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参考人(
栗山真理子君) NPO
法人アレルギー児を支える
全国ネット「アラジーポット」の
栗山真理子と申します。本日は、
食品表示の
審議の中で
アレルギーに関してお話しする
機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、二人のぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物
アレルギーの子供を三十数年前に育てた経験から、十年前に患者会を立ち上げ、子育ての最中にこんなものがあったらよかったなと思ったものを企画、制作、配布しております。
お
手元の資料の御
説明を少しさせてください。
「みんな友だち」というCDとパワーポイントになっております紙芝居は、学校や幼稚園など、病気のないお子様に
アレルギーのある友達のことを知っていただくためのものです。お
手元のものは小さくて御覧になりにくいかもしれませんが、実物をお持ちしておりますので、御
関心のある方はお声をお掛けくださいませ。また、三つ折りとなっております入園・入学マニュアルとアラジーポットの赤い表紙のものですが、それは、お母様が幼稚園や学校の先生方に自分のお子様の
アレルギーについて
説明するときに使っていただくためのものです。また、黄色い表紙のセルフケアナビは、当事者である病気のお子様と御家族のセルフケアのための
情報です。患者視点で欲しいと思った
情報を入れさせていただいております。小さめの抜き刷りは、
アレルギー学会誌に今年の一月に掲載されたもので、患者の視点で考えたチーム医療について専門医の先生方に知っていただくためのものです。真ん中に挟まっているニュースレターは、
アレルギーの研究者に患者の立場をお伝えするためのものです。
このようなものにより、
アレルギーにかかわる全ての
方々、赤い三つ折りのパンフレットを開いていただいて、その右上のお花のようなマークになりますが、そのような周りのいろいろな
方々との連携の上に実現し、
社会環境の
整備をしてまいりたいと思っております。今回は、直接
表示について書いたものはまだありませんが、今後、法制化に伴い、患者会として、患者、病気のない
方々へ
食品表示について知っていただくためのパンフレットを準備中です。
アレルギーに関する
課題には、一、本日の
食品表示の中で御
検討いただいております適切な
アレルギー表示、二、学校、幼稚園、保育園で子供
たちが安全に過ごすことができるよう給食を含めた正しい
理解とその対応、三番、ガイドラインに基づいた診療や
情報提供によってほぼ完全なコントロールができることを患者にも
社会にも、そして医療者にも知っていただくこと、四番、コントロールはできるようになったけれども予防や完治はまだまだです、予防や完治に向けた研究の
充実などであると考えております。その中でも、本日は、
食品表示の中の
アレルギー表示ですので、それに関してお話をさせていただきます。
若いお母様方にはあって当たり前の
食品表示ですが、私どもの子育ての最中にはなかったもので、この間の先輩のお母様方、また
アレルギーにかかわる専門医、政治や
行政にかかわる
方々、そして
企業の
方々の御尽力により、
アレルギーの子供
たちの命にかかわる安全のための
食品表示が進んでおりますことに心から感謝を申し上げます。誠にありがとうございます。
七つの
義務表示、十八の推奨
表示は、命にもかかわる安全を守るために必要不可欠なものです。このことを御
理解いただき、今後ともより一層実のあるものに進めていただきたいと思っております。そして、その
検討の場は、
是非、当事者である患者会の立場の者も御一緒に
検討する場としていただきたいと思います。
食物
アレルギーでは、子供
たちは、みんなにとって栄養となるもので死ぬ可能性があることを
社会に知っていただかないと、命が守れません。また、子供が倒れているときに、心臓発作かな、高いところから落ちたのかな、低血糖なのかなと思い浮かべる
選択肢の中に、もしかしたら食物アナフィラキシーショックかなというのを入れていただきたい。そのためには、多くの
方々に食物
アレルギーを知っていただきたいと思っております。
食品表示にアレルゲン
表示があることは、
社会に知っていただくためにもとても大切なことだと思っております。
表示がなかった私の子育て当時、我が家の外食は、小麦で造ったおしょうゆを持っておすし屋さんに行くことが外で取る食事の全てでした。調理されている
食品を買ってきて食べることはほとんどできませんでした。全ての料理を家庭ごとに家で調理する毎日でした。食べられる市販品については、
表示のない中ではお母さん
たちの間での
情報交換に頼っておりました。
表示のおかげで、市販品の中から食べられるものを選ぶことができるようになりました。
表示により、
アレルギーのあるお子様のいる御家庭の食生活は大きく改善されたと思います。
アレルゲンは人によって異なります。普通の人には栄養となる食べ物が食べられないというのはとてもつらいことです。でも、それ以上につらいのは、そのことを
理解していただけないことです。今回の災害時などでも、避難所で食べるものがなくて
一つのおにぎりを分け合って食べているときでも、ひっくり返して
表示を確認する作業は欠かすことができません。しかし、その御
理解が
社会にないと、非常時にわがままを言ってと言われて、避難所にいることがつらくなったりします。
表示を確認することは食物
アレルギーのある子、人には命にかかわる必須のことであることを
社会に広く認識していただいていることがとても大切なことだと考えております。広く
社会に知っていただくためには、
表示や給食などを通じて、またそのときの友人を通じての
理解がとても大きいと思います。
皆様の御
理解とお力添えが欠かせません。どうぞよろしくお願い申し上げます。
食物アナフィラキシーショックを起こしたことのあるお子様は、二〇〇六年の文部科学省の調査では〇・一四%と言われています。割合という数字になってしまうと小さな数字のようですが、人数にすると約一万七千人のお子様になるそうです。二万校の小学校があることを考えると、一校に一人、決して少ない数ではありません。その子供
たちが安心して給食が食べられる、自分でお菓子を選べるようになるために、それぞれのお立場の方が何ができるか、御一緒に考えて、それぞれができることを、するべきことをしていく決心をつなげることで子供
たちの命を守っていただくことをお願いしたいと思います。
本日はどうもありがとうございました。