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2013-02-27 第183回国会 参議院 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十五年二月二十七日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  二月七日     辞任         補欠選任      行田 邦子君     舟山 康江君  二月二十六日     辞任         補欠選任      加賀谷 健君     武内 則男君      白  眞勲君     藤本 祐司君  二月二十七日     辞任         補欠選任      舟山 康江君     亀井亜紀子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         藤原 正司君     理 事                 江崎  孝君                 津田弥太郎君                 有村 治子君                 石川 博崇君                 松田 公太君     委 員                 尾立 源幸君                 加藤 敏幸君                 武内 則男君                 藤本 祐司君                 安井美沙子君                 熊谷  大君                 島尻安伊子君                 野村 哲郎君                 橋本 聖子君                 水落 敏栄君                 若林 健太君                 加藤 修一君                 藤原 良信君                 紙  智子君                 亀井亜紀子君                 浜田 和幸君    事務局側        第一特別調査室        長        宇佐美正行君    参考人        独立行政法人国        際協力機構地球        環境部長     不破 雅実君        日本ポリグル株        式会社代表取締        役会長        ポリグルソーシ        ャルビジネス株        式会社会長    小田 兼利君        公益財団法人ケ        ア・インターナ        ショナル ジャ        パン常務理事・        事務局長     武田 勝彦君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する  調査  (「世界の水問題と日本対外戦略」のうち、  アフリカ及び中東の水問題への取組課題につ  いて)     ─────────────
  2. 藤原正司

    会長藤原正司君) ただいまから国際地球環境・食糧問題に関する調査会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日までに、行田邦子君、白眞勲君、加賀谷健君が委員辞任され、その補欠として藤本祐司君、武内則男君、亀井亜紀子君が選任されました。     ─────────────
  3. 藤原正司

    会長藤原正司君) 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査を議題といたします。  本日は、「世界の水問題と日本対外戦略」のうち、アフリカ及び中東の水問題への取組課題について参考人から御意見をお伺いいたします。その後、質疑を行います。  本日は、独立行政法人国際協力機構地球環境部長不破雅実参考人日本ポリグル株式会社代表取締役会長ポリグルソーシャルビジネス株式会社会長小田利参考人、それから最後に、公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン常務理事事務局長武田勝彦参考人に御出席をいただいております。  この際、一言御挨拶を申し上げます。  各参考人におかれましては、御多忙のところ、本日、調査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  本日は、各参考人から忌憚のない御意見を賜りまして今後の調査参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  本日の議事の進め方でございますが、まず不破参考人小田参考人武田参考人の順でお一人二十分程度意見をお述べいただいた後、午後四時ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、不破参考人からお願いいたします。不破参考人、よろしくお願いします。
  4. 不破雅実

    参考人不破雅実君) 今御紹介あずかりました国際協力機構不破と申します。よろしくお願いいたします。  本日は、アフリカ及び中東の水問題とJICA取組と題しまして発表をさせていただきます。(資料映写)  今日お話しする内容は主に三点でございます。第一番目に、アフリカ及び中東の水問題、水資源特徴ということについて述べます。それから、アフリカ中東の水問題への取組方針について述べたいと思います。それから、取組事例につきまして、約八事例ほどございまして、それを用いまして具体的な御説明を申し上げたいと、そういうふうに思います。  まず最初に、アフリカ中東における水資源特徴ということにつきまして数ページ用いまして御説明をいたします。  大変恐縮ながら、お配りしました資料ページが打ってはございません。大変申し訳ございません。後でページをちょっと御参照いただくときにちょっと不便でございますけれども、恐れ入ります。  まず、この最初ページでございますが、一人当たり利用可能な水資源の量というものを地域ごとに示したグラフが付いております。これを見ますと、一番上に豪州・ニュージーランドなど、中南米・カリブ諸国、ここにおきましては一人当たり水資源の量が一番多いということになっております。今日対象にいたしますサブサハラアフリカ、これはサハラよりも以南のアフリカという意味でございますけれども、ここの水資源の量というのは、千トン単位でいきますと、大体年間七千トンというような数字になりますでしょうか。それから、もう一つ対象地域でございます中東でございますが、これは世界で最も少なくて、約千トンほどの分量ということになろうかと思います。したがいまして、中東における絶対的な水資源の少ないということ、それが特徴でございます。  アフリカ大陸におきましては、水資源はございます、ある程度ございます。右の図をちょっと御覧いただきますと、赤いところはエクストリームリー・スケアシティーということで非常に水が少ないところ、青いところはそれに対して水資源がかなり十分にあるということでございますので、サハラ以南アフリカのところにつきましては、かなりの面積のところで水資源があるのですけれども、偏在しているということとともに、安全な水として利用できるものが非常に少ないと、そういうことがございます。  北アフリカ東アフリカアフリカの角と言われますソマリアがある辺りの紅海の出口の辺り、ここの辺りでは非常に水が少ないです。南部アフリカでも絶対的な水資源は不足しております。一方、中部アフリカにおきましては、豊富な水資源がございますが、偏在しているということとともに、利用できるものが少ないということでございます。  次に、アフリカ中東における水資源特徴で、主要な国際河川のお話をさせていただきたいと思います。  例えば、ナイル川というのがございます。ナイル川はビクトリア湖などを水源に、もう一つの端はエチオピアを水源青ナイル白ナイルが流れていって、スーダンのハルツームで合流し、エジプトを通じて地中海に注ぐという六千七百キロの川、こういう国際河川がございます。それから、ジンバブエからモザンビークに抜けていくザンベジ川という大きな川もございます。またニジェール川と申しまして、中西部アフリカ国際河川もございます。  このように国境をまたがる河川というのがございますので、そういった問題がございます。中東におきましては、メソポタミア文明で有名なチグリス・ユーフラテス川というのがトルコを水源にしまして、シリア、イラクを流れていきます。こうした国際的な河川におきましては、やっぱり水の利用に関して紛争の要因になりやすいという背景がございます。  アフリカ大陸には六十三の国際河川があって、大陸流域面積の六四%を占めます。また、表流水の水量としてもこの国際河川が九三%を占めるということでございますから、国際河川をめぐる紛争の問題というのは大事な問題になってきておると思います。  次に、アフリカ大陸における地下水のことをお話ししたいと思います。  アフリカにおきましては、先ほど申し上げましたように、表流水水源としての量は非常に大きいのでございますけれども、利用できる水としましては実はこの地下水というものがかなり大きいです。地下水利用可能な水資源量の一五%を占めるということでございまして、このアフリカ地図の上に書きました水源の丸というのは、国際的な国境をまたぐ帯水層地下水盆を表しているものでございます。アフリカ人口の七五%がこの地下水に依存しているという状況を表しております。  次に、安全な水へのアクセスが非常に不十分であるという問題を述べさせていただきたいと思います。  二〇〇〇年に世界で決めましたミレニアム開発目標というものがございます。そのうちの七番目の目標一つに、二〇一五年までに安全な水にアクセスできない人口割合を半減させるという目標がございます。  これの現状でございますが、二〇一〇年における安全な水にアクセスできない人口割合アフリカ地図の上にプロットされております。この地図の上でオレンジ色のところはその割合が五〇%に満たないというエリアでございまして、つまり、このミレニアム開発目標を満たしていない国がこの色で示されております。ニジェールであるとかコンゴ民主共和国ケニアソマリアモザンビーク、それからマダガスカルという国が表れております。  アフリカでは、このように多くの人々が不衛生な水に頼らざるを得ないという現状がございます。  世界全体としましては、二〇一〇年にこの目標は達成をしたということになっております。人口割合では半減したということなんですが、ただ、その内訳を見ますと、世界でいまだ七億八千万人が安全な水へのアクセスができておりません。それから、サブサハラアフリカ状況は特に深刻であるというのがこの図からお分かりいただけるかというふうに思います。  次に、アフリカ中東の水問題に対する取組方針ということで、これが今回の結論部分の紙でございますが、左半分に問題、右半分に取組というふうに分けてみました。  まず最初に、アフリカにおきましては、先ほど御案内いたしましたとおり、水資源の量というものが偏在しておりますが、それなりに量はあります。しかし、多くの人々が水の恩恵を受けられていないという現状がございます。とりわけ貧困層、脆弱な階層の方々においては、水へのアクセスというのは非常に限られています。例えば、二十リッターのポリタンを頭に載せて、約二時間半とか三時間掛けてそれを、水を運んでいるというのがアフリカ地方部における子供と婦人の労働だという、そういう現状がございます。こういったものを解消させるための協力というものが一つ中心に置かれております。  したがいまして、適正な水資源をまず配分するということ、それから、安全な飲料水供給するために井戸であるとか都市給水というものを行う、それから、水の利用方法改善するというようなことを協力をしております。  一方、中東におきましては、水資源そのものが非常に少ないという現状がございます。したがいまして、水資源をいかに効率的に使っていくかという観点で、水資源管理改善、これは供給需要、両方をコントロールするということでございますけれども、それを行うとともに、限られた水資源をできるだけ効率的に利用するという意味で、いわゆる無収水などをいかに減らすかということをやっております。漏水及び料金が徴収できない水などを減らすということ、そういったことを考えてやっております。  次に、取組事例を残りの時間で御説明をしてまいりたいと思います。  最初に、水資源管理改善ということで、中東事例でございます。これはシリア水資源情報センタープロジェクトの例でございます。  右の上の方にシリア地図がございます。効率的な水資源活用のために、水資源量の把握がまず非常に必要だということで、ダマスカス周辺流域観測センター沿岸部流域観測センターというものを設置をいたしまして、観測機材からのデータの収集、自動気象観測機器設置、収集したデータ活用についての技術協力というものを展開しております。降雨量河川流量などの観測体制を整備し、人材育成を通じて、高い精度で水資源需給をモニタリングするということを目指しております。  次は、中東における水利用効率化でございますが、ヨルダンにおける無収水の対策、つまり漏水料金が取れない水を減らすための技術協力のことでございます。  ヨルダンにおきましては、国土の七五%は砂漠地帯でございまして、水資源が非常に少ないです。水資源はほとんどヨルダン川に依存しているというふうな状況もございます。一方で、無収水漏水料金が取れない水というものが二〇〇二年段階で五〇%以上というようなことで、これをいかに減らすかということを技術協力によって行いました。  具体的には、水道管布設場所調査や図面、流量や水圧をいかに測定するかという方法漏水や水が盗まれる盗水の探知の方法について、盗水の予防、節水キャンペーンを実施するということ、配管施工業者技術の訓練やまた技術の認定、認証ということを行いました。具体的には、管の継ぎ目からの漏水を減らしたり、超音波センサー地下漏水を突き止めたり、地面にセンサーを近づけて探知する実習も行いましたし、学校における節水教育なども行いました。  次に、アフリカにおける水資源管理強化でございますが、ここにおきましての事例ナイジェリアにおける全国水資源管理開発計画プロジェクトでございます。  ナイジェリア地図が真ん中に載せてありますけれども、ナイジェリアでは経済発展人口増加によって水の需要が急増しておりますが、水資源の適切な管理開発というのが課題になっておりました。JICAでは、二〇三〇年を目標年とした水資源管理開発マスタープラン、これを策定いたしまして、まず水資源賦存量のポテンシャル、把握し、水需要の予測に基づいて需給バランスというものを検討しました。二〇〇八年に設立された統合水資源管理庁というものができまして、そこの能力強化も行っております。二つのパイロット流域がこの赤い枠で示されております。北ニジェール流域、それから西海岸の流域でございますけれども、ここにおきまして流域管理計画を策定して実践を行うと、こういう協力を行っております。  次の事例アフリカにおける水利用改善事例でございますが、一番最初小規模かんがい事例というものを持ってきました。食料生産にも関連するものでございます。  アフリカにおいては実はかんがいというものは非常に進捗が少なくて、ほとんど天水で農業を行うという状況でございます。雨水に依存する農業形態だったわけでございますが、バケツかんがい足踏みポンプによる畑への水やりという小規模かんがいを地元の住民方々のできる範囲の中でやっていくというやり方で、持続可能性の高いかんがいやり方というものをここで実践をしております。乾季は主に何らかの賃金を得るような仕事に従事しておりますけれども、こういう雨季でのこういう利用。  持続的な適正技術開発と普及というところがポイントでございまして、現地で入手可能な材料を用いて、下にあります、木をくりぬいて作成した水路水路橋だとか、サンドバッグ、土のうを利用した取水堰を造ったりとか、木材やわら、石だけで造った取水堰を造ったり、そうしたことをやっております。それから、難しい知識や技術を必要としない簡易なかんがいというものを目指している。それから、共同作業によって二、三週間で建設可能な規模で約三千七百七十ヘクタール、千九百九十一か所のかんがいを造りましたということでございます。  次に、村落給水でございます。  冒頭申し上げましたとおり、アフリカにおきましては地下水に依存する方々が全体の一五%ある、しかし、アフリカ村落におきましては水がほとんど得られませんというような現状がございます。したがいまして、もう三十年、四十年と日本アフリカでの井戸を掘削するという協力をやってきておりました。主に無償資金協力などによる設置が多かったんですが、井戸の掘削とハンドポンプ設置、それから技術協力によって水源維持管理するということを主にやってきました。  一九七九年から二〇〇七年まで、一万二千百十三本という井戸アフリカでは掘られております。西側で六千三百、東側で四千四百四十七、中央アフリカで千百、南部で二百四十七というような数の井戸をこのように展開してきておるんですけれども、これは井戸へのアクセス数を確保することで水くみ労働から解放するという、そういうことを目的としたものです。  それから、ザンビア、セネガルなどアフリカ九か国における技術協力の例として、村落給水のための住民能力開発するということをやっております。ポンプ修理人を育成したりトイレを建設する、それからスペアパーツ・サプライチェーンを確保する、衛生教育などを、衛生観念を啓発すると、そういうようなことも含んだ協力でございます。これによって、水系伝染病による死亡率というのを減らすということを目的としているミレニアム・ディベロップメント・ゴールと連帯した事業だということでございます。  それから、都市給水でございます。  アフリカにおきましても都市には人口が集中しておりますので、比較的規模の大きな上水道を布設するという仕事円借款無償資金協力によって行っております。モロッコにおきましては、アガディールという都市円借款による上水道を建設しております。ケニアにおきましては、メルー市というところで無償による給水を行っておりますし、つい最近まで紛争がありましたスーダン、そこにおきましては、スーダンのカッサラ市での給水、それから南スーダンの首都であるジュバにおきましては、ジュバ水供給改善事業というものを無償で行っております。  次に、人材育成でございますが、やはり人材育成ができませんと維持管理は大変難しくなりますので、こういった技術協力によってなるべく無収水を減らしたりする技術協力というのを行っております。  時間がなくなってきましたけれども、次にアフリカにおける民間企業との連携ということで、セネガルにおきまして浄水装置を用いた村落給水というものを行っております。  これはヤマハさんの例でございますけれども、ヤマハさんが開発した浄水装置を使いまして、村人の力によってこの浄水というものを行っていくというようなことをやっております。想定される事業形態としては、浄水装置の製造、販売、設置ヤマハが行い、維持管理、運営、料金徴収住民組織が行うと、こういった形で展開をしております。  以上でございました。  どうもありがとうございました。
  5. 藤原正司

    会長藤原正司君) どうもありがとうございました。  次に、小田参考人、お願いします。
  6. 小田兼利

    参考人小田兼利君) 小田です。じゃ、座らせていただきます。(資料映写)  まず、私はどこへ行っても自分の技術を実演でもって理解していただくようにしております。そこで、今日は日比谷公園の水を約三分で飲み水に変えることを実演して、これをどういうふうに利用するかということを話させていただきます。(資料提示)  今、冬は比較的日比谷公園もきれいなんです。夏になるとにおいがします、アオコが発生して。東京都は、余り日比谷公園日比谷公園と言わないでくれと言われているんですが、実際これだけ濁っているんです。  アフリカの場合は、ほとんどが鉄分を帯びていますから褐色しています。それをみんな飲んでいます。バングラデシュでもこの程度の水は日常的に飲んでいます。  日比谷公園は鳥のふんも入っているんですよね。でもね、これ使いますときれいになるんですよ。こういうふうになります。夏はもっと緑色です。  それで、私の場合は納豆のねばねば成分をベースにした浄化剤できれいにするんです。これがそうです。これを文字も読めない人たちに使わすために、多少量が違っても効果が出るようなものにしています。少し入れてみます。もう少し入れた方がいいかな。ほんのちょっとです。これをかき回します。そうしますと、汚れた水は顕微鏡で見ますと水中に汚れ成分が浮遊しているんです。なぜそうなっているかというと、その粒子の周囲にはマイナスの電荷が掛かっています。マイナスマイナスで反発し合って汚れた水が形成されているわけです。それを中和さすことで逆に雪だるまみたいにくっつけているわけです。  そろそろ反応が始まります。これを混ぜれば混ぜるほどいいんです。みんな、私は年間三十くらいの国にこれやっているんですよ。こういうふうに、既に汚れ汚れがくっつき始めています。じゃ、これは沈殿するまで待ちましょう。すぐにしますから。  それから、私は是非この機会に申し上げたかったのが、東電で汚染水、もうどうにもならないくらいたまっていますよね。あれは、実は私のところで解決できるんです。それはマスコミで盛んに報道されました。アレバも関心を持ちました。ですが、今八十億か何か払って、アレバのスクラップになっています。  これを見てください。こういうふうに入れます。これには今、鉄分入れたんですが、御存じのように、ゼオライトとか顔料を盛んに入れて浄化させますよね。問題は、ややこしく考えることないんですよ、東京工大も大阪大学もこれは有効だといってやったんですが、何か知らないうちにほかの技術使う、まだ技術的なものは解決されていない。こういう状態で、一度私は是非、国会議員皆さんに、せめて実験くらいしてほしいと思っております。  でも、我が国は新しい技術に対して振り向こうともしません。私のさっきのこの技術だって、ほら、きれいになったでしょう。これだって海外から始まったことです。道頓堀だって大阪の恥と言われながら、私のを聞きにも来ません。どうしても既成技術を大事にしたいと。これ見てくださいよ。今のが狭いビーカーだと思われる人は発想力がない先生方、これは大きいプールでやればどうだということを考えてください。こういうふうに大きいプールで電磁石入れて流量で攪拌して放射性物質を吸着させてしまえば、危険も何にもないんですよ。これをマスコミでは騒がれても、我が国人たち実験さえしようとしない。私は不謹慎も甚だしいと思う。本当に実験さえしようとしないんですよ。これ見てください、こうなります。こうなりますと、簡単なこういうろ過、途上国では砂でやっております。これにみんな引っかかるんです、この汚れは大きくなっていますから、こういうふうに。ほら、どうですか、飲み水になるでしょう。これはこうやって飲むんです。鳥のふんにおいもしません、全部吸着するんです。  そこで、問題は、皆さん、水問題というのを深刻に考え過ぎ、そんな高く付くものじゃないんですよ。だって、自衛隊の、私の尊敬するひげの先生、今日はおられぬようだけど、自衛隊は、私が一千万も掛からずするのを一億四千万の装置で水処理装置やっている。こんなの私は一日二十リットルずつ途上国で配達してあげて、月に二ドル、こうでないと売れないんですよ、安くしないと。だから、水は高く付くものじゃないんです、難しく考えることはありません。だから、私はどこへ行っても日本では冷たくされるけど、まるで神様扱いされるので海外ばっかり行っているわけです。  最初は、これを考えたときは、道頓堀を始めいろんな池、きれいにできるだろうとやっていろいろテレビに取り上げられました。甲子園くらいの汚い池でしたら半日まいて、それから夕方にはきれいになります。何度もテレビで放送されています。でも、一度も国土交通省からもお呼びが掛からなかった。そういう中で、タイで津波災害が起きたんです。それで、ボランティアで私のところへ来ました。そうしたら、数千万もするフランスの機械が据えてありました、プーケット島から更に行ったところ、ほこりかぶって使ってないんですよ。いい技術でも現地の人が使えなかったら、ただの鉄の塊ですよね。それで、私なんかは到着したその日からみんな使える。  それから、バングラデシュも同じです。ボランティアから始まってビジネスが始まった。そういう中でひどく中小企業がやっていることですから苦労していたんですが、タイムリーに経済産業省の助成を受けることができた。一番有り難かったのは、中小企業だったら現地の政府なんか会ってくれませんが、日本政府からの紹介があればすぐ水質検査もしてくれる、それで許認可が取れる、こういう面で非常に助かりました。  そういう中で、やっぱり使い方教えないといかぬので、例えば農薬でも入っていると大変なので、行き着いたところがポリグルレディーという組織つくったということです。ポリグルレディーって名前はヤクルトさんのまねしたんですけどね。それやって、今ではこれを運んでいくウオーターボーイ、ポリグルボーイというのが今、水を自転車の後ろにリヤカー引っ張って五百リッターずつ積んで、集落行ったら笛吹いてやっております。私もあしたから行きます。  そうこうしているうちに、一昨年度の末に日本政府がソマリアに二十一年ぶりに人道援助を始めた。それで採用されて、今現在十八か所でソマリア給水所を設けております。  私も、ケニアの大使館、行くなと止められたのを強引に行ってきました。もうやっぱり言うこと聞きます。この間のあのアルジェリアですか、ああいう事故あると、やっぱり外務省に迷惑掛けるわけいかぬので。  こういうところ、これがソマリアの、ドーロというところですが、エチオピアから流れてきている水です。これを難民たちは使っています。私が行った三日前には、水くみに行った人がワニに襲われたそうです。そういう状況です。  みんな住民にこういうふうに教えている。そういうソマリアの難民キャンプでさえ、自分たちはこれを売ってビジネスしたいと申し出てくるのいるんですよ。やはり金動いているんですよ。しば刈ったりして、一日一ドルか何かしか稼げないんですが、みんな働く。  私は、橋下知事のころ、これはいいと言っていただいたんですが、次にお会いしたら言ってやろうと思うんですが、大阪は一番生活保護が多いんですよね。このソマリアの難民キャンプね、仕事させているんですよ、国連は。何やっているかというと、ごみ拾いか何かしないと粉、トウモロコシの粉、くれないんですよね。やっぱり働いているんですよ。だから、先生方も、生活保護、やっぱりやらした方がいいですよ。人間、何か仕事もうやらなくていいとなったらもう立ち上がれない。やらした方がいい。難民キャンプでやっているんだから。  こういう、ほら、私が上っている、これ十二メートルあるんですが、私は実際の、どういうものができたか見ないと気が済まないたちなので、十二メートルのところ上りました。  この日の丸付けるときは気分いいものですよ。私なんか別に愛国者でもなかったんですが、海外行って、あの赤いパスポートの威力、それから、すぐ出てくるのが、日本じゃ全然言われないけれどもJICAとか、本当に日本では有名でなくてJICA世界中で有名なんですよね。本当にそういうのを見ていますと自然と愛国者になります。  こういうふうに私が行って造ったところで、最後には給水。ここで笑顔が出なかったというのは、ほかの国ではきれいな水が出ますと非常に笑顔ばかりになるんですが、ソマリア難民キャンプでは出ません。  私も身が凍る思いしたのが、いつも子供たち好きですから集合写真撮るんですよ。あのソマリアの子供に手を載せたとき、何か身が凍る思いしました。本当にもう皮の下が骨なんですよ。やっぱりあのとき私は思いました。今七十二だけど、神様、何とか長生きさせてほしいと、何とかこれをしたいと、こういう思いになります。人間だったらみんなそうなると思います。  タンザニアの村落部で今回外務省の採択を受けまして、約二か月間で二か所造りました。非常に日本政府が後押ししてくれるとあれができるんですよ、その許認可関係、それから設置場所を無償でやってくれるとかね。だから、BOPビジネスとか中小企業の海外進出とかいろいろ今言われていますけれども、官が協力してくれなかったら手も足も出ません。本当に手も足も出ません。まず、中小企業なんてないない尽くしじゃないですか。金はない、それから情報もない、それから人材もない。  そういう中で、今回、私はタンザニアのJICAさん、それから大使館、本当によくやっていただいた。中小企業さんとのお付き合い初めてで何にも分からないんですがと言われたけれども、そうじゃない。もう本当に頭下がる思いしました。大使館の人たちにそれを言いますと、会長が熱心だからつい一生懸命我々もなったと言われるけれども、あれ、逆に私から見ると、官がそこまで熱心だったらこっちだってその気にならなきゃなという思いになりますよ。だから、オールジャパンで私は本当に理想的な活動ができたし、これからもタンザニアでできると思っています。  こういうふうに集まるんです、みんな、これをやりますとね。どうですか、楽しいものでしょう、これ。いや、私は日本で原発だの何だのくだらぬこと言っているよりも、もうこっちの方がいいです。本当にこんなのに囲まれているんです。  井戸日本政府、たくさんしています。でも、弗素が出たりアフリカ特有の鉄分が多かったりして問題あって、私のは弗素、砒素が取れるのでJICAさんも関心を持っていただいているようです。タンザニアの学校に設置しました。こういう川の水使っています。こういう具合です。  これも一度言わなきゃなと思ったのが、偽物が多いんですよ。これ、やっぱりポンプなんか日本のでないと駄目です。ホンダ使った、中古をね。二基目のところ、やっぱりホンダ使ったんですよ。そうしたら、水が来ないんですよ。よく調べたら、径も違うんです。ホンダと書いているけどホンダじゃないんです。それで、ジャパンインダストリアルとか何か訳が分からぬこと書いているんですよ、メード・イン・ジャパンと書かずに。私は、こういう、本当にこれから我が国というのはイミテーションをどうしていくかというのも力入れていただきたいなと、そう思います。  こういう装置です。今言ったのが、一回目攪拌する、次にこれ、このろ過を砂でやると、そういう簡単な装置です。タンクさえ大きければどんな量でも浄水できます。で、これは引き渡しているところです。  二十リットルを百シリングといったら非常に安いんですが、どれくらいかな、二十リットルで百シリング、まあ五円くらいですか、日本円で。それで利益出るんですよ、現地の人。私のこれなんかは、日本を出るとき、千リットル水造るのに六十三円ですから。これで千リットルできるんです。六十三円ですから、現地に今の二十リットルを五円で売らしたら、現地の学校には利益が出ます。こういう装置ですね。  そこで、私は、最後に申し上げたいのは、JICAさん、さっき説明ありました。どの国行きましても、例えば今のヨルダンの話出ました。ヨルダン行って、水資源大臣に会いました。そうしたら、水について詳しい人間呼ぶと言うんですよ。ちょっと待っとれと。出てきたのが日本人なんです。牛木さんって御存じですか。牛木さんってね、要するにJICAの人間なんですよ、我が国で一番水詳しいのはこの男だといって。どの国でもそうなんですよ。多分、アフリカ中の一番詳しいのJICAの人だと思う。  そういう中で、若い人のためにベテランをどうとか言われるけれども、ベテランがおらぬようになったらどうにもできないんですよ。だから、逆にベテランを残すようなやり方、これは是非してほしいですね。だって、JICAの若い人が出てきても、私は逆に教える方で、教わる方じゃないですよ。何であんな、五十何歳かで定年にするようなばかなことやったんですかね。  それと研修所、AOTSの研修所、JICA研修所。まだ大阪の研修所なんか売れていないんだったら、元に戻してほしいですよ。なぜかというと、我々行くと、こういう扱い受けるんですよ。日本の研修所で研修受けて、我が国では今指導的な立場になっていると。同窓会というのがありまして、それで是非これからは我々が手伝いしたい、我々が何か恩返ししたいと、こう言ってくれるんですよ。もうこれは本当です。  石川先生、今度バングラデシュ行かれたら、AOTSの同窓会の人、会ってください。みんなそういう誠実さを持っている。それを何であんな、やめたんですかね。是非是非、それは再検討していただきたい。余りにも私から言わせると軽々過ぎる。短期間で廃止なんて決めるような、そんな軽いものじゃなかったような気がします。是非考えていただきたい。  こうやって私がやりますとね、タンザニアの新聞六紙に出ました。安ホテル泊まっていたら、フロントから、おまえ出ているよといって、その日からすごいサービス良くなりました。これは岡田大使です。こうやって、これから一生懸命やってくれると約束いただきました。  時間も来ましたので、言いたい放題言わせていただいて申し訳ありません。こういうことです。
  7. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございました。  では、小田参考人のお話を終わりまして、次、武田参考人、お願いします。
  8. 武田勝彦

    参考人武田勝彦君) ケアの武田です。  小田会長のパフォーマンスの後なんで、非常に話しにくいんですけれども、大分違うお話をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  私が今日、先生方にお話ししたい焦点としては、お配りしているA4の紙ですね、ここに全部集約されていますので、もうここを押さえていただければ本当に有り難いなというところであります。  水と衛生の現状としましては、責任が水にあるわけではなくて、やはり人にあるのかなというところが最終的なところだと思っております。課題としては、アクセスですね、井戸、それからトイレ、このアクセスがまず大きな問題ですというところ。もう一つは、衛生に関する習慣ですね、そこに非常に大きな問題があるんですよと。そこを変えていかないとこの全体的な水と衛生の問題は解決できませんというのがお話ししたいところになってきます。  我々、世界中八十四か国で活動しているんですけれども、その中でも、どこの国に行ってもやはり問題となるのがこの点ですね、水と衛生に関しては。ここを変えていかない限りは、根本的な問題は解決できないと思っています。また、アクセスの問題に関しては、水というのはやっぱり生活上非常に大切なので、それをやっぱり日々使うわけですけれども、近場にやっぱり水がないということで、その水をくみに行くというのが日々の生活の時間を取られているわけですけれども、それを行くのはやはり女性と女の子というのが圧倒的に多いのが途上国の問題ですね。  お母さんが子供を連れて水をくみに行く、それも六キロ、八キロ、やっぱり毎日歩いていくわけですね。そういったことで、お母さんはやはり時間が取れない、あるいはもう子供が生まれるとかいうことがあってもその前後で病院に行くこともやっぱりできないとか、女の子に関しては教育を受けることができないというのが貧困の根本的な問題につながっていくと。そこにやはり水の衛生の問題があるということなんで、水がきれい、汚いとか、そういうお話ではちょっとないというのが我々の主張になっています。  具体的なお話なんですけれども、お手元の資料の方ですね、二つ用意してございます。一つ目のはコンパクトにまとめた方で、もう一個の方は映像で説明したものですね。  ここで御説明したいのは、先ほどもアフリカの中でありました南スーダンですね、二〇一一年に独立しましたけれども、そこのお話を少しさせていただきたいと思います。そうすると、具体的なところが少し分かるのではないかということで、なっていますが。  南スーダン、ここの、我々活動していますのがジョングレイ州トィッチイースト郡というところです。これは首都のジュバからかなり離れたところにありまして、支援団体も余り来ていないということで、我々ケアとしては活動をしているところです。  ここの南スーダンに関しては乾季と雨季が大きく分かれておりまして、乾季だと本当に殺伐としたところですが、雨季になると、本当に水たまりがあって、逆に今度は車でのアクセスができないというようなところになっております。  日々の生活としては、このようなおうちに皆さんが住んでいるんですね。  我々の活動しましたのは、水と衛生の改善事業ということで、三年間にわたって、ジャパン・プラットフォームさん、その他民間の資金をもらいまして支援をいたしました。我々の活動の中心となるのは、水のアクセスをいかに向上するのか、そしてもう一つは衛生施設、トイレへのアクセスを向上させること、それから衛生習慣の向上という三つの活動、ここに集約した事業を三年間行いました。  ちょっと映像をお見せした方がいいと思うので。(資料映写)  三つの活動をしていますということなんですけど、まず井戸ですね。井戸に関しては、幸いにして、南スーダンのこの土壌が比較的軟らかいので、この簡易のドリルで井戸を掘ることができるというのがございます。井戸設置する、これも住民方々が参加してやっていただくと。やはり、我々が全部やってしまうと皆さん依存してしまうので、皆さんも貢献して、参加していただいて、自分たちの井戸だよということを徹底しています。  また、水質に関しても、ここで取った水というのが使えるのかどうか、それは我々の現場の方で検査室を持っていて、そこで検査し、さらに政府の方の承認を得て、それで井戸を使っていくということになります。  また、ハンドポンプ設置するんですけど、これも皆さんにやっぱり習得していただいて、住民の方、我々が去った後も引き続き使っていただかなければいけないので、ハンドポンプの修理ができるようにトレーニングをしたり、あるいは永続的にやっぱりそのハンドポンプ井戸管理していただかなければいけないので、水管理委員会というのを村で設置してもらいます。村のリーダーさんを中心に十名前後の方を集めて、こういった委員会が管理をしていくということにしています。  井戸利用状況調査したり、あるいは、家畜をやっぱり皆さん使うのが主な糧になっておりますので、やっぱり家畜が周りにいると水を飲みに来てしまうんですね。それをやっぱり防がなきゃいけないということで、皆さん、その水委員会の方々を中心に、どういうふうに防いでいくのか、それも委員会ごとに考えながらやっています。  また、次はトイレですね。トイレを学校を中心に、あと公共施設に設置をしております。学校、こういうような学校なんですけれども、こういったためを掘って、深い、三メートル、五メートルぐらいですね、たしか。穴、このぽたんと落ちるトイレを造っています。上もトタンを中心にした、というのは、トタンにするというのは、穴が全部埋まってしまった場合にやっぱり移動しなければいけないということで、この辺、簡易にしたりしています。また、トイレの近くには必ず手を洗うところ、それも設置しています。  学校なんですけれども、やっぱりよくあるのは男の子しか使えないトイレが多かったりするんですね。途上国、これはいろんなところ、特にイスラム圏とかそうなんですけれども、やっぱり女の子も使えるようにということで、必ず二つ以上は設置しましょうということで奨励してやっています。  また、先ほど三つの活動と言った、一番問題はここなんですけれども、衛生習慣を変えなきゃいけないんですね。そのために、いろいろ我々も地元の人あるいは政府の方と頭を悩ませていつもやっているんですが、衛生教育促進員という人を村の方々、ボランティアで結成していただいて、その方が衛生教育をしていくという仕組みをつくっています。  また、もう一つは、非常に効果的なのはやはり子供さんですね。お子さんを学校なりで衛生クラブ、日本で言う部活みたいな形で衛生クラブというのを結成してもらって、子供たちが衛生の啓発を学校でもやるし、おうちでもやるし、あるいはそのほかの村の集会等でもやるということで、我々は子供から子供、チャイルド・ツー・チャイルドとよく言いますけれども、そのやっぱりメッセージというのは非常に大人に響くんですね。そういったことをやったりしています。  途上国でよくあるのは、やっぱり文字の読めない方とかいらっしゃいますし、まだ、ほかにもよくあるのは、劇を通じてメッセージを伝えるということがよくあるんですね。これもその風景なんですけれども、いかに衛生問題があるか、それから、それをどう正していくのかというのを劇の中でパフォーマンスをしてやることによって住民方々が理解し、頭に入り、それを行動に移していくということがあります。これとか、右の方に校長先生がいて諭す役をしていたりします。  そういった衛生啓発を学校でも行いますし、またこれも、トイレの横にあった、トイレの後には手を洗いましょうねということで実演をしたり、そういったこともやりながら皆さんに衛生の習慣をやっぱり徹底していくと。  ほかにも教材を幾つか政府と協力しながら作っていまして、やはり絵で訴えるというのが一番いいので、ポスター等、そういったもので衛生のことを周知していく。  途上国、よくあるんですけれども、特にアフリカですね、皆さん水をどういうふうに運ぶかって、頭に載せて運ぶんですね。このようにして運びます。そのときもやはりごみとか入らないように蓋をしながら持っていきましょうねとか、そういったこともお話ししたり、あるいはトイレですね、こういったトイレの絵をちょっと作って、その中でトイレをするんです、トイレの後には手を洗いましょうねというのを絵で示す。  やっぱり洗濯をしましょうねと、そういうことで清潔にすることが衛生の中でも大事ですよと。あるいは、トイレの仕方、中にはトイレを使ったことがない人が本当に多いので、野原ですることが普通だということになっているので、なかなかトイレで入ってすることがない。子供とかが嫌がって入らない姿をちょっとこれ表しているんですけれども、いや、そうじゃなくて、こういうトイレでするんですよと、そうすることが衛生につながるんですというのをお話ししたりします。  また、皆さん、よく村の集会というのがありますので、その中で啓発活動、いわゆる劇をやったりあるいは何か歌を歌ったり踊りをしたり、その中に衛生に関してのお話を入れていくということを徹底してきています。  こういった活動をしているんですが、やはり課題はありますし、それに対してどう向かっていくのかと。我々が行ったこの三年間事業に関してですけれども、課題としては、やっぱり衛生習慣、これは本当に行動変容に時間が掛かる。本当に、我々三年間もやってきたんですけれども、なかなか皆さんの衛生習慣自体は変わりにくかったのかなと。やはり皆さん頭では分かっているんですね。これは、食事の前には手を洗いましょうとか、あるいは料理をするときにはちゃんと手を洗いましょうとか、その辺分かるんですけれども、実際に行動にはなかなか結び付かない場合があったりします。まだまだ時間が掛かるんではないかというところですね。  それから、持続性が非常に難しいと。我々、先ほどお話しした、子供を通じて衛生啓発を行う、あとは促進員というものを使いながらやるんですけれども、やはりまだまだ、これが継続していくというシステムにはまだ時間が掛かるのかなと。政府の協力もなかなか難しい。政府自体もやはりまだ整備が進んでいない、人がいない、予算がないというところで、いつもこの辺が弱い。学校にしても先生がよく替わっていくとか、なかなかそこが定まらないというのがありまして、そこはまだ問題なのかなと。  そこから見えてくるのは、やはり提言として長期的にコミットメントをする必要があるんじゃないですかと。やはり三年間、それなりに長いんですけれども、もっと時間を掛けなきゃいけないのかなと。特に、こういった南スーダンのように紛争を経験したところというのは、やっぱり依存体質がすごい、援助に対する依存体質がすごく強いんですよね。その中で、自分たちでやるということにまだまだ慣れがないのかなと。それなりにやっぱりここは時間を掛けて、住民の方、人が変わらないとやっぱり状況は変わらないので、そこに時間を掛けた方がいいんじゃないかなと思っています。  また、包括的にシステムをつくらないと、行政側、それから学校とか、あるいはいろいろな公共施設の人たち住民と、みんなが一緒になってやっぱりこの衛生に関しての体制をつくっていかなきゃいけない、それもやはり考えなきゃいけないのかなと。  あとは、村のボランティアの方々、この能力強化というのが非常に重要なんですけれども、まだまだ何かこの辺足りないのかなというのがございます。  この中で一番重要なのは長期的なコミットメントですし、これは日本人たち、支援する側としてはやっぱりここは考えていただきたいんですね。三年、五年で終わらないものというのが非常にございますので、そこでやっぱり変えていかなきゃいけない。政府の方に言うんでしたら、まずはODAですよね。ODAをやっぱり長期的にコミットする、しかも使い勝手のいいように変えていただかないと非常に難しいのかなと。  特にJICAさんも使い勝手は良くしていただきたいですし、企業さん、特に中小企業の方もやっぱり手軽に使えるスキームというのが本当に必要かなと思います。また、NGOに関しても、現状では非常にやっぱり使いにくいんですね、もらっていてなんなんですけれども。  日本のODAの非常に良くないところは、NGO側に対する資金に対して非常にお金の面が妙に細かいんですね、この中にも会計に詳しい先生方もいらっしゃるかと思うんですが。やっぱりそこですね。領収書と現金主義に基づいた会計報告というのは、ほかのやっぱり政府ドナーからすると圧倒的に何か遅れているんじゃないかと。最たるところは会計検査院の方のところに行き着いてしまうんですが。  我々は、JICAさんあるいは外務省さんから資金をいただきますけれども、いつも本当にそこで困るところですね。事業をしているのか、会計のために何か事業をやっているのか、よく分からないというのがありますので、ODAの使い方というのを本当に変えていただければ、皆さんJICAさんも外務省さん、それから企業さん、NGOもやっぱり非常にやりやすくできると思うんですね。長期的なコミットメントができるはずなんです。そこを是非変えていただくと、皆さん、もっともっと水と衛生のところに貢献できると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  以上です。
  9. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございました、武田さん。  それでは、皆さんの会派の方から代表して、まず質問をお受けしたいと思います。  どなたかございますか。  では、民主党武内さん。
  10. 武内則男

    武内則男君 民主党参議院議員の武内則男といいます。  今日はお三方の先生、ありがとうございました。  今日、差し替えで私入ったんですが、実は自治体の水道で長らく勤めてきた人間でして、今日のテーマが水ということで、大変うれしく思って興味深くお話を聞かさせていただきました。と同時に、二〇〇八年にウガンダと南スーダンへ行ってまいりましたので、水と衛生に関しては、もうこれは本当に早急にやらないと大変なことになるということ、ウガンダの首都カンパラ以外、グルーであったりとかジュバであったり、スーダンなんかはそういうのを目の当たりにして、実は帰ってきて報告書も提出をさせていただいたんですが。  そこで、少し不破参考人さんにお伺いをしたいんですが、ビクトリア湖、湖からもう非常に水があってナイル川へ流れていますよね。あそこの豊富な水をいかに利用していくのか。やっぱりそこで水と衛生というのを、まあODAがいいのか分かりませんが、日本技術をしっかりと、取水をやって、そして維持管理から、料金徴収から、管理に至るまでをやっぱり地域住民と一緒にやっていくということは大変重要なんではないかということを感じて帰ってきたんですが、その辺のお取組がどういうふうになるのか。  日本でいうと水利権の問題で大変厳しい状況いろいろ出てきますけど、例えば、その湖だとかナイル川を利用したいろんな事業というものが考えられないのかどうなのかをお聞きしたいのと、四枚目をめくっていただいて、資料の四枚目に、中東における水利用効率化というところがございます。多分、写真で見る限りでいうと、これ、継ぎ手ってほとんどフランジ継ぎ手になっているのかなというふうに思ったんですが、いわゆるフランジというのは、腐食をしていくと漏水は必ず起こりますので非常に管理も難しいという点があると思うんですが、そうしたいわゆる漏水を起こしにくい管であったりとか、あるいは腐食を防ぐためのポリエチレンスリーブを巻いたりとか、簡単なことで漏水であったりとか、腐食による漏水だとか、いろんなことを防げると思うんですが、その辺についてちょっとお話をお聞きしたいと思います。  次に小田参考人さん、ありがとうございました。ペーパー読ませていただきましたが、済みません、五つ星の、私、別にホテルに泊まっている人ばかりではなくて、ジュバグランドホテルへ行ったときには停電にはなるわ、断水にはなるわ、物すごいところで二泊三日の調査をさせていただきました。JICA皆さんに大変お世話になりましたが。  実は、もう二十年ぐらい前になるんですが、インドネシアのイリアンジャヤ州ソロバ村というところに水質の専門家を私、派遣したことがありまして、そのときは簡易な浄水というものがその地域における材料でやっていけるんだということで、その地域にどういう材料があるかを取り寄せて、実際水質の専門家も現地に行ってもらって、例えば学校施設であったりいろんなところを含めてそういう簡易な水道の利用というものを普及するべきだ、済みません、残念なことに途切れてしまったんですが、そういう経験から、今回のこういう浄水装置設置については非常に興味深くお話を聞かさせていただいたんですが。  一つ、この三段階。多分これ、ポリタンクの中に先生のいろんな装置が入っているんだと思いますが、基本的に緩速ろ過で、まずは砂で一定の不純物を取り除いておいて、例えば次亜鉛を入れたり塩素を入れることによって急速ろ過でやっていくというのが通常の考え方だと思うんですが、そことの先生のその浄化装置との違いについて少し教えていただけたらと思います。済みません、長くなって。  最後に武田参考人さんにもお伺いをしたいんですが、私もジュバに行ってきて、水と衛生のことは本当に感じました。ただ、あそこ、ナイル川が流れていて、あの水を例えば取水をして、いわゆる簡易な水道でもって、少なくともあのジュバの、あの都市部の近辺のところを中心にしながら、あそこからやっぱり都市水道を管路整備をしていくというのは非常に大変重要な、水と衛生の、特に生きていく上での衛生上の問題として大変重要だというふうに感じたんですが、現状どのようになっているのか、少しその辺の方向性も含めてお話しいただけたらと思います。  済みません、長くなって。ありがとうございました。
  11. 不破雅実

    参考人不破雅実君) では、お答えします。  今、武内先生からの御指摘にありましたビクトリア湖、要するにナイル川からの水を取水したそういう事業をもうちょっとできないのかというようなこと、住民とともにそうしたことをプロジェクトでやっていくというようなことについてという御指摘でございましたけれども、一つは表流水利用をもっと広げたらというお話かなというふうに思いました。  この点につきましては、特に人口が集中する都市部に関しましてはそういうような事業を起こしていく必要があると思います。ただ、そのためには、御案内のとおり、浄化のための維持管理費用、こういったものを賄うべく料金収入によってやっていくということも必要になりますので、その辺のサステーナビリティーを考えていくことも同時に行うべきかというふうに思います。  それに対する対策としまして、例えば無償資金協力などによる給水施設におきましては、これを徐々に整備を入れていきまして進めていくということも可能かと思いますけれども、維持管理の部分までなかなかコストをカバーできませんので、そこをうまくやるために、住民方々能力育成といいますか、そういったことも進めて一緒にやっていく必要があるのかなと、そういうふうに思います。  水利権の問題につきましては、途上国におきましてなかなか明確でない部分がございまして、したがいまして、新たに取水をする場合の水利権の調整のような問題につきましては、返って、その段階で改めて過去からの水の利用状況というものをよく調査した上で影響を与えないかどうかということを検討するという、そういうやり方になるのかなということだと思います。そういう制度的な問題を支援するというものもございますが、制度自体がまだ非常によくできていないという現状があると思いますので、そこの実態調査のところを地元の方々と一緒にやっていくという必要があろうかと、そんなふうに思います。  二番目の御質問で、漏水を防ぐためのいろんな材質を改善するような協力というものもあるのではないかという御指摘がございました。  この点、まさに日本技術活用しまして、漏水を起こしにくいような材質のものを利用するという可能性は大いにあるかというふうに思います。一方で、途上国におきましては非常に古い管、こういったものが非常に多いということと、管の継ぎ目からの漏水というものが結構多いと思います。そういう問題もございますので、施工のときの管理やそういったものをまず改善していくということがあるということとともに、古い管を更新するということが一番対策になるというような場面もちょっとございまして、なかなか難しいところがあるかと思いますが、この材質を漏水を起こしにくいものに替えていくとともに、継ぎ目をうまく処理するための技術をきちんと施工のときにやると、それから、資金的にできる範囲で古い管を更新していくということによって全体的な漏水というものを防いでいく、なくしていく、そういう対策が今後行われる必要があると、そういうふうに思います。  ありがとうございました。
  12. 小田兼利

    参考人小田兼利君) 先に御質問の前に、JICAさんお答えになったことについて、それと武内先生の質問について、私は考え方が違うところがあります。  よく漏水とか、業界の方は漏水率は日本が一番少ないとか、そのとおりです。東京なんかほとんど漏水していない。それで、途上国でODAなんかやっているところ、漏水じゃないですよ、盗水ですよ、ほとんどが。金を払う習慣がないんです。だから盗水する。そうしたら、高圧で送れない、道路の上の汚い水はまたそれに入っていく。だから、日本がODA、上水道やったところを皆さん一度見られたらいい。これは、私ははっきりと申し上げていい。どこどこの都市がどんなひどいものか。だって、東京の水、汚い水、虫が出てくる水道だったら誰が払いますか。払わないんです。まず、水道に金を払う習慣ありません。そういうところにいきなりインフラまでやってやって、本当に無駄遣いだと私は思っている。まず、そういう協力し合うという、こういう倫理観がないんですよ。だから、私はこういうちまちましたことから始めて、それが成熟したとき初めて簡易水道でもやっていくというのが一つ方法かと思います。  一度、是非調べてください。どこどこの都市がというのは、幾つかの都市で、日本がODAやったところで、漏水じゃなくて、五十メーターごとに道の端にはのぞくとこんな大きい黒い水道管があって、そこからあふれるから低圧でしか送れない。それを、五時なら五時になったら出てくるから、住民みんな集まってくんでいる、こういう状態です。これはもうはっきりしていることです。だから、これはしっかりしてほしい。  それと、私のは、おっしゃったとおり、これに滅菌力はないので、塩素で最終的に滅菌しております。これは、そうでないと相手国の許可取れません。ただ、水がきれいになっているので、非常に少ない量でいいということです。それと、格別の道具何にも要りません。バケツだけでもきれいになります。それから、大量にしようと思ったら大きいタンク造ればいいわけであって、またさらに、一日に百トンとか二百トンとかするんだったら、人件費安いですから、コンクリートでプール造らせてやればいいわけです。こういう非常に簡単なものです。  だから、今の上水道インフラの在り方、これだけは私はしっかりしてほしいし、JICAさんもそれは御存じだと思うけれども、業界の方を向いておられるのか、発言できないんじゃないかという気がします。  まあ、きついことを言わせてもらいました。終わりです。
  13. 武田勝彦

    参考人武田勝彦君) ありがとうございます。  ジュバに関しては、我々、大都会なのでちょっと対象外なので活動していないんですね、まず。  ジュバに関しては、まさにJICAさんがこの資料にもありますけれどもやられているので、JICAさんの方が詳しいと思いますけれども、まさに水のところをやられているので。
  14. 不破雅実

    参考人不破雅実君) ジュバにおきましては、二〇〇六年にJICAが入りました。その際に、港湾施設というものを難民のために造るというのをやりましたけれども、やっぱり水、それと道路、こういったものに復興支援で着手したということでございます。  まず、水につきましては、井戸などを水源にするとともに、表流水をうまく使うということも考えましたが、まずは維持管理費がなるべく掛からないやり方でやろうということで、井戸開発とその配水といったところを最初にやったかと思いますが、何しろ、まず国としてまだできておりませんから、そういう体制をつくるというのが非常に難渋したところだということでございます。最初開発からだんだん段階を経て、南スーダン政府としての組織というものをつくって、それで技術協力をするというところまで徐々にやったということでございまして、なかなか一足飛びでできない部分が非常にございました。  先ほど武田さんの方から御紹介のありました南スーダンのほかの都市での仕事も、JICAはマラカルというところでも展開しておりますが、恐らく非常にその辺りの、最初開発はいいんだけれども、どうやって持続可能にするかというところでいろいろと検討すべきことはいっぱいあるというふうに思います。  施設だけでは解決しない問題というのがありますので、そうしたものを一緒にやりながら徐々に協力規模を拡大するという方が本当はサステーナブルであるというふうに感じるところでございます。
  15. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございました。  では、次の会派の方、お受けします。質問ございませんか。  じゃ、公明党さん、どうぞ。
  16. 石川博崇

    ○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。  まず、小田会長、地元大阪でいつも日ごろより様々御指導いただき、尊敬、お慕い申し上げている小田会長に今日お越しいただいたこと、大変にうれしく思いますし、また感謝を申し上げたいというふうに思います。また、世界各地飛び回っておられることに心から敬意を表させていただきます。  一点お伺いしたい点は、今日御紹介いただきました中で、バングラにおいてポリグルレディーそれからポリグルボーイということでビジネスモデルを追求されて、BOPビジネス様々言われる中で新しい試みを行っていらっしゃるかというふうに認識しておるんですが、これ、実際にビジネスとしてモデルが成立する、収益面も含めて、どのような規模、それからコストあるいは人件費等、全体の中で回っていくモデルに、今どういう状況なのかということを教えていただければなというふうに思っております。  それから、JICA不破部長にお伺いしたいのは、中東において、シリアにおける水資源管理状況等、今はちょっと紛争状況ですからなかなかこうはいっていないんだとは思いますが、国内における水資源管理というのは、様々な地でやっておられるんだと思いますけれども、部長の方からもありましたとおり、やはり各地、国際河川水資源管理をどうやっていくのかというのが非常に重要な視点だというふうに認識をしております。  チグリス・ユーフラテスにおいても、やっぱり上流のトルコから流れてくる水量をシリアそしてイラクとどういうふうに分配していくのかということは、これは国際紛争の争点の一つでもありますので、なかなか介入するということも難しいのかと思いますが、一方で、やっぱり第三者でないと国際河川管理というものは、指導、助言というのはできないのではないかというふうにも思うんです。  JICAとして、こうした国際河川管理水資源管理についてこれまで携わられたこと、法の支配の観点から、あるいは調停機能といった観点から携わられたことがあるのかどうか。もしないのであれば、例えばメコン川においては、その流域で今国際河川の使用についての協議体が成立しておりますし、そうしたことも活用して各国に技術の、南南協力という言い方、昔よくされましたけれども、そうしたことが考えられないのか、その辺の御所見をお聞かせいただきたいなというふうに思います。  そして最後のケアの武田事務局長には、現地、現場で活動されるに当たって、必ずしも治安状況が万全でない地域もあろうかと思います。そうした中で活動されるメンバーの方々の安全管理、どのように対策されているのかということを教えていただければと思います。  以上でございます。
  17. 小田兼利

    参考人小田兼利君) まず、私は、バングラデシュ、そうですね、もう五十回近く行っていますでしょうか、あしたの夜からもまた行きますけれども。そういう中で、まだこれだけ騒がれても年間の売上げ一億ないんです。でも、現地の従業員百名超しています。現地のレベルから考えますと、約二十億円の企業ができているレベルだと、日本でいえば思っていただければいいと思います。  そこで、私は、神戸港を私のこの薬剤が出るとき、私のところは外注で作っているんですが、もうちょうど倍で売ればいいだろうと丼勘定で出しています。だから、百グラム六十三円、千リットルできるんですが、六十三円のちょうど半分が私のところの外注のコストです。それ以上は、現地の利益など一切私は関係ないようにしています。現地の社長からマネージャーから全て現地人です。それをやるようになってから機能し出しました。日本からどうだこうだ言ったら駄目ですね。バングラデシュ人はよく働かないとか時間にルーズとか言いますけれども、朝礼など一分も遅れないようになります。だから、どこでも欲が出てくると頑張るということです。  それと、ああいう途上国とビジネスする際に、ドルを持って帰るなんていうことを考えたって、そう簡単に持って帰れないんだから、私のやり方が正しいんじゃないかと思っています。  ですから、この機材造るのも全て現地です。全て現地に造らせた。アフリカでも全て現地です。現地でできるものは現地で、こういうやり方していますし、それを造らせますと修理物もみんなできるし、結構知恵もあるんですよ。水を動かすのにレール引いてみたり、よくやるなという、日本と変わりませんね、知恵が、工夫するというのは。だから、アフリカでもどこでも、現地の人を信頼して任せてみるということは非常に大事じゃないかなと、こう思っております。
  18. 不破雅実

    参考人不破雅実君) 今の中東などにおける国際河川の問題についてどのように協力をしてきたかということでございますけれども、私が前おりましたエジプトなどにおきましては、上流の国との水資源の使用する権利に関する国際約束というようなものは相当古い時代に決められていたというような経緯なども聞いておりましたが、やはりこの辺りの問題につきましては、非常に上流の開発が遅れていた状況の中で結ばれたものというものもございまして、なかなか難しいものがあるかと思いました。  JICAとしましては、そこに対する直接的な、こうしたらよいというような支援というのはなかなか難しい立場だったんでございますが、一つは、それぞれの国で水資源の賦存量を調べて、自国でどのぐらい開発若しくは再利用などによって使われていくのかということを調べるということはできるかと思います。  そういう、供給源どのぐらい調べるか、それから需要の方もどういうような需要の伸び方をするんだろうかということを調べて、需要供給両方から水資源をどういうふうに管理するかという、そういったことの協力をまずそれぞれの国でするということはできると思います。  それで、状況が把握できた上で、両国が又は上流の複数の国が、そういう、どれぐらいの使用権を配分したらいいかという話合いに持っていけるための基礎的なそういう情報能力というものをつくるという支援であれば十分できるんではないかと。それがない中でどのように交渉するかというのはなかなか難しい問題がございますので、そういう基本的なところの技術協力をしっかりやっていくというのが最終的には合意形成につながるんではないかというふうに思うところでございます。  とはいえ、現実に存在するいろんなコンフリクト、紛争の問題というものをどのように解決するかというのは、まさに外交チャネルとかいろいろなものを使って、いろんな国際社会が関与する中で、それぞれ主張をされ、納得をされるというようなプロセスが非常に重要になってくるので、そうした動きに我々としても密接にかかわって協力をしていくということに尽きるかというふうに思っております。
  19. 武田勝彦

    参考人武田勝彦君) 安全管理ですけれども、我々の団体は非常に世界的な団体なので、世界何か所かに安全管理担当者を置いています。それは全体のお話ですけれども、個別のお話で、例えば南スーダンですね、ジュバからセスナ機で、国連のセスナ機で、週に三便しか出ていないんですね。それで一時間ほどなんですけれども、なかなか移動が難しいところで、我々はコンパウンドを造ってそこで活動をしているんですけれども、三年間の間に何度かやはり種族間の武力衝突があって、退避しなければいけないかどうかとか、あるいは実際に退避したときもありますけれども、そういったところは現地のやはり情報網を通じて常に管理すると。  一つは、国連機関が中心になってその安全状況南スーダンの各地の情報を集めて、アラートみたいな形で警告を出してきたりとかします。そういったことを聞きながら退避するかどうかを見たり、でも一番やっぱり頼りになるのは口コミですね、現地の。軍の長官の情報あるいは住民の方からのやっぱり口コミですね、こういった紛争がありそうだ、あそこが攻めてきそうだとか、今いろんな情報が入ってくる、それを基に判断していくということをしております。  幸いにして我々は、退避がたしか二、三回ありましたけれども、特にその後問題があったということはありませんので、安全管理は非常にやっぱり活動を実施する上ではもうまず前提条件ですね。そこを担保、確実にしてから支援をするというのが我々は方針としてあります。
  20. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございました。  ほかに、会派でございませんか。  紙先生、どうぞ。
  21. 紙智子

    ○紙智子君 三人の参考人皆さん、ありがとうございます。  まず、小田参考人にお聞きしたいと思います。先ほどお話を伺っていて、非常に驚いたというか、すごく簡単に言ってみれば飲める水を造れるということですから、お金も掛からずにこういう形でできるということはすごいことで、利用できるんじゃないかなということを思いながら聞いたんですけれども。最初に配付されていた資料で、参考人資料が配られているんですけれども、これを読ませていただきますと、きっかけは一九九五年の阪神・淡路大震災だったと。それで、非常に水が大事だということを認識されて始められたということなんですけれども、今回の東日本大震災でもやっぱり水というのがまず真っ先に大事だったわけで、そこに例えば公務の皆さんが届けるということも、命の水ということをやることもできたんだけれども、世界の中にはそういうことすらなかなか厳しい国もあるということで、取り組むことをめぐってはいろいろな工夫が要るんですけれども、ボランティアに任せるというだけでも駄目だと。ボランティアは大事なんだけれども、やっぱり自分たちで回せるように、自立ということが大事だという話もされていて、その辺は私も本当共感をするわけですよね。  そこにやっぱりいかに役立つようにするかということが大事だというふうに思っていて、それでちょっとお聞きしたいのが、例えば水メジャーなどがやっぱり進出をして、例えば水道料金を高騰させるがために逆に貧困層皆さんの反発を得るということがあるわけで、水を商品ととらえる問題についてどのように考えられるのかなと。水ビジネスという、今回のテーマにはなっているんですけれども、それについてのお考えをお聞きしたいと。同じ質問を不破さんにもお聞きしたいと思います。
  22. 小田兼利

    参考人小田兼利君) いい質問をしていただきました。  私は、ボランティアじゃ世界課題というのは解決できないと思っています。なぜかなら、永続性がない。だって、水にしても、私がボランティアで、じゃ国から助成金をもらったりしてボランティアで一年やった、本当は今まで汚い水を飲んでいた人たちがおいしい水を分かり出した、次に供給できなかったらどうなります。結構それ多いんですよ、世界を回っていますと。セーブ・ザ・チルドレンなんかが災害地で水を供給していた、じゃ次の月からはもう引き揚げた、こういうことだったら、いっそのことやらぬ方がいいんじゃないかななんて思ったりします。  そこで、私は日本の全てが高いと、日本の常識は海外では通用しないと言っていますけれども、日本で幾ら掛かるから幾らで売らないといけないというような考え方はやめなきゃ途上国ビジネスできません。幾らだったら買えるから、住民も納得するから、じゃ、そのためにはどういうふうにすべきかということをまず考えるべきであって、私はそのやり方しています。  それで、今、月に二十リットルずつ毎日配達してやって、月に二ドル、USドル、これみんなもうほとんどが賛成してくれます。最初はただがいいとみんな言うんですよ、もらいつけていますから、もらい慣れているから。でも、みんな納得します。  それで、本当は私のところはもうからぬのですよ、もう借金ばかり、安いから。でも、バングラデシュで起きていること、どういうことかというと、最初は十リットル、飲み水だけしか買いません、これまでただだったんだから。ところが、一月もしないうちに増えてきます。料理するのも使う、ついにはシャンプーまで使うようになる。もう本当にまさに水商売なんですよ。  本当に、そういう意味で、これ大事なもので、私は自分の水がある面での安全保障なんかにつながるなんて最近は大それたことも言っているけれども、本当に私が行くところ大阪弁がはやっているんですよ。それで、どこへ行ったって、中国と日本のもめ事を仮に知ったら、理由も聞かず日本が正しいと言ってくれますよ、私が行っているところ。本当に、まさにこういうのは日本の中小企業の持つ誠実さ、こういうのは安全保障にもつながるなという気がします。  だから、私の水技術だけでなくて、日本の中小企業なんてたくさんありますよ、役立つのが。是非是非そういうのを取り立てていただきたいですね。
  23. 不破雅実

    参考人不破雅実君) 水に対する料金ですね、それの支払の意思みたいな話なんですが、ちょっと経済学の話ではなくて、やっぱり小さい規模で水を何とか確保してみんなで使っていこうというようなコミュニティーであれば、それに必要な維持管理にどれだけのお金が必要で、それをみんなでどうやってやりくりしなければ先に続いていかないかというのは見えやすいので、そうすると、それぞれのコミュニティーのメンバーの方々としてこのぐらいは払って協力しないとやっぱりいけないなという話に多分なっていくんだろうと思うんですが、規模が大きくなるにつれてそれが見えなくなってきて、そうすると、あたかもその水料金というものが一体何に使われるんだろうと、そういうようなことが納得感が得られなくて、結局は、今まで水はただだったんだからただというふうになってしまう傾向もあるのかもしれません。  したがいまして、こういう問題につきましては、やはりいきなり施設をぼおんと投入して大きいものから始める前に準備することはいろいろあるのかなという感じをちょっと思いました。水道会社をつくって、そこが料金徴収に行く、メーターを付けるというものだけでは多分うまくいかない部分というのは恐らくあるんではないかと。それは、日本における経験でもかつてそうだったんじゃないのかなというふうに思います。  多分、水道よりもよりその運営が難しいのがかんがいにおける水の料金だろうなというふうにちょっと思いますけれども、まずは水道料金に関しては、皆さんが納得して、このように使われていく、そのために維持管理費というものをこのように捻出する必要があるんだと、それを料金によって回収することが持続的には必要なんだということを皆さんに理解していただいてやっていくというのを起こしていくのが一番大事かなというふうに思いました。  以上です。
  24. 藤原正司

    会長藤原正司君) じゃ、水落さん、よろしく。
  25. 水落敏栄

    ○水落敏栄君 自由民主党の水落と申します。  今日は三人の先生方、貴重なお話ありがとうございました。  実は昨年の二月に、ODAの派遣でアフリカのザンビアに参りました。首都ルサカ市の未計画居住区、スラム街ですけれども、この居住区の環境あるいは衛生改善のために安定した水量、水質を提供する、こうした目的我が国が行った給水事業プロジェクト、これを視察したわけです。  ちょっとそれますけれども、これ、二〇〇四年に始まって二年間掛かったんですが、当時三万三千人が住んでいた居住区で、水は、簡易な井戸を掘って、浅い井戸を掘って、そして水が湧いてくる、それをろ過をしないでもう澄んだ上澄みだけを飲んだりしていたために、コレラ等の感染症が蔓延して乳幼児の死亡率が物すごく高かったんですけれども。この居住区に、三キロぐらい離れたところから、水源から水を引いて給水塔を造って、その居住区に五十五か所水栓を設置するわけですね。きれいな水が飲めるようになった、それで物を洗えるようになったということで、乳幼児の死亡率がぐんと減って、五年間ぐらいで人口も倍以上の七万五千人ぐらいに増えているんですね。  したがって、本当にその国にとって喜ばれている、ODAは本当にいい事業をしているなと思ったわけですが、あれからもう十年たちますけれども、今でも現地の方々維持管理をしっかりやっているわけですね。これ、給水工事を行っただけでなくて、我が国がまさに維持管理のための細かい技術指導を行ったからこそ、こうした維持管理ができていると思うんですね。  ちょっと水とは離れますけれども、七年前にマダガスカルに参りまして、実は水田の視察をしたときに、我が国が供与した、提供した耕運機などがもう傷んで放置されているんですね。これ、なぜかというと、これ部品が壊れたら直す人がいないというんですね。それでほったらかしてもったいない話なんですが。  やはりそうしたこともありまして、このアフリカの水問題、非常に深刻な中で、水資源の確保やあるいは給水整備とともに、申し上げたように、維持管理などの技術、これを供与することがより大事なんじゃないかなと思うんですね。さっき武内先生がこのことにちょっと触れられて、私もうこれやめようかと思ったんですが、こうした施設を造ることと、それからこの技術指導、維持管理技術指導をパッケージでやることがより必要じゃないかと思っているんですが、このことについて不破先生小田先生にちょっと御意見をお聞きしたいと思います。
  26. 不破雅実

    参考人不破雅実君) 水落先生のおっしゃるとおりだというふうに存じます。  したがいまして、無償資金協力にせよ有償資金協力にせよ、ハードだけではなくてソフトの部分を併せて協力をしていくというのが基本のスタイルになってきていると思いますし、またそれのモニタリングをしていくということも非常に重要かと思います。  その際に、水道公社のようなところの技術だけじゃなくて、結構、末端での維持管理住民方々にも協力していただくことがございますので、そういう方々の指導といいますか、能力育成というのがかなり大事と。紛争国であったコンゴ民主共和国の地方での井戸も、水利用組合というものがつくられておりまして、彼らが井戸維持管理も最低限のことはやっております。そういう形でやって初めて、先ほど御紹介した一万本以上の井戸も生き続けていると、こういうのがアフリカでは確認されておりますので、これを頑張ってやっていく必要があるのではないかと、そういうふうに思っております。
  27. 小田兼利

    参考人小田兼利君) いや、おっしゃるとおり、今お答えになったとおり、維持管理が一番問題だと思います。それで私は冒頭、AOTSとかそれからJICAの研修所、ああいうのをやめちまったのは大損失じゃないかと申し上げたわけです。やっぱり、現地で確かに教育はできます。でも、リーダーになる人は日本でいろんなものも見てもらって、研修させて、それで本国に帰して、そこで指導者に育てる、これが大事じゃないかと思うんですね。  そういう意味で、もうおっしゃっているとおり、維持管理に重点を置かないと、維持管理ができないような設備を幾らどこかでやったって、本当に穴を空けられるし、無駄ばかりやることになります。  私もザンビアへ行って、独立戦争のときの大統領、いまだに御健在ですが、大使館でピアノを聴かせていただいて、我々が考える以上、我が国というのは愛されていますよね。本当に愛されている。そういう中で、やっぱりどういうふうにこたえていくかだと思うんですよ。極端な例、私はもう箱物は要らぬなんて言っているけれども、やっぱり人と人のつながりをいかに大事にするかがこれからのアフリカとか途上国との付き合い方じゃなかろうかと。私が大事にされているんで、つくづくそう思います。  もう維持管理がなかったら、何やっても駄目です。是非よろしくお願いします。
  28. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございました。  じゃ、亀井先生、お願いします。
  29. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 みどりの風の亀井亜紀子でございます。  小田参考人JICA不破参考人にお伺いしたいと思います。  先ほど、小田参考人が盗水とおっしゃったときに思い出したことがあります。それは、数年前にODAの特別委員会の視察でツバルに行ったときのことです。ツバルでは日本が海水の淡水化をする施設を提供しましたが、それが非常に大事にされておりまして、つまり、厳重に金網で囲ってあるんですね。やはり水が非常に貴重なので盗水の心配があるということで、いわゆる緊急用といいますか、とにかく厳重に囲まれておりました。  そこで、質問ですけれども、今まで設置された、いわゆるあのアフリカの草原の真ん中に施設があるわけですけれども、今のところ仲よく村の人たちに使われているのでしょうか、それとも盗水などの問題はどこにも起きていないのでしょうか。その質問が一つ。  それから、同じような、単純なろ過方法ですね、粉を混ぜる、あるいはろ過をするというようなライバル会社というのは国内また海外に存在するのでしょうか。これは小田参考人に対する質問です。  そして、不破参考人に対しては、アフリカ大陸において海水を淡水化するような事業というのが行われているのでしょうか、また、それに日本がかかわっているのかどうか、また、存在を強めつつある中国がこの水の分野でどのようなことを援助しているならしているのか、その状況についてお伺いしたいと思います。
  30. 小田兼利

    参考人小田兼利君) 盗水ね、私の設備でも必ずあります。ですから、ソマリアは警備員が付いています。それで、タンザニアも警備の費用も含めて二ドルで売って大丈夫なんです。それから、バングラデシュは、浄水器の、小屋の二階には二十四時間職員が泊まり込んでいます。これは私も最初腹立ったんです、取られるから。でも、あれ、取ることを悪いとみんな思っていないんですね。そこらあったら、もう取ってしまえですよ。だから、もうこれは最近腹立たなくなって、取られないようにするにはどうしたらいいかですね。必ず取られます。だから、インフラやっても、全然それは悪いことしていると思わないでしょう。だって、そこの町、みんな寄ってたかって、デリーの町でも水道が出る時間に集まってくみに行くんですから。  それから、ライバル。私は技術屋です。必ず上には上がいます。早ければ五年後には私を追い抜くのが出るでしょう。今、私のは間違いなく簡易な浄水技術では世界一だと思っています。多分、世界もそう見てくれています。簡易なやり方ね。日本にはありますよ。浸透膜、逆浸透膜するとかあるけれども、それを除いて、簡単に飲み水できるのではまさに世界一です。でも、必ずどこかが出てきます。私は、水の技術なんていったら、まだ歴史の中からいったら幼稚園くらいかなと思っていますよ。だから、きっといい技術が出てきます。それは、残念なことに我が国じゃなくて、インドか中国辺りから出てくるでしょう。だって、理学者の数、桁違いに多いんですから。  じゃ、そうなったら、小田さん、駄目じゃないかとよく言われます。私は、絶対大丈夫と思っています。要するに、心でみんなつながっているから。じゃ、よその国でその技術できたら私は使わせてもらう、その技術を。やっぱりポリグルの方がいいよとみんな思わす。これは自信があります。そういう付き合い方、全部どの国でも私はやっています。  それに、今の現状、幾ら中国が安売りしたって、私のばかばかしくてまねしたくなくなるんですよ、安過ぎて。それで、中国にも輸出しています。中国すごいですよ。半分に値段してくれと言ってくるんですよ。私のところ、世界、全部同じですから。駄目だと言ったら、こんなこと言うんですよ。じゃ、ほかのを入れて倍にして売っていいかと。そんなのに答えられぬ。現実に出回っているそうです。そこらのやっぱり何か倫理観の問題ありますね。だから、中国もイミテーション作るのを全然悪いと思っていないと。我々日本人はそこらから考えなきゃいかぬのじゃないかと思います。  これでいいでしょうか。
  31. 不破雅実

    参考人不破雅実君) 水を盗む盗水の方につきましては、例の無収水の問題でやっぱりかなり多く占めていますね。水が貴重な中東ヨルダンなんかでもそういうことがあります。  この問題については、公平の概念、先ほどの話じゃないですけれども、皆さん、一体どのぐらいの料金が何に使われているのということはなかなか分かりにくいところがあるのかもしれませんが、やっぱり結構基本的な教育みたいなものが学校なんかでもなされていかないといけないという問題があるのとともに、それから、やっぱり非常に貧しい人たちに対する特別な対策みたいなものを現地の政府と一緒に考えて、それでやっぱりやっていかないと、なかなかそういう問題というのは解決しない可能性があるのかなと。  ただ、それ以前に、そもそもが払える人も払っていないと、こういう現実がございまして、これはもうちゃんとしたメーターの設置と公社によるやっぱりちゃんとしたケアといいますか、メンテナンスといいますか、そのことをやっていく必要があると思いますし、また、ユーザー側の方でも、そういう組合といいますか、そういったものをつくって、お互いに協力しましょうというようなことをやっぱり同時に起こしていかないと難しいかなというふうには思います。したがって、先ほどの話じゃないですけれども、一挙にシステムが入ったところではその辺が余りよく伝わっていないので、いろんな問題が起きるということがあるので、やっぱり段階的なやり方も場合によっては必要かなと思います。  それから、二番目の海水淡水化ですが、海水というのは大体三〇〇〇〇ppmぐらいありまして、物すごく塩分濃度は大きいわけですけれども、これを淡水化する方法というのは、蒸留するという方法と逆浸透膜なんかによる膜による方法と大体二種類。どこでやっているかというと、ほとんど湾岸の産油国、そこでのものが非常に多いです。したがいまして、日本ももうやめましたけど、サウジアラビアにおける海水淡水化の協力というのを大分やっておりました。  現在はどうなったかというと、民間によるビジネスとして海水淡水化をしているというのが多いのと、エジプトなんかにおきましても、ホテルで海水淡水化をして、ホテル料金にそういうコストをある程度入れていくというやり方で回収するということが多いようです。一般市民向けの安い水を供給するために海水淡水化するというのはかなり実はコスト的には厳しい問題があります。したがって、どうもサブサハラではそういう実績がないようです。  それから、チュニジアにおきましては、塩分の多い井戸水、例えば砂漠の国で地下水を取水しますと、例えば三〇〇〇ppm、三〇〇〇〇の十分の一、多分なめても分からないぐらいでありますけれども、こういったものが出てくる場合もございまして、これについてはJICA技術協力無償資金協力の中で、塩分を除去するための協力というのをやったことがあるということだと思います。  最後に、中国の技術につきまして、実は余り詳しいことはまだ存じ上げておりませんが、恐らく民間ビジネスの形の中でいろんなそういう安い機材などを売り込んでいくというようなことは場合によっては行われている可能性があるんじゃないかなというふうに思いますので、またちょっと調べていきたいと思います。  ありがとうございます。
  32. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございます。  松田さん、お願いします。
  33. 松田公太

    ○松田公太君 みんなの党の松田公太でございます。  今日は大変参考になるお話、ありがとうございます。また、お三方とも日本を代表しまして、アフリカ始め、ほかの地域の水問題に御尽力いただきまして、誠にありがとうございます。敬意を表したいと思います。  お三方にそれぞれ質問があるんですけれども、まず不破さんになんですが、これはもう既に、もしかしたら先ほどの石川理事の質問の答えだったのかもしれませんけれども、そうであればお答えいただかなくて結構でございますが。  資料ページ六、六枚目だと思うんですが、表紙から見てですね、JICA取組として適正な水資源の配分というふうにありますが、これは先ほどお話に出た国際河川の問題ということでしょうか。もしそうでなければ、ちょっとイメージが私、湧かなかったんですね。広大な地域、国境をまたがっている、それを例えばサブサハラも含めて配分していくというのはどのような取組なのかなというように非常に不思議だったものですから、もし先ほどの答えではないということであればお答えいただければと、また違う方法があるということであればお答えいただければと思います。  小田さんにですけれども、本当にビジネスマンとしてだけではなくて、ソーシャルアントレプレナーとして大変尊敬しておりますけれども、一つお聞きしたいのが、これも先ほどお話が出ましたけれども、ビジネス的に収益的には千リッター六十三円でもう十分成り立っているんだということでございましたが、何でしたっけ、ポリグルレディーですね、そういった方々活用されていると。その方々に対するオペレーションの管理といいますか、そういったものはどのようにやっていらっしゃるのか、マニュアルをしっかり渡してですね。というのは、どれだけいいものであったとしても、現地で、それこそ中国の話じゃないですけれども、勝手にダイリューションされて、薄められて例えば販売されているとか使われているということになれば、効果が薄くなって、それによってまた被害、また問題が出てくるという可能性も出てきますので、そこら辺の管理をどのようにやっていらっしゃるのかということが一点と、もう一点が、国や大阪がなかなか真剣に取り合ってくれないというお話が冒頭にございましたが、それはなぜだと思うかということを是非お聞かせいただければというふうに思います。  そして、武田参考人にですけれども、これも日本のODA、これは非常に使いづらいんだという話がございました。もし使いづらいということであれば、使いやすくしなくてはいけないなというふうに思いますので、具体的にもうちょっとどのような点が使いづらいのか、会計上で例えばこういう処理があるからというお話がありましたが、それ以外にもございましたら教えていただければと思います。  以上でございます。
  34. 不破雅実

    参考人不破雅実君) では、お答えします。  表紙から六ページ目のこの表でございますけれども、これは水資源開発についてのものでございますので、ここで意味するものは、国際河川ということよりは、むしろその国の中での水資源の配分に関する話を主な脈絡としては書いております。  具体的に言うと、水資源管理といいますと、水資源の賦存量、供給側の条件と需要の方を両方取り扱ってうまく計画していくということなんですが、農業用水、飲料水、工業用水エトセトラ、そういう水需要の各分野の中で必要な水の量というものを適切に、適正にアロケーションといいますか、配分するということがやっぱり必要でございまして、それぞれのセクターの中で合理的な水の利用を追求するための配分計画みたいなものを水資源管理プロジェクトの中でやっていくということを最近やっているということでございます。  一方、国際河川での配分の在り方というのは、物すごく大きなやっぱり議論を呼ぶところだと思います。これは、社会的公正、いろんな議論の場を提供するというようなやり方の中で関係国が解決していかないといけないという話だと思います。例えば、ヨルダン川の水の利用というのは、やっぱりイスラエルがかなり一人当たり分でいえば物すごくたくさん使っているので、多国間の和平の中で話し合ったりという、そういう動きというものがやっぱり非常に重要になってくると。  そのために技術協力世界でできることは、各国の中で適切な水利用水需要の把握や水の状況の把握をして、自国の中ではこういう条件の中でどうやってやっていくかということを協力するということがやっぱり基本になってくるのかなと思います。それの上に立って国際河川の問題というものを支援するといいますか、解決を支援するというやり方になろうかというふうに思います。
  35. 小田兼利

    参考人小田兼利君) 私は、BOPビジネスの星とかなんとか持ち上げられているんですが、私には師匠がいないんですよ。全部自分で壁にぶち当たってやったことがポリグルレディーでもあるし、それから水運び人でもあるんです。  そこで、私がいつも懸念しているのは、農薬でも入っていたら大変だとか、もうこれ見ると、魔法の粉くらい勘違いする。でも、できないこともあります。そういうのをもう寝れないほどいつも悩んでおりました。  ところが、最初八名からポリグルレディー始めた。その問題点を教育した。それが今ではリーダーになって、班長をやって、みんなしっかりと教えてくれていて、今ポリグルレディーの初任給は三千円です。一日じゃないんですよ、月ですよ。高校の教師が、私が活動しているところは、高校の教師で七千円か八千円です。それくらい。だから、女性に仕事がないイスラム圏ですから、三千円といったら結構いいんです。それで、三か月目標を決めさせて、これだけは売りなさいよと言って、それを売れなかったら首にします。ところが、首になるのはほとんどいません。それ以上売ったらボーナス出すと、こういうようなやり方しています。  そこで、アフリカだってどこだって欲があって、すると、みんなよく働くんだ、日本人と変わらないんだと言ったとおり、きちっと自分らで自己管理できるというのは信じていいと思います。だから、日本から進出すると、現地は労働力だけ、日本管理職という考え方、変えなきゃいかぬのじゃないかという気がします。もう信頼してやらせてみる、現地でできるものは現地にさすと、こういうこと大事かなと思います。  ですから、管理体制、そういうものは全然問題なく、もう安心し切って今います。それに、さっきお話ししたように、結構AOTSとかJICAの研修所へ行った人たちがかなり国ではレベル高くなっていますから、協力していただける、情報も入ってくると、こういうような面もあります。  国や公共が取り合わないと。私は、去年の三月、水フォーラムへ行きました。佐藤技監来られた。あれだって、連日三人も偉い人が来て、二十人くらい行列して、私は海外に向かっているのに本当に邪魔なんですよ、目の前へ来て説明してくれって。私は日本の国務大臣に宣伝するためにマルセイユまで行っているんじゃないんだから。そういうのだって、一度にやってもらえばいいものを、三人、連日来られる。こういうことは考えてほしいなと思います。  そういう中で、国や公共が取り合わない。佐藤技監にこう言われました、小田会長は国交省嫌いだそうですねと言われたから、違いますよと、あなたのところが嫌っているんじゃないのと、こう言いました。そうしたら、東北でいろいろあなたの技術必要なんだから、仲よくしてやってほしいと。だったら、あなたのところでそう皆さんに言ってくださいと、一度だって私の実験さえしてくれぬで。  私のところ、今のこの技術、ウクライナ原子力研究所から二度、あんな小さい大阪の会社、訪ねてきましたよ、研究員が。でも、この国は誰も関心示さない。ちょっとおかしいと思いませんか。これだけテレビなんか取り上げられて話題になったら、普通、水行政なんかやっている担当官だったら、どういうものか部下に調べさすのが仕事熱心ということじゃないでしょうか。  いいですか、私のこれが、今東北では一キロ、私の卸は六百三十円です、東北では四千円で売られているそうですよ。それで積算して除染の仕事をやっているんですよ。もう本当に腹立たしいのは、ある潰れかかっていた中堅ゼネコンが、何とあの震災以降、三十億の利益出したって私に自慢そうに言うんですよ。どういうことですか、こういうこと。日本人だったら、そういうことやったらいかぬ。  是非、だから、それまで苦しかった会社が、土建関係で利益出しているところ、徹底してやってくださいよ、税金取ってくださいよ。不謹慎だから、火事場泥棒みたいなことをして。だから、私はこういう強烈なことを言うから嫌われるんですよ。いいですよ、私の方から頭下げて行く気はないし。海外でもてていたら、もう結構そっちの方が楽しいし。でも、先生方にはそういうことをやっぱりチェックしていただきたいです。
  36. 武田勝彦

    参考人武田勝彦君) 非常に壮大な質問をしていただきまして、ありがとうございます。  まず、そのODA自体、我々はやっぱり、ケアという国際的な団体から見ると、日本政府の資金、ODAというのは非常に大きいんですけれども、実際途上国でどれだけのプレゼンスがあるかというのは非常に限られていると思うんですね。これはほかのアメリカ、それからEUとか、やはりNGOを使った形で資金を流していくということがあるんですけど、日本の場合はどうしてもコンサルさんが前面に出ていくようなところがあって、どうも浸透していかないのかなというのが実情としてあるかと思います。  その点でやっぱり問題になるのは、ODAのほとんどがコンサルさんとか一部の方に行ってしまうと、NGOがそこに参入できないということが一つあるかと思います。参入障壁と、我々からすると思うんですけれども、そこですね、そこを改善できないものかというのが一つあります。  どうしても外務省、JICAさんのスキームにしても非常に金額が小さい。我々はもう少し大きなことができる今レベルに来ていると思いますね、日本のNGOも、数の上でも質の上でも。そこを変えていただくと、もっと日本の顔が世界中に広まっていくと思います。  さっきのお話にもありましたけど、非常にきめ細かい支援ができるのが日本の団体の特徴かと思いますので、それを是非生かしてもらいたいというのがまずNGO側へのODAの点ですね。  もう一つは、やっぱり企業さんのところですね。我々、味の素さんとガーナでBOPの事業を今しています。BOPに関しては、ケア・インターナショナルのバングラデシュが先駆的な成功事例を持っているんですね。まさにポリグルさんがやっているようなセールスレディーというのをもうかなり、五、六年前ですね、成功させて、これ、バータさん、ユニリーバさんとのコラボレーションでやっているんですが、これが成功事例として今、日本の企業さんの中でも目に付いて、我々の方にコンタクトがしょっちゅうあるんですが、そういったところにやっぱりお金が行かないものなのかなと。  味の素さんとやっていて、やっぱり企業さんの内部ではなかなか資金が付かない、予算が付かないんですよね。やはり新たなことに対して投資をするという企業さんはなかなか経営者層にいないというのが日本一つ特徴じゃないかと。御相談を受ける企業さんと話していて、役員さんがうんと言わないわけですね。やっぱり、その中で皆さん資金繰りに困って、味の素さんとかは本当にUSAID、アメリカのJICAさん、あるいはほかのEU、DFID、イギリスとか、いろんなところにやっぱり資金を探していったと。やっぱりUSAIDはその点出してくれるわけですね。  それ、やっぱりJICAさんの新しいBOPスキーム作る上でも一つ課題があったと思うんですけれども、特定の企業さんにあげられない、それだけの理由で何か広がらないのは非常にもったいないと思うんですね。日本の企業さんのやっぱりキャパシティーというか、潜在的な能力はすごく高い。特に、ポリグルさんみたいに中小企業さんの能力というのはすごい大きいと思うんですね。それを生かしてあげるためには、それなりのBOPスキームなり日本企業を支援するスキームがやっぱり必要だと思うんですね。そこを担保すれば、ほかにやっぱり各企業の経営者層の方、マインドが変わってくると思いますので、そこでやっぱり大きな事業が展開されて社会的に意義のあるビジネスがどんどんどんどん生まれてくると思いますので、そこら辺のスキームをうまく資金が流れるように変えていただくと、やっぱりいろんな意味でオールジャパンがどんどん世界に羽ばたいていくのかなと思っております。
  37. 藤原正司

    会長藤原正司君) 武田参考人、どうもありがとうございました。  それでは、次にお受けします。  浜田さん、お願いします。
  38. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 三人の参考人先生方、ありがとうございました。  日本でいろいろと話題になっているナノバブル水、これマスコミでも大きく取り上げられていますし、日本からタンカーで日本近海の海水を積んで、中東に油を取りに行くときの喫水線を下げるために、移動中にナノバブルの力で海水を淡水化して向こうで石油の代金を日本製の水で払うというような構想も一時随分もてはやされた時期があるんですけれども、このナノバブル水というものの実際の力というのか、本当にそういうような力を秘めた魔法の水なのか、あるいはそういうものが実際に途上国においてどういうような日本の援助外交の武器として使えるものなのか。  その前に、日本の国内でも、そういう水を体内に取り込むことによって人間の生命力を高めるという形で特定のブランド、商品化して結構通販等で話題になっているようなんですけれども、そういういわゆる水ビジネスをお三人の専門家の立場から御覧になって本物の技術と言えるものなのかどうか、どれだけの効果があるものか、どういう評価をされているのか、お聞かせいただければ幸いです。
  39. 小田兼利

    参考人小田兼利君) 私は、盛んにそういうの出ているの、やや眉唾物じゃないかなという気がします。それと、ナノ、ナノといって実際はナノでなかったとか、マイクロくらいだと、そういうふうに結構大げさに言っている部分があるし。  どうでしょう、日本はわざわざ、水道水きれいなのにペットボトル必要なんですかね。東京水なんか本当にいい水ですよ。だから、私の技術も、緒方貞子先生、分かっていただきました、話しました、二年前。私のは車でいったらレクサスじゃなくてバスですと。緒方先生でしたら分かっていただけると思うけれども、世界で今必要としているのは五人乗りのレクサスじゃなくて百人乗れるバスじゃないかと。そうしたら、よく分かっていただいた。よく勉強されていて、会長のは砒素も取れるんですねと言っていただいた。私は、世界はまさにそういうのを必要としているし、東京水なんか本当にぜいたくですよ。どうぞ、先生方もペットボトル買わずにあれを飲んでください。本当にいい水なんだから。  だから、その技術はまだ、金持ちの中東辺りでは逆浸透膜使って、それからオゾン処理して、そういうふうにすればいいんであって、買えるところには高いのを売ったらいいじゃないですか。私は、全部が全部駄目と言っているんじゃなくて、でも一番世界が必要としているのは、日々困っている国なんですよ。これを急ぎたいと私は思っています。私のはバスであって、逆浸透膜使った水ほど上等ではありません。ただ、飲料水としては、それに塩素を少しだけ入れるだけで昔の日本の水道水並みになります。こういうことです。ナノ、ナノとか、そういう何か宣伝さえしたら売れるんですね、水商売ですからね。だから、これはもういいかげんにしてほしいなと思います。
  40. 藤原正司

    会長藤原正司君) 藤原良信先生
  41. 藤原良信

    藤原良信君 小田参考人、今お話しされておりましたけれども、ウクライナの原子力研究所からは研究員が二度も訪ねてこられたと。東電の関係者あるいは国の関係者は一度も来ないと。  これは放射能の除去の分野になりますけど、相当数のこれは冷却水が周辺には、どういう形であろうか分かりませんけれども、およそ誰も、直接当事者じゃなきゃ分からないと思いますね、東電の関係者じゃないと。政府もどれだけ分かっているか私は分かりませんけれども、どのくらいの量が今あるのかも分かりませんが、これを除去する可能性と、対応という言い方がいいのかどうか分かりませんけど、どういうふうなことをこれから対応していけばいいのか、参考までにお聞かせいただければと思います。
  42. 小田兼利

    参考人小田兼利君) 東京工大の原子力研究所では既にデータ出しました。この差し上げている中で、セシウム九九・七五%まで除去できると。ストロンチウムはまだです。ただ、こういうのを取るのについては、いろんな顔料とか、介在する、吸着する物質が必要なんですね。これの研究を、そうですね、東京工大、阪大辺りとやると、案外二月間くらいでこれだという技術、私は出る自信があります。既にセシウムは解決済みです。  ただ、東電関係者、これを、私のところのを手に入れたそうです、報道されるので。手に入れて実験したそうです。そうしたら、完璧でなかったというようなことだったそうです。これは雑誌社の取材で聞きましたが、失礼な話でしょう、使い方もよく分からぬで。要するに、アリバイづくりですよ、私から言わせたら。だったら、公開の場で私にやらせてほしいと、こういうのを言いたいんですよ。やっていません。要するに、もう排除するためのアリバイづくりしているだけ。本当にまともに取り組んでほしい。  私は自分の中小企業、そういう時間的な余裕もないし、あとは大学や専門家の方に基本的なことを話してお任せしたらいいんですよ。それさえ、そういう方法があるのにしない。元々中小企業は相手にされていませんよ。本当にされていないんですよ、我が国では。こういうことを是非理解してください。やったら、今言ったのを、私は間違いなく今までで最もすばらしい技術を大阪大学、東京工大とやります。
  43. 藤原良信

    藤原良信君 ありがとうございます。
  44. 小田兼利

    参考人小田兼利君) 三十五万トンだそうです、今。
  45. 藤原良信

    藤原良信君 三十五万トン。
  46. 藤原正司

    会長藤原正司君) これで各会派の皆さんの御質問は一巡いたしました。これからフリーでお受けいたします。  どうぞ、紙さん。
  47. 紙智子

    ○紙智子君 ちょっと今のお話も聞いて、やっぱりすごい放射能を除去するというのは本当に切実ですよね。だから、そういうことでいうと、それで本当に、実験するということも含めて、いや、調査会としても政府に対して言ってもいいぐらいだなというふうにちょっとお話聞きながら思っていたということと、それから、私もあちこちで聞く話で、例えば湖沼、湖に結構濃い放射性物質ですか、あって、例えば日光の、あそこの中禅寺湖ですか、あそこもヒメマスとか観光のものがあるんだけれども、これがやっぱり影響を受けていて、それで、釣りはしていいけど持って帰っちゃ駄目と、また放すことというふうになっているとか、非常に影響があるということもあって、こういうことも含めて、何というかな、これも対応できるのかなということもいかがでしょうか。
  48. 小田兼利

    参考人小田兼利君) 私のは、経済産業省でも実際、実験御覧に入れたんですが、原油流出とか、ああいうのにも対応できるんです。既にカナダでは一部使ってくれています。何度も言うように、日本だけが相手にしてくれないだけで、世界は結構注目してくれています。  それで、今の湖沼の問題、下に沈んでいますよね。私の技術特徴は、砂はそのまま残して、ヘドロですね、これだけ取る技術があるんですよ。それとか赤潮、これも除去できるんですよ。だから、そういうのも一度、もう小さい企業の技術というのは、それは金が掛かって、赤潮なんか私はやりましたよ。そうしたら、一日、小さい船でも十万円、船使ってやるのに掛かるんですよ。それは独自じゃできません。だから、私は、自分のところの技術というよりも、それはどこかにもう技術差し上げていいから、引き続きそういう開発やってほしいなと思っています。  だから、今のおっしゃった、私は、まだ水技術といったら幼稚園と言ったでしょう。それに、自分たちの技術はもう唯一だと、こういう思い込んでいる愚かさがあるということです。上には上があるんです。私のもいつかは抜かれる。だから、是非こういうのを真剣に取り上げていただければと思います。
  49. 藤原正司

    会長藤原正司君) 次にお受けいたします。  加藤さん。
  50. 加藤修一

    加藤修一君 三人の参考人皆さん、大変ありがとうございます。  小田参考人にお聞きしたいんですけれども、先進国もそうなんですけれども、途上国もその前にそういうことなんですけれども、それは何かというと、化学物質、これによっての汚染された水が非常に多いと。参考人資料の中には、重金属、これもできますよ、砒素もできますよと。そういう意味では、大体どの辺の範囲まで、どのぐらいの種類まで可能かということが一点と、二点目は、非常に聞きづらい話なんですけれども、こういう革新的な技術を普及させようと思ったときに、具体的に、先ほどの話もそうですけれども、邪魔されたケースですね、邪魔されたケースというのはリアルな形ではどういうのがあるか、教えていただきたいと思います。
  51. 小田兼利

    参考人小田兼利君) まず、邪魔された件。邪魔された件はゼロです。無関心です。要するに、邪魔しようとして何かしようとしたら、かかわらぬとしようがないから、皆さん賢いですよ、知らんぷりが一番いいんだと。だから、幾ら報道されても問合せさえしない。実験するから見に来てくれって霞が関の課長に案内状を出しても返事さえない。でも、そう報道されたらやっぱり関心持つのが自分の仕事に対する忠実さじゃないかと私は思います。  それと、除去の可能性、これはイオン化したものは無理です。ですから、重金属などはことごとく取れます。それで、海水は真水になりません。コカ・コーラは透明にできます。ですが、砂糖水が残ります。においがしなくなる。それから、例えば砒素、三価、五価とあります。五価は取れます。三価は塩素を入れて五価に変えて取るやり方しています。そういうふうに、それぞれでやり方あります。そういうことです。  ですから、本当に魔法の粉じゃないんだから、できないのはできないのがあるんです。ですから、逆浸透膜をこの場合は使うとか、病院なんかでオペに使うのは逆浸透膜の水を使うとか、一般の生活用水は私のところでするとか、今後、日本技術、お互いに強い面を出してODAも進められればと思っております。
  52. 加藤修一

    加藤修一君 ありがとうございます。
  53. 藤原正司

    会長藤原正司君) それでは、有村先生
  54. 有村治子

    ○有村治子君 自由民主党の有村治子でございます。  三人の先生方、本当に文化も宗教も通貨に対する価値も全く違う中で、本当に日本、ある意味で日の丸を背負って、かの地の隣人の生活向上と命の健康のために御貢献いただいていることに心からの敬意と、それからその知恵を分かち合っていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。  その上でなんですけれども、まず武田先生、会計のためのオペレーションなのか、オペレーションのための会計なのかよく分からないぐらいに会計監査がきついというふうにおっしゃいました。例えば、どういうところがばからしくネックになっているのか、どういうところを改善すればNGO的なオペレーションに資するのか。また、会計監査側からしてみれば、大事な大事な公的資金というものを流用してもらっては困る、本来の目的にかなった使い方をしてもらわなくては困るという意味で、ある意味で彼らは彼らの仕事を全うしたいと思っているわけでしょうから、その正しき道をやっている人をしっかりと推奨しながら、いわゆる正しくないことをやっている人たちをはじいていくにはどこの価値を大事にして会計監査と向き合っていけばいいのか、御教示いただければ有り難いというふうに思います。  もう一つ小田先生にお伺いします。  大阪の率直なおっちゃんのコメントに本当に敬意を持ちました。生き方にも敬意を持ちました。その上で、小田先生のその技術というのは、例えば滋賀県の琵琶湖なども富栄養化で赤潮と随分対峙してきた歴史が長いのですが、そういうときに生かせるものなのかどうか。そして、人間として飲み水ということはこだわりますけれども、それが生態系に対して、人間にとっては価値あるきれいな水かもしれないけれども、生態系を乱していくという意味では、それは生態系全体としては健全とは言えないかもしれないという中で、どのくらいに貢献度があるものなのかどうかということを御示唆いただければ有り難いと思います。  三番目、不破先生にはもっと基本的なお話になるんですけれども、ちょっと私もアフリカに住んだことがないので分からないんですが、二十リッター、三十リッターの水を毎日女性や子供が頭に載せて何時間も歩いて持っていくと、それゆえに就業の機会やあるいは教育の機会が奪われて貧困からなかなか抜け出せないというのは御説明としてよく分かるんですが、もっと単純な言い方をすれば、人間が水の近くから文明を活性化していったように、じゃ、なぜそこでハビタットをしないのか、そこで定住しないのかと。もちろん、部族が違うとか、宗教上のオペレーションが違うとか、経済的な問題があるとか、あるいは安全が確保されないとか、であれば、何で集団でそれをやっていく、そういう政治すら機能がないと言ってしまって、それで終わりでいいのかどうか。そういうことを根本的に向き合っていく、そういう動きがどのくらい進んでいるのか。あるいは何がそれを阻害しているのか。もう少し日本の価値に分かるような形で通訳をしていただけると大変有り難いなというふうに思います。  以上です。
  55. 武田勝彦

    参考人武田勝彦君) ありがとうございます。  かなりこれ会計的な技術的なところもあるんですけれども、まず、事業をした場合に外部監査というのを受けるんですね。それ以外、それでほぼ資金的なところはかなり透明性、それから説明責任を果たせると思うんですが、それから先にまた領収書の確認等を行うというのがございます。  また、日本政府の資金というのが現金主義、しかも領収書、領収書の原本を提出するとか、あるいは領収書のコピーを必ず全部確認するということを強いられるわけですね。それを現場から取り寄せてやらなければいけないというところがありまして、しかも普通の会計、経理をやられた方だと分かると思うんですけれども、領収書をもらってきて、じゃそれを経理の帳簿に書く場合に、日付を大体入力した日付で入れるわけですね。しかし、日本政府が求めているのは、領収書の日付で全部出さなければいけないという手間が非常に大変なことになっています。その関係で為替も全部変わってきますし、非常におかしなことがいろいろ出てくるんですね。  しかも、その領収書のあて名書きですけれども、まあ我々のような団体であれば、ケア・インターナショナルのじゃ南スーダンというところが事業をしていますので、そこの国の会計に沿えば、そこのあて名書きはケア・インターナショナル・サウススーダンであるべきなんですけれども、それを変えろと日本政府側からは言われるわけですね。そのプロジェクトの名前なり日本の団体名をそこに書けということを言われるんですが、それは法律からするとおかしいでしょう、会計原則にもとりますよということなんですけれども、それを強いられるわけですね。そういったことは非常におかしなことで、ある意味、不正を生んでくるんではないかということを言っているんですが、それがずっと何十年も続いているというのがございます。  そのために、やっぱり領収書をかなり無理をして集めなければいけないということがあります。これは普通の経理処理からすると非常に煩雑なことになりまして、我々、駐在員とかを一人送ったりしますけれども、本来はプロジェクト管理をしなければいけないんですけれども、会計のやっぱり管理を相当細かく見なきゃいけないんですね。しかも、それを日本語で出さなきゃいけないとかいうところもあったりしますので、そのためだけにやったりとかいうのが非常にあるので、現地の人ではそこまでやっぱりできない部分があります、細か過ぎて。  その辺は、会計の透明性と説明責任は十分に果たせると我々は思っていますし、我々というか、ほかの団体もそうですけれども、外部監査を受けているわけですから、何でそこでまた更に受けなければいけないというか、細かく見なければいけないのかと。帳簿の付け方に関してもいろいろと注文が細かくあるので、本当に時間を取られるものになっています。
  56. 小田兼利

    参考人小田兼利君) 琵琶湖の話出ましたよね。琵琶湖は、武村先生が知事をされていたころ、あのころ、要するに石けんなどの洗剤も規制されましたね。あれで、世界でたった一か所じゃないでしょうか、あれくらいの規模で水質が良くなっているというのは。ほかに、ほかの国々で、五大湖も含めて毎年悪くなっていっているけれども、あそこはきれいになっています。私は、その面では、やっぱり政治の在り方かなと思っています。  それで、私の浄化剤ですね、浄化技術ですね。間違いなく生態系に影響を及ぼします。及ぼすという意味が、今まで汚いところにすんでいた魚なんか、いきなりもう、あれは鳥どこから見ているのか知らぬけど、すぐ鳥集まってきます。底まで見えるようになって、魚がまず被害を受ける。本当にどこからか見ているんですね、あれ。妙心寺の汚い池をきれいにしました。もう次の日は魚が減っているんですよ。  そういうことで、生態系はやっぱりおかしくする、余りにも汚さに慣れてしまっているから。ただそれを、三メーター底まで見えるようにするというのを、薬剤を少し使って、最初、今二十センチほどしか透視度ないのをせいぜい一メーターくらいまでしましょうという技術はあるんですよ。だから、一気にするということは問題あるなと、私はいつも魚がかわいそうになって、そういう思いします。  だから、程々にという意味で、生態系はやっぱり変わりますよということはあるけれども、私のところ、元々納豆のねばねば成分使って、輸出の際の項目は食品添加物ですから問題は比較的少ないと、こういうふうに見ていただいていいと思います。
  57. 不破雅実

    参考人不破雅実君) 有村先生の御質問ですが、例えばアフリカ村落などで、ある程度安全な水が取れるところにある程度皆さんが集中して住めば、水くみ労働というものもある程度軽減される部分が多いのではないかという御質問だと思うんですけれども、いろんな状況がございますけれども、一つは、土地所有の形態などにも関係するかと思いますけど、ルワンダなどの村では割と分散して、農地の真ん中に皆さん住まれるというようなことはどうも多いようでございまして、家の近くには安全でない水が存在するんだけれども、それを使っていることによってやっぱりどうしても影響が出るので、片道一時間半とか二時間掛けてでも水くみに行くというようなことをしているという状況がございます。  ただ、意外とそうでもなくて、近くの水を使ってしまっている人口はかなりおりまして、これは、安全な水を飲むという衛生観念が実はない方々がかなりおります。むしろそちらの教育が浸透していないことによって、水に起因する感染症にかなり侵されているという現状が実はありますので、両方の状況を変えないといけないということがあります。  例えば、最近は、ルワンダの政策によって住民が分散して住んでいたのをある程度行政指導によって集中して住んでもらって、そこに水をパイプラインで持っていって配水をするんだというようなこともやっておりますけれども、それって、まあ言ってみれば、自由に住もうという人たちをある程度コントロールしていることにもなるので、結構、現地社会においては、それが受け入れられるかどうかという問題については、よく注意して見ていかなければいけない問題なんだろうなというふうにも思うところがございます。  したがいまして、答えとしてある程度ぴしゃりとダイレクトにお答えしにくいんですけれども、現状として、安全な水があるところに集中して住むということはなかなか現実には難しいという状況がどうもあるような感じがあります。  それと、地下水でない水というものは往々にしてやはりいろんな形で汚染されるということが多いものですから、意外とそういう安全な水の周りに住むというような状況というのが結構少ないということがあろうと思うんです。  したがいまして、我々の方で井戸を建設する場合には、ある一定の人口の真ん中にそういう井戸を造っていって平均的な労働時間というものをもうちょっと減らしていくというような、そういうやり方井戸開発するということをやってきているというのが現状でございます。
  58. 藤原正司

    会長藤原正司君) 不破参考人、どうもありがとうございました。  亀井さん、お願いします。  三人に質問せないかぬと思い込む必要はありませんから。いや、皆さんそうですよ。
  59. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 先ほどの有村先生の質問で私も同じようなことを思いましたので、関連質問で不破参考人にお伺いしたいと思います。  以前、ワンガリ・マータイさんといって、ノーベル平和賞を受賞された女性、もうお亡くなりになりましたけれども、たしか彼女が主張していたように記憶しているんですが、アフリカの問題というのは、いわゆる干ばつと、今砂漠化で干ばつが進んでいるということと、あと遊牧民の問題もあるんだと。つまり、村に定住する部族と、あと、何年間か遊牧をして伝統的にサイクルで動く部族がいて、この遊牧民の動ける範囲がその環境の変化、干ばつによってなくなってきたと。その土地の取り合いがいわゆるスーダンであったり内戦のもとなのだというような話を私は聞いたことがあります。それがまた植林につながっていったということなんですけれども。  今、アフリカで伝統的に遊牧をする、そういう部族というのはどのぐらいの割合なんでしょうか。つまり、定着型の部族対遊牧型といいましょうか、定住している部族のところに井戸を掘れば、それはそこにずっと安定して住むんでしょうけれども、生活スタイルがいわゆる国境を渡っていく人たちの場合はまた対応が違うんだろうと思うのですが、その辺、もし御存じでしたらお教えいただけますか。
  60. 不破雅実

    参考人不破雅実君) これは、私が知る範囲でということになりますけれども、私は中東におりましたので、例えばベドウィンの方々の場合ですと、そういう井戸、オアシスの中の水源をある程度管理といいますか、所有といいますか、しながら移動していくというようなことをやってきていると。何といいますか、その権利といいますか、それは部族ごとにかなり重要なものになっているということで、その井戸を押さえているということが権限そのものみたいな、そういう話だというのは聞いたことがございます。  そういう土地に新たな水源を造っていくというような仕事というのは余りしたことはないのですけれども、基本的に移動していく人口を、ある規模でそういうふうに水を使っていかれているわけですから、それというのは十分サステーナブルな分しか、つまりそんなに大量に水を取ったりなんかしない、伝統的にやってきているということだと思うんですけれども。  今の問題というのは、そういう方々が遊牧をするだけの資源が、例えば気候変動なのか砂漠化なのか分かりませんけれども、できなくて、家畜が食べる草とかもなくなってきてしまって、その結果、遊牧をする生産手段をなくしてしまって都市にスラムとして流れ込んでくるというような、そういう変化があるんじゃないかということだと思います。それによってアフリカ都市人口というのが物すごく伸びてきていて、そういう二次的な変化による影響にどうやって対処しなきゃいかぬかという問題に問題が変化してきているようなところがあると思っています。  伝統的な遊牧で成り立っているところは、恐らく水の量と水を使う分というのは多分バランスしているような状態というのがあるんだろうと思うんですけれども、そこを崩すような条件というのが起こってきているというのが多分非常に厳しい問題としてあるんじゃないかというふうに思っております。
  61. 藤原正司

    会長藤原正司君) 藤原さん。
  62. 藤原良信

    藤原良信君 ありがとうございます。  私は、今の調査会の審議の進行の中で改めて感じたことがありまして、御見解を賜りたいと思います。二点でございます。  一点は、今お話にございましたけど、水の安全性の定義でございます。といいますのは、重金属とかあるいは弗素あるいは砒素、これは害を及ぼすというのは、一般常識的にこれは理解をいたしますが、生まれたときから、その土地で誕生して、そこで生活をして、抗体が出て、そして何ら問題ないという、日本人にとっては問題だけどその地域にとっては問題ないという水があると思うんです。  例えば、インドでも、第一級のホテルへ泊まって、そこでうがいをするだけで、これは足腰立たない腹病みをするよと言われました。透明な水なんです。だけど、これはインド人は何ら問題はないと、日本人はとんでもない、経験したことない腹病みするよと。あるいは、スーダンで私が出会った日本JICAボランティアの女の子、二十歳そこそこの子でしたけれども、ようやく泥水を飲めるようになりましたという言い方をするんですね。泥水を飲んで何ともないと言うんです。日本人が恐らくそれは対抗能力が付いたからなのか。そういう安全性の定義というのは何なのかという、どなたでも御見解があれば、まずそのことについて。  ですから、そういう意味での水の供給ということ、日本人の感覚ではないと思うんですよ。そこを御見解をお示しいただければ大変有り難いと思いますし、もう一点、先ほど来、何人かからもお話ございましたけれども、維持管理ですね。例えば、しばらく前なんですけど、フィリピンでJICA日本のODAで応援をいたしまして水道を造りましたと。そしたら、電気が止まっただけで水道止まっちゃうんですね。耐用年数はまだまだもつような水道管でもそうなると。あるいは、現地で恐らく工事が、現地の人を雇ってやったとすれば、それが管渠がもろくて数年で水漏れがするとか。そうすると、日本がせっかく応援をしたのに、日本の造ったものが簡単に壊れると。日本に対する見方がそういう目線で見られるのも、これはいかがなものかなという思いを持ったことがあります。  ただ、言わんとするところは、ですから、維持管理の物すごい大事な、管理という形の大事さを感じたわけでございますが、それについてのいろんなことが今論じられましたけれども、取組姿勢についてお示しいただければ有り難いと思います。  それ以前の話として、あえて申し上げますけど、私は、世界各国、ODAが日本の外交で相当プラスになっていると思います。そのことを申し添えます。その第一線でJICAが頑張っていることも有り難いことだと思っておりまして、感謝をいたします。  そのことを申し上げながら、ただいまの質問に対しまして御見解があれば教えていただきたいと思います、安全の定義。
  63. 藤原正司

    会長藤原正司君) 済みません。今日、予算委員会も兼ねておりますので、ちょっと焦っておりまして、誠に予算委員を兼ねている先生もおられるんです。で、定時は四時なんですが、そういう面もあってやっておるということを承知おきいただきたいと思います。  お受けします。今ので、どなたでもいいというのはどなたでしょう。
  64. 藤原良信

    藤原良信君 じゃ、小田さんと不破さんと。
  65. 小田兼利

    参考人小田兼利君) 私は、日本の水道水基準、何が入っていたら駄目というのは非常にはっきりしています。まずそれをクリアさえすればいいと思っています。ただ、本当に途上国行けば行くほど項目が多いんです、全然守られていないけれども。だから、日本の水道基準でいいと思います。それを私は守っています。要するに、何があったら駄目、何が何以下、大腸菌が幾ら以下、こういうふうになっています。それを守っているというところです。  それと、不破参考人さんが水辺になぜいないかという意見で、私はよく途上国行って気付くこと、アフリカへ行って気付くことは、マラリアが怖い面もあります。だから、丘の上に家を造る、水辺に極力住まないという、こういう習慣があっているということですね。そういうことじゃないかなと思っています。  日本の水道基準を守れば立派なものだと。それで、おっしゃった非常に大事なことで、バングラデシュで私のところをやる際に、ポリグルレディーが活躍する前、三・七%の三歳までの乳幼児の死亡率でした。今は一%以下になっています。ただ、その三・七%というのを当然だと思っているんですよ、現地では。要するに、汚い水飲んで、原因だけど、弱い子は百人のうち四人くらいは死ぬんだというのがもう常識になっている、こういう問題も考えなきゃいかぬのじゃないかなと思います。日本で、じゃ一%以下がいきなり一桁違ったら大騒ぎでしょう。ところが、そういう国では当然になってしまっている、こういうことですね。
  66. 不破雅実

    参考人不破雅実君) 水質の問題につきましては、公式的には日本の基準やWHOが定めた水質の基準がございますから、一応それに合格するレベルの水を供給するということを原則に置いてやっているというのが言ってみれば一番基本の取組なんですが、それと、今、藤原先生がおっしゃった、現地の方々のスタンダードは違うんじゃないかということに関しては確かにそのとおりで、あれだけ乳幼児死亡率若しくは五歳未満死亡率が高い国というのは、五歳以上になった人というのはやっぱり相当頑丈な人ということかもしれませんね。したがいまして、かなりその辺はあるのかもしれません。  おっしゃったように、泥水を飲めるというのは、かなりすごい表現だとは思うんですが、JICAのボランティアの方々も現地の実はいろんなものを飲まれて、結構感染症にかかっている人もおります。私もかかったことありますし。したがいまして、やっぱりその辺りは余り、何といいますか、たかをくくらない方がいい部分も結構ございますので、基本の水質というものは守って供給していくということはやっぱりこれは基本なんだろうなというふうに思っております。  それから、二番目の御質問で、水道の協力をしても、かえって漏水をかなり起こしているとか、そういうような問題というのはあるのかもしれませんが、普通、水道で、例えば浄水場のキャパシティーを上げるというような場合には、それが到達する先のネットワークについても調査をしまして、古い石綿管があるところだとか、継ぎ目が相当もろいようなところがあって、そこにも水をある程度の高圧の水圧で持っていくという場合には、当然そちらの管網の先を改善するということもセットでやっぱりするというふうに普通は計画をしております。それが足りないところがもしあったとするならば、御指摘いただいて、早急に対策をするというふうに現地の実施機関とも協力しながら対処をしてまいりたいと、そんなふうに思っているところでございます。
  67. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございました。  それでは、予定の時間よりちょっと早いんですが、以上をもって調査会をお開きにさせていただきたいと思います。  参考人に対する質疑はこの程度といたしたいと存じます。よろしいでしょうか。  ありがとうございます。  一言、御挨拶を申し上げます。  不破参考人小田参考人及び武田参考人におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、おかげさまで大変有意義な調査を行うことができました。調査会を代表して、各参考人のますますの御活躍を祈念いたしまして、今日のお礼とさせていただきます。今日はどうも本当にありがとうございました。(拍手)    午後三時四十一分散会