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石原(慎)
委員 この黒いのは、かつてのアメリカの空域だった。それで、東京から西、大阪、福岡、ソウルに行く路線というのは一車線往復しか飛べなかった。正面衝突の
事故が起こりそうになって、一人、乗務員が死にました、急上昇、急降下で。それで文句を言ったら、やっと彼らはこれをあけてくれたんですがね。ですから、二車線往復ぐらいになった。しかし、これは予備地を入れたら四千メートルの滑走路なんですよ。つくろうとしたら二本できるんです。しかも、これは全然使わせないんです。
森君が
総理大臣のときに、日韓両方でワールドカップがありました。そのときに、要するにCIQの
検査なしで、日本と韓国がお客も選手もCIQ抜きで、横田を使って、これを使おうじゃないかと。向こうも、金浦の空港ができた、仁川があいているから、非常に喜んで、やろうと思ったら、何とアメちゃんが、その期間に突然、このほとんど使っていない滑走路が向こう五十年間対応できるように舗装
工事を始めろと言って、日本の国費でこれをリカバーしたんですよ。こんなことがまかり通っているんだ。
とにかく、日本の飛行機がヨーロッパから帰ってくるでしょう、この上は通れないんだ。一回どっち側か太平洋へ出て戻ってこないと成田や羽田に着けないんですよ。こんなばかなことがいまだにまかり通っている国というのはあるんですかね。
それで、この返還のために私は代議士のころにやってきましたが、金丸何がしが
自民党を仕切っているときに、これを問題にしてくれと言ったら、わかったと言うけれども、なぜか知らないけれども、時期尚早とそのうちに打ち切られちゃった。
知事になってからやり出した。いまだに遅々として進まない。このために毎年日米で行ったり来たりでシンポジウムをやっていますが、アメリカ側は非常にこれに対して同情的で、ただ、空軍だけは自分の持ち物だから渡したくないけれどもね。
去年、前の日
本部長ジアラ、これは一生懸命やってくれている、前の日本全体の総司令官のフォールという大将も含めて、引退しましたが、彼も来てくれて、確かにこれは余計だということで、とにかく考えようじゃないかというシンポジウムに来てくれたら、外務省のばかが何を言ったか。北米局長がシンポジウムの前の日に、ジアラとフォール大将を呼びつけて、横田の問題は日本国家イシューじゃない、
小泉のときはそれを問題にしたかもしれない、今は問題にならない、だから、あなた方は物を考えて発言しろと圧力をかけたんだ。シンポジウムの後に二人が私のところに来まして、こんなことを北米局長に言われましたと。
しかも、今までは毎年このシンポジウムに日本側からも外務省、
国交省それから防衛省の代表が出ていたのに、そのときだけ外務省は来なかった。何で来ないんだと言ったら、一地方の行事に国が参加する必要はないと言うんだ。私は、外務省の前原君の
大臣室に着いて、まあ前原君はまだなりたての
外務大臣で知らないんだろうけれども、北米局長を面罵しましたよ。きさまはどこの役人なんだ、おまえはどこの国の役人だと言ったら、のうのうと二人とも日本ですと。日本人だったら、この問題を知っていたら、せめてシンポジウムに下っ端でも役人を送るね。
これを、論拠もなしに、もはや国家のイシューじゃないようなことをどうして北米局なんかが言えるんですか。こういう外務省の体質を、
外務大臣、考えて、やはりあなた、変えてもらいたい、本当に。ああ、
外務大臣じゃないのか、失礼した。
これについては言いたいことがいっぱいあるんだ。腹が立ってしようがないんだ。
それで、アメリカの公文書を見ますと、日本にあるアメリカの空軍基地で非常にフェータルに、致命的に大事な空港は
三つしかない。三沢、それからなぜか岩国、それから嘉手納ですと。これはただのロジスティックベースで、一番使われたのは、ベトナム戦争のときに、向こうで戦死したGIの死体を持ってきて、つなぎ合わせて、それを送り返すその作業場だった。その話を大江健三郎君が「死者の奢り」というおもしろい小説に書いていますけれども。それしか使ったことがないんですよ。
今、せいぜい何機かの輸送機とヘリコプターがやっているだけで、ほとんど使われていない。その
一つの証拠に、こちらのメーンオフィスから、向こう側に管制塔がある、普通、行ったり来たりするでしょう。滑走路を横切るわけにはいかないから、滑走路の末端だけれども、そこに普通だったら地下道をつくって向こうへ抜けていくのに、いまだに青、赤の信号でやっているくらいののんびりした使用密度しかないんですよ。この空港をとにかく使いませんと、国交
大臣もブリーフィングを受けて御存じだろうけれども、あと五年で日本の国際線はパンクしますよ。そうすると、国力の衰退につながるんだ。
私は、トム・ドナヒューというアメリカの商工
会議所の会頭がいるんですけれども、友達で、彼は依然として共和党の支持者で、今度は絶対にオバマが負けるから、そうなったら、おれはあなたに協力して横田をとにかくやろうと言っていたけれども、オバマが再選しちゃったので、ドナヒューはどうするかわかりません。
彼が、商工
会議所の会頭として、
石原、一番言いたいのは、とにかくビジネスジェットをもっと簡単に入れてくれ、大きなビジネスが日本にはたくさんある、むしろシナ以上にある、どこの国もそう思っている、技術も日本はたくさんある、いろいろなもので日本に私
たちは関心を持っているんだけれども、大きなビジネストークに行こうと思っても、ビジネス機が飛べない、二カ月前に申請しなきゃいけない、こんなややこしい国があるかと。まさにそうです。
だから、
太田さん、せめてビジネスジェットの発着だけは
共同使用したらいいんですよ。それで、これに乗ってくる連中はかなり裕福だから、あそこから、ちょっと値段は高いけれども、ヘリコプターで都心に来たらいい。そのために、とにかく
共同使用。本題はこれは返還されるべきものだけれども、
共同使用のその最初のステップとしても、何とかとにかくビジネスジェットだけ優先的に入れる。
これは、本当の空港にしますと、電車をつけたり、あそこの非常に混み合う、何号線ですか、道路の拡幅をしなければならない、インフラの整備が必要なんですけれども、いずれにしろ、まずビジネスジェットを入れてこれが非常に頻繁に利用されるようになれば、この空港の存在価値というのはもっと大きくなっていきます。
いずれにしろ、
総理、あと五年で日本はパンクするんです。だから、私も知事になって危機感があったので、今どこに行っちゃったかわからない、亀井静香が
自民党の政調会長のときに、どこにいるんだ、あいつは。(発言する者あり)緑の党、何ですか。聞いたことないな。彼とやって、
国交省を恫喝して、とにかく四本目の滑走路をつくらせたんですよ。これは非常に早くできた。
ただ、一年ぐらい予想以上におくれたのは、やはり利権で、工法が、メガフロートと埋め立て式、半分埋め立て、半分桟橋。結局、半分桟橋になった。これも、多摩川の中に桟橋がかかるなんということは、
国交省ができないで
建設省だったら絶対やられなかったことができるようになった。これは
内閣の再編成のおかげなんだ。
いずれにしろ、そこまでしてやったんですけれども、それでもなおとにかく需要に追いつかない。今、三十数カ国でしょう、日本に乗り入れを
希望している外国は。
これは、話が長くなったけれども、
総理、国運というものを将来考えたら、あなたが督励して、要するに各省連帯で横田の再利用、
共同利用というものを取りつけてください。お願いします。