○中根(康)
委員 そういういろいろな話があるわけですから、にもかかわらず、三党協議が一カ月開かれていない。しかも、与党の
皆様方の御都合で開かれていないということで。
我々は抜本
改革という言い方をします、与党の先生方は、抜本とは限らない、今の
制度の手直しでいいというふうにおっしゃるかもしれません。いずれにしても、そういったことを、手直し、あるいは改善、
改革というのは必要なことは共有されておるわけでありますので、三党協議というものが休眠しているということは大変な
国民に対する背
信行為ですので、
大臣からも、ぜひこれは、
年金の
議論は政局にかかわらず粛々と進めるべきだという
指導力を発揮してもらわなきゃいけないということだと思います。
柚木議員も取り上げておられました
マクロ経済スライド、これを今まで僕も本当に知らなかったんです。最近知ったんです。これは〇・九%マイナスだということで思い込んでおりましたけれども、実は一・二%。
特例水準が解消された後、初めて発動されるときには一・二%になる。
こういうことも含めて、多くの
国民の
皆様は、
年金の
議論が今どうなっているかわからない、あるいは、確定された
制度が今どうなっているかわからない、実質というか、実際に自分の
年金額にどのようにそれが反映されてくるかわからないというのが、多くの
国民の
皆様の正直なところだと思います。
したがって、
先ほど、いろいろなケースのシミュレーションをした
資料をつくってみてくださいということを言ったり、あるいは、この
議論をきっかけに、
マクロ経済スライドのスライド調整率は〇・九だと多くの皆さんが、国
会議員でもそう思っていたよ、中根というのがとぼけたことを思っていたようだということをおっしゃっていただいて結構です、それでもいいですから、実は一・二%減額されるんですということを、記者会見でも何でもいいから、多くの
国民の皆さんに、きょう、あすぐらいにお示しをいただくということで、きょう、あすというのは極端な話なんですけれども、そういったことを含めて、
国民の
皆様が本当にわかりにくいなと思っているところを解消していくということも
厚生労働行政の重要な役割だということを、きょうは指摘させていただきたいというふうに思います。
同じ金額で、同じ千円を払っても、やはり将来的には買えるものが買えなくなってしまうということは、
柚木議員の
議論を待つまでもなく、明らかな話であるわけでありますので、これが
国民生活に直結しないはずはない。極めて重要な影響がもたらされるということでございますので、これはぜひ、いろいろな数字とか、いろいろな細かな、細かなというか、重要なところを折々に
大臣から発信をしていただいて、今、自民党政権が発することは多くの
国民の皆さんは聞く耳を持っておられますので、素直に受けとめていただける、納得が早いということだろうと思いますので、これはぜひ
大臣の重要な職責の一環に位置づけていただきたいと思います。
それで、
年金の話を、もう少し今の
制度の話を続けますと、
年金制度、当初は
積立方式だった。それが、
先ほどから
大臣も御
説明をされておられますように、徐々に賦課方式に変わってきた。
積立方式の場合ですと、
年金というものが自分の将来への備えということになるわけでありますが、残念ながら、これは、グリーンピアとかサンピアとか、そういったものをつくることによって多くの金額も食い潰されてきてしまったということで、そういった経緯をたどりながら、世代間の支え合いというような賦課方式に変わってきたわけであります。
しかし、
年金というのは暮らしそのものであって、決して道徳教育ではないわけでありまして、世代間の支え合いで、子が親を、子の世代が親の世代を助けてあげるんだ、幾らそういうことを言っても、若い世代の人
たちは、それは気持ちの上では納得、
理解しようと努力するかもしれませんけれども、暮らしの意味では納得できないということは拭い切れないというわけであります。
ある意味、
政府が世代間の支え合いということを強調すればするほど、もともとの、元来の
年金の目的である自分の老後への備えという多くの
国民の
皆様の気持ちとのミスマッチ、ギャップというものが広がっていってしまうということになりかねません。
ある意味、ここが
年金不信の、特に若い人
たちにとっての
年金不信の大きな要因の
一つではないかというふうに私は感じておるわけであります。つまり、支え合い型の賦課方式型になって、将来への備えというものが失われてきてしまっている、将来への安心というものがむしろ失われつつあるのではないかということだと思います。
若い世代は、
政府の宣伝によって、これは繰り返しになりますけれども、
年金は世代間の支え合いだよということを繰り返し繰り返し、
年金教育ということも最近行われておりますので、一生懸命
理解しようとしますけれども、頭ではわかっても、納得して、今の
制度に対して決して、もろ手を挙げて賛成だ、賛同だということにはなっていない。
賦課方式は世代間の支え合いだからこそ、むしろ、自分が
高齢者になったとき、人口が減少して若者が少なくなれば、支え手が少なくなれば、
年金額は少なくなってしまうということ、それを仕方のないことだということで
大臣は
先ほどからおっしゃっておられるのかもしれませんけれども、これは仕方のないことだけでは済まない。若い人
たちにとっては、暮らしそのもの、生活そのもの、人生そのもの、人生そのものというのは大げさかもしれませんが、人生に大きくかかわってくるということであります。
そういう不信感が、例えば、
先ほど資料でもお示しした中でも見てとれるんですけれども、
保険料収入が毎年見込みを下回っている。これは未納が多いということでもあろうかと思いますので、そういう不信のあらわれがそういうところにもつながっているんだろうということは指摘をしておきたいと思います。
賦課方式というものが、少子高齢化で、後の世代、若者にどんどんしわ寄せが行く
制度である。ましてや、また今、産業競争力
会議や規制
改革会議で解雇の規制緩和などということがしきりに
議論をされて、そういったものが報道されるということであると、さらに一層、雇用とか、将来の生活とかというものに対して不安が募ってくるということでありますので、低成長あるいは人口減少社会では、世代間の支え合いも、自分の将来への備えも、両方ともに困難になってくるということでありますので、今の
制度であるとそういうことが解消されないということになるわけであります。
やはり、ゴールはどこにたどり着くか。これは、三党協議あるいは国会での
議論を積み重ねていった結果になりますけれども、しかし、抜本
改革というものを頭から否定をするということではなくて、抜本
改革を含めた
制度改革に対しての前向きな取り組みを、
厚生労働省を先頭に
政府としてお見せいただかないと、実際にそういう取り組みをしていただかないといけないということだろうと思います。
改めて、
大臣が、あるいは総理が抜本
改革を最近かたくなに否定をされておられますので、今の
制度のままで本当にいいのか。今の
制度でも、今まで申し上げてきましたように、さまざまな不安あるいは問題点があるということは共有をしながら、新しい、よりよい
制度に向けての
議論をしていかなきゃいけないということは、これは
大臣、御
理解をいただき、御賛同いただけるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。