○福田(昭)
委員 何か全く先が見えない話ですよね。やはり私がさっき申し上げたように、放射能で汚染された廃棄物については最終的にこうやって処理していくんだというビジョンがあって、初めて
福島の
復興ができるわけですよ。
私が先ほど申し上げたように、双葉郡の四人の町長
たちと話し合ってきた、その中で、国に対して
要望がありますかということでいろいろお伺いしましたが、絞ってちょっとお話をしたいと思います。
まず一つは、戻れる時期はいつかと。国が
帰還目標をぜひ年内に決めてほしい、戻れる時期が決まらなければ町の
再生もできない。そうでしょう。
資料の二と三は、去年、
復興庁が行った住民の意向
調査の結果の概要です。そして、資料の四は、
復興庁や
環境省などがやっている仕事について、私が
復興庁にまとめていただいた資料であります。
ここを見ればわかりますように、大熊町、双葉町は全人口の九六%が
帰還困難区域なんですよ。居住制限区域と避難
指示解除準備区域に住んでいる人
たちは、町の人口のわずか四%しか住んでいないんですよ。除染がここは思うようにいかない
地域です。ですから、除染の結果が出るまで待っているうちに、ほかに住みたくなっちゃうんですよ。住まなくちゃならなくなっちゃうんですよ。
ですから、まさにそうした、特に大熊町、双葉町の
帰還困難区域と指定されたところに住んでいた人
たち、九六%の人
たちが、大熊町では約一万五百六十人、双葉町では六千二百七十人、この人
たちがどうやってこの次
生活していくのかということが決められるのは、やはりいつ帰れるかということが決まって初めて自分の住みかもつくれるし、人生設計もできるんですよ。この問題をはっきりさせない限りは、いつになっても
福島の
再生は進まない。
そして、二つ目。今の問題に
関係しておりますけれども、除染しても帰れない
地域を発表すべきだ、こう言っていますよ。特に今回、IAEAもいいかげんなことを言いましたけれども、二十ミリシーベルト以下なら帰ってもいいという話が出てきました。
政府も規制
委員会も、そんなふうに変えました。
政府もこれに基づいて見直しをしているんだと思いますけれども、しかし、
現場の町長からいったら、一ミリシーベルトと二十ミリシーベルトの間でいつ
帰還宣言できるのか、判断できないと言っていますよ。ギャップがあって、十でできるのか、五でできるのか、全く判断ができない。長期的な目標は当然一ミリシーベルト以下にすべきだけれども、どこで帰っていいか、
帰還宣言していいか、判断できないと言っていますよ。
そして、三つ目。財物賠償については、残存価額じゃなくて、再取得価格で補償してほしいと。そうでないと、さっき話をしましたけれども、もう戻りたくないという人が、では、第二の住みかをつくろうといったって、とても安くて、つくれないんですね。しかも、二、三年たつと、この報告書にもありますように、ネズミにやられちゃったり、あるいは風やいろいろな被害で、二度と住めるようなうちになっていないんですね。戻って住もうと思っても、自分のうちが住めるような
状況ではない。
そして、四点目。町の
復興計画よりも、個々人の
生活再建を優先してほしいと言っていますよ。個々人の
生活の方を先にしてほしい、町の
復興計画は後だと。それはそうですよね。先ほど示した表にありますように、特に大熊町や双葉町では、帰れない
地域に住んでいる人
たちが九六%もいるんです。ここでどうやって町の
復興計画をやるんですか。
復興計画をやったって、帰ってくる人はいないんですよ、帰ってこれる人はいないんですよ。
そして、五点目。住民意向
調査は回収率も考えてほしいと。私、それで、去年つくった表から、今回、ことし頼んだ表には回収率も入れてもらいました。例えばでありますが、去年の
調査で帰りたいという人が一番多かった飯舘村は、戻りたい人、去年の
調査で二一・九%ですよ。しかし、回収率は五一%、約半分ですよ。ということは、もし一〇〇%回答があったとしたら、戻りたい人は一〇%になっちゃうかもしれない。ですから、回収率も考えて判断をしてほしい、こう言っております。
そして、六点目。きょうは残念でしたが、ぜひ、財物賠償のあり方が非常に不十分だから、能見会長にも参考人として呼んで聞いてほしい、そう頼まれてきましたけれども、残念ながら、だめだったんですね。きょうは都合があって来ていただけないということでありますが、ぜひ、次の機会には能見会長もお呼びして、財物賠償の基準を本当にどう見直していくのかとか、その辺もお聞きしたいなと思いますし、さらには、
法律上のルールがあってすぐには無理かもしれませんが、ぜひ原賠審の
委員に
被災者代表も入れてほしい、こういう
要望もいただいてきました。
ぜひ、こんなことも踏まえてこの
復興特ではやらなくちゃならないと思いますが、
復興大臣、今の話を聞いて、どうですか。