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足立政府参考人 今回の
法改正の背景について、五点ほど御
説明をさせていただきたいというふうに思います。
まず一点目でございますけれども、近年、集中豪雨が頻発してございまして、時間雨量百ミリを超える局地的な集中豪雨も
全国各地で記録をされてございます。
平成二十三年には、台風十二号によりまして、紀伊半島で場所によりましては総降水量が二千ミリを超える記録的な大雨となりまして、大きな被害が発生しました。また、昨年の七月の九州北部豪雨では、これまでに経験したことのない大雨ということで、一級河川矢部川の直轄
管理区間の堤防が決壊するなど、大きな被害が発生してございます。
このように豪雨
災害が深刻化する中で、水防団員の減少により、
地域の水防力の弱体化が進んでございます。こうしたことから、水防団だけではなく、河川
管理者、
民間事業者など多様な主体の参画によりまして、
地域の総力を挙げて水防力を強化することが求められてございます。
このような
状況を踏まえますと、河川
管理と水防との連携を一層強化することが求められることから、河川
管理者の水防への協力について法律上明確化し、連携をより確実なものにしたいと考えてございます。それが一点目でございます。
二点目は、
都市水害のリスクが増大する中で、地下街だとか高齢者の皆さんが利用する施設、大
規模な工場など、一旦浸水が発生した場合に、社会的に極めて深刻な被害が発生するおそれがございます。タイの水害の際に、進出している日本の
企業のみならず、サプライチェーンに国際的にも深刻な影響を与えたことも記憶に新しいところでございます。
こうしたことから、浸水の想定される区域内にあります地下街だとか要配慮者の利用施設、大
規模工場等の
事業所などにおきまして、避難の
確保や浸水の防止に関する計画をあらかじめ作成するとともに、訓練を行ったり、自衛の水防組織の設置をしまして、
民間事業者みずから
防災力の強化を図っていただくことが重要というふうなことでございます。これが二点目でございます。
三点目が、河川
管理施設につきましては、きょういろいろ御議論がございました他の
インフラと同様でございまして、設置後四十年以上のものが四割を超えるなど、
老朽化が懸念をされてございます。このため、
河川法におきましても、施設を良好な状態に保つよう
維持、
修繕すべきことを明確化し、その基準を策定することで、施設の適確な
維持管理を図ることとしたいというふうに考えてございます。これが三点目でございます。
四点目が、近年、河川環境の保全など河川
管理に資する活動を行っている
民間団体、これは大和川でもそうでございますけれども、非常に増加してございます。そのような
地域に根差した団体に河川
管理のパートナーとして活動していただくことにより、河川
管理の充実を図りたいというふうに考えてございます。
五点目でございますけれども、環境・エネルギー問題の深刻化に伴いまして、クリーンエネルギーである水力に再び注目が集まってございますけれども、小水力発電による再生可能エネルギーの導入促進が非常に重要な課題というふうに
認識してございます。
以上のような主に五つの課題の解決のために、今回の
法改正の審議をお願いしているものでございます。よろしくお願いしたいと思います。