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2012-11-15 第181回国会 参議院 財政金融委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十四年十一月十五日(木曜日)    午後六時五分開会     ─────────────    委員氏名     委員長         尾立 源幸君     理 事         大久保 勉君     理 事         佐藤ゆかり君     理 事         塚田 一郎君                 池口 修次君                 大塚 耕平君                 金子 洋一君                 川上 義博君                 川崎  稔君                 櫻井  充君                 玉置 一弥君                 藤田 幸久君                 愛知 治郎君                 鴻池 祥肇君                 中山 恭子君                 西田 昌司君                 林  芳正君                 藤井 基之君                 古川 俊治君                 若林 健太君                 竹谷とし子君                 山本 香苗君                 広野ただし君                 中西 健治君                 大門実紀史君     ─────────────    委員長異動  十月二十九日尾立源幸委員長辞任につき、そ  の補欠として川崎稔君を議院において委員長に  選任した。     ─────────────    委員異動  十月二十九日     辞任         補欠選任      池口 修次君     田中 直紀君      櫻井  充君     加賀谷 健君      塚田 一郎君     森 まさこ君      藤井 基之君     野上浩太郎君      山本 香苗君     山口那津男君  十一月十五日     辞任         補欠選任      藤田 幸久君     田城  郁君      鴻池 祥肇君     中原 八一君      山口那津男君     石川 博崇君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         川崎  稔君     理 事                 大塚 耕平君                 田中 直紀君                 佐藤ゆかり君                 若林 健太君                 竹谷とし子君     委 員                 尾立 源幸君                 大久保 勉君                 加賀谷 健君                 金子 洋一君                 川上 義博君                 田城  郁君                 玉置 一弥君                 愛知 治郎君                 中原 八一君                 中山 恭子君                 西田 昌司君                 野上浩太郎君                 林  芳正君                 古川 俊治君                 森 まさこ君                 石川 博崇君                 広野ただし君                 中西 健治君                 大門実紀史君    委員以外の議員        議員       舟山 康江君        議員       荒井 広幸君    衆議院議員        財務金融委員長  五十嵐文彦君        修正案提出者   道休誠一郎君        修正案提出者   竹本 直一君        修正案提出者   斉藤 鉄夫君    国務大臣        財務大臣     城島 光力君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        中塚 一宏君    副大臣        内閣府副大臣   前川 清成君        内閣府副大臣   今野  東君        総務大臣        内閣府副大臣   大島  敦君        財務大臣    武正 公一君        財務大臣    大久保 勉君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        加賀谷 健君        財務大臣政務官  網屋 信介君        財務大臣政務官  柚木 道義君    事務局側        常任委員会専門        員        大嶋 健一君    政府参考人        内閣法制局長官  山本 庸幸君        財務省主計局次        長        福田 淳一君    参考人        日本銀行理事   門間 一夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠選任の件 ○国政調査に関する件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○財政運営に必要な財源確保を図るための公債  の発行特例に関する法律案内閣提出、衆議  院送付)     ─────────────
  2. 川崎稔

    委員長川崎稔君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  議事に先立ちまして、一言挨拶を申し上げます。  去る十月二十九日の本会議におきまして財政金融委員長選任されました川崎稔でございます。  本委員会は、財政金融全般にわたる所管事項を取り扱う重要な委員会であり、委員長としての職責の重さを痛感しております。  委員会運営に当たりましては、皆様方の御指導、御協力を賜り、公正かつ円満に行ってまいりたいと存じます。何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)  この際、尾立委員長から発言を求められておりますので、これを許します。尾立源幸君。
  3. 尾立源幸

    尾立源幸君 一言挨拶を申し上げます。  昨年九月に委員長選任されて以来、委員長職責を大過なく全うすることができましたのも、委員各位の御協力、御指導のたまものと深く感謝申し上げます。  なお、これからも引き続き当委員会にお世話になりますので、どうぞよろしくお願いします。  ありがとうございました。(拍手)     ─────────────
  4. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 委員異動について御報告いたします。  本日までに、水戸将史君、荒木清寛君、藤井基之君、櫻井充君、塚田一郎君、藤田幸久君及び鴻池祥肇君が委員辞任され、その補欠として田中直紀君、石川博崇君、野上浩太郎君、加賀谷健君、森まさこ君、田城郁君及び中原八一君が選任されました。     ─────────────
  5. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 理事辞任についてお諮りいたします。  大久保勉君から、文書をもって、都合により理事辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  この際、理事補欠選任を行いたいと存じます。  理事辞任及び委員異動に伴い現在理事が四名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事大塚耕平君、田中直紀君、若林健太君及び竹谷とし子君を指名いたします。     ─────────────
  8. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、財政及び金融等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  10. 川崎稔

  11. 城島光力

    国務大臣城島光力君) この度、財務大臣を拝命いたしました城島光力でございます。  財務省行政運営に関する国民の関心が高まっております。財務大臣としての重責を果たすべく、皆様のお力添えを得つつ、国家国民のために全身全霊をささげてまいる覚悟でございます。  川崎委員長始め委員皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
  12. 川崎稔

  13. 中塚一宏

    国務大臣中塚一宏君) この度、金融担当大臣を拝命いたしました中塚一宏でございます。  皆様のお力添えを得て、金融行政運営全力を傾注をしてまいる所存であります。  川崎委員長を始め委員各位におかれましては、御理解と御協力をよろしくお願いを申し上げます。
  14. 川崎稔

  15. 武正公一

    ○副大臣武正公一君) この度、財務大臣を拝命いたしました武正公一でございます。  財務大臣としての重責を果たすべく、大臣の御指示を仰ぎつつ、大久保大臣とともに職務遂行全力を傾注してまいる所存でございます。  川崎委員長を始め委員皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
  16. 川崎稔

  17. 大久保勉

    ○副大臣大久保勉君) この度、財務大臣を拝命いたしました大久保勉でございます。  財務大臣として重責を果たすべく、大臣の御指示を仰ぎつつ、武正大臣とともに、誠心誠意職務遂行に当たる所存でございます。  川崎委員長を始め委員皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願いしたいと思います。
  18. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 前川内閣府副大臣
  19. 前川清成

    ○副大臣前川清成君) 内閣府副大臣を拝命いたしました前川清成でございます。中塚大臣の下で金融担当させていただきます。  川崎委員長を始め理事委員先生方の御指導の下、職務を全うしてまいりたいと存じております。どうぞよろしくお願いいたします。
  20. 川崎稔

  21. 柚木道義

    大臣政務官柚木道義君) この度、財務大臣政務官を拝命いたしました柚木道義でございます。  網屋大臣政務官とともに大臣を補佐しつつ、職務遂行全力を傾注してまいる所存でございます。  川崎委員長を始め委員皆様の御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げます。
  22. 川崎稔

  23. 網屋信介

    大臣政務官網屋信介君) この度、財務大臣政務官を拝命いたしました網屋信介でございます。  柚木大臣政務官とともに大臣を補佐しつつ、職務遂行全力で尽くしてまいる所存でございます。  川崎委員長を始め委員皆様の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
  24. 川崎稔

  25. 加賀谷健

    大臣政務官加賀谷健君) 内閣大臣政務官を拝命いたしました加賀谷健でございます。金融担当させていただきます。  前川大臣とともに中塚大臣をお支えし、全力職務遂行してまいる所存でございます。  川崎委員長を始め理事委員皆様の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。     ─────────────
  26. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政運営に必要な財源確保を図るための公債発行特例に関する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣法制局長官山本庸幸君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  28. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政運営に必要な財源確保を図るための公債発行特例に関する法律案審査のため、本日の委員会参考人として日本銀行理事門間一夫君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  30. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 財政運営に必要な財源確保を図るための公債発行特例に関する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。城島財務大臣
  31. 城島光力

    国務大臣城島光力君) ただいま議題となりました財政運営に必要な財源確保を図るための公債発行特例に関する法律案趣旨を御説明申し上げます。  平成二十四年度一般会計歳入予算の約四割を占める財源確保するための特例公債発行に係る法律案については、さきの第百八十回国会において審議未了のまま廃案となりましたが、現下の厳しい財政状況においては特例公債なくして財政運営を行うことは極めて困難であり、一刻も早くその発行等を認めていただくよう、改めて本法律案を提出することとしたものであります。  以下、本法律案内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、平成二十四年度一般会計歳出財源に充てるため、財政法第四条第一項ただし書の規定等による公債のほか、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で公債発行することができることとしております。  第二に、租税収入等の実績に応じて、特例公債発行額をできる限り縮減するため、平成二十五年六月三十日まで特例公債発行を行うことができることとし、あわせて、同年四月一日以後発行される特例公債に係る収入は、平成二十四年度所属の歳入とすること等としております。  第三に、平成二十四年度及び平成二十五年度において、基礎年金国庫負担の追加に伴い見込まれる費用財源確保するため、公債発行することができることとし、その償還及び平成二十六年度以降の利子の支払に要する費用財源は、社会保障安定財源確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律の施行により増加する消費税収入をもって充て、これを平成四十五年度までの間に償還すること等としております。  以上、財政運営に必要な財源確保を図るための公債発行特例に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
  32. 川崎稔

    委員長川崎稔君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院財務金融委員長五十嵐文彦君から説明を聴取いたします。五十嵐君。
  33. 五十嵐文彦

    衆議院議員五十嵐文彦君) ただいま議題となりました財政運営に必要な財源確保を図るための公債発行特例に関する法律案衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  本修正は、平成二十四年度から平成二十七年度までの間の各年度における公債発行に関する特例措置等を定める修正を行うとともに、当該公債発行する場合において、政府は、中長期的に持続可能な財政構造を確立することを旨として、各年度において当該公債発行額抑制に努めるものとする規定を加えることとするほか、本法律案の附則において、政府は、平成二十四年度補正予算において、政策的経費を含む歳出の見直しを行い、同年度において当該公債発行額抑制するものとする規定を加えるものであります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  34. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  35. 田中直紀

    田中直紀君 民主党田中直紀でございます。  財政運営に必要な財源確保を図るための公債発行特例に関する法律案、いわゆる特例公債法案について議題として、質問をいたします。  民主党与党として、国民生活に関する大事な法案であります二十四年度予算が支障なく執行されるよう一日も早く成立を望んでおりますし、賛成でございます。本日、各党それぞれ質問されますので、私からも若干の質問をいたしたいと思います。  用意した内容の前に財務大臣に伺いますが、昨日、野田総理が十六日に解散をすると、こういう発言がございまして、急遽、本日行うことになりました。昨日の六時半に各党理事あるいはオブザーバーにお出かけいただきまして、この委員会をスタートできるようになったわけでございます。大変異常な状態の中での開催になったわけでございますけれども、財務大臣として事務方から報告を受けておると思いますが、この委員会開催についての御所見をまず伺いたいと思います。
  36. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 田中先生指摘のように、突然の衆議院解散ということの中で、こういう時間帯にこうした委員会を開いていただく、かなり御無理な委員会設定だったんじゃないかなと思いますが、今回のこの特例公債というのはまさに、これ以上この成立が遅れますと、国民生活やあるいは経済、最近かなり経済状況も厳しい状況になってきていると思いますので、そういった面においても大きな影響を与えるんじゃないかというふうに危惧をしております。そういう中で、この委員会皆さん方の、こういった時間帯にもかかわらず開いていただきましたことを本当に心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
  37. 田中直紀

    田中直紀君 そして、十六日の参議院の本会議成立をしようと、こういう設定がされました。大変与党といたしましても野党の皆さん方にも御協力をいただいたということで感謝をしているわけでありますが、この委員会自体は、我々理事も承認されておりませんでしたので、委員長職権開催をすると、こういうことで開催をさせていただいておるところでありますので、その辺もよく御認識をいただいて、そしてこの法案成立をいたしましたら、大変多くの予算執行の面で影響が出ておるようでありますから、万全の体制を組んでやっていただくと、こういうことをお願いをいたしたいと思いますし、一言付け加えてください。
  38. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 今、御指摘あるいはそういう御意見をしっかりと受け止めて、胸に刻んで頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。
  39. 田中直紀

    田中直紀君 また、城島大臣財務大臣就任をする前は与党民主党国対委員長ということで特例法案大変御苦労があったんだと思っておりますし、また我々与党も頑張ったわけでありますけれども、大変遅れてしまったということはざんきに堪えないわけでございます。  今回、民主、自民、公明の三党の合意平成二十七年度までの特例公債発行を認めることになったわけでありますが、今までの苦労に加えて、今回の合意がどういう意義を持つかと、こういうことを御所見をお伺いしたいと思います。
  40. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 御指摘のようにこの前まで民主党国対委員長ということで、これはもう最大の懸案の法案でありまして、私なりに努力はいたしましたが、残念ながら廃案となってしまったことは本当に申し訳ないし、また先生もおっしゃるようにざんきに堪えなかったところでございます。立場を、財務大臣ということになりまして、また一層この法案成立に向けて努力をさせていただいたわけであります。  今お尋ねの件でございますが、今般、民自公三党の中で、先ほどお話がありましたように三党合意ということについて、この法案が三党間では合意をされたわけであります。これにつきましては、やはり今、一般会計予算現実的には四割を特例公債に依存するという、財政状況が極めて悪化しているという状況の中では、いかなる政権であっても特例公債なしでは財政運営することはできないということが現実でございまして、法案成立が、先ほど申し上げましたように、これ以上遅れていけば国民生活あるいは経済活動に重大な影響が生じかねないということから、私としては繰り返し法案早期成立お願い申し上げたところでございます。  近年の国会情勢によって、法案成立が遅くなったりすることによって財政運営が不安定化するということを踏まえれば、今回は野田総理が提案された中の一つでございますが、予算特例公債法案を一体で処理するルールづくりという中の一つとしてこの三党間の合意が図られたんじゃないかというふうに思っておりまして、一つ解決策を見出していただいたんじゃないかというふうに思っておりまして、関係者皆さん方に心からその御努力に敬意を表するものでございます。  一日も早い成立ということを重ねてお願い申し上げたいと思っております。
  41. 田中直紀

    田中直紀君 城島財務大臣就任によって、この三党合意、そしてまた前進をしたと、こういうことは大変な成果だということであると思いますので、非常に良かったことではないかと思いますが、三党のみならず、そのほかの政党にも是非経験を生かして理解を得るように御努力をいただきたいと思っております。  他方、本法律案修正によって平成二十七年度までの特例公債発行が認められていることから、財政規律が緩んでしまうのではないか、あるいは特例公債発行に歯止めが利かなくなるのではないかという懸念が示されております。政府として財政健全化に真剣に取り組むという決意を城島財務大臣に述べていただければ有り難いと思います。
  42. 城島光力

    国務大臣城島光力君) おっしゃるように、そういうような懸念する声があることは十分承知をしております。しかし、この法案の中にも、この修正に新たに盛り込まれている部分が中長期的に持続可能な財政構造を確立することを旨として、特例公債発行額抑制に是非とも私ども取り組んでいきたいと思っております。  特に、各年度予算編成に当たりましては財政規律が緩まないように、二十七年度までの基礎的財政収支の赤字の対GDP比半減といった現行の財政健全化目標、この達成に向けては真摯に、しかも全力で取り組んでまいる所存でございます。
  43. 田中直紀

    田中直紀君 内閣府と総務省からお出かけをいただいておると思いますが、震災復興といわゆる地域主権改革につきまして伺いたいと思います。  今、民主党が中心になりまして地域主権改革の一環として国の出先機関原則廃止に取り組んでおるところでありますが、今、昨年の三月の十一日に発生した東日本大震災が大変な甚大な被害であったわけでありますが、しかし国の出先機関が大変な努力をして復旧復興に尽くしてきているわけですね。そういう現実の中にありまして、そしてまた復旧復興予算をスムーズに必要なところに付けていくと、こういう大変実務的な役所として頑張っているわけです。  しかし、原則廃止だということを建前に、今、拙速にこの広域連合に任せたらいいんじゃないかと、そういう面では時代に逆行するような検討が行われておりまして、私は内閣府あるいは総務省担当と伺っておりますけれども、これは今の状況の中では進めるべきではない、こういうふうに私は地元の基礎自治体からも聞いておるわけでありますが、その辺、ぐらつかないで、しっかり基礎自治体意見を聞いて、そして対処するということを考えていただくことが大事だと思いますが、内閣府と総務省にお伺いをいたします。
  44. 大島敦

    ○副大臣大島敦君) 内閣府の副大臣として答弁をさせていただきます。  田中先生の御指摘というのは、基礎自治体の首長の皆さんから寄せられている御懸念だと思います。国としては、出先機関改革は、出先機関事務・権限、人員、財源を丸ごと移管して、特定広域連合等に引き継ぐとの方針の下でずっと取り組んでまいりまして、専門的な人材や災害用の資機材、さらには災害時のノウハウ等についても特定広域連合等に引き継がれることから、現在国が有している出先機関の機能が実質的に維持されるものと考えております。  加えて、移譲された後も特定広域連合等の職員と国との積極的な人事交流を行うことにより、災害時における専門的な能力の向上を図っていくことが重要と考えております。これは、田中先生の御指摘というのは東北整備局が極めて有効に機能したということかと思うんですけれども、ここにも申し上げていますとおり、積極的な人事交流を行ってやっぱり一体として対応が取れるようにしていきたいと考えております。  そして、実動部隊を引き継ぐ特定広域連合等と国の出先機関が連携協力して災害時の対応を行うことができるよう大規模災害時における大臣からの特定広域連合等への協力指示等の仕組みを設けるとともに、大臣から指示あった場合に、今回新たに付け加えられている項目がございまして、直ちに当該指示に係る措置をとらなければならない旨の対応義務を法案に盛り込むことを検討しておりまして、ここの直ちに当該指示に係る措置をとらなければならないというのはなかなか強い書きぶりを検討しております。  こうした措置を講ずることにより、国の出先機関を特定広域連合等に移管した場合でも住民の安全、安心を確保することが可能と考えております。  以上です。
  45. 田中直紀

    田中直紀君 そういう建前なんですけれども、実際に法案化するとなればどういう形になるかということと、実際に広域連合に任せられるというような事態ではありませんので、本当にまた震災が起きたら逆に大混乱するということでありますから、実態をよく認識をして拙速に進めないというようなことで認識を持っていただきたいと思います。  そしてまた、震災復興につきましては、復興予算が全国の防災対策費に対して使用されておるという批判が高まっておるところでありますが、やはり効率よく必要なところにしっかりと予算を付けていくと、こういうことが大事だというふうに思っておりますので、被災地への予算の集中を喫緊の課題として関係部署は取り組んでいただきたいと思います。  ただ他方で、日本は地震大国であります。国全体の防災機能を向上させるということも重要な課題でありますから、特に私は日本列島防災立国というような、自民党も、そしてまた公明党さんもその他の政党さんも地震の問題につきましてはこれから重要であるということで案を出されておりますが、民主党も、このような批判を受けないように、そしてまた、やはりこれから防災立国として日本が世界に範たるものにしていくような、そういうような案を作って、特に環日本海は、日本海沿岸は地震のときには太平洋岸と非常に連携を取って物流の対応をしたりいたしましたから、そういう案を内閣府あるいは総務省も知恵を出していただきましてやっていくべきだと思っておるところでありますが、国土全体の防災計画をどう進めていくかということにつきまして城島財務大臣の認識を伺えればと思います。
  46. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 財務大臣の立場からいうと、今、最初のころ御指摘ありましたように、全国防災というものと現実的に被災地に対しての予算の使い方ということを随分いろいろ御指摘をいただきました。特に、全国防災事業は与野党協議を経て成立をいたしました復興基本法などの趣旨に沿って予算措置が講じられたものでありまして、御指摘のように、様々な災害に見舞われることの多い我が国においては、この防災対策というのは国民の生命、財産を守る観点から極めて重要な課題でありまして、これからも着実にこれは推進していくべきものだというふうにはとらえております。  他方、今回、いろんなところから、この全国防災事業を含めて復興関連事業についてはいろんな御指摘、御批判を受けていることも事実でございまして、これらの御指摘や御批判も真摯に受け止めて、被災地が真に必要とする予算はしっかりと予算を手当てしつつ、それ以外の部分については厳しく絞り込んでまいりたいというのは財務省としての立場でございます。
  47. 田中直紀

    田中直紀君 大久保大臣にもお伺いをして、終わらせていただきます。防災関係について。
  48. 大久保勉

    ○副大臣大久保勉君) 私も、財務大臣が答弁しましたとおり、全国におきましてしっかりと予算をしていくというのが非常に重要だと思っています。田中委員は新潟、私は福岡ということもございまして、いろんなところで自然災害は発生し得るということもございまして、しっかりとした全国的な防災に関して取り組んでまいりたいと思います。
  49. 田中直紀

    田中直紀君 終わります。
  50. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 自由民主党佐藤ゆかりでございます。  本日、特例公債法の審議、ようやくさせていただく運びとなったわけであります。野田総理大臣が八月八日に近いうちに解散をすると確約を国民に対してされて以来、本当にこの近いうち解散、長い道のりでございました。この近いうち解散という言葉にこの特例公債法が巻き添えを食ったと、これは非常に国民にとって不幸なことであったと言わざるを得ないと思います。  そこで、城島財務大臣、その当時は、今年の年初から九月いっぱいまでは民主党国会対策委員長、まさにこの特例公債法が政局化されたその渦中でそれをリードしておられた方でおられますから、財務大臣かつ前国対委員長ということでお伺いをしたいというふうに思うわけであります。  振り返りますと、この特例公債法、紆余曲折いたしまして、三月八日に予算から政府によって切離しが行われた、そして、八月二十四日には衆議院で、私ども自民党は欠席をいたしましたけれども、ほかの野党も反対をする中で強行採決を行った、そして、二十八日には衆議院の本会議でまた更に強行採決を行ったということでございます。  こういう映像がテレビで流れますと、やはり大臣、これは、国民が見ております中で、野党が全員反対をしているにもかかわらず、それを制し切って与党民主党として前に進めているというような、そういうイメージづくりを狙われたのかなという気がしてならないわけでありますが、結果としてはこういう稚拙なアピール政治が逆に国民の政治不信を増大させてしまったと、そういうことだと思います。  国会対策委員長として、そのころこの政局化をリードされていたわけでありますが、一言反省の言葉をいただけませんでしょうか。
  51. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 経過は先生指摘のとおりでございます。  私は、当初は予算と一体としてこの法案、是非成立をさせたいというふうに思って、特に衆議院では、予算成立と同じタイミングで何とかこれも採決できないかなということで審議を随分やってきました。しかし、残念ながらこの重要な特例公債法案については、御指摘のように、その段階でも野党の皆さんの賛同がなかなか得られないということで採決を衆議院で送ったわけであります。  その間、何とか野党の皆さんの賛成も得られるような努力というものを政調会長レベルも含めてやらせていただきましたけれども、結局は、大変残念ですし、あるいは申し訳ないんですけれども、野党の皆さん理解を得られないという中で会期末が近づいたということで、そういう、部分的には、二十四日、衆議院では自民党の皆さん欠席にもかかわらず、要するに強行採決というか、採決をさせていただいたということであります。この間の努力がまだ不足していたと言われれば、結果としてはそのとおりでありますから、反省する点はございます。御指摘のとおりだと思います。
  52. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 実際のところ、私ども自民党は最初からもうここ数年、民主党政権になって以来、子ども手当の減額ですとか廃止ですとか、あるいは高校無償化の見直し、そして高速道路無償化の見直し等をずっと唱え続けて、ばらまき予算は駄目ですよと、将来にやはり私たちが責任を持てる政治、予算を作りましょうということをずっと一貫して主張をし続けてきたわけであります。しかし、残念ながらそれに民主党側がなかなか乗ってきていただくことができなかった。それがこの特例公債法の審議の遅れの一番の要因であったというふうに思います。  ところで、この予算ですけれども、今回遅まきながら特例公債法を通すわけでございましょうが、平成二十四年度予算、これはまだまだ私どもの目にはばらまきが含まれているというふうに思っております。年度後半に入っておりますが、減額補正の余地、金額的にどのぐらいあるとお考えでしょうか。
  53. 城島光力

    国務大臣城島光力君) その前に、佐藤先生指摘部分でありますけれども、私は、昨年は、そういう面でいうと、政調会長であり、そして、ちょうど林先生のお顔が見えたんであれですけれども、この特例公債法案のそれこそ成立に向けて子ども手当等の協議をさせていただきまして、昨年は何とかそういう面でぎりぎり合意ができたと思いますが、今回も実は、残されていた高校授業料の無償化と農家の戸別補償政策については三党間で協議をさせていただきましたけれども、残念ながら、結果的にはそれは合意に至らなかったということでございます。そういった面の努力はさせていただいたわけであります。  それから、今御指摘の点でございますけれども、既存のこの減額補正の金額的余地という御質問かと思いますけれども、既存の予算について、制度を見直したり、年度末までの執行見通しを洗い直した上で歳出の減額を想定をしているものでございまして、今のところ金額的にはどれぐらいかということは定かでありません。いずれにせよ、補正予算編成までのうちにしっかりと検討してまいりたいというふうに思っております。
  54. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 いずれにしても、聞くところによりますと、もう既に年度後半に入っているわけでありまして、この間、近いうち解散に引っ張られる形でこの特例公債法案がずるずるずるずると審議が遅れてきた。そして、その間に着実に民主党政権としてのばらまき予算も執行されてきたわけであります。ですから、早いうちに私どもが減額補正をして、きちっとばらまきをやめましょうと、そういうことに政府与党として、責任政党として特例公債法案を通したいのであれば、野党側の減額要求に乗ってくれば、その時点ではまだ手が打てた。しかし、予算執行が進んでくれば、今になっては、ずるずるとした中で、先に使ってしまえ、こんなばらまきはカットできないから、党内の事情だから使ってしまえ、そんなことでずるずるとこの特例公債法の審議に遅れが生じていたと、そういう疑義を抱かれても仕方がない対応であったと、大変残念でございます。  そこで、この予算について少し話を移したいわけでありますが、復興予算の流用問題というものがここ数週間上がってきているわけであります。流用といいますと、例えば、大きな金額で、アジア太平洋や北米地域との青少年交流で七十二億円も使われていたり、これ復興特会の予算です、それから捕鯨調査推進費で二十三億円ですとか、いろいろ、二十三年度三次補正の主な流用だけでも五千億円以上というふうに言われているわけでございます。  そもそも二十四年度の復興予算で申しますと、復興特別会計の一部の財源というのは一般会計から繰り入れて財源化しているわけであります。ですから、例えば、子ども手当とか高速道路無料化の見直し、それから政府の資産売却の収入、こういったものが一般会計から繰り入れられる形で復興特会の財源の一部に充たっているわけでありますけれども、復興特会の予算の執行の進捗率が悪いからといって慌てて復興目的でない経費にこういった予算をばらまいていく、そしてこの一般会計からの繰入れを財源としている以上は、こういった行いというのは結果として一般会計の赤字国債の発行増加にもつながってくると。要するに、子ども手当や高校無償化の経費というものをせっかく浮かしたんですけれども、それであれば、無駄な使い道に使わなければ、本来は国債の圧縮にも間接的には働くわけであります。  そういう意味で、復興特会の復興目的以外の経費の肥大化というのはこういうところにも赤字国債の発行増という形で影響が出てくるわけでありますが、今後の復興特会の在り方について簡単にコメントをいただけませんでしょうか。
  55. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 平成二十三年度の第三次補正予算とかあるいは平成二十四年度予算の復興関連予算というのは、御案内のように復興基本法の基本理念に沿った施策に対して予算措置を講じているものでありまして、一般会計で支出すべきものを復興特会に流用していたということではございません。  ただ、個別の事業については、今先生もおっしゃいましたけれども、この国会等の場でいろいろ御指摘、御批判も受けていることも事実でありますので、今後の予算編成においてはそうした指摘とかあるいは御批判を真摯に受け止めて、先ほど申し上げましたけれども、被災地が特に必要とする予算についてはしっかりと手当てしながら、その他の予算については厳しく絞り込んでいきたいというふうに思っております。
  56. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 是非、今後、復興特会は数年にわたり続く事業でありますから、復興目的でない経費をあえて支出に回すということのないように、そして一般会計からの繰入れをもしそういう無駄な経費が特会になければ圧縮できるわけでありますから、その辺の配慮というものはやっていかなければいけないなと。今、民主党政権の側に申し上げても遅いのかもしれませんが、そんな反省は指摘をしておきたいと思います。  そして次に、城島財務大臣、続けてなんですけれども、少し民主党内のことをお伺いしたいと思います。野田総理、そして野田民主党代表の統治能力の問題でございます。  野田総理は、これまでもう既に三回、内閣改造を行っているわけであります。民主党政権になりましてこの三年余で法務大臣は今八人目、そして財務大臣城島大臣で今五人目です。大変残念なことに、私は、この間十月に東京で開催されましたIMF・世銀総会に財金委の筆頭理事として私も総理主催のレセプションに出席をさせていただいたのですが、これは城島大臣の前で申し上げるのは恐縮なんですが、大臣の責任ではないと思いますけれども、城島大臣が会場で壇上に登られて御挨拶をされている姿を見た世銀のドイツ高官、私の隣に立っておられました。そして私に話しかけてきて、あの人は誰だと。ですから私は、新任の日本の財務大臣ですとお答えをしたわけですね。あれっ、また替わったのかというふうにおっしゃいました。そこから先は、当然ながら外交官ですから、顔の表情だけで言外の意、言葉には表されませんでしたが、やはり非常な不快感をその空気、会話の空気の中に私は感じておりました。やはり外交というのは人間関係の積み重ねが大事でありますから、ころころころころ大臣が替わられると、特に外国の要人は困り果ててしまう。そこが、日本が今相手にされない大きな理由だと思うんですね。  ですから、例えば安住大臣、前大臣ですけれども、消費税増税はやり遂げたかもしれませんが、それ以外の円高対策、私ども、この委員会では全く是としておりません。同時に、景気対策も余り功績は出ていない。そういう中で、まだ道半ばで今回の内閣改造で安住前大臣大臣を突如として交代し、そして党の幹事長代行として今や遊説に奔走しているわけですね。そういう姿を海外の要人が見て本当にこれは全く理解ができないんです。これだけ大切な消費税増税や復興案件、財政健全化、円高問題抱える財務大臣が、いきなり道半ばで交代をして党の遊説の係になっていると。本当に理解できないと思いますが、こういったところを改める必要があるという認識は大臣ございませんか。
  57. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 個人名とか個人は別として、そういう部分については同感でございます。
  58. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 次の解散・総選挙の後に、明日野田総理解散を御発声されるんだと思いますが、是非安定的な政権を運営できるような環境づくりというものをやはりお互いに心掛けていかなければいけないと思うところであります。  そこで、時間も限られておりますので、最後に日銀のいわゆる借換国債の買入れについて大臣にお伺いしたいと思います。  実は、日銀はこの間も追加金融緩和を行いまして、資産買入れ基金を九十兆円以上に拡大したわけであります。私が申し上げますいわゆる日銀の表玄関では、金融緩和、追加緩和と声高に発表するのですが、しかし裏口玄関では、そうして買い入れた国債が償還期を迎えると、その年度の償還満額まで借換国債を買ってバランスシートの維持をしていないという問題があります。表玄関で金融緩和の姿を見せていても裏口では金融引締めを行っている、結果としてバランスシートは拡大していない。その大本に、借換国債を毎年度幾らまで日銀が買い入れよという金額提示を財務省が行っているわけでありますが、財務省はなぜ毎年度償還予定額の満額まで日銀に借換国債を買うように指示を出していないのでしょうか。
  59. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 日銀による、御承知のように国債の直接引受けについては財政法の国債の市中消化原則に反するとして原則禁止されておりますが、これに対して、日銀の乗換えについては、日銀が現に保有している国債の満期到来に伴う借換えであり、通貨膨脹の要因になることではないということから、財政法第五条に規定する特別の事由に当たるとして予算総則に明記し、国会の議決をいただいた上で実施をしているというふうに承知をしております。  この日銀乗換えの額は、日本銀行政策委員会が国債の発行状況や日銀の保有資産の流動性を勘案して決定しており、原則として短期国債は乗換えの対象としていないと。これは日銀が保有する短期国債、今十四・八兆円ということでありますが、そのうち十一・八兆円は昨年度の乗換えによる日銀が取得したもので、償還の当てがないままに乗換えを繰り返せば、他の国債の直接引受けと同様、財政規律が損なわれるとして市場の信認を失うおそれがあること、三兆円は日本銀行が金融調節手段として市中から購入したもので、必ずしも満期到来まで保有することが前提とされていないことからであり、これらを乗換えの対象として日銀乗換えを増額することは慎重に考えるべきではないかというふうに思っております。
  60. 佐藤ゆかり

    佐藤ゆかり君 その辺の時代認識がどうもずれているように思うんですね。  日本はもうデフレ超大国であります。加えて円高、歴史的円高がもう続いているわけであります。その中で、翻って諸外国の中央銀行を見ますと、アメリカのFRBもヨーロッパのECBでも基本的に今金融緩和のポイントというのはいかにバランスシートを維持するかと。金融緩和をして、償還してバランスシートがまた圧縮されるということはあってはならないことなんですね。それが世界の趨勢になりつつある中で、やはり財務省と日銀の思想が出遅れているのではなかろうかと、そこは問題提起をさせていただきたいと思います。  最後に一点だけお伺いしたいのですが、この円高問題というものが非常に日本の産業空洞化を加速をさせているということで、これは国を挙げて戦っていかなければいけない問題、その中で介入に対する考え方もそろそろ新しい時代環境にのっとった方針転換が必要ではないかと思われます。新興アジア通貨に対する介入の立場でございます。  これまで対ドル、対ユーロ介入は行ってまいりました。しかしながら、この添付資料を御覧いただきますと、新興国に関する指標という一覧表がございます。黄色いマーカーの日本と韓国を御覧ください。  八つの指標がありまして、これは丸印が付いているものはそれぞれの指標において先進国とみなされているという意味であります。全て八つの指標において日本も韓国も同じように先進国扱いをされている。おめくりいただきまして、次のページ、シンガポールや香港、台湾、黄色いマークのところでありますが、ここではさすがに韓国ほどではありません。四つか五つの指標だけ丸印、あとはバツでまだ先進国扱いになっていない。  要するに、韓国ウォンについては、日本の競争力上も過度なウォン安が非常に大きな実体経済に対する影響をもたらしている。そういう意味では、国際指標で韓国というものがこれだけ客観的に先進国入り扱いをされているのであるならば、そろそろ過度な変動については介入を考える時期ではないかと思われますが、いかがお考えでしょうか。
  61. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 城島財務大臣、時間が過ぎております。答弁は簡潔にお願いいたします。
  62. 城島光力

    国務大臣城島光力君) はい。  国際社会における新興国のウエートが高まる中で、新興通貨については、私も先日参加したG20の中でも、より市場で決定される為替相場制度に迅速に移行し、為替相場の柔軟性を向上させることが必要であるという共通認識になっています。私もその場に参加して、そういう指摘がされました。  我が国としても、こうしたG20での合意を踏まえ、新興国に対して引き続き様々な機会を適切に活用し、先生指摘のようなことを含めて促していきたいなというふうに思っております。
  63. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。  特例公債法案について質問をいたします。  我が党は、民主党政権の水膨れ予算に一貫して反対し、それと一体である特例公債法に対しても反対してまいりました。審議の過程で、単に反対するだけではなくて、本年度予算歳出の減額を政府に対して求めてまいりましたが、民主、自民、公明の三党で協議を重ねてきた結果、特例公債発行抑制することを補正予算で行っていくという趣旨が確認され、本法案に賛成し、成立させる前提が整ったと考えております。  本法案の附則に、平成二十四年度補正予算において、政策的経費を含む歳出の見直しを行うことが加えられました。まず、この約束をいかに実行するのかということについて財務大臣のお考えを伺います。
  64. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 御指摘のように、三党の確認書において、平成二十四年度補正予算において政策的経費を含む歳出の見直しを行うというふうにされております。  このことを踏まえ、今後、補正予算の編成までに政府としてはしっかりと検討してまいるという決意でございます。歳出の見直しとは、既存の予算についての、先ほど申し上げましたけれども、制度を見直したり、あるいは年度末までの執行見通しを洗い直した上で歳出を減額することを想定しております。  いずれにしても、しっかりと見直しをしていきたいと思っております。
  65. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 今、制度の見直しや執行の抑制やっていくというお話でしたけれども、具体的に重点的に何をやっていくということを今の時点で見通しを立てられていらっしゃいますでしょうか。
  66. 城島光力

    国務大臣城島光力君) これ先ほどもちょっと触れましたけれども、現時点では具体的に何かを、経費を想定しているわけではございませんで、今後政府としては、補正予算の編成までの中で具体的なことを検討していきたいというふうに思っております。
  67. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 財務省に対しては、徹底して無駄遣いをなくして、納税者から預かったお金が国民のために真に必要な事業に振り向けられるように賢明な財政運営をしていただけるように望んでおります。  ところで、先々月の報道をきっかけに復興予算が捕鯨調査や被災地から離れた刑務所での訓練など復興とは関係の薄い事業に使われていたということが明らかになり、多くの国民から怒りの声が上がりました。公明党は、この問題について直ちに関係省庁に事実関係をただした上で、復興予算の適正化を求める緊急提言を官房長官に申入れしました。  ここで、財務省の復興予算の査定の考え方、また、今回の問題を経て、今後どのように便乗や流用ともいうべき予算を排除していくのか、財務大臣にお考えを伺います。
  68. 大久保勉

    ○副大臣大久保勉君) 御下問の復興予算の査定には三つの原則がございます。一つは、まず要求されている事業が復興施策に係る事業に当たるかどうか。二点目は、復興事業であると認められた場合、予算措置すべき緊急性や即効性があるか。最後でございますが、その上で、各事業の経費の積算が適正に行われていて、ここが重要ですが、必要最小限の額となっているか。この三つの原則がございます。こういった観点から、財政面の状況を鑑みつつ、当時の環境においては適切に予算計上がされたものと考えております。  もちろん、個々の事業について見れば、種々の御指摘、御批判をいただいているところでございます。これは報道であったり、若しくは国会審議等でございます。このことは十分に承知しております。  こういった指摘を踏まえまして、被災地が真に必要とする予算をしっかりと手当てをしていく、それ以外については厳しく絞り込んでいく、こういうことを御党の御意見も踏まえながらしっかりと行ってまいりたいと思います。
  69. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 先日、岩手県の陸前高田市の戸羽太市長と懇談をさせていただきました。  御承知のとおり、陸前高田では甚大な被害を受けて高台移転の移転先確保も様々な事情で難しく、復興事業もなかなか進まないという状況と伺いました。復興予算、例えばほかの地域でニーズが高いグループ補助金などがありますけれども、陸前高田では、たとえ申請をしたくても、今町づくりがなかなか進まない、これは規制などが妨げになっているというところも大きいと聞いております。そのため、被災者が自分の事業の計画を立てられる状況にない、したがって、このグループ補助金、とても魅力だけれども申請もできない、もっと後になってから必要になってくるのではないかというふうに伺いました。  復興予算が被災地だけではなくて防災など全国でも使うニーズがあるということについては市長も一定の理解を示しておられましたけれども、復興予算には上限がある、限られた予算が使いやすいところで先に使われてしまって、特に被害が甚大だった陸前高田のような地域がいざ本格的に復興しようというときに予算が残っていないのではないかと危惧されていました。  被災地に十分な復興予算が配分されるようにするためにいかにしていくのか、財務大臣のお考えを伺いたいと思います。
  70. 城島光力

    国務大臣城島光力君) そういう御意見もありますので、少なくとも、先ほどから申し上げておりますように、被災地が本当に必要とするものについてはお金がないからできないということは絶対なくしていきたいというふうに思っております。しっかりとこの部分については手当てをしていきたいというふうに思っております。
  71. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 今、復興予算、五年で十九兆円というスキームが昨年組まれましたけれども、これで足りないというときにはどのように手当てをされる心積もりでいらっしゃるのでしょうか。
  72. 城島光力

    国務大臣城島光力君) そういう御指摘もよくいただきますが、この十九兆円のフレームにつきましては、復興の基本方針の趣旨に従って恐らくいずれかの段階で見直さざるを得ないというふうには思っております。まずは二十五年度の要求内容についてきちっと精査をし、そして見直しをするところはした上で、この十九兆円のフレームということについてはいずれかの段階でこれで足りるかどうかを含めて見直しが必要だという認識ではおります。
  73. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 見直して足りない場合、今、増税も来年から始まることになっています。被災地のためならばということで国民皆様理解してくださったところがありますけれども、今回、便乗とか流用とか疑わしいものが、当然一部だと思いますけれども、そういったものがあって国民の不信が高まっているところで、十九兆円では見直した結果足りないですといったときに、どのように財源を手当てされるのでしょうか。
  74. 城島光力

    国務大臣城島光力君) その財源確保の在り方も含めて、これは足りない場合は、今申し上げたように、お金がないから手当てできないということは少なくとも避けなきゃいけないというふうに思っております。
  75. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 質問にはっきりとお答えいただけていないような気持ちがしておりますけれども、ちょっと次の質問に移らせていただきたいと思いますが、関連して、復興予算に計上された国際熱核融合実験炉計画の推進に必要な経費について伺います。  先ほど復興予算の査定の考え方、伺いました。復興に関連したものということが第一番目にあったというふうに理解をしておりますけれども、政府の資料によりますと、この予算については青森県、茨城県を実施地として、震災前の四年前、二〇〇七年から十年の計画で始まっています。総経費は九百二十億円、半額を欧州が負担するとなっていますので、日本側の負担はその時点で四百六十億円くらいになるのでしょうか。平成二十四年は復興予算として四十二億円計上しています。これは本来なら一般会計に計上すべきだったものを復興予算に便乗して計上したというように見受けられます。  今後もこのプロジェクトは続き、国民負担は増えるものと考えられますけれども、あと幾らこのプロジェクト終了までに掛かるのか、いつまで続くのか、途中でやめる場合に、これは国際的なプロジェクトだと思いますけれども、国民は幾ら負担をしなければならないのか、財務省に伺います。
  76. 大久保勉

    ○副大臣大久保勉君) いろいろな御指摘、御質問がございましたので、まず今回の御下問の国際熱核融合実験炉計画に関しましては、青森県と茨城県において、日欧の国際協力により核融合エネルギーの国際的な研究開発拠点を整備するものであり、平成十九年から一般会計で事業化されているところでございます。例えば、本事業においては平成二十三年度までに約二百七十億円を支出しているものと承知しております。  また、平成二十四年度当初予算については、青森県や茨城県の新産業や雇用の創出に寄与する事業であり、被災地域の経済活動の再生に貢献するものとして復興特別会計に四十二億円を計上しているところでございます。  先ほど復興予算の三つの原則がございましたが、こちらに関しましては、被災地域の経済活動の再生に貢献するものという形で予算が計上されているところでございます。  委員指摘もございますが、将来の見込額や事業を廃止した場合の問題点については、まず事業を所管する文部科学省において十分考えられるべきものでございまして、十分に意見交換をしてまいりたいと思います。  いずれにせよ、今後の取扱いについては国会での、また委員の御指摘を踏まえつつ、文部科学省とも調整の上、適切に対処してまいりたいと思っております。
  77. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 これは私は、やはり今の御説明を伺いましても、復興予算ではなくて一般会計予算で計上するべきものであったというふうに感じます。これは震災があってもなくても計上されていた予算ではないでしょうか。
  78. 大久保勉

    ○副大臣大久保勉君) そのような考え方もございますが、予算に関しましては、青森県や茨城県の新産業や雇用の創出に寄与するといった観点から、今回は復興特別会計四十二億円を計上したところでございますが、委員の御指摘もございまして、今後に関しましては文部科学省としっかりと調整をしていくべきだと思います。最終的に文部科学省が判断すべきものと承知しております。
  79. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 このプロジェクトの全体、事業計画や総額、あるいはやめることになった場合のリスク、こうしたことについては文部科学省に聞いてくださいという、そういう御答弁だったかというふうに思いますけれども、それを予算を査定する財務省が把握していないということだというふうに理解をいたしましたが、査定段階でそうしたことも把握せずに予算を付けていたということに聞こえました。  私は、資源の少ない我が国が豊かに暮らしていくために、この科学技術の分野は大変重要であるということは認識をしております。また、科学技術の研究開発というのは全てが成功するわけではなくて、可能性がある多くの分野に挑戦し失敗を重ねる中で、その中から一握りの成功が生まれてくる、そういうものであるとも思います。  しかしながら、だからといって、そのための財務省予算査定がずさんでよいわけではないと思います。リスクがあるからこそ、なおさら納税者の信頼を得られるように財務省説明責任をしっかりと果たしていく必要があります。  財務省におかれましては、予算の査定という強力な権限を各省に対して持っておられるのですから、予算決定の判断材料となるべき重要な情報について文部科学省に聞かなければ分からないというのでは、いかなる判断で予算を付けたと説明なさるのでしょうか。復興予算の流用疑惑や便乗予算という予算の計上、執行に対して、今国民から大変厳しい目が向けられているという状況を直視し、猛省していただきたいと私は思います。  次に、衆議院修正によって、与野党の主張が違うために特例公債法が予算成立の時期と大きくずれることで国民生活に大きな影響が出ることを繰り返さないための措置として、平成二十七年度までのこの特例公債については予算と同じタイミングで成立させるという規定が盛り込まれました。  これについて、財政再建が喫緊の課題であるにもかかわらず、財政規律が緩み、歯止めがなくなるのではないかという見方もあります。財政規律を緩めて特例公債発行を野方図に認めるようなことは一切ないように財政運営を行うことを財務省には強く求めておきたいというふうに思います。  最後に、このルールが憲法八十六条で定める単年度予算主義に反するという意見もあるようですが、これについて財務大臣の御見解を伺いたいと思います。
  80. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 御指摘のように、この三党合意の中のものを取って財政規律が緩まないようにするのは、もう当然だと思います。厳しくやっぱりそこは今後も心していかないかぬところだと思っております。  今回の法案修正におきましても、ただ各年度特例公債発行限度額というのは、毎年度予算総則で規定をして、そして国会の議決を経るということから、憲法八十六条の予算の単年度主義ということとの関係が問題になることはないというのは我々の見解でございます。
  81. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 単年度予算主義にこれは反しないという政府の公式見解ということでよろしいでしょうか。
  82. 城島光力

    国務大臣城島光力君) そういうことです。
  83. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 分かりました。  それでは、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  84. 広野ただし

    広野ただし君 国民生活が第一の参議院の広野ただしです。  まず私は、委員長、非常に敬愛する委員長なのでありますけれども、昨日からのこの委員運営について、ちょっと私は誠に強引なやり方ではないのかというふうに思います。  昨日は、衆議院財務委員会でまだ質疑中のときに、昨日の昨日のことで理事懇をセットをするというお話がありました。そして、その理事懇は、まだ、理事の方はおられたんですが、理事予定者、理事にはなっておられない方々を集められ、また、この運営についてはオブ理事をどうするかとかということも決めていない中で、この委員会設定をすると。しかも、二時間足らずで採決をすると。  こういうことをなされると、これは、私は議会制民主主義に大変な汚点をつくられるんじゃないのかと。こういう重要法案について、しかも、後で中身のことをやりますけれども、四年間にわたって国会がチェックをしない、そういう赤字垂れ流しのようなことがあるんですよ。そういうことについて、この委員会の持ち方、私は誠にこれは暴挙だと思っております。  これは職権で立てられたということだと思いますが、まず委員長の見解を伺いたいと思います。
  85. 川崎稔

    委員長川崎稔君) ただいまの広野委員の御質問にお答えをしたいと思います。  本日の委員会の開会につきましては、昨日の理事懇談会におきまして、理事並びに理事予定者、オブザーバー各位の皆様の御意見を伺い、理事会派の御同意を得て決定したものと認識しております。  しかしながら、御尊敬申し上げる広野委員指摘の点につきましては真摯に受け止め、冒頭の御挨拶でも申し上げましたけれども、本委員会運営に当たりましては公平かつ円満に行ってまいりたいと存じますので、御理解を賜れればというふうに思っております。
  86. 広野ただし

    広野ただし君 特に参議院は問責決議を出して、総理は問責を受けているんです。ですから、所信表明も受けないで緊急質疑でやってきている。言わば参議院は非常な異常状態の中でこの委員会をまた開いてくると。こういうことでありますから、私は、やはりしっかりとした審議をやる。特に二院制の中で、衆議院解散をされても参議院は残っているんですね。ですから、参議院は、まあ閉会にはなります、だけれども、その閉会中においても審議をするくらいの思い、そういうことをやることが二院制の大きなメリットだと思うんです。ですから、そういう時間も取れるわけで、私はそういう面ではこれは非常に汚点を残すやり方ではないのかなと思っております。  ところで、各党発議者にちょっとお伺いをしたいと思います。これも皆さん、多数を占めれば何でもできるんだというような、有無を言わせず押し切っていくと、こういうやり方は私は本当に議会制民主主義を踏みにじるようなもので、しっかりと話を、少数会派等も含めて何で議論をしないのかと。それはまさにこの国会の中でやることなんですよ。だけれども、三党でわっと手握ってやってしまうと。こういうことについて、まずそれぞれの見解を伺いたいと思います。各党発議者の御見解を伺いたいと思います。
  87. 道休誠一郎

    衆議院議員道休誠一郎君) 道休でございます。広野先生の御質問にお答えさしていただきます。  現在のような状況、すなわち予算成立しているんですけれども、それが執行できない、そしてそれが国民生活や自治体の運営に非常に深刻な影響を与え始めている、こういう状況を踏まえまして、野田総理の提案を受けて、民主党、そして自由民主党、そして公明党の三党で、この状況を一日も早く打開する、この予算の執行の財源確保というものを一体的に処理するルールを作るべきであるという認識に基づきまして、昨日、衆議院財務金融委員会において修正案を提出して、さらに本日の先ほどの本会議で可決されたわけでございます。  非常に日程的なタイトなスケジュールということに対しては、私どもも本当に真摯に先生のお言葉を受け止め、おわびを申し上げなきゃいけないと思っていますけれども、しかし、それ以上に、今、日本の経済状況等を鑑みたときに、この状況を一日も早く解消するということがまず第一義でございますので、その点、御理解をいただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。
  88. 竹本直一

    衆議院議員(竹本直一君) 趣旨は全く同じなんですが、しかし、そもそもこういう事態に至った原因というのは臨時国会を早く開かないからです。もっと早く開いておれば、この審議先生おっしゃるように十分できたんだろうと思いますが、十月二十九日という相当期間が過ぎてから開かれておりますので、追い詰められてしまった。  ところが、国庫にはだんだんもう金がなくなってきている。幾ら用意しても十一月いっぱいで払えなくなる。公務員賃金の支払ができない、あるいは交付税の交付ができない、建設工事を請け負っても前払金はもらえない。こういう現実国民生活への障害が出てきましたから十分時間を取る暇がなかった、それがやっぱり一つの理由だろうと思います。  それでいいとは言いません。いいとは言いませんが、したがって、適切な国会運営が絶対必要であって、それを怠れば今回のような国民に対して犠牲を強いることになる。そういう意味では委員の怒りはよく分かるわけでございますけれども、やっぱり議員たるもの、国会における審議状況というのは全体を見てきっちりと国民生活を念頭に置きながらやるべきものだとつくづく思う次第であります。  以上です。
  89. 斉藤鉄夫

    衆議院議員(斉藤鉄夫君) 公明党の提案者でございます。  広野委員の御指摘、同じ野党の一員として理解できる部分もございます。  今回、こういうタイトなスケジュールになった最大の原因は、我々野党として、今回この今年度予算案、水膨れ予算案であって、それを裏付ける特例公債をそのまま認めるわけにはいかないということを実は昨年の衆議院審議が始まった三月の段階から我々ずっと申し上げてきたところでございます。それに対して、この間、もう何か月たったでしょうか、半年間、何ら有効な手を打ってこなかった与党にその第一義的な責任があると、こうまず言わざるを得ません。  しかしながら、最終的にこの水膨れ部分に対して減額、抑制的な措置をとるということを与党皆さんがお認めになったということに対して、我々はこれを評価したと。そういう中で、また明日衆議院解散ということについて総理が明言をされた、そういう中で国民生活影響を及ぼさない形でこの与党の決断を了として我々も今回この法案、三党で合意したところでございます。  この点、是非広野委員の御理解を賜りたいと、このように思います。
  90. 広野ただし

    広野ただし君 私は、こういう三党で、これは参議院の場合はもう三分の二以上になります。やはり、第二次大戦中に大政翼賛会というのができて、多数を占めますからもう何でもノーチェックで内閣と軍部のことをどんどん推し進めると。ですから、それによって日本は滅亡の道を歩むようなことになっているんですね。ですから、こういうことをやっていきますと、特に今度は二十七年度まで国会はノーチェックという、こういう話になっちゃうんですね。これは、私はもう大変な汚点を、憲政史上大変な汚点を残すのではないのかと思います。  憲法八十六条では、毎年度予算内閣は作成して、国会に提出して、その議決を経なければならないと、こうなっておりますが、その予算の中の大事な部分がこの赤字特例公債法案なんです。そこを抜けてしまいますと、これは本当にある意味で憲法違反的なことをやるんじゃないのかと思いますが、やはり三党の修正発議者の皆さんの御意見を伺います。
  91. 道休誠一郎

    衆議院議員道休誠一郎君) 先生指摘の点、憲法八十六条の単年度主義、予算が単年度主義であるということ、そしてまた、将来的に財政的な規律が保てるのかという御心配の点だと思いますけれども。  まず、単年度主義との整合性についてお話しいたしますと、特例公債発行限度については、特例公債法において、予算をもって国会の決議を経た金額の範囲内と規定されておりまして、毎年度予算総則において定めているということがございますし、また今回の法案修正においても、各年度特例公債発行限度は、毎年度予算総則において規定し、国会の議決を経ることということが書いてございますので、この点については、毎年しっかり単年度主義を守りながらチェックを果たしていくという点が明確になっておりますので、私は憲法上の問題というのはないというふうに思いますし、また、財政上の規律ですね、将来的に見て複数年度にわたってこういうことを決めていいのかという御指摘なんですけれども、財政規律が緩むことのないように、引き続き、現行の財政健全化の目標を踏まえて、平成二十七年度までの基礎的な財政収支の赤字の対GDP比が半減となるよう、現行の財政健全化目標の達成に向けて真摯に努力してまいるとともに、さらに、修正後の第三条においては中長期的に持続可能な財政構造を確立することというのを旨としておりますので、特例公債がもう無節操に発行されてしまうというようなことはなく、抑制に取り組むということができるというふうに考えております。
  92. 竹本直一

    衆議院議員(竹本直一君) 自民党としての考えを述べますと、もちろん今のお話と同じようなことになるわけでございますけれども、単年度予算制度との関係で矛盾しているのではないかということでございますが、これは毎年度予算編成において予算総則に額を書きますから、そこで濫用に至らないようにするということであります。  もう一点は、財政規律が守られるか否かと。これは、ずばり国会議員の資質と意欲によると思います。国会で十分議論して、その中で適切な予算を組む、そういうことが前提で、その裏打ちとなる法律面での公債特例法があって初めてできるわけであります。  過去の歴史を見ましても、昭和五十一年からこの赤字国債を発行をずっとしております。途中ちょっと中断ありましたけれども、最近は毎回そうです。我々自民党が政権におったときは、予算特例公債を一緒にやっておりました。ところが、今回、民主党さんがやられたのは、通りやすい予算だけ先に通して、あとは法律が後から来ると、こういうことであります。言ってみれば、娘が先にお金を使ってしまって、お母ちゃん払ってちょうだいと、こういう感じでありまして、なかなか不本意なところがあったんですけれども、そういうさなか、野田総理から御提案があったと聞いておりますけれども、四年間にわたってそういう法案審議にエネルギーを使い過ぎることが法的安定性、行政の安定性を害するのではないかと、こういう思いから御提案がありまして、我々自民党も、まあ確かにそうだなということで賛成した次第です。  以上です。
  93. 斉藤鉄夫

    衆議院議員(斉藤鉄夫君) 広野先生平成五年の衆議院同期当選でございまして、それ以来、親しくお付き合いさせていただいている広野先生のお言葉でございますが、二点ちょっとお返しをさせていただきたいと思います。  一点は、大政翼賛会、三党合意について大政翼賛会という言葉ありましたが、私は全く逆の評価をしておりまして、こういう多党化時代、ねじれが常態化する国会の中におきましては、与野党が真摯に話し合って結論を得るということにつきましては、これはよく言われる言葉ですが、決められる政治ということの一つのパターンを示したのではないかと、このように思っております。もちろん、もうそれが常態化して大政翼賛会と言われるようなことがあってはならないと思っておりますけれども、そういう自己チェックをきちんとしながら賛成すべきものは賛成していくということでございますので、御理解いただきたいと思います。  それからまた、ノーチェックというお言葉がございました。この予算案、予算総則に示された限度額の中でこの特例公債を許すということでございますが、予算案そのものは予算委員会を通じて衆参におきましていつも百時間近い議論がされているわけでございます。この四年間におきましては、ある意味ではこの特例公債についても予算委員会で特段のより踏み込んだ議論をすべきという点についてはもうそのとおりでございますけれども、そういう意味でノーチェックではない、各年度きちんと衆議院、参議院それぞれにおいて審議が行われているという点について申し述べさせていただきます。
  94. 広野ただし

    広野ただし君 今お話ありましたけれども、結局、特例法について国会での審議をなくしていくわけですよね。ですから、これは、財政は特に憲法にもありますように重要事項です、国家のですね。これに対して国会がちゃんとしたチェックを果たすと、毎年度果たすというのがやっぱり財政民主主義の根本だと思うんですね。ですから、それを四年間にわたって、まあ二十四年度は別にして、来年度以降三年間にわたってなくするということですから、私は、本当にとんでもないことをやろうとしていると。  しかも、それは、自民党さんは政権に戻るかもしれない、公明党さんもそれに加担をするかもしれないと。魚心あれば水心のような話で、これで何となく、そうしたときには自分たちにも楽だというような、そういうようなことで手を握られているんじゃないかと私はやっぱり思わざるを得ないんですね。しかし、それは国家全体からいうと、国会のチェック機能をなくしていく、もう大変なことなんじゃないかと、こう思っております。  ところで、今日、法制局長官が来ていただいておりますので、この憲法八十六条と今回の修正案について見解を伺いたいと思います。
  95. 山本庸幸

    政府参考人山本庸幸君) お答え申し上げます。  ただいま御審議いただいているこの法律案でございますが、これは財政法四条の例外となるいわゆる特例公債発行について複数年度にわたる特例規定しておりますが、これは、各年度特例公債発行限度額については、毎年度予算総則で規定をし、かつ国会の議決を経るということにされております。したがいまして、特段これによって憲法、とりわけ八十六条の問題が生ずるとは考えていないわけでございますが、現に二つほど過去の例がございます。  平成六年に成立いたしました所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の施行等による租税収入の減少を補うための平成年度から平成年度までの公債発行特例に関する法律というのがございますし、また、昨年成立した東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源確保に関する特別措置法におきましても、同様に複数年度公債発行特例についての規定がございます。  以上でございます。
  96. 広野ただし

    広野ただし君 山本長官、富山県の御出身で、私もよくあれしていますが、私は、前例があったからといって、これはやっぱり憲法違反的なところが濃厚だというふうなことを御指摘して、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  97. 大門実紀史

    大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。  あした解散で総選挙にという、そういう国会の最後にやられたことが、今もございましたけれども、やり方も中身も三党合意のごり押しというのは大変残念だなというふうに思っております。  この間、最後もこうですけれども、大事なことといいますか、肝心なことは全て三党合意でやられてきたと。ちょっと自民党の方にも私言いたいんだけれども、ふだんは何かいかにも対決して罵って、何かなると急に仲よくなってこうやると。だったらふだんから仲よくやって、何かふだん対決ポーズ示して、いざというときこうやってまとまるとややこしいですよね、国民皆さんは。  やっぱりこれ、大連立、まあ野田政権は最初から大連立も呼びかけておられましたけれども、そういう方向ならそういう方向だとはっきり国民の前で言わないと、また昨日のクエスチョンタイムもそうだけれども、いかにも対決しているような終わり方して、みんなそうかなと思ってどっちかに入れて、またまとまってこんなことをやられたら、これおかしな話なんですよね。大臣、そう思いませんか。
  98. 城島光力

    国務大臣城島光力君) いや、これはちょっと他党のことですから何とも言えないですけれども、十分話をして徹底して論議をして、よく言う熟議の国会という一つの例ではないかと私は思っております。
  99. 大門実紀史

    大門実紀史君 例えばこの確認書の一番ですけれども、減額補正をやると。これ、いずれにせよ、解散・総選挙の後の、どういう政権の枠組みか分かりませんけれども、三党で相談をして平成二十四年度補正予算を見直すということになりますと、補正予算を一緒に見直すなんていうのはこれ事実上の連立政権ですよ。しかも、補正の後に本予算が来るわけですよね。こんなものは事実上これから一緒にやっていこうということを宣言しているのに等しい確認書でございまして、やっぱりそれならそれではっきりと、今申し上げたのでもう繰り返しませんが、そういう方向で考えているなら考えていると、選挙ですからね、打ち出すべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。この確認書そのものがそういう構造になっております。  中身に入りますけれども、時間がありませんので。今回、平成二十七年度までの間と。じゃ何で二十七年度なんだということを聞きましたら、これは、もう時間の関係でこちらで言いますと、政府の方は、例の中期財政フレーム、これは二十七年度までに、先ほどございましたが、プライマリーバランスの赤字を半減という目標があると。自民党さんは自民党さんで、財政健全化、何か法律があるんですね。両方とも大体二十七年度なので二十七年度を入れたんだということなんですけれども、先ほども、これ確認書の二番のところですけれども、現行の財政健全化目標を踏まえ、安定な財政運営確保する観点から、その前に、特例公債発行額抑制に取り組むことを前提に、いろいろ書かれておりますね。  しかし、この中期財政フレームなんてものは、今までも目標を掲げたけれども、ずんずんずんずん先延ばしになって、これ、ただの目標じゃないんですか。何か枠はめられたものでもありませんし、先ほど城島大臣努力していく、検討していくという話で、何らこれ担保されたものでもありません。抑制に取り組むことを前提に云々、取り組むことを前提に云々、これも、こんなものどうなるか分からない話じゃないですか。取り組んだって、取り組んだって、いろんな諸般の事情で公債、景気が悪くなったと、いろいろやらなきゃいけないと、やっちゃったと、何も抑制されるとは限らないわけですよ、ここに書いてあるからといって。  私が申し上げたいのは、こんなことを書いて何の担保にもなっていないし、ただの精神的な、精神論を言われているだけでございまして、しかも、何かそれ、だから、いかにも抑制するのを前提に二十七年度までとおっしゃっているように見えますけれども、頭の部分はただの努力目標、そうならないかもしれないという話でございまして、かつての橋本龍太郎さんのときのあの経済構造改革法ですか、途中でやめましたけれども、ああいうものとは違いますから、ここに、ただペーパーに書いてあるだけですから、これ何の担保にもならないと。つまり、いろいろ二十七年度までやっていった場合、特例公債発行額抑制されるんじゃなくて増える場合もあると。ただ、努力はしました、でも増えました、増えたら自動的に二十七年度まではやりませんということにはなっていないんですよね。なっていない。  もうちょっと分かりやすく聞きますと、平成二十七年度としますと、消費税増税の前にいろいろやらなきゃとお考えになっているみたいですが、それで特例公債発行して、平成二十七年度ですから、例えば二十五年度の時点でどう考えても二十七年度中にプライマリーバランスの赤字を半減できないということがもう誰が見ても明らかになった場合であっても、二十七年度まで特例公債発行を認めるということになってしまうんじゃないですか。何の担保もないんじゃないですか、これ、発行抑制なんていうのは。ただ紙に書いてあるだけじゃないですか。違いますか。
  100. 道休誠一郎

    衆議院議員道休誠一郎君) 委員の御指摘にお答えしますと、やはり、書いてあるだけじゃないかというようなことを御指摘でございますけれども、私ども、やはりある程度中長期的にいろんな目的を、目標数値というのを挙げて、それに対してやはり真摯に国会の議論も通しながら、国会のチェック機能も生かしながらしっかりと財政支出の抑制を目指していくと、これはやはり非常に大きな意味があると思うんですね。  決して、先生が御指摘になるような、もうこれ野方図にいわゆる特例公債発行を認めるとか、そういうようなことは私ども、これはもう三党の間でも同じ認識だと思いますけれども、そういうことは全くございませんので、しっかりとここで掲げていくことについては政府そして各党頑張っていくということも我々は含んで書かせていただいておりますので、その点御理解いただければと思います。
  101. 大門実紀史

    大門実紀史君 今までみんなそういうことを言いながら借金ここまで増やしてきたんですよ。分かりますか。それで、橋本内閣のときにもう法律ではめなきゃ駄目だとなって、またこう来ちゃっているわけですよね。みんなそう言ってきてここまで増やしたんですよ。だから、そんなときにこんな規律緩めていいのかということで、これは私たちだけではなくて有識者の方々も心配されているわけでございます。そういう言葉だけでは駄目だということなんですよね。  私はこれちょっと財務省にいろいろレク受けて驚いたんですけれど、通常財務省はこういう財政規律を少なくとも緩める方向というのは難色を示したり渋い顔をしてきたんです。ところが、今回、何か喜んじゃっているんですよね。大臣も、うれしそうにうれしそうに、これいい法案だ、早く通してくれと。本来は財務省が、これはやっぱりちょっといかがなものかと、もし政治家が判断としたらですね。私は、逆に財務省が知恵を出したんじゃないかと、今回についていえば、それぐらい思っているわけでございます。余りにも特例公債法案が通すのが苦しくなったものでね、と私は思っているんですけれども。  そもそも、この修正提案理由は中期財政フレームとは何の関係もございません。大臣も総理もお答えになっているとおり、とにかくこの間、特例公債法案が通らないというのが何年か続いてきて、もうおっしゃっていますよね、発行せざるを得ないんだけれども、ねじれ国会等でこういうもう通らない状態、この悪弊とおっしゃっていますけど、悪弊とは思いませんが、それを断ち切るために、予算と一体のルールを作らなきゃいけないから提案をしたと、もうそれだけですよね。別に中期財政計画、何の関係もないんです。ですよね。  ですから、そうなりますと、何のことはなくて、ねじれ国会だから、あるいは特例公債法案が政争の具に使われてきているからいろいろ通らなかったと。もちろん臨時国会開く時期が遅かったとかありますが、根本的にはそういうことですよね。それだから提案したと、それだけのことだと思うんですね。そういうふうにお答えになっていますけれどもね。  そうすると、この法案の後、二十七年度までとおっしゃいますけれど、二十七年度の後、当然、今の状況からいきますと、特例公債発行しなければいけないという状態は一遍には解消されませんですよね。二十七年度以降も、二十八年度特例公債発行しないで今の規模の財政やれませんから、発行するということになります。つまり、この二十七年度以降も特例公債発行すると。なおかつ、その時点で参議院のねじれが解消しているとは限りません。限りません。  となると、何が生まれるか、何を心配するかといいますと、結局、今、今回こうやってやっちゃったものがまた恒久法のように延長されていくんではないかと。つまり、特例公債法そのものは最初は一年限りと。それで、ちょっと辛抱して、また苦しくなって何年かやって、もう一遍借金できるというこの誘惑は恐ろしいものでございまして、借金してあれやろうこれやろうになって、これは自民党政権のときですけど、ずっと増やしてきて、一回特例がずっと続いてきたということなんですよね。  同じように、今回もこれ、二十七年度までのと言いながら、一遍こういうことをやっちゃうと、これを更に延長していこうと、二十八年だって借金しなきゃいけないんだからと、こうなるおそれ、懸念が当然今までの歴史を見るとあると思うんですけれど、これはどうなんですか。ちょっと財務大臣にお考え聞きたいんですけど。
  102. 大久保勉

    ○副大臣大久保勉君) 大門先生とは財政金融委員会理事を通じていろんな意見交換をさせてもらいましたので、今回説明させていただきます。  今回の特例公債法、いわゆる平成二十七年度以降に関してどうするんだということでありますが、ここに関してはまだ取扱いは決まっておりません。そのときの政権がしっかりと財政規律を守るという観点から決めていただくことでございます。  一方で、平成二十七年度以降に関しましては、例えば財政収支を二〇二〇年までにプライマリーバランスを黒字化にすると、こういった決定もございますから、そういったことをしっかりと踏まえて、次の政権がしっかりと大門委員指摘も踏まえて決断していただけると思っております。
  103. 大門実紀史

    大門実紀史君 これは後で歴史を見れば判明することになるかと思いますが、私は、一回こういうことをやると、延長しちゃおうと、それからだんだん恒久法的になってくるという懸念を強く指摘しておきたいというふうに思います。  やっぱり、さっきも言いましたけれども、財務省がもう、何というかな、特例公債に対する感覚が財務省自身が麻痺しているんじゃないかなというふうに思いますし、政府財政制度審議会はかなり厳しく特例公債問題をずっと指摘してきたんですよ。この特例公債法案の単年度主義という話がありましたが、複数の年度でやる例外措置もつい最近まで非常に厳しく、例外で、東日本大震災の復興債がそうですし、その前の消費税を三%から五%にするときの先行減税の財源、このときもそうですが、それはいずれ税収で入ると、財源を明らかにした上の例外的な単年度を越える複数年度のという、そういうやり方はあったんですよね。つまり、東日本大震災の復興債のときまでは財務省もそこは厳しく財政規律の問題として考えていたわけです。ところが、今回、こんなものを財務大臣が喜んで早く通してくれというのは、私は財務省どうなっているのかなと大変危惧しております。  単年度主義、これについて言えば、おっしゃるとおり、一応予算の総則の中に入れて、予算審議の中で駄目なら駄目と、そこで反対なら予算に反対しろということなのかも分かりません。しかし、ならばですよ、財務大臣にお聞きしたいんだけれども、今までなぜそうしなかったんですか。今までなぜ特別に特例公債法案を別途に審議してきたんですか。
  104. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 先ほどから、財政規律が緩むんじゃないかと、これからどんどんそうなっていくんじゃないかという御指摘でありますが、少なくとも、先ほども御質問の中にありましたけれども、例えば今の財政規律あるいは財政状況というのは、日本の場合、極めて悪いわけですよね、数字上だけでも。これが、もしそういう規律が緩んでどんどんどんどん日本の財政が悪化していけば、日本に対する信認がもっともっと悪くなり、国債の格付も下がっていき、金利が上がっていくという。今でも海外から見たときに、やっぱり日本の財政再建に対してはかなりそういう面で極めて注目をされているということもございます。  したがって、財務省として、仮にそれが中期的な今回の三党合意みたいなものがあるにしても、それでどんどんどんどん財務省として財政規律が緩んでいくということを放置しておくという立場には全くありません。そこは是非御理解いただきたいと思います。先ほどからそういう御意見ありますので、財務省としての見解はそういうことであるということであります。  それから、五十一年以降は、御指摘のように毎年この委員会で御審議いただいておりました。そういうことで、それぞれの一定の緊張感を持って国会審議されてきたと思います。ただ、近年は当時と違いまして、先ほど申し上げたように、もう既に一般会計予算の四割をこの公債に依存するという財政状況になってきている中で、国会情勢ということでこの法案成立が遅れるということになると、財政運営が不安定化して、国民生活やあるいは経済に極めて大きな悪影響を与えかねないというような状況になってきておりますので、先ほどから修正案の提案者が言っているように、野田総理の方から提案があって、従来の法案審議の在り方を超えて、予算法案を一体化で処理するルールというのを必要になってきているときではないかということでこういうふうになってきたというふうに思っております。
  105. 大門実紀史

    大門実紀史君 城島大臣とは今日が最初で最後のやり取りだと思いますが、その程度の認識で財務大臣になられたというのは大変残念ですね。後ろから余計な関係のない答弁書出すなよ、時間ないんだから。聞いたことに答えなさいよ、政治家同士。何言っているんですか。  今の話にも出てきたけれども、何が今危ないと思われているか分かりますか。特例公債も毎年毎年発行してきたと、もう四割にもなっていると、だから一緒でいいんじゃないかと、この素人的な、それが今みんな心配しているんですよ。四〇%にもなってきて、これだけ巨額になっているからこそ逆に、もう一緒くたでいいじゃないかじゃなくて、きちっと別個に別途審議をするべきじゃないかと、そう考えるのが財務省の普通の今までの考え方だと私は思うんですよね。非常に危ないですよ、財務省、これは。  もう一つ最後に、時間ないから申し上げておきますけど、参議院の問題でございます。参議院の問題だから大久保さんに聞きたいなと思うんだけど、この特例公債法が別途にやられている場合ですと、やっている場合ですと、これは参議院で少なくとも最後チェックができるんですよね。分かりますよね。予算と一緒だったら、衆議院で一緒くたで、衆議院の優位でもう決まっちゃいますよね。参議院がチェックできるんです、これは別個の法律だったらば。  これは参議院の非常に重要な役割であるチェック機能にもかかわることだと思うんですけれども、これは三党合意審議された方、参議院議員いなかったのかな、どうか分からないけど、そういう面はちゃんと検討されたのかどうか分からないんだけど、もう最後だから大久保さんにお聞きしますけど、参議院議員としていかがお考えですか。
  106. 大久保勉

    ○副大臣大久保勉君) 特例公債法に関しましては、私も言わば筆頭理事ということで、何とか早く通したいと思っておりました。といいますのは、もしこの法律が通りませんと、いわゆる国民生活影響する、のみならず、いわゆる国債の発行ができない、若しくは乱高下するということで、日本国債の格付が下がります。ですからこれは、ねじれにおきましては安定的に通す必要があると思います。  一方で、いわゆる特例公債を多年度化するということに関しては、この財政金融委員会でしっかりと審議ができないんじゃないかと、こういった御指摘もあると思いますが、でも、委員と一緒に財金の理事を長く務めておりましたが、財政金融委員会そのものは、いわゆる財政に関することは何でも質問できます。また、予算関連法案、特に三月には所得税、いろんなものがございますから、そこはしっかりとそういったところで審議できると思いますから、是非この委員会でもって財政規律を守ると、こういう覚悟で御審議をこれまでと同様に行ってもらえたらと思います。
  107. 大門実紀史

    大門実紀史君 もう終わりますけれども、もうちょっとよく、深く考えた方がいいですよ。軽過ぎますよ、参議院のチェック機能の問題から、こういうものをこんな簡単に提案してくるということそのものもですね。  いろいろこういう私の指摘が当たらないように願いますけれども、本当にこれは大変な法案だと、そんなものを三党でごり押しされたことに改めて抗議の意思を示して、私の質問を終わります。
  108. 中西健治

    中西健治君 みんなの党の中西健治です。  城島大臣とは初めての議論ということになりますけれども、幾つか質問をさせていただきます。  まず、何度か出ております野田総理の三つの提案のうち、今年度特例公債法案本則で多年度にわたる特例公債発行を可能にしてしまうということがこれ選択されてしまっているわけですが、ほかの二つ、与野党の間で一体的に処理するという覚書を交わすですとか、来年度法案に入れることを附則で明記するといったものに比べて、これはもう一足飛びに議論もはしょって、結局、多年度特例公債発行を許容するという法律案になっているわけですけど、一番緩いものを拙速に選択されたということになっていますが、これについて財務大臣はどういうふうにお考えになっているんですか。財務大臣の所感をお伺いしたいですね、これは是非とも。
  109. 大久保勉

    ○副大臣大久保勉君) まず、事実の説明だけ行いたいと思います。  十月十九日の三党党首会談におきまして、野田総理より三つのアイデアがございます。一つは、法案の本則を修正し、多年度にわたる特例公債発行を可能とする案、今回の案です。二点目は、本年度そのような法案を提出することを法案の附則に規定する案。三点目が、予算特例公債とを一体的に処理することについて与野党で覚書を交わす案が提出されまして、最終的には、御指摘のとおり、最も緩いという表現でございますが、いろんな考え方がございますが、事実としては、法案の本則を修正し、多年度にわたる特例公債発行を可能にする案というふうになっております。  この点に関しましても、やはり機動的に、さらに様々な国会委員会でのチェック機能を発揮するということに関しては引き続き同じであると考えております。
  110. 中西健治

    中西健治君 大久保大臣、今私が言ったことをそのまま繰り返しているような答弁はやめてもらいたいと思います。時間の無駄です。  城島大臣お願いします。
  111. 城島光力

    国務大臣城島光力君) いや、一番緩い案ということではないと思います。三党間で協議した中で一番、そういう面でいうと、いわゆるプライマリーバランスが黒字化するまでという案もありましたから、そういう点でいうと、決して一番緩い案が拙速に採択されたということではないんじゃないかと私は思っております。
  112. 中西健治

    中西健治君 そうした三党間の話は私はよく存じません。野田総理の三つの提案の中では一番緩いだろうということを私は指摘させていただいているので、ほかの話もされたということをここで持ち出してもらっても、それは答えになっていないと言わざるを得ないと思います。  さて、この多年度発行を許すということですけれども、そもそも大平大蔵大臣が多年度は良くないということで単年度主義ということで、毎年毎年国会で汗をかこうじゃないかということでこうなったという経緯があるというふうに承知しておりますけれども、同じ財政を預かる大臣として城島大臣は、この多年度にわたって特例公債発行することを自動的に許容してしまうこの法案についてどのように感じていらっしゃるのか。単に国会が円滑に運営できるというようなことではなくて、国会対策委員長の立場ではなくて、財務大臣としてどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。法的に可能かどうかということを聞いているんではなくて、財政を守る、この観点からお願いします。
  113. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 御指摘の三木内閣時代の大平当時の大蔵大臣発言というのは私も聞いておりますし、それはそれとして大変立派なことだし、基本的な精神は全く変わっていません。そういう気持ちで財政運営を当たっております。  ただ、今、先ほども申し上げましたけれども、当時と違うところでいうと、約四割を特例公債で充てざるを得ないと、この一般会計予算の。そういうふうに当時から来ると大きく変化をしているというのと、さらには、この今のねじれ国会の中でかなりの論議をしてもなかなか進まないという部分ができてくると、四割も占めるとなると結局はこの成立が遅延することによって国民生活とか経済とかということへの悪影響が強くなってきているという大きな変化があると思っています。  したがって、その中で論議をきちっとしながら、なおかつ財政規律を守る中で、それはもう前提ですけれども、比較的スムーズにそういう影響が出ないようにしていくという与野党間の知恵の一つとして今回のやつができてきたと、私はそう思っております。
  114. 中西健治

    中西健治君 財政規律を守ることが前提ですけどというふうに今大臣おっしゃられましたけれども、どうして二十七年度まで許容できるのかということについては先ほど大門委員の方からも話がありました。経済財政の中長期試算ということに基づいているということだと思いますし、プライマリーバランスを半減化するということに根拠があるということのようですが、もしこれが途中でうまくいかないことが明らかになったときに、この四年間の発行を認める措置を見直すということにこれなっていないですよね。その中でどうやって財政の規律を担保することができるのか、そこを明快に答弁いただきたいんですが。
  115. 城島光力

    国務大臣城島光力君) そこはそうですけれども、ただその中にやっぱり財政規律をきちんと守っていこうという規定、そこの修正文があると思います。  と同時に、先ほど申し上げましたように、野方図に財政規律がおかしくなれば、もうそのこと自身が国家の危機的な状況になるわけでありますから、私はそういうふうには、少なくともこの賢明な国会の中でそういうふうな方向に行くことは私はないというふうに信じております。
  116. 中西健治

    中西健治君 今まで来ているというお話もありましたけれども。  それでは、具体的な中身、この三党の合意書の中で書かれていることについて、城島大臣、どのように思うかということをお聞きしたいと思います。どのように考えていらっしゃるかという見解をお聞きしたいと思いますが、政策的経費の見直しを含む歳出の見直しで二〇一二年度、今年度特例公債発行額抑制しているというふうに書かれていますけれども、政府として具体的に何か当てがあるんでしょうか。
  117. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 先ほどもお答えいたしましたけれども、現時点で具体的に特定の何か経費を想定しているわけではありませんで、今後政府としては補正予算の編成までの中で検討していくということでございます。
  118. 中西健治

    中西健治君 そうすると、現時点では具体的には何も当てがないということだということですね。  それで何ができるのかということについては非常に疑問があるなというふうに思いますが、来年度以降も特例公債発行額抑制に取り組むというふうに書かれています、来年度以降ですね。社会保障と税の一体改革の特別委員会で、私は何度も安住前財務大臣に新規国債の発行額というのは消費増税後は減るんですよねということを確認したところ、減らない、新規国債発行額は減らないということを安住前財務大臣は何度も明言されていますけれども、矛盾していませんか、抑制できるんですか。
  119. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 中期財政フレームは、御承知のように、約四十四兆円枠という規律がございますよね。先ほどから私何度も言っていますように、財政に対する市場の信認を確保するということからすると、償還財源確保されないままに発行される公債を対象にこの中期財政フレームというこの規律は一定の歯止めを掛けるというものでありまして、年金特例公債について、あらかじめ消費税率の引上げによりその償還財源を担保したものであることから、この復興債同様、四十四兆円枠の対象外というふうに整理されているので恐らく安住大臣はそういうふうに答えたんじゃないかなというふうに思います。
  120. 中西健治

    中西健治君 私が次にしようと思った質問に対するちょっと今の答えに近かったのかなと思いますが、安住財務大臣は新規国債発行額は減らないとおっしゃっているんですよ。減らない。消費税増税してもそのお金は全部使い道が決まっているので新規国債発行額は減らないと断言しているのに、じゃ、なぜこれから何年間かにわたって公債発行額を抑制し得ると考えられるのか、そこのところについて教えてください。
  121. 大久保勉

    ○副大臣大久保勉君) 私も財政金融委員会でやり取りを聞いておりましたが、減らないかもしれませんが、増えることはありません。四十四兆円枠がございますから、それはしっかりと遵守していくと、こういったことだと思います。
  122. 中西健治

    中西健治君 そうしますと、この抑制するという言葉なんですけど、今年度公債発行額を抑制するとか来年度以降抑制するとか、これは減らすという意味じゃなくて増えるのをなるべく増やさないようにする、そういう意味ですか。
  123. 城島光力

    国務大臣城島光力君) いや、少なくとも、その四十四兆円、約四十四兆円枠というのを維持していくのも、全体的にやっぱりいろんな費用増等が出てくるわけなので、これは少なくとも抑制するということを相当強く基本に持たないとやっぱりそういうふうに増えていく可能性があると思いますので、そこはやっぱりどういう手段を使ってでもこの枠を維持するということは相当な努力が必要ではないかというふうに思っています。
  124. 中西健治

    中西健治君 繰り返しになります。確認したいんですが、抑制するということは減らすという意味ではないということですね。
  125. 城島光力

    国務大臣城島光力君) いや、少なくとも、減らすということを含めて、それは抑制というのは減らすことも含めてでありますから、少なくともその結果としてできるだけそれは減らしていくということにそれは最大限努力することだと思います。少なくとも増えることはないということだと思います。
  126. 中西健治

    中西健治君 分かったような分からないような答弁ですが、とにかく増えることはないということですね。  先ほど城島大臣が中期財政フレーム、新規国債四十四兆円について触れられましたけれども、これは私はもう実質的に破綻しているんじゃないかなというふうに思っています。  そして、どうしてそういうふうに私が思うかというと、まず復興予算の流用問題でまた明らかになってきたように、本来一般会計で支出すべきものを復興予算の中から支出していた。これは、ファイナンスのことで考えていえば、本来赤字国債、特例公債で調達すべきお金を復興債で調達していたということを意味するということになるじゃないですか。  そして、今回の年金特例公債ということについても、確かに消費税が上がればそこで財源確保されるのかもしれませんけれども、消費税増税、これも条件として経済状況の好転というのが書かれています、法律に。書かれていて、じゃ、今の経済状況を見てみると、二期連続のGDPのマイナスということになりそうだということで、言わばもうリセッションという状況にもなりつつあるという中で、そして日銀が言っているように、一%にCPIも届かない、消費者物価も届かない、こんなような状況になりそうな中で、来年の秋口に税率の引上げというのを判断するのは実際難しいんじゃないかなと私自身は思っているわけですけれども。  そうなると、年金特例公債も償還財源がないということになりかねないという中で、四十四兆円の中期財政フレームは守られていない、遵守されていない、実質的に守られていないと、こうなっているんじゃないですか。
  127. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 先ほどもちょっとお答えしたんですけれども、復興予算というのは、いわゆる、特に二十三年度の三次補正と二十四年度予算の復興関連予算というのは、復興基本法にのっとって、その基本理念に沿った施策に対して予算措置を講じたものでありますから、一般会計から支出すべきものを復興特会に計上したということではないということは是非御理解いただきたいと思います。そういうことを、その中で出していますから。  ただし、いろいろ御指摘があるということは、やっぱりそれは真摯に受け止めますので、今後はそういったものについては厳しく絞り込んでいきたいというふうには思っています。
  128. 大久保勉

    ○副大臣大久保勉君) 一点補足をさせていただきますが、委員の方は、消費税引上げができなかった場合、その場合の年金特例公債財源の問題に疑義が生じるんじゃないかと。  こういったことに関して、まず、消費税引上げに関しましては、次のそのときの政権が判断するものでございますから、今のタイミングで予断を持ってお伝えすることはできないと思っております。また、この財源に関しましても、具体的にはそのときに考えられるべきものでありますから、基本的には財政規律をしっかりと守っていくと、こういった方針にのっとってしっかりと次の政権に委託していくものだと考えております。
  129. 中西健治

    中西健治君 最後の質問にしますけれども、この単年度予算主義という大原則を大きく揺るがす今回のこうした措置、これを三党合意のみで進め、十分な国会審議の時間を確保しないで採決するという国会軽視のやり方について財務大臣はどのように考えているか、財務大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  130. 城島光力

    国務大臣城島光力君) これも先ほどからいろいろ同様の御質問がありますけれども、財務大臣という立場からすると、このことでそういうふうになる可能性があるという御指摘については受け止めますけれども、少なくとも、予算総則の中で毎年度、総額を入れた中で国会審議を経ていくわけでありますから、予算との中でこの特例公債部分についても十二分な論議がきちっとされるというふうに思っております。また、そう期待したいと思います。
  131. 中西健治

    中西健治君 質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  132. 川崎稔

    委員長川崎稔君) この際、お諮りいたします。  委員議員舟山康江君及び荒井広幸君から財政運営に必要な財源確保を図るための公債発行特例に関する法律案についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 御異議ないと認めます。  それでは、まず舟山君に発言を許します。舟山康江君。
  134. 舟山康江

    委員以外の議員(舟山康江君) 本日、晴れて政党となりましたみどりの風の舟山康江と申します。  本日は委員各位皆様の御配慮によりましてこのような質問の機会をいただきましたことを、まず心からお礼を申し上げたいと思います。  さて、公債特例法案審議がここまで遅れてしまった、成立が遅れたことによって様々な面で国民生活に支障を来していると、こんな状況でありますけれども、このような事態を招いたのは、私はまさに政権与党の責任だと思っています。先ほど、御答弁の中でも、国会状況でこうなったというお話がありましたし、場合によっては、野党が抵抗するから公債特例法案成立しないんだというような言われ方がしますけれども、これ全く筋違いですね。  そもそも、予算案と公債特例法案を切り離したこと自体、今の状況はもう目に見えていたわけであります。しかも、先日、十一月二日の本会議において、私の同じみどりの風の行田議員質問に対して総理が答えておられましたけれども、予算案と公債特例法案を切り離したのは総理自身の御判断だったということが御本人の御答弁から明らかになりました。  実は、昨年度におきましてもこの二つを切り離した、それに対して当時の西岡議長が相当な疑義を申し上げまして、こういうことは二度とないようにということを言われたんですね。私は、今年の予算案の審議公債特例法案審議の際にはまだ与党民主党におりましたけれども、私の記憶では、民主党の中でも切り離すのはおかしいじゃないかと、参議院の中ではそんな声が随分たくさん聞こえていた。にもかかわらず、総理の判断でこれを切り離したというのは、私は本当に大きな政権与党の責任だと、まさに政府の責任だと思っておりますけれども、その点につきまして大臣の御見解をまずお聞きいたします。
  135. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 去年の例も先ほどちょっと申し上げましたけれども、やっぱり特例公債法案、極めて重要な法案でありますので、何とか成立をさせるということが第一義だと思います。と同時に、今御指摘のように、これは予算財源一体となったものでありますから、普通はこれ一体となってやっぱり審議をしていただく、衆議院から参議院に送るということだと思いますので、今年もその方針の中で、衆議院の中では財務金融委員会の中で採決まで行けるぐらいの論議をずっとしていただきました。  その間も併せて何とか野党の皆さんにも特例公債法案賛成していただけるような努力を、先ほど申し上げましたけれども、政調会長レベル含めて併せてやってきたわけでありますけれども、いよいよ採決という、予算の採決段階までの中で野党の皆さんからの理解を得るという状況に残念ながら今年も至らなかったということで切り離さざるを得なかったと。やっぱりそういった中で今回の判断があったということであります。
  136. 舟山康江

    委員以外の議員(舟山康江君) それは衆議院での話であって、やはり参議院は参議院としてしっかりと対応をするべきだと思っておりますし、そういった審議拒否をしたわけでもないのに勝手に審議されないだろうということで切り離したことの責任の重さというのは是非御認識いただきたいと思います。  そして、この度、予算特例公債法案を一体で処理するルールを作っていくということを言われました。確かにこれは私は大事なことだと思います。私たちみどりの風も全面的に、やはり何とか一体で審議できるようにそれこそ紳士協定でも結びながらやっていくということには全面的に同意いたします。  しかし、その結果がこの三党合意かと、そんな思いでいっぱいです。そもそも大事なこの予算、それからその歳入に対するルールですから、全党合意の下でなければいけないわけですね。まさに国会の中でこういったルールを作っていかなければいけないのに、そこを全く無視して多数党が勝手に手を結んで決めるというやり方自体非常におかしいと思いますし、少数党の意見を全く無視していると言わざるを得ません。  とりわけ、二十七年度までの複数年度にわたってこの法案だけで何の審議もなく自由に勝手に公債発行できるというのは、やはり先ほど来、単年度主義に違反しているんではないか、財政規律大丈夫かという批判がありますけれども、私も同じく全く理解ができません。そして、これも既に何人かの方から御指摘ありましたけれども、大平大蔵大臣は多年度にわたる特例公債発行を定める意見に対して、やはりかつても多年度でいいではないかという意見があったようではありますけれども、明確に異を唱えたと聞いております。  毎年苦労することで赤字国債を減らそうという思いを新たにする必要があるということで国会のチェックが必要なんだ、まさにこれこそ財政民主主義の完結だということだと思いますけれども、こういった観点から、かつていろんな議論があった中で、大臣がまさに政治決断でやはり単年度でしっかりとチェック機能を働かせようということで今の形があるにもかかわらず、今回、本当に短い時間であっさりとそれを破ってしまったということに対して、まず法案提出者はどのようにお考えでしょうか。
  137. 道休誠一郎

    衆議院議員道休誠一郎君) 舟山先生の御質問にお答えします。  私も、先生今御指摘のとおりに、決してこの法案を通すことによって私どもは財政規律を緩めようとか、あるいはチェック機能を果たせなくしようとか、そういうのが全くございません。  私どもは、やはり当時の大平大蔵大臣がおっしゃった、特例公債発行というのは、やっぱり特例なんですよね。そして本当につらいことなんです。そういうことを私ども肝に銘じて、財政規律についてはしっかりと意識しながら、しかしながら同時にやはり衆参両院のチェックもしっかり受けていこうと、そういうことを肝に銘じながら動いておりますので、その点の御理解お願いしたいと思います。
  138. 舟山康江

    委員以外の議員(舟山康江君) であれば、その多年度にわたって自動的に予算が決まれば公債発行できるというやり方というのは、まさに財政規律があやふやになってしまうということにつながってしまうと思うんですね。  しかも、これ、条文の中では抑制に努めると、努力規定のみになっておりまして、どうやって担保するのか全く分かりません。それは、口で、ここで、いやチェックを甘くしますなんて誰も言いませんよ。そこはきちんとやりますと言うに決まっていますけれども、今の法案の立て付けとかこの今のやり方というのはやはり非常に危ういと思っております。  しかも、基本的に予算は単年度主義、これは決まっておりますし、私は大変これ矛盾していると思うんです。予算が単年度主義と言っている、そしてこの予算案と公債特例はやはり表裏一体だと言っているわけですね。つまり、そうであればこそ、その入口論、公債特例についても単年度ごとにしっかりと議論しないとこれは矛盾するんじゃないでしょうか。大臣いかがでしょうか。
  139. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 先ほど申し上げましたように、昭和五十一年当時の精神は今でも踏まえているつもりでありますけれども、一般会計に占めるこの特例公債、赤字国債の比率が四割になるというある面でいうと異常な状況になっている中でのこの特例公債の在り方、私は、かなり他動的にも財政規律を守らないかぬというその圧力はもう掛かっている状況ですね、今これは。  したがって、予算の中でもし野方図に今後も特例公債が増えていく、赤字国債が増えていくような予算になれば、それはおのずからこの国会の中での皆さん方の論議というのはそれを認めていくようにならないと思いますよ。やっぱりそこはそういうことで規律が内外からきちっと掛かるということだし、そういうことを踏まえた中での今回の案だと思いますし、ある面でいうと、プライマリーバランスが対GDP比で半減のところまでというある面では一つ区切り付けているのもその一つだと思います。黒字化するまでという案もあったようでありますけれども、やっぱり先生がおっしゃるような不安もないことはないんで、それじゃ取りあえずプライマリーバランスの半減というところまでの中でこの運用をしていこうということになったことだと思いますし、そういう点のことが杞憂になるようにやっぱりやっていかないかぬなというふうに思っています。
  140. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
  141. 舟山康江

    委員以外の議員(舟山康江君) 私は、先ほど申しましたけれども、そもそも切り離したのがおかしいわけであって、私たちは審議拒否をするつもりもありませんでしたし、原案であればこの法案に賛成でした。しかし、財政民主主義の放棄につながる、財政規律がなくなるということにおきまして今回の修正については賛成しかねるということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  142. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 次に、荒井君に発言を許します。荒井広幸君。
  143. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) 改革の荒井でございます。  単刀直入に、大臣、この二十七年度までノーゼロでやっていくと、表現は違うでしょうが、国会のチェックを外すと、自動的にこの公債がどんどん出ていくという可能性を持ったこの提案は野田総理大臣がされましたね、党首会談で。確認します。
  144. 城島光力

    国務大臣城島光力君) そのとおりであります。
  145. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) 国対委員長城島さんとして行っていたわけですが、これ以外に方法なかったですか。法案修正という形しかなかったですか。
  146. 城島光力

    国務大臣城島光力君) いや、そこは三点、総理の方からは提案をしたと思います。だから、これ以外にも二つの案があった。一つは……
  147. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) あっ、それは分かります。
  148. 城島光力

    国務大臣城島光力君) ああ、いいですね。
  149. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) いや、大臣、時間がないので、簡単に私の方から。今、話を折りまして済みません。  私は、三党合意で、これは政党間としての合意事項であるということはある程度容認できるんですよ。ところが、特例特例を作るんですよ。特例は憲法違反じゃないと先ほど法制局長官が言ったけれども、あの二回は事情が全然違う。そして、特例特例使うといったら違反じゃないと言っても違反でしょう、特例特例は。どう思いますか。
  150. 城島光力

    国務大臣城島光力君) 先ほどから答弁しておるように、違反というか、憲法違反ということはないと思います。
  151. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) 大臣、話が早くていいですよ、短いですからね。  財政法第四条の、私は特例特例というのはこれはもう免れない違憲状態ですよ。  そして、二つ目ですが、総理から自らおっしゃったわけですね。びっくりしますね、これ。民主党皆さん、どうなんでしょうか。民主党は、ばらまきや無駄を省いて十六兆円を捻出して新規国債を発行しなくても政策経費が浮いてきます、年金もできます、こういうふうにマニフェストでうたったんですよ。それを今度は総理が、これは赤字国債ですよ。これ皆さん特例公債なんて言ったら国民分からないんだから。赤字国債を四年間も自動的に、読売新聞、予算成立で自動的に赤字国債発行される仕組みになっている。民主党はこれなし崩しの上になし崩し。総理がこういうことを言ったんだからびっくりしますよ。  自民さん、公明さんにも私言いたい。幾ら解散の条件を整えるためといっても、そこまで言ったらおかしくなるんじゃないですかと言ってあげたっていいじゃないですか、これ、特例公債を出すんなら。こういうめちゃくちゃな運営民主党政権なんです。  だから、なぜここに総理いませんか。いませんよ、問責を受けているから我々呼ばないんですよ。しかし、総理はやっと、参議院問責を受けてから支持率が下がり、そして昨日、十六日に解散するとおっしゃったわけですが、遅過ぎる。問責の重さを考えたら、所信表明をやるとか臨時国会開くなどということはなかったでしょう。少なくとも前の議長である西岡先生だったら、二回目ですからね、国会開くことに同意しませんよ。それぐらい異例の異例の中で特例特例を作っている。しかも、国会衆議院二時間、こっちで二時間、こんなことでできるわけないんじゃないですか。ですから、皆さん、これは赤字国債の自動的発行の仕組みだって言わないと分からないですよ、こんな特例公債特例公債と言って。こういう問題点で、これはゆゆしき問題点なんです。  参議院が民選される国会になったことを委員先生方国会議員なら誰でも知っているでしょう。明治憲法下は二十年まで続いた。どんどんどんどん軍備拡張のために予算を出していって、それに対しての足りないものはどんどんこの公債で賄っていったわけでしょう。それがあの悲劇を生んだんですよ。それを反省して、行政権にあったこの財政というものの扱いを議会に取り戻そうというのが昭和二十一年、これがまさに昭和憲法の憲法国会なんですよ。財政民主主義、財政国会主義というふうに言います。そういう教訓を忘れて、目の前の、ねじれだからこういうことをやらなきゃいけないというんだったら、三党で、ねじれても予算と一体としてルールを作るということを三党合意すればそれで済むだけじゃないですか。  そして、私は言いたい。民主、自民、公明さんもなぜ全野党にそれを相談しませんか。もし、ねじれてうまくいかないというなら、予算と一体としてルールを作りましょう、これをなぜ全野党に協議をかけて、そして合意文書を作りませんか。特例公債法案改正などというのは必要ないんですよ。  そして、自民、公明の時代も一体ですよ、予算特例公債は。民主党が分離して政争に使ったんですよ。反省してください、これ。  そして、結局なし崩しで、どんどんどんどんこうやって国会のルールが無視され、そして最後は全く問題がありませんよみたいな、そういう扱いをしていったら、全く我々はあの戦争の時代に戻るのではないでしょうか。そういう危惧を持って、我が参議院は心から今の政府に、こうした先人の血と涙のこの国会をつくっていたその前例を重くこれを踏襲し、我が身を改めて出直して選挙に臨んでいただきたいということを申し上げまして、私の糾弾質問にさせていただきたいと思います。  なお、先生方に、特例公債に関して、これ償還財源の二・六兆円、例の年金部分ですね、二分の一の二・六兆円、これは消費税で返すと言うんですが、これはまさに償還財源がある新たな国債なんですよ。ということは、償還財源さえあればいろいろなことができるということを二十二年、そして二十三年に私も具体的な例示で引用させていただいていますので、そういう点においては一部評価できるところは、考え方としてはある。  そして、最後ですけれども、減額補正という形になっていくことだけは、これはなかなかいいことだということを申し上げておきたいと思います。  時間が終わりですかね。
  152. 川崎稔

    委員長川崎稔君) まだございます。
  153. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) まだございますということなんですね。  そうすると、大臣、自民党時代は一体でやってきたんです。一体でやってきた。一体でやりますって自民党もやってきたんだから、あのねじれの中でさえ。何でこんなに大げさに、財務省も喜んでいるかどうか分かりませんし、これ誰が喜ぶでしょう、これ。全く、何なんでしょうかね。ねじれが問題であり、政争の具にされることが問題で、答えが出ないからやるんだと。全く分からない。  直近の民意は参議院にあるんですよ。しかも、今までは自民党時代でさえ一体ですよ、予算公債特例。それを壊しているのは民主なんですよ。そして、赤字を出さないようにしようというのは民主党のマニフェストのはずだった。今度は四年間ノーゼロで国会のチェックなくて、予算出せば同時に公債特例が付いてくる、赤字国債が付いてくる。全くこれは理解に苦しむということで、終わります。
  154. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  155. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 御異議ないと認めます。よって、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  156. 広野ただし

    広野ただし君 国民生活が第一の広野ただしです。国民生活が第一を代表し、ただいま議題となりました特例公債法案及び修正案に対し反対の立場から討論をいたします。  赤字特例公債法案は、そもそも赤字公債発行特例的に認める法案であり、これが常態化することは極力避けなければなりません。つまり、財政規律の観点から赤字特例債を抑制するのは当然のことであり、財政民主主義の立場からも毎年度国会でチェックするのが至極当然のことであります。しかるに、民主党、自民党、公明党の三党は談合して、二十四年度ばかりでなく、二十五、二十六、二十七年度まで赤字特例債を野方図に許容したものであります。  また、本法案は、国会が各年度においてチェックすべき赤字特例債の発行をノーチェックで認めるものであり、国会のチェック機能を強く拘束するものであります。これでは財政規律は著しく損なわれることになりますし、将来大きな禍根を残すことになりましょう。もちろん、総理の言う明日への責任は全く放棄されることになります。野田内閣の政治は美辞麗句ばかりで、実際は後は野となれ山となれ方式で、明日への責任など全く果たしていません。  そもそも、三党合意で過半数以上を占めれば、国会審議を余りしなくても短時間の審議で有無を言わせず押し切ってしまうという議会運営は、議会制民主主義の精神を大きく踏みにじるもので、絶対に許せない暴挙であります。  第二次世界大戦中、我が国帝国議会では大政翼賛会が形成され、全てが絶対多数の思うままとなり、結果としては内閣や軍部の暴走を全くチェックできず、国民に多大な犠牲を強い、日本を滅亡に瀕するまで追い込み、日本の敗戦につながったことを思い出してください。今回の民自公の三党合意はまさにこの大政翼賛会の復活に通ずるもので、憲政史上大きな汚点となることを認識すべきであります。  憲法八十六条では、内閣は、毎会計年度予算を作成し、国会に提出して、その議決を経なければならないとなっており、毎会計年度ではなく、平成二十五、二十六、二十七年度一括しての赤字特例を許容する本法律案は憲法違反的法律案であるとも言えます。  以上の理由から、特例公債法案及びその修正案に断固反対であると申し上げ、私、広野ただしの反対討論といたします。
  157. 中西健治

    中西健治君 みんなの党の中西健治です。  私は、みんなの党を代表して、特例公債法案、そしてその修正案に対して反対の立場から討論を行います。  まずは手続の問題です。  本法案は、財政法第四条第一項で禁じられている赤字国債を特例として発行するための法律である特例公債法案を今後四年間もの長い期間にわたってその発行を自動的に認めるという極めて重要な法案です。本法案成立すれば今後の参議院における予算質疑が形骸化されかねないという懸念があるにもかかわらず、参議院では本会議質疑も行わずに委員会質疑のみで行うという、参議院軽視、国会軽視の姿勢にただただ愕然とするばかりであります。  しかも、こうした重要な法案について、民主、自民、公明の三党のみで国民の見えないところで勝手に合意し、国会審議は形式的に行うという、これまで子ども手当、復興増税、消費税増税等でさんざん国民不在の政治として怒りを買った手法をまた繰り返すというこの無神経さに、この三党の国民感覚の欠如を改めて痛感しているところであります。  年金特例公債や復興国債の発行などにより実質的に遵守されていない中期財政フレームとの整合性も疑問であり、また、二十七年度までを目標としているプライマリーバランスの赤字額半減が期中で見込めなくなった場合の発行見直し規定もなく、特例公債は減らしてもその他の名目での国債を増加させるという抜け道もふさいでおらず、財政規律が守れるという担保が何もないざる法であるとしか言いようがありません。  復興基本法の「活力ある日本の再生を図る」という一文が中央省庁の餌食になってしまったことの反省もせず、またこうしたことで財政規律のたがを緩める本法案には反対であると申し上げ、あわせて、こうしたやり方を三党合意で続けるのであれば、必ずや消費税増税についてもまた全国の防災、減災の名の下に公共事業ばらまきに使われる懸念があることを申し添え、私の反対討論といたします。
  158. 大門実紀史

    大門実紀史君 日本共産党を代表して、公債特例法案に反対する討論を行います。  まず、審議に至る経過です。  本法案は国家財政の根幹にかかわる法案です。審議時間を十分確保し、国民に問題点を明らかにすることが必要です。しかし、民自公の三党は、本法案解散・総選挙の駆け引きの道具にした挙げ句、談合、合意し、その上、三党以外の会派に対し急遽本日の審議、採決を押し付けてまいりました。議会制民主主義を踏みにじる三党のやり方に厳重に抗議するものであります。  法案の中身に入ります。  本法案は、消費税増税を前提とし、年金や子ども手当の削減を求める本年度予算と一体のものです。これらは内需の中心である個人消費を冷やし、中小企業と地域経済に重大な打撃となります。政府はデフレ脱却と日本経済再生を最重点課題としていますが、それに全く反するのが消費税増税ではありませんか。消費税社会保障削減を中止し、予算と本法案を見直し、家計支援を最優先にした内需拡大策への根本的な転換を求めます。  次に、三会派提出の修正部分についてです。  日本の国家予算は憲法に基づき健全財政主義が原則であり、公債特例は例外です。また、毎年度予算はその都度国会の承認を得なければなりません。特例として認められる公債発行なら、なおさら厳格な審議が必要です。しかし、本修正案は複数年度にわたる特例公債発行を認め、憲法が求める財政規律国会のチェック機能を著しく弱めるものです。公債発行抑制を掲げているものの、単なる努力目標で、何の保証もありません。また、数年後には恒久法化され、更なる放漫財政を招く仕掛けとなる懸念は払拭できません。  以上で反対討論といたします。
  159. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  160. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  財政運営に必要な財源確保を図るための公債発行特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  161. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、若林君から発言を求められておりますので、これを許します。若林健太君。
  162. 若林健太

    若林健太君 自由民主党若林健太でございます。  私は、ただいま可決されました財政運営に必要な財源確保を図るための公債発行特例に関する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新党、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     財政運営に必要な財源確保を図るための公債発行特例に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。  一 本法律案成立により、政府平成二十四年度から平成二十七年度にわたる特例公債発行が可能となるが、これは成立した予算を円滑に執行することで、国民生活の安定を確保し、経済活動に混乱を招かないための時限的な措置である。政府は、この趣旨を踏まえ、いやしくも財政規律を緩め、特例公債発行を野放図に認めることは一切ないよう財政運営を行うこと。特に、附則第二項の規定を遵守するものとすること。  一 財政規律の維持、特例公債発行額抑制は、財政民主主義に基づく国会の責務であり、権能であることを踏まえ、平成二十四年度から平成二十七年度までの特例公債発行に当たっては、参議院としての役割を十分に果たすべく予算審議の中で、より慎重かつ丁寧な議論に臨むので、政府は、財政規律の維持の観点から、十分な説明責任を果たすこと。  一 政府は、プライマリーバランスについて、平成二十七年度までにその赤字の対GDP比を平成二十二年度の水準から半減し、平成三十二年度までに黒字化する目標について、その実現に向けて万全を尽くすため、中長期の財政健全化への道筋について、法制化を含め検討すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  163. 川崎稔

    委員長川崎稔君) ただいま若林君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  164. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 多数と認めます。よって、若林君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、城島財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。城島財務大臣
  165. 城島光力

    国務大臣城島光力君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配慮してまいりたいと存じます。
  166. 川崎稔

    委員長川崎稔君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  167. 川崎稔

    委員長川崎稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後八時三十九分散会