○小川敏夫君
民主党・新緑風会の小川敏夫です。
ただいま
議題となりました
内閣総理大臣安倍晋三君
問責決議案に
賛成の
立場から
討論させていただきます。
まず、
安倍総理のこれまでの実績でございますが、誠に評価できないものでございます。
内政問題。アベノミクスと称しておりますが、例えば、大胆な金融緩和、結果はどうでしょうか。一部の資産家、投資家あるいはヘッジファンドが利益を上げただけで、しかし、小麦やガソリン、電力などの生活物価は上昇し、むしろ生活苦を招いておるんではないでしょうか。実体経済が改善しないまま、まさに物価が上がるという、こうした困難な状況がもたらされつつあります。更に困難な状況に陥るでしょう。
あるいは、財政出動、行っておりますが、しかし、長い
自民党政権が積み上げてしまったこの大きな国債という名前などの借金、この財政問題をどのように解決するのでしょうか。全く道筋がありません。言葉だけで、中身がないものでございます。
そして、成長戦略、余りにも中身がないので、成長戦略が公表された瞬間、株価が下がるということがまさにその評価でございます。あるいは、目玉がない。目玉として薬のインターネット販売、これの解禁が目玉であるかのように喧伝されておりますが、成長戦略という中で余りにも小さな話ではないのでしょうか。しかも、薬のインターネット販売、
自民党安倍
政権は、
衆議院のマニフェストにおいて、この薬のインターネット販売は解禁しないと約束していたんではないでしょうか。まさにマニフェスト違反のその
政策をもって成長戦略の目玉だと。余りにも中身がないこの成長戦略、まさにアベノミクスがただ単にお金をばらまく、
日本を、経済を危うくする
政策だということ、これが見えているのではないでしょうか。
安倍総理には
内閣総理大臣の資格はございません。
まず、一番大切なことは、うそをつかないということでございますが、
安倍総理のこの御発言はどうでしょうか。
例えば、
平成二十四年十一月十四日に行われた党首
討論において、
安倍総理は、野田前
総理との間に、今
国会中に
衆議院の定数削減を含む抜本的な改革を行うことを約束し、
平成二十四年十一月十六日には国対委員長間による
合意文書も作成されました。しかし、
与党は、今
国会中の抜本改革には応じようとせず、〇増五減という小手先の
法案を成立させることで幕引きを図ろうとしました。やはり、これは、
総理はうそをついていると言わざるを得ません。
例えば、この〇増五減に関しまして、
総理は、
国会審議におきまして、〇増五減が不十分であることを指摘された際、〇増五減に代わる案をもう既に
提出しているとでたらめを言いました。しかし、
提出していないことが指摘されると、いや、すぐに
提出しますと言いました。しかし、結局、
提出していません。これはうそで、うそをついたということではないでしょうか。
あるいは、
総理は、海江田
民主党代表との間の党首
討論で、あたかもアベノミクスの成功を吹聴するように、
安倍総理になって四万人の雇用が拡大しましたよと声高々に言いました。しかし、事実は四万人の雇用が拡大したのではなくて、四万人の求人が増えただけであります。まさに、これも
総理はうそをついているのであります。
あるいは、
総理の
国会答弁。パート労働者の賃金、ずっと下がり続けていたのが安倍
政権に替わってから上がったと、このように
国会で
説明しました。しかし、実際には安倍
政権になる前からパート労働者の賃金は上昇しております。安倍
政権に替わったから、あるいはアベノミクスが出たからパート労働者の賃金が上がったのではございません。まさに、
安倍総理はうそをついておるわけでございます。
あるいは、年金の問題。
国会の答弁で、物価が上がれば年金も同じように上がると、このように答弁しましたが、しかし、正しくは、年金は物価と賃金の双方に連動して上がるのでありまして、物価だけで上がるという
総理の答弁はごまかしであります。
例えば、成長戦略。
国民総所得などということまで持ち出して、十年後には一人当たり百五十万円、これを増加すると言いました。しかし、
総理は、
都議会選挙に先立つ街頭遊説で、
国民総所得ではない、一人一人の収入が百五十万円上がると全くうそを言いました。
こうした
総理のうそを一つ一つ指摘されているのに、うそをうそでないかのように言い張ってやじを飛ばす
与党議員には
失望の限りでございます。
あるいは、農業所得。農業所得を十年間で倍増させるかのような
説明を行っております。すなわち、
総理の
説明では、農業所得と農村地域のこの所得を合算したものを十年間で倍増するという、このように書いてありますが、しかし、あたかも農業所得だけが倍増するかのように
国民あるいは農業者を誤解させておるわけであります。農業所得と農村で生ずる所得、すなわち農業所得を倍にすることはできない、しかし、農村地域にできる例えば缶詰工場など、こうした本来農業所得でないものを含めて将来十年間で倍増すると言って、あたかも農業所得が十年間で倍増するかのように
国民や農業者を誤解させているのでございます。
あるいは、今、多くの
国民、非正規労働者、この賃金が下がり続けております。その一番の原因は非正規雇用が増加していることにありますが、
総理は、この非正規雇用の問題に取り組もうとせず、むしろ正規雇用にまで解雇をしやすくするような、そうした
制度を検討しております。まさに、
国民を欺くそうした
政策ではないでしょうか。まさに、
総理は、
国民を欺くうその答弁、
国民を誤解させる
説明、それによって今架空の
国民の支持を受けているのではないでしょうか。
次に、外交問題、これについても触れましょう。
総理は、侵略についての定義を問われた際に、侵略の定義についてはいろいろあると答弁しました。これは重大な意味を持ちます。すなわち、侵略の定義にはいろいろあるということは、定義の仕方によっては侵略になるけれ
ども、定義の仕方によっては侵略にならないという、こういう意味を有するわけでございます。どうでしょう。
あるいは、河野談話につきまして、河野談話は、軍隊が家に押し入って女性を連行したなどと言っておりませんが、
総理は、河野談話がそのように言っていると、うそを、決め付けて、そして批判をしておるわけでございます。
このような
総理の行動、言動によりまして、米国、韓国、中国との関係は最悪に陥っております。今、北朝鮮の拉致被害者、これを救出することが
国民の悲願でございますが、米国や韓国、中国との関係が悪くなれば、ますます拉致被害者の救出は遠のいてしまうのではないでしょうか。
安倍総理、あなたの
責任であります。
安倍総理、あなたは
日本を取り戻すと言っておりますが、取り戻すのは戦前の
日本の軍国
政治を取り戻したいのですか。そして、
総理、米中関係でオバマ大統領が取った対応と、
安倍総理に対するオバマ大統領の対応は余りにも違い過ぎます。
安倍総理、あなたはオバマ大統領から見捨てられているのではありませんか。
そして、このように内政、外交で間違っている
総理大臣が、今回、この
国会を無視するという暴挙に出ました。
予算委員会、これは既に提案者の
説明にもありましたとおり、規則にのっとって適法に開催された
委員会でございます。そして、これまで、
議長の
不信任が
提出されたとしても、
予算委員会を始め
委員会の
審議は開催する、そして国務大臣が
出席するというのが先例でございます。にもかかわらず、
議長不信任が出ているからという、
理由にならない
理由をもって
出席しなかったわけでございます。
憲法六十三条、まさに、
国会に求められたときには、
総理大臣、国務大臣は
出席しなければならないという
憲法上の
義務を無視したわけでございます。
総理大臣としてあるまじき行動でございます。
例えば、与
野党の
協議が調っていないから出る必要がないということでありました。数が少数の人間が
反対している
委員会なら
憲法を無視していいというのでしょうか。そのようなことがあるはずはございません。
また、
議長の
不信任動議が出ているからという
説明でありましたが、そもそも、
議長の
不信任動議が出る前から
委員会の質疑通告を
拒否するという、まさに仕組まれている行動を取っているということが明らかになるような不誠実な対応をしているわけでありまして、
憲法を無視するというこの
姿勢は余りにも明らかでございます。
まさに、国権の最高機関のこの
国会を無視する、そして
民主主義、そして
議会制度を、これを冒涜する、まさに違法極まりない行動でありまして、決して許されるものではありません。
何やら
政権は、
都議会選挙に勝ったから傲慢にならないように気を付けようなどと言っている向きもあるようでございますが、もうまさに、既に
憲法を無視してなりふり構わずやるという傲慢の極致、傲慢の権化に至っているのが今の
安倍総理の
姿勢でございます。
憲法を無視し、
憲法を尊重しない人に
憲法を論じる資格はありません。そして、間違った権力者がルールを無視して行うことほど危険な
政治はありません。
憲法六十三条に違反し、九十九条を軽んじ、九十六条を
都合よく改正しようとする安倍晋三君の
姿勢は、
民主主義への挑戦であり、断じて許されません。安倍晋三君には、直ちに
総理の職を辞することを求めます。
安倍総理におかれましては、十分な反省をして、三度目の
総理を目指して
努力するよう進言して、私の
賛成討論とさせていただきます。(
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