運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2013-06-19 第183回国会 参議院 消費者問題に関する特別委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十五年六月十九日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  六月十四日     辞任         補欠選任      尾辻かな子君     谷  博之君      田城  郁君     前川 清成君      青木 一彦君     石井 準一君      磯崎 仁彦君     石井みどり君      江島  潔君     片山さつき君  六月十七日     辞任         補欠選任      山村 明嗣君     大河原雅子君  六月十八日     辞任         補欠選任      小川 勝也君     尾辻かな子君      大河原雅子君     山村 明嗣君      石井みどり君     高階恵美子君      末松 信介君     熊谷  大君  六月十九日     辞任         補欠選任      白  眞勲君     西村まさみ君      石井 準一君     赤石 清美君      上野 通子君     石井 浩郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         加藤 修一君     理 事                 金子 洋一君                 斎藤 嘉隆君                 中西 祐介君                 二之湯 智君                 山本 博司君     委 員                 小川 敏夫君                 尾辻かな子君                 谷  博之君                 樽井 良和君                 西村まさみ君                 白  眞勲君                 前川 清成君                 松井 孝治君                 山村 明嗣君                 赤石 清美君                 石井 準一君                 石井 浩郎君                 上野 通子君                 片山さつき君                 熊谷  大君                 高階恵美子君                 藤井 基之君                 松下 新平君                 渡辺 猛之君                 山田 太郎君                 谷  亮子君                 大門実紀史君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣消費者        及び食品安全)        )        森 まさこ君    副大臣        内閣府副大臣   伊達 忠一君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        亀岡 偉民君    事務局側        常任委員会専門        員        五十嵐吉郎君    政府参考人        消費者庁次長   松田 敏明君        国税庁長官官房        審議官      刀禰 俊哉君    参考人        一般社団法人全        国消費者団体連        絡会事務局長   河野 康子君        日本チェーンス        トア協会専務理        事        井上  淳君        一般社団法人新        経済連盟事務局        長        関  聡司君        特定営利活動        法人アレルギー        児を支える全国        ネット「アラジ        ーポット」専務        理事       栗山真理子君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○食品表示法案内閣提出衆議院送付) ○政府参考人出席要求に関する件     ─────────────
  2. 加藤修一

    委員長加藤修一君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、青木一彦君、磯崎仁彦君江島潔君、田城郁君、末松信介君及び小川勝也君が委員辞任され、その補欠として石井準一君、片山さつき君、谷博之君、前川清成君、高階恵美子君及び熊谷大君が選任されました。     ─────────────
  3. 加藤修一

    委員長加藤修一君) 食品表示法案を議題とし、参考人方々から御意見を伺います。  本日は、本案審査のため、参考人として一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局長河野康子君、日本チェーンストア協会専務理事井上淳君、一般社団法人新経済連盟事務局長関聡司君及び特定営利活動法人アレルギー児を支える全国ネット「アラジーポット」専務理事栗山真理子君に御出席をいただいております。  この際、参考人方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  参考人皆様方から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、本案審査参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  それでは、議事の進め方について申し上げます。  まず、河野参考人井上参考人関参考人栗山参考人の順序でお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  御発言をいただく際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、河野参考人からお願いいたします。河野参考人
  4. 河野康子

    参考人河野康子君) 一般社団法人全国消費者団体連絡会事務局長河野康子でございます。食品表示法案検討に当たりまして意見を申し上げる機会をいただきましたこと、感謝申し上げます。  お手元に簡単なレジュメを用意いたしました。御参照いただけると幸いでございます。  さて、今回の表示法案ですけれども、これまで多くの法律がかかわっていて複雑で分かりにくかったこともございまして、包括的、一元的な制度の創設は歓迎したいと思っております。  食品表示は、私たち国民消費者にとりまして、健康で安全な食生活を送るための道しるべでございます。特に、食のグローバル化加工技術進歩によるフードチェーン複雑化、また、生産現場消費現場が遠くなったことなどで食の実情が見えなくなっております。消費者にとりまして、毎日食べる食品情報は非常に有用で、しかも関心のあるところでございます。  さて、この法律目的としまして、安全性確保と自主的、合理的な選択機会確保が示されております。  まず、この表示によりまして私たちに確実に知らされるべき情報というのは安全に関するものだというふうに思っております。消費期限とそれから開封後の管理など保存方法はセットで提供されるべきだというふうに思っております。コールドチェーンの発達など、技術進歩があっても期限表示は大事でございます。さらに、アレルギーに関しましては、引き起こす食品原因物質範囲特定、ぱっと見て分かりやすい図式等でのルール化が必要だというふうに思います。  また、合理的な選択機会で申し上げますと、経済性というのは非常に重要です。商品の価格に敏感である私たち消費者は、容器包装表示にどの程度コストが掛かるのか、それを誰が負担するのかを示されるべきだというふうに思っております。品質に差異のない場合の原産地表示、それから、商品となったときに検出不可能な添加物遺伝子組換えなどの表示は、消費者ニーズ事業者実態など、実行可能性コストを考慮すべきだというふうに思います。  さらに、義務化が進められている栄養表示でございますけれども、非感染性疾病、つまり生活習慣病の予防にもつながるもので、糖分、塩分、脂肪分はできれば商品の表でぱっと見て分かる表示を望みます。  また、現在は、事業者が任意で記載しているために単位がばらばらですが、義務化の際は是非統一して、成人が一日に必要とする栄養成分のうち、その食品を食すことで摂取可能な量を分かりやすく示していただきたいというふうに思っております。  次に、二ページ目に参りますけれども、新しい表示制度基本理念でございます。ここに消費者の権利の尊重と消費者自立支援が書かれてございます。この記述は大いに評価したいと思っております。この国の食の安全というのは、食品安全委員会健康影響評価関係省庁による管理措置の下、生産者製造者流通小売業者など関係者努力で守られていると思っております。その上で、私たち消費者は、自主的、合理的に行動することができるように必要な情報提供される、その指標として食品表示があるということでございます。消費者教育推進法の施行もありまして、特にこの自立支援ということは重要だと考えております。  そのために、まず消費者にとって分かりやすい表示をお願いします。印刷のポイントを大きくする、配色を工夫するなど識字効果を高めることと併せまして、限られたスペースを有効に活用して必要な情報消費者に伝えるためには、図式を利用するとか、QRコード等を使ってIT技術を活用するなど、提供する側と受け取る側双方にとって分かりやすい、つまりコミュニケーションが成り立つ表示というのが求められていると思います。そのためのルール作り、それからそれを読み解く消費者への学習、周知など、消費者教育推進の中で御検討いただければというふうに思います。  次に、不適正な表示に対する措置ですけれども、表示で一番大事なこと、重要なことは、食品中身表示が相違ないかということでございます。表示基準の遵守、つまり表示への信頼を高めるためには、計画的な検証、監視体制の確立が望まれます。また、適格消費者団体差止め請求権が書かれてございますけれども、このことに関しましては、食品表示基準違反の立証のための支援が必要だというふうに思います。  消費者にはいろいろな暮らしがございます。食についてもいろいろな考え方がございます。表示はあくまでも表示であり、商品選択の際の手掛かりになるものでございます。  改めて申し上げますけれども、表示で一番重要なのは中身表示が合っているということです。今後検討される個別の要件につきまして、義務化されれば、当然中身表示されたものが合っていなければ法律違反となります。事業者の皆さんはうそをつかないために努力すると思いますし、実態と照らし合わせますと、実現できることとそれから難しいことがございまして、当然正しい表示のためにはコストが発生すると思っております。また、悪徳業者の対策としまして取締り強化は当然ですけれども、真面目な事業者さんにとりますと、一つ間違えれば命取りの事態になることも想像に難くございません。  表示範囲が拡大して実際に表示されることになっても、表示が正しいのかどうかには検査が必要で、検査機関等の作業が追い付かなければ、せっかくの義務表示は絵にかいたもちになってしまうというふうに思っております。日本食品表示食品内容を的確に表し、私たちの本当に毎日の暮らしに役に立つよう、今後の基準等検討をいただければと思います。  最後に、表示に関しまして、実は先日の日本再興戦略、ジャパン・イズ・バックで取りまとめられましたいわゆる健康食品機能性表示することに関しまして、消費者として大いに不安があり、また混乱が生じるというふうに考えております。健康食品機能性表示させるならば、その効果をどう証明し認可するのか、消費者にその効果程度を的確にお知らせいただき、購入の際に合理的な選択ができるのか、明確で信頼できるデータの裏付けが欲しいと思っておりますし、その裏付けがないままで機能性表示に移ることは大いに疑問があるところでございます。  是非、慎重な御審議、拙速な導入はやめるべきだというふうに考えております。  私からは以上でございます。ありがとうございました。
  5. 加藤修一

    委員長加藤修一君) ありがとうございました。  次に、井上参考人にお願いいたします。井上参考人
  6. 井上淳

    参考人井上淳君) チェーンストア協会井上でございます。  チェーンストア協会スーパー、ホームセンター、専門店など、チェーンストア五十七社から構成をされています。会員各社お客様への安全、安心の御提供、そしてお客様の望む商品、サービスの御提供に日々努めています。これは商売の最も基本的な部分でして、協会としても会員各社取組支援、推し進めているところであります。  今回の食品表示法案、おおむね消費者庁検討会で様々な議論を重ねた結果を踏まえた内容になっていると認識をしています。一元化がなされるということは、複雑な体系がシンプルになりまして、用語も統一されるなど、消費者にとっても、それから小売事業者にとっても、そして行政担当者にとっても分かりやすくなるものと期待するところであります。  その上で、本日、意見を三つ申し上げさせていただきます。  第一点目、まず、今後の具体的な表示項目表示方法表示基準として内閣府令で定められることになると思いますけれども、この表示義務化に対する考え方です。  そもそも、表示というものは商品内容に関する情報お客様である消費者に伝えるためのものであります。そこで、正しい情報消費者に伝わり、消費者がそれに基づいて選択判断する社会の形成、それはとても望ましいことだと考えています。  ただし、法律による表示義務化というのはそのための一つ手段であります。法律による義務化という手段を用いるべきかどうかという問いに対しては、別途、実行可能性社会的コストという視点を踏まえた判断が必要だと思っています。すなわち、表示に表される情報というのは、生産者から流通小売を経てお客様に届くというものでありますので、小売消費者皆様に正しい情報提供するというためには、生産者から小売にまで正しい情報が伝わってくることということが前提になります。  このように、サプライチェーンに携わる者みんなで最終ランナーである消費者方々情報というバトンを渡すわけですから、世の中事業者がみんなで実行できる義務でなければバトンは正確に渡らず、かえって社会混乱を招くということになります。また、正確な情報伝達を行うために多大な手間暇コストを掛けなければならないような規制というのは、活力ある社会を停滞させるということにもなります。  したがって、例えば命や健康に直結し、大きな影響を与えるような情報については法律義務化して、みんなで確実、正確にバトンを渡すべきと、こういう判断に傾きますし、そうでないものについては、事業者による自主的取組、あるいは表示以外の自主的な情報伝達、例えばお客様相談充実、こういったものを促していく方が適当であるという判断に傾くと思います。このように、義務化に当たっては優先順位を付けるということが求められると思います。  実際、日本流通業界お客様は神様という意識が非常に強うございます。消費者方々の声におこたえして、事業者の自主的な取組による様々な情報提供伝達のための努力や工夫をしています。ですから、消費者選択判断する上で必要となる情報提供を促す手段、これは必ずしも法律による義務化だけではないという理解が大切だと思います。  ところで、法律義務化をする場合、消費者への情報提供事業者規模の大小という情報提供者側事情とは関係がないということに留意が必要です。すなわち、消費者からすれば、必要な情報供給側規模にかかわらず必要なものです。それゆえに、義務化に当たっては、全ての事業者が実行可能であるということが基本となるものでありまして、経営体力あるいは実行力などで劣る小さな事業者に対しては、例えばみんなで活用できるデータベースの整備、あるいは個々の事業者に対する支援措置、こういうものでしっかりサポートするということで、みんなで正しくバトンを渡すことができる体制というものをつくっていくことが大切だと思っています。  また、表示義務化に当たって優先付けが大事ということは、消費者のライフスタイルやニーズ多様化し、一方で商品多様化が進んでいるということを考えると、一層求められるところでございます。  すなわち、一方で、核家族化あるいは単身世帯の増加、高齢化などから、商品を小さく小分けしてほしいというニーズも増えております。勢い表示スペースも限られてくるという傾向にあります。また、一方で、お客様ニーズ多様化あるいは技術開発などを背景として、原料の調達あるいは商品開発も様々に進み、商品多様化してきています。さらに、お年寄りなどにとっては文字を大きくということも重要な要請でございます。  こういう様々なニーズ事情の変化の中で、あれもこれも全ての情報商品表示するということは実際上できなくなるということも出てきますし、情報過多ということがかえって多くの一般消費者にとって分かりにくい状態というものをつくり出してしまっては本末転倒です。また、例えば表示スペースを十分に取るために容量を大きくしますと、お客様に無駄な買物をしていただくことにもなりますし、食品ロスを誘発するという社会的な無駄も生んでしまいます。多くの情報提供すべきという要請、それだけを考えれば、もちろんそれはそのとおりでありますけれども、ほかの課題消費者から寄せられるほかの要請も併せて判断して、優先順位に基づく義務化を進める必要があると思います。  このように、消費者への正しい情報伝達するという目的のために表示義務化という手段選択するに際しては、実行可能性社会的コストを踏まえ、多くの消費者ニーズや様々な社会課題との調和を考慮して優先順位を決めていくことが必要であります。  二番目に、執行体制一元化であります。  これまで三法が統一的、整合的ではなかったというのは、法律自体の問題というのもありますけれども、担当省庁縦割りになっているということも大きな原因であります。例えば、保健所農政局で見解が異なる、あるいは農政局指導に従ったら保健所から違う指導が受けたと、そういった声が企業から上がっています。  今回、法律一元化を歓迎する一つの大きな理由は、こういった縦割り行政の弊害が解消される期待からです。そしてまた、執行体制に関しては、担当者理解行動均一化、これも課題です。もちろん行政官といっても人間ですから、厳しい人、優しい人、気の強い人、温和な人、様々だと思いますけれども、マニュアルの整備あるいは担当官の研修、教育充実、こういうものを通して執行現場理解行動をそろえるということを是非お願いをしたいと思います。  三番目に、消費者への普及啓発です。  情報が正しく伝達されても、それが正しく理解され、正しい行動に反映されないと、表示制度充実したけれども世の中は良くならないということになってしまいます。例えば、賞味期限賞味期限を過ぎたらもう捨てた方がいいというような誤解や、そういう消費者の過度な鮮度志向があると、賞味期限制度の存在というものが食品廃棄の増大という別の問題を生んでしまいます。また、食育あるいは中長期的な健康管理という実践が伴いませんと、各々の商品栄養情報というものは意味がないものになってしまいますし、せっかくの原産地情報がかえって風評被害を招いてしまうということにもなりかねません。  したがいまして、表示情報伝達充実と併せて、消費者情報受信力判断力を高めることが大切です。消費者一人一人、それは私たちみんなが消費者の一員であるわけですけれども、努力と研さん、あるいは消費者啓発というものが重要になりますし、行政による分かりやすい広報というものも重要だと思います。それと同時に、多くの一般消費者受信力水準というものをベースとした情報発信を心掛けないと、それこそ情報過多で消化不良、あるいは誤解に基づく誤った行動を生んでしまうということにもなります。  情報発信情報受信というのはキャッチボールのようなものです。ボールがあらぬ方向に行かないよう、両者の相互理解と対話の積み重ねが大切だと思います。  以上で終わらせていただきます。
  7. 加藤修一

    委員長加藤修一君) ありがとうございました。  次に、関参考人にお願いいたします。関参考人
  8. 関聡司

    参考人関聡司君) 新経済連盟の関でございます。本日は、食品表示法案について説明機会をいただきまして、ありがとうございます。  お手元に資料をお配りしておりますので、それを使って説明させていただきます。  おめくりいただきまして、二ページ目でございます。  新経済連盟は比較的新しい団体でございますので、概要と、なぜ食品表示にかかわっているかということを簡単に御説明したいと思います。  二スライド目の表におきまして、まず、設立が二〇一〇年の二月でございまして、昨年の六月に新経済連盟名称変更をいたしました。  新産業ということをターゲットとして、その発展を目指していると。それで、国政の健全な運営とか地域社会の健全な発展に資するということを目指しておりますし、それから、新産業自体経済活動発展活性化、それから、それによる国民生活安定向上というものに寄与することを目的活動をしております。  おめくりいただきまして、三スライド目になります。  食品表示との関係でございますけれども、新産業と言われるものの中には食品に関連する事業もたくさんございまして、特にEコマースを中心に当連盟会員企業にも多数の会員がございます。例えば、インターネット通販でありますとかネットスーパーでありますとかカタログ通販等、そういった小売関係事業者、それから食品製造をしている事業者あるいはインターネットモールをしている事業者、こういったものが含まれております。食品表示基準をこの法案では決めようとしておりますが、小売業者などの販売関連事業者も大きくかかわる話でありますので、当連盟としても非常に大きな関心を持っております。  おめくりいただきまして、四スライド目以降、当団体のこの法案に対する懸念点を御説明していきたいと思います。  まず、全体的に見まして、ネット事業者等販売専門家が十分参画しておらず、実態を把握しないまま、新たに不合理な義務が課されるおそれがあるのではないかという基本的な懸念を持っております。  このスライド表示しておりますのは、平成二十四年八月に消費者庁検討会報告書ということで出したものから抜粋したものでございます。  例えば、インターネットは複数回クリックするだけで取引が完了するという特徴を有しているという説明及びそれの前提に立っていろんな検討がなされていると。実態は、ここに書いてありますように、いろいろ複雑な段階を経て購入という手続が行われております。そのほかの、カタログ販売についての説明、それから自動販売機についての説明もやや偏った説明がなされ、それに基づいた議論がなされているというふうに考えることができるかと思います。  結果、その一番下にありますように、インターネットだけ義務化をする必要があるのではないかというような議論がなされていて、果たして十分な前提条件が認識されているのかということについては大きな疑問を持っております。  おめくりいただきまして、五スライド目でございます。  ここには、注文あるいは購入時に容器包装を手に取って確認できない販売方法ということで、幾つか例を挙げさせていただいております。  先ほど説明いたしましたネット通販とかカタログ通販、自動販売機以外にも、百貨店の注文カウンターにおきましても商品によってはその場で手に取ることができないこともございます。あるいは電話注文、テレビ通販というものもございます。こういったものも含めて十分なその販売実態の確認が必要かなというふうに考えております。  特に、扱う商品の特性などによっては表示困難な情報というのもございます。例えば、下の左にありますように、お節なんというのはかなり購入されておりますが、これはネット通販でありましてもあるいは百貨店でありましても同じなんですけれども、予約時にはまだ材料がどうなるかということも確定していないケースもございますので、その場合には原料原産地が不明確であるということもございます。その他、実効性とかコストとかそういったことも十分考慮する必要があるのかなというふうに考えております。  おめくりいただきまして、六スライド目になります。  法案についての懸念ですけれども、先ほど説明したような状況下で、まず一つは、この法案の中では表示基準を府令で定めるというふうにされております。その中身が必ずしも明確ではございませんので、中身は後で、枠だけ先にという仕組みの構成になっておりますので、これにより行き過ぎた裁量行政を助長するおそれがあるのではないかというふうに懸念を持っております。これは、法律に具体的な表示基準の外延といいますかイメージが記載されていないので、ちょっとどういうものが最終的に表示基準として義務化されるのか分かりませんが、少なくとも法案審議に当たっては具体例が示される必要があるのではないかというふうに考えております。  実際のところ、現在では事実上白紙委任の状態ではないかというふうに思われるということです。府令で定めるということになっておりますので、事業を制約するような新たな義務付けについても、担当省庁である消費者庁の裁量で決めるという可能性が出てくるのかなというふうに思っております。  特に、一番下にありますように、情報公開が不十分なまま基準が策定されるということになると非常に大きな問題があるのかなと思っておりまして、例えば昨年の十一月に消費者庁から報告書の取りまとめについてパブリックコメントの募集がなされたことがありましたが、それからかなり時間がたつんですけれども、その結果が公表されていないのではないかというふうに思っております。今年四月には消費者庁の担当課とお話しする機会もあったんですが、その際には作業中という説明を受けたんですけれども、その後も公表がされていないのではないかというふうに思っております。  おめくりいただきまして、七スライド目でございます。  二番目として、食品の取引実態に及ぼす影響への配慮、これを担保する仕組みが不十分ではないかというふうに懸念を持っております。  法案の中には、小規模事業者への配慮等、理念規定は置かれてはおりますが、幅広い取引実態への配慮を担保するというところまでの仕組みができていないのではないかというふうに思います。特に、流通小売業者が大きくこの法案にはかかわってくると思うんですが、それを所管する経済産業大臣等の意見をちゃんと反映できるような仕組みが法案上明記されていないということは非常に懸念を持っております。  また、表示基準策定に当たって、販売現場実態をよく知る者、例えばその販売にかかわる事業者等の専門家が参画するということがやはり制度上担保されておりませんので、結果として現実と懸け離れた表示基準が策定されてしまうのではないかとか、あるいはいろんなコスト増とかそういったことがあって、価格への転嫁あるいは食品ロスといった消費者とか環境に及ぼす問題も発生するんではないかというふうに懸念をしております。  最後のスライド、八ページになります。  今まで御説明した内容を踏まえて、意見といたしましてはこの矢印の下側になりまして、法案審議に当たっては、あらかじめ表示基準の具体案について十分御説明をいただいた上で、それを審議していただく必要があるのかなというふうに思っております。  二番目としては、表示基準の策定に当たってあらかじめ経産大臣にも協議するということを法案上も明確にすべきだろうし、あるいはほかの省庁もございますので、政令で規定するということも表示基準についてはあるのかなというふうに思います。  さらには、三点目として、表示基準内容について販売現場事情に詳しいインターネット通販事業者であるとかネットモールの事業者、こういった者が参画した形で検討を行う必要があるのかなと、かつそれはオープンな場で十分情報公開をすべきではないかというふうに考えております。  以上でございます。ありがとうございました。
  9. 加藤修一

    委員長加藤修一君) ありがとうございました。  次に、栗山参考人にお願いいたします。栗山参考人
  10. 栗山真理子

    参考人栗山真理子君) NPO法人アレルギー児を支える全国ネット「アラジーポット」の栗山真理子と申します。本日は、食品表示審議の中でアレルギーに関してお話しする機会をいただきまして、誠にありがとうございます。  私は、二人のぜんそく、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーの子供を三十数年前に育てた経験から、十年前に患者会を立ち上げ、子育ての最中にこんなものがあったらよかったなと思ったものを企画、制作、配布しております。  お手元の資料の御説明を少しさせてください。  「みんな友だち」というCDとパワーポイントになっております紙芝居は、学校や幼稚園など、病気のないお子様にアレルギーのある友達のことを知っていただくためのものです。お手元のものは小さくて御覧になりにくいかもしれませんが、実物をお持ちしておりますので、御関心のある方はお声をお掛けくださいませ。また、三つ折りとなっております入園・入学マニュアルとアラジーポットの赤い表紙のものですが、それは、お母様が幼稚園や学校の先生方に自分のお子様のアレルギーについて説明するときに使っていただくためのものです。また、黄色い表紙のセルフケアナビは、当事者である病気のお子様と御家族のセルフケアのための情報です。患者視点で欲しいと思った情報を入れさせていただいております。小さめの抜き刷りは、アレルギー学会誌に今年の一月に掲載されたもので、患者の視点で考えたチーム医療について専門医の先生方に知っていただくためのものです。真ん中に挟まっているニュースレターは、アレルギーの研究者に患者の立場をお伝えするためのものです。  このようなものにより、アレルギーにかかわる全ての方々、赤い三つ折りのパンフレットを開いていただいて、その右上のお花のようなマークになりますが、そのような周りのいろいろな方々との連携の上に実現し、社会環境の整備をしてまいりたいと思っております。今回は、直接表示について書いたものはまだありませんが、今後、法制化に伴い、患者会として、患者、病気のない方々食品表示について知っていただくためのパンフレットを準備中です。  アレルギーに関する課題には、一、本日の食品表示の中で御検討いただいております適切なアレルギー表示、二、学校、幼稚園、保育園で子供たちが安全に過ごすことができるよう給食を含めた正しい理解とその対応、三番、ガイドラインに基づいた診療や情報提供によってほぼ完全なコントロールができることを患者にも社会にも、そして医療者にも知っていただくこと、四番、コントロールはできるようになったけれども予防や完治はまだまだです、予防や完治に向けた研究の充実などであると考えております。その中でも、本日は、食品表示の中のアレルギー表示ですので、それに関してお話をさせていただきます。  若いお母様方にはあって当たり前の食品表示ですが、私どもの子育ての最中にはなかったもので、この間の先輩のお母様方、またアレルギーにかかわる専門医、政治や行政にかかわる方々、そして企業方々の御尽力により、アレルギーの子供たちの命にかかわる安全のための食品表示が進んでおりますことに心から感謝を申し上げます。誠にありがとうございます。  七つの義務表示、十八の推奨表示は、命にもかかわる安全を守るために必要不可欠なものです。このことを御理解いただき、今後ともより一層実のあるものに進めていただきたいと思っております。そして、その検討の場は、是非、当事者である患者会の立場の者も御一緒に検討する場としていただきたいと思います。  食物アレルギーでは、子供たちは、みんなにとって栄養となるもので死ぬ可能性があることを社会に知っていただかないと、命が守れません。また、子供が倒れているときに、心臓発作かな、高いところから落ちたのかな、低血糖なのかなと思い浮かべる選択肢の中に、もしかしたら食物アナフィラキシーショックかなというのを入れていただきたい。そのためには、多くの方々に食物アレルギーを知っていただきたいと思っております。食品表示にアレルゲン表示があることは、社会に知っていただくためにもとても大切なことだと思っております。  表示がなかった私の子育て当時、我が家の外食は、小麦で造ったおしょうゆを持っておすし屋さんに行くことが外で取る食事の全てでした。調理されている食品を買ってきて食べることはほとんどできませんでした。全ての料理を家庭ごとに家で調理する毎日でした。食べられる市販品については、表示のない中ではお母さんたちの間での情報交換に頼っておりました。表示のおかげで、市販品の中から食べられるものを選ぶことができるようになりました。表示により、アレルギーのあるお子様のいる御家庭の食生活は大きく改善されたと思います。  アレルゲンは人によって異なります。普通の人には栄養となる食べ物が食べられないというのはとてもつらいことです。でも、それ以上につらいのは、そのことを理解していただけないことです。今回の災害時などでも、避難所で食べるものがなくて一つのおにぎりを分け合って食べているときでも、ひっくり返して表示を確認する作業は欠かすことができません。しかし、その御理解社会にないと、非常時にわがままを言ってと言われて、避難所にいることがつらくなったりします。  表示を確認することは食物アレルギーのある子、人には命にかかわる必須のことであることを社会に広く認識していただいていることがとても大切なことだと考えております。広く社会に知っていただくためには、表示や給食などを通じて、またそのときの友人を通じての理解がとても大きいと思います。皆様の御理解とお力添えが欠かせません。どうぞよろしくお願い申し上げます。  食物アナフィラキシーショックを起こしたことのあるお子様は、二〇〇六年の文部科学省の調査では〇・一四%と言われています。割合という数字になってしまうと小さな数字のようですが、人数にすると約一万七千人のお子様になるそうです。二万校の小学校があることを考えると、一校に一人、決して少ない数ではありません。その子供たちが安心して給食が食べられる、自分でお菓子を選べるようになるために、それぞれのお立場の方が何ができるか、御一緒に考えて、それぞれができることを、するべきことをしていく決心をつなげることで子供たちの命を守っていただくことをお願いしたいと思います。  本日はどうもありがとうございました。
  11. 加藤修一

    委員長加藤修一君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  12. 金子洋一

    ○金子洋一君 民主党の金子洋一でございます。  今日は参考人の皆さん、本当にお疲れさまでございます。どうもありがとうございます。  与えられた時間が十五分でございますので、ちょっともう本題に早速入らせていただきます。  まず、新経済連盟の関事務局長にお尋ねをさせていただきます。  このプレゼンテーション資料の一番最後になります八ページの下の四角の中についてなんですけれども、特に、内閣府令で表示基準を策定するんですけれども、ここに販売現場に詳しい専門家、特にインターネットの通販業者やインターネットでモールをやっている人々が参画した形でオープンな場で検討を行ってくれというふうに書いてあります。  少しお話の中にもありましたし、私も実は数日前に質疑の場でパブリックコメントの取扱い方がまだ出てきていなくて遅いじゃないかということをお尋ねをさせていただきました。そしたら、これは法律で定められたものじゃないんで出さなくてもいいんですと聞こえかねない御返事が来ましたので、それは幾ら何でもないだろうというふうに消費者庁に申しました。  そういったようなことを踏まえて、この一番最後の三行というのは、これは、要するにこれまでに取られてきたような作業だけでは透明性に欠けているから駄目なんだと、もっときちんとやってくれという御趣旨なんでしょうか。
  13. 関聡司

    参考人関聡司君) ありがとうございます。  そのとおりでございまして、販売現場専門家等の意見を踏まえないと、やはりおかしな基準になってしまうのではないかというふうに強く懸念を抱いております。  例えば、ちょっと手元に昨年の七月二十日の第十一回食品表示一元化検討会の議事メモがあるんですが、その中をざあっと見ていきますと、消費者庁側の説明として、例えば、インターネット通販だと思うんですけれども、容器包装であれば提供される情報というものが、インターネットの場合には必ずしも提供されないというような説明をされています。  これは実態としては全然違いまして、やはりインターネットの場合におきましても、容器包装に書いてあるような情報でそれが表示されているケースというのはありますので、必ずしもこういうふうに決め付けた上でその基準を考えていくというのはちょっと方向が違ってしまうんではないかということがありますので、参加を是非すべきではないかというふうに考えております。
  14. 金子洋一

    ○金子洋一君 ありがとうございます。  これ確認になるんですけど、これまでそのインターネット通販業者やモールの事業者というのは十分に議論の中に入ってきていなかったという御認識でしょうか。
  15. 関聡司

    参考人関聡司君) 検討会等の議論をする立場としては、参加をしていないという認識でおります。
  16. 金子洋一

    ○金子洋一君 ありがとうございました。  続きまして、日本チェーンストア協会井上専務理事にお尋ねをいたします。  法律による義務化というところで、命や健康については正確にきちんと表示をする、そうでないものについては自主的にやってはどうかというふうにおっしゃっていましたが、その場合、具体的に言うとどういう表示になるのか、そういうイメージを教えていただきたいのと、それと併せて、流通業者として、現場の作業というか現場努力として、どういう点に義務化が行われた後は御注意をなさるということになるんでしょうか。  その二点、教えてください。
  17. 井上淳

    参考人井上淳君) まず、一番目の具体的なところというのは、これまた今後、その専門家の方を集めて議論がされるということになると思います。  今直ちにこれこれがということではないんですけれども、当然食品の中には、食品情報の中には、それを間違って情報を得て、それで食したがゆえに健康を害してしまう、あるいは命にも直結すると、こういうものですね。こういうものについてはきちんと、やはり任意ということではなく法律できちんと義務付けてお客様に正しい情報を、それはコストを掛けてもきちんとその情報提供していきましょうということになりますし、そうではなくて、情報を得て選択をしていく上で、そういう情報があった方が選択の幅が広がっていくよねと、こういうものであれば、これはもちろん、それだけ取り出せば、情報があった方がいいというのはそのとおりなんですけれども、他の、要するに社会的なコストでありますとか、あるいはそれによってまた別の問題も生じてしまうとか、そういうものを判断して、これはむしろ自主的な行動を促していく、政府なり国はそれをサポートしていくということが望ましいのではないかというふうに思います。  それから、小売業者でありますけれども、これは当然お客様に対して様々な情報提供をきちんとやっていくということ、これを日々、そのメーカーさん、あるいは卸さんと協力しながら進めています。そういう中で、法律に定められた表示の適正化というのは、これはもう万全を期してやっているわけでありまして、今までの法律、これは各々、三つ、法律で分かれていましたけれども、その下でも同じですし、それから、今回食品表示法に一元化されても同じでございますけれども、仕入れの段階での確認はもちろんでありますけれども、そこから先、例えば表示の書いてある根拠についてメーカーさんに問合せをする、あるいは、特に腐ってはいないかとか、そういう先ほどの命にもかかわってくるような話ですけれども、こういうリスクが高いものについては自社で追加的に検査をしていく、あるいは取引を始める際に、そのメーカーさんの工場にまで行って、これがちゃんと管理されているかどうかというものも確認していくと。それから、もちろん、今は店内で加工するということもありますので、そうした場合には、当然加工においてきちんと衛生管理をするということも当たり前ですけれども、そこに加えて、当然表示についても専門の方々、知識を持った方々がラベリングをちゃんとするというような体制を取って、これは新しい法律であろうと、それは今までの法律でも同じことでありますけれども、万全を期しているところでございます。
  18. 金子洋一

    ○金子洋一君 そのお話を聞いておりますと、やはり中小事業者では結構その負担が大きくなるという理解でよろしいんでしょうか。
  19. 井上淳

    参考人井上淳君) やはりそうだと思います。  そこで、先ほど私が申し上げたのは、やはり消費者の方にとってみると、供給側事情関係がないわけですね。やっぱり必要な情報はきちんと入ってこなきゃいけないということですから、先ほどの説明の繰り返しですけれども、みんなでバトンをちゃんと渡せる体制をつくっていくということがやっぱり大事ですし、先ほどのもちろん、命にかかわるようなものって、これは是非ともそういう体制をつくって進めていこうということになりますし、そうでないようなものはできるところから、できる企業からやっていって、そこでまた、そういうノウハウをまた中小企業方々もそこで学んでというようなことで、任意の取組の前進を進めていくということが望ましいのではないかというふうに思います。
  20. 金子洋一

    ○金子洋一君 ありがとうございました。  それでは、全国消団連の河野事務局長にお尋ねをします。  この表示の問題については、消費者の間で、いろんな物すごく細かく全部書けという方から、分かりにくいから大事なところは大きく書いてほかのは小さく書けと、いろんな意見があると思うんですが、それだけに消費者からいろんな意見を吸い上げるというのは重要になってくるだろうとは思うんですが、そういった消費者団体からの意見というのが今回の法案の策定において十分取り上げられてきたとお考えでしょうか。  そしてまた、法律の中に、消費者委員会意見を聴くという文言がありますけれども、それだけでいいとお考えでしょうか。また、ほかにこういうこともやってほしいというようなことはおありになるでしょうか。
  21. 河野康子

    参考人河野康子君) 今お尋ねにいただいたとおり、消費者団体、私は消費者団体におりますけれども、消費者団体の中にも様々な意見、主張がございます。さらに、消費者団体に入っていない国民ですね、いわゆる消費者の様々な御意見がございます。ですから、消費者団体はある程度、今回の法案の成立過程も了解しておりますし、ここで何が議論をされているかというのは分かっておりますので、それは意見表明がしやすい立場にあると思います。私が一番考えなければいけないかなと思っているのは、消費者団体に属さないたくさんの国民の方が実際は何を望んで、どういうふうな食品表示が日々の暮らしの中で生きてくるかと、そこにどうやったらたどり着けるかというところが、私自身の、非常に、消費者団体にいる私自身の問題意識でございます。  ですから、そのためにどんなふうな、何というんでしょうか、限られたスペースにどうやって情報を載せて、それが受け取った側にとって分かりやすくて、ああ、表示があって本当によかったねと言えるようなものになるのか。そのことに対しては、そうですね、この後、法律ができてから検討期間もございますので、消費者団体というよりは国民にとってという視点で是非検討していければというふうに思っております。  私自身は、先ほど申し上げましたように安全にかかわること、それからそのほか様々求めることに関していいますと、実行の可能性、それから正確さの担保、それからさらに社会的コストのことを考えて、どういうところに落ち着けばいいのかということを是非御協議いただきたいというふうに思っております。
  22. 金子洋一

    ○金子洋一君 時間が余りないので駆け足になってしまいますが、最後にアラジーポットの栗山専務理事にお尋ねをいたします。  つい先ごろ、アレルギーの方が給食を間違って食べてしまったためにすぐに亡くなってしまったという大変痛ましい事件がありましたけれども、それについてコメントがありましたら是非お願いします。
  23. 栗山真理子

    参考人栗山真理子君) そのことに関して、とても難しいことで、とにもかくにも悲しいことでした。私たちはそういうことがないようにこの十年間活動してきたつもりでした。エピペンも保険適用をしていただき、ほっとしていたところにこのようなことが起きて、とても残念に思っております。  まだ今調査をしてくださっている最中なので、何というんでしょうね、早急な答えは出ないと思いますが、まずは何よりも、食べ物で人が亡くなるということに対しての、本当の意味でそれを理解してくださっている方々がやはりどうしても少ない。で、それを現場の先生方に理解していただくために、また対応していただくための制度というか、それをサポートする体制をつくってほしいなと思ったことでした。  なかなかエピペンといっても、現場の先生に打つことを、何というんでしょうね、知っていただくことに今とても大きな時間が掛かっておりますが、それを乗り越えて、なおかつ社会全体が、食べ物で人が亡くなる、そのことに我々大人が何ができるかということをそれぞれが真剣に考えていただけたらなと思っています。本当にこのようなことが二度とないように、私どももできることは努めていきたいなと思っています。  でも、本当にこういう患者の立場の人間たちにとってはとても手の及ばないことが多々ありますので、是非いろいろな立場、特に教育委員会などや専門医の先生方と御一緒に良い環境をつくっていっていただきたいなと思っています。その中で私たちも役割を果たしたいと思っております。
  24. 金子洋一

    ○金子洋一君 ありがとうございます。  食べてしまわないことが一番、混入してこないことが一番いいんだろうと思いますけれども、お話を伺っていますと、済みません、無知で申し訳ないんですが、食べてしまった後でも速やかに何らかの手当てをすれば助かったというか、被害を最小限に収めることができたという理解でよろしいわけでしょうか。
  25. 栗山真理子

    参考人栗山真理子君) 今度の事例に絞っては申し上げられませんが、やはり食べてしまった後の対応というのもとても大事で、文部科学省が監修してくださって作った二〇〇八年に出ました学校でのガイドライン、それから厚労省が作った保育園でのガイドライン、それを是非皆さん、それにかかわる方たちが十分に御理解をいただいて、一人一人のお子様にどういう対応をしたらいいのかを是非学校の中で話し合っていただきたいと思っております。
  26. 金子洋一

    ○金子洋一君 どうもありがとうございました。
  27. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 自由民主党の渡辺猛之でございます。  今日は、四人の参考人皆様方、大変お忙しい中お出かけをいただき、貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。  私も早速質問に入らせていただきますけれども、まず、河野参考人にお尋ねをしたいと思っております。  今回の食品表示法の議論一つ、ポイントの一つが、どのくらいの細かな情報をどの程度の親切さというか丁寧さで消費者に伝えていくか、ここがポイントの一つになってくると思います、これから府令で決めていくにしても。そういう意味では、消団連としては、できれば細かければ細かい方がいいし、できれば丁寧であればあるほどいいというスタンスでよろしいんでしょうか。ちょっとそこを確認をさせていただきたいと思います。
  28. 河野康子

    参考人河野康子君) 細かければ細かいという御指摘なんですけれども、ここのところ俎上に上がっております原料原産地表示、それから添加物の物質名表示、それから遺伝子組換え等でございますよね。確かに、何というんでしょう、信頼できる情報が確実に私たちに分かりやすい形で伝わるという前提であれば、やはり情報はいただけるにこしたことはないのかなというふうに思っております。  ただ、例えば、添加物の化学物質名が書かれていた、私の今晩の夕飯に、それを見たときに判断できるでしょうか。私たち消費者の方に受容できる素養といいましょうか、それがやはり必要ではないかというふうに思っております。先ほども申し上げましたように、ですから、いただける情報はとても有り難いんですけれども、それを読み解く消費者にとっての学習の場ですとか周知の場ですとか、それをやはり同時に用意していただければなというふうに考えております。
  29. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 ありがとうございました。  もう一点お尋ねをさせていただきたいんですけれども、先ほど金子委員の質問に対する御答弁の中で、消費者たる国民が何を望むかと、ここが最終的に重要になってくるというお答えがありました。国民の皆さん方の考え方って本当に幅広いと思うんですよね。もう全ての情報が欲しいという人から、まあ原産地表示ぐらいはちょっと知りたいけれども、あとの細かいのはいいよと。先ほどの事例でも出てきましたけれども、袋のパッケージに思いっ切り脂肪の含有量が書いてあると、私なんかは、食べたいけれどもやめた方がいいのかな、でも食べたいなと、心苦しくなりながらも多分食べてしまうと思うんですよね。  そういう意味でも、やっぱり国民が何を望んでいるかの落としどころを探すときに、バランスを取って両極端から大体真ん中ぐらいでとどめておけばいいかという決め方をしていくべきなのか、それとも、やっぱり本当に興味のある方、心配されておられる方、ここを重点に、多少軸足をこちらにずらして決定をしていくべきなのか、その辺の決定の方法ってどんなバランスの取り方があると河野参考人お考えでしょうか。
  30. 河野康子

    参考人河野康子君) 両側から歩み寄るというのは、私としてはやはりちょっと違うかなというふうに思っております。できれば事業者の方、それから、先ほどからサプライチェーンフードチェーンという言葉がたくさん出ていますけれども、本当に世界各地から集まってくる食品の原材料ですよね、そこにかかわる方全てがやはり前向きに努力していただきたいというふうに思っております。小売の方ももちろんですし、インターネット販売の方もそうです。外食の方も、それからコンビニで売られているお総菜も、全てやはり前向き、前に向いて一歩出る、その姿勢で表示については考えていただきたいと思っています。  ただ、よりきちんとした表示に向かうためにしっかりと考えていただきたいのが、やはりその数字が信用できるのか、それから、当然のことながら検証が必要ですよね。書いただけで終わってしまうというのは消費者にとってみると一番残念な形ですから、中身がしっかり合っているのかどうか、それから、本当に社会的コストがどのぐらい掛かって、生産者の方、事業者の方も含めて、私たちが本当に日本の食に安心して手を出せるかどうかという、そういった意味でいうと、両側から歩み寄るというよりは前に向かってみんなで進んでいただくという、そういう考え方でございます。
  31. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 ありがとうございました。  これ法律が成立をいたしましても、多分、消団連の皆様方の果たしていただくべき役割というのは大きいと思いますので、また適切な御助言をお願いしたいと思います。  続きまして、関参考人にお尋ねをしたいんですけれども、先ほどの御説明を聞いておりまして、今回のこの議論の過程で、インターネットに精通をされた方が議論の過程に入っていないということを御指摘をされました。それは一面正しいのかもしれません。そこは認識をしたんですけれども、実際この法案ができてきて、これから前に向かって進んでいこうという段階で、本当にじゃその関係者が入っていないことによって具体的に想定される懸念、こんなことが心配でと、具体的な事例として考えられ得るものがありましたらちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  32. 関聡司

    参考人関聡司君) 例えば、いろんなケースあると思うんですけれども、食材の変更等あるような食品も多々ございまして、例えば季節的に変わっていくとか、いろんな仕入先で変わるとか、そういったものは製造業者の方は承知しているとは思うんですけれども、流通の過程で、その販売業者まで来る過程で、現状、それをその販売業者が、何というんですかね、自動的に知る仕組みはないということがございますので、例えばロットごとに変わったり、ロットが同じであっても多少変わる可能性もあるんですけれども、その販売業者が知らないうちに、実は、例えばアレルゲンは入っていないと思っていたんだけれども実は入るように変更されていたということが、今の社会の仕組みとして備わっていなかったりしますので、仮にそういったものがあれば、それを踏まえた制度表示義務付けも含めての表示制度にすべきだと思いますので、それはそういった状況がよく分かっている事業者が参加すべきだと、そういう説明でございます。
  33. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 ありがとうございました。  私も余り詳しい方じゃないので、単純に思うと、商品見れば裏側に張ってあるわけですね、ラベルとして。そのラベルをネット上のホームページで書き換えていただければいいので、そんなに難しいことなのかなということを、もう本当、素人並みに思ったわけですけれども、そこら辺のところでも、やっぱり掛かるコストというのはある程度コストが、もしそういう、商品によって、季節によって変更していこうと思うと、やっぱりコスト的にある程度見ておかなければいけないということになるんでしょうか。
  34. 関聡司

    参考人関聡司君) 販売者側でそれに対応するためには、やはりそれなりの体制とかあるいは情報収集の仕組みをつくるとか、そういったことが必要になりますので、どうしてもコストに跳ね返ってくる部分はあるのかなというふうに思います。  単純にそのパッケージに表示されている情報をウエブ等に表示すればいいというようなものではないということは御認識いただきたいなと思います。
  35. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 はい、分かりました。ありがとうございました。  それでは、続きまして栗山参考人にお尋ねをしたいと思うんですけれども、本当にアレルギーを持っておられる方、あるいはアレルギーのお子さんを持たれている親御さんにとっては、非常に心配な点だということを思います。  例えば、そばであるとか卵であるとか、もうアレルギーの人がいるよという、有名になってきた食品の場合はだんだん表示充実してきたと思うんですけれども、この特別委員会議論を聞いていても本当にアレルギーも千差万別で、まさかそんなものがというアレルギー反応を示される方もあるというふうに聞いておりました。  ただ、そのまさかそんなものにまでという食品を、卵とかそばとかいういわゆる有名なアレルギーの対象となるものと同時に表示をしていくというのは相当なやっぱり量になっちゃうと思うんですね。例えば、有名な卵、そば、あるいは小麦粉みたいな今表示されているようなそういうものは今までどおりの表示をしてパッケージに表示をするんですけれども、それ以外のものは、アレルギーということで例えばホームページには掲載してありますというような表示の仕方でも納得できるものなのかどうなのか、その点についてまずお尋ねをしたいと思います。
  36. 栗山真理子

    参考人栗山真理子君) ありがとうございます。  今、表示義務表示七品目、それから推奨表示、両方で二十五品目、それもいわゆる研究ベースできちんと調査、研究ベースあるいは消費者庁さんかもしれませんが、データを収集しての結果選ばれたものなんですね。  例えば、メーンの卵、乳、小麦ですが、三十年前は、実は子供たちにとっての順位は卵、乳、大豆でした。ですから、時代とともに変わっていきますし、それから、多分食生活によっても変わっていくんだと思います。私どものころは、イクラというのはアレルギーを起こすものとして認識されていませんでした。もちろん、ないわけではないんですが、それが今は、イクラ、おすし屋さんが簡便に食べられるようになったというような社会的な事情も含めてそういうふうに変わっていくんだと思います。  増やすことばかりがいいとは限りませんで、今のその二十五品目で九四%をカバーしていただいている。ただ、何がほかに入っているかは、そのほかの手段で知る手段を備えていただくことは大変有り難いことです。お願いできれば是非というところです。
  37. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 ありがとうございました。  もう一点、栗山参考人にお尋ねをしたいんですけれども、お尋ねというよりも、もし御助言があればということでお考えをお聞かせいただきたいんですが、先ほども学校給食のアレルギーの痛ましい事件の話が出ました。学校ということを考えると、学校には栄養教諭の先生がいらっしゃいますし、またあるいは養護教諭の先生もいらっしゃいますね。この学校現場における栄養教諭の先生、養護教諭の先生の活用あるいは連携というものに対して何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
  38. 栗山真理子

    参考人栗山真理子君) ありがとうございます。  実は、私たちは養護教諭の先生方のお力を是非お借りしたいと思っています。栄養教諭の先生やそれから養護教諭の先生方に私はいろいろお話をする機会、研修会などでお話をする機会をいただいているのですが、やっぱり関心のあるないというのはとても大きいのですね、残念ながら。それで、また、養護の先生が必ずしもエピペンを打つとかあるいは病気について御存じの方ばかりではないということに、何か、そうですね、とても残念で怖い思いをしております。できれば注射を打てて当たり前ぐらいの知識を持ったいわゆる、そうですね、そういうできればアメリカなどのようにスクールナースのような存在であっていただけたらなというふうには願っております。  ありがとうございました。
  39. 渡辺猛之

    ○渡辺猛之君 貴重な御意見をありがとうございました。今後の参考にさせていただきたいと思います。  終わります。
  40. 山本博司

    ○山本博司君 公明党の山本博司でございます。  本日は、四人の参考人皆様の大変貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。  今回、この食品表示法案という形で大きく一元化の形での前進が図られたと思います。その中で、やはりこの二年間の中でまだ具体的に検討しなくてはいけない課題がたくさん残されております。その中での内容に関しまして河野参考人にお聞きをしたいと思いますけれども。  ちょうど消団連の連絡会の意見という形でこの消費者基本計画等の見直し等でも御意見を出されていらっしゃいます。その中でも、例えば、この今回の中には入っておりませんが、今後の検討課題ということで、加工食品における原材料の原産地表示義務化に関して、しっかりこれを分かりやすいものにしていきなさいというふうな御意見がございます。こういう御意見とか、遺伝子の組換え食品に関しましても義務化の拡大とか、食品添加物表示の在り方についても御意見を出されていらっしゃいますけれども、その部分、もう少し具体的に、今回、今後二年間掛けて検討していく中でどういう点を踏まえながら進めていただきたいという、その辺りをお話しいただければと思います。
  41. 河野康子

    参考人河野康子君) ありがとうございます。  確かに、原料原産地表示に関しまして、加工食品がどんどん増えてくるに従いまして、どこで作られたんだろうというふうに疑問が湧いてくるわけでございます。  基本的には、現在の法律にも書いてくださっていますように、徐々に拡大の方向で進めていただければというふうに思っております。原料原産地表示を徐々に進めるためには、表示のこれまでの検討会議で多くの時間を割いて検討してくださっていますし、多様な立場のメンバーの方が入られて拡大していく方向でというふうには決められたと思います。  それで、ただ、原料原産地表示に関しましていうと、食品個別に基準が決められているものも、品目もございますし、それから、一くくりで、じゃ原料原産地を全ての食品に拡大しようといっても、品目によってかなりスピード感というのは違ってくると思います。急速に進めますと偽装表示等も引き起こすことになりかねませんし、故意でなくても、容器包装に記載する場合はそういう不都合が起こる可能性もございます。特に原料に関しますと、天候ですとか自然条件にかなり左右されますので、そういったこともやはり勘案しなければいけないというふうに思っております。  それで、私のところで考えますと、原料原産地表示というか、原産地の商品名称に関しまして是非今後検討していただきたいことがございます。それは、商品の名称が買う人を誤認させるようなものがあるということでございます。例えば、何とかそばとか何とかうどんですね、卑近なところで申しますと。生産状況を調査して、是非、要件を決めて、消費者が誤認しないような表示方法をその辺りで検討していただければというふうに思っております。  よく言われる、例えば名前を出しますが、信州そばというのは、作り方なのか、それとも製造工場がある場所なのか、原料に例えば信州という地名に由来するものが使用されているかどうか。非常に消費者にとって、何というのか混乱しますし、整理が必要だと思います。  また、もう一つ例えて申し上げますけれども、抹茶何とかとか和風何とかとか、そういう名称の商品ございますよね。それは、消費者は短絡的ですから、和風とかいうと頭の中にはもう当然国産というふうに直結しますが、実際後ろを見てみると大分違っていると。ですから、抹茶ですとかユズですとか梅ですとか、そういったものが名称に入っている場合、どうしても国産ではないかと想像してしまいます。  例えば丹波の黒豆、お正月使いますけれども、それも中国産の丹波の黒豆はたくさんあります。それは表記されているんですね。なぜかというと、丹波の黒豆というのは黒大豆の品種名なんだそうですね、品種は使っていいということで。ですから、なかなか、商品名も含めまして、表示の今の現状というのは消費者が非常に混乱するというふうな状況でございます。  ですから、その辺りの整理を是非今後していただきたいというのと、そうですね、あともう一つお願いできるとすると、添加物といいましょうか、それに関してなんですけれども、ゼロとかオフとかレスとか無添加ですとか自然、天然、その辺りもやはり消費者は非常に混乱する表示になっております。それぞれに基準はあるというふうには伺っておりますけれども、やはり私たち理解度からしますとなかなか今大変な状況ですので、その辺りも是非検討をお願いしたいというふうに思っております。
  42. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  それでは、井上参考人に、今度は小売業者を含めた、チェーンストアも含めた立場として、今の原料原産地の検討に際して懸念される部分というのは当然あると思います。どういうふうに認識をされて、今後二年間の中でどういう方向でより具体的に進められるかという点と、あともう一つは、やはりこれは法律がもう制定されましたので、具体的にこれからこうした表示等に関しても自主的なガイドラインといいますか、今も進めていらっしゃると思うんですけれども、大きな大手のスーパーの場合と二、三店舗の小売業者の場合と様々な違いがあると思いますから、そういう中で、そういう対応の差をどうやりながらガイドラインを含めて進めていかれるのか、この二点、お願いをしたいと思います。
  43. 井上淳

    参考人井上淳君) 原料原産地については、素朴なやっぱり感情として、どこから出てきているのかなという、どこから来ているのかなという、そういうニーズがあるということは、それは自然な感情なんだろうなと思います。だから、そういう声におこたえして自主的に取組を進めているということは、まず御理解をいただきたいと思っています。  その上で、御質問の法律義務化をするという場合ですけれども、実際問題、海外からの調達ということも当然あります。そうした場合に、海外のものというのは必ずしも原料原産地というのが義務付けられていないということなので、情報が取れないということもございますし、それから、特に加工食品で、そのリスクの分散あるいは安定的な供給、調達というようなことから、いろんな産地から物を集めてくるという実態でございまして、それを頻繁に変更するということもございます。  そうなってくると、実際、正確にそれを管理して、それをその正確な情報をということには限界があるということだと思います。そういう限界をある意味無視して義務化をしても、かえって正確でない情報が流れるということになってしまいますので、これは混乱を招くと思っています。  ですから、もちろんその加工度がどうかというようなこととか、あるいはいろんな、要するに、加工度が高いものというのは原料原産地と余り関係がなくなってくるわけですから、加工度が割と低いようなものを中心に、あるいはいろんなものが混ざっている場合にはその中で主なものについて原料原産地を書くとか、そういうような工夫をしながら、消費者ニーズ関心、それから社会的コスト、それから実行可能性と、こういったものを基準にして前進をしていくということが望ましいというふうに思いますし、それからもう一つは、やはりこれは消費者方々に、我々も含めて消費者でございますから、その原料原産地の持つ意味、これが正しく理解をされないと、かえって風評被害と。どこかの産地だともう危ないんじゃないかと。三・一一の後そういうことが起こったわけでありますけれども、その原料原産地の持つイメージがうまく伝わらずに、かえってその地域の方々に対してマイナスになってしまうと。いわゆる風評被害ですね。こういうことがないというようなことも併せて、消費者啓発と申すんでしょうか、あるいは消費者一人一人の理解の増進というんでしょうか、そこが併せて必要なことだと思っております。  それから、自主的なところについては、これはいろいろなやり方があると思います。やはりもちろんチェーンストア協会としても、例えば原料原産地についてできるだけこういうふうにしなさいと、それは商品に書く場合もありますし、あるいは、特に対面でこうやっている場合には、表示というよりは例えばPOPですね、こういったところに書いた方がむしろお客さんから見やすいとか、そういうのもございます。別に、商品表示ということよりは、むしろお客様との対話というのがきちんとできていくと。  そういう観点からガイドラインを協会としても定めておりますけれども、もちろんやっぱり行政としてもそういうガイドラインの作成というのは大事だと思っていますし、それから、一番やっぱり大事なのは、そういう自主的な取組のときに一番考えておくというか、意外にここが我々認識が足りないところがあるんですけれども、やっぱり日本消費者のパワーというのはすごいんですよね。ですから、消費者方々が、さっきお客様は神様と申しましたけれども、やっぱり神様がこんな商品は買わないということになれば、そこで市場から排除されていきます。  ですから、ガイドラインというようなものというものがある程度作られてくれば、当然それにみんな一生懸命フォローをすると。そうじゃなければ、お客様から、必要な情報が書いていないと、こういうような情報というのは、買わないと、そうなってくると、当然そこは市場から抜け落ちていくと、こういうことでありますし、それから一方で、先ほど中小企業への配慮といったときに、やはり個々の事業者への支援というのもあるでしょうし、それから、データベースの整備みたいな形で、みんなで使えるような情報の供給先というんですかね、プールというんですかね、そういうようなデータベースというものの整備というのも併せて大事なことだと思っています。
  44. 山本博司

    ○山本博司君 こうした食品表示という形が具体になる中で、やはり消費者方々、賢い形での、そういう消費者方々が増える中で、差別化をする中で事業者がきちっとそういう形で発信をするということが、やはりそういう意味でいったら、よりお互いがレベルアップしていきながら、安全とそうした部分の活用になると思うんですね。そういう意味では、是非とも進めていただければと思う次第でございます。  それで、じゃ、栗山参考人に、アレルギーに関しまして、今回、アレルゲンが明記されまして、我々公明党もアレルギーの疾患対策の基本法を自民党と出させていただきました。  今お話聞く中で、やはり様々こうしたアレルギー対策というのは、教育の分野から、またそうしたほかの行政も含めて大変多くにまたがっているんではないかなと思います。そういう意味で、先ほどの教育体制の部分ではまだまだ不備の部分があると思いますけれども、行政全体に対して今どういうふうに、更にどういうふうに進めていったらいいのか、またこういう全体的なアレルギーのそういう基本法的なものの必要性みたいなものに関してお聞きしたいと思います。
  45. 栗山真理子

    参考人栗山真理子君) 何か大きな御質問で、ちょっと答えられるかどうか。  行政全体が、縦割りという言葉は申し訳ないのですが、それぞれのところで、何か、命を守るために、我々大人がちょっと痩せたいと思って食事制限することでさえままならない中で、みんなが食べているものを食べられずにいる、そうやって頑張っている子供たちをそれぞれの立場の方がそれぞれに応援していただきたい。それを、一元化というふうにはいかないのでしょうが、それぞれの省庁もそれぞれのお立場の方も寄り集まって考えていただきたいなというふうに思います。  アレルギー基本法は大変有り難い考え方だと思っております。ただ、反面、何かアレルギーだけに基本法を作っていただいていいのかなと思う部分もなくはないのですが、やはり今回、命を落とされたお子様、そのそばにいらした多くの方々もとてもつらい思いをしていらっしゃると思います。そういうことが二度と繰り返さないように、基本法を始め法律というか、守っていただくものを是非作っていただけたらなとは思っております。
  46. 山本博司

    ○山本博司君 ありがとうございます。  以上でございます。
  47. 山田太郎

    ○山田太郎君 みんなの党の山田太郎です。よろしくお願いします。  今日は本当に様々な参考人方々、貴重な意見、ありがとうございます。  まず、ちょっとお手元参考人方々に資料を配らせていただいているんですけれども、先ほど井上さんの方からまさに消費者庁執行体制ということについてお話がありました。  私の方も、実は前回のこの委員会の中で、確かに消費者庁執行体制、問題あるなと。少し調べてみましたら、やっぱり消費者庁、できたばかりというのもありまして、各省庁からどうしても寄せ集めの構造というんですかね、いろんなところから出てきていると。縦割り行政というのもあるんですが、消費者庁の中も少し縦割りになっているのかなと。一方で、各部署も、例えば食品表示課長であれば、もしかしたら農水省がずっとやっていくような形でもって、横割りというか、そういった縦と横がもうちょっと消費者庁も改善されていかなければ多分なかなか難しいだろうと、こんな実は質疑をしております。  そんな中で出ましたのが、実は私の方からも提案したんですけれども、皆様の方にできれば消費者庁の中に入ってきていただきたいなと、出向していただいて、少し面でもって消費者の側から、生産者の側から現場が多分入っていかないと、残念ながらこの体制、体質というのは変わっていかないと実は思っております。  そういう意味でちょっと各参考人にお伺いしていきますが、そのことをちょっと踏まえた上で、井上さんにまずお答えというか御質問させていただきたいんですけれども、表示と分析というか、そのコストの負担と責任というんですかね、これは一体誰が取るべきなのかという問題。  先ほどバトンを渡すということをおっしゃられました。河野参考人の消団連の側から見れば、当然生産者だったり売る側だということになりますし、生産者側からいえば、ややもすれば、これも表示しなきゃいけないのか、あれも表示しなきゃいけないのかと、なかなかいわゆる表示の分析又はコスト又はその責任と負担というのは難しい問題があります。多分これを解決しないと、幾ら消費者庁にこの後この法律中身をまとめさせたとしても、前に多分進まないのかなと思うんですね。  そんな中で、ちょうど生産者消費者の真ん中に挟まれていますチェーンストアさんというんですかね、是非井上さんの側から見た場合に、確かにバトンを渡すということではあるんですが、この辺の表示と分析のコスト負担又は責任、その辺のバランスというか、どうあるべきなのかなという率直な意見。  私自身は、実はある程度マーケットメカニズムに乗っけていくようにしないと、なかなか規制や思いだけでは中身が伴っていかないかなとは思うんですが、ちょうど真ん中にいる、どちらかというと、もしかしたら生産者側に近い中での真ん中という位置付けかもしれませんが、まず御意見いただきたいと思います。
  48. 井上淳

    参考人井上淳君) なかなか難しい御質問なんですけれども、今、川上インフレ、川下デフレなわけですね。いろいろなコストが掛かっていますけれども、最終のマーケットのところが、お客様の価格に対する目は非常に厳しくなっています。ですから、理想、理想というか、マーケットメカニズム等々を別にして勝手な思いを言えば、それはコストが積み上がって、そしてそこに一定の利潤が乗っかって、それでお客様にお渡しするということができれば一番よろしいと思いますけれども、そういうメカニズムにはなっていない。結局、お客様に買っていただける値段でしか売れないということであります。そこから逆に、メーカー、あるいはその真ん中にいる小売、あるいはその間にいる卸、みんなが努力してそこのコストを吸収するということにならざるを得ないということだと思います。  だから、そういう実態というものを踏まえて、やはり社会的なコスト社会的コストといったときは更に監視コストとかいろいろあるわけですけれども、そこを横に置いても、事業者なりに掛かってくるコストというものがバランスを、ある程度のバランスを持ってこう見ないと、コスト高になって、しかもそれが吸収できなくて、そうすると特に体力のないところは倒産をしていってしまうというようなことになってくると思っています。
  49. 山田太郎

    ○山田太郎君 もう一つ、先ほど御質問しました、例えば消費者庁に、ちょうどチェーンストアさん真ん中にいらっしゃいますので、もし人を出していただけるお考えとか準備があるかどうか、その辺も少しお伺いさせていただきたいと。
  50. 井上淳

    参考人井上淳君) チェーンストア協会にその余裕はございませんが、ただ、一般的な話として、消費者庁に限らず、私は官民の交流というのはいいことだと思っています。  具体的に、チェーンストア協会というよりは会員企業さんというようなことになるのかもしれませんけれども、消費者庁に入るかどうかは別として、今いろんな制度で官民の交流というのも役所側の方でも進んでいるというふうに承知もしておりますので、そういう、何というんですか、役所の外の目というものが役所に入っていくということ自身、あるいは逆に役所のノウハウというものがプライベートセクターに出ていくと、私は、もちろんそこでいろんなデメリットというのもあるのかもしれませんけれども、デメリット以上にメリットがあるんだと思います。  それからもう一つ、必ずしも消費者庁行政官として入らずとも、先ほど議論がありますけれども、いろいろな例えば委員会の場とか、あるいは、タウンミーティングという場がいいのかどうか分かりませんけれども、行政に国民が参加する手法というのはいろいろあると思いますので、必ずしも行政のプレーヤーとして役所に入っていくということだけが道ではないんではないかというふうに思います。
  51. 山田太郎

    ○山田太郎君 ありがとうございます。  次に、消団連の河野さんの方にお伺いしたいと思います。  今の関連なんですけれども、今度は逆に、生産者や卸に任せておくだけではなくて、消費者側から何ができるかということは今回大切なことがあると思っています。多分、今の議論を踏まえた上で、何というんですかね、これも必要だ、あれも必要だというふうに多分求めていても、どこかで取りまとめをしないと、結局は議論ばかりしていて今回の表示法の中身が詰まっていかない、こういうふうになると思うんですね。そういった意味では、消費者をまとめる立場としては非常に重要だと思います。  そういった意味での消費者側からの運用ルール作りというんですかね、それをどういうふうに考えていけばいいのか。最終的には確かに生産者なり卸の方が表示していくということになるんですけれども、そればかりには多分任せていられないというふうに思うんですが、その辺りの是非参考人の御意見をいただければと思います。
  52. 河野康子

    参考人河野康子君) 今の御質問ですけれども、確かに私たち表示食品中身を示していただく側にしてもそれなりに、義務とまでは申しませんけれども、責任が生じてくると思います。  まず、今の食の成り立ちですね、そのことを余りにも私たち消費者は知らな過ぎるといいましょうか、非常に複雑になっている。もう世界中から様々な原料が調達され、そしてそれがいろいろなところを経由して日本に入ってきて、製品になって私たちの食卓に届くと。その辺り、食の成り立ちということを、やはり改めて今現在のことを学ぶというのが一点だと思います。  食品ロスの問題、日本に住んでいますと、ついこの今の現状にこれが普通だというふうな感覚でおりますけれども、世界に目を転じれば、本当に食料がなくて大変な状況というのが多々ありますし、それで、日本でお米を作っている量と同じぐらいの量を廃棄しているという現状もございますので、その辺りに対しても私たち消費者はきちんと知るべきだというふうに思います。  そういう食の現状ですとか、調達の現状ですとか、世界の食料事情ですとか、そういった背景をやはり学んだ上で、では私たちは今回の表示に何を望んだらいいのかというところをやはり改めて考えるべきかなというふうに思います。  理想論でしかございませんけれども、例えば、先ほどの原料原産地でいえば、原料原産地は安全性を担保してくれるものでもなく、品質を担保するものでもないということは基本的には理解しなければいけないというふうに思っています。でも、やはり消費者の中には原料原産地を知りたいという人もいるわけでしてね。ですから、その辺りの、何というんでしょう、バランスといいましょうか、そこはやはり私たちも学び、現状を知り、事業者の方、それから様々、どんな方法でどんな形でやってくださるか、その過程も知り、では私たちはどこまでを望むかという、その感覚だと思います。  例えば、ガイドラインを作ってくださるとか、業界の自主規制ですね、必ずしも義務化でなくても、義務化にしてしまうと本当に法律違反になったときに大変なことになりますから。ですから、その辺りで業界の方のその自主的な努力というのは消費者にも見えてきます。私たちは、例えば、お総菜を買うときにもカロリー表示があるお店を恐らく選ぶ傾向にあると思いますし、それから、外食に行ってもカロリー表示があるお店をやっぱり選ぶ、次にまたここに来ようかなという。  最終的には、消費者もしっかり学んで、マーケットをつくっていく。そのマーケットを形成する意味でも、私たちは学ぶべきことはしっかり学ばなければいけないというふうに考えます。
  53. 山田太郎

    ○山田太郎君 ありがとうございます。  それから、先ほどの質問にもつながりますが、やっぱり消費者庁任せだけでは、消費者庁が決めてきたものに対して多分消費者は納得できないところも出てくると思います。そういう意味で、消費者団体の方から是非消費者庁に入っていくような形といいますか、そういう用意とか考えみたいなのはどうでしょうかね。
  54. 河野康子

    参考人河野康子君) 申し上げます。  私の前任の事務局長は現在、消費者庁長官でございます。ですので、そういった道は開かれているのかなというふうに思っております。  改めて、消費者団体の事務局長を消費者庁の長官というふうに迎えてくださいました行政に感謝いたしますとともに、その辺りで、消費者目線の涵養ということで、省庁が私たちに寄り添ってくださればいいなというふうに考えております。
  55. 山田太郎

    ○山田太郎君 ありがとうございます。  次に、関参考人の方にお伺いしたいんですけれども、資料の五ページに、まさにITと表示における問題点というのが、なるほどなと。例えば、実物等の流通ラグですとか、多分タイムラグですよね。お節なんというのはまだ決まらないうちに注文を取るとか、個体ラグ、なるほどなと、一個ずつ確かに賞味期限が違うと。実際に、そうしたらばどうしたらいいのかなということがちょっと分からなくて、その辺の、こういった懸念点に対するそれぞれの解決方法というのはお持ちなのかどうか。逆に、もしお持ちであれば、それをどういうふうに今度消費者庁の方に加えていただけるかどうかということでは、同じ質問になるんですけれども、入ってきていただけるものなのかどうか、そんなところも含めて御意見をいただければと思います。
  56. 関聡司

    参考人関聡司君) そうですね、五ページの説明に関しての解決策というのは非常に難しいかなとは思います。そもそも、事業者が自主的に表示をしているというケースもあろうかと思います。お節の例を挙げれば、これはネットであろうともデパートのようなところであろうとも全く状況は同じだというふうに思いますので、そもそも難しいというケースもあろうかと思います。  そこで、事業者の自主的な対応として表示をしているというものと、それを更に進めて表示義務付けをするというものとではやはりかなり差を設ける必要があるのかなというふうに思っていまして、例えば命にかかわるような情報については、通販の場合はこれは広告になりますけれども、広告についてもそれを義務付けるということは検討してもいいのかもしれないです。  ただ、その際にいろんな要素を考慮しなければいけないかなと思っていまして、どのような販売方法であっても、例えば命にかかわるものであれば表示しなければいけないと。それはネット通販であろうともテレビ通販であろうともラジオ通販であろうともカタログ通販であろうとも、それは同じような情報提供しなければいけないというふうなことができるのかどうかということをちゃんと確認しなければいけないと思いますし、先ほどのお答えでも申し上げましたが、食材変更等の情報流通の過程でちゃんと引き渡されるような、伝達されるような仕組みに現状なっておりませんので、そういう社会的な仕組みもきちっと整備する必要があるということが前提になるケースもあると思います。  また、これはパッケージには最終的に表示されていますので、これは通販の場合ですけれども、通販において手元に来たときに最終的に確認できるという状況ではありますので、その状況で通販において広告にどこまでその表示義務付けるのかと、それが妥当なのかという観点で、もう本当にケースごとに詳しく検討していかないとこの辺りの答えというのは出せないんじゃないかなというふうに思っております。
  57. 山田太郎

    ○山田太郎君 ありがとうございます。  時間になりました。アレルゲンに関してもたくさん聞きたいことあったんですけれども、またの機会をいただければと思っております。  今日はどうもありがとうございました。
  58. 谷亮子

    ○谷亮子君 生活の党、谷亮子でございます。よろしくお願いいたします。  本日は、参考人の先生皆様に大変貴重な御意見を拝聴させていただきまして、本当にありがとうございます。この食品表示法案が成立した後にはやはり実効性ある法律として機能していただくことを望みまして、また参考人の先生方には本日いろいろと御教示いただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。  初めに、栗山真理子参考人にお伺いしたいと思います。  食品表示法案では、第四条で食品表示基準の策定を定めております。この中で、表示事項の中にアレルゲンが明記されることになりますけれども、アレルゲン表示をどのように表示をした方がより消費者皆様たちに御認識していただけるのか。また、食物アレルギーの発症というのは個人によってそれぞれ異なるわけでございまして、また命にもかかわる大変深刻な問題であると思います。そしてまた、食品に含まれるアレルギー物質の店頭での販売形態の調査、報告といったものが実は今大変数が少ないといった現状もございまして、そうしたことを踏まえまして栗山参考人にはお伺いしたいんですけれども。  二〇〇九年に発表されております東京大学附属病院の神奈川芳行さんの「食物アレルギー原因物質等の実態把握と情報提供のあり方に関する研究」によりますと、アナフィラキシーショックを誘発する原因食品販売形態は、容器包装加工食品が三六・七%、そして店頭販売品が二六・七%となっております。こうした現状もあるわけなんですが、これからもこの食品表示を頼りに子供を含めた消費者の皆さんが自分自身を守らなければならない機会が今後もますます増加していくということがあるかと思います。  そこで、アレルギー患者の皆様とそして家族の支援組織であるアラジーポットのお立場から、食品表示をする上で大切だなと思われるポイントにつきましてお伺いしたいのと、そしてまた、その方策等がございましたら御教示いただきたいと思います。
  59. 栗山真理子

    参考人栗山真理子君) ありがとうございます。  まず、店頭販売容器包装が三六・七%、店頭が二六・七%という数字、それから、ほかにレストランとかでの、まあ同じ方の御報告かどうかは分かりませんが、多分参考資料の中にも入っていたかと思います。そういう数字を見て私が感じましたのは、やっぱり本当に重症な方々はそれを召し上がっていらっしゃらない、選んでいらっしゃらないのじゃないかなというふうに感じました。もちろん、私どもからいたしましたら、全てのものに正確なものをというのは切なる願いではございますが、今回これが通りましたときには、皆さんと御一緒に、可能なこと、私たちの願いとともに、社会として可能なことについて御一緒に考える場をいただければと思います。  物すごく卑近な例を申し上げますと、例えば表示の方法、表示の方法というか、今は原材料表示になっております。そこにアレルギー表示も、アレルギーも入っていて、そこは必ず表示しなければいけないということになっておりますので、それはそれで有り難いことだと思いますが、例えば場所、つい最近いただいたお電話で、何で裏側に書いてあるの、本当、おすしひっくり返してやろうかと思ったとおっしゃるぐらい、書いてはあるけれども見にくい。もちろん大きさのポイントとか分かりやすい文字とか、マヨネーズはマヨネーズでいいことになっていますが、実はマヨネーズが卵とお酢でできていることを御存じない方というのもいらっしゃるので、そういう部分での今後の検討ということはしていただきたいなと思います。  それと、その大事なポイントというと、そうですね、やっぱり小さいお子様も見られる、分かる、食べ物を選べる、そういうようなことを皆さんと御一緒に是非、私どもも入れていただいた中で、私どもというのはアレルギーの親の立場の者が入れられた中で考えていけたらと思っています。私たちにとっての願いが社会に必ずしも受け入れていただけるというものではないことは分かりつつ、それでもやっぱり、皆さんが私たちのために考えてくださるのではなく、一緒に考えていっていただきたいなというふうに思っております。
  60. 谷亮子

    ○谷亮子君 ありがとうございます。  大変重要なポイントをお話しいただいたと思います。小さなお子さん、また小学生始め、給食でのアレルギーでの発症といったことも、事故等も報告されておりますし、こういった観点からも、やはり、より消費者皆様が分かりやすい表示というものが今後求められると思いますし、また、文部科学省の所管になりますけれども、消費者教育という観点からも、今後消費者庁と文部科学省がしっかりと連携を図ってその場を構築していくということも私、今後求めてまいりたいというふうに思っております。また、よろしくお願いいたします。  次に、関聡司参考人にお伺いしたいと思います。  二〇一一年の日本消費者向け電子商取引、ECにおいての市場規模は八・五兆円でございまして、インターネット等を利用した通信販売は、食品を含め、大規模な市場を形成するに至っておりますけれども、新食品表示法における統一された食品表示基準の策定に当たりましては、食品表示法案の仕組み自体が持つ問題といたしまして、今回の食品表示法案上では、食品関連事業者等は、食品表示基準に従い食品表示をする義務が課せられるとするのみでございまして、肝心な基準の内容というのは消費者庁が作成する府令に事実上白紙委任とされているといった現状があります。これは先日配付されました資料等にも記載されておりましたけれども。  そういった現状を踏まえまして、消費者の安心、安全を追求する上で何かより良い取組、また方策等御提示できるようなことがございますでしょうか、お尋ね申し上げたいと思います。
  61. 関聡司

    参考人関聡司君) 御質問ありがとうございます。  例えば、消費者教育とかそういったものについて、当団体としてはまだしてはいないんですけれども、当団体会員には食品に関する事業者もございますので、個別には取組があるのではないかというふうに思っております。  市場規模も年々大きくなってきておりますので、食品についての市場ということについてもこのネット通販なりその他の通信販売といったものがやはり安全についても一定の貢献をしていくべきなんだろうというふうに思います。  ちょっと具体的な取組としては今御説明できるものはないんですけれども、今後、関係省庁ともいろんな連携を取りながら、そういったことは相談していきたいなというふうに考えております。
  62. 谷亮子

    ○谷亮子君 ありがとうございます。  インターネットを通じてネット販売ですとか、さらには通信販売の場が今後ますます広がっていく中で、やはりこの食品表示安全性また安心といったものは非常に重要なことにつながっていきますので、またいろいろと御要望を参考にさせていただける機会是非つくっていただきたいと、また消費者庁の方にもお願いを申し上げたいというふうに思います。  次に、井上淳参考人にお伺いいたしたいと思います。  チェーンストア消費者に最も近しい業態の一つでございまして、奨励表示対象品目に紙の広告媒体、POPを活用して表示するよう努めるなど、食品表示の安心、安全にかかわる自主的な取組を積極的に継続して行っておられることは大変評価されるべきことであると私は思います。  そしてまた、チェーンストアは、消費者食品表示を基に直接商品を手に取り、また判断選択する場を提供するものでございますけれども、消費者食品食品表示に対する情報を自主的に取捨選択をし、また適切な商品選択ができるように、チェーンストアさんとしてはこれまでも啓蒙活動等積極的に取り組んできていただいている現状もございます。  そしてまた、今回、食品表示法が制定されるに当たりまして、さらに消費者の皆さん、またお客様に対しまして知識や意識の向上をしていただくための取組といったことはどうお考えでいらっしゃいますか、お伺いいたしたいというふうに思います。
  63. 井上淳

    参考人井上淳君) 今先生おっしゃった、まさにそのとおりでございまして、私ども、やはり表示ということは一つ手段なんですけれども、一番大事なことは、お客様に安全、安心の商品をお届けする、そしてそのお客様選択判断に必要な情報をお届けする、提供する。それから、もちろん、お客様からいろいろ声をちょうだいして、それをその商品の改良につなげていくと。この対話ですね、これが、まさに情報のキャッチボールが一番大事なところだというふうに思っています。その一つの媒体というか手段として表示もあるということですし、今先生おっしゃったように表示以外にもPOPというのもあります。スーパー、今行きますと、いろいろなところで、いろいろなところでという意味は、別に商品だけではなくて店頭にもいろいろな情報がありますし、それからもちろん店員さんですね。特にその場で調理をしているような場合には当然そこの店員さんとの対話で、お客様の方も多様ですので、当然、そこで一律的な情報提供とか紋切り型の話ではなくて、やっぱりそのお客様ニーズお客様の要望に対してのキャッチボール、これが大事だと思っています。  当然、それは各社がまず自主的に、これは地域によっても違いますし、当然扱っている商品によっても違いますので、まず各社がそういうことを、そのお客様との情報を大切にしながら、情報のキャッチボールを大切にしながらやっていくわけですけれども、業界団体チェーンストア協会としては、そういう各社の取組をサポートをしていく。それから、特に任意の表示ですね、こういったところについては例えばガイドラインを出す、あるいは、それから個々の表示だけではなくて、あるいは情報提供だけではなくて、衛生管理というのは当然大事なものですから、その衛生管理と、それから表示あるいは情報提供というものをパッケージにして、従業員の目から見てお客様に接する上で必要なこと、これをハンドブックというような形でマニュアルとしてお配りをして、要するに、社長が分かっていてもパートさんが分かっていないと意味ないわけですね。やっぱり現場にいかに浸透させていくかというようなことですね。それはもちろん各社がやっていることですけれども、それを我々の方でサポートをしていくと、こんなような体制で取り組んでいるところでございます。
  64. 谷亮子

    ○谷亮子君 ありがとうございます。  今お話ございましたように、情報とその情報の共有の在り方というのが非常に重要だということを私自身も確認いたしましたし、認識をいたしました。また、大変幅があると思います。一貫した取組というのがまさにこの法律にも必要であるということを改めて分かった次第でございます。ありがとうございます。  続きまして、河野康子参考人にお伺いいたしたいと思います。  河野参考人におかれましても、今回の新しい食品表示制度につきまして、消費者の生活に役立つものにするためにこれまでも取組等をいろいろなところで行っていただいております。そんな中で、新食品表示法に関する消費者団体とのワークショップの中でも的確な御提言、そして要望等をしていただいている現状もございます。  その中で、食品に含まれるアレルギー物質への子供を含めた消費者理解や、また意識の向上、そして添加物等の分かりやすさなど、統一したマークで表示する際に、事業者の御努力、そして企業努力できる環境づくりといったところも、これはその必要性は十分にあると思っております。その観点から、食品表示を取り扱う事業者のどのような取組が求められるのかをお伺いしたいのと、そしてまた、事業者企業努力できる環境づくりとしてどのようなことが考えられますでしょうか、お尋ねいたしたいと思います。
  65. 河野康子

    参考人河野康子君) 私たち消費者情報をいただく側です。特に、先ほども申し上げましたように、アレルギー、命にかかわる部分ですから、一口口に入れてしまったらということもございますので、先ほどの栗山参考人の御意見にもございましたように、商品のパッケージの表面の活用というのは一つの方法かと思います。  これまでは表面には商品名ですとか、その商品をより、何というんでしょう、手に取りやすいような様々な文言が並んでおりますけれども、やはり今回食品表示を考える上で、例えば加工品をスーパーマーケットの棚のところで見た瞬間に、ぱっと見て、ああ、これはアレルギー物質、例えばこれが入っているんだなというふうなものが見て分かる。そうすると、手に取りやすいしというふうなところもございます。ですから、容器包装でいいますと、表面の活用ということを今後考えていただければというふうに思っております。  例えばイギリスですと信号機方式と言いまして、栄養素表示なんですけれども、五つの栄養素に関しまして色で分けてあるんですね。一番たくさん入っているのが赤い色、それから黄色、それからこれは少量だというのはグリーンかブルーどちらかで表示されていますけれども、それが容器包装の表面に付いているんです。そうすると、並んでいる棚で見ますと、ぱっと見た瞬間に、私はちょっと糖分は控えたいなと思ったときには糖分のところが少し色がブルー系のものを選ぶと、そうすると、それがもうすぐに自分の今日の暮らしに役立つという形ですので、是非、先ほどから皆さん御意見様々ですけれども、今回のこの統一されるという、一元化されるということを機に、改めて何がお互いのコミュニケーションに一番役立つのか。どちらにしても社会的コストは掛かるわけですから、そのときに一番有効にコストを掛けて、私たちもそこは等分に、応分な負担はしなければいけないとは思いますけれども、せっかくですから従前どおりの表示ではもったいないなというふうに考えております。お答えになっているかどうか分かりませんが。
  66. 谷亮子

    ○谷亮子君 ありがとうございました。今後の参考とさせていただきます。  ありがとうございます。
  67. 大門実紀史

    大門実紀史君 本日は御苦労さまです。  まず、井上参考人関参考人に、せっかくの機会ですから、ちょっと基本的なことをお伺いしたいというふうに思います。  私は、おととし、スウェーデンとベルギーに消費者問題の調査団で、参議院の調査団で行ってまいりまして、消費者団体とも企業家の皆さんとも経営者団体ともお話をいたしましたけれども、向こうはもっと消費者運動といいますか、そういう歴史が長いところではありますけれども、消費者企業関係がもうこなれているといいますか、何といいますか、消費者の知る権利とか安全に対するニーズというのは、それにこたえることが企業にとってもメリットがあるんだと。安全なものは買われるということもあると思いますけれども、そういうことと、消費者のそういうことにこだわることは企業としての社会的な責任だというのもかなり根付いておりまして、余りコストコストという言い方とか、そういうものは出てこないんですよね。  まだ日本消費者庁もできたばかりですから、不信感とか懸念とか、ぎゅうぎゅうやられるんじゃないかとか、いろんなことがあるかも分かりませんけれども、本来はやっぱりよくよく考えてみると、消費者企業というのは、これは別に対立するものじゃなくて、本当に共にいい商品を作る、正しい情報を伝えて共にいい商品を作るという、そういうところでやっていける話なのが、どうも疑心暗鬼が先に行ったり、今日もちょっと感じるところがあったんですけれども、そういうことが非常に感じるんですけれども、やっぱりこういう消費者ニーズにこたえていくということが企業発展の道だというふうにとらえられないものかなと思うんですけれども、井上参考人関参考人にちょっと伺いたいと思います。
  68. 井上淳

    参考人井上淳君) 今先生のお話伺って、全くそのとおりだと思いますし、若干意外な感じがいたしました。  消費者事業者との関係でいうと、お客様は神様と、こういうふうに申しましたし、多分お客様に対して一番寄り添うのは、まあ日本が一番だとは言いませんけれども、世界の中で冠たるところだというふうに理解しておりますし、また、やっぱりお客様に寄り添わない事業者は恐らく日本の中では生きていけないというふうに思います。  ただ、その上で一つひょっとしてあるのかもしれないというのは、神様という言い方が果たして正しいのかということなのかもしれません。もう少しイコールパートナーとしてお話ができればいいのかなと。神様にも当然いろいろな神様がいまして、多くの方はもちろん立派な神様ですけれども、今先生ちょっとおっしゃられた中で、疑心暗鬼というところ、ひょっとすると、一部の方の声に振り回されてしまう、更に言うと、それが日本の場合はすぐに役所にお互いが行ってしまうというところで、もう少し本来事業者お客様との対話の中で物事を解決していく。  先ほど河野参考人の方から信号システムの話がありましたけれども、あれはイギリスなんかではまさにテレビで、A社はそういう信号システムを、小売店のA社ですね、小売店のB社は数値システムと、それを議論して、それから消費者がそこに参加して、私はどっちがいい、私はどっちがいいと、こういうのをテレビでやっているわけですね。  日本の場合だと恐らくそうじゃなくて、すぐに多分役所に行って、役所が入ってくると。その仕組みから、むしろ事業者消費者の対話の場をもっと広げていく、それを国がサポートするという方向に動いていくということが望まれるのかなと、こういうふうに思います。
  69. 関聡司

    参考人関聡司君) 先生御指摘のとおりだと思います。我々も、消費者から見ての安全、安心、こういったこと、それから信頼感といったことは非常に重要だと思っておりまして、そういったものが得られない事業者はやはり淘汰されていくだろうというふうに思っております。  特に今回の食品表示の問題につきましても、必要な表示は現在でも、たとえ義務でなくても事業者によってはきちっと表示をして、あるいは見やすいように何か特定のマークを作ったりとか、そういう努力をしている事業者もございますので、そういう事業者ごとに今いろんな工夫と努力をしておりますので、それによって安全、安心、信頼感といったものを消費者から得るように努力をしているということで、歩み寄りということではないんですけれども、消費者との関係というのは非常に重視しているというふうに考えております。  そういう視点もございまして、会員企業の中には消費者団体様とのコミュニケーションをきちっと取っていったりとか、そういったことにも心掛けているところもございますので、そういう方向で、先生がおっしゃるとおりだというふうに我々は認識しております。
  70. 大門実紀史

    大門実紀史君 井上参考人に伺いますけれども、事前にいただいた資料で、チェーンストア協会が自主的な取組をされておりまして、心から本当に敬意を表したいと思います。  ただ、今回、法律義務化のこの流れが来たのは、やはり食品偽装事件がこの十年かなり相次いで、それと、やっぱりアレルゲンのことも含めて命にかかわる問題も出てきたということの法律義務化の流れで、がんじがらめに何もかもというふうに全然なっていませんし、そういうふうに取られるほどの、まだそこまで行っていないというんだと思うんですよね。  そこで、ちょっと質問なんですけれども、これもちょっとそもそも論なんですけれども、先ほど井上参考人のお話の中で、命にかかわるものとそうでないもので優先順位というのは、実践的には分からなくはないです。ですけれども、また、さっきもありましたけれども、情報提供をしても消費者判断力がない場合、風評とかマイナスの場合も出ると、これも実践的には分からなくはありませんけれども、そもそも論でいきますと、今回の法律議論というのは、事業者が、そういうことは事業者がちゃんと表示して後の話でございまして、まず事業者がきちっと表示してもらうと、内容をですね。これが、その後の、何が起こるか、何か起こるからそれをしないということじゃなくて、まずそういう話なんですよね、この流れというのは。だから、非常にそもそも論的に言いますと、消費者が自分が買ったものをその中身を知りたいと、これは当たり前の当然の知る権利だと思うんですよね。で、それにこたえる、こたえてもらいたいと、この話なんですね。こたえることに、こたえたらどうなるとか優先順位付けてこたえさせてもらうとかじゃなくて、やっぱりそういう知る権利にこたえるかどうかということが基本的な話だと思っております。  そういう点でいくと、ちょっと気になるのは、ヨーロッパなんかでやっぱりコストという言い方が余り出てこないというのは、その知る権利にこたえることは果たしてコストなのかと、そんなことを社会的コストという言い方をしていいのかというやっぱり基本的な企業社会的責任論とかがあると思うんですよね、基本的な問題として。少なくとも、コストにもいろいろあって、前向きなコストとできれば少ない方がいいコストとあるんですけれども、例えば宣伝費というのはコストですけれども、やっぱり売るためのコストですよね。あるいは、何か電気代は安い方がいいとか、そういうコストもあると思うんですけれども、せめてその前向きなコストというふうに、私はコストという言い方はすべきじゃないと思いますけれども、そういうとらえ方をやっぱりしないとなかなかこのギャップが埋まらないのかなと思うんですけれども、井上参考人、いかがでしょうか。
  71. 井上淳

    参考人井上淳君) 知る権利に対してできるだけこたえるべきではないかと、その限りにおいて私もそうだと思います。  問題は、それを法律制度として義務化をしていくときに、ほかの課題というのもあるということだと思いますし、やっぱりコストという言葉、表現が適当かどうかは別として、やっぱりそこに一定の費用が掛かってくるということも間違いはない事実なので、したがって、オール・オア・ナッシングで議論をするということではないと思います。知る権利というのは大事な権利でありますし、当然それに対して事業者ができるだけこたえるということももちろんそうだと思いますし、それは多くは義務化をしなくとも自主的な取組あるいは対話の中で進んできているということも一方で事実であります。  したがって、私が申し上げたのは、法律義務化をするといったときには、もちろんその情報提供をきちんとやるべきという要請社会要請も当然ありますけれども、それ以外のコストあるいは実行可能性ですね、こういうものというものをやっぱり実態を踏まえた上でその優先順位を付けないと、その思いは思いとして、かえって社会混乱などが起こるんではないかということを申し上げたつもりでございます。
  72. 大門実紀史

    大門実紀史君 恐らくまだ、実行できないものを押し付けられるんじゃないかとか、何かまだそういう、何かあれですね、疑念が最初にあるのかなと思うんですけれど、実際、実行不可能なものが義務付けられるはずはないと思うので、そんな例はいまだ世界でもありませんから、そんなことは起こり得ないと思いますけれど、そういう御懸念があるのは分からなくはないわけでございますけれども。  関参考人に伺いますけれど、この食品表示法案の後は集団訴訟法案が、今国会中に参議院までは来ない様子ですけれども、議論されるということになります。この前、私、この委員会で質問をこの問題で先にしたんですけど、新経済連盟のこの集団訴訟法案での意見書というのは、食品表示の今回のもかなり、何といいますか、消費者団体に対して非常に誤解のある意見書じゃないかと思ってこの委員会でも取り上げさせてもらったんですけれど、消費者団体から健全な事業者に対する乱訴が起きるんじゃないかとか、あるいは適格団体はこの訴訟をやることによって報酬受け取って金もうけするんじゃないかとか、相当の誤解だなと私は思ってあの意見書を見させてもらったんですけれど。  そこまでの誤解というのはなぜ生じるのか逆に分からないぐらいで、何か日本消費者団体が、もうあそこまで行くと、ゆすり、たかりの類いと同じような見方をされているような気がするんですけれど、なぜそこまで、先ほどもちょっと、消費者団体と交流のある人たちもいると、企業もあるということなんですけど、なぜこういうふうにそんな誤解がこの新経済連盟の中で広がっているのか、何か根拠があることなんでしょうか。
  73. 関聡司

    参考人関聡司君) 新経済連盟だけではなく、ほかの経済団体も同様の懸念を抱いているというふうには認識しておりますが、何といいますか、法案内容として、法案の中に備えるべき仕組みとして乱訴を回避するような仕組みが必要なんではないかというふうな認識を持っておりまして、その視点でいくと、例えば消費者の委任を受けずに提訴できるというような仕組みなどについては、やはりその懸念がまだ払拭できないというふうに考えまして意見を提出させていただきました。
  74. 大門実紀史

    大門実紀史君 ちょっと冒頭申し上げたとおり、そういう、何といいますか、疑心暗鬼といいますか、そういうものを是非取り除いていただいて、もうちょっと風通し良くしてもらって、消費者団体事業者側とのですね、その表示の方も、本当に事業者側の皆さんも、疑心暗鬼から出発するんじゃなくて、実際に消費者の立場に立って、お客様の立場に立って、それで物が売れれば皆さんもいいわけですから、共同して、今後、課題いっぱい山積しておりますので、取り組んでいただきたいということを申し上げて、終わります。
  75. 加藤修一

    委員長加藤修一君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕
  76. 加藤修一

    委員長加藤修一君) 速記を起こしてください。     ─────────────
  77. 加藤修一

    委員長加藤修一君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、白眞勲君、石井準一君及び上野通子君が委員辞任され、その補欠として西村まさみ君、赤石清美君及び石井浩郎君が選任されました。     ─────────────
  78. 加藤修一

    委員長加藤修一君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  食品表示法案審査のため、本日の委員会に、政府参考人として、理事会協議のとおり、消費者庁次長松田敏明君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 加藤修一

    委員長加藤修一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  80. 加藤修一

    委員長加藤修一君) 食品表示法案を議題といたします。  質疑のある方は順次御発言願います。
  81. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 民主党・新緑風会の尾辻かな子でございます。  今回、質問の機会をいただきましたこと、まずもって感謝を申し上げます。どうもありがとうございます。  それでは、食品表示法案ももう最後の質疑になってまいりますので、順次質問をさせていただきたいと思いますが、参議院に来る前、衆議院で修正がなされていると思います。まず、その修正のポイントだけ確認してから質疑していきたいと思いますので、御説明いただけたらと思います。
  82. 松田敏明

    政府参考人(松田敏明君) お答え申し上げます。  アレルゲンの追加修正につきましては、現行の食品衛生法の下で表示の基準が定められておりますいわゆるアレルゲンにつきまして、食品表示法の下でも同様に規定されることを明らかにするため、法文上明記したものと承知しております。  また、この法律検討年限につきましては、この法律の規定についてより速やかに検討することとするため、その年限を施行後五年から施行後三年に短縮したものと承知をしております。
  83. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 ありがとうございます。  大きな変更点のやはり一つは、先ほどの参考人招致の中でもありましたけれども、食品表示基準の策定の中にアレルゲンですね、「食物アレルギー原因となる物質をいう。」というのが入った。これが一番大きく変わって、参議院でもいろいろ先ほども質疑がなされたところでございます。この条文、ちょっと見させていただきますと、明記の順番が、名称が来て、で、アレルゲンが入っているんですね。それで、保存の方法、消費期限、原材料、添加物栄養成分等々続いていきまして、法文上見ると二番目にこれ表記されたということでありますから、かなり重要な変更が衆議院であったというふうに理解をしております。  また、先ほどの参考人のところででも、アレルギーの患者さん、そして御家族を支える方からの参考人聴取もありました。ですので、この修正後の食品表示法案、特にアレルギーに関して今後どう扱っていくのかということで質問させていただきます。  その前に、私事でございますけれども、実は私、一つ上に兄がおります。参議院議員の尾辻先生ではございません。実は兄もアトピーとぜんそくを小さいころから持っておりまして、卵の食品アレルギーがありました。容体が悪くなると実は卵以外にもほかの食品アレルギーを起こしてしまうということで、当時は完全な除去食がいいということで、卵アレルギーがあれば完全に卵を取り除くのがいいんだと。今は経口負荷試験といって、食べれる量というのがだんだん分かってきて、だから、卵アレルギーであっても、ここまでの量なら卵を食べれますよというのを医師の方が、診ていただいて食べられる量というのを調整していったり、アレルギーがどこまでかというのを調査していったりあるんですが、その当時というのはもう本当にアレルギーがあると完全に除去しなければいけない時代でございましたので、うちの母もすごく苦労をしておりました。  ですので、ちょっと先ほどもありましたけれども、マヨネーズの話がございましたが、マヨネーズはもちろん卵が入っております。卵とお酢でございますので、例えば、私も小さいころポテトサラダとかマカロニサラダをほとんど食べたことがないんですね。食卓で食べたことがないというぐらいやはり気を遣っておりまして、例えば揚げ物をするときでも、基本的に小麦粉付けて卵付けて、で、衣のパン粉を付けるんですけれども、そこの卵を付けずに水を付けて衣を付けるというぐらい卵の除去をやっておりました。だから給食もうちの兄は食べておりませんで、九年間、小中合わせると九年間ずっとお弁当で、一人お弁当をやっていたということもあります。  ですので、本当に私もアレルギーの家族を持つ当事者として、うちの兄はその後、こんな自分の話ばかりしていていいのか分からないんですが、結局高校をぜんそくとアトピーがひどくて中退をすることになりました。その後、大検試験というのが当時ありまして、本人はアレルギーで苦しんで高校も中退しなければいけなくなった、今後、自分たちと同じような思いをする子供たちを少しでも減らしたいということで、ちょっと勉強を頑張りまして、今は地域で小児科医の、アレルギーの専門の小児科医として地域医療をさせていただいております。  そういう経緯からもアレルギーのことをやらせていただきたいなと思いますし、やはり今回、食品表示でございますので、食品表示と、アレルギーの家族、患者とのいわゆるリスクコミュニケーション、この分野について聞いていきたいと思います。  まずは、今どういうことになっているのかということについて現状をお聞きしたいんですが、まず、重大なアナフィラキシーを起こす食物アレルギーのことについてお聞きしていきたいと思います。  食物アレルギーによるアナフィラキシー、これを起こした際というか、今、日本に、じゃ、このアナフィラキシーショックを起こしたというような調査、その中で例えば食品の形態、例えば容器包装をされているのかとか外食なのかとか販売形態とかいろいろあると思うんですが、今そのアナフィラキシーショックはどういうところで起こっているのか、どういう食品形態で起こっているのか、このようなことを調査した全国調査などはあるんでしょうか。
  84. 松田敏明

    政府参考人(松田敏明君) 御説明申し上げます。  食物アレルギー原因物質は時代の変化とともに変わっていく可能性があると考えられますため、消費者庁におきまして、これまでおおむね三年ごとに食物アレルギー全国実態調査等を行いまして、これは消費者庁ができる前は厚生労働省の方で行っておられたということで、それを行いまして、新たな知見や報告により、適宜アレルギー表示の見直しを行っているところでございます。これまで、この全国実態調査、四回ほど実施をいたしまして、全国アレルギーを専門とする医師の中で調査の趣旨に賛同して協力していただける方に調査票を送付して、食物アレルギーによる症状の誘発があり、各施設を受診し特定された症例の全てを報告してもらう、こういった方法で調査をしているところでございます。  直近の平成二十三年度から二十四年度に実施した調査の例を御紹介いたしますと、千七十九名の医師の協力を得て、二千九百五十四例の症例の報告がございました。このうち、アナフィラキシーショック症状を呈した症例は三百七例でございました。  ただ一方、お尋ねの日本全国における食物アレルギー患者のうちアナフィラキシーショック症状を呈した症例の全体数等については把握しておりません。また、外食に起因するものか容器包装食品に起因するものか等につきましても把握していないということでございます。
  85. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 今、四回やられておられるということなんですけれども、食品形態とか販売形態がどういうふうな形でアナフィラキシーを起こしているのかという現実が分からなければ、じゃ、今後、食品表示、一体何を優先順位としてどうやっていくのかというのがちょっと分からなくなってくると思うんです。  先ほど谷委員の方から一つ論文を紹介していただいたと思います。私もちょっと、一つ同じものを用意させていただきました。これ、東京大学の神奈川先生という方が、抽出調査ですね、これも抽出調査でございますけれども、「食物アレルギー原因物質等の実態把握と情報提供のあり方に関する研究」、どこでどういう食物でというところで見られたところ、先ほどの数字もありましたように、容器包装加工食品ですね、これが三六・七%、アナフィラキシーを誘発した原因食品形態であったと。店頭販売品、これが二六・七%であった。レストランが七%。ということで、容器包装加工食品で三六・七、店頭販売、レストランで三三・七、ほぼ同じような数字が出てくるわけですね。  こういうことで見ていくと、これは抽出調査でございます。ただ、やはりこういうような現状の全国調査が必要になってくるかと思いますけれども、その辺、森大臣、どのようにお考えでしょうか。
  86. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 先ほど申し上げましたとおり、平成二十三年度から二十四年度にかけて消費者庁において実施した全国実態調査においては、約千人のアレルギー専門医の協力を得て約三千例の食物アレルギー症例の報告がありまして、またこのうちアナフィラキシーショック症状を呈した症例は三百七例ございました。  私もアレルギーの子供を持つ母親として、本当にお母さん方の毎日のアレルギー食品のチェック、大変でございます。アレルギー表示をするに当たって全国的な調査をし、それを科学的に、また委員の御指摘のとおり食品形態等も含めて知ることができなければ、この法案目的であるやはり食品の安全のために、そして消費者が自分で選択をして購入をするということが、アレルギーをお持ちの方、またその御家族にとっては大変困難になるわけでございますので、今後、委員の御指摘も踏まえまして、全国的な実態の把握というものを前向きに検討してまいりたいと思います。
  87. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 そうですね、一応確認でございますけれども、そこには食品形態とか販売形態も含めた調査をしていただけるということでよろしいでしょうか。
  88. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 全ての症例を把握するということはもちろん困難でございます。それは、医師のところに来ている症例を、さらにそれを全部義務を掛けていかないと出てこないものですが、今しているものは御協力をお願いして出してもらったものということになりますが、その範囲内で、委員御指摘の内容も踏まえて、今後実態調査をしていけるように検討してまいりたいと思います。
  89. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 よろしくお願いいたします。  次の質問に行きます。  表示のことですけれども、アレルギーに関しては二つの表示方法が認められております。一つは個別表示ということなんですけれども、原材料名一つ一つの後ろにアレルゲンを表示する方法と、原材料名をずらずらずらと並べまして、その最後に、そこには例えば卵入っていますよとか、小麦、エビ、カニが入っていますよというように一括してやる表示と、二つ表示の方法があるわけですけれども、これアレルギー外来に来られる方々からよく聞く話が、一括表示であると一体そのアレルゲンとなるのが何の原材料に入っているのか分からないと。特に一番問題というか課題として思っているのがしょうゆであるというふうに聞いております。  というのが、しょうゆってかなりいろんな料理に、加工食品とかに入ってまいりますので、このしょうゆ、元々小麦でございますので、ざあっとあって、しょうゆがあって、最後に一括表示で小麦とやると、小麦アレルギーの方は全く食べられない。ただ、しょうゆになった小麦というのはかなりの方が召し上がれるんですね。なので、できたらやはり個別表示が望ましいということを聞いているんですけれども、その辺りのことは、個別表示をやはり進めていった方がいいと思うんですが、いかがでしょうか。
  90. 松田敏明

    政府参考人(松田敏明君) 委員御指摘のとおり、アレルギー表示の方法につきましては、個々の原材料の直後に表示いたします個別表示と、それから全ての原材料の最後にまとめて表示する一括表示とがございまして、この個別表示の場合、同一のアレルギー物質を含んでおります複数の原材料についてそれぞれ表示する必要があるなど複雑になる場合もございます。他方、御指摘のとおり、食物アレルギーは人によってアレルギー症状を誘発する量が様々でございまして、使われている量が少なければ食べてもアレルギー症状が発症しない場合がございます。そのため、ある程度使用量が予測できる個別表示の方がアレルギー患者にとってより望ましい表示ではないかとの声があると、これも確かに認識しております。  それを、この後、どういうふうにやるのかと。これは個々の商品によってそれぞれ適性等もございますでしょう。一括表示の方がむしろ分かりやすいという声もございます。そういった中で、どんなパターンなら個別がいいのか、そして、やっぱりニーズとしてこういう表示が、個別表示があったらいいとか、そういったニーズもこれから是非踏まえまして、この一括表示、個別表示の在り方につきまして、可能な限り新しい食品表示の方に生かしてまいりたいというふうに考えております。
  91. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 ニーズに合わせた検討是非していただきますようにお願いを申し上げます。  次は、アレルゲンの表示の今度、ルールでございますけれども、いただいた資料の中で、表示の主なルールということで三つ挙げられております。  一つは、代替表記ですね。アレルギー物質を含むことが容易に判別できる食品アレルギー表示を省略することができる。ここに実はマヨネーズが入ってくるわけですけれども、ちょっとこれも、いろいろな話を聞いている中で、本当はマヨネーズにも卵というふうに付けた方がいいのかなという感想を持ちましたが。あと、可能性表示の禁止ですね。入っているかもしれないという可能性表示は認められない。三つ目ですけれども、使用していない旨の表示の促進をしていってほしいということで、通常は、特定原材料等を使用する食品を使用しないで製造した場合には、アレルギー患者の商品選択に資するため、使用していない旨の表示を勧めていますというふうに書いています。  今日、お手元に資料を配らせていただきました。このお手元の資料の下の方ですね、今私が申し上げましたのは、この下の一番右のところにありますマークでございます。ある食品会社はこのような形で食品表示をされておられます。それも、参考人のところで、実は、裏面に表示するんじゃなくて表面ですね、商品の表面に表示した方が分かりやすいという議論参考人の方からあったと思いますが、この「「みんなといっしょ」がなによりのごちそうです。 卵 小麦 乳 使用しておりません」というのは、これは実は表面に付いております。なので、食べられないでいる子供たちへも配慮しているということで、この「「みんなといっしょ」がなによりのごちそうです。」というふうにやっているこの会社の商品というのはすごく買いやすいんだということをアレルギーの子供を持つお母さんに聞きました。  ですので、こういう表示是非していただくように働きかけていただくことはとても大事なことだと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
  92. 松田敏明

    政府参考人(松田敏明君) 使用していないという旨の表示につきましては、表示をする者が特定原材料等の使用の有無について製造記録などによって適切に確認した場合に使用していない旨の表示をするものでございまして、平成十六年度より促進しているところでございます。  例えば、一般的にケーキには小麦粉が使用されておりますけれども、仮に小麦粉を使用しないでケーキを製造した場合、それが消費者に正確に伝わるように、本品は小麦粉を使っていませんと表示することができるわけでございます。  他方、使用していない旨の表示につきましては、原材料として使っていない場合でも、意図せざる混入、コンタミネーションと言っておりますけれども、これが生じる場合がございまして、そうした場合、かえってアレルギー発症を誘発してしまうおそれがあるなど、その表示を行うに当たって注意をしなければならない面もございます。  消費者庁といたしまして、アレルギー物質の意図せぬ混入防止対策を十分に取った上で、使用していない旨の表示を積極的にしていただけるよう事業者に働きかけるとともに、その取組をサポートしてまいりたいと考えております。
  93. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 今お答えの中に意図せぬ混入のことを考えてということがありました。これコンタミネーションというふうに言うということなんですけれども、結局、その安全性と、コンタミネーションという意図せぬ混入があるから、安全性のためには、なかなかこういうふうに使用しておりませんと言うのは難しいんですというのは、一定分かるんですけれども、それが言い訳になってはいけないと思うんですね、それであれば何でもそういうふうに言えてしまうわけですから。  例えば、今でもそうですけれども、同じ製造ラインで、よくあるのは、本品製造工場では何とかを含む製品を生産していますというところで、そこに特定アレルギー物質が入っているということで注意喚起をしているという例があると思います。ただ、これもやはりアレルギーの患者さんにとっては、安全なのか安全じゃないのか、よく分からないんですよね、結局。これって一体、だから、含む製品をやっているから避けてくださいということであれば本当に食べられるものは減ってしまいますので、本当であれば、このコンタミネーションというのを避けるための工場のいわゆる品質管理というのがすごく大事になってくるかと思います。  実はこれが、このコンタミネーション、意図せぬ混入というのは、御承知のとおり、外食とか中食では全く義務付けられておりません。  例えばなんですけれども、ある大手の回転ずしのところでは、かっぱ巻きとか納豆巻き、かんぴょう巻き、これのアレルゲン表示、ホームページで見ると、実は卵ありに丸が付いているんですね。何でかっぱ巻きとか納豆巻き、かんぴょう巻きにこれが付いているのかというと、例えば包丁、それを切る包丁がその前にマヨネーズが付いている何かを切っているかもしれないから。それで、だから、かっぱとかこういう納豆巻きとかも実は付く可能性がありますと、なので丸をしましたと言っているわけですね。でも、こうなると、いや、本当に消費者とかアレルギー患者の方にとって本当にいい表示なのかな。  一つ例を出させていただいたのが、またお手元の資料でございます。  これは某チェーン店でございますけれども、外食でございます。特定原材料についてということで、こうしていろんな食品に対して、これが入っているよ、入っていないよということで丸を付けておられます。ぱっと見たところ、外食にはこういうのを表記されていないわけですから、良心的なのかなと思いきや、ちょっと赤線は私の方で、事務所の方で引かせていただきました。赤線の部分を見ていただきたいんですけれども、工場での加工時や店舗での調理時には細心の注意を払っておりますが、他のアレルギー物質が混入する可能性がありますというふうになっておりまして、いわゆる容器包装加工食品では絶対にやってはいけない可能性表示が外食では堂々と、それも、もうこれだったら、ただの本当に、何か責任を問われない、責任逃れとも見られるような表記になっているわけですね。  これに関して何かやはり対処が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  94. 松田敏明

    政府参考人(松田敏明君) 今御指摘のとおり、現在、外食に対しましてはアレルギー表示義務はございませんけれども、一部の外食店におきまして、自主的にアレルギー表示を行っているものの、その中でアレルギー物質を含んでいる旨の可能性がある旨の表示も見られること、これは消費者庁としても承知をいたしております。  このいわゆる可能性表示は、一般論として申し上げれば責任回避とも言えるわけでございまして、必ずしも適切な表示とは言えないものの、ただ、外食自体に義務表示が掛かっていない中で、事業者一つ情報提供として積極的な取組によって表示をしておられる、そういうことをあながち否定するということもなかなかし難いんではないかというふうに、何を言っているんだとお叱りかもしれませんけれども、責任回避という面もありますが、他方、そういう積極的な情報提供と、ここでは否定もし難いのかなというふうに考えておるところでございます。  アレルギー表示を行っていくためには、調理具等からの今御指摘ございましたアレルギー物質の意図せぬ混入防止対策を十分に取ることができるか、これが大きな鍵といいますか課題でございまして、今後より適切な表示にしていけるかどうかも、このような防止対策を十分に取ることができるかどうかに懸かっていると考えておりまして、まずは消費者庁といたしまして、この外食へのアレルギー表示につきまして実態調査等を実施しつつ、このような問題の解決に向けてできる限り早急にしっかりと対応してまいりたいと考えております。
  95. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 本当にこれ、こういう問題は、消費者庁さんが一体どちらを向いて施策をやっていくのか。消費者の側に立つのか、それともこういうやはり外食の側に立つのか、どっちにウエートを置くのかというような話にもなってくると思うんですね。先ほどおっしゃったように、これはやはりどう見ても責任回避というふうにしかとらえられないんです。こういうことが、先ほどの抽出調査にもあったように、店頭販売とかレストランでのアナフィラキシーも間々あるわけで、これをこのまま消費者庁さんとして、いや、外食は表示義務がないですからというふうな形で先送りされるのはやはり問題かと思うので、ここは大臣にお答えをいただきたいと思います。
  96. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 先送りをすることは本当に許されない、喫緊の課題だというふうに認識をしております。アレルギーを持つお子様とアレルギーを持つ方の命にかかわる問題です。  本法案が成立し、施行するに当たっては、現行の三法に基づく表示基準を統合した新たな食品表示基準を作成をして、また、栄養表示義務化に向けた表示基準の策定を行っていくんですが、この中で、この新たな食品表示基準作成の過程で、今るる御指摘があったような、マヨネーズと書けば卵を含む旨の表示を省略できることと現状なっている。だけど、それを、またこのような省略規定の見直しの検討でありますとか、個別表示と一括表示、今御指摘ございましたアレルギー患者にとって食品を選ぶ際の選択肢、これがより広がるような個別表示へのシフトしていくことを推進をすることでありますとか、食品アレルギーに係る更なる詳細な実態調査でありますとかいうことも併せて、並行してこれを検討してまいりたいと思います。そして、消費者の目線に立って表示を考えていく。  これ、消費者にも様々な御意見がございます。私もアレルギーの子を持つ母でございますが、やはり外食をみんなと一緒にしたい。その中で、やはりできる限り表示をしてくださっているお店もあります。その中で、調理過程で混入する可能性を書いていただいていても、それは微量であれば、もし包丁に付いているものが入っていても、先ほどのしょうゆの例もそうですけれども、食べられる場合もございます。そういったことも判断材料になるという点では書いてほしいというお声も、実は消費者の側からもあるんです。  ですから、消費者のお声を、より多くの皆様の声を聞いて、消費者にとってどういう表示が一番良いのかということを積極的に検討してまいりたいと思います。
  97. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 済みません、簡潔にできればと思うんですが。私がお聞きしたのは、外食のときの可能性表示が適当かどうか、そして今後、この食品表示法ができたときに、こういうことを本当に許されるのかどうかというところで、大臣、お答えいただければと思います。
  98. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 今、可能性表示についてもお答えをしたつもりだったんですけれど、済みません、よく、説明が不十分で申し訳ございません。  この可能性表示についても様々な御意見がございます。消費者の側の中でも可能性表示について様々な御意見がございますので、その皆様の御意見をしっかり聞いた上で検討してまいりたいと思います。
  99. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 済みません、確認ですけれども、食品表示の方は、容器包装加工食品の方は可能性表示は禁止でございますよね。で、外食については様々な声があるというのはちょっとよく分からないんですけれども、もう一度御説明をお願いいたします。
  100. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 食品表示について様々なお声がある中で、それをきちっと検討の場の中で聞いてまいりたいと思います。  中食、外食についてでは、素早く調理をして出す中で混入の可能性がどうしてもあるということを書いていただいた方がいいという御意見と、それはそのようにするとやはり食べられなくなってしまう、何も選択できなくなってしまうんだと、それであれば、やはり混入をしないようなしっかりとしたそういう体制を整えてほしいという委員の方の御意見もございます。  様々な御意見がある中で、きちんとした検討の場を設けて、喫緊の課題でありますので速やかに検討をしてまいりたいというふうに思います。
  101. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 じゃ、時間がありませんのでちょっと最後の質問にしたいと思うんですが、今回の様々な質問の中で一番やはりあったのは、いつどのようにして検討をしてどこで結果を出していくのかというところのあれが、速やかに、速やかにというような話で、実際にいつまでにやるのか、どういうふうにやるのかというところがなかなか見えてきません。これは施行まで二年ですね、あと三年のあれがあるわけですけれども、こういうアレルゲン表示についてはどういうふうにいつ結論を出すような形になるんでしょうか。
  102. 松田敏明

    政府参考人(松田敏明君) これまでの説明でも何回も本法案が成立した後はどうなるのかという御質問があるわけでございますけれども、要するに成立後二年間で、施行までの、施行に当たって、現行の三法に基づく表示基準を統合して新たな食品表示基準を作る、それとともに栄養表示義務化に向けた表示基準の策定を行う、まずこれが基本でございます。  そういった中で、例えば強調表示でありますとかポイントの整理でありますとか、いわゆる分かりやすさといったものを、新食品表示を作るに当たって当然形式的なところを全部総ざらいするということがございます。そういった作業が、栄養表示義務化の実質的な対象成分等々の検討と併せてやる、これが基本でございまして、その中でやれるもの、アレルギーにつきましては、今大臣からも申し上げましたような省略表記でありますとか、個別表示の問題でありますとか、それから実態調査でありますとか、そういったものを並行して検討し、可能なものは表示基準に盛り込んでいくといったようなことで、アレルギー表示につきましては最大限、可能な限り速やかに検討に着手してまいりたいと、こういうことでございます。
  103. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 大臣、今答えていただいたようなことでよろしいんでしょうか。
  104. 加藤修一

    委員長加藤修一君) 時間が来ていますので、手短にお願いします。
  105. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 今まで、この三本を一緒にするということで、新たな基準を作る、それをまずやります、その後にそれぞれの課題をこなしていきますという方針でしたけれども、委員を始めとした皆様の御意見を伺って、また消費者団体皆様方の協力も得ながら、三本を一緒にする基準の作成と並行してもうなるべく早く進めていくということを申し上げておきたいと思います。
  106. 尾辻かな子

    尾辻かな子君 終わります。
  107. 山田太郎

    ○山田太郎君 みんなの党の山田太郎でございます。本日は、先週の金曜日に引き続きまして食品表示法の質疑に当たらせていただきたいと思います。  まず、先日の金曜日のこの委員会の質疑の中で、森大臣の方から、私の発言を訂正するようにとの御答弁で指示がありました。一昨日、議事録ができてきまして、読んでみたんですけれども、大臣は、規制強化になるとやばいというふうにおっしゃっておりましたがと発言されているんですが、私は決して規制強化になるとやばいなどとは発言していません。したがって、発言のどこを直せばいいのか私にはよく分からないんですね。逆に大臣に御発言を訂正していただいた方がいいと思うんですが、いかがでしょうか。    〔委員長退席、理事二之湯智君着席〕
  108. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 速記録ができ上がってまいりました。山田太郎委員発言が次のようになっております。実は今の大臣発言は非常に驚きなんですね、次を略しますが、国民の側に寄っているはずの消費者庁が、いや、規制強化につながるからそんなものは要らないんだというふうに、業務用については規制強化につながるから要らないんだというと、誰を一体守っているのかなと、こういうふうにも疑わざるを得ませんというふうに議事録でなっております。  ここで、今の大臣発言というふうにして、規制強化につながるからそんなものは要らないんだ、業務用については規制強化につながるから要らないんだというふうになっているところが、私はそのような発言をいたしておりませんので、そこのところを訂正していただきたいと思います。
  109. 山田太郎

    ○山田太郎君 まあニュアンスの問題で、特に例の非検査米が流通しているということに関しては規制強化につながるというふうにきちっと大臣は御答弁されたわけですから、私はそれは話の流れとして、規制強化につながるんであれば表示は要らないのかということは当然の質問だったと思っています。  その他、大臣の方、事実誤認としまして、網目の大きさの件がここかしこで間違っていたりしますので、事実を確認の上、是非発言の訂正をされていただければというふうに思っています。  さて、ちょっと時間がありませんので次に行きますが、ブレンド米の話も少し行きたいと思います。  ブレンド米に実はふるい下米、くず米が混ぜられて売られているのではないかということなんですけれども、お米屋さんとかスーパーでブレンド米、複数原料米というのが売っています。この複数原料米は、複数原料米・国内産十割と表示すれば、現在、混ぜたお米が何であるかについては表示する必要がありません。本来加工用に回るような質の悪いふるい下米、くず米が混ぜられて売られてしまうという事例も挙げられています。  また、内閣府の消費者委員会の方では、主婦連、それから全国地域婦人団体協議会などからも、このブレンド米の中に放射能問題に鑑みて産地、地域の表示もするべきだという意見も出ております。  そこで、まずこのブレンド米のふるい下米、くず米の混入の現状についてどのように把握されているか、大臣教えてください。
  110. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 米の生産現場では、生産者販売戦略等の観点から、ふるいの目幅一・八ミリから一・九ミリ程度のふるいでふるいまして、その上に残った米を主食用として出荷していることが多いと認識しております。ふるいの下に落ちましたいわゆるふるい下米のうち、主に一・七ミリ以上のものは多くは主食用に販売されており、複数原料米にも利用されていると承知しております。また、一・七ミリから一・八五ミリの米の収穫量はおよそ二十六万四千トンでございます。
  111. 山田太郎

    ○山田太郎君 質問に答えていただいていないように思うんですけれども、混入についてどのようにお考えかというふうに聞いているんであって、定義を聞いているわけじゃないんですが、もう一度御答弁いただけますでしょうか。
  112. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) くず米の混入の実態でございますけれども、これについては今御答弁したとおりのことでございます。
  113. 山田太郎

    ○山田太郎君 じゃ、端的に、あるのかないのかだけ御答弁いただけますでしょうか。
  114. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 今御答弁しましたとおり、複数原料米にも利用されているというふうに御答弁をしたとおりでございます。
  115. 山田太郎

    ○山田太郎君 そういった意味で、こういったものが入っていて、特に全農自身も、このお米が、相当量のふるい下米が入っている、品質とか食味の低下を招いているので、ふるい下米の使用実態を明確にすることは消費者選択の一助になると、したがって、ふるい下米の使用の場合にはその旨の使用量等の表示義務付けるべきであるということは、これは実は全農自身が言っていることなんですね。主婦連の方も、食味の劣るふるい下米があるということを実は指摘されています。  この問題に関して、このまま放置されるのかどうか、何か対策を取られるべきなのか、是非御見解いただきたいんですが、いかがでしょうか。
  116. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) ふるい下米の混入については、確かに消費者の方からもそのようなお声が出ております。これについて、消費者のお声を広くまたお聞きした上で検討してまいりたいと思います。
  117. 山田太郎

    ○山田太郎君 是非、これは表示に関する非常に重要な問題ですので、近々、いろんな団体から大きな問題という声が上がっています、対応をよろしくお願いします。  時間がないので最後の質問をさせていただきたいと思いますが、もう一つは米のトレーサビリティーの問題を取り上げたいと思います。  事故米とか汚染米の問題がありまして、平成二十三年の七月に米のトレーサビリティー法ができました。ただ、この米のトレーサビリティー法はお米の産地だけが情報伝達すればいいという制度になっておりまして、品種や生産年の情報伝達がありません。これをできれば例えば義務化するというのはどうなのかということであります。これをやることによって、先日取り上げました米表示のダブルスタンダードの問題というのも解決するかと思っています。農産物検査とJAS法が抱えているいろんな問題も解決すると思っております。  この同様の意見は、実は内閣府の消費者委員会でも何度も提案された経緯があります。是非、そういった意味でどのようにされるのか、この米トレーサビリティー法との関係是非大臣の方にお伺いしたいと思います。
  118. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 御指摘の米トレーサビリティー法は、事業者に対して取引の記録とそれから産地情報伝達目的としております。現在は、議員の御提案のような、品種とか産年の記録は義務付けられていないわけでございますけれども、議員が前回から御指摘のように、袋詰めの精米と、それから米の加工品ですね、おにぎり等というのがまた表示が違ってくるではないかということの御指摘等もございますので、法律目的からどうなのかという点、それから、得られる効果という点も含めまして、消費者の御意見も広く承った上で、トレーサビリティー法自身は担当省庁、農水省でございますので、消費者庁意見をまとめた上で農水省に伝えてまいりたいと思います。
  119. 山田太郎

    ○山田太郎君 最後に、ちょっと何を言っているか分からないところがありまして、米トレーサビリティー法とそれではJAS法との関係についてどのようにお考えなのかといったところを最後に質問させていただいて、終わりにしたいと思います。  これがダブルスタンダードでいろんな問題を巻き起こしているということなんですが、是非大臣なんですから、これは非常にお米の世界では重要な今問題になっておりますので、その辺りの関係であったりとか御見解をもうちょっとお聞かせいただきたいと思っております。
  120. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) JAS法の中の今回本法案にまとめられます表示の部分は、消費者が、食品安全性、また自分で食品選択するための権利ということで、それが法の目的になっておりますけれども、トレーサビリティー法の場合は、米等の譲受け、譲渡しに係る情報の記録、それから産地情報伝達等を目的としておりますので、法それぞれの目的が異なっておりますので、そういったことも勘案しながらしっかりと御意見を承ってまいりたいと思います。
  121. 山田太郎

    ○山田太郎君 時間になりましたので、これぐらいにしたいと思います。ありがとうございました。
  122. 谷亮子

    ○谷亮子君 生活の党、谷亮子です。  今回の食品表示法案では、第四条で食品表示基準の策定等を定めております。この中で、表示事項の中にアレルゲンが明記されることになりますけれども、そこで、初めに、消費者庁として食物アレルギーによる事故事例をどのように把握されていらっしゃいますでしょうか、お伺いしたいと思います。そして、直近の件数と内容を御紹介していただきたいと思います。    〔理事二之湯智君退席、委員長着席〕
  123. 松田敏明

    政府参考人(松田敏明君) 食物アレルギーによる事故情報につきましては、消費者安全法に基づきまして、関係機関、消費生活センター等からの通知情報を日々点検して、速やかに対応できるよう事案の把握をしているところでございます。  消費者庁が重大事故等として把握しているものといたしましては、例のあの小学校で提供された給食で、ふだんアレルギー対応を受けている児童がお代わりをした品目に対象の原料が含まれており、アナフィラキシーショックで死亡が確認されたと、こういう事例でございます。  また、重大事故以外のものとしては、外食でございます。カフェで食べた豆乳ソフトに牛乳が入っていたにもかかわらず、そのことが表示されておらず、顔が赤く腫れ全身に発疹ができた事例。それから、容器包装の例でございますけれども、ケーキやクッキーの原材料に卵の記載がなかったため、卵アレルギーの人が食べたところ反応を起こしたといったような事例が報告されております。  ただ、全体的に、今報告が上がっているものの単純に足し合わせた件数というのは余りちょっと統計的な意味はないものですから、こういった事例があるということで御理解を賜りたいと思います。
  124. 谷亮子

    ○谷亮子君 ありがとうございます。  今現況が分かりましたけれども、消費生活センターからのデータということでございまして、消費者庁としての食物アレルギーによる事故事例といったことを今後しっかりと把握していただきたいというふうにお願いを申し上げてまいりたいと思いますが、この食品表示法案成立後は表示事項にアレルゲンが明記されることになりますので、消費者庁所管の食品表示におきまして食物アレルギーを持つ子供を含めた消費者を守り、そしてアレルゲン表示を明記されることにより、食物事故の減少に資する施策を早急に取りまとめていただきまして、また、取りまとめるだけではなく公開していただきたい、公開するところまで是非お願いを申し上げてまいりたいというふうに思います。  そして次に、その上でお伺いいたしますが、消費者庁として食品表示におけるアレルギー表示につきまして事故を防ぐためどのように具体的に取り組まれるのか、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  125. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 現在、中食、外食等についてはアレルギー表示義務がないわけでございますので、その部分については、事故を防ぐためアレルギー表示をどのように行っていくかということを、本法案の、三法を一緒にした食品表示基準を作成する過程の中で、実態調査等を実施しながら可能な限り速やかに検討に着手してまいりたいと思います。  また、現在アレルギー表示義務がある容器包装に係るアレルギー表示については、制度に則した適正な表示がなされるように引き続き事業者に対して働きかけるとともに、アレルギー患者にとってより見やすい、分かりやすい表示方法となるように、事業者取組について、そのサポートをしたり普及啓発に努めてまいりたいというふうに思います。  アレルギー表示については、安全性に関する事項であり、特にアレルギーをお持ちの方、アレルギーをお持ちのお子様の命、健康に関する事項でございますので、消費者庁としても優先な課題、喫緊の課題というふうに承知しておりますので、アレルギー表示に係る事故、アレルギーに関する事故が少しでも少なくなりますように全力で対応してまいりたいと思います。
  126. 谷亮子

    ○谷亮子君 ありがとうございます。  今、森大臣からの御答弁にもございましたように、引き続き取り組むところはしっかりと取り組む形にしていっていただきたいと思いますし、また実効性ある法律となるためにその体制をしっかり構築をしていくという中で、またここで伺いたいんですけれども、ちょっと御紹介させていただきたいんですが、農林水産省におきましてこれまで消費安全技術センターによる監視制度を行ってきていただいております。この食品表示モニターの監視制度ということでございまして、これは平成二十三年度まで農林水産省が実施をしてきていただいております。この農林水産省の食品表示適正化対策事業委託費による食品表示ウオッチャー事業がございました。  この事業の成果実績は、平成二十四年行政事業レビューシートによれば、生鮮食品の原産地の不適正表示率が、平成二十一年度の一五・二%から平成二十三年度の五・七%に減少をいたしました。そしてまた、加工食品義務表示事項の不適正表示率は、平成二十一年度の一八・一%から平成二十三年度の一一・七%と、これも減少する成果を上げております。こうした食品表示モニターという、この食品表示ウオッチャー事業といったことをしっかりと活用してきたことによりまして、その成果をこうして十分に上げられてきているという現況がございます。  そこで、こうした取組、もう消費者庁の方でも御存じだと思いますけれども、この平成二十三年度まで農林水産省が食品表示適正化対策事業委託費による食品表示ウオッチャー事業をどのように評価しておられますでしょうか。  そしてまた、今回の食品表示法の執行体制といたしまして、消費者等が参加するモニターによる監視制度を活用することが有効かと思います。このタイミングでしっかりと始めていくということが私はいいのではないかと思っておりますけれども、この食品表示法の施行を機会といたしまして食品表示モニター制度を導入していくといった御見解はございますでしょうか。消費者庁にお伺いいたしたいと思います。
  127. 松田敏明

    政府参考人(松田敏明君) 事務方からはこの評価の関係だけ御紹介いたしたいと思いますけれども、消費者の協力を得て日常的な買物におきまして表示状況をモニタリングするこの農林水産省の食品表示ウオッチャー事業平成二十三年度まで実施されて、現在は廃止されておりますことは承知をいたしております。  この事業を端緒といたしまして実際に立入検査等を実施したほか、いわゆる農水省の食品表示Gメンによる巡回調査、それから事業者への周知活動、全体的に合わせまして小売店舗等における不適正表示率が今委員御指摘のようにかなりの低下を見たということも承知いたしておりまして、その意味では同事業の成果も一定以上あったものというふうに受け止めております。
  128. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 私からは導入についてでございますけれども、現在は、確かに行政の監視の目が行き届かない面、消費者による表示内容のチェックということでございますけれども、現在も消費者庁における行政の執行の端緒に消費者等から広く提供される情報を活用しているところでございます。  さらに、食品表示法案の中で差止め請求制度や申出制度を設けることによって、行政による監視と併せて表示違反の行為を排除する仕組みを複線化して、効率的に抑止をしていこうということをしております。  さらに、この仕組みに加えてモニター制度導入ということでございますが、食品関連事業者による表示の状況を踏まえつつ、必要となる費用とか期待される効果など総合的に勘案して判断してまいりたいと思います。
  129. 谷亮子

    ○谷亮子君 分かりました。今前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。  やはり消費者庁は、消費者に寄り添った、また消費者の立場に立った庁でなければならないというふうに思っております。今回のこの食品表示法が成立した後には、しっかりと消費者の立場に立った法律として、実効性ある法律として機能していただくことをお願いしてまいりたいと思います。そしてまた、民間の皆様のお力というものもしっかりと加えていただき、交えていただきながら、より良いものを消費者庁としてしっかりと作っていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  130. 大門実紀史

    大門実紀史君 最後の質問でございますので、この偽装表示の問題で残された問題の一つとして、お酒の問題を取り上げたいと思います。  資料を今配っていただいていますけれど、今年の二月の二十六日に、浪花酒造というお酒の造り酒屋からおわびとお知らせという社告が出ました。この浪花酒造というのは大阪の阪南市にあるんですけれども、創業三百年の老舗でございまして、全国新酒鑑評会で四年連続金賞を受賞すると、北海道の洞爺湖サミットでも各国代表に純米吟醸酒が提供されるという会社でございましたが、その会社がおわびとお知らせという社告を出しまして何を言っているかといいますと、当社が販売している商品の一部について、特定名称酒表示、原材料表示とは違う清酒が混和されていたことによるラベル表示の誤りが判明しましたので自主回収いたしますと。これだけ読むと、何か製造過程でミスがあって回収するのかということかと思ってしまいますけれど、その下に同じ日の新聞記事が掲載してございますが、実は何があったのかといいますと、意図的な偽装表示があったということでございまして、国税庁が摘発をしたということです。  要するに、純米酒に醸造アルコールを加えていたということで、醸造アルコールというのは、何といいますか、香料といいますか調味料といいますか、そういう役割を果たすアルコールでございます。これが混じっていたわけですけれども、誰も見抜けないで、おいしい、おいしいと飲んでいたわけですね。この浪花酒造の社長は、味がほとんど変わらないのでその場しのぎでやってしまったと、在庫がなくなったときにやっていたということを言っているわけでございます。  消費者は、この社告だけ見ていると、のおわびでは分からないわけですね。この新聞報道を見て初めて偽装が確信的に行われていたということを知るようになったわけでございます。たまたまこれ新聞報道出ていますけれど、新聞報道はあくまで新聞報道でございまして、この偽装表示事件で公にされた、公の場でやられたのはこの浪花酒造のおわびの社告しかございません。しかも、ごまかしの入った中身でございます。  国税庁は、この浪花酒造に、そんなもの混ぜちゃいけないということで是正するように指示をしたということでございまして、この国税庁の指導中身はいろいろありまして、指示をして改善をしたら企業名とかあった事実を公表しないと、もし指示に従わなかったら命令という段階になって、その段階になりますと企業名とか事実関係を公表すると、こうなっているわけですね。今回の食品表示法では、そういう指示を出した段階で公表するということになっております。  国税庁は個別のことは答えられないと思いますので一般論で結構なんですけれども、ある酒造会社が清酒の製法、品質表示基準に違反して偽装を行ったと、国税庁は発見すると、是正するように指示を出すと、その指示に従ってもう変なものを混ぜないと、やめたと、適当な理由でこのように自主回収しますと。そうすれば一件落着で、特におとがめなしなわけでございますけれども、これでは消費者にとっては偽装表示という事実はやみに葬られたことにならないかと思うんですね。  今回の法改正で、資料の二枚目に付けておきましたけれども、どうなるかといいますと、これからも酒税保全法の世界が継続されるわけでございます。今言ったような醸造アルコールなどを混ぜるなどの根本的な偽装は、引き続き国税庁の方でやると。したがって、内々で指示をして従ったら公表されないと。偽装はやみのままで、やみの中に葬られるということが続くわけでございます。  下の方に、今回は、食品衛生法、健康増進法にかかわることは食品表示法に移行されるわけですけど、これは、例えば食品衛生法は、果実酒なんかで何のフルーツが入っているかを表示しなさいという程度ですね。健康増進法でいえば、今、糖質ゼロのビール、ゼロビールってありますけれども、そういうものを表示しなさいということでありまして、根本的な偽装は引き続き国税庁の方が摘発していくようなことになるわけですけれども、このまま行きますと、せっかくこういう食品表示法が施行されてきたにもかかわらず、お酒の世界では引き続きこの偽装表示がクローズされたままになってしまうんではないかと。  こういう時代の変化もありますんで、これやっぱり消費者にクローズな今の仕組みを改めていくべきではないかと思いますが、国税庁、いかがですか。
  131. 刀禰俊哉

    政府参考人(刀禰俊哉君) お答えいたします。  今御指摘のございました純米酒の表示などにつきまして表示義務違反が発生した場合でございますけれども、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律におきまして、酒類の表示基準を遵守しない酒類業者に対し、その基準を遵守すべき旨を指示することができることとされております。当該指示を従わない酒類業者があるときは、その旨を公表することができることとされておるところでございます。  この規定につきましては、他の法令で定められました表示に関する制度参考に現行の規定が設けられているものでございますが、今お話もございました今般の食品表示法案におきまして、表示に関する指示を行ったときは、その旨を公表しなければならないこととされているところでございまして、この点も踏まえまして、今後、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
  132. 大門実紀史

    大門実紀史君 実は、私の本家も造り酒屋なんですよ。大阪の北河内で大門酒造というんですけど、安心して御用命いただければと思いますが。うちの大門酒造も、実は十年ちょっと前にこの新酒鑑評会で賞を取ったんですね。で、よく知っているんですけど、お酒というのは生き物でございまして、この浪花酒造みたいに四年連続賞を取るというのはなかなかできるものじゃないんですよね。そういう、何といいますかね、プレッシャーといいますかね、無理に、売れますから、売れることを維持するために、そういうことが動機でこういう偽装に走ったんじゃないかと、気持ちは分からなくはないんですけれども、これ、全体の清酒に対する信頼を失うわけですね。  是非、国税庁として検討していっていただきたいし、森大臣にもお聞きいたしますけれども、こういうふうに、引き続きこの部分は国税庁ではあるんですけれども、消費者庁としてもどう関与していけるのか、これだけはちょっと、何といいますか、検討課題として意識しておいていただきたいと思いますが、その点、いかがでしょうか。
  133. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) 御指摘のとおりでございまして、また付け加えさせていただくならば、景品表示法にも違反することになる場合が多いと思うんですね。その場合には、景品表示法で不当表示に該当すれば、措置命令が発出されれば、その内容が即公表されるわけでございますので、そうした観点からも、食品を摂取する際の安全性確保、そして消費者が自主的かつ合理的に選択をする機会確保、その権利の保障ということを図るためにも、国税庁とも相談しながら検討してまいりたいと思います。
  134. 大門実紀史

    大門実紀史君 お疲れさまでした。終わります。
  135. 加藤修一

    委員長加藤修一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  食品表示法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  136. 加藤修一

    委員長加藤修一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、斎藤君から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤嘉隆君。
  137. 斎藤嘉隆

    ○斎藤嘉隆君 私は、ただいま可決されました食品表示法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党及び生活の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     食品表示法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一、食品表示基準の策定に当たっては、消費者表示利活用の実態消費者ニーズ食品の製造・流通実態等を十分に調査し、消費者事業者双方にとって分かりやすく、実行可能で、かつ国際基準との整合性等を十分に踏まえた食品表示とすること。  二、製造者の所在地等の情報を知りたいという消費者からの要望を踏まえ、製造所固有記号制度の在り方について検討すること。  三、食品表示義務の対象拡大に当たっては、小規模食品関連事業者に過度な負担とならないよう、その実行可能性を担保する支援措置等環境整備を図ること。  四、栄養表示義務化に伴う表示基準の見直しを始め、加工食品の原料原産地表示の在り方、中食・外食へのアレルギー表示の在り方、食品添加物表示の在り方など表示基準の見直しについては、本法成立後速やかにその検討のための機関を設置し、検討に着手すること。また、その委員の人選に当たっては、表示基準の見直しを幅広く消費者事業者理解を得ながら進めていくという観点から、広く各層の声を反映できるよう、公平・中立で均衡のとれた委員構成とすること。  五、四の表示基準の見直しについては、本法の目的及び基本理念を踏まえ、可能な限り、検討内容及びスケジュールを具体的に示し、これを消費者基本計画に明記すること。  六、食品表示に関する法律一元化を実効的なものとするため、執行体制充実強化すること。少なくとも問合せ対応等のワンストップ体制等を早急に実現すること。また、中途採用を含めたプロパー職員の確保や、その育成に積極的に取り組むこと。  七、虚偽・誇大広告及び消費者を誤認させる不当な表示については、食品衛生法や不当景品類及び不当表示防止法の適切な運用を通じて、監視、取締りに努めること。  八、食品表示の適正化に係る実施状況を取りまとめ、定期的に年次報告の中で国会に報告すること。  九、本法に基づく差止請求の実効性を担保するため、適格消費者団体に対して食品表示に関する情報提供その他の支援を行うこと。  十、消費者食品安全性に係る科学的情報を適時適切に提供する等、消費者とのリスクコミュニケーションを一層推進すること。また、提供された情報理解の促進等のための消費者教育を拡充すること。  十一、環太平洋パートナーシップ協定の交渉に当たっては、遺伝子組換え食品表示など、食品表示を含め、消費者の安全・安心に資するものとなるよう万全を期すこと。  十二、栄養機能食品及び特定保健用食品を含む健康食品の利用が増加していることを踏まえ、消費者健康食品の特性等を十分理解し、適切な選択を行うことができるよう、消費者に分かりやすい表示の在り方や広告の適正化について検討すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  138. 加藤修一

    委員長加藤修一君) ただいま斎藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  139. 加藤修一

    委員長加藤修一君) 全会一致と認めます。よって、斎藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、森内閣特命担大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森内閣特命担大臣
  140. 森まさこ

    国務大臣(森まさこ君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと思います。
  141. 加藤修一

    委員長加藤修一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 加藤修一

    委員長加藤修一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十分散会