○松田
委員 ぜひよろしくお願いします。
それと、プロフェッショナル型の
公務員ということを考えるのであれば、これは、
公務員というのは能力のある人を本当に集めて
いかなきゃいけないと思うんですね。ところが、現在の
状況を見ていると、官僚バッシングが長い間続いて、役所の
財務省の後輩なんかに聞いてみると、昔は、大蔵省に内定すると、大変名誉なことだと家族挙げて喜んでいたんですが、最近は、
財務省に内定したと言ったら、親が反対する、あんな評判の悪い役所はやめなさいと言われた。これは実際にあった事例なんですね。
ここまで来ると、これはグローバリゼーションが進めば進むほど、官僚もすごい国際競争をしているんですね、私もそれを経験しましたけれ
ども。ほかの国に比べて待遇や魅力がない職種になれば、国際標準に比べてそれだけ優秀な人が来なくなる。これは日本にとって物すごい国益の損失で、今の若い人たちの間でそれが進んでいな
いか非常に心配しているんですね。
待遇の面では、前回も日本は退官後の退職給付代替率が低いという話もしました。これを別によくしろというわけに
いかないとすれば、やはり公務の魅力を高めるしかないんですね。職業としての魅力を
いかに高めていくかということしかないと思います。
その場合、プロフェッショナルとして自分が社会に価値を提供し、それが評価され、そして役所をやめてもそれで生きていけるという、それがあってこそ、やはりこれから人が集まるんだろうというふうに思うんです。
私の経験から見ると、官僚というのは非常に、近年、特に官僚バッシングが激しくなりますと、いろいろなことに縛られ過ぎていまして、
職務専念義務違反とか結構いろいろ言われて、あちこちいろいろな場所に顔を出したりとか、非常に難しい。
私も言論NPOというのをやって、これは本務と良循環ができて非常によかったんですけれ
ども、それでも、もちろん
勤務時間以外にやっていたんですが、ほかの活動をしている人に対しては、役人がバッシングされればされるほど萎縮して、余計なことはするなという空気が非常に蔓延している。ここのところも少し考えた方がいいんじゃな
いかなと思います。
私が役所に入ったときに、もう亡くなりましたけれ
ども、長富
祐一郎という参事官が上司におりまして、当時、参事官というのは役所に三時間しかいな
いから参事官だと言われたことがあって、大平総理のブレーンをしていたころから、朝から夜中まであちこち駆けずり回って、これが官僚の本当の仕事だと。それで、自分が
管理職になって言論NPOをやったら
職務専念義務違反だと怒られた。これはやはり官僚としての職業の魅力が随分下がっているんじゃな
いかなと思います。
官民人材交流も非常に大事なんですが、実際、民間の人に来てもらうようなスペックを整えて、ここなら来られますよというのは結構大変な、もちろんやらなきゃいけないんですが、その前にもっと官が、例えば講演に呼ばれて行ったら、自分の
職務に関連する講演をすることについては報酬を受け取ってはいけないとなっているんですね。
ところが、例えば、北海道に行きました、実費は出してもらいました、でもその後、懇親会があります、ぜひ来てくださいと言われて行ったら五千円取られた。何で自分は五千円取られて、時間までかけて、
資料とかつくるのって大変なんですね、講演というのは。それだったらもう講演なんて断るよという人がふえているんですね。
これは、民間から見ても役所からの生の情報をとるのは大事なことですし、やはり民間の声を役人が聞くのも大事。こういう何かどうでもいい規制が余りにも強過ぎる。この辺も考えていただかないと、プロフェッショナルとしての魅力は高まらないと思いますが、
稲田大臣、
いかがでしょうか。