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斎藤嘉隆君 今
局長からもるるありましたけれ
ども、この
センターの
利用そのものがやっぱり
被害者にとって何かこうちゅうちょをさせるような要因が、今おっしゃられたこと以外にも、いろいろあるんではないかというように
思います。
日弁連さん始め、
行政書士さん、あるいは
司法書士さん、こういった
方々、多くの皆さんが
被害者の
賠償にかかわる相談や代理の業務、お手伝いをしていただいています。こうした
方々からいろいろ聞き取りをさせていただきますと、
東電さんの
対応はちょっとおいておいて、この
原子力損害賠償紛争解決センター自体の
対応が極めて不適切ではないかという
指摘が実は多々なされているんです。
そのうちの一つは、今まさに
局長がおっしゃったように、和解案提示に最初は三か月とおっしゃっていたのが、蓋を開けてみると八か月も掛かっているということがまず一つあります。
それから、この
審査会の
賠償指針そのものを細かく見ていくと、
損害賠償基準としてやっぱり極めて不十分ではないかなと、低いのではないかというような
指摘もあります。
ちょっと例を挙げますと、避難に伴う精神的な
損害ということで、
生活費増加分も含めて一律月額十万円というものが示されていますけれ
ども、これは自動車の自賠責保険の補償額、こういったものを参考に、それより低い額が設定をされているのではないかと
認識をしていますし、不動産
賠償額は固定資産税評価額の一・四三倍ということになっています。この額で本当に、
事故前と同
程度の家を取得をするということが本当に可能なんでしょうか。
それから、これはちょっと本当にちっちゃな話でもないとは僕は思うんですけど、ペットの損失。本当にかわいがっていたペットが置き去りになり、そしてもう命を失ってということが起こっているんですけれ
ども、このペットの扱いなんかもちょっと調べてみますと、家財扱いで五万円
程度という評価なんですね。僕も犬飼っています、愛犬家ですから。彼がこの
状況の中で命を分かっていて落とさざるを得ないような
状況になったときのその損失の費用が五万円。これは、やっぱり
被害者でなくてもおかしいと思うんではないかなと。三十万円以上掛かったペット、購入のときにですね、それについては領収書を出してくれれば
賠償しましょうということですから、うちの犬は三十万円もしませんでしたけれ
ども、これ、買ったときの領収書なんて持っていらっしゃいますか、皆さん。
こういったこともやっぱり、いろいろこの指針
自体も随時見直しはされているんですけれ
ども、極めて
現状においては不十分ではないかと思っています。
それから、仲介の
委員の
方々には大変恐縮ですけれ
ども、
被害者側に大変過度な書類の
請求をする、あるいは証拠の要求をするということもお声としていただいていますし、どちらかというと
事業者寄りの姿勢が目立つというお声もいただいています。
被害者の口頭審理、これは東京のみで例外的にしか行わない、こういったこともあります。それから、先ほ
どもありましたけれ
ども、内払和解、部分和解の拒否、あるいは直接
請求との併用の拒絶、こういったことも
指摘をされているわけであります。
本当にこの
ADRセンターに駆け込めば
被害者の立場に立って納得のいくような形で和解へと導いてくれるのか、このようなことに疑問があるからこそ、先ほどあったように、
センター利用を
被害者がちゅうちょをする、そのような
状況が生まれているのではないかと
思います。改めてこのことについての
文科省の
認識と今後の改善の方針をお聞きをしたいと
思います。