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茂木国務大臣 国内の高コスト構造を是正して、そして世界で企業が一番活動しやすい国に、これは
日本企業にとっても、それから海外から
日本に投資をする企業にとっても、一番活動しやすい国にということになってくるかと思うんです。そこの中でよく、
日本の企業の三重苦とか六重苦という話があるわけでありますけれども、恐らく四つぐらい大きなハードルというのがやはりあるような気がいたします。
その一つが、やはり円高がこれまで進んできた為替の問題。そして、二つ目には、関税を初めとする
国境措置の問題。三つ目には、国内における法人税であったりとか、さまざまな制度、
規制の問題。そして、四つ目には、どうしても
日本の場合、資源が少ない、そんなことから資源
エネルギー、電力コストが高くなってしまう。こういったハードルをどこまで除去できるかといったことが、極めて重要だと
考えております。
一番目の為替につきましては、為替を目的としているわけではありませんが、今の長引くデフレからの脱却ということで、明確な物価目標二%を定めて、そしてそのもとで大胆な金融緩和を行っていく、そこの中で円高がかなり是正をされてきている、こんなふうに今
考えております。
そして、二つ目の
国境措置の問題でありますが、
貿易立国としてさまざまな経済
連携協定を進めていかなければならない。特に、安倍総理が先週決断をしたTPPへの参加、これは、関税だけではなくて投資のルールも含めて、これから成長するアジア太平洋
地域の基本的なルールづくりの土台になっていく。このTPPを土台にしながら、さらにはRCEP、そしてFTAAPと広がっていく。こういった中から、さまざまな
日本企業にとって障害になっているような制度であったりとか
国境措置、こういったものを取り除いていくということが必要だと思っております。
そして、税の問題、法人税の問題も検討しなければなりませんが、
規制緩和、これが極めて重要だ、こんなふうに
考えておりまして、
規制緩和の中でも、大きく三つぐらいのポイントがあると私は思います。
その一つは、新規参入、こういったものを促して健全な競争環境をつくっていく、これから我々として御
提案申し上げたい電力システム改革、まさにこの典型的なものになってくるんじゃないかな、そんなふうに思っております。
そして、二つ目に、事業化までのスピード、これがどうしてもおくれてしまう。典型的な例は、iPS細胞の研究の事業化。せっかくいい研究、ノーベル賞をもらうような世界で最高の研究をしているんですけれども、では、それによってどこまで再生医療の製品が事業化されたか。
日本は二つしかない。
韓国は九つある。EUは二十五ある。アメリカは治験中のものだけでも八十八ある。こういった
状況を、やはり変えていくということが必要だと思います。
そして、
規制緩和の三番目としては、やはり
日本の制度だけガラパゴスではいけない、こんなふうに思っています。
日本の制度と諸外国の制度が違う、これに対しては、今後、国際先端テスト、こういったものを導入いたしまして、
日本だけ制度が違っていいんだ、こういう合理的な説明ができない限り一定期間以内に世界水準に合わせる、こういったことも進めていきたい、そんなふうに思っております。
そして四つ目の、資源
エネルギー、コストの問題でありますけれども、さまざまな
取り組みをしていかなければいけない、こんなふうに思っております。今、シェールガスがアメリカで生産されるようになりまして、LNGの国際市場は大きく変わろうとしております。もっと安定的に、そして安価に海外から天然ガスを調達することが可能になってくる、そんなふうに私は思っております。
同時に、電力システム全体を変えていく中で、発電部門にも、そして小売の部門にも新規の参入を促す。さらには、多様な
使用メニュー、多様な料金メニューを提供することによって、需要そのものもスマートにコントロールしていく、こういった
取り組みも必要であると思っておりまして、そういった一連の活動を通じる中で、今申し上げた四つのハードルをできるだけ低くする。
同時に、やはり跳躍する力、こういったこともつけなきゃなりませんから、その一方で成長戦略をきちんとつくっていきたいと思っております。