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2013-10-07 第184回国会 参議院 経済産業委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十五年十月七日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  九月二十七日     辞任         補欠選任      新妻 秀規君     若松 謙維君  十月三日     辞任         補欠選任      林  芳正君     磯崎 仁彦君  十月四日     辞任         補欠選任      佐藤ゆかり君     宇都 隆史君      柳澤 光美君     小林 正夫君      谷合 正明君     杉  久武君  十月七日     辞任         補欠選任      岩城 光英君     高階恵美子君      宇都 隆史君     佐藤ゆかり君      牧野たかお君     熊谷  大君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         増子 輝彦君     理 事                 岩井 茂樹君                 松村 祥史君                 大久保 勉君                 倉林 明子君     委 員                 磯崎 仁彦君                 宇都 隆史君                 熊谷  大君                 佐藤ゆかり君                 関口 昌一君                 高階恵美子君                 舞立 昇治君                 牧野たかお君                 宮沢 洋一君                 小林 正夫君                 直嶋 正行君                 安井美沙子君                 杉  久武君                 若松 謙維君                 行田 邦子君                 松田 公太君                 中野 正志君                 荒井 広幸君    国務大臣        経済産業大臣   茂木 敏充君    副大臣        経済産業大臣  赤羽 一嘉君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       磯崎 仁彦君    事務局側        常任委員会専門        員        奥井 俊二君    政府参考人        経済産業大臣官        房総括審議官        兼資源エネルギ        ー庁汚染水特別        対策監      糟谷 敏秀君        経済産業大臣官        房審議官     中西 宏典君        資源エネルギー        庁長官      上田 隆之君        原子力規制委員        会委員長     田中 俊一君        原子力規制委員        会原子力規制庁        次長       森本 英香君        原子力規制委員        会原子力規制庁        審議官      山本 哲也君        原子力規制委員        会原子力規制庁        原子力地域安全        総括官      黒木 慶英君    参考人        東京電力株式会        社代表執行役社        長        廣瀬 直己君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○経済産業貿易及び公正取引等に関する調査  (東京電力福島第一原子力発電所汚染水問題に  関する件)     ─────────────
  2. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日までに、新妻秀規君、林芳正君、佐藤ゆかりさん、谷合正明君、柳澤光美君及び岩城光英君が委員辞任され、その補欠として若松謙維君磯崎仁彦君宇都隆史君、杉久武君、小林正夫君及び高階恵美子さんが選任されました。     ─────────────
  3. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済産業貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業大臣官房総括審議官資源エネルギー庁汚染水特別対策監糟谷敏秀君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  経済産業貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 経済産業貿易及び公正取引等に関する調査のうち、東京電力福島第一原子力発電所汚染水問題に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 自由民主党の岩井茂樹でございます。  本日は、経済産業委員会閉会中の審査ということで、福島第一原発におけます汚染水問題についてお尋ねをしたいと思います。  福島第一原発における汚染水問題は、福島県そして国内だけの問題ではもうなくて、今や本当に世界各国注目をしている、本当に緊急性の高い、大変重要でそして大きな問題だと私は受け止めております。これを受けまして、政府は、九月三日に汚染水問題に関する基本方針、これを策定をいたしまして、東京電力に任せるのではなくて国が前面に出てやっていくという、その強い決意をお表しになりました。  そこで、お尋ねをしたいと思います。  国が前面に出て汚染水問題の対策に取り組んでいくということですけれども汚染水問題が生じて以降、これまでにどのような汚染水対策を講じてきたのか、またその結果、何がどのように変わったかということについてまずお尋ねをいたします。そして、これからどのような汚染水対策を講じていくつもりなのか、新政権発足後に設置した汚染水処理対策委員会での検討状況ども踏まえていただきながら、これまでの取組と今後の展望についてお聞かせいただければと思います。
  9. 赤羽一嘉

    ○副大臣赤羽一嘉君) それでは、今御質問のありました汚染水処理に関するこれまでの経緯と、また国が前面に出て以降の対策についての経緯を踏まえて、少し長くなりますが、回答させていただきたいと思います。  私たちも政権に復帰直後からこの汚染水処理に関する問題意識は持ち続け、本年四月に廃炉対策推進会議の下に専門家関係機関で構成する汚染水処理対策委員会を立ち上げさせていただきました。そして、五月三十日には、凍土方式の陸側遮水壁設置、またトレンチからの汚染水除去等緊急対策や抜本的な対策を取りまとめまして、それを早期実行することを指示してまいりました。しかし、残念ながら、その後、七月二十二日に汚染された地下水港湾内開渠部への流出の可能性東京電力から発表され、また八月十九日には汚染水貯水タンクからの汚染水漏えいが判明するなど、これまでの東電対応では不十分な点も明らかになったわけでございます。  そこで、東京電力任せにするのではなく、国が前面に出て、逐次的な対応ではなく、想定されるリスクを広く洗い出し、予防的かつ重層的に抜本的な対策を講じることといたしまして、今御指摘もございましたように、九月三日の原子力災害対策本部汚染水問題に関する基本方針を定め、廃炉並び汚染水問題の全体の進捗管理、また予備費も活用した資金的な支援、そして国内外への正確な情報発信など、政府対応を明確にして、九月の十日、関係閣僚等会議アクションプラン決定させていただいたところでございます。  その中身といたしまして、まず現場での取組強化策といたしまして、経産省に局長級汚染水特別対策監を新設いたしました。また、関係各省庁から職員を現場に常駐させていただき、廃炉汚染水対策現地事務所を立ち上げさせていただきました。この現地事務所メンバーで、日々の現場作業やパトロールを通じたタンク管理方法改善や新たな事象早期発見報告の徹底など、きめ細かに指導を励行しているところでございます。  また、月に一度、私が座長をいたしまして、現地事務所東京電力規制庁メンバーとし、福島県からオブザーバーとして参加をしていただきまして、汚染水対策現地調整会議を開くことといたしました。九月の九日に第一回目の会合が開き、また今週の十月九日に第二回目の会合を開く予定でございますが、この会議では現場関係者からのあらゆる声を吸い上げて、対策経過報告や見直し、また潜在的リスク洗い出しとその対策を徹底的に講じていくという会議になっております。  こうした現場検討も踏まえまして、汚染水処理対策委員会において予防的、重層的な対策を講じるための前提となる更なる潜在的リスク洗い出しバックアップ対策検討を行って効果的な対策を随時追加することとしております。  また、財政措置といたしまして、技術的な難易度も高く、国が前面に立って取り組む必要のある凍土方式の陸側遮水壁の構築と、より高性能なALPS、多核種の除去設備の実現を国費で賄うこととし、まずは予備費二百六億円を措置したところでございます。  そして、国内外英知を活用するための取組として、既に国際廃炉研究開発機構中心としたチームを立ち上げまして、広く国内外対応策を募集し、応募された案を専門家から成る汚染水処理対策委員会中心に精査し、今後二か月間で当面の取りまとめを行う予定としておるところでございます。  最後に、汚染水問題に対する不安を解消するために、原因究明の結果や対策進捗状況について国内外で正確な情報発信を行うこと、特に国際的には、外務省等により全在京外交団、計百九十四の在京大使館国際駐日事務所等に対しまして情報提供を行うとともに、海外においても在外公館代表部を通じ国際機関外国メディアに対して情報提供を行ってきておるところでございます。  いずれにしても、この汚染水問題、本当に大変重要な問題だというふうに認識をし、政府を挙げて抜本的な対策を取り組んでまいりたいと、こう決意をしておるところでございます。
  10. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 この度、国が前面に出てやっていくというその決定というのは様々な意味で非常に重要な決定だったのかなと。この問題に関しては、国民のみならず全世界が恐らくその動向に注視、注目をされていると思っております。是非政府におかれましてはしっかりとした対応を今後も図っていただければと思います。  ただいまの御説明の中で幾つかキーワードというか、出てまいりました。それに関係しまして質問をさせていただきたいと思います。  政府は今後、汚染水対策、その効果が十分に得られない場合に備えて、先ほど少しお話もありましたけれども、予防的かつ重層的な対策を講じていくと言われております。先ほど潜在的リスクという言葉も出ましたけれども、具体的にどのような形で先ほど言われました潜在的リスク収集し、そして検討していくのか。また、収集したリスクへの対策についてどのような対策が具体的に考えられているのか。また、これも先ほどお話ありましたけれども技術公募というお話もありました。広く国内外英知を集結するために技術公募をしていくと聞いておりますけれども、どのような方法で、どのような、どれぐらいの範囲に対して公募を行ったのか、教えていただければと思います。
  11. 磯崎仁彦

    大臣政務官磯崎仁彦君) 今、岩井委員の方からお話ありましたように、九月三日の原子力災害対策本部、この中で決定されました汚染水問題に対する基本方針を受けまして、想定されるリスクを広く洗い出して、予防的かつ重層的に抜本的な対策を講じるということを決めさせていただきました。  これはまさに、私は危機管理の問題だというふうに思っております。何か事象発生をしたときにそれに対してどうスピーディーに的確に対応していくかということとともに、やはり事前に何がリスクなのかということをきちんと洗い出して、それに対してきちんと対応策を取っていき、それが発生しないように予防していく、あるいは発生したときにその損害を極小化をしていくと、こういう対応をきちんと取っていかなければいけないというふうに思っております。  そのために、リスク洗い出しという意味では、やはり私は、先ほど副大臣の方から話もありましたように、現場問題点指摘というのは非常に重要だというふうに思っております。  既に、先ほどお話ありましたように、廃炉汚染水対策現地事務所、これを設置をしておりますし、月に一回、汚染水対策現地調整会議、これを設置をして会議を開催をしておりますので、このような中で、現場でどのような意見が出てくるのか、どのような問題意識を持っているのか、こういうことからリスクをきちんと洗い出していく、このことが必要だろうというふうに思っております。それとともに、今、非常に顕在化をしているリスクとともに、まだ顕在化はしていないものの想定をされるいわゆる潜在リスク、これに対してどういう対応を取っていくのか、これも非常に重要なことというふうに考えております。  それとともに、先ほど重層的という話もさせていただきましたけれども、やはりこれにつきましては、例えば汚染水の問題を取ってみましても、まずタンクから漏れないようにする、これは当然必要なことでございますけれども、万が一漏れた場合にはそれに対してどう対応していくのか。これは、堰を例えば高くしていくようなそういう方策もあろうかと思いますし、もしその堰から更にこぼれた場合にはそれに対してどう対応していくのか、これがまさに重層的という対応だと思いますので、今我々が考えている中で対応はきちんとできるというように考えておりますけれども、やはり万が一それで十分でない場合に備えて重層的な対応をきちんと取っていく、このことが必要だろうというふうに思っております。  それとともに、今回のこの汚染水廃炉の問題につきましては、やはりなかなか技術的に困難な問題というのがございますので、これについてはなかなか今国内で十分な技術的な知見も十分ではないところがございますので、これについては、先ほど岩井委員の方からお話ありましたように、広く国内外英知を結集をするということも必要だろうというふうに思っております。これは、汚染水処理対策委員会の方から国際廃炉研究開発機構、いわゆるIRIDと呼ばれておりますけれども、こちらの方に内外の知見収集と評価の依頼をしておりまして、もう既に九月の二十日の日にホームページで広くこの技術収集をする、そういう手続を取っておりまして、十月の二十三日までその技術収集をするということをさせていただいております。あるいは、国際的な会議でありますとか、あるいは学会、これは国内外学会、あるいはその説明会等々におきましてこういう知見を集めるための取組を積極的に行っているという今の現状でございます。  以上でございます。
  12. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 分かりやすい御説明ありがとうございました。  東日本大震災発災の後に、社会資本整備考え方の中で交通の多重性というような話があったかと思います。今お話を聞いていて、重層的というのはある意味多重防御というか、そのような意味合いもあるのかなと、こう感じております。  そして、公募の件ですけれども公募というのは一般的には広く一般に募集するということで、ただ、今回は技術公募ということだと思いますので、どうしても専門的な分野に限るとか専門的な知識を持った企業とか大学、研究機関とかというふうになってくると思うんです。それは仕方ないんですが、ただ、この汚染水問題というのは国内外で本当に関心の高い問題であります。このようにして政府が、国が全力を挙げて問題解決のために英知を集めているということを実は国民にもっと広く伝えること、そして世界に広く伝えるということが、今、日本に向けられている不信感、それを払拭する一つの大きな、何というんですかね、方策というか、になってくると思いますので、是非とも、今後、具体的な対策が決まっていく過程においてもきめ細やかな情報開示ということを是非お願いをしたいと思っております。  続きまして、東京電力にお伺いをしたいと思います。  東京電力においては、皆様御存じのように、あのALPSの中でゴムパッドの置き忘れ、タンクへの移送の際の配管の付け替えミス、そして、今日の記事ですか、電源を間違って切ってしまったというような、ある意味ヒューマンエラーに起因するような問題が多発しているように見受けられます。根本的に、これ、現場が疲れ切っている、疲弊しているのではないかと非常に心配な思いがあるんですけれども東京電力として、こうした状況に対してどのような、この状況をどのように認識して、これからどのように対応をしていくのか、その考え方を教えていただければと思います。
  13. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 東京電力廣瀬でございます。  私どもの事故から間もなく二年七か月がたとうとしております。このような長きにわたりまして、本当に、福島皆さんを始め、本当にたくさんの皆さんに多大なる御心配、御迷惑、御不便をお掛けしておりますことを、改めましてこの場をお借りいたしましておわび申し上げたいと思います。本当に申し訳ございません。  また、ここに来て、汚染水の問題は特に皆さんに御心配をお掛けしているところでございますけれども、今御指摘のありましたような、最近いわゆる作業ミスであるとかヒューマンエラーとも称されるようなことが続いておりまして、大変我々としても心配しておりまして、それに対するしっかりとした対策を立てていかなければいけないというふうに考えております。  もちろん現場作業でございますので、まずはとにかく安全にしっかりと工事を管理をしてやっていくということでございます。それに対する体制をしっかり整備すること、また、その要員が足りないというようなことがないようにしっかり要員も補充することということはもちろんでございますけれども、今御指摘のありましたように、現場が疲弊しているのではないかと、こういうことがあっては本当にいけない、最も心配されるところでございますので、職場環境作業環境整備というのも併せて極めて大事なことだなというふうに思っております。  特に、皆さんの中にも一Fを御視察いただいて、マスクを掛け、タイベックスーツを着て御視察いただいた先生方も多いと思いますけれども、あれなかなか、しておりますと、しゃべることも、隣の人との会話も難しゅうございますし、もちろん暑いときは大変息苦しく、なかなか厳しい状態になってしまいますので、今まず一番、その作業環境という意味では、全面マスクをしなくてもいい、もちろん被曝してはいけませんのでその辺はしっかり管理した上でございますけれども全面マスクを採用しなくていいエリアを拡大できないかということをやっております。それからまた、休憩所整備しなければいけませんし、新しいのも造らなければいけないというふうに考えておるところでございます。  また、御存じのように、今、第一原子力発電所ではたくさんの人が働いていただいていますけれども、多くの、ほとんどの方は通っていまして、そこにはいわゆる執務スペースというのはほとんどございませんので、遠くからバスで来て、そこで仕事をして帰るという形になっておりますので、そうした事務所みたいなものも整備いたしまして、できれば割と現場に近くで仕事ができるようにすることはできないかということも、併せて今検討を進めていきたいというふうに思っております。  これらはもちろん、私どもの社員だけでなくて、協力会社方々広く含めた、そこで作業していただいている方々のその作業環境改善ということを一生懸命進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  14. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 ありがとうございます。  冒頭にも述べさせていただいたんですけれども、この度、政府は、国が全面的に前に出るというような決断、それを下した、これは非常に私は大きなことであります。これもっと言うならば、今まで後手後手対応情報開示の遅れ、そのようなことに対して、もう東電には任せることができない、そういうふうに言われたと、これ同じ意味だと思うんです。  今回、この政府考え方に対して、責任がなくなったと、そういうふうに考えるのではなくて、東京電力においてはこれまで以上に責任感を持って問題解決のために全力を傾けていただきたい、このことを強く申し上げて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  15. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 民主党の直嶋でございます。  今日は閉会審査で、今議論ございましたが、汚染水の問題について、私からも大臣始め社長を含めて御質問させていただきたいと思います。  私も、先ほどの御指摘があったとおり、この汚染水の問題は大変急を要する問題であるし、重要な問題だと思っています。また、この解決に当たっては私は与党も野党もないと、このように思っておりまして、私どもとしてもできる限りの御協力はさせていただきたい、このように思っております。  二〇二〇年の東京オリンピックの誘致が決まりました。これも私はすばらしいことだと思っています。しかし、その際に議論になったのはこの福島状況でありまして、まず、このときに安倍総理が御発言された、いわゆるアンダーコントロール、コントロールできているという御発言について、メディアを始め様々な報道もなされております。また、現場の担当の東電幹部は、今日座っておられます増子委員長現地視察の際に、コントロールできていないということを発言されました。  この受け止めについて総理東電幹部の間で矛盾があったということでありますが、まずこの点から、大臣も度々発言されておられますが、改めてこの国会の委員会の席でこの点について御所見を述べていただきたいと思います。
  16. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 経済産業大臣をお務めになった先輩であります直嶋先生から、この問題の解決に与野党はないと、大変心強いお言葉をいただきまして、改めて感謝を申し上げる次第であります。  そして、今回の汚染水の問題について、オリンピックの問題とも関連をして、状況がどうであるかと。私はまず、個々事象発生と全体の状況、すなわちそれがザ・シチュエーションでありますけれど、これを混同してはいけないんだろうと、こんなふうに考えておりまして、我々は、汚染水影響アンダーコントロール、すなわち制御されていると、このように考えております。  確かに、貯水タンクからの汚染水漏えいなどの個々事象、こういったものは発生をしておりますが、周辺海域でのモニタリングの結果、放射性物質影響は、発電所の湾内〇・三平方キロメートル弱でありますが、これに限られております。外洋で、福島県沖も含めて、宮城から千葉沖まで広くモニタリングを行っておりますが、セシウムの濃度、この測定の結果は、検出限界値以下、すなわち検出できないほど低い値、若しくは基準濃度をはるかに下回る値であります。  また、個々事象については、管理体制保管体制を抜本的に強化するとともに、先日、九月の三日に原災本部決定をいたしました汚染水問題に関する基本方針に基づき、予防的かつ重層的な対策を講じることで、国も前面に立って問題の解決に取り組み、汚染水影響が外洋に及ばないようにすることとしております。  以上の状況から、汚染水影響は全体として制御されていると、こういうふうに認識しておりまして、総理の御発言もこの状況を踏まえた上で、ザ・シチュエーション・イズ・アンダーコントロールと、このように発言されたと理解をいたしております。
  17. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 今、汚染水影響はという言い方、御答弁の趣旨は、もちろん基準値に達していないし、そんなにたくさん観測点で検出をされているわけではないというお話なんですが、しかし、先ほどもありましたように、依然として、今月に入ってからでも十月二日にタンクから汚染水漏れがして、どうも外洋に行っていたようだと、こういうことが伝えられています。また、あのALPSも停止をしたりという現象が、事象が出ておりまして、更に申し上げますと、先日、衆議院の閉会審査でも、社長の方から、大体湾内の水は二分の一ぐらい日当たり入れ替わっているんだ、そういう前提で対策を考えていると、こういうお話ございました。つまり、外洋と湾内とは海水は行き来しているわけでありまして、汚染はやはり拡大しているというふうに見られているわけであります。  特に現場でいろいろな問題が出るという対応のまずさも重なっていると思うんですが、国民皆さんやあるいは国際社会においては非常に心配をしているというのが現状だと思います。  今日の大手新聞社の世論調査で、総理のコントロールの発言について、そうは思わないとお答えになった方が七六%いたという報道もなされております。恐らく国民皆さんは、このコントロールという言葉と現状と全く違うじゃないかと、こういう受け止めをされているというふうに思います。  そういう意味で、安倍総理が言われたように本当にコントロールできているのか、ブロックできているのかということでいえば、私は、そうじゃない、確かに数字は出ていないけれども、まさにブロックできない、できていない、コントロールできていない、こういう事象が出ているんじゃないかと、こう思うんですけれども、これらを踏まえて、特に今日のこの国民皆さんの受け止め、世論調査の数字について大臣の御見解をお伺いできればと思います。
  18. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 国民皆さんに対する説明につきましては、政府としても東京電力としても今まで以上に正確に、そして丁寧に行っていかなければいけない、そのように思っております。  そして、先ほど汚染水影響と申し上げましたが、汚染水、これは残念ながら現在存在をしております。そして、汚染源もあるわけであります。そういった中にあって、まずは、山側から毎日敷地周辺に八百トン近くの地下水が流入をし、そして建屋付近にも四百トンの地下水が流入してくる、この流入を抑え、汚染源に近づけない、こういう対策が必要であります。同時に、この汚染源そのものを取り除く。そして、汚染をされているこの汚染水につきまして、ALPS、多核種除去装置等々を使ってできる限り放射性物質を取り除き、その潜在的なリスク、こういったものを低減させていくということも必要でありますし、海側におきまして、水ガラスによります地盤改良であったりとか、海側の遮水壁、こういったことによりまして、海に汚染水が流れ出ない、こういう努力をこれからも重ねていくことが必要だ、こういった総合的な対策を取っていかなければいけないと思っております。  そして、そういった中において、全体の状況につきましては、先ほど御説明を申し上げたとおり、モニタリングの数字等々から見ても状況アンダーコントロールであると考えております。ただ、個々事象が、タンクからの汚染水の漏れであったりとか発生をしておりまして、今まで以上に管理体制保管体制、こういったものは強化していく必要がある、このように考えております。
  19. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 決してこれ嫌みで申し上げるわけじゃないんですが、普通何かを封じ込めるとか、これ一般論ですよ、一般的に言いますと、普通何かを封じ込めるとか、何らかが入らないように、来ないように対策をするという場合、どういう表現をするかというと、水も漏らさぬ体制をつくりましたとか、水も漏らさぬ対策をやりました、やっていますと、こういう説明を普通よくするんですよね。ですから、現実は、水も流れているし、漏れているじゃないかと。ですから、このコントロールとかブロックとかいう表現で、まあこれは英語ですから日本語とはニュアンス違うのかもしれませんが、こういう表現と現実に起きていることとの間に物すごく大きな違和感があると、このように思うんですよね。そういう問題意識も踏まえて、ちょっと先に進ませていただきたいと思うんです。  それで、まず田中原子力規制委員長にお伺いしたいんですが、原子力規制委員会で、福島第一原発の事故による海底汚染の実態の詳細を把握するために約一千平方キロの範囲で六十万地点の海底の汚染調査を実施するということをお伺いをいたしております。この調査の狙いといいますか意図というのはどういうところにあるんでしょうか。これだけ念入りな調査をされるということでありますから、大きな問題意識があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。お伺いをいたします。
  20. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) ただいま御指摘の海洋の調査は、主として海底土の調査でございます。つまり、事故時に相当量のセシウム等の放射性物質が海の方に出ました。それが時間とともに沈殿しております。それについて国際的にもいろいろ懸念がございますので、かなり範囲を広げまして、例えば発電所から南北方向に二十五キロずつ、遠方に二十キロというような広範囲なところ、それから阿武隈川の河口付近五キロメートルぐらいのところを丹念に調べて、その沈殿の状況を調べようということでございます。  このほかにも、海水のモニタリング等を水産庁とか福島県とか東京電力が行っております。これにつきましては私どもも全て評価して、今のところ海水とか、幸いなことに海洋生物、特にお魚なんかについては、底魚と言われるカレイとかを除きますとほとんど出ていませんし、カレイ等も最近はほとんどいわゆる摂取基準を超えるようなものがなくなっているということが実態でございます。
  21. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 海底の調査をすると。今お話しの中で重要な御指摘があったんですが、現時点では水産物等には異常値はないと、こういうことを今お話あったと思うんですが、こういう理解でよろしゅうございますか。
  22. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 事故当初、二年半前には相当量の魚にも出たんですが、最近は減りまして、ほとんど最近、最新のデータですと、いわゆる底魚のカレイとかに一、二%の割合で一キログラム当たり百ベクレルを超えるものが見付かることもありますけれども、それ以外では検出されておりません。
  23. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ありがとうございます。今、実は韓国との間でこの水産物についていろいろ議論をされているところでございますので、ちょっと確認をさせていただきました。  それで、今お話しになったこのモニタリング、海洋モニタリングなんですが、先日、IAEAの天野事務局長のインタビュー記事を拝見しましたが、その中で、モニタリングの地点の取り方とか深さなどいろんなやり方があるんだと、やり方がばらばらではデータの比較もできない、これは主に海洋調査だと思うんですが、したがって国際的な標準に従ってやる必要があると、こういうことをおっしゃっておられました。  私は日本のやり方も国際標準に、ここで天野さんのおっしゃる国際標準に合致しているんではないかと思ってきたんですが、そうなのかどうか。もしそうだとしたら、なぜこういうことをおっしゃるのか。その点を委員長の見解をお伺いしたいと思います。
  24. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 天野事務局長とは、先月、私がウィーンのIAEA総会に行った折にお話を伺いました。それで、この件に関して御相談させていただきました。  我が国が行っている調査方法決定的にどこが悪いということではないけれども、国際的にこういった不安を払拭するためには、やはりIAEAが中心になって、例えば韓国とか関係各国が参加する形できちっとしたモニタリングをやった方がよろしいんではないかという御提案がありました。これにつきましては、事務局長がおっしゃることはもっともでございますので、今、外務省を通しまして、私どもが窓口になりまして一緒に調査を進める方向で今準備をしているところでございます。
  25. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 さっき申し上げたように、国際標準に我が国のやり方は合っているということは、沿っているという理解でよろしいですか。
  26. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 国際標準、私もその専門家ではありませんけれども、特に国際標準と違うということではなくて、やはり国際的に専門家が集まってこういう方法でやった方がいいということを提案していただいて、その方法に乗っかってやる方がいいという意味での国際標準かと思います。
  27. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ということは、測定方法もこれからIAEAと相談、議論した上で変えるということもあり得るということでしょうかね。
  28. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 測定方法を変えるかどうかということですが、測定方法については恐らく、私のこれは専門分野ですから分かりますけれども、ほとんど変える必要はないと思いますが、サンプリングの仕方ですね、海水なら海水何メートルぐらいから取ればいいのか、これは多分そのところの海水の流れとかいろんなことを配慮してそういうことを決めることになるんだと思います。
  29. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 地点の取り方ということですね。  それから、先ほどお触れになった、IAEAと一緒にやるといいますか、そういうことを今検討しているというふうにお話がありました。私も天野さんのインタビューを見ていて、やはり先ほど御質問した測定方法ということだけではなくて、やはりみんなでやるといいますか、俺たちも入れろと、こういう話だというふうに受け止めたんです。  ですから、例えばこれは、IAEAの研究者に限らず、外国の研究者も加わっていただくというようなことは是非お考えいただきたいというふうに、あるいは実現していただきたいというふうに思っていますが、改めてこの点、お答えをお願いいたします。
  30. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 御指摘のように、IAEAが窓口になりまして、できるだけ幅広く、特に今回影響があるというふうに懸念されている韓国とか東南アジア各国等についてもできるだけ参加していただくような方向で検討を進めたいと思います。
  31. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 よろしくお願い申し上げたいと思います。  それから次に、東電廣瀬社長にお伺いしたいんですが、金曜日でしたかね、原子力規制庁から社長に特に現場管理について厳重注意という話がございました。私もここのところ見ていて、やはり非常に初歩的なといいますか、失礼なんですけど、こういうミスが多いということで、やはり現場の在り方に問題があるんじゃないかというふうに思っております。  もう一つ、今日御質問したいのはその部分ではなくて、少し遡りますと、地下貯水槽から汚染水漏れがありました。また、いわゆるフランジ型タンクというんですかね、汚染水タンクからも水漏れがありましたが、これは主に報道なんですが、いろんな話を聞いていますと、こういうミスは特に技術屋さんから見ると信じられないぐらい初歩的なところに問題があるんじゃないかと。例えば、あの貯水槽のゴム、底に敷いている、ビニール製ですかね、こういうものも、設計上、こんなことになるのは、簡単に漏れるのはもう当然だというようなことも言われております。  私は、ちょっと腑に落ちないのは、なぜ東京電力のようなちゃんとした会社がこういうものを設計されて設置をされたのか、この点について是非御所見をお伺いしたいと思います。  また、ずっと見ていますと、やはりある程度こういうこともひょっとしたら事前に想定できたんじゃないかと。フランジ型タンクにしても二年もたてば漏れるのは当然だというふうにおっしゃっている方もいらっしゃいます、あの設計ではですね。ですから、想定されていたんじゃないのかと。先日、社長もおっしゃっておられたように、とにかく応急的に次から次に問題出るので手を打ったと、こういうことなんだけど、そのままちょっと放置し過ぎたんじゃないかなと、こういうふうにも思わぬこともないんですが、これは、もしそうだとすると、やはり対策を行う上で非常に姿勢としておかしいと、問題があるというふうに申し上げざるを得ないんですけれども、この点についていかがでしょう。
  32. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 地下貯水槽からの水漏れが発見されたのは三月の末、四月の初めでございます。その前にネズミによる停電もございましたし、本当にそのころからこうした、後から聞いてそんなことなのかというような事象が続いているのは御指摘のとおりでございます。もちろん一つ一つに、言い訳になりますけれども、それぞれのそこに至るまでの経緯はありますし、その経緯を聞くと、まあ我々は会社の中の人間ですからなおさらそう思うのかもしれませんけれども、そういうこともあるのかなというのはあるんですけれども、ただ、とにかく事象自身は、全くお恥ずかしい事象が頻発しているのは全く事実でございます。総合的に見ましてやはり現場の工事の管理が、総論ですけれども個々にはそれぞれの理由はございますけれども現場の工事の管理が甘いというのは間違いなく言えると思っております。  もちろん、その原因としては一つ一つのことが、例えば地下貯水槽であれば、本来であればALPS後の水を入れるつもりで造っておりましたが、そうでなくなってきているというのがあって、そのときに、何でそんなことをしたんだというのはもちろんありますけれども、現実としてより汚染の高いものを入れてしまっていると。だったら、もっとそこで何で、何というんでしょうか、モニタリングをしっかりしなかったのかとか、あるいはそこで何らかの体制を、対策を取った上でその本来入れるつもりでなかったものを入れるようにしなかったのかとか、いろいろあるんですけれども、ただ、とにかく追っかけ追っかけでそうした対応が間に合っていなくて、まずはとにかく、とにかく取りあえずそれをやろうということでやってしまって、またそれが、まあ今になってみれば本当にやっぱりそうしたことの詰めの甘さの原因で次なる事象が出てきてしまって、またその次なる事象に忙殺されてしまうというようなことが現状続いているというのが、全体としてそういう事象が本当に見受けられておりまして、本当に申し訳ないことだと思っております。  私どもとしましては、とにかく現場方々も、先ほど岩井先生の御質問にありましたように、疲弊してきてしまってはいけないことですので、必要な人間を入れるとともに、例えば工事管理というようなことであれば、原子力以外のところでも、私どもあちこちで、火力発電所ももちろんそうですが、いろいろなところで似たような工事管理現場でやっておりますので、そういう人間を、とにかく会社のリソースをそこに集中して、幾つかのチームをつくって、三月のときも私が本部長になってそうした、ネズミの停電であるとかそうしたものに対する全部のリスクを洗いざらい拾い上げようという本部を立ち上げてやってまいりましたが、またこの度、今度は汚染水の問題ということで、汚染水タンク対策本部というのをまたこれも私が本部長になって、私が全部本部長になればいいというものではもちろんないんですけれども、全社のリソースをそこに集中できるようにして今とにかくしっかりとした体制を取っていこうということを、先ほどの労働環境の問題も併せてしっかりやっていきたいというふうに思っております。  本当にいろいろ申し訳ございませんでした。
  33. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 今申し上げた貯水槽とか、それからタンクもそうなんですが、これは設置する前の段階で社長御存じだったんですか。要するに、こういう問題について、今、管理体制含めて対策本部というお話がございましたけど、元々これトップマネジメントはどういうかかわり方をされておられたんですか。
  34. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 全体としての、タンクをこういうふうに設置していくとか、それからこういう対策でやっていくというのは、もちろん現状を私、管理をしっかりやらせていただいているつもりでございますけれども、地下貯水槽であるとかあるいはフランジ型のタンクであるとかというのは、ある意味、かなり時間のない中で選ばざるを得ないという場面も当然出てきておりますので、どこに何をというところまでは、正直、特にフランジ型のタンクについて言えば、事故直後に設置したものがほとんどでございますので、今漏れているという意味でいえばですが、ですので、そのときは恐らく一つ一つをトップまでがということは難しかったんではないかなというふうに思っております。
  35. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 先ほどの社長お話を聞いていて、まさに悪循環といいますか、悪い方向へ回っているというふうに思いましたが。さっきのお話の中にあった、本来ALPSで浄化して入れるつもりだったところへそのまま汚染水、直接入れた、これはやはり大問題じゃないんですかね、どういう御判断があったのか分かりませんが。
  36. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) まさにタンクが、ほかに入れるところがないと。御存じのように、ALPSの稼働の時期が半年以上遅れたということがあって、当初の予定に合わせて造っておりましたので、その分きれいにする処理が遅れたということで、すなわち、水自身の量は変わりませんけれども、きれいになった水になるべきところを、きれいになる前の水が残ってしまって、そちらの入れ物に窮したということだというふうに思っておりますが。  本当に、それはそれで致し方なかったのかもしれませんけれども、であれば、先ほど申し上げましたように、そのための対策を余計にしておかなければいけなかったんだろうなというふうに考えているところでございます。
  37. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 実は私は、その地下貯水槽がちょうど設置が終わるころに第一原発見せていただきまして、実は内心期待していたんです。そういう意味で非常に残念な思いがしているんですが。  それで、続きまして、今のお話受けてということかもしれませんが、先日、九月十九日ですか、安倍総理福島第一原発へ行かれました。そのときに三つの御指摘が、総理から要請があって、そのうちの二番目の要請になると思うんですが、しっかり期限を決めて汚染水を浄化してもらいたいと、こういう要請があって、社長の方から二〇一四年度中に浄化をさせると、こういうお話がございました。しかし、率直に言って、私、これ大丈夫かなと。  いろいろ調べてみますと、ALPS、これはALPSを稼働させてきちっと処理をしていくというのが主たる対策なんですが、ALPSだけでもこれ過去八回トラブルが起きて停止をしています。それから、この対策の中に多分国の支援で造る高性能ALPSが入っていると思うんですが、これはさっきお話ありましたが、実は今公募中ですよね。公募中だと思うんです。  これで二〇一四年に本当に間に合うのかなと。素人なりに、そんなにうまいこといくのかなというふうに、率直に申し上げて受け止めています。これ、全てうまくいったらそれでいいんですが、やはり、先ほど来あるように、重層的なとか、先ほど来やり取りありましたよね。やはりこの問題についてもそういう発想が必要じゃないかと。やはり汚染水の処理が一番、汚染された水の処理が一番肝心要のところだと思うんです。  そういう意味でいいますと、私、そういう心配しておるんですけれども、これ、社長、本当に大丈夫でしょうか。
  38. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 御指摘のように、九月の十九日に安倍総理に、一四年度中、来年度中に今たまっている処理すべきものをきれいにしますというふうに申し上げました。  現状、確かに、今あるALPS三系統、合計で七百五十トンずつ一日処理できますけれども、トラブルが続いておりまして、今やっと一つが試験で運転している。あとの二つも十月、十一月にと、これもまた予定ですので、いろいろな初期のトラブルが全くないとは言えませんけれども、そういうことで、まずはその七百五十トンの体制を早くつくっていきたいと思っております。  加えて、御指摘のように、公募中の高性能ALPSというのをもちろん期待しております。また、ただ、それですと、まだ公募の段階でもございますので、我々の、東京電力としてもう一つ今の同じ三つの系統のものを造ろうと思っております。これは、今いろいろトラブルが起こっているのに同じものを造ってどうするんだという御指摘はあろうかと思いますが、もちろんそれをしっかり踏まえた上でのことですけれども、新しいものを造るよりも同じ基本設計のものを造る方が早いと、圧倒的に早いということでございますので、それを備えようということで、その七百五十トンと同じものをまた七百五十トン、これも急いで造ろうと思っております。  もちろん、こうした数で、一日四百トン入ってくるのも含めて、現状たまっている三十万トン近くのものを計算上、来年の、あと一年半ですね、ちょうど、この間にできるというもちろん見通しは立てておりますけれども、加えて、地下水バイパスであるとかあるいはサブドレーンからの対策であるとかといったもので一日入ってくる四百トンを少なくするということも併せて、重層的にといいますか、もう一つの側面からの対策ということをやっておりまして、これによって、ここが抑えられれば、今たまっているやつをメーンにどんどんどんどん減らしていけるということでございます。  いずれ簡単な目標でないということは御指摘のとおりだと思っておりますので、そうした厳しい目標であるということを踏まえてしっかりやっていきたいというふうに思っておるところでございます。
  39. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 社長がそうおっしゃるんですから、これ以上私が反論する材料はないんですけれども。  例えば、地下水バイパスも、これまた後ほど聞きたいと思います、まだ、設備はできているんですが、動いていませんよね。様々な問題がやはりあると思うんです。これは、今お話あったように、予定どおり除染したとして、やはりトリチウムは無理ですよね、これでは、トリチウムは。それはそういう理解でよろしいんですか。
  40. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) はい。ALPSで処理できるのは六十二核種でございまして、六十三個目のトリチウムは取れないということでございます。
  41. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 それで、大臣にお伺いしたいんですが、今トリチウムの除染についても公募されています。公募されているということですが、正直言ってトリチウムの処理は物すごく難度が高い。以前、我が国にも小型の小さなものがあったんですけれども、非常に小さい、能力の割にコストが高いといいますか、それからなかなか除染が難しいと、こういう報告を受けております。  これ、時間とコストの両面で、技術者の方も、これは非現実的なんじゃないかと、こういう御指摘もあるんですけれども、このトリチウムについてどのように今考えておられるでしょうか。
  42. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まず、東電が進めておりますALPS、これは個別の装置の名前でありまして、我々が造りますのはより高性能な多核種除去装置と、こういった形になってきますが、それにしましても、六十二核種までは取り出せるけれど、最終的には六十三核種目、トリチウムの方は取り出せないと。ただ、それによりましても、ほかの放射性物質、人体に対する影響が大きいもの等々は取り除くことができるわけでありまして、潜在的なリスクは大きく低減をできると考えておりますし、こういった、東電においても、そしてまた国においても、この除去設備につきましてはできるだけ前倒しで設置をしていきたいと考えております。  その上で、トリチウム、これが残ってしまうわけでありますが、これは主に水として存在するわけでありまして、人体にも魚介類にもほとんどとどまらず排出されるもので、逆に普通の水素と分離することが御指摘のように容易ではない、極めて困難でありまして、このトリチウムの分離技術について、現時点でトリチウム水を大量に処理できる技術は見付かっていないわけであります。  現在、IRIDにおきまして技術的提案を求めているところでありまして、この中でトリチウムの分離技術やトリチウムの長期安定的貯蔵方法等についても幅広く技術提案を募集しております。分離できればいいわけでありますけれども、できなかった場合にはどういった形で安定的に貯蔵するかと、こういったことも考えていかなければいけないと思っております。  同時に、先ほどの廣瀬社長の答弁にもありましたように、汚染水、これがあって、これを処理していくという問題もありますけれども、これ以上できるだけ汚染水そのものを増やさないようにしていくと。山側から、阿武隈山系から毎日八百トン入ってくる、建屋内にも四百トン入ってくるものを減らせるということになれば汚染水発生そのものが抑制をされるわけでありまして、そういった多面的な対策を取っていくことが極めて重要だと考えております。
  43. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 今大臣がお触れになった水を増やさないための対策、また後ほどお伺いしたいと思うんですが。それで、要は貯蔵も含めて公募ということで、私もちょっとIRIDのホームページから公募の内容は見させていただきました。  それで、ただ、ちょっとこの中に入る前に田中委員長にお伺いしたいんですけれども、田中原子力規制委員長は、これは報道ベースなんですが、放射性物質を基準値以下にした後に海に放出することは避けられないと、こういうことをお話しになったというふうに報道はされております。それから、原子力学会の、これも田中さんとおっしゃるんですが、調査委員会委員長さんが、その報告書の中で、トリチウムを含む水については海に含まれる濃度まで薄めて放出するよう提案されていると。漏えいのおそれのあるタンクで保管するよりも海に放出する方が環境汚染のリスクが小さい、こういうふうに主張されているというふうに伝え聞いています。  このトリチウムの海への放出も含めて、田中規制委員長の御所見をお伺いしたいんですが。
  44. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) お答えします。  原子力規制委員会としましては、今現在、各放射性物質によって排出基準というのが決まっておりますので、これを上回るようなものは放出させないということでございます。もちろん、こういったものは環境に放出をできるだけ少なくするということは極めて大事なことですので、そういう方法をできるだけ行った上で、やむを得ない場合には排出基準を下回ることを確認した上で放出するということを認めていかざるを得ないというふうに思っています。トリチウムについても同様の考えかと思います。
  45. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 これはもう委員長がはっきり今そうおっしゃったんですから、海洋に、もちろん規制値以下にしてということですが、放出するのはもうやむを得ないと、それは認めていくと、こういうお話ですよね。  それで、東電の方からちょうだいした資料の最後から二ページ目に、要するに、レイク・バレットさんとおっしゃるNRCの、元原子力規制委員会の方を招聘して、今顧問になっていると、こういう御紹介が以前衆議院の方でございました。それで、この方もやはり、いわゆるスリーマイルと福島を比較をすると、福島は圧倒的に水の量が多くてスリーマイルのように乾燥させるのは難しいだろうと、だからいずれ海に流さざるを得ないというようなことを、これはもう報道ですけどおっしゃっているんですけど、やはりあれですかね、社長福島の場合はやはりこの水の問題というのが非常にそういう意味では厄介だし、最終的にはいろんなことを考えなきゃいけないと、こういうふうに見通しておられるという理解でよろしいでしょうか。
  46. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) レイク・バレット氏がどこでどういう発言をされたかというのはちょっとつまびらかには存じ上げませんけれども、私どもはこれまでどおり、とにかく汚染水の問題については、トリチウムを含めてですが、もちろん、しっかりとした対応をしていくということで、ゆめゆめ、関係者の御了解をしっかり持っていかなければいけませんし、安易な放出というようなことは考えておりません。
  47. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 それで、大臣にもお伺いしたいんですが、先ほどお話があったように技術的な公募もされておられますが、同時に貯蔵技術についても公募されておられます。しかし、先ほどの田中委員長とのやり取りでもお分かりいただけると思うんですが、なかなかこれは判断難しいんですけど、もう万やむを得ない場合はやはり選択肢として海洋へという、もちろん薄めて基準値以下にしてということでありますが、ということもあり得るというふうにお考えでしょうか。
  48. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 確かに、これまで国内外におきまして、希釈した、薄めたトリチウムを海に放出している例はあるわけであります。そして、専門家意見として、基準値以下のトリチウム水を海に放出することについて、問題は余りない、また避けられないと、こういった意見もあります。  今後、我々としては、内外の英知を結集して汚染水対策検討する中でトリチウム水の適当な扱いについて検討してまいりたいと思っております。
  49. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 現状ではそういうことかなと思いますが、大臣の御答弁としては。  それで、次に地下水バイパスの方についてお伺いしたいんですが、先ほどの廣瀬社長お話にもありましたが、二〇一四年度中に浄化ということになるとこの地下水バイパスをやはり使用しなければならないということになると思うんですが、実はまだ使えないと、使ってないと。使えないじゃなくて、使ってないということだと思います。  これはもちろん地元の漁協の皆さんとの合意ということがまだできてないということなんですが、一つ確認させていただきたいのは、これは八月でしたかね、汚染水タンクから水が三百トン漏れたことによって、その近辺にある一本の井戸から、非常にその井戸の水が高濃度の汚染が確認されました。それで、それから先の話を余り最近伺ってないものですからお伺いしたいんですけれども、この際には、ひょっとすると地中にしみ込んで地下水まで達しているかもしれないと、こういうお話もありましたが、これは今どんなふうになっているか、御承知でしたらお答えいただきたいと思うんですが。
  50. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) お答え申し上げます。  お手元の私どもがお配りした横開きのものの十一ページを御覧いただきたいと思います。  真ん中辺にA系統、B系統、C系統と書いてある絵の、写真のところでございますね。ここに十二本の井戸が掘ってありまして……
  51. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 社長、済みません、時間の関係があるので御質問に簡潔にお答えください。
  52. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) はい。  この一番右っ側のC系統と書いてある十二番目の穴が一番漏れたタンク。漏れたタンクは、その下の脚注にある揚水井戸と書いてあるとこら辺のタンクが漏れたわけですが、こことの間に追加的に九本の観測のための穴を掘ってずっとサンプリングをしております。今のところ幸いそこにこのタンク汚染水漏れたことによる影響というのは認められておりませんので、引き続きこれはしっかり監視していきたいと思います。  もちろん、御存じのように、地下貯水槽から、地下水バイパスというのは、くみ上げた水をそのままどんどんどんどん海に流すものでなくて、一回ためてそれをちゃんと測定をして、十分基準値以下であるということを確認の上、それぞれバッチごとにやっていくということでございますので、もちろん最終的にもそうしたオペレーションをやっていくということだと思っております。
  53. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ということは、今は汚染は確認されていないんで、社長おっしゃったように、そのまま流すわけじゃなくてもちろん確認をして流すということですが、何か地下水バイパスと聞くとそのまま流れるんかなと思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんので、そこはやはりきちっと説明は要ると思うんですが、漁協との話が付けば使えると、こういう理解でよろしいですか。
  54. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 実はその地下水バイパスについてはもう本当に四月、五月ぐらいのころからいろいろとお話合いをさせていただいておりますが、そのたびに私どもの逆にそうしたいろいろな御心配を更にお掛けするような事象が続いておりまして、なかなか御理解いただけていない状態でございますけれども、今はもう国と一緒になって漁業協同組合の方々に御説明させていただいて、定期的にやらせていただいておりますので、是非とも御理解をいただいて、その上でやっていきたいというふうに思っております。
  55. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 次に、経産大臣にお伺いしたいんですが、いわゆる陸側の遮水壁の話です。これは凍土方式でということなんですが、実はこのIRIDの公募資料を見ますと、陸側の遮水壁について、いわゆる粘土壁とか、ちょっと専門用語が多くて私もよく分からないんです、スラリー壁、これは粘土だと思うんですが、グラウトカーテン等、こういう技術を今公募されています。  これを公募しているということは、凍土壁が、もちろん凍土壁で囲い込むわけですが、この内容を見ると山側に設置をすると、こういう募集の提案になっています。ということは、凍土壁と並行してこうした粘土壁であるとかその他のものも造ろうと、囲い込むかどうかは別にして山側に造ろうと、こういうふうに今お考えだというように受け止めてよろしいでしょうか。
  56. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まず、この山側からの地下水の流入をどう止めるかと。これは一つはやっぱり遮水壁を造る必要があるだろうと。同時に、敷地内でドレーンを行うことによりまして地下水、汚染されていないものをくみ出す、こういうことが必要だということで、五月三十日に凍土方式の陸側遮水壁設置と結論を出すまでに、建屋への地下水流入量を抑制する観点から最善の方法は何かということで、関係者からの提案もいただきながら検討専門家の間で進めてきたところであります。  大きく言うと四つぐらいの方法検討されまして、そこの中で最終的にこの凍土方式による遮水壁を造ると、このことにつきましては遮水効果、工期、費用、他工事への影響など、手法ごとに評価して決定をしたと。凍土方式の場合は遮水効果が極めて高いと、一つには。そして二つ目には、粘土方式等と比較して工期が短いと。そして三つ目には、施工エリアを最も小さくすることが可能であると。例えば鋼矢板であったりとか粘土壁を造るとなると、配管であったりとかそういうのを避けながら造らなくちゃなりませんから、相当遠いところから回していかなくちゃならない。こういったことを考えると、凍土方式の方が施工エリア、こういったものを狭くすることができると。  こういう、地下水流入量を最小限にする、そして汚染範囲を最小限に食い止める、こういうメリットがあることから凍土方式、これを採用させていただいたというところでありますが、今こういったアクションプランの中で進めております凍土方式、フィージビリティースタディーも行っておりますが、じゃ、これが本当に十分な効果を発揮するかと、こういう観点から重層的な対策を取っていくという上で、もし必要な対策があるんだったらばほかの対策もやりましょうと。今、公募等々も行う中で、今後二か月以内にその必要性も含めて重層的な対策検討しているところであります。
  57. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ということは、凍土壁だけではなくて、今大臣がおっしゃるように重層的な対策をやるということで、その他の方式も検討して、あるいは併用するということも検討しておるということでしょうかね。
  58. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) そういったものを排除するものではありません。現段階で、併用する、若しくは代替するということを決めたわけではありません。凍土方式中心にその準備に入っておりますが、重層的な、併用するような対策が必要であるかどうか、こういったことも考えていかなけりゃいけないと思っています。  例えば、鋼矢板、これを設置するということになりますと、工事そのものは比較的簡単になるわけでありますけど、打ち抜かなくちゃならないわけでありますから、当然、配管等のリスク、こういったことも考えていかなけりゃいけない。そして、鋼矢板の場合、どちらかといいますと、水を完全に止めることよりも、これまで土の流入を止めると、こういったことを基本に考えられてきた工法でありますから、ここが遮水という意味では完全には止まりませんけれども、どこまでの遮水効果があると、こういったことも考えていかなくちゃいけないんだろうと思っております。
  59. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ありがとうございました。  それで次に、こういう議論になっていきますと、今、凍土壁は国が今年度の予備費を使って設置をするということになっているわけですが、国費をどうするのか。これは東電さんとの分担といいますか、こういうことにもなるんですけれども政府汚染水問題に関する基本方針ですね、この文章を見ますとこう書いてあるわけですよね。技術的に難易度が高く、国が前面に立って取り組む必要があるものについて、財政措置を進めると、こういう記述になっています。それで、大臣は、衆議院の経産委員会閉会審査で、技術難易度が高く、そして、やらなければ抜本対策のボトルネックになるものに国費を使うんだと、こういう趣旨の答弁をされています。  ちょっと役人的な質問で恐縮なんですけど、この技術的に難易度が高く、ちょん、カンマなんです、点があって、次の、国が前面に立って取り組む、こういう表現ぶりになっています。大臣の答弁もカンマの後にそしてと、議事録上そうなっているんですが、このカンマのところはアンドなんでしょうかオアなのでしょうかというのが質問です。もしこれオアだとすれば、国費を投入する範囲が従来言われていた範囲に比べると相当広くなる可能性があるんですけれども。やや官僚的質問で恐縮なんですけど、どういうふうに理解すればよろしいでしょうか。
  60. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 一言で言えばアンドであります。  我々として決めましたことは、技術的に難易度が高いものについて国として前面に立つということでありますけど、技術的に難易度が高くても、やらなくていいことまでやる必要はないわけですね。ただ研究開発のためにやるわけじゃないわけですから、それは技術的に難易度が高くてこの汚染水問題の解決のために必要なこと、これは言わずもがなのことでありまして、そのボトルネックになっているというのをわざわざ丁寧に説明をしただけと。御理解をいただければと思っております。
  61. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 実は、このIRIDの公募ですね、この公募は、さっき例えば御質問させていただいたいわゆる粘土壁、これは技術的に言うと新しいものでもないし、従来からやられている方法です。そういうものも入っていますし、例えばタンク、溶接タンク設置についてもこの公募の中に入っています。  ちょっと誤解するんですが、この公募にされているものというのは広く国が後押しをして募っているんじゃないかと。だから、ひょっとしたらいろんなものを国が出すことを考えておられるんじゃないかというふうに誤解をしてしまった。さっきの大臣の御答弁を聞いて安堵したわけですけれども、アンドだとおっしゃったのでそういう思いをしたんですが、本当にそういうことで間違いございませんね。
  62. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 現在、技術的に難易度が高く、国が前面に立って取り組む必要がある事業として具体的に決まっておりますのは、凍土方式による陸側遮水壁の構築、それから、より高性能な多核種除去装置の実現、この二点であります。そして、重層的な対策を取っていく、そこで出てくる対策の中で、同様に技術的に難易度が高い、そういうふうに判断されるものがありましたら国が前面に立ってやってまいりたい、このように考えております。
  63. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 これ、あれですかね、今後国が、今おっしゃったように、今凍土壁だけ決まっている、ほかは高品質ALPSが決まっているわけですが、いろんなものにこれから、技術難易度が高くて、かつ必要なもの、国がやらなきゃいけないことは国がやっていくということなんですが、これは何か基本的な、スタンダードというんですかね、こういうものは国が出しますよと、ほかですね、あるいは場合によっては、これから廃炉に向けていろんなものが、今は水の問題ですけれども、これから廃炉に向けて考えるといろんなものが出てくる可能性があります。  そういう意味でいうと、もう少しちゃんとしたといいますか、そういうスタンダードであるとか、あるいは場合によっては法律も必要になるかもしれないなというふうに思っていますが、現時点ということじゃなくて、これからかもしれませんが、そういうふうに思っているんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
  64. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まさに政策的な判断として、技術的に難易度が高いものについては国が前面に立つということを決めさせていただきました。その技術的に難易度の高さということで、どこに基準を置くかということについては様々な意見もあると思います。そういった意見もしっかりと伺ってまいりたいと思っておりますが、少なくとも、現状、電気事業法、それから関連する特措法におきまして何らか国がやることが制約をされるという部分はないと思いますので、その意味において、そういった法律上の制約を排除するための新たな法律の必要性というものはないと思っております。
  65. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 分かりました。  それでは、続きまして、廣瀬社長にお伺いしたいんですけれど、先ほどお聞きした安倍総理との話合いの中で、十年掛けて、いわゆる廃炉費用として十年掛けて毎年一千億ずつ一兆円用意をすると、これは経費や設備投資を切り詰めてやるんだと、こういうお話でした。  これ、一点だけ確認したいんですが、そういう趣旨でいいますと、電気料金には関係なくお金の手当てをされると、コストになるといわゆる電気料金に跳ね返ってくるわけですが、それとは関係ないと、こういう理解でよろしゅうございますか。
  66. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 御承知のように、使うべきものを合理化であるとかコストダウンであるとかといったようなことから現場の人間がちゅうちょしてしまうというようなことのないように、まずはとにかくしっかり枠を確保して、必要なものを必要なだけ使っていけるようにと、そういう環境整備という意味で一兆円の枠をつくっていこうということでございますので、まだどういう品物、どういうものに、どういう工事に幾ら掛けるということでの積み上げでございませんので、会計科目も、工事なのか費用なのかすらも全く決まっておりません。  そういう意味では、いわゆる原価になるのかならないのかすらも分かりませんが、基本的に我々として、こうした福島対策によって電気料金が上がるというようなことのないように、しっかりとコストダウンするなり設備投資を切り詰める、もちろん安定供給をしっかりしながらでございますけれども、そうしたことを努めていきたいというふうに思っております。
  67. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 しっかり承りました。よろしくお願い申し上げたいと思います。  それで、続きまして、次に、十月一日でしたか、経産省が省令を改正をされまして、廃炉の会計処理を変えたと、こういう報道がありました。内容を若干お聞きしましたが、この制度では、従来は廃炉を決めたらもうその時点で一括的に廃炉費用を、あるいは引当金も積み上げなきゃいけないということだったんですが、それを十年間繰り延べて減価償却も認めると、こういうことになるわけですが。  それで、まず廣瀬社長にお伺いしたいんですが、この処理、実に見方によってはタイミングがいい処理なんですね。東電さんが五号炉、六号炉の廃炉を年内に結論を出すということなんですが、総理が行かれて要請をされて、その半月後ぐらいにこの処理ルールを省令改正したと、こういうことで、実にそういうタイミングなんですが、御質問したいのは、このことによって東電さんの方のいわゆる原価にこれは影響が当然出てくるということになると思うんですが、この点はいかがでしょうか。
  68. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 御承知のように、九月の十九日に総理が来られて、そしてその場での御要請に対して年内に判断をするということでお答えいたしました。したがいまして、これから財務的にどういう影響が出るのかというのも当然検討の中に、考慮に入れて判断していかなければいけないというふうに思っているところでございます。
  69. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 当然、この処理ルールは十月一日に変わっていますから、適用できるかできないかということになってくると思うので、まあ適用できるんじゃないかと思うんですが、そういう面では、結果的に、これを適用するとその分が総括原価に上乗せされてくるんじゃないかというふうに思うんですが、それはそういう理解でよろしいですか。
  70. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) もちろん、電気料金値上げをしませんと、原価上の扱いについては全く関係ございませんので、そうした行為が、その理由か別の理由かは別としてですけれども、そうしたことのない限りは今の電気料金には全く影響がないというふうに考えております。
  71. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 それで、大臣にお伺いしたいんですけど、実はこういうことをちゃんとやったらどうだというのは、電事法の審議の中で、これから発送電が分離されると発電会社の経営規模が小さくなる、そういうことも考えると、やはり今までのように廃炉は、これは事故とは関係なく、いわゆる廃炉にする場合にこの処理方法、一括で全部計上するというのは負担が大き過ぎるし、理屈からいってもおかしいので見直したらどうですかという御提案は実は民主党の議員からもさせていただいたというふうに思っています。これは衆議院の議論の中でそういう提案をさせていただいたんですが。ただ、これを福島の五号炉、六号炉とか、あるいは電気料金の値上げにつなげるような意図で質問したわけじゃなくて、あくまで将来の電気事業法の運用の中で考えるべきだと、こういうふうに申し上げたんです。  それで、お伺いしたいのは、当然こういうことも必要になってくるのかもしれませんが、もっと大事なことがあるんじゃないでしょうかと。それは、一般廃炉ももちろん大事なんですが、実は、事故を起こした場合に、まあ我々も、今回の福島の事故は突然の震災の後起きたものですから、これをどうするかというのは非常にけんけんごうごうの議論をしたんですが、例えばこういう災害の場合にやはり原賠法、今の原賠法も含めて根本的にやはりこの対処のやり方を考え直さなきゃいけないなというのは、もうこれ当時も与野党問わずそういう議論があったというふうに思っています。  したがって、この会計ルールの変更を別に私は否定するわけじゃありませんが、むしろこのことよりも今申し上げたことをきちっと政府の中でやっていただくということの方がもっと大きな問題だし優先すべきことではないんでしょうかということを申し上げたいんですけれども、この点いかがでしょう。
  72. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 電気事業を取り巻きます環境、ここに来て大きく変わっていると思います。七月には新安全基準、新規制基準、これが導入をされました。そして我々も、電気事業法の改正、三段階の、三つのステップを踏んでこれまでの電力システムを大きく変えていく、競争環境、これも大きく変えていく。そういった中で、この七月の新規制基準の導入に先立ちまして、既に六月の時点で、現行の料金・会計制度が円滑かつ安全な廃炉を行う上で適切なものとなっているか、会計の専門家等から構成されます廃炉に係る会計制度検証のワーキングチーム、ここで御審議をいただきまして、その結果、原子力において発電と廃炉は一体の事業であるという考え方に立ちまして料金・会計ルールを見直すことが適当と整理をされたわけでありまして、それに沿って十月の一日に関係省令の方、変えさせていただいたということになるわけでありまして、ただ、廣瀬社長からの答弁にもありましたように、この改正がすぐに直接料金の値上げにつながるものではないと、このように考えております。  同時に、今後、原賠法等をどうしていくかと。大きく事業環境が変わる中で、まずはエネルギー政策全体における原子力の位置付けをどうするのか、さらには新安全基準への適合の状況等々を総合的に勘案しながら検討してまいりたいと考えているところであります。
  73. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 是非よろしくお願い申し上げたいと思います。  それから次に、原子力規制委員長、田中委員長にお伺いしたいんですが、先日、先ほどちょっと冒頭に申し上げましたけれども規制庁から東電に対して厳重注意がありました。それで、今、柏崎の原発、柏崎原発の再稼働について申請が出ているわけですが、これも報道でいろいろ見ますと、原子力規制委員会の中でいろんな議論があると。福島が優先だ、先決なので最優先だと、柏崎までやる余裕があるのかどうか、東電さんにそういう能力があるのかどうかとか、東京電力さんに放射性物質を扱うノウハウがあるとは思えないというような意見があったとか、いろいろ報道されています。  そんな中で、原子力規制委員会としては、東電柏崎刈羽原発六、七号機の再稼働審査の進め方について慎重に、原発を扱う東電の能力を慎重に見極めることが必要という認識で一致したと、こういうふうに言われています。この点がまずそういうお考えなのかどうかからお伺いしたいと思います。
  74. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 柏崎刈羽原子力発電所設置変更許可申請は先月二十七日に私どもに提出されまして、一応受理しております。他方、これと並行してというか、大変残念なことですけれども福島第一原子力発電所においてはタンクからの汚染水漏えいが続いています。  そういうことで、先週の十月四日金曜日になりますけれども、当方の規制庁長官から、東京電力廣瀬社長においでいただきまして、まず第一発電所リスクを一日でも早く低減させること、ですから、そのためには他の原子力発電所からでも人員を回してでも早急に現場管理が適切に行ってほしいということをお願いしました。あわせて、こういった状況が続いている中で柏崎刈羽原子力発電所の安全管理を適切に行うことが本当に可能なのですか、できますかということについてその考えを示していただくようお願いしました。一週間程度で回答をいただくことになっておりますので、その回答をよく見ながら審査を進めていきたいと思っております。
  75. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ありがとうございました。  ということは、福島優先でやってもらいたいと。あらゆる、まああらゆると言うと言い方は悪いんですが、とにかくそこへまず優先的に経営資源を投入してもらいたいと、こういうお考えですよね。それで、なお力があれば柏崎の方もということですよね。こっちがまず優先だと、福島が優先だと、そういう理解ですよね。
  76. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 福島状況がやはりある程度国民が納得できる程度の落ち着きがない状態で柏崎刈羽をどういうふうに進めるかということについては、私どもとしては慎重に検討させていただいて審査を進めたいと思います。
  77. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 もう時間がなくなってきましたので、それで、あと残った時間で恐縮なんですけど、大臣に一点だけ確認させていただきたいんですが、今いろいろ議論しておりますこの福島の事故も含めて、昨日でしたかね、何かテレビで自民党の幹部の方が廃炉部門を切り離した方がいいということを発言されたというふうに聞いております。例えばこういうこととか、もういっそ東電を破綻処理した方がいいんじゃないかというようにおっしゃっている学者もいらっしゃいます。これはいろんな意見があるということなんです。  私はそれがいいとは思っているわけじゃないんですが、ただ、廃炉事業だけ取り上げても、やはり四十年、五十年掛かる仕事ですよね。そうすると、これを取り組んでいく上で、本当に今のままのやり方で四十年先、五十年先続けられるのかどうかというのは、率直に言って一方で疑問も持っているんですが、この点について、現状、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
  78. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まず、その前に簡単に。我々としても、東電として福島第一原発の事故の収束、廃炉汚染水対策、最優先で取り組んでほしい、このように考えております。同時に、東京電力はほかの仕事をしなくていいのかといいますと、電力の安定供給を始め、そして今、新たな電力制約の中で非常に老朽化した火力をどうすると、こういった問題も抱えている話でありまして、同時並行で進めなきゃならない問題である。最優先であることは間違いないと思っております。  一方、今後四十年の電気事業の在り方、これを展望した場合には、例えば電力システム改革によりまして新規参入が進む、競争環境が整備されていく。国としては、特に安定供給とコスト低減に重点を置いてこれらの改革を着実に推進をしていきたいと思っております。発送電の分離等々も行っていくわけでありまして、こういった四十年を見据えた電気事業の在り方、これは事業環境の変化、こういったものを踏まえ、各事業者において適切に判断すべき問題であると、そのように考えております。
  79. 直嶋正行

    ○直嶋正行君 ありがとうございました。  時間が来ましたので、これで私の質問を終わります。     ─────────────
  80. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、宇都隆史君が委員辞任され、その補欠として佐藤ゆかりさんが選任されました。     ─────────────
  81. 若松謙維

    若松謙維君 公明党の若松謙維でございます。  私の生まれは福島県石川町、阿武隈山地の端でございまして、そして現在、郡山、増子委員長と同じ市に住んでおります。  そういう観点から廣瀬社長にお聞きしたいんですが、御存じのように、実は私どもの郡山事務所、五月の九日に除染作業をいたしました。除染前が毎時〇・四四マイクロシーベルト、除染後が〇・三六ということで、約二割弱改善したわけでありますが、年間線量ですとやはり一ミリを超えると、こういう状況で実は暮らしている福島県民の方が大変多いという、こういう現実がございます。  あわせて、先ほど漁業者のお話もございましたが、今試験操業をやっておりますが、ほとんど実はお魚を捕っても捨ててしまうと、その試験操業で認められたものしかいわゆる市場に出せないと、こんな状況で大変つらい思いをする。さらに、今、まだ福島県民で避難されている方が十五万人、そして県外に避難されている方が五万人という、こういう状況が続いているわけでありまして、私も福島県民を代表して、今、廣瀬社長福島県民に伝えたい思い、それを率直に語っていただきたいと思います。
  82. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) この委員会の冒頭の御質問のときにもお答えいたしましたけれども、本当に、二年七か月が間もなくたとうとしておりまして、本当に長い間ですね、で、またその状況が今引き続いているということでございます。  特に、避難をされていらっしゃる皆さんには、本当に大変な御迷惑、御心配、御心痛をお掛けしていることだというふうに本当に思っております。また、それ以外の方々も、もちろん農林水産漁業関係者の方はもちろんのこと、普通に御商売をされていらっしゃる方々も本当にいろいろな形で御苦労されているということだというふうに思っておりまして、誠に申し訳ないと思っているところでございます。本当に申し訳ございませんです。  また、加えて、このところの汚染水の問題で、そうした問題がありますと、せっかくそろそろ御自宅に戻ろうという御計画をされていらっしゃる皆様にも大変な悪影響をお与えしてしまっているということで、本当に申し訳なく思っております。  とにかく、私ども、会社の今の、何というんですか、最優先課題として、とにかく福島の復興というのを東京電力の使命のナンバーワンに掲げて、本当に毎朝社員が拳々服膺するような、そういう形でしっかりと言い聞かせて、社員一同一丸となって、まずはとにかく皆様に一日でも早く元の生活に戻っていただけるように、除染や賠償やそれから廃止措置、いろいろございますけれども、いろいろな場面でとにかくできる限りのことをやっていこうということで今努めております。本当に申し訳ございませんが、御理解いただければと思います。
  83. 若松謙維

    若松謙維君 私も先月の二十日、福島原発第一入りいたしました。本当にその現場に行くだけで約一時間半ぐらい防護服等の準備があるという中で、作業される方も大変な状況だと思います。  そういう中、廣瀬社長もやはりこの福島原発第一の収束というのが最優先課題というお考えを何度もお話ししておりますけれども、そのために恐らく最低一回以上は福島県入りされていると思います。しかし、なかなか社長自ら福島県民の皆様に対するメッセージが実は少ない、見えないという言葉がありまして、特に、先ほど十五万人の避難者、いわゆる現役世代、子育て世代と併せて、おじいちゃん、おばあちゃん、いわゆるこの家族の分断というのがとても深刻な状況になっているわけであります。そういったことも含めまして、廣瀬社長には最低一回ぐらいは直接社長の口から福島県民に今の進捗状況、こうしたいという思いを伝えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  84. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 現状、私もできる限り福島に参っておりますし、そうした機会をとらえていろいろな発言をさせていただいております。また、御存じのように、福島復興本社の代表を常駐させていただいておりまして、その代表は月一回記者会見させていただいております。  そうしたことで、あらゆる機会をとらえて、本当に私どもの思いや今の状況、しっかり福島皆さんにお伝え、今後とも続けていきたいというふうに思っております。
  85. 若松謙維

    若松謙維君 是非よろしくお願いいたします。  その上で、原子力安全委員会にお聞きしたいんですが、ちょうどこの八月十九日の汚染水漏れの発覚の翌日に、NHKのBSですか、いわゆる海外版のニュースが紹介されておりまして、そこに紹介されたのがこの福島汚染水ですね。そして、福島第一原発から汚染水濃度が赤くなって、ずっと希釈されて、黄色くなって太平洋に伝わると。翌日にはもう実は地球レベルでこの事実が伝わっていると。それが現実にはほとんど、太平洋ですから、希釈されて数字的には出ないことが多いわけでありますが、でも、風評被害は地球規模であると。ですから、私は、この汚染水問題併せて福島原発のこの事故というのはいわゆる風評被害との闘いでもあるわけであると思っております。そういう意味で、この原子力安全委員会の役割というのは大変重要であると思っております。  特に、私は仕事が公認会計士、ちょうど杉委員も公認会計士でありまして、私どもは企業の決算を正しいというその証明ですね、監査証明業務、これ保証業務でありまして、この保証するという重みが非常に強いわけであります。それが事実でない場合には私ども責任を取るという役割でありますから、私たちの保証業務、いわゆる適正意見を出すことに対して、更に第三者チェック、それが同じ監査法人内なり公認会計士業界なり金融庁の第三者チェックも受けても、それでもなかなかこの私たちの発する保証に対する信頼感が確立できないというのが現実でいるわけであります。  そういうふうな考え方から、原子力規制委員会に、いわゆる第三者意見としてやっぱり情報をタイムリーに発表する、まずこれは大事でありますし、いわゆる内部監査という言葉がありますが、いわゆる東電の職員の方も大変な作業をされながらやっているわけで、例えばタンク設置にしろですね、そういった一つ一つの作業に対してまさにこの保証業務的な観点から、必ずその隣には原子力規制庁の方がいて、それはちゃんとやっているとかですね、内部監査的に一つ一つチェックする、そのくらいのきめ細やかな規制委員会の関与がなければ風評被害というのはなかなか減らないんではないかと。そう考えると、今の規制委員会のいわゆる体制では十分かどうかという危惧があるわけでありますが、その点はいかがでしょうか、委員長
  86. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 御指摘の点ですけれども、国際的な信用を得るという意味においてはIAEA等の主催する様々な会議に出るとか、国際アドバイザー、NRCとフランスとイギリスの規制庁のトップをやった方、三人については常時アドバイザー契約を結んでいろいろ進言をいただいています。それから、今回の汚染水の問題に関しては、毎週一回、英語版でIAEAだけじゃなくて主な海外メディアとかにも発信しているというようなことをやらせていただいております。  私どもの能力について御心配いただいて大変有り難いんですが、決して十分ではございません。ただ、持てる能力をできるだけ最大限に発揮できるように努力をさせていただいております。近々、この規制委員会設置法の附則にありますように、原子力安全基盤機構も統合するということになっておりますので、そういった専門的な知見も併せて規制庁の専門性を高めつつ取り組んでいきたいと思います。  ただし、原子力安全基盤機構は私たちのいわゆる技術的な支援機関としての役割を果たしてきましたので、これが一緒になったことによって、その後、我々の人と人材を継続的に支えていただけるような仕組みも是非これから御検討いただければというふうに思っております。
  87. 若松謙維

    若松謙維君 今、十分ではない、全てに十分だというお話じゃないと思いますが、併せてしっかりとやる、人の配置ですね、特に今委員長からお話があったと思いますが、済みません、茂木経産大臣、今の点についていかがでしょうか。
  88. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) しっかり規制委員会においても、そしてまた東電においても、体制の強化を図っていくということが重要だと、そのように考えております。
  89. 若松謙維

    若松謙維君 あわせて、先ほど私、いわゆる第三者機関自体の更にチェック機能ということで、特にこの分野ではIAEAとか幾つかありますけれども、ちょうどこの委員会の方で、三人の方ですね、アドバイザーですね、国際アドバイザーという形でASN前委員長等のアドバイスをいただいておりますが、もっと、この方々はやはりスタッフを持って、しっかりと規制庁の又は委員会作業というものをまた、いや、国際的な観点からの第三者チェック、やっぱりこういったことも必要ではないかと思います。そういう意味で、もっと踏み込んだ国際機関の関与というか、チェックというんですか、それをやっぱりやるべきではないかと思いますが、委員長、どのようにお考えでしょうか。
  90. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) どの程度やるべきかということは、もちろん御指摘のとおりですが、我々としては現在与えられた、ある程度期限の決まった仕事に取り組んでいるということと、一Fの問題とか非常に焦眉の仕事もあります。そういったことを踏まえながら、できるだけ幅広く国際的な意見をお聞きしながらやろうということです。  どういう形の国際的なアドバイザーの仕組みをつくるかということについては、今後検討をさせていただきたいと思います。
  91. 若松謙維

    若松謙維君 そこで、今回の汚染水問題でありますが、八月十九日、大きな問題が発覚して、さらに十月一日、そして十月二日と、こういうまた次に恐らく起こるであろうと、やはりこれだけ続くわけでありますから、監視体制を強化したりとかいろんなことをやっても恐らく追い付かないという、これは誰もがこういう危惧を持っているわけであります。  そういう中、ちょうど、これは八月でしょうか、原子力委員会として総括的な報告書を出されましたね、いわゆる、八月十四日ですか、福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画の審査についてと。これにつきまして、やはり汚染水に関しては幾つかの指摘事項、特に大変重点を置いて指摘されております。  そういう中、次から次へとまたこの汚染水の問題が恐らく出てくるであろうということで、取りあえず、その時点での東電が行おうとする今回のいわゆる原発問題に対する総括的な審査の結果だと思うんですけど、やはりこの汚染水については早急に原子力委員会としてもうちょっと包括的に更にしっかりと審査というんですか、していただいて、それなりの総括的な意見というのはやはりこれ国民が求めていると思うんですけど、いかがでしょうか。
  92. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 八月のその御指摘のことは、特定原子力施設としての原子力規制法上、福島第一原子力発電所は特別な状態にあるので、この廃止措置を安全に進めるための一つの原子力規制法上の特例みたいなものですけれども、それに基づいた実施計画というのが東京電力から出てまいりましたので、取りあえず現段階ではこの実施計画を認めて、それに基づいて私どもとしてはいろんな検査等の規制をやっていこうということで一応認めたものです。  ただし、そこでもありますように、これはこの福島第一原子力発電所の様々な今後の不確定性を考えると、当然それは順次変わっていくだろうし、それについてきちっと審議をしますという条件の下で認めさせていただいています。  それから、汚染水につきましては、その委員会の下に汚染水の評価検討のワーキンググループをつくりまして、これまでも毎週のように東京電力の参加も得ましていろんな方法検討をさせていただいているところでありますので、先生御指摘のように大変懸念されることですので、なお一層我々としても関与を深めていきたいと思っております。
  93. 若松謙維

    若松謙維君 もう一言、ベストを尽くしていただきたい、それだけでございます。  その上で茂木経産大臣にお聞きしたいんですが、先ほどちょっとお話が出ましたが、今回の実はJR北海道ですか、なかなか自分の力だけではということで、JR東海がたしかサポートすることが表明されたと思います。  同じように、これも電力業界としてはもう全てに共通する話題でもありますので、恐らく東電だけではもう限界があるとみんな分かっております。そういう意味で、日本国内にある全ての全電力会社が東電に対する支援体制というのを是非とも取っていただきたいというのが恐らく今日いる委員、そして国民の願いだと思うんですけど、そういうことを指示なり、また要請される意思はおありでしょうか。
  94. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 若松委員とは私、当選同期でありまして、先生が大変御苦労されて十年ぶりに国政に復帰をされたと、本当に自分のことのようにうれしく思っております。年も同じでありまして、先生が八月の五日のお生まれ、福島県のお生まれ、私が十月の七日、今日が誕生日でありまして、閉会中にもかかわらず委員皆さんにお集まりいただいて、こういった機会を持っていただきましたことを心から感謝を申し上げる次第であります。  今、東電、そして関連会社、六千人の体制でこの廃炉、そして汚染水対策等々取り組んでおりますが、もちろんほかの電力会社と協力も必要でありまして、水処理の設備の設計、施工管理要員として現在はほかの電力に十名程度の派遣を要請する予定と、このように聞いております。  また、廃炉作業に不可欠となります放射線管理や分析に関する支援要員について、日本原子力研究開発機構から五名程度、電気事業連合会を経由してほかの電力会社から十名程度の派遣の協力を依頼しているところであります。  これは、国、そして東電、ほかの電力会社、関係の機関挙げて取り組む問題だということでありまして、そういった要請につきまして経済産業省としても全面的に後押しをしていきたいと考えております。
  95. 若松謙維

    若松謙維君 最後の質問になりますけれども、たしか増子委員長、衆議院の富田委員長とフィンランドですか、最終処分場を視察されたと伺っております。その際に、最終処分場を決定したということですね。ですから、それは本当に、フィンランドの話でありますが、行政、電力会社、そして規制委員会のトップが非常にコミュニケーションも取り、さらに悪い情報、いい情報を全部出して、その信頼性はある意味でフィンランド一〇〇%得ているという、この三者のコミュニケーションは非常に大事だと思っております。  そういう意味で、今、例えば廃炉汚染水対策チームですか、等ございますけれども、この三者が年に三回とか四回とか定期的にお会いすべきだと思うんですけど、時間があれば、是非とも廣瀬社長委員長、また大臣の御意見いただきたいと思うんですけど。
  96. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 大変良い提案をいただいたと思っております。やり方も含めて検討させていただきたいと思います。
  97. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 茂木大臣の下の廃炉推進会議の方にも規制の立場から御協力をさせていただいておりますので、なお一層協力をさせていただくよう努力したいと思います。
  98. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) もとより私どもの起こした事故でございますので、私ども、ありとあらゆるところにとにかく参加させていただいて一生懸命やっていきたいというふうに思っております。
  99. 若松謙維

    若松謙維君 ありがとうございました。
  100. 松田公太

    ○松田公太君 みんなの党の松田公太です。  本日は、閉会審査、お時間をいただきまして誠にありがとうございます。  茂木大臣、誕生日おめでとうございます。実は私の父も今日誕生日でして、昨日お祝いをしてきたところでございます。  それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。  まず、凍土壁についてです。理論上は透水係数がゼロだと言われています。しかし、この遮水壁、凍土壁、これは本当に今考え得るベストな選択だと言えるのでしょうか。この仕組みは、今までトンネル建設などの一時的な補強工事などに使われてきた工法ですが、これだけ不均等な物質が混在する中で広範囲に造られた例はありません。しかも、穴ができてしまった場合、トンネル内の一部であれば例えば漏れの部分を見付けるのが比較的容易であるかもしれませんけれども、全長千四百メートル、深さ三十メートルの土の中でそれを見付けるのは至難の業じゃないかなというふうに考えます。  凍土化が一〇〇%しっかり行われればよいのですが、完成時から、若しくはオペレーションの最中に例えば一〇%のクラックができてしまった、それを想定してください。現在一日千トンの水が、地下水が流入しているというお話ですけれども、例えば一〇%のクラックがあるから、じゃ、その場合は一〇%だから百トンの水が引き続き流入するんじゃないかと、そのようなシンプルな計算ではないんじゃないかなというふうに思うんですね。  この件について東電はどのような見解をお持ちでしょうか。廣瀬社長、お答えいただければと思います。
  101. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 凍土壁については、難しい技術であるという御指摘もございます。今まさにそのいわゆるフィージビリティースタディーというんでしょうか、いろいろな角度からの検討をさせていただいているというふうに承知しております。
  102. 松田公太

    ○松田公太君 もう既に予算もスケジュールも組まれているような段階で、まだこのようなベーシックなことさえ、まだフィージビリティースタディーで、できていないというのが私は本当に驚いてしまうんですね。本当にこんな状況では、果たしてこれが精度の高いものなのか、サクセスレート、これが高いものなのかということが非常に私は心配になってしまいます。  本日の議題の一つ、ほかでも取り上げられましたが、タンク漏えいについてもそうですけれども、例えば、耐用年数がこれは五年だからまさかこんなに早く問題が出てくるとは思わなかった、そのようなお話をされて、非常に皆さん責任逃れといいますか、誰も責任を取ろうとしていない、こういう状況がかいま見えます。  そこで、今回は私、はっきりさせるべきだと思うんですね。この凍土化計画、これは国の威信を懸けた、政府国内外からの威信を懸けたプロジェクトじゃないかなというふうに思っています。うまくいかなかった場合誰がどのように責任を取るのか、これ、茂木大臣、いかがでしょうか。
  103. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今の段階でうまくいかなかった場合を想定するよりも、どうやったらうまくできるか、そのためにまずは幾つかの遮水の方法につきまして検討を行い、凍土方式が今回の場合最もふさわしいであろう、こういう結論の下に今FSを行っております。  ただ、自然との闘いであります。新しい挑戦であります。どこまでのことが確実にできるか、それは見極めていかなきゃならない。同時に、重層的な対策を取ることによって、十分な効果が発揮できないときはどうするか、こういったことも現在検討しております。  まずは問題を解決すると、そのことに我々は集中したいと思っております。
  104. 松田公太

    ○松田公太君 私、大臣、そういうあやふやな、本当に誰も最初から責任を取らなくていいというような考え方が問題なんじゃないかなというふうに思うんですね。そのような政府考え方というのはこの案件に始まったことではありませんけれども、本件に限って言うと、やはり福島県民、日本国民のみならず世界中の方々がやはり固唾をのんで見守っているような、そういう心配をされているような問題だと思います。  安倍総理も、先ほど来何回か出ておりますが、レット・ミー・アシュア・ユーと、これは御存じのように、英語で言うとかなり強い表現だと私は思っております。そのような約束、また国が前面に出るという約束をしているわけですから、失敗した場合はやはりこれは安倍首相、若しくはその部門の責任者である茂木大臣責任をお取りになられる、こういう考え方が妥当ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  105. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 御意見としてしっかり承らせていただきたいと思っております。  そして、ザ・シチュエーション、全体の状況をしっかりと管理をしながらアクションプランを、そして予防的、重層的対策をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
  106. 松田公太

    ○松田公太君 分かりました。この件についてはまた後ほどお聞きしたいと思います。  凍土壁のコストについてお聞きしたいと思います。  建設には予備費から三百二十億円、これが捻出されるということですけれども、ランニングコスト、年間で、これはどのくらい掛かる予定でしょうか。これは、廣瀬社長、お答えいただけますか。
  107. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 済みません、今ちょっと手元に数字がございませんで、ちょっと後でお答えいたします。
  108. 松田公太

    ○松田公太君 どなたか、ほかお分かりになる方で結構ですが、教えていただければと思います。
  109. 糟谷敏秀

    政府参考人(糟谷敏秀君) これは山側からどれぐらいの水が来るかということにもよります。山側から多くの地下水が流入するというような状況の中で、凍土遮水壁で水を止めるということになりますと、それだけ多く電気を使って冷やし続けなきゃいけないというところが生じます。  これから、凍土遮水壁、これが機能を十分発揮しないということがあった場合に必要な対策は何かということを検討してまいります。その中で、実際の具体的な金額は決まってくるというふうに考えております。
  110. 松田公太

    ○松田公太君 これはざっくりとした数字で結構ですので教えていただきたいんですね。廣瀬社長もこのプロジェクトの責任者ですよね、そうですよね。何か事業、プロジェクトを立ち上げるときに、初期投資は大体このぐらいだと分かる、でもランニングコストは分からないというのは、これは異常だと思いますよ、政府も。本当に分からないんですか。大体ざっくりでいいですから、年間どのくらい掛かる。これ、相当私は電気料金なんかも掛かるんじゃないかなと思いますが、いかがでしょうか。
  111. 糟谷敏秀

    政府参考人(糟谷敏秀君) 一定の仮定を置いた上での計算でありますけれども、低い方の数十億円程度というふうに考えております。
  112. 松田公太

    ○松田公太君 今、数十億円と非常に丸い数字が出てきたわけですが、例えばIAEAがこの処理に最終的に掛かるのは多分四十年から五十年じゃないかなというふうに言われておりますけれども、そうすると、もう場合によっては何百億円、場合によっては千億円を超すようなランニングコストがこれ掛かるということになるんじゃないかなというふうに思います。  また、茂木大臣からこのお話も以前出ておりますけれども、その凍土壁、これがワークしない場合は粘土壁なんかも考えるということですけれども、まあワークしない、そうすれば、じゃ粘土壁をやろうと、二重、三重にも初期投資も掛かってしまう。それでもいつまでたっても私は、その複雑に動くこの水、水との闘い、地下水との闘いというのが続いてしまうんじゃないかなというふうに思います。  私はこの問題について何名かの有識者、知見者とお話をしているんですけれども、その中には、壁を地中に造るんではなくて、第一原発の周りにキャナル、つまり堀を掘ってしまう、この方が得策ではないかという話も出ているんですね。そのような方策についてはお考えになったことがございますでしょうか。茂木大臣、お願いします。
  113. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まず、オペレーションコストの問題でありますけれども、先ほど糟谷審議官の方から数十億の低いオーダーというお話を申し上げましたが、我々は掛ける四十年とは想定をしておりません。問題は、今ある汚染水、これをできるだけ早い段階で浄化をしていくということであり、あの敷地をできるだけ乾いた状態に持っていく。それで、そこの段階でどう実際に廃炉を進めるかということでありまして、そのために使う遮水壁として、スパンとしますとそんな長い期間にはならない、このように我々は考えております。ただ、先ほども申し上げたように、多重的な対策を取るという中で、それぞれの方法と、一長一短はあるんだと思います。  例えば鋼矢板でいいますと、非常に工事は簡単だと。しかし、基本的には、何というか、相当ぶち抜きがありますので、配管等に対する影響、これも考えなければいけない。そして、元々は土を止めるためのものでありますから、これで遮水能力は完全にはならないということになってきます。もっと外側に堀を掘ったりとかいろんなことも含めて、今後二か月間で多重的なそして予防的な対策を考える、こういった中で具体的な提案いただきましたら検討させていただきたいと思っております。
  114. 松田公太

    ○松田公太君 今の私のその堀、キャナルといいますか、を掘って、ある意味アイランド化してしまうというような考え方、これはその具体的な提案として御検討していただけるでしょうか。
  115. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) ちょっとカナルを造るというのは、運河ですね、運河を造れる状態になるのかどうか、ちょっと私その専門家じゃありませんから、土木のですね、分かりませんが、どこまでのものかある程度御提案をいただいたら検討はさせていただきます。  ただ、運河を掘ると言われたときに、それで専門家として検討できるかどうかということが分からないということを申し上げているわけです。
  116. 松田公太

    ○松田公太君 これは、それでは大臣のところに私、具体的な提案書としてまとめて持っていきたいと思いますけれども、運河という言葉を使ってしまわれましたが、基本的には堀という考え方でいいと思うんですね。これは小学生が考えても分かると思いますけれども、山側から水が流れてくる、その先に堀を造ってしまう、例えばコンクリートで固めてしまう、そうすればそこから流入する水はその堀に入って海水に直接流れていくという形になるんじゃないかなというふうに思うんですね。ですから、そういった是非検討をしていただければというふうに思っている次第でございます。これは私だけではなくて本当に何人かの知見者が言っていることでございますので、また具体的な御提案を提出させていただければと思います。  それでは、ちょっと、フィルターベント、柏崎刈羽についての御質問をさせていただきたいと思います。これは廣瀬社長にお聞きします。  九月二十五日の泉田新潟県知事とのやり取りが随分報道されておりましたけれども、最終的に泉田知事から柏崎刈羽の申請を条件付で承認されたというわけですけれども、その一つが、今回申請のフィルターベント設備は地元避難計画との整合性を持たせ安全協定に基づく了解が得られない限り使用できない設備であることとあります。これについては誤報も若干あったというふうに聞いておりますけれども、確認させていただければと思います。  申請が通ってこの第二のフィルターベントも含めた設備工事が完了しました、しかしその時点でこの地元避難計画の合意が得られておらず、そうこうしているうちに何かトラブルが発生した、若しくは地震が起きた、そのときにベントをする必要が出た。どうされますか。告知時間もない、避難も完璧じゃない、そのようなときにどうされるのか、お答えいただければと思います。
  117. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) もとよりこれは県とのお話合いをしているところでございますけれども、まずはフィルターベントは、御存じのように、こんなことがあってはなりませんけれども、基本的には放射性物質を外に出すときに使う装置でございますので、それがどのぐらいのものが出るのかという前提の下で、当然、気象状況や、それからまた豪雪地帯ですので冬の簡単に避難ができない条件とか、いろいろそのシミュレーションをしなければいけませんので、そうしたケースを自治体の方、それからもちろん住民の方も入っていただかないといけませんけれども、そうしたものを事前にできる限りしっかりしたものを作っておくという、そういうことが必要だというふうに考えておりますので、それが、当然そうしたものを踏まえて原子力発電所が動くんだろうというふうに考えております。
  118. 松田公太

    ○松田公太君 済みません、全く答えになっていないんですけれども。  ベントがもう設置されていますという状況の中でその避難計画の合意がまだ達せられていないと、その状況下でベントをどうしてもやはりしなくちゃいけないと、そのようなときにどのような判断されるんですかということをお聞きしています。そのようなことも想定できると思うんですね。
  119. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) ですから、原子力発電所が再稼働する前にそうしたことをしっかり詰めましょうというお約束になっております。
  120. 松田公太

    ○松田公太君 つまり、それまでには、工事完了までにはちゃんと避難計画もしっかりと、泉田知事、そのときまだ知事かどうか分かりませんけれども、県としっかり話をしましょうと、また基礎自治体と話をしましょうということかと思いますけれども、避難計画とはいえ、私はどれだけの県民の被曝をこれ容認するのかと、こういう考え方が入ってくる話だと思うんですね。ですから、簡単に私、合意はできないんじゃないかなというふうに思っております。  福島原発、スリーマイル、そしてチェルノブイリもそうですけれども、人のミスとかまた勘違い、これがより大きな事故を生んでしまったというふうに私は感じております。つまり、何か緊急事態が起きたときは、極力人の判断を介在させないで自動的に処理をしていくパッシブなシステムにした方が私はいいんではないかなというふうに思うんですね。ですから、今回のフィルターベントも、例えばラプチャーディスクで制御してバルブを開いたような状況にしておく、そして自動的に放出するというようなシステムに私はするべきじゃないかなとさえ思っているんです。  しかし、廣瀬社長の泉田知事とのやり取り、これ全部文字起こしをして、私、見させていただきましたけれども、これを見ていると、とてもじゃないけれども、そういうことが提案できるような状況じゃないんですよ。ずうっと下手に出られていて、ずうっと責められているような状況なんですね、廣瀬社長が。  今後は、新潟県だけじゃなくて、ほかでも同じような私は問題が出てくるんじゃないかなと思うんですよ。住民避難がどの程度進んでいるかというのも、結局は自治体の首長による判断が介在してしまう、そういうプロトコルになってくるんじゃないかなというふうに私は思うんですね。それは、私は逆に安全面から考えてマイナスだというふうに感じております。しかし、やはりそこを議論する意思も気概も今の東電からは私は残念ながら感じられないんです。  残念ながら、例えば再稼働もそうです、修繕費の先送りもそうです。東京電力は、残念ながら、その最大の目的が再稼働させる、黒字化する、これになってしまっているのかなというふうに感じます。安全性よりも、例えば銀行とのコベナンツを優先している、こういう状況が私には感じられるんですね。  これについてはどのように思われますか。
  121. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 幾つか御指摘ございましたけれども、まずパッシブにフィルターベントがされてしまっては逃げるタイミングを失ってしまいます。したがいまして、今一番問題なのは、いつそのベントをしますということを事前に住民の方々にお知らせして、もとよりこんなことはあってはいけない話でございますから、その辺は本当に万々々が一の話でございますけれども、ただ、福島の経験を踏まえますと、特に二号機からの放射性廃棄物によってかなり農地や海も含めて汚染が広がってしまって、これがもしフィルターベントがあればかなりの部分は抑えられたんだということは計算的には出ております。  したがいまして、フィルターベントは、もとよりそれを出してしまうものですので、事前に、その代わり逆にパッシブでなくて我々がスイッチを押さないとベントはいたしませんので、事前の十分な準備を取れる時間をいかに確保して、そのタイミングで、先ほど言った雪が降っているか風が強いかにもよりますけれども、そうしたことをしっかり詰めませんといけないというふうに思っております。  加えて、銀行の件であるとかあるいは経営の件であるとか、もちろん私ども電気を作ってお届けしている事業がございますので、それらを全く考えないということではないですけれども、ただ、私ども事故を起こした事業者として、改めて、私ども発電所を再稼働しようというような段階になるには相当な努力が必要だというふうに思っておるところでございますので、地域の方々も含めてしっかりとした御理解を得て、そうした手続をしっかりした上でないとなかなか動かすのは難しいだろうなというふうに思っているところでございます。
  122. 松田公太

    ○松田公太君 フィルターベントを完全に開放して放出しろということではなくて、お分かりだと思いますけれども、例えばラプチャーディスクのようなもので制御するということです。ちょっと今日は技術的な話をしに来たのではないので次に進めさせていただきたいと思いますけれども、法的整理、いろんなところで茂木大臣廣瀬社長お話しされていると思います。  ちょっと違う観点でお話をお聞きしてみたいんですけれども、ここ最近、福島第一原発、いろんな問題が続いていますよね。例えば、一連のタンクからの漏えい。また、九月二十七日、ゴムシートによりALPSが停止した。十月一日には、移送用ホースを誤ってノッチタンクに接続したため上部のマンホールから汚染水があふれ出てしまった。十月二日は、傾斜面にタンク設置していた、その汚染水が上から漏れてしまった、そのようなことが発覚した。  これは、先ほども話ありましたが、全てヒューマンエラーだと思います。なぜこのようなヒューマンエラーが多く発生し続け、最近は逆に更に増加してきているのか。一つ一つの技術的な観点は結構です。また、もう既に廣瀬社長から社員が疲弊しているというお話、若しくは職場環境が悪いというお話が出ましたので、それ以外での理由が何かあるのか、あれば教えていただければと思います。
  123. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 一つ一つの事象に原因がございます。したがって、先ほど直嶋先生の御質問にもお答えしましたように、一つ一つの原因についてはしっかり対策を取っていかなければいけないと思っておりますが、全体として疲弊するようなことがあってはいけないということから、しっかりとした労働環境の整備、あるいはマスクも含めてですけれども、いろいろな対策を取っていかなければいけないと思っております。
  124. 松田公太

    ○松田公太君 ヒューマンエラー発生は組織の指揮命令系統の問題が一つ私はあると思いますし、もう一つは、やはりモチベーションの問題というのもあると思うんですね。  確認しましたところ、東電の平成二十二年の依願退職者は百三十四人だったんですけれども、事故後は四百六十五人、そして翌年は七百十二人と急増しているわけです。ノウハウを持っている経験者や技術者が流出するのも問題ですけれども、この数字を見てもこれは明らかに分かるのは、社員のモチベーションが下がっているということじゃないかなと思います。例えば、安倍首相が現地を視察に行かれた際も名前を間違えられた、このミスも私は突き詰めればそういうことじゃないかなと思います。一国のトップが来るのに字を書き間違えた、それに誰も気付かない。それだけ皆さん疲弊していて仕事がおろそかになってしまっている。    〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕  組織の単純ミスというものは、私はモチベーションの低下と比例して増加すると思っております。それはそうですよね、社長東電に入ったときは、多分、新入社員で入ったとき、廣瀬社長もおありでした。いい会社に入った、日本のトップ企業に入った、自分たちは勝ち組だ、そのような気持ちさえ持たれたんじゃないかなと思います。でも、今となっては東電で働いているだけである意味バッシングされてしまう。給与は下がる。危険なところで仕事をさせられてしまう。企業の理念に基づいたビジョン、それも今しっかりとまだ残っています、昔のまま。しかし、全くそこからそれてしまっている。そんな状況下でモチベーションを上げろというのは、私は難しい話じゃないかなと思います。  いかがですか、廣瀬社長。社員のモチベーションと規律、これは今、上がっていると思いますか。
  125. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) もとより、この二年半、私、私が社長になってからまだ一年三か月でございますけれども、私の最大のプライオリティーとして、社長としてですけれども、社員の高い責任感であるとか使命感であるとか、そうしたものも含めたモチベーションと申していいかもしれませんけれども、それをどうやって維持していくのかということが本当に社長として一番大きな課題だというふうに認識して一生懸命対策をしてまいったつもりでございます。もちろん状況は、給料も下がっておりますし、東京電力ということでの今先生がおっしゃったようなかなり厳しい報道等々もございますので、状況としては大変厳しいものがあると思っております。特に福島発電所の中では、文字どおり、もとより労働環境自身も決してたやすい場所ではございません。  そうした中で、もちろん、退職者数は例年よりも増えてはおりますけれども、今年度はまた下がり始めましたけれども、どうやったらここをしっかりやっていけるのかということの一つに、やはりこれに何十年頼るというわけではありませんけれども、やはり我々が起こした事故を我々がしっかり責任を取っていくという一つのその思いというのも、これもまたこれで非常に大事にしなければいけない一つの心意気だというふうに思っております。  ですので、この二年半、本当にいろいろなトラブルがあったりミスがあったりヒューマンエラーがあったのは事実でございますけれども、それでもとにかく社員は一生懸命やってくれておりますので、このモチベーションなりこの使命感、責任感を何とか維持してやっていくために、もちろんいろいろな環境も整備しなきゃいけないし、新卒の採用もやっと来年、少しではありますけれども始められることになっておりますので、そうしたことを少しずつ一つ一つ、劇的な改善というのはなかなか見込める状況ではございませんけれども、私が先頭に立って一生懸命やってまいりたいというふうに思っておるところでございます。
  126. 松田公太

    ○松田公太君 今お話ししましたモチベーションの低下の件とともに、今の東京電力というのは、先ほどもお話ししましたように、安全性よりもやはり黒字化を目指さなくてはいけない、そういう状況になってしまっているんじゃないかなと思うんですね。必死に再稼働を目指すのはそのためでありますし、修繕費などの経費の繰延べ、これもそのためです。厳しいコベナンツがあるので銀行からいつ金を返せと言われるか分からない。そもそも今の会社は、残念ながら、損害賠償と事故処理を中心にやるためだけにゾンビ状態で無理やり生かされている、そんな状況だと私は感じております。  国の関与なしでは何も決められません。自力で資金調達もできない。東電が辛うじて生き残ることによって得をしているのは、株主や経営陣や一部のステークホルダー、そして問題の矢面に立たなくて済む私は現政権じゃないかなというふうに思っております。  廣瀬社長、法的整理をして東電を新しい会社として生まれ変わらせる、もう一度、若い社員たちにとっても明るい、未来が持てる、夢のある、そういう会社にしたいというお気持ちはありませんか。そのような選択肢は本当に絶対にあり得ないと思われますか。
  127. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 法的整理については、優先弁済の問題であるとかいろいろ解決しなきゃいけない問題もあって、結局は、仮に看板を書き換えても、社員はそのしっかりとした使命感なり責任感の中でやっていく、その現場を担っていくのは引き続き東京電力の社員である、看板替えても恐らくそうなるに決まっておりますし、突然何万人もの人間が入れ替わるということはあり得ないですので、しっかり、我々としてはその現有の勢力を引き続きしっかりとしたモチベーションを維持していくようにやっていくと、そういう中で検討していかなければいけないだろうというふうに思っております。    〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
  128. 松田公太

    ○松田公太君 私は看板を書き換えるという言い方はちょっと間違っているのかなというふうに思いますけれどもね。その処理をしなくてはいけない部分、それは私は最終的には国が責任を持って引き取るべき部分だと思っています。新しい会社に関しては、例えば再生可能エネルギーも含めてどんどん新しいことにチャレンジしていただくと、そういう会社に私は生まれ変わることができるんじゃないかなというふうに思っております。  ゾンビになってしまった企業を無理やり生かしておくためには、無理、無駄、むら、私も元は経営者の端くれですから、廣瀬社長もこのお言葉は聞いたことがあると思います。これを承知で、例えば道理に合わないようなことも多々行わなくてはいけないと思います。  九月十九日に安倍総理が視察中に行った五、六号機の廃炉要請、これはすばらしいパフォーマンスだったのかなと私は思っております。しかし実際は、用意周到に東電の負担を極力減らす算段を整えた上での要請だったわけですね。  今年の六月、経済産業委員会で電力自由化の法案に審議を尽くしているさなか、経産省に廃炉に係る会計制度ワーキンググループ、この話も先ほど出ましたが、これが設置されたわけです。八月六日には取りまとめ案が提出されて、そして、これまで廃炉決定時には関連費用の損失を一括処理しなくてはいけなかった、廃炉処分後もそれを分割処理して国民からの電気料金より回収することができるようにするというものが通ってしまったわけです。これにより、五、六号機の廃炉に伴う東電の財務的リスクは一千八百億円の特損が五百億円の特損で済むことになって、大幅に軽減することとなったわけです。  このように、国民に負担を強いるような変更が省令規定事項であるため国会の審議も通さずに政府によって恣意的に行われるのは、私は民主主義の観点からもおかしいんじゃないかなと、このように思っております。  また、この変更は東電を始めとした電力会社を過度に守るための変更です。特定の企業を守るために省令レベルでもういとも簡単に会計基準を変えてしまうような国が、市場や国際社会からこれ、信用されると思いますか。茂木大臣、どのように思われますか。
  129. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まず、福島五、六号機の廃炉についてパフォーマンスだと、私は幾ら何でも先生、言葉が過ぎると思います。  福島第一において今何を進めなきゃならないか、廃炉汚染水に集中できる体制をつくっていく、このことが何よりも大切なんだと思います。五、六号機が廃炉になった場合に、あの実機を使っていろんな作業の訓練ができます。そして、いろんな機材、そしてまたタンク等の置場も同じ敷地内に確保することができます。いろんな意味で、東電が、そして実施主体が一号機から四号機の廃炉汚染水対策を加速する、この意味から私は五、六号機の廃炉、極めて妥当だと思っておりまして、決してこれがパフォーマンスだとは思っておりません。  そして、この五、六号機の廃炉、これと会計基準の見直し、これは時期がずれております。省令の改正、これは十月一日でありましたが、先ほども御答弁申し上げましたように、新規制基準、これが七月から施行されると。それに先立って、さらには今後、電力システムの改革等々が行われる中で、三段階の改革を経ていく中でどうあるべきかと、会計の制度という中で、専門家方々、会計の専門家方々であります、お集まりをいただいて出した結論として、事業と廃炉が原子力においては一体であると、こういう結論で見直しをされたと、このように承知を私はいたしております。
  130. 松田公太

    ○松田公太君 私は、廃炉決定したことは、これはもちろん私もそうするべきだと思いますし、良かったことだと思っております。ただ、私が言いたいのは、パフォーマンスのように、やり方がパフォーマンスチックだったということを申し上げたわけでございます。  私は、原子力損害賠償支援機構法のスキームには当初から反対をしてきました。責任の所在を明確にして、ルールにのっとってもう一度東電に新しいスタートを切っていただく、そこから発送電分離、そして真の電力自由化にもつながると私は思ったからです。しかし、市場の混乱などを理由に、あえなく法律は成立してしまった。その結果が今の問題続出。東電がどんな会社なのかも分からない。あやふやな状態。つまり、発生する責任の所在も明らかではないということにつながってしまったのかなというふうに思っております。  しかし、最近になって、やはり東電は法的整理すべきじゃないかという声が高まってきているのは事実です。  原子力損害賠償支援機構法の附則第六条二項には、以下のように規定されています。政府は、この法律の施行後早期に、一部ちょっとその後割愛しますけれども、当該資金援助を受ける原子力事業者と政府及び他の原子力事業者との間の負担の在り方、当該資金援助を受ける原子力事業者の株主その他の利害関係者の負担の在り方等を含め、国民負担を最小化する観点から、この法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとすると。  また、附帯決議には、以下のように書いてあります。第六条二項に規定する、先ほど申し上げました早期にと、早期には、二年をめどとすると認識し、政府はその見直しを行うこと。  もう既に機構法の施行から二年以上たっておりますが、茂木大臣、見直し状況について、あれば教えていただければと思います。
  131. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) まず、機構法の附則の六条でありますが、先生引用された前の部分で、国の関与及び責任の在り方等について検討を加えると、こういう規定がございまして、これを踏まえて、既に答弁をさせていただいておりますように、国がしっかりと前面に出て、取るべき責任、果たすべき責任を果たしていく、こういうふうにしたところであります。  それから、法的整理について一言申し上げますと、会社更生法を適用して法的整理をした場合にどういった状況が起こるのか。委員は経営者でありますからよく御存じだと思いますが、電事法の下によりますと、いわゆる内外の機関投資家を始めとする電力債を保有している方が優先弁済ということになります。これが、福島の被害者の方に対する賠償、それから協力会社への債権の支払よりも優先すると。先ほども申し上げましたが、今、体制としては、東電千人、そして五千人の協力会社方々が本当に過酷な条件の中で現場作業に当たっているわけでありまして、このお金が支払われないということになりますと、汚染水対策廃炉対策、滞る危険もある、こういったことも是非お考えいただきたい、そんなふうに思っております。  原賠法、そして機構法の見直し、規定化してございます。我が国のエネルギー政策全体におけます原子力の位置付けであったり、現在進行中の福島におけます賠償の実情等々踏まえながら、総合的に検討してまいりたいと考えております。
  132. 松田公太

    ○松田公太君 これも大臣御存じのとおり、一般担保付社債、これは会社で考えれば借入れと一緒ですよね、基本的には。ですから、私は、その一般担保付社債、これを優先してお返ししてしまってもいいんじゃないかなと思うんですね。債券市場には、ですから混乱は起きません。起きるとしたら株式市場のことを私はおっしゃっているんじゃないかなと思いますが、これもJALの再生のときにありましたけれども、多少の混乱はありましたけれども、これはまた最終的には落ち着くんですよ。これが資本主義の原理じゃないかなと私は思っております。  また、賠償の問題は、別途措置法を作って、これは国がしっかりとお約束して対処していく。そして、その他の債権者に対しても、これは当たり前ですが、現場作業をされている方々、これはしっかり国が責任を取る、これが前面に出るということじゃないかなというふうに私は思うんですね。  それで、ちょっと時間が来てしまいましたので、茂木大臣に最後にもう一点だけお聞きしたいと思います。これは、済みません、通告を全くしておりませんけれども、答えられる範囲でお願いします。  大臣は、小泉内閣時代、特命担当大臣だったと記憶しております。最近の小泉元総理原発に対する考え方、ありますよね。これは、私も直接お会いしてお聞きすることができたんですけれども原発はゼロにするべきだ、日本ならできる、政治家がその方針をしっかりと打ち出すべきだ、この思い、この思いについて茂木大臣はどのように思われるでしょうか。
  133. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 当時私は、沖縄北方、そして科学技術、ITの担当大臣をしておりました。当時、小泉元総理とエネルギーそして原発について詳しい議論をした、こういう記憶はございませんが、エネルギー政策、そして原発の政策については国民の間でも様々な議論があると、そのように承知をいたしております。  そういったそれぞれの議論も踏まえながら、しっかりした国としてのエネルギー政策、構築をしてまいりたいと考えております。
  134. 松田公太

    ○松田公太君 ありがとうございました。  田中委員長、済みません、ちょっと時間がなくて質問ができませんでしたが、ありがとうございました。     ─────────────
  135. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、牧野たかお君が委員辞任され、その補欠として熊谷大君が選任されました。     ─────────────
  136. 倉林明子

    ○倉林明子君 まず、東電社長質問したいと思います。  この汚染水問題の質疑に当たって、福島第一原発事故が一体どんな事故だったのかということを東電は絶対に忘れてはならないと思うんです。先ほどお話ありましたけれども、当時、逃げろとだけ言われて、放射能の汚染地域を幼い子ども連れて逃げ惑った母親、この苦悩は今も未来も続くものとなっております。さらに、原発さえなければということで命を絶った農民がおりました。ふるさとに戻れない避難生活を余儀なくされている人は十四万七千人とも言われております。あの福島沖は大変な宝の海ということで、その宝の海取り戻そうと必死の努力を続ける漁師がいらっしゃいます。  東電は、改めて、あの事故で一体どれだけの放射能を出したのか、海に一体どれだけの放射能を出して汚したのか、数値でお答えいただきたい。
  137. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) お答え申し上げます。  事故による大気中への放射性物質の放出、まずはそちらの方でございますが、セシウムの134、137合わせて二万兆ベクレルと評価しております。現在は、毎時一千万ベクレルの追加的な放出があるものというふうに評価しております。  一方、海洋への放射性物質の放出ですけれども、事故直後のあの汚染水を漏らしたということなどによりまして、当初はセシウム、これも134と137合わせてでございますけれども、約七千百兆ベクレルが放出されたというふうに評価しております。その後、地下水の汚染などによりまして、これもまた評価の値でございますけど、最大で約二百億ベクレル、これは一日当たりでございますけれども、のセシウムが流出しているのではないかという評価を行っているところでございます。  以上でございます。
  138. 倉林明子

    ○倉林明子君 規制委員長に確認したいと思います。  原発事故で、これほどの、これほど海が汚染された例が過去にあるでしょうか。
  139. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) いわゆる普通の原子力発電所、原水爆実験とかそういうことを除きますと、こういった汚染は最大だと思っております。  ただ、先ほどもお答え申し上げましたけれども、当初は海の汚染もありましたけれども、だんだん落ち着いてきて、海洋、海水中の汚染はほとんど検出されなくなっておりますし、海洋生物への影響もだんだん、もうほぼなくなってきておりますので、これ以上こういった汚染が、環境への影響がないようにすることが私たちの務めであろうかというふうに思っております。
  140. 倉林明子

    ○倉林明子君 おっしゃったように、世界最悪の海洋汚染だということが言えると思うんですね。  先ほど東電社長は、セシウム137、134合算での計算をされておりました。これ、原爆との比較をするため、広島原爆との量を比較するために、セシウム137だけで見てみますと、原発の港湾付近だけで三千六百テラベクレルと。さらに、原発機構の試算で、北太平洋海域に落ちたものということで試算がありまして、これ合わせて八千六百テラベクレルになるというような試算も出ております。これ比較してみますと、広島原爆のおおよそ百倍もの量の汚染がされたというレベルだということなんですね。確かに、規制委員長おっしゃるように、順々に海洋の汚染が軽減されつつあるとおっしゃるんだけれども、そこで起こっているのが今度の事故だということは極めて重大だと思っております。  そこで、あの魚も海も汚した原発事故から二年と七か月がたとうとしております。この汚染水漏れという事態が、必死の努力を続け、なりわいの再開に努力をしてきた漁師に対しては本当に泥水を浴びせるようなことになっていると私は思うんですね。菅官房長官が、汚染水は一切漏れてはならないということを表明されました。  そこで、大臣に伺いたいと思います。これ以上海を汚さないと、この決意はいかがでしょうか。
  141. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 先生、会津の御出身で、ならぬものはならぬと、こういうお気持ちだと思います。我々としても、海を汚さない、こういうつもりで万全の対策を取ってまいりたいと考えております。
  142. 倉林明子

    ○倉林明子君 そこで、政府が一連の事故を受けまして、東電任せにするのではなくて、国が前面に出て必要な対策を実行していくと、基本方針が発表されまして既に一か月がたっております。依然としてタンクからの汚染水漏れで海が汚されていると、こういう事態が続くということに対して福島で本当に一層の怒りが広がっているということだと思うんです。政府基本方針は、この福島の思いに対して本当にこたえるものになっているのかと、ここ、正面から問われている段階だと思うんです。  そこで、この中身なんですけれども地下水バイパスからくみ上げた分、一旦ためて安全性を確認した後というお話ありましたが、この分も、さらにサブドレーンからくみ上げた一部も、さらにはALPSで多核種除去した後、このトリチウム水についても海に流すということがこれ前提となった計画じゃないかと思うんですね。  経産省にお聞きしたいんですけれども、扱い方は検討していきたい、トリチウム水については扱い方を検討していきたいとお話がありました。しかし、結局基準値以下なら海に流せばよいという考えなんでしょうか。ここははっきり確認させていただきたい。
  143. 糟谷敏秀

    政府参考人(糟谷敏秀君) 地下水バイパス、それからサブドレーンでくみ上げた水、それからALPSで処理した後の水、それぞれについてお答え申し上げます。  まず、地下水バイパスでございます。これは、地下水を建屋に近づけないための抑制策として有効な方策の一つというふうに考えております。現在、稼働に向けて漁協等の地元の関係者の方々への御説明を行っているところでございますけれども地下水バイパスでくみ上げた水、これは一時貯水タンクに蓄えまして、水質の安全性を確認した上で安全なものについて海に放出するということを考え、御説明を申し上げております。当然、放出するに当たりましては、貯水タンクや水質の管理体制を強化した上で、地元福島の漁協の皆様を始め関係者の方々への御説明を丁寧に行いながら、また関係省庁の了解も得て進めることとしております。  それから、次にサブドレーンによってくみ上げた水でありますが、これも基準値以下のものになるように処理をするということが前提であります。若しくは基準値以下のものであることを確認するということが前提であります。これについてどうするかということについては、汚染水処理対策委員会専門家知見も活用して検討をしておるところでございます。  それから、トリチウム水の対策であります。  トリチウム水、これは多核種除去設備で処理をいたしましてもトリチウムだけが残るわけであります。現時点でこのトリチウム水を大量に処理できる技術は見付かっておりませんけれども国際廃炉研究開発機構、IRIDを通じて、内外の英知を結集すべく技術提案を求めているところでございます。この中で、トリチウムの分離技術ですとかトリチウムの長期安定的貯蔵方法等についても幅広く提案を募集をしております。  いずれにしましても、これら汚染水対策については、多核種除去設備による汚染放射性物質の処理だけではなくて、山側からの地下水の流入の抑止による潜在的な汚染水の量を減らすということですとか、海側における水ガラスによる地盤改良や遮水壁設置、こういったことを始めとする多角的な対策を講じているところでございます。また、溶接型の貯水タンクも増設をし、今のボルト締め型のタンクを全て溶接型のタンクにリプレースをするということを決めておるところでございます。  こういった対策を講じまして、また、これ以外にも、現在、予防的、重層的対策というのをいろいろ検討しております。こういうことを通じて、汚染水の安易な海への放出は行わないということにしておるところでございます。
  144. 倉林明子

    ○倉林明子君 答弁はできるだけ簡潔にお願いできたら有り難いと思います。  結局、今のお話を伺っても、流さないということではないということじゃないでしょうか。まして、福島では地下水バイパスの水を流すということについても現在では理解を得られるめども全く立っていないというのが現状ではないかと思うんですね。  問題は、私、質問させていただいたように、放射能を含んだ水をこれ以上海に流さないと、この原則をきっちり確立することが大事なんじゃないかという指摘なんですけれども、その点は改めて後から答弁をいただきたいと思います。  で、ここがやっぱり、東電のずさん極まると指摘が繰り返されている対応にも、やっぱり根本ここがあるんじゃないかと、安易に水は流さないと言うけれども、安易にいずれ海に流せばよいという考えが根っこにあると、こう言わざるを得ないと思うんですね。  これまでの、海に流せばよいと、基準以下ならという考え方についてはきっぱり縁を切って、汚染水の海洋放出については、放射能についてはもう海には出さないんだと、こういう姿勢で臨むべきだし、福島にその姿勢をきちんと約束として示すべきではないかと思いますが、いかがでしょう。
  145. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 先生、是非御理解いただきたいのは、答弁は簡潔にとおっしゃると、その一方で説明が不足していると。大変難しいんですね。ちゃんと説明をさせていただかないと、なかなか専門的な問題でありますから。  まず、汚染されていない水についてどうするかという問題があるわけであります。それについては、先ほど糟谷審議官が申し上げたような形で、今、地元の漁協を始め関係者の皆さん、あの放出について御理解を得るような措置をとっております。  そして、汚染をされている水、これにつきましては、放射能、これを除去しなきゃなりません。しかし、ALPSを使っても、より高性能な放射性除去設備を使っても、六十二核種までは取れますが、トリチウムそのものは取れないということでありまして、それにつきまして、取れないものかということで今技術的な知見も集めていると。取れる方法がないかと、若しくはより安全に保管する方法はないかと、こういったことについて検討を進めると。  そして、この汚染水の問題というのは、単に今汚染しているこの水をどうするかということではなくて、阿武隈山系からあの敷地に流れてくる毎日八百トン、そして建屋近くでも四百トンの水、これを減らすことによってその汚染水そのものを減らすことができるわけでありますから、その対策も取っていく。さらには、海側におきまして、地盤改良を水ガラスによって進め、さらには、待ってください、説明しないと説明不足と言われますから。さらには、海側の遮水壁を造る、こういった方法を取ることによって安易な放出をしないということを進めていきたいと思っております。
  146. 倉林明子

    ○倉林明子君 今、東電は、汚染水問題、本当に解決できないという渦中にありながら、再稼働に向けて今動いています。汚染水対策に集中しろという声が出るのは当然だと思います。規制委員会委員からも、東電には放射性物質を扱うノウハウがあるとは到底思えないという批判の声も上がっております。  そこで、東電の職員体制を確認したいと思います。現在、福島第一原発の職員数、事故対応時は二〇一一年七月が最高で千三百人体制でしたが、現在何人か。そして、柏崎刈羽は同じく現在何人になっているか。
  147. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 今先生の御指摘、社員の数ということだと思います。  八月現在、福島第一原子力発電所の社員は約千名でございまして、柏崎刈羽の方は千二百名でございます。
  148. 倉林明子

    ○倉林明子君 これを見ますと、東電は当時から見て三百人職員体制が減っております。協力企業を入れても最高時から千七百人減らした体制で今対応しているということです。一方、柏崎刈羽の方は、職員体制は事故前から一貫して千二百人体制を維持しているというのが状況ですね。事実に誤認があれば答弁でお答えください。  規制庁の長官も、柏崎刈羽原発など他の発電所から人員を回してでも事故対応を適切に実施するように対策の提出を求めたということがありました。  これからだと、計画はこれからだということですけれども、当然この柏崎刈羽からも総動員をして対策に当たると、こういう理解でよろしいでしょうか。
  149. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 先ほどのお答え、少し舌足らずなところがございましたので、先生、二〇一一年七月時点で千三百名社員がいたということで、それとの比較で減っているというふうにおっしゃっているんだと思いますけれども、私ども、社員、会社の中の組織を少しいじっております。  といいますのは、海外の知見を参考にするであるとか、あるいは汚染水対策関係仕事があるということで、東京の本店の方にも汚染水の部門を対策している人間がおります。それが約百五十名おります。今までおらなかった分でございます。それから、また、私が本部長を務めております汚染水タンク対策本部というのが八月の終わりにできたわけですけれども、そこに百二十名の人間を今強化しておりまして、合計すると千三百人ぐらいで、特にいわゆる対応している人間というのは変わっておりません。
  150. 倉林明子

    ○倉林明子君 結局、柏崎刈羽からは一人も動かさないということですか。今の説明、全然分からないんですけど。
  151. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 今のお答えは、済みません、福島対応だけで終わってしまいまして申し訳ございません。  柏崎の方につきましても、あるいは福島第二につきましても、東京電力の全リソースを挙げて福島第一の廃止措置、汚染水、特に汚染水問題について対応していくということで、全社のリソースをここに集中すべく今取り組んでいるところでございます。
  152. 倉林明子

    ○倉林明子君 その際、柏崎刈羽の再稼働の準備作業が始まっているわけですけれども、これはきっぱりやめて福島に総動員するということですか。
  153. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) もちろん、柏崎刈羽にも原子力の安全性確保するために必要な人間というのは当然置いてございますので、そうした者は引き続き置かせていただこうと思っております。  また、再稼働について、今まだ準備を何かしているということではございません。
  154. 倉林明子

    ○倉林明子君 結局、今は入れていないとおっしゃるけれども、再稼働の準備、再稼働を進めようとすれば、今後間違いなく人手も資金もつぎ込むことになるのははっきりしていると思うんですよ。その上で、やっぱり再稼働の準備、再稼働に向けた動きということは断念して、まずは最優先で汚染水漏れに取り組むと、東電を挙げて取り組むという姿勢は示されるべきだと思いますし、その点に関して、大臣政府として、この再稼働に対してはきっぱり中止という決断を求めるべきではないかと思います。いかがでしょう。
  155. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 先日、廣瀬社長の方から柏崎の安全審査の申請を行ったと報告を受けた際に、私としてこの審査に適切に対応するとともに、ただ単に審査をクリアするだけではなくて事業者自ら常に安全性を高める、こういう努力を続けることが必要だと。二点目として、立地自治体を始め地元関係者の理解を得る努力を続けることが必要だと。そして、一番大切なことは最優先課題である福島第一の事故処理、そして廃炉汚染水対策がゆめゆめおろそかにならないように、このことを強く社長の方には要請をしたところであります。  それで、数字でありますけれども、事故が起きた平成二十三年三月の時点では、福島第一原発と柏崎刈羽、要員東電及び協力会社を比べますと、平成二十三年の三月時点は福島が三千四百人、合計で。それに対して柏崎刈羽六千七百人。現状は、福島第一が六千人、そして柏崎刈羽が五千百人と、大勢からいえば、福島第一の方に大きくシフトをしていると考えております。
  156. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 時間が参りました、倉林明子さん。
  157. 倉林明子

    ○倉林明子君 答弁で正確にきっちりしていただきたいと思うんですけれども協力企業もひっくるめて今の数字ではなかったのかということを指摘して、職員と柏崎刈羽との関係では数字に間違いがないと思います。  いずれにしましても、今最優先で取り組むべきは汚染水対策だと、このことに集中して取組を求めて、終わります。
  158. 中野正志

    ○中野正志君 日本維新の会の中野正志でございます。  先ほど、この汚染水問題、与野党問わずというお話がありましたけれども原発再稼働を認める人たちも、また脱原発、反原発を言われる人たちも、とにかくオールジャパンでこの汚染水問題、できるだけ早期に解決をする、これが基本であります。  私たちは、よくユ党と言われるわけでありますけれども、とにかく政権にしっかり協力して、この問題解決のためにできるだけ円満な、スムーズな、スピーディーな形で解決をさせていただきたいな。とにかく一日も早く大丈夫だと、こういう皆さんの意思統一で頑張っていただきたいと思っております。  先日、東電社長はモグラたたきのような状態が続いているという発言をされました。政府は、東電に任せられないとの判断から国が前面に出るということにしたわけでありますけれども東電管理運営能力、あるいは経営手法、体質、それらの改善を図るために具体的にどのような計画でどのように実施しているのか、まずこれを茂木大臣にお伺いをしたいと思いますし、その答弁に続いて、東電としてどうあるかということを社長に御答弁をいただきたいと思います。
  159. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 中野委員とは同じ党で様々な議論をしてまいりまして、今政党が違うというのが何となくにわかに印象として信じられない部分もあるわけでありますけれども。  我々もこの廃炉汚染水対策、加速化をしていかなきゃならない、国も前面に出るということでありますけれども、もちろん御案内のとおり、炉の設置者は東電であります。そしてまた、現場にも精通し、様々な作業に取り組んできたわけでありまして、国も前面に出るからといって、東電現場での責任、これを放棄するということはゆめゆめない、こんなふうに考えておるところであります。  東電にはまず現場体制、これを強化してもらう、このことが何よりも必要だと思っております。同時に、現場と本社、経営層、この間の意思疎通であったりとか情報のやり取りを速やかに正確に行い、それを外部に対して、国民に対して正確にオープンにしてもらう、こういったことは極めて重要だと思っております。そして、国においても、現場体制、調整会議をつくったり、現地事務所をつくったりといったことで強化をしております。  そういった中で、国そしてまた規制委員会東電挙げて対策の加速化に取り組んでまいりたいと考えております。
  160. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 先ほど来、繰り返し同じお答えになってしまいますけれども、とにかく現場をしっかりしなければいけないというふうに思っております。  原子力発電所の中で大体のことは全部できるような、完結できるような組織になっておったわけですけれども、それではいろいろな出てくる問題に対して対処できていないのはもう明らかでございますので、全社を挙げて全社のリソースを投入するということがまず一つありますし、それから私も本部長になっておりますし、それから原子力担当の副社長現場に常駐するという体制も取らせていただいています。  また、加えて、社外の専門家、これは国外も国内もそうでございますけれども、とにかく、もうありとあらゆる皆さんからの御支援をいただいて、それらをしっかり取り込ませていただいて、とにかくしっかり我々が中心となってやっていくという所存で社員一丸となってやってまいりたいというふうに思っております。
  161. 中野正志

    ○中野正志君 是非その覚悟でこれからもしっかりと臨んでいただきたいと思います。  規制委員長お尋ねを申し上げますけれども、新しい基準で再稼働申請の各社、もちろんまだ申請前でありましても、安全性の向上対策、二重にも三重にも当然ながら求められております。  私の地元は宮城県でありますけれども、東北電力の女川原子力発電所は、今までは防潮堤十四メートルでありましたけれども、更にこれ十五メーターかさ上げをして二十九メートルの防潮堤ということになりまして、もうしっかりと津波対応は、ある意味よっぽどよっぽどでない限りは大丈夫だとは私は思います。しかも、敷地内にもさっき言いましたように二重、三重あるいは四重、五重の対応策まで取られているということを聞いておるんでありますけれども、この福島原発、もしあの二年七か月前みたいな津波が押し寄せてきたらどうなってしまうんだろうか。もう大変危険な状況だよなと。これよく私たちのグループでも話題になるんでありますけれども、これ、規制委員長、どうされようと、あるいはどう指示なされようとしておるんでしょうか。また、されてきたんでしょうか。
  162. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 今委員指摘のように、東京電力福島第一原子力発電所以外は、基準津波とか基準地震動というものを想定しまして、それに対応できるようにという要求をしております。  福島第一原子力発電所につきましては、今回の津波に耐えられる、大体十五メートル程度の津波に耐えられるようには今防波堤を造っていただいています。それから、タンクとかそれ以外のところにつきまして、電源車とか、そういうところは三十メートル以上の標高のところに設置していただいております。
  163. 中野正志

    ○中野正志君 私も、防潮堤についてはできるだけとにかく早期に、ぐるり、完成させられるように引き続き御助言をお願いもしたいと思います。  それから、よく言われるこの汚染水の入ったタンクでありますね。ここ数日間の中でもいろいろ言われますけれども、現在約一千基あると。そのうちの三百五十基が、まあ端的に言えば簡易型タンクだと。ですから、もうねじやその他についていろいろ不具合が出てくると。  これ、例えばの話でありますけれども、再び震度六強の地震があった場合、今のまんまではもたないんではないかと。もう二年七か月前のあの地震で地盤も大分傾斜が付いたり緩んでいたりという、あるいは七十センチ地盤が下がったという報道もあるわけでありますけれども、この対策対応策については、規制委員長、どういう形で御指導されていますか。
  164. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 今回のいわゆるフランジ型のタンクについては、漏れとかそういうことは起こっているのも事実ですけれども、一応設置する際には震度六の地震に対しても耐えられるような強度、地盤とか、そのタンク設置方法について求めております。
  165. 中野正志

    ○中野正志君 私の認識とちょっと違うようでありますけれどもタンクの耐久性の問題もある、あるいは老朽化という問題もある。かりそめにも、このタンクがもうひっくり返ったとか、あるいはお互いにぶつかり合って、それで中のものが出た、それで海に流れたということになりますと、今言われているような汚染水の問題どころではない。これ、是非しっかりとした、私はどうも地盤が、大変心配をいたしております、二十メートルぐらい高くなったところにこのタンク群があるということで、現場は見ておりませんけれども、そのことはよく御指導いただきたいと思うんですね。  それから、とりわけ四号機のプール、ここには大量の使用済核燃料棒、これが貯蔵されている現実がありますけれども、これが、地震によってプールが壊れた、あるいは水がなくなったということになったら本当の一大事だと思うんでありますけれども、この四号機の建屋、あるいは全体もそうでありますけれども、対地震対策、対津波対策ということについてはどうでしょうか。
  166. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 先生御指摘のように、四号機も爆発によって相当傷んでおります。それで、その後、地震、いわゆる基準地震動、今回のような地震に耐えられるようにということでプールは補強してあります。四号機につきましては、燃料取り出しの上屋も完成しまして、来月ぐらいからその燃料の取り出しに掛かるわけですが、それについても十分にその地震動に耐えられるようにということで今対策を求めておるところでございます。
  167. 中野正志

    ○中野正志君 是非お話しのように、建屋そのものも、津波が来ても、さっき十五メートルと言いましたけれども、乗り越えてきたやつでも建屋はそれでしっかりガードはできるのだということでやっていただかないと大変なことになるなと、あえて付言をしておきます。  それから、先ほど来、地下水の問題が出ておりますけれども地下水バイパスでありますけれども、できるだけ早急に県の漁連、あるいは関係各団体と話まとめられて、できるだけ早期に稼働させる、このことが何よりも大事だろうと思っております。  さっき大臣から詳しくはお話をいただきましたけれども技術難易度が高い凍土方式のようなものに国が財政措置を進めるとどうも限定をされておるようでありますけれどもお話があった、何というんですか、鋼矢板というんですか、こういった利用、それからPC板といった利用、ある意味、既存技術ではありますけれども難易度の高い技術にこだわらないで、さっき管が敷設されているようなお話もありましたけれども、どうも状況の写真を見ますと、そんな管が敷設されている地域なのかなと、山側にそれをしっかり打ち込んで二重、三重のガードをするとかという発想があってもいいんではないかなと。あるいは、私のところにも乾田方式、乾く田んぼ、乾田方式という新しいプラン持ち込まれたり、いろいろなプラン、聞いておりますけれども、今回、この技術公募に応募しろという提案も、お勧めもいたしておりますけれども、こういった既存技術の方がむしろ私は早期に完成できると思います。  さっき、鋼矢板でありますとどうしても水が漏れるという話もありましたけれども、今の土木技術ですから、ねじの部分にちゃんと薬液さえ投入すれば、土のみならず水だってちゃんと私は遮断できると思うんですよ。もう既存の技術も新規の技術もトータルで使い、東電のみの責任ではありませんから、やっぱり原発事故は国も相応の責任でありますから、余り難易度の高い技術というこだわり方をされない方がいいと思うんですが、いかがですか。
  168. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) もちろん汚染水対策としては決して難易度の高いものに限定するわけではなくて、即効性のあるものから難易度の高いものまで効果のあるもの全てを実施をしていかなきゃならない。そういった中で、鋼矢板であったりとか乾田方式、恐らく東電において必要と認められましたら、一兆円の引当枠、更に今後十年間で積んでいきます一兆円、これを速やかに活用して対策を取るべきだと考えております。  同時に、重層的な対策等々につきましては、今いろんなアイデア、提案を募集しているところでありまして、そこの中で汚染水対策の処理委員会におきまして専門的に精査をいたしまして、必要がある対策については全てやります。そして、その対策内容、これに応じまして適切な役割分担の下で対策を進めてまいりたいと考えております。
  169. 中野正志

    ○中野正志君 それから、事務方に申し上げますけれども、やっぱりALPSの早期稼働というのが何よりも大事であります。二基、三基というお話もありました。あるいは、性能の高度なALPSをこれから技術公募、提案で造っていくという話もありました。やっぱり早期稼働、また増設という点で、その仕上がりが一体いつごろなのか、また、一日稼働からするとどれぐらいできるのかということをもっとPRをしていただかなければなりません。  同時に、ALPSについて、先ほど六十二核種という話が出ましたけれども、やっぱりこのALPSというのはこういうものなんだということを、失礼ですが、東電側でなくて国側から国民向けにもっとPRをしていただきたい、こうも考えておりますが、よければ大臣、いかがでしょうか、ALPS
  170. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) ALPSは特定の機種でありますので、我々としてはより高性能の放射性物質若しくは多核種の除去装置を造っていきたい。現在のALPSが三系統で一日七百五十トンの処理ということでありまして、現在のALPS三系統に加えて東電としては更に三系統と、ですから千五百トンという能力に六系統でなってくると思っております。  我々が考えております、より高性能、これは沈殿しますと固体になるわけですけれど、放射性物質を圧倒的に減容化する、また、除去の性能を上げるわけでありますけれど、より小さなもので大体一日五百トン処理できるというものを考えております。それぞれの稼働時期につきましては、できるだけ前倒しで考えたいと、このように考えております。  残念ながらストロンチウムについては取り除くことはできません。トリチウム、ごめんなさい。トリチウムについては取り除くことはできません。ただ、ストロンチウム等々と比べると人体に対する影響、これは比較的、比較の上でありますけれども少ないということで、まず六十二核種を取り除くと、このことが潜在的なリスクを減らす意味からも極めて重要だと考えております。
  171. 中野正志

    ○中野正志君 PR。
  172. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 東電だけではなくて国としても、なかなか専門的な問題も含んでおります、難しいといいますか専門的なところもありますので、丁寧に正確な情報を繰り返し様々な機会、様々なチャネルを使って広報していきたい、そのように考えております。
  173. 中野正志

    ○中野正志君 是非大臣にはそういった点をなおさら頑張っていただきたいと思うんであります。  先ほどトリチウムの話出ました。決してストロンチウムではありませんで、トリチウムでありますけれども、規制委員長、トリチウムについて、六十二核種は取り除けても一種残ると、それがトリチウムだと。まあ私の認識では、トリチウムは外部、内部被曝共に影響は無視できる程度になると。ということは、もちろん濃度、希釈して海に流すということであればしっかりとと、先ほど来の説明を聞いた上であえて申し上げるんでありますけれども、イギリス、フランス、カナダなどは日本より大量に放出していて、カナダのオンタリオ州のブルース発電所というところでは、千二百八十兆ベクレルを五大湖の一つのヒューロン湖に放流をしていると、これは国連の科学委員会のデータから申し上げておるんでありますけれども、そういう認識で間違いないか。  また、仮に一キログラム・百ベクレルのトリチウムを含む食べ物、これを一年間摂取したとしても健康上問題にならない、〇・〇〇一五ミリシーベルト程度しか検出はされないだろうと。ということでありますと、今、ミリシーベルトの問題、いろいろ除染の問題その他であります。また、現実、食べ物でベクレルの問題もある、飲み水で、まあいいのかどうか、十ベクレルなどという問題もありますけれども、こういう認識で委員長も先ほどお話が出たようにマスコミで放流しかないという発言をされたのかどうか、そのこともお伺いをしておきたいと思います。
  174. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 放射性物質ですから、できるだけ摂取したり外に出さないにこしたことはないんですけれども、トリチウムの除去あるいはそういったことが大変技術的に困難だということがあります。  それから、トリチウムは、放射性物質としては現在までのところ、水、トリチウム水という格好で、我々が仮に飲むとするとそういうことになりますが、それについて健康障害が出たというふうな事例は今のところ世界中ではない。水ですので代謝が非常に早いということもありまして、比較的いわゆる放射性物質としては健康への影響はないというふうに言われておりますが、実際にどのぐらい取ったらどれくらいあるかということについては、多分、私の知る限りにおいては明確なあれはないと思います。ただ、ほかの核種から見たらずっと危険は少ない核種であろうというふうに思います。
  175. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 時間が過ぎております、中野委員
  176. 中野正志

    ○中野正志君 時間でございますので、そういうことも含めてもっとPRをいただきたいと存じます。共々頑張り合いましょう。
  177. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今の質問がありましたので、そこから入る方が分かりやすいかと思いますが、田中委員長がおっしゃったように、IAEAやWHOにしても、国際基準でも非常に健康被害にとっては幅があります。よって、ウクライナの国家報告書のように、二〇一一年四月に、これは世界国際機関に対して国家威信を懸けてウクライナ政府が、いわゆる国家としての威信を懸けて提出したものの中には、子供の甲状腺被害だけではなくて、大人になってからも時間がたって様々な症例があるんだと、こういうことをその事実から言っているわけなんですね。  ところが、その因果関係方法論というところになって幅が出てくるということでありますから、私が議論をしようとしていることは、そうした健康被害というものを十分念頭に置いた、ある意味ではエビデンスというところ、尊重いたします、科学的根拠というのは尊重いたしますが、それでも、国際機関意見でさえ健康被害については、特に長期低線量被曝などについては明確な答えが出ていない。こういったことについて、予防原則に立って、我が国が民主国家として、そして人権国家として世界のリーダー国として国家の品格をどう表すか、国民としての我々の品格、こういったものがどうあるべきか、こういったことも問われている話だというふうに思うんで、田中委員長が言っている先ほどの点は私は非常に共鳴するんですよ。  そこで、まず事務的に質問をさせていただきますが、汚染水貯水タンクを発注したのは誰なんでしょうか、政府参考人
  178. 糟谷敏秀

    政府参考人(糟谷敏秀君) 貯水タンクの発注は東京電力が行ったものでございます。
  179. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 フランジ型と溶接型、この二種類の貯水タンクを承認したのは政府か否か。参考人、どうぞ。
  180. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) お答えいたします。  御指摘の二つの、二種類のタンクにつきましては、東京電力が提出されました実施計画におきましてそれぞれ記載されているものでございまして、これらについては今年の八月十四日に実施計画を認可という形で認可しているものでございます。  ただ、保管タンクの取扱い、特に溶接式への更新を含めた信頼性の向上対策については、留意事項として明記をしているところでございます。  以上であります。
  181. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 明確に答えてください。  この二種類の貯水タンクを既に設置しているわけですが、フランジ型、溶接型は政府は承認したのか、しないのか。
  182. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) 東京電力から記載された実施計画という形で提出されておりますので、これを認可したものでございます。
  183. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 認可したら責任があるんではないですか。  上田エネルギー長官は、九月三十日、衆議院の経済産業委員会で、廃炉を進めていくという責任を持っている、そういう意味では通産省におきましても監督責任というのは果たしていると意味不明なことを言っておられる。  少なくともこの汚染水、この二つのタンクで起きたことについての監督責任は果たせ得たと思いますかどうか、長官、お答えください。
  184. 上田隆之

    政府参考人(上田隆之君) 汚染水問題に関する監督責任に関するお尋ねでございますけれども経済産業省といたしましては、この監督責任を果たす観点から、これまでも四月に廃炉推進会議の下に専門家で構成する汚染水処理対策委員会というものを立ち上げて、五月三十日には陸側遮水壁設置やトレンチからの汚染水除去等、様々な緊急対策、抜本対策を取りまとめて、その実行を指示してきました。  その後、様々な地下水の港湾内への流出の可能性が発表された等々の点が明らかになったことを踏まえまして、国も前面に出る必要があると判断し、廃炉汚染水問題の全体の進捗管理予備費も活用した資金的な支援、内外への正確な情報発信など、政府一丸となって取組を進めることとしたところでございます。  具体的には、九月三十日の原子力災害対策本部汚染水問題に関する基本方針……
  185. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そんなこと聞いてないですよ。責任があるかないか聞いているんですよ。
  186. 上田隆之

    政府参考人(上田隆之君) 私どもといたしましては、こうした取組を進めていくということが監督責任を果たす意味合いであると考えております。
  187. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 それでは、九月三十日のときにALPSの問題出ていませんよ。B南棟の九月三日の雨水によるこの漏水も出ていませんよ、汚染水の。どう責任取りますか。責任があるのかないのかをまず聞いているんです。
  188. 上田隆之

    政府参考人(上田隆之君) 私ども、監督責任という観点から、先ほど申し上げましたような基本的な方針の作成やら、予備費の活用による様々な業務、あるいは日々の東京電力における様々な業務を監視すること等々を通じまして監督責任を果たしていくと。そういう意味におきましては、私どもはこれまでも一定の監督責任を果たしてきたと考えておりますし、今後ともそういう形で監督責任を果たしていくことが必要であると考えております。
  189. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 お尋ねします。  これは政府参考人。一体一Fの、福島一Fのエリアの中にどれぐらいのいわゆる監督する、あるいは作業する、作業というのは東電皆さん、下請の皆さんですね、監督の側、あるいはチェックする側、こういった団体など組織、どれぐらいありますか。
  190. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) まず、私ども規制の立場から申し上げますと、福島第一につきましては、規制事務所設置してございまして、約十名の検査官が東京電力対応についてチェックをさせていただいておるところでございます。
  191. 糟谷敏秀

    政府参考人(糟谷敏秀君) 現地の事務所といたしまして、十名を超える体制をそれとは別途に設けておるところでございます。
  192. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 これは誰に聞きましょうか。東電社長に聞きましょう。  IAEAはいませんか、IAEAから派遣している人たちはいませんか。
  193. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) IAEAの方々についても定期的なレビューをいただいておりまして、まさに今レビューアーが来て、やってきていただいております。
  194. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 いますよね、サイト内に。サイト内にいますね。そして、原子力規制委員会ももちろんいるし、関連の技術を持ったメーカーもいるんです。  誰が巡視しているんですか。この場合でいうと、このタンクは誰が巡視しましたか、巡回しましたか。今言った団体のチェック機関の中の実際には誰が巡回をしていたんでしょうか、していなかったんでしょうか。
  195. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 誰に答弁求めますか。
  196. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 政府参考人に通告しています。
  197. 山本哲也

    政府参考人(山本哲也君) まず、タンクの直接管理につきましては、今回の漏えい事象を踏まえまして、東京電力におきまして点検頻度、体制を強化して点検、確認を実施しているというふうに承知しております。  私ども規制の立場からは、それらの実施状況を適切に計画どおりに行えるかどうかということを確認をさせていただいておるところでございます。
  198. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 つまり、皆さん、はっきりすることは、現場は全て東電と関連企業の皆さんであって、規制当局は、言葉は若干適正ではないかもしれませんが、報告を受けるということでバックヤードにいるんですよ。この体制を直さない限り無理なんですね。大臣、このところを頭に入れてください。  そのために私は、これを一つ持ってきました。先生方のお手元に、七、八枚紙なんですね。  これは、残念ながら、私、県会議員をやっていましたとき、六十二年ごろでございますが、東京電力原子力発電所のみならず、ほかの原子力発電所でもいわゆる原子力村の体質というのがありまして、ここは福島原子力発電所について申しますが、これだけ原子炉の停止事故があるんですよ、ずっと。そして、二つ目ですよ、赤線で、七ページ、八ページ、これ入れましたが、そこで発覚したというだけで、この六十一年とか昭和五十何年に含めて、データの改ざん、隠蔽、報告遅れ、しかも致命的だろうと言われるひび割れまであった。これを隠しているという体質が東電の体質なんです。  私は、作業をする人たちに手を抜くなとかいいかげんやっていると言うつもりはないんです。東電全体の責任の問題としてこういう体質があるから福島県民は全くもって信用できないんです。どうして一緒に歩くというような体制が取れないか。お金が前面に出て、一緒に監視するという体制前面に出ていないではないですか。これができなかったらうまくいかない。  なぜならば、このところで、皆さん、見ていただきたいのは七ページ。昭和十四年、これも大変な問題で、全基原発が止まるんです。平成ですね、失礼しました、二〇〇二年。自主点検作業の中で全部、二十九件、これは柏崎刈羽を含めてですが、六十一年から十三年の間不正が行われていたんです。自主点検は一切規制庁は監督しない。そして、十月二十五日、規制官庁が監督している定期検査でも不正が行われているんです。原子力村です。  こういうところにきっちりとした緊張関係をつくっていかなければならないのではないのかということを、大臣、そして規制委員長廣瀬社長に私はこの際お話をしておきたい、そして肝に銘じていただきたいということです。  その中で、次の話に移らせてください。  作業をする人の安全というものも我々はうんと心配しなければなりません。世界の皆様、海を通じて、空気を通じて、そして何よりも福島、そして近郊の皆さんの問題、健康を考えなきゃならないんですが、作業をする人の安全管理の監督規制は規制庁責任ですか、規制委員長
  199. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 全般的な労働安全に関するところは厚生労働省が所管しております。放射線被曝、放射線業務従事者の防護については私どもが監督しております。
  200. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 ここは一体となってやってください。  そして、東電社長お尋ねします。  旧ソビエトのチェルノブイリの原発事故の拡大を防ぐために、多くの方々が犠牲になりました。リクビダートルという名前の下に、国家の英雄として国民の尊敬と慰霊の念を持たれているんです。  我々も同じ気持ちですよ。現場でやっているという意味では、東電と関連会社の皆さんがやっているんです。だから、感謝はします。しかし、だからといって、こういう事故の度々のものを見過ごすわけにいかないんですよ。東電のそういう社風が、これまでの四十年なの。それを改めなかったら経営形態を変えろというのは当たり前の話じゃないですか。  少なくとも、被災者の皆さんと被災地と、今日ここで言うのは、この作業員の健康管理、これもいろいろなずさんな問題がある。きちんとやってもらって健康管理を続けていかない限りは、その人たちの被曝の上に我々の犠牲が、犠牲者が生活していくことになってもならないんですよ。それこそ両立しなくちゃいけない。健康問題しっかりやってください。  規制委員長、そして社長に求めます。しっかりやるかどうか。手短に。
  201. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) きちっと被曝管理は基準に基づいてやります。
  202. 廣瀬直己

    参考人廣瀬直己君) 私どもも、これは長期の闘いになりますので、しっかりとした管理をしていきたいというふうに思っております。
  203. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 だから、柏崎刈羽に人手を任せるというのは難しくなるんですよ。東電本社の社員の人だって現場に行かなきゃならないでしょう。関連会社だけにやらせるんですか、無責任な。被曝量を減らすためにも、社長はおっしゃっているでしょう、六千五百人の人たちを被曝量を考えながら回さなきゃならない、そうインタビューでも答えていますよね。無理があるんじゃないですか、柏崎刈羽をやるというのは。この点だけ申し上げておきます、先ほどから話が出ていますから。  最後になってまいりますが、私は、最後に提案として申し上げたいために幾つかの問題を指摘いたしました。規制委員長、九月三十日、衆議院経済産業委員会で井坂委員に答えて、規制庁汚染水問題について責任があるということは認識しておりませんと断言しているんですが、汚染水問題について責任はないんですか。
  204. 田中俊一

    政府参考人(田中俊一君) 少し誤解があったようですけれども汚染水対策をするという意味においては、規制委員会前面的に立っていないわけです。ただ、結果的にこういったことが起こって社会的にいろんな不安要因を起こしているということについては、ある種の責任は感じております。
  205. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 ここは時間がないので後日の話にさせていただきますが。  このもう一枚の、大臣皆さんもお願いしたいと思うんですね。田中委員長が九月三十日、有識者会合で行った、これは衆議院での話がある中でこの経済産業省がある、そして十月三日にまたああいう雨水の問題からの漏水があった、こういう中での話です。  この中で、規制委員会は、一ページの左の下ですね。赤です。原子炉等規制法に基づく特定原子力施設に指定というふうなことで福島原発の廃止をやっているということを言っているんです。そして、廃止に伴う安全を確保するための規制、指導を行うと言っているんで、今のやっぱり委員長の発言というのは、どこかでも委員長は発言されているんですが、どこまでやっていいか、何をやっていいかというところの部分で、廃炉については、実はこの右側の改正法案を見ていただきたいんですが、今度は是非自民党、公明党さんの御協力もいただいて、民主党さん始め野党全党がこれは参議院で法律として出したんです。  この法律は何を言っているかというと、その迷いにこたえているんです。そして、先ほどのような、もう現場任せの話じゃないことをやるためには、原子力規制委員会の目的にきちんと廃炉を行う責務と所掌事務と、そして様々なところに廃炉をやるんだって書かないといけないんです。廃炉、今、炉規法って普通言いますが、炉規法で特別なこの危ない特定原子力施設に指定されたがために経済産業省の下で廃炉をやるという仕組みになっているんです。これを変えないと、先ほどからの、ほとんどのところこれ、皆さん、今日の出席政府委員のところあるように、経済産業省に汚染水特別問題の監査官を置いたり、廃炉のチームを組んでいるんです。これではまたなあなあになるんです。ですから、こういう法改正をしていかなくちゃいけない。  そして、大臣の下では、恐らくこれは環境省になるんでしょうけれども、いわゆる基盤機構と合体するという話が、先ほど話が委員長からも出ましたが、その法案をやるときと合わせ技でもいいですから、廃炉の専門審査会をこの原子力規制委員会の中に置いてください。形上、今だって委員長、置いているんでしょう、結局は、委員会で。ところが、これは法律にないんです。あるのは核燃料と原子炉の専門安全審査会だけ。福島の事件があって、これだけの問題があって、廃炉の安全専門審査会がないということ自体が何をやっていいか分からないことをつくっているということです。  そして、三番目ですが、これだけの事故、事件がありながら、法律を改正したのにもかかわらず、ノーリターンルールというようなことばかりに頭が行っちゃって、福島原発を安全のうちにやることやって早く収束させるということの一言もない。東日本大震災で起きた原子力事故って書いてあるんですよ。どこの事故ですか、それ。風評被害がある、関係ないですよ、そんなことは。  この曖昧さを改めるために、最後に大臣に御相談とお願いをいたしますが、野党全党で、共産党さんはもっと厳しくやれという意味でございましたが、出した法案、今度の参議院選挙で廃案になっております。自民さん、公明さんのお力添えもいただきながら、どうぞこれは、与野党の先生方います、これが再提出できるように、今野党の方では再提出で自公さんにも協力をもらおうと、こういうことになっております。大臣の御理解の上、御協力をいただきたいと思いますが、大臣の御見解をいただいて、最後の質問といたします。
  206. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 議員立法につきましては、当然その必要性、取扱い、国会において御判断をいただく問題だと、そのように考えております。
  207. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 一分あります。  大臣の誕生日を祝しますが、大臣の選挙区は足尾鉱毒事件の田中正造のまさに選挙区であります。田中正造は、少なくとも、いろいろな課題もありましたけれども、被災者の側に立った、そういう意味での人生を歩まれたと思います。大臣も同じ立場であることを私は理解をしておりますが、今度の水俣で行われる政府主催の国際会議もそうですけれども、慰霊祭が行われるんです。その慰霊祭、この汚染水で水俣の方は心を痛めたと思います。そういう水を飲んでどうなったかという心配があった。どうぞ政府も、この慰霊祭に代表が出席されることを望みながら、そういう姿勢や気持ちを福島県のみならず被災している人たちはそう思っているんで、どうぞそういうところにも配慮していただいて、どうぞ茂木正造になっていただけることを期待して、終わります。
  208. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時三十四分散会