○篠原
委員 これは難しいところだと思います。客観的
基準の安全というのは、安全と安心、どこにボーダーラインがあるか。食の安全がそうなわけですよ。非常に気にする人は物すごく気にしまくって、食品添加物だとかそういうのですけれども、ちょっとでも入っているとよくないと言う人もいる。遺伝子組み換えとかいうものについても、あっけらかんのかんの人もいれば、もう絶対だめだと言う人もいる。これは同じだと思うんです。どこかに線を引かなければならない。
私が申し上げたいのは、いろいろ試行錯誤していくのはいいんです。それで、どこでも同じだと思います。チェルノブイリでも、やはり考えることは同じですね。学校とかいうのはもう一番真っ先に
除染しているわけです、子供たちに対する悪
影響があってはならない。道路だとか屋根だとか人口密集地帯、しかし違いはどこにあるか。これは被災地の皆さんには残酷な話なんですけれども、これは
政府がきちんとやっていかなくちゃいけない。
私は実はチェルノブイリには二度行っているんですよ。二度といったって、一度目は八年前でして、外務
委員会の視察で行きまして、いや、視察先になっていないんです。キエフに泊まっていて、九時に出発するんですけれども、チェルノブイリに行きたいと。行きに一時間半かかると。余り霧がないところなんですけれども、原田義昭さん、外務
委員長と私だけで車を飛ばしてでこぼこ道を行って何をしてきたかというと、三十キロの検問所のところに行って写真を撮ってきただけなんです。
日本の原発事故は起きていません。
私は、これから
環境委員会で
お話しいたしますけれども、原発は危険だということで、ずっと原発ウオッチャーの一人だったんです。だから何をしに行ったのかというと、そこで写真を撮ってきただけです。二度と来ることはないだろうなと思っていたら、
福島の原発事故が起きました。
農林水産副
大臣をやっておりました。二十五周年の記念事業がある。
日本国
政府、民主党
政権ですけれども、原発事故が起きていましたし、総理が行くべきところを、それを副
大臣が一日だけ行って挨拶してくる。そのとき、どうでもいいことかもしれませんけれども、五月の連休の前後で、補正予算の審議で閣僚クラスは海外出張まかりならぬというときだったんですけれども、しかし、私は三日間行ってまいりました。そのときは中に入りました。
なぜかというと、その前年から、ウクライナはお金がないところだからしようがないんでしょうけれども、お金を取ってウクライナの非常事態省が案内する。副
大臣などが
日本から行ったのは、中に入って見たのは国
会議員で初めてだと思います。普通は二時間コースなのに、四時間半ぐらいかけて丁寧に案内していただきました。
注意をされまして、こんなところに長くいちゃいけないから、早く車に乗って立ち去れと言うんですけれども、私も六十超えているし、そんなに気にしなくたっていい、
国民の皆さんのこと、子供たちのことは気にしますけれども、私
自身はいいんだということで、写真を撮って話を聞いてというのをしてまいりました。
やはりウクライナは非常に心配して、ですから、私と対等のレベルの人とも話してきました。こういう話をしたんです。チェルノブイリの応援というのは
日本が一番やってきているんですよ、ウクライナ。皆さん、それを感謝しているんですよ。
僕は挨拶のところでこう申し上げたんです。広島、長崎があったから、いろいろ経験があるので、大変だろうということでいろいろバックアップしてきた、しかし、
我が国で同じような事故が起きてしまった、だから、どうしたらいいのかわからないから教えてほしいということを話したら、何でも提供するということでして、後で聞いてみていただくとわかると思いますけれども、あちらはロシア語で大変なんですけれども、英語化も進んでいまして、データは何でも提供すると。私は、土壌の汚染の方と食べ物の汚染、人体の汚染は私の農林水産省の所管じゃないんですけれども、それでやってきまして、だから、農林水産省は先にウクライナとの
協力関係ができて、
技術者が行って、聞いてということをやっております。
ほかのところの
分野でそういうふうにウクライナあるいはベラルーシ、ベラルーシも相当汚染されているわけですが、
政府としてはウクライナの方がいろいろ取り組んでいると思いますが、そういったことを余りしていないんじゃないかなと。
除染にしたって、あちらも同じことをしている。
大きな違いは、三十キロ内、絶対立入禁止なんです。十八歳以下は絶対入れません。もう非常に徹底しています。お年寄りは、先ほどちょっと申し上げましたけれども、サマショールとか言われているんですけれども、強制移住地、当然外に出ているんですけれども、十年ぐらい前からぽつぽつと帰り始めた。
最初はだめだと言ってまた強制的に排除していたんですが、今はもう諦めて、自分の生まれ故郷で死にたいと来ているという。ですけれども、基本的に三十キロ以内は住めない。
では、これはいつ
区域を変更したりするんだと聞いたら、三十年後なんだと。僕が行ったときが二十五年で、あと五年後だと。びた一文いじっていないわけです。中に入れない。厳然と区別して、中の方のところは、もうしようがないからみたいになっているわけです。
うんとひどいものを
除染しているんです。
除染どころじゃなくて、皆さんは余り行かれたことがないと思うので申し上げますと、通訳のお姉さんが、篠原さん、あれ何かわかるかと言う。家のお墓があった。もう
除染なんてできなくて、放射能を浴びていますから、これがまた放射線を発しているので、近くに行くとよくないので、土の下に埋めちゃうんです。そして、チェルノブイリ、ウクライナは基本的に地下深く埋めているんです。放射能
廃棄物というか、
除染したりして、あるいは表土を取ったものをトレンチにしたりして。だけれども、余りそういったことが私は聞かれないんですよね。ですから、よくないなと思う。
それは、希望を持っていただくために、
除染していつか住めるよというのは必要なんですが、外のところで、
除染をすればきちんと住めていくよというところを優先し、諦めるところは諦めるところでしようがないというふうなことをきちんとやっているわけです。
旧ソ連時代のことですし、そういうところはびしばしできたんだろうと思いますけれども、私の
お願いは、チェルノブイリについてちゃんと勉強していただきたい、そして、それに倣ってやっていっていただきたいということなんです。
予算をどのぐらい使っているのかと。これは使い過ぎだとは言いませんけれども、一兆円を超えているんですね、
大臣が言われた三カ年、一一年、一二年、一三年で。僕は大事だと思います。東
日本大
震災からの
復旧復興を
我が国政府の最優先事項としなくちゃいけないんです。しようがないですが、消費税とか
TPPとかをやっている暇はないんです、本当。これなんですよ。僕はこれにうんとお金をつけてもいいと思うね。ですけれども、びしばしとやっていく。これは、
国民の皆さん、
福島にお金を使い過ぎるとかなんとかということは絶対言わないはずです。
それで、次に具体的な例できちんとこれはお答えいただきたいんですけれども、
中間貯蔵施設、何というか、あっちゃこっちゃに持っていったりとかいうの、これは
世界のルールからしてもおかしいんですね。核物質の移動は非常に厳格です、何事も。それで、汚染された物質はどうするかといったら、拡散を防ぐためにその場でなるべく処理する。だから地下に埋めているんです。
日本の場合は地下水の云々とあったりしますが、だから、うんと深く埋めるということも僕はあるんじゃないかと思いますけれどもね。
ですから、
中間貯蔵施設、そういった概念は、土地が広いからかもしれませんけれども、ウクライナにはないわけですね。自分の尻は自分で拭けという感じで、ちょっとよくない例かな、その場で、汚染されたところの近くで処理していくというような考え方をしなくちゃいけないんじゃないかと思うんです。あっちに持っていく、こっちに持っていくというのは僕はよくないと思うんですが、この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。