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政府参考人(神田裕二君) 先生御
指摘のように、WHOの国際疾病分類については、現在、いわゆるICD11に向けました改訂作業が進められておりますが、今次の改訂では初めて東
アジア伝統医学の分類を組み込むプロジェクトが立ち上がっております。昨年五月にはICD11の草案が一般公開されまして、現在、日中韓の医療現場における実証実験の実施が予定されているという
段階でございます。今後、
専門家によるICD11の草案の査読ですとか実証試験の結果を踏まえまして、二〇一五年にWHOから勧告が行われる予定というふうに承知しております。
我が国は、東洋医学を実践する主要国の
一つとしまして、
日本東洋医学会の
専門家、具体的には慶応大学の渡辺先生にWHOの関係会議に
出席して共同議長として議論に加わっていただいているところでございます。厚生労働省としては、このほか、渡辺教授が
出席いただきますWHOの会議に
政府の担当者を派遣しまして、韓国、中国との交渉に積極的に参加してきているところでございます。引き続き、東洋医学会とともに
日本の伝統医学の考え方が反映できるようにWHOの会議に今後とも
政府の担当者を派遣しますとともに、ICD11の草案に対する査読に際して
専門家を登録したり、あるいは実証試験の実施医療
機関を募るなど、積極的に協力、
支援していきたいというふうに考えております。
それから、センターの活動状況ということでございますけれども、これにつきましては、
我が国の発言力を確保するということから、二〇一一年の九月に
日本東洋医学会を含む四
組織とともに厚生労働省も加わる形で
日本協力センターの指定を受けております。現在、
日本協力センターにおきましては、ICD11の改訂作業につきまして、東洋医学分野及び内科分野における国際
専門家から成る改訂作業グループの事務的
支援などを行っているところでございます。
それから、拠出金についてのお尋ねがございましたけれども、
政府が行います拠出金としましては、加盟国が義務的経費として支払い、使途を特定できない分担金というものと、分野を指定した上で任意で拠出する任意拠出金の二種類がございます。このうち分担金については
日本は世界第二の負担国で四十七億を分担しておりますけれども、一般的にはWHOの主な
業務として各種基準作りというのがございますけれども、ICDの見直しもこれに該当しますので、このようなWHOが幅広く
専門家委員会の意見を聞き公正な立場で行うことが求められる
業務については、基本的には各国が義務的経費として支払う分担金が用いて行われているものと承知しております。具体的には、この改訂を担当しておりますインフォメーションエビデンスリサーチという部局にもこの分担金が使われていることから、
日本も応分の分担はしているものというふうに考えております。
ただ、任意の拠出金ということで
民間で拠出をされております
日本東洋医学会が、WHOの方に、このプロジェクトの年間三億円の
予算の使途ですとか、日中韓のそれぞれの三か国の分担額がどうか、それから
日本の拠出金の使途等について問合せをしているところでございますけれども、WHOの担当者からは必ずしも明確な回答がないというふうに承知をしております。