○高木美智代君 公明党の高木美智代です。
私は、公明党を代表して、ただいま
議題となりました
国家戦略特別区域法案について質問いたします。(
拍手)
ことしのプロ野球日本シリーズにおいて、楽天イーグルスが初優勝を遂げ、東北が歓喜に包まれました。先の見えない避難
生活を送る方たちからも、久しぶりに大きな希望をもらった、うれしくて震えも涙もとまらないなどの声が相次ぎ、東北の方たちのはじける笑顔を見た私も、胸が熱くなりました。
見せましょう、野球の底力をと呼びかけた結果は、まさにスポーツの持つ力を満天下に示し、東北の方たちの心をかたいきずなで結びました。
スポーツといえば、二〇二〇年、東京で、日本で、オリンピック、パラリンピックが開催されます。
本
法案は、七年後のオリンピックの開催を追い風に、日本の
経済社会の風景を変える、世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出するとの総理の御決意を示すものであると認識しております。
今こそ、二〇二〇年、さらには、その先の未来に向かって、オール・ジャパンで力強い
成長戦略を実現していくことが重要であると考えます。
安倍
内閣発足以降、
経済は明らかに好転しつつありますが、これからが重要です。
デフレ脱却と
経済再生の道筋を確かなものにする、そして景気回復の恩恵を、家計へ、中小
企業へ、地方へと、つなげていかなければなりません。
先日、三回目の政労使
会議が開かれましたが、
企業収益を確実に賃金上昇に反映させるということについて、協議の進捗
状況を含め、足元の
経済の好循環実現に向けた総理の御決意を伺います。
こうした足元の
経済成長とともに、中長期の視点が欠かせません。そうした観点からすれば、本
法案による国家戦略特区の創設は、
日本経済の再生に向けた柱の一つであり、大胆な
規制・
制度改革を実行する突破口として、第三の矢である、
民間投資を喚起する
成長戦略を効果あらしめるための大きな一歩であると、評価いたします。
その
制度設計に当たっては、国家戦略という名にふさわしい、より効果が発揮できる、充実した
制度とすることが肝要と考えます。
本
法案が
日本経済再生に大きな力を発揮することができるかどうか、総理の御認識を伺います。
以下、
法案に沿って質問いたします。
本
法案において、
内閣府に
内閣総理大臣を
議長とする国家戦略特区諮問
会議を置くこととされ、
会議の構成員には、
内閣総理大臣が任命する
民間有識者が含まれております。
特区の
推進に当たり、
民間のすぐれた識見を活用することに、異論はありません。しかし、マクロ
経済政策等大きなテーマを扱う
経済財政諮問
会議とは異なり、国家戦略特区諮問
会議では、各特区の個別の案件も議論されることとなります。
民間有識者が、個別の特区の具体のメニューについて、特定の者の
意見を押し込もうとする、あるいは抑え込もうとするといったことは起きないでしょうか。一抹の不安を覚えます。
言うまでもなく、
会議の運営が特定の利害に誘導されるようなことがあってはならず、公平性、中立性を確保するために
政府は万全の
対策を講じることが必要と考えますが、新藤担当大臣の御見解を伺います。
本
法案に基づく対象区域については、
規制改革事項等から見て、いわゆる大都市部になることがおおよそ想定されますが、日本全体によい
影響が及ぶことが大切です。
人、物、金が大都市部に集中し、地方との格差拡大、さらには、
東日本大震災からの復興が置き去りにされるのではないかとの不安の声も聞かれます。
総理は、こうした声にどのように対応されるおつもりなのか、御見解と御決意を伺います。
あわせて、対象区域の
指定に当たっての基本的考え方について、新藤大臣に伺います。
次に、
国家戦略特別区域計画の作成について伺います。
国家戦略特区の成否は、特区ごとの
国家戦略特別区域会議において、国、地方、
民間の三者が
一体となって議論し、その区域において真に必要な
内容を特区
計画に盛り込むことができるかどうかが大きな要素になります。
計画の作成に当たっては、国が主導して特区を
推進するとはいえ、特区内の住民や事業者が積極的に参画してこそプロジェクトは成功します。地方自治の尊重、地方分権の
推進の観点からも、
地域の実情に精通している特区内の
地方公共団体の長が、責任ある立場として特区
会議に参加することが不可欠ではないでしょうか。
特区
計画の作成に当たっては、関係する
地方公共団体の貴重な
意見がきちんと反映されるよう本
法案において
措置すべきと考えますが、新藤大臣の見解を伺います。
今後、それぞれの特区における取り組みが進捗、具体化していく過程において、さらなる取り組みの
推進のため新たに
措置すべき
規制改革事項が浮き彫りになることが想定されます。その中には、これまでの議論では出てこなかった、全く新しい観点からの
規制改革が必要となる可能性もあります。
規制改革に終わりはありません。
特区ごとに設置される特区
会議において、国、地方、
民間の三者が
一体となって協議した結果、新たな
規制改革事項の必要性が共有されたということであれば、その事実は非常に重いものであると考えます。
このような場合の対応、また、今回、協議がまとまらなかった項目や、盛り込まれなかった全国の自治体からの
提案の取り扱い、さらには、本法第五条第七項に基づく新たな
提案の募集について、新藤大臣のお考えを伺います。
次に、関係大臣の関与について伺います。
特区の円滑な
推進のためには、いたずらに関係大臣と対峙する構図をつくるのではなく、関係大臣による適切な関与を認め、
政府一体となって
推進する体制を構築することが重要であると考えます。
本
法案において、
政府一体となって特区を
推進する体制についてどのように
措置するのか、新藤大臣の見解を求めます。
本
法案による特区は、これまでの
地域特区と対比して、
企業に特例の恩恵を与える
企業特区とも言われておりますが、大
企業のみならず、中小
企業への支援も盛り込まれるべきであると我が党は強く主張してまいりました。また、ベンチャー
企業や女性、若者等の起業・創業支援も必要と考えます。
総理がこれまで主張してこられたように、とりわけ女性の活用が急務であり、特区内においても、女性の起業・創業支援、管理職登用など、女性の一層の活躍の場の
整備に取り組むべきと考えます。そのために実現されるべきはワーク・ライフ・バランスであり、それこそグローバルスタンダードと言えます。総理の御決意を伺います。
特区という試みは、大胆な
規制改革の実行を伴うものであり、その意味ではチャレンジングなものでありますが、新たな一歩を踏み出さなければイノベーションは生まれません。中長期的な見通しを持ちつつ、目標及びその達成に向けた工程表を設定した上で、取り組みの実施
状況の評価、検証を行い、必要に応じて見直すなど、PDCA方式による進捗管理を適切に行うことが肝要と考えます。
このたびの国家戦略特区において、どのようにPDCA方式を確立していこうとしているのか、新藤大臣の御見解を伺います。
あわせて、これまでの構造改革特区など、
政府が進めてきた特区
制度における効果等の検証作業も重要と考えますが、答弁を求めます。
アメリカ・コロンビア大学のノーベル賞
経済学者であるジョセフ・スティグリッツ教授は、先日のNHKのインタビューで、アベノミクスへの
期待について、構造改革も大事だが、単純に、
金融政策だけ、
財政政策だけ、構造改革だけという政策は過去のものだ、同時に実行する包括的な政策が必要です、女性が働きやすい職場をつくり、
経済のグローバル化を進めること、安倍総理がそうした前向きな構造改革を実行することを
期待していると述べております。
今後、特区の取り組みを
推進していくことにより
日本経済を再生に力強く導こうとする総理の御決意を最後に伺い、私の質問とさせていただきます。(
拍手)
〔
内閣総理大臣安倍晋三君
登壇〕