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2013-02-06 第183回国会 参議院 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十五年二月六日(水曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員氏名     会 長         藤原 正司君     理 事         尾立 源幸君     理 事         大河原雅子君     理 事         青木 一彦君     理 事         有村 治子君     理 事         石川 博崇君     理 事         松田 公太君                 江崎  孝君                 大島九州男君                 加藤 敏幸君                 津田弥太郎君                 増子 輝彦君                 安井美沙子君                 熊谷  大君                 佐藤 正久君                 島尻安伊子君                 野村 哲郎君                 橋本 聖子君                 水落 敏栄君                 若林 健太君                 加藤 修一君                 藤原 良信君                 紙  智子君                 舟山 康江君                 浜田 和幸君     ─────────────    委員異動  一月二十八日     辞任         補欠選任      大河原雅子君     白  眞勲君      大島九州男君     加賀谷 健君      増子 輝彦君     藤末 健三君  二月六日     辞任         補欠選任      舟山 康江君     行田 邦子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     会 長         藤原 正司君     理 事                 江崎  孝君                 津田弥太郎君                 青木 一彦君                 有村 治子君                 石川 博崇君                 松田 公太君     委 員                 尾立 源幸君                 加賀谷 健君                 加藤 敏幸君                 白  眞勲君                 藤末 健三君                 安井美沙子君                 熊谷  大君                 島尻安伊子君                 橋本 聖子君                 水落 敏栄君                 若林 健太君                 加藤 修一君                 藤原 良信君                 紙  智子君                 行田 邦子君                 浜田 和幸君    事務局側        第一特別調査室        長        宇佐美正行君    政府参考人        総務大臣官房審        議官       村中 健一君        法務大臣官房審        議官       萩本  修君        外務大臣官房参        事官       正木  靖君        厚生労働大臣官        房審議官     高島  泉君        林野庁長官    沼田 正俊君        国土交通省水管        理・国土保全局        次長       山崎 篤男君        国土交通省水管        理・国土保全局        水資源部長    小池  剛君        国土交通省水管        理・国土保全局        下水道部長    岡久 宏史君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠選任の件 ○参考人出席要求に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する  調査  (「世界の水問題と日本対外戦略」のうち、  我が国の水問題への取組現状課題について  )     ─────────────
  2. 藤原正司

    会長藤原正司君) ただいまから国際・地球環境・食糧問題に関する調査会を開会いたします。  委員異動について御報告申し上げます。  本日までに、大河原雅子君、増子輝彦君、大島九州男君及び舟山康江君が委員辞任され、その補欠として白眞勲君、藤末健三君、加賀谷健君及び行田邦子君が選任されました。     ─────────────
  3. 藤原正司

    会長藤原正司君) 理事辞任についてお諮りします。  尾立源幸君から、文書をもって、都合により理事辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 藤原正司

    会長藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、理事補欠選任についてお諮りいたします。  理事辞任及び委員異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 藤原正司

    会長藤原正司君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事江崎孝君及び津田弥太郎君を指名いたします。     ─────────────
  6. 藤原正司

    会長藤原正司君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 藤原正司

    会長藤原正司君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 藤原正司

    会長藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  9. 藤原正司

    会長藤原正司君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査のため、本日の調査会総務大臣官房審議官村中健一君、法務大臣官房審議官萩本修君、外務大臣官房参事官正木靖君、厚生労働大臣官房審議官高島泉君、林野庁長官沼田正俊君、国土交通省水管理国土保全局次長山崎篤男君、国土交通省水管理国土保全局水資源部長小池剛君及び国土交通省水管理国土保全局下水道部長岡久宏史君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 藤原正司

    会長藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  11. 藤原正司

    会長藤原正司君) 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査を議題といたします。  本日は、「世界の水問題と日本対外戦略」のうち、我が国の水問題への取組現状課題について政府から説明を聴取した後、質疑を行います。  本日の議事の進め方でございますが、まず国土交通省から十五分程度厚生労働省総務省林野庁、外務省及び法務省の順でそれぞれ八分程度説明を聴取した後、午後四時ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をお願いいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、初めに国土交通省から、まず下水道施設整備状況更新課題について説明を聴取いたします。岡久水管理国土保全局下水道部長、よろしくお願いします。
  12. 岡久宏史

    政府参考人岡久宏史君) それでは、お手元に「下水道施設整備状況更新課題について」というペーパーをお配りしておりますので、これを用いまして御説明をさせていただきます。  一ページ目を御覧いただきますと、汚水処理施設整備手法についてまとめてございます。  汚水処理につきましては、集合処理個別処理というのがございまして、この一ページ目の左下コスト比較概念図というのを載せておりますが、コスト比較を行いますと、やはり人口が密集した区域集合処理が経済的であるということでありますので、その図の上にありますように、こういう住宅が密集した中心部では集合処理である下水道整備をし、人家のまばらな周辺部個別処理である浄化槽整備をする、こういうことでやってございます。整備に当たりましては、こういう各汚水処理施設がございますが、それぞれの特色、経済性などを勘案いたしまして、最適な整備手法都道府県構想というものとして取りまとめてございまして、明確な役割分担を決め、計画的に各事業推進をしていると、こういうことでございます。  右下に千葉県の都道府県構想の例をお示しをしてございます。こういうふうに区域割りをしまして、これをマスタープランとして整備を進めているということであります。この計画平成十年度までに策定を終えておりますが、以後、人口減少とか厳しい財政状況等を勘案して適宜見直しをして実施をしているということであります。  二ページ目を御覧いただきますと、汚水処理普及状況をまとめてございます。  下水道浄化槽あるいは農業集落排水事業等々による汚水処理人口普及率といいますのは、平成二十三年度末で、全国でございますが、約八八%ということになっておりまして、このうち下水道が約七六%ということであります。  ちょっと座って御説明をさせていただきます。  それで、ここにお示ししている図は、汚水処理普及の率を人口規模別にまとめた図でございます。一番左がこれ百万人以上のところでありますが、百万人以上の都市では九九・四%ということになってございますが、一番右の五万人未満ですと、汚水処理人口普及率が約七四%ということで低うございまして、都市規模による格差があるということがお分かりいただけるかと思います。  この黄色で塗った部分が未普及地域でございまして、こちらは人口でいいますと約まだ一千五百万人余りの国民の方の汚水が適切に処理をされておらないということでありまして、早急なこの未普及地域の解消が必要であるというふうに考えております。  次のページ、三ページ下水道の未普及地域事例をお示しをしてございます。  先ほど、汚水処理施設整備されていない未普及人口が約全国で一千五百万人というふうに御説明いたしましたが、その約半数は市街化区域でございます。左側の表に下水道の未整備人口が多い都市を例示してございますが、これ例えば新潟市ですと、まだ二十三万人もの住民の方が下水が使えない状況にあるということでございます。  右の方にその未整備地域事例をお示ししておりますが、これは、上は名古屋周辺ということで清須市の例を挙げております。清須市が、ここの写真にありますように、名古屋市と連担した地域でありますが、この清須市においては、これだけ密集している地域でまだ下水道普及率がゼロ%と、こういう状況でございます。  それから、下の写真は、これは岡山市、高島駅と書いてありますが、これ岡山駅の近くの地域でございまして、塗ってあるところは供用済みですが、まだこれだけ未普及地域があると、こういう状況でございますので、今後、コスト縮減とか工期短縮を図って早急な整備が求められているということであります。  次の四ページでございますが、これは都道府県別下水道処理人口普及率を御参考までお持ちいたしました。  左上全国黄色でお示ししていますが、先ほど言いましたように七五・八%。棒グラフを御覧いただきますと、都道府県によってやはり整備格差がございまして、一番普及率が低いのは右の方の真ん中辺りにあります徳島県で一五・五%と、こういう状況でございます。  続きまして、下水道施設老朽化現状について御説明をさせていただきます。  下水道整備が進みまして、現在、下水道管渠の延長が約四十四万キロ、これは地球を十一周するほどの管渠全国整備をされておりますが、これらの施設老朽化が進行してございます。  左の図を御覧いただきますと、毎年度どれほど管渠整備されてきたかという棒グラフをお示ししていますが、管渠耐用年数五十年と言われておりまして、この五十年が経過している管渠が約一万キロメートルございます。それから、三十年経過したものが約十万キロメートルあるということでございまして、その下に道路陥没件数というグラフを付けておりますが、これは下水道管老朽化に伴って、右の写真にありますような道路陥没する箇所数であります。これを御覧いただきますと、横軸経過年数、これ管渠経過年数示しておりますが、三十年を超えると急速に陥没件数が増えると、こういう状況になっております。さらに、その下に、今後の将来の老朽化状況ですが、五十年を経過する管渠につきましては十年後に三万キロ、二十年後に十万キロ、こういう形でどんどん老朽化が増えていくと、こういう状況でございます。  その次のページ、六ページ下水道処理場状況でございます。  現在、全国下水処理場が約二千二百か所ございまして、機械電気耐用年数が約十五年と言われております。この機械電気耐用年数を超えているのが、下のグラフにもありますが、千百か所、約半数で超えておりまして、これらの更新が今大きな課題になっているということであります。今後も増加をしていく見通しでございます。  そういう中で、最後ページ、七ページでありますが、下水道施設老朽化への基本的な取組方針ということで、三点ございまして、一つはやはり何といいましても定期的な点検、調査が必要で、適宜状況を把握して適切な対応を取るべきだろうというふうに思っておりますし、さらに、改築更新を進めるに当たってはアセットマネジメント推進が大事かと思っておりまして、アセットマネジメントによる予防保全管理を行うことによりまして、先ほど言いました、これは陥没による事故とか、あるいは機能が停止する、そういうリスクを低減し、施設長寿命化を図り、改築事業費を低減する、また、この改築事業費を平準化する、こういう対策を取る必要があると思っております。  右の方には、あと改築更新、これは管渠手法でございますが、管渠更生工法というのがありまして、こういう安くできる改築更新手法、技術というのも開発を進める必要があるだろうというふうに思っております。  以上でございます。
  13. 山崎篤男

    政府参考人山崎篤男君) 引き続きまして、水管理国土保全局次長山崎でございます。座って失礼させていただきます。  お手元の「水災害への対応現状課題」というパンフレットを、パワーポイントを見ていただければと思います。  まず、一ページ目、我が国は非常に低平地に都市ができておりまして、水害に対して非常に脆弱な国土となっていると。真ん中の下ですが、東京江戸川区とか墨田区とか、こういったところは海抜ゼロメートルどころかマイナス五メートルとか、そういったところに都市ができているというふうな非常に脆弱な国土でございます。  二ページ目でございますが、そういう国土台風とか非常に災害が多く来るというふうなことで、左下でございますが、六十年間の台風の経路を重ね合わせますと日本列島がほぼすっぽり収まってしまうと、そんな状況でございます。  最近話題になっております深層崩壊がどこで起きるかというと、結局、山地とか非常にもろい地形が多うございまして、そういったところで深層崩壊が非常にまた起きていると、こういったところも水害に対して弱くなっているという原因でございます。  次の三ページ目を御覧いただきたいと思います。  そういった状況で、近年、水害土砂災害が毎年のように頻発しておりまして、例えば、右下であります、一昨年、二〇一一年ですけれども、紀伊半島中心に大量の雨が降りまして、このときには二千四百ミリ以上降りました。死者七十三名といった大災害が起きたわけです。こういったものが頻発しているという状況でございます。  四ページ目を御覧いただきたいと思います。  そうした中で、地球温暖化というふうなことが言われておりますが、IPCCの第四次報告では、地球温暖化によって大雨頻度が増加する可能性が高いというふうに言われています。既に、左上でございますけれども、一時間降水量五十ミリ以上の発生回数でいきますと、じわりじわりと大量の豪雨が降る頻度が増えております。さらに、これからどうなっていくかというと、右の絵のように、特に北日本中心に今よりも相当降雨量が増加するのではないかという推計がなされております。  ちょっと五ページ目は飛ばさせていただきまして、六ページ目、これらに対してどういうふうに対応するかというふうなことでございますが、まずは予防的な治水対策というのが第一でございます。  この六ページに挙げさせていただいたのは新潟県の五十嵐川というところなんですが、これは平成十六年にも大豪雨がありまして、大変な被害があったわけですが、その後、治水対策をずっと講じまして、これがまた、平成二十三年、おととしですね、また大雨があったわけですが、左下にありますように、平成十六年と平成二十三年を比べますと、雨量は平成二十三年の方がはるかに大きかったわけですが、その間の治水対策が功を奏しまして、建物被害死者行方不明者についても、こちらを御覧になっていただけるように大幅に減少したというふうな状況でございます。  七ページ、もう一つ事例を挙げさせていただいておりますが、アメリカのハリケーン・カトリーナ、これがまた大災害になったわけですが、こちらの災害対策をやっている、アメリカでは陸軍工兵隊がこういう河川管理とかをやっておりますけど、この試算では、たった二十億ドルをけちったためにこれだけの災害になったというふうなことで、事前の治水対策をやっておけばというふうな試算が出ておるところでございます。  右側の那智川というのは、先ほど言いましたが、二十三年の紀伊半島水害だったんですけど、これは渓流が幾つもあって、この下の緑の渓流ですが、こちらは砂防堰堤整備されていたために土石流を捕捉して守られたんですが、黄色の方の未整備渓流の方は流れて多くの人が亡くなられたというふうな状況でございます。  八ページでございますが、こういった状況を受けまして、再度災害防止ということで、昨年もありました北部九州豪雨に対しても、再度災害防止、それから先ほど来言っています紀伊半島に対しても、こういう深層崩壊対応して砂防堰堤整備とか監視体制の構築、こういったことをやっているというふうなことでございます。  それから、次、九ページでございますが、そういう河道とか河川だけの対策ではなくて、総合的に流域全体で治水対策をやろうというふうなことで、総合治水というふうなことを言っておりますが、こういったことも進めております。流域で、右側写真にありますように、雨水貯留施設を造るとか、道路とかを透水性にするとか、こういったことで、川に一気に水が出てこないようにすると、こういった対策もしております。  それから、十ページでございますが、情報を提供して避難に役立てるということで、インターネットの提供、それから、最近はNHKとかいろんなところでテレビでリアルタイムに河川水位が提供できるというふうなことをしております。  それから、十一ページ被害を軽減させるという意味では水防が大きく意味を持ちますが、左上にありますような、これが伝統的な水防活動ですが、最近の水防はこれだけではなくて、避難を誘導するという意味ハザードマップを作ったり、あるいは地下施設避難確保計画を作ったりと、こういったことで水防を進めているというふうな状況です。  それから、十二ページ河川管理施設老朽化、これも、この老朽化については河川管理施設も同様の状況でございまして、こちらの写真にあるような高度成長期にできたものの老朽化が進んでおります。  十三ページ、御覧いただきますと、このグラフにありますように、現在では四割が設置後四十年経過しておりますが、更に二十年後には八割になるというふうな試算があります。こういったことに対して、右側にありますように、長寿命化計画といったことでコスト縮減に努めていくというふうなことを考えております。  最後になりますが、十四ページ以下の、津波水災害一つというふうなことで対策をやっております。  十四ページは、東日本大震災の陸前高田の写真でございます。  十五ページ、御覧いただきますと、津波防災の考え方ということで、基本的にハードで守るのは比較的頻度の高い津波、L1と言っておりますけど、こういったものに対してはハードで守る。それを超えるような、今次津波のような高さについてはハード、ソフトを組み合わせた多重防御でやっていこうというふうなことで、次の十六ページにありますように、一昨年、津波防災地域づくり法というのを作りまして、海岸堤防なんかを乗り越えてくるようなものに対しては、避難ビルに逃げるとか、避難体制整備するとか、宅地をかさ上げするとか、こういったことで、様々な対策対応していこうというふうな対策が始められているところです。  以上でございます。
  14. 藤原正司

    会長藤原正司君) 山崎さん、どうもありがとうございました。  次に、小池さん、お願いします。
  15. 小池剛

    政府参考人小池剛君) それでは、水資源部長小池でございますが、お手元の「雨水利用状況」というパンフレットを開いていただきたいと思います。  一ページ目の左側でございますけれども、昨年、利根川水系で十一年ぶりに渇水が発生したという状況でございます。その下にもございますけれども、雨の降り方が、降るときは降るんですけれども、降らないときは降らないということで、水の利用の方に関しましても非常に不安定になっているというところでございます。  こういうものに対しまして、右側でございますけれども、必要な施設整備管理を進めていくと。あわせて、水源も多様な水源確保を行うということが必要になってまいりまして、雨水等利用の促進を図っているというところでございます。  二ページ目は、雨水それから下水の再生水を含めた施設整備状況でございます。  一九七八年に福岡で大渇水が起きてございますし、一九九四年に列島全体で渇水が起きているということでございまして、こういうものをきっかけにこれらの雨水それから再生水施設整備が進んでいるというところでございます。  三ページ目、具体的な水の量でございますけれども、雨水単独使用量に関しましては約七百万立方メートルでございまして、全国水使用量に比べますと〇・〇一%という量になっているところでございます。  四ページ目でございます。これらの雨水利用状況でございますが、地域別に見ますと、東京中心といたしまして関東の臨海部、それから渇水がかなり被害が大きかった北九州、この地区だけで全国の約六割弱を占めるという状況でございます。また、この中でも、いろいろ水の有効利用に関します要綱等を定めまして利用の導入を促進しています東京都それから福岡県の割合が高いということでございます。用途別に見てみますと、水洗トイレの洗浄水や散水というような利用が多い状況になっているところでございます。  五ページ目でございますが、主な雨水利用施設整備状況でございますが、この近くですと東京ドームでございまして、地下に約千立方メートルの貯水槽がございます。ここに雨水をためるということと、それからドーム内の厨房の雑排水を併せて再処理いたしまして、年間で三万二千トンの水道使用量、大体世帯数でいきますと百二十世帯ぐらいの水道使用量の削減を行っているというところでございます。また、最近ではスカイツリーが大体同じような規模の雨水の貯留施設を持っているというところでございます。  次に、六ページ目でございますが、ふだんのこういうような使い方に併せまして、東日本大震災の際に、仙台の東北文化学園大学でございますけれども、水道それから電気が不通になりまして、トイレが使えなかったということでございますけれども、バケツに雨水をためまして洗浄水として使ったというところでございます。雨水利用、こういうような震災時、被災地におきましても有用性が実証された例ということで御紹介をさせていただきました。  これらの状況等も、更にどういう実態になっているかというような調査等も含めまして進めまして、関係機関とも連携しつつ、水資源対策の一環としまして、雨水それから雨水利用の促進を図ってまいりたいというふうに考えています。  以上でございます。
  16. 藤原正司

    会長藤原正司君) どうもありがとうございました。  次に、厚生労働省から、上水道施設整備状況更新にまつわる課題及び水道事業体の経営状況について説明を聴取いたします。高島大臣官房審議官
  17. 高島泉

    政府参考人高島泉君) よろしくお願いいたします。  厚生労働省から出している資料をお開きいただきたいと思います。  まず一ページですけれども、水道施設整備状況でございます。ここでは、普及率と投資額の推移を入れておりますが、左側の図を見ていただきたいと思います。普及率につきましては、現在九七・五%ということで、高度成長期に伸びた結果として高水準な普及率になっております。  この中で、下の赤いところに囲ってありますけれども、上水道として九三・二%、それから簡易水道、これは給水人口が五千人以下の小規模の給水事業ですけれども、簡易水道で四%ということで九七・五でございます。で、残り二・五なんですけれども、このうちの、残っている部分の半分ぐらいは、やはり人里離れた山間部とか非常に孤立しているとかそういったところで水道整備が進んでいないというところと、あと残りの半分は、水道は行っているんですけれども、自分で井戸を使っていると、そういった形で水道事業利用しない方がいるという状況でございます。  ここでは普及率を入れておりますが、整備状況といったときに、よく開発途上国等への援助等では上水道の漏水率とかそういった指標もございます。日本の水道の平均の漏水率は今七%ぐらい、東京都は三%ぐらいということで聞いておりますが、これは世界最高水準ということでございます。それからあと、供給している水道に対してどれだけ料金を徴収しているかというのも一つの指標になるんですけれども、この有収率というものについても日本は九割ということで世界の最高水準にございます。  それから、右側が今までの投資の状況でございますが、高度成長期とそれから平成十年前後の景気拡大の時期に投資が増えまして、総資産は現在四十六・七兆円ということで資産を抱えております。  次のページ、二ページをお願いします。  それから、更新における課題でございますが、水道管路の老朽化というのが進んでおります。管路の法定耐用年数は四十年ということでございまして、高度成長期整備した水道管、これが更新時期を迎えてきております。この更新、現在それがどんどん増えておりまして、左の図でございますが、平成二十二年には七・八%まで耐用年数を超えた管路というのが増えてきております。右側は、そのうちどれだけ年々更新をしているかということですが、予算がなかなか増えないということもありまして、更新率が下がっているということでございます。  それからまた、次の三ページでございます。  そうした更新における課題として耐震化というものがございます。更新が進まないために耐震化が進んでいないという状況でございまして、この水道事業の中で一つ、大きな管路、基幹管路につきましては、左側にありますけれども、三二%と。これは、地震のときにこの配管のつなぎ目が揺れて外れないようにということが耐震化でございます。これが三割。それから、浄水施設、浄水場については二割弱、そして配水池につきましては四割と、こういった耐震化状況になっております。  それから四ページでございますが、こういった状況の中で一昨年、東日本大震災が起きたということで、このときの被害状況でございますが、総断水戸数が二百五十万戸ということで全国の二十分の一が断水したということでございます。  それで、下の文章の方にありますけれども、この中で、十九都道県で被災したわけですけれども、最も被害が大きかったのは茨城県ということで、県の中八〇%が断水したということでございます。これは地震による液状化による被害が非常に大きかったということでございまして、上水道事業の場合にはこういった液状化に対する備えというのが重要であるということで考えております。  それから五ページに行きまして、水道事業の経営状況でございます。  この中で書いてございますのは、水道事業における職員の数が減っているということと高齢化が進んでいるということでございます。水道事業は、各地域地域におきまして地方公営企業ということで、公営企業という形での運営がなされています。その中で、それを支えている人が高齢化、減少しているというのが非常に大きな問題になっているということでございます。  それから六ページでございます。  水道事業の経営状況ということで、上水道事業全国マクロでトータルしたものでございます。この上の部分が毎年のフローのお金の流れですけれども、水道事業は基本的には、左側の上にあります料金収入を財源として運営をしていくというのが基本になっております。基本的には独立採算という形を取っておりますが、料金収入等につきましては二兆五千六百億、それからいろいろな補助もございまして五百五十九億入っておりますが、これを使いまして、右側にありますが、運転管理費用を出しております。その中で減価償却なりを行い、この真ん中にありますが、二千二百十六億という収益を上げております。  形としては黒字ということになっておりますが、この下のところで、このお金を使いまして、留保しながら設備投資をしております。この設備投資に四千百億を出しまして、いろいろ国庫補助もありまして、毎年九千二百億の設備投資をしていると思いますが、この設備投資で耐震化なり更新をしていくということですが、黒字ではありますけれども、ここの費用がなかなか出せないで、これ経営的には黒字を出していると、こういう状況と思っております。  それから、その次のページでございますが、水道事業の経営状況ということで、これは規模別の収支を書いております。左側のところで見ていただきますように、この五万人のところを境に、水をつくる費用とそれから売る費用、それを考えると、小規模のものについては費用が掛かっているということでございます。  それから、一番右のところには事業者数がありますが、簡易水道の事業というのが非常に事業者数としては多いと。ここは非常に小規模のところですから、経営的には大変厳しい状況のものが多いというところでございます。  そして、こういった状況を踏まえまして、八ページでございますが、今厚労省では新水道ビジョンというものの策定を考えております。これは十六年に作りました水道ビジョンの改定ということなんですが、東日本大震災、それから経営状況として、やはりこれから日本人口が減っていくということで、給水人口が減るというのは非常に大きな、この水道事業を考える上で大きな課題となっています。こういった人が減る、収入が減る中でいかにしっかりした水道をやっていくかということで今ビジョンを策定中でございまして、この年度末にも策定する予定でございます。この中で、右の下にありますが、アセットマネジメントの徹底とか施設のレベルアップ、それから広域化、官民連携ということをうたうことにしております。  それで、そのアセットマネジメントなんですが、九ページに考え方を書いてございます。この水道事業というのは、やはり装置を抱えて固定費が非常に掛かる産業でございます。その中で、人が減る、それから、人が減って給水人口が減ってきて収入が減るという中で、いかに将来の更新需要、それから更新時期を考え、あと料金を考え、施設全体を運営していくかというのが非常に大きな課題になっております。こういった資産管理の考え方の下に適正な企業経営をやっていただきたいと、こういうふうに考えております。  それから、十ページが、予算を付けておりますが、今年度の予算としては補正を合わせまして五百四十二億という数字で要求をしてございます。  それで、一番最後のところなんですが、基本的には更新ということで、今ある古くなった施設を耐震化を含めて更新していくわけでございますが、新たなニーズとして、安心できる水ということもございます。  昨年の五月に、利根川の上流から流れ出ました化学物質が、下流の浄水場のところでホルムアルデヒドが出て給水ができなかったという事態が生じています。こういうものに対応するものとして、高度浄水処理という取組が水質の管理のために必要になってきております。こういった新たなニーズも含めながら、今後新たな施設更新なり設備投資をしていかなければならないと、こういうふうに考えております。  以上でございます。
  18. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございました。  次に、総務省、お願いします。村中大臣官房審議官からお願いします。
  19. 村中健一

    政府参考人村中健一君) 村中でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、「上下水道事業の経営状況等について」という資料に基づいて御説明をさせていただきます。  まず、総務省と水問題のかかわりでございますけれども、ただいま厚労省さんからもお話がございましたけれども、我が国におきましては、上下水道事業の大半というものが地方自治体が経営主体となって公営企業という形で運営されているわけでございます。そういう観点から、今日、総務省、私どもをお呼びいただいたんだというふうに思っております。  しかしながら、今厚労省さんからのお話にもありましたように、地方公営企業が行っている事業でございましても、個別事業に関します政策的な部分についてはそれぞれ主として各事業官庁さん、上水道でいえば厚労省さんですし、下水道でいえば国交省さんが担われているということでございます。そういう中で、総務省としましては、地方公営企業で行っている種々の事業をある意味事業横断的に、地方公営企業全体にかかわる問題として、組織の在り方であるとか、あるいは会計制度であるとか、あるいは経営状況を見るという立場にあるわけでございます。  また、地方公営企業が事業を運営する中で、利用者からの料金収入に加えまして、国からの補助金等を加えましても賄えない部分につきましては、結果としてこれは運営主体であります地方公共団体が財政措置、すなわち一般会計からの繰入金等で埋めるということになるわけでございまして、こういう観点から、総務省は地方自治体の財政状況を見ている立場にもございますので、そういう観点から地方公営企業に対する財政支援についても関与しているということでございます。  したがいまして、本日の資料につきましても、地方公営企業で行っています上下水道事業につきまして、経営状況であるとか、あるいは地方自治体による財政支援の状況であるとか、あるいは当面の経営課題等を中心にまとめさせていただいているところでございます。  まず一ページ、お開きいただきたいと思います。  上下水道事業数及び職員数ということでございますけれども、事業数の、真ん中の表を見ていただきますと、右側から二つ目あるいは四つ目の欄のところにございますように、地方公営企業で運営しております水道事業につきましては簡易水道事業事業体の統合が進んでいるということから、また、下水道事業につきましても市町村合併に伴いまして事業統合が進んでいるということもございまして、前年度と比較いたしますと、それぞれ水道の方では十九、それから下水道の方では十二事業者が減って、それぞれ二千百三十三、三千六百二十五という数字に二十三年度はなっているところでございます。  また、その職員数につきましても、今申し上げましたような事業数の減少であるとか、あるいは民間への業務の委託が進んでいることなどによりまして、二十三年度におきましては、前年度と比較しまして、水道事業では九百十八人減少しまして四万九千百五人、下水道事業では六百九十七人減少して三万三百四十七人という職員数になっているところでございます。  次に、二ページをおめくりいただきまして、上下水道事業の経営状況でございます。  地方公営企業で行っている上下水道事業の経営状況でございますけれども、経営状況のところの合計の欄の右から三つ目の二十三年度、あるいは差引きのところを見ていただければよろしいんですけれども、二十三年度におきまして、水道事業については二千百一億円、下水道事業については千二百四十億円の黒字となっておるところでございます。  また、赤字、黒字別の事業者数でございますけれども、これについては、二十三年度、水道事業では、黒字の事業体が五十九減って、他方で赤字の事業体が四十三増えたと。下水道事業については、黒字の事業体が三減って、赤字の事業体が二十九増えたということになっております。全体としまして、約九割前後が黒字の決算をしているということでございます。  ただ、次の三ページでございますけれども、このように決算上の収支だけを見ますと水道事業下水道事業も全体として黒字あるいは黒字の事業体の割合が非常に高いわけでございますけれども、実はこの黒字というのは、三ページにございますように、公営企業繰り出し金の状況にございますように、水道事業でいきますと二十三年度において二千百九十億円、下水道事業におきましては一兆七千九百五十二億円という多額の地方自治体の一般会計等からの当該事業に対する繰り出し金、言わば財政援助によって支えられているということでございます。  もちろん、これらの事業を公営企業が行っておりますのは、そもそもこういう事業というのは料金収入だけでやるということについては少し無理な言い分もある一方で、社会のインフラとして是非必要な公共性の高い事業であるということから、地方公営企業法上も、その上の四角の括弧書きにありますように、①のその性質上企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費であるとか、あるいは②のその公営企業の性質上能率的な経営を行ってもなおその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費といったものについては、これは地方自治体の一般会計等がこれを負担して財政援助をするものとされているところでございます。  しかしながら、地方自治体の財政状況も厳しい中、公営企業に対する多額の繰り出し金を捻出するということは決して易しいことではございませんで、そういう中で、地方公営企業についても効率的、能率的な経営を進めていただいて、住民のサービスの質を確保しつつもできるだけ低いコストで運営してもらいたいというのは、これは総務省だけではなくて各地方自治体自身の要望でもあるわけでございます。  そこで、総務省としては、平成二十一年七月八日付けで、次のページ、四ページ、五ページに付けさせていただいておりますけれども、地方自治体に対しまして、公営企業の経営に当たっての留意事項についてという通知文書を発出いたしまして、地方公営企業全般について経営改革に取り組んでもらうよう要請しているところでございます。  その中で、水道事業につきましては、四ページに記載しておりますように、全部は説明しませんけれども、例えば一のところにありますように、住民ニーズの的確な把握と適切な建設改良等の計画策定に努めて、投資規模の適正化を図ってもらいたいと。あるいは、二にありますように、積極的に事業の統合化、広域化を推進して、財務・技術基盤の強化を通じて効率的な経営体制の確立を図ってもらいたいというようなことを要請しているところでございます。  また、下水道については、五ページでございますけれども、やはり、人口が減る、あるいは水洗化率もかなり上がってきている中で、現実的な将来見通しに基づいて収支計画を立ててもらいたいと。それから、公共下水道、農業集落排水施設浄化槽等、いろいろ多様な手段がある中で、各種施設の中から最適なものを選択して計画的、効果的に整備を行ってもらいたいといったようなことを書いて、これを地方公共団体に要請しているという状況にあるわけでございます。  私どもとしては、こうした留意事項を踏まえて、各事業体が効率的な経営に努めていただいて、住民サービスの質を確保しつつも、財政状況の健全化に更に努めていただくことを期待しているところでございます。  以上でございます。
  20. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございます。  次に、沼田林野庁長官、お願いします。
  21. 沼田正俊

    政府参考人沼田正俊君) 沼田でございます。よろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。  お手元の資料で、「水源林の状況及び保全策の現状課題」ということで整理をさせていただいております。  一ページを御覧いただきたいと存じます。  我が国の森林の現況でございますが、左側の方にございますように、国土の三分の二が森林でございます。所有者別で見ますと、国が三割、それから都道府県、市町村等が一割、そして残る六割が私有林ということになっております。  森林には、水源を涵養する、こういった機能のほかに、災害でありますとか地球温暖化の防止、あるいは木材生産、いろんな機能を持っておりますけれども、こういった多面にわたる機能の中で国民の皆様方がどういったものに期待するかということで世論調査を行っております。左の下にございますけれども、その中でも水源を涵養するという機能には高い期待が示されているという状況でございます。  右側の方でございますけれども、日本降水量、年間千七百ミリほどでございますけれども、季節によって偏ると。それから、急峻な地形で短時間で川を流れ下るというような状況でございまして、そういった意味で、森林による水源の涵養というものは大事なことではないかと思っております。  二ページでございます。  森林の水源涵養機能を説明させていただいている資料でございますけれども、先ほど急峻ということを申し上げましたけれども、国土の三分の二が森林でございますので、そういった森林の中で優良な土壌が形成されて、いわゆる根によって維持されているということでございます。森林の土壌には、降った雨を土壌に浸透させて蓄えて、その後ゆっくりと下流域に流すというようなことでございまして、何も植生がないところに比べても三倍程度の浸透させる力があると。  また、下の図でございますけれども、森林がある場合とない場合を比較いたしますと、雨が降って一挙に流れ出てくる量があるんですけれども、そういったピークが、森林があると、ない場合に比べて十分の一ぐらいに抑えられるという観測結果があるということでございます。  次、三ページでございます。  森林が水源林としての役割を果たすために、私どもとしても、健全な森林を整備保全していくということが極めて重要だというふうに考えておりまして、森林整備事業、そして治山事業といったような事業を実施させていただいているところでございます。  内容的に申し上げますと、例えば人工林でありますと、いわゆる間伐を実施する、あるいは針葉樹と広葉樹が混在したような、針広混交林と申しますけれども、こういった多様な森づくりを進めるというようなことで取り組んでいるところでございます。  また、大雨なんかで荒廃した森林、こういったものについては保全のための施設を設置するというような治山事業でございますけれども、こういった事業に取り組んでいるところでございまして、水源涵養を始めとした公益的機能、この維持増進に努めているところであります。  また、ここには書いてございませんけれども、海岸防災林を始めとして、東日本大震災からの復旧復興と、こういったものにも努めさせていただいているところでございます。  次に、四ページでございます。  ここでは、いわゆる水源地域におきます森林の保全に関する対策課題ということで整理をさせていただいております。私ども、対策としては、森林法に基づきまして、まず保安林がございます、保安林におきまして伐採や開発の規制を行っております。また、保安林以外の森林でも、林地開発許可制度、それから伐採及び伐採後の造林の届出と、こういったものを措置させていただいているところでございまして、こういった制度につきましては所有者のいかんを問わずしっかりと運用していきたいというふうに考えておりますが、その課題として森林所有者の的確な把握が重要であると、そういうふうに思っておりまして、実は平成二十三年の森林法改正でございますけれども、森林の土地の所有者となった場合の届出と、こういったものが新たに措置されたところでございます。  実は、外国資本によります森林買収というものが話題になったかというふうに思っておりまして、その辺の関係、実態把握のための調査を行っておりまして、結果をプレスリリースさせていただいております。公表資料につきましては、八ページ以降、添付させていただいております。  その中で、二十三年、二十四年と行ったわけでございますけれども、九ページの中ほど、これが暦年で平成二十三年の実績でございますが、九ページ真ん中から上の方に、年間で十四件、百五十七ヘクタール、そして下の方に、これは私どもだけの方に都道府県から報告があったものでございますが、六件、九ヘクタールというものがございます。  そして、十三ページを御覧いただきたいと思います。十三ページでございますが、これは平成十八年から二十二年までの事例をまとめたものでございまして、この十三ページの下の方に、計四十件、森林面積六百二十ヘクタールというものがございます。先ほど、二十三年のものと加えますと、平成十八年から二十三年までの六年間におきまして、六十件、七百八十五ヘクタールというものが都道府県からの調査で出てきているという状況でございます。  元に返って恐縮でございますが、五ページを御覧いただきたいと思います。  先ほど御説明いたしました保安林制度、林地開発許可制度でございますけれども、保安林、森林面積にしますと千二百万ヘクタールほどが保安林に指定されておりまして、伐採でありますとか土地の形質変更を行う場合に制限を掛けているということでございます。その中でも四分の三が水源涵養保安林ということでございます。  林地開発許可制度につきましては、一ヘクタールを超える民有林を対象にして許可制ということで実施をさせていただいているということでございます。  それから、六ページを御覧いただきたいと思います。森林保全の推進に関する制度ということで、これは実は平成二十三年の森林法改正で措置、充実が図られたところでございまして、この改正法は全会一致で平成二十三年の四月に成立したものでございます。  一点目、伐採及び伐採後の造林の届出制度の拡充ということでございまして、無届けによる伐採に対して、伐採の中止でありますとか造林の命令というものが発せられる仕組みとなっております。二つ目としては、面積にかかわらず、新たに森林の土地所有者となった者の市町村長への事後届出と、こういったものが義務付けられまして、三つ目に森林所有者情報の共有というものが措置をされているところでございます。  こういった規定は、先ほども申し上げましたけれども、いろんな新聞報道がございましたけれども、そういった問題を背景にして、森林法改正の国会審議におきましていわゆる閣法を修正するという形でこういった措置を盛り込んでいただいたということでございますので、私どもとしてもこういった仕組みを適切に運用して森林の整備保全を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。  参考までに、また七ページでございますが、こういった中で、森林所有者情報の共有ということで、実はこのポンチ絵の真ん中辺に市町村、都道府県の林務担当というボックスがございますけれども、従来はここのボックスだけで森林所有者の情報というものが共有されていたということでございますが、新たに、一つは固定資産課税台帳からも情報をいただけると、台帳上で所有者が替わったものを依頼に基づいて情報提供していただくということになっておりますし、もう一つは登記所の方から地番ごとではなく大字単位でデータによる入手が可能といったような状況になっておりますので、こういった各所の方々と連携させていただきながら森林所有者情報の共有、こういったものを通じて森林整備保全というものを図ってまいりたいと思っています。  以上でございます。
  22. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございました。  次に、外務省から正木大臣官房参事官、お願いします。
  23. 正木靖

    政府参考人正木靖君) 正木でございます。よろしくお願いいたします。  外務省、本件いろいろな側面からのかかわりがあるんですが、本日は、この水源林保全問題の特に二国間の条約あるいはWTOのような多国間の国際ルールとの関係ということで御説明をさせていただきます。配付資料は両面印刷で恐縮でございますが、外務省経済局という名の書いてある、「外国人による土地取得と国際約束との関係」という資料を御覧いただければと思います。  外国人による土地取得というものと国際ルールとの関係を考えますと、存在する国際ルールから考えますと二つの側面があるかと思います。最初のところに書きましたように、サービスを提供するための土地取得、これは土地を取得した上で何らかのサービスを行う、例えば水資源を利用するために土地取得をするという行為などはこちらのサービスを提供するための土地取得に該当すると思われますが、こういったものに対するルール。それからもう一つは、単に投資をするために土地を取得する、その二つの側面がございますので、それぞれにつきまして、ルールとの関係というものを御説明させていただきます。  まず一つ目の冒頭申し上げましたサービス、もう一度繰り返しになりますが、何らかのサービスを提供するために土地を取得する場合には次のような日本が関係する国際約束がございます。  (1)がWTOサービス貿易に関する一般協定、GATSというふうに呼ばれておりますが、こちらはWTO、世界貿易機関、一番多い国が入っている貿易に関するルールでございますが、注一というところを御覧いただきますと、現在百五十七、実はこの資料を提出した後、二月二日にラオスが新たに加盟しましたので現在百五十八でございます。訂正させていただきます、失礼いたしました。入っておりますが、当然のことながら中国、韓国なども含まれております。  このWTOの中に今申し上げましたWTOサービス貿易に関する一般協定、GATSというものがございます。この中で、今の土地取得がどのように決められているかということを御説明いたしますと、このGATSというのは一九九五年に発効いたしましたサービス貿易、いろいろなサービスについての貿易を規律する協定でございますが、加盟国がほかの外国のサービス提供者などに最恵国待遇あるいは内国民待遇などを与えることについて規定しております。  これがどういうことなのかということを御説明しますと、まず、最恵国待遇と申し上げますのは、この加盟国のサービス提供者などに対し、ほかの加盟国のサービス提供者と同等の待遇を与えると、言わば外国の当事者間の平等を保障する義務を負うということでございます。これにつきましては、日本は全てのサービス分野につきまして何の留保も行っておりません。したがいまして、この外国の当事者間の間での平等は保障しなければならないという義務を負っております。  もう一つが内国民待遇、こちらの方は自分の国民と同等の待遇を与えるという義務でございまして、外国の当事者と日本の当事者との間の平等を保障しているということでございますが、こちらについても日本は外国人などがサービス提供に際して土地取得に関する部分については何らの留保も行っておりません。もちろん、この協定には、二つ目の黒丸を御覧いただきますと、例外規定というものがございます。例えば第十四条という一般的な例外、これは公の秩序維持、生命、健康保護などというような例外がございますが、それに加えまして、安全保障上の理由のための例外、例えば軍事施設のためのサービスを提供するため、そういったものについては例外規定というものがございますが、これはあくまで例外でございまして、実際に適用される場合には非常に限定的な条件であるということは留意する必要があります。  ちなみに、今までこの例外に基づいて通報が行われた例は一件だけございまして、中南米のニカラグアという国が一度、カリブ海におけるホンジュラス、コロンビアのサービス提供に対して規制を掛けるためにこの例外を適用したケースが一件だけございます。  それから、最後の黒丸になりますけれど、もし今、日本が約束をしているような、御説明したような内国民待遇の免除などを含め新たな約束の修正とか変更をする場合には、影響を受ける加盟国からの要請に応じ、必要な補償的な調整、例えばほかの分野で自由化をするなどなどの交渉が必要になります。また、新たに留保等最恵国待遇の免除登録を行うには、WTOの閣僚レベルでの会議での四分の三による、多数による決定が必要となります。  ページをめくって、裏面を御覧ください。  それから、サービス、もう一つ、これは経済連携協定、EPAと呼ばれているものですが、日本がいろいろな国と結んでいる中で、こういった協定の中に実はサービス貿易章という部分がございまして、その中で、やはり内国民待遇、最恵国待遇、先ほど御説明した二つの義務については、外国人などの土地取得に関して特段の制限、条件又は留保をしておりません。  ちなみに、今まで結んでおる経済連携協定の中で、こういったサービス貿易章があるものは、注に掲げてあるシンガポール以下の国でございます。当然、この協定の中でも先ほど御説明しましたものと同じような例外規定というものがございます。  以上が、サービスを提供するための土地取得という観点からの国際ルールでございます。  もう一つは、冒頭申し上げました、単に投資のための土地取得ということになりますと、二つ目ございますように、投資協定あるいは先ほどのEPA協定の中でも投資に関する部分の規律が適用にございます。  こちらの方は、最初の黒丸を御覧いただくと分かりますように、最近締結しました二国間の投資協定あるいは経済連携協定の投資章においては、多くの場合は、日本は相手国の国民などに対して、日本の土地取得に関して内国民待遇義務には、相互主義ですね、相手が同じような自由を保障するという条件で与えるという留保をしております。  それから、日韓の投資協定及び日・メキシコのEPAの投資章においては、投資の自由化をより推進しようという立場から、今申し上げましたようなこととの関係では、より進んで、相手国の投資家による我が国の土地取得については、特段の制限を課すことなく、内国民待遇、すなわち日本人と同様に扱うという規定をしております。これらの二つの協定におきましても、当然のことながら、安全保障例外あるいは一般例外という例外規定というのは設けられておりますが、先ほどの説明と重複いたしますが、こういった例外規定は、適用するに当たっては、当然のことながら限定的な状況にならざるを得ないということでございます。  参考までに、今申し上げました投資の協定というものをどういった国とやっているかというものを参考のところに二種類書かせていただいております。  以上でございます。
  24. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございました。  では最後に、法務省の萩本大臣官房審議官、お願いします。
  25. 萩本修

    政府参考人萩本修君) 法務省の萩本でございます。  法務省からは、民法を所管する立場から、水資源の保全のための法整備についての一般的な考え方を御説明したいと思います。資料は、右上に法務省民事局と書かれたものでございます。  水資源の保全を目的として何らかの規制を行う場合、土地の所有権との関係をどのように考えることになるのかといった御質問を受けることがございます。  そこで、まず資料の1(1)で、水資源の保全のための法整備と所有権との関係について御説明いたします。  民法は、所有権について、所有者は、法令の制限の範囲内で、所有物の使用、収益及び処分をすることができると定めております。資料のその中ほどに参照条文を掲げておりますが、民法第二百六条を御覧いただきますと、その文言上、法令の制限内においてという留保があることから明らかなとおり、所有権は一定の場合には一定の制限を受けることが元々想定されております。所有権に対する法令の制限にも様々なものがあり、各省庁が様々な行政目的を達成するためにそれぞれの所管の法令において様々な制限を規定しております。  水に関係するものとしましては、他省庁の所管法律になってしまいますので資料には掲げておりませんけれども、例えば建築物用地下水の採取の規制に関する法律という法律がございます。これは、特定の地域内において冷房設備などの用に供する地下水の採取について、地盤の沈下の防止のため必要な規制を定めたものでございます。この法律が適用されますと、たとえ土地の所有者であっても地下水の採取について一定の制限を受けることになります。  したがいまして、水源地の土地の所有権につきましても、水資源の保全のために取水を制限するなど一定の制限をすることは民法上可能でございます。もっとも、土地の所有権も財産権に該当しますから、その制限をするに当たっては憲法二十九条の財産権の保障との関係を考慮する必要がございます。財産権の制限が許容されるためには、規制目的が正当性を有することと、規制手段がその目的を達成するための手段として必要性、合理性を有することを要するとするのが最高裁判所の判例の考え方でございます。  水資源の保全のための法整備を検討するに当たっても、規制目的と規制手段の両面からの検討、すなわち、水資源の実態を踏まえた上で、その保全という目的に照らしてどのような場所についてどのような内容の規制をすることが必要かつ合理的であるかを検討する必要があるものと考えられます。  次、資料の1(2)ですが、水資源の保全という観点から、外国人や外国資本による水源地の取得を規制すべきとの指摘がございます。今申し上げた水資源の保全のための法整備と所有権との関係を前提としますと、このような指摘には資料の1(2)の①及び②のような検討課題があるものと考えられます。  一つ目は、規制の対象となる主体についてです。すなわち、外国人や外国資本のみを日本人と区別して規制することが水資源の保全という目的を実現するために必要かつ合理的と言うことができるかという検討課題です。外国人や外国資本に限らず、日本人についても水資源の保全を害するような行為を防止することが必要ではないかとも考えられます。  二つ目は、規制の対象となる行為についてです。すなわち、水源地の所有権の取得を規制することが水資源の保全という目的を実現するために必要かつ合理的と言うことができるかという検討課題です。  水源地の所有権の取得自体が直ちに水資源の保全を害する行為であるとは限りませんし、水資源の保全を害する行為をしようとする場合には、水源地の所有権を取得しなくても、水源地を賃貸借するとか、水源地に不法に侵入するとか、そういうことにより水資源の保全を害する行為を行うことが可能であるとも考えられるところです。  水資源の保全という目的を実現するためにいかなる法整備が必要かつ合理的であるかという点は、水資源の保全に関する事務を所管する省庁において検討されるのが適切ではありますが、今申し上げたような検討課題を踏まえますと、外国人、外国資本による水源地の取得を規制するのではなく、水資源の保全を害するような行為そのものを、その主体のいかんを問わずに規制するということが規制目的に照らして必要かつ合理的な手段ということになるのではないかと考えられるところです。  政府としてこのような検討を行うに当たりましては、法務省も民法を始めとする民事基本法を所管する立場から協力してまいりたいと考えております。  次に、資料の二枚目を御覧ください。  従前から、外国人、外国資本による土地取得に対しては、法務省が所管する外国人土地法に基づく政令を新たに制定することにより対応できるのではないかとの御指摘をいただくことがございます。  そこで、外国人土地法の概要と、これによる対応の問題点について簡単に御説明いたします。  我が国においては、明治六年に制定された地所質入書入規則で外国人の土地取得を禁止しておりました。外国人土地法は、そのような状況の中で、外国人、外国法人による土地取得を解禁することを目的として大正十四年に制定されたものでございます。もっとも、外国人土地法は二つの場合について例外を規定しております。  例外の一つ目は、相互主義に基づく例外でして、外国が日本人による土地取得を制限する場合には、政令を制定して当該外国の外国人、外国法人について日本における土地取得の制限をすることができる旨を規定しております。  例外の二つ目は、国防上必要な地区についての例外でして、国防上必要な地区については政令を制定して外国人、外国法人による土地取得を制限することができる旨規定しております。  もっとも、相互主義に基づく政令はこれまで一度も制定されたことがございません。また、国防上必要な地区を定めた政令は、戦前に一度制定されたことがありますが、昭和二十年に廃止され、それ以降はこれに関する政令も定められたことはございません。  以上が外国人土地法の概要ですが、外国人土地法に基づく政令を新たに制定して外国人や外国資本による土地取得を規制することができるかと申しますと、それには次のような問題があるものと考えております。  外国人土地法は、その規制の対象となる権利、制限の態様、それから制限違反があった場合の措置などについて具体的に規定しておりません。これらを全て政令で定めることとしておりまして、言わば政令に白紙的、包括的に委任をしております。  このような白紙的、包括的な委任は、国民の権利を制限し義務を課すことは国会の立法によって行わなければならないという憲法の原則に抵触するおそれがあるところでして、具体的な委任なしに新たな政令を制定すれば憲法上の問題が起こりかねないものと考えております。そのため、外国人土地法に基づく新たな政令を制定することにより外国人や外国資本による土地取得を規制することは困難であると言わざるを得ないのではないかと考えているところでございます。  他方で、じゃ、新たな法律を制定して外国人、外国資本による土地取得を規制することにつきましては、先ほどこの資料の一枚目に基づいて御説明したとおりの検討課題があるということになります。  繰り返しになりますが、水資源の保全という政策目的を達成するためには、いかなる法整備が必要であり、かつ合理的であるかについて、規制目的を踏まえた規制手段が検討される必要があると考えられます。そのような課題につきましては、法務省も政府の一員として、民事基本法を所管する立場から協力をしてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。
  26. 藤原正司

    会長藤原正司君) 萩本議官、どうもありがとうございました。  これより質疑を行いますが、本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行いますので、質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。  なお、質疑の際には、まず、各会派一名ずつ指名させていただきます。その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと思います。  なお、質疑の時間が限られておりますので、一人三分以内。
  27. 江崎孝

    江崎孝君 民主党の江崎でございます。  今の外国人の土地の規制なんですけれども、それぞれ聞いておりまして、対外的なGATSとの関係からいっても、あの基本は、最恵国待遇も含めて、日本の国民と同等な扱いをしなければならないということであるとすると、そのサービスも含めて、先ほど説明がありました経済連携協定、WTOサービス貿易に関する一般協定、併せて規制は非常に難しいということですよね。それでよろしいんですか。外務省です。
  28. 正木靖

    政府参考人正木靖君) お答えいたします。  今先生御質問のとおり、原則としましては、種々の国際ルールの中で最恵国待遇あるいは内国民待遇という義務を負っておりますので、その義務を守らなくちゃいけないということですので、外国人のみを一方的に差別する形での規制というのは、これらのルールとの整合性の問題を生じ得ます。  ただ、例外規定というものもございますので、それはもちろん限定的な例外というのはありますが、それはですからどのような規制の内容かによって慎重にそのルールとの整合性というのを考えていかなければいけないと思います。
  29. 江崎孝

    江崎孝君 それで、併せて法務省に御質問しますけれども、今の例外規定というのを考えるときに、日本の国民に規制を掛ける、例えば今おっしゃった内国民待遇ですね、内国民待遇の中で、WTOサービスとか例外規定の中で、仮に日本の国民に対して規制を掛けるというときが先ほどの結論ということでよろしいんですか。ということは、現行法上、対外関係も含めて憲法との関係を整理しない限り、事実上外国人の土地の取得に対する規制というのは非常に難しいというのが我が国の結論ということでよろしいのでしょうか。ちょっとその辺が分からなかったので。
  30. 萩本修

    政府参考人萩本修君) ちょっと条約との関係はおきまして、国内法を整備する段階でどうかということでお答えいたしますと、資料の一枚目に書きましたけれども、憲法との関係では、規制目的の正当性と規制手段がその目的を達成するための手段として必要かつ合理的と言えるかと、この二点から検証する必要があり、その条件をクリアした場合には所有権の制限ができるということになります。  その所有権の制限をする際に、外国人という切り出し方をして外国人だけに制限を掛けるということも今の観点から説明できるのであれば国内的には可能ということになりますけれども、そもそもそういうことが合理的に説明できるかというとなかなか難しいのではないかと考えているところでございます。
  31. 藤原正司

    会長藤原正司君) 加藤さん。
  32. 加藤修一

    加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。六省庁の八人の皆さん、大変ありがとうございます。  私は、最初に国土交通省小池水資源部長にお尋ねしたいんですけれども、本調査会では途上国のかんがいとか飲み水の関係で天水、こういうことが紹介されたことがありまして、私は日本においても雨水、これは積極的に利用すべきであると。  先ほど紹介がありましたけれども、例えば東京都の年間の水使用量というのは約二十億トンと言われている。一方、年間の降水量は二十五億トンあると。この水がそのまま河川に流れてしまえば、内水はんらん等を含めてあり得る話なんですけれども、ためれば資源になるということで、これは政府の百ミリ安心プランにも関係してまいりますけれども、雨水利用という観点から法制化、制度化を進めていくべきであると私は思っていまして、議員立法で法案としては雨水利用推進法がありまして、これは昨年、参議院で成立し、衆議院の方に送られましたけれども、残念ながら国会が解散されたということであります。ただ、先ほどの説明の中にもありましたけれども、非常に大事な視点だと思っております。  それから、別の法案としては、水の問題の関係で、総合的、体系的、省庁横断的な問題解決として、これまた超党派で水循環基本法というのが考えられていて、恐らく提出されるということになると思うんですよね。  議員立法に対してどうなのかと発言するのは難しいと思いますので、先ほどの説明の中では、雨水については〇・〇一%程度施設整備状況なんですね。だから、〇・一%とか〇・五%とか、そういうふうに普及拡大を是非図っていくことが喫緊の課題としてあるんではないかなと、そう思っていますので、その点についての説明をいただきたいというのが一点目。三分以内ですから。  二点目は、森林の多面的評価、これは年間七十兆円と、これは林業の生産的な効果も含めてそういうふうに言われているわけで、日本学術会議が試算しておりますけれども、汚染者負担の原則ってありますよね、環境を汚した人はそれを費用は賄わなければいけない。  同じように、今度、七十兆円というのは大変な話なので、これは外部経済という話に当然なってくるわけですよね。そうすると、汚染者負担じゃなくて清浄者受益の原則、CBPですよね、環境をきれいにする人に対しては受益がもたらされると、そういうふうに原則として考えるべきだと私は思っておりますけれども、この七十兆円という評価に対応してどういうふうに政策展開するかというのは非常に大事だと私は思っております。  ですから、森林の整備等を含めて、先ほど説明の中に地球温暖化に貢献しているという部分もありました。だから、税制改正の中で、温暖化のための税という観点で、吸収源である森林に対しては対応できていないという現下の状況なんですね。それはやっぱり吸収源対策にも温暖化対策のための税、これを対応させるべきだというふうに私は考えておりますけれども、いずれにしても、そういうことを含めて……
  33. 藤原正司

    会長藤原正司君) 加藤さん、もう時間ですよ。
  34. 加藤修一

    加藤修一君 はい、分かりました。  そういうことを含めて積極的な対応を七十兆円の関係でやっていくべきだと考えておりますけれども、その辺、どうお考えでしょうか。
  35. 小池剛

    政府参考人小池剛君) 水資源部長でございますけれども、冒頭申し上げましたけれども、水資源の確保に関しましてはいろんな手段をその水源の特性に応じて取り組んでいく必要があるというふうに思っておりまして、その面で、多様な水源確保として雨水利用促進を図っているというところでございます。  量的には御指摘のようにまだまだ少ないということでございまして、まだこの効用が知られていないという点もあると思いますので、普及啓発等の取組は積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えていますので、よろしくお願いいたします。
  36. 沼田正俊

    政府参考人沼田正俊君) 加藤先生からお話がございましたように、森林の公益的機能の評価額七十兆円と申しますのは、日本学術会議の方で示していただいておるわけでございますけれども、これは、森林の多面的機能のうち森林の有無に伴う機能の違いが一定程度明らかなものについて、その貨幣評価を実施した結果ということでございます。  そういったことではございますけれども、私どもとしてもいろいろな森林・林業の施策を展開させていただいておるわけですけれども、まだこういった森林の公益的機能に対する御理解というものが必ずしも、大変恐縮な言い方で申し訳ございませんが、十分ではないというふうに考えているところでございまして、こういったものを適切に評価していただいて、更にその森林・林業が活発になる、そういったことを通じて、それぞれの地域が元気が出るような政策展開というものをやっていきたいと思っておりますし、また、そういった中には、先ほど御指摘ございました地球温暖化防止、そういったための吸収源対策というものも、今すぐというのはなかなか今難しい現状ではございますけれども、早急に総合的に検討するということになっておりますので、私どもとしても力を入れて検討させていただきたいというふうに思っているところでございます。
  37. 松田公太

    松田公太君 みんなの党の松田公太です。  二つ質問がございます。  最初の質問は国土交通省総務省、そして二つ目の質問は国土交通省にお答えいただければと思います。  最初の質問ですが、老朽化についてです。上下水老朽化、またその更新、これについての報告がありましたが、更新費用が自治体にとって非常に重い負担だということはこれ分かるんですけれども、私がお聞きしたいのは、なぜ今までその更新費用、これ明確に来るのが見えていたわけですけれども、これが積立てされてこなかったのかなという点についてまずお聞きしたいと思うんですね。耐用年数というのは上水道で四十年、下水道で五十年ということですから、十分それが見えていたはずじゃないかなというふうに感じております。  聞いたところによりますと、北九州市と東京都が二〇〇七年から積立金を準備し始めたということでございますが、全国的にはまだまだ手付かずのところが非常に多いと聞いております。国としてこれをどのように促していくのか、留意点、先ほど総務省の方から配付されましたということでしたけれども、もうちょっと具体的に何か施策を打っていかなくちゃいけないんじゃないかなというふうに私は思っております。これについてどのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。  そして、もう一つは余剰設備、これは去年、たしか会計検査院が一年以上使用されていない余剰設備、これ下水処理設備で約九十か所あって、それがトータルで国庫補助金が二百五十億円相当、これが無駄になっているんじゃないかという話がありました。この件についてどのように思われているかというのをお聞きしたいんですけれども、個人的には、計画立案、これが困難だったということ以外にも、建設費の半分が補助金によって賄われるため各事業体がずさんな計画をしてしまったんじゃないかなというふうにも感じております。  この点についてどのように改善していきたいと思っているか。また、会計検査院から国土交通省にこれは具体的に改善してくれという要求が出ておりますけれども、どのような進捗状況になっているのか、これをお聞かせいただければと思います。  以上です。
  38. 岡久宏史

    政府参考人岡久宏史君) 改築更新費の積立てということですが、ちょっとこれはもう推測でありまして、私も余りしっかりとそこら辺は把握はしていないんですけれども、今まで大都市などはずっと整備に力を入れてきていまして、多分そちらの方にかなり財政をつぎ込んでいたと思うんですが、その後、今はどちらかというと改築更新の方に中心が移っておりまして、それは積立てというか、適宜今持っている財政を回しながら改築更新に努めているというふうに聞いております。ちょっと実態が具体的には今お示しできないんですが、そういう状況かと思っています。
  39. 村中健一

    政府参考人村中健一君) 先ほども申し上げましたように、政策面のところは総務省というよりむしろ国土交通省さんの方が見ておられるので、なぜ積立てが行われてきていなかったかということについて直接的には答えを持っていませんが、多分、今おっしゃったように、まずは新しいものを整備していくということが重要であって、その更新のところまでまだなかなか手が及ばなかったというのがやっぱりあったんだというふうに思います。  それからもう一つは、実はその留意事項、私どもの資料の五ページのところにもお示しさせていただいているんですけれども、下水道事業につきましては実はまだ会計がこれは企業会計になっておりませんで、いわゆる官庁会計、現金主義の会計になっております。そういう意味で、何といいますか、減価償却といったようなことも今の会計処理には入っていないんですね。そういう問題もあります。  だから、そういうところについては我々は是非、ここにも書いてございますけれども、地方公営企業については財務規定を適用してもらいたいと、これは任意適用ということになっておるので、やってくれということを今お願いしておるところでございます。
  40. 岡久宏史

    政府参考人岡久宏史君) 下水道施設に対する会計検査院の指摘の御質問かと思いますが、前年度といいますか、今年度の会計検査の報告としまして、いわゆる国の補助を受けて建設した下水道施設、これが稼働した実績がない、あるいは余剰となっているものがあるという御指摘を受けております。十八都道府県調査の結果、八十九の処理場でそういう状況が見受けられたということで、これは昨年の十月ですけれども、会計検査院より事態を改善せよという処置要求を受けております。  国土交通省といたしましては、この処置要求を受けまして、効率的に下水施設整備推進してくださいという通知を発出をしておりまして、水処理施設の増設は今後あると思いますが、それを適切に行うようにと。  実は、会計検査院の指摘で余剰だとか使われていないというところは、やはり将来の計画人口の予想とか、それから、実は誘致しようとしていた事業所が来なかったとか、ちょっとそういう将来の見込みが少し外れたところがありましてこういう事態に陥っているんですが、そういうことを今後、増設あるいは新設に際してはしっかりと将来予想をやる、あるいは工場の誘致についてはもっと確定的なところで判断をする、そういうことをお願いしておりますし、そうはいいましても、今未稼働施設がございますから、それについては、家庭から入ってくる汚水の接続が遅れているところがありますので、そういうのが遅れて使われていないところもありますので、そういう接続を促進するようにお願いをしておりますし、それから、暫定的な施設として、例えば雨が降ったときの処理用だとか貯留をするとか、そういう暫定的な施設有効利用するように検討してほしいということをお願いをしております。  これにつきましては我々も、最近、全ての都道府県を呼びまして、さらにヒアリングをして国としてもいろいろアイデアを出して今後の対応策を付けていこうと、そういうことを助言をしている、そういう状況でございます。
  41. 藤原正司

    会長藤原正司君) 藤原良信さん。
  42. 藤原良信

    藤原良信君 ありがとうございます。  私、三点ぐらいなんですが、まとめて御質問をいたします。しないつもりだったんですけど。  僕は、御説明いただきました下水道施設整備状況の中で、三ページなんですが、初歩的なことなんでございますけれども、名古屋市とあるいは清須市で、片方が九九%、片方ゼロ%と。これ、どんな原因なのかということをかいつまんで一点お示しをいただきたいと思います。  それから、総務省さん、実は市町村の自治体の財政の厳しい状況下の大きな要因が下水道なんです。いずれにしろ、これは大体ざっくり言えば、公共下水道流域下水道、それから特定下水とか様々ございますけれども、ざっくり言えば二分の一補助で五〇%ですね。中身のことはまずおいておいて、いずれにしろ起債を起こしていくわけですよ。それを払っていく、二十五年ぐらい。ただ、やっていくうち、また管渠が古く、さっきの御説明のように、また直さなきゃ駄目だと、また借金だということで、いずれにしろ地方自治体の赤字財政の大きな要因に言われているわけですが、これについての見解をお示しください。  それから、林野庁長官さん、御苦労さまですね。私、これも初歩的なことなんですけれども、三点目なんですが、水源涵養機能ですが、これ、今の山づくりを日本やってまいりまして、植林をしまして針葉樹に変えてきて、相当分野しておるんですが、保水能力といいますか、広葉樹と針葉樹の差等が一つありますし、それから理想的な涵養機能を強化するためにはどんな山づくりしていったらいいのかということをお示しいただければと思います。  以上です。
  43. 岡久宏史

    政府参考人岡久宏史君) 三ページの資料の清須市の件でありますが、ここにつきましてはちょっと私も正確なところはあれでありますが、下水道整備を始めるのにやはり計画から始めるとかなりの期間が、年限が掛かります。ここについては、これは愛知県も入りまして、清須市プラス周りの周辺都市下水道整備をどうしようかということで、これは愛知県が実施をする流域下水道というもので実施をしようということで、そこの計画調整、それから、ここに処理場の建設位置を示しておりますが、処理場用地の選定等々に一定の期間が掛かったものだと思っております。  実は、これ、処理場の建設にもう既に掛かっておりまして、建設というとやはり四、五年掛かるんですが、今年度末には供用開始をして、ここら辺の普及には解決が図られていくというふうには考えています。
  44. 藤原良信

    藤原良信君 いや、私、単純に聞いたんですが、市街化区域になっていますから、代わるものは何かやっているはずですよね、下水道化。
  45. 岡久宏史

    政府参考人岡久宏史君) 多分それは、ちょっと実態は私調べていませんけれども……
  46. 藤原良信

    藤原良信君 そうですか。
  47. 岡久宏史

    政府参考人岡久宏史君) いわゆるくみ取りであったり浄化槽を付けられている家庭があったりということで対応されているんではないかと思います。
  48. 藤原良信

    藤原良信君 じゃ、総務省さん。
  49. 村中健一

    政府参考人村中健一君) 先生御指摘のように、下水道事業に対する一般会計からの繰り出し金というのは非常に大きい、地方自治体にとっても財政負担になっているというのは御指摘のとおりでございますし、さらに、今後の更新投資等を考えれば、更にそれが大きくなっていくんじゃないかという御懸念、ごもっともだと思っています。我々もそういう懸念を持っております。  したがいまして、留意事項にも書いてございますように、ちゃんとした将来収支計画を作ってやってくださいと、どういう将来負担になるんですかと。その上で、整備するのも、何でも公共下水道がいいんではなくて、いろんな、よりお金の掛からない施設整備の仕方もあるんではないか、そういうところも選択肢としてよく考えてくださいと。  それから、料金につきましても、大体、今は全国で平均しますと月二十立方メートル当たりで二千六百円か七百円ぐらいの料金をちょうだいしていると思うんですけれども、それを最低限、上水道並みに三千円ぐらいは負担していただくようなことを考えてくださいというようなことを自治体にお願いしておるところでございます。  また、そういう将来的な収支を出していく上では、やはり何といっても、今の会計制度をちゃんと企業会計に直して、将来の姿が見えるようなものにしていただきたいということを今お願いしておるところでございます。
  50. 沼田正俊

    政府参考人沼田正俊君) 藤原先生からお話がございました水源の涵養機能でございますけれども、水を蓄えてそして洪水を防止するような機能でございますけれども。  針葉樹と広葉樹の話もございましたけれども、こういった水源の涵養機能は樹種にかかわりなく、一般的に言うと、林齢が高くなるに従って、要は土壌のすき間ができてきて保水能力が高まっていくというようなことが言われておりまして、そういった意味で、適切に管理された人工林ということであればいわゆる一般的な天然林と遜色はない、それ以上のものもあるというようなことで理解しております。こういったことについては、学術会議の方でもそういった見解をお示しいただいているというところでございます。  私どもとしても、いわゆる太平洋戦争中とか戦後、かなり山が荒れておりまして、そういったものを急速に回復させるというような意味で積極的に人工造林というもの、杉、ヒノキを植えてきたということがあるわけでございまして、一定の効果はあったんではないかというふうに思っております。  ただ、いわゆる、杉の木が大きくなって、あわせて林業がちょっと不振になってきたというようなこともございまして、なかなか手入れが行き届かないと。そういった意味管理がおろそかになるということになると、やはり機能も十分に発揮できなくなっている箇所も出てきているのかなというふうには思っているところでございます。  そういった意味で、要するにどんな山づくりをしていくかということでございますけれども、やはり根が十分に育って、いろんな下草、下層植生なんかとも、そういった下層植生が発達することによって水を蓄える能力が豊かになっていくと。そういった意味で、人工林であれば間伐をきちんとして下層植生をやって繁茂させていくし、天然林とかそういったものでもきちんと管理されたような森林というものを目指して、私どもとしては多様な森づくりと言っておりますけれども、そういった森林、森づくりを目指してやっていきたいと思っておるところでございます。
  51. 藤原正司

    会長藤原正司君) では、行田さん、お願いします。
  52. 行田邦子

    行田邦子君 みどりの風の行田邦子です。今日はどうも御説明ありがとうございます。  二点質問させていただきます。  まず一点目は、水資源の保全ということを考えたときに森林の果たす役割というのは大変重要だというふうに思っています。森林のうち六割弱が私有林であるわけですけれども、私有林であってもやはりその所有者は森林の持つ公益的機能ということを考えてしっかり保全をするべきだと思いますし、また行政においても森林が所有者によってしっかり管理されるよう適切な行政措置をする必要があるというふうに考えています。そのときに重要なのは、誰が所有者なのかということを市町村なり行政が的確にとらえているかということであります。  それで、昨年の四月、御説明にもありましたけれども、森林法の改正によって森林の土地の所有者の取得の届出制というのが始まったわけでありますけれども、始まって十か月、九か月たっているわけですが、この制度を導入して、林野庁さんとしてこの制度自体どのように評価されているのかということと、それからあわせて、登記簿情報の共有化といったことも法律で書かれたと思うんですけれども、こうした土地所有者の情報共有といったことも今どのようになされているのか、どういうふうに評価されているのかをお聞きしたいと思います。また、これで十分なのかどうかといったことも林野庁長官からお聞きしたいと思います。  それから、もう一点ですけれども、地下水についてなんですけれども、特に最近、地下水の活用というのが増えているという報道がありますけれども、例えば病院やホテル、旅館などで独自に地下水を取水して使っていくといったことが増えているようであります。  そこで、これは国土交通省さんにお聞きしたいと思うんですが、国としてその地下水の情報というのを体系的にとらえて管理するべきではないかなと。地下水の取水が例えば地盤沈下などに及ぼす影響というのを国としても体系的にとらえたり、あるいは情報管理をする必要があるのではないかなというふうに思っているんですが、その点、いかがでしょうか。
  53. 沼田正俊

    政府参考人沼田正俊君) お答え申し上げます。  行田先生から御指摘ございましたように、私どもとしても、二十三年の森林法改正ということで、いわゆる議員修正していただいて今の措置ができ上がったんでございますけれども、大変有り難いというふうに思っているところでございます。  森林所有者が替わった場合の届出制ということでございますけれども、導入した結果、実はまだ半年ぐらいのものしか現時点では分かっておりませんけれども、それまで余り分からなかったものが、例えば半年で五千件ぐらいの届出が出てきておりますので、そういった意味で非常に、導入した結果、森林所有者が分かりやすくなったということだろうと思っておりますし、また登記簿情報につきましても、いわゆる大字単位で、大字と申しますのは、例えば昭和二十年代であるといわゆる旧市町村になりますけれども、そういった単位で登記簿情報をいただいているということでございますので、そういった意味で、私どもとしても、森林所有者の方ないしはその方の所在が分かるというのは非常に有り難いというふうに思っております。  ただ、まだ実際に施行されましたのが昨年の四月でございますので、今の状況を更に積み重ねていくことによって更に精度が上がっていくということになるのではないかなと思っております。そういった意味で、もう少し、今各省の方からも協力をいただいておりますけれども、そういったのを積み重ねて精度を上げるようにしていきたいと思っているところでございます。  今回の措置は非常に私どもとしても大変有り難いと思っているところでございます。
  54. 小池剛

    政府参考人小池剛君) 地下水の採取に関します情報ですけれども、全国で特に地盤沈下が激しい箇所に関しましては地盤沈下対策の要綱箇所、要綱地区が決まっておりまして、全国で三か所あるんですけれども、この地域に関しましては、その地区で使っている地下水状況というのは御報告していただいてまとめているというところでございます。  それ以外の地区に関しましても、これも地方公共団体の御協力等をいただきながら、全体の量は白書のような形で取りまとめるようなことを進めているというところでございます。
  55. 藤原正司

    会長藤原正司君) 紙さん。
  56. 紙智子

    ○紙智子君 ありがとうございます。  私は、水道事業と大規模災害対応について、総務省さんとそれから厚生労働省さんに聞きたいと思います。  間もなく東日本大震災からは二年になるわけですけれども、震災直後に全国の五百を超える事業体が給水車あるいは応急給水、水道施設復旧のための支援が行われました。水道事業体の職員はいち早く現地に駆け付けて命の水を届けたわけです。改めて公務の役割の大きさということも感じたわけです。それで、水道施設を復旧するには、まず漏水検査が必要だと。この漏水検査というのも、発見するのはなかなかそんな簡単ではなくて、やっぱり日常業務の中で技術や技能を磨かないといけないということがあるわけです。  一九九五年のときに阪神・淡路大震災があって、都市間をつなぐ災害応急体制というのが確立されていると。この対応が今回の東日本大震災でどのように生かされたのかというのが一つ大事な問題というか、問われているというふうに思います。  それで、災害応急体制が確立されて以降、実はこの水道事業の職員数は減少していて、先ほども一覧表で説明がありましたけれども、元は十万人ぐらいいたのが今半分ぐらい、五万人くらいになっていますよね。それで、民間委託ということなんかもあって、アウトソーシングで技術の継承が困難になっているということも言われていると。  災害対応は、機械とかマニュアルがあればそれで済むわけでもないと思うんですけれども、日常的に培われた経験が生きるということも当然あるわけで、そういう点も含めて、この災害応急体制、これが東日本震災でどう生かされたのか、あるいは生かし切れず不十分さがあったのか、その辺をどう検証しているのかということがあります。  それを、ちょっと二つ、自治体職員の役割、人員体制という側面と、それから技術の継承という側面からお聞きしたいと思います。総務省厚生労働省、それぞれからお聞きしたいと思います。
  57. 村中健一

    政府参考人村中健一君) 今先生御指摘になった、要は災害時等の緊急事態のときにどう対応するかというのが極めて重要な観点だというふうに私どもは認識しております。ですので、我々が常に考えていくのは、いかにして経営の持続性、技術面、あるいは財政面も含めてですけれども、を維持していくのかなというのが常に頭にあります。  そういう中で、先ほども御説明させていただいたように、一方でそういう災害対応もしていかなければいけないわけですが、他方で、先ほども御説明しましたように、上水事業の場合は下水事業ほどではないにしても、一般会計からの財政的な支援というのが恒常的に発生しているわけでございます。そういう中で、できるだけコストを削減しつつ効率的に物事をやっていかなければいけないという要請が片一方にあって、そういう中で、我々は非常に苦しい中でやりくりしているということでございます。  そういう中では、また後ほど厚労省さんから説明があるかもしれませんけれども、数少なくなった職員一人一人の技能を上げていくということ、あるいは、それから先生も御指摘になったように、民間の活力を活用して進めていくというような問題。それから、広域的に自治体の枠を超えて、何かあったときには相互に応援し合うという体制を構築していくというようなこと。さらには、総務省として今推進しておりますのは、より一つ一つ事業体が小さいと、何かあったときの対応能力、あるいは将来に向けての技術的な承継というのもなかなか人が減っていく中で難しくなってきているわけですので、なるべく統合したり、あるいは広域化を図ることでそういうものを持続していっていただきたいというふうに思っているところであります。
  58. 高島泉

    政府参考人高島泉君) 厚労省でございます。  基本的な考え方は今総務省からお話があったのと同じでございますが、冒頭御説明しましたように、やっぱり水道の事業体として維持していく中で非常に人が減っていく、高齢化が進んでいくということが今大きな問題になっていると思います。  そうした中でどうやって対応していくかということにつきましては、先ほど申しましたが、やはり一つは広域化をして、広域化の中で人を集めて、その人たちに付いて技術を研修するとか、それから訓練をする、そういった形での技術の承継、それから訓練の中にも災害訓練等で災害対応の能力を持った方々を養成できるような、こういった事業体にしていかなくてはいけないということでございます。  そういった意味で、一つは広域化をするということが大きな課題だろうというふうに思っています。しかし、これを全部まとめるということはできないので、広域化ができない場合には、やはりそれはネットワークをつくっていって連携を深めていくということが重要であると思います。先ほど阪神の話もございましたけれども、阪神の大地震の教訓もありまして、広域の応援ネットワークといったものをつくって災害時にはみんなで協力をしていこうという体制を整えているところであります。その中で、行政だけではなくて民間も含めてネットワークをつくって大規模災害等に対応していく、こういったことがこれからの取組として大事ではないかと、こういうふうに思っています。  特に、水道事業体として人が減っていく中で、外部委託、また外部、民間との協力というのが増えてきております。例えば、料金徴収とか通常の保守点検、先ほど漏水の話もありましたけれども、そういった面については民間と連携をしながら事業を進めていくという形が今増えてきております。災害対応につきましても、官と民が一緒になってネットワークをつくって対応していくと、こういうことがこれから求められていくのではないかと思っております。
  59. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 一点お尋ねをしたいと思っております。  今日、法務省の方からの御説明で、水資源の保全と外国人・外国資本による土地取得の規制についてという中で、二点の検討課題、問題意識というのが示されたと思っております。その中で、この水資源の保全という目的を実現するために、いかなる法整備が必要であり、かつ合理的であるかについては、水資源の保全に関する事務を所管する省庁において検討されるのが適切と。  この事務を所管する省庁というのは、まさに国交省ということであれば、じゃ、国交省にお尋ねをしたいんですけれども、この法務省からの問題意識についての見解、どのようにお考えかということをお聞きをしたいと思っております。特に、この外国人・外国資本に限らず、水資源の保全を害するような行為を規制することが、その規制目的に照らして必要かつ合理的な手段ではないかというこの問題意識についての御見解、そして、もしももう既に検討を始めていらっしゃるというのであれば、この行為を規制するというのがどういうイメージなのか、何をどう、どういうその危機意識を持っていて、それに対してどういう規制が掛けられるというふうにお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
  60. 小池剛

    政府参考人小池剛君) 先ほど法務省の方からお話がございました正当性、それからその手段の必要かつ合理的なものということなんですけれども、例えば地下水、先ほどもお話、地下水があったんですけれども、昭和五十年代に非常に地盤沈下が激しいところ、時代がございまして、これに対する何らかの対応、法律的なものができないかという検討を政府全体で行っているわけでございます。  ただ、結果的には、非常に地下水利用は多様な方が利用されているということで、規制の正当性、それから、具体的にどういう影響が、ある方が地下水を取水したことによってほかの方にどういうような影響を及ぼすのかというのを明らかにするほどのデータの蓄積とか、そういうものがないと。ただし、地盤沈下がかなり進行したということで、法律ではなくて要綱という形で、大きな地盤沈下のある地区に関しましては、努力目標といいますか、みんなで、法律ではないんですけれども、協力し合って地盤沈下を防ぐために地下水利用をお互いに節約しながらというようなことで現在まで至っているということであります。  そういう状況は現在も余り変わっていないということでございまして、正当性、それから手段の必要かつ合理的な内容について新たなものを加えるということになりますと、やっぱり関係する方々が多いものですから、そういう皆様方の御意見等もお聞きしながら対応を考えていくということになろうかと思います。ですから、今こうだという形のことでお答えできるようなものはちょっと持ち合わせていないということが実態でございます。
  61. 藤原正司

    会長藤原正司君) 浜田さん、どうぞ。
  62. 浜田和幸

    浜田和幸君 ありがとうございます。  国交省の山崎次長一つお伺いしたいのは、津波の発生した際の小型の救助艇というか、この間、去年ですね、高知の方でデモをされました、あの試作機を、あれを見せていただいて気になったのは、収容できる人数が大変少ないということがちょっと気になって、やはりもう少し大人数を収容できるような、言ってみれば現代のノアの箱船のようなものを造っておかないと大きな地震、津波のときには救難の役目を果たさないんじゃないかと思うんですけれども、地元の東北の方の小型の造船会社の人たちに聞くと、五百人ぐらいが入れるような、ふだんは商店であったり地域の人の集会場に使えるような、そういうトレーラー式のものに浮揚できるような技術を合体させたものがすぐにでもできるという話がありますので、そういうようなことも、小型のものでなくてちょっと大きめのものを用意される、そのことによって高台避難のときに高齢者の方々がなかなか移動が難しいときには命を救うという意味では大変有効だと思うんですけれども、そういうことにも検討が進められているのかどうか、これを一つ国交省にお伺いしたいと思います。  もう一つ、外務省に、外国人による土地の取得に関連して、要するに、中国の大使館が日本の国内の土地を取得して外交施設を持っていますよね。一方、日本は中国では土地の取得をできない。言ってみれば不平等な状況が続いている中で、さらに今、このところ中国が新たにもっと施設を増やしたいと。要するに、今までは大使館とか領事館だったんですけれども、それにプラスして、外交官のための宿泊施設、アパートの建設用の土地も取得したいという具体的な国有地の買収に動いているという話もあるんですけれども、そういう点についてはやはり平等主義ということが適用されるべきだと思うんですけれども、それがなぜ中国には適用されないのか、そのことについて御説明をお願いします。  以上です。
  63. 山崎篤男

    政府参考人山崎篤男君) 津波避難手段について御質問ございました。  高台は非常に難しいこともあるということで、私どもも、高台だけじゃなくて、例えば建築物の上ですとか、マンション、民間の人にも御協力いただくというふうなことを組み合わせて先ほどの津波防災地域づくり法なんかを作らせていただきました。  また、先生御指摘の小型艇といいますか、そういったものも非常に有効な手段だと思っておりまして、所管は海事局になるかと思いますが、そちらの方とも連携して、いろんな形で人の命を救うというふうな観点で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
  64. 正木靖

    政府参考人正木靖君) 外務省でございます。  今御指摘の中国の関係でございますが、先生御指摘のとおり、中国では国内は土地は全て国有又は農民による集団所有ということで、外国人の土地所有というのは認められておりません。したがいまして、中国は、先ほど御説明しましたGATSというWTOのルールに入るに当たりましても、外国人が土地を所有することはできないという旨の留保を付けております。そのような意味で、相互主義の適用というのはこのGATSのルールとの関係では日本はできません。  ただ、御指摘のように、例えば大使館あるいは総領事館の土地等ということになれば、これはまたそういった外交関係を律するウィーン条約というものもございまして、そういった中でのお互いの約束事に従った対応というのを取らなくてはいけないと思いますし、私が先ほど御説明しましたのは、一般的な土地の取得、サービスを提供するための土地の取得に関するルールのみでございましたが、今言った御指摘のような点も含めて、いろいろな道具を用いて日本と中国との関係に取り組んでいきたいと思います。
  65. 藤原正司

    会長藤原正司君) よろしいですか。  これで一会派巡りましたので、あとはフリーに手を挙げていただければ、指名した人にお願いします。  加賀谷さん。
  66. 加賀谷健

    加賀谷健君 御指名いただきましてありがとうございます。  実は水道の関係なんですけれども、厚労省の方では、広域化、先ほど総務省も広域化というのを大変必要だというふうな話をされておりますけれども、水道法では水道事業というのは市町村の事業だというふうに多分規定されているのではないかと思います。現実には、私たまたま千葉県なんですけれども、千葉県の中には県営水道があり、市町村の水道事業があり、あるいは広域運用事業があって、非常に事業体がばらばらになっていて、それぞれ料金が違うという形態になっているわけですね。これは、そういうことでいうと、法律との関係と併せて、私は広域化はいいと思うんですけれども、具体的にどのような形でこれを進めていこうとしているのか、またその現状、これがどのぐらい進んでいるのか。私なんかはこの誘導策というか、そういうものがあってしかるべきじゃないかなとも思うんですけれども。やはり水道料金が隣の家と道路一本隔てて違うような実態もあるわけでありますので、この辺をやはり整理をしていく必要があると思うんですけれども、この辺に対する考え方、総務省と厚労省からお伺いできればと思います。
  67. 村中健一

    政府参考人村中健一君) 水道法の所管はむしろ厚労省さんなので、総務省の観点から申し上げますと、先ほどの留意事項にも書いてあるんですけれども、同一市町村内で同じ水供給で余りにその事業形態の違いによって料金格差が大きく生じるのは、これは好ましくないというふうには思っているところでございます。  それから、どの程度その広域化が進んでいるかというような実態については、ちょっと今データを手元に持っておりませんので。
  68. 高島泉

    政府参考人高島泉君) 厚労省からお答えさせていただきます。  水道事業体として、基本的な原則は市町村ごとに行うということでございますが、それに限定しているわけではございませんので、今でも広域組合をつくって市町村の枠を超えて供給している場合もございますし、それから、用水事業といいまして、県なりが用水を造ってそれを水道事業体に供給するような事業もございます。その数はちょっと私も、全体の統合がどれだけ進んでいるかという数字、ちょっと今手元にはないんですけれども、基本的にはこれからの形態を考えた場合には、やはり大きくしていくということが基本と考えていますので、市町村の枠を超えた、それから、今一つ問題があるのは、例えば同じ市町村の中でも水源が違って二つに分かれているとか、それから市町村が広域合併をずっとしてまいりましたけれども、広域合併をしているんですけれども、まだ旧市町村ごとに分けていて企業会計として統一されていないというものもあるやに聞いていますので、そういったものをまとめて合理的な経営というのを進めていっていただきたい、こういうふうに思っています。
  69. 藤原正司

    会長藤原正司君) 次、紙さん。
  70. 紙智子

    ○紙智子君 先ほどの質問に対しての答えがなかなかちょっと要領を得ていないというか。  私が聞いたのは、阪神・淡路大震災のときの教訓をどういうふうに生かせたのかということが検証されたのですかというふうにお聞きしたんですよ。どういうふうに検証しているのかということが一つと。実際にやっぱりいろんな技術だとか継承していかなきゃいけないと。本来でいえば、本当に経験の中でつかんで、そういう能力も含めて持っている人がいたんだけれども、どんどん減ってしまってもう半分以下ぐらいになってきていると思うんですけれども、そういう中で、そういう技術の継承とかということも、なかなかこのままだったらできていかないんじゃないのかということが心配されているわけですよ。  実際、だって現場に行ったって、今あれですよ、こういう水道だけじゃないですけれども、役所にいろんなことが集中するけれども、でも実際、専門家の人がいないから、いろんな専門家を探して、そしてどうするかということで、二重の何か手間になってしまっていて時間も掛かるということが現にあるわけで、そういうことを考えたときに、こういう問題点をやっぱりどう考えるのかということが必要なんじゃないですかということでお聞きしたんですよね。
  71. 藤原正司

    会長藤原正司君) 紙さん、国交省でよろしいでしょうか。
  72. 紙智子

    ○紙智子君 先ほど聞いたのは厚生労働省総務省だったんですけれども。
  73. 高島泉

    政府参考人高島泉君) 先ほど申し上げましたけれども、阪神・淡路大震災のときには全国の水道事業者によって広域応援ネットワークを立ち上げまして、それが非常に被災地への復興に役に立ったという経験がございます。これは、数的にどのように検証したかという、数量的にというのはちょっと今持ち合わせていないんですけれども、非常に効果を上げたという、そういった経験の下に、今回、東日本震災が起きた際に、これは民間も含めてネットワークづくり、応援のためのネットワークを各自治体でつくりまして、いち早く水道供給施設の復活のためにみんなで協力したという実績を上げたというふうに考えています。  それから……
  74. 紙智子

    ○紙智子君 十分だったと。
  75. 高島泉

    政府参考人高島泉君) まあ、どこまでが十分か分かりませんけれども、基本的に一番生活に必要な基礎的な水を供給するという意味では、いち早く関係者が集まって供給ができたのではないかと思っております。全ての地域ということではないですけれども、立ち上がりは早かったと、こういうふうに思っています。  それから、技術の継承ですが、やはり人が少なくなっていく中で、やはり事業体である市町村の職員だけでなかなか技術を継承していくのは難しくなっていますので、先ほど申しましたように、いろんな面で、保守点検だとか、それから料金徴収で、今はもう官と民が一緒になって事業を進めていくような形になっています。そういった意味で、その技術の継承についても広域ブロック化しながら、それから民間と一緒に連携をしながら、技術というものが継承されて将来の水道経営がしっかりできるように、こういうふうに考えているところであります。そのための研修なり訓練といったものもやっているところでございます。
  76. 村中健一

    政府参考人村中健一君) 今、厚労省さんがお答えになったとおりでございます。
  77. 紙智子

    ○紙智子君 一言言わせてもらうと、総務委員会で去年議論になったときに、大臣は、やっぱり継承していくというのは、機械や何かは、マニュアルがあればそれで済むというわけじゃなくて、機械はあれだけれども、だけど人のものというのはそう簡単ではないから、そこはもっと重視してやらなきゃいけないという答弁しているわけですよね。その辺のところはちょっと、お話を聞いていると少し認識が違うなと思って聞いていたんですけれども、まあいいです。
  78. 藤原正司

    会長藤原正司君) 次、会派関係なく受けます。  尾立さん。
  79. 尾立源幸

    尾立源幸君 ありがとうございます。民主党の尾立でございます。  先ほど松田さんの御指摘に関連する質問なんですけれども、総務省中心にお聞きをしたいんですが、莫大な更新費用が見込まれるというふうにおっしゃっている。その中でも、いみじくも審議官がおっしゃったように、官庁会計、現金主義が一つのネックになっているんだということで、公営企業に発生主義に基づくそういう会計を入れていかなきゃいけないというふうにおっしゃっていましたが、これがまだマストじゃなくて、義務じゃなくて任意適用だということで、それでは甘いんじゃないかと私は思っております。  やはり、住民の適切な意思決定をするためにも、また突然更新費用で財政が回らなくなるというようなおそれを、リスクを回避するためにも、やっぱりこれは早めにもうやっていかなきゃいけないということで、まずその義務化と、何というんですか、努力の違いについて御説明していただいて、是非義務化でやっていかなきゃいけないということを私は申し上げたいと思います。  これ、上下水道が今回テーマですが、橋や道路についてもこれは同じことが言えると思うんですよね。これはまあ一般会計の方になるのかと思いますが、こういうことは必ず必要だということが私の主張です。  それと、今、莫大な更新費用ということでおっしゃっているんですけれども、そうならば、じゃ、どの程度の費用が、コストが、この十年、二十年の中で掛かっていくのかという、あらあらのじゃ推計はできているのかというのが二つ目の質問です。  以上二点、審議官、よろしくお願いします。
  80. 村中健一

    政府参考人村中健一君) 先生の御指摘もごもっともでございまして、我々も、かねてより企業会計導入を推進したいというふうに思っておりまして、今は法律上は任意適用ということで選択になっているわけですが、そこを是非入れるように各公営企業においてやってくれということをお願いしているところでございます。  ただ、これだけでは、徐々には適用件数は増えてきておりますけれども、そうはいったってまだまだ実は低い水準でございまして、これを全面適用、法適用すべきだという御議論も当然あるわけでございまして、そういうことについても、我々は今検討させていただいているところでございます。  ただ、一方で、やはりどうしても零細な企業体もございますし、それから、元々職員が官庁会計で長年やってきていてなかなか企業会計に慣れていないと、そういう中でそういう人材をどうやって育てていくかという問題もあって、直ちにこれを実施するというところまではまだ行っていないというところでございます。  それから、将来のコスト推計については、これはそれぞれの事業の所管のところの方で推計をされておりますので、そちらからお答えをさせていただければというふうに思います。
  81. 高島泉

    政府参考人高島泉君) 済みません。事業体としては、各市町村単位で事業をやっていて、その積み上げとして幾ら必要だという数字は全体としての把握はしておりません。済みません。
  82. 尾立源幸

    尾立源幸君 じゃ、下水道の方。国交省。
  83. 岡久宏史

    政府参考人岡久宏史君) 我々もちょっと、全国でこれから更新費がどれだけあるかというのは推計はしていないんですが、今までつぎ込んだ資産としては九十兆円ほどあるんではないかと言われております。  多分、大都市さんは中期的な計画の中でいろいろ推計をされ、対応していると思いますが、国としては、先ほど御説明しましたように、アセットマネジメントというもので少し中長期的な計画を公共団体さんで是非作っていただきたいと思っておりまして、その手法といいましょうか、マニュアルを取りまとめて、今公共団体さんにいろいろお願いをしているところであります。  そういう計画が出てくると、全国的に中小も合わせてどれぐらいかというのが見えてくると思っていますが、そういう把握は早急に行う必要があるというふうに我々は感じております。  以上です。
  84. 藤原正司

    会長藤原正司君) ほかにございませんか。  加藤さん。
  85. 加藤修一

    加藤修一君 手短にしたいと思いますけれども。  一つは、多様な水源確保の関係で、先ほど私、雨水の話しましたけれども、地方自治体は相当進んでいるというふうな私は認識です、地域によりますけれどもね。国がもう少し見える形で基本計画含めてしっかり作り上げるべきでないかというのが一点目です。  それから二点目は、森林の関係で、水資源の涵養等を含めて当然対応できる話ですけれども、多面的機能の中でも生物多様性の関係については計算されていなくて、最近はいかに経済量に変換させるかということなんですけれども、これは自然資本ということでこれからの時代には非常に大事な観点であると思っていますので、生物多様性等を含めたそういうアプローチをしっかり今後進めていくべきじゃないか。つまり、経済量に変換するということについても、それを対象にして是非積極的に対応してほしいなという、そういう質問です。  三点目、最後になりますけれども、洪水等の話がありまして、河川整備事業、それから、それは当然河川計画に基づいてやっていくことだと思うんですね。ただ、問題は、基本となっているのが河川の水量で、水量は定常確率過程に基づいて従来はやってきていて、ただ、それは非常に揺らぎが生じるような時代になってきている。それは、先ほどの説明の中の図の中にもたくさんあるわけですよね。実際の状況というのは揺らぎが生じるようになってきている。揺らぎが生じるようになってきているときに、皆さんがおっしゃっている予防的洪水の対策とか、そういったことについてはどういうプライオリティーを基にして実際の事業を展開するかというところが非常に大事になってくるように私は思っているんですけれども、その辺の点について、今後どういうふうに対応を考えているか等を含めてお願いしたいと思います。  一番端的な例を言うと、地球温暖化に対する適応政策をどうつくり上げていくかというところにもかかわってくる話だと思っていますが、お願いします。
  86. 藤原正司

    会長藤原正司君) 済みません、加藤先生、どちらへの御質問なんでしょう。
  87. 加藤修一

    加藤修一君 一つ林野庁、森林の関係ですね。  それから、多様な関係については先ほど雨水国土交通省に申し上げましたので。
  88. 藤原正司

    会長藤原正司君) じゃ、沼田さんと小池さん、お願いします。
  89. 沼田正俊

    政府参考人沼田正俊君) 加藤先生から御指摘ございました森林の多面的機能、その中でもいわゆる生物多様性の件でございますが、先ほど森林の公益的機能の評価額、私どもも七十兆円ということで公表させていただいておりますけれども、その中には、例えば生物多様性の保全でありますとかあるいは快適な環境を形成するような気候の緩和とかそういったもの、あるいは文化的なものとか、いわゆる貨幣評価に直ちにちょっと向かないんではないかと思われるものについては、その当時、日本学術会議のものでも、そういったものを外して貨幣換算できるものについてだけやると七十兆円ですよという整理になっているところでございます。  森林は、そもそも水源涵養でありますとか国土の保全とかそういったもののほかに、当然のことながら、温暖化防止もありますし、生物多様性の保全というものも持っているわけでございますので、こういったものをどう評価していくか、あるいはどう国民の皆様方にPRしていくかというものはなかなか難しい問題だとは思っておりますけれども、私どもとしてもできる限り国民の方々に御理解いただくというのが大きなことだと思っておりますので、努力をさせていただきたいと思っております。  なお、その生物多様性の保全とかそういったものにつきましては、特に最近では、世界自然遺産でありますとかそういったいわゆる典型的なところについてはいろんな、環境省さんを始めとしてそういったものとも連携を取りながら施策を進めさせていただいているところでございます。  御指摘の点は、森林全体における生物多様性ということも含めてということだろうと思っていますので、更に研究を深めてまいりたいと思っているところでございます。
  90. 小池剛

    政府参考人小池剛君) 多様な水の使い方の件でございますけれども、全くおっしゃるとおりでございまして、議員立法で提案されています雨水利用推進に関する法律の案の中でも国がしっかり基本方針を定めることというふうに定められていますので、その議員立法の動きとも連携しながら取り組んでいくことになろうかというふうに思っております。
  91. 山崎篤男

    政府参考人山崎篤男君) 先生から河川整備計画と、それから揺らぎのことについて御質問ございました。  特に、地球温暖化の気候変動に対して適応策のどうあるかについては、私ども、社会資本整備審議会で平成二十年に議論して、答申をいただいております。この中では、施設による適応策については、そもそも我が国河川整備の水準自身が現時点での目標に全くまだ達していないというふうなことでございまして、まずは施設整備を着実に進めていくべきだというのが大前提でございます。  ただ、それだけでは、先ほど言われておりますような非常に大規模な水害対応できないケースというのが様々に想定されます。そういうことで、先ほどプレゼンでも説明させていただきましたが、流域での治水、総合治水をやるとか、周辺の土地利用と一体となって被害を抑制するですとか、あとは危機管理というふうなことで防災のネットワークをつくっていく、あるいは避難行動を情報提供とかで進めていく、ソフト施策を推進していくと。そういう様々な適応策を組み合わせながらそういったことに対しては対応していきたいというふうに考えております。
  92. 藤原正司

    会長藤原正司君) ありがとうございます。  ほかにございませんか。  では、私から一点だけ。  どこの省庁かは分かりませんが、前職、私が災害対策特別委員会におったときに確認した内容についてお尋ねしたいんですが、熊本県と宮崎県の県境、平家の落人が逃げ出すところ、ひどいところ、急峻なところに二車線の県道がありました。落石によって県道が遮蔽されましたが、県道から奥は行き止まりで、七軒だけありました、七軒だけ。それを復旧するのに何十億掛かるんです、急峻なところを二車線造るのに。ところが、そこをやめて、出口の、新しく合併した町営の何か造ってあげれば何千万で済むでしょう。でも、事業でないんです、どこの省庁にもそういう事業は。何か水害で壊れ、土砂が潰れそうなところというのは事業はあるんですが、先ほど申し上げた事業はないんです。そういうところは皆原状復旧が原則で、皆先生方は喜ぶんです、原状復旧しましたと。七票のために喜んでいるんです。  皆さん、そんな事業やった方がいいと思いますか、やらぬ方がいいと思いますか、国土交通省
  93. 山崎篤男

    政府参考人山崎篤男君) 非常に難しい問題だとは思います。  その地域に住んでいらっしゃる方々のことがありますし、また、その地域に、中山間地域とかそういったところに住むことによって国土が守られているという側面もあろうかとは思います。全てが効率で決まるというものではないとは思いますが、もちろん効率を全く無視してもいいわけではないということで、今回、例えば津波とかですと、被害に遭わないところに移転するというふうなことで将来の津波被害に対してはミニマム化するという大きな流れはもちろんあると思いますが、それと、どういった国土利用をしていくかというふうなこととのバランスをいろいろ議論していかないといけないことではないかなというふうに考えております。
  94. 藤原正司

    会長藤原正司君) 議論の余地があるということですね。
  95. 山崎篤男

    政府参考人山崎篤男君) いろいろ検討していくべきことだと思います。
  96. 藤原正司

    会長藤原正司君) どういうふうにですか。どっちですか。──いや、済みません。もうやめました。質問を終わります。  ほかに質問ありませんか。  じゃ、時間はまだ来ておりませんが、これで今日の調査会をお開きにしたいと思います。どうも御苦労さまでした。どうもありがとうございました。    午後三時十七分散会