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田城郁君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
次に、
現場の声にしっかり耳を傾けることの重要性ということについてお伺いをいたします。
太田大臣は、常日ごろ、
現場第一主義を掲げて日々活動していらっしゃるというふうに
思います。私も、答えは
現場にあるという
思いで、できるだけ
現場に赴いて、目で見て肌で感じて
事故の
原因を見極めたいというふうにも思っております。今回も、広田筆頭理事始め民主党で現地
調査と、あるいは私も個人的に二泊三日でしっかりと脱線
現場やいろいろなところを見て回りました。
そういうことを前提にして
お話をするんですが、それ以前に、やはり人に聞いたこと、あるいは物を読んだことなど間違った情報を基に雰囲気や勢い、感情や
思い込みで
原因を特定したとすれば、現実から必ずずれて間違った
対策しか打ち出せないということであると
思います。その結果、真の
原因は特定されずに、問題発生の芽は温存されたまま同種の問題を繰り返すことになるというふうに
思います。
したがって、それ以上でも以下でもない事実を的確に把握をして、科学的かつ建設的な真の
原因究明が必要であるというふうに私は思っております。それによって、現実とずれない確実な
対策が打てるということにつながると思っております。私が真の
原因究明に最も有効であると考える手法の
一つに、
現場の声をしっかり聞くということが言えるというふうに考えております。
ここで、
現場の声を拾い上げることの重要性を示す
一つの例として、石勝線の
事故を御紹介をいたします。
皆様御存じだと
思いますが、
平成二十三年五月、
JR北海道石勝線のトンネル内で、乗客七十八名及び乗務員一名が負傷する特急列車脱線
車両火災
事故が発生をいたし、大変
道民の皆様、御利用者の皆様に御迷惑をお掛けしたということであります。
運輸安全
委員会の報告書によれば、脱線の直接の
原因は、動力伝達装置、プロペラシャフトが垂下をして、垂下した装置がリードレールに接触したためであるとされております。そして、動力伝達装置の垂下を誘発したのが車輪踏面の剥離による列車の振動であるというふうにされております。
ここで注目していただきたいのですが、苗穂工場の社員の皆さんが、職場の議論の積み上げの中で、今年の二月に
事故の
原因が車輪の踏面の剥離であることを突き止め、その防止のための
対策を打つべきだとの提言を
JR北海道の
経営陣に対して申入れをしているという事実であります。五月に運輸安全
委員会から同じ内容の報告書を提出をいただいておりますが、その三か月前に
現場の社員は
原因を特定をして、そして
会社に発信をしていたということであります。
ちなみに、車輪の踏面がなぜ剥離するのかということについても彼らは
分析をしておりまして、まず車輪損傷は冬季に激しくなること、
札幌から上って下る
路線の石勝線や根室線は一日中、氷点下の中ということもあります。そういう中でブレーキを掛けると急激に高温になります。緩めると氷点下まで冷やされます。この繰り返しと、百三十キロという高速運転によって踏面が焼き入れと焼き戻しですね、刀鍛冶のときの、たたいて酸素を入れたりあれして鉄を硬くしたり軟らかくしたりというのが焼き入れ、焼き戻しということであると
思いますが、そのような状態の繰り返しとなって熱劣化によって剥離をして車体に振動が起きます。無数の振動として伝わって、エンジンブロックを割ったり、あるいはプロペラシャフトを止めるピンを破壊をしたり、配電盤の接触器にアークを引き起こすというメカニズムであります。そして、車輪
管理の強化や速度ダウンで運転するというような具体的な提言も
会社にしておるということであります。
鉄道局長、これらの事実を聞いて、少なくとも
現場から
会社には何も発信していないとか、風通しが悪いとか、そのような、少なくとも下から上に行く風が、この苗穂の例、あるいは大沼の場合は発信が小さかったのかもしれませんが、後で、社長、膝詰めで意見交換をしたら随分知らなかったことを勉強したというようなことをおっしゃっておりましたが、やはり小さいにしろ大きいにしろ
現場は問題を発信しているということであります。
こういうことから、やはり
現場の意見をしっかりと耳を傾けるということの重要性というのが分かるというふうに私は思うんですけれ
ども、
局長の御認識、あるいは
是非大臣にも一言何かあればお伺いしたいと
思います。よろしくお願いします。