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竹谷とし子君 ありがとうございます。
大臣の本音の
部分でお答えいただいて、大変うれしく思います。
私はこの表を見まして、私は今四十代なんですけれ
ども、やはり三十代、四十代の消費、これが上がってくるということが本当の景気回復なんだろうというふうに
感じております。もちろん、五十代、六十代の方が着物などの、私も着物好きなんですけれ
ども、そういった高級品を買っていただいて、そして今度は、そこに、買っていただいた呉服店であれば従業員の方の賃金が上がり、経営者の方の
所得が増え、また別な消費に回っていくということで、だんだんだんだん循環をしてくるものというふうにも思いますけれ
ども、やはりこの三十代、四十代というのが、入ってきた分をすぐに使う、効果が高い世代でもあるというふうに思います。
この三十代、四十代について、今まだ顕著な変化が見られていません。でも、街角のお話を聞きますと、例えば飲食店が少し元気になってきているような、今まで単価が二千五百円ぐらいだったのが、お客様の単価が三千円ぐらいになった、一杯飲む分が増えたとか、そういったところには影響出てきているというふうには思いますが、これをもっともっと広げていく必要があると思います。
具体的には、私は、この十年余りデフレと言われましたけれ
ども、物価下落以上に賃金が下落をしています。これはもうデータでも明らかですけれ
ども、家計の可
処分所得を子育て世代と高齢世代でどれぐらい減少したかという、分けて
調査した表が
政府から出ていました。それを見ますと、高齢世代の倍、可
処分所得の下落幅が大きいのが、下落率が大きいのが子育て世代だったんです。もちろん、その分家計の支出も減らしているわけですけれ
ども、私はここの
部分がデフレ不況の大きな原因になったのではないかというふうに分析をしております。
公明党は、五月二十四日に
政府に対して
日本経済再生のための成長戦略を提言させていただきました。その中で、子育て世代を中心に世帯
収入を増加させる取組というものを訴えております。ここを賃金を、三十代、四十代の賃金を上昇させていくために、
麻生財務大臣、今、北風、
経済界に対してしっかりと、勤労
所得に回していく、労働分配率を上げる、
配当に回す、設備投資をするようにしっかり言っているという力強いお答えありましたけれ
ども、私は、この消費を、GDPを構成する一番大きいものは消費であります、国内消費であります。この消費性向が高いところの賃金
所得をまず上げていけるように的を絞っていくことが、政策としては効果が高いのではないかというふうに思っております。
二枚目の資料にはっきり出ているんですけれ
ども、これは総務省の家計
調査でございます。年間
収入を五分位に階級別に分けて、そして平均の消費性向を出しているものでありますが、この黒枠で囲っているところが
所得の階級別の平均消費性向でございますが、第一階級の三百五十二万円未満のところの消費性向は八〇・七%。平均が七二・一%であります。一方で、八百二十八万円以上の階級では平均消費性向六七・六%ということで、この第一階級である三百五十二万円以下の世帯の
所得、特に勤労世帯の
所得を上げていくということが消費につながる率が高いということで、是非ここをターゲットに絞るべきではないかと思います。
三枚目の提出資料が、「保育士・介護従事者等の平均賃金等について」というものでございます。この平均賃金でありますが、この表の中には表現されていないんですけれ
ども、サービス業である飲食、小売、流通、また宿泊といったサービス業、これ女性が多い、また非正社員が多い、若者も多い、そういう職種でございますけれ
ども、その平均賃金というのは全体に比べると低くなっております。
同じように低いのが保育士、介護従事者でございます。こちらの表では、全職種が年間の賞与その他特別給与八十一万九千三百円となっております。年収にすると四百七十二万六千五百円となっています。保育士さん、また福祉施設介護員、ホームヘルパーさん、三百万円前後という年収になっています。
ここの賃金を上げていくということで、あとは民間の仕事だということも全くそのとおりだとも思うんですが、この保育、福祉介護、ホームヘルパーさんというのは、これは民間では決まらない賃金であると思います。これは
政府が介在しているために、今、超過需要の状態であるにもかかわらず供給不足に陥っている子供の待機児童の問題ですとか、特別養護老人ホームなどの介護施設の入居待機者がたくさんいらっしゃるということを見ても明らかであります。
保育施設を先日、お話を伺いに行ってまいりましたけれ
ども、やはり保育士さんが不足しているということがこれから施設を拡充していくに当たって課題になると。しかし、そこの保育施設は経営者の方の心配りで保育士さんが働きやすい、いろんな短時間勤務ですとか交代をしやすくしたりですとか、そういったことをしていることによって保育士さんがお子さんを産んでもまた戻ってくるようなそういう環境をつくられていて、待遇を良くすれば保育士さんというのは戻ってくるんだと。今、潜在的に資格を持っていて、働いていらっしゃらない方もいると。
そういうことを考えますと、需要がある分野ですから、ここは
政府がきちんと
お金を使って、供給に見合う保育士さん、また介護の職員を
確保していくと同時に、適正な賃金というものに引き上げていくべきであるというふうに思います。このサービス業全体を引き上げるには、
政府ができることというのは、
政府が介在している保育・介護分野の賃金の引上げというものを行っていくことが必要だと思います。
全体を温めていくということも一つの方法ですが、一点を温めてほかにその熱を伝播させていくというやり方もあると思います。この介護、保育の賃金を上げるということが、ここは三百万前後の
所得でありますので消費性向が八割と高い世帯であります。それがまた国内消費に回っていくという好循環を考えると、
政府の支出としてここを上げていくというのは、私は、
財政の健全化と
経済成長との両立を図っていく上でも最も効果が高いところではないかというふうに思います。
最後に
財務大臣のお考えをお伺いして、質問を終わりたいと思います。