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2013-06-11 第183回国会 参議院 経済産業委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十五年六月十一日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  六月四日     辞任         補欠選任      青木 一彦君     塚田 一郎君      長谷川 岳君     牧野たかお君  六月十日     辞任         補欠選任      高橋 千秋君     斎藤 嘉隆君      直嶋 正行君     池口 修次君  六月十一日     辞任         補欠選任      池口 修次君     直嶋 正行君      牧野たかお君     長谷川 岳君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         増子 輝彦君     理 事                 大久保 勉君                 安井美沙子君                 柳澤 光美君                 岩井 茂樹君                 松村 祥史君     委 員                 斎藤 嘉隆君                 轟木 利治君                 直嶋 正行君                 藤原 正司君                 岩城 光英君                 佐藤ゆかり君                 関口 昌一君                 塚田 一郎君                 長谷川 岳君                 宮沢 洋一君                 長沢 広明君                 松田 公太君                はた ともこ君                 荒井 広幸君                 浜田 和幸君    国務大臣        経済産業大臣   茂木 敏充君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       佐藤ゆかり君    事務局側        常任委員会専門        員        奥井 俊二君    政府参考人        総務大臣官房総        括審議官     田口 尚文君        外務大臣官房国        際文化交流審議        官        芝田 政之君        文部科学大臣官        房審議官     常盤  豊君        厚生労働大臣官        房審議官     神田 裕二君        経済産業大臣官        房審議官     片瀬 裕文君        経済産業大臣官        房審議官     中山  亨君        経済産業省産業        技術環境局長   鈴木 英夫君        経済産業省商務        情報政策局長   永塚 誠一君        中小企業庁長官  鈴木 正徳君        観光庁審議官   加藤 隆司君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○株式会社海外需要開拓支援機構法案内閣提出  、衆議院送付) ○小規模企業事業活動活性化のための中小企  業基本法等の一部を改正する等の法律案内閣  提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、青木一彦君、長谷川岳君及び高橋千秋君が委員辞任され、その補欠として塚田一郎君、牧野たかお君及び斎藤嘉隆君が選任されました。     ─────────────
  3. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  株式会社海外需要開拓支援機構法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務大臣官房総括審議官田口尚文君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 株式会社海外需要開拓支援機構法案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。茂木経済産業大臣
  6. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 株式会社海外需要開拓支援機構法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  今後、我が国経済の持続的な成長を実現していくためには、著しい経済成長を背景として需要を拡大させる新興国を始めとする諸外国の旺盛な外需を獲得していくことが必要となっております。  我が国生活文化の中で育まれたコンテンツファッション日本食地域産品観光サービス等海外において高い人気を博しているものの、具体的な海外展開が進まないため、収益に結び付いていないのが現状です。一方で、諸外国官民を挙げて文化産業海外展開支援しており、我が国としてもこれを強力に支援することが重要であります。株式会社海外需要開拓支援機構は、こうした状況を打開するため、民間資金外部人材を最大限活用し、官主導ではなく、民間主導投資案件目利きを行い、民間投資を促す呼び水となる資金供給を行うものであります。この機構による出資その他の支援を通じ、我が国生活文化の特色を生かした魅力ある商品等海外における需要開拓を行う事業活動等の促進を図ることを目的として、本法律案提出した次第であります。  次に、本法律案要旨を御説明申し上げます。  本法律案は、株式会社である海外需要開拓支援機構について、会社法に定められていない特別な規定等を整備するものであります。  第一に、機構設立等に関するものです。機構は、経済産業大臣認可により一を限って設立される株式会社とし、政府は、機構に対し出資することができるとするとともに、常時、機構発行済株式総数の二分の一以上を保有することとしております。  第二に、機構組織に関するものです。支援対象となる事業者支援内容株式債権処分等決定を客観的、中立的に行うため、機構海外需要開拓委員会を置くこととしております。  第三に、機構業務に関するものです。機構は、出資や、資金の貸付け、専門家の派遣や助言等業務を営み、経済産業大臣が定める支援基準に従って、支援対象となる事業者支援内容決定することとしております。また、機構は、平成四十六年三月三十一日までに、保有する全ての株式債権処分等を行うように努め、業務の完了により解散することとしております。  第四に、機構の財務及び会計に関するものです。政府は、機構の社債や資金の借入れに係る債務について保証をすることができることとしております。  第五に、機構監督等に関するものです。経済産業大臣は、機構の役員の選任予算認可のほか、必要な監督を行うこととしております。また、機構に対し、報告の徴収、立入検査等を行うことができる旨の規定機構役職員等による贈収賄や秘密漏えいに対する罰則規定等を措置しております。  以上が本法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
  7. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 大久保勉

    大久保勉君 民主党の大久保勉です。  まず、茂木大臣に質問したいんですが、クール・ジャパン推進が必要であるということでありますが、ここに関しては多くの国民全員が一致していると思います。具体的にクール・ジャパン推進するためにどのような政策が必要なのか、このことに関して大臣の決意また必要性に関して伺えたらと思います。
  9. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) クール・ジャパン、世界的にも市場が大きく拡大することがこれから予想されております。例えば、民間のコンサルタントの試算によりますと、コンテンツ、食、ファッション等市場規模、今後、アジアを始めとする新興国中心に急速に拡大をいたしまして、一番新しいデータ、二〇〇九年の時点での四百六十四兆円、これが二〇二〇年には約二倍であります九百兆円以上と、こういうふうに予測をされております。  そこの中で、例えばコンテンツの分野、こういうのを見てみますと、日本コンテンツ市場は約十二兆円でありまして、アメリカの三十二兆円に次いで世界第二位であります。ただ、日本の場合、輸出比率が五%しかない。アメリカは一七%まで行っておりまして、アメリカと比べても圧倒的に低いということでありまして、これはコンテンツだけではなくて、ファッションなどアジア人気の高い日本商品サービスは多数存在するわけでありますけれども、その事業ポテンシャル、これが十分発揮できていない、海外需要が十分取り込めていない、これが現状であります。  そこで、経済産業省といたしましては、クール・ジャパン推進として、海外需要を取り込む段階三つに分けまして、まず第一段階は、日本の魅力を発信することにより海外において日本ブームを創出をしていく、第二段階は、現地関連商品サービス等販売をしていく、第三段階は、観光政策などと連携をして商品に関心を持っていただいて観光客を実際に日本に呼び込むことで消費を促す段階、それぞれの段階での支援を行っていきたい、こんなふうに考えておりまして、今御案内のとおり、第一段階取組として、海外において日本ブームを創出するために平成二十四年度の補正予算におきまして百七十億円を措置いたしまして、日本の番組の字幕や吹き替えといった日本コンテンツ現地ローカライズ費用現地プロモーション費用を補助し、コンテンツ輸出を一気に加速することといたしております。  例えば、「巨人の星」、海外でも結構人気あるんですけれども、インドでは、「巨人の星」、野球ではなくてクリケットでやっています。インドはやっぱりクリケット野球よりずっとブームということでありまして、そういったローカライズをして日本の良さを知らしていくということも必要なんだと思っております。  それから、第二段階におきましては、現地関連商品サービス販売につなげることが重要でありまして、こういった動きを継続して支援するために、平成二十五年度の本予算におきまして五百億円を計上してクール・ジャパン推進機構推進するべくこの法案国会提出をさせていただいた次第であります。
  10. 大久保勉

    大久保勉君 よく分かりました。三段階でしっかりとクール・ジャパン推進していこうということが分かりました。  今回の法律というのは、第二段階のいわゆる現地に対して日本商品をしっかりと根付かせるということなんですが、クール・ジャパンと本当にクール・ジャパン推進機構が同じであるか、場合によっては、クール・ジャパンということにかこつけて天下り団体をつくるんじゃないか、若しくは経産省の権益を増やすんじゃないかと、こういう批判がありますから、今日の質疑では、そういうことじゃないと、若しくはそういうことはしませんということを是非質疑していきたいと思っております。  そこで、例えば安倍総理大臣成長戦略第二弾のスピーチの中で、今年、シンガポールで「Hello Japan」という専門チャンネルが開局しましたが、海外チャンネル放送枠の確保も重要ですと、こういう言葉がありました。その後急に、五百億円規模官民ファンド、クール・ジャパン推進機構をつくり、出資により応援しますということです。私はこのつながりがよく分かりませんで、どうしてクール・ジャパン推進機構が必要なのか、場合によっては民間企業で十分じゃないの、いろんなことが考えられますが、このクール・ジャパン推進機構必要性に関して政府に対して質問します。大臣でも参考人でも結構です。
  11. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 御答弁申し上げます。  今御指摘のありました「Hello Japan」という専門チャンネルの件でございますけれども、当然のことでございますが、個別案件への出資判断というのは機構が行うものでございますので、現時点出資対象事業が確定しているものではございません。  ただ、一般論として申し上げますと、専門チャンネルとして海外放送枠を買い取りまして日本コンテンツを配信し、併せて関連商品販売するといった事業などは機構出資対象として十分なり得るものだというふうには考えております。
  12. 大久保勉

    大久保勉君 ここで二つの疑問がありますが、クール・ジャパン推進機構国会で承認していないのに、「Hello Japan専門チャンネルを買い取ると言っているのと一緒じゃないですか。何でそんな、総理大臣スピーチする中に盛り込むということはそれなりに意味があるのに、どうして国会審議する前にそういったことが言えるんですか。
  13. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 「Hello Japan」という専門チャンネルは、確かに民間事業者主体となりまして海外において放送するという事業でございますけれども、これはあくまでもまだほんの僅かな一握りの事業でございまして、こういった事業が今後本格的に展開をしていくといったことが日本成長戦略にとっても重要だというふうに考えております。  したがいまして、この事業に直ちに出資をするということではなくて、このような取組日本のクール・ジャパン戦略として十分検討するに値するのではないかということで総理スピーチの中に盛り込まれたものというふうに理解をしております。
  14. 大久保勉

    大久保勉君 次の問題は、クール・ジャパン推進機構ではなくて別のやり方もありますよね。民間企業が直接出資する、若しくは別の政府系金融機関の方から出資する。どうしてクール・ジャパン推進機構じゃないといけないんですか。
  15. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 海外展開事業に対する支援の方法としては様々なものが当然あるというふうに考えてございます。  ただ、このクール・ジャパン推進機構で考えてございますのは、あくまでもリスクマネー供給をする機関として考えてございまして、そのような資金ニーズがあるところに対してこのクール・ジャパン推進機構出資等を通じて支援をすることを考えており、融資あるいは民間が自力でできるといったものは当然あり得ると思っていますし、長期的に考えますれば、このようなものは全て民間で行われることが基本的には望ましいというふうに考えております。
  16. 大久保勉

    大久保勉君 大臣大臣経済界にいらっしゃいましたから、民間でできると言っているし、将来も民間でいいと言っています。リスクマネーが必要でと言いましたら、例えば政投銀であったりいろんなところも出資できる可能性もありますし、民間を説得するとかいろんなことができますが、どうしてクール・ジャパン推進機構をつくる、それも五百億円を出資する必要があるんですか。説得力がある答弁を期待しております。
  17. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 冒頭も申し上げたように、日本コンテンツを始めとするクール・ジャパン商品、そしてサービスアジアを始め新興国人気がある、ポテンシャルがある。しかし、残念ながら今は事業化できていない。そこには幾つかの要因というのがあるんだと思っております。そこの中の一つの大きな要因として、リスクマネー供給が十分できない、この呼び水にすると。民間資金が出ていれば、もうある程度できていたはずなんですね。そういったものができていないということから、あくまで民間資金呼び水としてこういった新しい機構をつくらさせていただいた次第であります。  ただ、委員おっしゃるように、じゃ、この機構だけでやればいいという話ではない。民間主体に、例えば投資案件の発掘であったりとか、この機構におきましても、できるだけ民間活力とか民間目利きであったりとか、そういったものを生かしていきたいと、そんなふうに思っておりますし、また、クール・ジャパン推進に当たりましては、現地市場動向把握とか現地におけるネットワークの形成、これも重要でありますし、実際向こうでチャンネルを買い取るということになってきましたら、現地政府との交渉というのも当然出てくると思います。さらには資金面支援、様々な支援が求められておりまして、言ってみますと、政府機関においても様々な連携を取りながらこのクール・ジャパンといったものを推進をしていきたいと思っているところであります。  例えば中小企業、これは現地における市場調査に対してはかなりの支援が行えるんではないかなと、そんなふうに思っております。また、進出後に現地で直面をします様々な労務面の問題であったりとか知財の保護をどうするかと、こういうことについてはジェトロが知見を持っておりますので、そういったジェトロのアドバイス等々も活用していきたいと思っておりますし、また金融面におきましても、日本政策金融公庫によります中小企業海外展開に必要な資金融資、こういったものも組み合わせていきたいと思っております。  そして、その中核として、この機構をつくることによって専門的なクール・ジャパン向け機構中心にしながら物事を動かしたい、こういった意味から今回新たな機構をつくらせていただいたという次第であります。
  18. 大久保勉

    大久保勉君 いや、私はよく分からないんですが、大臣のお言葉で、例えば政策金融公庫を使うとか、若しくは恐らく大使館を使っていくと。いわゆる政府のリーダーシップでしっかりとクール・ジャパンをやるんだと。経産省だけではなくて外務省もしっかり協力してほしいと。また、政策金融公庫を担当している財務省あるいは中小企業庁、こういったところも一丸となってやるんだということで十分じゃないですか。五百億という莫大なお金出資する必要があるんですかと。逆に言ったら、五百億も出資するんだったら、それに見合った効果が本当にできるんですかと、ここが今回のポイントだと思うんです。  ここに関してもう一度質問したいと思います。政府参考人でも結構ですから、説得できる回答を期待しています。
  19. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 五百億円という出資金をこの機構に投入するために予算要求をさせていただきました前提といたしまして、私どもこの法案を検討するに当たりましては様々な企業からヒアリングなどを行いました。現時点で総計で約二千億円程度の事業が具体的に検討されているということが把握をされましたものですから、このうちリスクマネーとして産投出資五百億円を平成二十五年度の予算要求において措置をさせていただいたものでございます。
  20. 大久保勉

    大久保勉君 私も民間企業にいました。投資銀行におりましたので、民間の考え方はよく分かっています。それは安い金でどんどんリスクを取ってくれるんだったら幾らでも案件がありますよということで、募集をしたら回答するのが当たり前ですよね。それが重要なのは、本当にそのお金投資をして戻ってくるのか、国が出資をして本当にクール・ジャパンに結び付くのか、そういった政策が必要でしょう。民間から二千億と言われたから五百億というのは明らかに投資行為としては失格だと思います。  恐らく、いろんな資料を見ましたら、このクール・ジャパン機構でモールとかファッション施設都市開発などの商業施設を造るということですね。言い方を変えましたら、クール・ジャパン機構をつくって、国内の箱物行政批判が多いから海外に持っていって箱物行政をするんだと、だから金が必要なんだと、こういうふうにしか見えないんです。本当にソフトだけ、文化だけを輸出しようと思ったら、五百億円の金は必要ないと思います。むしろ、物を作る、商業施設を造ると、そこに利権があって、特にそこに関しては海外事業ですから国会のチェックは余り行きません。そういうようなお金の使い方でいいんですか。私は駄目だと思います。その点に関して何か反論はできますか。
  21. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 先ほども申し上げたように、このクール・ジャパン三つ段階展開をしたいと考えております。  まず第一段階は、日本のこういったコンテンツであったりとか様々なもの、そしてサービス海外の方によく知ってもらうと、こういう広報に近いような事業でありまして、それをどこまでローカライズさせていくかという段階であります。  そして、御指摘の第二段階になりますと、実際に物を売る、そしてまた、サービスを提供するということになってきますと、それは露店でできないことはないんですけれど、やっぱりきちんとした商業施設なりを造る場合も当然私は出てくるんだと思います。実際に海外展開している日本企業等々を見ましても、それはロケーションもそうでありますけれど、それを売るのにふさわしいような中心街であったりとか町の真ん中、例えばシンガポールだったらオーチャード通り沿いとか、そういったところで展開するということは私は十分考えられますし、また郊外での大型店の出店、こういったことも考えられるんではないかなと、こんなふうに思っています。  同時に、こういった機構をつくらなくてもというお話もあるんですが、やはりある程度、私は、文化というのはその一つ組織の中で育っていくものだと、こんなふうに思っているんです。例えばおもちゃ、バンダイ、トミーとタカラ、比べてみると、バンダイというのは決定的に男児玩具が得意なんですよ。それに対してタカラというのは女児玩具が得意なんですね。そのバンダイ女児玩具を作ったんです、かつて。タカラ男児玩具を作っているんですよ。ところが、男児玩具というのは、それは人間から遠ければ遠いほどいいわけですね、ロボットみたいな感じで。それに対して、逆に、女児玩具というのは人間に近い方がいいんですよ。文化が違うところではやっぱりそういうものが育たないということを考えると新しい組織がいいんではないかなと私は思います。
  22. 大久保勉

    大久保勉君 答弁は簡潔にということでお願いしていますから、是非ポイントだけ説明してもらいたいんです。  大臣民間経営者だったらおっしゃるとおりです。ところが、国の国税を使うんですから、設備を本当に持つことが必要なのか、必要最低限でいいんじゃないかと、そういう検証が必要なんです。それはお金を使った方がいいに決まっています。設備があった方がいいに決まっておりますが、あえて国の税金を使う必要があるかということです。  じゃ、具体的に申し上げますと、シンガポールオーチャード通り商業施設を造るとします。それは今からこの法案が通ってどのくらい掛かります。恐らく二、三年掛かるんじゃないですか、最低でも。では、そのときに今回の機構出資は五百億円がありますが、この出資金五百億円はいつ国から、産投から出資されますか。
  23. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 今回、産投出資要求させていただいています五百億円でございますが、これは平成二十五年度予算として要求をさせていただいておりますので、平成二十五年度内にこれを拠出をするということが前提ではございますけれども、具体的にどの時期に幾らということにつきましては財務省とも協議をしながら決定をしていきたいと考えております。
  24. 大久保勉

    大久保勉君 二十五年度中に五百億、まあ平成二十六年三月末までには五百億は産投からこの機構お金が行きますよね。
  25. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 御案内のとおり、平成二十五年度予算においてこの財投特会で単年度予算の原則に立ちまして五百億円の出資を計上させていただいているわけでございますので、年度内に支出することが一応前提になっているということでございます。
  26. 大久保勉

    大久保勉君 そこで矛盾がありますが、年度内に五百億円のお金がある。実際に大臣がおっしゃるとおり商業施設出資には二、三年は掛かりますから、じゃ、その間どうするんです。本当であれば、大臣がおっしゃるとおり、箱物でも必要になったら必要なときに五百億円出資すればいいのに、実際は今年度中に五百億が入るということです。  恐らく、その運用はどうするか、ほかの機構と同じように国債等で運用するということじゃないですか。その間、利ざやを稼いで何らかの資金に充てると、こういう構造になっています。それから考えたら、むしろ人件費等のお金が必要である、そのために、今の金利環境だったら国債だったら〇・五%とかぐらいで回らないといけない、それで逆算したら二億とか三億円の経費が必要だから五百億は必要だねと、そういう安易な考え方でビジネスプランができ上がっているんだったら私は大きなクエスチョンマークだと思います。ここに対して具体的な説明できますか、反証できますか。
  27. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) この機構でありますけど、基本的に民間専門家中心に運営をするということを考えております。そして、具体的な投資案件につきましては、社外の取締役等から構成されます海外需要開拓委員会、これが個別の投資案件決定を行うことになっております。  恐らく二つのタイプの専門人材というのが必要になってくるんだと思います。一つのタイプは、海外の事情もよく知りながら、こういうところにビジネスがある、このビジネスは伸びる、こういう目利きの能力を持った人。そしてもう一つは、もう少し、もっと冷徹な判断によって、本当にこれが収益性を生むのかどうかと、こういう判断をする恐らく大久保先生のような能力を持たれた方が必要になってくるんではないかなと思っておりまして、この五百億、機構をつくりましても、いきなり出すというよりも、そこで具体的な事業案件が出てくるごとにある程度出資をしていく、こういった形で考えておりまして、それを基本的に二十五年度中に完結をさせるというのを基本に考えております。
  28. 大久保勉

    大久保勉君 最後の部分は矛盾があります。実際に人材を登用し、案件を精査するのは二十五年度中で、そこに対して五百億円のニーズがあるんだったらその説明でもよろしいんですが、実際に投資するのはもっと後でしょう。ということは、五百億円のお金があったとしても、実際には使わないから遊ばしているということです。  こういった状況でしたら、通常交付国債とか、若しくは、今年度予算は例えば二十億程度にとどめ、将来案件が出るごとに百億、二百億円と積み重ねて五百億まで持っていけばいいんじゃないですか。どうしてそういうことをしないんでしょう。
  29. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 御案内のとおり、交付国債の形を取るということになりますと、当然特別立法が必要であるということになってくるんだと思います。  同時に、今回我々はスピード感というのを重視したいと。ほかの国、英国であったりとか韓国を見ましても、残念ながら我が国よりも文化産業の振興ということは相当進んでおります。これを、日本はいいサービスとかいい商品があるわけでありますから早くキャッチアップをしたい、こういうスピード感を持って事業に取り組んでまいりたいと思っておりまして、それは個々の事業によって実際に建設に何年掛かるというものはありますけれども、まずは例えば不動産の取得でもあるわけです。  これは、何というか、三年掛からなくても不動産の取得はできるわけでありますし、事業の着工というのもできていく。そして、そこの中で、冒頭永塚局長も申し上げたように、二千億円ぐらいのニーズが生まれてくると。この中で、この呼び水とした五百億の資金と、さらには民間から出てくる資金を組み合わせて相当な大きな事業展開をしていく、こういう構想を持ってクール・ジャパンを進めたいと思っております。
  30. 大久保勉

    大久保勉君 大臣答弁には間違いがあると思いますよ。不動産の取得が必要と言いますが、機構で直接、例えばシンガポールオーチャード通りの不動産を購入できますか。購入はできないですよね。この機構自身は、オーチャード通りに施設を造る事業Aというところが設立されて、そこに対して出資をするということですから、まず事業主体が決まらないといけない。で、その事業主体が設立されて不動産を取得する。どう考えても一年ではできっこないんですよ、三年、四年掛かりますから。そういう意味では、若干答弁としては説得力に欠けると思います。  じゃ、もう少し具体化しましょうか。二十五年度中に五百億円の資金がありますが、そのうち投資案件として何件程度を考えられています。標準的な投資案件幾らぐらいの規模で、投資リターンは何%か。二十五年度中にクロージングができるという、払込みができるという案件は何件ですか。
  31. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 先ほど御答弁申し上げましたように、私どもでヒアリングを行ったところ、総計で約二千億円程度の事業規模が、ニーズが把握をされたわけでございますけれども、ざっくりとでございますけれども、一件当たりにするとおおむね数十億円程度の規模、数にすると数十件程度の投資案件というものが把握をされているところでございます。これは、事業の中身によって大分回収期間も異なっており、例えば海外の不動産の取得を伴うものにつきましては相当の長期間にわたる場合もあります一方で、例えばコンテンツの配信のように比較的短期間で収益が見込まれる場合もあるというふうに理解をしております。  また、標準的なリターンでございますけれども、これは政府が設定するものではなく、やはり機構事業全体として一定程度の収益が確保されることを政府としては求めていきたいと考えておりまして、経済産業省としては、毎年の機構の業績評価などを通じて適切な運用が行われることを確認をしてまいりたいと思っております。  また、単年度、一年間で完全に回収できる事業があるのかどうかという点につきましては、なかなか事業の性格上、そこまで短期で回収できるものは現実にはほとんどないのではないかなというふうに考えております。
  32. 大久保勉

    大久保勉君 一番肝心の質問に答えていません。平成二十五年に五百億円のお金が来ますから、平成二十五年度中に事業出資できる金額は幾らですかという質問をしました。  つまり、数十億円の案件が数十件あると、それはいいんですが、平成二十五年度中に出資が必要かということです。そこに対してはどうなります。必要だったら、五百億円の出資平成二十五年度予算化というのは正しいと思います。もし、案件はあるんだけど実際に出資するのは平成二十六年、二十七年だったら、そのときに政府要求すればいいんじゃないでしょうかという質問です。
  33. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 機構からの出資につきましてはあくまでも経営者が判断をすることでございますけれども、例えば海外において不動産を取得をし建設をするというのは確かに時間が掛かるものだとは思いますけれども、そのために必要な会社の設立、あるいはそれに必要な様々な調査など、資金ニーズというものはその前からかなり発生するものというふうに考えてございまして、そうしたものを今の時点で把握する限りにおいては五百億円程度の要求が必要ではないかと判断をした次第でございます。
  34. 大久保勉

    大久保勉君 私もMアンドAとかいろんな算定をしていましたけど、民間だったらこういった案件通りませんよ。どうして五百億円も必要なんです。機構自身を設立するんだったら、数十億円でいいんじゃないですか。そこで運転費とかいろんなことはできます。五百億円という多額の資金が必要なのは、機構事業団体に出資するお金が必要だからなんです。だから、どうして当初から五百億円も必要かということです。
  35. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 繰り返しになりますけれども、私どもとしては、現時点で相当程度、二千億円程度の資金ニーズ把握をされていることから、少しでも多くの案件支援できるよう、しっかりと対応できるための資金としての五百億円を要求させていただいているものでございまして、これが、事業が行わないまま機構において運用益を稼ぐといったことはないように当然しっかりと管理をしていきたいと考えております。
  36. 大久保勉

    大久保勉君 私ども民主党としてはこの案件は是非やってもらいたいと思いますが、実際の行政機関としての精査がむちゃくちゃだということです。この辺りは、みんなの党さんなんかはしっかりと、もっと実務経験者として、こんないいかげんなビジネスプランだったら恐らくは却下されると思います。国民の血税を使う、若しくは国が最終的なリスクを取るということで、もう少し本当に効率のいい資金の使い方をしてほしいです。  茂木大臣におかれましては、やはりつくって、もう後は知らんぷりということではなくて、恐らく楽しみなのは、平成二十五年度末の決算書を見ます、五百億円のお金がありました、結局、国債でも運用しないと今局長が言いましたから銀行の普通預金か何かに遊んでいる、実際は一年間で出資したのはほとんど僅かと、こういう構造にならないように、つくったからにはしっかりと出資してください。出資したものは、最長これは二十年間ですか、等で返るようなしっかりとした精査が必要だと思います。  次の質問に参りますが、まず、この機構の常勤の取締役、あと常勤の職員はそれぞれ何名と考えていますか。この辺り、人件費との関係で必要です。また、総額人件費はどのくらいになるか、質問します。
  37. 中山亨

    政府参考人(中山亨君) お答えいたします。  機構のできてからの常勤取締役、常勤職員といった人事の問題でございますけれども、基本的には株式会社として設立される機構が適材適所の観点からなしていくものというふうに考えておりますので、どの程度の人員規模となるかというのも含めて機構が判断するものではございますが、国といたしましても、実施する案件規模に応じた効率的な体制ということは必要だと考えておりますので、予算認可などを通じてしっかり確認していくということで考えております。  なお、事業開始時点の規模といたしましては三十人から百人程度、これは一般の事務職員なども含めてでございますけれども、こういうイメージを持ってございます。  以上です。
  38. 大久保勉

    大久保勉君 ビジネスプランとしては失格ですね。三十人から百人というのは三倍も人数が違います。  じゃ、この三十人から百人の人件費は幾らですか。それはどこのアカウントから賄いますか。その辺りをしっかり説明したら、もしかしたら五百億円の出資が必要だということは説明できますが、全くそういったことは説明せずに、三十人から百人必要だと。じゃ、総額の人件費は幾らと予想しています。その人件費はどこの勘定から支払うか。
  39. 中山亨

    政府参考人(中山亨君) 先ほど申し上げましたように、一般職員も含めてでございますので、その給与規程をどのようにしていくかということにもよりますが、数億円という規模が想定されるものと考えます。これは当初の出資額の中から必要な経費として支出させていただくということになります。
  40. 大久保勉

    大久保勉君 出資金を食い潰していくということですね。分かりました。  次の問題は、この常勤の役職員に関して、いわゆる天下り、経産省に十年以上勤めた人は入ることを禁じていますか。
  41. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 機構の取締役の人事につきましては、今御答弁申し上げましたように機構が適材適所の観点から実施するものでございまして、取締役の選任につきましては、それに加えて経済産業大臣認可事項とし、基本的には民間人材を中心に人選がなされるように確認をするような制度設計になっているところでございます。
  42. 大久保勉

    大久保勉君 基本的にということは、経済産業省出身者も入ることはあり得るということですね。
  43. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 基本的にはございません。天下りをさせようとは思っておりません。民間人を中心にやってまいります。  ただ、例えば、この事業を進める中で本当に相手側の政府とのいろんな交渉が必要で、私はそういった部分はジェトロとかいろんなところでできると思いますけれど、その機構がたまたま、何というか、かつて経済産業省に勤めていた人間をどうしても採りたいということで採ることについてそれを禁止するものではありませんけれど、基本的な運営は、目利きの機能を見ても財務管理の機能を見ても、経産省の職員に求められるスペックとは違うものだと思っております。
  44. 大久保勉

    大久保勉君 やはり大臣と話をした方が話が早いですね。大臣のリーダーシップを期待しています。  やはり今回の機構は、私は必要だと思っています。場合によっては、五百億の金を出資する新たな機構をつくる、どうも経産省の天下りの組織であると見られたら、それはクール・ジャパン機構にとって問題です。もっとすばらしい役割がありますから、そこはしっかりとガバナンスを利かせることによって、クール・ジャパン機構をしっかりと盛り上げてほしいなと思っています。  あと、民間から活用するということに関して、私も民間にいましたから、実はこういうこともできるんです。民間には、そういった役職員、役員になろうという人、若しくはなれなかった人がいます。そういった人を機構として雇う代わりに、じゃその会社の方に経産省の職員を雇ってくれと、こういうバーター取引も実はないことはないです。こういったことはこの機構としては使わないということを是非考えてほしいです。  ただ、経産省出身者が絶対駄目とは私は思いません。むしろ、能力がある人、機構の機能にとって付加価値がある人をどんどん雇って、せっかく五百億円を投入するんだったら、しっかりと仕事をしてもらうという必要があります。  また、大臣からいい話がありましたが、恐らく外交面等の交渉でしたら経産省だけでは難しいと思うんです。各国の大使館であったり、場合によっては外務省、財務省、いろんな役所を使いながらオールジャパンとしてクール・ジャパン推進していくと、そのための象徴的な機構がクール・ジャパン機構にしてほしいと思います。  是非大臣の決意を、もしあればおっしゃってください。
  45. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今、大久保委員のおっしゃった方向で考えていきたいと思っています。  これから在外の日本の公館も、そしてジェトロも、もう少し私はビジネス感覚、こういったものを持ってほしいなと、そんなふうに思っています。それは、例えば大使公邸で様々な企業のレセプションをやってもいいんだと思います。そういったことを通じてオールジャパンで、クール・ジャパンもそうでありますけど、日本企業海外展開、こういったことを支援していくことが必要だと思っております。  その一方で、この機構そのものにつきましては、委員の方からも何度も御指摘いただいておりますように、民間的な視点であったりとか経験、ノウハウ、これが必要な機構になってまいりますので、政府としてお金は出させていただきますが、運営は基本的には民間人を中心にやる、これが当然のことであると思っておりますし、人事等々におきまして、そういったことをしっかりと管理をしてまいりたいと考えております。
  46. 大久保勉

    大久保勉君 では、続きまして、民間企業間の利益相反に関して、利益相反防止の観点から質問したいと思います。  この機構投資に関しましては、海外需要開拓委員会ということで独立したところが精査をして決定するということになっています。一方で、機構のガバナンスは取締役会が出てきます。  そこで、利益相反といいますのは、この機構自身は、例えばシンガポールであったり若しくはタイであったり、いろんな事業展開します事業体に対して出資します。その事業体の出資者若しくは関係者にとりましては、何とか機構からお金を引っ張ってきたいということで何らかの根回しをしたいと。では、そのときに、取締役会が決定しません、今回は海外需要開拓委員会決定しますから、この委員の中に海外事業者との利益関係者が潜り込んでいる、で、どんどん案件が成就していく、そこで将来焦げ付きが発生すると、こういったリスクがあります。  そういったことの防止のために、海外需要開拓委員会選任及び解任の基準及び誰が行うか、質問します。
  47. 中山亨

    政府参考人(中山亨君) お答えいたします。  ただいま御質問のありました海外需要開拓委員会委員でございますけれども、そもそもこの法案の第十七条に記載してございますが、取締役である方の中から三人以上七人以内、その中には社外取締役の方を必ず含むことということで組織することになってございます。したがいまして、取締役と全く関係ない形の方が入ってきて利益誘導をするということではないというふうに考えております。  また、海外需要開拓委員会委員選任及び解任は、取締役の中から選ばれまして取締役会の決議によって行われますが、専門的知見を有する人材、民間からの御出身の方など、中立的な選定を担保するというために、その選定及び解任の決議は経済産業大臣認可をいただくということで定めております。  それから、もう一つ指摘のございました利益相反の問題でございますが、これも法案の中で、実際に事業とかかわりを持つ方がたまたま海外需要開拓委員会委員になっていたというときにはその決議から外れていただくということを法案上明記してございます。  以上です。
  48. 大久保勉

    大久保勉君 あと、別の観点から、取締役自身は非常に力を持っている、で、取締役自身が海外需要開拓委員会選任もできます。そこで、潜在的な利益相反として、クール・ジャパン機構に対して国が五百億、あとは民間出資が最大五百億になっています。では、民間の例えば銀行が出資をする、出資した銀行は取締役を派遣するということは恐らく禁止していないはずです。その人たちが今度は海外案件に対して何らかの影響力を持つと。もちろんそれは、事業にコミットするということで悪い話じゃないです。むしろ、コミットしてもらいたい件もありますが。  そこで、どういう形で利益相反を防止していくか、この辺りに関して質問したいと思います。
  49. 中山亨

    政府参考人(中山亨君) お答えいたします。  若干繰り返しになりますけれども、株主である出資者から取締役を派遣する、これ、社外取締役ということになるケースも含めて、社外取締役も今回の取締役の中で想定してございますので、御指摘のとおりこれを必ずしも排除をしていないということはそのとおりでございます。  一方で、先ほど申し上げましたように、案件の採択に際しましては、海外需要開拓委員会のメンバーであってもその案件の採択の議決には加わることができないということで、一旦防止策を取っております。さらに、万が一、特定の取締役が個人的な利害関係に基づいて利益相反となるような行為を行った場合でございますとか任務を怠ったというようなことが生じた場合には、これは経営陣としてこの株式会社に対して損害賠償責任を負うということになりますし、一般的な会社法規定に基づいて処分をしていくということになります。さらに、機構法の第十四条でございますけれども、秘密保持の義務というのを役員、職員に課してございますので、そういった形で利益相反も起こさないようにという防止策を講じてまいりたいと考えております。
  50. 大久保勉

    大久保勉君 大臣一つだけ提案があります。  例えば、海外需要委員会というのは非常に案件の精査で極めて重要な機関です。ですから、議事録というのを公表するということで検討してもらえたらと思います。海外需要委員会の議事録、どの案件に対して資金を出すか出さないか、その議事録を公表するということで是非検討してもらいたいと思います。
  51. 中山亨

    政府参考人(中山亨君) 議事録の扱いについてお答えいたします。  海外需要開拓委員会は議事録を残すこと、また、その議事録については十年間本店に据え置かなければならないということを法案上明記してございます。また、株主、債権者は、その権利行使、それから委員の方の責任を追及するなどの必要があるときには、所要の手続を経てこれの公開を請求することができるというふうに規定をしてございます。
  52. 大久保勉

    大久保勉君 これが機構の一般規定ですから、それをもっと議事録公開の請求を簡単にするとか、場合によってはこの委員会で必要があれば出してもらうと、こういったことを将来考えてほしいと思います。実際に公表するというよりも、要請があればいつでも公表しないといけないという形で牽制した方がより透明な利益相反のない審議ができると思います。この点に関してはいかがでしょう。
  53. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 利益相反が起こってはいけないと、そのために、この海外投資開拓委員会委員につきましても、個別の案件ごとにまず投資決定をしますので、利益相反が起こる可能性のある役員についてはそのプロジェクトの決定から外れてもらう、こういうことを基本にしながら利益相反については考えたいと思っております。  一方で、議事録の問題でありますけれども、これは今後、いろんな裁判が出てきたりとか様々なことで検証するという意味で十年間きちんと据え置くということにいたしますけれども、委員も御案内のとおり、恐らくいろんな企業投資案件進めるとなりますと、これについていろんな議論があるはずなんですね。競合がどうであったりとか、うちがこうつくったらこうなるからということを全部やっぱりさらしてしまったらなかなか事業としてはやりにくい、こういう面もありますので、どういった公開の仕方をするかにつきましては検討させていただきたいと思います。
  54. 大久保勉

    大久保勉君 ありがとうございます。具体的な数字とか企業名は伏せるとか、いろんなやり方があると思います。  次に、どうしてこういうことを言っているかといいましたら、この機構は、出資をする、リスクマネー供給するということで、非常にリスクが高い、焦げ付く可能性があるということです。ですから、普通の融資に比べてもっと慎重にやっていかざるを得ないということです。  そこで、出資をして失敗するケースも多々あると思います。そこに対してどういうことを考えたらいいか。例えば、提案したいんですが、二十億円以上、この機構出資し、二十億円以上焦げ付いた場合には、主務大臣、経産大臣国会に報告をすると、こういった規定を入れたらどうでしょう。
  55. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) お答えいたします。  この機構は、政府出資を受けて経営を行う以上、その経営状況につきましては可能な限り情報開示をし、政府としてチェックをしていくことが必要であるというのは御指摘のとおりだと思っております。  ただ、他方で、機構出資をいたします個別事業の経営状況を全てつまびらかにするということになりますと、出資企業を他の企業との関係で競争上不利な状況に置くおそれがある、あるいは機構からの支援を伴った事業の負債それ自身に悪影響が及ぼしかねない、その結果として機構の経営にも悪影響を及ぼすおそれがあるということが考えられますので、慎重に対応する必要が一方であるというふうに考えてございます。  このため、機構は、会社法などに基づきまして財務諸表の公表など経営状況の開示を行いますとともに、この法律に基づきまして、経済産業大臣機構事業監督する立場から毎年事業実績を報告をさせ、評価を行い、その結果を公表することとしております。このような形を通じまして、しっかりとチェックをしてまいりたいと思っております。
  56. 大久保勉

    大久保勉君 だから役人答弁は駄目なんですよね。つまり、焦げ付いたとき、つまり資金が回収できなかったというのが確定したときですから、どうして競争上の問題が発生するんですか。その会社が破綻しているんですよ。ですから、破綻した結果に応じて国民の税金が二十億円以上損失が出ていると。じゃ、どうして失敗したのかというのは、ちゃんと大臣が認識し、場合によっては国民の代表である国会に報告してもいいんじゃないかと、こういう発想です。  もちろん、議論としては二十億は小さ過ぎると、百億とか五十億とか、そういった金額の議論だったらできますが、いわゆる精神です。国民の税金を使っているということをしっかりと考えて機構を運営してほしいということです。もし、大臣、何かコメントがありましたら。
  57. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 一律の額はなかなか決められない部分はあると思いますけれども、二十億という基準はそんなに悪くないかなと、私から見るとそう思います。ただ、プロジェクトによっては違ってくる部分もあると考えております。そして、焦げ付きが最終的に出ると、そうなったら人事的に責任を取ってもらうと、当然のことだと思います。
  58. 大久保勉

    大久保勉君 最後の質問になりますが、事業会社に出資した場合、イグジット、出口が一番重要だと思います。そのときに、海外出資会社が株を上場したら簡単に回収ができますが、多くのケースはそういうことはないと思います。じゃ、その場合にどういう形でイグジットするかといいましたら、共同で出資した人に買い取ってもらうといったことが多いと思います。若しくは第三者に譲渡する。そのときの株式の売却価格、その適正性が極めて重要です。この辺り、第三者からフェアネスオピニオンをもらうとか、MアンドAでは当たり前のことなんですが、こういったルールはありますか。このことを聞いて、質問を終わります。
  59. 中山亨

    政府参考人(中山亨君) お答えいたします。  御指摘のとおり、エグジットについては、株式上場以外にも、投資パートナーである相手方の民間企業株式の形で買い取っていただくその他のエグジットが想定されるわけです。その中で、一体幾ら、適正な価格で売れるかということでございますが、基本的には民間同士の株の売買でございますので相対の交渉で価格が決まってしまいますが、これも先ほど来の議論に出ております海外需要開拓委員会のチェックにかからせ、その海外需要開拓委員会の当該案件の議論に関しては利害関係者は排除するということでございますので、海外需要開拓委員会の方にその価格も含めエグジットの適切性をチェックしていただくということになると考えております。
  60. 大久保勉

    大久保勉君 最後にまとめますが、この機構に関しては非常に重要な機構だと思っています。ただ、もっと重要なことは、この機構をいかに活動させるのか。しっかりと効率いい機構をつくっていく、そのためには大臣のリーダーシップが必要でありますからしっかりと頑張ってもらいたいということで、そういうことを述べまして、私の質問を終わりたいと思います。     ─────────────
  61. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、牧野たかお君が委員辞任され、その補欠として長谷川岳君が選任されました。     ─────────────
  62. 松村祥史

    ○松村祥史君 おはようございます。自由民主党の松村祥史でございます。  本日は、クール・ジャパン推進機構法の議論ということで質問させていただきたいと思います。  先ほど大久保委員から質問がございましたが、さすがに世界で闘われた投資家としての視点だなと改めて聞かせていただきました。私は事業家でございましたので、その視点からまた質問させていただきたいと思っております。  まず、大臣にお尋ねをしたいと思っておりますけれども、先般、五月の二十九日に開催された産業競争力会議におきまして成長戦略の基本的な考え方が取りまとめられました。大臣がリーダーシップを発揮されて取りまとめられたと聞いております。三つのプランを示されて、その中で、国際展開戦略の中でこのクール・ジャパン推進機構法を活用し成長戦略に仕上げていく、こんな考えであろうと思いますが、大臣のまずお考えをお聞かせいただければと思います。
  63. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今後の成長戦略を進めるに当たりまして、まず国内においては三つのゆがみを是正していくことが必要だと、このように考えております。一つは過少投資の問題であります。そして、二つ目には過剰規制の問題であります。三つ目には過当競争。この大きな三つのゆがみを是正していくと、このことが日本成長にとっては極めて重要だと思っております。  その一方で、御指摘のように、様々な形での国際展開、特にアジア中心とした成長というものを我が国成長として取り込んでいくと、こういった戦略も今後の日本成長上欠かせない、そんなふうに思っております。人口も伸びる、そして所得も伸びる、こういった国にターゲットを合わせていくということが必要だと思っております。  その上で、一つは、例えばRCEPであってもそうでありますし、TPPであっても、最終的にはFTAAPという形になっていく部分もありますけれど、様々な形での経済連携の網をグローバルに張っていくということが重要なんだと思います。  しかし、網を張っただけでは収穫はありませんから、具体的に魚を捕ると、こういう作業に入っていかなきゃならない。特に、新興国戦略上それというのは極めて重要でありまして、これは日本企業の進出の度合いであったりとか、そしてまた相手国との競争の度合い等々によってかなり変わってくるのではないかなと。  恐らく、日本企業の進出とか競合の度合いということでいいますと、お隣の中国、そしてASEAN等アジア諸国、これは一くくりになってくるだろう。それからまた、ロシアであったりとか中東であったりとか、さらには南米と。日本企業の進出度合いからすると、まだアジアほどは行っていないけれど、ある程度の存在感があるところと、こういうのが二つ目の塊になってくる。そして三つ目に、先日もTICADⅤ、開催をさせていただきましたが、アフリカ、急成長しております。資源的にも非常に魅力のある国もある。しかし、ほとんど日本企業の進出ということでは劣後をしている。  とにかくやっぱり一点を取る、こういう発想といいますか、そういう観点から適正な企業の進出を支援していくということも必要でありまして、地域も分けた上で具体的な振興戦略と、こういったものを成長戦略の中で進めてまいりたいと考えております。
  64. 松村祥史

    ○松村祥史君 ありがとうございました。  二番目の質問の中身も少し触れていただいたのかなと思いますけれども、実は先般、五月の二十一日の日経新聞に大臣の記事が載っておりました。「中小千社の海外営業代行」ということで、今お話しいただいたようなプランを、クール・ジャパン戦略を基に成長につなげる、そのためには中小企業のアドバイザー的な人たちもつくっていく、これが一つポイント。それから、今お話しいただいた三つの地域の戦略ポイントをつくっていくんだと、こんなことを書かれておられました。  よければ、もう少し詳しくこれについてお話をいただければと思いますが。
  65. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今、松村委員から御指摘いただいた点につきましては、海外展開を目指す中堅・中小企業現地展開、一貫して支援するというために、二十四年度の補正予算で四十二億円を計上させていただいております。  具体的には、ジェトロ企業のOB等の専門家を新たに採用して、新興国への進出を検討している中堅・中小企業に担当制で張り付けて、営業の代行支援現地でのパートナー候補の選定、そして契約や許認可の取得支援などを実施すると。この事業を通じて、御指摘のように、二年間で千社程度の中堅・中小企業海外展開支援をしていきたいと考えております。  松村委員中小企業そして小規模企業政策については特にお詳しいと承知をいたしておりますけれど、いい商品持っていたりするんですね。ところが、実際に中小企業小規模企業ですと、海外に出ていってその営業マンがマーケティングをしたりとか何かいろんなことをやるというのは難しい。その言ってみると代行的な仕事を様々な面で、向こうの例えば許認可を取ることから始まり、実際に、何というか、テストマーケティングであったりとか、そういったことでやるようにしたいと思っておりますけれど、こういった企業のOBの人にしてもいろんなタイプがあるんですね。会社との今マッチングを進めなくちゃならない。何というか、そりが合うというんですかね、そういうOBの人と中小企業のマッチングをしながら担当制をしいて、そういったあたかも中小企業海外に支店を持っているような、海外に営業マンを持っているような形がつくれればと、こんなふうに思っております。
  66. 松村祥史

    ○松村祥史君 さすがに大臣だなと、全てを御存じだなと思いました。まさしく中小企業というのは、なかなかその力があっても海外に行けない。それは、リスクマネーをなかなか取れないというのもありますけれども、優秀な人材が集まらないというのも一つあります。  そういう意味では、常日ごろからこういうアドバイザー的な方々が必要なんだと。もちろんジェトロもございますけれども、現実、厳しい私は言い方をしますけれども、経営や資金繰りや、こういうことをやったことのない方々に、アドバイスはできても、なかなかその具現性が出てこないというふうに思うんですね。そういう意味ではすばらしい試みだと思います。是非強力に推進していただきたいと思います。  今日までも実は、このクール・ジャパンに限らず、経済産業省では幾つかの施策を進めてきていただきました。ようやくこのクール・ジャパンという名の下にオールジャパンが集うかなと、非常に私はこれ期待をいたしております。  その苗床たる政策が実はございました。JAPANブランド育成支援事業、実はこの事業には思い入れがございまして、私が十数年前、全国の商工会青年部の会長を務めておりましたころ、全国を回りますと、実は海外で闘いたいと、しかし海外のマーケティングもできない、闘い方も分からない、どこに持っていけば売れるかも分からない、是非海外展開できるツールはないんだろうかという声が多かったんです。  そのことを経産省に御相談をいたしましたら、中小企業庁に御相談をいたしましたら、返ってきたのがこのJAPANブランド育成支援事業。やっぱり政治というのはすごいなと改めて思いました。使う側というよりも、そのことを広くお披露目をして、幾つかの事業展開ができ上がったものだと思っております。参考人にお伺いをしたいんですが、今日までの成果、そして今後の進め方、御意見を聞かせていただきたいと思います。
  67. 鈴木正徳

    政府参考人鈴木正徳君) JAPANブランド育成事業でございますけれども、今先生御指摘のとおり、十年前にできました制度でございます。まずは中小企業・小規模事業者の方が連携していただいて戦略を策定する、これが一年目でございます。その戦略を策定した上で、いいものを売っていく。ただ、これ単年度ではなかなかできませんので、三年間継続して三分の二の補助をさせていただいているところでございます。  これまで、この十年間で三百を超える案件につきまして私ども御支援をしてまいりました。その中には大変大きい成果を上げておりまして、例えば石川県のこれは商工会が中心になられました漆器の技術を使われましたテーブルウエアですけれども、これはヨーロッパでも大変高く評価されておりまして、もう売上げも一億五千万ということで、どんどん成果が上がっているところでございます。  私ども、全般的にもフォローアップいたしましたところ、作りました商品について五割以上の方がバイヤーから高く評価をされた、また実際に売上げの増加に結び付いた企業さんが三五%でございます。是非とも、ほかの支援策とも一緒になりまして、この売上げをどういうふうにもっとたくさん上げていただくか、これが次の課題かというふうに考えております。
  68. 松村祥史

    ○松村祥史君 政府参考人にお尋ねいたします。これ、通告をいたしておりませんけれども、大体予算額的にはどれくらいの額を今年は計上しているんでしょうか。
  69. 鈴木正徳

    政府参考人鈴木正徳君) 予算額的には今年は五億円でございます。これまで累計で九十億円の予算を計上させていただきまして、今年度につきましてもこの予算を増額させていただいたところでございます。
  70. 松村祥史

    ○松村祥史君 五億円ということで、これが多いのか少ないのかという議論よりも、しっかりとその成果が出るように仕上げていっていただきたいと思います。なおかつ、強力にこれは、JAPANブランド育成支援事業というのは、今後クール・ジャパンを支えるクール・ジャパン産業みたいな形の苗床になっていくものと思いますので、是非強力に進めていただきたいと思っております。これは強く要望しておきたいと思います。  さて、今五億と申し上げましたが、先ほどから五百億が多いのか少ないのか、これは別といたしましても、私、大事なのは、今日までもこういうファンドというのはありましたし、リスクマネー供給する部分というのは国でやってきたと、大事なのはチェックができているかどうかであったと思います。  ましてや、先般、当委員会で藤原正司議員が大変いい御意見をおっしゃいました。我が経済産業委員会はもうける委員会なんだと、こういう議論を進めてやっていくところなんだと、ほかの委員会とは違うでと。全くそのとおりだと思います。経営に例えれば、必要経費の議論よりも投資的経費の議論をいかにしていくのか。そして、その上で、例えば五百億の投資をしたのならば、一体これが何年後には雇用として、税として成長できる企業の苗床がどれだけできている、こういう計画が要るものだと思っております。  国が今回関与をしてまいります。先ほど御指摘のあった点、天下りの温床にならないか、リスクマネーが焦げ付かないか、こういう視点も大事だと思っておりますが、いわゆる今回投資をすることでしっかりとマネジメントしていくことが一番重要なことだと思っておりますが、この点について御意見を聞かせていただければと思います。
  71. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 御答弁申し上げます。  国が資金を投入する以上、これをしっかりと成長に結び付け、その果実を日本経済に戻すということは極めて大事なことだと考えてございます。  このため、この機構につきましては、あくまでも民間主体ということで、株式会社、まさに収益を上げるための組織という形で設計をさせていただいております。ただ、国の資金を活用する以上、単に預けるだけではなくて、要所要所においてはしっかりと国がチェックをし、適切な運営が図られるように考えて制度設計をさせていただいているところでございます。  いずれにいたしましても、経営陣がしっかりと判断し、収益を上げることができるように指導をしてまいりたいと考えております。
  72. 松村祥史

    ○松村祥史君 これは質問取りのときもお話をしたんですけれども、おっしゃるような答弁しか返ってこないものだろうと思います。  しかしながら、これから成長戦略をしっかりとやっていく、そのためにはやっぱりチェックが必要だし、計画が必要なんです。そこがやっぱり我々事業家をやってきた者と役所の違いであろうかと思いますが、そこは是非大臣に、これこそ政治主導ということで強いリーダーシップを今後発揮していただきたいと思っております。  最後の質問になりますけれども、大臣、JAPANブランド育成支援事業、しっかりとした苗床になっていくと思います。大臣が掲げていらっしゃるクール・ジャパン、この戦略成長戦略としてつなげていくために、クール・ジャパン産業となっていくんではないかなと思っておりますけれども、この連携を取っていくことは極めて重要だと思っておりますけれども、是非これについての御意見、大臣の思い、聞かせていただければと思います。
  73. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) JAPANブランド事業とそれからクール・ジャパン事業委員指摘のように、これから連携を取りながら、さらには相乗効果が生まれるような事業にしていくということが必要なんだと思っております。  JAPANブランド事業とするともう大きくなり過ぎていますけれども、例えば味の素なんて今すごく売れているんですね、インドネシアで。物すごく小さな袋なんですよ。これ、何でも使うんですね。それで例えば和食を作ってもらう、和の文化にしていく、これもクール・ジャパンであり、ある意味JAPANブランド事業でもあると思うんですけれども、今後、一層そういった相乗効果が生まれるようになることによって、これはJAPANブランド事業も良くなりますし、クール・ジャパンの方も良くなると、こんなふうに思っております。
  74. 松村祥史

    ○松村祥史君 ありがとうございました。是非このクール・ジャパン成長戦略のしっかりと中核を成していくように、大臣の強いリーダーシップを期待いたしまして、質問を終わります。
  75. 長沢広明

    ○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。  クール・ジャパン、この法案はクール・ジャパン推進機構の設立を行うということが大きな柱になっているわけでございますが、早速大臣にお伺いしたいと思います。  クール・ジャパンというか、先ほど松村委員からも指摘のあった例えばジャパン・ブランドというようなことで、日本をどう海外に売り出すかということは、これまでも経済産業省もやってきましたし、ほかの関係府省でもいろいろな形で予算事業でいろいろな推進を今までしてきたところだというふうに思います。そういうこれまでやってきた取組を、あるいは施策の上で今回このクール・ジャパン推進機構を設立するという、リスクマネー供給ということが大事だということは十分理解をしておりますが、これまでの施策をどのように検証し、どう総括したのか、あるいはその結果、今回のクール・ジャパン推進機構法案を出すに至った基本的な考え方というのはどこにあるのか、この辺についてお考え方伺いたいと思います。
  76. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 恐らく、大きく事業環境の変化というのが今起こっているんだと思います。その一つは、アジア新興国中心にいわゆる中間所得層というもの、日本で売れるような商品を買える層というのは決定的に増えてきている、これはあると思います。同時に、日本商品、これは大企業のものもそうでありますけれども、中小企業も含めて、日本文化の中で生まれてきたコンテンツであったりファッションであったり食であったりとか、様々なサービス、これがまたそういった国々で受け入れられる土壌というのも生まれてきた。そういったマッチングというのがちょうどうまく来るような時期に来たんではないかなと思っております。  そういった中で、これまでも個々の例えば企業であったりとか個々の産業ということの支援を行ってきましたが、クール・ジャパンというくくりである程度ターゲットを決めて大きな施策を展開してきたことはなかったんじゃないかなと。同時に、そういった中小企業等、クール・ジャパンを進める上で中核となるようなビジネスを営んでいる方、なかなか海外に拠点がない、そのために実績がどうしても上がってこなかった。実績が上がってこないと民間の金融機関もなかなか融資に踏み切れないということで、何らかの呼び水となるような資金供給が必要だと。こういった観点から、今回のクール・ジャパン、こういう展開を進めることにしたわけでありますが、御案内のとおり、英国であったりとか韓国であったりとか、既に諸外国におきましてこういった文化産業育成、こういったことが進んでおりまして、それに劣後がないように、相当なスピード感を持ってこの施策を進めたいという思いから、機構をつくるこの法案国会の方に御審議をお願いしているところであります。
  77. 長沢広明

    ○長沢広明君 大変よく分かりました。  これまでの施策というものと、その積み重ねと国内の環境、それから海外の環境、マッチングできるタイミングが今来たということだというふうに思いますけれども、一方で、我が国海外に何をどう売り出すか、どう出していくかということについては、地域地域の、やはり、今大臣触れられたとおり、多くの中小企業が現実には担っている面がございます。このクール・ジャパンの目的の中にも地域資源の発掘、開拓ということも柱に入っておりますし、これから、成長戦略の中にもやはり若者の力、発想、それから女性の発想、こういったものも柱にしていかなければならないということがございます。  ただし、今大臣も御指摘されたとおり、中小企業、地方の中小企業中心として、まだまだこの収益性というところまでが見込めないところが多いわけでございまして、地方の中小企業も担い手として支援しなければいけないけれども、しかしそこにはなかなか収益性というものが見えないので、いわゆる資金面支援ということだけではうまくいかないという面がございます。中小企業へ向けて様々なほかの支援策というものが必要だというふうに思っておりますが、その点について大臣どうお考えか、伺いたいと思います。
  78. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 恐らく、まずは市場の調査であったりとか、そういったこともしていかなきゃならない、これは必ずしも機構がやるわけではありませんが、ジェトロであったりとか様々な国の関連機関ができる部分もあると思っております。同時に、先ほども申し上げましたが、人的な支援、こういったことも極めて重要になってくるのではないかなと、そんなふうに思っておりまして、ただお金を提供するということではなくて、その国における市場調査、それからまた人材面での支援、また制度をクリアするための様々な支援、こういったことも合わせ技でやっていく必要があるなと、こんなふうに考えております。
  79. 長沢広明

    ○長沢広明君 先ほど大臣も触れていらっしゃいましたが、在外公館の活用という、これは非常に大事な視点だと思っているんですね。在外の大使館をある意味じゃプレゼンの場にしていくということは、どんどんもっと活発にやっていいのではないかというふうに思っていますし、そういう意味では、単に商品サービス展開させるだけではなくて、その結果、日本にも来ようという観光にも影響が出てくるというふうに思います。  クール・ジャパン推進には、今オールジャパンという議論になっていますけれども、機構や経産省の取組だけでは不十分な面があるというふうに思いますので、外務省や観光庁、そういうところが一丸となって取り組むべきであると思いますが、外務省や観光庁はこのクール・ジャパン、この機構が発足するということに、このタイミングを見て今後どういうふうに取り組むか、考えを伺いたいと思います。
  80. 芝田政之

    政府参考人(芝田政之君) 外務省では、在外公館を最大限活用しながら、当該国におけます日本又は日本文化に対する好感度あるいは理解度、これを高めまして、クール・ジャパン事業展開しやすい環境基盤を整備していきたいというふうに考えています。  具体的には、在外公館が中心になりまして、現地官民関係者から構成されますクールジャパン支援現地タスクフォースというのを設置しております。この場で、オールジャパン体制で情報を共有しながら、連携を図りながら、外国人の参加と共感を得る継続的な取組推進しております。少し具体的な話でございますと、先日、クールジャパン推進会議において決定されましたアクションプランに基づきまして、日本産酒類振興事業、あるいは食文化、伝統文化、ポップカルチャー等に関する多様な事業を実施していきたいと考えております。  今後とも、日本ファンを増やすべく、経済産業省とも緊密に連携しながらクール・ジャパン海外展開取組をしっかりと実施してまいりたいと思います。
  81. 加藤隆司

    政府参考人(加藤隆司君) 観光庁におきましては、本年、訪日旅行者一千万人を目標に掲げまして、更にその先の二千万人の高みを目指して全力で取り組んでおります。このような中、クール・ジャパン戦略とビジット・ジャパン事業は相互に親和性が高く、両者を効果的に連携させることにより更なる訪日につなげていきたいと考えております。  このような観点から、観光庁におきましては、従来より、日本の優れたコンテンツなどの商品に関する見本市に合わせまして観光情報の提供などを行うとともに、海外の旅行会社及びメディアを日本へ招聘、招請する際に、例えば酒蔵見学等の産地の魅力発信を通じまして、旅行商品の造成及び情報発信を促進するなどの取組を実施しているところでございます。  本日の観光立国推進閣僚会議で決定されました観光立国実現に向けたアクション・プログラムなどを踏まえつつ、クール・ジャパンと一体となったジャパン・ブランドの発信によりまして、訪日外国人旅行者数一千万人という本年の目標達成に向け、政府一丸となって取組を積極的に実施してまいります。
  82. 長沢広明

    ○長沢広明君 ありがとうございました。  時間ですので、終わります。
  83. 松田公太

    ○松田公太君 みんなの党の松田公太です。  株式会社海外需要開拓支援機構、クール・ジャパン推進機構は、その名のとおり株式会社ということですが、株式会社の定義というのは、利益を目的とし、株主に配当することだと思います。クール・ジャパン推進機構もそのような目的があるということでよろしいでしょうか。非常に大切な法案だと思いますが、時間が十分しかありませんので、なるべく簡潔にお答えいただければと思います。大臣、お願いいたします。
  84. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 基本的には株式会社でありますから、そのような目的を持って進めるということになります。同時に、クール・ジャパン戦略を進める、その趣旨に合っているかどうかと、これも極めて重要な視点であると思っております。幾ら例えば収益性の高い事業であっても、それがクール・ジャパン展開することとは何ら関係ない事業におきましては、この機構で取り扱うということはないと思っております。
  85. 松田公太

    ○松田公太君 それで、どうやってその利益を出そうと計画していらっしゃるのか。例えば、ROI、ROE、どのくらい目指していらっしゃるのか。IPOを考えていらっしゃるのか。そのような事業計画を出していただければというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
  86. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 御答弁申し上げます。  機構事業を進めていく上におきましては、まさに、株式会社ということでございますので、民間のノウハウを最大限に活用し、民間人を起用することできめ細やかな対応ができる体制を確保することが大変重要だと考えてございます。したがいまして、機構は、国の関与自身は必要ではございますけれども最低限のものといたしまして、民間のノウハウを最大限に活用することを基本に設計をしているところでございます。  特に、一番重要な個別事業投資判断、収益性の判断等に当たりましては、民間人を中心とする機構の経営陣が判断することとし、現地マーケットに通じ、事業を見極める機能と冷静な投資判断を行う機能をバランスよく働かせ、機構内の専門家集団から成ります海外需要開拓委員会においてその意思決定をすることとしております。  その際、政府として、この機構事業を通じて外貨の獲得という政策目的を実現することを担保する方法といたしまして、あらかじめ機構投資判断を行うに当たり従うべきガイドラインを支援基準として示すこととしております。  また、将来的に収益が獲得できる見込みが少ない案件に対していつまでも支援を行い続けるといったことは、当然適切ではございません。このため、機構支援決定を行うに当たりましては、個別の事業ごとに、保有株式の売却時期も含めまして、投資戦略を事前に策定することが大変重要だと考えております。経済産業省としても、こうした方針を機構の経営陣に求め、適切に監督をしてまいりたいと考えております。
  87. 松田公太

    ○松田公太君 スキームを見ますと、株式会社海外需要開拓支援機構そのものというのはファンドのようなものかなというふうに感じております。ファンドのようなものであればあるほど、やはりその利益、どのようなリターンを得られるかというのが非常に重要かなというふうに私は考えておりまして、先ほどのちょっと答弁の中で局長が、IPO、これも考え得るというお話をされたと思うんですが、それはそういう考え方でよろしいんでしょうか。
  88. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) IPOは非常に重要な出口戦略一つとして位置付けられております。ただ、それ以外にも当然事業パートナーへの売却など、その他の出口も考えられると思っております。
  89. 松田公太

    ○松田公太君 ちょっと間違いがないように確認したいんですが、このクール・ジャパン推進機構自体のIPOも考えていらっしゃるということでよろしいですね。
  90. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 失礼いたしました。  今申し上げましたIPOというのは、機構出資をした事業株式のIPOということで、この機構自身がIPOをするということではございません。
  91. 松田公太

    ○松田公太君 それがあったので、ちょっと議論がかみ合わないなと思ったんです。私が先ほどから話をしていますのは、このファンドとみなされるクール・ジャパン推進機構の方なんですね。こちらの方のイグジット、どのような利益を上げるのかというのを明確にしていただきたいというふうに申し上げている次第です。大臣、よろしくお願いします。
  92. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 普通のファンドであれば、当然そのROEがどれくらいであるとかそういったことを考えながら、投資案件も探し、そして最終的にはその形態をどうしていくかというのはあるんですけれど、冒頭申し上げたように、この機構の場合は一定の収益性が見込めるということは極めて重要でありますが、同時に、このクール・ジャパンそのものの目的であります日本の魅力の発信であったりとか生活文化の特色を生かした商品サービス海外にきちんと展開をしていく、さらには、個別企業海外展開支援にとどまらず、それが様々な関連産業にも波及をしていくと、こういう政策効果も考えながら進めたいと思っております。  それで、局長言いましたように、そういった投資した案件が実際にIPOして、それによりまして収益を得る、若しくはそれをどこかに最終的には譲渡をすることによりまして回収をするということはありますが、現時点ではこの機構そのものをIPOしようということは想定をいたしておりませんということです。
  93. 松田公太

    ○松田公太君 おっしゃることは分かります。波及効果も含めて考えているということだと思うんですけれども、ただ、私はそれでもこの推進機構自体が利益目標であったりを明確にするべきだなというふうに思うんですね。  というのは、大臣もこれよく御存じのとおり、利益が出るということは、イコールそれだけその商品コンテンツが売れているということなんですよ。間違いないですよね。ですから、それが明確な数字の目標として持てるんじゃないかなというふうに、持つべきじゃないかなというふうに私は思っているんです。ですから、これから細かい制度設計をされると思うんですが、そのような部分も目標にしていただきたいんですね、私は。是非これ御検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。
  94. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 今の御指摘、大変重要な御指摘だと思っております。当然、海外需要開拓委員会投資決定をする際には、個別の事業ごとに、その収益性、あるいはイグジットの時期などにつきまして徹底的な議論をし、個別に案件の採択を判断をしていくことになります。また、機構全体の収益につきましても、全体として当然収益を上げることが求められておりますので、そのような形が実現できるようにしっかりと監督をしてまいりたいと思っております。
  95. 松田公太

    ○松田公太君 時間がないので次の質問に移らせていただきたいんですが、この機構出資をして民間事業会社をつくります、JVですね、ジョイントベンチャーをつくるということだと思うんですが、どのような民間会社とJVをつくろうということを考えていらっしゃるのかなと。  ポンチ絵の中では、民間事業会社A、B、Cといろいろ書いてありますが、例えば事業会社Cは物理的空間型と記載されているわけですね。ここにはどのような会社に出資しよう、この民間会社は、というふうに想定されているのか、教えていただければと思います。
  96. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 物理的な空間というのは、まさに中小企業を始めとして海外に足掛かりとなるべき拠点がない方々が海外に進出をすることをお手伝いできるような事業として考えられているものでございますが、具体的には、商業施設海外においてその店舗を展開をし、そこに日本生活文化の魅力を体現した商品サービスを提供できるテナントが入る、そのような形で商業施設が運営され、収益を上げていく、そういったようなモデルを想定をしているところでございます。
  97. 松田公太

    ○松田公太君 大臣アジアはよく行っていらっしゃいますので御存じだと思いますが、私自身シンガポールに二年間住んでおりまして、本当に多くの東南アジアの国々を回ってきたんですね。中央アジアも見てきました。既に多くの国々では日本のブランドを入れると。やはり日本が今ちょっと人気があるということで、フロアを例えば借り切って全部日本商品を出したりということはもう既にやっているところが非常に多いんですね。  実際、シンガポールにおいても、ちょっと具体名は申し上げませんけれども、日本の大手のそのようなSCのディベロッパーが出店をされていて、若しくはサブリースをされてやっていて失敗している例というのはすごく出てきているんですよ、残念ながら。  ですから、私は、単純にそのような形で日本商品を例えば持っていっても売れるというふうには思っていません。そして、なおかつ、そのようなディベロッパー、多分、今のお話ですと事業会社Cというところでしょうか、比較的大手のディベロッパーと組むんじゃないかなというふうに想定されますけれども、大手のディベロッパーだったら、自分たちでやろうと思ったらやればいいんですよ。もうかる、もうからないという判断は自分で考えればいいんですよ。何でそういったところと事業会社をつくる必要があるんですか。
  98. 永塚誠一

    政府参考人永塚誠一君) 御指摘のとおり、民間主導でできる事業は当然この機構出資をする必要はないわけでございますけれども、現実にこの機構が想定しておりますのは、日本生活文化の魅力を生かした商品サービスで収益を上げるといったところに政策的な意義があるというふうに考えてございます。もちろん、そのようなコーナーを持った事業者さんもいらっしゃるとは思いますけれども、場合によっては、必ずしも日本の製品ではない、日本サービスじゃないものを提供し海外展開をされるケースも、当然事業の収益性を上げるという観点からされる方もいらっしゃると思います。  ただ、私どもといたしましては、クール・ジャパン日本の魅力を対外的に発信し、最終的には日本に関心を持ち、日本に関心を持って来ていただく、そして消費をしていただける、そのような日本の魅力を全面的にアピールできるという政策目的を実現することのできるような形で事業展開される方々を御支援させていただきたいと考えているところでございます。
  99. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 松田公太君、時間が終了しておりますので。
  100. 松田公太

    ○松田公太君 はい、時間が来ましたので締めくくらさせていただきますが、そのような大手の会社、結局テナント、例えばリーシングなんですね、サブリースなんですよ。ほとんどリスクは私はないと思っているんですね、しかも、国からお金が出るという話でしたら。ですから、結局はそのような大手の会社を潤す、一瞬的にですね。でも、結果的には出ていったテナント、それはリスクを持っていくわけですから、そういったところは失敗し撤退する。私は、本当のクール・ジャパンの拡張にはつながらないんじゃないかなというふうに思っているんです。  そういう形じゃなくて、やはり国内のクリエーターとか、そういった例えばクリエーターのビジネスであったり、売上げ、それを伸ばすという努力に、私はそろそろ官民ファンドという発想をやめてシフトするべきじゃないかなというふうに考えているということを申し上げて、終わりとさせていただきます。  どうもありがとうございました。
  101. はたともこ

    ○はたともこ君 生活の党のはたともこでございます。  私はいつも申し上げておりますが、私は薬剤師で、漢方薬・生薬認定薬剤師の資格も持っておりまして、日本で発展した日本の伝統医学である漢方、漢方医学、漢方薬をクール・ジャパン一つとして、日本の国家戦略成長戦略として国内外に展開すべきであると考えております。  この観点から、五月九日の本委員会で、ISO、国際標準化機構のTC249、テクニカルコミッティー249の議論の場で、中国が中国の伝統医学である中医学を国際標準規格とすべく、文字どおり国家戦略として強力に活動しており、日本の伝統医学である漢方が大変な危機にさらされているということについて質問をいたしました。  我が国でISOの基準認証を担当しているのは経済産業省の産業技術環境局ですが、五月九日の私の質問の直後に南アのダーバンで行われたISOの会議の結果について、まず説明をしてください。
  102. 鈴木英夫

    政府参考人鈴木英夫君) お答え申し上げます。  御指摘の会議の結果でございますけれども、会議では、日本、中国、韓国、ドイツなどから多数の国際標準の提案が出されて議論が行われました。我が国からは、まず安全に係る基準値を設定する場合には、各国の国内規格を配慮すること。二点目として、一般的に流通していない特殊機器は標準化の審議対象とするべきではないといった点を指摘をいたしました。この結果、十六件の提案が今後新たに国際標準策定の審議対象とするか否かの各国の投票にかけられることになっております。  日本からは、先日御答弁申し上げましたとおり、二件について提案を行いまして、そのうち、天然製剤の製造プロセスに関する要求事項が各国投票にかけられることになりました。また、電気ばり、刺激装置の基本的安全事項につきましては、類似の提案を出した韓国と今度は共同で再提案をするということにいたしました。  いずれにしても、我が国の漢方は日本の伝統医学であるとの認識の下、国際的に通用するものとして国際標準から排除されるべきではないと考えておりまして、今後とも国内の専門家の方々としっかりと検討を行い、我が国から新しい、こういった、今申し上げたような提案を行いますとともに、我が国の主張をしっかりと位置付けられるように頑張ってまいりたいと思っております。
  103. はたともこ

    ○はたともこ君 茂木大臣、この会議は来年は日本で行われると聞いております。東洋医学の中で、日本の漢方医学、中国の中医学、韓国の韓医学がそれぞれ並び立つように、大臣の強いリーダーシップを是非発揮していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  104. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 参議院の経済産業委員会ってすごいなと思いますのは、先ほどの松田委員の御質問を聞きますと、後ろにクリエーターの方がたくさんいるような気がいたしますし、また、はた委員の御質問を聞きますと、必ず漢方医学という形で一貫をされているなと思っていますが、御指摘の次回の専門委員会につきましては日本で開催する予定でございまして、我が国の漢方、生薬であったりとか鍼灸は日本の伝統医学であるとの認識の下、国際的に通用するものとして政府として国際標準化を働きかけているところでありまして、今後、日本の漢方医学を世界に発信できるようリーダーシップをしっかりと発揮していきたいと思っております。
  105. はたともこ

    ○はたともこ君 ありがとうございます。  東洋医学、東アジア伝統医学における日本、中国、韓国の競争は、WHOの国際疾病分類、いわゆるICD分類の議論でも行われております。厚生労働省も含む日本協力センターの活動もあるわけですが、例えば拠出金の問題でも、中国と韓国は政府が一億二千万円の拠出金を負担するが、日本の場合は日本東洋医学会など民間団体の負担となっており、その上更に今回新たに拠出を求められており、大変な御苦労をされていらっしゃいます。  厚生労働省、WHO・ICD分類の最新の状況と、日本協力センターの活動、そしてこの拠出金の問題、日本でも政府が拠出をするべきではないか、この三点について伺いたいと思います。
  106. 神田裕二

    政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のように、WHOの国際疾病分類については、現在、いわゆるICD11に向けました改訂作業が進められておりますが、今次の改訂では初めて東アジア伝統医学の分類を組み込むプロジェクトが立ち上がっております。昨年五月にはICD11の草案が一般公開されまして、現在、日中韓の医療現場における実証実験の実施が予定されているという段階でございます。今後、専門家によるICD11の草案の査読ですとか実証試験の結果を踏まえまして、二〇一五年にWHOから勧告が行われる予定というふうに承知しております。  我が国は、東洋医学を実践する主要国の一つとしまして、日本東洋医学会の専門家、具体的には慶応大学の渡辺先生にWHOの関係会議に出席して共同議長として議論に加わっていただいているところでございます。厚生労働省としては、このほか、渡辺教授が出席いただきますWHOの会議に政府の担当者を派遣しまして、韓国、中国との交渉に積極的に参加してきているところでございます。引き続き、東洋医学会とともに日本の伝統医学の考え方が反映できるようにWHOの会議に今後とも政府の担当者を派遣しますとともに、ICD11の草案に対する査読に際して専門家を登録したり、あるいは実証試験の実施医療機関を募るなど、積極的に協力、支援していきたいというふうに考えております。  それから、センターの活動状況ということでございますけれども、これにつきましては、我が国の発言力を確保するということから、二〇一一年の九月に日本東洋医学会を含む四組織とともに厚生労働省も加わる形で日本協力センターの指定を受けております。現在、日本協力センターにおきましては、ICD11の改訂作業につきまして、東洋医学分野及び内科分野における国際専門家から成る改訂作業グループの事務的支援などを行っているところでございます。  それから、拠出金についてのお尋ねがございましたけれども、政府が行います拠出金としましては、加盟国が義務的経費として支払い、使途を特定できない分担金というものと、分野を指定した上で任意で拠出する任意拠出金の二種類がございます。このうち分担金については日本は世界第二の負担国で四十七億を分担しておりますけれども、一般的にはWHOの主な業務として各種基準作りというのがございますけれども、ICDの見直しもこれに該当しますので、このようなWHOが幅広く専門家委員会の意見を聞き公正な立場で行うことが求められる業務については、基本的には各国が義務的経費として支払う分担金が用いて行われているものと承知しております。具体的には、この改訂を担当しておりますインフォメーションエビデンスリサーチという部局にもこの分担金が使われていることから、日本も応分の分担はしているものというふうに考えております。  ただ、任意の拠出金ということで民間で拠出をされております日本東洋医学会が、WHOの方に、このプロジェクトの年間三億円の予算の使途ですとか、日中韓のそれぞれの三か国の分担額がどうか、それから日本の拠出金の使途等について問合せをしているところでございますけれども、WHOの担当者からは必ずしも明確な回答がないというふうに承知をしております。
  107. はたともこ

    ○はたともこ君 では、茂木大臣、本委員会も含めまして私は再三提案をさせていただいておりますが、天然ガスコンバインドサイクル火力発電や最新型の石炭火力などの高効率火力発電、また電池三兄弟、太陽電池、燃料電池、蓄電池の電池三兄弟によりエネルギーの自給自足を目指すスマートハウス、スマートカンパニー、スマートコンビニ、スマートシティーなどは日本が世界に誇る最先端技術であり、ノウハウです。さらに、これに日本が世界に誇る伝統医学である漢方も加えて、クール・ジャパンとして日本の国家戦略成長戦略とすべきであると私は思います。  改めまして、大臣のクール・ジャパンに対するコンセプトも含めまして、御見解を伺いたいと思います。
  108. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 御指摘のように、日本の高効率の火力発電、例えば石炭火力でいいますと、日本の技術をそのままアメリカそして中国やインドに応用しますと、それだけで年間十五億トンのCO2の削減ができます。これは日本の年間の排出量全体に当たると。これだけ世界トップレベルの技術があるわけであります。  また、蓄電池におきましても、日本の技術、最高でありまして、今後これが電力系統であったりとか電気自動車といった形で応用されていきますと、今の一兆円の市場が二〇二〇年には二十兆円に膨らんでいく。日本としてはこのうちの半分のシェアを取っていきたい、こういったことも考えております。そして、その背景には、もったいないと、倹約であったりとか節約であったりとか、そういった日本文化、伝統と生活習慣があるというのは間違いないことだと思っております。  高効率の火力発電をクール・ジャパンとして位置付けるかどうかということにつきましては、まさに機構においてどういった事業出資するかということで決まってくるものだと思っております。
  109. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) はたともこさん、時間が終了しておりますので、おまとめください。
  110. はたともこ

    ○はたともこ君 日本の漢方についてもクール・ジャパンに加えていただきたいと先ほど申し上げましたが、その点、最後、御見解を伺います。
  111. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 具体的な事業については機構で考えるにしましても、漢方もまさに日本の伝統文化に根差したものだと、このように考えております。
  112. はたともこ

    ○はたともこ君 終わります。ありがとうございます。
  113. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 改革の荒井です。  お話を聞いておりまして、私は、PPP、官民連携を大いに推奨する方ですが、諸先生方の問題点、課題というものも留意して進めていただきたいと、このように思いますし、知財権が非常にこれ問題になるなという感じです。その印象をまず申し上げて大臣にお尋ねしたいんですが、五番目になります。  広告宣伝で購買に持っていくまでのいわゆる消費者のプロセスモデルというのがあるんだそうですが、AIDMAという分類の方法があると。日本は、電通を含めまして、ネット社会にそれらを応用した、AIDMAを応用した考え方としてAISAS、アイサスというようなモデルがございます。これはもう、いわゆる注意を呼び、関心を引き起こし、サーチで検索をさせアクション、行動したり購入すると。ここが今までのモデルと違う、これも日本型なんですが、いわゆるシェア、共有したり、ネットでお互いに商品等を、何といったらいいんでしょうか、評価し合う。そういうものを、電通を含めて、日本のいわゆるマーケティングの中でこういったものが生まれて世界にも応用されているんです。  といたしますと、こういうことで、先ほどの大臣のお話は、発信、現地での購買、そしてインバウンドといいますか呼び込み、あるいはビジット・ジャパンと、こういうことになってくると、この三段階を言っていらっしゃいました。  その場合に、いや、なかなか日本のはいいよなと、この発信、現地段階のところなんですが、これをみんなでネット上でお互いに評価し合う、そういうようなことが一つあるだろうし、日本に来て本物に触れていく、そこでまたネット上で共有する。これは、それぞれの段階で、ステージでそういうことがあるんですが、大臣としてネットを、この機構と併せてネットをどのように活用されるおつもりか、アイデアをお聞かせください。
  114. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今、新興国アジア等々におきましても、ネット社会、相当発達をしております。特にソーシャルメディアの分野におきましては相当な発展が見られる。  日本の様々な商品であったりとかサービスといったものを単に地上波だけではなくてネットを使っていろんな形で発信をしていく、特に若い層に訴求をしていく、こういった意味では極めて大きな意味を持っているのではないかなと。当然、その第一段階日本の良さを知ってもらうという意味では、ネットの活用というのはできると考えております。  同時に、購買をするという段階にあっても、ネットを通じたショッピング、これは当然、はやってきているわけでありまして、そういったことも含めて、今後のクール・ジャパン展開におきましてはネットの最大限の活用を図ってまいりたいと考えております。
  115. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 そういう展開を考えると、応援団といいますか、あるいは日本のものをよく理解しているという理解者としても、例えば文化友好協会関係のものがあります。姉妹都市、友好姉妹都市というのもあります。また、大学等で研究を含めてあるいは人材の交流などをやっているんですが、文科、総務、外務の事務方にお尋ねしますが、それぞれ所掌するところでそうした国際交流の機関の数、こういったものをお示しください。
  116. 常盤豊

    政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。  文部科学省においては、国立、公立、私立大学七百五十三校を対象に調査をしておりますが、その調査によりますと、海外の大学との大学間交流協定を締結している大学の数は平成二十一年度時点で国公私立合わせて六百十六校ございます。  これらの大学において、学生の交流あるいは教員の交流、研究の交流、こういう点について協定を締結しているわけでございますけれども、その総数は全部で一万七千件以上に上るという状況でございます。
  117. 田口尚文

    政府参考人田口尚文君) お答え申し上げます。  地方公共団体の姉妹友好都市交流につきましては、平成二十五年の五月三十一日現在で、都道府県、市区町村の合計で千六百三十六件でございます。このうち主なものといたしましては、中国とは三百四十九件、韓国とは百四十五件、ブラジルとは五十七件、ロシアとは四十三件など、地域レベルでの緊密な姉妹友好都市交流が進展をしてきたところでございます。
  118. 芝田政之

    政府参考人(芝田政之君) 民間交流組織について、外務省としてその全てを把握しているわけではございませんけれども、例えば平成二十五年四月一日現在で外務省の所管しております特例民法法人は四十法人ございまして、その大部分が国際交流、国際関係、文化芸術などを設立目的としております。
  119. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 在外公館との連携ということが随分挙げられましたけれども、実際はそこに生活している今のような形の方、NPOの方、たくさんいらっしゃるわけです。ですから、こういう方々をどういうふうに、ネットワークといいますか、あるいはある意味ではセールスマンでもあり、あるいは批評家でもあるんですね。そういう方をやっぱり活用するという意味での当機構の利用の仕方もあろうと思いますが、どのように大臣、お考えになりますか。
  120. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 在外公館を含め、日本機関のネットワーク、クール・ジャパン展開していく上でも、今後更に強化をしていかなければいけないと、そう思っておりますし、同時に、現地にいらっしゃる方々とのネットワークをどう強めるかということも重要なんだと思うんですね。  例えば、ヤクルトという商品ありますけれど、御案内のとおり、ヤクルトレディーが日本で売るという独特なビジネスモデルを持っておりますけど、東南アジアでも同じやり方しているんですよ。やっぱり、それはヤクルトおばさん、どこの国でも、ベトナムでも、現地の人が、顔見知りの人がやっぱりその健康食品を売っているということで販売が進むということもありますので、政府機関の間の連携、これも極めて重要でありますけれど、どこまで現地コミュニティーに食い込んでいけるか、浸透していけるか、こういう視点も極めて重要だと思っております。
  121. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 先ほど来から、やはり成長で、ある意味での経済というところが重要視されるんですが、やはり我々は、日本の考え方も含めて世界の皆さんにも納得していただけるような意味での我々の生活様式やら考え方というのを提供するんだろうと思うんですね。そういうものが常任理事国につながっていったり、広い意味を持ちますので、どうぞこの機構が余り、余りというか、重要なことなんですが、経済に特化していただくのは結構なんですが、やはりそういう使命も帯びた活用の仕方というのも併せて考えていかないと、やはり企業戦士的な話になって世界の信用を逆に失うというようなことも心配されますので、総合的にお願いしたいというふうに思っているんです。  そこで、時間がありませんので要望だけにしておきますが、ジェトロもそうなんですが、途上国はJICAが非常に頑張っていますよ。シーズ、ニーズをよく知っています。それは生活様式に入っているからです。ジェトロの皆さんは、どちらかというと経済部門の、まあ経済社会というイメージですね。ですから、そういうところの、何といいますか、意見などを吸い上げるにしても、やはりこのJICAというものをどのように活用するかというのも一つの私はポイントだろうなと、このように思って先ほど来の質疑を承っていた次第でございます。  そういう観点で、今後ともいろいろと課題はあろうと思いますが、まあ思いっ切りやってみてください、もう前進というような気持ちで。  終わります。
  122. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 ありがとうございます。  茂木大臣並びに佐藤政務官に質問したいと思います。  クール・ジャパンというのは、ずっと議論してきましたように、大変日本にとってはこれからのアベノミクスの第三の矢にも関連するとても重要な課題だと思います。  しかし、このところのクール・ジャパン、特にそのコンテンツ海外での売上高の傾向を見ていますと、四、五年、毎年のように減少傾向にありますよね。例えばアニメですと、二〇〇七年で二百六十三億円の売上げがあったのが一一年には百六十億円、百億円以上減少しています。また、家庭用のゲーム、これ最大の日本のクール・ジャパンの売り商品だったんですけれども、やはり五千六百億円の売上げがあったのが今では二千九百三十億円、二千六百七十億円も売上げが減少しています。  これまで、政府、様々な形でこの日本コンテンツ海外に売り込むために人も金も掛けてきたと思うんですけれども、結果的に、この四、五年の傾向を見ると、全くもってその支援の効果が出ていないどころか、売上げがどんどん減少している。この最大の原因はどこにあると分析されているんでしょうか。
  123. 佐藤ゆかり

    大臣政務官佐藤ゆかり君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおりでございまして、近年、コンテンツ海外展開に当たりまして、まずその海賊版の存在というものが大きな障害の一つになっていると認識いたしております。  海賊版対策の強化でございますけれども、これはもう官民挙げて取り組むべき重要な課題でございまして、このために、まず経済産業省と文部科学省で二〇〇二年に一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構、CODAを設立いたしております。特に被害が深刻でございます中国、韓国、台湾等を中心に、現地の司法当局とも連携いたしまして、CDですとかDVD等の侵害物品の摘発等の海賊版対策には取り組んできております。ちなみに、このデジタルコンテンツの違反配信等に対しましても削除要請などをこのCODAが行いまして、一定の効果を上げてきているというふうに認識をしております。  ただ、原因といたしましては、近年、特にアジア市場中心としましてコンテンツのやはり価格の下落というものも非常にすさまじいものがあるというふうにも認識をいたしておりまして、ある意味、価格破壊のようなものもコンテンツ市場アジア中心に起きているということも要因一つではないかというふうに考えております。  こういったところも含めまして、我が国といたしましては、更に日本コンテンツ海外展開を一層推進いたしますために、まず平成二十四年度の補正予算で百五十五億円計上をいたしましたけれども、コンテンツの字幕や吹き替えといったローカライズのための支援措置、それからプロモーションへの支援措置等を開始したところでございまして、引き続きこの日本ブームの創出に向けたコンテンツ輸出の促進に努めてまいりたいと考えております。
  124. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 是非、新しい機構ができる、その活動の一つに、違法コピーですとか海賊版、これはやっぱり取締りをしっかりやらないと、これは日本だけの課題でないと思います。アメリカだって中国で違法ソフトに大変な被害が出ているわけですから、やはり国際的な違法コピーに対する取締りですとか海賊版に対する対策、これをしっかり考えていただきたいと思います。  実は、クール・ジャパンのもう一つの和食、日本食ですよね、これも世界的にどんどんレストランの数は増えています。しかし、日本食という看板を掲げていながら、すし屋だとか言っていながら、実態は日本食とは似て非なるような、そういうまがいものの和食もどんどん広がっているわけですね。こういうことを放置しておけば、日本食日本文化そのものに対する誤解、これもはびこる結果になると思うんですね。こういうことに対して、先ほどの違法コピーの対策と同じように、日本食あるいは日本の伝統的文化の偽物をどういう形で抑えるのか、その辺りの検討もされているのかどうか、現状をお聞かせください。
  125. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) このクール・ジャパン戦略推進する上でも、更に言いますと日本の国際展開戦略推進する上でも、知財の問題、そして海賊版対策、極めて重要な課題だと、こんなふうに考えております。  和食をどこまで知財の範囲でカバーできるかということというのはなかなかこれから議論が必要だと思いますけど、まず必要なことというのは、本当のいいもの、本当のまがいものではないいいものをきちんと提供することによって、現地の方にも本当の和食というのはこういうものなんだということを知っていただくということが私は重要ではないかなと考えております。
  126. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 私も全くそうだと思いますね。やはり本物の、先ほど漢方の話出ましたけれども、医食同源というのか、日本人がこれだけ世界から注目を集める長寿国、その一つの原因はやっぱり日本食にあると思うんですよね。また、ライフスタイルとして、自然とともに生きる、そういうようなこともこれからどんどん和の発想として世界に売っていくべきだと思うんですがね。  そうは言っても、なかなか世界には、そういうおいしいとこ取りをしようとしている、そういう国もたくさんあります。例えば日本語、これも七〇年代、八〇年代は大変なブームになりましたですね。私もニューヨークにいたことがあるんですけれども、当時は宮本武蔵の五輪書、これが大ベストセラーになった。その背景は何かというと、日本の大変強い経済力。アメリカ企業がどんどん日本に買収されて、アメリカ人も日本企業で働かなくちゃいけない。そこで認められるためには、箸がちゃんと使えないと駄目だ、日本食がちゃんと立派に食べられないと駄目だ、その背景にある日本の哲学、思想も学ばなければいけないというので宮本武蔵が売れたわけですよね。ところが、その後二十年に及ぶ停滞する経済によって、日本語とか日本文化に対する関心がどんどん低下してきます。  その一方で、例えば中国。孔子学院等を政府が全面的にバックアップして、中国語、中国の歴史、中国の文化そのものを海外にどんどん打って出る。また、アメリカにおいて、放送局まで買収したり自前のものを立ち上げているわけですよね。そうなると、どうしても日本との間の違いというんですかね、明らかになってくる。中国の大きな経済力、これを彼らは武器にして、もうこれからは日本の時代じゃなくて中国の時代ですよ、だから中国語を学ぶ必要がありますよと、こういう戦略ですよね。  ですから、私は、アベノミクスで日本経済を今強力に押し上げようとしている、このアベノミクスに日本のクール・ジャパンをうまく一体化するという発想が欠かせないと思うんですよね。今の中国のやり方とは違う価値観を世界にアピールする、そのことを是非大臣御自身が、いろんな海外での活動を通じて体現していただきたい。総理とともに日本のそういった文化をあらゆるところで紹介する、本物を広めるということが大事だと思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
  127. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 御指摘のとおりだと思っておりまして、まずアベノミクス、これは完全に英語になっています。なかなか、個人の政策といいますか、これが英語になるというのは少ないんですね。恐らく先日お亡くなりになったサッチャーイズムとかレーガノミックスぐらいじゃないかなと。小泉さんだってコイズミズムとか言われなかったんですから。それだけやっぱり認知度というのは日本経済政策について高まっていると。そして、やっぱり強い経済、これを取り戻すことが日本に対する関心を海外で生むということに私もなると考えております。  そして、やはり日本らしさというのは、単にお金で物を買ってきちゃう、資源を買ってくるということではなくて、同時に、例えば資源開発においても、技術移転を行う、人材育成も行う、そして地域のコミュニティーの再生も行っていく、日本らしい支援であったりとか協力であったり、ビジネス展開をする、このことも私はクール・ジャパンではないかなと、こんなふうに思っております。
  128. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 その点、私も全く同感であります。  それを政策として進めるに当たって、やはり今まで、これまで議論のありましたように、文科省ですとか外務省ですとか国交省、農水省、いろんな役所が各々が各々の観点からクール・ジャパン、これを進める動きをやってきましたよね。ですから、その辺りを、経産省がいいのかどうかは別にして、やはりどこか司令塔が必要だと思うんですよね。各々の役所の連係プレーがもっともっと機動的に働くような仕掛けを考えておかないと、お互いに足を引っ張るということもあり得ると思うんですけれども、各役所の間のこのクール・ジャパンに対する取組をどういう形で連携を加速させようとしているのか、最後にお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  129. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 安倍内閣におきましては、クール・ジャパン戦略の担当大臣も置かさせていただきました。その下で、今後、省庁間の連携、しっかりと強めていきたいと思っております。
  130. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 時間が参っております。
  131. 浜田和幸

    ○浜田和幸君 はい。終わります。  ありがとうございました。
  132. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  133. 松田公太

    ○松田公太君 みんなの党の松田公太です。  株式会社海外需要開拓支援機構法案について反対の立場で討論をさせていただきます。  日本のすばらしさを世界に伝える、海外で育った私にとってこれは経営においても政治においても大きな目的の一つであります。したがって、クール・ジャパンという名称が適切かどうか別にしまして、日本文化を生かした商品サービスコンテンツを世界に広めていこうという考え方には大いに賛同できるところでございます。しかし、本法案は、長期的に見れば海外需要開拓にとってむしろマイナスの部分も多く、反対せざるを得ません。  以下、理由を述べます。  官民ファンドは、投資対象となる事業者の甘えを生む可能性が極めて高いと考えております。本法案でも、支援基準としては、収益性のみならず、波及効果が想定されており、非常に曖昧です。機構支援においては、通常の民間のファンドなどが出資をする場合よりもかなり甘い査定になることが明白です。このような査定だと事業者は、自分のお金じゃないからという気持ちになり、何が何でも成功させようという意欲が生まれにくいものです。どんな事業でも失敗に終わる最大の原因は、執着心のなさやお金の使い方です。  今は世界的に見ても日本ブームになっているようなので、日本商品サービスを持ち込めばヒットする、ビジネスはそんなに甘いものではありません。そもそも、インターネットで他国の状況を瞬時に知ることができる現代社会において、日本での大きな成功を収めずして現地だけでヒットするということはないと考えるべきでしょう。逆に、既に日本でヒットをしているということであれば、そのノウハウを生かし、資金調達をして独自に海外展開することが可能なはずです。  また、日本で成功したものだとしても、現地文化、宗教、感性、ライフスタイル、徹底的に検証し、改善と改良を続けなければ根付くのは難しいでしょう。このような企業努力は、自らがリスクを背負って闘っている事業者だからこそ可能になるのです。機構による支援はこのような企業努力を妨げる可能性があり、短期的には日本企業海外進出が増えるかもしれませんが、中長期的には撤退が増え、むしろ日本ブランドのイメージを著しく傷つけるものになりかねないと考えます。  また、当然のことながら、海外進出事業はハイリスクであり、そのリスクを誰が負うのかというと、大本の出資者である国、すなわち納税者である国民なのです。クール・ジャパンという大義名分を盾に五百億円、さらには数千億円と膨れ上がる可能性の高い税金の無駄遣いをするべきではありません。一時的にもうかったのは、支援企業として選ばれた一部のテナントリーシングやコンテンツのグッズを売る大手企業のみということになってしまうでしょう。  さらに、本機構が天下りや出向に使われる可能性も否定できません。本法案は、この懸念に対する対策を何ら講じておりません。  日本文化は自分たちが言うほどまだ一般的にクールとは思われておらず、世界の一部の方々だけが楽しみ始めた状況でしかありません。また、その手法やスタイルは既にまねされ始めており、独占できるものでもありません。日本オリジナルコンテンツの保護をサポートすることと、次世代のクリエーターや文化人、そして国際的に独自に羽ばたける起業家を育てることに注力するのが国が取り組むべき課題だと我々は強く感じております。  よって、みんなの党は本法案に反対とさせていただきます。  ありがとうございました。
  134. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  株式会社海外需要開拓支援機構法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  135. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、安井美沙子さんから発言を求められておりますので、これを許します。安井美沙子さん。
  136. 安井美沙子

    安井美沙子君 私は、ただいま可決されました株式会社海外需要開拓支援機構法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党及び新党改革の各派並びに各派に属しない議員浜田和幸君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     株式会社海外需要開拓支援機構法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 財政投融資特別会計からの五百億円の株式会社海外需要開拓支援機構に対する出資に加え、民間からも相当額の出資が得られなければ対象事業者がモラルハザードを生ずる懸念があることから、五十パーセント未満を限度として民間からの出資比率を高めるよう努めること。  二 株式会社海外需要開拓支援機構がその機能を十分に発揮するためには、民間目利き等の能力を有する人材が必要となることに鑑み、人材の十分な確保及び積極的活用等を図るよう努めること。また、早急に支援決定の具体的な基準及び手続を定め、他の類似組織との機能分担を明確にし、加えて出資対象の審査を継続的かつ厳格に実施する内部体制を整備するなど事業内容等に対する厳正なチェック機能を確立することにより、所期の目的を達成して、出資の保全・回収が確保されるよう努めること。  三 クールジャパン推進に当たっては、その戦略及び具体的な数値目標を明確に示すとともに、クールジャパンを構成する優良なコンテンツ等を生み出す総合的な施策を構築するよう努めること。  四 クリエイティブ関連企業の多くは中小企業であることに鑑み、下請振興等国内における支援措置を整備し、加えてこれからの海外展開支援していく上で株式会社海外需要開拓支援機構による資金面での支援にとどまらず、市場調査、販路開拓を始めとする省庁横断的な支援策が必要となるため、関係省庁間で緊密な連携を図り、施策の効果的な実施に努めること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  137. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいま安井美沙子さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  138. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 多数と認め、よって、安井さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、茂木経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。茂木経済産業大臣
  139. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、法律の実施に努めてまいりたいと考えております。
  140. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  142. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 小規模企業事業活動活性化のための中小企業基本法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。茂木経済産業大臣
  143. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 小規模企業事業活動活性化のための中小企業基本法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  我が国に存在する四百二十万の中小企業のうち、約九割、三百六十六万に及ぶ小規模事業者は、地域の経済や雇用を支える存在として重要な役割を果たすとともに、その成長によって日本経済全体を発展させる重要な意義を有しています。  しかしながら、小規模事業者は、資金、人材等の経営資源に制約があることなどにより、近年、企業数、雇用者数が共に減少しており、小規模事業者に焦点を当てた施策を重点的に講じ、その事業活動活性化を図っていくことが必要であります。  以上が本法律案を提案した理由であります。  次に、本法律案要旨を御説明申し上げます。  第一に、小規模企業の意義等の明確化であります。地域経済の安定と経済社会の発展に寄与するという小規模企業の意義を中小企業基本法の基本理念に規定し、これを踏まえて施策の方針を明確にします。また、海外展開推進や情報通信技術の活用等、中小企業・小規模事業者成長を後押しするために必要な施策を基本的施策として追加をします。  第二に、小規模企業の定義の弾力化であります。小規模企業の多様性に着目し、特定の業種について小規模企業の範囲の変更を政令で行うことができるよう、中小企業信用保険法等の個別の支援法に規定を追加します。  第三に、中小企業・小規模事業者資金調達の円滑化であります。中小企業信用保険法における信用保証の対象に、電子記録債権の割引など、電子記録債権を活用した資金調達を追加します。  第四に、中小企業・小規模事業者への情報提供の充実であります。情報通信技術を活用して、中小企業・小規模事業者に対して専門家の紹介等を行う者を国が認定し、独立行政法人中小企業基盤整備機構の協力等の支援措置を講ずる旨を中小企業支援法に規定します。  第五に、下請中小企業の販路開拓であります。下請中小企業連携して、自立的に取引先を開拓する計画を国が認定し、中小企業信用保険法の特例等の支援措置を講ずる旨を下請中小企業振興法に規定します。  第六に、中小企業・小規模事業者事業再生の促進であります。株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法を改正し、債務の株式業務を追加します。  第七に、小規模事業者に対する金融措置の抜本強化に伴い、小規模企業者等設備導入資金助成法を廃止します。  以上が本法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
  144. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時十四分散会