計画にもありますが、災害時要援護者という名前がこれ、よく使われるんですね。そういう意味で、現場の人や組織が混乱しないように、この水防法のこれも、要配慮者、避難行動要支援者というのは分かりにくいので災害時要援護者に統一してはいかがかと、こういう意見もありましたので、提案をしておきたいと思います。  いろいろまだまだ質問を用意してまいりました。ハザードマップ等についても聞こうと思いましたが、時間が参りましたので、以上をもって終わらせていただきます。  ありがとうございました。     ─────────────
  47. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、舞立昇治君が委員辞任され、その補欠として堀井巌君が選任されました。     ─────────────
  48. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 民主党の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。  先ほど私が御報告させていただきましたとおり、去る十月三十日、衆参合同の委員派遣において伊豆大島を視察してまいりました。現地を実際に目にしますと、本当に想像を上回る大きな災害をたくさん見てまいりました。  地震や竜巻など、それと異なって、台風はある程度動きが事前に把握できます。今回大きな被害を出した台風二十六号は、早くから十年に一度の強いものだと報じられておりました。そういった報道にもかかわらず、これだけ大きな被害を出してしまった。誠に痛恨の思いでいっぱいでございます。  私たち災害対策特別委員会としては、今回の経験からしっかりと学び、前例のないレベルの大雨が再び到来したとしても、二度とこのような悲惨な状況にならないような再発防止の対策に結び付けなければならないと思っております。住民の命と安全を守るのが行政の最大の使命だと思います。その決意に基づき、質問をさせていただきます。  先ほどもお話にもありましたとおり、今年の通常国会において気象業務法が改正されて、大災害が目前に迫っている際に、従来の警報の発表基準をはるかに超える現象に対して、気象庁特別警報発令できることとなりました。今回の台風二十六号は、事前に気象庁から関東に接近する台風としては十年に一度の規模報告されておりましたが、現実にも台風二十六号が伊豆大島に接近した十月十六日夜から次の日十七日午前にかけての大雨は、伊豆大島での一日最大降水量が五百二十五・五ミリ、二十四時間最大降水量八百二十四ミリ、一時間最大降水量が百二十二・五ミリと、当地での観測史上最高記録でした。これは、雨を要因とする特別警報指標となる五十年に一度の数値を超えるものでしたが、それでも特別警報は発表されませんでした。気象庁は、大雨特別警報を発表する指標である府県程度広がり範囲がなかったために発令しなかったと説明されております。  端的に申し上げますと、脚光を浴びて登場したこの特別警報のシステムは、今回の災害被害の拡大を防止できなかったわけなんですけれども、この状況についてどのような改善策を取られるおつもりなんでしょうか。
  49. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 特別警報につきましては、その基準について、先ほども説明しましたけれども府県程度広がりを持つ広域で大雨が降って大規模災害が多く発生するという状況を想定して基準を策定しています。これは現在の予測技術、この観点から定めたものでございますが、今回の局地的な大雨は、先ほど言いましたけれども予測技術的に困難。当時も夕方の段階で三百ミリは二十四時間で降るという予想はしてございましたが、八百ミリというような記録的な雨の状況については予測し切れてございませんでした。  このため、このような局地的な雨につきましては、雨の状況、さらに災害観点から、予測技術も加味して、特別警報には至らなかったということでございますが、先ほど申し上げましたように、一点でも五十年に一度というような記録を観測した場合には、危機感は高まっているということで、今回、気象台の台長あるいは気象庁本庁ですと予報の課長ですとか、そういう高いレベルから地元の長に、責任者に電話して危機感を共有するという緊急の措置をとったところでございます。  今般の二十六号に続いた二十七号、これにつきましても、緊急にそういった措置を都と連携してとったところでございます。
  50. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 実際には、今回、基準に適合せず、特別警報発令できませんでした。それだけではなくて、去る九月十六日、このときに起こった台風十八号に伴う大雨で京都、滋賀、福井の三府県に特別警報発令されたときにも、府県域全体に発令されたために、地域の実態にはばらつきが出て、そして違いが生じて、住民への周知にちゅうちょした例もあったということですが、特別警報の施行以来二か月が経過しましたけれども、その間二度、このような大きな災害発生しましたが、実際、減災に役立っていないわけです。  この特別警報は、十分な検討も行われないまま拙速に導入されて、周知期間は気象業務法の改正から実質僅か三か月、三か月しかありませんでした。慎重な検討と周知による定着という点で不十分な点があったのではないかと思いますが、その辺りの導入の経緯についてどのような御認識をお持ちでしょうか。
  51. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 特別警報につきましては、近年、平成二十三年の台風十二号、あるいは二十四年の九州北部豪雨、様々な大規模災害が頻発したということで、その中で、警報は発表していましたが、その後、半日、あるいはそういった時間がたって、様々な情報を発表して、危機感が共有できなかったということから、そういう状況が出現した場合に特別警報として発表するということで、国会で審議して制度として定めたものでございます。  三か月という非常に短い間ということでございますが、国会の審議中も報道機関、自治体等とも緊密に連携を取って調整しながら運用に入ったわけでございますが、これは今般の出水期の例もありますが、やはり災害は待ってくれないということで、可能な限り、実施が可能な限りにおいて早期に運用を開始したいという我々の気持ちから制度設計し、システム的にも対応可能な範囲対応したところでございます。  また、台風十八号等特別警報を発表しておりますが、これにつきましては、発表にとどまるのではなく、やはり事後の調査、ヒアリング等も重要でございますので、三府県の全ての市町村に直接参りましてヒアリングし、その実態をお聞きして、今後の特別警報の運用の改善に反映していきたいと思っています。  以上です。
  52. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 導入後僅か二か月で各方面からいろいろな問題点が指摘されている現状が検討が不十分だったということを示していると思います。それから、次々発生する災害対応して常に新しい取組が必要となると思います。このようなことが再発しないように、導入の経緯について検証の上、真摯な反省を行っていただきたいと思います。  続いて、警報システムについてお話をしたいと思います。  防災情報は数も多く、似たような用語もあります。非常に紛らわしい状況です。今回の災害に関するものだけでも、大雨注意報、大雨警報、記録的短時間大雨情報、土砂災害警戒情報特別警報、まだまだたくさんあるんです。これを的確に説明できる人ってどれぐらいいるのかなと考えたんですが、災害時の情報提供は直感的に理解できる、すなわち住民に分かりやすいよう、できれば子供たちにも、中学生にも高校生にも分かりやすいようにシンプルで効果的なものである必要があると思います。必ずしも小さい子供でも大人と一緒にいるとは限りませんし、キャンプに出かけている子供だっていると思います。いろんな状況を考えなくてはいけないと思います。  この混乱を解決するのが、既存の注意報や警報を整理し、危険度や危険レベルを数値化する。例えば、この種の警戒情報の中で一番国民に浸透しているのが地震の例だと思うんですが、危険度を地震の場合は、段階、レベルで皆さんに伝達しております。もうかなりの、日本に住んでいれば、子供たちも震度七とか五とか分かる子供が多いと思います。お年寄りの方の間でも、この地震のレベルというのは分かる方が大半だと思います。  気象庁の検討会でもこの危険度のレベル表示が検討されているようですが、気象庁大雨による浸水害や土砂災害に対する警戒の呼びかけの改善方法をどのように考えているのか、そして気象庁は気象警戒レベル導入を本当に目指すのか、目指すとすればいつからどのように実施されるのか、是非お伺いしたいと思います。
  53. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 気象庁では、本年八月三十日から特別警報を運用しておりますが、それまでに警報、注意報等、あるいは補完する情報といいまして様々な大雨等の情報を発信してございます。  このため、各方面から、かなり複雑で分かりづらいという御指摘をいただいていることは我々も重々知ってございます。そのために今回、情報全体の体系をもう少し整理して分かりやすくということで検討をしたいということで、学識経験者あるいは防災関係機関を交えて検討会を設けて、最近でございますが、提言の案というものをいただいています。それは、注意報から特別警報まで段階的に発表する情報につきまして警戒レベルという数値を付すということで、一段階から四段階まで付して、数値で分かりやすく提供したらどうだというような提案をいただいているところでございます。  今般の大島の事例も踏まえまして、それらの提案について更に引き続き検討し、今後、関係する防災関係機関とも調整した上で、さらに、これはメディアも含めて周知をしていく必要がございますので、そこら辺についてじっくりと時間を掛けて丁寧に対応できるように今後進めたいと思っています。
  54. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 今一段階から四段階というお話がありましたけれども、専門家の方々からすると、もしかしたら四段階を設けるというのが適切なのかもしれませんけれども、一般の人たちは、やっぱり地震のレベルというのに匹敵するような結び付け方というか、考え方が浸透していると思うんですけれども、例えば地震のレベルに合わせて七段階とか、そういうふうに考えるということは可能でしょうか。
  55. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 牧山君、内閣西村大臣から答弁求められていますが、許しますか。
  56. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 はい。
  57. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) まさに今気象庁でいろいろ御検討いただいているんだと思います、御説明あったとおりですけれども。  地震の場合はもう大分定着して、それぞれの人が震度五ならどれだけとか、震度六ならどうかとか、マグニチュードは六なのか七なのか、そうしたことで大体の認識が定着しているんだと思いますけれども、この雨の量、大雨警報特別警報にかかわるものについては、この特別警報も始まったところですし、それを数値化することをいろいろ御検討いただいていると思いますので、この検討も我々踏まえて連携しながらやった上で、その上で一番大事なことは、市町村が避難勧告にするのか避難指示にするのか、それを受けて住民の皆さんが今自分が何をすればいいのかということが分かることが一番大事だと思っておりますので、この数値化と同時に、数値化の努力も是非やっていただきたいと思いますけれども、あわせて、我々としても、先ほど来出ているガイドラインの見直しの中で、市町村がどういう行動、どういう指示をあるいは勧告を出すのか、それを受けて住民の皆さんがどうすればいいのかというところも広く周知していけるように、この見直しの中で対応していきたいというふうに考えております。
  58. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 今数値化の中でたまたま四段階というのが検討されているというのを聞いたものですから、私が心配するのは、四だと、七があるから四程度かと思ってしまう、勘違いしてしまう方もいるかもしれません。ですから、地震のレベルと結び付けた方がもしかしたら分かりやすいかもしれないということも御検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。
  59. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) いろいろな階級の数値というのが様々ございます。震度が一番有名で七段階ですが、これにつきまして六の弱とか強を含めますと十段階ということになっておりますが、その他、最近、竜巻で有名になりましたけど、これは五段階、あるいはアメリカのハリケーンの強度、これは五段階で、カテゴリーファイブですとかフォーとか言われています。  様々、その階級自体がどのように、先ほど副大臣からありましたように、行動と結び付いていくのかということが重要で、階級は増やせばいいというものじゃなくて、やはり階級と行動というものが我々がすぐイメージできる必要がありますので、そこら辺も含めて慎重な検討を進めていきたいと思っています。
  60. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 是非、子供たちの間でも誤解を招かないようなシステムを構築していただきたいと思います。  さて、災害情報の共有、伝達は住民の命を守る生命線だと思います。そこで、地域住民への防災情報の周知について御質問したいと思います。  例えば、特別警報の場合は、市町村は住民へ直ちに周知することが気象業務法で義務付けられています。また、災害対策基本法でも、市町村長は、災害に対する予報や警報の通知を受けたときは、それらの事項を関係機関また住民などに伝達しなければならないとされています。市町村は、この規定を受けて、防災行政無線ですとか消防団などによる広報、メール、インターネット専用端末を用いたIP告知などにより住民に対する伝達を行っているのが現状です。  これら複数の手段のうち、特に簡単で、かつ確実なのがメールによる伝達です。何しろ携帯電話とPHSの加入契約数は人口を超える数なんですね。一億三千万台を超えております。日本人の人口を大幅に上回っているんです。  このメールの災害情報伝達に関して、現在、主要携帯三社は、緊急速報メールのサービスを行政側にも、また情報を受ける利用者の側にも無料で提供してくださっております。このサービスは、携帯の所持者、利用者が特別な申込みなどをしなくても自動的にその速報メールが入ってくるような仕組みになっております。また、市町村が発出する災害情報が勝手に送られてくるシステムですので、緊急時の伝達には非常に有効だと思います。  にもかかわらず、この緊急速報メールを整備、発信できる状態にしている全国の市町村は六八・九%にすぎないということを私は学びました。三割以上の市町村がこのサービスを活用していないということになります。  ここで国は指導力を発揮して、これを直ちに一〇〇%にするよう市町村に対して政策的な働きかけをすべきなのではないでしょうか。いかがでしょうか。
  61. 室田哲男

    政府参考人(室田哲男君) 市町村におきましては、緊急時の住民への情報伝達の一つの手段といたしまして、各携帯会社が提供しております緊急速報メールを活用しております。その状況につきましては、携帯三社が平成二十四年一月にサービスを開始いたしましたが、その一年半後の平成二十五年七月現在で、委員御指摘のとおり、六八・九%となっておりまして、急速に普及しているところでございます。  消防庁といたしましては、この緊急速報メール、各個人の携帯電話に直接伝達され、しかも市町村の活用については費用負担もないということでございますので、緊急時の情報伝達手段として有効であると認識しております。  したがいまして、これまでも市町村に対し、この緊急速報メールの活用を促してきておりますけれども、今後更なる活用率の向上に向けまして働きかけを行ってまいりたいと考えております。
  62. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 こんないいものが本当に無料で配信されるわけですから、直ちに行うべきだと思います。それを促すことも直ちに行って、そしてちゃんとそれを登録したかどうかということも確認する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
  63. 室田哲男

    政府参考人(室田哲男君) これまでも何度か私どもも通知という形でこの緊急速報メールの利用促進について働きかけを行ってまいりましたが、引き続き働きかけを行いまして、なおかつ、それの状況については調査してまいりたいと考えております。
  64. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 私もこの六八・九%というのを表でいただいたんですけれども、近い将来、期限を設けて、ちゃんとそれを利用しているかどうかということを皆さんに発信して、そしてその期限を守らなかった市町村はどういうところかというのを公開してもいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  65. 室田哲男

    政府参考人(室田哲男君) この情報伝達手段、様々の、先ほど委員の方からも御紹介いただきましたが、それぞれ市町村の状況に応じまして、様々な選択をしながら行っているところでございます。その中で、我々といたしましては、定期的にそれぞれの手段につきましてその普及状況について調査をしているということでございます。  我々が申し上げているのは、それぞれの地域実情に応じて、できる限り防災行政無線を始め複数の伝達手段を通じて、組み合わせていかないと、例えば農村部ではメールをお持ちでない高齢者の方々もいらっしゃいますし、そういったことも含めまして、それぞれ地域の中で複数の手段を使ってやっていただきたいということでございまして、今後も、その中の一つの有力の手段がこの緊急速報メールでございますので、その点につきまして、我々も全体の情報伝達の多重化、多様化を進める中で、この緊急速報メールについても利用の促進を図ってまいりたいと考えております。
  66. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 今お年寄りの方が多く住んでおられて、そういった地域もあってメールが使えない状態になっているところもあるということですが、そこに住んでいる方一人でもメールができる環境にあったりした場合はやはりやるべきだと思うんですね。無料でできるわけですから、やらない理由がないと思いますが、いかがでしょうか。
  67. 室田哲男

    政府参考人(室田哲男君) 先ほどの答弁で少し誤解があったかと思いますけれども、そういうところでも当然、手段をたくさんつくっていくというのは非常に重要でございますので、緊急速報メールも積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
  68. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 いろいろ予算のない中で、こんないいものを、無料なので是非、即お願いしたいなと思います。あしたにでもどこかで災害が起きるかもしれない、そう考えたら、これを私が今この場で言って、それでやらなかったことを後悔されないように是非お願いします。  また、少しでも多くの方にメールという手段で災害情報を伝達するために、携帯の主要三社に次ぎ四番目に利用者数が多いPHSのサービス、この提供会社にも同様のサービスの提供を要請すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  69. 安藤友裕

    政府参考人(安藤友裕君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、緊急速報メールは、音声通話のふくそうによる影響を受けないことから、災害時などの情報伝達手段として極めて有効でございます。このため、現在、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、イー・アクセスがサービスを実施しているところでございます。  総務省といたしましても、これまでも携帯電話事業者などと連携しつつ緊急速報メールの活用を推進してきたところでありますが、こうした中、PHSにおける緊急速報メールへの対応につきましても、現在、事業者において検討を進めていただいているところでございまして、速やかな実現に向けて引き続き対応を進めてまいりたいというふうに存じております。
  70. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 防災行政無線、すなわち村役場にあるスピーカーの告知ももちろん大事だと思いますけれども、おっしゃるとおり、いろんな伝達の組合せ、手段、お知らせの手段を使って幅広く皆さんにお知らせをすることが基本だと思います。是非、このメールのシステムをいろんな方法で早く導入してほしいと思います。  次に、土砂災害は起きてから逃げたのでは遅く、命を守るためには事前の避難が鉄則です。そして、避難勧告避難指示自治体、首長の判断に委ねられています。今回は町の防災計画に定められた避難勧告指示を夜間を理由に町長が発令しませんでした。このように、自治体避難措置を決断しない場合、避難のタイミングを逃してしまう場合があり得るということは今回の貴重な教訓だと思います。  ここで考えていただきたいのですが、実際に判断を下す人、判断を下す首長にしても、職員だとしても、防災の専門性が要件として問われるわけでないわけです。適切な判断が下せるか、極めて疑問です。今回、必要な避難措置を決断できなかったこともそうですが、大島町の一連対応のまずさが目に付きます。台風が接近している十五日の夜、全職員が帰宅して、そして翌早朝まで約五時間半、警備員一人を除いて町役場が無人状態となってしまったという事実もあります。これは、災害対策の要となるマニュアルや計画が被害を防ぐという機能を果たしていなかったことを意味します。  この地域災害対策のマニュアルに当たる大島町の地域防災計画を私も入手して中身を調べてみました。例えば、避難のための基準として、土砂災害警戒情報発令されて町長が必要と判断したときと規定されていました。数値などの客観的な目安のない、極めて曖昧な基準でありました。この曖昧さが必要な避難措置を決断できなかった原因の一つとなっているのではないかと思いました。  国は、自然災害に備えるため、自治体向けに避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインというものをまとめておりますが、各自治体はこれに準拠してそれぞれのマニュアルや計画を作るということになっております。しかし、このガイドラインは平成十七年三月付けと八年以上前のものなんです。この八年間の間、何よりも三・一一が起きました。大震災がありました。それ以外にもいろんな災害も多発しております。それなのに、その教訓ですとか、そういったいろんな災害から学んだこと、全く反映されておりません。そして、それだけではなくて、平成十七年以降に災害対策の新しい取組として、例えば土砂災害情報ですとか、今年から運用が始まった特別警報の件のこういった記載も当然このガイドラインに入っているべきなんですが、入っていないわけです。  内閣府は避難勧告の判断に関するガイドラインを見直す方針を示していますが、当然だと思いますが、どのような方向に見直すのか、見直すおつもりなのか、政府の御方針をお伺いしたいと思います。
  71. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 今、まず御指摘の大島町の地域防災基本計画の中で、土砂災害警報発令をされたときは、島内七十一か所土砂災害危険箇所があるんですが、ここの範囲内にある住民等には自主避難をまず促すことということが出ているんですね。その上で、避難勧告等々の町長が判断のときにこれを参考としなさいということでございまして、現実にこの元町であるとか神達区というのは、この土砂災害危険箇所指定をされています。そういう取組になっている。  結果的に、先ほども小坂委員のところで答弁させていただきましたが、残念ながら避難勧告避難指示が出なかったということでございます。六時に土砂災害警戒情報が出ておりますが、六時間から七時間、それを役場でも確認していない、あるいは町長も不在であった、あるいは副町長も不在であった、携帯電話等の連絡もなかった、こういうことでございまして、これは、決して私は犯人捜しをしているというのではありません、やはりこういう災害教訓を今後生かしていくためにはどうしたらいいかと。  全国には千七百十九市町村がございます。非常に災害対策をしっかりやっている、これはもう災害が多いところ、あるいはスタッフが充実しているところ等々ございますが、やはり小さな町役場あるいは村役場ではマンパワーも不足している、専門知識も不足しているというところがありますので、我々は、今度の災対法の改正も含めて、そういった役場の職員の皆様に専門的な知識を得てもらうための取組とかこういったものもしておりまして、総合的にやはり役場の皆様関係者の皆様災害対策の知識をしっかり得ること。  そしてもう一つは、やはり首長の皆さんがそういう自らが災害対策指示する責任者であるという自覚をしっかり持っていただくこと。実は、そのために市町村長さんだけ集めるというのはなかなか時間が難しいので、例えば地方六団体、町村会とか町村議会議長会とかこういったものがありますので、そういうところで積極的にこういった取組に対して専門的な方を、講師を招いていただいて、そういったところでしっかり自覚をしていただく、認識をしていただく、こういう取組も必要だと思います。  それから一方では、やはり住民の皆さんが、こういった警報が出たとき、あるいはテレビ等々でも報道されていますので、そういう場合は自主的に避難を判断をする。私があえて十月の二十四日に記者会見をさせていただいたのも、そういうことでございます。自分の判断において、しっかり避難をした方がいいということならば、空振りに終わっても、それは幸運であったと思って避難をしてください、こういうことであります。  いずれにしても、自助、共助、公助、それぞれがバランスを取ってこそ初めて、災害に遭ったときに、発生したときに自分の命を守ることができて適切な対応ができるということになると思います。内閣府としても、あるいは防災担当大臣としても、そういう取組が各市町村あるいは都道府県、そして住民のお一人お一人の皆さんがそういう認識を持っていただけるような丁寧なプログラムの実施に努めてまいりたいと思います。  そして、ガイドラインの見直しも、今遅きに失したという議論もございましたけれども、今回、こういった災害教訓にして、ガイドラインの見直しを早急に専門家も入れて行っていきたいというふうに思っています。
  72. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  やはりこの国のガイドライン、八年間ずっと更新されてこなかった。この中で私は、具体的に二つ、国ができることとして提案したいんです。  一つ目は、このガイドラインを見直し続ける仕組み。毎年でもいいですし、毎回災害が起きるたびでもいいですし、年に何回でもいいです。国のガイドラインを見直す仕組み。そしてもう一つは、これを受けて市町村が作る自治体のマニュアル、これがあると思うんですが、この内容をチェックする仕組み。古くなっていないかどうか。いろいろやっぱり月日がたつと、いろんな、家も建つ場所も違ってきますし、古い家は取り壊されて、新しいマンションが違うところにできたり、いろんな変化ができてまいりますので、一つは、先ほど申し上げたとおり、見直し続ける仕組み。そして二つ目は、市町村が更新しているかどうか、修正を勧告したりアドバイスを行ったりする仕組み。この二つが必要だと思いますが、私の意見についてコメントをいただければと思います。
  73. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) まず、不断の見直しをしていく、全くそのとおりだと思います。災害対策基本法の改正でも、「科学的知見及び過去の災害から得られた教訓を踏まえて絶えず改善を図ること。」、理念の中でしっかりうたわさせていただきました。やはりこれは、今おっしゃったように、いろんなその地域によって実情が変わってくるんですね。やはりそういったものに適切に対応するためには、常に見直しが必要だというふうに思います。  したがって、地方公共団体に対しても、今ガイドラインの見直しの中でそういった考え方もしっかり反映をして、実情に合った対応をしていく、努めてまいりたいというふうに思います。
  74. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 定期的な見直しも必要ですけれども、ちゃんと期限を決めて見直しをしていくというのはいかがでしょうか。
  75. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) これ、ここに、基本理念のところに「絶えず改善を図ること。」と、こういうことでなっているので、むしろ、期限を求めるということではなくて、常に情勢が変わっていったらその見直しを図っていくと。今度、ガイドラインの見直しの中で、この理念が徹底するように私ども指導していきたいというふうに思っています。
  76. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  また、マニュアルがしっかりしていたとしても、それでも、自治体が必要にもかかわらず、避難措置をとらないこともあり得ると思います。  繰り返しますが、首長に防災の専門性は問われないわけです。そこで、避難指示や勧告は市町村長が行うと定める災害対策基本法の見直しを検討すべきだと思います。例えば、事態の緊急性に応じて、国土交通大臣又は気象庁長官から市町村長に対し、ある程度の強制力を持って避難措置をとるよう強く勧告できる制度などが必要なのではないでしょうか。いかがでしょうか。
  77. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) この法律の立て付けが、基本はやはり首長、地方公共団体の長が、特に市町村長がこの避難勧告避難指示を出すということになっています、現に、現状では。ですから、その判断が適切にできるような適切な情報提供をインタラクティブでなおかつ素早く適切に行う、これがまず何よりも大切だというふうに思います。  そしてその上で、本当に、場合によっては、国がそういう市町村長に代わってやる必要があるのかどうかと。こういったものもやっぱり専門的な見地からしっかり検証はしていきたいと思いますが、ただ、やはり原則はそういうふうになっている。むしろ、そのルールが適切に機能するようにしていくということが、やはり地方分権の時代、地方の人たちが主体的に対応していく、こういう時代の流れの中にあって、そういう形にしていただくのが理想だと思いますが、しかし現実とは千七百十九市町村があって、ギャップもございますので、今委員の御指摘も踏まえてしっかり検討していきたいというふうに思います。
  78. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 地方分権の流れはもっともだと思いますが、市町村の自主性を尊重するという言葉は美しいんですけれども、ある意味投げっ放しという、そういうとらえ方もあると思うんですね。ですから、ちゃんと状況を見て判断していただければと思います。  それから、防災専門家の養成について御質問したいと思います。  事前の準備を整備するのは災害対策として当然だと思います。ただ、実際、その準備を活用するのはやっぱり人間なんです。しかし、地域防災・減災の主役となる地方自治体災害のリスクに精通した職員を抱えているとは限らないと思います。特に、大島町のように役所の人員が限られている市町村では、災害に関する専門知識を持つ人材の確保は非常に難しい現状であると思います。  そこで、自治体ごとに災害のプロである災害対策専門職員を養成していく対策が必要だと考えます。また、避難指示や勧告の判断を行う、ゴーサインを送る決定に携わる人たちに防災に対する知見を養う防災研修を義務付ける必要性があるのではないでしょうか。  この自治体単位での災害に対する専門知識を補う方策について、どのような御認識でしょうか。
  79. 亀岡偉民

    大臣政務官亀岡偉民君) 今委員の指摘されたとおり、アメリカではFEMAというすばらしい組織があって養成をしていると。我が国でもようやく今年から予算を計上いたしまして、地方自治体の職員の防災スペシャリスト、これを養成するために研修をするということを決めております。特に、地方公共団体の職員、まず今年度は六十人に対して、内閣府の防災担当の業務を体験していただきながら、実際に災害の予防から応急対策復旧復興等に係る講座、演習を行う研修を実施しております。  あわせて、地方公共団体の職員等約四百名に対して、有明の丘基幹的広域防災拠点施設を活用して、一般職員、中堅職員、幹部職員それぞれの職務と経験に応じた災害対応力の養成のための研修を実施しております。幾らすばらしいツールを用意しても、それをしっかりと采配できる人材がいなければいけないということで、この人材をしっかり育成するための業務を担当する参事官も設置したところであります。  防災機関、しっかりと生かしていくためには、そのスペシャリスト、防災スペシャリストを地方自治体の中でしっかり養成していくということで、内閣としてしっかりこれからも取り組んでまいります。
  80. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  土砂災害対策全国的に遅れていると思います。国交省は、対策が必要な二十一万か所について、土砂流を防ぐ砂防ダムなどハード対策を進めていますが、整備率は現時点でまだ二四%にすぎないということです。  ハード面の対策は、要は工事などの公共事業ですから、予算も膨大に掛かりますし、時間も掛かるということはもう御承知のとおりです。先ほど私が読み上げた報告書でも堆積工について、視察をしたので触れてはいますけれども、これを全国で造るとなると膨大な予算が必要となりますし、もう本当に無限に掛かる。限られた予算の中で、これをやっぱり全国的に造るということは難しいかと思います。  ですので、私は、避難情報の伝達や調査も含めた災害準備体制の確立など、ソフト面の強化を優先して行うべきだと思うんです。最終的な成果物としてのハザードマップもそうですけれども、どの箇所が危険かという情報が分かりやすく、そして国民に提供されていれば、より安全な地域へ住居を選ぶという選択の機会を与えることもできるし、また、しかしながら、土砂災害防止法制定、これが平成十二年の五月に制定されましたけれども、これ、それから十二年間経過しております。今から言えば十三年経過しておりますが。  全国の危険箇所中、基礎調査実施箇所数は約六割、土砂災害警戒区域指定数は約五割程度にとどまっております。この割合で自治体防災意識が進んでいるとはとても思えません。そこで、土砂災害警戒区域の指定や基礎調査の実施を推進、加速する必要があると思うんです。基礎調査及び区域指定が進まないのは、どのようなことが要因とお考えでしょうか。
  81. 土井亨

    大臣政務官(土井亨君) 国土交通省といたしましては、これまでも土砂災害警戒区域指定に関する全国の先進的な取組の紹介や指定に必要な調査費を交付金として措置するなど、都道府県に対して支援を行ってきたところでもございます。  今後とも、指定を促進するための方策について、全国ブロックごとに都道府県との意見交換を行い、更なる適切な技術的助言を行ってまいりたいと思っております。
  82. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 警戒区域などに指定されると不動産価値が下がるなどといった住民の反発が根強く、指定全国的に遅れているのが現状だと思います。  この状況を改善するのは政策当局の強い決意が必要だと思います。何よりも重要だと思います。是非、限られた予算の中で上手に命を守っていくことを考えて、効率的に対策を進めていただきたいと思います。  時間となりましたので、終わりたいと思います。
  83. 柴田巧

    柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。  私も、先般、この委員派遣で伊豆大島に行ってまいりまして、土石流被害のすさまじさを目の当たりにしてきたわけでありますが、改めて、お亡くなりになった方に心から御冥福をお祈り申し上げ、また被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと思っております。  いずれにしても、今回の台風被害を受けて、二度とこういうことが起こらないように検証し、どこに問題があるか検証し、しっかり教訓を受け継いで、そして減災・防災に努めていかなければならない、そのことをしっかりとまた考えていかなきゃならないと思った次第であります。  そういう観点で以下質問をさせていただきたいと思いますが、その前にまず、現地に行って大変気になりましたのは子供たちの問題でございまして、大変なすさまじい土石流災害で大変怖かっただろうと思いますし、その後肉親の方、あるいは周りの方などがお亡くなりになり、いつも暮らしていた地域が大変な惨状になっておるということで、かなり子供たちはショックを受けていることだと思っております。  ニュースを見るたびに、やっぱり怖がる子供もまだいるやにお聞きをしたりもするわけでありますが、そういう心の傷にやっぱり寄り添うということが大事なんだと、まずは思っております。  東京都の教育委員会でいろいろお取り組みもされているんだろうと思いますが、そういう子供たちの心理的なケアがどのように実際行われているのか、また文科省としてもできる限りのサポートをしていくべきだと思いますが、どういうふうに考えておられるか、まずお聞きをしたいと思います。
  84. 義本博司

    政府参考人義本博司君) 台風被災地であります伊豆大島の児童生徒の心理ケアの問題についてお尋ねいただいたところでございます。  被災した児童生徒の心理的ケアにつきましては、児童生徒の臨床心理に関する高度に専門的な知識を有する臨床心理士を始めとするスクールカウンセラーを活用しまして、適切に対応していくことが重要であると考えております。  先ほど先生からお話ございました東京都におきましては、大島町立の全小中高等学校に通常の配置としてスクールカウンセラーを週一回配置しておりますけれども、今回の災害を受けまして、学校の要請に応じまして、心理の専門家三名を緊急派遣という形で児童生徒の心理的ケアに当たっていただくように派遣しているところでございます。  文部科学省におきましては、従来から児童生徒の心のケアに対応するため、スクールカウンセラー等の活用事業によりまして各自治体のスクールカウンセラー等に係る経費を補助しておりますほか、災害時等において被災した児童生徒を対象とした緊急支援の派遣の補助対象にもしているところでございます。  なお、大島町につきましては、通常の配置として国のスクールカウンセラー事業を活用いただいているところでございますけれども、さらに今後、現地のニーズを踏まえまして、御要望があれば迅速適切に対応してまいりたいと考えております。
  85. 柴田巧

    柴田巧君 是非、文科省としても最大限のまたサポート、支援をしていただきたいと思います。  次に、今回の土石流被害を受けて、先ほどからお話がありましたが、避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインのことをお聞きをしようと思っておりましたら、既に小坂先生、牧山先生の方からありましたので割愛をさせていただきますが、いずれにしてもあのガイドラインができてからもう既に年月がたって、いろんな、新たな情報などもつくられたりしておるところでありますし、いろんな問題が起きております。自治体災害時に的確な判断ができるように、またマニュアルがしっかり作れるように、また国としてしっかりお取り組みをいただきたいと思います。  次に移りたいと思いますが、今回の伊豆大島でもそうでしたが、いわゆる防災無線がやっぱり雨や風によって音声が聞こえないというのがしばしば起きるわけです。大島町では、あちらの言葉で言うとならいと言うようでありますが、北東の当時は強い風が吹いて音声が聞こえなかったということもあったようですし、これまでもそのスピーカーの向きによって聞こえたり聞こえなかったりしたりもするということですし、雨や風によってスピーカーが破損するということもあり得るわけです。  したがって、災害情報をいかに確実に伝えるかというのは防災・減災の鍵だと思いますけれども、先ほどもいろんな伝達方法の話ありましたが、やはりこの伝達手段の多様性を確保するというか、複数の伝達手段の確保が求められると思います。この点は、我が党がこの台風被害内閣に対して要望書も出させていただいたところでありますが、この伝達手段の確保、複数の、どのように取り組んでいかれるか、大臣にお聞きをしたいと思います。
  86. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 委員御指摘のように、災害のときには多様な伝達手段を用意しておくというのは極めて重要ですね。  例えば、外のスピーカー。あれも有効なときがありますけれども、一方では聞こえないときもありますので、そういうときには、例えば戸別の受信機ですね。今、防災無線、戸別の受信機というのがどんどん配付されている地方公共団体もありまして、そういった取組にすること。それから、いわゆる携帯電話が配信している緊急メールですね、緊急防災メール。先ほど牧山委員からもその御指摘がありましたけれども、こういった取組。あるいは、緊急時に自動的にスイッチがオンになるラジオもございますので、こういった取組をしていく。それから、やはり車ですね。町役場の車がスピーカーを付けて直接防災の呼びかけをするだとか、あるいは、やっぱり、これヒューマンインターフェースというんですかね、人間同士が情報の伝達をし合う、こういう手段も必要なんでしょう。こういうことを、多様な手段をあらかじめ確保しておく。  それから、実際に、いざ本番のときに突然そういったあれを活用するのではなくて、ふだんからそういう多様な手段について訓練をしておくと、こういうことが必要だと思いますね。これは、災対の基本法の改正の中でもそういう考え方、理念も入っておりますので、是非、地方公共団体におかれましては、そういった情報の多様な手段を確保すると同時に、ふだんからそういう活用の仕方について、住民皆様、役場の皆さんもしっかり認識をしておいていただくということが大切だと思います。
  87. 柴田巧

    柴田巧君 今おっしゃったように、いろんなことを想定をして、地方自治体もいろいろ努力をしなきゃなりませんが、国としても、いろんなそういう多様性の確保のために努力をしていただきたいと思います。  さて、今回の台風被害もそうですが、今年はいろんな災害がありました。そして、毎年毎年、結局同じ失敗が繰り返されているのがこの国の現状ではないかと思ったりいたします。今回も、避難勧告を出せなかった、避難勧告が遅くなった等々、何回も何回も今年も聞かされました。  こういう同じ失敗を我が国は繰り返すのも、一つは、例えば災害課題教訓を共有するというシステムがやっぱり確立を十分にされていないんじゃないかと、あるいは危機管理、災害対応等の標準化をする、そういうやっぱり仕組みが十分できていないんじゃないかというふうに思うわけで、こういったことをやっぱりこの機会にしっかりこの日本の防災文化の中に根付かせていくことが減災・防災につながっていくのではないかと思います。  その点、アメリカはいろんなそういう仕組みを持っているわけで、例えばこのAARという、これは軍隊がつくり出した仕組みでありますが、アフター・アクション・レビューというシステムです。つまり、これは自然災害がなぜ起きたか、また、そしてその対応がうまくいったかを検証するシステムと言われておりますが、これは災害対応の失敗を個人に帰するのではなくて、災害において得られた経験や失敗を徹底的に分析をして、それを災害対応の将来の教訓として災害対応のプログラムの中に組み込む検証システムであって、被災経験のない地域に対してのガイドラインになったり、あるいは、そういった継続的な改善を通じて災害対応準備能力を高めていくというもので、そしてそれを災害対応従事者の間で共有、普及するものであります。  こういったものを日本でも非常に参考にして、そいうものもつくり上げていくというのは大事だろうと思いますし、それが、この自治体によって対応がばらばらになるということをひとつ防いでいく、あるいは同じ失敗を繰り返すことをやめさせていく一つのきっかけになるんじゃないかと思いますが、大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
  88. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 委員と全く問題意識は同じでありまして、我々も、過去様々な災害がありましたので、それを踏まえて、それを教訓として対応してきているところで、一例でいえば、まさに東日本大震災で釜石の奇跡と言われる、あの訓練、意識、そもそもの意識、訓練、これが生きるということ、これを我々教訓として、いい事例として踏まえて、災害対策基本法の中にもこうしたことをやっていこうと、防災訓練、防災教育、これも組み込んだわけでありますし、阪神・淡路の教訓を踏まえて被災者生活再建支援法、これも作ったわけでありますし、それから、個別の対応についても様々な災害教訓を生かしながら我々も取り組んでいるところでありまして、こうした点については、中央防災会議防災対策推進検討会議等において様々な検証も行っているところであります。  また、先般、私もFEMA、アメリカのFEMAへ行ってまいりまして、共にその情報の共有、経験の共有をしようということで合意をいたしまして、その後も、例えば研修制度なんかもアメリカ側が進んでいる点もありますので、これは我々も、我々の専門家も派遣してこれを是非学ぼうということで今やり取りもさせていただいておりますし、アメリカでの経験も我々の将来に生かせる形にしていきたいと思いますし、いずれにしても、委員御指摘のまさにこのアフター・アクション・レビュー、このやり方、一つ一つ災害教訓に次に生かしていくということを是非引き続き今後の災害対策に生かしてまいりたいというふうに考えております。
  89. 柴田巧

    柴田巧君 是非お願いをしたいと思います。  それからもう一つ、これはICSと言われていますが、インシデントコマンドシステムというもので、これは消防から始まって、今あらゆる災害現場、事件現場等における標準化されたマネジメントシステムとアメリカではなっているようでありますが、命令系統や管理手法を標準化をしていく、そして、いろんな災害対応に当たってそれを徹底的に現場にたたき込んでいくということでございますが、そして、それに基づいた防災教育を施しているというものでありますが、確かにアメリカと日本の実情はやや異なりますので、一〇〇%参考になるかどうかは難しい点はあると思いますが、こういうシステムも危機管理の災害対応の標準化をしっかりしてやっていくと。そして、個々に、それぞれ最適なことができても全体として最適なことができないと、結果として、ということが起きないように、こういった仕組みも大いに参考にすべきだと思いますが、御見解をお聞きをしたいと思います。
  90. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) この点も、まさにアメリカといろいろ議論もさせていただきましたし、我々として参考になるところは是非取り入れなきゃいけないと、この問題意識は委員と全く同じであります。  ただ、一つ違うのは、いわゆるオールハザードアプローチという、全ての災害自然災害に限らず、電車の事故、飛行機の事故、テロ、コンビナートの爆発、産業災害、こうしたものをオールハザードアプローチでアメリカはやっているのに対して、若干、これは日本も今後将来の課題として考えなきゃいけない点でありますけれども自然災害と産業災害、あるいはそういう電車、飛行機の事故と分けてやっておりますので、この仕組みが違うところはありますので、直ちに全てを標準化してそれをやるというわけにいきませんけれども、しかし、できるだけ効率よく標準化されたものでできるにこしたことはありませんので、我が国におきましても、アメリカのシステムを参考にしながら今関係省庁と専門家に入っていただいて災害対策標準化検討会議というもので検討しているところでありまして、まさにどういうふうに対応の標準化をしていくのか、あるいは自治体災害対応、先ほど御指摘ありましたけれども、ばらばらな対応ではなくて標準化して、最も効率的なスタイルがあるんだと思いますので、そうしたものの追求、こうしたところの議論を行っているところでありまして、是非、我が国実情、日本の実情に合ったやり方ではありますけれども、できるだけ標準化できるものは標準的なマネジメントシステムを確立すべく、これは是非、年内に取りまとめ目指して頑張って検討していきたいと思っております。
  91. 柴田巧

    柴田巧君 どうもありがとうございました。  今申し上げたように、同じ失敗を繰り返していかないためにも、この災害教訓課題を共有化していくこと、あるいはそういった災害対応を標準化していくことは非常に大事だと思います。アメリカの例も参考にしながら、日本の実情に合ったいい仕組みを是非つくっていただきたいと思います。  次に、消防庁にお聞きをすることとなるかと思いますが、来年から、先ほどから今日は特別警報の話がいろいろ出ておりますが、Jアラートを使って特別警報住民に伝えるということであります。住民にそういった情報が伝わっていくことは大変意味があることだと思いますが、どのようにこれは取り組まれるのか、まずお聞きをしたいと思います。
  92. 室田哲男

    政府参考人(室田哲男君) 気象庁が発表いたします特別警報につきましては、住民の安全、安心の確保のため、あらゆる情報伝達手段を適切に活用して住民に速やかに伝達する必要があると考えております。  そのため、現在、消防庁におきましては、住民に対し、大雨等特別警報を瞬時に伝達できますよう、気象庁と連携しながらJアラートのシステム改修を行っておりまして、来年度から防災行政無線等を自動起動させるというようなことでJアラートの運用をしていきたいというふうに考えております。  消防庁といたしましては、この特別警報を始め、様々な災害情報を迅速かつ確実に住民に伝達いたしますため、このJアラートだけではなく、先ほど来出ております様々な情報伝達手段を組み合わせて多重化を図りながら、地方公共団体における情報伝達体制の構築を促進してまいりたいと考えております。
  93. 柴田巧

    柴田巧君 是非そういう方向でお願いをしたいと思います。  ただ、Jアラートはしばしば運用の段階で不具合が起きたりして、大分良くなってきたという感はありますが、そこはしっかりクリアをしていただいて、今おっしゃったように、多重的にいろんな情報がしっかり伝わるように取組をしていただきたいと思います。  時間も少なくなってきましたので、特別警報いろいろお聞きをしたかったんですが、ちょっと飛ばしていただいて、いろんな災害被害を未然に防いでいくためにも、いろんな予測技術を開発していくというのが大事なことだと思っております。  今、防災科学研究所では、いわゆるゲリラ豪雨を一時間前に予測できるようにしようという技術を開発をし出したと聞いておりますが、こういったことがこの減災・防災にもつながっていく大事なことだと思いますが、これはどのように今取り組んでおられるのか、お聞きをしたいと思います。
  94. 磯谷桂介

    政府参考人(磯谷桂介君) お答え申し上げます。  防災科学技術研究所では、気象災害被害を軽減するために、御指摘のありました集中豪雨などを引き起こす積乱雲の発達過程の解明あるいはそれに基づく予測研究など、気象災害観測予測研究に取り組んでいるところでございます。  これまでも局所的に発生する集中豪雨をとらえることができる高精度雨量、雨の量でございます、の観測レーダーであるXバンドマルチパラメーターレーダーを開発しております。このレーダーの技術防災科学技術研究所から国土交通省技術移転されまして、河川の管理等に役立てられるなど、研究成果が具体的な防災対策に貢献しているところでございます。また、現在、雨が降る前から積乱雲を観測できる高感度な雲のレーダーの整備を進めているところであります。  今後とも関係省庁としっかりと連携を図りながら、集中豪雨などの早期観測予測技術の開発に取り組んでまいりたいと考えております。
  95. 柴田巧

    柴田巧君 そういった中で、気象庁気象庁として、またいろんな局地的な集中豪雨等の予想精度の向上に取り組んでいるわけであります。  それぞれ、そういうことはないんだろうと確信をしておりますが、自分たちの省庁の予算でこうやって手柄を立てるというようなことではなくて、住民の皆さんからすれば何省でも何庁でも予測ができればいいことであって、そこら辺はしっかり、まずは気象庁としては取り組んでいただきながら、今お話があったように、やっぱり連携をして、よりいいものをつくっていくというのは大事なことだと思っております。  そういう意味で、役割分担というか連携もしっかりしていただきながら、この局地的な集中豪雨等の予想精度に取り組んでいただきたいと思いますが、どのようにやっていかれるか、また、いかに他の関係省庁と連携してやっていくか、気象庁にお聞きをしたいと思います。
  96. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 気象庁では、集中豪雨などの大雨を監視、予測するという任務を負っていまして、ドップラー・レーダーの全国整備や高解像度化を実施し、観測システムの強化を図ってございます。同時に、数値予報モデルでいいますスーパーコンピューターでのシミュレーション技術、これについても高度化を進めるとともに、短時間での大雨等予測技術の開発に向けて努力しているところでございます。  また、気象庁には気象研究所という研究機関がございまして、次世代の観測予測技術の研究開発に取り組んでいるところでございますが、その研究の実施に当たっては、文部科学省等が推進する研究プロジェクトにも積極的に参画し、防災科学技術研究所など関係する研究機関あるいは大学等と連携を深めているところでございます。今後も連携を強化していきたいと思います。
  97. 柴田巧

    柴田巧君 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
  98. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 委員長、ちょっと訂正一つだけ。
  99. 竹谷とし子

  100. 西村康稔

    ○副大臣西村康稔君) 済みません、先ほど標準化の検討会、年内に取りまとめということで申し上げたかと思うんですけれども、年度内を目指して取りまとめていきたいと思いますので、済みません、訂正させていただきます。
  101. 柴田巧

    柴田巧君 ありがとうございました。
  102. 西田実仁

    西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。  私も一昨日、この委員会で皆さんと御一緒に大島町の方にお邪魔をさせていただきまして、本当に尊い命を落とされた方々に心からの御冥福をお祈り申し上げますとともに、今もなお大変な困難を強いられている方々にお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。  今日、私がお聞きをさせていただきたいまず最初でございますけれども、視察の際にも町長からお話がございましたけれども、町長も大変毎日毎日御苦労されながらこの対策に当たっておられるというお話の中で、町の公式サイトがようやく更新できるようになったということもおっしゃっておられました。大変な災害の状態でございますし、まだ行方不明の方もいらっしゃいます。そういう中で、防災情報をしっかり提供せよと、こう言われてもなかなかそれに対応できないという現状を、この町長のお言葉にもそういうふうに感じたわけでございます。  実際に、まだ危ない危険な箇所が島内に八か所あるという報道が先日ございました。その八か所が一体、じゃ、どこのどの地域なのか。町民の皆さんからすれば、まさに詳細な情報が欲しいと、こう思って町の公式サイトにぶつかっても、そこには、ツイッターではございますけれども防災無線と同じ情報しか文字になっていない。じゃ、一体この危険な箇所八か所はどこなのかたどっていこうとすると、国交省が発表していたという報道があるものですから、じゃ国交省か、関東地方整備局か。関東地方整備局に、サイトに当たってようやく、あっ、ここにあったのかという、なかなか普通の町民の方からすれば、町のサイトにすぐに行って危険な箇所が分かるという、そういうことになっていればいいんですけれども、残念ながら、様々な国交省や警察庁や消防庁や、いろんな情報が、それぞれの省庁には発表されているのかもしれませんけれども、サイトに発表されているのかもしれませんけれども、町民からすれば、やはり町の公式サイトへ行けば全てそこで防災情報が一元化されていて、それにアクセスすれば詳細な情報が得られると、こういうふうになるのが一番安心を生むんだろうというふうに思うわけであります。  しかし一方で、町の方には、なかなかそういう体制に今ないというのもこれまた現実でございます。ですから、ここはやはり町だけにお願いをするというよりも、こういう防災情報を一元化して、町のサイトに行けばあらあらのことは全て分かるというようなその町の公式サイトを作るべく、町を都や国を挙げて支援を一刻も早くしてあげないと、町民の方も大変に困るんではないかというか、実際に困っているという声をたくさん私もお聞きしているわけでございまして、この点の早急な改善ということを是非お願いをしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  103. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 委員御指摘の災害に対する情報が一元的に把握できるようにするということは、やっぱり被災者の立場からしては有効な手段の中の一つだと思いますね。  総務省の方では、自治体避難指示ですとか勧告の情報や避難場所の情報提供を集約をして、テレビとかラジオ、携帯電話、インターネット等の多様なメディアを通じて一括して提供するシステムを整備する際に補助を行っていると、こういうことでありますが、一方では、やはりこういったネットとかに余り得意ではない高齢者の方もいらっしゃいますよね。ですから、そういった方々に対しても適切な伝達をしていく。  だから、それはポータルサイトで一括というのはなかなか通用しないと思いますので、いずれにしても、そういう情報伝達の多様性というか手段の多様性というものはしっかり確保して、やはりこれは地方公共団体によって相当違うでしょうね。例えば、すごく若者がたくさんいるような地域なんかはもう全部そういうネットでできるでしょうし、お年寄りがもうほとんど主体の地域というのは、やっぱりそういう伝達の手段はなかなか通用しないかもしれませんので、やっぱりそれぞれ地方公共団体の実情に応じて丁寧なきめ細かな対応をしていくということが極めて大切だと思いますし、内閣府としても、そういったきめ細かな対応ができるような御支援は申し上げたいと思っております。
  104. 西田実仁

    西田実仁君 是非、今この大島町の町民の方々にとっては、危ないと言われても、報道でしか知らないような状態で、島の外の人からすれば、それで、報道で済むんですけれども、そこに住んでいる人からすれば、そういうざっくりとした情報ではなくて、詳細な情報をすぐに入手できるという体制を町がなかなか取れないのであれば、都や国が一生懸命支援していくということが是非とも大事だと思いますので、御支援方お願い申し上げたいと思います。  それに関連しまして、寄せられたお声の中に、聴覚に障害のある方からの御要望をいただきました。これは、台風二十六号以降、キャリアによってはデータ通信が大変不安定になっている島の状態がございます。こういう方にとりましては、防災無線はなかなか聞こえないわけでありますので、データ通信というのが命綱になっているわけであります。もちろん健常者の、この方の御家族、健常者によるサポートはありますし、また仕事もされておられますので、島外避難することなく、島内において暮らしておられるわけであります。  今後、島内に最大で十四か所とも言われております避難所が準備もされているということで、こうした避難所に、こういう聴覚に障害のある方はまさにデータで、ツイッターにせよフェイスブックにせよ、そうしたツールによって情報を入手するわけでありますので、島内の避難所に公衆無線のLANスポット等を設置することはできないのかと、こんな声も寄せられておりますけれども、御検討いただけるんでしょうか。
  105. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 障害の内容に応じて適切な情報伝達手段を整備、確保する、極めて大切なことだと私ども認識をいたしております。内閣府としても、障害者とか高齢者、避難行動要支援者ですね、こういった方々への支援が行われるように今年八月に取組指針を策定をいたしまして、今、全市町村に通知をいたしております。  この取組の中では、障害者の方々に緊急かつ確実な避難指示等々が伝達できるように、ファクスであるとか携帯の端末等々多様な手段を活用するように盛り込んでおり、こういった取組を推進していくことによって、障害者、特に聴覚障害者という御指摘もございましたが、そういった方々に適切な情報が入っていくと、こういう取組が市町村としても促進をするようにしっかり我々も支援をしていきたいというふうに思っております。
  106. 西田実仁

    西田実仁君 一般論というよりも、この大島の町に設けられる避難所、ここにこういう公衆無線のLANスポットを今すぐ設けないと、そういう聴覚に障害のある方のデータ通信は大変に今、通信状態が不安定なわけでありますから、全国的に今後整備しますという、支援しますということではなくて、今、目下この島で困っている問題としてはどうでしょうか。
  107. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) これはもう大島町に特化した話という御指摘でございますので、これは今、私ども、支援室がありまして、みんな情報を取って、今一旦引き揚げていますけれども、皆さんの情報をしっかり我々入手していますので、そういった御要望に適切に対応できるように御支援を申し上げたいというふうに思います。
  108. 西田実仁

    西田実仁君 ありがとうございます。  今回、私も伊豆大島大島町にお邪魔する際に利用させていただきました高速ジェット船の料金についてお尋ねをしたいと思います。  切符には、片道七千百五十円だったと思いますけれども記載されておりまして、大変に高い料金だなと、往復一万五千円という高速ジェット船。一時間四十五分ということでございましたけれども、往復で一万五千円近く掛かると。高速ジェット船ではなくて大型船の場合には片道四千七百二十円。これが二等級で、八時間掛かると。東京から大島というのは百二十キロ。もちろん、乗り物は違いますけれども、同じ百二十キロ移動する際に新幹線なら幾らかというと、東京―三島間なんですけれども、これは片道五十分で三千八百九十円と。在来線なら、二時間掛かりますが二千二百十円と。同じ百二十キロを移動するのも、ほかに安価な交通手段のない島に渡るに当たって往復一万五千円掛かるという現状でございます。  そういう高速ジェット船に乗りながら大変強く思いましたけれども東日本大震災のときにも高速道路の無料化ということがございました。大島におきましては、この安価な交通がございません。復旧復興というのにめどが付くまでの間、島民の生活再建あるいは復旧復興の円滑化ということを目的にして、こうした大変、他に代わりのない大島を行き来する、そういう交通費に対する、今もございますけれども、更にそれを支援をしていく、復旧復興のめどが付くまでにと、こういう特段の配慮も必要ではないかというふうに思いますけれども、国交大臣政務官、いかがでございましょうか。
  109. 中原八一

    大臣政務官(中原八一君) 現在、伊豆大島への航路につきましては、船舶運航事業者であります東海汽船が、島民に対し、高速ジェット船につきましては三〇%、大型旅客船につきましては三五%の運賃割引を実施しております。さらに、今回の伊豆大島災害を受けまして、委員御指摘の復興活動を支援するボランティアの運賃割引につきまして、東海汽船は島民割引と同率の運賃割引を、本日でございますけれども東京発の夜便より導入することを決定したところでございます。
  110. 西田実仁

    西田実仁君 これから、更に復旧復興というのは本格化してくるというふうに思います。また、そうあらねばならないと思います。それらに対しまして、きめ細かい支援を是非更にお願いしたいというふうに思います。  次に、私の方からは、このお話も随分質問で出ていたかとは思いますけれども避難指示、また避難勧告につきましてお尋ねをしたいと思います。  今回の災害におきましては、気象警報をどう避難勧告避難指示に結び付けていくのかという課題が浮き彫りになりました。特別警報はこれまで経験したことのない警報ということでありまして、それが発令された段階では危険度が相当もう既に高まっている状態であるというふうに考えられます。住民の安全な避難のためには、地形や土質、過去の災害経験など、地域ごとに災害の危険度を判断しながら、特別警報を待つことなく、その前の段階で的確な避難指示避難勧告自治体が出せるようにしていくことが重要ではないかと私は考えますけれども気象庁の方はいかがお考えでしょうか。
  111. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 委員御指摘のように、台風等への対策ということでは早め早めの対応というのが極めて重要と考えています。  このため、自治体における避難勧告などの判断に際しては、特別警報を待たずに、気象庁から時間を追って発表いたします台風予報、警報土砂災害警戒情報などを有効に活用いただき、対策を取っていただきたいと思います。この点につきましては、先ほどから出ておりますガイドラインということがございますので、内閣府等とも連携し、引き続きその周知、普及に努めていきたいと思ってございます。
  112. 西田実仁

    西田実仁君 そのために参考となるのが、アメリカのハリケーン災害で取られますタイムラインの考え方ではないかというふうに思われます。今回の台風二十七号の方の対策におきましては、我が国では初めてこのタイムライン的な対応が見られたのではないかというふうに考えるわけでございますけれども、こうしたタイムラインのような対策も含めまして、気象情報住民避難判断に的確につなげるために自治体に対して今後どのような支援を行っていかれるのか、お伺いしたいと思います。
  113. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) お答えいたします。  先ほど来出ておりますガイドラインの見直しということをやっておりまして、その中では、もう早め早めの対応というものが重要でございます。今委員御指摘のとおり、三重県の紀宝町におきましてタイムライン的な考え方を取り入れて、要するに、一定のときにそこを、時間をセットして、それより前に、例えば避難所をいつ開設するか、その前に防災安全施設をいつ点検するかとか、そういうようなことをやっておりまして、そういったことも、今回のガイドラインの中でなるべくそういった考え方も取り入れるようなことを指導してまいりたいというふうに考えております。
  114. 西田実仁

    西田実仁君 そうした取組と併せまして、今回は特に土砂災害のことについて、その避難指示・勧告を出すタイミングというので、今回視察に行かれても、町長の方から大変に悩んでおられるというお話もお聞きしました。  この土砂災害警戒避難ガイドラインというのは、二〇〇七年でありましたでしょうか、既に定められております。このガイドラインでは、専門家の助言の活用ということも求められているわけでありますね。今回、町長もそのタイミング、出すタイミングを大変悩んでおられるというのは、やはり地域防災の必ずしもプロということではない首長さんがその指示を出すということについて悩んでおられるわけでありまして、こうした避難勧告を出すのに大変悩む首長さんに対しましては、地域防災を指南する専門の防災機関が必要ではないかという指摘もございます。  いずれにいたしましても、土砂災害警戒避難ガイドライン、これに定めております専門家の助言の活用ということが今現状どのように活用されているのか。十分に活用されていれば今回のような悩むことにもならないわけでありましょうから、それが十分でないとすれば、今後どのようにそれを改善をして実際に指示を出さなきゃならない首長さんをバックアップできるのか。二つについてお聞きしたいと思います。
  115. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) 御指摘の平成十七年のガイドラインで作成いたしましたときにおきましては、例えば、降雨指標値が一定時間後に土砂災害発生の目安となる線に到達すると予測されるときには避難準備情報を出せとか、何かそういう、同じように、降雨指標値が一定時間後に土砂災害発生の目安となる線に到達すると予測されて何とかとか、かなり難しい言い回しをしておりまして、そうなりますと、やはり専門家の方の御意見というものは非常に重要になってくるというふうに思います。  今回、その後に土砂災害警戒情報というのがつくられまして、これは降雨の量ですとかあるいは土壌水分、土壌における飽和というんでしょうか、水のたまり具合とか、そういうものを勘案し、なおかつその地域地域特性も勘案した上で、これは危なそうだというときに気象庁さんとその都道府県の砂防担当部局と一体となって出す仕組みになっておりますので、そういった意味では、従来よりも地方の首長さんが判断しやすい状況になっているのかなというふうに思っております。  ただ一方で、やはりもっと数値情報的なものも勘案した、例えば降り始めの雨量がどれぐらいになったとか、そういうことを勘案して勧告等に参考にするということも非常に重要だと思っておりますので、そういった意味では専門家の活用ということも大切かなというふうに思っております。  学識経験者の委員会をつくって決めるとかいろんなやり方はあろうかと思いますけれども、国としてもできる限りの支援はしてまいりたいというふうに思います。
  116. 西田実仁

    西田実仁君 そうすると、こうした首長さんの今大変に判断に悩んでおられる、そういう場合に相談をする専門家というのはもう十分ということになるんでしょうか、それともどこか改善をしていくんでしょうか。
  117. 日原洋文

    政府参考人日原洋文君) 幾つかのシチュエーションがあると思います。  一つは、この地域防災計画を作る段階でどういうような数値目標と、あと数値によって判断指標とするかということについては、恐らく委員会のようなものをつくって学者さんの意見を聞いて決めるとか、あるいはもっと簡便には、先ほど申しましたような土砂災害警戒情報そのものを使って判断するというようなやり方があろうかと思います。  もっとより個別的に、実際に雨が降ってきてこれが危険かどうかというような判断ということであれば、今般、災害対策基本法を改正いたしまして、そういった助言を求めることができるような規定を置きましたので、公共団体の方から気象庁なり地方整備局の方に助言を求めて、それについて回答するというようなやり方もあろうかと思います。ふだんからそういった関係を密にしておくということも重要であろうかというふうに思っております。
  118. 西田実仁

    西田実仁君 繰り返しですけれども、首長さんは必ずしも地域防災のプロではありませんから、やはりその判断に大変迷う、そして全住民に影響を与えるわけでありますから、大変に困難な判断をしなきゃならないと、こういうことでありますので、是非そうした専門家の方がアドバイスを直にできるような、そういう体制をもっと充実をさせていただきたいと、このように思います。  その上で、今回の台風二十六号に際しましては、大変甚大な災害発生したわけでありますが、いわゆる特別警報は出なかったという問題が繰り返し指摘されております。  島嶼部におきましては、陸上での観測点の設定には制約があります。十分な精度が確保できないと、こういうことも指摘されているわけでありまして、特別警報の発出そのものがなかなか難しいということは認識をしているわけでありますけれども、今回の大島での豪雨のような局地的な豪雨に対する予測精度を少しでも向上をさせていくことは大変重要ではないかというふうに思われます。  予測精度を向上していくために、陸上雨量観測を行う雨量計の増設等、雨量観測体制の充実を図る必要があると考えますけれども、具体的な対応状況についてお伺いしたいと思います。
  119. 羽鳥光彦

    政府参考人羽鳥光彦君) 気象庁では、集中豪雨等の大雨の監視ということを行うために、地上の観測施設として雨量計、アメダスと呼んでいますが、これ全国約千三百か所設置してございます。また、国や自治体等の雨量計、これにつきましても約九千三百か所、全国に展開されているものをリアルタイムで気象庁に収集しています。全体でいきますと、現在、約一万六百か所の雨量計というものを収集してございまして、運用系という観点ではおおむね観測ネットワークは構築しているものと考えてございます。さらに、これにレーダー等のリモートセンシング技術を加えて、より稠密な面的な雨量分布等を観測しているところでございます。  一方、気象庁では、今回の大島の事例というものを踏まえまして、特に島嶼部中心自治体等の雨量計の設置状況というものを把握した上で、観測ネットワークの強化に向けて今後検討してまいりたいと考えてございます。
  120. 西田実仁

    西田実仁君 そうした雨量計そのものの点検等をしていただきながら、その増設、充実というものに是非お願いをしたいというふうに思います。  最後質問でありますけれども、今回の台風二十六号による様々な災害というのは全国各地に及んでおります。  私の地元でございますが、埼玉県の三郷市というところは埼玉県でも東部でございまして、大変に水の出るところと昔から言われて、大変に困難を極めているわけでありますけれども、この三郷市一帯におきましても、今回の台風二十六号で相当、そういう地域であるからこれまでも浸水対策等を取ってきたわけでありますけれども、それでもなお、この十数年来、見たことのないような浸水被害というものに遭ってございました。  やはり、もちろん三郷だけではなく、全国そういう地域が多かったわけでありますが、これまでに経験したことのない、いわゆるゲリラ豪雨というか、局地的な大きな雨によって従来の対応では回避できない水害に遭っているということであろうかと思います。  お手元にこの三郷市全図位置図というのを書かせていただいておりまして、ちょっと分かりにくいかもしれませんが、左側が一級河川の中川でございまして、右側を上から下に流れておりますのが江戸川でございまして、その間に水色の色を付けてあるのが内水である大場川、第二大場川というのが流れていて、そこの雨量が多くなりますと、真ん中ちょっと下の三郷放水路水門というのがありまして、そこで中川あるいは江戸川の方に水を放出していくと、放水していくと、こういう仕組みになっているわけでございます。  そういう意味では、市内の内水をいかに中川や江戸川といった一級河川に流していくのかということが浸水を、この南の方ですね、下の方に被害をもたらさないためには大事なわけでありますけれども地元からの要望では、今回大変な浸水被害に遭いました、これを改善していくためには、三郷放水路水門を開ける基準が今二メーター三十ということでございまして、これをもうちょっと、二メーター十とか二メーター二十というふうに下げて、できるだけ早く水を江戸川の方に流していくことが内水による冠水を防ぐ近道ではないかと、このように申しているわけであります。  しかし、もちろんこの二メーター三十というのは操作基準というか規則があって、それによって定められていることはよく承知してございますし、またこの地域だけではもちろんないわけでありますから、全体の治水ということを考えながらこうした規則になっているんだろうとは思いますけれども、しかし、今回の台風二十六号を始めといたしましたゲリラ豪雨等に対して、実際に被害が、浸水、冠水被害が起きているということは事実でありますから、これを改善していくというためにどういうような、例えばこういう水門の基準を下げていくとか、あるいはふだんは閉じているゲートを開くとか、様々な検証をして見直しをしていくということをしなければ、同じような被害が何度も繰り返されるということになってしまうんではないかというふうに思うわけであります。  是非、国、また県、もちろん地元の市の協議は必要でありますけれども、その協議によって、こうした水門を開ける基準値の引下げも含めて検討をしていくべきではないかということを申し上げたいと思いますが、国交省の方、いかがでございましょうか。
  121. 中原八一

    大臣政務官(中原八一君) 委員の御地元の埼玉県三郷市でありますけれども、御説明いただきましたように、江戸川と中川に囲まれた低平地に位置しておりまして、豪雨になりますと、三郷市に降る豪雨で浸水するだけではなくて、埼玉県管理の大場川等を通じて上流から洪水が流入いたします。このため、三郷市、埼玉県の排水機場に加えまして、国土交通省としましても三郷放水路を整備し、津波浸水を軽減してまいりました。  三郷放水路に関連する水門、排水機場の操作規則については、これまでの降雨の実績を勘案し、また、江戸川、中川流域全体の被害を最小限にするように定めてございます。今回の台風二十六号の際にもその操作規則に従って施設を操作したところでございますけれども、三郷市において、残念ながら床上浸水三十三戸、床下浸水九十五戸の浸水被害発生をいたしました。  国土交通省としましては、三郷放水路に関連する水門操作の工夫によりまして台風二十六号のような豪雨に対しましても浸水被害が軽減できるかどうか、このことにつきまして埼玉県や三郷市と連携をいたしまして検討を進めてまいりたいと思います。
  122. 西田実仁

    西田実仁君 終わります。
  123. 吉良よし子

    吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  まず初めに、今回の台風二十六号による災害で亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、御遺族に対して深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対して、心よりお見舞いを申し上げます。今なお行方不明者の皆さんの捜索に当たられている大島町の職員や消防団を始め、関係者の皆様にも心から敬意を表したいと思います。  さて、私は、発災後二回にわたって大島に伺いました。とりわけ、発災直後の十九日に、大臣と同じ日でしたけれども、伊豆大島に伺ったとき、大島在住の七十代の方から、今まで町では住み続けられる島づくりを頑張ってきた、だからこそ今回の災害での教訓をしっかり受け止めて、若い世代もこの先百年、二百年住み続けられる島にするための支援をしてほしいと言われたことが忘れられません。三十日に委員派遣で伺ったときには、町長も支援と復旧に踏み出し始めたと話されていましたが、これからが大島町の復旧復興の正念場です。  私は、この大島町の復旧復興に当たっては、先ほどの百年住み続けられる島にという島の皆さんの思いにこたえて、とりわけ、これから将来の大島町を背負って頑張ろうとしている若い人たちが希望を持って立ち上がれる、なりわいと生活の再建を目指すことを基本に据えるべきと考えますが、大臣大島復旧復興へ向けた決意をお聞かせください。
  124. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 吉良委員、私は、ちょうど十九日でしたかね、政府視察団として行きましたときにお目にかかりましたね。熱心に視察をされておられる姿を見ました。  今、若者が将来も希望を持って暮らしていけることが大切だ、もうそのとおりですよね。ただ、そのためには、まず今回の災害から立ち直って復興させていくということが大切で、まず第一点は、我々、激甚災害で、農地の災害、それから中小企業の助成に関しては激甚災害指定を事実上決定させていただきまして、まだこれは本来なら閣議決定していないことなので余り声高には言えないんですが、閣議決定をできるだけ来週中にいたしますので、これでしっかり対応をするということが一点。それからもう一点は、やっぱり被災者の支援について、まず災害救助法に基づきまして仮設住宅等々の支援、それから被災者生活再建支援法、これの支援金のお渡しする等々によって、国としても支援をしていくということでございます。  やはり都と町と十分連携をして、大島町がしっかり復興していく。やっぱり将来また、こういった大変な災害に見舞われたけれども、再びこの地元で若い人たちが活力を持って生活をしていこうという意欲を示すためには、私どもいろんな面で御支援をしていかなければいけないことだというふうに思っております。心して対応していきます。
  125. 吉良よし子

    吉良よし子君 ありがとうございます。  私が大島に伺ったとき、今回の被害のひどかった元町神達地区で亡くなられた、中米原産で大島名産の花ブバルディアの栽培に力を入れてきた御夫妻のことを聞きました。亡くなった御夫妻は、学者のような探求心で来年はもっといい花をと品種改良に努めていた方たちで、自宅近くで栽培していたブバルディアは都の品評会でも何回も入賞するほど美しく、各地から指名で注文も入っていたそうです。この御夫妻の弟さんが、今回奇跡的に泥から脱出して助かった息子さん御一家が、もし兄夫婦の後を継いで農業を再開したいと考えるなら支えていきたいとおっしゃったという報道もあります。  先ほど大臣からもありましたように、今回の災害が局地激甚災害指定されるとの見通しであることが報告がありましたけれども神達地区被災状況は深刻で、全てのものが押し流されている中、この地域被災者の皆さんが農業を再開しようとしたとしても、果たして同じ場所で農業を再開できるのか、場合によっては別の土地に畑を移さなくてはいけないのではないかという不安の声もあると伺っています。  そこで、まず農水大臣政務官に伺いますけれども、農業再開の支援について、現在地の再開だけでなく、現在地以外の場所で再開せざるを得ない場合も含めて、農業再開に関する支援を受けることはできるのでしょうか。
  126. 横山信一

    大臣政務官(横山信一君) 私からお答えをさせていただきます。  まず、台風二十六号による甚大な被害を受けた大島町、被害状況は今現在調査中でございます。現在までに、農地三か所、二ヘクタールに土砂の流入などの被害発生したというふうに報告を受けております。  農地の復旧についてでありますが、一か所当たりの工事費が四十万円以上になる場合、恐らくそういう場所もこの大島町の場合出てくるかと思いますけれども、農地災害復旧事業の対象になります。その場合は、迅速に復旧を進めるために、査定前着工制度、こうしたものを利用させていただきますし、またGIS、航空写真などを用いるような形で査定事務の簡素化も行ってまいります。  さらに、御質問にありましたように、その場所で営農ができるかということに関してでございますけれども、これは災害復旧事業の中で、農業者の意向によりますけれども、現在の位置で復旧するか、若しくは、そうでない場合は用地費を自ら負担していただくことになりますけれども、代替地で復旧することも可能でございます。さらに、被害を受けた農業者への対応といたしましては、農林漁業セーフティネット資金等の支援もございます。  今後、現地被災状況を詳細に調査をし、被災者の意向も踏まえ、都や大島町と連携を取りながら、早期の営農再開が可能となるように復旧に努めてまいります。
  127. 吉良よし子

    吉良よし子君 ありがとうございます。  お話にあった話ですけれども、結局、被災された方々が農業を再開しようとしたときに、原形復旧、現在地で復旧できればいいけれども、別の地で再開する場合には用地費は自分で負担しなければならないし、そのセーフティネット資金というのも融資であり、結局は借金を背負わないと再開できないというのでは十分な支援とは言えないのではないでしょうか。  これまで大島町では、住み続けられる島づくりを目指して新規就農者育成・支援事業などが進められ、農業の後継者づくりの支援にも力を注いできたそうです。この中で、若手の農家の皆さんもグループをつくって、学習会、交流して、町とも連携して農業の活性化に向けた取組も進めてきたというお話で、今回も、災害を受けた後も、農業再開へ若手で頑張ろうと決意しているとも伺っています。こういう皆さんが希望を持って立ち上がれるきめ細かな支援こそ重要だと思います。  農業はもちろん、漁業や観光も含め、その一つ一つをどう具体的に支援するのか、どの産業でも、どういう状況でも頑張り続けられるような、柔軟できめ細かな支援をすることこそが政治の責任だと思うのですが、大臣の見解をお聞かせください。
  128. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 今被災農家に対する支援は、農林水産省の政務官がお答えをされたとおりでございます。  やはりこういった被災をされたときにできるだけの支援を私たちしておりますけれども、しかし、それには一定のルールもあるのは事実ですね。ですから、そのルールの許される範囲内でしっかり対応していくと。  我々は今、激甚はできるだけ早く指定をさせていただきましたし、また政策金融公庫から長期の融資もございます。これは、融資ではございますけど、有利な条件でございますので、やっぱりそういったものを活用していただいて、この厳しい、そういった災害に遭ったものを打ちかっていくという、その強い意思というものも同時に必要だというふうに思います。そういうことをやることこそで初めて地域皆様に勇気がもたらされて、そして復興につながっていくと思います。許される範囲内での支援は惜しみません。
  129. 吉良よし子

    吉良よし子君 許される範囲内だけではやっぱり立ち直れないと思うんです。大島被災者の皆さん、そもそもローンを抱えていて、そしてその上、災害の中で家も作業場も失って、農地も壊滅的な被害を受けている。その中で、借金を更に背負わないと再開できないというのであれば、大島の町の産業が根元から崩れてしまうということにもなりかねないと思うんです。ですから、できる限り柔軟な対応を、この制度の限りではない柔軟な対応を求めたいのですが、いかがでしょうか。お願いします。
  130. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 我々、災害発生をしたときにはできるだけ柔軟な対応をいたしております。しかし一方では、やはりこういう支援というのは税金を使うものでございますので、十分に納得をされる、納税者としても納得をする対応をしていくということは一方でも必要なんですね。ですから、その辺のバランスを取りながら、我々は、先ほど申し上げたように、許される範囲内では徹底的な支援をしていくということを申し上げたわけであります。
  131. 吉良よし子

    吉良よし子君 許される範囲内ではなく、是非とも拡充する方向で、とりわけ今回の大島災害というのは、島の町の規模からいうと、それこそ東日本大震災並みの大きな被害を受けている状況ですから、是非とも、税金とはいえ、こうした大変な目に遭っている皆さんが希望を持てる方向の対応を求めたいですし、このような状態であることを踏まえて国と東京都とが協力して、しっかりと調査もして要望をつかんでいただいて対応していただくことを強く強く求めまして、時間もありますので、次の質問に移ります。  次に伺いたいのが、子供たちの状況です。  まず、文部科学省に伺います。  今回の災害被害を受けた子供や、若しくは親が死亡あるいは行方不明となっている子供たちはいるのか、被害状況報告をお願いいたします。
  132. 藤原誠

    政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。  伊豆大島における台風二十六号による児童生徒の人的被害状況につきましては、東京都教育委員会から学校の管理下における被害はなかったとの報告を受けております。  なお、学校管理の外における件につきましては、中学校、一名が在宅中に台風によって自宅が流される被害に遭いまして負傷したとの報告東京都から受けております。
  133. 吉良よし子

    吉良よし子君 ありがとうございます。  先ほど柴田委員からもあったように、大島町は八千人の島で、島じゅうみんなが顔見知りという密接な人間関係の下で、今回の被害の大きさにショックを受けている子供たちも多いと聞いています。是非とも、人的被害にとどまらず、詳しく島の子供たちの状況について調査をしていただきたいと思っております。  なお、私たちは、今回の災害でお母さんが亡くなって、お父さんはいまだに行方不明という大学一年生のいる御一家のお話を伺いました。  この一家は、十五年前、今回亡くなったそのお母さんのふるさとである伊豆大島に戻る決意をして島に移り住んだ御家族です。今年四月にその娘さんの本土の大学への入学が決まって、お母さんが何とか借金をして入学金を支払って、娘さんも勉学を励み始めたやさきの災害でした。大島に一緒に住んでいた母方の祖父母は、何とか一命を取り留めたものの、家も流されていて避難生活。そして、いまだ行方不明の父方の祖父母の方たちは、実は宮城県で二〇一一年の東日本大震災で被災して、今なお被災生活を続けているそうです。  こうして、この学生は頼るすべを失って、入学金の借金返済、四年間の授業料をどう工面していくかも分からない状況に追いやられてしまっています。希望いっぱいに大学進学したはずなのに、今回の災害で親を失ったばかりか、生活も学業もどうなるか先の見えない状況に追いやられた。どんなに不安で、どんなに苦しい思いをしているか、考えるだけでもつら過ぎます。  大臣、この実態をどう受け止められるでしょうか。何としても、こういう学生が夢を失うことのないよう支えるのが政治の仕事だし、責任だと思うのですが、どのような支援ができるか、御見解をお聞かせください。
  134. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 御両親が被災をしたり、あるいはお亡くなりになって学業を続けるということが厳しくなった、どういう支援をすべきかというような趣旨の御質問だと思いますけれども、こういった災害によって就学の機会が奪われるというのはあってはならないことですよね。ですから、被災者支援観点から、そういった支援をするということは重要であると私も認識しております。  ただ、これは一義的には文部科学省の支援でございますので、私がどこまで答弁が許されるかはともかくとして、文部科学省の支援は、例えば災害による経済的な理由によって授業料等の納付が困難な学生に対する授業料の免除というのがありますね。被災により家計が急変した学生生徒に対する緊急・応急採用奨学金の支給等々の支援策というのがプログラムとしてございます。  いずれにしても、こういった被災した学生を対象とするものも含め、しっかりと御要望を聞かせていただいてきめ細かな支援ができるよう、関係省庁連携をしていく必要があるというふうに考えております。
  135. 吉良よし子

    吉良よし子君 先ほど免除というお話もありましたが、一方で奨学金のお話がありました。これは緊急であれ応急であれ結局は貸与制であって、ローンで卒業後に数百万円の借金を背負わなくてはならないという事態にもなりかねませんので、やはりそういう借金では安心して学業を続けられるとは言えないと思うんです。  ですので、是非ともそういう借金を背負わすような形ではない、先ほどおっしゃられたような柔軟な対応というのを是非求めたいですし、この学生の一命を取り留めた大島にいる祖母の方は、孫の学費を支えようと娘はこの春から雑貨店の店主に頼みアルバイトから正社員にしてもらって頑張っていたところだ、孫が災害のために勉学の道を諦めずに済むことが娘の願いだと思うとおっしゃっていました。災害で親からの支援を失うなどした学生については、本当に学業を断念するということなく、きっと彼女は続けられるかどうか、続けていいのかという状況にも陥っていると思うんです。だから、安心して学業に専念できるような体制を是非とも関係省庁と連携して進めていただきたいですし、やはり私は、今、百年住み続けられる島をということで、今回、若手の農家の皆さんの思いや学生の問題を取り上げました。  最初、十九日に島に伺ったときには島の方から、この災害で島から笑顔が消えたという言葉を伺いました。これからの大島復興を考える上では、こうした島の皆さんがこれ以上絶望することのないよう、これから島を担っていく皆さんが希望を持って生活となりわい再建に向かっていける、笑顔が取り戻せる支援を求める体制が何よりも重要だと考えておりますので、大臣政府には、こうした島の皆さんの思いに寄り添った本当に柔軟で制度の枠にとらわれない対応、きめ細かな復興支援を求めて、質問を終わらせていただきます。
  136. 室井邦彦

    室井邦彦君 最後でございます。しばらくお付き合いをいただきたいと思います。  私も皆さん方と一緒に現地に入り、やはり自然の力のすごさという、偉大さというか、底知れないパワーに、またまた見せ付けられたと申しますか、私も、くどいように申し上げておりますけれども、阪神・淡路大震災のそういう被災を受けた人間でありますし、もうさんざん嫌というほど自然の力の恐ろしさを体験をしてきました。こういう体験を重ねて、日本の原発も大丈夫なんだろうかなという、ふとそういう不安もよぎるわけでありますが、今日はそのことではなくて、この伊豆大島のことについて触れさせていただきますが。  防災ダムというのは、目の当たりに見まして、非常にすごい力があると申しますか、私も現場を見て初めて防災ダムの効果というものを知りました。そういう中で、今、伊豆大島における防災ダムの整備状況についてまずお聞きしたいな、このように思っております。  そして、いわゆる大宮沢の溶岩導流堤、これにつきまして事業費が約三十五億ほど掛かったということをお聞きしております。当初は、こんなところにこういうものを建設して、いわゆる公共事業の無駄遣いというような、ささやかれていることもあったようです。しかしながら、今回この野増地区への被害を見事に砂防ダムが三百八十八名の村を救った。このような結果になっております。  災害によって生じている砂防施設内の堆積も流木もひどいものでありました。これに対して、国としてどのような支援策を講じようとされておるのか、この二点、まずお聞きをしたいと、このように思います。
  137. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 委員御指摘のとおり、伊豆大島におきましては、大金沢、長沢、そして八重沢を始めとする五つの渓流土石流を捕捉するということを目的に約三十基の砂防堰堤を整備をいたしております。  国土交通省では、災害発生直後から現地に緊急災害対策派遣隊、通称テックフォースと申しておりますけれども派遣をいたしまして、島内七十一か所の土砂災害危険箇所につきまして緊急点検を実施をいたしました。そして、砂防施設について、損傷また土砂の堆積状況につきまして調査をしているところでございます。  調査結果につきましては、大島町並びに東京都に報告をいたしますとともに、被災した施設復旧、堆積している土砂の撤去など、砂防施設の機能の早期回復につきまして、東京都と協議の上、必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  138. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) ほかに御答弁……
  139. 室井邦彦

    室井邦彦君 堆積土砂は。運搬。
  140. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 堆積土砂につきましても調査をし、そしてそれについて東京都、この施設東京都でございますので、東京都と協議をいたしまして、その上で必要な連携、協力、支援を行ってまいりたいということでございます。  よろしくお願いいたします。
  141. 室井邦彦

    室井邦彦君 まだ具体的には決まっていないということですね。  次に、もう御承知のとおり、伊豆大島というのは海底から火山でできた島でありますから、もちろん溶岩の上に長年の時間が掛け、そしてそこに火山灰が堆積をして、そしてそこに森とか、人が住み着くようになったと、こういう島でありますから、恐らく全島がそういうふうな状況だというふうに、素人ながらそう思うんですけれども、そう考えたときに、島のどこにいても集中豪雨等による土石流土砂崩れの危険性が極めて高いというふうに思います。  そして、西田先生もちょっとおっしゃられましたけれども、この新聞記事にも載っているんですが、国土交通省の専門家チームの調査で、町内には現在土砂災害が起きやすくなっている箇所が八か所あると、これ十月二十八日の朝日新聞の夕刊なんですけれども。そういうことを言うと、不安を駆り立てるような、じゃ具体的にどことどこなんだということになるわけでありますけれども。  それともう一つ、この資料を見ていただければ、私も少し心配するところがあるんですが、この差木地地区、そして波浮港、人口が差木地地区は六百七十九、そして波浮港は三百九十八世帯と、ここは幸いにしてそういう土砂とか土石流が起きていないというふうに聞いております。  今申し上げたように、島全体がいつどのような危機に、そういう土石流、こういうものが起きるかも分からない、こういう環境の中で、二次災害による被害を拡大をさせることのないように、最小化させるために、この島の住民の皆さん方の安全、安心をいかに国として、東京都として対応されようとしているのか。是非その辺の、あらゆる災害教訓としてきております、そういう意味で、どうか、どのような島民の皆さん方に安心、安全な生活をしていただこうというような計画、考え方、また、これからこうしていこうというようなことをあればお伺いをしたい、このように思います。
  142. 亀岡偉民

    大臣政務官亀岡偉民君) 今御指摘にありました大島においては、三原山の噴火を念頭に平成六年に溶岩流のハザードマップが作成はされていましたけれども、実はこれをまた新しい土砂災害のハザードマップを作るというべく、これは市町村が実際に作るわけですけれども、都が調査をすることも、いまだにまだ作成をされておらない状況であったことは事実であります。  これは、実際にはハザードマップがなければ住民の皆さんも避難をするのはなかなか難しいというのは間違いありませんので、まさに国も支援をしながら、複合的な今言われたハザードマップ、溶岩流土砂災害、津波等の各種ハザードマップをしっかりと重ね合わせるような新たなハザードマップも必要だと思いますけれども、また委員が指摘されたように、そのハザードマップを利用する町民の方々一人一人の意識、これしっかりとハザードマップの意味を理解してもらって、適切な防災活動につながるツールとして利用してもらうということが一番重要だと考えております。  これをしっかりと、このハザードマップはこれから都と大島町ともしっかり協議をしながら、しっかり利用していただけるようなハザードマップ作成に積極的に支援をしていくということを考えておりますので、その辺はこれからやっていきたいと思います。
  143. 室井邦彦

    室井邦彦君 四番でその質問をさせていただこうと思ったんだけれども、まあもういいです、時間もないことですから。四番の問いにハザードマップのその質問を、まあ結構です、よく分かりました。  じゃ、伊豆大島被害状況は壊滅的な状況でございました。そういう中で、約二千人近い、それぞれの警察関係、また自衛隊消防団、国交省、いわゆるテックフォース、そしてそういう方々海上保安庁も入り、二千人近い皆さん方が全員一丸となって復旧復興のために頑張っていただいております。  心から敬意と感謝を申し上げる次第でありますが、この火山灰が堆積するその脆弱な、ちょっと先ほどのお答えと重複するかも分かりませんが、いかにこの伊豆大島まちづくりを、これから長期的に見てどのようなまちづくりにしていくのか、していくべきなのか、森北さんが来ておられますので、是非構想があればお聞かせをいただきたいと思います。
  144. 森北佳昭

    政府参考人(森北佳昭君) 伊豆大島災害復旧、そしてまちづくりの支援についてのお尋ねでございます。  被災した地域方々が以前のような暮らしに戻れるようにするために、まずは堆積土砂の排除など災害復旧事業を早期に実施することが重要でございます。  災害復旧に際しましては、国土交通省として、これまでの経験を生かしまして、原形復旧にこだわらず、地盤の状態、そういったものを踏まえた適切な復旧工法につきまして技術的な助言を行うなど、災害復旧の実施する地元大島町をしっかり支援してまいりたいというふうに考えております。  これに加えて、地元大島町の更なるまちづくりの御要望ございましたら、国土交通省としても適切な支援を講じてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  145. 室井邦彦

    室井邦彦君 大臣、申し訳ないです、通告していないんですが、ちょっとこの新聞記事読んで私も気になっていたんですが、これは、ごめんなさい、大臣です。聞いていただいたら、すぐもうお分かりのことだと思うんですが、こういうことです。  「災害で出たがれき処理の国の負担割合を巡っては、東日本大震災で全額、阪神大震災で九七・五%までそれぞれ引き上げられた。大島町での引き上げは検討されていない。同省」、これは環境省ですね、「廃棄物対策課は「台風などによる被害はほかの地域でも出ており、大島町の補助率だけを上げることは難しい」」、このように書いておられます。  御所見だけでも結構なんです。これは、実はやはり離島といういわゆる地理的、そういうハンディキャップを背負っておると。こういうところに対しての何か見方、また、制度を変えるというか、例えば今年、本土復帰六十周年を迎える奄美群島、そういうことは特別措置法とか、離島に関してはそういう意味での特別な本土と違った制度をつくり上げておりますけれども、このことに対して、離島、こういうところでも本土と同じような瓦れきとか、そういう扱い方をされるのはいかがなものかな、このような思いがあるわけでありますけれども、もし答えられるところであれば。ここは通告しておりませんので。
  146. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 今御通告いただいていませんので、正確な答弁にならないので、ちょっと一般論ということで。
  147. 室井邦彦

    室井邦彦君 ええ、結構です。
  148. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 先ほど、たしか環境副大臣がお見えになったときにも答弁していたと思いますけれども、一般の瓦れき処理は九〇%ですよね。激甚になればそれにかさ上げになりまして大体九八ぐらいですかね、もうちょっとかな、九九ぐらいまで行きますかね、なるんですね、公共の激甚災害指定。これは激甚災害というところに着目していますから、離島とか離島でないということは別に、そういう仕切りになっています。  ちょっと今、委員の御質問の御趣旨が、激甚ならばそうだけど、そうじゃなくて離島の場合は全てにおいてそういうことをしてあげるべきではないかということになりますと、またこれ多分法律改正も必要なことになってきますので、検討課題なのかなと。  その程度の答弁でお許しくださいませ。
  149. 室井邦彦

    室井邦彦君 申し訳ございませんでした、通告しておりませんで。ちょっと気になったもので。  時間がございませんので、大臣にお答えしていただく部分がございましたので、そちらの方に質問を移らせていただきたいと思います。  確かに、このような大きな災害で、私も目の当たりにしたわけでありますけれども土石流というのはすごいなと思ったのは、一つの家がありますね、そして基礎があって、その家が日本刀ですぱっと切り落としたように半分残っていて、半分基礎からなくなっているという、そのスピードたるものやら、どう考えていいのか私ちょっと理解できないんですけれども、そういう家が残っておりました。  そしてまた、そこに村があり人が住んでおられて、不思議なぐらいに一見その家は何も無傷で、家が建っていて住民被害がなかったと。前の方はもちろん人も、跡形もなく家もなくなっていると。その方が再び落ち着いたのでそこに住まわれるということは恐らくない、このような話を聞きました。だけど、いろいろと手厚い手だてをしていくのに、あなたのところの家は何も被害がないから何もしませんよというようなことじゃなくて、そういう精神的なケアも、幾つかそういう住宅がまた残っているようであります。  それも踏まえて、今そういう現状の中で、非常に川島町長さん始め職員の皆さん方は限界、もう体力、精神的にもぎりぎりまで、我々行ったときには、にこっと笑いはしませんでしたけれども、我々のために一生懸命迎えていただき対応していただきましたけれども、恐らく毎日あのようなことが止めどもなく、終わりもなく続けておられるということに対して私も胸が熱くなったわけでありますけれども大臣も何回も入っておられて、気を遣っておられるようであります。  これがいつ収束して、いつ終わるのか、これは分かりません。しかし、また入る機会があれば、大臣、入っていただいて、多くの職員、また二千名近い方々が頑張っておられます。また明るい光が差すように、大臣も心強い激励を再びしてあげればまた元気付くんじゃないのかな、このように感じておりまして、一言、こういう被災者被災地のところで大臣の出番はこれから出てくると思いますけれども、どうか、そういう意味におきまして、一言激励の、そういう意味でまた入っていただきたいな、こんなことを思っております。  御所見を聞かせてください。
  150. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 今回のように大勢の方が亡くなって、やはり大島町の住民の皆さんのやっぱり心中はお察ししますよ。本当に私も胸が痛みます。  だからこそ、早く再建をする、そして、しっかり関係者が連携をして、できるだけ住民皆様の御意向に沿った形で対応していくと、これに尽きると思いますね。私がまた大島町に入るかどうかということについては、現地状況をよく見極めた上で適切に対応していきたいというふうに思っております。
  151. 室井邦彦

    室井邦彦君 終わります。
  152. 竹谷とし子

    委員長竹谷とし子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時十五分散会