○中山(泰)
委員 自由
民主党の中山泰秀でございます。
本日は、
官房長官が記者会見でお留守の間を、与党としてしっかりと緊張感を持った
質問をせよという
理事の先輩方の御下命を賜って、しっかりとやらせていただきたい。
きょうは幸い、未来の
官房長官の
世耕弘成副
長官がおいででございますので、未来の
官房長官に対して御
質問を申し上げたいと
思います。よろしくお願いします。
まず、先生方、
委員のメンバーの皆様に
資料をお配り申し上げておりますが、ごらんをいただきたいと思うんです。この
資料でございます。
これは、ジョージタウン大学で教授をお務めになっておられたレイ・ク
ライン教授がおつくりになられたフォーミュラ、国力量をはかる方程式というものでございます。
御存じのとおり、レイ・ク
ライン教授といえば、エクスコムと言われる
国家安全保障会議執行
委員会、英語ですと、エグゼクティブ・コミッティー・オブ・ザ・ナショナル・セキュリティー・カウンシル、略称エクスコムという
組織のメンバーでもおありになられました。すなわち、
NSCの中でも執行役員をなさっておられた、その
会議に出ていたメンバーの一人であります。
日本にもおいでになられたこともあって、佐藤
総理なんかにもレクチャーをなさったりもしておられました。
このエクスコムにおられたレイ・ク
ライン博士が、Pp=(C+E+M)×(S+W)という方程式をおつくりになられています。
Ppというのは、これはパーシーブドパワー、計量
認識された国力量ということでございますが、これを出すために、CプラスEプラスM。Cというのはクリティカルマス、これは
国家の基本要素であります、人口とか領土。それから、Eというのはエコノミックケーパビリティー、これは経済力です。ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた時代から、今、ジャパン・アズ・ナンバースリーなのかもわかりませんけれども、アベノミクスで何とか復活させたいと
思います。同時に、Mというのはミリタリーケーパビリティー、
軍事力であります。
それを括弧で閉じまして、掛けることのSプラスW。Sというのはストラテジックパーパス、
戦略目標です。Wというのはウイル。ウイル・ツー・パーシュー・ナショナル・ストラテジー、
国家戦略目標を遂行する
国家の意思ということでありますけれども、私は、このウイルというのは、
国家の意思と同時に、その国の
政治家の意思、それから国民の意思ということも含めているのではないかというふうに、勝手に実は解釈をいたしております。
今、この
NSCというものの
日本版をつくる中で、
日本が
国家戦略目標をしっかりと確立させて、そして、この
NSCをその目標に向かって、それに資する
組織として当然
政府はつくろうというお考えのもとに、今般のこの
法案の
審議を行っているものと私は理解しますけれども、同時に今、ヨーロッパのEU議会では、メルケルさんに対するいわゆる盗聴の問題等が出ています。
当然、記者会見でも、
官邸の方で、安倍
総理の携帯電話は大丈夫かという
質問が飛んでおりまして、朝日新聞デジタル、十月二十四日、
菅官房長官は二十四日の記者会見で、安倍晋三首相の携帯電話は大丈夫かとの問いに、全く問題ないと強調したと。セキュリティー対策については、これまでもしかるべき
情報保全のための対応をとっており、引き続きやっていきたいと言って、メルケルさんとは全く違う対応を
日本政府は見せています。
岸田
外務大臣においては、二十五日
閣議後の記者会見、これは時事通信、二十五日金曜日十一時六分配信、一般論として、公館に対する
情報収集活動は、通信の自由、秘密を保障する
外交関係に関するウィーン条約の
観点から問題だと、一般論としての法的な
認識をお述べになられました。
日本の
政府の対応というのは、私は毅然としていていいなと思うんです。
といいますのも、逆にドイツでは今何が起きているかというと、読売新聞、十月二十六日十三時九分、ドイツ首相の携帯、機密
機能に問題があるんじゃないかということを、ドイツのウェルトという新聞が、盗聴が疑われるのは首相が二〇〇九年十月からことし七月まで使用していた携帯電話だと。首相が党首を務めるキリスト教民主同盟、CDU支給の端末と見られ、機密保持
機能が不十分と
指摘をされていると。
要するに、まるで
アメリカのNSAによる諜報活動が悪だという世論が
世界的に巻き起こっている中で、逆に
日本というのは
日米同盟を押さえた御
答弁を、
政府としてなさっておられるんじゃないか。
どっちかというと、我々
政治家も含めて、一般人とはまた違う枠組みに、インテリジェンスコミュニティーでは、あると思うんです。当然、会話は盗聴されていることが前提で、気をつけて
お話をしていても、
政治家としての資質とか自分
たちの頭の中のセキュリティーの意識としては当然だと思うんです。それをあえて、なぜ盗聴していたのかということを議題としてEUの
会議で提唱すること自体が、逆に
情報のセキュリティーの甘さを露呈しているという、もろ刃の剣にもなったのではないかなというふうに
思います。
ここで、今、同時期に
NSCとNSAとの問題が重なってくるということを一般の国民としては見ている。プラス、この後
審議されるであろう秘密保全法、こういったものを全部ミックスアップして、分けてわかりやすく考えられていない、理解をされにくい部分が、実は混同していて、あるんじゃないかと思うんです。
その中で、
世耕将来の
官房長官にお伺いしたいんですが、
我が国の
NSCと米国のNSAの違いについて、インターネットでこの
審議中継をごらんになられている一般の国民の方にも理解されやすい
状況を、将来想定も含めてわかりやすく御
説明を、まずはいただきたいと
思います。お願いします。