○牧義夫君
国民の
生活が第一の牧義夫です。
国民の
生活が第一・新党きづなを代表して、
特例公債法案について
質問いたします。(
拍手)
本論に入る前に、まず、野田
政権の
国会に対する、ひいては
国民に対する不誠実な
対応について、二点、抗議を申し上げなければなりません。
一点目は、この
臨時国会が始まり、問責を受けた
参議院はともかくとして、
衆議院においては
代表質問も終わり、既に一週間が経過をいたしておりますが、この間、
政府・
与党は、
予算委員会の開催をかたくなに拒み続けているということであります。
外交日程を終えた
総理があたかも好意で党首討論を呼びかけるかのような体裁をとっておりますが、
予算委員会に関しては、
野党全会派からの再三の要請があるにもかかわらず、このまま、すっとぼけて、やり過ごせるとでも思っているのでしょうか。少なくとも、きょうの時点で
予算委員会開催の確約もないまま議運委員長や財金委員長の職権でこの
特例公債法案の
審議日程を詰めてきた事実は否めません。その不誠実な
対応に、まずは強く抗議するものであります。
そもそも、
予算委員会は、
国会が始まって各
委員会における
法案審議が始まる前に、黙っていても、当たり前のこととしてと言ってもいいぐらい、いわば自動的に開催されてきたのが、これまでのよき先例であります。
今
国会は何のために召集されたのか、この
国会で
国民生活のため何が
議論されなければならないのか、その論点を整理するためにも一日も早い
予算委員会開催が求められていたにもかかわらず、残念ながら、
与党国対は逃げの一手でありました。
総理の閣僚の任命
責任なども含め、
政権そのもののさまざまな末期症状が露呈することを恐れてと言われてもいたし方ないと
思いますが、これは
質問ではありませんが、特に弁明されたければ、何なりと申し開きをされたらいいと
思います。
二点目は、
国民生活を盾に
国会運営を行っているということでございます。
この
法案が、政争の具となっている
現状、とりわけ、
衆議院解散をめぐる駆け引き材料になっていることについては、
与野党双方に
責任があると率直に申し上げた上で、あえて申し上げなければならないことは、それにしても、本当に、
国民にそして
地方に犠牲を強いてまで、悪いのは
野党の方だと言わんばかりの子供じみた嫌がらせを強行する
政権の
たちの悪さです。
後で
質問させていただきますが、この間の
地方交付税の
執行停止などの措置による
地方の行政サービス、地域
経済への
影響は甚大なものであるということ、そして、何よりも、その第一義的な
責任は
政権与党にあるということを忘れてはなりません。
シリアの内戦で、アサド
政権が空爆を避けるために人間の盾を使っているとの国連機関の報告がありましたが、一連の
交付税
執行停止は、
経済的な人間の盾であり、悪質さにおいては何ら変わらない行為だと言わざるを得ません。
さて、言うまでもなく、
特例公債法案は、既に
成立した
予算と
一体の関連
法案であります。したがって、今ここで
質問をしている私自身、
平成二十四
年度予算成立の時点では
与党の一員でありましたから、本来であればこの関連
法案にも賛成すべきところだと思われるかもしれませんが、しかしながら、
予算成立時と現在提出されている
法案には決定的な違いがあることを申しておかなければなりません。
それは、今回の
特例公債法案には、将来の
消費税増税分を担保とする年金
特例公債の
発行が含まれているということであります。消費増税廃止を求める我々の立場からは賛成しかねることは言うまでもありませんが、つけ加えて申し上げれば、これは、既に
成立した
予算と
一体の関連
法案ではないということで、単なる民自公三
党協議の妥協の産物だということです。
そこで、私ど
もとしては、この
法案原案から、増税分を担保とする年金
特例公債の
発行に関する条文を削除することを提起させていただきたいと
思いますが、いかがでしょうか。
そもそも、
経済情勢次第で実際に消費増税できるかどうかも不透明であって、このような不確実なものを
国民年金
国庫負担の重要な
財源の担保とすることには大きな
リスクが伴うと思われます。
総理の
見解を求めたいと
思います。
仮に増税できない
経済情勢だった場合、
財源の穴はどうやって埋めるおつもりなのでしょうか。具体的に
お答えをいただきたいと
思います。
次に、
予算執行を抑制することによる
影響について意見を申し上げ、
政府の
姿勢について問いただしたいと
思います。
一言で言えば、
財政法の硬直的な運用で
国民生活に多大なダメージを与えるのか、それとも、柔軟な運用で
国民生活への
影響を回避するのか、このどちらを選択するのかということであります。
国庫の資金繰りについては、
財政法及び
予算総則に基づいて二十兆円を限度に財務省証券の
発行が可能であるとよく言われます。これに対し、
政府は、
特例公債法案の
成立が見込めない場合に
特例公債金収入を
財源とする財務省証券を
発行することは
財政法に反するという
趣旨の閣議決定を行っておりますが、自縄自縛とは、まさにこのことではないでしょうか。
それでは、お聞きしますが、この
特例公債法という
予算と不可分な
財源法案が
成立しないなどということを、仮にでも、
政府は想定しているのでしょうか。
成立は単に時間の問題であって、
成立を見込むことができない
事態などは本当は全く想定していないというのが本音ではないのでしょうか。正直に
お答えください。
地方公共
団体の中には、積立金などを担保に
金融機関からの一時的な借り入れを行っているところもあります。
地方に余計な負担を強いる前に、まず国としてやるべきことがあると
思いますが、打つ手はもう全て打ったと言い切れますか。
お答えをいただきたいと
思います。
地方交付税の
執行停止に伴う
影響について、
政府の
見解を求めます。
時系列的に追っていくと、九月七日閣議決定の「九月以降の
一般会計予算の
執行について」では、
道府県分の九月
交付分を分割
交付とし、市町村分は抑制せずでした。十月三十日、
財務大臣が、十一月分の
地方交付税の
交付を市町村分も含め当面見送る旨を表明、これに対し、
地方六
団体が、
執行抑制の
影響が市町村に及ぶ
事態となれば、
財政力や
資金調達力が弱い
団体が多数を占めることから、その
影響はさらに深刻なものになることは避けられないと
共同声明を発表しております。
九月の
執行抑制策発表の時点では、十一月分の
交付税の取り
扱いについても、同様の、道府県のみを対象とした抑制を続けるものとして試算を行い、たしか、その時点で、
財源が枯渇するのは十一月末と聞いたように記憶をいたしておりますが、今回、市町村への
交付税を抑制の対象にしたのは何ゆえなのでしょうか。この間、予期せぬ出費があったのでしょうか。それとも、この
法案がひょっとしたら今
国会で通らないのではと
懸念されているのでしょうか。
お答えをいただきたく
思います。
地方公共
団体が、実際、どのような
影響をこうむっているのか、
政府の認識をただしたいと
思います。
まずは、九月分の
地方交付税の支給のおくれによって住民サービスなどに与えている具体的な
影響について、
政府の把握
状況をお知らせください。
十一月分については、
法案が
成立しない場合、道府県、市町村分ともに
地方交付税の支給を当面見合わせるとしておりますが、これによる住民に対する具体的な
影響についてどのようにイメージされているのか、わかりやすく
お答えください。
また、想定されるそれらのことに対して、
政府としてどのような対処を
考えられているのか、その方針をお示しいただけますようお願いいたします。
次に、九月分の
地方交付税の支給のおくれにより生じた
資金不足への対処のため
金融機関から一時的な借り入れを行っている
地方公共
団体があることは先ほど触れましたが、実際、これらの借り入れがどれだけの金額に上るのか、その把握
状況についてお知らせいただきたいと
思います。
十一月分については、本当に支給を当面見合わせる
事態となった場合、この
影響による
地方公共
団体の借り入れ及び借り入れにより発生する金利の見積もりを
政府として把握しておく必要があると
思いますが、いかがお
考えでしょうか。
お答えください。
また、念のためお伺いしますが、発生した金利の負担はどこがするのでしょうか。国がすると言うのかもしれませんけれども、結局は
国民が負担をするんだということを、正直に、誠意を持って
お答えいただきたいと
思います。
ここで、もしかして今
国会における
予算委員会がついぞ開かれることなく会期末を迎えるか、あるいは
衆議院解散という
事態も十分想定されますから、
特例公債のこの
法案に関連して、今のうちにどうしても聞いておきたい消費増税についての
質問を、幾つかのポイントに絞ってさせていただきたいと
思います。
まず、今回の
消費税増税は、
財政再建のための増税なのか、
社会保障制度の維持充実のための増税なのか、あるいは、その他の目的も想定しているのか、
お答えください。
今回の
特例公債法案もそうですが、
社会保障・税の
一体改革も、いわゆる三
党合意によって中身が大幅に変容していると思われます。将来のあるべき
社会保障制度についてはいまだ見ぬ
国民会議なるものに委ねてしまった以上、
一体改革なる表現も改めるべきだと
思いますが、いかがですか。
五%の増税による十三・五兆円の負担増は、
国民一人当たり年間十万円強の負担増という計算になりますが、
総理は、先日のこの本
会議における
代表質問に対する答弁の中で、増税分は全て
国民に還元するとおっしゃっておられました。
しかし、内閣府の試算によれば、
消費税率五%の引き上げによって改善する
財政収支は対GDP比で一・四%、昨年一一年の名目GDPを基準にすると六・五兆円にしかなりません。全て
国民に還元するとおっしゃるのであれば、六・五兆円でどのようにして
国民に十三・五兆円分の福利をもたらすのか、わかりやすく
お答えをいただきたいと
思います。
最後に、
総理が本当に本気で
我が国の
財政が危機的
状況にあるとお
考えなのか、
政府の負債と資産のバランスなど直近のデータに基づいた説得力あるお話をお聞かせいただき、私の
質問とさせていただきたいと
思います。(
拍手)
〔
内閣総理大臣野田佳彦君
登壇〕