○中根(康)
委員 民主党の中根康浩でございます。
マイナンバー法案の連合審査ということで、二十分の時間をいただきました。有意義な議論をしてまいりたいと思っております。
お忙しいところお出ましをいただきましてありがとうございます。まず、田村
大臣にお尋ねをしたいと思います。
将来、医療
情報もマイナンバーに、あるいは
番号に結びつけるということも、これは当然議論が続けられていくんだろうと思っております。遺伝子であるとか、あるいは染色体であるとか、こういったものに関する
情報というのは、ある
意味、究極の
個人情報であるということだと思います。
個人情報というのは、当然、親にとってということではなくて、胎児である一人の授かった命として、おなかの中にいる赤ちゃんにとっての重要な
個人情報であるということであります。それは、例えば、染色体異常と言われることの中でお生まれになるダウン症をお持ちの方にとっては、まさにそれ自体が個性であったり、あるいは特徴であったりということになって、一人一人の命にとってのまさに大切な
情報であるということであります。
例えば、その
意味では、ダウン症がわかると言われている新型の出生前診断でありますけれども、この出生前診断をめぐっては、命の選別につながるおそれがある、あるいは、検査対象が拡大されて、染色体異常だけではなくて、寿命であるとか、あるいは身体能力のようなところまでわかるようになるかもしれない、そういったことを産むか産まないかの判断の基準に将来されてしまうかもしれない。あるいは、遺伝カウンセリングの体制がまだまだ不十分ではないかというようなことも
指摘をされている。あるいは、民間企業が検査あっせん事業に乗り出した場合の対応として、国が明確なルールづくりを行うべきではないかという
指摘もある。こういったさまざまな論点がある中で、四月から、臨床研究という形で新型の出生前診断がスタートしたということでございます。
田村
大臣は、障害者福祉に最も情熱を持って、熱心に取り組んでこられた議員のお一人でもあって、事実、障害者自立支援法の改正、あるいは総合支援法の制定、また、先日も厚労省から
説明にお越しをいただきましたけれども、いわゆるハート購入法、優先調達法、この指針づくりにも今懸命に取り組んでいただいておりますし、虐待
防止法、こういったものについて、まさにリーダーシップを発揮されて、これまで成立に向けてのお取り組みをされてこられた。つまりは、障害のある人も、あるいは難病という病気を持った人でも、全ての人が、全ての
国民が、ありのまま、その人として、
個人として尊重をされる社会、暮らしやすい社会、個性を生かせる社会をつくる、共生社会をつくるということでこれまでもお取り組みになってこられたわけでございます。
そういった中におけるこの新型の出生前診断ということは、場合によっては、もちろんそういう人ばかりではないんですけれども、命の選別ということでいえば、例えば、ダウン症という病気、障害があるということ、これが不幸であるということの決めつけにつながるのではないか、障害というもの、あるいは難病というようなものが否定されるようなものに位置づけられるのではないかという
懸念も私は持たせていただいております。
住みよい社会、あるいは共生社会、障害を持っていても暮らしやすい社会というものをつくっていこうとしている我が国の
厚生労働行政の中において、生きる上での困難ということで言えば、障害あるいはダウン症ということではなくて、そういう個性を持っていなくても、例えば我々でも、毎日毎日さまざまな困難に直面して、困難というのは、ですから、障害であるとかダウン症であるとか病気であるとかということだけではなくて、生きる上での困難というのはさまざまあるわけで、それを染色体異常である、あるいはダウン症であるということをもって、もう初めからその人が不幸だ、極めて生きづらいというような決めつけをするようなことに、この新型の出生前診断というものがそういう発想に結びつけられるのではないかというような心配、
懸念というものも決して払拭されているとは言えないというふうに思っております。
その
意味で、この新型の出生前診断というものが、誰のために、何のために行われるのか。もちろん、臨床研究が始まったこれから、今後もさらにそういった
国民的な議論は深められていかなければならないというふうに思いますし、ましてや、こういう極めてセンシティブな、究極の
個人情報というようなものが将来マイナンバーに結びつけられるというような
検討がなされるということについては、そう近いところであるとは思っておりませんけれども、しかし、将来的にそういうことがある場合には、極めて慎重に、深い議論が行われなければならないというふうに思っております。
そういったことを踏まえて、この新型の出生前診断が始まりましたが、これに対する田村
大臣の思いといいますか御見解をお伺いしたいと思います。