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2013-05-21 第183回国会 参議院 経済産業委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十五年五月二十一日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  五月十五日     辞任         補欠選任      藤原 正司君     梅村  聡君      岩井 茂樹君     石井みどり君      関口 昌一君     高階恵美子君  五月十六日     辞任         補欠選任      梅村  聡君     藤原 正司君      石井みどり君     岩井 茂樹君      高階恵美子君     関口 昌一君  五月二十日     辞任         補欠選任      松田 公太君     水野 賢一君     はた ともこ君     佐藤 公治君  五月二十一日     辞任         補欠選任      佐藤 公治君    はた ともこ君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         増子 輝彦君     理 事                 大久保 勉君                 安井美沙子君                 柳澤 光美君                 岩井 茂樹君                 松村 祥史君     委 員                 高橋 千秋君                 轟木 利治君                 直嶋 正行君                 藤原 正司君                 岩城 光英君                 佐藤ゆかり君                 関口 昌一君                 塚田 一郎君                 牧野たかお君                 宮沢 洋一君                 長沢 広明君                 水野 賢一君                 佐藤 公治君                はた ともこ君                 荒井 広幸君    国務大臣        経済産業大臣   茂木 敏充君    副大臣        経済産業大臣  赤羽 一嘉君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       佐藤ゆかり君    事務局側        常任委員会専門        員        奥井 俊二君    政府参考人        消費者庁審議官  草桶 左信君        財務省主計局次        長        中原  広君        経済産業大臣官        房審議官     宮本  聡君        経済産業大臣官        房審議官     後藤  収君        経済産業省経済        産業政策局長   石黒 憲彦君        経済産業省産業        技術環境局長   鈴木 英夫君        経済産業省商務        情報政策局長   永塚 誠一君        資源エネルギー        庁省エネルギー        ・新エネルギー        部長       新原 浩朗君        資源エネルギー        庁電力ガス事        業部長      糟谷 敏秀君        国土交通大臣官        房技術審議官   坂下 広朗君        環境省総合環境        政策局長     白石 順一君        環境省地球環境        局長       関 荘一郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○エネルギー使用合理化に関する法律の一部  を改正する等の法律案内閣提出衆議院送付  ) ○参考人出席要求に関する件     ─────────────
  2. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日、はたともこさん及び松田公太君が委員辞任され、その補欠として佐藤公治君及び水野賢一君が選任されました。     ─────────────
  3. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認めます。  それでは、理事岩井茂樹君を指名いたします。     ─────────────
  5. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  エネルギー使用合理化に関する法律の一部を改正する等の法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁審議官草桶左信君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) エネルギー使用合理化に関する法律の一部を改正する等の法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  8. 轟木利治

    轟木利治君 おはようございます。民主党轟木利治でございます。本日はトップバッターとして質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  早速でございますけれどもエネルギー使用合理化に関する法律の一部を改正する法律案について御質問をさせていただきます。  まず、トップランナー制度についてでございますけれども民生部門省エネ対策についてトップランナー制度を導入し、窓、断熱材等を追加するとございますけれども消費者商品性能を目で見て分かる表示方法は重要と考えております。  例えば、これまでのトップランナー制度でいきますと、乗用車、エアコンのように星の数で性能表示することによって消費者として高性能商品を選ぶことができ、また消費者としては省エネによるリターンを考慮し、購入に至ると思います。よって、窓、断熱材等表示に、消費者にどのように見える形にするのか。特に住宅に関していえば、注文住宅ですとかリフォームはそれぞれの材料自分で選ぶことができるわけですが、建て売り住宅とかマンション等のときの表示をどのようにされるのか、お聞きをしたいと思います。  また、中小大工さんですとか工務店における対応は大丈夫なのかという点についても心配されるところであります。この点についても、取組についてお伺いしたいと思います。
  9. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) お答え申し上げます。  御指摘のとおりのところがございまして、今回の法律では建築材料ごとに、断熱材であれば熱の通りにくさを示す値とか、あるいは建築材料小売事業者に対しても省エネ性能表示努力義務を規定しているわけでございます。ただし、御指摘のとおり、自分リフォームを行う場合はよいとしても、あらかじめこの断熱材などが組み込まれた建て売り住宅購入するケースでは、必ずしもそれだけで分かりやすい表示とは言い難いと考えております。  そこで、今御指摘のこのばらつきがある場合の星の数での目安での表示、あるいはこの建材を用いた場合のメリットを表示するなどといった具体策を検討してみたいと思っておりまして、この場での委員問題点をきちんと総合資源エネルギー調査会の方に提示をさせていただきまして、具体的な対応をどうするか議論をさせていただきたいと思っております。  それから、中小大工工務店に対する対応のところでございますが、御指摘のとおり、実際、建築材料大工工務店を介して供給されることがほとんどでございます。流通の中間にいる大工工務店の意見を踏まえて現場の感覚を制度の施行に十分取り入れることが重要だと思っておりまして、法案成立後、国会における御審議内容を踏まえて総合資源エネルギー調査会において検討を行うことになるわけですが、その際、建材業界団体であります業界五十五社が会員となっている日本建材住宅設備産業協会代表委員、あるいは中小工務店業界団体代表委員に加わっていただいて議論をしたいと思っております。  それから、決定後は関係省とも相談をして、大工工務店団体等を通じて制度内容周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
  10. 轟木利治

    轟木利治君 是非消費者が目で見て分かるような、またそれを施工する大工さんですとか工務店もしっかりこういったことを趣旨を踏まえてやっていただけるようにお願いを申し上げたいと思います。このトップランナー制度というのは、日本石油危機のときから取り入れてきて本当に効果を発揮し、日本における省エネ技術というのが確立され、世界に発信されてきたということだと思います。こういったトップランナー制度そのもの世界に普及するように、経産省、エネ庁さんとしてしっかりそういった思いで普及活動も進めていただければなと思っております。  それから、もう一つの柱でございます電力ピーク対策についてお伺いをしたいと思います。  電力ピーク対策について、ピーク時間帯に工夫して系統電力使用を減らす取組節電をした場合にこれをプラスの評価にすることで、省エネ法努力目標であります原単位の改善率年一%を達成しやすくなるような努力目標算出方法を見直すということになっております。  当然、これまでは電力の総量を省力というか減らすことで評価になったわけですが、さきの原発事故以来、電力の特にピーク時間帯、一般的には十三時から十四時ぐらいをピーク時間と言いますけれども、その細かいところじゃなくて、やっぱり夏場であれば昼間、冬場であれば逆のパターンもあるかも分かりませんが、こういったところを削減することに対して評価をしていくんだということは、これは最もあるべき姿だと思います。  こういった具体的な見直し方法をどのように見直しされるのかということをまず一点お聞きしたいのと、また、法文でいきますと、蓄電池なんかを使って、器具を使ったピーク対策が挙げられております。このことは理解をするわけですけれども、実は従来から、ピーク時間帯の電力を回避して、できるだけ抑えていくような勤務シフトをやっていたり、特に夏場なんかはピークカットといって、電力会社からの要請で昼間生産を止めるとか、こういったところも協力をしてやってきている。そしてまた、ピーク時間帯だけではなくて、電力を使いやすい土日、休日に生産を集中してやるとか、こういったこともやってきている電力消費産業に対する評価はどのように位置付けされているのか、お聞きしたいと思います。
  11. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) まず、法律努力目標見直し内容についてお答えをさせていただきます。  蓄電池の導入は電気購入量自体を増加してしまいまして、努力目標がクリアしにくくなるという問題が発生しております。この問題を解消するために、今回の省エネ法、五条でございますが、経産省が工場などでエネルギー使用基準を定める際に電気需給環境を勘案して定めることができるようにいたしまして、今後、ピーク時の電力使用量を高くカウントするなどというやり方で努力目標算出方法を変更していくことを考えております。  次に、電力消費産業への評価でございます。  これは、委員指摘のとおり、特に鉄鋼化学を始めとする素材型産業では、これは元々、震災以前から二十四時間体制の操業、あるいは副生ガスを活用した自家発電といった形で昼間のピークを抑制することに御協力をいただいてきたところでございます。震災直後の夏の節電においては、例えば鉄鋼業の場合、五月十六日というかなり早い段階で自主行動計画を策定いただきまして、生産設備の計画的な停止あるいはピーク時間前後への生産の期間的なシフト等、厳しい対策を実行いただきました。私ども試算値で、主要十五社で二六%、百十万キロワット程度のピークカットを実現いただいたと理解をしております。  続く平成二十四年度の夏期においても私どもフォローアップ調査をしたわけでございますが、電力需給の厳しい見込みであった関西、四国、九州、北海道の四地域において、八割の企業が照明の小まめな消灯を実施され、空調の温度見直しについても七三%の事業者に実施いただき、その他操業日操業時間帯のシフトについても御協力をいただいたということでございます。  このように、委員鉄鋼業の御出身でございますが、鉄鋼業の皆様には本当に震災以降の節電で大変な努力と大きな成果を上げていただいており、私どもとしても大変感謝をいたしているところでございます。
  12. 轟木利治

    轟木利治君 ありがとうございました。適切な評価をしていただいているということに関しては感謝を申し上げたいと思います。  今御答弁いただいたように、鉄鋼業ということで一くくりにして表現をしていただきましたけれども鉄鋼業の中でも高炉電炉がございまして、高炉は逆に電気を発生する側の立場で、電気をほとんど使わない、副生ガスを使って電気を発生していますので、電力消費産業とは言えないと思っております。正確に言っていただけるのでしたら、電炉業という形で言っていただいた方が、鉄鋼業一くくりで言われると、両方の立場がございますので、是非そういったところを。  特に電炉業なんかは、もうこれは宿命的に電気を多く使わないとやっていけない産業であり、また、原料となる鉄くずなんかもこれは全て一〇〇%国内で賄っておりますので、そういった面で私は、電炉業というのは電気を使うことについては批判を浴びるところがございますけれども、私は、やはり社会貢献の高いリサイクル業であると、こういった位置付けでおりますので、そういった面でも是非そういった評価をしていただければなと思ってございます。  この法案質問はこういったレベルでございまして、また全体の、特に電力に関して、これから少しお聞きをしたいと思っております。  大臣にお聞きしたいと思いますが、電力料金単価レベルについてお聞きをしたいと思うんですけれどもエネルギー、特に電力について、大臣は所信で、エネルギーの安定かつ安価な供給は我が国にとってまさに生命線であると述べられております。このことは全く私も異論はないところでございます。  ここで少し細かいことをお聞きしたいと思うんですが、このエネルギーというのは、電力ということで置き換えて考えた場合、大臣がおっしゃっている安価というこの意味合いで、安価な電力料金レベルというのはどのようなレベルというか単価考えておられるのかと。特に原発事故前と後の電力料金に関する大臣のこの安価という単価に対しての考え方。  そして、特に産業用について、当然これは日本経済業界は六重苦の一つとしてもう今とらえられているわけですが、そういったときを見るときに、世界の中での日本産業用電力料金、特に韓国ですとかドイツ、そこら辺りとの比較において現状どういったレベルであるとお考えなのか。そしてまた、あるべき姿としてどういったレベルをお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
  13. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 電力コストにつきましては、一つはやはり安定供給と。日本安定供給という意味では世界トップレベルであると思っておりますが、もう一つ、御指摘のように、低廉、安価な電力供給すると。これが国民生活上も企業活動上も極めて重要だと、こんなふうに考えておりまして、もちろんそれぞれの国によりまして安定供給の状況であったりとか、また、環境への配慮であったりとか、電源構成も違っておりますので、一律に幾らだったらいいということはありませんけれど、これまで少なくとも二〇一〇年ぐらいまでの間には、日本電気料金高いと言われたものが、かなり諸外国とのそういったギャップも縮まってまいりました。  ただ、残念ながら三・一一を契機といたしまして、火力に今九割依存をするということでありまして、電気料金、各電力会社が引上げの申請を行いまして、本当に我々としては、それが最大限の経営合理化努力を踏まえたものになっているかどうか厳正な審査を行った上で料金値上げ許可をしておりますが、それでも上がってきているのは確かでありまして、今後、やはり世界に遜色ない料金レベル、こういったものを目指していかなけりゃいけない、そのためにも、まずはやはり調達源多様化を図る。  そして、先日もシェールガスアメリカからの輸出許可が下りたわけでありますけれど、御案内のとおり、今アメリカでは、シェールガスというかLNG、国内で恐らく直近、足下で四・五ドルぐらいで推移しているんじゃないかな、一時三ドルという時代もありましたけれど、これを液化して日本に輸送しても、液化で三ドル、そしてまた輸送で三ドルということですから、十ドル台の前半で入ってくるということになりますと、今の平均的な買い付け価格十六・五ドルより、百万BTU当たりですけれど、相当安くなってくるんではないかなと考えておりまして、そういった安価で、そしてさらに調達先多様化を図っていく、こういったことが重要だと思っておりますし、同時に、電力システム、この改革を進めることによって様々な企業、それぞれの電力会社が様々な料金メニュー、これを設定することによりまして、恐らく企業にとってもまた家計にとっても、自分なりにこういう体系だったら安く感じると、使う時間帯もありますから、様々なメニューを用意するということも、全体的に安価な電力供給ということにもつながってくるんではないかなと思っております。
  14. 轟木利治

    轟木利治君 ありがとうございます。  これから質問をする予定のところまで大分お答えいただいた形になっておりますが、またそのときにお答えいただければなと思ってございます。  私がお聞きしたかったのは、大臣日本電力料金というものを、そのレベルをどう考えられているかということであって、まあ一言で言えば安くはないんだということだろうと思います。特に震災が起きるまでは、確かに、それまでの三十年間を見て、トレンドで見ていきますと日本電力料金が安くなってきているというのはもうこれは事実だろうと思いますし、一番はやはり世界に誇れる安定的な供給ができてきたということが一番世界に誇れる点だろうと思います。  ただ、やはり産業用において考えたときに、日本競争力又は海外へのシフトを防止するという意味では、やはりレベル的には高いと言わざるを得ないと思っています。特に韓国なんかとよく比較されるんですけれども、あそこは国が相当援助しているというところもありますけれども、相当安いということ。さらに、先進国の中でも、ドイツなんかでは再生エネルギーを大量に入れるとか、原発を今後やめていくという方針を出しておりますが、そういった中でも産業用を見ると今の日本レベルよりも安くなっていると。これも国の方針というのを明確にされている結果だとは思いますけれども、そういった意味で、この電力料金雇用なりそして国民生活に影響を与えないようにこれからどうしていくかというのが大きな最大の課題だと。  それで、先ほど大臣がおっしゃった点も、今後の対策として大きなポイントになろうかと思いますけれども、その議論はまたさせていただきたいと思っております。  これはまた大臣にお聞きしたいと思うんですが、電力を多く使う電力消費産業についてお伺いをしたいと思います。  先ほど申しましたように、私は国内産業用向け電力料金は高いと受け止めております。また、今現在電力各社料金値上げを実施しております。このレベルは、電力消費産業が多く活用している深夜料金に関しては四〇%前後の値上げになっております。このことが、それほど高いレベルというのを考えたときに、深夜を活用している産業にとってはもう四〇%ぐらいの値上げになっていますので、これは非常に大きな経営的なコストになっているということでございます。  したがって、大臣にお聞きしたいのは、国内電力消費産業大臣に問われた場合、どのような産業を認識をされているか、その点についてお伺いをしたいと思います。
  15. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 国内電力消費産業、もちろん一律な定義があるわけじゃありませんけれど、先ほど委員も御指摘いただいた電炉であったりとかアルミであったりとか、それから化学、こういうのはやっぱり一般的には電気を使うんだと、そんなふうに思っておりますが、一つ参考になりますのが、電力消費産業考える上で一つ参考になりますのが固定価格買取り制度賦課金減免措置適用業種、これがあると思っておりまして、この固定価格買取り制度では、例えば製造業の場合、売上高当たり電力消費量製造業平均の八倍を超える事業者電力消費事業所として賦課金減免を受けることができる旨、規定をしてございます。  減免を受ける金額の見込みが多い業種としては、これは電炉も加えてということでありますけれど、鉄鋼が五十一・二億円、化学が三十二・四億円、非鉄金属が十六・二億円、電子部品半導体製造等が十六・一億円、鋳造が九・四億円などとなっておりまして、固定価格買取り制度上で考えればこれらの産業が一般的に電力消費産業と言えるんではないかなと思います。
  16. 轟木利治

    轟木利治君 ありがとうございます。  今大臣がおっしゃった中でもう少し追加していただきたいなと思ったのが、産業的にいうと鋳造業鋳物業でございます。今大臣おっしゃったのは電炉アルミ化学という形で……
  17. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 言いましたよ。
  18. 轟木利治

    轟木利治君 言いましたか、最初言われなかったのでちょっと一瞬びっくりしたんですけれども。  アルミに関して言うと、私は、歴史からいくと、アルミの製錬はもう日本で行っておりません。これは電力に対しても対応できないということで、もう鉄鋼の単語で言うと圧延から始まるのがアルミ事業になっていますので、そういったところを含めていうと、これから本当に電気がこのまま上昇するようなことになると、電炉とか鋳物業、こういった産業、そして化学でも、特にソーダ業になると思うんですが、そういったところの事業が推進できないと。  そういった意味で、先ほども国としての対応の中で、一つ制度の中でお話しいただきました固定価格買取り制度のときに、これは、当時民主党が与党でしたけれども、自民党さん、野党さんとも協議をしてその法案が成立したわけでございますが、そういった中で考えたときに、我々の議論の中でも電力消費産業としての定義付けはさせていただいて、そういった中で議論の結果、製造業の八倍電気使用する場合は減免、八割減免していくと。二割は払うということになりますので、これは製造業平均は払っていくということになるわけですが、さらに非製造業であれば十四倍、これが製造業の八倍に匹敵するということで議論をされてきた。たしか、大臣も今のところを見ていただくと分かると思うんですが、ベスト二十の企業を見ても、十社近くはもう電炉業でございます。そういったところで、多分電力料金が五円なり十円なり上がっていくと、とてもじゃないけど今の企業の収益から考え事業が存続しないと私は見ております。  こういったところも含めて是非ドイツですら、FITの場合は、やはり国際競争力なり、電気を多く使う産業はそのFITドイツシステムも免除していくというのがそのベースにあって、日本もそれを参考にして今回つくられたということになろうかと思っております。そういった意味で、やはり産業がなくなるときにはそこに雇用が失われるということになりますし、そういった面も是非理解をいただきたいと思っております。  今大臣電力消費産業に対する影響ということでおっしゃったのが、先ほどのFITにおける減免額だと思うんですが、今、実際実施されている電力料金値上げの影響というものを少しお話をさせていただきたいと思います。  電力消費産業への影響ということについてでございますけれども、東京電力値上げを昨年の四月から実施をいたしました。実質は実際ちょっと遅れた形にはなっておりますが、その値上げ幅、産業が使う特別高圧の二・三三円キロワットアワー、これを前提とすれば、電力消費産業の代表である先ほど言いました電炉業で年間三百三十億、それから鋳物業で百二十六億、非鉄製錬業で百二十億の負担増となると見られております。これは東京電力のベースでございますので、若干九州電力なんかはこれより低いわけでございますけれども。  そういった負担をできるだけ回避するために、この電力料金をアップさせない対策としても、これまでも安全な原発の再稼働、そして、先ほども少し大臣が触れられましたけれども、LNGに代わるシェールガスの活用が言われてきております。大臣として、電力料金アップの電力消費産業への影響をどう受け止められているかということと、また対策原発再稼働とシェールガスの活用に関してどのように進捗しているか、お伺いをしたいと思います。
  19. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 委員指摘のように、電力消費産業電気料金値上げに伴う影響、他産業も大変なんですが、特に大きくなっているということで、非鉄金属製錬業でいいますと百二十億円の負担増と、そして鋳造業でいいましても百二十六億円、そして普通鋼の電炉業ですと二百十億円、さらには特殊鋼電炉業ですと百二十億円と、非常に大きな負担になってきているということでありまして、これはこういった電力を多消費する産業についてもそうなんですが、あらゆる産業でやっぱり、電力というのは産業の米といいますか血液でありますから、これがやはり安定的にそして低廉に供給をされる、こういったことは極めて重要だと思っております。そこの中で、できる限りエネルギー源の多様化を図っていくと、そして安定供給、さらに電力料金の低廉化に努めていくと。  原子力でありますけれども、これにつきましては三・一一のあの福島第一の原発事故を受けまして、いかなる事情にも安全性を重視すると、優先をすると。そこの中で、その安全性については新しく立ち上げさせていただいた規制委員会の独自の判断に委ねると。そして、そこで安全性がチェックされない限りは原発の再稼働は行えない。一方で、規制委員会が安全だと判断をした原発につきましては、その判断を尊重して再稼働を進めるということにしております。  もちろん、この安全基準、絶対にこれさえクリアすりゃいいんだというものではなくて、常にこれは、電気事業者も始め関係者が、この基準を超えても更に上のもの、高みを目指していく、こういった努力も続けることによって、日本における原発の安全性、高めていきたいと思っております。  同時に、今LNGに四五%依存をしているという中で、御案内のとおり、今までは石油連動での買い付けということで率直に言って高い値段になっていると思うわけでありまして、いろんな調達源、これを多角化していく。そこの中で、今回アメリカからのシェールガスの、LNGの輸出の許可が下りたと、これは極めて私は大きいのではないかなと思っておりまして、御案内のとおり、日本企業が参画しておりますプロジェクト、三つございます、その一つ目が下りたということになるわけでありますけれども、あそこのフリーポートだけでも日本に入ってくる量が四百四十万トンと、恐らく二〇一七年ぐらいになるかと思うんですけれども、こういうことになってきますと、今の日本のLNGの総輸入量、これが九千万トンでありますから、五%それでカバーできるようになる。同時に、今ちょうど二〇一七年ぐらいからの長契の交渉が始まるところでありますから、この二〇一七年には安いLNGがアメリカから入ってくるよと、こういったことは日本にとってもいいバーゲニングパワーになっていくのではないかなと。  様々な手段を使いながら、全体的なエネルギーコストの低減も図っていきたいと思いますし、特に御指摘電力消費産業に悪影響が大きく及ばないように配慮もしていきたいと思っております。
  20. 轟木利治

    轟木利治君 ありがとうございます。  まず、大臣もよく御理解いただいているなという点について私なりに申し上げさせていただくと、安全という位置付けですね。特にいろんな方が見えるんですけれども、安全は完璧でなければならないとおっしゃるんですが、私も製造業にいた経験からすると、絶対安全というのは、そう思ってはならないわけであって、やっぱり人が目と耳で常に毎日のようにこの安全対策大丈夫かということをやっていくと、このことが重要であって、安全に終わりはないんだということを今大臣もおっしゃったんだろうと思います。そういったところ、形で、今後の、特に原発に関しても、規制委員会の安全をクリアしたからいいんだということではなくて、常に安全性を向上させるということが重要だろうと思っております。  若干、大臣が御答弁いただいた内容について再度ちょっと確認をさせていただきたいんですが、一つは、これちょっと経済産業省じゃない形になるか分かりませんが、原発の安全性を確認するときも、七月に規制委員会が安全の指針を出して、それをチェックするということになるわけですが、心配されるのは、規制委員会の体制が十分取れるかという、そのチェックのですね、その原発のチェックを受けるときの待ち時間が出るんじゃないかと、こういうことをちょっと心配をしておりますので、これは経済産業省として是非スムーズなチェック体制が取れるようにということをまず要請をお願いをしておきたいと思います。  それから、シェールガス、おっしゃったように発表があって、二〇一七年から入ると。当初は日本の五%ぐらいに匹敵する量が入るだろうと言われております。  お聞きしたいのは、これは是非やっていただきたいという強い思いもありましたけれども、私が若干気になるのは、TPPの関係でアメリカと交渉をされたときに、本来であればもうその段階からでもすぐにこのシェールガスというものを日本に取り入れると。今までのスタンスは、アメリカ経済連携していない国には提供しませんというのが表向きのスタンスだったと私は認識しておりますが、せっかく交渉をされた中でそういった動きがなかなかそのTPPの報告を見ても出てこないんですが、そういった議論はなかったのかあったのか、そういった点についてもう一度お聞きしたいと思います。
  21. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 一点目の原子力規制委員会の体制について、なかなか私の立場からこうあるべきだと言うこと難しい部分はあるわけでありますが、まず恐らく七月の十八日に新しい安全基準が出てくると。そうすると、炉の設置者の方で、この基準であったら自分たちの原発として安全性、今の段階ですぐ審査をしていただけるんではないかなと、こういうところから安全性審査の申請が上がってくるんだと思います。そして、それが幾つ上がってくるか分かりませんけれど、それに十分対応できるような体制を取っていただければ。  チームが幾つになるか。恐らく、炉の型ごとにチェックをするような体制を一般的に言うと私は取るんじゃないかなと。それとは別に地質の調査と、こういったものも含めてやっていかれるんだと思います。私から、いつまでに何基、これはチェックしろとか言う立場にはございませんが、当然、規制委員会においても一定のスケジュール感、一定の優先順位、こういうのを念頭に置きながら審査に入られるんではないかな、こんなふうに思っているところであります。  それから、シェールガスの話でありますけれど、これはTPP、二月に総理が訪米をしまして、アメリカのオバマ大統領との間で共同声明、これを発表したわけであります。その会談の際にも、安倍総理の方からオバマ大統領の方に、このシェールガスアメリカからのLNGの輸出について、これTPPのいかんにかかわりなく是非早期の承認をお願いしたいという要請がございまして、オバマ大統領の方から、同盟国としての日本立場というのはしっかり考え対応していくというお話でありました。  私も、ゴールデンウイーク、アメリカに行きまして、モニッツ長官がまだ議会の承認を得る前で、御案内のとおり、その段階では関係者とは会えないということで、ポネマンDOEの代行とお会いしたんですけれども、そのときにポネマン代行の方から、このLNGの輸出については日本にとって緊急そして最優先の課題であるということを十分認識をして審査を進めると、こういうお話がありまして、実は、モニッツ長官、議会の承認を得たのが十六日なんですね、そして十七日にはもう許可が下りたと。かなりアメリカ日本立場考えて早期の承認に動いていただいたんではないかなと、こんなふうに考えております。  相当ポテンシャルですね。私、先日、ゴールデンウイーク中にマーセラスといいますシェールガスのサイト、これはちょうどペンシルベニアからオハイオ辺り四州に掛かっている頁岩、シェールの層なんですけれども、ここでの採掘現場を見てきたんですが、ここは大体二〇〇六年ぐらいから生産を開始いたしまして、毎年一千万トンぐらい増産をしていると。現状で七千万トンです。日本のLNGの年間の輸入量が九千万トンということですから、あと二年するとマーセラスだけで日本のLNGが賄えてしまうということでありまして、相当なポテンシャルを持っているなと。そこから入ってくる分もありますけれども、それを行うことによってほかのLNGの供給国との間でも交渉力というのは私は高まってくると、こんなふうに考えております。
  22. 轟木利治

    轟木利治君 御努力に対しては評価をさせていただきたいと思います。感謝も申し上げます。ただ、それでも二〇一七年、あと四年ぐらい。設備で圧縮するための液化設備も必要だとは思いますけれども、できるだけ早くお願いを申し上げたいと思います。  ちょっと話が変わりますけれども、地球温暖化対策税の税収についてお聞きをしたいと思います。  エネルギーに関する負担として、昨年の十月から地球温暖化対策税がスタートしております。今年度において、制度導入時の想定税収に対して、先ほどから、三兆円以上のエネルギー日本の場合購入しているわけですから、当初の、三年前議論をしていたときよりも増えていると思うんですけれども、どれぐらい増えてきているのかということと、全体のこの税収に対してどのような対策に使われているかについて、簡単に御答弁をお願いします。
  23. 後藤収

    政府参考人(後藤収君) お答え申し上げます。  今先生がお話しいただきました地球温暖化対策のための税でございますけど、その税の導入時の議論におきましては、二十五年度における地球温暖化対策のための税の税収というのは約九百億円程度というふうに見込まれております。しかしながら、原子力発電の稼働の停止等により化石燃料の輸入の増加がしているという状況でございますので、石石税全体の増収も見込まれるということで、この温暖化対策の税と、この特例でございますので、これも想定に比べて数十億円程度の増は見込まれているというふうに考えている次第でございます。  また、利用、どういうところに使われているかということでありますけど、導入の目的に鑑みまして、再生可能エネルギーの導入や省エネルギーの推進というCO2の排出抑制策に使っております。一例を挙げますと、再生可能エネルギーの余剰電力対策のための技術開発の事業とか、省エネルギーの導入促進のための補助金、それからいわゆるビルや住宅への導入補助、それから固定価格買取り制度への事業執行への補助というようなものに利用されているところでございます。
  24. 轟木利治

    轟木利治君 一つは要望ですが、新たな増税という形で国民の皆さんから税をいただいているわけですから、それの収入と支出、しっかり答えられるようにやはりしておかないと、何となく増税されたけど何に使われているか分からないと。省エネとかCO2削減という目的があったわけですけれども、そこら辺もしっかり答えられるようにしていただきたいのと、当然数十億は増えるという前提になりますので、そういったところに対して、増える税に対してどういった対応をするのか、こういったところもしっかり検討していただきたいと思います。  また少し話は変わりますけれども、送電インフラの整備コストについてお伺いをしたいと思います。  今後、電力システム改革の中で、送電インフラの増強による整備コストは送配電利用料で広く薄く回収するということになっております。これも結局は、送配電を整備した結果、消費者が負担することになるんではないかと思いますが、この整備コストは総額でどれぐらいになり、電力料金はキロワットアワー幾らぐらいのアップということになるのか、今の段階での想定について教えていただきたいと思います。
  25. 後藤収

    政府参考人(後藤収君) お答え申し上げます。  今の送電インフラの増強についての整備コストでございますが、電力安定供給の観点から、周波数変換装置、いわゆるFC、それから北本、本州と北海道を結ぶ北本連系線などの地域間連系線等の送電インフラの早期増強が必要だというふうに思ってございます。  私どもの方の総合エネルギー調査会の下の専門委員会におきましても、本年二月に取りまとめた報告書におきまして、二〇二〇年を目標にFCを九十万増強するということ、それから北本連系線についても早期に三十万増強するということを提言しているところでございまして、この両者の整備コストにつきましては、一定の仮定を置きますと大体二千億円程度ではないかというふうに想定されております。  これらのコストにつきましては、送配電事業については総括原価の中で、料金規制の中で回収をしていくということを今検討してございまして、このような地域間連系線につきましても、送配電コストの一部として送配電線利用料として広く薄く負担をお願いするということになると考えております。  今の一定の試算、今二千億という数字を申し上げましたけど、これらについて、送電線の法定耐用年数等をベースに一定の仮定を置いて試算しますと、その影響は一キロワットアワー当たり〇・〇二円、約二銭ということになるのではないかというふうに考えております。
  26. 轟木利治

    轟木利治君 今おっしゃった〇・〇二円は三十年を償還期間として割った場合で、キロワットでその単価をそのまま出すと多分〇・二円ぐらいの試算になると思うんですが、そういった計算でよろしいですか。
  27. 後藤収

    政府参考人(後藤収君) 今の試算の前提を申し上げますと、法定耐用年数、送電線が三十六年、それから変電所が二十二年という形で考えております。それで、運転維持費を掛け、運転の維持、メンテナンスの費用を足した上で割り戻すということをやっておりまして、償却は定率三%という状況でやっておりまして、それで、今、それらを前提にしますと、総費用を前提に毎年約八%程度という状況で考えておりますので、二千億円を、それで、八%を掛けて、電力量約一兆キロワットを掛けると〇・〇二円ということでございますので、そういう意味では償却の期間の長さによっては変更があるというふうに思います。
  28. 轟木利治

    轟木利治君 〇・二円でいいですかということに何かいろいろ御説明いただいたんですが、多分一年間で、償却費を単純に計算すると電力コストに対して〇・二円ぐらい上がるということだろうと思います。  この〇・二円というのは高いか安いか、先ほど言われた〇・〇二円だったら大したことないだろうという多分答弁だとは思うんですけれどもFIT議論したときも、固定価格買取り制度議論したときも、あのときが最大〇・五円ぐらい上がるだろうと、今の法律上は天井がそれがないわけでございますけれども、それでも大変だということでいろいろ議論が沸騰したわけです。  これまでも、電力会社は、どちらかというと、そういったことよりも自分のエリアの中で発電所を造って、そして送電をしても、それにコスト電力料金にはなかなか加算してこなかったと、それが先ほど大臣もおっしゃった三十年間だんだん下がってきたということにつながってきているんだろうと思います。本当に、当然六十キロヘルツ、五十キロヘルツ、本州、北海道を融通し合うということは重要だとは思いますけれども、そのコスト費用を消費者にそのまま転嫁するという考え方が本当にいいのかどうか、こういったところは再度御検討いただければなと思ってございます。  そういったことを考えたときに、本当に大丈夫かというところは心配されるわけでございまして、今御説明いただいた区間をやるということになりますが、これまでも電力事業者自ら発電所も建設していたことになりますけれども、二〇二〇年、先の大分話になりますが、そういったことも含めてうまくいけるかと、そして、広域的運用推進機関が機能すればそういったことが本当にうまくやれるのか、こういったところについてお聞きをしたいと思いますけれども、時間の関係もありますので端的に、大丈夫なのか、まだこれから検討する要素が大分あるのか、そのところだけで結構です。お答えください。
  29. 佐藤ゆかり

    大臣政務官佐藤ゆかり君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、総合エネルギー調査会の下での専門委員会で本年二月に取りまとめました報告書でも、周波数変換設備について、二〇二〇年度を目標に現行の百二十万キロワットから二百十万キロワットまで増強、そしてさらにできるだけ早期に三百万キロワットまで増強、さらに北海道と本州の北本連系設備につきましても、現行の六十万キロワットから九十万キロワットまでの増強を早期実現することが提言されております。  これらの提言に基づきまして、電力会社等において検討、準備が今進められているところでございますが、政府といたしましても、これらの円滑な整備を後押しするために、四月二日に閣議決定いたしました電力システムに関する改革方針に基づきまして、法令上等の手続の円滑化を図るために、現在、関係府省協議会の設置等に向けて準備中でございます。  また、電力システム改革におきましても、この広域機関の創設によりまして全国大で需給調整機能を強化するという改革の柱がございまして、四月十二日に国会に提出しました電気事業法改正法案で、広域機関に対して、電力会社が作成する周波数変換設備や連系線等のインフラの増強の計画を取りまとめ、国に、業務を負わせることとなっております。  委員指摘のとおり、しっかりと進めるべく対処してまいりたいと存じます。
  30. 轟木利治

    轟木利治君 結論だけで結構でございましたんです。ありがとうございます、丁寧な御説明。  次に、是非これは大臣に、今回のこの委員会で私なりに実は要望という形になりますけれども、お願いをしたい点でございます。  今まで議論をさせていただきました特にこの電力消費産業に対して、現在原発の稼働停止によって電力料金のアップになっております。この対策として、先ほどからお話がありますように、安全な原発の再稼働とシェールガス、こういうことが活用されるということになるわけですが、これも時間が掛かるわけでございます。多分シェールガスでも二〇一七年からということになりますし、一挙にそれが今の抑制を押しとどめるということもないでしょうし、ですから、先はある程度見えてきている。見えてきているので、この短期間を何とか乗り切らなきゃいけないという形になると思うんですね。  さらに、先ほど挙げましたように、送電インフラなんかもやっていくと、これはまた電力料金に加算されていく方向に今議論をされておりますし、さらに、負担という意味では、これは国民全体ですけれども、地球温暖化対策税も今回は多分平成二十八年まで段階的に上がっていくということになっております。そして、為替、そして原料の値上げ等によってサーチャージ分も今値上がりをしております。ある企業でいくと、電力料金値上げによる電力料金のアップ度というのが電力料金全体に占める六五%、三五%はサーチャージ分が負担になっているということでございます。  こういったことを考えると、この数年間の対策として何らかの対応を取っていただきたいと思うんです。先ほど、財源的に言っても地球温暖化対策税は当初よりも増えるわけですから、当初のその対策に対してこの増える分だけでも何らかの、そういう電力料金の抑制に対して、全体というのか、やっぱり大変なところを集中してやるのかと、こういった議論になるわけですが、是非そういったところも含めて御検討をお願いしたいと思うんですが、大臣としての受け止めをお聞かせ願いたいと思います。
  31. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今日は先生の方から、やはり現場、産業の状況を踏まえて大変いい御質問、御意見もいただいたと思っております。  もちろん、中長期につきましてもまだまだ課題がありまして、LNGをアメリカから入れる場合に、輸出許可が下りましたけれども、これから液化の設備を造っていくのにどうしても三年強掛かるということで二〇一七年という話になってまいりますが、中長期のことも含めてやり得るべきことをやっていかなきゃならない。  特に、当面の対応、短期の対応ということが重要でありまして、例えば電力消費産業に対する短期の支援策として、平成二十五年度の予算では、節電省エネ効果のある設備を導入する際には一定の補助を行う補助制度、三百十億円計上してございます。また、天然ガスコージェネレーションや自家発電設備等の分散型電源の設置に対する補助制度、これにつきましても二百五十億円計上するなどの支援を行っておりまして、こういった支援策の効果も見ながら、更なる対策が必要かどうか、様々な検討を更に進めていきたいと考えております。
  32. 轟木利治

    轟木利治君 もう時間が来ましたので終わりますけれども、今、予算計上をしていただいたことは大変有り難いと思っておりますが、現場の声としては、ハードルが高いという声もあります。そういったことも含めて、やはり今、国としてどういった支援ができるのか、現場の声を直接お聞きいただいて柔軟に対応をお願いしたいのと、最後おっしゃられた、これからもいろんな検討をするという答弁をいただきましたので、その答弁に対して期待をさせていただいて、もう一点残っておりましたがこれは省略させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。  よろしくお願いいたします。
  33. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 おはようございます。民主党の柳澤光美でございます。  私は、野田政権で、一昨年の九月に経済産業大臣政務官を仰せ付かると同時に、福島の原子力災害の現地対策部長も兼務をさせていただいて、昨年二月に復興庁ができる中で経済産業大臣を一年一か月務めさせていただきました。現地本部長は、志願をして継続をさせていただきました。  そういう意味でいいますと、今回の省エネ法はもちろんなんですが、個人的には今回出ている法案は全て通していただきたいという思いの立場にございまして大変質問がしにくいんですが、ただ、経済政策は政権交代してもそう大きく変わってはいけないというふうに思いますし、引き継いでいただいているそんな中で、私が取り組んできたこと、また思いを少し込めて質問させていただきたいと思います。是非茂木大臣から率直な御所見がお伺いできればということで、よろしくお願いしたいと思います。  民主党政権では、グリーン、ライフ、農林水産業の六次産業化に中小企業を活用する新成長戦略を立てて、それに基づいて経済政策を進めてきました。そのポイントは、次の世代に新しい産業企業を起こして飯の種をきちんとつくっていかなければいけないだろうということが中心テーマでした。その中でもこのグリーン戦略、いわゆるグリーンイノベーションというのは、特に経産省が中心になって進めるエネルギー問題の根幹ということで取り組んできました。  去年、実は一月の十六日にアブダビで、ワールド・フューチャー・エナジー・サミットという、国連からも出たり、温家宝さんも出られる、ブースには、日本住宅とか車、あるいは東海大学のソーラーカーも持ち込むという大きな大会がございまして、そこでパネルディスカッションに私もパネラーとして参加をさせていただきました。  冒頭、本当に福島第一原発事故によって世界の皆様に御心配と御迷惑をお掛けしましたと、また温かいお見舞い、御支援に感謝すると同時に、こんな話をさせてもらいました。本当に、日本の場合には災いを転じて福となすという言葉がありますと、再生可能エネルギーと省エネルギーに国を挙げて取り組んで、必ず世界の皆様に今度は恩返しをさせていただきたいと。日本という国は、河川も多くて中水力、小水力の水力発電、あるいは全国が森林に覆われて木質のバイオマス、この後質問させてもらいますが、地熱は世界でも三番目のポテンシャルを持っている、もちろん太陽光、風力等、本当に自然に恵まれた国で、それに、自然エネルギーに、さらに蓄電池も含めた省エネの分野というのは日本にとっては大変得意分野になります。それを開発をして、世界で七十億、電気がない皆さんがいらっしゃる、しかし、どんな小さな島でも、川もあるでしょうし、あるいは山もある、火山もある、そして太陽光、風力がある、そういう皆さんに恩返しをしたいというような宣言をさせていただいてきました。  そういう意味では、この省エネルギー取組あるいは再生エネルギー取組というのは、世界に貢献できると同時に、日本にとっては大きな成長戦略の柱になるというふうに思っておりますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  34. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 我々の政権としても、前政権下で取り組まれたいい成果についてはきちんと引き継いでそれを発展させていきたいと、こんなふうに思っております。  エネルギー分野でクリーン、これは極めて重要であると思っておりますが、同時に、今のエネルギーの需給状況を考えると、いかに効率的にこのマネジメントを行っていくかと、こういったことも同時にまた重要だと思っております。  日本は一九七〇年代、二度の石油危機を経験いたしました。当時は、全体のエネルギーの消費量を減らすと、今のピークコントロールとは若干違う側面もありましたが、それでもこの石油ショックを克服する中で、世界に冠たる省エネ技術省エネ製品というのを日本は生み出して、そして新たな発展につなげた。今回も、やはりこの新たなエネルギー制約を克服する中で、エネルギーの効率的な供給の体制、さらにはそれを通じた経済成長、こういったものを目指していきたい、こんなふうに考えているところであります。  そこの中で、例えば一つは、世界に対する貢献ということでいいますと、御案内のとおり、日本の高効率の火力、石炭、LNGのこれは効率というのは今でも世界一であります。磯子のJパワーのあのプラントを見に行きますと、煙突から全く煙が出ていません。一番最新鋭のものを使っているわけでありまして、こういった高効率の火力を進めていきたい。  実は、この日本の石炭火力の技術をアメリカ、中国、インド、こういった国に適用しますと、年間のCO2の排出抑制量は十五億トンと、まさに日本が一年間で出す全てのCO2が日本の技術によって削減できる、地球温暖化問題にも貢献できる、そういった効果もあるんではないかなと、そんなふうに考えております。  それから、もう一つお触れいただいた蓄電池、これは極めて私は重要になってくると考えておりまして、これから再生可能エネルギー、これを最大限導入をしていくということになりますと、どうしても風力、火力、天候に影響される、こういった中でこれを安定的に供給していくということになりますと、これは変電側に蓄電池を設けるということで、この安定化を図っていきたい。  今蓄電池世界市場、どちらかといいますと、パソコンとかモバイル中心で一兆円でありますけれども、これが二〇二〇年には電力系統それから自動車に使われるということで二十兆円に拡大する、このようにも言われております。日本の技術、世界一でありますから、この二十兆円の市場の半分ぐらいを日本が取る、そのための技術開発、そして、コストが今大体キロワットアワー当たり四万円ですから、これを二万三千円、揚水発電のレベルにまで下げていく、こういったことが大きな課題としてあるのではないかなと思っております。  それから、省エネを進めるということでいいますと、一つはやっぱりスマートなエネルギーマネジメントを進めると。これは電力システムの改革とも絡んでくる問題でありますけれども、これまではどうしても電力といいますと、もう需要は所与のものと決まっている、これに対して供給量をどう積み上げていくか、こういう発想でありましたけれども、そうではなくて、デマンドサイドもきちんと、デマンドレスポンスの様々な使用メニュー、そして料金メニューを提供することによって下げていくことができるのではないかなと。  昨年、全国四か所で実証実験を行いました。例えば北九州の実験では、ピーク時の料金当然高くしてそれ以外の料金を相当安くする、こういう実証の結果によりまして、ピーク時の電力消費、これは二割落ちる、一方、家計が支払う電力料金は三割落ちる、ウイン・ウインな形の制度になったのではないかなと、そんなふうに思っております。  最後にもう一点だけ。次世代のデバイス、様々な機器の省エネを陰で支えるパワーエレクトロニクスでありますが、これ、電気の周波数や交流、直流の変換を効率的に実現する技術でありまして、新材料を用いた次世代のパワーエレクトロニクスによりまして、電車の例えば電力消費の四割削減に成功を実際いたしております、研究開発。そしてこれも、日本だけではなくて、国際標準化、こういったものを進めていきたいというふうに考えておりまして、この先生から御指摘いただいた問題、今、日本が直面するエネルギー制約の克服に役立つと同時に、これが日本の新しい成長にもつながり、さらには日本らしい国際貢献にもつながっていく、こういう重要な課題だと考えております。
  35. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 非常に丁寧に、後から質問する項目まで一部答えていただいて、非常に質問やりにくいんですが。  確かに日本の技術というのは大変優れていまして、例えば先ほどの石炭火力も、去年いわきの勿来発電所で、クリーンコールパワー研究所の皆さんに訪問してお話を聞かせてもらいまして、千二百度Cの石炭ガスの複合発電で、これは石炭だけではなくて重油も材木もあらゆるものが処理ができて、CO2も出ない。これが四月に常磐共同火力(株)としてもうスタートをしていますけれども是非この辺、火力発電所の取組というのも強めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  再生可能エネルギーですが、できるだけ再生可能エネルギーに転換を早めようということで、昨年の七月に固定価格買取り制度を入れました。しかし、参入の多くが売電を目的とする太陽光に偏っています。もちろん、入りやすいので、これはこれで進めなければいけないというふうに思っているんですが、太陽光でいうと、十キロワット以上で十万件を超えまして、その中でもメガソーラーが千七百五十五件。これはもちろん悪いことではなくて、進めていかなければいけないんですが、一部稼働を、材料費が下がるからといって遅れているんじゃないかと、申請だけしてというような新聞記事も出ました。この辺はやはり個別に少しチェックをしていくことも必要だろうということで、問題提起だけちょっとさせていただきたいと思います。  一方で、問題は、風力が二十キロワット以上で四十三件、地熱は小規模地熱発電のいわゆるバイナリー発電を含めて五件、中小水力では二百キロワット未満で二十五件、バイオマスに至っては、木質で五件、廃棄物系で十一件、メタン発酵で十一件の適用しかない。非常に進み方が遅いと。できるだけ太陽光にとらわれないで、先ほど言いましたように日本は自然に恵まれている、その自然エネルギーの発電システムをどう入れていくかというのは大変大事になってくると思います。  実は、今日朝八時半から、私の出身の長野県の知事以下、市町村長会、あるいは議会の皆さんに集まっていただいてお話を聞いてきたんですが、長野県では阿部知事が一村一エネルギーという方針を出しまして、昨年視察にも行かせていただきました。その地域に合った水力、木質バイオマス、太陽光などを取り組んでいこうという進め方をしておりまして、この辺は是非地方自治体とも連携をしながら、地域の特色を生かした発電システムの開発と普及が急がれるし、必要だというふうに私は考えておりますが、大臣の御所見をいただければと思います。
  36. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) かつて大分県で一村一品運動というのがありまして、かなりブームになったと。それぞれの地域の特性を生かした産物を作っていく、私はエネルギーもそうだと思います。  特に分散型のエネルギー考えますと、それぞれの地域に適したエネルギーをいかに有効に活用していくかということが極めて重要だと、そんなふうに思っていまして、固定価格買取り制度、昨年の七月に導入して以来、確かに太陽光の方は相当進んできているのは間違いないと思います。これ、建設工事に掛かる期間というのが半年から一年と短く、立地に際して支障となるような規制も少ないということで急速な拡大が進んできていると思います。  一方で、太陽光以外の再生可能エネルギーについて見ますと、例えば御指摘をいただきました風力発電、地熱発電の場合、長ければ環境アセスメントに四年程度要してしまう、また小水力の発電の場合は、水の流量の調査であったりとか水利権の取得と、こういう手続に二、三年程度の期間が要すると、こういうことで、なかなか運転開始にまで時間が掛かってしまうということで、太陽光ほど導入というのが進んでいないということであります。  そこで、経済産業省といたしましては、環境省と連携をいたしまして、風力発電、そして地熱発電を円滑かつ迅速に開発できるようにするために、環境アセスメントの期間短縮に向けた検討を進めるとともに、関係各府省の協力をいただきまして、小水力発電を実施する際の水利権の取得手続の簡素化を始めとした規制改革など、立地条件の改善に取り組んでいるところであります。相当期間短くしたいと思っています、これにつきましては。やっぱりビジネスが出てくるまで四年も掛かったらやらないですよ。そういった現実的なビジネスとして成り立つ期間、もちろんその環境の問題もありますから、それをおざなりにしないということも重要だと思います。  それから、風力についてもう一点申し上げると、どうしてもスペインのようなところは、比較的いろんなところで風力ができて、全体が、何というか、一国の電力の送配電網が一つになっていますからある程度いいんですけれども、ヨーロッパを見ても、再生可能エネルギー進んでいるドイツでも、風力に適しているのは北なんですね、昔でいうとビスマルクのプロイセンの方ですよ。それに対して、実際に電気を使うのは自動車産業とかそういうのがありますバイエルンとか南ですから、その送電網、これを相当張らなければいけないということでありまして、日本の場合も風力、洋上でまたいろんなものを考えられますけれども、今適地としては北海道、東北の一部ということでありますから、発電のみならず送配電網をどうしていくか、こういったことも国の支援も含めてしっかり取り組んでいきたいと思っています。
  37. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 後ほど水力、小水力、ちょっと質問したいと思ったんですが、やはり実際に小水力をやろうとすると、長野県の現場でもそうなんですが、河川利用のいわゆる水利権の問題で、許可取得の手続が非常に複雑で時間が掛かってしまうと。あるいは、水が余っているのに発電にはなかなか使えない、その申請をするとまた煩雑な許可手続が必要になってくる。  水力で使う水は、そこで消費をしてしまうんではなくて、使った後また使えるわけですから、この辺は、河川法は国土交通省の管轄になると思うんですが、河川法の改正まではしないとしても、小水力発電がしやすいような合理的な基準というものを経産省が中心に是非作っていただきたいというふうに思っていますが、いかがでしょう。
  38. 赤羽一嘉

    ○副大臣(赤羽一嘉君) 私、原子力災害対策本部の現地対策部長を引き継がさせていただいております赤羽でございます。  先生におかれましては、三・一一発災直後から大変な現場の中で御奮闘又は御労苦をいただいております。まず、心からの敬意を表する次第でございますし、一日も早い福島再生のために今後とも御指導をいただきますようよろしくお願いいたします。  今、お話ございました小水力発電の水利権の問題、これは御指摘のとおり、農業用水としての水利権に加えまして発電用の水利権も取得しなければいけないというのがこの小水力発電の普及に大きな壁となっているのは御指摘のとおりでございます。  これは、我が省としても問題を認識しておりますが、今、国土交通省として、この通常国会に、水利権の取得手続につきまして、現在許可制となっているものを、小規模の発電につきましては登録制にする等の円滑化、簡素化に向けた法案を今国会提出されているというふうに承知をしております。衆議院の方は五月十五日に通過をしておりまして、今後参議院で審議がされる予定となっておりますので、一日も早くこれが成立をして、小水力発電、私もかなり普及できる地点が多いと思っておりますので、普及が進むように我が省としても頑張っていきたいと、こう考えております。
  39. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 ありがとうございます。  小水力は非常に活用ができやすい、特に地産地消型だけではなくて自家消費型にも使っていけるというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  また、現地本部長、大変だと思いますけれども、頑張っていただきたいというふうに思います。  実は、その中でも私は地熱発電に非常に思い入れがございまして、お手元に経産省で出た資料を少しまとめさせてもらった資料を配らせていただきました。  一昨年の十二月の十四日に、奥会津の柳津西山の発電所を視察をさせていただきました。太陽光とか風力と違って、地熱というのは安定電源、いわゆるベース電源として非常に大きな力を発揮する。ところが、現状では全国で十七か所、僅か五十二万キロワットしか開発がされていません。実際見させていただくと、そこの資料にもありますように、熱水を千五百メーターから二千メーターの深いところからくみ上げて、蒸気だけを使って熱水はまた元へ戻す。温泉にもほとんど影響がない。温泉はもっと、五百メーターぐらいの浅いところになりますから、ということも確認ができましたし、それから、硫化水素がにおいがするということでこの除去も全部取り組んでいまして、硫黄のにおいがほとんど近隣に迷惑を掛けないと。ただ、そんな中で、できた硫黄が、中国産が安くて、せっかく硫黄が取れたんだけど売る先がなくて困っているというぐらいのお話をいただいてきました。  実際見ていただければ皆さんも分かっていただけるというふうに思うんですけれども、蒸気を使うだけですから発電所が非常にコンパクトで、自然にそんなに大きな影響が出てこない。特に、この残った蒸気の熱を使ってビニールハウスも含めて農業とのコラボレーションが進む。それから、柳津も年間一万五千名の観光客が観光バスで、事故で今ストップしていますが、そこに温水プールだとかあるいは熱帯植物園等をやれば観光ともコラボができて、地域の活性化の大きな柱に私はなってくるというふうに思っています。  一昨年十二月の十七日に福島で超党派の地熱議連主催の地熱発電シンポジウムが開かれまして、私もそこへ参加させていただいて、問題提起で地熱発電の取組を訴えさせていただきました。  超党派の地熱議連というのは、実は今日たまたま朝、これは読売と毎日に載ったということですが、札幌で行われたシンポジウムの記事が大きく出ました。これは、自民党の二階先生、それから公明党が松先生、それから民主党委員長増子先生で、そういう形で非常に積極的に活動をしておりまして、ところが、先ほど大臣からもありましたように、調査に二、三年掛かる、あるいは環境アセスで三、四年掛かる、実際に掘削して建設するにはまた三、四年掛かる、十年単位で掛かってしまう。  ただ、それ以上に問題なのは、住民の皆様の理解と納得をどう取るかというところが非常に大きな時間が掛かる。是非これは経産省が中心となって、政府を挙げてこの地熱発電を一日も早く立ち上げていただきたいなというふうにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  40. 赤羽一嘉

    ○副大臣(赤羽一嘉君) 一昨年の三・一一以来、我が国のエネルギー制約が新たな局面を迎えて、エネルギー供給源の多角化を進めていかなければいけないというのはもう周知の事実でございます。その中で、地熱発電のこれからの可能性が大きいというのは私たちも承知をしております。ただ、今この地熱発電の推進のためには、今先生御指摘のように、当該地域の住民の皆様の理解をどう得るかということが大変大事だと、こう考えております。  当該地域の温泉事業者からは、よく泉源の湯量が取られるんではないかというような大変な思い込みもございますし、そういったことを理解していただくための勉強会の支援ですとか、配付していただきました資料の二番の地熱の産業利用ができるというようなことも大いにアピールをしながら進めていきたいと、そのために二十八億円の計上も今回させていただいたところでございます。加えて、またこの地熱発電、そもそも開発コストが大変高いということもございまして、地熱資源の研究開発調査を支援する事業ですとか地熱の探査出資等の事業に関して、平成二十五年度の予算では合計約二百億円を計上させていただいておるところでございます。  環境アセスにつきましては、先ほど茂木大臣からの御答弁にありましたように、両省協力をしながらできるだけ四年掛かるところを半減するように短くしていこうと、こう頑張っておりますし、引き続き関係省庁とも協力しながら、地熱発電の導入が少しでも進むように努力をしていきたいと、こう考えております。
  41. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 大臣、答えますか。じゃ、いいですか。
  42. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 では、お願いします。
  43. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 私、先生御指摘の地熱発電って大きなポテンシャルがあると思います。これだけいろんなところに火山があり、そして温泉があり、地熱のやっぱりポテンシャル、お示しいただいたように世界でも有数なわけですね。しかも、どこかからエネルギー源を買ってこなくても発電ができるわけです。そして、いろんな形の地域に対する貢献策も取れる。規制につきましても、半減をするとか様々な対策、国もいろんな意味で地元に対する説明を行ったり、そういった努力もしながらしっかりこの問題、今進めていく必要があると思っております。
  44. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 力強い御決意をいただいて、ありがとうございます。  去年、僕らの方から環境省にかなり強いお願いをして、公園内での試掘ができるようにもなりました。前は斜め掘りで非常に当てづらかったのが、きちんと分かれば試掘も非常に調査も進みやすい。とすれば、入口の住民の皆様の御理解の辺りのところを政府を挙げてやっていただいて、一日も早く、特に現地本部長をやられている赤羽さんもそう思っていると思いますけど、私、磐梯で福島に復興のシンボル、特に東北は被災を受けたところが地熱発電の可能性が非常に高い。それから、北海道が津軽海峡でケーブルで六十万キロしか送れませんから、北海道こそベース電源として地熱発電が大きな力を発揮するというふうに思っておりまして、是非一段の御努力をお願いしたいというふうに思っております。  今までお話ししてきたように、実は、実際取り組んでみまして、例えば小水力というのは、先ほどあったようにやはり水利権の問題が出てくる。地熱は、これはなかなか住民の理解と同時に環境アセスが大きな課題になる。風力は、いわき沖に浮体式のでっかいやつを建てようと、経産で、港のところにクレーンを置くためには地盤を強化しようということで三十億の予算も組んで、今順調に動いているんですが、最後やっぱり一番苦労したのが漁協の皆さんの御理解で、これは担当者も本当みんなで頑張って許可をもらっていく。この辺は、風力にしてもいろんな説明をどう政府を挙げて進めるかというのが必要になるというふうに思います。バイオマスも、林道を含めて、間伐材をどう下ろしてくるか、トータルで考えていかなければいけませんし、そういう意味でいきますと、この地元との調整も含めた取組というのが、やはり経産省を中心に、政府を挙げてそれぞれ取り組んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。  このことは、グリーンだけではなくてライフだとかあるいは農林水産でも省庁の壁というのが非常に強いというのはしみじみ感じておりまして、ところがライフでいえば、再生細胞だとか医療機器も厚生労働省と連携をして、厚生労働省に経済担当ができて、経産の担当者も頑張ってかなり進み始めたというのも、今徐々に進み始めていますので、私はその中心がやはり経済産業省がなってほしいということをお願いをしておきたいと思います。  そんな中で、大変うれしかったのでちょっと資料を出させてもらいました。この野菜工場の資料ですが、これは去年の八月の四日に陸前高田市で経産省の先端技術の補助金でできたドーム型の野菜工場です。  グランパファームという会社が立ち上げたんですが、そこのオープンセレモニーに行って御挨拶をさせていただく中で、本当に津波で何もなくなったところに忽然と八棟のドーム型の野菜工場ができました。戸羽市長からも、本当に復興のシンボルで、市民を勇気付けてくれていると。あれは何だという声が上がる中で、あそこで野菜を作ってもう出荷しているんだと。  この一番大きなポイントが、売り先をきちんと決めていることなんですね。これはサブウェイというサンドイッチ会社に全部卸して使われる。残ったのは地域のスーパーとも連携をするという手続を取りまして、その資料の一番下なんですが、これはもう避難区域にどう下ろしていくかというのをやっていまして、実は読売新聞に、南相馬にこのドーム型の野菜工場ができるという記事が載って、ようやく進み始めたかなと。これは楢葉とかあるいは広野の方にも、できるだけ水耕栽培で、何がすごいかというと、これドームですから膨らませるだけなんですよね。太陽光が一〇〇%取り込める。ですから一棟三千万円でできる。ですから八棟造っても二億四千万。ですから、補助金は三億でこれだけの規模のものが稼働を始める。  今日、実は新聞に、昨日か、出ていたんですが、植物工場開発のみらいという会社が宮城県にLEDの照明を採用した植物工場、これは世界では最大規模のものが計画をされていると。それも経産省が三分の二の補助をする予定だと。しかも、これは世界に輸出ができる産業にできるだろうという記事が載っていました。  私は、グリーンもライフも、そして農林水産の六次産業化にしても、本当に経産省が中心となって、国内だけ、いわゆる原発からの問題だけではなくて、本当に次の世代が何で飯を食っていくのか。そして、それが新しい産業企業として、種をまいて芽が出て、それが世界にソニーとかホンダのように大きくなっていくところもあれば、地域の活性化の中心になっていく。この取組是非、規制緩和を含めてしていただければというふうに思っています。  もう一つは、この日経のコラムでとてもいい記事が出ていたのでちょっとお話をしたいと思うんですが、私も、アベノミクス一本目、二本目の矢よりは三本目の矢の成長戦略が非常に大きいというふうに思っています。これは党派を超えて日本のためにもこの三本目の矢が成功しないと非常に厳しい状況になる。この日経のコラムの記事にはこういうふうにありました。アベノミクスの最大の課題は第三の矢の成長戦略にあるが、その成功は異次元の規制緩和に懸かっていると、異次元の金融緩和に掛けているんですが、その異次元の規制緩和は、特に産業振興に関しては経済産業省に任せてはどうかという記事でした。  特に、机上論ではなくて現場できっちり伸びていくというのは、商業ベースにも乗せるというのは、経産省が中心となってその実績をつくっていくということが一番大きいだろうと。ですから、私は、財政出動も、あんなに公共事業にやるんだったら経産省にもっと予算をたくさん取って、そういう実験事業、補助金が行って、そこから芽が出て新しい産業企業が成長していくということに大きな力を発揮をしていただきたいというふうに思っておりまして、是非大臣の御所見と御決意がいただければと思います。
  45. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 拝見しまして、このビニールハウスといいますかテントの野菜の栽培、すばらしいなと思っております。私もサブウェイ時々行きますので、今度また伺って、ああ、あそこで作っているものかと実感をしたいなと思っていますが。  アベノミクス、御案内のとおり、三本の矢で日本経済の再生を図っていく。御案内のとおり、三本目、民間投資を喚起する成長戦略、これが極めてこれから重要になってくると、このように考えております。そこの中で、例えば設備投資をどう促進していくかと、こういった観点も極めて重要でありますが、御指摘のように、まさにこれまでとは異次元の規制緩和を進める、様々な分野で出てくるんだと思います。  例えば、健康・医療ということでいいましても、今、保健でできる分野と全く全然違う健康産業として普通のビジネスでやっているもの、この中間ぐらいに保健の隣接領域みたいなのが出てまいります。企業からすると、なかなか将来伸びていくんじゃないかなと、予防医療に関連したりとかあるんですけれど、やっていいのかやっていけないのかよく分からない、極めてグレーゾーンになっている。こういったところをはっきり、ここはホワイトゾーンですから民間がやって全く問題ありませんよと、こういった設定をするだけでも参入機会というのは極めて増えてくる、こんなふうに思っておりまして、これ農業もそうでありますけれど、これは農水省とも、また復興庁とも連携をしながらしっかり進めていきたいと思いますけど、そういった中で、ハードルとなるような規制、これをきちんと撤廃していく、極めて重要な視点だと思っております。
  46. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 ありがとうございます。  特にこのテーマは本当に、参議院の経産委員会というのは元々、与野党とか党派を超えて、経済が伸びなければ日本が良くならないという非常に真摯な議論を進めてきましたし、これからも是非そんな議論を皆さんと一緒にしていきたいというふうに思っています。  次に、分散エネルギーについて、いわゆる分散型の発電、これは冒頭大臣も述べていただきましたが、私は本当に、日本の発電というのは大型なものではなくて本当に地域に合った自然エネルギーを使ったコンパクトな発電が必要だろうと。ですから、太陽光にしても、私は、風力も家庭用の風力発電、あるいは小水力も地域で使えるようなコンパクトなものにしていく。この分散型電源こそが、遠隔地まで電気を送電する必要がなくて、しかも送電によるロスもない、しかも災害時には非常用電源としても使えるようになる。自然の力で生み出されたエネルギーがそこで使われるというのが将来の大きな形になっていく。そのことが、私が冒頭申し上げた、今度は世界のあらゆるところにそのシステムが、自然エネルギーのコンパクトな発電システム蓄電池等の省エネがセットで今度は恩返しができるというふうに思っていまして、これはもう冒頭お話しいただいたんで、是非取り組んでいただきたい。もしよろしければ分かったというふうに言っていただけると大変有り難いと思いますが。
  47. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 農業の分野でも、数年前から地産地消ということを言われてきました。エネルギーの分野でも同じようなことが今後極めて重要だと、そんなふうに思っています。
  48. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 具体的に結構そういうのが進み始めていまして、今回特に私の方は、住宅、ビルというところに太陽光とかいわゆる小型の風力があって発電がされる、それが自家消費でつくって、省エネ蓄電池でためて自分たちで動く。その事例として、あえてちょっとあるコンビニの、セブンイレブンの取組がありますので、お手元に資料を出さしていただきました。  これは、スマートセンサーを導入して、いわゆるスマートメーターと一緒ですが、電気が見える形を取る。そして、省エネをそれによって動かすと同時に、店舗に蓄電池を試験的に設置して独自のピーク対策を行う。ポイントは、売電ではなくて自家消費を目的としている。一万店舗にほぼ今年広げる。もちろんLEDも入っているんですが。  これは、コンビニでいうと日本は今五万店を超える、こういうところだけではなくて、私は流通の出身ですけれども、チェーン展開をしている流通産業あるいは外食産業といったところがそういう形を取るようになってくると大きく進んでいくだろうと。特に、メガソーラーだけではなくて太陽光、風力といったのは、本当にもっと自家消費型のところに研究を進めて使っていくようにするということが私は大きな取組の、広げていくスピードアップのためにも必要だろうというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
  49. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) 委員指摘のこのセブンイレブンのケースは私ども大変注目をしておりまして、特に店舗ベースで見ますと、LED照明と蓄電池を組み合わせることで実際上ほとんど外部のエネルギーに依存しない形をつくり上げております。  そういう意味では、このチェーンのところについて積極的に働きかけてまいりたいと思っておりまして、このコンビニ以外にも、例えば大手の紳士服チェーン、あるいは農協さんですね、畜舎の上に張るとか、あるいは賃貸住宅のチェーンなんかでアパートの屋根に張るとか、こういうチェーンのところについて、支援策も、自家消費向けの発電設備の補助なんかも準備しまして働きかけていきたいと思っております。
  50. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 ありがとうございます。  少しでもスピードアップするにはどこをどういうふうにしていったら早く進められるかという戦略がやはり、戦略と同時に戦術も必要になってくるというふうに私は思っています。  今回のこのトップランナー制度なんですが、私は、日本住宅というのは断熱とか窓とかこの辺大変遅れていた。しかし、この辺の技術は日本は得意分野ですし、日本住宅というのは耐震構造でも世界に冠たるものがあるわけですね。そこに発電システム蓄電池省エネという全部がセットでできれば、私は住宅産業日本の大事な輸出産業の柱になっていくだろうというふうにもとらえさせていただいています。  ですから、固定価格買取り制度によって売電が目的で広がる一方で、この地道な努力をきちんと積み上げていくということにもう一段の努力をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  そういう意味では、トップランナー制度でも、断熱と窓だけではなくて、住宅にとってどういう機器がまだこれから改善したらいいだろうと。あるいは、住宅だけじゃなくてビルにとってもという意味では今回は第一歩であって、新たなものをこれからもっと見付けていかなければいけないというふうに思いますし、冒頭、大臣からあったように、特にそれとは別の、発電でいえば、蓄電池の開発というのは、これは日本のトップブランドにするぐらいの、いわゆる効率も含めて、あるいは、太陽光パネルも本当に効率のいい丈夫なものをむしろ日本が開発をする。先ほど言った風力発電もそうです。あるいは、スマートメーターにしても、本当にそれぞれが、トップランナー制度というイメージではなくて、本当にそういうものに一つ一つどうしたらうまくいくのか、それをどれだけ世界のトップブランドに持っていくかという取組が私は大事だというふうに思っておりまして、大臣の御所見がいただければと。冒頭お話はいただきましたけど。
  51. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) このトップランナー制度は、自動車であったりとか家電から始まったわけでありますが、まさに今、そういった産業部門であったりとかの省エネは進んでおりますけれども住宅省エネが遅れているという中で、そこの中で大きなポーションを占めます断熱材、窓についてやらさせてもらいましたが、当然LEDの電球とかそういったものもやってまいります。まだまだ改善の余地のある部分というのはあると思っておりまして、更に進めていきたいと、そんなふうに思っています。  それから、先生から御指摘をいただきましたセブンイレブンの事例でありますが、先ほど新原部長の方からも答弁をさせていただきましたが、我々としても注目をして、やっぱりこういった動きを加速していくために、全国にネットを持っているところ、こういったところで実験的に進めていただくということは極めて重要だと思っています。  同時に、個々の家庭であったりとか中小企業ですと、長期的に見ると確かにこういった太陽光等々もペイはするんですけれども、初期投資が大きくなってしまうということで、どうしても導入にちゅうちょする個人、中小企業、多いわけでありまして、ちょっと制度についても、例えばそういった貸出しをするビジネスといいますか、サービスを提供するビジネスに対して公的なファイナンスを付けるとか違った形で、個人が初期投資なしに、言ってみると屋根貸しのような形でできるようなモデルと、こういったものも含めてこの再生可能エネルギー等々の促進の加速化に努めてまいりたいと考えております。
  52. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 恐らく、先ほど轟木さんの質問にもあったように、電気料金は上がっていかざるを得ないと思うんですね。そうすると、こういう企業にとっても節電対策をきちんとするのは、それは利益の確保につながる。個人の家庭であっても、節電やりなさいだけではなくて、節電することによって経費が、いわゆる家庭の生活に助かるということも含めてPRをしていくと、初期投資はもちろんできるだけ補助をしてあげるのはいいんですが、そのことが十年、二十年のスパンで見たときには結果としてプラスになって、ウイン・ウインの関係がつくれるという辺りを丁寧に私は説明をして進めていくことが必要だろうというふうに思います。  ですから、何でも補助を出せばいいということではなくて、そういうふうに動こうとするところをどう後押ししていくのかというやはり戦略と戦術を経産省の方では是非持っていただいて、これは、住宅はまた国土交通省になるのか、そういうところとも連携をしながら進めていただければなというふうに思っています。  ということで、最後には、この取組というのは非常に日本にとっては今までの生活を変えるぐらいの大きな取組になってくる。もちろんスマートメーターもそうなんですが、BEMS、HEMSのビルのトータルできちんと管理をしていくという仕組みもそうです。そこに蓄電池を開発をしていく。さらに、民主党政権下においては、四地域でスマートコミュニティーの実証実験も進めてきました。今度は町としてトータルでやる、これも新しい試みだと思うんですが、そんなビジョンを踏まえて、最後に大臣の思いと決意をお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
  53. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今日は、先生の方から大変前向きな積極的な御提言もいただきました。  民主党政権下で導入をしていただいたことについても、しっかりと引き継ぎ、拡大をして、そして、何にしても加速化をしていかなくちゃならない部分がたくさんあると思います。BEMSにしてもHEMSにしても本当に重要なことなんですけど、まだまだ普及が進んでいない。蓄電池もそうであります。  そういったことをしっかり加速化できるように努力をしてまいります。
  54. 柳澤光美

    ○柳澤光美君 終わります。
  55. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 自由民主党岩井茂樹でございます。  本日は、平成二十五年改正省エネ法案に関する事項について質問をさせていただこうと思っておりますけれども、まずその前に茂木大臣に、我が国のエネルギー政策、その方向性について少し伺いたいと思っております。  東日本震災後の我が国のエネルギー政策は、少し根拠の薄い、実現可能性の低い、まず目標ありきといった、そんな議論に終始した結果、我が国の中長期的なエネルギー政策の方針となる新たなエネルギー基本計画、この基本計画を取りまとめることができなかったと。また、このエネルギー政策は、日本の将来にとって大変重要なものでありますし、現在安倍政権が進める経済政策の方針、いわゆる三本の矢の三本目の矢であります成長戦略の要でもございます。  三〇年代原発ゼロ、その方針に有識者が反発をいたしまして議論が止まっておりましたそのエネルギー基本計画の策定作業が、総合資源エネルギー調査会の中の総合部会の中で今年の三月中旬から再開をされたと伺っております。このエネルギー基本計画の見直しについての議論をしっかりとされていると思いますが、大臣はどのような方針でこの基本計画の見直しを進められるおつもりか、大臣のお考えをお聞かせください。
  56. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 岩井委員から御指摘をいただきましたエネルギーの基本計画でありますが、これはまさに我が国としての中長期的なエネルギー政策の方針の中心になるものでありまして、特に今回は、エネルギー安定供給と並んでコストの低減と、こういったことを重点に置きながら検討を進めていくことにしております。  御指摘のように、総合資源エネルギー調査会、ここの総合部会におきまして三月から検討を始めておりまして、相当な議論、既に進んでおります。  その一端を紹介をさせていただきますと、まずやっぱりエネルギー源を多様化していく、そして調達先を多角化していくと、こういう観点から再生可能エネルギー、最大限の導入、どうやって図っていくかと。また、世界最高水準のLNG、石炭火力の導入促進等々の議論を進めているところであります。  また、原発につきましては、当然あらゆる事情に安全性を優先をすると。そして、その安全性については原子力規制委員会の独自の判断に任せ、そこで安全が確認されたものについては、その規制委員会の判断を尊重して再稼働を進めると、こういったことにしております。  恐らく、そのエネルギー源によって、それぞれ、コストであったりとか安定供給性であったり、環境への負荷と、それぞれ特徴というのが違ってまいります。できるだけそういうエネルギー源ごとの特徴というのも明記をして、日本エネルギーミックス全体の中での位置付けを明確にしていただきたい、こんなふうに考えております。  同時に、今回は、単に供給側にとどまらず、需要サイド、これまではどうしてもエネルギー政策というと、需要はもう決まっていると、需要は所与のものとして供給力を積み上げると、こういう発想で議論が行われてきましたけれど、今回は電力システムの改革もあります。そういった中で、多様な使用メニュー、多様な料金メニュー等々を行うことによって、消費者の側、家計やそして企業の側がスマートに省エネを進められるような形も同時に取っていきたい。そういった総合的な議論を行っていただきまして、このエネルギーの基本計画、年内をめどに取りまとめをお願いしているところであります。
  57. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 極めて多角的で、そして新しい考えを取り入れながら検討をしていただいているということですけれども、先ほどのお話にもありましたとおり、このエネルギー政策、本当に将来の日本にかかわる非常に大事なことでありますので、引き続き、ある意味丁寧にしながらも、スピード感を持ってやっていただきたいと、こう思っております。  続きまして、早速本題であります平成二十五年改正省エネ法案に関する事項について質問をさせていただきます。  近年の我が国のエネルギー政策の歴史を顧みますと、過去に幾つか大きな転換期が私はあったと考えております。最初が一九五〇年から六〇年代の石炭から石油への転換で、これにより急増するエネルギー需要に対応し、我が国は飛躍的な経済成長を成し遂げました。そして、一九七〇年代に発生をした二度の石油危機によりまして、石油代替エネルギー等の開発、導入、省エネルギー等が重要課題となりまして、原子力、液化天然ガスや新エネルギー等の開発が大きなテーマとなってまいりました。その後、二〇〇〇年にはエネルギー安定供給環境問題が課題に加わりまして、開発、導入の対象は石油代替エネルギーから原子力や非化石エネルギーへと替わってまいりました。  そして、我が国の電力需給状況は、一昨年の二〇一一年三月の東日本震災と、それに伴う原子力発電所の稼働停止を受けて大きく変化をいたしました。二〇一一年の夏には計画停電が実施され、そして翌年の二〇一二年の夏や冬は一部地域に節電の数値目標が課せられるなど、日本エネルギー政策が再度大きな転換期を迎えていると感じております。  本法案は、それらを背景に、エネルギー需給の早期安定化を果たすために、供給体制の強化のみならず、先ほど大臣のお言葉にもありましたけれども、需要サイドにおいても持続可能な省エネを進めていくための措置を講じるものだと、こう把握をしております。  さて、それらを背景に、石油危機を契機として昭和五十四年に制定された省エネ法について質問をいたします。  これまで省エネ法を核とした省エネ施策が果たしてきた役割、そして具体的な成果は何だったのか、またそれに対しての評価はどのようなものがあるのか、そしてこの度の法改正において今までの省エネ法と異なるところは一体どのようなところなのか、御説明願います。
  58. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 岩井先生の方から戦後の日本エネルギー政策といいますか、エネルギー供給構造の大きな変遷、大局的にとらえてお話しをいただきました。  石炭から石油に替わると、そして一九七〇年代に二回の石油ショックを経験する中で、日本としてエネルギー効率を大きく上げていくということでありまして、一九七九年に制定をしました省エネ法は我が国の省エネ政策の根幹でありまして、この省エネ法を中心として我が国の省エネ施策を総合的に転換してきた結果、日本エネルギー効率を四割改善をいたしました。今や世界最高水準でありますし、様々なそこで培われてきた技術であったりとか製品というのが我が国の産業競争力の源にもなっていると、このように考えております。    〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕  ただ、石油ショック時、このときは、何しろどれだけエネルギーが入ってくるかということで、その量を少なくするということですから、昼間使おうが夜使おうが少なくした方がいいということで夜中のテレビの自粛とか営業時間の短縮と、こういったことも含めて総使用量を減らすということで、五%程度の総使用量の削減というのを行ってきたわけであります。  これに対して、今回の三・一一を契機といたしました新しいエネルギー制約、もちろん総使用量も重要でありますが、ピークコントロールをいかにするか、ピーク時の消費量をいかに減らしていくか、こういった観点が非常に重要でありまして、今回の法改正におきましては、こういった環境変化に鑑みまして、法目的一条に、従来のエネルギー使用合理化だけでなく電気の需要の平準化、いわゆるピークコントロール、これを新たに加えまして、総合的に進めていくべき旨規定をいたしました。  今後の省エネ施策において、ピーク時の電力削減は重要な課題になると思っております。そういった中で、改善の余地の大きい建築材料トップランナー制度の対象に加える、こういった改正も行わせていただきました。
  59. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 ありがとうございます。今までの総使用量のみならず電気の需要の平準化というところに着目をされているというところが大きなポイントの一つかと、こう把握をしております。  今大臣のお話にも出ました、最後にありましたけれどもトップランナー制度について少し確認をしたいと思います。一九九八年ですかね、九九年、省エネ法改正により導入されましたトップランナー制度ですけれども、この制度、実はしっかりと成果も上げ、世界から評価も本当に高いと伺っております。最近も世界的に有名なアメリカの研究者でありますレスター・ブラウン氏がその著書の中で、日本のトップランナー方式は家電製品の効率基準を高める上で世界で最も強力なシステムであると、こう書き記されております。  私も全く同感なんですけれども、そこで、もう少し詳しくトップランナー制度について伺いたいと思います。少し基本的なところかもしれません。まず最初に、トップランナー制度の対象となる機器、現状どれぐらいあるのか、また、それらの選ばれた機器の効率改善状況について御報告をお願いいたします。
  60. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) 御指摘省エネ法トップランナー制度でございますが、御指摘のとおり海外からもかなり注目の高いものでございます。地球温暖化防止京都会議を機に法改正して導入をされました。  指定数でございますが、現時点で、最近も追加しております、エコキュートとか複写機、プリンター等を追加しておりますが、現在二十六の機器を政令で指定しております。それから、大臣の方からもLED電球の指定を検討するようにという指示が出ておりまして、今これを夏までに指定すべく頑張っているところでございます。  そして、この実績でございますが、直近の数字で申し上げますと、これは第一期、第二期ともうやってきているものがあるわけでございますが、直近の数字で申し上げますと、燃費改善で自動車が四九%、消費電力量の改善でエアコンが三二%、冷蔵庫が四三%、テレビが三〇%、蛍光灯が三五・七%、電子レンジ一〇・五%というように非常に大きな成果を得ております。    〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕  それから、イノベーションとしても、液晶テレビでバックライトのLED化が進んだ、あるいはエアコンで冷媒の性能向上が行われた、冷蔵庫では熱交換器の効率向上が行われたといった具体的なイノベーションを喚起しているというふうに理解をしております。
  61. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 ただいまの効率改善状況、数値だけ聞いておりますと、多少製品によって違いがあるようだなというふうな印象を受けておるんですけれども、トップランナー方式の対象となる機器に何か求められる要件のようなものはあるのでしょうか。例えば、トップランナー制度になじむもの、少しなじみにくいもの、そんなことがあるようでしたら御答弁お願いいたします。
  62. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) お答えをさせていただきます。  この制度の元々のコンセプトは、どこか一社でも非常に高い水準のものを作っていれば、ほかの会社もそれができるはずですよねというところですね。それができないということは、その会社にとっては技術力がないということを証明してしまいますので、これは企業としてこけんにかかわるということになります。  そこで、そういう高い、ある社がこういうのを出していますよと、じゃ皆さん、何年か後にはここをクリアできますよねということ。それによって企業間の競争を喚起しまして、実は最初に設定した数字を超えるぐらいの実績を得ていくというのがある種新しい規制方式で、これが国際的にも評価をされているところでございます。したがいまして、実際に競争が起きている分野でないと余り、複数社が生産している分野でないと、一社だけ生産しているとそれはトップランナーであることは当たり前と、こういうことになってしまいます。  そこで、三つぐらいの要件を立てておりまして、省エネ法の中では、まず我が国において大量に使用されていること、これが一点目。二点目、その使用に際し相当量のエネルギーを消費する機械器具であること。これはエネルギー使用量で競争させますので、そこについての要件が掛かってきます。それから三点目として、当該性能の向上を図ることが特に必要なものという形で政令指定をさせていただいているということでございます。
  63. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 ただいまの御説明だと、やはりある程度の数量というか、競争原理が働くためにはある程度数が必要だというようなお話だったかと思います。  この度の法改正では、新しく自らエネルギーを消費しなくても、住宅、ビルやほかの機器等のエネルギーの消費効率の向上に資する製品をトップランナー制度の対象に追加することになりましたけれども、建築に対する断熱効果を考えたときに、例えば屋根に塗る塗料で断熱性があるものがあると伺っております。東日本震災の後、電力供給が逼迫した際に、実際に屋根にこの断熱用の塗料を塗って成果が上がったというようなことを聞いたことがあります。ただ、この屋根の断熱用の塗料は余り多くの会社が製造していないということで、ただいま御説明ありましたように、やはり数が少ないということでトップランナー制度には少しなじまない、つまり先ほどの要件には当てはまらないということでございました。  このように、省エネに効果的だけれども、現状のトップランナー制度の要件に合わない機器や製品があるのも事実でございます。トップランナー制度は多数の競争によって技術革新を起こすことが肝だと思いますけれども、例えばあの有名な、痛くない注射針で有名な岡野工業株式会社の岡野雅行社長のところのように、少数でも独創的で技術革新を起こす、このような技術も省エネ考える際には私は必要になってくるのかなと、こう感じているんですけれども、この点について、例えば今のように少数だけれども独創性がある技術をトップランナー制度に乗せていく、これ自体はちょっと厳しい、難しいところがあるのかなと御説明を聞いて思っておりますが、こうした革新的な技術を普及させていくためにどのような支援を政府として考えているのか、少し御説明願います。
  64. 佐藤ゆかり

    大臣政務官佐藤ゆかり君) お答えいたします。  岩井委員指摘のとおりでございまして、トップランナー制度の方は企業間の競争を促して省エネ性能の高い製品を普及させる仕組みでございます。したがいまして、委員の事例の中にございましたけれども、屋根に塗る塗料が省エネ効果があるですとか、こうしたオンリーワンの省エネ製品ですとか技術、こういった市場として競争環境に至っていないものにつきましてはトップランナー制度を適用することは難しいと考えております。  しかしながら、こうした独創性のある技術を開発普及していくということも極めて重要でございまして、こうした意味では各段階において様々な支援策を講じているところでございます。  具体的には、まず独創性のある技術の開発につきまして、インキュベーションから実用化、実証までを一貫して補助を行う制度といたしまして、平成二十五年度当初予算におきまして九十億円を計上して、まずインキュベーション段階及び実用化のための技術開発に対しまして費用の三分の二を、そして実証段階の技術開発については二分の一を補助を実施することといたしております。既にこの補助制度によりまして、例えば空港や展示場で用いられております百型超の大型ディスプレーの消費電力を三分の一に圧縮する技術ですとか、水に代えて新しい冷熱媒体を用いることで最大四〇%の省エネを可能とする高効率蓄熱空調システムなどが開発、製品化されているところでございます。  また、製品化されました技術の普及促進につきましては、平成二十五年度予算におきまして、省エネ補助金、これはエネルギー使用合理化事業者支援補助金でございますが、これを三百十億円計上しておりまして、省エネ効果の高い設備を企業が導入する際にその費用の三分の一を補助することといたしております。  今後とも、こうした対策によりまして独創性のある革新的な省エネ技術の開発及び普及の促進をしてまいりたいと考えております。
  65. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 ありがとうございます。  少し観点を変えまして、再生可能エネルギーの活用について少し質問させていただきます。  この度の法改正におきまして、電気の需要の平準化、電力ピーク対策が目的に追加をされております。電力ピークカットと聞いて私がイメージしたのが、実はダムの揚水発電であります。揚水発電は、夜間電力を使って水を上ダムに運び、日中の電力需要の多いときにその水を下ダムに落として発電をするというもので、まさに電気の需要の平準化に資するものだと言えるのではないでしょうか。  先日もお話ししましたけど、私、静岡の選出の議員でございまして、静岡というのは、富士川を挟んで東側が東京電力の五十ヘルツ、西側が中部電力の六十ヘルツということで、一本の川を挟んで周波数が違うということ、そして、震災の後にまさに計画停電を経験をして電力の融通の必要性というのを本当に思い知らされたという話をこの前のときにお話をしたかと思います。  本日の質疑の中でも周波数の変換のお話が少し出ておりました。この電力融通に関して、揚水発電所には周波数変換機能があり、この周波数が変わる境に揚水発電所を建設すれば五十ヘルツと六十ヘルツを変換することができると、そんな話を聞いたことがあるんですけれどもエネルギーのベストミックスという話もあります。私は、このような揚水発電をもっと積極的に活用をしていくべきではないかなと思うんですけれども、今後の方向性、どうなっているのかお答え願います。
  66. 後藤収

    政府参考人(後藤収君) お答え申し上げます。  今先生の方から御指摘いただきました揚水発電でございますけれども、特に夜間の電力需要の低い時間帯の電気を活用して水を上ダムにくみ上げて、昼間の需要の高いところに水を流すということで発電をするというシステムでありまして、そういう意味では、蓄電池と同様な出力調整機能を有するという意味では非常に有意義なものだと思っております。  今回の需給検証委員会で二〇一三年度夏の需給見通しをまとめる際におきましても、夏の電力の需要のピーク供給力に対しまして、揚水発電というのは全体の一二%、約二千七十万キロワットを見込んでいるという意味で大変大きなウエートを占めているというふうに思っております。  今先生御指摘のように、五十、六十の変換できるという揚水発電所というのは、実は国内にも幾つかございます。そういう意味では、揚水だけではないんですが、一般水力では同じ静岡県では佐久間ダムを中心として、それから秋葉ダムの第一、第二、第三発電所とか幾つか両用の発電所というのはございますので、そういう意味では、水力発電というのは東西の安定供給にも資するという意味では非常に大きい意味を有しているというふうに思っております。  それから、今後の揚水発電の活用、拡大でございますけれども、現在でも東京電力の神流川、それから北海道電力の京極というふうに現時点でも新たな揚水発電所の建設進んでおりますので、こういう状況をしっかりと踏まえて活用はしっかりやっていきたいというふうに思っております。
  67. 岩井茂樹

    岩井茂樹君 以上で質問を終わります。
  68. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時五分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  69. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、佐藤公治君が委員辞任され、その補欠としてはたともこさんが選任されました。     ─────────────
  70. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 休憩前に引き続き、エネルギー使用合理化に関する法律の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  71. 長沢広明

    ○長沢広明君 公明党の長沢広明でございます。  エネルギー使用合理化に関する法律の一部を改正する等の法律案について質疑をさせていただきます。  我が国は、三・一一の東日本震災で、いわゆる原子力発電所の事故において電力需給の逼迫という事態に直面をしました。その後、この二年間、官民一体と申しますか国民の皆様の大変な御協力をいただいて、この電力需要のピーク時の節電目標を掲げて取り組んでまいりました。  先般、政府は、一般的な節電ということの要請はそのまま続けていくものの、沖縄を除いて電力九社については供給余力を確保できるという見通しの下、今年の夏については節電目標は設定しないという方向になったというふうに、報道ベースでありますけれども、そういうふうに伺っております。  しかし、我が国経済の持続的な発展のためにはエネルギー需給の早期安定化は不可欠でございまして、供給体制の強化ということを万全にするためにもこの法案の改正案については早期に成立をさせて、いわゆる持続可能な省エネルギー体制と、そういう体制をつくり上げていくということは非常に大事なことであるというふうに思っております。  我が国は、振り返れば一九七〇年代の二度のオイルショック、これを経験をして、官民一体となって省エネルギーということに国民全体で取り組んでまいりました。その結果、一九七九年から二〇〇九年までの三十年間でおよそ三三%の発電効率化に成功しているということで、エネルギーの効率化ということについては世界トップレベルであるというふうに思っております。  原発事故電力需給、いわゆる元々の電力がそのものが足りないという事態に直面をしまして、いわゆる省エネという観点から、エネルギー総量の削減というよりもピーク時の電力をどう抑えるかということに課題は視点が移ってきているというふうに思います。  これまで省エネ法では、第一条において、目的にありますように、エネルギー使用合理化、すなわち省エネルギーエネルギーを量として使わないように抑えるということに目的をしておりましたが、これからは電力ピーク需要、それをどう抑えるかという、ちょっと視点が変わってきているということでございます。それに合わせた改正案であり、電気の需要の平準化ということを今回の改正案の中にも盛り込んでいるというふうに思います。この発電所の瞬間発電量の限界ということを見据えた上で電気の需要の平準化を目指すということがこの改正案の一番の柱であるというふうに思いますが、これは大変重要なことであると。  今回、省エネ法のこの改正案で、特に第五条におきまして、第五条の一及び二で様々な改正を組み込んでおりますが、その柱というのは、産業界において、ピークシフトのために蓄電池も含めた様々な有効な方策を導入する場合、それを導入しやすくする、円滑に導入できるようにするということが織り込まれておりますし、これに基づいて国としてもその円滑化の措置を今後検討していくというふうに聞いておりますが、この改正の狙いがどこにあるか、改めて伺いたいと思います。
  72. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) ありがとうございます。  まず、この夏でありますが、節電目標自体は設定をしないということでありますが、今、東日本震災以来のエネルギー逼迫といいますか、制約に今直面をする中で、例えば火力に九割依存をすると。その火力もかなり老朽化した火力というのをたき増しをするということでありまして、まだまだ状況というのは完全に、この夏、節電目標を設定しないから大きく改善したということではなくて、一般の家庭を含め、企業にも従来どおりの節電をしっかりお願いしたい、こんなふうに思っているところでありますが。  委員の方から御指摘いただきました省エネ法の第五条でありますが、ここで経産省が定めることとしております工場等でのエネルギー使用基準の中で、経産省は、年間エネルギー使用量が原油換算で千五百キロ以上の大企業に対して、そのエネルギー消費原単位を毎年一%ずつ削減するエネルギー効率改善の努力目標を課しております。対象となっている事業者は、我が国の全事業者四百二十万社のうち一万二千社ということであります。  ただ、御指摘のように、大震災以降、ピークシフトさせる、こういった考え方が極めて重要でありまして、事業者蓄電池を導入することを奨励しております。ところが、蓄電池を使うということになると、オフピーク時、つまり夜間に一〇〇%充電をしますけれどもピーク時間帯、昼間に使おうとすると八〇前後しか電気を使えないということになりまして、このため、蓄電池の導入というものは、ピークコントロールには大いに貢献をいたしますが、現下のエネルギー需給問題の解消に貢献していくものの、電気購入量自体、又は使用量自体の増加ということになってしまいまして、先ほど申し上げた一%の努力目標がクリアしにくくなると、こういう問題が発生をする懸念があるわけであります。  この問題を解消するために、今回の省エネ法の改正におきましては、経産省が工場などでのエネルギー使用基準を定める際に電気需給環境を勘案して定めることができることといたしました。今後、ピーク時の電力使用量を高くカウントする、評価を高くするということなどによりまして目標達成がしやすくなるよう努力目標の算定方法を変更していきたいと、このように考えております。
  73. 長沢広明

    ○長沢広明君 政府がピークシフト対策を呼びかけるのに対して、これまでは、需要家側といいますか、中小企業、工場も含めて多くの事業者が自己防衛というものをこの二年間一生懸命してきたわけです。小さな工場であっても、電気が一時切れたらもう仕事に大変な影響があるということで、自ら発電機を入れたり、それとセットで蓄電施設を入れたりという大変な苦労をされてきたわけで、それに対して国としても一部補助をされてきたという経緯があります。その際、例えば発電機を、国の要請で計画停電があると、それの要請に合わせて発電機を入れると、しかし発電機を入れるその燃料については補助がないとか、様々な問題がいろいろ起きてまいりました。そういうことに対する支援の強化ということについても、いろいろな形で現場の声を私どもも政府に伝えてきたつもりでございます。  今話があったとおり、基本的にはこれからのピーク時の電力量をどう抑えるかということについては、基本的な、それに対する社会基盤というかインフラの面でいうと、やっぱり蓄電池というのは非常に重要な役割をどうしても持つわけですね。  その重要な役割を持つ蓄電池の普及ということが大事になってくるわけですけれども、それに対する補助制度というのは、経産省を中心に幾つか補助制度がありますけれども、押しなべて三分の一補助なんですよ。補助率が、それは導入する側が事業者であるかあるいは一般家庭であるか、いろいろなパターンあるわけですけれども、基本三分の一補助ということになっておりますと、中小あるいは一般家庭については三分の二の負担というのは非常に大きな負担になるわけです。  省エネあるいは今のピークカットということを国策として進めていくということであれば、それを支える社会的な基盤としての蓄電池の普及ということはもう不可欠なわけでありまして、その蓄電池を普及させるという意味では、この三分の一補助というのはもう一歩踏み込みが足りないのではないかというふうに思っておりまして、二分の一補助というところまで、基本的な考え方をそこに置くべきではないかというふうに思っておりますが、この辺についてお考え伺いたいと思います。
  74. 永塚誠一

    政府参考人(永塚誠一君) 蓄電池の補助率三分の一につきましての御質問にお答えさせていただきたいと思います。  蓄電池は、今委員も御指摘がありましたように、電力需要のピークカットの効果があるということに加えまして、万一の停電時におけるバックアップ電源としての効果も期待できるものでございまして、その普及を図ることは、さきの震災に起因する電力需給への対策としてはもとより、今後のエネルギー政策においても大変重要なものだというふうに考えてございます。  こうした観点から、平成二十三年度の第三次補正予算において定置用リチウムイオン蓄電池導入促進事業として二百十億円を措置をさせていただきました。この事業は、蓄電池購入する方に対しまして補助金額の、三分の一を補助するということとしております。昨年の四月にこの申請を開始し、本年末まで申請を受け付ける予定としてございます。  この実施状況でございますけれども、対象となる蓄電池の機器の数も増えておりますし、また新築住宅蓄電池を装備して販売するハウスメーカーの数も増えております。また、月額数千円のレンタル料によって従来よりも低廉な形で蓄電池を提供するというビジネスが開始をされたりしております。今後、この補助金の更なる利用拡大が、今申し上げましたように、期待される動きが出てきているわけでございます。  国としては、今後、この補助金を着実に執行し、こうした民間の動きを更に後押しをすることが大変重要と考えております。こうした執行状況を見ながら、今委員からの御指摘も踏まえまして、今後の予算要求などにおきまして、厳しい財政事情の中での費用対効果の観点から更なる普及促進のためにどんな対応が可能なのか、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
  75. 長沢広明

    ○長沢広明君 厳しい財政事情の下でというふうにおっしゃいますけれども、それは押しなべて同じなわけで、その中で、このエネルギーという政策の中でどういうエネルギー社会をつくるかという基本的な方向を見据えた上で、地域であるいは家庭でエネルギーをきちんとコントロールできる状態をつくり上げるという方向にもし行くのであれば、蓄電池に対する補助の考え方を抜本的に踏み込むべきであると、それは。  社会的なインフラとして蓄電池が必要であると考えるのであれば、三分の一補助というのはその政策を表していないと。政策を表す数字としては、少なくともやっぱり二分の一補助まできちんと踏み込んで、その上で蓄電池の普及に対して政府はこれだけ真剣であるという方向をちゃんと示すことが私は必要だというふうに思っております。  三分の一補助の状態でも、今答弁があったとおり、様々な形で普及が進みつつあります。それをそのまま見るか、あるいはもっと踏み込んでいくか、これは様々な議論がある。蓄電池コストを下げるという問題もありますが、それに対するこの普及をどう進めるかということは非常に大事な問題であるというふうに思っておりますので、もう一歩私は踏み込むべきではないかと。エネルギーを地域あるいは家庭できちんとコントロールできるという状況をつくるのであれば、それに対する補助という形で政府の姿勢をきちんと示すべきだというふうに思っておりますので、これは改めて申し上げさせていただきます。  そもそも、この電力の不安定ということをどう解決するかといえば、それは電力会社がまず第一義にしっかり考えるべき問題でありまして、ヨーロッパでは、再生可能エネルギーが導入する、その拡大に伴って、電力会社はバックアップのために火力発電所を予備として設置するということをやっておりますが、さらに火力発電所の代替措置としては、日本蓄電池ということについての導入に対する期待が高まっているという状況にあるというふうに聞いております。  我が国の電力会社はバックアップとして揚水発電をよく使ってきたという状況にございます。この需給調整の代替措置としての蓄電池がその反面大変脚光を浴びておりまして、現在は揚水ダムが役割を果たしているその分を、蓄電池を併用することで地域ごとの負荷を平準化することができるというふうにも言われておりますが、電力会社の方にも蓄電池を導入して、需要者側である中小企業の工場などが一生懸命ピーク対策をしているということに対して、電力会社もちゃんとピーク対策として蓄電池の導入で対応するということが必要だと思います。  供給サイドが蓄電池を導入して対応を取るということについて、経済産業大臣はどうお考えか、伺いたいと思います。
  76. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 大変重要な御指摘だと思っておりまして、電力会社電力系統に蓄電池を設置することは、個々の発電所や工場に蓄電池を設置していくよりも一か所に設置をした方が工事費やメンテナンス費用が削減でき、経済性においても優れている。さらに、複数箇所よりも一か所で蓄電池の制御を行う方がシンプルであると、こういったメリットがあると考えております。  諸外国では大型の蓄電池の技術がないため、個々の発電所や工場に中型や小型の蓄電池を設置しているのが現状でありますが、一方で、我が国だけが世界に誇る大型の蓄電池の技術を持っているわけでありまして、この技術を戦略的に生かせれば、電力会社電力系統に蓄電池を一か所置くことが可能になってくると考えております。このため、世界で初めて個々の発電所や工場側ではなくて電力会社の一か所の変電所に集中して大型の蓄電池を設置する実証実験を実施することといたしております。  そして、先生おっしゃるように、もう一つの課題はコストでありますから、今、揚水が二万三千円でできるところ、蓄電池ですと四万ということで、これは二〇二〇年ぐらいまでに二万三千レベルに下げていくと。  技術開発そしてコスト削減、両側から大型の蓄電池の普及をしっかりと図っていきたいと思っております。
  77. 長沢広明

    ○長沢広明君 時間なのでちょっと質問飛ばしますけれども、今大臣おっしゃったとおり、コストの問題というのは非常に大事なもので、コストを下げるための努力も、補正予算、また、今回の成立した当初予算でも様々な措置が図られているということは承知をしております。それについてしっかり進めながら、蓄電池に対する蓄電シフトというか、蓄電池をきちんと持つことがある意味では、自分のところで電力をコントロールするということは、普通の状態に持っていくということは非常に大事なことだと思っておりますが、考え方の転換がこの法案一つ一歩進んだというふうに思っています。  我が国全体としては、冒頭申し上げたとおり、我慢して電気を使わないとか、いわゆる、ある意味では節電という努力を国が促してきたと。節電という努力を促したことについては、もうここまでが多分限界に近いのではないかと。余り節電節電と言ったら、もう経済的にもマイナスが大きいと。それに対して、そういう意味じゃ節電努力を促すということは合理的では余りない。非合理的であるというふうに言ってもいいと思います。  そういうことから抜け出して、ピーク時と使わないときとのこの差を縮めるというか、もうピーク時をどう天井を抑えるかという方向にこの法案が持っていこうとしているというふうに考えるんですが、その背景というか、少なくともこれまでの非合理的な節電努力を促すという政策からなぜ脱却しなきゃいけないのか、どう抜け出すべきなのかということについて、基本的な大臣考え方をもう一度伺って、質問を終わりたいと思います。
  78. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 先生の方からも御指摘いただきましたが、一九七〇年代のオイルショック当時は全体のエネルギー使用量を減らしていく、こういう発想でありましたが、まさに三・一一以降の新たなエネルギー制約の下ではピークをどう抑えるかと、こういう発想が中心になってきますから、あらゆる政策についてもこのピークコントロールをうまく行っていく、そういった方向に政策誘導するということを基本にこの法案考えさせていただいております。
  79. 長沢広明

    ○長沢広明君 終わります。
  80. 水野賢一

    水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。  まず、省エネ法の改正についてお伺いをしますが、省エネ法の第五条というのでは、経済産業大臣が判断基準を定めることになっているわけですよね。この判断基準の中では、今の判断基準ですね、これの中では、事業者は年平均で一%のエネルギー効率を改善していくという、そういうような努力目標が掲げられているわけですけれども、法改正に伴ってこの判断基準の部分を見直すとか緩和をするとかという、そういう考えはあるのかないのか、まずそこを伺いたいと思います。
  81. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 省エネ法では、年間エネルギー使用量が大きい企業、大体一万二千社になるわけでありますけど、に対して毎年一%のエネルギー消費原単位削減の目標を課しているところであります。  産業部門は我が国のエネルギー使用量の四割を占めまして、我が国の省エネを促進する上で極めて重要でありまして、引き続きこの一%の目標を維持しつつ省エネを推進する、これを基本に考えたいと思っております。
  82. 水野賢一

    水野賢一君 産業部門の企業省エネをするときというのは、要するに毎年毎年一%ずつ改善するというのはそう簡単な話じゃなくて、要はこのエネルギー効率改善する一番いい方法というのは、設備を更新したりとかして最新のものにするとか効率のいいものに更新するときに大幅に改善するわけですから、だから毎年一%というのはなかなか難しくて、まさに平均でいいと思うんですけれども、それでもこの目標で掲げている以上、守っていく必要も一方であると思うんですが。  これは事務方で結構なんですが、これ努力目標は守られているのかどうかというのは、チェックとかというのはしていらっしゃるのか確認したいと思います。
  83. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) お答えをさせていただきます。  今大臣の方から答弁させていただきましたこの年平均一%以上低減させるという努力目標でございますが、これは定期報告書に基づいてその達成状況をチェックさせていただいております。これは委員指摘のとおりで、毎年というのもなかなかあれでございますので、やり方としては、過去三年間の原単位改善率の平均値を定期報告書から計算するというやり方をしております。それでチェックを行わさせていただきまして、これが一定以上悪化している場合、原因を定期報告書で確認をして、これで不明確な場合には省エネ法八十七条三項という規定に基づいて報告徴収が掛けられるようになっております。これまでに累積で二百三十七件の報告徴収を行わさせていただいているという状況でございます。
  84. 水野賢一

    水野賢一君 今御答弁にあったように、省エネ法では定期報告を求めているわけですよね。つまり、どの企業がというかどの工場が、例えばどれだけの石炭を燃やしたとかA重油を燃やしたとかガソリンを使ったとかということを報告を求めているわけですよね。  ですから、その報告書を今のようなところに役立てているという理解でいいのかなというふうに思いますけど、この定期報告書は役立っているというふうに、そういう理解でよろしいですか。
  85. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) そういう理解で結構でございます。この報告書を用いてチェックをいたしておりまして、ちなみに、遵守状況に問題のある事業者を確認した場合には、六条あるいは六十条に基づく指導、あるいは八十七条に基づく報告徴収、立入検査を実施しております。累積の実施で申し上げますと、指導が二千三百二件、報告徴収二百五十七件、立入検査は百三十三件実施してきたところでございます。ちょっとお時間が掛かりますので詳細は申し上げませんが、改善の余地のある事項を特定した上で措置を講じることを求めているということでございます。
  86. 水野賢一

    水野賢一君 つまり、省エネ法という法律のかなりの根幹の一つは、そういう事業者に対して、どれだけの例えば重油だガソリンだ石炭だというようなものを使ったということを経済産業省に報告させるというこの定期報告の制度があるわけですけど、このデータというのは実は一般には開示されてないんですよね。  ちょっと前の話になりますけど、十年ぐらい前の話になりますけど、そのころ、与党議員で見せてくれというふうに言っても見せなかったんですね。まあ、別に与党じゃなくて野党にももちろんちゃんと資料提供とかしてもらわなきゃ困るんですが。それで結局、そのころはちょうど情報公開法というのが施行されたばっかりだったんで、情報公開請求を、つまり出さないんだったら情報公開法で請求するということは論理的にはできるわけですから、そんなようなことをした衆議院議員がいましたけれども、当時の与党の衆議院議員で、本人は名前いいと言っていますから、分かりますか。
  87. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) 委員御自身でございます。
  88. 水野賢一

    水野賢一君 十年ぐらい前、私が、だから、それでこの部分、情報出さないから情報公開法に基づいて情報開示請求したんですよね。そうしたら、そのころ、確かに情報公開請求したら出てきましたよ。段ボール十箱分ぐらい出てきて、これは全国の経済産業局にデータがあるわけですから、全国の経済産業局に開示請求したら出てきたんですけど、今申し上げたように、そうしたら段ボール十箱分ぐらいになったんですね。それは請求したんだから、請求した側がそういうことを言うのもなんではございますけれども、これ曲がりなりにも、何かもうちょっと、今電子的な方法とか、何かそういう工夫はないもんですかね、こういうものを請求したとき出てくるときに。
  89. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) 私、この職に就かせていただいて一年十か月ぐらいで、委員ともこの件、議論させていただいております。  それで、利便性はとても大切だと思っておりまして、現在はこの開示の実施方法について、かつては委員指摘のとおり紙媒体のみの交付形態を取っていたんですが、現在はPDF化したCD—ROMに格納して交付することも選択できるようになっております。どちらかのサービスを提供させていただいていると、こういう感じでございます。
  90. 水野賢一

    水野賢一君 利便性が高まっていくことはいいことで、要するに、こういうデータというのは、私が思うには、経済産業省だけでデータ抱え込んでいても余り意味ないと思うんですよね。  一方で、世の中の人たちが幅広く見ることによって、ここはちょっと省エネ進んでいないんじゃないのとか、そういうようなことを多くの人の目が触れることというのも大切だと思うんですよ。ちょうど、ちょっと例えは変かもしれませんけど、政治資金なんかと同じようなもので、選管とか総務省の方に出すだけで意味があるんじゃなくて、それを多くの人がチェックすることで、それによってまともな人であれば余り変な使い方はしないようにするとかという、そういうことと同じで、多くの人の目が触れると余り野方図な排出はまずいでしょうとか、そういう自制をまともな企業は働かすはずですから、その利便性を高めてもらいたいと思うんですけど、その公開の。  これはそもそも申告のときにこれだけ、これはまあこの省エネ法に限りませんけど、何というんですかね、効率性とか、確定申告だって何かだって電子申告とかできる時代に、これ電子申告みたいな形を進めていくとかという、そういう考えはないですか。
  91. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) これも委員の方から御指摘をいただいておりまして、今ちょっと以下のような対応を取らさせていただいています。  まず、CD—ROMに格納することは、これ情報提供でありますが、比較的容易だったんですが、こちらについては、先ほど申し上げているように、行政処分の根拠となるので、その電子的なものできちんと確認ができるかどうかという問題がございます。  そこで、昨年度からちょっと試行的に事業者の方に任意で御協力をいただきまして、電子データの提出で問題が生じないかどうか確認するために、紙媒体と電子媒体の両方をちょっと提出していただけませんかということでお願いをするという実験を始めております。昨年度の場合、実は提出する事業者、一万二千四百六事業者あるんですが、このうち三千七百三十八事業者については電子データの提出に御協力をいただきました。  現時点では、この行政処分を行う場合に、一応紙媒体でうちの担当者が再度確認すると、そのときはですね、という手続を踏んでおりますが、それで本当に安定的に電子媒体の方でできるのかということを確認して、その試験結果を踏まえて、できるだけ早期に電子システムの在り方について結論を出していきたいと思っております。
  92. 水野賢一

    水野賢一君 いろんな試行錯誤があるというふうに思いますけれども、一歩ずついい方向に改善していただければと思いますが。  私が情報開示請求をして、どの企業がどれだけのエネルギーをどういうふうに使っているという情報を開示請求したときも、細かい数字はちょっと忘れましたけれども、不開示というのもあるんですよね。つまり、簡単に言えば、黒塗りで出てくるというやつですね。何々、例えば新日鉄君津工場とかという形で、だけど、どれだけのコークスを使ったかは出さないとか、そういうような話、そこだけは黒塗りになるというのがあったんですが、この情報公開請求というのは別に国会議員じゃなくても誰でもできるわけですから、何人たりとも開示請求できますから、私が開示したのというのはその一度だけなんですけど、その後、経年的に気候ネットワークというNPOが、温暖化対策のNPOが毎年経年的に結構同じような情報開示請求をしていますよね。それで、それに対しても、結構やっぱり同じように黒塗りで出しているわけですね。それは、私に出すとき黒塗りで、その人たちに出すときに全部開示したら、それはそれで余り愉快じゃないわけですけれども。  そうしたら、気候ネットワークさんは訴訟を起こしたわけですよね。つまりこれは、不開示は不当だという訴訟で、訴訟になった後、急に開示に転じた例、つまり訴訟の裁判が始まったときにそういう例って結構あったと思うんですけど、どのぐらいありましたでしょうか。
  93. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) 御指摘のこのNPO法人気候ネットワークの情報公開訴訟の対象であったものというのは、平成十五年度の各事業所のエネルギー使用量でございます。  当初、この気候ネットワークによる情報公開請求に対して、七百五十三事業所を不開示とする決定を行っております。これは、事業者の言い値ではございませんで、かなり事業者とは議論をしてこれでも増やした状態ではあるんですが、ただ、これ、委員指摘のところはありまして、その後、気候ネットワークが、不開示とされた事業所のうち二十八事業所について開示を求めて、名古屋、大阪、東京地裁に提訴をいたしました。当該提訴後、今、不開示にした七百五十三事業所のうち四百四十七事業所については方針を変更して開示を行ったと、こういうことでございます。
  94. 水野賢一

    水野賢一君 要は、事業者は、それは何となく、自分たちのエネルギー使用量が開示請求があってそれを出されちゃうと何となく嫌だから、これ、非開示、不開示にしてくれというふうに言ったわけですね、経済産業省側に。だけど、そのときは、これ出されると本当に利益にすごいマイナスになっちゃうからという言い方で言うわけですけれども、実は、裁判にまで持ち込まれるとなると、そんな面倒くさいんだったら別にそんな実は大した情報じゃないから開示しましょうというのが多かったというのが実態だと思うんですよ。結局、四百の事業所が後から開示しても構いませんよというふうになったわけですから。  要は、今部長の方は言い値じゃなくてというふうにおっしゃいましたけど、とかくこういうのは、事業者側がこれは開示されると大変なことになっちゃうんですと言うんだけど実は大したことないということが結構あるわけですから、余りそちらの方の言い値に惑わされないように今後気を付けていただければと思うんですが。  ところで、その訴訟の結果、もちろん一審、二審、最高裁というふうにあるわけですが、一審、二審段階、つまり、下級裁判所の段階は、国が勝ったのか、気候ネットワーク側が勝ったのか、つまり、開示すべきと判断があったのか、開示すべきじゃないという判断だったのか、どういう結果だったでしょうか。
  95. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) 先ほど申し上げた情報公開請求に対して私どもが不開示決定をしたものがあるわけでございますが、平成十七年七月から八月にかけて名古屋、大阪、東京地裁に提訴が行われました。地裁の判決は平成十八年十月から十九年九月にかけて行われておりまして、これはいずれも国の敗訴となっておりまして、国が上訴を行っております。  その後、高裁でございますが、大阪高裁では国の勝訴、それから名古屋、東京高裁では国の敗訴となりまして、それぞれ敗訴側の気候ネットと国が上訴を行ったということでございます。  そして、平成二十三年十月、最高裁判所において国の勝訴が確定したと、こういう状態でございます。
  96. 水野賢一

    水野賢一君 おっしゃられるとおり、確かに最終的に最高裁で国の勝訴が確定しているんです。そのとおりなんだけれども、下級裁判所でつまり六回判決が出ているわけですよね。六回の中で五回は情報開示すべきだというNPO側が勝っているんですよね。国が勝ったのは一回。国から見りゃ一勝五敗ですよね。だから最高裁判決が無効だなんていう言い方はしませんよ。そんな言い方はしませんけど、つまりそれだけグレーゾーンのような、つまりどっちが勝つことも十分あり得るぐらいのところだったのは実態だというふうに思うんですが、これ大臣にちょっとお伺いしたいんですが、最高裁が、大臣、聞いていますか、大臣、聞いていますか。大臣、聞いていましたか。  最高裁の判決が、今あったように、非開示情報だというふうに認めたのは知っていますよ。知っていますけれども、これ、だからといって、この判決は、情報公開法七条を使っての公益上の理由による裁量開示まで否定したわけじゃないというふうに思いますけれども、ちょっとそこを確認したいというふうに思います。
  97. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 御指摘のように、情報公開法七条は、不開示情報であっても、公益上特に必要があると認めるときは、御指摘のとおり、当該行政文書を開示することができると規定しているものであります。
  98. 水野賢一

    水野賢一君 つまり、最高裁が認めたのは、それは要するに、不開示にしても構わないよというふうに言ったのは事実ですけど、開示しちゃいかぬと言っているわけじゃないわけですから、これは、公益上の理由があると判断するかどうかは議論は分かれると思いますけれども、私はそれだけの意味はあると思っていますけれども、今の答弁で確認をさせていただきました。  ちょっと今回の改正についてもう一回振り返ってみたいと思うんですが、今回の改正、改正に当たっては審議会とかでいろんな議論がありますよね。総合エネルギー調査会なんかで答申を出したりとかしたんですが、その議論の中で、最終答申じゃなくても答申案の段階ではもっと違った形だったんですよね。  つまり、さっきから議論している定期報告での内容を今かなり詳細に、つまりどの事業所が、どの製鉄所がどれだけのエネルギー使ったという、種類別とか非常に細かいデータを経産省に上げているんですが、もっと丸めた形で報告すればいいじゃないかという、そんなような報告書があったのかどうか、ちょっと部長の方に確認したいと思います。
  99. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) この法案審議をいたしておりましたのは、総合資源エネルギー調査会エネルギー部会でございます。  それで、当時の議論として、今の定期報告の細かい項目を一つずつ出させて報告させてチェックする方式を改めまして、例えば五年程度の中長期の期間ごとにエネルギー消費原単位の改善率のみを報告をさせて、そして、中長期的な努力目標に適合しているかをチェックするという手法を導入することを検討しておりました。しかし、この審議過程で環境NPO等から、私どもがその情報を取らないと、結局、開示請求をしてその情報を取る、あるいは場合によっては、それが非開示のままであったとしても、役所がそれを持っていることの重要性というのは非常にあるという御指摘がありまして、これは政策的に大きな後退になりかねないという御指摘を受けました。  そのため、この意見を審議会において提起をさせていただきまして、審議の上、本部分の立法化を中止したということで、最終答申にはこの改正事項は載っていないと、こういう状態になっております。
  100. 水野賢一

    水野賢一君 そうなんですよね。だから、途中の段階では、つまり国が集める情報をもっと、余り細かい情報は集めないようにしようというふうに、そういう案があったわけですよね、途中段階ですよ。  ただ、さっき言ったように、国が持っている情報というのは基本的に情報を開示請求すれば出てくるわけですから、非開示は一部分ありますよ、だけれども基本的には出てくるわけだから、国が持っておくと、我々がもし知りたければ国に開示請求すれば出てくるんだけど、その元のデータを集めないようにしちゃったら、開示請求したって元々データがないから出てこないというふうになっちゃうので、これはやっぱり、知る権利と言うとちょっと言い過ぎかもしれないけれども、少なくともこ省エネ対策においては詳細な情報が出てこなくなるというのは後退だと思うので。  これは実は民主党政権のころにその議論があったんですよ、省エネ法改正案は民主党政権のときも出していましたから。だけど、ちょっと自民党政権になっての今審議入りですので大臣に確認したいですけど、こういう部分で後退するようなことがないかどうかを確認をさせていただきたいというふうに思います。
  101. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) これまでの経緯等も踏まえて、後退をすることがないように努めてまいります。
  102. 水野賢一

    水野賢一君 時間ですので、もう最後の質問にしたいというふうに思いますけれども。  今度、トップランナー方式で、今までの二十六項目に加える、エネルギーを使ったりするもの以外も加えるという話ですよね。例示として窓とか断熱材とかそういうようなものを加えるというふうに言われていますけれども、それに、窓や断熱材等とかというふうによく説明とかされたりしていますけれども、等とかとしてはどういうようなものなんかを念頭に置いていらっしゃるのかお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
  103. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) 本法案が成立した暁に当座御議論いただこうと思っているのは、断熱材とか窓、その二つでございます。  ただ、これの関係で、例えば窓にあれする遮蔽材のようなものとか、そういうものというのは将来的には議論はあり得るのかなというふうに思っております。
  104. 水野賢一

    水野賢一君 終わります。
  105. はたともこ

    ○はたともこ君 生活の党のはたともこでございます。  日本の省エネルギー、新エネルギーの将来像について質問をさせていただきます。  私の手元に平成二十一年八月十四日当時の斉藤鉄夫環境大臣の名前で発表された温室効果ガス二〇五〇年八〇%削減のためのビジョンという八枚の資料がございます。この内容を見ますと、エネルギー需要の変化、すなわち需要側の省エネで約四〇%改善する、そして供給側のエネルギーの低炭素化で約七〇%改善する。省エネ四〇%改善で〇・六とし、エネルギーの低炭素化七〇%で〇・三とし、〇・六掛ける〇・三イコール〇・一八、約〇・二で、二〇五〇年で八〇%削減するというビジョンでございます。私はこのビジョンは、原子力発電の部分を除けば非常によくできていると思います。  まず環境省に伺いますが、この二〇五〇年八〇%削減の目標は現在も政府において堅持されているのでしょうか。もう一度言います。この二〇五〇年八〇%削減の目標は現在も政府において堅持されているのでしょうか。
  106. 関荘一郎

    政府参考人(関荘一郎君) 昨年四月に政府として環境基本法に基づきまして第四次環境基本計画というのを策定しておりますけれども、その中でも二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指すというふうに明記されておりまして、堅持されてございます。
  107. はたともこ

    ○はたともこ君 さらに、環境省。この斉藤鉄夫大臣名で出された平成二十一年八月の二〇五〇年八〇%削減ビジョンはどのように作られたのか、現在もまだ生きているのか、環境省に伺います。
  108. 関荘一郎

    政府参考人(関荘一郎君) 委員指摘のとおり、当時と現時点におきましては原子力発電所の状況というのは異なっておりますけれども、それ以外の省エネ、再エネ等につきましては基本的に大きく変更はないと考えております。  環境省といたしましては、先日、改正地球温暖化対策推進法が成立いたしましたので、新たな地球温暖化対策計画を検討していくことになりますけれども、その際にはこれらの斉藤ビジョンを始めとしましたこれまでに蓄積しました知見も活用しながら検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
  109. はたともこ

    ○はたともこ君 次に、経済産業省にエコカーについて伺います。  このビジョンでは、エコカーは二〇二〇年に新車販売の五割、二〇四〇年以降新車販売の十割と書いてあります。私は、エコカー減税や補助金などのインセンティブについて、短期の景気対策の視点ではなく、この二〇五〇年八〇%削減目標達成まで長期間継続して実施すべきであると、それが成長戦略にも、競争力強化にもつながると確信をするわけですが、経済産業省、いかがでございましょうか。
  110. 宮本聡

    政府参考人(宮本聡君) お答えいたします。  我が国のCO2排出量のうち運輸部門からの排出量は約二割で、その大部分が確かに自動車からの排出でございますので、やはりCO2の排出量の削減のためには自動車の燃費の向上、これが重要な課題でございます。  こうした観点から、経産省といたしましては、委員指摘のとおり、平成二十一年度のエコカー減税など、燃費性能の優れた自動車の普及促進のための取組を進めているところでございます。  この結果、例えば新車販売に占める次世代自動車の割合につきましては、エコカー減税導入前の二十年度の三%から二十四年度の二一%、新車乗用車の平均燃費もエコカー減税導入後四年間で二四%改善するなど、大きな環境改善効果があったと思っております。  今後につきましても、平成二十五年度与党税制改正大綱において、自動車重量税等について一層のグリーン化等の観点から燃料性能等に応じて軽減する等の措置を講ずることとされておりますので、まさに議員御指摘のとおり、平成二十六年度税制改正に向けて具体的な検討を進めてまいりたいと思っております。
  111. はたともこ

    ○はたともこ君 次に、代表して経済産業省に伺いますが、このビジョンには電気製品の高効率化、高効率照明などの記述もございます。私は、エコポイントについてもエコカーと同様に二〇五〇年八〇%削減目標達成まで長期間継続して実施をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  112. 永塚誠一

    政府参考人(永塚誠一君) エコポイントについての質問でございますけれども、家電エコポイント制度は、省エネ性能の高い冷蔵庫、エアコンそしてテレビの購入者に対しまして商品券やプリペイドカードなど交換可能なエコポイントを発行することによって、三つの観点、第一に経済の活性化、第二に地球温暖化対策、そして第三に地上デジタル対応テレビの普及、こういったものを図るために平成二十一年から二十三年にかけて導入されたものでございます。こうした観点から申し上げますと、家電エコポイント制度は約五兆円の経済効果の呼び水となったこと、そして省エネ家電製品の普及が進んだこと、そして地上デジタル対応テレビを二・二倍に増加させたなど、実施当時の状況に照らして考えますと相応の効果を上げたものと理解をしております。  ただ一方で、家電エコポイント制度は、需要の先食いによりまして大幅な反動減が生じるなど市場にマイナスの影響があったとされていることや、十分な成果を上げるためには相当多額の予算が必要であるということ、そして加えて、省エネ家電を購入した消費者の方々からのエコポイント申請を受け付け、それを審査し、指定された商品と交換するなどの事務処理コストがかさむなどの意見があったものと考えております。  このような観点を踏まえまして、今後家庭において二酸化炭素排出削減を一層進めるためにどのような方策が適切か、その政策効果などを考慮、検証しながら検討してまいりたいと考えております。
  113. はたともこ

    ○はたともこ君 では、資源エネルギー庁に伺います。  このビジョンには太陽光電池の大量普及、燃料電池、高効率ヒートポンプなどの記述もございます。私は三月二十一日の本委員会で、太陽電池、燃料電池、蓄電池の電池三兄弟によるダブル発電、スマートハウスの普及について質問いたしましたところ、資源エネルギー庁長官より、電池三兄弟はそれをコントロールするホームエネルギーマネジメントシステム、HEMSと合わせて、家庭のエネルギー消費をゼロにする可能性もあり、極めて重要との答弁がございました。  私は、この電池三兄弟やHEMS、高効率ヒートポンプなどで、スマートハウス、スマートカンパニー、スマートコンビニ、スマートシティーなどを二〇五〇年八〇%削減目標達成まで長期間継続して減税、補助金などのインセンティブ政策を実施すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  114. 新原浩朗

    政府参考人(新原浩朗君) 御指摘の電池三兄弟でございますが、今御議論いただいているCO2削減の観点から非常に有効な取組考えております。家庭用燃料電池については、現在四十五万円の補助を行っておりますが、このまま目標どおりいきますと二〇一六年には実は補助金なしで自律普及するラインまで届くというふうに考えておるところでございます。それから、太陽光発電設備でございますが、固定価格買取り制度以外に家庭で御使用いただく場合には二万円の普及補助を行っているところでございます。蓄電池についても家庭、事業者に対して三分の一の補助を行っているところでございます。  さらに、委員指摘の、全体を取りまとめてゼロエネルギー住宅というのを造っていく、これは非常に重要だと思っておりまして、これについても住宅全体として普及補助を図っているところでございます。状況を見ながら、導入が拡大していくように支援策については対処していきたいと思っております。
  115. はたともこ

    ○はたともこ君 では、国土交通省に伺います。  昨日の御説明では、船舶については国際海事機関による条約の枠組みがあるということですが、その説明と、私は船舶についてもエコシップ制度でインセンティブを付けて省エネ、新エネの普及促進を長期間継続して実施をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  116. 坂下広朗

    政府参考人(坂下広朗君) ただいまエコシップあるいは国際海事機関、IMOにおける条約づくりについての御質問ございました。  まず、世界の海上貿易量でございますが、これは発展途上国の経済成長に伴いまして増大を続けております。この海上貿易量の増大に伴いまして、国際海運からのCO2の排出量も拡大を続けておるという現状でございまして、その抑制が国際的に喫緊の課題になっておるところでございまして、環境に優しい船舶、いわゆるエコシップの普及拡大が国際的に求められているという状況にございます。  エコシップの普及拡大に当たりましては、我が国の造船業、世界トップクラスの造船業を抱えておりますけれども、この造船業が得意とする省エネ技術力を生かすということ、それから、CO2排出量削減に貢献をこれでしていくという観点と、その技術力が発揮できる国際的な環境を整備していくということが重要でございまして、委員指摘のとおり、国土交通省におきましては、国際海事機関において、我が国が主導の下で国際的な船舶からのCO2の排出規制の枠組みづくりを進めてまいったところでございます。  また、これに併せまして、民間事業者における船舶の省エネ技術開発の支援を行いまして、世界をリードするエコシップの実用化を一体的に推進しているという状況でございます。  今後も、これらの取組によりまして、エコシップの建造に関するインセンティブを高め、我が国の海運、造船の競争力の強化に努めてまいりたいというふうに考えております。
  117. はたともこ

    ○はたともこ君 さらに、国交省、エコシップ制度あるいは省エネの技術開発補助金については、巨大船舶だけではなくて、中小、小規模の船舶も含めて、省エネ、新エネ普及促進のインセンティブを検討すべきであると思いますが、いかがでしょうか。簡潔にお願いいたします。
  118. 坂下広朗

    政府参考人(坂下広朗君) ただいま御説明しました省エネの技術開発でございますけれども、この省エネ技術は、国際航海に従事するような大型の船舶だけではなくて、国内のみを航行するような比較的小さな船舶にも応用可能な技術がたくさんございます。内航海運におきましても、CO2排出削減に向けた取組の重要性というものは増しておりますので、国交省におきましても、内航海運の省エネ化のための改造に対する補助ですとか、あるいは省エネ内航船への代替建造の促進支援といったような対策を行っておるところでございまして、今後も引き続き省エネ技術開発の推進と海運のCO2排出量削減に向けた取組の促進という両面の取組を進めてまいります。
  119. はたともこ

    ○はたともこ君 次に、電力需給ピーク時における自家発電の活用について、資源エネルギー庁に伺います。  私たち生活の党は、原発即時稼働ゼロ、原発代替即戦力は天然ガスコンバインドサイクルや最新型の石炭火力などの高効率火力であると主張をしております。  今年の夏の電力需給については、関西電力を除いては、他の電力会社原発稼働ゼロでも電力安定供給は十分可能です。しかし、関西電力のみが大飯三号、四号の原発二基の稼働が前提となっております。しかし、大飯三号、四号では活断層の存在によって停止となる可能性もありますし、私が本委員会指摘させていただいたように、原子力規制委員会対応できない、また責任が持てない弾道ミサイルのリスクも存在をいたします。もちろん、関西電力和歌山火力発電所、天然ガスコンバインドサイクル火力発電三百七十万キロワットの工事着工、運開が抜本的解決策ですが、それまでの間、企業などの自家発電の活用も選択肢の一つだと思います。  自家発電は、昨年九月末現在のデータで、全国三千二百三十二か所、五千六百十九万五百十キロワット、関西電力管内では四百十六か所、六百七十万八千七百四十五キロワットということですが、関西電力管内において昨年夏に実施した需給調整契約のうち、自家発のたき増しにより需要抑制を行う契約である夏季自家発調整特約の実績は、十四万キロワットだそうです。関西電力の夏のピークカットのために自家発電の燃料費の助成を行って、夏季自家発調整特約の実績を百万キロワット以上にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  120. 糟谷敏秀

    政府参考人(糟谷敏秀君) 電力需要のピークカット対策のために自家発電を活用していくということは、非常に大事だと思っております。  他方で、自家発電、これは元々自分で活用するための発電でありますので、どの程度余裕があるか、それを更にたき増しをする余裕があるかと、そういうところもちょっと考慮をしないといけないと考えております。  そういう中で、我々、自家発電を使って電力の需要のピークカットを進めるために、これまで、当初は自家発電の設備に対してのみ補助をしておったわけでありますけれども、昨年の夏前の自家発電の補助から、設備の補助だけではなくて燃料費の補助も対象に加えております。具体的に申し上げますと、電力需要のピークカットにつながる範囲、すなわち電力会社との需給調整契約に基づく自家発電のたき増しに係る燃料費、これについて補助を行うこととしております。  補助率が大企業で三分の一、中小企業で二分の一であります。昨年の五月から六月にかけて公募をして採択をした例でいいますと、これは日本全国、関西だけでなく日本全国でありますけれども、補助総額十六・九億円の自家消費の自家発電に対する補助のうち約四分の三、十二・八億円が燃料費に対する補助になっております。  こういうことを通じて、引き続き自家発電の活用を通じた電力需給ピークカットを進めてまいりたいと思っております。今年度につきましても、二百五十億円近い予算を計上いただいております。六月六日まで公募をいたしておりまして、ここでも同様に燃料費も対象に行っております。
  121. はたともこ

    ○はたともこ君 では、茂木大臣伺います。  四月二十五日の予算委員会で、私の質問に対して総理は、エネルギー安定供給エネルギーコスト低減の観点も含め、責任あるエネルギー政策を構築していくと答弁されました。私は、責任あるエネルギー政策の構築のためには、安定供給コストだけでなく、CO2削減、資源調達の多様性、リスクと安全性を加え、五つの観点から構築すべきだと考えておりますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
  122. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) 今後のエネルギー政策を考えていく上におきましては、当然、エネルギー安定供給、需給の安定化、そして今九割が火力発電に頼るという中で、発電コスト電力コストは上がっておりますから、コスト削減は重要であります。同時に、CO2につきましてもできる限りの削減をしていかなければいけないと思っております。  そして、一番目、二番目に申し上げた安定供給、そしてコストの低減とも絡んで、エネルギー源の多様化、そして調達先の多角化と、こういったことは必要だと、そんなふうに考えております。ある意味エネルギーというのも安全保障なんですよね。ですから、そういう幅広い視点から検討していく必要が私はあるんではないかなと思っております。
  123. はたともこ

    ○はたともこ君 私は、東京電力の柏崎刈羽の原発再稼働を考えるときは、四月二十五日の予算委員会の私の質疑でも明らかになったように、東京電力は現在でも七百八万キロワット、二〇一五年までには一千二百万キロワット程度の予備力があるわけですから安定供給は問題ない。思い切って柏崎刈羽を全て天然ガスコンバインドサイクル火力発電とLNG基地に大転換すれば、CO2削減、資源調達の多様化にも貢献できる。その上に、先ほど申し上げた原子力規制委員会対応できない、責任が持てない弾道ミサイルのリスクが存在するわけですから、柏崎刈羽の再稼働という選択はあり得ないと思いますが、最後に大臣の御見解を伺って、質問を終わります。
  124. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) はた先生、質問をお聞きしていて、非常に面白い発想をされるんですよね。  例えばエコカーの減税とかエコポイントの話もそうなんですけれども、確かに効果はあったんです。あれつくりましたときに、党の責任者で、発案したのは私なんですよ。相当の効果が出ました。ただ、あれは、言ってみますと、リーマン・ショックで日本経済は決定的に落ち込んだと、これを短期間で回復するための時限的な措置としてやったものでありまして、二十年、三十年やるという話ではないような気がするんですね。  それで、確かに今年の電力需給見ますと、関電の方が三・〇、そして九電が三・一、それから見ると東京電力が六・七でしたか、若干の余裕があるということですけれど、これにしても、結局、短期的に今、火力のたき増しをやっています、相当老朽化しているもの。これで維持ができるかというと、なかなかやっぱりこういったものの更新も進めていかなければいけないと思っております。  もちろん、原子力につきましては、安全第一、いかなる事情よりも安全性を重視して、その安全性については原子力規制委員会の専門的な判断に委ねる、そういう前提の下で、柏崎につきましては東電が事業者として判断する問題だと思っております。
  125. はたともこ

    ○はたともこ君 終わります。
  126. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 お疲れさまでございます。  冒頭、茂木大臣に御礼を申し上げたいというふうに思います。省エネといいますか、家庭の設備投資、中小企業もそうなんですが、こういうところの設備投資を促進すると、特に家庭において。この新しいスキームづくりに着手いただけるということで大変、共通の認識、有り難く思っております。三本目の矢、あるいは弓の弦というんですか、それにも当たるんだと思いますのが経済産業省ですから、大臣のリーダーシップ、御期待申し上げる次第です。  今日は、まず質問、Qの二から、大臣、Qの一は後にさせていただきます、Qの二なんですが、この法律で、企業ピークカットでプラス評価するということはどんなことかということがありましたが、轟木委員や各先生方からの御指摘がありましたので割愛をいたしますけれども、ちょっと、単に評価するというのは弱いなというのが私の考えなんですね。  何でもかんでも何かメリット付けてくれという現金な話ではございませんが、少なくとも社会、特に消費者評価というのをもらえるようにしないといけないんじゃないでしょうか。私の企業はこれぐらい、私の働いている企業はこれぐらい協力しているんだよ、ピークカットしているんだよ、消費者評価できる。それから同時に、ああ、あの企業はそういうところに力を入れているなと、そういう方々の資金を集めて投資をしようかとか、あるいは金融機関も、UNEP・FIというところがありますが、環境型、エネルギー型の企業活動をしているところには率先融資をしろと、こういうことにもなっています。日本環境省もそういうことを、去年でしたかね、まとめていると、こういうことでございます。  そういうことで、やはり環境会計というものを、これらは大企業が専らでしょうから、上場企業が専らでしょうから、環境会計をきちんと入れさせて、そして見えるようにすると。それが非常にいろいろな展開で役に立つと思うんですが、経済産業省、いかがでしょうか。
  127. 鈴木英夫

    政府参考人(鈴木英夫君) お答え申し上げます。  環境会計の企業取組を社会に見えるようにすることは非常に重要だと思っておりまして、経済産業省といたしましても、企業が発信する環境報告書を蓄積し、一般国民に向けて広く環境報告書を公開する場として環境報告書プラザのサイトを運営しております。本サイトは、現在、九百六十社の企業環境報告書が掲載されておりまして、各企業環境会計を含む環境配慮の取組を世の中に公表する場として活用されております。平成二十四年の実績でアクセス数が十六万八千六百三十一件ございまして、非常に幅広く活用されていると理解しております。
  128. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 続いては、そのような展開をプラザでやっているということですが、環境会計の最たるものは、経済産業省が世界標準としたマテリアルフローコスト会計なんです。これを環境報告書などと入れ替えまして、きちんとした、財務諸表と同じように外から評価されるような形にマテリアルフローコスト会計を当ててみてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
  129. 鈴木英夫

    政府参考人(鈴木英夫君) お答え申し上げます。  現在、環境省が作成をしております環境報告ガイドラインにおきましては、企業環境報告書の中で環境負荷や環境配慮等の取組を自主的に公表することを促しておりまして、本ガイドラインの中には、先生御指摘のマテリアルフローコスト会計も位置付けられているというところでございます。経済産業省としても、この導入を検討する企業からの相談の受付や周知活動を通じてマテリアルフローコスト会計の導入拡大を支援してまいりたいというふうに考えております。  他方で、直ちにその会計基準の中に位置付けるかどうかということについては、実はコスト面でも大変な負担が掛かるということもございますので、先生の御指摘でもございますので、引き続きこのマテリアルフローコスト会計の活用の方策については検討してまいりたいと考えております。
  130. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 消費者庁、環境省、経済産業省の御担当者にお尋ねするんですが、今のようなものが、言ってみればマテリアルフローコスト会計も含めまして公表をきちんとしないと、うまい公表の仕方もしないと、実は自分企業の中のイノベーションという意味での気付く化なんですよね。ですから、国民が、ああ、この企業はこういう形でこの製品を作っているんだと、商品を作っているんだと、完全に我々が差別化していくわけですよ。  そういうような方策をまず消費者に対して、こうしたCSRな企業と言ったらいいんでしょうか、環境エネルギーに配慮をしている社会的貢献をしている企業、こういう企業消費者に知らしめるための工夫というのは、先ほどはプラザというものを経済産業省は言ったんですが、消費者庁はどのようにお考えになっていますか。そして、環境省はどんな工夫をされていますか。
  131. 草桶左信

    政府参考人草桶左信君) 消費者との関係でお答えを申し上げます。  消費者とのコミュニケーション強化などの消費者課題でありますとか環境問題への取組等を通じまして事業者がその社会的責任を果たすこと、そしてそれを消費者に周知することは消費者にとっても極めて有益なものと考えております。  消費者基本法では五条の二項におきまして、事業者の責務として、事業者供給する商品及び役務に関し環境の保全に配慮すること等により消費者の信頼を確保するよう努めなければならないとされております。こうした観点からは、消費者課題でありますとか環境への取組を含めて、CSRに積極的な事業者についての情報が消費者に周知されることは極めて重要であると考えておりまして、消費者庁といたしましても、日ごろの情報発信でありますとかあるいは表彰制度の運用を通じて消費者への周知に努めてまいりたいと考えております。
  132. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) 環境省におきましても、やはりこの取組の重要性、認識しております。  お尋ねのありました環境報告書、私どもの調査では、先ほどもお話あったかもしれませんが、大企業中心でございますけれども、大体三六%の方が公表をしていただいております。消費者が消費行動において考慮する上でも、こういう環境報告書、大変重要なツールでございますので、私どもは、これを作成して、優良な報告書を作っておられる企業さんに対しまして環境コミュニケーション大賞というふうなもので顕彰するという事業をしておりますほか、エコ・ファーストと申しまして、企業のいろいろなトップランナーの取組をしておられる企業環境大臣との間でいろいろ約束事を取り交わすというような制度、こういうふうなものでその普及に努めております。  この三六%という数字、もう少し上がるように我々も努力をして、それが消費行動にもつながるようにというふうに考えております。
  133. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 例えば、皆さん想像していただきたいんですが、家電のエコポイントのときには、先ほどのやり取りもございましたけれども、四つ星、五つ星というので分かりやすいマーキングをしたんですね。ところが、我々、少しカロリーでちょっと消費が足りないかな、太ってきたなというときに、食べ物の脇、あるいはレストランでもカロリー表示というのがありますよね、このカレーは幾らとか。同じなんですね。環境会計の表示の仕方を、いわゆる値段と性能のところに見える化するんですよ。そうすると、消費者はそれで一つの購買の選択をしていく、で、企業が選ばれていく、こういうようなところに持っていかなければならないんです。その結果が、今度の法律でいうと、ピークカットをしているかというようなところがどう表れるかなんですね。  だから、そういうことを合わせ技で進めていくということに各省連携でお進めをいただきたいというふうに思っているんですが、その中で忘れてならないのは、本来はこうしたCSR企業には融資とか投資がなかなか付きません。ですから、銀行や投資家に評価させる仕組みというのが非常に重要なんですが、今日は少しここを割愛をさせていただきますが、この仕組みづくりについても、投資家、銀行、そういったものからのお金がそういう企業に流れてくるような仕組みづくりをまたお願いしておいて、次に進ませていただくんですが。  冒頭、大臣に申し上げましたのは、お手元にお配りをしたこの提案書というところのスキームなんですが、このスキームの中で、大臣の方に質問がだんだん入ってまいりますけれども、まず各役所にお尋ねしたいんですけれども、お金をいっぱい国民の税金で国庫を持ち出しするということは、やっぱり一方で問題がありますね。アベノミクスの副作用というところでも言われているわけですから、できるだけSPC、特定目的会社、これは大臣からも予算委員会で細かく御説明いただいて評価をいただいているんですけれども、私の考え方というのは極めてシンプルでございまして、財源負担というところは持ち出しを極力少なくする、それはSPCの仕掛けでやるんですが、それはまた後ほど改めての機会にしますが、財源として家庭の設備投資の買換えに充てられる財源は排出量取引なんです。例えば、今、中国を含めて途上国に排出量を削減をする様々な事業等をやった場合、それで、今度はCDMクレジットですが、日本のものにできると、こういうことをやっていますね、国もやっているわけです。そのお金をどうして国民から直接排出量取引ができないんだろうと、こういうことですね。一部、環境省はやっているところはあるんですけれども。  そういうようなことを考えると、SPCをまず活用して、排出量取引ということを先に申し上げますけれども、国と家庭の排出量取引ということで、財務省にはそこが財源のネタになるということですね、それから環境というところがまたこれはかかわってくる、経済産業省も当然かかわってくるので、この環境、財務、経産省の事務方に、国と家庭の排出量取引という概念を入れたこのスキームについての論評といいますか、評価をお願いしたいんです。
  134. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) どなたから行きます。  鈴木局長
  135. 鈴木英夫

    政府参考人(鈴木英夫君) 委員御案内のとおり、既に実は環境省と協力をして家庭や中小企業がCO2の排出を抑制した場合のクレジット制度国内のクレジット制度というのをつくっておりまして、実は平成二十二年度から二十四年度においては、そのクレジット制度で認定を受けたものについては家庭の排出削減分についても国がクレジットを取得するという制度がございました。これは、京都議定書の第一約束期間が今終わってしまったものですから今年度予算には計上はしておりませんけど、今後の検討課題というふうに考えております。  そういった意味では、家庭のクレジットも国が購入していくということについては、将来的には検討に値する課題だと思っております。
  136. 関荘一郎

    政府参考人(関荘一郎君) 経済産業省から答弁がございましたけれども、クレジット制度というのは経済産業省と環境省で運営しておりまして、私どもも同様の考え方を持ってございます。
  137. 中原広

    政府参考人(中原広君) お答え申し上げます。  先生のお話にございました家庭のCO2排出量の抑制、これに着目した取組は非常に重要なことだというふうに考えております。  これらの取組に対する政府としての支援の必要性や具体的な在り方につきましては、ただいま所管省それぞれから答弁があったところでございますが、まず、所管省が課題として検討し、しかる後に必要があれば財政当局に具体的な予算要求になるわけでございます。  私どもといたしましては、いずれにしても、所管官庁から具体的な要求をいただいて、それを踏まえてしっかりと協議してまいりたいと、かように考えております。
  138. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 言っているところがちょっと同じかどうか。  グリーン倶楽部とかなんとかというクラブがあるんですよ。そこは要するに皆さんの関連がつくっているところですが、今でも排出量を買いまして、契約で、そして、それを財団かな、一般財団に上げて、それの市場で売ったお金は財務省に入れているんですよ、今。そういうのが何か私としてはちょっと分かりづらいなというようなのを含めてあるんですが、それを皆さんがお察しになっているのかどうか、ちょっとまだ私も理解十分でないんですが。  要するに、堂々と家庭から買いなさいということを言っているんですね。海外から買うならば原資はあるでしょうと、こういうことを言っている、こういうことでございますね。今でも財務省にそのお金を返しているんです。こういうことをやっているんですよね、返しているんですよ。国庫に納付しているんです。そういう回る仕組みをつくったらいいだろうと、堂々と。というような私は印象を持っておりますが、いずれにしても評価をしていただきました。  では次に、SPCを活用すると、このスキームの場合、かなり国の持ち出しは少なくなると思うんです。この国庫支出の抑制という観点でSPCを活用するというスキームについて、どのように財務省はお考えになりますか。
  139. 中原広

    政府参考人(中原広君) お答え申し上げます。  ただいま先生からSPC活用のスキームについてお尋ねがございました。  SPCという手法も含めまして、小規模な店舗や工場等への省エネ機器の普及によってCO2の排出抑制を進めていく、これは非常に重要なことかというふうに考えております。また、財政事情が厳しい中でございますので、先生御指摘のとおり、民間資金を有効に活用するといった知恵や工夫によりまして財政支出に頼らない施策を講じていく、これまた大変重要な視点でありますが、まず、いずれにいたしましても、所管省において総合的に御検討いただいた上で、それが具体的に予算要求になってまいりますれば、私どもしっかりと協議していくと、そういう手順かなというふうに考えております。
  140. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 こういう形は官民連携、英語で言うとPPPと、こう言うんですが、TPPより私は結構いいんじゃないかなというふうな中身でもあるというふうに思っておるんですが。  最大の問題は、大臣が午前中の質疑でも看破されておりましたが、初期投資の負担の軽減と、個人の場合が、例えば買い換えるときには信用力がなかなかないので与信を与える、この二つがどうやら事業者さんなどにお話を聞くと出てくるわけなんです。私は、こうしたスキームの、大臣評価をしていただいた、検討していただくと言われたこのスキームの中に、高性能の高い商品を対象とする、いわゆるトップランナーの商品ですね、二十三、今回はそれにプラス、エネルギーを使わない窓やあるいは断熱というのが入ったわけですが、断熱材が入ったんですが、さらに、性能の高い商品を初期投資を抑えてお手ごろな値段で、私の場合はリースというのを念頭に置いておりますけれども、リースで、返済していくようにすると、こういう合わせ技をやっていきますと、大臣が最大の今責任を負っていらっしゃる成長戦略になるということでございます。  言葉を換えると、家庭と家計の成長戦略だと思うんですね。円安と株高で企業や投資家ばかりがもうかって、我々に所得や雇用でいつ来るのかなと言っているんですから、日常の生活の家庭や家計にぼおんと効いてくればいいんです。電力料金が上がっていきます。そして環境協力もしたいです。できれば原発電気を買うんじゃなくて、自家発電したい。そういうことになりますと、ガスのエネファームは、ガスでボイラーをたくのではなくて、ガスを水素に分解する過程でエネルギーを取って、それでお湯を使い、お風呂や給湯に使い、そして発電をする。四分の一発電できるわけですね。そういうものでのいわゆるコージェネ的な発想のものに変えると。  今までの家電のエコポイントとは金額が違います。一桁違う、二百万、そういう単位になってきますから。どうしてもそのボトルネックであります初期投資とそして信用付け、きちんと給料がもらっているの、返せるの、こういったところを取るための努力というのは、やっぱりこのSPCを使ったやり方を含めて、環境会計などで見えるようにしたり、様々な合わせ技、合わせ技でやっていく必要があると思うんですが。  最後に大臣に、こうしたスキームの対象に環境性能の高い商品を対象として、一層の家計、家庭の成長戦略とでも言うべき省エネ機器普及による分散型エネルギー促進のスキームを早く各省連携で、中心となって実現の御努力をいただきますようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  141. 茂木敏充

    国務大臣茂木敏充君) この質問といいますか御提言いただくのは四回目ぐらいになるかと思うんですけれども、いつも最後で一分ない状態で言われまして、困るんですけれども。  このSPCを使うということ自体には私は賛成です。その上で、目的を省エネにするのか、それからCO2の削減にするのかと、機器によって違ってきます。省エネ性能が優れたものとCO2の削減性能が優れたものによって違ってきます。それによって使うツールも、クレジット制度を使うエコポイントのような形でやるものと、税、補助金でやる、それによっても違ってくる。また、対象になるところが小さな個人なんかになりますと、恐らく初期投資を抑えるためにリース方式を使う、若しくは提供する側のビジネス側に対して公的なファイナンスを与えるということで、何を目的にしてどういうツールを使うかということについては今後検討が必要だと、こんなふうに思っております。
  142. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 どうぞ早期に進めてください。  終わります。
  143. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  144. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  エネルギー使用合理化に関する法律の一部を改正する等の法律案審査のため、来る二十三日午後一時に参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認めます。  なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 増子輝彦

    委員長増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時二十一分散会