○篠原
委員 では、三ページを見ていただきたいんです。教授という御指名をいただきましたので、そのつもりでちょっと説明させていただきます。
フードマイレージという言葉は、
大臣、御存じですね。(
石原国務大臣「はい」と呼ぶ)ウッドマイレージも多分御存じの方はたくさんいると思います。だけれども、グッズマイレージというのはほとんど使われていないんですが、この言葉は実は私がみんなつくっているんです。下にちょっと解説を書きました。
フードマイレージはもうおわかりになりますね。昔から問題にされていました。
日本の典型的な食べ物、てんぷらうどんを食べると、それぞれに国旗を立てると、てんぷらうどんは水だけだ。エビはマレーシアから、衣はオーストラリアからというふうに。というのになってしまうと思う。
その問題をきちんと理論的に突き詰めていこうというので、今、
赤澤政務官から
お答えいただきましたけれども、地産地消という言葉、私は一九八七年よりこれを使ってきております。近くでとれたものを近くで、その場でとれたものをその場で食べる。そのときできた、ちょっと下に書いてある旬産旬消ですけれども、これが一番
環境に優しい生き方であるし、食べ方であるし、体にもいい。
例えば、旬産旬消なんかも
日本が一番忘れているところで、いつでも同じようなものが食べられる。ホウレンソウのできるときは限られている、トマトのできるときも限られているのに、冬でもトマトを食べて当然だと思っている。こんなに変なふうになってしまっている国民は
日本だけですね。
だから、遠くから運ばれてきているものをなるべく食べないようにしようという
考え方がある。旬のものを食べようというんです。こういうことを忘れ過ぎているんです。
イギリスのティム・ラングという、アメリカにラルフ・ネーダーという運動家がいますが、あれのイギリス版みたいな人なんですが、この方がフードマイルズと言っていたんです。私はそれをちょっとひねりまして二〇〇一年の朝日新聞に初めて使ったんですが、フードマイレージ、積み重ね、トンキロメートル、これは
環境の負荷のときも常に使われますね。こういうやり方でやって、私のところの研究員が使って各国の比較をしたりしているんです。
国際的にももうヤフーのUSAにもちゃんと出ていまして、英訳、私は下手くそですよ、プロデュースゼア・コンシュームゼムとかいっていた。プロデュースローカリー・コンシュームローカリー、プロデュースシーズナリー・コンシュームシーズナリー、これが食べ物にとっては一番いいんだ。
日本食が広まっていますけれども、それと同じようにこの言葉も実は広まっているんです。これが
環境に優しい生活態度だと。こういうことをやっていっていただきたいというのがいっぱい転がっているんです。
ウッドマイレージというのも、もう白書にも使われています。
次、問題はこのグッズマイレージなんです。おわかりになりますか、韻を踏んでいるんです。だから、外国人の方が、アメリカ人の方がこれはわかるんです、
考え方が。
どういうことかというと、物の輸送はなるべく少なくするという
考え方を持っていただきたいということなんです。こういう感覚が、
日本が狭かったりするし貿易立国だという固定観念があるので、全く忘れ去られているんです。
どういうことかというと、工業の
世界でも、これは当然のごとく、コストのことを
考えても、でき上がっているんです。
長野県の諏訪とか岡谷、僕はそこの選挙区じゃないです、北の端なんですが、そこにセイコーエプソンとかいう会社があります。
世界的に知れていますけれども、軽薄短小ですよ。そこに重化学工業なんかがあったら、中央道や信越道、みんなトラックや何かで満杯になっちゃうでしょう。だから軽薄短小しかない。
それから車、今日米間で問題になっていますけれども、そんなすかすかのを船に載っけていくよりも、最終消費地、アメリカの現地生産にした方がいいというのは、みんなこれは、食べ物だけじゃなくて、地産地消になっている。それで、輸送はなるべく少なくというのなんですね。これを徹底していけば相当CO2は減らせる。
だけれども、これは危険な
考え方で、過激なんです。対立する概念というのがありますけれども、自由貿易とか国際分業には反するんです。反するけれども、二十一世紀、
環境の世紀と言われています。こういうことを
考えていかなけりゃいけないんじゃないかと思っているんですよ。
それで、ちょっと
考えます。飛びますけれども、一番最後のページのところを見てください。
そういうので、輸送のときに伴う気遣い、結構できるんですよ。だけれども、そういうのを全く是正しようというふうな感じになっていない。
一番下の長野—東京間の新幹線と高速道路の比較、東京と二百三キロなんです。では、新幹線と車で来るのとどれだけどうなっているかというと、長野の人は、一人で行くときは、しようがない、新幹線で行くかというふうに、東京にですね。ところが、二人で、夫婦で行くというふうになったら、運転疲れちゃうという人もいるかもしれませんけれども、普通、運転できたりすると、軽自動車か普通車で行くんです。なぜかというと、おわかりいただけると思います。新幹線だと倍かかっちゃいますけれども、こうやって安いんですよ。
日本ほど車ばかりある国ないですよ。これはもう少なくていいんだろうと思います。七千万台か八千万台。
日本で一番車が人口当たり多いのは群馬県だそうですね。次が長野県なんです。百人に九十とかいって、赤ん坊や寝たきり老人まで含めて一人一台に近いぐらいになっちゃっている。では、一体それだけ必要かということを
考えていただきたいんです。
それで
日本の自動車
産業が栄えているからいいじゃないかと言う人がいるかもしれませんが、それは二十世紀の
考え方であって、
地球温暖化のことを
考えていく場合、我々政治家が
考えなくちゃいけないのは、そういう生活態度は改めてくださいよということを言わなければいけないんだろうと思います。
それで、物流についてのモーダルシフトは
考えられているわけですね。だけれども、人の移動についてほとんど余り
考えられていないんじゃないかと思うんですけれども、この点こそ
考えていただきたいと思う。
なぜかというと、ビジネスの方は結構いろいろな工夫をして、コストダウンにつながりますから、ほっておいたってやっていく部分があるんです。さっきの、長野県には軽薄短小の工業しか存立し得ない、重化学工業は臨海型というのは当たり前です。原材料を持ってきてまた外国に持っていくんだから、そんなの海の際が一番いいに決まっているんです。
だけれども、人の移動とかいうふうになってくるとそうじゃないんです。だから、これは
政府がきちんと誘導するような形でやっていかなければいけない。人の移動についてこそ総合交通体系が必要だと思います。
そういう点は、道路ばかりつくっていた建設省、それと一緒になって国土交通省になったんだから、ここは何でいくかというようなことを
考えてやっていただいてもいいと思うんですが、そういうことは
考えておられるんでしょうか。
赤澤政務官にお伺いしたいと思います。