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徳永エリ君 今御
説明していただいたことは、
個体数
調整を決める、捕殺を決める前から十分に分かっていたことでありまして、
方針転換の
理由には全くなっていないというふうに思います。
捕殺による
個体数
調整で
被害が低減するのではないかということで、非常に捕殺ということには
地元は期待をしておりました。
専門家の方々もはっきり言っているんです。これ、
個体数
調整をすれば
被害は低減する、やるべきだというふうにおっしゃっています。
ゼニガタアザラシも自然な状態でいれば、どんどん頭数が増えていけば餌も足りなくなって自然淘汰されていくということも起きてバランスも取れるんでしょうけれども、えりもの
ゼニガタアザラシは定置網の中に入っていって、それで魚を食べている。言わば餌付けされていることと同じなんですね。ですから、自然に淘汰されていかないんですよ。もうどんどん増えていくばっかりなんですね。だからこそ、捕殺をして
個体数
調整をしなければいけないということだったんですね。
私は昨年、このえりもの漁協の
皆さんが議員会館の私のお部屋に来ていただきまして、いろいろ
皆さんからどんなに大変かという
お話を伺って、すぐその週末、
現場に飛びました。
現場でまた更にいろんな方の
お話を聞いて、
現場も見せていただいて、これは何とかしなければいけないということで、当時、私の同期が環境
委員会の筆頭
理事でありまして、その筆頭
理事にも声を掛け、
環境省の
皆さんにも来ていただいて、何とか知恵を絞って考えようということで、えりもに限っては、
ゼニガタアザラシは
絶滅危惧種であるけれども、えりもに限っては増え過ぎていると、だから、
個体数
管理をしなければいけないんだ、やりましょうということで答えを出していただいて、もう本当にこれは大きく動いたと、
環境省も重い腰を上げてくれたということで、
現場、えりもの方々も大変に喜んでおられたんです。今年は、海保やそれから警察とも打合せを済ませて五月上旬にも捕殺を
実施するということで、まさによしというときに
方針転換となったわけで、これは納得できるわけがないんですね。
それで、えりも岬のこの
ゼニガタアザラシ、どういう
状況かよく御理解していただいていない議員の方もいらっしゃると思いますので、今日ちょっと資料を用意してみたんですけれども、これ、えりもに何度も入って
調査をしている東京農大の小林万里准教授の資料であります。
とにかく
被害の範囲もすごく広がっていますし、それからこのアザラシの数なんですけれども、三十年間でカウントされた上陸
個体数は約五倍になっているんです。現在の推定生息
個体数は七百七十七頭。
被害量は三十年間で約十倍に増加しています。現在の
被害量は漁獲高の一一・六%ということなんですね。
被害範囲は、三十年間でえりもの岬の先端の五キロから庶野というところまで、十五キロまで拡大しているという
状況であります。
もう本当に定置網の中は食い散らされたサケとかタコとか大変な
状況でありまして、そして、
ゼニガタアザラシはミズダコとかカジカとかカタクチイワシとかマダコ、スルメイカ、メバル、スケトウダラ、ホッケ、もう何でも食べちゃうんですね。これだけの量を食べるということで、一日に一トンから二トンぐらいの魚が
ゼニガタアザラシによって食べられているのではないかというふうに見られています。
そして、この
被害額なんですけれども、えりもでは三千万と言われていますが、
平成二十四年度のえりも漁協の資料によりますと、サケの定置漁業における
被害では、
被害金額は三千九百万円になっています。そして、タコのタコ網漁業における
被害ですけれども、これは五百五十九万円となっておりまして、本当に
地元では死活問題になっているんですね。
このまま方針を変えずにいますと、
被害がますます拡大していってしまいます。もし方針を変えないのならば、漁業補償も含めて、今後どうしていくのか、水産庁との協力も視野に入れながら検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。