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2013-10-15 第185回国会 衆議院 本会議 第1号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十五年十月十五日(火曜日)
—————————————
議事日程
第一号
平成
二十五年十月十五日 午前十時
開議
第一
議席
の
指定
第二
会期
の件 第三
常任委員長
の
選挙
………………………………… 一
国務大臣
の
演説
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
日程
第一
議席
の
指定
日程
第二
会期
の件
内閣
、
総務
、
法務
、
外務
、
財務金融
、
文部科学
、
厚生労働
、
農林水産
、
国土交通
、
環境
、
予算
、
決算行政監視
及び
懲罰
の各
常任委員長辞任
の件
議院運営委員長外
十四
常任委員長
の
選挙
災害対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
災害対策特別委員会
、
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
調査
を行うため
委員
四十人よりなる
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
特別委員会
、
沖縄
及び北方問題に関する
対策樹立
のため
委員
二十五人よりなる
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
、青少年問題の総合的な
対策
を
確立
するため
委員
二十五人よりなる青少年問題に関する
特別委員会
、
北朝鮮
による
拉致等
に関する諸問題を
調査
し、その
対策樹立
に資するため
委員
二十五人よりなる
北朝鮮
による
拉致問題等
に関する
特別委員会
、
消費者
の
利益
の
擁護
及び
増進等
に関する総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
消費者
問題に関する
特別委員会
、
科学技術
、
イノベーション推進
の総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
科学技術
・
イノベーション推進特別委員会
、
東日本大震災
からの
復興
に当たり、その
総合的対策
を樹立するため
委員
四十五人よりなる
東日本大震災復興特別委員会
及び
原子力
に関する諸問題を
調査
するため
委員
四十人よりなる
原子力問題調査特別委員会
を
設置
するの件(
議長発議
)
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
の諸問題を
調査
するため
委員
四十五人よりなる
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
に関する
特別委員会
を
設置
するの件(
議長発議
)
安倍内閣総理大臣
の
所信
についての
演説
二〇二〇年
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
の
成功
に関する
決議案
(
遠藤利明
君外十三名
提出
) 午後零時二分
開議
伊吹文明
1
○
議長
(
伊吹文明
君) 同僚の
皆さん
、第百八十五回
国会
は本日召集されました。 これより
会議
を開きます。
————◇—————
日程
第一
議席
の
指定
伊吹文明
2
○
議長
(
伊吹文明
君) まず、
日程
第一、
議席
の
指定
を行います。
衆議院規則
第十四条によりまして、
諸君
の
議席
は、
議長
において、ただいまの仮
議席
のとおり
指定
をいたします。
————◇—————
日程
第二
会期
の件
伊吹文明
3
○
議長
(
伊吹文明
君)
日程
第二、
会期
の件につきお諮りをいたします。 今回の
臨時会
の
会期
は、十二月六日まで五十三日間といたしたいと思います。これに御
異議
はありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
4
○
議長
(
伊吹文明
君) 御
異議
なしと認めます。したがって、
会期
は五十三日間とすることに決まりました。
————◇—————
常任委員長辞任
の件
伊吹文明
5
○
議長
(
伊吹文明
君)
常任委員長辞任
の件につきお諮りをいたします。
内閣委員長平井たく
や君、
総務委員長北側一雄
君、
法務委員長石田真敏
君、
外務委員長河井克行
君、
財務金融委員長金田勝年
君、
文部科学委員長松野博一
君、
厚生労働委員長松本純
君、
農林水産委員長森山裕
君、
国土交通委員長金子恭之
君、
環境委員長吉野正芳
君、
予算委員長山本有二
君、
決算行政監視委員長谷畑孝
君及び
懲罰委員長近藤昭一
君から、それぞれ
常任委員長
を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御
異議
はありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
6
○
議長
(
伊吹文明
君) 御
異議
なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
————◇—————
常任委員長
の
選挙
伊吹文明
7
○
議長
(
伊吹文明
君) つきましては、
内閣委員長外
十二
常任委員長
の
選挙
を行うのでありますが、既に
議院運営委員長
及び
安全保障委員長
が欠員となっておりますので、この際、
議院運営委員長外
十四
常任委員長
の
選挙
を行います。
あべ俊子
8
○あべ
俊子
君 各
常任委員長
の
選挙
は、その
手続
を省略して、
議長
において指名されることを望みます。
伊吹文明
9
○
議長
(
伊吹文明
君) あべ
俊子
君の
動議
に御
異議
はありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
10
○
議長
(
伊吹文明
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
動議
のとおり決しました。
議長
は、各
常任委員長
を指名いたします。
議院運営委員長
逢沢
一郎
君 〔
拍手
〕
内閣委員長
柴山 昌彦君 〔
拍手
〕
総務委員長
高木
陽介君 〔
拍手
〕
法務委員長
江崎
鐵磨
君 〔
拍手
〕
外務委員長
鈴木 俊一君 〔
拍手
〕
財務金融委員長
林田 彪君 〔
拍手
〕
文部科学委員長
小渕 優子君 〔
拍手
〕
厚生労働委員長
後藤 茂之君 〔
拍手
〕
農林水産委員長
坂本 哲志君 〔
拍手
〕
国土交通委員長
梶山 弘志君 〔
拍手
〕
環境委員長
伊藤信太郎
君 〔
拍手
〕
安全保障委員長
江渡 聡徳君 〔
拍手
〕
予算委員長
二階 俊博君 〔
拍手
〕
決算行政監視委員長
松浪 健太君 〔
拍手
〕
懲罰委員長
高木
義明君 〔
拍手
〕
————◇—————
特別委員会設置
の件
伊吹文明
11
○
議長
(
伊吹文明
君) 次に、
特別委員会
の
設置
につきお諮りをいたします。
災害対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
災害対策特別委員会
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
調査
を行うため
委員
四十人よりなる
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
特別委員会
沖縄
及び北方問題に関する
対策樹立
のため
委員
二十五人よりなる
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
青少年問題の総合的な
対策
を
確立
するため
委員
二十五人よりなる青少年問題に関する
特別委員会
北朝鮮
による
拉致等
に関する諸問題を
調査
し、その
対策樹立
に資するため
委員
二十五人よりなる
北朝鮮
による
拉致問題等
に関する
特別委員会
消費者
の
利益
の
擁護
及び
増進等
に関する総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
消費者
問題に関する
特別委員会
科学技術
、
イノベーション推進
の総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
科学技術
・
イノベーション推進特別委員会
東日本大震災
からの
復興
に当たり、その
総合的対策
を樹立するため
委員
四十五人よりなる
東日本大震災復興特別委員会
及び
原子力
に関する諸問題を
調査
するため
委員
四十人よりなる
原子力問題調査特別委員会
を
設置
いたしたいと存じます。これに御
異議
はございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
12
○
議長
(
伊吹文明
君) 御
異議
なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 次に、
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
の諸問題を
調査
するため
委員
四十五人よりなる
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
に関する
特別委員会
を
設置
いたしたいと存じます。これに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
伊吹文明
13
○
議長
(
伊吹文明
君)
起立
多数。よって、そのとおり決まりました。 ただいま議決されました十
特別委員会
の
委員
は追って指名をいたします。
————◇—————
伊吹文明
14
○
議長
(
伊吹文明
君) 御報告することがあります。 永年
在職議員
として表彰された元
議員戸田菊雄
君は、去る七月十三日逝去されました。痛惜の念にたえません。謹んで御冥福をお祈りいたします。
戸田菊雄
君に対する
弔詞
は、
議長
において去る八月二十九日既に贈呈をいたしております。これを朗読いたします。 〔
総員起立
〕
衆議院
は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもってその功労を表彰され さきに
物価問題等
に関する
特別委員長
の要職にあたられた正四位
勲一等戸田菊雄
君の長逝を哀悼し つつしんで
弔詞
をささげます
————◇—————
伊吹文明
15
○
議長
(
伊吹文明
君) この際、暫時
休憩
いたします。 午後零時十二分
休憩
————◇—————
午後二時二分
開議
伊吹文明
16
○
議長
(
伊吹文明
君)
休憩
前に引き続き
会議
を開きます。
————◇—————
国務大臣
の
演説
伊吹文明
17
○
議長
(
伊吹文明
君)
内閣総理大臣
から
所信
について発言を求められておりますので、これを許します。
内閣総理大臣安倍晋
三君。 〔
内閣総理大臣安倍晋
三君
登壇
〕
安倍晋三
18
○
内閣総理大臣
(
安倍晋
三君) まず、冒頭、過去に経験したことのない豪雨や台風、竜巻により、亡くなられた
方々
に心から哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた
方々
に対しお見舞いを申し上げます。
高齢化
や過疎に直面する
被災地域
も多く、そうした実態も踏まえながら、早期の
復旧
に向け、
全力
で取り組んでまいります。 この道しかない。 三本の矢は、世の中の空気を一変させました。ことしに入って、二
四半期連続
で年率三%以上、
主要先進国
では最も高い
成長
となりました。昨年末〇・八三倍だった
有効求人倍率
は、八カ月で〇・九五倍まで来ました。
景気回復
の
実感
は、いまだ
全国
津々浦々まで届いてはいません。
日本
の隅々にまでこびりついた
デフレ
からの
脱却
は、いまだ道半ばです。 この道を、迷わずに進むしかありません。 今や、
世界
が
日本
の復活に注目しています。ロック・アーンでも、サンクトペテルブルクでも、ニューヨークでも、そしてバリでも、そのことを強く
実感
しました。
日本
は、もう一度力強く
成長
できる、そして、
世界
の中心で再び活躍することができる、そうした
未来
への
希望
が確実に芽生えています。
皆さん
、ともにこの道を進んでいこうではありませんか。 強い
経済
を取り戻すことは、
被災地
にも大きな
希望
の光をもたらします。
東日本大震災
からの一日も早い
復興
に向けて、
取り組み
をさらに加速してまいります。 あわせて、将来の大規模な
災害
に備え、強靱な
国づくり
を進めてまいります。
被災地
では、今も二十九万人の
方々
が
避難生活
を送っています。
高台移転
は、ほぼ全ての計画が決定し、
用地取得
や
造成工事
の段階に移りました。今後、
市町村ごと
の住まいの
復興工程表
を着実に
実行
してまいります。
福島
の
皆さん
にも、一日も早く
ふるさと
に戻っていただけるよう、
除染
や
インフラ復旧
を加速してまいります。 私は、毎日、
官邸
で
福島
産のお米を食べています。
折り紙つき
のおいしさです。安全でおいしい
福島
の
農水産物
を、
風評
に惑わされることなく、
消費者
の
皆さん
に実際に味わってほしいと願います。
汚染水
の問題でも、
漁業者
の
方々
が事実と異なる
風評
に悩んでいる
現実
があります。しかし、食品や水への影響は
基準値
を大幅に下回っている、これが事実です。
抜本解決
に向けたプログラムも策定し、既に着手しています。今後とも、
東京電力福島
第一原発の
廃炉
・
汚染水対策
を
全力
でやり抜いてまいります。
東京
電力任せにすることなく、国が前面に立って
責任
を果たしてまいります。
福島出身
の若いお母さんから一通の
手紙
をいただきました。 震災の年に生まれたお子さんへの愛情と、
ふるさと
の
福島
に戻るかどうか苦悩する心のうちをつづった
手紙
は、こう結ばれていました。「私
達夫婦
は今
福島
に帰ろうと考えています。あの土地に
家族
三人で住もうとしています。私達のように若い
世代
が暮らさないと、
福島
に
未来
はないと考えたからです。」
福島
の若い
世代
は、しっかりと
福島
の
未来
を見据えています。
被災地
の
復興
なくして
日本
の
再生
なし。その
未来
への
責任
を、私は、
総理大臣
として果たしてまいります。 チャレンジして失敗しても、それは前進への足跡であり、大いに奨励すべきもの、しかし、失敗を恐れて何もしないのは最低だ、
本田宗一郎
さんは、こう述べて、
社員たち
に奮起を促したといいます。
先人たち
のこうした
チャレンジ精神
が、
日本
を
高度成長
へと導きました。 しかし、
日本人
は、いつしか自信を失ってしまった。長引く
デフレ
の中で、萎縮してしまいました。 この呪縛から
日本
を解き放ち、再び
起業
、創業の
精神
に満ちあふれた国を取り戻すこと、
若者
が活躍し、
女性
が輝く
社会
をつくり上げること、これこそが私の
成長戦略
です。いよいよ、
日本
の新しい
成長
の
幕あけ
です。 果敢にチャレンジする
企業
を
安倍内閣
は応援します。
日本
の持つ
可能性
を最大限引き出すことこそが、
競争力
を強化する道であると考えます。 新たに
企業実証特例制度
を創設します。あらゆる
分野
において、フロンティアに挑む
企業
には、新たな
規制緩和
により、
チャンス
を広げます。
事業再編
を進め、新陳代謝を促し、新たな
ベンチャー
の
起業
を応援します。
研究開発
を促進し、
設備投資
を後押しして、
生産性
を向上します。 そのために、今後三年間を
集中投資促進期間
と位置づけ、税制、
予算
、
金融
、
規制
・
制度改革
といったあらゆる施策を総動員してまいります。 その目指すところは、
若者
、
女性
を初め、頑張る
人たち
の
雇用
を拡大し、
収入
をふやすことにほかなりません。その
実感
を必ずや
全国
津々浦々にまで届けます。そのことが、さらに
消費
を拡大し、新たな
投資
を生み出す。
経済
の好循環を実現するため、
政労使
の
連携
を深めてまいります。 将来の
成長
が約束される
分野
で、
意欲
のある人にどんどん
チャンス
をつくります。
電力システム改革
を断行します。
ベンチャー意欲
の高い
皆さん
に、自由な
エネルギー市場
に参入してほしいと願います。
コスト高
、供給不安といった
電力システム
を取り巻く
課題
を同時に解決できる、ダイナミックな
市場
をつくってまいります。
難病
から回復して再び
総理大臣
となった私にとって、
難病対策
はライフワークとも呼ぶべき仕事です。 患者に
希望
をもたらす
再生医療
について、その
実用化
をさらに加速してまいります。
民間
の力を十二分に活用できるよう、
再生医療
に関する
制度
を見直します。
外国訪問
では、私は、安全でおいしい
日本
の
農水産物
を紹介しています。どこに行っても、本当に驚くほどの人気です。かつて
農業
が、
産業
としてこれほど注目されたことがあったでしょうか。
意欲
のある
民間企業
には、この
分野
にどんどん
投資
してもらい、
日本
の農産物の
可能性
を
世界
で開花させてほしいと願います。 しかし、狭い
農地
がばらばらに散在する現状では、
意欲
ある
農業者
ですら、
コスト
を削減し、
生産性
を向上することはできません。
都道府県ごと
に、
農地
をまとめて貸し出す、いわば
農地集積バンク
を創設してまいります。 あわせて、
成長
する
世界
の
食市場
への
農水産物
の輸出を戦略的に倍増し、一手間かけて
付加価値
を増す六次
産業化
を進めます。 これらによって、今後十年間で、
農業
、農村全体の
所得倍増
を目指してまいります。
競争
の舞台は、オープンな
世界
。
日本
は、
世界
で一番
企業
が活躍しやすい国を目指します。 七年後には、
東京
を初め
日本じゅう
の
都市
に
世界
の注目が集まります。特異な
規制
や
制度
を徹底的に取り除き、
世界最先端
の
ビジネス都市
を生み出すため、
国家戦略特区制度
を創設します。
TPP交渉
では、
日本
は、今や中核的な
役割
を担っています。
年内妥結
に向けて、攻めるべきは攻め、守るべきものは守り、
アジア太平洋
の新たな
経済秩序づくり
に貢献してまいります。
公務員
には、広く
世界
に目を向け、
国家国民
のため能動的に
行動
することが求められています。
内閣人事局
の
設置
を初め、
国家公務員制度改革
を推進してまいります。 やるべきことは明確です。 これまでも同じような
成長戦略
はたくさんありました。違いは、
実行
が伴うかどうか。もはや作文には意味はありません。
実行
なくして
成長
なし。この
国会
は、
成長戦略
の
実行
が問われる
国会
です。
皆さん
、しっかりと結果を出して、
日本
が力強く
成長
する姿を
世界
に発信していこうではありませんか。
経済政策パッケージ
を果断に
実行
し、
日本経済
を持続的に
成長
させる、その上で、私は、来年四月からの
消費税率
三%
引き上げ
を予定どおり
実行
することを決断しました。 これから
実行
に移す
経済政策パッケージ
は、かつてのような、目先の
景気
を押し上げるための
一過性
のものではありません。
賃金上昇
と
雇用拡大
などを実現するための、
未来
への
投資
です。
世界
に誇る
我が国
の
社会保障制度
を次
世代
に安定的に引き渡していく、そのためには、
財源確保
のための
消費税率引き上げ
と同時に、
保険料収入
や税収の基盤である強い
経済
を取り戻さねばなりません。こうした
取り組み
のもと、中長期の
財政健全化目標
の実現を目指します。 あわせて、大胆に
改革
を進め、持続可能な
制度
を構築しなければなりません。
少子化対策
を充実し、全
世代
型の
社会保障
へと転換してまいります。
医療
、
介護保険
、
公的年金
について、受益と
負担
の均衡がとれた
制度
へと、具体的な
改革
を進めてまいります。
高齢者
の
皆さん
が安心して暮らせる
社会
を構築します。 心志あれば必ず便宜あり。
意志
さえあれば、必ずや道は開ける。
中村正直
は、
明治
四年の著書「
西国立志編
」の中で、
英国人スマイルズ
の
言葉
をこのように訳しました。
欧米列強
が迫る
焦燥感
の中で、あらゆる
課題
に
同時並行
で取り組まなければならなかった
明治日本
。現代の私
たち
も、
経済再生
と
財政再建
、そして
社会保障改革
、これらを同時に達成しなければなりません。
明治人たち
の
意志
の力に学び、前に進んでいくしかない。
明治
の
日本人
にできて、今の私
たち
にできないはずはありません。要は、その
意志
があるかないか。 強い
日本
、それをつくるのは、ほかの誰でもありません。私
たち自身
です。
皆さん
、ともに進んでいこうではありませんか。
相互依存
を深める
世界
において、
世界
の平和と安定に積極的な
責任
を果たすことなくして、もはや
我が国
の平和を守ることはできません。 これは、私
たち自身
の問題です。 戦後六十八年にわたる
平和国家
としての歩みに、私
たち
は胸を張るべきです。しかし、その平和を将来も守り抜いていくために、私
たち
は、今、
行動
を起こさねばなりません。 単に
国際協調
という
言葉
を唱えるだけでなく、
国際協調主義
に基づき、積極的に
世界
の平和と安定に貢献する国にならねばなりません。
積極的平和主義
こそが、
我が国
が背負うべき二十一世紀の看板であると信じます。 石垣島で漁船を守る
海上保安官
、宮古島で南西の空をにらみ、ジブチで灼熱のもと
海賊対処行動
に当たる
自衛官
、極限の
環境
でも高い士気を保つ姿を目の当たりにしました。彼らは、私の誇りです。御
家族
にも感謝の気持ちでいっぱいです。 彼らは、現場で、今この瞬間も
現実
と向き合っています。私
たち
も、
安全保障環境
がますます厳しさを増す
現実
から、決して目を背けてはならない。 私は、
現実
を直視した、
外交
・
安全保障政策
の
立て直し
を進めてまいります。
国家安全保障会議
を創設し、
官邸
における
外交
・
安全保障政策
の
司令塔機能
を強化します。これとあわせ、
我が国
の
国益
を
長期的視点
から見定めた上で、
我が国
の安全を確保していくため、
国家安全保障戦略
を策定してまいります。 さらに、
日米同盟
を基軸とし、自由、
民主主義
、
基本的人権
、法の支配といった
価値観
を共有する国々と
連携
を強めてまいります。
在日米軍再編
については、
抑止力
を維持しつつ、
沖縄
を初めとする地元の
負担軽減
を図るため、現行の
日米合意
に従って着実に進めます。 拉致問題については、私の
内閣
で、
全面解決
に向けて
全力
を尽くしてまいります。
総理就任
から十カ月間、私は、地球儀を俯瞰する
視点
で、二十三カ国を訪問し、延べ百十回以上の
首脳会談
を行いました。これからも、
世界
の平和と繁栄に貢献し、よりよい
世界
をつくるため、一層の
役割
を果たしながら、積極果敢に
国益
を追求し、
日本
の魅力を売り込んでまいります。
東京
、
ロゲ会長
のアナウンスで、ブエノスアイレスの会場は
歓喜
に包まれました。みんなが頑張れば夢はかなう、そのことが証明された瞬間でありました。
歓喜
の輪の中に、
成田真由美
さんがいました。
パラリンピック水泳
で、これまで十五個もの金メダルを獲得した、
日本
が
世界
に誇るアスリートです。 その
成田選手
が、かつて私にこう語ってくれました。私は、失ったものを数えるのではなく、得たものを数えていきます。
意志
の力に裏打ちされているからこそ、前を向いて生きていこうとする姿勢に、私は、強く心を打たれました。 十三歳から車椅子での
生活
となり、その後も、
交通事故
など数々の困難を
成田選手
は強い
意志
の力で乗り越えて、すばらしい記録を生み出してきました。 今の
日本
が直面している数々の
課題
、
復興
の
加速化
、長引く
デフレ
からの
脱却
、
経済
の
再生
、
財政
の
再建
、
社会保障制度
の
改革
、教育の
再生
、
災害
に強く、安全、安心な
社会
の構築、
地域
の
活性化
、そして
外交
・
安全保障政策
の
立て直し
、これらも
意志
の力さえあれば必ず乗り越えることができる、私は、そう確信します。 先般の
参議院選挙
で
自由民主党
及び公明党の
連立与党
を支持してくださった
国民
の
皆様
に、心より感謝します。この
選挙
により
国会
のねじれが解消されたことは、困難を乗り越えていけと、背中を力強く押していただいたものと認識しています。 この
選挙
結果に、
政策
を前に進めることで応えてまいります。いや、応えていかねばなりません。
定数削減
を含む
選挙制度改革
について、現在の
膠着状況
を打破し、結論を得ようではありませんか。
憲法改正
について、
国民投票
の
手続
を整え、
国民
的な議論をさらに深めながら、今こそ前に進んでいこうではありませんか。
皆さん
、決める
政治
によって、
国民
の負託にしっかりと応えていこうではありませんか。
国民
の
皆様
並びに
議員各位
の御理解と御
協力
をお願い申し上げる次第です。 御清聴ありがとうございました。(
拍手
)
—————————————
あべ俊子
19
○あべ
俊子
君
国務大臣
の
演説
に対する質疑は延期し、明十六日午後一時から本
会議
を開きこれを行われることを望みます。
伊吹文明
20
○
議長
(
伊吹文明
君) あべ
俊子
君の
動議
に御
異議
はありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
21
○
議長
(
伊吹文明
君) 御
異議
なしと認めます。したがって、
動議
のとおり決まりました。
————◇—————
あべ俊子
22
○あべ
俊子
君
議事日程追加
の
緊急動議
を
提出
いたします。
遠藤利明
君外十三名
提出
、二〇二〇年
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
の
成功
に関する
決議案
は、
提出者
の要求のとおり、
委員会
の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
伊吹文明
23
○
議長
(
伊吹文明
君) ただいまのあべ
俊子
君の
動議
に御
異議
はありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
24
○
議長
(
伊吹文明
君)
異議
なしと認めます。よって、
日程
は追加されました。
—————————————
二〇二〇年
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
の
成功
に関する
決議案
(
遠藤利明
君外十三名
提出
)
伊吹文明
25
○
議長
(
伊吹文明
君) 二〇二〇年
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
の
成功
に関する
決議案
を
議題
といたします。
提出者
の
趣旨弁明
を伺います。
遠藤利明
君。
—————————————
二〇二〇年
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
の
成功
に関する
決議案
〔本号(一)末尾に掲載〕
—————————————
〔
遠藤利明
君
登壇
〕
遠藤利明
26
○
遠藤利明
君 ただいま
議題
となりました二〇二〇年
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
の
成功
に関する
決議案
につきまして、
自由民主党
、民主党・
無所属クラブ
、
日本
維新の会、公明党、みんなの党、
生活
の党を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 二〇二〇年
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
の
成功
に関する
決議案
一九六四年の
東京
大会以来五十六年ぶりとなる二〇二〇年
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
の開催は、スポーツの振興と国際交流・国際親善、共生
社会
の実現、国際平和への寄与にとって極めて意義深いものであるとともに、
我が国
が元気な
日本
へ変革していく大きな
チャンス
として、
国民
に夢と
希望
を与えるものとなる。 国は、二〇二〇年
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
の開催が円滑になされるよう、
環境
の保全に留意しつつ、競技場など諸施設の整備その他の受入れ態勢に関し万全の措置を講ずることはもちろん、
国民
のオリンピック
精神
の高揚とスポーツを通じた
世界
への貢献、広く
国民
すべての一層のスポーツ振興を図るとともに、
東日本大震災
からの
復興
を着実に推進することにより、これからの新しい
日本
の創造と
我が国
未来
への発展のため
東京
大会を
成功
させるよう努めなければならない。 よって、政府は、総合的な
対策
を
確立
し、
国民
の理解と
協力
のもとに、その推進を図るべきである。 右決議する。 以上であります。 本年九月七日の国際オリンピック
委員会
総会において、
東京
が、二〇二〇年オリンピック・
パラリンピック競技大会
の開催
都市
に決定いたしました。これは、
東京
二〇二〇オリンピック・パラリンピック招致
委員会
、
東京
都及び
日本
オリンピック
委員会
を中心に、スポーツ界、
経済
界を初めとする関係者と政府、
国会
とが一体となり、オール・ジャパン体制で招致活動に取り組んできた成果であります。 オリンピック・
パラリンピック競技大会
は、
世界
共通の人類の文化であるスポーツの発展を通じて、国際親善や
世界
平和への貢献に輝かしい成果を上げてきました。 昨年のロンドン・オリンピック・パラリンピックは、アスリートや観客だけではなく、多くのボランティアが大会運営に参画する姿が
世界
に発信され、オリンピック、パラリンピックの文化的、教育的価値のさらなる発展に貢献する大会でありました。 一九六四年に開催された
東京
大会は、
日本
が戦後
復興
を見事になし遂げたことを
世界
に示すものでありましたが、それから半世紀を経た二〇二〇年に、再び
東京
が大会を開催する機会を得ました。 スポーツの力を通じて、
未来
を担う子供
たち
に夢と
希望
を与え、
国民
を元気にし、また、
東日本大震災
からの
復興
を着実に推進することを通じて、
我が国
が自信と活力に満ちあふれた姿を
世界
に示す大きな
チャンス
であります。 また、スポーツのみならず、
日本
の力の源泉となる文化、
科学技術
、教育など、ありとあらゆるソフトパワーを
世界
に示す好機でもあります。 おもてなしを初めとした
日本
の
精神
で
世界
と交流し、オリンピック、パラリンピックの重要な価値である友情や尊敬を育み、
我が国
の豊かな
未来
の発展と
世界
の平和に貢献するため、政府、
国会
が一体となり、
国民
の理解と
協力
のもとに、大会の
成功
を図らなければなりません。 何とぞ
議員各位
の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(
拍手
)
—————————————
伊吹文明
27
○
議長
(
伊吹文明
君) それでは、採決をいたします。 本案を可決するに御
異議
はありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
伊吹文明
28
○
議長
(
伊吹文明
君) 御
異議
なしと認めます。したがって、本案は可決されました。(
拍手
) この際、
国務大臣
から発言を求められております。これを許します。
国務大臣
下村博文君。 〔
国務大臣
下村博文君
登壇
〕
下村博文
29
○
国務大臣
(下村博文君) ただいまの御決議に対し、
所信
を申し述べます。 このたび、二〇二〇年オリンピック・
パラリンピック競技大会
の開催
都市
が
東京
に決定したことは、国を挙げての精力的な招致活動と多くの
国民
の支持が一つの大きな熱意として国際オリンピック
委員会
に伝わった結果であり、政府としても大変喜ばしく思います。 御指摘のとおり、二〇二〇年の
東京
大会を
成功
に導くためには、広く
国民
の理解と
協力
のもと、政府と
東京
都及び関係団体が密接に
協力
してその準備に当たらなければなりません。 まず、大会の円滑な実施に向け、競技場などの諸施設の整備その他の受け入れ態勢に関して万全を期することはもちろんのこと、これを機に、広く
国民
の一層のスポーツの振興を図ることが必要であると考えます。 その上で、さらに重要なことは、
国民
が、広くオリンピックの
精神
を共有し、おもてなしの心をもって
世界
じゅうの人々を迎え、スポーツを通じて
我が国
が
世界
へ一層貢献していく契機となる大会とすることであります。 また、この際、
東京
大会を、
一過性
の行事にとどめることなく、
日本
社会
を元気にし、さらなる発展に向かわせるための大きな
チャンス
として捉え、オリンピック、パラリンピックの開催を契機に、新たな
日本
の創造を果たすような総合的な
対策
をオール・ジャパンで推進することが重要であると考えます。 政府といたしましても、ただいまの御決議の趣旨を十分尊重いたしまして、大会の
成功
に向け最善の努力を図ってまいる所存でございますので、各位の一層の御努力と御支援をお願い申し上げます。(
拍手
)
————◇—————
伊吹文明
30
○
議長
(
伊吹文明
君) 本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十六分散会
————◇—————
出席
国務大臣
内閣総理大臣
安倍 晋三君 財務大臣 麻生 太郎君
総務
大臣 新藤 義孝君
法務
大臣 谷垣 禎一君
外務
大臣 岸田 文雄君
文部科学
大臣
国務大臣
下村 博文君
厚生労働
大臣 田村 憲久君
農林水産
大臣 林 芳正君
経済
産業
大臣 茂木 敏充君
国土交通
大臣 太田 昭宏君
環境
大臣 石原 伸晃君 防衛大臣 小野寺五典君
国務大臣
甘利 明君
国務大臣
稲田 朋美君
国務大臣
菅 義偉君
国務大臣
根本 匠君
国務大臣
古屋 圭司君
国務大臣
森 まさこ君
国務大臣
山本 一太君