○三宅
委員 どうもありがとうございました。
前半の
大臣の御答弁、これは現場の
海上保安官なんかは、本当に御
理解を得て勇気が湧いてくるようなお話であったと思います。
後半の、さっきの、一色さんの行為に対して守秘
義務どうこうというふうなお話をされましたけれども、確かに、公務員として知り得た秘密というものは公開してはならない、それはもちろん法律もありますけれども、何よりもやはり国益という
観点が最大のものであろうと思うんですね。
このときに、先ほども申しましたように、
中国は、プロパガンダ、うそをついてずっとそれを世界じゅうに広めようとしていた、そのことによって
日本の国益が非常に大きく阻害され、毀損されようとしていたんですね。これに対して一色さんは、義憤に駆られてこのビデオの公開をされた。言ってみれば、彼はやはり公務員として、全体の奉仕者として国益を最優先に行動されたんじゃないかなと。彼自身も奥様や小さなお子さんお二人があって、なおかつ職を賭してまでこのような行為に駆られたという強い切迫感というものがあったんじゃないかなというふうに思います。その辺のところは、
大臣もある程度は御
理解はされていると思いますが、
立場上、お話をできないというふうに
理解をしております。
さかのぼって、もう一度、
拉致の方にお話をちょっと戻していきたいと思いますが、
拉致事件につきましては、これは
平成九年の予算
委員会におきまして、当時、西村眞悟さんが横田めぐみさんの名前を出されまして、
拉致事件の存在というものを世に出されたわけなんですね。
ところが、それをさかのぼること九年前に、昭和六十三年に、共産党の橋本敦さんという参議院議員がいらっしゃいまして、この方が国会の方で連続アベックの
拉致事件、こういったものを例に挙げて、これはどこのしわざかというふうなことをおっしゃったんですね。そのとき、たまたま
国家公安
委員長でありましたのが、梶山副
大臣のお父様の梶山静六
国家公安
委員長が、これは
北朝鮮という国名を出してやられたんですね。
ところが、昭和六十三年にこうして表に出たにもかかわらず、その後ずっと鎮静化してしまったんです。共産党も、これは橋本さんの秘書の兵本達吉さんという方がいらっしゃったんですけれども、彼が非常に熱心にこの問題に取り組んでこられた。ところが、最終的にはその兵本達吉さんという秘書の方は共産党を除名されてしまったんですね。
そういうふうなこともあったということなんですけれども、言ってみれば、共産党も最初この問題に踏み込むのかなと思ったら、一挙に後ろへ引いてしまった。それ以降、どの政党もこの問題について正面から向き合ってこなかったということなんですね。そういった中で、数百名の
日本人が
北朝鮮に
拉致をされたというふうなことになったと思います。
私は、
平成十五年に、
特定失踪者問題調査会という
特定失踪者の調査、救出活動をやっております団体、これは発足直後からずっと役員をしておりまして、我々が把握しております
特定失踪者、これは全国で四百八十名。二百八十名の公開、それから二百名の非公開の方々がいらっしゃいまして、昨年の十二月に警察の方は八百六十八名というふうな事案を把握しているということを発表いたしました。こういった中で、いまだに
日本政府は十三件十七名しかこれを認定していないんですね、十三件十七名。
認定制度そのものも非常に欺瞞に満ちたもので、過去、
日本政府の怠慢によって数百名の
日本国民が
拉致をされた、それに対して
日本政府が認定とかあるいは非認定とか、お墨つきを与えるようなことで得意になっているといいますか、反対にこの認定制度そのものが、かえって
拉致事件の
解決というものを阻害しているんじゃないかなというふうに思います。特に昭和五十三年に鹿児島から
拉致をされました市川修一、増元るみ子さん、この人らは、言ってみれば創価学会の青年部の方でございまして、そういった方もいらっしゃる。
数百名の
日本人の
拉致が、
日本政府が真剣に向き合わない中で、さっき
外務省の方も全力を挙げてというふうに言っておりましたが、これは口先ばかりなんですよ。今の
日本政府もそうなんですよ。言ってみれば、口先だけで
国民に向けて
拉致問題の
解決、早期
解決、私の内閣でこれはやるんだというふうにいつもおっしゃるんですね、内閣がかわるたびに。ところが、実際にやるべきことをほとんどやっていない、なすべきことが山ほどあるにもかかわらず、これに着手しようとしない。ここに
政府の
拉致問題に対する非常に大きな欺瞞性というものを私は感ずるわけでございます。
北朝鮮に対しまして、より一層の制裁を強めて、
北朝鮮をしてみずから
拉致問題の
解決を
日本に対して働きかけてくるような今後一層の
圧力をかけていただきまして、さっき
松原先生もおっしゃっておりましたように、時間との闘い、これは、
日本政府からすると、時間の経過をいたずらに待って、家族が一人一人亡くなるのを待っているというふうに私らは
理解しているんですね。そのことによって鎮静化を図っているんじゃないかなというふうに思っておりますけれども……(発言する者あり)それは私の
認識なんですから別にいいじゃないですか。だから、そういうふうに思っております。
何としても
拉致事件の
解決に向けて、全力を挙げて、
政府、与野党を挙げてやっていくようにお願い申し上げまして、
質問を終わります。
どうもありがとうございました。