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2012-10-29 第181回国会 衆議院 本会議 第1号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十四年十月二十九日(月曜日)
—————————————
議事日程
第一号
平成
二十四年十月二十九日 午前十時
開議
第一
議席
の
指定
第二
会期
の件 第三
常任委員長
の
選挙
………………………………… 一
国務大臣
の
演説
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
日程
第一
議席
の
指定
日程
第二
会期
の件
内閣
、
法務
、
財務金融
、
文部科学
、
厚生労働
、
経済産業
、
安全保障
、
決算行政監視
及び
懲罰
の各
常任委員長辞任
の件
議院運営委員長外
十五
常任委員長
の
選挙
災害対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
災害対策特別委員会
、
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
調査
を行うため
委員
四十人よりなる
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
特別委員会
、
沖縄
及び北方問題に関する
対策樹立
のため
委員
二十五人よりなる
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
、青少年問題の総合的な
対策
を
確立
するため
委員
二十五人よりなる青少年問題に関する
特別委員会
、
北朝鮮
による
拉致等
に関する諸問題を
調査
し、その
対策樹立
に資するため
委員
二十五人よりなる
北朝鮮
による
拉致問題等
に関する
特別委員会
、
消費者
の
利益
の
擁護
及び
増進等
に関する総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
消費者
問題に関する
特別委員会
、
科学技術
、
イノベーション推進
の総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
科学技術
・
イノベーション推進特別委員会
及び
東日本大震災
からの
復興
に当たり、その
総合的対策
を樹立するため
委員
四十五人よりなる
東日本大震災復興特別委員会
を
設置
するの件(
議長発議
)
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
の諸問題を
調査
するため
委員
四十五人よりなる
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
に関する
特別委員会
を
設置
するの件(
議長発議
)
野田内閣総理大臣
の
所信
についての
演説
午後零時三分
開議
横路孝弘
1
○
議長
(
横路孝弘
君)
諸君
、第百八十一回
国会
は本日召集されました。 これより
会議
を開きます。
————◇—————
日程
第一
議席
の
指定
横路孝弘
2
○
議長
(
横路孝弘
君)
日程
第一、
議席
の
指定
を行います。
衆議院規則
第十四条によりまして、
諸君
の
議席
は、
議長
において、ただいまの仮
議席
のとおりに
指定
いたします。
————◇—————
横路孝弘
3
○
議長
(
横路孝弘
君) この際、新たに
議席
に着かれました
議員
を紹介いたします。 第二百六番、
東北選挙
区
選出議員
、
渡部一夫
君。 〔
渡部一夫
君
起立
、
拍手
〕
————◇—————
日程
第二
会期
の件
横路孝弘
4
○
議長
(
横路孝弘
君)
日程
第二、
会期
の件につきお諮りいたします。 今回の
臨時会
の
会期
は、十一月三十日まで三十三日間といたしたいと思います。これに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
横路孝弘
5
○
議長
(
横路孝弘
君)
起立
多数。よって、
会期
は三十三日間とすることに決まりました。
————◇—————
常任委員長辞任
の件
横路孝弘
6
○
議長
(
横路孝弘
君)
常任委員長辞任
の件につきお諮りいたします。
内閣委員長荒井聰
君、
法務委員長鉢呂吉雄
君、
財務金融委員長海江田万里
君、
文部科学委員長石毛えい子
さん、
厚生労働委員長池田元久
君、
経済産業委員長中山義活
君、
安全保障委員長笹木竜三
君、
決算行政監視委員長新藤義孝
君及び
懲罰委員長山本有二
君から、それぞれ
常任委員長
を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
横路孝弘
7
○
議長
(
横路孝弘
君) 御
異議
なしと認めます。よって、許可することに決まりました。
————◇—————
常任委員長
の
選挙
横路孝弘
8
○
議長
(
横路孝弘
君) つきましては、
内閣委員長外
八
常任委員長
の
選挙
を行うのでありますが、既に
議院運営委員長
、
総務委員長
、
外務委員長
、
農林水産委員長
、
国土交通委員長
、
環境委員長
及び
国家基本政策委員長
が欠員となっておりますので、この際、
議院運営委員長外
十五
常任委員長
の
選挙
を行います。
早川久美子
9
○
早川久美子
君 各
常任委員長
の
選挙
は、その手続を省略して、
議長
において指名されることを望みます。
横路孝弘
10
○
議長
(
横路孝弘
君)
早川久美子
さんの
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
横路孝弘
11
○
議長
(
横路孝弘
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
動議
のとおり決まりました。
議長
は、各
常任委員長
を指名いたします。
議院運営委員長
高木 義明君 〔
拍手
〕
内閣委員長
古川
元久
君 〔
拍手
〕
総務委員長
小宮山洋子
さん 〔
拍手
〕
法務委員長
平岡 秀夫君 〔
拍手
〕
外務委員長
中山
義活
君 〔
拍手
〕
財務金融委員長
五十嵐文彦
君 〔
拍手
〕
文部科学委員長
川内 博史君 〔
拍手
〕
厚生労働委員長
長妻 昭君 〔
拍手
〕
農林水産委員長
小宮山泰子
さん 〔
拍手
〕
経済産業委員長
海江田万里
君 〔
拍手
〕
国土交通委員長
平野 博文君 〔
拍手
〕
環境委員長
横光 克彦君 〔
拍手
〕
安全保障委員長
神風 英男君 〔
拍手
〕
国家基本政策委員長
古賀 一成君 〔
拍手
〕
決算行政監視委員長
後藤田正純
君 〔
拍手
〕
懲罰委員長
山本
拓君 〔
拍手
〕
————◇—————
特別委員会設置
の件
横路孝弘
12
○
議長
(
横路孝弘
君)
特別委員会
の
設置
につきお諮りいたします。
災害対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
災害対策特別委員会
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
調査
を行うため
委員
四十人よりなる
政治倫理
の
確立
及び
公職選挙法改正
に関する
特別委員会
沖縄
及び北方問題に関する
対策樹立
のため
委員
二十五人よりなる
沖縄
及び北方問題に関する
特別委員会
青少年問題の総合的な
対策
を
確立
するため
委員
二十五人よりなる青少年問題に関する
特別委員会
北朝鮮
による
拉致等
に関する諸問題を
調査
し、その
対策樹立
に資するため
委員
二十五人よりなる
北朝鮮
による
拉致問題等
に関する
特別委員会
消費者
の
利益
の
擁護
及び
増進等
に関する総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
消費者
問題に関する
特別委員会
科学技術
、
イノベーション推進
の総合的な
対策
を樹立するため
委員
四十人よりなる
科学技術
・
イノベーション推進特別委員会
及び
東日本大震災
からの
復興
に当たり、その
総合的対策
を樹立するため
委員
四十五人よりなる
東日本大震災復興特別委員会
を
設置
いたしたいと存じます。これに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
横路孝弘
13
○
議長
(
横路孝弘
君) 御
異議
なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。 次に、
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
の諸問題を
調査
するため
委員
四十五人よりなる
海賊行為
への
対処
並びに
国際テロリズム
の
防止
及び
我が国
の
協力支援活動等
に関する
特別委員会
を
設置
いたしたいと存じます。これに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
横路孝弘
14
○
議長
(
横路孝弘
君)
起立
多数。よって、そのとおり決まりました。 ただいま議決されました九
特別委員会
の
委員
は追って指名いたします。
————◇—————
横路孝弘
15
○
議長
(
横路孝弘
君) この際、暫時
休憩
いたします。 午後零時十分
休憩
————◇—————
午後二時二分
開議
横路孝弘
16
○
議長
(
横路孝弘
君)
休憩
前に引き続き
会議
を開きます。
————◇—————
国務大臣
の
演説
横路孝弘
17
○
議長
(
横路孝弘
君)
内閣総理大臣
から
所信
について発言を求められております。これを許します。
内閣総理大臣野田佳彦
君。 〔
内閣総理大臣野田佳彦
君登壇〕
野田佳彦
18
○
内閣総理大臣
(
野田佳彦
君) 第百八十一回
国会
に当たり、謹んで
所信
を申し上げます。
内閣総理大臣
を拝命してから一年余り、この間、私を突き動かしてきたものは、この国の将来を憂える
危機感
です。今何とかしなければならないという切迫した
使命感
です。
東日本大震災
が
我が国
に突きつけた難題、そしてそれ以前から
我が国
が背負ってきた重荷の数々、いずれも、このまま放置すれば、五年後、十年後の将来に取り返しのつかない禍根を残してしまうでしょう。立ちどまっている時間はないのです。 二年目の厳しい冬を迎える
被災地
の
復興
、今も続く
原発事故
との
戦い
、
事故
に起因して再構築が求められる
エネルギー
・
環境政策
、
不透明感
を増す
足元
の
経済情勢
と
安全保障環境
、そして
歴史
に類を見ない超
少子高齢化社会
の到来、全ての
課題
は複雑に絡み合い、この国の将来を覆っています。
さき
の
国会
で、私は、先送りを続ける決められない
政治
から脱却し、決断する
政治
の
実現
を訴えました。
一体
、何のための決断する
政治
なのか。今こそ、その原点を見定めなければなりません。 きょうよりあしたは必ずよくなる、私は、この国に生をうけ、目の前の今を懸命に生き抜こうとしている全ての
日本人
に、そう信じてもらえる
社会
をつくりたいのです。 年齢や男女の別、障害のあるなしなどにかかわらず、どこに住んでいようと、
社会
の中に自分の居場所と出番を見出して、ただ一度の人生をたくましく生きていってほしい。
子供
も、地方も、働く人も、元気を取り戻してほしいのです。 あしたの
安心
を生み出したい。 私は、
雇用
を守り、
格差
をなくし、分厚い
中間層
に支えられた公正な
社会
を取り戻したいのです。
原発
に依存しない、
安心
できる
エネルギー
・
環境政策
を
確立
したいのです。 あすへの
責任
を果たしたい。 私は、子や
孫たち
、そしてまだ見ぬ将来
世代
のために、今を生きる
世代
としての
責任
を果たしたいのです。 決断する
政治
は、今を生きる私
たち
にあしたの
安心
をもたらし、未来を生きる
者たち
に向けたあすへの
責任
を果たすために存在しなければなりません。
さき
の
国会
で、
社会保障
・
税一体改革
の
関連法
が成立しました。決断する
政治
への断固たる意思を示した画期的な成果です。ぬくもりあふれる
社会
を取り戻し、次の
世代
に引き継いでいくための大きな第一歩です。 しかし、まだ宿題が残ったままです。あすへの
責任
を果たすために、道半ばの仕事を投げ出すわけにはいきません。 誰もがやらなければならないことをいたずらに政局と結びつけ、
権力闘争
に果てしない
エネルギー
が注がれてしまうような
政治
を、いつまでも繰り返してよいはずがありません。やみくもに
政治空白
をつくって、
政策
に停滞をもたらすようなことがあってはなりません。 将来
世代
を含む全ての
国民
を代表する
国会議員
の皆さん、やるべきことをきちんとやり抜こうではありませんか。あすへの
責任
を堂々と果たすため、
さき
の
国会
で熟議の末に見出した初めの一歩の先に、確かな次の一歩をこの
国会
で力強く踏み出そうではありませんか。 あすへの
責任
を果たす。それは、将来不安の連鎖を招く
デフレ経済
と過度な
円高
から抜け出すことです。そして、
日本経済
の
潜在力
を覚醒させ、
先行き
に確かな
自信
を取り戻すことです。
日本経済
の
再生
に
道筋
をつけ、
雇用
と
暮らし
に
安心感
をもたらすことは、
野田内閣
が取り組むべき現下の最大の
課題
です。 欧州の
債務危機
の余波や新
興国経済
の減速によって、
世界経済
の
先行き
は決して盤石とは言えません。かつてない
規模
での
貿易赤字
など、
日本経済
の
足元
にも不安は広がっています。 今、
日本経済
が失速してしまっては、
雇用
や
暮らし
に直結するだけではなく、将来に向けた
改革
の
推進力
までもが失われかねません。切れ目のない
経済対策
は、
改革
を断行するための将来
投資
でもあるのです。
内閣総理大臣
に就任して以降、
日本各地
で、あすへの
挑戦
を続ける
先駆者
や、
経済
の
現場
を縁の下から支える
偉人たち
と出会いました。彼らの
自信
に満ちた笑顔を思い出すとき、私は、
日本
の
潜在力
に確信を持つことができます。 大田区の小さな
町工場
で
ミクロン単位
の切削を難なく手
作業
でやり遂げる現代の名工、
消費者
との
きずなづくり
に
農業再生
と
ふるさと群馬
のあすを見出す若き
農業者
、万
国津梁
、
世界
のかけ橋とならんとの
使命
をみずから体現すべく、
沖縄
で
ソフトウエア開発
にいそしむ
起業家たち
、そして、挫折を繰り返しながらも
挑戦
を続け、
感謝
と
責任感
を胸に、知の
フロンティア
を切り開いた
山中伸弥教授
、こうした姿は、私
たち日本人
の底力を示すほんの一端にすぎません。
経済再生
を推し進める第一の
原動力
は、
フロンティア
の開拓により力強い
成長
を目指す
日本再生戦略
にあります。これは、疲弊する
地域経済
の
現場
であすのために戦う
人たち
への
応援歌
でもあります。
戦略
に描いた
道筋
を着実にたどっていけるよう、
日本再生
を担う人材の育成や
イノベーション
の創出に力を入れるとともに、
グリーン
、ライフ、
農林漁業
の重点三分野と
中小企業
の活用に
政策資源
を重点投入します。 その先駆けとなる新たな
経済対策
の策定を指示し、先般、その第一弾をまとめました。新たな
成長
のエンジンとなる
グリーンエネルギー革命
、画期的な
治療法
を待ち望んでいる
人たち
の心に光をともす
再生医療
の
推進
、情熱ある
若者
を担い手として呼び込む
農林漁業
の六次
産業化
、今般の
経済対策
によって、これらを初めとする将来への
投資
を前倒しして実施します。また、
金融政策
を行う
日本
銀行とは、さらに一層の緊密な
連携
を図ってまいります。
国民生活
と
経済
の根幹を支える
エネルギー
・
環境政策
は、
大震災
後の
日本
の
現実
に合わせて再構築しなければなりません。
東京電力福島
第一
原発
の
事故
は、これまで進めてきた
エネルギー政策
のあり方に無数の反省をもたらしました。あたかも
事故
がなかったかのように
原発推進
を続けようという姿勢も、
国民生活
へのさまざまな
影響
を度外視して即座に
原発
をなくそうという主張も、あすへの
責任
を果たすことにはなりません。 今後の
エネルギー
・
環境政策
については、二〇三〇年代に
原発稼働
ゼロを可能とするよう、あらゆる
政策資源
を投入するとした
革新的エネルギー
・
環境戦略
を踏まえて遂行してまいります。その際、
立地自治体
との
約束
を守り、
国際社会
と
責任
ある
議論
を行うとともに、
国民生活
への深刻な打撃が生じないよう、
柔軟性
を持って、不断の検証と見直しを行いながら
対処
します。 戦後早くから長年続けられてきた
原発推進政策
を変えることは、決して容易なことではありません。それでも、困難な
課題
から目をそらしたり、逃げたり、諦めたりするのではなく、
原発
に依存しない
社会
の
実現
に向けて大きく
政策
を転換し、果敢に
挑戦
をしていこうとするものであります。 そして、この新たな
挑戦
は、
経済再生
を推し進める第二の
原動力
ともなります。原子力に依存しない
社会
を一日でも早く
実現
するためにはもちろんのこと、
日本経済
が元気を取り戻すためにも、徹底した
省エネ社会
の
実現
と
再生可能エネルギー
の
導入拡大
が鍵を握っています。 そのためには、市民の主体的な参画も欠かせません。
グリーン政策大綱
を年末までに策定し、
経済対策
とあわせて、
日本
から
世界
へと広がる
グリーンエネルギー革命
を思い切って加速させます。
再生可能エネルギー
の
導入拡大
に不可欠な
電力系統
の
強化
や
安定化
にも取り組みます。オール・ジャパンの力で、ともにこの
革命
をなし遂げようではありませんか。
世界
の
歴史
の流れの
大局
を見据えたとき、
通商国家
たる
日本
がその
繁栄
を託すべきすべは、思慮深い
経済外交
にあります。
経済外交
は、中長期的な
我が国
の
立ち位置
を示すだけでなく、
経済再生
の第三の
原動力
ともなるものです。 約半
世紀ぶり
に東京で開催したIMF・
世界銀行総会
は、戦後も今も、
世界
とともにあってこそ
日本
の
繁栄
があることを再確認する機会でもありました。
通商国家
の要諦は、
国際環境
の変化への即応です。
アジア
の片隅に浮かぶ、老いていく内向きな島国として衰退の道へと向かってしまうのか。それとも、
世界
の
発展
の中心にある
アジア太平洋地域
の核として、二十一
世紀
の新たな
繁栄
の
秩序づくり
を主導し、活力に満ちた開かれた国を目指すのか。後者の道を果敢に選ばなければ、あすへの
責任
は果たせません。
アジア太平洋自由貿易圏
(FTAAP)の
実現
という目標は、既に
内外
で共有されています。高いレベルの
経済連携
を引き続き
推進
し、自由な
貿易
・
投資
が各国に豊かさをもたらし、
地域
の
互恵関係
を
強化
する新たな
ルールづくり
を主導します。 そのため、国益の確保を大前提として、守るべきものは守りながら、
環太平洋パートナーシップ
(TPP)協定と、
日中韓FTA
、
東アジア地域包括的経済連携
(RCEP)を同時並行的に
推進
します。あわせて、
日豪EPA
などの
交渉
を
推進
し、日・EUの
早期交渉開始
を目指します。 また、
アジア太平洋地域
の
玄関口
として大きな
潜在力
を持つ
沖縄
については、その自立的な
発展
を引き続き力強く
支援
します。 さらに、
エネルギー
・
環境政策
の
革新
を図る過程において、
資源国
との
関係
を
強化
する
資源外交
を展開し、
エネルギー安全保障
に万全を期してまいります。 あすへの
責任
を果たす。それは、
大震災
のもたらした試練を乗り越えるための
支援
を一刻たりとも滞らせることなく、
被災地
の
復興
への歩みを確実に前へ進めることです。
発災
から一年半以上の歳月が流れました。
ふるさと
を愛する
住民たち
の
不屈
の
精神
に支えられ、
被災地
の町の
再生
にさまざまな進捗が見られる一方で、
政府
の取り組みには、まだまだ不十分な点、至らぬ点があることも事実です。 私は、これまで何度も
被災地
を訪れ、
仮設住宅
で暮らされている
方々
の切実な声に接してきました。そうした声に応え、厳しい冬を乗り切るため、お風呂に追い
だき機能
をつけるなど、寒さへの
備え
に万全を期してきました。被災された
方々
のお住まいがなくなるとの懸念に応え、
仮設住宅
の二年の
入居期限
を延長しましたが、さらに
災害公営住宅
の
整備
や
住宅
の
高台移転
を精力的に進めます。 また、
被災地
からの御要望が特に強い
中小企業グループ化補助金
の
拡充
を初めとする
予備費
の機動的な投入も決めたところです。 これからも、
復興庁
が司令塔となり、改善すべきは改善しながら、継続的な
人的支援
、
復興特区
、
復興交付金
などの
支援
を進めます。
瓦れき
を処理し、活力ある
ふるさと
をよみがえらせるために奮闘する
住民
と
自治体
の
努力
を、
企業
やNPOなどとも
連携
しながら、
政府一丸
となって支えてまいります。
復興予算
の使途にさまざまな批判が寄せられています。
被災地
の
復興
に最優先で使ってほしいという声に真摯に耳を傾けなければなりません。
被災地
が真に必要とする
予算
はしっかりと手当てしつつ、それ以外については厳しく絞り込んでまいります。
原発事故
との
戦い
は、今もまだ続いています。私が先日訪問した
福島
第一
原発
の構内では、過酷な
作業
を続ける
現場
の
作業員
に向けて
全国
から送り届けられた
応援
と
感謝
の言葉が壁を埋め尽くしていました。
風評被害
を払拭しようとする地元の
人たち
の懸命な
努力
に応え、
被災地
の産品を食べて
応援
しようという動きも広がっています。
福島
を愛し、
福島
の
再生
に格闘する
人たち
の
不屈
の
精神
は、それを支えようとする心ある
全国
の人々とつながり、確かに響き合っているのです。
福島
の
再生
なくして
日本
の
再生
なし。
政府
全体で共有しているこの強い
決意
が揺らぐことはありません。
内外
から寄せられる
支援
や励ましがやむこともありません。
事故原発
の
廃炉
に向けた
作業
を着実に進めるとともに、
除染
、賠償、インフラの復旧、
産業
の再建など、
福島再生
を具体化していくために、
予備費
による
福島企業立地補助金
の
拡充
を初めとする最大限の
政策
を実施してまいります。
さき
の
大震災
は、国全体の
防災対策
にも大きな警鐘を鳴らしました。これまでに得た教訓を将来発生が懸念されている
南海トラフ
の
巨大地震
や
首都直下地震
などの
対策
に生かしていくことも、私
たち
に託された、あすへの
責任
です。 平素から、大
規模自然災害
だけでなく、テロや
サイバー攻撃
なども含め、
国民
の
生命財産
を脅かすような事態への
備え
を徹底し、常に
緊張感
を持って
危機管理
に万全を期します。 あすへの
責任
を果たす。それは、私
たち
が日々の
生活
を送る上で感じている将来への不安を少しでも取り除いていくことであります。 あすに希望を持てない
若者たち
が数多くいます。あすを担う
子供たち
を育てる喜びを実感するよりも、その
負担
に押し潰されそうになっている
親たち
がいます。貧困や孤独にあえぎ、あるいはその瀬戸際にあって、あしたの
生活
さえ思い描けない人や、いじめにおびえる
子供たち
もいます。 そうした
現実
から目をそらさず、
社会
全体として手を差し伸べなければなりません。一人でも多くの人が、働くことを通じて
社会
とつながる実感を抱くことができるよう、
経済
全体の
再生
や
ミスマッチ
の解消を通じて、
雇用
への
安心感
を育みます。
行政
の手が行き届かないところにも
社会
のぬくもりを届ける新しい公共が
社会
に根づくための
環境整備
にも努めます。
国民生活
の将来に不安が残るのは、
年金
、
医療
、介護といった
社会保障
の道行きに依然として不確かさがあるからです。
チルドレンファースト
の
理念
に立脚した子ども・
子育て支援
については、
歴史
的な
拡充
に向けて、既に新たな扉が開かれています。 公党間の
約束
である三
党合意
を基礎に、
社会保障
の残された
課題
について、さらに
議論
を進めなければなりません。早急に
国民会議
を立ち上げ、
年金
や
高齢者医療
など、そのあるべき姿を見定め、
社会保障
の将来に、揺るぎない
安心感
を示していこうではありませんか。
消費税率引き上げ
の意義は理解できても、
生活
への
影響
に不安を感じるという声も聞こえます。 低
所得者対策
や
価格転嫁対策
を具体化するとともに、きめ細やかな
社会保障
や
税制
の
基盤
となる
マイナンバー制度
を
実現
しなければなりません。また、
所得税
や
相続税
の
累進構造
を高めるなど、
税制面
から
格差是正
を推し進めなければなりません。積み残しとなっている
関連法案
の
早期成立
も含め、こうした
社会保障
・
税一体改革
の残された
課題
に、
一つ一つ道筋
をつけていこうではありませんか。 あすへの
責任
を果たす。それは、
国家
としての矜持を保ち、
アジア太平洋地域
の平和と安定に力を尽くしていくことです。
我が国
をめぐる
安全保障環境
は、かつてなく厳しさを増していることは間違いありません。
領土
や主権をめぐるさまざまな出来事も生じています。
我が国
の平和と安全を守り、
領土
、領海を守るという
国家
としての当然の
責務
を、
国際法
に従って、不退転の
決意
で果たします。
さき
の
国連総会
において、私は、こうした
我が国
の立場を明快に申し述べました。憲法の
基本理念
である
平和主義
を堅持しながら、今後とも
国際社会
への発信を続けるとともに、
周辺海域
の
警備体制
の
強化
に努めます。 同時に、人と人との国境を越える交流は、かつてない深まりを見せています。
大局観
を持って、中国、韓国、ロシアを初めとする
周辺諸国
と安定した
信頼関係
を取り結ぶことは、
我が国
と
地域
全体が平和と
繁栄
を享受するための礎であり、国が果たすべき重大な
責務
の
一つ
です。 あくまで基軸となるのは、
日米同盟
です。その
基盤
をより強固なものにしなければなりません。 そうであればこそ、先般
沖縄
で発生した許しがたい
事件
は、
日本国民
、特に
沖縄県民
の心を深く傷つける
事件
であり、決してあってはならないものです。
事件
、
事故
の
再発防止
はもちろん、
普天間飛行場
の移設を初めとする
沖縄
の
基地負担
の軽減に向け、全力で取り組んでいくことを改めて誓います。
北朝鮮
との
関係
では、四年
ぶり
となる
政府間協議
を再開すべく調整しています。日朝平壌宣言にのっとって、拉致、核、ミサイルの諸懸案を解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を図る方針を堅持しつつ、拉致問題の全面的な解決に全力を尽くします。
さき
の
国会
で述べたとおり、首脳間の
信頼関係
の
強化
に努め、
周辺諸国
との友好、
互恵関係
のさらなる充実に努めてまいります。 あすへの
責任
を果たす。それは、
政治
と
行政
への信頼を取り戻すことです。 最高裁判所から違憲状態との警告がなされている衆参両院における一票の
格差
の是正と、定数削減を含む
選挙
制度
改革
は、もはや一刻の猶予も許されません。必ず、この
国会
中に結論を見出してまいります。 いかなる政権であっても、特例公債なしで今の財政を運営することはできません。既に地方
予算
など、執行抑制が余儀なくされており、このままでは、身近な
行政
サービスなどが滞って、
国民生活
にも重大な支障が生じ、
経済再生
の足を引っ張りかねません。 ねじれ
国会
の制約のもとで、政局第一の不毛な党派対立の
政治
に逆戻りしてしまうのか。それとも、
政策
本位で論戦を闘わせ、やらなければならないことにきちんと結論を出すことができるのか。その最大の試金石となるのが、特例公債法案です。 一刻も早い法案の成立を図るとともに、
予算
の裏づけとなる法案のあり方に関して、与野党が胸襟を開いて
議論
を進め、解決策を見出さなければなりません。毎年の特例公債法案を
政治
的な駆け引きの材料にしてしまう悪弊をここで断ち切ろうではありませんか。
行政
改革
の歩みも、とめてはなりません。
地域
主権
改革
は、民主党を中心とする政権にとって、
改革
の一丁目一番地です。
関係
者の意見を踏まえながら、義務づけ、枠づけのさらなる見直しや出先機関の原則廃止などを引き続き進めます。 また、独立
行政
法人・特別会計
改革
、
国家
公務員の総人件費の抑制、公務員制度
改革
を引き続き
推進
するとともに、退職給付の官民
格差
解消を図ります。 さらに、
復興
に向けた
国民
負担
を軽減できるよう
日本
郵政の株式売却の準備を進めるとともに、郵政三事業の
一体
的な運営とユニバーサルサービスの義務づけを基本とする郵政事業
改革
も着実に進めます。 誰しも、十代さかのぼれば、そこには千二十四人の祖先がいます。私
たち
は、遠い昔から祖先
たち
が引き継いできた長い
歴史
のたすきを受け継ぎ、この国に生をうけました。戦乱や飢饉のさなかにも、明治の変革期や戦後の焼け野原においても、祖先
たち
が未来の
世代
を思い、額に汗して
努力
を重ね、将来への
投資
を怠らなかったからこそ、今の私
たち
の平和と
繁栄
があるのです。 子や
孫たち
、そして十代先のまだ見ぬ未来を生きる
世代
のために、私
たち
は何を残していけるのでしょうか。 夕暮れどき、一日の仕事を終え、仰ぐ夕日の美しさに感動し、汗を流した充足感に包まれて、あしたを生きていく力が再び満ちていく瞬間です。十年先も、百年先も、夕日の美しさに素直に感動できる勤勉な
日本人
でありたい。
社会
にぬくもりがあふれる、平和で豊かな
日本
を次の
世代
に引き継いでいきたいのです。 私
たち
の目の前には、国論を二分するような、複雑で困難な
課題
が山積しています。余りに
先行き
が不透明で、閉塞感に包まれているがゆえに、ややもすると、単純明快でわかりやすい解決策にすがりたいという衝動に駆られてしまうかもしれません。しかし、極論の先に、真の解決はありません。 複雑に絡み合った糸を
一つ
一つ
解きほぐし、今と未来、どちらにも誠実であるために、言葉を尽くして、進むべき道を見出していく。ともに見出した進むべき道を、一歩一歩、粘り強く、着実に進んでいく。私
たち
の背負うあすへの
責任
を果たす道は、中庸を旨として、意見や利害の対立を乗り越えていく先にしか見出せません。
国会議員
の皆さん、まずは、目の前にある
課題
に向き合わなければなりません。あくまで
政策
本位で、未来をおもんぱかり、あすへの
責任
をひたすらに果たしていく
政治
文化を
確立
しようではありませんか。 そして、この
演説
をお茶の間や職場でお聞きいただいている主権者たる一人一人の皆さん、今がよければそれでいいという発想では、国としてのあすへの
責任
は果たせません。主権者たる皆さんの力が必要です。
日本経済
の
再生
の先頭に立つのも、
グリーンエネルギー革命
を担うのも、活力ある
ふるさと
の町をよみがえらせるのも、皆さんです。国を守る姿勢を貫くのも、
日本
の将来への
危機感
を共有して
負担
を分かち合っていくのも、全て皆さんです。 皆さんが願うのは、党派対立が繰り返され、
大局
よりも政局ばかりを優先してしまう
政治
なのでしょうか。それとも、やるべきことを最後までやり抜き、あすへの
責任
を着実に果たしていく
政治
なのでしょうか。主権者たる皆さんには、
政治
の営みを厳しく監視し、あすへの
責任
を果たす方向へと
政治
の背中を押してほしいのです。 政権交代以降、民主党を中心とする政権のこれまでの取り組みは、皆さんの大きな期待に応える上ではいまだ道半ばでありますが、目指してきた
社会
の方向性は決して間違っていないと私は信じます。 それは、今を生きる仲間とあしたの
安心
を分かち合い、これからを生きていく子や
孫たち
にあすへの
責任
を果たしていくという強い意思です。
中間層
の厚みを取り戻し、
格差
のない公正な
社会
を取り戻していこうとする断固たる姿勢です。
暮らし
や
雇用
の不安におびえる
人たち
は、今この瞬間にも、
社会
のぬくもりが届けられるのを待っています。未来を生きる声なき弱
者たち
は、常に私
たち
の
責任
ある行動を待っています。あしたの
安心
をもたらし、あすへの
責任
を果たすのは、今です。 今こそ、全ての
日本人
が手を携えて、分厚い
中間層
に支えられた、ぬくもりあふれる
社会
の
実現
に向けて、さらなる一歩を踏み出そうではありませんか。あらん限りの底力を発揮し、将来への
自信
を確かなものへと変えていこうではありませんか。そして、未来に向かって永遠の時間を生きていく将来の
国民
たち
の声なき期待に応えていこうではありませんか。 この
国会
が、あしたの
安心
をもたらし、あすへの
責任
を果たす建設的な
議論
の場となることを強く期待して、私のこの
国会
に臨んでの
所信
といたします。 ありがとうございました。(
拍手
)
————◇—————
早川久美子
19
○
早川久美子
君
国務大臣
の
演説
に対する質疑は延期し、来る三十一日午後一時から本
会議
を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会されることを望みます。
横路孝弘
20
○
議長
(
横路孝弘
君)
早川久美子
さんの
動議
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
横路孝弘
21
○
議長
(
横路孝弘
君) 御
異議
なしと認めます。よって、
動議
のとおり決まりました。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十六分散会
————◇—————
出席
国務大臣
内閣総理大臣
野田 佳彦君 総務大臣 樽床 伸二君
法務
大臣 滝 実君 外務大臣 玄葉光一郎君 財務大臣 城島 光力君
文部科学
大臣 田中眞紀子君
厚生労働
大臣 三井 辨雄君 農林水産大臣 郡司 彰君
経済産業
大臣 枝野 幸男君 国土交通大臣 羽田雄一郎君 環境大臣 長浜 博行君 防衛大臣 森本 敏君
国務大臣
岡田 克也君
国務大臣
小平 忠正君
国務大臣
下地 幹郎君
国務大臣
中塚 一宏君
国務大臣
平野 達男君
国務大臣
藤村 修君
国務大臣
前原 誠司君