○藤井(孝)
委員 まさに私もそのとおりだと思います。
しかし、今おっしゃられたことは、私自身もそういう
認識でおりますけれ
ども、この中国の力関係の逆転というのはもっと厳しく見ていかなければならないと、私は個人的にそう思っております。
というのは、私の
理解では、力の逆転というのは、わかりやすく言いますと、要するに、中国の総合的な国力が
我が国の国力を上回る、そのことを
日本側に中国が
認識させて、そして受け入れさせていく、そういうことからきているんじゃないか、中国の言う、いわゆる力の逆転というのは。そういうことをやはりしっかりと踏まえていかなければいけないんだろうと思うんですね。
というのは、御
承知のとおり、中国は、通常兵器はもとより、核兵器であるとか、あるいは宇宙、サイバー、そういった軍事関連の近代化をどんどんどんどん進めていますね。今、軍事費についても大変大きな数字を持って、毎年一〇%以上の伸び率を持っているということはおっしゃられました。
そういったことで、中国の、まず、一年間の軍事費だけでも、
日本の
防衛費の今二倍以上と言いましたけれ
ども、まさに十一兆円ぐらいある。しかし、軍事関連費を含めると、さらにこの二倍あるんだろうとも言われているわけですね、中国の軍事関連費というのを総合すると。
そうなると、このままでいきますと、
日本の
防衛予算が四兆七千億だからということではありませんけれ
ども、十年後、二十年後にはこのアジア
地域のいわゆるバランスががらっと変わっていってしまうんじゃないか、そういうふうな変質をする、そして、それがもう今進みつつある。
そして、さらに
米国を見ますと、
米国はたしか、十年間で軍事費を五千億ドル減らすということを言っているわけですね。さらに、オバマ
大統領は、
米国は
世界の警察官ではないということも言っているわけであります。要するに、
アメリカにとって中国というのは非常に、
経済的には競争相手でありますけれ
ども、しかし一方では、まさに核兵器を持っている両国でありますから、そういう意味では、軍事的なバランスについては、
米国は、我が
日本の
同盟国としていろいろの意味でサポートはしてくれますけれ
ども、一方では、中国に対して非常に重要視している、重視しているということをやはり私
たちは認めざるを得ないところがあるわけです。
そういう意味で、中国は、いわゆる相対的な
アメリカの力の変化というものをしっかり踏まえながら、このアジア
地域、とりわけ東アジア
地域における軍事パワーのいわゆるシフトを変えていこう、自分
たちがより強力な国家になることによって、それを認めさせることによって、この
地域について、実権と申しましょうか、軍事力を増強することによってそういった目的を達していこうというのは、私は、最近の尖閣諸島近辺の問題につきましても、後ほど触れますけれ
ども無人機の飛来につきましても、そういったことをしっかりと踏まえていかなければならないんじゃないか。
ということは、つまり、習近平
政権のスローガンである中国の夢というものを
実現するためには、そういったことが背景にあって、私は、中国の今の
政権の進め方というのを非常に重要視して、そして、後ほど触れますけれ
ども、今度の
NSCの問題につきましても、こういったことを踏まえながら、この
NSCの
機能の
あり方、今後の課題について、しっかりと注視していかなければならないと思うわけであります。
そこで、今、
米国のいわゆる五千億ドルの国防費の削減ということもありますけれ
ども、オバマ
大統領が言いました、いわゆる、
アメリカは
世界の警察官ではないという中でのいろいろな微妙な変化がある中で、
総理におきまして、
アメリカがどういうふうに中国に対して問題を把握しているのか、どういう意識をしているのか、そうした米中関係について、
総理はどういうふうにお
考えでしょうか。