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2012-04-03 第180回国会 参議院 予算委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十四年四月三日(火曜日)    午前九時三十分開会     ─────────────    委員の異動  四月二日     辞任         補欠選任      大久保 勉君     金子 恵美君      大久保潔重君     櫻井  充君      林 久美子君     大河原雅子君      松浦 大悟君     谷岡 郁子君      岩城 光英君     猪口 邦子君      佐藤ゆかり君     佐藤 正久君      長谷川 岳君    三原じゅん子君      牧野たかお君     赤石 清美君      竹谷とし子君     西田 実仁君      桜内 文城君     柴田  巧君      福島みずほ君     吉田 忠智君  四月三日     辞任         補欠選任      大河原雅子君     林 久美子君      佐藤 正久君     佐藤ゆかり君      石川 博崇君     山本 博司君      加藤 修一君     草川 昭三君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石井  一君     理 事                 植松恵美子君                 川上 義博君                 武内 則男君                 徳永 久志君                 有村 治子君                 礒崎 陽輔君                 山本 一太君                 浜田 昌良君                 小野 次郎君     委 員                 石橋 通宏君                 大河原雅子君                 大塚 耕平君                 金子 恵美君                 金子 洋一君                 小西 洋之君                 櫻井  充君                 谷  亮子君                 谷岡 郁子君                 外山  斎君                 友近 聡朗君                はた ともこ君                 林 久美子君                 姫井由美子君                 広田  一君                 牧山ひろえ君                 赤石 清美君                 猪口 邦子君                 片山さつき君                 片山虎之助君                 川口 順子君                 佐藤 正久君                 佐藤ゆかり君                 末松 信介君                 西田 昌司君                三原じゅん子君                 山崎  力君                 山田 俊男君                 山谷えり子君                 草川 昭三君                 西田 実仁君                 山本 博司君                 柴田  巧君                 井上 哲士君                 吉田 忠智君                 荒井 広幸君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣行政刷        新))      岡田 克也君        法務大臣     小川 敏夫君        外務大臣     玄葉光一郎君        財務大臣     安住  淳君        文部科学大臣   平野 博文君        厚生労働大臣   小宮山洋子君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        経済産業大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣原子力        損害賠償支援機        構))      枝野 幸男君        環境大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣原子力        行政))     細野 豪志君        防衛大臣     田中 直紀君        国務大臣        (内閣官房長官) 藤村  修君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        自見庄三郎君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策科学技        術政策))    古川 元久君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(「新し        い公共」、防災        、少子化対策、        男女共同参画)        )        中川 正春君    副大臣        内閣府副大臣        復興副大臣    中塚 一宏君        外務大臣    山根 隆治君        財務大臣    藤田 幸久君        厚生労働大臣  辻  泰弘君        防衛大臣    渡辺  周君    大臣政務官        財務大臣政務官  三谷 光男君    事務局側        常任委員会専門        員        藤川 哲史君    政府参考人        金融庁監督局長  細溝 清史君        外務省経済局長  八木  毅君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○平成二十四年度一般会計予算内閣提出衆議  院送付) ○平成二十四年度特別会計予算内閣提出衆議  院送付) ○平成二十四年度政府関係機関予算内閣提出、  衆議院送付)     ─────────────
  2. 石井一

    委員長石井一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  この際、自見内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。自見内閣府特命担当大臣
  3. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 三月十九日の参議院予算委員会での私の答弁について一言申し上げます。  自民党西田昌司委員の御質問に対しまして、証券取引等監視委員会三条委員会であると答弁いたしましたが、正しくはいわゆる八条委員会であり、金融庁設置法により、委員長及び委員は独立して職権を行うこととされております。  訂正して深くおわびを申し上げます。申し訳ございませんでした。     ─────────────
  4. 石井一

    委員長石井一君) 平成二十四年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日は、一般質疑を百四十分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会六十八分、公明党三十分、みんなの党十五分、日本共産党九分、社会民主党・護憲連合九分、新党改革九分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  5. 石井一

    委員長石井一君) 平成二十四年度一般会計予算平成二十四年度特別会計予算平成二十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。赤石清美君。
  6. 赤石清美

    赤石清美君 皆さん、おはようございます。自由民主党参議院比例区の赤石清美と申します。  私は、一九七〇年に臨床検査技師になって以来四十年間、検査現場会社経営者として働いてまいりました。私のそういう経験から、本日は様々な社会問題、特に命にかかわる問題について議論をさせていただきたいというふうに思っております。  まず最初に、厚労大臣にお伺いいたします。  いわゆる医師歯科医師薬剤師看護師以外にも多くの医療技術者がいるわけですけれども、この四つの師以外で医療関係に携わっている方々国家資格がどのぐらい種類があるのか、またそこにどのぐらいの人数の人が働いているのか、お教えください。
  7. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 御指摘職種のほかに、医療機関で主に医療提供に携わる職種としましては、今御指摘臨床検査技師診療放射線技師といった検査関係職種、また理学療法士作業療法士などのリハビリ関係職種など、十種類以上の職種がありまして、三十三万人以上の人たち医療機関で働いています。
  8. 赤石清美

    赤石清美君 今厚生労働大臣から報告がありましたように、数多くの職種があって、また数多くの人たち医療を支えているわけであります。その医療を支えている人たち卒業教育あるいは技術研修、こういったものについて厚労省として何かサポートしていただいているでしょうか。
  9. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) こうした医療スタッフ皆さんがそれぞれの高い専門性を生かして互いに連携、補完をしながら患者の状況に的確に対応した医療を提供するチーム医療、これを推進することが重要だと考えています。  このため、有識者によりますチーム医療推進会議で、日本の実情に即したチーム医療在り方について検討を進めるとともに、平成二十三年にはチーム医療安全性効果などを実証する事業を実施いたしました。また、平成二十四年度予算では、医療機関がワークショップを開催をして、質の高いチーム医療の実践を地域医療現場に普及、定着させる事業を計上しています。さらに、平成二十四年度の診療報酬改定で、医療スタッフによる連携に関する評価として、理学療法士作業療法士等の配置の体制をより充実させた病棟でリハビリテーションを提供した場合の評価の新設ですとか、医師看護師薬剤師臨床検査技師連携して院内感染防止対策を行った場合の評価充実などを行っています。  今後は、こうした取組などを踏まえまして、関係団体の御意見も伺いながら、医療関係職種の質の確保を含めて、質の高いチーム医療が行えるように推進をしていきたいと考えています。
  10. 赤石清美

    赤石清美君 是非、この医療技術者卒業教育研修につきましては幅広いサポートをお願いしたいと思っておりますので、よろしくどうぞお願いいたします。  ここで、厚労大臣は次の厚労委員会があるそうでございますので退席してくださって結構でございます。
  11. 石井一

    委員長石井一君) 小宮山厚生労働大臣はどうぞ御退席いただいて結構です。(発言する者あり)
  12. 赤石清美

    赤石清美君 済みません、名前が女性なものですから。  次に、次は笑っている場合の話じゃないんですけれども、昨日の経産大臣不穏当発言について経産大臣にお伺いしたいと思います。  私も、会社経営者として、取締議長として、株主総会等に出て、厳しい罵声、そして不適切発言の中で粛々と答えて株主総会合意を取って、言わば国会でいうと法案を通す、会社でいうと事業計画書を通して、役員の選任もいただく。非常に耐えて耐えて耐え忍んでそれをやるんです。そこに座っているのがこの閣僚の席だと思うんですよ。  私、昨日の不穏当な発言を聞いたのと同時に、そのとき顔を見ました。非常に興奮した状態の顔でした。危機管理には全く合っていません。そして、終わってから我々は一回引き揚げました。そして、帰るときの顔を見たら、全くそれと違ってにやけた顔をしていました。私はその態度を見て、この人は大臣資格はない、本当に私は怒り心頭になりました。  実は、今日はもっと医療のことをしようと思ったんですが、どうしてもそのことが頭に抜けなくて、今日、来ていただきました。  枝野大臣、もう一度謝罪する気持ちはありますか。
  13. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 昨日の予算委員会集中審議において、自民党岩城議員質問の最中に、私が大臣席から不規則発言をいたしまして退席を命じられたことについては、予算委員会審議の品位を傷つけるものであり、深く反省し、今後こうしたことがないようにするとともに、おわびを申し上げます。
  14. 赤石清美

    赤石清美君 私は、昨日の大臣の姿を見ていまして、昨年の三月十一日、この大震災が発災して以来、大臣官房長官でした、そのときの危機管理は、まさに昨日のような状態でやっていたとしたら大変な大きな問題になったと思います。  私は、やはりこれも含めて深く経産大臣に反省をしてもらわないとと思いますし、その任にやっぱりあってはいけないと思うんです。辞任する考えはありますか。
  15. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) ございません。
  16. 赤石清美

    赤石清美君 まあ今の答弁を聞いて分かりますように、これではとても国民原発政策、経産大臣原発政策を担当しているわけです、とても信用できません。  私は、昨年の発災以降の枝野官房長官行動、そして現在の経産大臣行動について、非常に疑問を感じます。私はこの点に関して予算委員会での集中審議を求めたいと思います。委員長、よろしくお願いします。
  17. 石井一

    委員長石井一君) 委員の御提案でありますから、協議させていただきたいと存じます。
  18. 赤石清美

    赤石清美君 それでは、本題に入りまして、後期高齢者医療制度、そして団塊世代について質問したいというふうに思います。  まず、後期高齢者医療制度に関しましては、民主党マニフェストに「後期高齢者医療制度は廃止し、二〇一三年度から新しい高齢者医療制度をスタートさせます。」とありますけれども、その後、一向に法案が出てきませんけど、現在どのようになっているでしょうか。
  19. 辻泰弘

    ○副大臣辻泰弘君) 御指摘をいただきました高齢者医療制度見直しにつきましては、厚生労働大臣主宰高齢者医療制度改革会議におきまして検討が進められ、一昨年、平成二十二年十二月に最終的な取りまとめが行われたところでございます。  この取りまとめに対しましては関係団体から様々な意見が出されているところでありますけれども、社会保障税一体改革におきましては、「高齢者医療制度改革会議とりまとめ等を踏まえ、高齢者医療制度見直しを行う。」、「具体的内容について、関係者理解を得た上で、平成二十四年通常国会後期高齢者医療制度廃止に向けた見直しのための法案を提出する。」とされているところでございます。  これまでのところ、地方自治体を始めとする関係者合意を得る段階には至っておりませんけれども、厚生労働省といたしましては、先ほどの改革会議における指摘、また民主党マニフェストにおける公約などを踏まえまして、関係者理解を得た上で今国会法案が提出できるよう更に検討調整を行っていきたいと考えております。
  20. 石井一

    委員長石井一君) 辻副大臣、どうぞそこへお座りください、閣僚席のそこへ。  どうぞ、赤石清美君、続けてください。
  21. 赤石清美

    赤石清美君 私は、今の後期高齢者医療制度というのは、それなりに研さんを積んできてできた制度でありまして、それなりの実践している効果もあって、現在、自治体も結構もうなじんできていると思うんですね。今これを変えようとすると多額のシステム変更費用、そして労力が掛かるわけでありまして、むしろ今の制度を、名称も含めてある種の変更をして継続する方がいいと思います。  民主党政権は、ただ単にマニフェストにこだわって何としても変えなきゃいけないということでやっているような気がして仕方ないんですけれども、その点については、大臣、いかがですか。あっ、副大臣です。
  22. 辻泰弘

    ○副大臣辻泰弘君) この後期高齢者医療制度は、高齢化の進展に伴い医療費が増大する中で、公費、現役世代高齢者負担割合を明確化し、都道府県単位財政運営によって原則同じ都道府県で同じ所得であれば同じ保険料としたという点で旧老人保健制度問題点を改善したものというふうに考えております。一方、後期高齢者医療制度は、七十五歳に到達した時点で、それまで加入していた保険制度から分離、区分した保険制度に加入するといった点が年齢による差別と受け止められたことが問題と認識しているところでございます。  先ほど申し上げました高齢者医療制度改革会議取りまとめられました案は、年齢による差別を解消するためのプロセスとして位置付けられるものであると考えておりまして、現行制度の利点は維持しつつ、より良い制度を目指すものだと考えております。この取りまとめに対しましてはいろいろな御意見をいただいているところでございますけれども、関係者理解が得られるよう対処していきたいと、このように考えております。
  23. 赤石清美

    赤石清美君 いや、私は、いつまでも考えているんではなくて、これは早く議論を始めないと。私は団塊世代です。一九四八年生まれです。みんな私の同僚たちが不安に思っているんですよ、年金社会保障一体どうなるんだと。先の見えないことをいつまでも不毛の議論にするんじゃなくて、早く法案を出して議論するなら議論することでしっかりやっていかないと、この税と社会保障一体改革にならないと思うんですね。その点、是非前向きに、いずれにしても検討を進めていただきたいというふうに思います。  そこで、団塊世代の今話をしましたけれども、皆さん資料をお配りしてあります。私は今、一九四八年と言いましたけれども、団塊世代は一九四七年から四九年、昭和でいいますと昭和二十二年、二十三年、二十四年生まれです。私は、まさにその真ん中におります。この当時、この三年で六百六十九万人いるんです。実に今の倍の人たち生まれたということなんです。今は年間百十万人前後の出生ですから、倍以上の人たち生まれて、そこがこれからいわゆる前期高齢者になろうとしているわけです。まさに、今年から年金をみんなもらうスタート、お金を払ってる方からもらう方の側に変わるわけで、大きなダイナミズムが発生するわけです。そういう意味で、税と社会保障一体改革というのは非常に重要なことなんです。ですから、ここに対してちゃんとした方向付けを示さないと、みんな不安に思っているんです。  この点について政府としてどういう認識をして取り組んでいるのか、財源関係財務大臣総合調整の立場で中川国務大臣、それから社会保障税一体改革岡田大臣に、それぞれの認識をお伺いしたいと思います。
  24. 安住淳

    国務大臣安住淳君) おはようございます。  私は昭和三十七年ですから先生と一回り違いますが、先生世代は本当に学生時代から大変お元気で、大学に私が入ったころはもうなくなっていましたけれども、大変、ヘルメット等をかぶって元気にやって、日本高度成長期を支えてこられた先輩方でございますが、本当に長寿でもあられて、今先生がお示しになった資料ですが、我が方の資料ですとやっぱり六百六十万人でございます。ですから、一気に年金受給、それからいわゆる高額医療分野でも多分医療費の増大は避けて通れないであろうという認識でございます。  ですから、そういうことからいえば、先生今御指摘ありました後期高齢者医療制度の問題も、当時の自公政権下ではそれをターゲットにして制度設計したと思うんです。私どもも、そういう点でいえば、これから医療介護、それから年金分野でこの方々長寿を支えていく仕組みづくりをしなければならないということで、今私の分野でいえば、やはり消費税のお願いをさせていただいているというところでございますので、是非制度設計に合った財源確保をしていきたいと思っておりますので、御指導よろしくお願いします。
  25. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 御指摘のように、この団塊世代一つ社会全体の構造をダイナミックに変えていくということ、それからもう一つは、それぞれがそのライフスタイルということを考えていくと、新しい観点でそれを再構築していくというか、そういうことをしていかなければならないということだと思います。  その上で、私の担当しておりますのが高齢社会対策大綱なんですけれども、これは基本的にそういう観点から見直していくという作業に入っておりまして、先般も、高齢社会対策基本的在り方等に関する検討会、ここにおいて指摘をされておることが二つございます。一つは、団塊世代によって多様な高齢者像というのが形成をされてくるということ、そのことを前提大綱見直していく。それからもう一つは、平均寿命が延びた我が国において、これまでの人生六十五年時代前提とした社会在り方から人生九十年時代に対応した社会へと構造転換をしていく必要があるということ、このことを前提見直していくということだと思っております。  更に議論を進めて新しいダイナミズムというのをつくっていくということ、頑張っていきたいと思います。
  26. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 委員指摘の点は非常に重要なことで、急速に団塊世代皆さんが六十五歳、そしてやがて七十五歳と、今そういう中で我が国社会保障制度を持続可能なものにするためにどうすればいいかということは我が国にとって極めて重要な政策課題である、そういう中で社会保障税一体改革ということも出てきているということでございます。  例えば医療につきましては、高度急性期への医療資源集中投入と、他方で地域包括ケアシステムの構築、つまり在宅医療充実、そして医療とそして介護一体となったそういうシステムをつくっていくという方向性でございます。  年金については、いろいろ議論あります。今の制度の手直しで果たして可能かどうか、抜本改革まで進まざるを得ないのか、しかし抜本改革ももちろんバラ色ではありませんから、じゃ、どういう具体的制度設計が必要か。これは私は本当に、スウェーデンでも行われたように、党派を超えてしっかりとした議論が必要ではないかというふうに思っているところでございます。  取りあえずは、まずはこの国会で、過去に物価スライドを、まだデフレで物価が下がった分年金を引き下げてまいりませんでしたので、そこの是正をお願いしたいというふうに考えているところでございます。  それから、財源としては、やはり今の国の財政予算委員会ですから予算の御審議もいただいているわけですが、半分借金、それで社会保障その他の経費を賄っているという状況を何とか改善していくために、プライマリー赤字を半減するということを第一の目標に据えて、今回、社会保障制度持続可能性のためにも消費税の五%引上げということをお願いしているところでございます。
  27. 赤石清美

    赤石清美君 今それぞれ対策を取られているということでありますけれども、いずれにしても増税の問題とこの社会保障というのを、社会保障の部分はよく見えないというのが国民意見でありまして、しっかりとそこの対応をお願いしたいと思っております。  それでは、続きましてイノベーションについてお伺いしたいと思いますけれども、民主党政権イノベーション戦略というのがマニフェストに載っておりまして、特にグリーンイノベーションライフイノベーションでありますけれども、これはどういう意味でしょうか。
  28. 古川元久

    国務大臣古川元久君) お答えいたします。  二年前にまとめました新成長戦略におきまして、エネルギー・環境分野におけますグリーンイノベーションと、あと医療介護分野におけるライフイノベーション、こうした分野日本の強みを生かす成長分野として位置付けて、この分野中心イノベーションを起こして内需を創造するとともに、アジアを中心とする世界の活力の取り込み等によって外需をつくり出して、そして新たな成長を目指していくということを考えております、意味しております。
  29. 赤石清美

    赤石清美君 まず、じゃ、そのイノベーションという言葉と、今、大阪維新の会って、維新ってありますけれども、どういう違いがありますか、大臣
  30. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 維新というのは、大辞林によりますと、全てが改まって新しくなること、特に政治や社会の革新と。よく維新は革命とどう違うんだということを言われます。革命は、国体を変える場合は革命であって、国体はそのままで改めることを維新というというふうに言われています。  ですから、維新イノベーションとをちょっと比べるというのは、少し、分野がそこでいくと違うのかなというふうに思いますが、イノベーションというのはかつてはよく技術革新というふうに訳されていたんですが、技術革新というと、非常にちょっとイノベーションのごく一面だけ取り上げている部分になると。  イノベーションというのはもう少し相当幅広い意味があって、従来の延長線上や枠にとらわれないで、そこからはみ出たような新しい発想をするとか組合せをする、そういうことによって今までとは非連続なそういう発展を実現をしていく、それがイノベーションと言われていて、なかなか日本語で訳せないものですから、私も本当は日本語を使いたいんですけれども、日本語でぱっとうまく言える言葉がないものですからイノベーションと使わせていただいているんですが、そういう意味でかなり概念が広い意味でございまして、ちょっと維新と比較してどうだということは、なかなか比べるのは難しい言葉ではないかというふうに考えております。
  31. 赤石清美

    赤石清美君 そういう言葉を使うとやっぱり混乱が起こるので、日本語でしっかりと言わないと国民はよく分からないんですよ。私は、会社にいるときはイノベーションって変革と言いました。それが会社で使っている言葉です。それぞれが意味を違えて理解するんですよ。ですから、余りこういう言葉を使わないで、やっぱり過去と不連続なことをやろうとする、変革を求めるなら変革というふうに使った方がよろしいと思います。  そこで、医療イノベーション推進室なるものをつくりました。これについて説明をお願いいたします。
  32. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 医療イノベーション推進室につきましては、ライフイノベーションの中の一つの大きな分野医療分野であると、そういうこともありまして、内閣官房の下に医療イノベーション推進室を設置して、その下で医療イノベーションの具体的な中身について今まで検討して、実行できるものから実行に移しているというところでございます。
  33. 赤石清美

    赤石清美君 医療イノベーションといえば、今、京都大学の山中教授のiPS細胞、そして東大の中村祐輔先生率いるゲノム解析、これが日本医療イノベーションに匹敵する技術だと思いますけれども、認識はいかがですか、大臣
  34. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 今委員から御指摘がありましたゲノム解析であるとかあるいはiPS細胞、もちろんそれもイノベーションだと思います、の一つだと思いますが、あと、ほかにも再生医療分野であるとかあるいは医療機器の分野であるとか、様々な分野日本がこれは医療イノベーションを起こしていける、そういう分野はあるというふうに考えております。
  35. 赤石清美

    赤石清美君 そこで、私も考えは別に反対するわけじゃなくて、非常に大事なことで、日本は少資源国家でありますので、だけれども基礎的な技術をいっぱい持っているわけで、それを付加価値を付けて海外に売り出していくということは非常に大事なことだと思うんですね。  そこで聞きますけれども、この推進室長に中村祐輔教授を室長として迎えた理由についてお伺いしたい。
  36. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 中村先生は余り日本の中でも枠にとらわれない、多分、委員医療関係者でいらっしゃいますから医療関係者の皆さん方のいろんなお話も伺うと思うんですが、ある意味で、非常に、従来の日本医療界の枠にとらわれない、そういった意味で、イノベーティブな発想のできる方だということで、医療イノベーション推進するにはふさわしい方ではないかということでお願いしたということでございます。
  37. 赤石清美

    赤石清美君 実は私もそう思って、私も何度か共同研究もしたこともある非常にすばらしい先生であります。その人がここに就いたというので、私もある意味この同じ業界にいる人間として非常に期待をしたんです。  実は、ところが、一年ほどしたら昨年の十二月に辞職なされました。その辞職した理由を産経新聞でこう述べております。中村教授は、推進室の設置はこの危機を打開し国家レベルの戦略を練る好機だと思って入った、だが民主党の議員らに提言を持ち込んだが耳を傾けてくれなかった、省庁も動いてくれない、予算も付かない、結局は霞が関や永田町は大きな視野で戦略を立てることはできない、推進室では自分は必要ないと思ったと。その後、彼はシカゴ大に移籍して、がんワクチンの療法をそれこそイノベーションするということになっています。  この点について、大臣、どういう意見でございますか。
  38. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 耳を傾けてくれないというふうにお話をされたというふうに報道されているんですが、私も何度も耳を傾けました。できるだけのことは私どもとしてもやっていきたいということで、いろいろ働きかけもしました。  ただ、率直に申し上げて、中村先生がおっしゃるようなスピード感で一つ一つ全てが決まったかというと、そういうわけではありません。そこは多分委員もお分かりになると思いますけれども、やっぱり中村先生の思いというのは非常にスピード感というのがあって、すぐ決めろというそういうお話があったんですけれども、一方で、やはり行政の中身になっていきますと、そこにはある程度の時間も掛かる部分もあったりして、私どもとしては、これは中村先生にもお話伺いながら少しでもそういう方向に進めるということで、例えば、東北のバイオバンク構想なんというのはこれは中村先生から御提案をいただいて、そして実際に着手をしたものであります。  ですから、中村先生がおっしゃったことを全て実現したとはとても言えませんし、まだまだ緒に就いていないものもありますけれども、実行に移したものもあるんです。ですから、そういった意味で、中村先生と私、もう何度もお話をさせていただきました。  私としては、当時は、中村先生がやっていたときは、官房長官の下で医療イノベーション推進室が独立してやっていたんですけれども、やはりお話を伺っていくと、なかなか他省庁との関係とか何かで調整が非常に難しいという話もありましたんで、私が官房長官とお話をして、この医療イノベーション推進室を国家戦略担当大臣の下に置いて、国家戦略室と一体となってこの医療イノベーション推進していこうと、そういう体制を昨年の十一月ぐらいから取って、そうして新しい体制の下で中村先生にも是非やっていただきたいということで私もお話を申し上げたんですが、既にもうそのときには中村先生がアメリカの方とお話をされておられて、もう決めたというふうにおっしゃられたものですから、私としては大変残念ではあったんですけれども、御本人の御意向を尊重して、年末で退任をされたということでございます。
  39. 赤石清美

    赤石清美君 やっぱり私は日本政府の組織が対応できていないんだと思いますよ。私は、今のままであったら、また同じことが起きますよ。これだと日本の本当に優れた技術者はみんな流出してしまいますよ。  もうちょっと組織の運営をしっかり考える必要があると思いますけれども、大臣、もう一遍答弁お願いします。
  40. 古川元久

    国務大臣古川元久君) だからこそ、今私の下で国家戦略室が中心になって医療イノベーション推進室と連携も取って、各省分断ではなくて、しっかりこれは国家戦略会議も、場も使って、今、医療イノベーション五か年戦略というものを五月をめどに取りまとめるように全力を挙げておりますので、これは政治主導でしっかりやってまいりたいというふうに考えております。
  41. 赤石清美

    赤石清美君 実は私、昨日、官僚の人たちからレクチャーを受けました。話を聞いたら、その国家戦略何とかというところは調整の場だ、お金も持っていない、予算は各省庁が持っていると。そんなので誰がリーダーシップを取れますか。会社でいえば経営戦略室というのがあって、そこに予算を付けるんですよ。そこがリードして物事を進めるんです。予算の付かない組織がそんなイノベーションなんかできないと思いますよ。もう一回考えてください。  大臣、お願いします。
  42. 古川元久

    国務大臣古川元久君) しっかりやってまいりますが、予算があるなし、それは会社でも企画部門って、別に予算がそれだけあるわけですし、実際に事業をやるところはそれぞれの事業部門でしょうから、予算はそこに付けますが、どういうところに付けるかということは、しっかりその企画調整部門、そこでやっていくということであります。
  43. 赤石清美

    赤石清美君 いずれにしても、そういう問題意識では駄目だと思うんですよ。もう少し前に進めるためにはどうしたらいいかということを真剣に考えて、国家のためですから、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。  次に、死刑の問題についてお伺いをしたいと思います。  三月二十九日の新聞報道によりますと、一年八か月ぶりに三人の死刑が執行されたとのことであります。福岡と東京と広島の拘置所だそうであります。  この一年八か月間死刑が執行されなかった理由について、法務大臣にお伺いします。
  44. 小川敏夫

    国務大臣(小川敏夫君) 一年八か月の間、大臣でいいますと四名の大臣が在任しておったわけでございますが、それぞれの御判断のことだと思いますので私が申し述べる立場ではないなというふうに思いますので、私からは差し控えさせていただきたいと思います。
  45. 赤石清美

    赤石清美君 それでは、死刑が実際に確定して執行されるまでの最短期間と、死刑が確定して執行されるまでの最長期間はどのぐらいになっていますか。
  46. 小川敏夫

    国務大臣(小川敏夫君) 死刑を執行した者の氏名を公表するという取扱いを始めたのが平成十九年十二月でございますので、それ以降の執行に限らせていただきますと、判決の確定から執行までの期間が最も長いものは十五年二か月、最も短いものは一年十か月でございます。
  47. 赤石清美

    赤石清美君 その長短の理由はどういうことですか。
  48. 小川敏夫

    国務大臣(小川敏夫君) 今、死刑囚の心情安定というような観点から執行の時期等を死刑囚には事前には告知しておらないわけでございますが、この執行の言わば順番といいますか、時期等の一つ一つの基準といいますか、要件といいますか、こういうものを具体的に明らかにいたしますと言わば予測が付いてしまうわけでございまして、そうしますと、順番がとか、自分がとか、そういうことが死刑囚にも予測が付いてしまうというようなことも考えられますので、そうした具体的な基準とか、そうした要件とか、そういったものについては公表しておらないというところが実情でございますので、その点について答弁を差し控えさせていただきたいということで御理解いただきたいと思います。
  49. 赤石清美

    赤石清美君 いや、私はそれでは国民はなかなか納得しないと思うんですね。やっぱり、片っ方では十五年刑が確定してずっと拘置所で拘置される、拘置所ですからね、刑務所じゃないですから、で、片っ方は一年拘置で執行されてしまう。どう見たって国民から分かりにくいですよ。その基準が明らかにできないという。何かもっと国民に分かりやすい基準を示す必要があるんじゃないでしょうか。どうでしょう、大臣
  50. 小川敏夫

    国務大臣(小川敏夫君) やはり、個々の法務大臣が死刑を執行する際の、その命令をする際の判断基準ということにもなりますが、やはりそこのところは様々な観点から差し控えさせていただきたいというふうに思っています。  一般論といたしましては、やはり個々の事案につきまして記録等精査し、十分様々な状況等を勘案した上で命令を出すものというふうに考えております。
  51. 赤石清美

    赤石清美君 私は、日本は法治国家ですので、きちっと刑が決まったら粛々とある手続に基づいてやっぱり進めるべきであって、それが十五年と一年という差があるということは、国民から見たらどうしても分かりにくい。これは家族からとっても非常にやっぱり苦痛だと思うんです。被害者もそうだし、その刑を確定している両方ともそうだと思うんですね。やっぱり、もう一回ちょっと法務大臣の決意を述べていただきたいと思います。
  52. 小川敏夫

    国務大臣(小川敏夫君) 見直すということを決めるわけではございませんが、この死刑については様々な意見がございます。それで、死刑の存廃、死刑制度の存続、あるいはこれを廃止するかということにつきましては、法務省の中でこれまで勉強会を重ねてきたところでございます。そして、廃止の方、存続の方、それぞれが強い御意見の中で、これを一本化して結論を得られるということができないので両論併記ということで勉強会終わったわけでございますが、さらに引き続きまして、今度は死刑の執行の在り方あるいは情報の公開の在り方等、これをどのように扱うかということにつきましては、やはりこれも議論した方がいいのではないかというふうに国民の間からも声がありますし、私自身もそういうふうに考えております。  ですから、この死刑の執行の在り方、そうした情報の公開の在り方、あるいは死刑の告知の在り方等について、法務省内に、法務省の中につくるかどうかは別にしまして、この検討をするという方向で今取り組んでおるところでございます。
  53. 赤石清美

    赤石清美君 それなりに考えているということですけれども、私は、どうも最近見ていると、政治家の意識によってそれが、刑が滞ったり滞らなかったりするというのはやっぱり問題だと思うんですね。この点については、法務大臣、いかがですか。
  54. 小川敏夫

    国務大臣(小川敏夫君) 今死刑の確定して未執行が百三十二名でございますか、これは突然百三十二名になったんではなくて、ずっと言わば戦後の死刑制度の積み重ねの中で徐々に徐々に増えてきて、今、今日に至っておるわけでございますが、これまでの法務大臣はそれぞれの観点で御判断されたんでありましょうけれども、私について述べさせていただければ、決して気分次第ということではなくて、しっかりと精査した上で三名を特定して命令したものでございます。
  55. 赤石清美

    赤石清美君 まだよく分かりませんけれども、今盛んに検察の可視化の問題が起こっていますけれども、もう少し私は、可視化を求めるぐらいなんですから、この制度についてももうちょっと国民に分かりやすくやはり提案をすべきだろうと思いますので、粛々とやはり実施していくというのが基本だと思いますので、是非そういうことでやっていただきたいと思っています。  最後に、自殺の問題についてお伺いしたいと思います。  資料の二番目に自殺対策白書のデータがありますけれども、自殺の要因は様々あると思います。やはり家族の問題、コミュニティーの問題、景気の問題、様々あると思いますけれども、この十四年間、三万人を超えているというのはやはり異常な事態というふうに考えるべきだと思いますが、担当大臣、いかがですか。
  56. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 御指摘のように、十四年連続で三万人を超えている。私も、これについてはもっと危機感を持たなければいけないというふうに思っております。  ただ、二十一年から二十二年、二十三年にかけては若干減少してきておりまして、二十三年では三万六百五十一人。三万一千人を下回るのは十四年ぶりということであります。  その中で、一つは、しっかりその原因といいますか、その根本的な要因というのを分析をしていって対策をつくるということだと思っています。実は、去年から警察の協力を得まして、生データをそのままこちらに向けて上げていただく。これまでは警察で丸めて、その結果をこちらへ持ってきていただいていたんですが、それを生データを上げていただいて、それで分析を今始めております。そういうことを取っかかりにしまして、しっかりとした対策をこれからつくっていくということであります。  実態把握と、それから一層有効な対策推進についてこれからもしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
  57. 赤石清美

    赤石清美君 とにかく原因を究明しないことにはなかなか対策が取れないわけでありまして、その原因の究明をもっと幅広く、今警察と言いましたけれども、警察だけではなくて、学校とかいろんなところであると思うんです。  私が心配しているのは、若年層が増えているんですね。この若年層と四十五から五十五歳という層があって、こちらはどちらかというと、社会問題、企業の経済状況によって左右されていると思うんですけれども、それはある程度原因が分かると思うんです。この若年層が増えているというのは少し問題だなと思っているんですけれども、大臣、いかがな認識ですか。
  58. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 御指摘のとおりでありまして、そこについても、前回の答弁のところで文科大臣の方から、学校での様々な要因についてしっかり分析をし、対応していきたいという話もありますし、周辺の、何といいますか、組織あるいは仕組み、これについても改めて再検証をしていきたいというふうに思っております。
  59. 赤石清美

    赤石清美君 これも国民の非常に大きな関心事のことでありますので、若者に対する自殺の対策、そして働き盛りの中高年の自殺対策、しっかりとやっていただきたいと思っております。  いずれにしても、今日の議論を通じて、やはりもっともっと社会全体で命の大切さということをしっかりと考える必要があるし、将来設計もみんなでしっかり考える必要があるということを痛感しました。命を守る政権としてしっかりと対応していただきたいということをお願いしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  60. 石井一

    委員長石井一君) 以上で赤石清美君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  61. 石井一

    委員長石井一君) 次に、猪口邦子さんの質疑を行います。猪口さん。
  62. 猪口邦子

    猪口邦子君 自民党猪口邦子でございます。  本日は、核セキュリティ・サミットへの野田総理の中途半端参加の問題を始め、外交問題につき総理大臣意見具申する立場にある玄葉大臣中心質問をいたしてまいります。  先週、ソウルで行われました核セキュリティ・サミットにおいて、我が国の総理大臣は遅刻し、早退したんです。不適切であり、国益に反することです。国会日程との関係で我々野党が総理外遊に難色をという勘違いがあるといけませんので、私はここで最大の問題は、この会議の重要性を理解せず、日本の総理こそオバマ大統領や議長国李明博韓国大統領と並んでこの会議のもう一人の主役であるということを理解しなかった与党民主党政権にあることを主張いたします。  総理がサミット全日程に積極参加するための国会日程を何ら要請しないという民主党の外交感覚の欠落なんです。内閣の全体として、外交軽視、外交後回し、外交苦手、外交自主規制の特徴があります。党内融和を国益に優先し、内政調整、そういうことを外交に優先する、そのような政権の問題が典型的に表れたのが、近年最大規模の安全保障関連多国間首脳会議であった先週のサミットへの日本の対応だったんです。猛反省を促します。  玄葉大臣、いかがですか。
  63. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 猪口先生のお話でございますので、(発言する者あり)いや、これは我々もいろいろな意味で考えるところあります。政府・与党としての取組あるいは働きかけ含めていろいろ考えなければならないなと、そう考えております。
  64. 猪口邦子

    猪口邦子君 遅刻、早退して四つの公式日程のうち二つのみに参加ということでございまして、玄葉外務大臣はこのサミットの意義はどういうところにあると考えていらっしゃいますか。
  65. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) このサミットは、もう言うまでもないことですが、〇一年の同時多発テロがあって、特に通常、軍縮とか不拡散というと国家主体なんですけど、いわゆる非国家主体のこのテロの脅威というものに対する国際社会の取組、これがもう非常に大切であるということになったことから始まった。特に、私も覚えていますけど、オバマ大統領のプラハ演説から始まったというふうに記憶をしています。  そういう意味で、ワシントンで第一回、そして今回第二回ということで、特に日本の場合は今回の原発事故もありましたから、そういう意味での重要性というのはかつてよりも更に高まっていたということは、そのとおりだと思います。
  66. 猪口邦子

    猪口邦子君 核軍縮、核不拡散、原子力の平和利用、核セーフティー、核セキュリティー、みんな関連する分野なんですね。そういう非常に重要な意義を持つこの会議、このサミットへの総理の現地入りの日時と退出の日時を教えてください。
  67. 山根隆治

    ○副大臣(山根隆治君) 総理の現地入りの日時ということでございますが、これは三月二十六日月曜日の二十一時二十五分に金浦空港に着きまして、出国日時は三月二十七日十五時十三分に金浦空港発ということでございます。
  68. 石井一

    委員長石井一君) 山根副大臣、どうぞそちらへお掛けください。
  69. 猪口邦子

    猪口邦子君 二十六日の夕方から公式のワーキングディナーのセッションがありましたけれども、これは欠席ですか。
  70. 山根隆治

    ○副大臣(山根隆治君) ワーキングディナーにつきましては、今回欠席をいたしております。
  71. 猪口邦子

    猪口邦子君 このワーキングディナーはどのようなことを議題としたものですか、大臣。副大臣でも結構です。
  72. 山根隆治

    ○副大臣(山根隆治君) ワーキングディナーにつきましては、議題といたしましては、二〇一〇年、ワシントン核セキュリティ・サミットからの進捗のレビューということでございます。
  73. 猪口邦子

    猪口邦子君 その第一回の二〇一〇年のサミットに出ていた日本の総理は野田総理ではないですね。ですから、経験がないわけですから当然出るべきであったと考えますけれども、外務大臣、どうですか。出ていたのは鳩山総理ですね。
  74. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 二〇一〇年は、あのときは鳩山当時の総理が出ていたというふうに思います。(発言する者あり)  総理が出るべきであったのではないかと、こういうお尋ねでございますが、それができればよかったというふうに思っています。
  75. 猪口邦子

    猪口邦子君 野田総理は二〇一〇年にその第一回の会合、これに出ていなかった。そして、二十六日の夕飯の会合はその引継ぎ会合であったので、是非本人においてお出ましくださいという意見具申は大臣としてはされましたか。
  76. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 総理と、いかがいたしますかという話はいたしました。もう絶対出るべきだと、こういう意見具申までしたかと言われると、絶対出るべきだと私は申し上げておりません。それは率直なところでございます。  別に国会のせいとか云々というよりも、いわゆる消費税も含めて全般的な状況に鑑みて、私は、政府・与党としてトータルな判断を総理も含めてされたというふうに考えております。
  77. 猪口邦子

    猪口邦子君 国際会議というのはやはり、そこに私は来ています、います、存在しますということを示すことが最もこの外交の時代に大事で、それは今後認識を改めてもらわないと困ると。  それで、大事なこの最初のセッションを欠席し、翌日朝、一応韓国大統領は歓迎式をやってくれたと思います、遅刻された国もありますので。どういう国々ですか。
  78. 山根隆治

    ○副大臣(山根隆治君) 大統領の歓迎式に出席した首脳については、ウクライナ、スペインということでございます。
  79. 猪口邦子

    猪口邦子君 ウクライナとスペインは遠い国ですね。日本はこんなに近いのに、そういう遅刻をしたことは非常に残念ということだと思います。  このような会談において、総理の代理者は誰でしたか。会場の中に入れましたか。
  80. 山根隆治

    ○副大臣(山根隆治君) 直接、大臣以外出席ができませんので、出席はしていないということになります。
  81. 猪口邦子

    猪口邦子君 別室でこの議論を聞いていた総理大臣の代理者というのは、こういう欠席の場合、誰だったんですか。
  82. 山根隆治

    ○副大臣(山根隆治君) 担当の宮川部長が出席をいたしております。
  83. 猪口邦子

    猪口邦子君 このような場合、外務大臣は同行すべきではなかったですか。外務大臣が、どうしても総理大臣がその会合に出席できないのであれば、自分がその代理者としていろいろと意見を言う場合もあるわけですから、そうすべきではなかったですか。  また、最終会合も早退しているわけですね。二日目は、午前中の会合だけ出て、ランチのセッションをやって、そして写真撮影をした後、党内の社会保障と税の一体改革会議に間に合うように二回目のその全体討議は欠席したということですが、その場合、外務大臣は出席しておくべきでなかったですか。
  84. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 事実関係だけ申し上げれば、私は、二十六日は集中審議、二十七日はODAの特別委員会が午前、午後が参議院の外防委員会に出ておりました。  それで、同行すべきではなかったかと、こういうお話でございます。全般的に、とにかく消費税の問題、そして予算というものを大事にしたということは、率直に言って、判断としてあったというふうに思います。同行すべきではなかったかと問われれば、そういう選択もそれは十二分にあり得たんだろうと、それについて政府・与党として、総理大臣が午後出れないので外務大臣に行かせてほしいというお願いをより積極的に行うというのは、それは一つ在り方だろうと思うんです。  ただ、一応申し上げておきますと、会議の流れ全般は、午前も午後も全く同一の基本的にはセッションなので、総理は総理として二つのスピーチを行ったことは御存じのとおりでございまして、多分、私が午後そこにいてスピーチができるかといえば、恐らくできなかったんじゃないかというふうには思います。
  85. 猪口邦子

    猪口邦子君 積極的にこのような外遊をこなすことができるよう、国会のプロセスについてお願いをしたんですか、要請をしたんですか。    〔委員長退席、理事川上義博君着席〕  例えば、予算委員会の理事の皆さん、理事の正式の会合の場において、理事会において、政府・与党から、このような日程があるので配慮してほしいというような話があったということを聞いていません。ですから、理事の皆さん、議場の皆さん、今の質疑で明らかになったことは、このように外交後回し政権であって、そして内政の調整、あるいは党内の融和かよく分かりませんけれども、そういうことのために外交の国益を、自らがそこに存在しないという形で大きな損失をそこにもたらしていると。  やっぱり、国会は要請主義だと思います。銀のお盆に載せて我々野党が、どうぞ総理大臣には国際日程を見るとこのようなことが世界のニュースを見るとありそうですから行く必要があるのではないですかと、そういうふうにやるわけはないんですね。もっと与党・政府がしっかりしなければならないんです。  一体どうしてこのように、国会の理由があるかもしれないけれども、そもそも要請されていないという問題についてどういう認識であるかということを今お伺いしましたので、反省しているということを再度言ってほしいと思いますけれども、同時期にアメリカの大統領はどのような日程でこの会合をこなしたか、もし玄葉大臣御存じだったら教えてください。
  86. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ちょっと、今、オバマ大統領の日程手元にございませんので、承知しておりません。
  87. 猪口邦子

    猪口邦子君 そういうこともにらみながら物事を進めるべきだと思いますね。  御存じだと思いますけれども、前日の日曜から入っていますね。午前中は南北境界線の視察、午後には米韓の首脳会談、夜は李明博主催の晩さん会、もう二十四時間前からずっとその活動をしているわけですね。そして、翌日になって、月曜日ですね、韓国外国語大学で演説もしているんですよ。外防委員会でも取り上げたFMCTにも言及して、実に核セキュリティ・サミット、ここでのテーマをNPTの三本柱のプラスワンと、四本柱に位置付けなさいというような話、積極的に展開して、そして午後にはロシア、中国との首脳会談、バイの会談をこなして、そして今私が問題としているその夜のワーキングディナー、最初の公式日程に臨んでいるんです。もちろん全体会議は両方とも出席して、そしてその後にもさらにバイの会談をこなして、それで帰っていくと。やはり、そこに存在して初めて効果が出る、これが多国間の首脳会談ですから、そういう日程との関係で物事を考えてもらいたいということを伝えておきます。  それから、北朝鮮からの長距離弾道ミサイル発射予告について、これはどういう形で取り上げられるべきというのが、李明博、議長国の考えでしたか。
  88. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 李明博大統領が当初どういうふうに考えていたかとか、様々なやり取りを承知を一定程度しておりますけれども、最終的には、この核セキュリティ・サミット全体で大きなテーマとして取り上げるということよりも、それぞれのバイ会談で取り上げていくというふうに最終的に議長として判断をされたというふうに承知しております。
  89. 猪口邦子

    猪口邦子君 外務大臣のおっしゃるとおりなんです。ですから、バイの会談で、この長距離弾道ミサイル発射、これを自制するようみんなで協議するという日程になっていたんです。そういうことを分かりながら、総理、こういうことであるから、その議題そのものの中で言うより、事前のバイ会談をこなしながらこの自制を促すというこの国際の輪に日本も入らなければならないと、そう言うべきだったんじゃないですか。
  90. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これは総理とお話をいたしまして、極めて短期間であると。この短期間でも、もう韓国のホームページにも出ているんですけれども、本当によくきつい国会日程で来てくれたというふうに李明博大統領も言っています。  その上ででありますけれども、総理御自身の御意思もありますし、私も話し合いましたけれども、まず、おっしゃったとおり、一つは全体のスピーチの中にも入れる、そして、バイ会談といっても、確かに極めて短い会話でありました。ただ、その中で、必ずこの北朝鮮の問題というのに、それぞれ指導者、各国の指導者と会話をする中で、この問題についてしっかりと認識を共有させたということはあるというふうに思います。
  91. 猪口邦子

    猪口邦子君 今、会談とおっしゃいましたが、勘違いじゃないですか、これは立ち話。
  92. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 多分、私、会話という表現をしたと思いますけれども、確かに会談と呼べるものかどうかということは、何といいますか、二、三分とか三、四分とかという話でありますからなかなか言いにくいと思います。ですから、それは確かに会話というふうに私は申し上げたということでございます。
  93. 猪口邦子

    猪口邦子君 ほかの国々は事前に乗り込んで会談をやっているときにということであります。  私は、次の指摘をまたしたいんですけれども、そもそもなぜこの会議我が国は東京にと誘致できなかったんですか。
  94. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いや、私は先生のお話はできるだけとにかく謙虚に受け止めようと思っているんですけれども、この間もお話ありました。改めてどういうことだったのかということで聞いたんですね。  結局、これは、二〇一〇年の四月にオバマ大統領の言わばホストでワシントンで行われましたと、そのときにはもう既に実は韓国ということに決まっているんですね。オバマ大統領がこの核セキュリティ・サミットを行いますというふうに言ったのは、たしか更にその一年前ですよね。ですから、その一年の間に韓国ということに決まったというふうに承知しています。
  95. 猪口邦子

    猪口邦子君 当時の鳩山政権、アメリカにどのぐらい信頼されていたのか、そこが問題なんです。  政権に就いてから、このような重要な核関連の会議を東アジアでやるんだったら日本こそが誘致したいという働きかけはしたんですか。
  96. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これは、事実関係だけ申し上げれば、先ほど申し上げたように、一年前ですよね、二〇一〇年四月から、だから二〇〇九年の四月、政権交代したのが二〇〇九年の九月ですか、まあ半分半分ということだと思うんですね。  あのときの経緯を本当改めて聞いたんですけれども、結局、韓国が、様々な財政負担は当然覚悟の上で、とにかく非常にこのサミットの誘致に熱心であったと。それに対して日本としては、原発の特に新規の導入がアジアで多いから、それはもう韓国がそこまでやりたいと言っているならいいだろうということで支持をしたというふうに、これは私も聞くしかないものですから、聞いております。
  97. 猪口邦子

    猪口邦子君 韓国はこのほかにも、経済面ですけれども、重要な多国間首脳会議を誘致しています。何ですか、いつですか。
  98. 山根隆治

    ○副大臣(山根隆治君) 二〇一〇年の十一月にG20サミットを開催したというふうに承知いたしております。
  99. 猪口邦子

    猪口邦子君 このように、韓国は、重要な政治、経済、安全保障、文化の多国間首脳会議、あるいはハイレベルの会議を誘致することを国策として熱心に外交活動をやっている。  我が国にそういう外交感覚があると考えていますか、外務大臣
  100. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 李明博政権が国際的な地位の向上、プレゼンスの向上というものを目指してそういった国際会議の誘致に極めて熱心であるということは、もうおっしゃるとおりであります。それに対して日本も一定の協力をした。  じゃ、日本が全くそういったことに熱心でないかといえば、必ずしもそれはそうではないだろうと。もちろん、自民党政権からそうでありますし、例えば、今回のような三・一一の事故を踏まえても、例えばハイレベルの自然災害の国際会議も開きます。IAEAとの共催での会議も開きます。(発言する者あり)いや、確かに首脳が来るか来ないかという意味では私も違うと思いますけれども、そういったことについては、おっしゃるような御指摘は踏まえていかなきゃいけないというふうには思っています。
  101. 猪口邦子

    猪口邦子君 国会でのこのようなやり取りを通じて玄葉大臣は分かってきてくれていると思いますが、もっと集中力が必要ですし、情熱が必要ですし、火の玉となって日本の外交力強化をするというような決意が必要で、そういうのがこの政権には見当たらないというのが残念でありまして、このような質問に及んでいるわけです。  そして、演説内容ですけれども、総理の演説は大きな問題点をたくさん含んでいます。とりわけ、ランチスピーチで行った三つの点、余りにも当たり前で、ちょっとどうなのかなという意見も多いんですけれども、外務大臣はどう考えますか。(発言する者あり)
  102. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 多分、想定外を想定するとか、いや、おっしゃるように現場を大切にするとかですね。これはランチの方のスピーチですよね。かなり具体的なスピーチを別の場面でしているわけでありますけれども、特にその専門家の皆さんにお聞かせをするというスピーチではなかったと思うんです。つまりは、特にそういった政治家、指導者の方々にお聞かせをするということで、できるだけ分かりやすい言葉で話をされたというふうに私は理解をしています。
  103. 猪口邦子

    猪口邦子君 もちろん、これは首脳会議でありますから、首脳は必ずしもこういうテーマについての専門ではないでしょう。しかし、よく考えてみてください、このランチセッションで言った想定外を想定する、現場をおろそかにはしない、安全確保には不断の取組。  まず、想定外を想定する。これは安全保障の常識であって、こういうことをわざわざ言わなければならないというのは日本は本当に普通の国ではないという、そういう印象なんですよ。もう当たり前なんですよ、コンティンジェンシープランを持つということは、プランB、C、Dまで持つということは。ですから、こういうことを大きな演説のポイントにするというのはどうかなと。  それから、現場をおろそかにしてはいけないと。当然じゃないですか。おろそかにしていたんですかという質問になります。  それから、安全確保は不断の取組。これは、そもそも二〇一〇年にこの最初の第一回ワシントン会議をやったときにこういう合意があって始まったことなので、これ、時代逆戻り発言じゃないですか。
  104. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これは、先生、先ほども申し上げましたけど、かなり具体的なことも含めてこの原子力施設の脆弱性が浮き彫りになって、例えば、いかに電源の確保が大事かとか、多重防護が大事かとか、そういったことについては後で具体的に言っているんですね。  だから、まさに政治的なステートメントなので、逆戻りとおっしゃいましたけど、ただ、例えば、私もあの後、ウォール・ストリートとかワシントン・ポストとかいろんな評を読みましたけど、それはそれで非常に一定の私は評価はあったのではないかというふうに考えています。
  105. 猪口邦子

    猪口邦子君 私もそのような記事を読んでおりますが、一定の評価があったのは北朝鮮ミサイル発射について発言したというところであって、それは外防委員会大臣とのやり取りの中で指摘したことでございます。  それで、そもそも、じゃ、もう一つの演説でということをおっしゃいました。これは二日目の、だから一日目は欠席したんですけれども、二日目の午前中の第一回全体討議のところなんですよ。その演説を見ても、例えば、今おっしゃった電源喪失のことですね、こういうくだりがあります。全電源喪失、施設全体の安全を脅かすことが明らかになりました。この事態は十分に想定されていませんでした。まあそういう流れなんですよ。  国際演説というのは、こういうふうに言ってもみんなはっきりよく分からないということもあるんです。もうちょっと演説は工夫して書いてあげなければ、外務大臣、ならないんです。総理の演説は外務大臣に責任があるんですよ。例えば、一般的に今まで核施設の防護といえば核分裂性物質に焦点を当てていたでしょうと、そういうふうに問うんですよ。ところが、実際に大きな問題は、その周辺装置、例えば全電源関係であるとか、そういうことも全体で問題になったことが明らかだと、そういうふうに言えば。実際に今までの核セキュリティ・サミットの第一回会合の内容を御覧ください。核分裂性物質そのものにしか余り焦点が当たっていないんですよ。そういうことを分析しながら総理の演説を修正してあげる、調整してあげるというのが仕事ではないですか。
  106. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これは、確かに私も、演説を、例えば最初にたたき台を持ってきたときにどれだけ分かりやすくするかというのは常に意識をしています。今回のことは、確かにそれは表現の仕方というのは様々な工夫はもっとあり得たんだろうというふうに思っています。  ただ、電源装置を増強し電源の脆弱性を補強するとか、屋外の重要施設の防護の強化とか、言及はしています。ただ、その言及の仕方としてもっと分かりやすい表現があったのではないかということについては、それはそうかもしれません。
  107. 猪口邦子

    猪口邦子君 細かいことを指摘する場ではないと思いますけれども、分かりやすいというのと、論理的な構築をきちっとやって、みんなが今までこうやっていたでしょう、でも、ここが問題なんですよというようなやり方をした方がいいという意味の事例として伝えました。  それから、日本からの例えば貢献として言えたかもしれないことは、大規模災害のときに実力部隊がかなり一時的に偏在することになるときに、国全体の安全保障についてもよく考えなければなりませんよなどは、そういう内容を入れることは考えませんでしたか。
  108. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) たしか、原子力施設についての防護のために、いわゆる、何といいますか、警察力あるいは自衛隊含めたというふうに申し上げてよいだろうと思いますけれども、そういったその防護の必要性ということについては言及をしたということだと思います。  今の御指摘は、そういったときにほかが手薄になるんじゃないかということでございますけれども、そこまでの言及には至っていないということでございます。
  109. 猪口邦子

    猪口邦子君 一体何が新しいメッセージと国際舞台でなるのか、そういうこともシビアに、シャープに考えなければいけないと。  それから、外防委員会を通じて幾つか、何度か指摘したんですけれども、事故を経験した国としてセーフティーとセキュリティーの関連領域の国際法の発展に寄与するような努力をしてくださいと一年前からお願いしているんですけれども、今までの原発防護安全関連の条約の改定化、新たな条約の提案化、そういう萌芽もこの本当に重要な多国間首脳会議の場で出てこなかったですね。それでよかったんですか。
  110. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) おっしゃるように、先生からこれは御提案いただいていますので、私も鋭意指示をしています。基本的には、十二月のIAEA等の国際会議日本なりの提案ができればなというふうに思っています。  おっしゃるように、萌芽にできなかったのかと。確かに原子力安全と核セキュリティーというのは、ある意味相互補完性があるというか、連関、関連性ありますから、そういった言及も全く不可能ではなかったかもしれません。ただ、我々の方も十分まだ練れていないというのが現状ですし、それよりも、むしろ今回はより核セキュリティーの方に重きを置いたということでございます。
  111. 猪口邦子

    猪口邦子君 冒頭に申し上げました核軍縮、核不拡散、原子力平和利用、核セーフティー、核セキュリティー、こういうことの概念整理を、被爆国の日本ならでは、又は核燃サイクル国日本ならではやってあげるという方法もあったと思いますけれども、玄葉大臣はこの概念整理、どのように心得ていらっしゃいますか。
  112. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いや、私もこれはよく整理をするようにも指示をしていたんですけれども、これはちょっと読ませていただきます。  核軍縮は、核兵器のない世界を目指し、国際的合意の下で核兵器、核関連物資、技術などの縮小、削減を目指すと。核不拡散は、核兵器やその運搬手段のほか、それらの関連物資や技術などの拡散を防止、抑制し、阻止することを目指すと。原子力安全は、NPT上締約国に認められている原子力の平和利用の前提となる原子力施設の設置、運転に対する安全規制、事故の際の緊急対策の確立等の対策を指すと。核セキュリティーは、主に、先ほども申し上げましたが、テロリストなどの非国家主体による核テロ対策のための取組ということで、具体的には核兵器、核物質の盗取、盗んだ放射性物質を発散させる装置、これはダーティーボムというふうに呼んでいますけれども、製造のほか、原子力施設や放射性物資の輸送船などに対する妨害破壊行為などへの対応措置を指すというふうに、概念としては整理をしたいというふうに思います。
  113. 猪口邦子

    猪口邦子君 概念整理をした上で、どういうふうに相互に関連するのか。例えば、そういう核分裂性物質が兵器レベルのものとして多ければ流出の可能性もやはり多くなり得ると、そして防護もより大きな規模になり、そしてミスも起きやすい、そういうふうに日本が説明すれば、核軍縮のこれは多国間会議ではありませんけれども、みんな関連概念なんですよと、こういう演説を書いてほしかったと思いますけれども、いかがですか。
  114. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) おっしゃるように、例えば軍縮・不拡散は国家主体、しかし核セキュリティーは非国家主体とか、違いはありますけれども、例えばFMCTのようないわゆる核分裂性物質などは、例えば盗取の対象となる核物質の削減につながるという意味で関連性があるということでございます。たしか、ちょっと私、今手元にありませんけれども、この相乗効果のこともランチのときにたしか議論になったというふうに聞いております。
  115. 猪口邦子

    猪口邦子君 そのような核軍縮、とにかく絶対量をある程度縮減していかないとその全てが失敗し得るということが誰よりも分かっていたのはオバマ大統領ですね。ですから、事前にオバマ大統領とロシアのメドベージェフさんは二国間の核軍縮、新たな地平に向かっての合意をしようと一生懸命していたじゃないですか。ですから、そういうことなんですよ、全体として。そういうことをまず理解してもらいたいと思いますけれども。    〔理事川上義博君退席、委員長着席〕  そのオバマ大統領に日本の総理が会いに行くのはいつですか。
  116. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これ、まだ正式に決まってございません。たしか総理は桜が云々という話をされた記憶がございますけれども、国会のお許しをいただければ、連休なども含めて考えていかなくてはいけないのではないかと私は考えています。
  117. 猪口邦子

    猪口邦子君 桜を寄贈して百周年とか、桜の咲くころには行きたいとか、余り、国際的にはちょっとメッセージとしては弱い。  やっぱりこの核セキュリティ・サミットをやった年ですし、いろいろなこの北朝鮮の問題なども、東アジア環境非常に厳しいものがある、そしてTPPのことなどもあるのでというような理屈付けできちっとやっていくべきだと思いますけれども、そのとき、TPPについてボールはどっちのコートにあるのかという認識で臨むんですか。アメリカの方ですか、日本の方ですか。
  118. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ストレートにお答えすれば、両方だと思います。一つは、アメリカはパブコメをしています。アメリカとしてどういう要望を出すかということを整理をしています。他方、日本は、日本日本として参加表明を正式にしているわけではございませんので、そういう意味では両方ではないかというふうに思います。
  119. 猪口邦子

    猪口邦子君 ボールが両方のコートにあるということは、外交の技術的な感覚としてはちょっとあり得ないんじゃないかと思うんですね。そういう認識で、責任は相手にある、いや、あっちにあるということで何も進まず、結局大きな勘違い、時間の無駄、いろいろなことがあり得るということです。  例えば、アメリカの方は、あるいは何か国かほかの国も、日本が正式に参加したいという意思表明がされていないと。それが必要である、それを待っているんだという勘違い、あるいはそれが正しい思いなのかもしれませんけれども、そういう危険性というのはないんですか。  また、もしそう思われているとするならば、どのような場面でもし意思表明をするんだったらするんですか。例えば記者会見であるとか、まさにG8サミット、これも五月の十八日からありますね、あるいは通常の外交ルート、あるいはバイの首脳会談。
  120. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先生、ここはちょっと私の一存でこの場で申し上げるわけにいきません。総理含めて関係閣僚でよく話し合って、そのタイミング、結論を得るタイミングというものを決めなきゃいけないというふうに考えております。
  121. 猪口邦子

    猪口邦子君 外務大臣、自分の一存で決められない。決められないのはそうかもしれませんけれども、意見具申する責任があるんです。本日の私の質疑は、まさに外務大臣として、外交が後回しになっていること、内政中心で外交に余り日が当たらないこと、こういう体制では駄目であるという意見具申をしなきゃならないときに、外交の最先端で一番困っているのがこのTPP、どっちのコートにボールがあるのかという問題なんですが、どうですか。
  122. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私は私で意見具申をしております。ただ、それぞれが意見具申している内容を国会の中で一人一人表明するというと、これは内閣一体どうなっているんだということになるものですから、タイミングも含めて、どういう内容の結論かも含めて、私は私なりに意見具申をしています。  やはり総理の訪米に当たっては、ここは大きな視点で米国訪問、総理訪米をとらえる必要があるというふうに思っています。特にアジア太平洋のみならず、グローバルな視点で日本と米国がどういう責任を分担するのか、役割を分担するのか、安全保障は安全保障で自衛隊と米軍の役割分担、RMCも含めてそうであります。しかし、それだけではなくて、経済も、人的、文化的交流も含めて、さらにはグローバルな課題も含めて展開をしなきゃいけないと。  別に猪口先生だから申し上げるわけじゃありませんが、昨日、たまたま早めに帰って、孝先生のグローバル・オーディナリー・パワーという、その本を本当に昨日読んでいたんですけれども、まさにそういう地球的な規模でどういうふうに考えていくのかという議論をしています、率直に言えば、今ですね。  それで、やはり総理が訪米されたときに、そういった日米の包括的な今後の在り方について何らかの声明を出せればと、そう考えております。
  123. 猪口邦子

    猪口邦子君 主人の本を読んでくれたことにはお礼を申し上げますけれども、また、さきの外交防衛委員会でビッグピクチャーを見なければいけないということを言ったので、そういう文脈でも今の御答弁理解できますけれども、他方で、エミネントな、緊急の課題があるんですよ、このTPPに対してどうするのかということは。それについてちょっともう一回、どういう姿勢で首脳会談に臨むのか、あるいは、その首脳会談が成立しない場合G8サミットに臨むのか、教えてください。
  124. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 基本的には総理訪米はあるというふうにお考えいただいてよろしいと思います、G8の前にですね。基本的にはそういうふうに考えていますけれども、先ほど申し上げたように、やはり安全保障のみならず、経済も、人的交流も、文化も含めた包括的なものにしたいというふうに考えております。
  125. 猪口邦子

    猪口邦子君 その首脳会談において、核セキュリティ・サミットで言い足らなかったこと、日本として発信すべきだったことをきちっとまとめて、そういう部分も重視していただきたいと思いますが、本日、私の質疑を通じて、やはり外交が後回しになっているのではないか、そこへの集中力が足らないのではないか、その意見具申をする大事な職責を外務大臣にはきちっと果たしていただきたく、その問題を指摘して、私の質疑を終わります。
  126. 石井一

    委員長石井一君) 以上で猪口邦子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  127. 石井一

    委員長石井一君) 次に、佐藤正久君の質疑を行います。佐藤正久君。
  128. 佐藤正久

    佐藤正久君 自民党佐藤です。  防衛大臣、北朝鮮には日本が対処すべきノドンミサイルがあります。大臣、このノドンに対する評価、これをお聞かせください。
  129. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) ノドンに対しては、距離が、いわゆる発射して、ミサイルの距離が千キロメーターの、いわゆる人工衛星とは言っていますがミサイル、称するミサイルであるというふうに認識をいたしておるところでございます。ノドンについてはそのような状況です。
  130. 佐藤正久

    佐藤正久君 ノドンミサイルだけで約二百基が実戦配備するというふうな情報もあります。防衛大臣としてノドンミサイルからどうやって日本を守り切るか、お答えください。
  131. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) イージス艦とPAC3を配備して、そして対処するということでございます。
  132. 佐藤正久

    佐藤正久君 北朝鮮の約二百基もあるというミサイルに対して、現在のPAC3とイージスで守り切るということでいいんですか。
  133. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 我が国の態勢ではイージス艦とPAC3で対処するということでありますが、日米の協力でまた対処するという方法も今進めておるところでございます。
  134. 佐藤正久

    佐藤正久君 私は、質問は、守り切れますかと聞いているんです。
  135. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 今の態勢では、私の認識では全国土について守り切るというところまではいっていないという認識でございます。
  136. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、二十四年度の防衛予算は欠陥予算ということですか。国民の命を守り切れないと今大臣言ったんですよ。どうするんですか、それで。
  137. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 大綱、そしてまた中期防によって着実に整備をしてきておるわけでありますけれども、日米の安全保障条約の下でまた共同してきておるところでありますので、当然我が国で守れないという状況の中では、日米安保条約の体制の中で対応するということになっておるわけでございます。
  138. 佐藤正久

    佐藤正久君 日本を守り切れないと大臣答弁されました。じゃ、中期間でミサイル防衛どのぐらい整備するんですか。
  139. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 引き続きPAC3の整備というものは予算化をしてきておるところでございますし、そのほかの整備についても着実に進めていくということで今考えておるところです。(発言する者あり)
  140. 石井一

    委員長石井一君) 防衛大臣は極力努力をしておると思います。  田中防衛大臣質問者の質問をよく聞いていただいて、それで、答弁がノーの場合はノーでもいいですから、明確にお答えをいただきたいというふうに思います。  佐藤さん、恐縮ですが、もう一回その質問をひとつお願いいたします。
  141. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、中期間どうやってこの防衛体制整備するか、具体的な状況を教えてください。
  142. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) ペトリオットPAC3、そしてまたイージス艦の配備状況、そしてまた今後の計画でございます。  平成十九年三月に第一高射群の第四高射群、入間基地を皮切りに順次ペトリオットPAC3を配備し、平成二十二年四月の第六高射群の配備をもって、第五高射群、第一、第二、第四及び教育用の分について配備が完了いたしております。現大綱及び中期防に基づき、第五高射群、沖縄の一個高射群をPAC3化するとともに、再配置によって全ての高射群にPAC3を配備する予定でございます。  イージス艦については、平成二十二年十一月までに「こんごう」型イージス艦四隻について弾道ミサイル対処機能の付加が完了をいたしておりまして、現大綱及び中期防に基づき「あたご」型護衛艦二隻にも弾道ミサイル対処機能を付加をするということに着手をいたしておる状況でございます。
  143. 佐藤正久

    佐藤正久君 防衛大臣、じゃ、それだけ整備したらノドンミサイルに対して日本国民を守り切るということができるという評価でしょうか。
  144. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然PAC3の配備を進めてきておるところでありますが、それは全国に着実に配備することで対処してきておるわけでありますが、全国的に飛来する弾道ミサイルを迎撃するということになるわけでございまして、今先生お話しのように、短中、中距離の弾道ミサイルを海上から迎撃するシステムを進めておるところでございます。  しかし、当然これからの整備を着実に進めていくことによって我が国自体が対応するということになるわけでありますので、私は着実に進めながら、この我が国防衛、自らの国が自ら守るというような前提で進めてきているわけでありますが、今お話しのようにその段階でありますので、その整備によって全て守れるわけではございません。
  145. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、中期をやっても守り切れないという認識なんですね。じゃ、それはどうやって対応するんですか、日本
  146. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、イージス艦の整備をしていくと。今回は三隻の配備でありますが、南西地域に二隻、そしてまた日本海でありますから、やはりイージス艦の機能を整備していくということでありますが、この中期防においても確かにその全てが完全に守れるという状況には立ち至らないと私は認識をいたしておりますから、やはり引き続き私は整備を図っていくということを念頭に置いていかなければいけないと思っています。
  147. 佐藤正久

    佐藤正久君 だったら、中期防を見直す必要があるんじゃないですか。
  148. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 確かに環境、いわゆる安全保障環境が変化したというような状況においては、必要性があれば見直すということにはなっております。  したがいまして、私は、今のこの状況、あるいはアメリカの新国防戦略というものが出てきておるわけでありますから、我が国防衛というものを当然見直していくことは必要だと思っていますが、しかし、具体的に、それを体系的にやはり着手していくというのはまだ今始まったばかりでありますので、私はその必要性というものは感じつつも、やはり実際に見直すかどうかというのはこれからの判断だと思っています。(発言する者あり)
  149. 石井一

    委員長石井一君) 田中防衛大臣、見直すかどうかということを聞いておりますので、そういう場合の……。
  150. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、中期防を着実に実施をしていくことがまず大前提でありますけれども、しかし、大きなやはり国防上の変化があることは間違いありません。  したがいまして、私の認識としては、私の認識としてはやはりその時代に合ったものを作っていかなきゃいかぬということでありますし、また今の大綱としては、そういう事態が認識されればそれは見直すべきだという項目も入っているわけです。しかし、これは作業が若干、それは作業に時間が掛かるわけでありますから、そういう面では、具体的な問題についてはまたお話を申し上げます。
  151. 佐藤正久

    佐藤正久君 作業国民の命は守れないんですよ。そんないいかげんな答弁、駄目ですよ。  じゃ、今度、弾数、大丈夫ですか。迎撃用の弾数、大丈夫ですか。
  152. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 今配備している態勢の中で、私は、いわゆる発射する弾数のことだと思いますが、それは十二分に準備しておるということで私は認識をいたしております。
  153. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、今防衛省は、十分な弾数あると、だけど装備が足らないから守り切れないと、そういう認識でいいんですね。
  154. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 今、やはり北朝鮮から発射されるに当たって、その発射する時点はやはりアメリカのSEWに依存しておると、こういう状況でございますから、やはり日米の安保の前提に立っているわけです。  ですから、そういう面からすると、我が国が、確かに予算が掛かる、あるいはいろいろな問題も抱えているわけでありますが、やはり最初から迎撃まで整備をしていくということは大事だと思っておりますし、しかし、今ある態勢の中では最善を尽くしておるということで、問題がないように今破壊命令を出し、そして準備をしておるということを御理解いただきたいと思います。
  155. 佐藤正久

    佐藤正久君 国民は更に不安になりますよ、今みたいな答弁では。  どうやって守り切るか。足りなければ足りるようにしないといけないんですよ、それが防衛大臣ですから。今、今回の人工衛星対処、あれは弾道ミサイルの対処をやっている防衛省からしたら簡単なんですよ。もう撃つ場所も分かる、一発でしょう。大事なことは、いかに弾道ミサイルから国民を守り切るか、そういうことを啓発するのが防衛大臣なんですよ。それが全然できていない。足りなかったら中期防見直す、もっと明確に言ってください。
  156. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、私は先ほど私の考えは申し上げたつもりでございます。  それで、防衛省といたしましては、今補佐官を任命をし、そしてまた研究会を、新たないわゆる安全保障環境の下で我が国防衛体制をどうするかということを決めていただくということでありますが、私の前提は、今の状況からいっても見直すという必要性は十二分に感じておるところでございます。
  157. 佐藤正久

    佐藤正久君 有言実行でしっかり見直してください。自民党が政権取っても見直しますよ。  ただ、じゃ、今回、北朝鮮人工衛星について聞きますけれども、今の弾道ミサイル対処でその答弁だと、本当の有事のとき、本当、大臣では日本を守れないということを強く思いました。  三十日に破壊措置命令が大臣から出されました。これからの対応措置について、大臣の判断事項にはどんなものがあるんでしょうか。
  158. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 先般、安全保障会議を開催をいたしまして破壊命令を出しました。実際には、私から航空総隊司令官に指示をいたしまして、緊急のときには司令官の判断で破壊をするという態勢になったということが一つでございます。  もう一つ、当然、その配備の問題がございまして、私も沖縄に参りまして、関係の市町村あるいは県に御説明をして、万全な態勢で整備を行っていると、こういうことで今進めておるところでありますし、これが完了いたしましたら報告があるということでありますので、私はそれを、更なるその点検をしていくということでしていきたいと思っています。(発言する者あり)
  159. 石井一

    委員長石井一君) 判断事項が、どういう大臣としての判断事項があるのかという質問であります。
  160. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、これは今準備をいたしますけれども、この問題がいわゆる終了いたしましたら直ちに撤収をするという、この配備は終わりにするということを私が判断をするということが大事だと思っています。
  161. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、撤収まで大臣の判断事項はないということですね。
  162. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) いえ、我が国防衛システムの態勢は整ってきたと思っています。当然、先ほどから出ておりますが、日米のこの協力、情報の提供あるいは協力というものは、私は先般、ルース大使と話はしましたけれども、しかし、実際にこの問題についての情報提供あるいはその他の協力について更なる要請あるいは確認というものは、私は当然、並行して進めておるところでありますので、その点では私の判断があるというふうに思っております。(発言する者あり)
  163. 石井一

    委員長石井一君) 田中直紀防衛大臣
  164. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 先ほど言いましたように、安保会議でいわゆる八十二条の二の三項という道を今選択をして対応しているわけでありますが、しかしこの中には、我が国に向けてこの予告以外に、情報として、またいわゆる人工衛星と称するミサイルが発射されるような事態もある、あるいはそのほかの軌道が判明した後、我が国に落下する可能性が高まったような場合には、いわゆる八十二条の二の一項ということで、総理大臣の了解を得て、防衛大臣としては緊急に対処するということも当然判断があるわけでございます。
  165. 佐藤正久

    佐藤正久君 机上の空論をやっているんじゃないんですよ。じゃ、今回、八十二条の三の三から一項の方に移る場合もあるということですか。あるんですか、今回。
  166. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 一般論としてこれは当然あるわけでありますし、法制上こういうケースは当然あるということでこの法が成立しているわけでありますので、万が一のことがあれば、これは当然私も緊張感を持って対応していくということでございます。  一般論としてはあるということですが、現実としては、前回はありませんでしたけど、しかし万々が一のことがあるわけでありますが、それは当然緊張感を持って対処する。あり得る、あり得ることは、私は、想定は、想定の中でやはりあり得るということも想定しなければいけないと思っています。
  167. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、今回の状況でどういうことがあったら一項に移るんですか。今回ですよ、今回。今回のケース。
  168. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 予告している十二日までに弾道ミサイルが我が国に向けて発射される可能性が高いという情報が事前に、いわゆる人工衛星と称されるミサイルですね、が情報が事前に得られた場合というのが一つございます。また、人工衛星の落下の軌道が判明し、我が国に落下する可能性が高まった場合というこのときにも緊急を要するわけでありますので、具体的には、等でありますが、具体的にはこの二つのケースだと思っています。
  169. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然大臣分かっていないですよ。これは一般論の話の事例を言っているだけであって、今回、どうやって、その人工衛星が我が国に落下するんですか、それが事前に分かるんですか。分かっても、閣議決定なんですよ、一項って。全然一項分かってないじゃないですか。どういう状況でこの人工衛星が事前に我が国に落ちてくると分かるんですか。  全然分かってないです。一項は閣議決定なんですよ。全然分かってない、今回の状況
  170. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 国際海事機構のIMOに通告を北朝鮮はしているわけでありますから、それが一つは予想されるわけであります。日程も、そしてまた時間帯も七時から十二時ということで通告をしているわけでありますので、その期間に対してこれは今整備しているわけですね。しかし、やはりこれはいろいろ、それどおりになるかどうかということでありますから、そういう面では、期日が、その前に発射するというようなことが万が一あったら、これはもう、そういうことが判明、事前に得られた場合、これはもう緊急に一項の対処で、総理大臣の了解を得て私が対処するということであるわけでありますし、また、発射された後、これは軌道がずれたと、不具合が出たということから実際に我が国の領域に落下すると、こういう事態ということについては、一項で緊急にやはり対処するということに具体的にはなるというふうに私は認識をいたしております。
  171. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然、大臣、頭整理していないですよ。何でミサイルが発射されてから閣議決定で一項移れるんですか。あり得ないじゃないですか。(発言する者あり)
  172. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 発射区域が、当然その発射前に区域が変更されたというようなこともあった場合には、当然一項になるということでございます。
  173. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然違いますよ。さっきの訂正してください。ミサイルが発射されてから一項に移るなんかないでしょう。
  174. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 訂正いたします。それはありません。
  175. 佐藤正久

    佐藤正久君 これではとても大臣に任せられませんよ。全然分かっていない。普通に考えれば、今回、破壊措置命令出したら、今回の状況大臣の判断事項は撤収までないですよ。ないですよ。  じゃ、撤収、どういう基準で撤収するんですか。
  176. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) いや、当然、発射するという兆候が終わったということでありますし、防衛省といたしまして、その発射されたものが全て落下したというようなことを確認しましたら直ちに撤収をするということを命令するわけでございます。
  177. 佐藤正久

    佐藤正久君 三年前は発射の翌日に撤収命令を出しました。何で今回は直ちになんでしょうか。
  178. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) いや、今言いましたのは、確認をしましたら直ちにということでありますが、前回のことについてはまだ検証いたして、検証いたしておきます。(発言する者あり)いや、私は確認いたしました。直ちに、直ちに命令をするということでございます。
  179. 佐藤正久

    佐藤正久君 何でなんですか。三年前の検証もしていないんですか、大臣は。それでどうやって判断できるんですか。前回は一日後に撤収命令ですよ。検証しないで何やっているんですか。どうやって守れるんですか。(発言する者あり)
  180. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 失礼いたしました。  前回のことを検証して、本年の四月十六日をもって終結をするということが命令の期間ということで決まっておりますので、これで対処するということでございます。
  181. 佐藤正久

    佐藤正久君 それは違いますよ。今回、破壊措置命令の期間が十二から十六であって、十六に発射されたら十七に撤収命令はあるんじゃないですか、前回の例だと。
  182. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 命令の期間は、別命ない限り本年四月十六日をもって終結をするということでございます。先ほどの、前回の件につきましては、誤解があって大変申し訳ございませんでした。  別命が、別命ない限りこの十六日ということで終結をするわけでありますが、新たな事態ということがあれば当然対応するということは考えております。
  183. 佐藤正久

    佐藤正久君 前回は四月五日に発射があって六日に撤収命令なんですよ。検証もしていない、その発言だけはここで訂正してください。撤回してください。
  184. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) どうも失礼いたしました。訂正をいたします。前回は検証していないということについては撤回をいたします。
  185. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、正直なんですよ。本当に検証していないんです、大臣そのものは。防衛省全体では、自衛官とかやっていますよ。本当、田中大臣では守れませんよ。  大臣、じゃ、今回、沖縄の方に人工衛星が落下する、それはどういう場合ですか。
  186. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、北朝鮮がそういうふうに通告をしているわけでありますが、当然、発射において不具合が生じるとかその他のことが、不測の事態が起こると、こういうことに、不測の事態が起こるということで、沖縄県に落下するという事態が起こってはいけないし、万が一そういう状況があった場合には対処するということでございます。  当然ロケット、ロケットというか、が、いわゆる人工衛星と称するミサイルが不具合を生じたというような状況で、予定どおりの飛来が実現できなかったという状況のときにはそういう事態が発生するということでございます。
  187. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然答えになっていないですよ。官房長官はちゃんと明確に言っているじゃないですか。何で防衛大臣言えないんですか。どういう場合に沖縄に落下する可能性があるんですか。
  188. 石井一

    委員長石井一君) どうぞ、田中大臣、落ち着いて答えてください。どういう場合に沖縄に落ちるのかということですから。(発言する者あり)いや、まあまあ、もう少し、今日はテレビも入っておりませんし、片道でやっていますからね。  あなたはプロであるし、佐藤さん、それで早口過ぎて途中で意味通じずにやっておるから、それをもう少しゆっくりですね……。  田中防衛大臣
  189. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 想定する軌道を外れた場合と、こういうことだと思います。
  190. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは官房長官のコメントと違いますけれども、どっちが正しいんでしょう。
  191. 石井一

    委員長石井一君) 佐藤さん、恐縮ですが、官房長官のコメントとこのコメントの違いをちょっと質問してください。(発言する者あり)
  192. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 予定した軌道が外れて我が国に危機が生じたときという認識だと思いますが、正確な条文についてはちょっと確認していないので……(発言する者あり)いや、条文じゃなくて、その見解についてはそういうふうに理解をいたしております。
  193. 佐藤正久

    佐藤正久君 これが野田内閣の実態なんですよ。  一段目の切離しの場合はこうだ、二段目の場合はこうだ。官房長官言っているのは、二段目のロケットの燃焼が中断するケースでは我が国に落下する場合があると言っているんですよ。明確に言っているんですよ。そんなのも分からないんですか。紙を読まないと分からないし、話にならないですよ。  じゃ、仮にそういう落下物を迎撃して破片が落下する、あるいは迎撃失敗して日本に落下するケース、こういう場合、自衛隊はどのような行動に出ますか。
  194. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) その地域から災害派遣の要請をいただいて、そして自衛隊は対処をするということにいたしております。新潟県の知事からは、そういう場合は直ちに災害派遣を要請するということを言われておりますし、今私どももその準備で心掛けているところでございます。
  195. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、落下したときは災害派遣で対応すると。これは自主的に派遣できないんですか。要請ベースですか。
  196. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然自主派遣もできますけれども、まずは自治体から派遣を用意してもらいたいという事前の話もございますので、直ちに私は要請に対応するということで、自主派遣もできないということではございません。
  197. 佐藤正久

    佐藤正久君 どっちが基本ですか。自主派遣ですか、要請ベースですか。
  198. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 要請が私は最初だと思っています。当然、その要請がなくても、自主的に判断して派遣をするということも当然あり得るわけでありますが、まずは要請に対する対応ということでございます。
  199. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、仮に多良間村に落ちたとします。どういうルートで災害派遣やるんですか。多良間村。
  200. 石井一

    委員長石井一君) ちょっと副大臣に補足させたら。(発言する者あり)
  201. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 対応としては、石垣島にPAC3を配備しておりますが、引き続き部隊も派遣をして、そしてこの地域の緊急の対応をするということで、石垣島に追加する部隊を派遣をするということで今進めております。(発言する者あり)
  202. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕
  203. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、速記を起こして。  田中防衛大臣答弁を願います。
  204. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) PAC3を配備している上に救援派遣ということで、救援部隊ということで対応をしておるわけでありますし、その場合、地域の災害派遣の要請があれば救援部隊を始め自衛隊が対応するということにいたしておるわけでありますし、今回は石垣島にその救援部隊というものを追加して対応しておるということでございます。
  205. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然答えになっていませんよ。仮に、じゃ、その多良間村に落ちた場合、どういう手続で部隊が行動するんですかと聞いたんです。
  206. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) それは、先ほど言いましたように、災害派遣の要請ということで対応すると。(発言する者あり)自衛隊が対応するわけで……(発言する者あり)それは自治体の知事の要請によって対応するわけであります。
  207. 佐藤正久

    佐藤正久君 村長はどういう立場なんでしょうか。(発言する者あり)
  208. 石井一

    委員長石井一君) いいですか。田中防衛大臣
  209. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 地域から、その場所から知事に要請があり、知事から当然自衛隊に派遣があるわけですが、要請があるわけですが、部隊が要請があればそれは対応するということになるわけでございます。
  210. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、それはどのぐらいの時間が部隊に行くまで掛かると考えていますか。
  211. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、要請の時間はもうできるだけ短くということで、昨日ですか、その連絡の対応については沖縄県で説明会を開いておりますので、沖縄県の各部、地域においては、そういう事態が起きた場合にはどういう連絡で最短で対応できるかということは、昨日説明会を開いて連絡をしておるというふうに私は聞いております。
  212. 佐藤正久

    佐藤正久君 話になりません。もう一番情報を分かっているのは自衛隊なんですよ、レーダーもあるわけですから。最初は自ら動いた後から要請を受ける、これが普通じゃないですか。当たり前じゃないですか。基本ですよ、こんなこと。
  213. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、それは並行して自衛隊も対処を万全を期すということになるわけですから、手続上は今そういう要請に基づくわけでありますが、当然、自衛隊といたしましても迅速に対処するということで臨んでいるわけであります。
  214. 佐藤正久

    佐藤正久君 現場は本当に動いているんですよ。落ちたら自衛隊は、そばにいる自衛隊は行くんですよ、後から要請が来たっていいわけですから。  じゃ、どうやって多良間村にどこの部隊が行くことを今考えているんですか。上、通るんですよ。
  215. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 先ほど言いましたように、石垣島に部隊を派遣をしているわけでありますから、石垣島から行くということを私は想定しております。
  216. 佐藤正久

    佐藤正久君 どうやって行くんですか。
  217. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 今、石垣島には救援部隊として約二百十名、ヘリ四機ということで今準備を進めさせているところでありますので、今のケースでございましたら、当然ヘリを使って駆け付けると、こういうことになると思います。
  218. 佐藤正久

    佐藤正久君 ヘリが飛べない天候ならどうするんですか。
  219. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、石垣島からそういう事態で飛べないということでありましたら、あらゆる手段を講じて対処するということは当然であると思いますし、そういうふうに考えております。
  220. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、代替手段は考えていないんですか。
  221. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 陸海空はあるわけでありますから、ヘリで難しい場合には陸上を使うと、陸上自衛隊の対応をするとか、いろいろなケースがあると思いますが、これは今の態勢の中で対処するということでありますし、先生の御指摘でございます、更に綿密に対応することを検討をしたいと思っています。
  222. 佐藤正久

    佐藤正久君 多良間村は宮古と石垣の間なんですよ。どうやって陸上自衛隊、陸上じゃないのに行くんですか。
  223. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 済みません。失礼しました。陸上自衛隊が艦艇で駆け付けるということになるわけであります。
  224. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、海上じゃ、船はそこに放置しているということですか。
  225. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 今のケースも念頭に置いて対処するということでいきたいと思います。(発言する者あり)
  226. 石井一

    委員長石井一君) 田中防衛大臣
  227. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 近くに船を用意するということも考えなきゃいけませんが、海上保安庁とも連携を取って対処するということもあると思います。
  228. 佐藤正久

    佐藤正久君 海上保安庁の船で陸上自衛隊の車両載るんですか。
  229. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、海上保安庁の船で行くと、隊員が乗っていくケースはできるわけでありますけれども、しかし、車両は難しいと思いますね。ですから、先生の御指摘でありますので、いろいろなケースを想定して、これは当然ここは非常に島が多いわけでありますから、そういう面では那覇基地からもいろいろと対応しているわけでありますので、本土からの対応も含めて検討をするということも考えていきたいと思います。
  230. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然シミュレーションができていませんよ。多良間村の方の港、海上自衛隊の船が入れる港かどうかを確認していますか。
  231. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 確認をしたいと思います。
  232. 佐藤正久

    佐藤正久君 多良間村は石垣と宮古の間なんですよ。なぜ、であれば事前に自衛隊を配置しないんですか。
  233. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、必要性は感じないわけではありませんが、しかし、今できる範囲内の自衛隊の態勢をやっていくということでありますし、石垣島にそういう事態のことがあった場合にはそこから対処するという方針を決めておりますので、多良間村までは配備するということは今回は考えておりません。
  234. 佐藤正久

    佐藤正久君 それでは迅速性に欠けると思いませんか。宮古島と石垣島に置いて、何で多良間村に事前に置かないんですか。離島ですよ。
  235. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 連絡はしっかりしていけるようにということで、石垣市の連絡幹部を七名、あるいは竹富町の連絡幹部として三名配置をするということでございますので、石垣市の連絡幹部七名にその多良間村の対応という、連絡の迅速な態勢を取るということでやっていきたいと思います。  配置は、当然、PAC3始め装備するということは今のところ考えておらないと。しかし、万全を期すという連絡はしていければと思っております。
  236. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然分かってないですよ。
  237. 石井一

    委員長石井一君) 副大臣にちょっと補足させてください。
  238. 佐藤正久

    佐藤正久君 いや、いい、副大臣大臣大臣。呼んでませんから。ちゃんと正しく答えてください。多良間の話聞いているのに、何で石垣の話言っているんですか。多良間のことを聞いているんです。
  239. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、田中防衛大臣
  240. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 今、連絡幹部三名を多良間島に配置するということに進めておるということでありますので、是非実現をしたいと思っています。
  241. 佐藤正久

    佐藤正久君 そこまで国民に説明しないと分からないんですよ。何で三名なんですか。何で部隊を置かないんだ、初めから。その方が災害対処しやすいと思いませんか。
  242. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) この態勢で万全を期すということで決めたいと思っています。(発言する者あり)
  243. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、田中防衛大臣
  244. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 確かに、まず島の規模だとか何かの前提があるんだと思います。しかし、それぞれ地域皆さん方は御心配がされるわけでありますから、私は、こういう前提で今進んでおりますが、どうしてももっと対応が必要だということであれば検討はやぶさかではありませんが、今のところは、いわゆるこの対応ということの中で、今回はこのいわゆる連絡幹部三名を置くということで万全を期すということでありますし、確かに判断基準は、たしか島の規模だとかいう、島の人口規模だとかということが前提になっているのかもしれませんが、しかし私は、それはそれぞれの方々の、住民の皆さん方の安全がまず第一でありますから、これで守り切れないということでありましたら、私は検討にはやぶさかではないということでございます。(発言する者あり)  当然、連絡幹部三人置くことにしておりますが、必要であれば見直すことで考えたいと思います。(発言する者あり)
  245. 石井一

    委員長石井一君) 統一した見解を……(発言する者あり)  いいですか。田中防衛大臣、なぜ部隊で、三人でなく、部隊なのかということと、見直す見通しがあるのかということを直接お答えください。
  246. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 補完するのは石垣市なのでありますが、連絡幹部、これ多良間島は千三百人の人口だということでありますから、確かにこの規模からいっても三名じゃ足りないということでありますので、私の判断で一、二名は増やして対処するという、その連絡幹部を増やすということで今判断はしたいと思っています。
  247. 佐藤正久

    佐藤正久君 なぜ三名から一、二名増やして対応が変わるんですか。
  248. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) いや、当然、部隊配置でやっているわけでありますが、しかし人員を増やすことによってそれは当然その対応が、若干かもしれませんけれども、対応が充実をするという方向になると思いますので、判断をしたいと思います。
  249. 佐藤正久

    佐藤正久君 連絡員と部隊の違い、分かっていないんじゃないですか。三名の幹部と、一、二名増やして四人になって、それで部隊と言えるんですか。
  250. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) いや、今回は部隊は配置しないという方向で来ているわけでありますから、当然その充実をするということになれば連絡幹部を増やすということで対処したいと思いますし、地元の皆さん方あるいは地域方々とも、御指摘でありますので、早急に連絡を取って対処するということも私は考えたいと思います。(発言する者あり)
  251. 石井一

    委員長石井一君) どうですか、佐藤さん。貴重な提案を取り上げて、防衛大臣において、防衛庁はこれを検討し、もう早急に来ている事態なんですから、明日にでもその方針を出すと、こういうことで……(発言する者あり)いや、だから、そこをぐじゃぐじゃぐじゃぐじゃやるからいつまでも続きますので、それは貴重な提案を取り上げて、今後検討し、方針を改めるか、今のままやるか、それは今でなくても明日にでも御答弁いただくということで進めていただけませんか。どうですか。(発言する者あり)静粛に願います。田中直紀君。
  252. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 先生指摘のように、千三百人というこの規模の島でありますから、私は今部隊を、救援部隊を配置するというところまでは考えておりません。これは島々いろいろ事情があると思いますが。  私は、今できるのは、連絡幹部を充実を図るということにしたいと思いますし、方針は当然すぐ出しますが、しかし、地域の方との御連絡もしながら防衛省としては最終判断をしていきたいと思っておりますし、委員長からもお話がございました、しっかり受け止めてと思っております。  理由は、やはり配置している中で、まず、そういう面では人口規模で島の規模ということもあります。それから、緊急に対応ができるというその部隊を配置するということで万全な対応をしてきておるところでありますが、しかし、更なる検討を加えるということでお願いをしたいと思います。
  253. 佐藤正久

    佐藤正久君 今の委員長提案も受け入れないし、人口規模で判断する、そういうのが防衛省でいいんですか、大臣。びっくり答弁なんですよ。人口規模で部隊配置を決めるんですか。こういう対応ができるから今のままでいいんだという答弁があると思ったら、代替手段も考えていない、港もどうかも調べていない、話にならぬじゃないですか。  人口規模なんですか、本当に。
  254. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) いや、人口規模ではございません。しかし、いわゆる島々に人口の規模があるということでありますから、そういう面では一つの側面として、側面として……(発言する者あり)側面として、一つの要素としてそれがあるということでありますが、やはり今委員長もお話がありましたので、防衛省としてしっかりとした計画を見直すということで私は判断をしたいと思います。
  255. 石井一

    委員長石井一君) この際、一言申し上げます。  ただいま十二時直前でございます。この間の議事を防衛当局におかれましては十分昼休みの間整理されまして、再開時に統一した見解をお述べいただきたいと。  残余の質疑は午後に譲ることといたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  256. 石井一

    委員長石井一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成二十四年度総予算三案を一括して議題といたします。  まず、午前中の質疑において指摘のありました点につき、休憩中に整理された政府の見解を聞くため、田中防衛大臣に再答弁を求めます。
  257. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 多良間島への救援部隊や連絡幹部の配置の考え方については、人口のみをもって判断したものではないことを訂正させていただきます。  南西諸島は、島嶼部が広範囲にわたって点在するとの地理的特性を有することから、政治経済及び防災の拠点としての機能等を勘案し、地元関係者との調整の上、統幕が原案を作成し、防衛省として準備を進めているものであり、効率的な部隊配置としているところでございます。  特に、多良間島については、自衛隊が迅速に他の地域へ展開するための拠点として相対的に適している石垣島を拠点として救援部隊を配置し、迅速に展開させて被害に対処することといたしていますが、防衛省としては引き続き地元と調整してまいる所存です。
  258. 石井一

    委員長石井一君) 質疑を続行いたします。佐藤正久君。
  259. 佐藤正久

    佐藤正久君 まず大臣、人口が少ないから部隊配置をしなかったという午前中の答弁、これは沖縄県民に対して極めて失礼な答弁だと思いますよ。沖縄県民、謝罪をお願いします。
  260. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 大変不適切な言葉でございましたので、心からおわび申し上げます。
  261. 佐藤正久

    佐藤正久君 特に沖縄の方に対しては、戦前のこともありますから、いろんなことでやっぱり配慮しないといけない。今回、大臣は守り切るという覚悟が大事で、万全の態勢を取らなければ駄目なんですよ。  先ほど、救援部隊を送ると言いました。救援部隊を送るこの法的根拠は何でしょうか。
  262. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 不測の事態があってはいけないということで、災害派遣の準備として救援部隊を派遣するということでございます。(発言する者あり)
  263. 石井一

    委員長石井一君) 救援部隊を派遣することの法的根拠は何かということを聞いておられますので、簡単にお答えください。どうぞ。
  264. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 八十三条の災害派遣の準備ということで派遣をするところでございます。
  265. 佐藤正久

    佐藤正久君 ということは、今回の破壊措置命令とは別だということでいいんですね。
  266. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 別のことでございます。
  267. 佐藤正久

    佐藤正久君 今回、イージス艦、配置するに当たって、私はF15やあるいは潜水艦、護衛艦もやっぱり配置すべきだと思いますけれども、大臣の御見解をお伺いします。
  268. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) PAC3あるいはイージス艦の警護が必要であるということの認識があれば対処をしたいと思っておりますし、前回もその対処はしておるということでありますので、同規模のことについては対処をしていきたいと思っています。
  269. 佐藤正久

    佐藤正久君 F15、潜水艦、これが大事だと思いますけれども、いかがでしょうか。(発言する者あり)
  270. 石井一

    委員長石井一君) 静粛に願います。
  271. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) もしもし、もしじゃない……(発言する者あり)いや、失礼いたしました。  当然、もし必要であった場合には、イージス艦あるいはF15の対応というのは当然必要なものであるということでございます。  失礼いたしました。
  272. 佐藤正久

    佐藤正久君 それを……(発言する者あり)済みません。
  273. 石井一

    委員長石井一君) 佐藤さん、真面目にやってください。
  274. 佐藤正久

    佐藤正久君 はい。派遣するための根拠は何でしょうか。
  275. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) いや、ちょっと質問の方が、イージス艦のためにF15を警備のために派遣すると、そういうことは一般論としてはあるわけでありますし、ちょっと言葉が大変申し訳なくて、もしそういう事態があれば私は考えられることだと思っております。(発言する者あり)九十五条でございます。警備の、九十五条による、九十五条の警備行動であります。
  276. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは、武器等防護は派遣の根拠じゃないんじゃないですか。武器等防護のために派遣するんですか、あらかじめ。
  277. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) ですから、イージス艦は当然破壊行為をするわけでありますが、イージス艦を警護するということでありますから九十五条の武器保護ということで対処するということになるわけであります。
  278. 佐藤正久

    佐藤正久君 それは武器使用の権限であって派遣の根拠とは違うんじゃないですか。
  279. 石井一

    委員長石井一君) 基準であって派遣の根拠ではないと言っておられるが、渡辺副大臣、あなたもこの田中さんの横に座って適切にアドバイスしてください。
  280. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) F15の派遣は、調査研究でございます。
  281. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然分かっていない。調査研究でしょう。設置法でやっているんですよ。自衛隊法ではなく設置法の調査研究で派遣をして、状況においては九十五条の武器等防護でやるということでしょう。  でも、これはおかしくないですか。何でこのミサイル破壊措置命令のときに調査研究で部隊を派遣しないといけないんですか。
  282. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 万全を期すために対処するということでございます。(発言する者あり)  警戒監視は設置法の第四条の第十八号でやっております。その行動の中で調査研究ということで対処するという法的な根拠になるわけでございます。
  283. 佐藤正久

    佐藤正久君 だから、やっぱりそれはおかしいんですよ。  本来であれば、本当に国民の命を守るために破壊措置命令をやっている。それに付随する救援部隊は災害派遣の準備とかあるいは調査研究でやって、場合によっては武器等防護でやる。これはやっぱり法的にしっかり整備すべきだと思いませんか。
  284. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) その点は度々国会でも議論があったところだと思います。更に国会議論を深めていただきたいと思いますし、私の方の対応につきましては、今、防衛省で研究会を発足させるということにしておりますので、研究を進めてまいりたいと思います。
  285. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、このイージス艦の部隊とF15の部隊と救援部隊、これ、手当はどうなっていますか。
  286. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 突然の御質問であります上に自衛隊としての身分にもかかわることでございますので、今日はちょっと御説明ができませんが、検討をというか、決まっておるのであればそれはまたお知らせを申し上げたいと思います。
  287. 佐藤正久

    佐藤正久君 大臣、全然真面目にシミュレーションやっていませんよ。みんな手当が違っちゃうんですよ、法的根拠が違うから。全然違うんですよ。一体となって部隊で行動しないといけないのに、派遣する根拠がみんな違うんですよ。これ、一体性を取れ、しかも手当も変わってくる、おかしいと思いませんか。防衛省でやっぱりこれは見直すと言ってくださいよ。
  288. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 現行法で対処できるということは対処してまいりたいと思いますが、確かにいろいろな憲法の問題、そしてまた各法律上の問題があるわけでありますが、そういうところで差が付いたということであれば、公平の原則もあるわけでありますから、更に研究を重ねたいと思っております。
  289. 佐藤正久

    佐藤正久君 もう一つ国民の疑問の一つは、今回、災害派遣で対応すると言いましたよね。弾道ミサイル対処のときは国民保護等派遣もできるんですよ。何で国民保護等派遣をやらないんでしょうか。
  290. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 先般の安全保障会議で、政府として今回この対応をするということで決定をいたしたところでございまして、それ以外のことについては議論になったところではございません。
  291. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然理由答えていませんけれども、大臣国民保護法制の弾道ミサイル対処、読んだことありますか。
  292. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 国民保護法は読んだことはございますが、今回については適用していないということでございます。(発言する者あり)いや、検討の俎上には上がっておりません。(発言する者あり)
  293. 石井一

    委員長石井一君) 田中直紀君。
  294. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 国民保護法の派遣については、前提が武力攻撃事態あるいは緊急対処事態ということの認定が必要なわけでありますが、今回についてはそういう認定をしておらないということで、この適用はしないということでございます。
  295. 佐藤正久

    佐藤正久君 だから、三年前もこれは大きな問題になったんですよ。弾道ミサイルは緊急対処事態で対応できるんですよ。災害派遣は非常に弱い。上から落ちてくるかもしれない、そのときは、どうしても国民の立場からすると、国民保護等派遣ということもやっぱり議論しないといけないんですよ。  今言ったこの弾道ミサイル対処あるいは人工衛星対処、これは本当に今、法のやっぱり整理をもう一回やらないといけないところなんですよ。大臣、どう思いますか。
  296. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 緊急事態対処の中で国民保護の法の整備もされてきたところでございますし、確かに今回はいわゆる人工衛星と称するミサイルでございまして、私は前回の事例も考え、検討をしながら対処をしていくということで考えておるところであります。
  297. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは大事な話なんです、この話は。大事な話なんです。検討してって。つまり、政治家として大事なんですよ、これ。現行法制の問題点なんです、これは。(発言する者あり)
  298. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 問題意識を持って研究会で更に深めていきたいと思います。
  299. 佐藤正久

    佐藤正久君 この問題、非常に大事な問題なので、是非ともしっかりと法的に詰めてください。  それと、今回どうしても、私のところにも来る疑問の一つに、今回十六高射隊のうち八個高射隊使っていますよね。なぜ東京の方には配備をして、経済の中心の大阪の方には配置しなかったのか、答弁をお願いします。
  300. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 今回は、南西地域ということで最優先で配備をいたしました。そしてまた、首都圏には対応するということでありますが、基本的にはイージス艦で破壊するという手段もあるわけでありますので、PAC3の配備については対応を決定したところでありまして、そういう面では、当然、全国でそういう首都圏のみならず手の届かないところがあることはやむを得ない、否めないわけでございますが、私は、今回の対応はまずはこれで……(発言する者あり)否めないですね、まずはこれで対処するということの方針を決めたわけでありまして、この方針で私は対処できると思っております。
  301. 石井一

    委員長石井一君) 質問者は、なぜ東京に配備したのになぜ大阪に配備していないのかと聞いておるわけですから、それはもうそのまま答えていただいたら結構です。どうぞ、田中大臣
  302. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 今般の弾道ミサイル等の破壊措置命令においては、北朝鮮が発射する人工衛星と称するミサイルが、万が一我が国に向けて飛来する緊急の場合に備え、北朝鮮が通報した二か所の落下地域を結ぶ飛翔予定経路下とその周辺にある宮古島、石垣島及び沖縄本島にPAC3部隊を配備することとしたわけでございます。  基本的には、南西諸島を除く地域については落下する可能性はほとんどないと考えておりまして、政治経済の中枢機能が集中している首都圏については念には念を入れてPAC3部隊の配備を行ったことでございまして、具体的にはその落下する可能性はほとんどないという前提の下に配備を見送ったということで御理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)
  303. 石井一

    委員長石井一君) まあ、大体答えたんじゃないですか。  それじゃ、なぜ大阪に配備しなかったのかということについてシンプルに答えてください。
  304. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 落下する可能性がほとんどないというふうに認識をしたところでございます。
  305. 佐藤正久

    佐藤正久君 それじゃ、やっぱり説明になっていないんですよ。政治経済の中心の首都圏に置いたわけでしょう。三年前はまだPAC3は数が足らなかったんですよ。今回、十六高射隊整備されているんですよ。八しか使っていない、残り八あるんですよ。なぜ大阪に配備しないんですか。
  306. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 前回と同様に、その可能性のあるところに、そしてまたプラス首都圏ということで決めたわけで、前回どおりということなんです。ですから、確かにそれは、御要請があればと思いますが、具体的にもう決定したところでございますので、今は落下する可能性はほとんどないということの前提で配備をしたところでございます。(発言する者あり)
  307. 石井一

    委員長石井一君) 静粛に願います。
  308. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 御要請があればというのは取り消します。失礼しました。取消しさせていただきます。  既にこれで決定をしておるという……(発言する者あり)ですから、落下する可能性がほとんどないと考えたところでございますから。その理由でございます。(発言する者あり)
  309. 石井一

    委員長石井一君) しかし、おおむね答弁しているんじゃないですか。だから、それは可能性がないと判断しているんです、現時点で。まあまあ、この程度の答弁でパスさせてやりたいですね。  それじゃ、もう一度。
  310. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 前回の例に倣ったというのが一つでありますし、落下する可能性がほとんどないというふうに考えたということで、このように配備を決定させていただいたわけであります。
  311. 佐藤正久

    佐藤正久君 前回と違うんですよ。整備したんですよ、一生懸命、予算付けて。で、十六のうち八しか使っていないんですよ。同じ経済の中心の大阪になぜ配置しないのかと。八個あるじゃないですか。
  312. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 飛行の、飛来するそのコースを考えて配備したと。そして、前回は配備いたしましたので、東京にですね、したということでございまして、それ以上のことは、今言いましたように、落下する可能性がほとんどないということで今回は配備をしなかったということでございます。(発言する者あり)
  313. 石井一

    委員長石井一君) ちょっと速記を止めてください。    〔速記中止〕
  314. 石井一

    委員長石井一君) 速記を起こしてください。  それでは、防衛大臣田中直紀君の答弁を求めます。なぜ大阪に積み残したのか、やらなかったのかということについてお考えを願います。どうぞ。
  315. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) お話のようなことでありますが、これは統幕の方で、この対応に、北朝鮮問題についての対応はこの配備をするということでありますし、そしてまた今まで配備してきたものについては、統幕の方でそういうおそれがあることのそのことで対応しておるということでありますから、今回は、私が申し上げましたように、私の方で判断しているのは、落下する可能性がほとんどないと考えておるということで配備をしなかったことで了解をしたところでございます。
  316. 佐藤正久

    佐藤正久君 何か統幕が決めたら、それをただ大臣は言うんですか。文民統制、おかしくありませんか。しっかり今回公表した以上は説明してくださいよ。
  317. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) いや、統幕の方で当然案を決めてきたわけでありますが、その中で、私は、落下する可能性がほとんどないということと、東京に配備することは、首都圏、前回もしておるということもありまして、これは例外的に配備したという、踏襲して配備したということでありますので、基本的なことは、落下する可能性がほとんどないということで私が判断をして配備しなかったということでございます。(発言する者あり)
  318. 石井一

    委員長石井一君) もう一度、田中防衛大臣
  319. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 結論的には、使わなかったのは、必要がないという判断で使わないということでございます。
  320. 佐藤正久

    佐藤正久君 だから、それじゃ納得できないですよ。  普通、八十二条の三の三は公表しないんですよ。公表した以上は説明しないといけないんですよ、大臣は。可能性がない首都圏の方に配備をして、大阪に配備しない。自衛隊の計画は、首都東京と大阪、そこは政経中枢として押さえているじゃないですか、ほかは。なぜ今回は置かないのか、明確にお願いします。
  321. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 前回のことを言って申し訳ございませんが、首都圏でありながらも首都機能ということで前回も配備をしたというふうに認識をいたしておりますから、そういう面では、差別を付けたわけではございませんが、東京に前回どおり配備をしたということで、その条件の下に私は了解をしたところでございます。
  322. 佐藤正久

    佐藤正久君 もうこれ以上言いませんけれども、せっかく整備したんですよ、なぜ使わないか、理由、この辺りはもっと明確に答弁をお願いしますよ。それじゃ、みんな納得しません。みんな一生懸命整備してきたんですから、ここまで。  私は、大臣では、この人工衛星対処どころか、弾道ミサイルに至っては私は対応能力はないとつくづく思います。  では、次、PKOについて議論を進めます。  まず、PKOの五原則、これについて議論をしたいと思います。  シリアの反アサド勢力、このシリア国民評議会、これを大臣はどのように評価していますか。
  323. 石井一

    委員長石井一君) シリアの国民評議会。田中防衛大臣、分からなかったら、そのように答弁してください。田中直紀防衛大臣
  324. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 国民評議会につきましては、各国が、承認しておる国もあるわけでありますけれども、今の状況ということで、なかなかその正統性が浸透しておらないという状況ではないかと思います。
  325. 佐藤正久

    佐藤正久君 今、まさにシリア情勢が非常に今混沌としているんですよ。  じゃ、このシリア国民評議会、これは国に準ずる組織でしょうか。
  326. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 一概にはそのように認識するわけには今の状況ではいかないわけでありますけれども、この正統性については、私は理解していかなければいけないと思っています。(発言する者あり)
  327. 石井一

    委員長石井一君) 田中防衛大臣、これはイエスかノーかでいいんですから、どうぞ。
  328. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 今のところは国という認識ではございません。(発言する者あり)国に準ずるわけではございません。
  329. 佐藤正久

    佐藤正久君 でも、日本政府は、四月一日にこれは正式に承認したんじゃないですか。(発言する者あり)
  330. 石井一

    委員長石井一君) 時間もありますから、適宜副大臣答弁させてはいかぬですか。(発言する者あり)  田中防衛大臣
  331. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 外務省に確認しましたけれども、しておらないということでございます。
  332. 佐藤正久

    佐藤正久君 これ非常に多く、日本も参加したフレンズ会合で会合全体としては承認しているんですよ、四月一日に。  それで、これは今シリアの国内で、これが仮に国に準ずる組織であれば、これは国際紛争の一端というふうにみなされますか。(発言する者あり)
  333. 石井一

    委員長石井一君) それでは、田中防衛大臣
  334. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 国際紛争の主体となればそういう対応になるわけでありますが、今のところその対象になっておりません。
  335. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは、四月一日のシリア友人会合で反体制派の国民評議会をシリアの代表として承認しているんですよ、一日に。シリアの友人会合としては。  だから、国又は国に準ずる組織、国準というのはどういう基準をもって国準とするんでしょうか。
  336. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 国際紛争の主体となるということでありますから、準ずるというのはその実態がそういう状況になっておるということだと思います。
  337. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは、今までの答弁では、組織性とか計画性とか国際性とかいろいろあるわけですよ。これはかなり、今非常に国準に近い形になっているんですよ、アメリカ等も認めていますから、既に。  じゃ、アサド政権とこの国民評議会、この関係をどういうふうにとらえていますか。
  338. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、今は対立をしておるところでございますが、国連においても、やはり各国がこの紛争状態という中にあって外交的に苦労をしてきておるところでありますから、更なる国連の努力あるいは関係諸国の対応というものもあると思います。  だんだん長引いてきますと、各諸外国も非常に懸念を表明してきておるというのも聞いておるところでありますから、早く外交的に解決がされることを望んでおるところでございます。
  339. 佐藤正久

    佐藤正久君 これは仮に国準として、そうした場合、紛争が活発化したと、これは、PKO派遣という観点では大臣はどのように整理されますか。
  340. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、PKO参加五原則に抵触するという事態になれば、このPKO派遣についての対応というものは手順に従って検討していかなきゃいけないというふうに思っております。
  341. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、シリアの国民評議会とアサド政権の対立が五原則のどれに抵触するんですか。
  342. 石井一

    委員長石井一君) では、渡辺副大臣に一遍答えさせましょう。渡辺副大臣
  343. 渡辺周

    ○副大臣(渡辺周君) このUNDOF派遣の五原則からいきますと、シリアとイスラエルの間でございますので、今、アサド政権と反政府側が今対立状態にあるということは、このPKOの遂行の上においては五原則に抵触するかと言ったら、しないと。この議論については我々も今やっておりまして、省内でですね。ただ、五原則でいきますと、省内の今議論しているところでございますけれども、今現状においては抵触するとは言えないということでございます。
  344. 佐藤正久

    佐藤正久君 官房長官は十二月六日の委員会で、武力紛争が発生していないという状況がPKO五原則の前提だと言っているんです。じゃ、これが、紛争が激化したら、これは撤収ということになるんでしょうか。
  345. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) PKO参加五原則に抵触をしておるという状況、あるいは紛争が激化してPKO活動が非常に危険にさらされると、こういう事態であれば、当然関係者のところで協議が行われるわけでありますし、私も注意深くこの状況を今見ておるところでございます。
  346. 佐藤正久

    佐藤正久君 今PKO部隊はダマスカスの方にも行っているんですよ、自爆テロ等が発生した。これは、じゃ、どういう状況になったらこれは中断ということになるんでしょうか。
  347. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 御指摘のとおり、部隊は、水をダマスカスの方に取りに行っておる、あるいはガスの輸送もしておるわけでありますが、先週、私が報告を受けておりますのは、水の搬送については、今のところ紛争の危険な状況というものは身近にはないということで無事搬送が終わったと、こういうことでございますので、先週は特に問題がなかったという報告を受けておるところでございます。
  348. 佐藤正久

    佐藤正久君 全然整理していないようですけれども、これは非常に、今PKO法改正、見直しのときの五原則の適用と武力紛争の関係、あるいは停戦の受入れ合意、あるいは中立性、これは非常に合っていない部分がいっぱいあるんですよ。これについて、大臣政府としても見直すということは考えていませんか。
  349. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 確かに、南スーダンにおきましても紛争当事者がいないという状況の中で派遣をいたしておりますが、しかし、国情というのは、まだまだ国づくりをしながらも散発的に不穏なところもあるわけでありますから、私は非常に、PKO法に基づいて二十年、今日を迎えているわけでありますが、実態に合わせた法の対応というものは当然必要でありますが、やはり日々、これ国際協力でございますので、派遣しておられる方、派遣しておる部隊がまずは安全に活動できるような、そういう状況をつくり出すということが最優先だと思っておりますが、当然見直していくということは研究の課題であると思っておりますし、私も勉強会で対処、対応していきたいと思います。
  350. 佐藤正久

    佐藤正久君 最後に、F35について一つ二つ聞きます。  大臣衆議院の予算委員会の中で、将来、新たな機種選定も視野に入れなければならない状況が起きるかもしれないと言っていました。どういう状況になったら取りやめるんでしょうか。
  351. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) F35の件につきましては、提案書の内容を厳守するということが前提で今アメリカと交渉をいたしておるところでありますから、当然、納期そしてまた価格というものは守っていただかなきゃいかぬということで、先週も防衛省からアメリカに人を派遣をして、そして対処をしておりますので、やはりその価格、納期が守られないということが一つ、そしてまた、理由なき価格の変動と、こういうことがあった場合には、当然、これは仮契約のような状況でありますけれども、これから本契約に臨むわけでありますが、こういう提案内容が履行できないという条件になりましたら、当然契約はなかなか難しくなるというのは間違いないわけであります。
  352. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、価格が高くなったらやめる。価格が高くなってもF35でいくという覚悟はないということですね。
  353. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) いや、もう当然価格は守ってもらうということでありますし、いろいろ報道はされていますが、そういうことはないということでアメリカの方から確約を取っておるところでありますから、そういう万が一のことは一切考えておりませんが、しかし、価格の問題については、正当な理由がなければこれは認めるわけにいきませんから、そういう条件下の中で契約を進めていこうということで努力をしておるということでございます。(発言する者あり)いや、正当な理由がなく価格が高くなったら、それは当然やらない、契約はいたしません。
  354. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、納期も同じですね。
  355. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 納期もそのとおりでございます。
  356. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、米空軍の今F35のIOC、この状況どうなっているか存じていますか。
  357. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) IOCについては、最大で二年間先送りされるとの予想を提示していますが、この度米国防長官が議会に提出した報告書において、具体的な時期は未定と記載されておるところでございます。二〇一七年までに納入されることがこの前提でございますので、その変更はございません。
  358. 佐藤正久

    佐藤正久君 アメリカは、量産確認試験は一九年度以降なんですよ。IOCも、それも今未定になっているんですよ。ということは、ブロック3じゃないものが入ってくるかもしれないし、また、試作段階のものが入ってくる。これ、本当にいいんですか。
  359. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 交渉でブロック3を入れるように交渉をいたしておるという報告を受けております。
  360. 佐藤正久

    佐藤正久君 じゃ、終わりますけれども、とても大臣の下で人工衛星対応、弾道ミサイル対応できないと私は確信しました。  以上で終わります。
  361. 石井一

    委員長石井一君) 以上で佐藤正久君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  362. 石井一

    委員長石井一君) 次に、山田俊男君の質疑を行います。山田俊男君。
  363. 山田俊男

    ○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。  残念ながらその席が空いていまして、総理がおいでにならないというのは残念でありますけれど、しかし、それぞれ閣僚、顔を見ますと、いつ総理になってもいいという覚悟の皆さんでありますから、ちゃんとその決意で臨んでいただきたい、こんなふうに思います。  さて、本日はNHKの報道がなかったのは残念でもありますが、しかし、ちょうどよかったんじゃないかというふうに思います。  昨日のNHKの九時のニュースの報道は余りにもひどかったというふうに思います。どこかから独自に手に入れた資料というふうに言いながら、冒頭からNHKの批判をせざるを得ないわけでありますけれど、一年前か二年前の古い資料を持ち出して、米国は日本の煮え切らない姿勢にいら立ちを示しているというふうに言って、そして野田総理の訪米によるTPP交渉参加の判断を急ぐようあおっているわけであります。  玄葉大臣、NHKに言わせたのですか。
  364. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) そういうことは絶対にございません。
  365. 山田俊男

    ○山田俊男君 委員長、キャスターの大越さんがワシントンに行きまして、その上でさらに、現地のワシントンの記者から、連休に訪米して、日本の覚悟のほどを見たいと、米国は、野田総理は正しいことを主張し、実行力のある人だと評価しているとまで言わせているわけです。  どうですか、つい数日前からどうも連休中に総理は訪米するんじゃないかという情報が伝わってきたんですが、その日程はもう確定しているんですか。
  366. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先ほど猪口先生質問にもお答えしたんですけれども、連休含めて訪米を考えているところでございます。
  367. 山田俊男

    ○山田俊男君 ともかく、いら立ちを隠さないでいるなんていうことをそれこそ言わせる、とんでもない報道でありまして、それも資料が、古い資料を持ち出して、いかにも新しく手に入れたような顔をしてそれで言わせている、とんでもない判断であります。  私も訪米しましたが、しかし、その際言っているのは、議会人であったって、TPPはオバマの貿易政策でしかない、我々は知らないよと、そう言った上で、さらには、日本に対して聖域なき関税撤廃を求めているということ、信じられないと、我々だって大変大事な、関税撤廃できない作物を抱えているんだよ、こう言っているわけですからね。  これ、極めてNHKの報道は一方的だというふうに言わざるを得ないわけで、二晩、今晩もやるというふうにいいますから、きちっとNHKはバランスを取ってやってくれということをちゃんと申し入れておきたいというふうに思います。どうぞ外務大臣、大変気を付けていただきたい、こんなふうに思います。  さて、こういう雰囲気は前からどうもあったようで、三月の二日の日に、在日米国商工会議所が主催するビジネスサミットに行きまして、そこで総理は挨拶されているんです。  日米同盟は世界の安定と繁栄のための公共財だ。私は、これは基本的には賛成です。その後が良くない。特に経済面では、この地域の更なる成長の実現やFTAAPの形成に向け、日本は米国と緊密に協力し、ルールメーキングにおいて主導的な役割を果たしていきます。現在、日本は米国や他の国々とのTPP交渉参加に向けた協議を進めており、私は、これらの協議に対する米国の官民、各界の御理解と御協力をいただきたいと思います。米国と手を取り合い、開かれた自由なアジア太平洋地域の要であり続けるよう引き続き努力をしていきますと挨拶されているんです。  もう、この予算委員会でも議論になっていますビートルズのポール・マッカートニー、ジョン・レノン、これ二人で共演するみたいな話と全く同じだ。もうその雰囲気でおいでになるわけですが、原稿を一体これはどなたが、どこの省庁が書いたんですかね、外務大臣
  368. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 外務省でございます。
  369. 山田俊男

    ○山田俊男君 枝野経産大臣、あなたもこのビジネスサミットに行っておられるわけでありますけれども、その際、今申し上げたような独立国の総理として余りにへりくだった対応だというふうにお思いになりませんか。
  370. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 直接、総理の御発言をお聞きをしておりませんし、前後の文脈や全体の雰囲気分かりませんので、何ともお答えしようがありません。    〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
  371. 山田俊男

    ○山田俊男君 TPPについては、そもそもオバマ大統領から最初申入れがあって、それに菅総理が乗ったというふうに一般的に言われているわけです。しかし、その後の姿勢として、野田総理ないしは野田政権は、情報を得て国民議論を行い結論を得る、センシティブ品目に配慮し、国益を踏まえ取り組むというふうに整理していたはずでありますが、全く、今のような姿勢は、国民的な議論を忘れて、そしてただ交渉参加に向けて妥協に妥協を重ねるような姿勢として受け止めているんですが、いかがですか、玄葉大臣
  372. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今おっしゃいましたように、関係国との協議に入ると、こういうことでございます。最終的に国益を踏まえて結論を出すと。  先ほど、例えば米国の官民に理解と協力というのは、まさに関係国との協議に入っている、そういう米国の今情報も収集をしている、理解と協力がどのくらい得られるか、そういうことも全て含めて最終的に国益をもって判断をする、結論を得るということをそこは言っているにすぎないというふうに思います。
  373. 山田俊男

    ○山田俊男君 古川大臣、今、全国各地でシンポジウムがなされているわけですが、政府はきちっと情報を示すことになっているんですか、お聞きします。
  374. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 三月まで全国九か所で全国地方新聞社連合会等が主催したシンポジウム、参加をさせていただいておりましたが、政府の方で。これについては、これまで得ている情報についてできるだけ中立公正な形で情報提供に努めてきたところでございます。
  375. 山田俊男

    ○山田俊男君 国民皆保険の制度について大変懸念があるわけですが、これについては、古川大臣、どんなふうにシンポジウムでおっしゃっているんですか。
  376. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 国民皆保険については、これは総理の方からも、これはしっかり最初に断固として守っていくということをきちんとこれもお伝えもさせていただいております。また、実際にこの国民皆保険については、これはアメリカ側の方からも、アメリカから他国に求めているわけでもないし、そうしたものを求めるつもりもないと、そういう発言も出ていると、そのこともお伝えをさせていただいております。
  377. 山田俊男

    ○山田俊男君 古川大臣、米国のUSTRの関係者が、TPPはどういうものかを見るときには韓米FTAをどうぞ御覧くださいというふうに発言があったということについては御存じですか。
  378. 古川元久

    国務大臣古川元久君) そういう話があったということは承知をいたしております。
  379. 山田俊男

    ○山田俊男君 とすると、今の国民皆保険の仕組みにつきましても、韓米FTAの実情を見ると、韓国の国民全体が心配しているわけですね。我々が見ても、自由診療のそれこそ病院を特区に建設するという話になったら、これはまさしく国民皆保険に影響を与えるじゃないですか。シンポジウムの説明は必ずしも不十分だったんでしょう、そうじゃありませんか。
  380. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 今得ておる情報についてはきちんとお伝えしておりますので、不正確だというふうには考えておりません。
  381. 山田俊男

    ○山田俊男君 鹿野大臣、GMOの食品の表示問題についても議論が出ていまして、これについては議論の対象外だといって古川大臣答弁されているんです。そういう整理でいいんですか。
  382. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) あらゆる問題、遺伝子組換えのことについてもこれは議論をしていかなきゃならないと、こう思っております。
  383. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうです。鹿野大臣、よく御存じのとおりで、TPPの交渉の中においては、九か国との間ではそんな議論していませんよといってアメリカが言うかもしらぬ。しかし、現にアメリカから様々な形で、対日年次改革要望書だったり、さらには貿易障壁の報告書であったり、様々な形がもう既に日本に来ているじゃないですか。そういう課題も抱えているということは、これは古川大臣、御存じなんじゃないんですか。
  384. 古川元久

    国務大臣古川元久君) TPPについての今までの、今現在三か国の中でどういう協議が行われているか、それについての情報を収集して、収集できた情報を、できるものはきちんとお示しをしていくということでやっているわけでございます。その中で、TPPの交渉の中で、現在のところ、そうした遺伝子組換えの食品の問題が議論されていることはないと、そういう情報は得ておりますので、そうした状況をお伝えをさせていただいているということでございます。
  385. 山田俊男

    ○山田俊男君 鹿野大臣、もう一度聞きます。  今のような古川大臣の言いぶりで、本当にみんなが心配しているGMO食品の表示問題、そういう整理でいいんですか。
  386. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 遺伝子組換えの問題についてアメリカ側から言及されるということでありますならば、当然いろいろそのことについてはこの議論をしていかなきゃならないと、こういうことだと思います。
  387. 山田俊男

    ○山田俊男君 もう様々な形で日本にその要求が来ているわけですから、TPPの交渉と、それと二国間の交渉が様々な形で入り交ざって要望が来ているということをちゃんと御存じのはずなんですが、外務大臣、いかがですか。そういうことでしょう。
  388. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 米国については、今、山田委員がおっしゃったとおり、もうTPPの前の話、以前に、ずっと日米経済調和対話とか、その前はまた構造協議だ、もう様々この間不断にあるというふうに申し上げてもよいのではないかというふうに思います。
  389. 山田俊男

    ○山田俊男君 民主党のプロジェクトチームで今様々な議論があって、党内の意見集約をするという動きがあるやに聞いているんですが、これは古川大臣、よろしいですか。
  390. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 今、党の経済連携PTにおきまして様々な議論が行われている、私ども政府としてもこれまで得た情報を適時適切にこちらのPTの方にお示しをさせていただいていると、そういうところであることは承知をいたしております。
  391. 山田俊男

    ○山田俊男君 どうもそこでの議論で、党の意見を集約するのと、更にそのことを政府の態度決定にするかどうかについては別の問題だという議論がなされているやに聞いているんですが、その点についてはいかがですか。
  392. 古川元久

    国務大臣古川元久君) これは、PTにおきまして、党の方のPT座長代理であります櫻井議員の方から、交渉の参加の是非について党の意見集約を行うが、交渉事への参加について党が政府を拘束することはできないルールとなっていると、そうした旨の発言があったことは承知をいたしております。
  393. 山田俊男

    ○山田俊男君 玄葉大臣、前内閣のときに玄葉大臣は国家戦略大臣と政調会長を兼務されていたんですね。政府と党は一体運営だということで整理されていたんじゃないんですか。おかしくないですか、今の整理は。
  394. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今、政府・与党の政策決定システムは、試行錯誤をしている状況です。それはつまり、政権交代をしたときには、つまりスピーディーな意思決定という面と二元構造になってしまうのではないかという面と考慮して、政策調査会すら実はなくなったと、こういう経緯があります。それではいけないのではないかということで、菅内閣のときに私が、今おっしゃっていただいたように兼任する形で、言わばスピーディーな意思決定と二元構造を一元化するということを担保したと。  ただ、これはもう兼任って本当に大変でございまして、ねじれという状況もございますし、三党協議だ云々ということもございまして、今回のような改めて事前審査をすると。ただ、今私はなかなか厳しい質問だなと思いながら聞いておりましたけれども、多分、私の推測では、今の政策意思決定の仕組みは、法案予算については政調が事前審査をすると、こういうことなのではないかというふうに思っています。
  395. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうすると、TPPの問題は事前審査の対象じゃないという整理なんですか。
  396. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今おっしゃっていただいたようなことの理解の下で、恐らく櫻井座長が、座長代理ですかね、そういう発言をされたのではないかというふうに推測いたします。
  397. 山田俊男

    ○山田俊男君 議会制民主主義を取っているわけですから、だからこの点については党の意見があるということであれば、その党の意見をどう政府・与党の政策に反映するかというのは当然のことなわけでしょう。それじゃなきゃ、また、選挙で党がマニフェストを掲げていても、そのマニフェストは作った政府に影響を与えないんだみたいな話になったらとんでもない話になるじゃないですか。  TPPは、当然のこと、党内の意見集約した上で政府に反映するということでいいですね。
  398. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 先ほど玄葉大臣からお答えをさせていただきましたように、党の事前審査、これがよくされるのは法案とか予算であるということでございます。そういった意味では、この経済連携の、これまさに行政府として条約の交渉に入るか入らないかという話でありますので、そういった意味では、それは党の事前審査が必要なものではありません。  しかし、このTPPの問題については、これは昨年もこの民主党の経済連携PTの提言をいただいた上で、その上で野田総理が熟慮して、また政府・民主三役会議を断続的に行い、さらには関係閣僚とも断続的協議を行った結果として、昨年十一月十一日に野田総理が記者会見において、TPP交渉参加に向けて関係国との協議を開始し、各国が我が国に求めるについて更なる情報収集に努め、十分な国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立ってTPPについての結論を得ていくとの方針を打ち出したところでございます。  そういった意味では、政府は与党の意見には今までもしっかり耳を傾けてまいりましたし、今後とも、まさに今も経済連携PTでお話を伺っているのも、まさにそういった意味で党の様々な意見を伺っていくということでございますので、そういった意味では、党の意見意見として私どもも真摯に伺ってまいりたいというふうに考えております。
  399. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうすると、党の議論を踏まえて、そして関係閣僚会議なのか閣議なのか、政府は一定の方針を決めるというふうに考えていいんですね。
  400. 古川元久

    国務大臣古川元久君) これは、党の御意見は参考には当然させていただいて、そういったものも含めて最終的には政府として判断をさせていただくということになろうかと思います。
  401. 山田俊男

    ○山田俊男君 いや、政府として参考にするというのはいいんですが、関係閣僚会議という組織ありますよね。そこで議論するんですか、しないんですか。
  402. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 今までもこの経済連携、特にTPPに関しましては、TPP交渉参加に向けた関係国との協議に関する関係閣僚会合というものを設置をいたしておりまして、その下でまた幹事会、副大臣クラスです、幹事会も設けて、必要に応じて開催をいたしております。  したがいまして、今後、これの推移に応じて適時適切にこうした政治レベルの会合を開催をして、最終的な判断をしてまいりたいというふうに考えております。
  403. 山田俊男

    ○山田俊男君 今、最終的な判断をしていきたいというふうにおっしゃいましたが、関係閣僚会議開いて、そして交渉に参加するなら交渉に参加する、交渉に参加しないなら交渉に参加しないという判断をちゃんと決めていくという理解でいいんですね。
  404. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 最終的にはそうなろうかと思います。
  405. 山田俊男

    ○山田俊男君 鹿野大臣、鹿野大臣と農林水産委員会で三月の二十二日の日にやり取りをさせてもらったわけでありますが、あのときも、今は協議しているだけであって交渉に入っているわけじゃない、交渉に入るということになれば、当然のこと、しかるべく関係閣僚会議を含めた決議が必要になるというふうに答弁されていたわけですが、その点でいいですね。確認します。
  406. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) まさしく、関係閣僚会議においていわゆる必要な議論がなされて、そして政府としての考え方を示していくということだと、こういう認識を持っております。
  407. 山田俊男

    ○山田俊男君 玄葉大臣、ちょっと見ていましたら首を振っておられたんですが、どうですか、異論があるんですか、おっしゃってください。
  408. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いや、結局、結論から申し上げると、恐らくまだ正式に決まっていないということだと思うんです。つまり、法定上、閣議決定するということではないですよね、法定上ですね。  どういう形でその意思決定をするか。例えば日本とカナダの、例えばですよ、EPA交渉に入る入らないというときに、じゃ、どういう手続が必要かというのは、実は必ずしも何か定まっているわけではないと。そういう意味でどうなのかなと、ちょっとそういう意味でそういうしぐさをしたというだけであって、今、鹿野先生がおっしゃったような関係閣僚会議が開かれるというのは、これは適時適切に開かれるものだろうというふうに思っています。
  409. 山田俊男

    ○山田俊男君 これ物すごく大事なところでありますので、今三人の閣僚からちゃんとやると、適時適切に会議を開くということでありますので、ちゃんと覚えておきますからね、やってください。  さて、もう一つは、その際、判断基準が当然求められるんです。その判断基準をどういう判断基準にするのかということについては議論が進んでいるんですか、進んでいないんですか。これは古川大臣
  410. 古川元久

    国務大臣古川元久君) これは、判断基準というのは今、これまで様々な情報も得てきております。そうした様々な情報を総合的に勘案して、国益の視点に立って判断をするということになろうかと思いますが、基本的なところは、これは総理が昨年十一月の記者会見において申し上げた、世界における日本医療制度日本の伝統文化、美しい農村、そうしたものは断固として守り抜き、分厚い中間層によって支えられる安定した社会の再構築を実現する、それと同時に、貿易立国として今日までの繁栄を築き上げてきた我が国が、現在の豊かさを次世代に引き継ぎ、活力ある社会を発展させていくために、アジア太平洋地域成長力を取り入れていくと述べられた。まさに、こうした我が国在り方を実現をすることができるかどうかと、そうした点に立ってTPPについての結論を得ていく方針でございます。
  411. 山田俊男

    ○山田俊男君 今の古川大臣の言いぶりで考えますと、何でもありということになっちゃうんですよ。  それじゃ聞きますけれども、農産物を始めとする多くの関税撤廃が課題になる品目について、じゃ、どこでそれを読むんですか。
  412. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 関税品目については、このTPP協定におきましては基本的に全ての関税を十年以内に撤廃することが原則になるとされておりますが、これ、今までの情報収集の中でも明らかになってきたのは、最終的に即時撤廃がどの程度になるかとか、段階的にはどれくらいの時間を掛けて撤廃するのか、また、関税撤廃の例外がどの程度認められるかと、こうした点については現時点では明らかでないということが今までの情報収集で明らかになっております。  そういった意味では、私どもとしては、これ、まさにこうした状況を踏まえて、我が国にとって勝ち取るべきものはきちんと勝ち取る、そして政府として国益を最大限実現するために努力していくと、そうした視点で考えてまいりたいと思っております。
  413. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうすると、聖域なき関税撤廃ということについて言われているわけですけれども、関税撤廃品目等について、センシティブな品目に配慮しという場合のセンシティブな品目の配慮ということについて、具体的な中身について、一切議論も判断基準も示さないという態度ですか。
  414. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 今申し上げましたけれども、これはまだ今のTPP交渉の中でどういうものがどういう形になるかというのは非常にはっきりしていないところであります。我が国においては、これは仮に交渉に参加する場合には全ての品目をテーブルに置くことを、センシティブ品目に配慮しつつ置くことを前提としますけれども、それはまさに交渉の中で、本当に守っていくものは守っていく、そうした交渉を行っていくという判断で考えていくべき問題だというふうに思っております。
  415. 山田俊男

    ○山田俊男君 韓米FTAで米が除外品目にできたというのは、交渉の合意の一週間前から二週間前だと言われているんですよ。一体、基準をちゃんと定めないで交渉して、どこかへのめり込んでしまうことになるんじゃないですか。玄葉大臣、どんなふうにお考えになります、交渉する立場として。
  416. 古川元久

    国務大臣古川元久君) これは外交交渉でありますので、今から何をどうするかって、これは手のうちを見せてやるべきものではないと思いますけれども、繰り返し申し上げておりますけれども、協議に際しては、これはやはり守るべきものを守って、勝ち取るべきは勝ち取る、そうした観点で、政府としては仮に交渉に参加する場合は協議に入っていくということになろうかと思います。
  417. 山田俊男

    ○山田俊男君 それじゃやっぱり交渉にならないんですよ。  鹿野大臣、この問題は極めて重要な話なんですが、どんなふうにお考えになりますか。
  418. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 我が政府といたしましては、協議に先立ってその条件を言わばこうですということを設けてやるというふうなそういう考え方でなしに、関係各国がどういうことを我が国に求めてくるかというふうなことをしっかりと把握をして、そして議論をしながらどうするかということを決めていくという、そういう考え方に立っているということでございます。
  419. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうすると、そのレベルからしますと、そのレベル、その考え方からすると、今、一定の方針を出す、判断基準を示す、そういう段階じゃありませんね、到底、今の鹿野大臣のお話からすると。
  420. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 私の認識といたしましては、言わばニュージーランド、オーストラリアもまだ具体的な形でこうだというふうなことは申されていない。そして、アメリカにおきましては、パブリックコメントを掛けて、それに対してどういうふうなことを日本に対して言ってくるかというふうなことについては分析をして、そして時間を少々掛かるけれども分析をしながら、我が国に対して何を求めるか等々言うというようなことの考え方を示されておるということでありますから、まだそういう段階ではないと思っております。
  421. 山田俊男

    ○山田俊男君 玄葉大臣、今の鹿野大臣のお話、進行状況についての御判断、踏まえてみると、この四月の連休、五月の連休に総理が行って、NHKが言っているみたいに、TPP交渉参加の判断を持ってくるみたいな話はあり得ませんね。どうですか。
  422. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 最終的な交渉に参加をするかしないかというその意思の決定、言わば結論を得ていくというのは、時期も含めて、総理含めて関係閣僚で相談をしなければならないと、そういうふうに思っております。
  423. 山田俊男

    ○山田俊男君 枝野大臣大臣はちょっとこれは別の話かななんて聞いておられるかもしれないですが、鉱工業製品についても聖域なき関税撤廃で本当に困る品目があるのは御存じですか。
  424. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 逆にアメリカ側にもあるようでございます。
  425. 山田俊男

    ○山田俊男君 とすると、そういう情報をしっかり得て、その上で的確な判断基準を持って臨まなきゃいかぬということでいいんですよね。枝野大臣、もう一回聞きます。
  426. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) しっかりと国益を守る、あるいは国益のためにプラスになるというようなことが関係閣僚等の間で一致ができるということが必要だと思っております。
  427. 山田俊男

    ○山田俊男君 そうしますと、玄葉大臣、お聞きしますが、四月に総理が、桜の件もあるでしょうが、行きますよ。NHKが言うように、場合によったら交渉参加を持ってきますよというような状況、さらには党が一定の意見集約しますよというような流れの中でこの一か月、物事が進むというふうには考えられませんね。それでいいですね。
  428. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これは、本当に私の一存でここで申し上げるわけにはいかなくて、まさに関係閣僚でしっかり相談をして、時期も含めて判断をしなきゃいけないというふうに思っております。
  429. 山田俊男

    ○山田俊男君 自民党が、お手元にお配りしましたが、聖域なき関税撤廃を前提にする限りは交渉参加反対という明確な基準を出しているんですが、この基準について、古川大臣、どんなふうに受け止めておられますか。    〔理事川上義博君退席、委員長着席〕
  430. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 自民党さんの基準については、明確というお話がございましたけれども、私どもとしては、例えばアジア太平洋地域の重要性に関する認識であるとか、幅広い国々との経済連携の着実な推進の必要性であるとか、国民保険制度を守るといった考え方など、我々と認識を同じくする部分もあるというふうに考えております。  そして、御指摘いただいたようなところについても、私どもとしても、それは考え方において、これは国益を守っていくというところでは軌を一にしているところもあるのではないかなというふうに思っております。
  431. 山田俊男

    ○山田俊男君 有力な野党の決定であります。消費税の問題も含めて、今後の国会運営を含めまして、きちっといろんな形で、どんなふうに連携していくのかというのが議論になるわけですから、この問題をおろそかにしないようにしっかり踏まえてもらいたい、こんなふうにお願いします。  さて、小宮山大臣、大変遅くなりまして済みませんでした。放射線審議会において様々な議論があったんですが、この新しい基準値についての大臣の、改めまして、何度も答弁されていると思いますが、お考えをお聞きします。
  432. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 食品の基準値につきましては、事故後、暫定の基準値を設けていましたけれども、今、事故を受けた後の長期的な状況に対応するという意味で、今回新しい基準値を、一つは、食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の指標で年間一ミリシーベルトを超えないように設定をされているということ、また、これは農水省さんなどとも協力をしてモニタリング検査の結果、多くの食品からの検出濃度が時間の経過とともに相当程度低下傾向にある、こうしたことから、より一層安全、さらに安心していただくという観点から、これまで暫定規制値で許容していた年間線量五ミリシーベルトから年間一ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げたもので、この年間一ミリシーベルトにすること自体につきましては、御指摘の放射線審議会でも異論はありませんでした。  一方、放射線審議会では汚染割合などについて附帯意見がありましたが、これは、コーデックス委員会でも放射性物質だけは汚染地域からの食品の占有率という考え方が取り入れられているということから、日本の食料自給率、二〇一〇年度カロリーベースで三九%、二〇一五年度までに四五%を目標としているということ、それからまた、これまでの暫定規制値でも汚染割合を五〇%としていたこと、こうしたことから、流通する食品の汚染割合を五〇%と設定をして、一般食品の基準値百ベクレルを計算をいたしました。  また、乳児用食品につきましては、食品安全委員会の食品健康影響評価、これで小児の期間は感受性が高い可能性があるとされていること、また流通する食品のほとんどが国産品であることも踏まえまして、汚染割合を一〇〇%として、一般食品の半分の五十ベクレルを基準値といたしました。
  433. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣にお聞きします。  この百にお決めになった、さらには乳幼児については五十ということでありますけれども、これは平時のものなのか、それとも、我が国に昨年こうした形で原発の爆発があったということを踏まえたものなんですか、どっちなんですか。
  434. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) これは、やはり昨年爆発があったということを踏まえまして、ですから、申し上げたように、コーデックス委員会などでも放射性物質に関してはそこの地域からの汚染割合を考慮しているということで考えたものでございます。
  435. 山田俊男

    ○山田俊男君 それにしましても、ヨーロッパの基準やコーデックスの基準、一般食品に比べてもヨーロッパでは千二百五十ベクレル、コーデックスでも千ベクレルですね。これに比べて、百ないしは乳幼児の五十なんというのは物すごい低い数字ですね。これ、昨年の事故起こったことを踏まえた数字なんですか。
  436. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) これは、事故を踏まえたと申し上げましたのは、例えば汚染割合、EUと比較しますと、EUが一〇%に対して日本では五〇%で算出をしているということ、それから、食品摂取量が違いまして、EUは成人の年間の食品摂取量である五百キログラム・パー年を基に計算していますけれども、日本は男女別、年齢、年代別の食品摂取量を確認した結果、最も摂取量が多かった十三から十八歳の男性の年間食品摂取量を考慮して七百四十八・八キログラム・パー年を採用している、また、セシウム以外の核種の考慮ということについて、EUは放射性セシウムだけで基準値を計算していますが、日本の場合はセシウム以外の核種も含めて一ミリシーベルトを超えないようにしているというような違いがございます。
  437. 山田俊男

    ○山田俊男君 ヨーロッパは、先ほども言いましたが、それでも千二百五十ですよ。日本は百ですよ、事故が起こったことを踏まえて。  大臣おっしゃいますが、何でヨーロッパは千二百五十で、日本は百なんですか。相変わらず分からないです。
  438. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今申し上げた中にもありますけれども、EUは成人の年間の食品摂取量を基にしています。ただ、日本の場合は、特にこれまでの基準でも安全であるということもしっかりお伝えをした上で、特にお子さんをお持ちの保護者の方などから特に子供のことの安心をというお声もあったので、安全に加えて安心をしていただくために、ただ現実的に、先ほど申し上げたように、農水省ともいろいろ協議をする中で、放射線の線量が低下をしている現状の中から、この基準でやってもほとんどの農作物には影響がないという中でこういう基準を安全プラス安心ということで作らせていただいて、このことの意味合いは、今もやっておりますけれども、しっかりと皆さんに情報をお伝えしていきたいと考えています。
  439. 山田俊男

    ○山田俊男君 ヨーロッパの千二百五十ベクレルに、じゃ子供の基準はあるんですか。子供や幼児の基準です。
  440. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 牛乳などにつきましては子供の基準というのがございますが、食品については、先ほど申し上げたように、成人の男性の年間の摂取量でやっているので、ないかと思います。
  441. 山田俊男

    ○山田俊男君 いずれにしても、大臣のおっしゃるその安心というところについて、一体基準は何なんですかね。ヨーロッパの二十分の一という数字が安心なんですか。
  442. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) ちょっと先ほど牛乳などと申し上げましたけれども、ヨーロッパも乳幼児の食品については子供の基準を設けています。  お尋ねの点でございますけれども、安心ということについて、先ほどから申し上げているように、今回、感受性が高いということやら皆様に安心をしていただきたいということで年齢構成を、特に子供の方に細分化をして年齢構成を分けまして、そういう中で、一番摂取量の多い先ほども申し上げた十三歳から十八歳の男性の摂取量、だから、一番取るとしても大丈夫な範囲ということで、安全の上に安全を考え合わせて安心もしていただこうという基準だということでございます。
  443. 山田俊男

    ○山田俊男君 安全であることにこしたことはないわけですから、私が安全でなくていいんだなんという話はなかなか言えないんです。そんなことは言えない。だから、いいんですけれども、しかし、安全に安心を加えて、大臣のおっしゃる意味で、結果的には多くの関係者に影響を与えているということは御存じなんですか。
  444. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今、農作物作っていらっしゃる方ですとか、流通をさせていらっしゃる方がいろいろな御心配を持っていろいろな対応をされているということは十分に知っております。  そういう意味で、先ほど申し上げた暫定基準値のところでも安全ではありますよと。今回、更に安心していただくために、現実の放射線量の低下などを踏まえて現実的な対応をしながら、より安心していただくための数字ですというようなことを、そういう放射線の健康影響ですとか新基準値の内容、また、地方自治体の検査体制とか検査結果、農業生産現場で放射性物質の低減のための取組を行っていることなどにつきまして、これは説明会をしたり、ホームページを使ったり、いろいろな周知の手段を取ってやっておりまして、この新しい基準値は、福島を始め日本の農畜産物に対する国内あるいは海外での信頼の確保、かえって風評を防ぐことにもつながると考えています。
  445. 山田俊男

    ○山田俊男君 乳幼児の基準は五十にしたということによって、結果的にはもうあらゆる農産物ないしは水産物等について五十を基準にしてずっと動き出しているんです。スーパーなんかもみんなそうしています。だから、そこに物すごい負担が行っているということはお気付きなんでしょうね。
  446. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) それは、おっしゃるとおりのことがあることは承知をしております。
  447. 山田俊男

    ○山田俊男君 このことが、結果的には農林水産大臣、さらには文部科学大臣皆さんに大きな影響を与えるんです。そのことについて両大臣にしっかり頼んでありますか。
  448. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) それは農水省、文科省と、いろいろ関係省庁と綿密に連絡を取り、連携を取った上で今回決定をさせていただいています。
  449. 山田俊男

    ○山田俊男君 徹底した検査体制、検査機器の準備、それから風評被害が起こったときの損害賠償の件、文科大臣、その点お願いします。
  450. 平野博文

    国務大臣(平野博文君) 委員指摘のように、検査体制の問題についてはよりシビアにしなきゃならないということと、もう一つは、基準を見直すことによって賠償の見直しもするのかと、こういうことでありますが、相当な因果関係があれば全て賠償の対象とすると、こういうふうに考えております。
  451. 山田俊男

    ○山田俊男君 その点しっかりお願いしたいというふうに思います。  最後に、これは厚労大臣にまたお願いしたいんですが、中医協における診療報酬の扱い、初めて点数制をたばこの禁煙について入れられましたね。どういう思いですか。
  452. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 平成二十四年度の診療報酬改定では、これは日本医師会の禁煙に関する声明文、ここに医療機関等での全面禁煙の徹底等が盛り込まれていることですとか、受動喫煙による健康への影響を勘案いたしまして、生活習慣病患者、小児、呼吸器疾患患者等に対する指導管理を行う保険医療機関は、屋内全面禁煙を原則とするように要件の見直しを行いました。  なお、屋内禁煙につきましては、緩和ケア病棟等、患者に直ちに禁煙を求めることが困難な場合には分煙で差し支えない等の配慮をさせていただいています。
  453. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣は、全ての事業所に全面禁煙若しくは分煙を求めるという形での労働安全衛生法の改正も、法律で初めて手付けられましたね、喫煙と関連して。そうですか。
  454. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) これは私が手を付けたというより、私がたまたま大臣になったときに労働政策審議会などで審議をしていたものが法案として提出する時期になったということはまず申し上げておきたいと思います。  その上で、事業所の受動喫煙防止対策の取組は進みつつありますけれども、病院とか学校などの公共施設に比べますと、一般の事業所での受動喫煙防止対策の取組が遅れています。こうした背景から、労働安全衛生法の改正法案を提出をさせていただいています。  この改正法案につきましては、いろいろな各方面への影響もあるというような御指摘もいただいておりますので、国会の場で是非議論をいただきたいと考えています。
  455. 山田俊男

    ○山田俊男君 大臣は、厚生労働省の部下が説明に来ても、たばこのにおいがすると、においがするから帰れ、もう来るなとおっしゃっていると聞こえてくるんですが、そうですか。
  456. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 私は元々、前職が声を使う仕事をしていまして、喉が非常に弱いので、たばこの煙があるとせき込んだりとか、個人的に非常にたばこを苦手としておりますので、なるべく来るときにはたばこのにおいのしないで来てくださいということを言っているだけでございます。
  457. 山田俊男

    ○山田俊男君 これで終わりますが、大臣のその思い、分からぬわけでもないんですが、しかし一方で、そのことによってたばこの耕作農家、四〇%、増税も含めて廃作しているんですよ。それから、出てきたたばこの、昨年収穫したものもたばこにできないで、それを廃棄するんですよ。百ベクレルにすることによって、たばこの煙にセシウムはありませんよ、しかし、ないんだけれども、そのたばこの葉に付いた、百ベクレル以上のものについては全部廃棄ですよ。だから、大変困難なことをやっている。福島だけでじゃない、そこの近辺の宮城にしても、それから栃木にしても、山形にしても、茨城にしても、千葉にしても、みんなの多くの農家がこのことによって苦しんでいるということをあなたはちゃんと頭の中に入れて仕事しなきゃいかぬ、閣僚なんだから。  以上、申し上げます。一言、お聞きします。
  458. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、時間が来ております。一言、締めくくってください。
  459. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) それは、たばこ農家のこともしっかりと配慮をしながら、関係省庁とも協議をして進めていきたいと思っております。
  460. 山田俊男

    ○山田俊男君 ありがとうございました。
  461. 石井一

    委員長石井一君) 以上で山田俊男君、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  462. 石井一

    委員長石井一君) 次に、山本博司君の質疑を行います。山本君。
  463. 山本博司

    山本博司君 公明党の山本博司でございます。  本日は、子育て支援策につきましてお伺いをいたしたいと思います。  今回の社会保障と税の一体改革では、消費税収の使い道をこれまでの年金医療介護から子育てを加えた四本柱に改めるとして、高齢者だけでなく子育て世代への支援をうたっております。政府の説明によれば、消費税率五%増税分の使途につきましては、四%、十・八兆円程度につきましては社会保障の安定化として既存の制度の維持に使われ、残りの一%、二・七兆円程度のみが新規の社会保障充実に充てられるとのことでございます。そのうち七千億円程度が子育て支援対策ということであり、これで様々な課題が本当に解決できるのか、疑問な点が多くございます。特に、今回の目玉と言っている三月三十日に閣議決定されました子ども・子育て新システム関連三法案につきましては多くの疑問点があると、こう指摘されております。今日は、基本的な考え方をここで確認をしたいと思います。  まず、この新システムの趣旨、目的につきまして簡潔に答弁をいただきたいと思います。
  464. 中川正春

    国務大臣中川正春君) これからいよいよ御議論をいただくということになってまいりました。よろしくお願いをしたいと思います。  近年の家族構成、あるいは地域のつながりの希薄化、あるいは雇用、将来、非常に不安定な形の中で子供を育てていくということでありますから、それに対して社会全体でこれを支えていくということ、これに基づいたチルドレンファーストという理念によっております。  一つは質を向上させるということで、教育とそれから保育、これを一体化して質を上げるということ、それからもう一つは量を大きく広げていく、そしていろんな類型の選択肢を安定をさせていく、保育の選択肢を安定をさせていくということ、これを目指したものであります。
  465. 山本博司

    山本博司君 これまでも様々な形で議論されておりますけれども、ここで改めて、子供の育ち、子育て家庭を社会全体で支えると、こうございますけれども、この考え方はどういう意味を持っているんでしょうか。
  466. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 様々な議論でありますように、まずは、子育てというものは家庭が第一義的な形で構成されるものだということ、これは基本だと思います。しかし、それが社会の非常にさっき申し上げたような不安定さ、あるいは家庭そのものがそれこそ壊れるというケースも出てきておる。そういうときであっても子供はやっぱり育つんだということ、そのためには社会全体でそれをしっかりと支えていくようなシステムを構築をしていくということ、これが大事であろうということで、両方が両立をしていくような、両立というより、こちらがベースをつくっていって、家庭を中心にした子供の安定した成長というのが見守っていけるような、そういうことを考えて社会全体でということであります。
  467. 山本博司

    山本博司君 もう少し。教育基本法の第十条、「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有する」と、この教育基本法がございますけれども、今回、児童手当法の改正におきましても、基本的な認識、親の責任、これ、確認をしてございます。幼稚園は幼児教育ということで教育基本法の下で想定をされているわけですけれども、今回の法案社会全体で支えるということと、今言いました親の責任、この整合性、どのように取られているんでしょうか。
  468. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 子ども・子育て支援法案によりましても、二条で「子ども・子育て支援は、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭、学校、地域、職域その他の社会のあらゆる分野における全ての構成員が、各々の役割を果たすとともに、相互に協力して行われなければならない。」というふうに規定をしております。そういう意味で、第一義的に責任が親にあるということ、これはこれまでの教育のサイドでの考え方と軌を一にしながら進めているということでございます。
  469. 山本博司

    山本博司君 ありがとうございます。  この子供の育ち、子育て家庭を社会全体で支えるという考え方、進めていくんであれば、働く人の仕事と子育ての両立を支援するワーク・ライフ・バランス、この実現に向けた取組、大変推進する必要がございます。しかし、今回の新システム拝見をいたしますと、このワーク・ライフ・バランス、別途検討するというふうにしておりまして、具体的な検討は先送りされた状態になっております。    〔委員長退席、理事川上義博君着席〕  こうした柔軟な働き方を支援するということと、多様な保育サービスの充実、この両輪がやはり大事でございますけれども、今後、こうしたワーク・ライフ・バランスの実現、どのようにまず厚労大臣は取り組まれるのか、お聞きをしたいと思います。
  470. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 子ども・子育て支援法案では、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けまして、市町村子ども・子育て支援事業計画等で仕事と家庭の両立に係る施策との連携を規定することを市町村等の努力義務とするとともに、事業主自らのワーク・ライフ・バランスへの取組ですとか、国や地方の施策への協力を事業主の責務として規定を法律の中にしています。  今現在でも、厚生労働省としては、短時間勤務制度の義務化ですとか、男性の育児休業取得促進のための制度、こうしたことを盛り込んだ改正育児・介護休業法の周知徹底、また、期間雇用者の育児休業の取得ですとか、育児のための短時間勤務制度等の利用促進、そして、仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備などを進める次世代法に基づく一般事業行動計画の策定、認定の一層の促進、またファミリー・フレンドリー企業の表彰など、いろいろ取り組んでますが、おっしゃいますように、今回、子供の居場所をつくること、あるいは経済的支援をすることの政策の進み方に比べますと、ワーク・ライフ・バランスのところが実質的にまだ効果的な形で働いていないという御指摘はそのとおりだと思いますので、一層力を入れていきたいと思っています。
  471. 山本博司

    山本博司君 やはり、当初の子育てビジョンの中ではワーク・ライフ・バランスの内容はかなり細かく規定はされたわけですけれども、今回の内容ではかなり先送りされている状況でございますので、しっかりその点は取り組んでいただきたいと思います。  次に、具体的な内容に関しましてお聞きをしたいと思います。  今回の新システムでは、施設の一体化と給付システム一体化を進めることで幼保一体化を推進し、二重行政の解消を図ると、こうしているわけでございます。  幼保一体型の総合こども園、二〇一五年をめどに創設することになっておりまして、保育園の大半はこの三年程度で総合こども園に移行することになっております。しかし、幼稚園には移行期間を設けない、こうなっておりますので、現行の幼稚園のまま存続をする形がございます。また、こども園給付の創設で、施設への給付、これは一体化されると、こう思っておりましたけれども、幼稚園の私学助成、これは残されることになっております。  これでは本当に一体化になっているのかどうかという多くの疑念がございます。この点、どうお考えになるんでしょうか。
  472. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 御指摘のとおり、給付の一体化それから施設の一体化、この両方を進めていくということです。それで、この総合こども園という類型をつくることによって、そういう意味では、給付と施設、これは一体化してくるわけですが、御指摘のように、幼稚園については残るということになります。  これ、様々な、いわゆるステークホルダーというか、関係者が一年以上ここのところを議論をしてきたんですけれども、一つは、市町村の地域によって保育の事情あるいは教育ということに対する期待、特に農村部についてはここの部分の様々な議論がございまして、でき得れば、その市町村が地域の実情に応じて幼稚園を含めた多様な施設を計画的に整備するということが仕組みとして類型化していくことも、今の時点では必要なんじゃないかという議論になりました。その上で、最終的には政策誘導をしていきたいと思うんです。幼稚園から総合こども園へ向けて政策誘導をしていくというこの前提の中で今、幼稚園のシステムがしばらくは残るという、そういう考え方でございます。
  473. 山本博司

    山本博司君 これは幼保一体化でなくて幼保五体化とか幼保多元化だとか、様々な形でやっぱり複雑になってしまいました。  やはり、一番これが、皆さん困られるのは保護者だというふうに言われております。よく言われておりますのは、この新制度で一番困るのは保護者ではないかと。複雑な仕組みを理解しなければいけない、保護者の情報力、精神力などで子供の育ちの場が決まってしまうというので大変危惧をされているということも言われております。そういう意味で、非常に、このこども園制度、当初かなり一体化という意味で期待をされたわけですけれども、複雑になってしまっているということが言われております。  そこで、今回の新システム、私学助成が残されました。また、社会福祉法人にも支援の範囲を広げるということで、これは当初の目的、給付の一体化とは違ってきているわけですけれども、この私学助成を残した意味、文科大臣、これはどうなんでしょうか。
  474. 平野博文

    国務大臣(平野博文君) 議員の御質問でございますが、過渡的措置、究極の方向性というのは、先ほど来、中川大臣を含めて御答弁されております。  今、現行の部分で私学助成との関係について御質問でございます。  まず、私立幼稚園に対する機関補助という現行の私学助成につきましては、幼稚園の運営に関する経常的経費の補助の一般補助と、こういう考え方、また各園それぞれ特徴ある、預かり保育でありますとか子育て支援でありますとか、多様なニーズに対応していただくための特別補助と、こういう制度設計で今、現行なっておるわけであります。  今回の新しい新システムにおきましては、現行の私学助成のうちの一般補助という観点におきましては、原則こども園給付に統合をさせていただこうと考えております。また、特別補助のうち、預かり保育や子育て支援に対する補助については、私学助成という考え方ではなく、新しいシステムにおける子ども・子育て支援事業として改めてそこに再構築をすると、こういうことでございます。  一方、特別補助のうち、特別支援教育など多様なニーズに対応する特色ある取組につきましては、幼児期の学校教育を振興すると、こういう奨励的な観点から、引き続き私学助成によって支援をさせていただくと、こういう考え方で残しているということでございます。その際には、学校法人に加え、社会福祉法人が設置されている総合子ども園についても助成の対象とさせていただいているところでございます。  なお、例外的には子ども園の指定を受けない幼稚園が今委員指摘のように残ると、こういうところでございますが、新システムの枠外で例外的に私学助成の対象を継続すると、こういうことで対応したいと思っております。
  475. 山本博司

    山本博司君 今ありましたように、子ども園の枠外で残る幼稚園、これは別の形、私学助成が残るということで、完全的な一体給付ではないというのが現状だと思います。  もう一つ大きな問題というのは、この新システム、当初、二重行政の解消を目指しておりました。ところが、最終案では、所轄官庁が厚労省、文科省だけでなく、内閣府も含まれることになりますから、三重行政というふうに言える状況になっていると思います。今回のシステムの目的、一体何だったのかと、この一体化の意味というのが大変問われているわけでございます。  民主党は、かねてから、この二重行政を解消するために、子ども家庭省の設置、このことを目指しておりましたけれども、いつまでにどのように進めるか、この部分が明らかではありません。民主党マニフェストでもこれを掲げておりましたけれども、この看板に偽りがあると言われても致し方がないと、こういうふうにも言われている形でございます。  この子ども家庭省の設置に伴う検討はどうなっているのか、また、子ども家庭省設置までの間は内閣府の中に統括的な部局を設けるよということでございますけれども、文科省、厚労省の一部の部局をいつの段階から移管させるつもりなのか、この点をお聞きしたいと思います。
  476. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 内閣府に一本化をしていきます。それで、具体的には、先ほどお話のあったように、新システムの本格施行時に、内閣府に子ども・子育て本部、これを設置をするということにしております。それに続いて、子ども家庭省、これの創設を、それぞれ組織全体を見直していく中で議論しながら再編時に実現をするという日程で進んでいきたいというふうに思っております。
  477. 山本博司

    山本博司君 この民主党のマニフェストの中でも子ども家庭省ということを大々的に掲げて子ども手当と両方やっておりましたけれども、海外で一体化が成功した中で、この省という、家庭省という形で省にやったケースはあるんでしょうか。
  478. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 北欧の国など、名前はいろいろございますけれども、子供とかそれから家庭のことを一緒にやる省を持っているところはあります。  それで、今、政府としましても、すぐにはつくれませんけれども、マニフェストに掲げた子ども家庭省をつくっていくということはちゃんと掲げたままそれはやっておりますので、今回は一括的に内閣府に統括をする部分を設けて、先ほどおっしゃった、当初は残る保育園と幼稚園のところも、そこに兼務を掛けていきますので、必ずそこは一体化をいたします。
  479. 山本博司

    山本博司君 部局ということと省とは全く全然次元の違う部分でございます。海外では一体化の成功した形で新しい省庁をつくった例はありません。それほどやはり大変な部分だと思いますけれども、現実的には、今回の新システムの中には、この子ども家庭省に関しての創設が先送りされたという、そういう部分は間違いない部分でございますので、こういう点に関しましても、しっかり、マニフェストに対しての違反だと私は思う次第でございます。  次に、待機児童への対応についてお伺いをしたいと思います。  全国の待機児童数、二万五千人に上がっておりまして、潜在需要は八十万人いるとも言われております。今回の新システムは、待機児童解消につなげること、これを目指しておりますけれども、その効果は懐疑的な見方がございます。待機児童につきましては、都市部を中心に、現状の今の待機児童を減らしても、今言いました潜在的な需要がございますから、イタチごっこでなかなか解消しないというのが現実です。  この待機児童の解消に向けてどのように対応を求めていくのか、お聞きしたいと思います。
  480. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 全国の状況を見ると、地域によって全く逆の傾向が出ているということもあり得るということでありますので、これは保育需要に見合った形でまず計画を策定させるということから始めていきたいと思うんです。  一つは、市町村新システム事業計画、これを策定をして、保育の提供体制の計画的な整備をそれぞれ市町村あるいは県単位の中で考えていくということ、それからもう一つは、指定制度の導入ということでありまして、これまでは認可ということでありましたが、それを指定ということで変えるということで、それぞれ市町村の財政事情等々、これによって認可というのがいわゆる限られてきたというような事情も、この指定という形によって、もう条件を満たせればそれが実現をしていくというような、そういう圧力といいますか、そういう力に変えていくような制度を導入をしていく。それからもう一つは、多様な保育事業、これを推進していくということで、小規模保育事業、これは六人から十九人の定員や、それから家庭的保育、いわゆる保育ママを地域型保育事業として類型化をして公的な財政支援の対象に追加をしていくということ、こういう広がりを持たせて制度をつくっていきたいというふうに思っております。
  481. 山本博司

    山本博司君 余りぴんとこない施策に感じるんですけれども、今大きな問題、幼稚園の問題、園児が減少し廃園に追い込まれていることがございます。この幼稚園が減少している理由、文部科学大臣はどのように分析、認識していますでしょうか。
  482. 平野博文

    国務大臣(平野博文君) 委員指摘のように、確かに幼稚園の施設数は減少傾向にございます。ピーク時は昭和六十年に大体一万五千二百園、平成十年には一万四千六百園、平成二十二年には一万三千四百園と減少傾向にございます。  これは、やっぱり少子化という、こういうことで総体として子供の数が減っているというふうに一つは思っております。二つ目は、やっぱり共働きの世帯の増加により保育園に通う子供さんが増えてきたと、こういうことで、結果的には幼稚園に通う子供さんが減ってきていると、こういうことでございます。  過去のトレンドを見ますと、その分岐点になっておりますのが大体平成の十一年ぐらいがこのターニングポイントで、保育園児が増えていっていると、こういう傾向だと思っております。
  483. 山本博司

    山本博司君 こうした幼稚園の大変な状況の中で、総合こども園に移行しようというこのインセンティブが本当に動くのかというのは大変大きな疑問がございます。  といいますのは、特にこの待機児童の八割が零歳から二歳児の保育でございますけれども、それを総合こども園に義務付けをいたしませんでした。ですから、この部分の施設数が増えないのではないかという、こういう指摘が強くございます。  当然、幼稚園でこのためには施設にお金を、改修しないといけません。保育士も確保しないといけません。調理とか様々な形も、この施設の整備をしないといけません。そういったことが本当にできるのかどうかと、こういう面では多くの幼稚園の経営者方々は懸念されておりますけれども、この待機児童解消のための幼稚園施策の活用策、大臣はどのように考えていらっしゃいますか。
  484. 平野博文

    国務大臣(平野博文君) 委員指摘のように、待機児童の解消と幼稚園の施設をもっと活用したらどうだと、こういう観点からの御質問だと思っております。    〔理事川上義博君退席、委員長着席〕  当然、これは既存の幼稚園を活用して保育の量的拡大を図るには有効な方法であると、こういう認識をしております。このためにも、子ども・子育て新システムにおきましては、新たに幼児期の学校教育と保育を一体的に提供する総合こども園をつくっていこうと、幼稚園が総合こども園に移行することにより、保育を必要とする子供も受け入れ、待機児童の解消に資すると、こういうことでございます。  したがいまして、そういうインセンティブと、こういう考え方でありますが、保育単価によるインセンティブ、あるいは調理室とか施設の支援をすることによって幼稚園の総合こども園化への移行を促進をしたいと、かように思っております。
  485. 山本博司

    山本博司君 幼稚園協会の役員の方々、今回のこの新システム、大変反対をされていらっしゃいます。この二年間近い形で議論をされて、様々な幼稚園に対する支援をされているにもかかわらず反対を表明されている。なお、都心部の方々、実際この幼稚園に移行する際に、じゃ、補助金がどのくらい出るのか、実際移行をするためにメリットとデメリットを考えたときには、実は三千万円ぐらい掛かるというような方々もいらっしゃいますし、そういう部分で不明確なわけですね。見えないわけです。ですから、こういった部分で、総合こども園に移行しようと、こう思いがありますけれども、現実できないというのが私は今の幼稚園協会の方々、幼稚園の経営者方々ではないかという、この危惧をいたしております。  もう一つ、保育園の立場から今度はお聞きをしたいと思います。  この待機児童対策が叫ばれる中で、保育士の処遇の悪さがこれが指摘をされております。年功序列型の賃金体系の公立保育所とは違いまして、民間の保育所に勤務する保育士の給与、大変これは低いのが実態でございます。また、非正規の方々も多い。先日、高知県で保育士の方とお話をしました。十二万円というお話でございました。現実的には、そこではもう二十代、三十代の方も親から自立ができない、このようにもおっしゃっていらっしゃいます。こういう待遇改善ということが大変必要でございます。新システムで保育サービスの量、これを増やしたとしても、保育士の処遇が改善されなければ持続的な質の高い保育環境は築けません。厚労大臣、いかがでしょうか。
  486. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) それはおっしゃるとおりだと思います。保育士の給与は全産業平均の給与に比べた場合かなり低くて、学校を出ても保育士にならない方がある。そういう方たちになっていただかないと、受皿を多くしたいとしているのに、そこに質のいい労働力がないというのは御指摘のとおりで、今も保育所の運営費では保育士の平均勤続年数に応じた給与改善費の加算などを行っていますが、今法案を提出した子ども・子育て新システムでは、職員のキャリアアップとか処遇改善を含めた保育の質の更なる向上を図るために必要な事項について恒久的な財源確保することにしておりますし、また、総合こども園の中では保育士などの配置基準を上げたいと、そのようにも考えているところです。  一言だけ。先ほど、幼稚園協会が反対されているということでしたが、内閣府につくった、一年半私もかかわったので一言だけ申し上げますと、そこには幼稚園の代表も、幼稚園の養護教諭の代表も入っていただいた中で合意をして案を作り上げております。
  487. 山本博司

    山本博司君 先ほどの件を含めて、一任等の問題ということで、幼稚園協会の役員の方は大変憤慨をされたということは事実としてお伝えを申し上げたいと思います。  次に、認定こども園の扱いということでお伺いをしたいと思います。  二〇〇六年から導入されましたこれまでの認定こども園、認定を得るための一定の基準をクリアして子育て支援に取り組んでこられました。特に、地方裁量型の認定こども園、これは認可外の保育施設でございますけれども、幼稚園、保育園の補助等を受けないで大変御苦労される中で、私も何度か全国の園長会の皆様と、内閣、また内閣府とか厚労省に参りました。そうしたこの認定こども園だった施設が今回総合こども園に移行する際にどのような扱いを受けるのか、そうした御苦労が報われるような制度かどうか、中川大臣、お願いします。
  488. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 先ほど申し上げたように、認可から指定という枠組みに変わっていきますので、その指定条件をクリアをしていただくというところ、それからまた、それにまだ満たしていない課題があるとすれば、それを私たちも含めてどのように克服していくかというところ、そんなところをしっかりきめ細かに政策としてつくり上げていきたいというふうに思っております。
  489. 山本博司

    山本博司君 もう是非ともその流れは含めてお願いしたいと思います。  そして、問題は財源でございます。今回、消費税分七千億円程度が充当されるということでございますけれども、給付に必要な年間予算、量的整備に係る財源四千億円、質的整備に係る経費六千億円、約一兆円でございます。これで十分足りるのか、また残りの三千億円は一体どういう財源確保策を検討しているのか、この財源に関してはいかがでしょうか。
  490. 中川正春

    国務大臣中川正春君) そこのところが一つ大事な点だというふうに思います。財務大臣もおっていただきますので、一つ確認をしていきたいと思うんですが、さっきのお話のように、〇・七兆円程度というのが消費税財源ということで前提にしておりまして、あとはそのやりくりの中で、いわゆるこれからの全体的な予算見直しの中でやりくりをしていくということが前提になっております。  ただ、それぞれ関係大臣が話し合った上で、平成二十四年度以降の子どものための手当等についてということで大臣合意というのができておりまして、ここでは、子ども・子育て新システムについては、社会保障税一体改革成案、これにおいて税制抜本改革以外の財源を含めて一兆円超程度の措置を今後検討することとされており、財源確保のために最大限努力を行うということで合意をした上でこれを進めていくということになっております。  そうした意味で、全体のどうぞ議論、税と社会保障一体改革を含めてよろしくお願いを申し上げたいと思います。
  491. 山本博司

    山本博司君 この財源消費税ということでございますけれども、二十七年度の十月から一〇%ということですが、それまでこの待ったなしの、こういう待機児童も含めてでございます、その間の対策はどういう形で対応するんでしょうか。
  492. 中川正春

    国務大臣中川正春君) その間の対策というのは、先ほど申し上げたように、それぞれ関係大臣合意をしたいわゆる認識の中で財源を組み替えて、しっかり確保をしていくということになります。
  493. 山本博司

    山本博司君 非常に消費税頼みといいますか、大変そういう問題が大きいということでございます。  中川大臣、この新システム法案に関しましては修正もあり得るというふうな見解を出されておりますけれども、これは原案には固執しないということでよろしいんでしょうか。
  494. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 担当大臣、あるいはこれを法案として提出をさせていただく立場としては、できる限り野党の皆さんにもこの形を御理解をいただきたい、その努力をして説明をしていきたいと思うんですが、一般的に言いまして、この状況の中ではやっぱり与党と野党がしっかり話合いをしていく、その理解の中で議論を進めていくということが大事だということを申し上げたということでございます。
  495. 山本博司

    山本博司君 じゃ、修正の可能性もあるということでよろしいですか。あるということでよろしいんですね。
  496. 中川正春

    国務大臣中川正春君) まず御理解をいただくということで、よろしくお願いします。
  497. 山本博司

    山本博司君 修正があるということを受け止めさせていただきました。今、やはり大事な子供の問題でございますから、しっかり様々な声を聞いていただいて進展をしていただきたいと思う次第でございます。  次に、この新システムとも関連をします社会的養護ということでお伺いをしたいと思います。  いわゆるタイガーマスク現象から一年が経過をしまして、社会的養護の重要性や課題が明らかになってきております。政府では、昨年の七月に児童養護施設等の社会的養護の課題に関する検討委員会におきまして、社会的養護の課題と将来像について取りまとめが行われました。  そこで、厚労大臣に、最近の要保護児童の推移、また児童虐待の実情ということを御報告いただきたいと思います。
  498. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 全国の児童相談所での児童虐待に関する相談対応件数は、平成十一年度の児童虐待防止法施行前の五倍に増えています。そして、児童養護施設では半数以上の子供が虐待を受けた経験があり、また、およそ四分の一の子供が発達障害ですとか知的障害など何らかの障害を持っていることから、共に専門的なケアが重要となっています。このため、社会的養護の質、量ともの充実が必要だというふうに認識をしています。
  499. 山本博司

    山本博司君 今大臣から報告ございましたように、半数の児童が何らかの虐待を受け保護されているということでございますし、また、四分の一の児童が発達障害を含めた何らかの障害があるということでございまして、この児童の抱える問題が複雑化、多様化して、一人一人の児童に対するきめ細やかな対応が求められているわけでございます。  私も、全国の児童養護施設、被災地の福島とか、ふるさとの愛媛、また四国も回らせていただきました。また、ファミリーホームとか自立援助ホーム、里親の方々からも様々な相談を受けてきておりますけれども、その中で大きな課題は、この児童養護施設であれば職員の人員不足という問題でございます。現在六対一で、二十四時間の交代勤務を行う際には一人で十八人の児童を見るということで、先ほどのような虐待を受けている方、発達障害の方々、これはもう大変ケアすることは難しい実態がございます。  こうした声に対応して、この二十四年度予算から三十六年ぶりに人員配置が見直しされました。その点、御報告いただきたいと思います。
  500. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今委員指摘のように、大変重要な社会的養護ですけれども、いつも後回しになってきたものを、例のタイガーマスクの現象があったとき私は副大臣をしていたんですけれども、もっと行政で迅速にできることがあるはずだということで、現場の方に集まっていただいて検討会を立ち上げまして、その結果、昨年七月に課題と将来像を取りまとめました。この中で、今御指摘いただいた児童養護施設の人員配置について、現在の六対一から四対一に引き上げる、この目標を検討していくことにしています。  平成二十四年度予算案では、本当は四対一に近づけたいんですが、厳しい財政状況の中で、人員配置について六対一から五・五対一に、これでも厚生労働省の児童養護施設の予算が三倍近くになったということで、三十六年ぶりに引き上げることができました。これによりまして、定員規模五十八名の施設では人員配置が一人増えることになりまして、ほんの僅かですけれども、子供のケアが充実する方向になったかと思っております。
  501. 山本博司

    山本博司君 それは大変大事な部分だと思います。ただ、まだまだ現実四対一まで、これは是非この予算も含めて推進をお願いしたいと思います。  検討委員会のまとめで、その中でも家庭的な養護という意味で里親の重要性ということも提言をされております。ただ、里親になるということは大変大きな決意がありますし、いろんなケアも必要でございます。  この里親に対する支援策、厚労大臣、これはいかがでしょうか。
  502. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 特に、虐待を受けた経験などを持って心に傷を持つ子供は育てにくいということもあり、里親支援の充実が必要だというふうに認識をしています。  このため、現在、里親会、児童家庭支援センター、児童養護施設などを里親支援機関に指定することによりまして、里親の支援の充実を図っています。  また、先月、里親委託ガイドラインなどを改正いたしまして、定期的な里親家庭への訪問、複数の相談窓口の設置、里親同士が交流する里親サロン、里親に対する研修、里親の休養のための一時預かりなどの里親支援の充実を図ることにしています。  平成二十四年度予算案でも、里親支援の体制を整備するために、児童養護施設と乳児院に里親支援専門相談員を配置をいたしまして、児童相談所などと連携を図りながら支援を推進することにしています。
  503. 山本博司

    山本博司君 是非とも、里親の方々に対するこの支援策ということでお願いしたいと思います。  同じように、この里親の延長としてできたものがファミリーホームでございます。このファミリーホーム、今百二十六か所ということで、将来的に千か所を目指しているということでございますけれども、一部の自治体ではこれを施設の一部として扱うという形で大変、改修の工事であるとか莫大な書類の提出を求めるようなこともございました。こういったことは養育者にとりましては大変負担でございます。  早急に改善をすべきと思いますし、家賃補助等を含めて、このファミリーホームの支援ということが必要だと思います。これはいかがでしょうか。
  504. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) ファミリーホームにつきましては、平成二十一年の児童福祉法改正によりまして、里親のうち五人又は六人の子供を養育する者を小規模住宅型児童養育事業として制度化をしたものです。  実施後三年が経過をいたしまして、御指摘のように、新たに開始をしたファミリーホームの中には、里親から移行したもののほかに、施設分園型グループホームとの違いが曖昧なものもございまして、関係者から理念を明確にしてほしいという意見が出されています。このため、先月、里親及びファミリーホーム養育指針を定めまして、児童福祉法施行規則を改正をし、ファミリーホームは児童を養育者の家庭に迎え入れて養育を行う家庭養護であるという理念を明確にいたしました。この周知を図っていきたいと思っています。  ファミリーホームは里親が大きくなったもので施設が小さくなったものではないという、こういう位置付けですので、その理念に基づいてファミリーホームの推進を図り、いろいろな意味の支援をしていきたいというふうに考えています。
  505. 山本博司

    山本博司君 是非とも、このファミリーホームの、家庭的な、こういう里親も含めまして養護が大事でございます。施設が今九で、こうした里親とか家庭的な養護が一というふうに言われておりまして、三分の一を目指すということでございますから、是非その点の支援をお願いしたいと思います。  次に、虐待防止策ということで、実際、虐待を受けた子供たちが児童相談所の判断で乳児院とか児童養護に入所をします。そして、親とか家庭環境が改善されますと、今度は自宅に戻るということで、復帰した子供が二〇一〇年度では千八百六十三人と、二〇〇六年度と比べて三百人近く増えております。しかし、こういう中でも、再び虐待を受けるとか、大変な状況もございます。  大阪府では二〇一二年度から、専門の相談員が定期的に復帰家庭を相談に乗るという、訪問して、支援事業推進しておりますけれども、こうした効果的な事例はやっぱり全国で進めるべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
  506. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 虐待などによって施設に入った子供が家庭に復帰をする際には、児童相談所が家庭の状況の変化に即座に対応できるよう、一定期間、少なくとも六か月間は児童福祉司などによる指導を継続をしています。あわせて、児童相談所は、家庭復帰の前に、市町村や入所していた施設に対して、保護者が適切な援助を受けられ子供が安全に暮らせるよう、家庭の状況を把握し、児童相談所に連絡してもらうように依頼をしています。  御指摘いただいた事業につきましては、平成二十四年度から大阪府が、安心こども基金を活用して、施設退所後の子供のいる家庭を訪問支援員が訪問する事業を行い、これによって効果的な訪問の在り方について明らかにして、ガイドラインを作成する予定と聞いています。  厚労省といたしましては、このような取組をしっかりと評価をいたしまして、有効性があると認められれば、好事例として全国にお知らせをし、紹介をしていきたいと思っています。
  507. 山本博司

    山本博司君 是非とも、この辺の推進もお願いしたいと思います。  そして、最後に、この子育て支援策、様々な支援の拡充が望まれておりますけれども、やはり一番推進で大事なのは財源でございます。社会保障と税の一体改革大綱では、子育て支援一兆円ということで、予算確保が必要としてございますけれども、この今言いました社会的養護に関しましては、措置の部分ということで、現行制度でやってくださいという内容でございます。ですから、現状がなかなか先に進まないというのが現状でございます。  予算規模、今約八百億円でございますから、やはり十年後を考えますと、数百億円程度でこれは実現できる規模だと思いますけれども、この社会保障充実議論するんであれば、こうしたセーフティーネットの充実、大変大事でございます。  最後に、この点に関していかがでしょうか。
  508. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 私も新システム議論にずっとかかわってまいりましたけど、この社会的養護についても盛り込んでございます。ただ、その中でどれだけの財源確保できるかというところがまだ定かでないということかとも思いますので、先ほど申し上げたように、これは、今の虐待の状況、あるいは障害をお持ちのお子さんが多いことなどから、しっかり支援をしていかなければいけないので、配置基準も財源関係でほんの一歩前進でございますので、更に何歩も前進できるようにしっかり財源確保をしてやっていきたいと思っています。
  509. 山本博司

    山本博司君 この社会的養護に関しては、新システムに関して僅か一行のみでございます。そういう意味では、しっかり取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
  510. 石井一

    委員長石井一君) 以上で山本博司君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  511. 石井一

    委員長石井一君) 次に、西田仁君質疑をお願いいたします。西田仁君
  512. 西田実仁

    西田仁君 公明党の西田実仁でございます。  まず初めに、税収の見積りについてお聞きをしたいと思います。  昨日、二月までの累計も発表になったと思いますけれども、二月までの税収は前年度と比べて累計どのぐらい増えているんでしょうか。
  513. 安住淳

    国務大臣安住淳君) 三十兆七千五百九十七億ですから、前年比一〇四%でございます。
  514. 西田実仁

    西田仁君 平成二十三年度の当初予算の税収見積りは四十兆九千二百七十億円でございました。補正予算後に四十二兆、まあ約四十二兆に約一兆円増やしておりますけれども、今お話がございましたように、昨年度、二月までですから、十一か月分でプラス四%ということで、あと一か月でありますので、このまま増えますと、二十三年度決算ベースに単純に一・〇四掛けると、税収約四十三兆円台というふうになるんではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  515. 安住淳

    国務大臣安住淳君) 本当にそうなってほしいんですけど、ちょっとまだ、統計的にちょっと、決してそう順風なだけではないようなので、最終的な取りまとめを今から行いますが、まだ確定した数字ではございません。
  516. 西田実仁

    西田仁君 当然、昨日、二月までですから、確定はしていないんですけれども、十二か月のうち十一か月分見て四%増えているという状態でございますので、普通に考えれば、残り一か月、よほどのことがない限り、もう終わった三月ですから、四十三兆円台になると見るのがごく普通の見方ではないかと思うんですけれども、仮に四十三兆円だとすると、平成二十四年度の当初予算は税収幾らで見積もっているでしょうか、国の一般会計。
  517. 安住淳

    国務大臣安住淳君) さっきの話は、普通にいってほしいんですけど、私も、ただ、やっぱりタイの洪水等の影響や円高の影響がどう反射してくるか分からないので、ちょっと慎重な構えをしているということです。  それから、お尋ねの件については、四十二・三兆を見込んでおります。
  518. 西田実仁

    西田仁君 そうすると、四%増えるかどうか分かりませんけれども、四十三兆円台になるかもしれない、蓋然性の高い平成二十三年度決算になるかもしれません。二十四年度当初予算はそれよりも少ないということになりますけれども、今年度ですね、二十四年度は前年度よりも景気が悪くなる、税収が少なくなると、こういう見通しでしょうか。
  519. 安住淳

    国務大臣安住淳君) そんなことではありません。五千億程度法人税のへこみを考えなければなりませんので、そうした点では慎重に対応しておるつもりでございます。
  520. 西田実仁

    西田仁君 昨年度に関しましては、そういう意味では当初予算に比べますと約二兆円ぐらいの過小推計になるのではないかと私は見ております。  その上で、二十四年度のことをお聞きしますけれども、二十四年度のことを考えるときに、やはり昨日発表ありました二月までの法人税収の累計はどのようになっているでしょうか。
  521. 安住淳

    国務大臣安住淳君) 二月までのですか。さっきの答弁でなくて。(発言する者あり)  済みません。申し訳ございません。  法人税は、ちょっと待ってくださいね。済みません。ちょっと、聞いていませんでした。申し訳ありません。法人税は二十二年度決算現在で四十一・五兆でございます。済みません。
  522. 西田実仁

    西田仁君 法人税収ですよ。
  523. 安住淳

    国務大臣安住淳君) 済みません。  三十兆七千でございます。
  524. 西田実仁

    西田仁君 法人税収ですけど。
  525. 安住淳

    国務大臣安住淳君) これは全体の税収ですね。ちょっと待ってください。  法人税収の二月まででしたでしょうか。  いや、実は数字書いてないんです。それで、一〇六%で、四兆、約四兆ちょっとだと思います。
  526. 西田実仁

    西田仁君 全く。ホームページに出ているわけです、今日、八兆。だって、六・六%は正しいですけれども、四兆だと半分じゃないですか、それ。どういう認識しているんですか。(発言する者あり)
  527. 安住淳

    国務大臣安住淳君) 二月末累計はやっぱり四兆五千ですね。補正修正後の先生は数字、八兆八千とおっしゃっているんじゃないですか。一〇六で四兆、私の今手元に来ました、四兆五千になっています。
  528. 西田実仁

    西田仁君 前年比六・六%の法人税収ということになりますと、前年の二十二年度の決算は八兆九千六百七十億……(発言する者あり)約八兆、いや、決算ですから八兆九千六百七十六億だと思いますけれども、これを二月まで、やはり累計でありますので、残り一か月であります。まだいろんなことがあるかもしれないということはおっしゃるとおりではございますけれども、単純に六%強を、これを伸ばしますと九兆五千億ぐらいになるわけでございます。  そこでお聞きしますけれども、二十四年度、上場企業の経常利益の予想は、民間企業あるいは会社四季報や証券会社等の予想でございますと二割ぐらい増益というのを基本的には見ているわけでございます。そうしますと、二十四年度の法人税収というのは、これの二割増しということになれば十二兆円近くまで膨らんで、当初予算の八兆八千億円を大幅に上回るんではないかと思いますけれども、平成二十四年度の税収はかなり過小推計になっていませんか。
  529. 安住淳

    国務大臣安住淳君) ええ。念のため、もう一回言いますけれども、二月末現在で四兆八千億でございます。それで、一〇六パーでございます。  それで、先生、今お話は、経済成長率が、名目を含めて民間も、大体公的な部分でいっても二%ぐらいの成長が見込めるんではないかと。ですから、税収が本当はもっと増えるんでないかという予測でございますが、私が先ほど申し上げたのは、法人税の減税分もありますので、そうした点を差しおいて、また経済全体の中で法人税収は、そういう意味では手堅く見積もって今私どもとしては数字をはじいておりますが、大きければ、それはそれで決してそれにこしたことはないんですが、そういう見積りで、見立てで今私は数字を出させていただいたということでございます。
  530. 西田実仁

    西田仁君 大きければいいというものじゃないんですよ。なぜならば、今、税制改正をやろうとしているわけでしょう。過小推計になれば、当然、そこから財政再建の考え方が変わってくるのは当然じゃないですか。ですから、大幅に違うような過小推計をするということは大変大きな問題なんですよ。税収が過小推計されると、財政の健全化に向けた必要な増税額が過大になるんですよ。結果として、景気回復の芽を摘むことになるんですよ。だからこんな細かい数字を今言っているわけでありまして。  そこで、消費税増税法案についてお聞きしたいと思いますけれども、ここは、岡田副総理に今日はお出ましをいただいております。  今回の消費税増税法案、これについてはいろいろ我が党も言いたいことはいっぱいありますけれども、今日はもう時間がありませんので、絞って申し上げたいと思います。  この今回の消費税増税法案は、平成二十二年六月に閣議決定されました財政運営戦略で示された財政の健全化目標の考え方は盛り込まれているんでしょうか。
  531. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今回の一体改革は、社会保障の安定財源確保財政健全化の同時達成の第一歩を踏み出すものでございます。これを通じて、二〇一五年度段階での財政健全化目標、基礎的財政収支、赤字対GDP比半減の達成に向かうことになります。まずは、その目標を達成した上で二〇二〇年度までに基礎的財政収支を黒字化する、健全化目標を達成するという観点に立って更なる検討議論を行っていくということでございます。
  532. 西田実仁

    西田仁君 では、この財政運営戦略を、考え方が盛り込まれているということでありますが、平成二十二年の財政運営戦略の中には、「財政健全化の道筋を示すに当たっては、慎重な経済見通しを前提とすることを基本とすべきである。」と閣議決定でも定められております。しかし、今回、国会に提出されましたこの法案を見ますと、いわゆる附則の十八条のところを見ますと、いわゆる成長シナリオですよね。慎重シナリオではありません。なぜ違うんですか。
  533. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、この附則十八条の意味でありますが、第一項と第二項の関係ですが、第一項で、確かに名目で三%、実質で二%という、そういった積極シナリオの数字を書いております。しかし、この一項は二項の条件付けになっているわけではございません。これはあくまでも目標として、やっぱり目標は慎重というよりはより積極的な数字を掲げると、そういう趣旨で書かれているということでございます。
  534. 西田実仁

    西田仁君 それはおかしいと思いますよ。  二月十七日に閣議決定された社会保障税一体改革大綱については、今副総理も言われたように、財政運営戦略に定められている健全化目標も社会保障の改革とともに一緒にやると言っているわけで、その財政運営戦略そのものは慎重シナリオでやると決めているわけですよ、閣議決定しているんですから。ところが、今回の法案の中には成長シナリオで書いているんです。おかしいと思いませんか。
  535. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) この十八条の一項の意味でありますけれども、ここは、あくまでも名目三、実質二という数字を掲げて、それを目指した望ましい経済成長在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずるというふうに書いているわけでございます。  ですから、目標としてはそれを掲げ、そのためにいろいろな措置を講じていくという政府の姿勢を示したものでございます。
  536. 西田実仁

    西田仁君 それでは、この成長シナリオは本気でやろうとしていないということですね。
  537. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) この名目三、実質二というものを目指して全力を挙げていくということを一項で明記したものでございます。
  538. 西田実仁

    西田仁君 成長シナリオを前提とした消費税率にすべきではないんですか。
  539. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 目標として目指すものと実質的に消費税の全体の税収を見込む場合と、それらの考え方が違うということは、それは当然あってしかるべきだと思っております。
  540. 西田実仁

    西田仁君 そんなの国民納得できませんよ。本気でやろうとしているかどうかが問われているわけですよ。単に党内をまとめるために、成長シナリオを持ち出したんじゃないんですか。  二〇一五年時点での成長シナリオ、慎重シナリオで、それぞれどのぐらいプライマリーバランスの赤字、差額があるんですか。
  541. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 今手元に数字は持ってきておりませんけれども、それは数字の話ですから、事前に御通知いただければお答えできるんですが、今手元には数字ございません。
  542. 西田実仁

    西田仁君 失礼しました。  二・九兆円だと思います。とすれば、それに合わせた消費税率の修正を図るべきじゃないんですか。
  543. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) これは、政府としてもちろんある程度高い成長を目指すというのは当然のことでありますが、要は、それは積極的なシナリオであります。しかし、そのことと税収を見込むときのその成長率というものに違いがあっておかしいわけではありません。  目標として目指す高いものと、それからより慎重に見たもの、そういう二つの考え方があるからこそ、そもそも二つのそのシナリオを元々お示ししているわけでございます。
  544. 西田実仁

    西田仁君 附則十八条の第二項には施行の停止ということが盛り込まれております。成長シナリオの達成によって経済が好転した場合、増税政策の施行の停止はあり得るんですか。
  545. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) この二項の意味は、経済状況が、まあいろんな要素を考えなきゃいけませんが、悪化した場合のその停止、先送りというものを規定したものでございます。
  546. 西田実仁

    西田仁君 ということは、経済が良くなって消費税率をそんなに上げなくてもいいという状況になっても必ず上げるということですね。
  547. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、それだけ経済成長率が高くなって、かつ金利が上がらないという事態というのは非常に想像しにくいわけであります。成長率が上がれば当然金利も上がるリスクも高い。そうすれば、歳出、国債費も増えるということになるわけであります。  ですから、税収が増えたからといって、それだけ物価が上がれば歳出も増えるし金利も上がるということも総合的に勘案していかなければいけないことだと思います。
  548. 西田実仁

    西田仁君 これから議論を深めますけれども、元々、平成二十二年、自分たちで閣議決定した財政運営戦略には慎重シナリオに基づいて消費税を設計したはずなんですよ。ところが、法案出てきたら成長シナリオになっているんですよ。おかしいじゃないですか。  ですから、先ほどの税の過小推計のことも含めて、政府財政収支計算をもう一度行って必要増税額を計算し直して、それでも想定外の好転があった場合には施行時期を遅らせると、そういうことにした方がいいんじゃないですか。
  549. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) いずれにしろ、この二〇一五年という数字は一里塚であります。つまり、プライマリーバランスの赤字を半減するということであって、そこで終わりではなくて、このプライマリーバランスを黒字化するというかバランスさせなきゃいけない、あるいは、今これだけ膨大な、ずっとできてきた借り、借金をこれどうするかという問題は更にあるわけであります。そういうことも考え合わせてやっぱり判断していくべきものだというふうに考えております。
  550. 西田実仁

    西田仁君 私が懸念しておりますのは、税の過小推計とかそうしたいいかげんな決め方にして、かえって景気回復で税収が上がるということを妨げてしまうんではないかということを懸念して質問しているわけであります。  官房長官、この後記者会見でありますので、御質問を急いでさせていただきたいと思いますが、昨今の原油高騰で大変に各、運送業を中心とした中小企業事業者や農業、水産、福祉施設、現場で大変に悲鳴が上がっている状態であります。省庁に我が党もヒアリングをいたしましたけれども、特段危機感も感じられないような内容でございました。  この度の原油高騰に関しまして、政府といたしましてはどのような認識を持っておられるのか、お聞きします。
  551. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 足下の原油価格は上昇傾向にあると、このようにまず言えると思います。  その背景には、イランの情勢、中東・アフリカ情勢をめぐる様々なリスクの増大、それから欧州債務危機懸念の若干の後退がございます。そして三番目には、原油市場へのいわゆる国際投機的資金の流入の増加と、こういうことが要因として存在し、これは、今はもうガソリンでいうと百五十七円ぐらいになっているようでありますが、相当の高い水準であると、このことを認識しております。
  552. 西田実仁

    西田仁君 相当高い水準の原油価格に対して、例えば関係閣僚会議を緊急で開くなど、そうした措置を行っていらっしゃいますか。
  553. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) かつても、百六十円に近づいてきたときに関係閣僚会合、開かれておりました。そのタイミングがぼちぼちなのか、その辺、今判断をするところでございます。  御党からも様々提案をいただいているところで、まず、投資資金が国境を越えて活発に活動しているという中で、商品先物市場の透明性を高めること、これは国際的に非常に求められていることだと思います。  政府としては、不公正な価格操作等に対する市場監視を強化するため、市場監督あるいは法執行上必要な情報の相互交換を可能とするという多国間覚書への署名など、各国規制当局との連携を今推進しているところでございます。その上で、これは時期を見てということになりますが、必要になれば、関係閣僚会合等の開催を検討することを含めてしっかり対応してまいりたいと存じます。
  554. 西田実仁

    西田仁君 ただいま官房長官は、投機的な問題も多いという話をされました。そういう意味では、投機を抑制するための国際社会への働きかけということが必要になると思いますけれども、日本政府は欧米と連携して戦略備蓄の放出等については検討すべきではないかと思いますけれども、経産大臣
  555. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) これについては、我が国が単独で判断できる性質というよりも、IEAなどを通じて国際的に協調しながらやっていく必要があろうというふうに思っております。原油価格の高騰のこの間のペースを踏まえて、米国などとも問題意識は共有をしているというのが現時点でございます。
  556. 西田実仁

    西田仁君 欧米との連携が必要だと思います。今月、G20とかもございますので、そうした国際会議で、例えばガソリン価格の高騰にやはり直面している中国を始め新興国、ここが実需の部分で多いわけですから、こうした国に呼びかけて省エネに取り組む、そういう働きかけをかつての自公政権時代にも行ったことがございますけれども、そうした呼びかけを行う思いは、財務大臣、おありですか。
  557. 安住淳

    国務大臣安住淳君) G20の主要なテーマになると思いますので、特にアメリカの場合は消費の割合が非常に高うございますから、GDPに対するですね、アメリカの方が多分危機感をかなり持っていらっしゃると思いますので、先生指摘のようなことで、私どもとしても問題提起をさせていただきたいと思います。
  558. 西田実仁

    西田仁君 こうした国際社会への働きかけとともに、国内ではこの原油高騰にどのように対応していくのかということについて経産大臣にお聞きしたいと思います。  原発停止による夏場の電力不足対策として、原発再稼働を前提としない節電、省エネ対策についての検討を行うべきではないかと思いますけれども、経産大臣、いかがでしょうか。
  559. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 電力を中心とする省エネの問題については、原発の再稼働のいかんにかかわらず、相当の原発が停止をしたままこの夏を越えるということは間違いありませんので、まさにそうした中で、いかに産業活動やあるいは生活の快適さを損なわない範囲、やり方での省エネができるか、あるいは、もしそれに、産業活動や生活の快適さに影響を及ぼす場合でもいかに小さな影響で省エネを進めていただくかということについての検討は進めているところでございます。  また、ガソリン等の価格についても、現在、様々な情報の収集と、産業や国民生活に与える影響などについて情報を収集、分析をしているところでございますが、あえて申し上げると、過去の原油対策、二〇〇七年、二〇〇八年等に行われた原油高騰対策については、そのかなりのところが一種恒久対策であるとか、あるいは様々な他の要因で既に施行されているという状況になっているという側面がございまして、そうした中で、この動向を見ながら、更にできることがあるのかどうか検討を進めているところでございます。
  560. 西田実仁

    西田仁君 電力会社の使う重油、原油、またLNG等、日本の電力十社を見ても相当増えているのがこの十一か月、十二か月の話だと思いますけれども、その中で石炭はむしろ減っているんだというふうに思うんですね。  石炭につきましては、原油価格の高騰に対する対応として一時的にこの安価な石炭にシフトをして、いろんな新しい技術も生まれているようですけれども、そうしたことも有効な措置ではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  561. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 現状の電力需給の逼迫している状況の中では、石炭火力についても最大限その能力を発揮していただくという、そういう想定、前提で様々な需給見通しを立てているところでございます。また、中期的には、従来、石炭はCO2の排出等の環境への影響が大きいということを言われてまいりました。しかし、御指摘のとおり、最近の我が国の低炭素化技術等を用いますと、他の燃料と比べてどうかということはまだ残るかもしれませんが、従来と比べれば相当大きく環境への負荷を小さくできる技術を我が国は持っておりますので、中期的にはその安価な石炭を、少なくとも中期の中の短期においては活用するということも選択肢の一つとして検討しておりますが、最終的にはエネルギー・環境会議で環境の観点ともすり合わせをしながら方針を定めていきたいと思っております。
  562. 西田実仁

    西田仁君 いずれにいたしましても、今、原油価格も高騰して、電力料金も値上げされてと、それで消費税まで掛かってくるというような状況で、かなり国民また事業者の皆さんからは、こういう今の政権のやり方に対しても異様に映っているというふうに一言言わせていただきたいと思います。  次の質問ですけれども、中小企業向けの為替デリバティブについて御質問したいと思います。  一昨年の十一月のこの予算委員会で私が指摘をさせていただきまして、金融庁がこの中小企業向けの為替デリバティブ被害について一斉お調べをされました。裁判に至る前のADRで解決されるケースも一挙に増えてきたことは誠に喜ばしいことでございます。ただ一方で、この金融ADRについてその運用改善を求める声も大変高まってきておりまして、まだ一昨年十月に始まったばかりでありますので、様々な試行錯誤もあろうかと思います。  そこで、自見担当大臣にお聞きしたいと思いますけれども、全銀協がやっているADRでは紛争解決のための協議は原則一回で終わらせる方針と聞いておりますけれども、これは金融庁が言っている利用者の納得感のあるトラブル解決から程遠いと思いますけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
  563. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 先生、今御質問ございましたように、為替デリバティブですね、これのことに関して金融ADRのあっせん委員会が、全銀協の中にこのあっせん委員会がございますが、一回の調停、この紛争解決委員会がございますが、一回の和解案で解決すること、一回を原則にしているんじゃないかという話でございましたが、実は今言われたように、為替デリバティブのいろいろな案件がこの紛争解決委員会、いわゆる金融ADRに持ち込まれておりますけれども、約五%は二回ほど実際に和解案を出しておりまして、そして大体、もう先生御存じのように、この為替デリバティブ、七〇%以上は実はここで、ADRで解決していただいているということでございますので、決して一回だけで和解案を出して全て和解しているというわけではございません。
  564. 西田実仁

    西田仁君 今大臣五%とおっしゃいましたけれども、九五%は一回ということですか。
  565. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 九五%は一回でございます。
  566. 西田実仁

    西田仁君 だから、そこが問題だと言っているんですけど。
  567. 石井一

    委員長石井一君) もう一度質問をよく吟味してお答えいただきたいと思います。  簡潔に質問を、西田さん、お願いできますか。(発言する者あり)  自見金融担当大臣
  568. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) お答えをさせていただきます。  何回の手続を経ることが適切なのかについては、あくまでやっぱり個別事案ごとの紛争解決委員会の判断によるべきもの、ケース・バイ・ケースだというふうに考えておりまして、また、あっせん手続を一回にとどめることについても、これは実はメリットもございまして、利用者の方にですね。御存じのように、手続の迅速性の確保に加えて、申立人の出席負担の軽減など利用者利便にも資する面があると承知をしておりまして、いずれにいたしましても、利用者の納得感を得ることが重要でございまして、更に適切な運用に努めるように監督してまいりたいというふうに思っております。
  569. 西田実仁

    西田仁君 特別調停が一回もないことはこの委員会でも指摘されました。これについては、やはりあっせん委員会そのものがその本来の機能を果たしていないんじゃないでしょうか。
  570. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 全銀協等の金融ADRの機関の中には、御指摘のように、特別調停案を提示した実績がないものが存在するということは認識いたしておりますが、金融ADR制度の本格施行、先生も申し上げましたように、一昨年十月以降でございますが、一年間で生損保協会には二十七件の実績がありますが、他の機関にはないと。  ここからでございますが、特別調停案の提示に至らない理由は、各々の事案の事情により異なりますが、一概に本来の機能を発揮していないとは言えないというふうに考えておりまして、為替デリバティブ案件における最近の和解率は比較的高水準で七割超にありまして、当事者の納得感が得られる努力の解決がうかがわれるということでございます。  いずれにいたしましても、もう先生御存じのように、特別調停制度というのは、金融機関と利用者との間で金融サービスに対する情報、知識、あるいはトラブルの対応能力に大きな差があることに鑑み、いわゆる情報の非対称性があるわけでございますから、そういった中で利用者保護の充実を図るために金融ADR制度に認められた制度でございますから、こうした制度の趣旨に沿って運用が適切に行われるように、金融ADRをしっかり監督してまいりたいと思っております。
  571. 西田実仁

    西田仁君 全銀協のあっせん委員会の構成はどうなっていますか。大臣にお聞きします。
  572. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) これはもう先生御存じのように、金融ADR制度のイメージでございますが、これは、紛争解決委員が利用者、これは紛争解決の申立てをする人と、それからもう一方は当然金融機関でございますが、紛争解決委員として弁護士さんだとかあるいは消費生活相談員だとか司法書士等の方があっせん委員として入っておられるわけでございまして、そういったもう先生御存じの仕組みになっております。
  573. 西田実仁

    西田仁君 小委員長に就く弁護士が所属する事務所が全銀協あるいは金融機関の顧問弁護士に就くようなケースはありませんか。
  574. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) こういうあっせん機関でございますから、私はやっぱり中立公平なことが非常に大事だと、こう思いますので、だから、全銀協のあっせん委員の弁護士には全銀協の顧問弁護士はおりません。それから、個別行の顧問弁護士は、信託銀行一名を除き存在をしないというふうに承知をいたしております。
  575. 西田実仁

    西田仁君 このADRではアンケートを顧客に出しておりますけれども、大臣がしきりに大きな声で強調されている納得感、利用者の納得感があるというアンケートの結果になっているんでしょうか、お聞きします。
  576. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) そのアンケートについては、御質問いただいておけば御用意させていただいたのでございますが、そこまでちょっと私は承知いたしておりませんが、そういったアンケートを配って、納得感がどれくらいあるかどうかと。できるだけ、始まってそれぞれでございますが、金融ADRをしっかりやっぱり納得感のあるようなものに育てていきたいというふうに思っております。
  577. 西田実仁

    西田仁君 今、この和解の中で、これから払うものについては分担されることがありますけれども、過去のもう既に払ったものについては一切この損失分担というのが金融機関と利用者の間ではないんですけれども、やはり契約時点の時価評価というものをそもそも知らせていないケースが大変に多いという現状に鑑みれば、必ずしもそうしたかたくなな運用ではなくて、既に支払った部分につきましても金融機関と利用者の間で分担するようなことがあってもいいんではないかと私は思いますけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
  578. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、金融大臣、締めくくって答弁をお願いします。
  579. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) これも、全銀協から過去に支払った損失を含めて和解に至った案件も存在すると聞いておりまして、例えば平成二十三年の二月から二十四年の三月中旬までの和解案約三百件のうち十五件は、既に払った分を含めた負担割合が記載されております。  いずれにいたしましても、損失の負担割合等は紛争解決手続のうち重要な部分であり、既に払ったお金を含めて、当事者にとっても納得感のある解決が図れるように監督していきたいと、いくべきだと思っておりますし、しかしながら、既に払った分を損失負担の対象とするかどうかは、紛争解決委員が個々の事案においてケース・バイ・ケースですね、判断しているものであり、一概に対象外とする傾向があるというわけではないというふうに私は、やっぱりいろんなこれはケース・バイ・ケースがあるわけでございますから、そういうふうに認識いたしております。
  580. 西田実仁

    西田仁君 金融ADRは大変にいい制度だと思いますので、これを本当に指導監督するお立場として育てていただくようお願い申し上げて、終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  581. 石井一

    委員長石井一君) 以上で山本博司君、西田仁君、公明党の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  582. 石井一

    委員長石井一君) 次に、柴田巧君の質疑を行います。柴田君。
  583. 柴田巧

    柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。よろしくお願いをいたします。  今日は、科学技術政策中心にお尋ねをしたいと思いますが、改めて申し上げるまでもありませんが、天然資源の乏しい我が国が今日まで発展、繁栄してこれたのもこの科学技術の振興によるものでありますし、この東日本大震災からの復興、そして日本の再生、また新たな飛躍と発展を期していくためにも、この科学技術の力なくしては前進できないものと思います。  そういう中で、第四期科学技術基本計画が昨年策定をされ、新年度も科学技関係予算は増える方向になっているわけでございますけれども、ここ十年見てみますと、大体、科学技関係予算は平均四・三兆円近くになろうとしております。これは、公共事業費が五・七兆円、防衛費が四・七兆円ですから、それに迫るような今巨大な予算になっているわけでありまして、規模、量もさることながら、いかに中身、質を良くしていくか、あるいは、その推進をしていく上で体制をいかにこれからしっかり構築をしていくか、こういったことに我々はもっと関心を持つべきだろうと思っております。  そういう観点に立って、以下質問させていただきたいと思いますが、そういう中でただ残念なことは、いわゆる科研費など公的研究費をめぐっての不祥事というか不正使用、不正経理が後を絶ちません。これは我が国科学技術政策そのものを大きく揺るがすことにもなりかねないわけでありまして、先般も昨年の預け金問題を機に文科省が二千近くの大学などを調査した結果の一部が公表されましたが、東大など七十の大学、研究機関で七千九百万の不正経理が明らかになりました。  これ一部ですからもっと膨らむのではないかと思いますが、文科省としても、十九年に不正防止の監督、監視のガイドラインを設けて対策は取ってきているわけですが、なかなか後がこうやってなくならない、不祥事がなくならないわけでありまして、やはり関係機関に研究費の運用管理の実態の確認やルール等の浸透度の把握など、より徹底した対策が求められると思いますが、この防止策、どのように取り組んでいかれるか、まずお聞きをしたいと思います。
  584. 平野博文

    国務大臣(平野博文君) 議員御指摘のように、科研費等における公的研究費の不適切な経理が後を絶たないと、こういうことでございます。文科省としても極めて遺憾でございますし、これは国民の税金を使っての話でございますから、しっかりとこの防止策を講じなきゃならないと。  委員御案内のとおり、どういう背景でこういうものが出てくるのかというところをしっかりチェックしなきゃならないということで、平成十九年二月に公的研究費の管理に関するガイドラインを制定をいたしました。各研究機関に研究費の執行体制の整備をしっかり要請しやると、こういうことで、委員も御案内かも分かりませんが、私ども、平成十九年までのそういう不正の問題と、このガイドラインを引いてからどういう状態になったかということも実は検証してございます。  調査の結果でございますが、二十年度以降、預け金等の不適切な経理がありと報告あった機関につきましては十四機関で総額は六百万円、当該研究者は九人でございました。十九年以前の不適切な部分につきましては三十四機関、委員御案内のとおり七千三百万、四十三人でございました。  今後、まだないのかどうか、このことはやっぱりしっかりと見極める必要がございますので、これ以降、私は、このガイドラインは一定の成果としつつも、税金でございますから、より透明性を確保してまいりたい、かように考えています。
  585. 柴田巧

    柴田巧君 今も答弁ありましたように、いろいろと手だてを講じてもらわなきゃならぬと思います。その研究者の意識のレベルもあれば、その研究機関の組織の問題もあると思いますし、あと、いわゆる科研費などの競争的資金の制度運用のやっぱりレベルの問題もあると思います。  そういうことからすると、かねてから科研費の基金化というのは議論されて、昨年度から本格的に実施をされているわけですけれども、これまではいわゆる予算の単年度主義で、その研究、大体研究というのは、大きい研究というのは三年、五年、場合によっては十年掛かってしまうんですけれども、予算の単年度主義によって年度末になったら一度締めなきゃならない、そのことによって研究がスローダウンすると、そしてまた預け金のようにいろんな問題も発生してくるということだったわけで、ようやく基金化が始まったわけですけれども、やはりこれは、来年度も拡充されるんですが、まだ基礎研究Bとか若手研究Aとか、金額がまだ五百万から二千万、三千万程度のものであります。やはり、より重要度といいますかレベルの高い大型の研究種目、例えば基盤研究Sというのは非常に先駆的な研究でありますが、これは五千万から二億ぐらいですね。あるいは、特別推進研究というのは国際的に高い評価を得ている研究、これは金額にすると大体五億円程度と言われておりますが、ここら辺はまだ手付かずの状況です。  したがって、まだ四割程度しか金額ベースでいうと基金化されていないわけであって、この適正な使用、それから予算の効率を上げていくと、また研究をより円滑に推進をしていくためにも、早期にやっぱりこの科研費は全額基金化を目指すべきだと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  586. 平野博文

    国務大臣(平野博文君) 委員、本当に御指摘ありがとうございます。  特に、研究開発というのは単年度で終わるようなものというのはほとんど私はないと思っております。しかしながら、予算ということでございますから、何とかこの研究開発費について財政当局とも、厳しい安住大臣でありますが、財政当局とも十分相談をさせてもらいまして、基金をして複数年度にこのものが使えるようにと、こういうことで、委員指摘のように少額の部分ということでありますが、新規採択件数については九割ぐらいまで上っております。しかし、大型の部分については、そういうことも含めて今後円滑な執行にやっぱり努めていくということを前提としつつ、今後の在り方については十分相談して、前向きに私は取組を財政当局に強く求めたいと、かように思っております。
  587. 柴田巧

    柴田巧君 是非しっかりやっていただきたいと思いますが。  今、厳しい安住大臣とおっしゃいましたが、実は私と安住大臣とは三十数年来のお付き合いでございまして、大変優しい方だったんですね。荒井広幸先生もサークルの先輩後輩で一緒に研さんを積んで、まさかこうやって質問して、答弁する形になるとは思いませんでしたが。  大臣財務大臣、今のお話もありましたが、是非全額の基金化をひとつ目指して早期に実現してもらいたいと思いますが、御見解を、通告はありませんが、よろしくお願いします。
  588. 安住淳

    国務大臣安住淳君) 柴田先生から言われると何となく弱いんですけれども。  ただ、ちゃんと研究して立派に成果を出していればいいんですけれども、そうでない者もおると聞いておりますので、そういうものは文部科学省の中でしっかり精査してもらって、必要なものについてはしっかりやっていきたいと思っております。ありがとうございます。
  589. 柴田巧

    柴田巧君 しっかりこの早期全額が図られるように、相談もしていただきながら、またしっかり精査もしていただきながらやっていただきたいと思います。  さて、そういう中で、大変近年心配というか懸念をしますのは、お手元にも資料をお配りをしたと思いますが、いわゆる高注目度論文などと言いますが、質の高い論文で、いわゆる他の研究者から引用される件数が上位一〇%の論文のことを申しますけれども、これが、まあ件数はさることながら、国際シェアが非常に低下傾向にあるということでございます。  二〇〇八年から一〇年の国際シェアを十年前のと比べると、お手元にもあると思いますが、日本が七・五から五・九に減っているのに対して中国が二・一から九・二になっておりまして、日本を抜いております。この分野においてももはや中国と日本の差が非常に歴然としつつあるということでありますが、この高注目度論文の国際シェアの低下というのは、イノベーションの低下につながるというか、イノベーションを測る目安だと言われておりまして、これは大変危機感を持って我が国としても受け止めなければならぬのだと思っておりますが、まず、この減少傾向にある要因をどのように把握、分析しておられるのか、文科大臣にお聞きをします。
  590. 平野博文

    国務大臣(平野博文君) これは一概にはなかなか言えないと思いますが、委員指摘のように、論文のシェアが減ってきているということは、私は、科学技術というのは持続的に日本の国家の発展をしていくために重要な礎だと、こういうふうに考えておるものですから、極めて危機感を持っているところであります。  したがいまして、私どもの方から、何とかこの部分の打破をするためにはどうあるべきかということで、今検討をいたしているところでございます。  要因としては、様々な部分はございますけれども、日本はやっぱり研究の国際化に十分に対応できていないということが一つ。被引用数が高い傾向にある国際社会においての共著の論文の割合が少ないと、こういうことでありますから、非常にグローバル化した中にきちっと対応できていないということが私、言えるのではないかと思っております。  したがいまして、今後、優れた若手の研究者の養成とあるいは人材の育成、あるいは国際頭脳循環推進と、こういうことで、今の研究システム在り方をやっぱり改革をしていくんだと、こういうふうに思っております。  加えてもう一つは、我が国は、先ほど委員から御指摘がありました約四兆円から五兆円ぐらいの資金を投入しての研究開発と、こういうことでございますが、対中国でありますとかそれぞれの国を比較しますと、我が国からいったら三倍ぐらいの資金をそこに投入している、このことについてもその要因があるのかなと、こういうふうに分析をいたしております。    〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
  591. 柴田巧

    柴田巧君 本当にこれは深刻な問題で、国としてもしっかり対応策をやっていかなきゃならぬと思います。  一つは、今の予算も触れられましたが、例えば、この国立大学の運営交付金なども、この八年ぐらいでもう一千億ぐらい減ってきているわけですね。このことによって、国立大学、私立大学、公立大学ありますが、国立大学が一番いろんな論文のパーセンテージも高い、一五%ぐらい執筆をしている、出ているわけですが、特にその国立大学の運営交付金なども下がってきて、いろんな調査によると、この間約二千人近くの常勤の教職員が、教員が減ってきたと。あるいはそれに伴って、研究時間、一人当たりの研究時間が二割以上減ってきていると。あるいはそれが研究補助員とか全てに及んでいるわけで、いわゆる研究インフラが大きく傷ついたと。これが論文数が少なくなっているというか、国際シェアが低下している一つの要因だと思います。  したがって、こういったことを含め、やはり国としても強い危機感を持って、具体的な、どの程度日本として国際シェアを維持していくのかという、向上させていくかという具体的な数値目標を持って、そしてまた、今ほど申し上げた大学や研究機関の教員がしっかり時間や人員を確保できる、そういった研究インフラをしっかり充実できるような政策的な支援を、今ほどもちょっと若干答弁されましたが、必要だと思いますが、改めてお尋ねをしたいと思います。
  592. 平野博文

    国務大臣(平野博文君) 特に今委員指摘の大学への支援、いわゆるバックアップと、こういうところで、毎年度毎年度運営交付金を渡すと、こういうことだけではなくて、しっかりと目標と成果を明確にした制度設計をつくっていかなきゃならないと、こういうふうに思っておりますし、委員からも、別の委員会でもそういう思いの指摘をちょうだいをいたしております。  したがいまして、今回、委員からの御指摘もその中に含んでおると思いますが、第四期科学技術基本計画、この五か年計画の中にしっかりとした目標を立てるように具体的に仕掛けていきたいと、かように思っておりますし、先ほど猪口さんから言われましたが、もっと海外に交流して出ていく、こういう制度設計も今考えておりまして、約二倍にしようと、こういう目標を挙げております。  具体的には、大学の研究環境及び基盤の整備と、また、研究開発法人制度のいわゆる研究開発型のそういう法人制度に切り替えていかなきゃいけない、もう一つは、科学技術を担う人材をしっかりと若手を含めて育成していくと、こういう具体的なテーマを設定をして目標を決めていきたいと、かように思っております。
  593. 柴田巧

    柴田巧君 そういう中で、とりわけ高注目度論文で苦戦をしているのは地方の国立大学でありまして、これ、先ほども触れましたが、その運営交付金などの削減もあり、いろいろと地方大学なりに経費の節減であるとか、あるいは外部資金の獲得などなども努力をしているんですが、これだけやっぱり減らされて、もろもろ減ってくると、もはや限界に達しつつあると思います。  一方で、私は地元は富山ですが、例えば富山だと富山大学というのが国立大学であります。非常に存在感が大きいというか、非常に地域、地方の期待も大きいわけですね。実際いろんな、例えば富山だと薬を通じて地域産業の活性化などに貢献をしているわけで、そういう地域貢献も期待されていると。  実際、文科省としても、去年だったと思いますが、富山、長崎、徳島だったと思いますけれども、中堅国立大学がいかに地域に経済効果をもたらしているかという調査をしました。それぞれ約一千億近い効果をもたらしている。これは、人材の育成面、あるいは、今ほど申し上げた地域経済の貢献ということでやっているということですので、もろもろそういう国立大学の運営交付金などが減らされることが日本全体のイノベーション力の低下につながると同時に、地域経済にも大きなダメージを与えるものだと思いますので、先ほども触れましたように、大きく減らされて、この国立大学の運営交付金は減らされていますが、しっかりその研究活動に、地方の国立大学の、特にですね、支障を来さないようなそういう支援を行うことが必要だと思いますが、文科大臣にお尋ねをします。
  594. 平野博文

    国務大臣(平野博文君) 議員御指摘のように、私は、地方大学とか東京にある首都大学とかそういう区分けはいたしませんが、地域の中での活性化をしていく拠点は私は大学にあると、こういうふうに一つは思っております。  したがいまして、これからの大学の改革の在り方というのは、地域の活力を持っていただくための大学については、やっぱり選択と集中という意味でより積極的に支援をしていくと、特徴のある大学にやっぱりなっていってもらう、その結果の帰趨として地域が産官学を含めて結束をしていくと、こういうプロセスでしていきたいと思っておりますので、確かに総体として運営交付金は減っておりますけれども、大学の改革強化事業として私どもとしては予算を改めて今お願いを、百三十八億円をお願いをいたしているところでございますので、委員指摘のように、富山というわけにはまいりませんけれども、そのことも含めて、地方大学がより活力のある、こういうテーマでもって頑張っていただくような支援をしてまいりたいと、かように思っております。
  595. 柴田巧

    柴田巧君 是非、地方の国立大学も含め日本の研究現場が活性化されるように、それがまたイノベーション、今日はイノベーションという言葉を使ったらいいのかどうかちょっと迷いながら、ほかにいい言葉がないので使っておりますが、このイノベーション力の向上につながるように、またそれが国の再生、発展につながるようにいろいろ知恵を絞っていただきたいと思います。  幾つかあとお聞きをしたいのですが、時間もあれでございますので、先ほど猪口先生の方からも御指摘がありましたが、頭脳循環といいますか、こちらから派遣する、あるいは世界からやってきてもらう、そういうのを活発化するというのは大事なことだと思います。ある意味では、あちらから来る優秀な留学生、研究者なんかを受け入れる施策というのはもっと本当は国として力を入れるべきなんだろうと思いますね。  御案内のとおり、この留学生三十万人計画というのは打ち立ててもう数年になるわけですが、このグローバル人材の獲得が激しくなる中で、どうも政権交代後、この面において非常にこの施策が見えてこないというか、だんだん退化しているという感を持たざるを得ないと思っております。  この留学生の受入れ支援策の予算も、これもどんどん減らされてきておりますし、先般も、留学生の東京国際会館だったかな、ちょっと正式な名称はあれですが、事業仕分などによって廃館ということに相なったわけでありまして、やはり優秀な研究者を受け入れるといいますか、事は大学などの国際的な研究力のアップにもつながっていくわけで、それぞれの国が留学生により良い生活環境、研究環境を提供している中で、日本がそういう方向とは逆に行っているというのは極めて残念、遺憾なことだと思います。  そこで、この三十万人計画達成に向けてどのように取り組んでいくのか、またその受入れ政策の充実強化、再構築が必要だと思いますが、大臣の御所見をお伺いします。
  596. 平野博文

    国務大臣(平野博文君) 留学生三十万人計画、こういうことで、平成二十年だったと私は承知いたしておりますが、各省連携の下にその三十万人計画を策定をいただいております。また、私ども民主党政権におきましても、平成二十二年六月に新成長戦略を策定し、質の高い外国人留学生の受入れを強化をし、二〇二〇年までに三十万人を目指しております。  先ほど委員指摘のように、政権替わって消極的になったんじゃないかということでの御指摘ございましたが、我々としても、これから特にグローバル化していく社会の中において非常に重要であると、成長戦略一つとしてこの問題をとらまえております。こういう観点から、従来からの国費留学生制度に加えて、三か月未満の外国人留学生を受けるショートステイ事業等、新たな取組もこの二十四年度の予算で計上させていただいているところでございます。二十四年度の予算につきましては、被災地の復興と、こういうことで財政状況が大変厳しい中ではございますが、外国人留学生の奨学金を始めとする受入れ環境の充実強化の必要経費を計上いたしておりますし、グローバル化のための体制整備を図っているところでございます。  なお、御指摘の、仕分ということでの指摘がございました日本学生支援機構の国際交流会館の問題については、単に廃止をすると、こんなことではなくて、留学生に対しての宿舎として利用いただくような対応をどういうふうに知恵が絞れるかということを考えていきたいと、かように思っております。
  597. 柴田巧

    柴田巧君 今日はもう余り時間がないので、また委員会でも突っ込んで議論したいと思いますが、いずれにしても、すばらしい、優秀な、有能な、そういう外国からの研究者、学生というのを日本の重要な戦略資源としていくという視点が極めて大事だと思います。そういう観点から、しっかりこの施策も充実をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  さて、そういう中で、先ほども冒頭に申し上げましたが、この科学技術政策を総合的に展開をしていく上で司令塔づくりが極めて重要だというのは言うまでもありませんが、これが非常に混迷をしているわけで、御案内のとおり、同意人事の問題もあって、ここ二か月間、実質的に会議も開けないという状態にも陥りました。また、科学技イノベーション戦略本部に改組するということでやってこられました。まだ具体像が見えないということになっているわけで、古川大臣もこの科学技術政策日本成長させていく主力エンジンだとおっしゃっているわけですが、そのエンジンが今掛からないと、掛かってこないというのが現実だと思っていまして、この点を残りの時間取り上げたいと思うのですが。  まず、その前に、今、新たなものに変えられるのはある意味結構ですが、今あるものをきちっとやっぱり活用するというのは非常に大事なんだと思うんですが、政権交代後と前を見ると、実はその総合科学技会議というのは回数も減っていますし、開いても持ち回りでやっている回数が多くなっているというのは大変遺憾なことだと思います。  平成十八年には十二回開催されましたが、持ち回りは一回。十九年では八回開かれて持ち回りは一回です、ただの一回ですね。二十年には六回開かれて持ち回りはありません。ところが、平成二十一年度、政権交代があった年ですが、この回は七回開催されて三回が持ち回り。二十二年度は七回開催のうち三回持ち回り。そして、昨年度は僅か五回で、そのうち二回も持ち回りであります。これではこの総合科学技会議がますます形骸化するものではないかと思いますが、古川大臣の御見解をお聞きをしたいと思います。
  598. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 私どもとしても、できればこれは会議を開きたいというふうに思っているわけですが、ただ、昨今、特に昨年度については東日本大震災への対応等もございまして、諸般の事情があってやむを得ず緊急に決定をしなければならない案件があったと、そういうこともあって持ち回りでやったということでございます。  ただ、開催をしたときには、形式的なだけじゃなくて、これは総理、閣僚議員並びに有識者議員を交え、本会議科学技イノベーション政策について当面の課題など最新の科学技術の成果にも触れながら御議論をいただいております。また、先ほど委員の方から、新たな本会議の議員の任命が遅れたので実質的に動けなかった、二か月間動けなかったというお話ですが、形式的には本会議開けなかったんですが、その間も、実質的にはそのメンバーで毎週お集まりをいただいて、議論はしていただいてまいりました。    〔理事川上義博君退席、委員長着席〕  今回、昨年まとめました第四期科学技術基本計画に掲げております課題達成の観点から、産官学を始め幅広い関係者連携、協働するプラットホームとして科学技イノベーション戦略協議会を新たに設置する準備を進めております。  そういった意味で、もちろん新しい体制につくっていくというのはありますけれども、今の体制の中でも、しっかり科学技術に対する議論充実して行われて、それがイノベーションにつながっていくように全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。
  599. 柴田巧

    柴田巧君 こういう重要な会議は、本当に皆さんそろって、有識者がそろっておられるわけですから、しっかり議論をするというのが本筋だと思います。持ち回りなんかというのは本来あるべき姿ではないということを強く申し上げたいと思いますが。  では、この科学技イノベーション戦略本部に変えていくということですが、これが遅れに遅れて、もう政権交代後二年半余りたっている、いまだに具体像が見えないと。いつまでにこれは行うのか、今後のスケジュールと併せて、この遅れたのは皆さんの本気度が足りないと思いますが、所見も含めてお尋ねをしたいと思います。
  600. 古川元久

    国務大臣古川元久君) 御指摘の司令塔につきましては、様々いろいろな御意見が各方面からございました。そういうものも踏まえた上で、昨年末に私の下に有識者研究会を開催をいたしまして科学技術とイノベーション一体的に実施する体制の構築に向けた検討を行って、十二月に報告書を取りまとめさせていただいて、幾つかの主要な、こうすべきだという御指摘をいただいております。  それを受け止めまして、今現在、科学技イノベーション政策の推進体制の強化のための関係法令の改正等の必要な検討を行っているところでございますので、できる限り早急に政府内で調整した上で、具体的な案を御提示できるように努力してまいりたいというふうに考えております。
  601. 柴田巧

    柴田巧君 終わります。ありがとうございました。
  602. 石井一

    委員長石井一君) 以上で柴田巧君、みんなの党の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  603. 石井一

    委員長石井一君) 次に、井上哲士君の質疑を行います。井上君。
  604. 井上哲士

    ○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  米軍再編見直し問題について質問いたします。  前回の二月七日に質問した際は、まだ日米協議の最中でありました。その後、日米共同発表が行われました。  まず、その共同発表の内容、そしてその後の具体化協議の現状、今後の日程についてお答えください。
  605. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) おっしゃいましたように、二月の八日ですか、共同発表をいたしました。つまりは、いわゆる在日米軍の沖縄の海兵隊のグアム移転と、そしてその結果生じる嘉手納以南の土地の返還と普天間の移設について切り離すということで合意をして、今詳細を協議をしているところでございます。  まだ、現段階でどこにどれだけの部隊が移転をしてということを含めた詳細については、まだ申し上げる段階にはございません。
  606. 井上哲士

    ○井上哲士君 今後の日程。
  607. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いや、今後の日程についても、まだ申し上げる段階ではございません。
  608. 井上哲士

    ○井上哲士君 この沖縄の海兵隊のグアム移転について、普天間と切り離したにとどまらず、ロードマップでは八千人とされていた移動人数、ほぼ半分にするということが言われておりますが、なぜそうなったんでしょうか。
  609. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これは今、言われているという表現を使われましたけれども、現段階で報道でということだと思います。  今、グアム等、グアム等という言い方を私もしておりますけれども、ただ、まだ、先ほど申し上げましたように、正式に何人、どこにということを決めたわけではありません。  それと、グアム等に移転する海兵隊の数が減ったという場合に、さはさりながら、〇六年のロードマップで規定したいわゆる沖縄に残る海兵隊の数、これは基本的に確保されるというふうに理解をしていただいて結構でございます。
  610. 井上哲士

    ○井上哲士君 これは報道だけじゃなくて、アメリカがいろんなことで証言をしております。少なくとも八千人から大幅に減ることは確かなわけで、なぜそうなったかということをちゃんとお答えください。
  611. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ですから、まだ正式に言っているわけではありません。  ただ、これは、まず、それぞれが抱える事情もありますが、いわゆるアジア太平洋地域全体の刻々と変わる安全保障に対してどう対応するかという観点で、また同時に、そのこと自体が日本の抑止力にどう資していくのかという観点議論を行っているということでございます。
  612. 井上哲士

    ○井上哲士君 アメリカの財政事情とか、そして今言われたような様々なアメリカの戦略の変化ということになっているわけですね。ちゃんともう全部報道も言われていますし、アメリカ議会でも言われているんですから、ちゃんと答えていただきたいと思います。これはもう協定が破綻したということですよ。  元々アメリカにおいて、このグアム基地への増強計画は、その所要とかコスト積算の不透明性、それから実現可能性、スケジューリング、そういうことへの疑問がアメリカの政府監査院等からも再三指摘をされてまいりました。特に、インフラの関係上、グアムに八千人も受け入れるのは無理だということも随分指摘をされてきたわけですね。  民主党は野党時代にこのグアム移転協定には反対をされました。透明性、それから説明責任ということを理由にして反対をしたわけですね。そして、今回、政権交代後だから条約は守るんだと言われてきましたけれども、こうやって事実上協定が破綻をして見直しをすると。そうであるならば、なぜそのような米国内での疑問があったのにああいう協定に至ったのかと、これはちゃんと検証すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  613. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私は、そのとき民主党は態度としてどうだったんだと、こういうお話はありますけれども、私は、〇六年は〇六年のときに政府として最善の策を取られたものだというふうに理解をしています。
  614. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、あなた方は透明性も説明責任も果たしていないと言って反対したんですよ。積算根拠がはっきりしないと言って反対したんですよ。なぜそれが最善と言えるんですか、おかしいじゃないですか。
  615. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 私としては、先ほど申し上げたように、当時の政府は当時の政府として最善の努力をされたと、そういうふうに理解をしているということでございます。  そのときに、積算が曖昧だったのではないかとか、今そういうお話がありますけれども、ちょっとそのときの議論を少しそこは検証させていただければというふうに思っています。
  616. 井上哲士

    ○井上哲士君 民主党を検証してじゃなくて、アメリカ側の方を検証しろと私は言っているんです。これは、今の民主党にも透明性、説明責任は問われているわけですよ。  アメリカの議会は、このグアム移転の経費について一一会計年度予算は減額をしました。そして、一二会計年度予算は全部削除しました。その際に、日本の提供資金を含む全ての資金使用にマスタープランの提出など五つの条件を付しているんですね。アメリカの議会はもう自分の国の納税者の観点から計画をチェックして負担を少なくしようと考えますが、一方、日本が提供した資金は日本の会計監査も及ばないわけですね。  ですから、日本の提供資金についても、これは米議会はマスタープランを求めていますから、これについては日本も求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  617. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 日本が資金を提供した事業について米政府にマスタープランを提出を求めるべきとの御質問でありますが、御指摘の件につきましては、昨年十二月に成立した米国二〇一二年度国防授権法において、日本から移転済みの真水資金の支出負担行為が禁止され、この解除の条件の一つとしてマスタープランの提示が米議会から求められているところでございます。  我が国政府としては、沖縄の負担軽減のため、日米合意に基づきグアム移転事業を実施してまいる所存でありますが、これまでも米側にマスタープランについて要望を伝えてきているところでございまして、引き続き働きかけてまいりたいと思います。
  618. 井上哲士

    ○井上哲士君 アメリカ側に要求しているということでありました。これは本当に、日本の資金でありますから、きちっとただしていただきたい。  そして、国防総省は、この海軍省の各プロジェクトについて監査をやっています。日本の資金による各プロジェクトについて、見積りの過大であるとか過小等の問題を指摘された実績があると思いますが、どうなっているでしょうか。
  619. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 御指摘のプロジェクトドキュメントとは、個別の事業について事業概要や費用の見積りについて記載した文書……(発言する者あり)あの、その件につきましては確認をしてきておるところでございます。
  620. 井上哲士

    ○井上哲士君 いや、日本の資金についての監査で問題が指摘された事態はないですかと聞いているんですよ。
  621. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 失礼いたしました。  国防省や海軍省ではそれぞれの事業について監査を行っており、グアム移転事業を対象にしているものもあると承知をいたしております。  御指摘日本政府から資金を提供している真水事業については触れられるものでございますけれども、一般に公表されているものは三件あると承知をいたしております。これは、国防省を始めとする省庁間協力による監査組織から二〇一〇年以降毎年公表されている監査報告書ですが、そこでは、米側の事業とともに日本の真水事業に係る所要額や執行状況等について事実関係が述べられていると承知しておりまして、先ほど申し上げましたけれども、三件あるということでございます。
  622. 井上哲士

    ○井上哲士君 その三件のうち二つはプロジェクトから中止されているんですね。そういういろんな問題があるんです。だから、これこそ日本側が出した資金についてちゃんと透明にしなくちゃいけないと。  アメリカでは、予算要求の際は国防総省規則に基づいて、プロジェクト一件一件について建物や工事の詳細、金額等の所要はもちろん、それが必要になった経緯、それから建設できないとどういう事態が生じるか、これを詳細に説明するプロジェクトドキュメントというのを作成をしております。これは予算書とともに全て公表されております。  アメリカのICGの年次報告書によれば、日本が資金提供したものについても同じ書式のプロジェクトドキュメントが作成をされて、日本政府に提出をされております。是非これはアメリカと同じように公表をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  623. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) それらの情報の内容については、米側との関係もありますが、可能な限りお示しできないか、検討してまいりたいと思っております。  御指摘のプロジェクトドキュメントとは、個別の事業について事業概要や費用の見積りについて記載した文書であると承知しておりますし、御指摘のとおりでございます。可能な限りお示ししたいと検討しているところでございます。
  624. 井上哲士

    ○井上哲士君 アメリカのやつはもうネットでも日本のも全部見れます。可能な限りじゃなくて、全てこれは明らかにしていただきたいと思います。  私は、この壮大なグアム増強計画に財政支援を前政権が約束をいたしました。その計画の実行可能性についてやっぱり十分なチェックもしないままに、ずっと政権替わっても引き継いできたと。このずさんな計画がアメリカの財政などの理由でできなくなったからといって、そのアメリカの勝手な都合で見直しをして、更に日本に資金を増やせと、こんなことは絶対にあってはなりません。  その上で、更に外務大臣にお聞きしますが、この移転協定が前提にしているのは定員の数です。ロードマップの時点では、在沖海兵隊の定員は一万八千人でした。外務大臣衆議院で、昨年の日米間の議論で約二万一千という説明を受けたと答弁をされておりますが、いつから二万一千人になっているんでしょうか。
  625. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 〇八年のときの、ごめんなさい、〇六年ですね、ロードマップのときは、定員が一万八千人ということでございました。昨年、日米で議論しているときに二万一千人の人数であるというふうに説明を受けたのは事実でございますので、私そのとおり申し上げました。  これ、井上委員も御存じのとおり、また多くの委員も御存じのとおり、この間、米軍の運用の問題だということで、その時々の状況で定員は変わる、あるいは人数は変わる、あるいは実員は変わるとか、そういう説明を歴代外務大臣してきたというふうに思います。  私もそこはできるだけ説明をしっかりと今求めているところでありまして、最終的にまとめるときに整理をしてきちっと皆さんに提示できるようにしたいということで担当者に指示をしているところでございます。
  626. 井上哲士

    ○井上哲士君 答弁に、答えていないんですね。  いつから二万一千になったのかと。で、現在二万一千だという認識でいいですね。
  627. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 先ほど申し上げましたように、昨年、日米間の、日米同士の、日米の協議の中で二万一千人ということを聞いたということで、現在何人かも含めてきちっと整理して、最終的にお示しをいたします、そこは。いつからだったのかも含めて、率直に言って、これまでの経緯も含めて、私は今きちっと担当者に整理をするようにということを指示をしているところでございます。
  628. 井上哲士

    ○井上哲士君 防衛大臣はどういう、沖縄の定員についてどういう認識でしょうか。
  629. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 在沖海兵隊の定員数についての御質問ですが、平成十八年の五月のロードマップ合意時には、在沖海兵隊の定員は一万八千人であると米側より説明を受けていたと承知をいたしておりますので、一万八千人という認識でございます。  現在、日米間においては、アジア太平洋地域において海兵隊の部隊構成、規模などを中心に精力的に議論を行っているところであり、その中で現在の定員数についても米側に確認を求めているところですが、協議の具体的な内容については協議がまとまった段階でお話をさせていただきたいと思います。
  630. 井上哲士

    ○井上哲士君 外務大臣は二万一千人とおっしゃって、これは国会でも答弁されておりますが、今は一万八千人と言いました。これ、三千人も違っているんですよ。どうなっているんですか。(発言する者あり)
  631. 石井一

    委員長石井一君) ちょっと速記を止めて。    〔速記中止〕
  632. 石井一

    委員長石井一君) 速記を起こして。
  633. 井上哲士

    ○井上哲士君 じゃ、聞きますが、外務大臣が二万一千人という説明を受けたことを防衛大臣には伝えていないということですか。防衛省は知らないということですか。
  634. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 私は、最終的には数字は決まっていないというふうに認識をいたしておりますが、数字は確かにそういう数字があるというようなことは聞いておりますけれども、しかしこれは確定されたということではありません。  したがいまして、私は、一万八千人が何人に最終的になるのかということは私は交渉の中で決まると思いますし、外務大臣はこの二万一千人という数字が、私は誰から聞いたということは分かりませんが、私は過程の、経過のところの内容だと思っております。
  635. 井上哲士

    ○井上哲士君 将来の定数を何人にするかというのは交渉事ですよ。しかし、今の数なんですよ。何で今の数が防衛省と、防衛大臣外務省のところでこういう食い違いがあるんですか。いつ、いつちゃんと聞いたんですか。
  636. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 昨年のある時期に私は二万一千という説明を聞いたということを申し上げているわけです。今二万一千かどうかも含めて、きちっと整理してお話をします。  〇六年のときは一万八千でしたと。今、田中防衛大臣、昨年は防衛大臣でいらっしゃらなかったわけでありますので、そういう意味で誰から聞いたか分からないと、こういうふうにおっしゃったんだと思います。
  637. 井上哲士

    ○井上哲士君 ロードマップは定員一万八千を八千人減らすとしたわけですよ。つまり、定員が三千増えたというのはもう根幹にかかわる問題なんですね。この問題は沖縄県にちゃんと伝えているんでしょうか。
  638. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 最終的に沖縄に残る海兵隊員の数はロードマップのときと基本的に変わらないというふうにこの間ずっと申し上げてきております。
  639. 井上哲士

    ○井上哲士君 協定には、沖縄海兵隊を八千人移動させると書いてあるだけで、移動前の定員については書いていないんです。移動後も書いていないんですよ。  私、当時国会質問しましたけれども、これだったら、移転をさせたと、日本が資金を負担したと、その後にアメリカが今度定員増やしたら、結局沖縄では全く減らないじゃないかと、こういうことになるじゃないかということを質問いたしました。そうしたら、まあ一万から僅かに変わることはあるかもしれませんがという答弁でありました。三千人も増えたらですよ、まさに今後も、移動したけれどもまた定員増やしましたと、結局沖縄の負担減には何もつながらない、変わらないと、こういうことになるじゃないですか。
  640. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いや、それは井上さん、ちょっと違うんじゃないですか。  つまり、最終的に残る海兵隊の数は〇六年のときと変わらないということを何回も申し上げているわけでありますから、負担減につながらないとか、そういうことではないと思うんです。結局、残る数は〇六年と変わらないわけでありますから、そういう意味では、私は今の御指摘はちょっと当たらないんじゃないかと思います。
  641. 井上哲士

    ○井上哲士君 果たして一万人になるのかということも報道されておりますけれども、しかし今回、見直し協議の中で三千人増えたと分かったんでしょう。その間どうなっていたんですか、そうしたら。全く日本が知らない間に定員が増えていたわけですよ。この見直し協議がなくて聞いていなかったら、定員が増えている、そのことによって残る数がどうなっているか全く分からなかったということじゃないですか。どこにどういう担保があるんですか。
  642. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いや、これは、是非私も歴代の外相を始めその答弁を調べたいと今思いましたけれども、米軍の運用上の問題でその時々に応じて定員って変わっていますよね。実員も変わっていますよね。その都度発表していたかといえば、発表していないと思います。ですから、私はむしろ果たしてそれでよいのかという問題意識、私自身あるんですよ。だから、あえてこの間言ったんです、二万一千って聞いたっていう数字も。  ですから、どういう形かで、やはり適当な形でその時々において公表していくということを考えられないかという問題意識で今、そのことも含めて私は今担当者に指示をしていると、こういうふうに申し上げているわけです。
  643. 井上哲士

    ○井上哲士君 全く納得できません。  さらに、じゃ聞きましょう。これが、今の現状でいいますと、大体移転するのが四千とか四千七百という報道になっております。元々外国の領土にある外国の基地に資金を提供したという前例がないにもかかわらず、沖縄の負担軽減ということで日本が資金負担をするというのが協定でありました。であるならば、移動数がほぼ半減する以上は減額が当然だと思います。そして、報道によりますと、実際移転費用の総額も百二億ドルから九十億ドル以下になるというふうに言われていますが、一方、アメリカは日本側の真水負担を二十八億ドルから三十五億ないし四十億ドルに増やせという要求をしているというふうに、そして調整中だという報道があります。  日本政府は二十八億ドルは上限だとしてきたわけですから、これは増額などあり得ないと明言してください。
  644. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) まず、海兵隊、沖縄に残る数は一万人ということは、仮に定員が増えていたとすればむしろ沖縄の負担の軽減につながるということだと思います。  それが一つと、経費の話は……(発言する者あり)いや、いや、いや。経費の話は、これ山本委員がたしか最初のころ質問されましたけれども、私は、本当にこの問題というのは最終の局面で決めるべき話であるというふうに思っています。つまりは日米間の、ビッグピクチャーという言葉もありましたけれども、やっぱりそういう中でどういうふうに経費の問題を考えていくのかということではないかと思っていまして、私は最初から幾ら負担すべきだとか、そういうことを決めているわけじゃありません。最終的に、部隊の配置、人数、アジア太平洋全体に対する影響、日本の抑止力に対する影響、そして日本とアメリカ、あるいは自衛隊と米軍のそれぞれの役割分担、責任の分担、そういったことを含めて総合的に判断をしていかなきゃいけない課題であると、そういうふうに考えております。
  645. 井上哲士

    ○井上哲士君 協定は、二十八億ドルは上限だと言っています。それよりも増える可能性があると、そういうことですね。
  646. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これまでこの場で申し上げてきたことは、そういう、何といいますか、御指摘には、つまりグアムに移転する数は減るんだから、減らさなきゃいけないとか増やしちゃいけないとかということに対しては留意をしていく必要があるということを申し上げてきたというふうに思います。  同時に、さはさりながら、今までたしか融資を入れると六、四だったと思いますけれども、どういう形でいずれにしても経費を負担していくかということについて、先ほど申し上げましたように、最終的に全体像を見て判断をしなきゃいけないというふうに思っています。
  647. 井上哲士

    ○井上哲士君 融資は返ってくるから、あくまでも二十八億の真水は上限だと繰り返し答弁されてきたんですよ。それが変わるということですね、確認します。
  648. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 経費は何ら決まっておりません。まだこれからでございます。
  649. 井上哲士

    ○井上哲士君 上限が変わる可能性があると、上限じゃないということでいいんですね。それでいいんですね。
  650. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) そこは何も決まっておりません。
  651. 井上哲士

    ○井上哲士君 私は、これは前政権のときも何度か質問をしました。例えばアメリカの監査院が、総額が増えるという報道があったときに、当時の自民党の浜田防衛大臣質問しました。仮定の話とか逃げませんでしたよ。上限はこれだけということは曲げるつもりもありませんとはっきり言いました。そういうことは言えないんですか。
  652. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ですから、先ほど来から申し上げておりますように、そういった御指摘に対しては留意をするというふうに申し上げています。
  653. 井上哲士

    ○井上哲士君 時間ですから終わりますが、琉球新報はこういう社説書きました。規模はほぼ半減しているのに負担は増える、日米同盟を重視する立場から負担増に方向転換したと報じられているが米国追随そのものだ、血税の使われ方としておかしいと、こういう声を出しました。国民の声であり、沖縄の声であります。  国民消費税を押し付けようとしながらこんな大盤振る舞いをやることは絶対許せないと申し上げまして、質問を終わります。
  654. 石井一

    委員長石井一君) 以上で井上哲士君、日本共産党質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  655. 石井一

    委員長石井一君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田君。
  656. 吉田忠智

    吉田忠智君 社会民主党・護憲連合吉田忠智でございます。  社会保障と税の一体改革は、まず社会保障の全体像を示した上で、税金や保険料等でどれだけ国民に負担していただくのか、その際に逆進性対策などどのような対策が必要かといった丁寧な議論が必要であります。そこでまず、懸案となっている課題について何点か質問させていただきます。  まず、障害者自立支援法の廃止問題であります。  自立支援法を廃止し、総合福祉法を制定することは、マニフェストでも、さらには裁判所の和解に向けた違憲訴訟原告団との基本合意でも確認されております。しかし、政府の障害者総合支援法案は、自立支援法の廃止ではなく、改正であります。また、内容的にも、多くの障害当事者が参加した総合福祉部会が昨年八月に出した骨格提言で打ち出した利用者負担の原則無償が入れられないなど、骨格提言を尊重するものになっておりません。  総合支援法案は一旦撤回をして、自立支援法を廃止し、骨格提言に最大限沿った新たな総合福祉法案を出し直すべきではないかと考えますが、いかがですか。
  657. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 平成二十二年十二月の障害者自立支援法等の一部改正によりまして、自立支援法廃止の最大の理由でありました利用者負担が応益負担から応能負担に改正されるなど、抜本的な改正が行われています。  今回の新法では、障害者基本法に基づいた基本理念を盛り込んであります。法律の根幹となる名称ですとか目的規定を改正することにしているので、これは障害者自立支援法の廃止になるというふうに考えています。  また、御指摘の総合福祉部会の骨格提言につきましては、これは障害当事者の皆さんの思いが込められたもので、ちょうだいをしたときから、これは段階的、計画的に実現をしていくと申し上げています。直ちに対応可能なものは今回の新法で盛り込みましたし、障害福祉サービスの在り方ですとか障害程度区分の認定を含む支給決定の在り方など検討に時間を要するものにつきましては、施行後三年をめどに、当事者の皆さんなどの意見も伺いながら見直し検討を行うことにしています。  こうした法律による対応に加えまして、報酬、予算、運用等、引き続きあらゆる政策手段を組み合わせて障害施策の充実に取り組んでいきたいと考えています。
  658. 吉田忠智

    吉田忠智君 多くの当事者の皆さんが抗議しているわけですよ。事実上、実質上の廃止というのは廃止ではありません。改正です。障害程度区分に代わる新たな協議調整モデルの導入が財政負担につながるとする、政府側が原則無償に反対したのではありませんか。  行政府が司法上約束したことを覆すというのはあってはならないことだと思いますが、その点はいかがですか。
  659. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今申し上げたように、覆してはおりません。それで、障害当事者の方も、多くの方の御納得はいただいている。一部に異論があることは承知をしていますが、それは時間を掛けて、当事者の方、関係者の方の御意見も伺いながら三年後をめどにやると。段階的にしっかりと計画的に取り組んでいくつもりでございます。
  660. 吉田忠智

    吉田忠智君 再検討を強く求めます。  次に、子ども・子育て新システムについてでございます。  全世代型の社会保障を打ち出す一体改革の目玉政策がこの子ども・子育て新システムであります。しかし、今日も議論がありましたように、認定こども園の低い基準が、創設される総合こども園の基準とされたり、企業参入により給食の材料費や保育労働者の人件費もカットされ、今以上に保育の質の大幅な低下につながるのではないか、また、幼稚園に対して総合こども園への移行が義務付けられなかったことから、待機児童対策とはならないのではないかとの懸念が出されております。  さらに、就学前の施設は、総合こども園、それから三歳以上の子供のみを受け入れる総合こども園、それからゼロから二歳の保育所、それから現行の幼稚園。所管も、厚労省、文科省、内閣府。一元化、一体化どころか、三元化、四元化じゃありませんか。  新システムについて、子供にとって必要な保育、幼児教育とは何かという観点から再考して出直すべきだと考えますが、その点はいかがですか。
  661. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 今回のポイントは、幼稚園の持っている教育という機能、それからこれまでの保育園の保育機能、これを一体化をしていって、そして質を高めていくと、これが目標であります。そういう意味で、給付の一体化ということで、こども園給付というのをそうした形で統合をしていくということが一つ。  それから、もう一つは施設の一体化でありますが、そこに総合、これもこども園という類型をつくって、これまでの認定こども園を更に発展させながら総合こども園に収束をしていくということであります。施行後三年を目途に、保育園については総合こども園に統合して変えていくということ、それから幼稚園についても移行を政策的に誘導をしていくということにしております。  それからもう一つ、組織についてですが、これは内閣府が担当していくということでありまして、内閣府の特命担大臣、私を長とする子ども・子育て本部、これを設けて、将来はこれを子ども家庭省ということで発展をさせていくという方向性を持って臨んでいきたいというふうに思っております。
  662. 吉田忠智

    吉田忠智君 日本の保育はやっぱりOECDでも最低レベルですよ。やっぱり子供の最善の利益、保育士などのケースワーカーの待遇をどう確保するかという視点で考えるべきだと思いますが、その点についての見解を求めます。
  663. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 先ほども答弁をさせていただいたように、新システムの中では、今回、消費税を御負担いただく一%分の充実一つの柱がこちらでございますので、質を上げるためにしっかりとその配置基準を上げたり処遇も上げたりしたいと考えています。  就学前の全ての子供に質の高い学校教育と保育をここで用意をするということですので、当然、保育の質が低下しないように国が定める基準でいろいろな基準を、職員の資格、それから人数、それから面積ですとか、いろいろな形でこれは国が定めまして、その基準を踏まえて指定権限を有する市町村が条例で定めるということですので、質を上げようと思っておりますので、下げるということはございません。
  664. 吉田忠智

    吉田忠智君 是非これもまた再検討いただきたいと思います。  現役世代に対するもう一つの柱、支援策の柱が非正規労働者への社会保険の適用でございます。当初、政府・民主党は適用拡大を週二十時間以上の三百七十万人全てを最終目標とすると言われておりましたが、結果的には週二十時間以上、従業員五百一人以上の企業に勤める年収九十四万円以上の対象者が四十五万人ということで狭められました。聞くところによれば、民主党の経産部門会議が企業利益を代弁して押し切ったと、そのような話も聞きました。  国民は本当に失望しております。非正規労働者の皆さんも失望しております。今後の適用拡大についてどのように取り組むのか、伺います。
  665. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 短時間労働者への社会保険の適用拡大というのは、格差の是正という意味からも、多様な働き方を支える意味からも、今回の改革の中の一つの柱でございます。  私どもは先ほどおっしゃったようなことを提示いたしましたけれども、これは適用範囲をできる限り広くすべきだという労働側からの意見と、それから足下厳しい経済情勢の中で企業経営への影響を憂慮する意見というのがございまして、その結果、これは党の中で四十五万人対象からスタートをすると決めました。そして、施行後三年以内に対象を拡大することを、これは法律に明記をするという案を取りまとめておりますので、これはいろいろなことが一歩ずつ進んでいかなければいけないので、最終的には三百七十万人を目指しながら、現実的なところからスタートをしたということでございます。
  666. 吉田忠智

    吉田忠智君 これについては、是非、非正規労働者の皆さんが希望が持てるように、適用拡大に向けて特段の努力をしていただきたいと思います。  次に、歳入庁の設置についてでございます。  私は、消費税増税を議論する前提として、例えば逆進性対策あるいは価格転嫁の適正化、租税と社会保険料の徴収面の実効性を高める歳入庁の創設、これは必要不可欠だと思います。法律案にもそのことはうたわれているわけでありますが、政府としてどのような方向性で歳入庁の設置を検討していかれるのか、伺います。
  667. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 歳入庁につきましては、現在、私の下に作業チームをつくりまして検討を行っているところでございます。検討観点は三点、国民年金に対する信頼回復の視点、行政効率化の視点、新制度への対応の視点、以上三点に基づきまして、今月中にも中間報告を私に対していただく予定でございます。
  668. 吉田忠智

    吉田忠智君 いつごろまでに大体具体案が出ることを考えておられますか。
  669. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) 四月中に私に中間報告をいただくということでございます。
  670. 吉田忠智

    吉田忠智君 これは確かに省益が絡む大変難しい問題でありまして、ある意味では政治主導が問われていると私は思います。その点を特に申し上げて、もうこれ以上今日は議論しません。  次に、価格転嫁対策について質問します。  消費税率が五%にアップされた九七年の日本商工会議所などの調査によれば、中小企業者の六割が価格転嫁できなかったと回答しています。今回の消費増税で税率は二倍になるわけですから、中小企業へのしわ寄せを防ぐ観点で、これまでの対策以上の重点的な価格転嫁対策が必要だと考えます。もちろん、今のようなデフレの状況消費税が上げられるかということは当然の前提としてありますけれども、価格転嫁対策について、基本的な課題として伺います。
  671. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 消費税の転嫁対策については、弱い立場の事業者が不利益を被ることのないよう、事業者の実態を十分に把握し、関係府省が一丸となって対策を講じてまいりたいと考えております。  具体的には、今回、段階的な引上げになることも踏まえ、一つに、消費税の転嫁、表示等に関するガイドラインの策定及びその周知徹底、二つに、中小事業者向けの相談窓口の設置や講習会の開催、三つ目に、取引上の優越的な地位を利用した不公正な取引の取締り、監視の強化、四つ目に、便乗値上げ防止のための調査監督及び指導といった取組を始め、徹底した対策を講じていきたいと考えております。  各府省の緊密な連携確保し、総合的に対策推進するための本部を内閣に早急に設置することといたしております。  また、転嫁対策と関連して、中小事業者のために必要な財政上、税制上、その他の支援措置を検討することとしており、この方針に沿って適切な支援措置をしっかりと検討してまいります。
  672. 吉田忠智

    吉田忠智君 今、中小企業対策観点から、中身がないんです、確かに。それで、制度上の問題として、例えば抜本的な透明化策あるいはインボイス方式の導入、この点についてはいかがですか。これは財務大臣
  673. 安住淳

    国務大臣安住淳君) さっきの前段の話ですけれども、やはり下請法とか中小企業関連法とか、公取の取締りを強化して、やっぱり中間で優越的地位から泣くような人がないようにしようということについては、かなり強い、言わば政府としての働きかけは強めていこうということを私ども思っておりますので、そういう観点から先ほど枝野大臣から御答弁いただいたと思います。  それから、インボイス制度は、残念ながら、今回は単一税率を守るということで見送りをさせていただきました。様々な社民党の御提言をいただくと、上げた場合はインボイスという声もあるわけですけれども、請求書等保存方式で今回はいかせていただきたいと思っております。
  674. 吉田忠智

    吉田忠智君 いずれにしても、具体策というのがなかなかありません。中小企業者の皆さんが安心できるような状況ではありませんし、前提として、今みたいなデフレ不況の下で上げられるはずもないということも、これは申し上げておきたいと思います。  次に、逆進性対策についてですが、もうこれは改めて言うまでもありません。逆進性が強いということは政府も認めているところですが、どう対応されるんですか、逆進性対策
  675. 安住淳

    国務大臣安住淳君) やっぱりこれまでも消費税を上げた段階で、給付金制度でこれは単発でやっているんですね。今回は、まず番号制度を設けたら、それをベースに給付付き税額控除をやります。ただ、それまでに時間が掛かりますので、その間は簡素な要するに給付制度を考えておるということでございます。
  676. 吉田忠智

    吉田忠智君 簡素な給付措置、あるいはそれは一兆円必要だというような試算もありますね。それから、給付付き税額控除、今お話ありました。それから、総合合算制度というのも課題として出されています。これは二〇一五年から予定をされていると言われる番号制度の定着が前提です。制度の中身や導入時期も未定です。こんな状態で逆進性対策に取り組んでいるというふうに言えますか。
  677. 安住淳

    国務大臣安住淳君) ですから、負担がそれだけ所得の低い方には高くなるということで先生は逆進性のことをおっしゃっているんであれば、その負担分について何らかの現金給付によって補うというのは、十分私はそれは取り得る政策だと思います。
  678. 吉田忠智

    吉田忠智君 全く理解ができません。  今までるるお話ししましたように、部分ごとに制度設計がされている社会保障改革はがたがたです。消費税増税に伴う徴収の適正化、低所得者の逆進性対策も混乱していると思います。後期高齢者医療制度廃止も、これもできていません。被用者年金の一元化を含む年金制度抜本改革も先送りです。  このように、社会保障の全体像や増税に伴う対策、特に逆進性対策も曖昧なまま消費税増税だけを訴えて、国民の納得が得られると思いますか。
  679. 岡田克也

    国務大臣岡田克也君) まず、被用者年金一元化、厚生年金と共済年金の一元化については四月上旬をめどに国会法案を提出したいというふうに考えております。  それから、何を前提議論するかなんですけれども、消費税の引上げだけを議論するのか、それとも消費税を引き上げることによって、年金医療介護、あるいは子ども・子育て支援といった社会保障制度が持続可能になるのかという、そこまで含めて議論するのかということだと思います。  どんどん借金を消費税を上げずに続けていけば、やはりどこかで行き詰まってしまって、ヨーロッパの諸外国の例を見ても大幅な年金の引下げ、削減とか、いろんな厳しい、特に所得の少ない方に厳しい措置に陥ってしまうと。そういったことを防ぐためにも、やはり借金してどんどんツケを先に延ばすということではなくて、やはり健全な増税によってある程度のその財源を担っていくということは私は必要だと思います。  なお、今回の措置の中で保険料医療国民健康保険とか介護とかそういった保険料についての所得の少ない人に対する軽減措置というものも盛り込まれているところでございます。
  680. 吉田忠智

    吉田忠智君 いずれにしても、この前、福島党首が申し上げましたように、政権発足時の三党合意にももとりますし、また、消費税を引き上げるためのやっぱり条件整備がとても整っていない、国民皆さんに提示されていない、そのことを申し上げたいと思います。  原発再稼働の問題、最後に触れさせていただきます。  私が調べたところによれば、藤村官房長官が代表を務める民主党大阪府第七総支部は、〇九年八月、関西電力関連団体より政治献金を受けております。野田総理の千葉県第四区総支部も電力総連や東電関連から政治献金を受けています。また、枝野大臣も東電関連企業十数社から、パーティー券の購入をしていたというふうに報じられております。このことは事実ですか。
  681. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 政治献金あるいは政治資金パーティーの対価収入については、具体的な内容は収支報告書に記載しているとおりであります。これらの収入は法令の規定に従っていずれも適切に処理されております。  私の場合は調べていただいたと思いますが、平成二十一年に多分二回に分けてだったかと思います。それがあったと私も記憶しています。
  682. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 東電関連企業からのパーティー券という話については、多分一月の朝日新聞の報道だと思いますが、これについては参議院本会議で水野議員から御質問を受けて明確にお答えをしておりますが、私自身そもそもパーティー券、パーティーそもそもほとんどやっていません。過去十年間遡って調べましたが、平成二十二年の三月と十二月に朝食会を開いたというのがございます。そして、その際に、東京電力それから関西電力それぞれ、政治資金規正法の公開基準以下の少額のパーティー券をそれぞれ買っていただいているということはありますが、これを多額ということをどう評価を受けるのかどうかは、それはそれぞれの御判断だと思います。
  683. 吉田忠智

    吉田忠智君 細野大臣は企業・団体献金を受けられていないということを答弁で聞きましたが、いま一度確認します。
  684. 細野豪志

    国務大臣(細野豪志君) 企業・団体献金は受けておりません。それと、パーティーも私はやりませんので、受けたということはないということでございます。
  685. 吉田忠智

    吉田忠智君 今日、この後、総理含めて四大臣による原発再稼働に関する関係閣僚会議が行われるということでございます。政治判断するといいましても、利害関係者ですよね、政治献金を受けた。李下に冠を正さず。関係団体から寄附を受けている以上、政治判断の資格はないと思いますが、改めてお二人にコメント、見解を求めます。
  686. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 収入は、法令の規定に従っていずれも適切に処理をしています。そういう意味で、原発の再稼働の判断に何か影響があるようなことを言われたのかもしれませんが、それは全くございません。原発の再稼働に対する判断というのは、その手順に従って適切に進めてまいりたいと考えております。
  687. 枝野幸男

    国務大臣枝野幸男君) 今の官房長官と全く同じ認識でございます。
  688. 吉田忠智

    吉田忠智君 極めて疑問が残る、そのことを申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  689. 石井一

    委員長石井一君) 以上で吉田忠智君、社会民主党・護憲連合質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  690. 石井一

    委員長石井一君) 最後に、荒井広幸君の質疑を行います。大分時間がよくなってきましたから、どうぞお願いします。荒井広幸君。
  691. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 新党改革の荒井です。  各閣僚には、御参加いただきましてありがとうございます。  今日は、郵政民営化法案の改正案及びTPP、そしてがん保険、この三つをキーワードに各閣僚にお考えを聞き、日本をどういう方向に持っていこうとしているのか、国民をどういう形で幸福に導こうとしているのか、そういったことの手だてになればということで、今日はこの三つをキーワードにお話をさせていただきたいと思います。  まず、都民共済というのがあります、県民共済というのがあります。お入りでしょうか。委員皆さんも、生命保険で都民共済、県民共済、聞いたことあろうと思いますが、こういう共済保険制度、これはTPP交渉のテーマになるんでしょうか。事務方からどうぞ。
  692. 八木毅

    政府参考人(八木毅君) 御説明申し上げます。  TPP協定におきます保険サービスでございますけれども、金融サービス章において、透明性、あるいは内国民待遇、最恵国待遇といった無差別性について議論されているというふうに承知しております。  また、民間との対等な競争条件の確保を念頭に議論が行われているとの情報がございますが、共済といった個別分野の扱いについては明らかになっておりません。また、共済についてはこれまで議論はないとの情報もございます。
  693. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今私が申し上げましたこのいわゆる共済保険制度というのはどういうものがあるかといいますと、例えば経営セーフティ共済、これは中小企業庁、全労済、これはよく、時々聞きます、厚生省、そしてJA共済、こういったものを含めて、それからPTA共済というのもあるんです。きずながこの震災で大変言われました。助け合い、相互扶助の形なんですね。この制度はいわゆる保険業法の対象外であります。  こういう仕組みになっているわけですが、さて、同じように助け合いの仕組みとしては、日本には郵政の簡易保険というのがありました。今もいわゆる簡易保険会社としてかんぽというのがあります。このかんぽの部分、あるいは簡易保険会社と言ってもいいですね、今日はちょっと銀行のは外しますが、こういった点、この存在ですね、それから商品開発をするということはTPPの交渉分野でしょうか。
  694. 八木毅

    政府参考人(八木毅君) TPP協定交渉におきます郵政による保険サービスの取扱いについてでございますが、これも共済と同様、金融サービス章において透明性等について議論されているというふうに承知しております。保険サービスについて民間との対等な競争条件の確保を念頭に置いた議論も行われているとの情報がございますが、郵政事業体についてはこれまで議論はないとの情報もございます。  また、別の章、競争政策章において国有企業についての議論が行われておりまして、この中で、昨年十月末にアメリカが提案を提出したと、その提案は、有利な待遇を与えられた国有企業による競争及び貿易の歪曲の防止、民間企業との間での平等な条件の付与を意図しているとされております。このアメリカ提案につきましては各国が検討している段階であり、国有企業の規律に後ろ向きな国もあるとの情報がございます。  いずれにいたしましても、郵政事業体といった個別分野の扱いについては、簡易保険や新商品の開発との関係も含め、明らかになっていないということでございます。
  695. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 外務大臣にお尋ねします。  今の二つの制度がありますね。これらについて、最前線で大臣がやられているんでしょうから、TPPの交渉のこれはテーマになるかどうか、これを含めて米国側の意見はどういう意見ですか。
  696. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) TPP交渉の対象になるかどうかは、今、八木局長が話をしたとおりなんですが、日米経済調和対話で、もう御存じだと思いますけれども、共済について対等な競争条件を確保すること、そして日本郵政の提供する保険サービスについて、日本郵政グループの競争上の優位性を完全に撤廃し、規制面で同一の待遇と執行を確保する、WTO上の義務と整合する対等な競争条件を確立するとか、この二国間のこれまでの対話の中で言ってきているというのはこれ事実でございます。  TPPでその後、個別分野として今の分野が扱われるかどうかは本当にまだ分からないという状況でおります。そういう状況でございます。更に言えば、パブコメでも今の日米経済調和対話で出てきたような話は出てきているというのが実態でございます。最終的に、米国政府はそのパブコメ含めて立場を整理するということの現段階の状況だというふうに思っています。
  697. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 今のパブコメというのは、パブリックコメントということで政府が、これ外務省がまとめたものですけれども、各団体が、アメリカの団体が言ってきている要求には、まさにこの二つは圧倒的な交渉の分野なんですよ、交渉品目なんです。  そこで、日米で保険協議、これは金融担当大臣にお尋ねいたしますが、日米でいわゆる保険、皆さん、我々がん保険と言っているのは第三分野といいます。生命保険、第一分野、そして損保が第二分野とすれば、その中間にあるがん保険など、こういったものを第三分野というんですが、これは、二〇〇一年まで日本はアメリカの圧力によって単品のがん保障というのは、がん保険というのは出せなかったんです。どうして販売することができなかったのか、大臣、御見解、お聞かせください。
  698. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 荒井議員にお答えをいたします。  我が国のいわゆる先生が言われた第三分野保険においては、昭和四十年代末には外資系の保険会社によるがん保険、それから昭和五十年代の後半以降には医療保険の販売が拡大をしてきました。この分野の商品は、外国の保険会社や中小生命保険会社の依存度の高い商品分野だったことへの配慮等により、大手生命保険会社による参入が行われてこなかったところでございまして、同様の配慮等を理由に、日米保険協議の合意を受けて、損保の生保子会社及び損保会社による医療、がん単品の販売は制限されていましたが、今先生が言われましたように、一応の激変緩和経過を経て二〇〇一年には自由化されました。
  699. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 なぜそうなんですかって聞いたんですが。  これは簡単に言えば、事務方答えてくださいね。九四年、これは宮沢さんとクリントンさんの日米包括です。この協議の中で、この分野がアメリカにだけ市場を開放するというふうに約束して、そして日本は開発しない、こういう約束があって、九六年に更に延長したという経緯はありますね。──いやいや、事務方でいいです。
  700. 細溝清史

    政府参考人細溝清史君) 一九九四年の日米保険協議における合意があったのは事実でございますが、それはアメリカにだけ開放するということではなくて、保険会社ないしは保険会社の子会社、損保会社の生命保険子会社も含めて順々に規制緩和をしていくといったことであったと承知しております。
  701. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 モーリス・グリーンバーグというのがいたんですよ。そのころ私も自民党にいて、そういう交渉の外側でしたけれども、かなり近いところで見ていたんです。AIGの会長です。  もうアメリカがほとんど入ってきて、軍門に下って、日本では、皆さん、単品のがん保険というのはほとんどありませんから、八五%がもう外資に全部食われているんです。皆さんが入っている、入ればもう何か月もがんだったら保障しますとか、再入院しても大丈夫ですという、こういう単品のがん保障というのは八五%アメリカですよ。そうやって全てアメリカとの外交交渉でやられ尽くしてきているんです。そのときにバシェフスキーっていう人がUSTRの代表代行で、三塚蔵相だったんですよ。そういう協議の中でやってきて、結局アメリカに、さあ大体取られた、挙げ句に二〇〇一年自由化が決まったということなんです。  何を私言いたいか。アメリカはそのときからどういうふうにしているかというと、日本のお金を、特に保険分野のお金、潤沢な金でした。これを運用はアメリカにやらせろというような話なんですよ。がばっと食いに来た。そして、郵政民営化の議論が出てき、そして今またTPPの議論、全部同根なんです、私から言うと。つまり、どういうことかというと、汗水垂らした日本のお金が、これがいわゆるアメリカを中心に持っていかれて運用されていくという歴史をまた私は目の当たりにしているなということで、非常に危機感を持っているんです。  そういう意味で、私は、ちょっと質問を飛ばしますけれども、自見大臣、ちょっと短く言っていただかないと質問できなくなるんで、こういう意味で、どういうことかというと……(発言する者あり)よく分かっていますが。TPPの交渉前交渉をしている今の現在、今度の郵政の法案、民自公で決めましたね。最初は、民主党は〇九年九月九日に三党合意で株売却凍結を言ったんです、かんぽ会社の。ところが、二年うるかした上で、今度はどういうふうにしたかというと、努力規定にしたわけです。小泉さんのところは売却にしたわけ。凍結にしたわけ、政権交代で。そして、今度は、この間出したのは努力規定、全株の処分を目指す。これ、どういう意味ですか、全株の処分を目指すというのは。  官房長官、そして郵政担当大臣外務大臣、三人に順番に見解聞きます。
  702. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) まず、今おっしゃっているのは、三党の合意による今回法案だと思います。  この合意をまとめるに当たっては、金融二社の株式処分の在り方を含めて、金融二社と他の金融機関との対等な競争条件の確保についても議論が行われたと。これは政府の立場でいうと、それを聞き及んでいると、こうなるんですが、政府としましてはその結果を最大限尊重すべきものだと、このように受け止めています。  なお、かねてより、米国政府日本郵政の民営化の是非については中立的立場を維持すると、そういう旨表明しているような先ほどのお答えもございました。  政府としましては、WTO協定を始めとする国際約束との整合性を確保していくとの従来からの我が国の考えを引き続き表明し、関係国の理解を求めていきたいと考えております。
  703. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 一昨年ですね、私も郵政改革担当国務大臣を拝命させていただきまして、ワシントンに行かせていただきまして、アメリカの財務省のブレナード次官と直接お会いをいたしました。それから、またすぐ駐日大使が私の大臣室に来られましたが、どちらとも、今言われましたように、この郵政法案について、日本郵政の民営化の是非については、これは日本が決定すべき事柄であり、どうこうそれは、外国の政府はこれは言わないと。それはあくまで中立的な立場ですけれども、結果として、日本郵政が民間企業に比べて優越的な結果としての平等というものを、競争条件の平等性をきちっと確保してくれと、そういったことを大変強く言ってきたわけでございますから、私は、前の法律でございましたが、ちゃんとそのことを、対等な競争条件をきちっとシステム上、仕組み上も入れているということを話をして別れたわけでございまして。  そういった意味で、いずれにいたしましても、政府としては、三党合意で出した法律は、これは基本的に、議員立法でございますから私はコメントする立場には基本的にはないわけでございますけれども、いずれにしても、国際約束との整合性を確保していくとの従来からの我が国の考えを引き続き表明し、関係国の理解を求めていくということが大事だろうというふうに思っておりまして、しかし、今、外務省の高官の話によると、個々にはこの話はまだ取り上げていないということでございましたが、そういったこともしっかり留意しながら、やはり日本は自由貿易で大変、ベネフィットといいますか、それを得た国でもございますから、そういう原点にもしっかり留意しつつ、やはり国内にもいろいろな伝統、歴史のあるものがたくさんあるわけでございまして、やはり国民の安心、安全、あるいは利便ということも非常に大事でございますから、その辺をきちっと調和をさせていく、やっぱりバランス感覚を取っていくということですね、私は、この問題では政治家として非常に必要であろうというふうに自覚をいたさせていただいております。
  704. 石井一

    委員長石井一君) 玄葉外務大臣、模範的な簡潔な答弁をお願い申し上げます。
  705. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) お尋ねは、株式売却が努力規定になったと、その三党間の合意のお尋ねだと思いますので、これは全株の株式を売却をする、最終的にはですね、だけれども、できるだけ早期にそれを売却をするというのが三党間の合意ではないかというふうに承知しています。
  706. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 TPP交渉に間に合いますか。  アメリカは確実にこのところは非常に大きな課題として、外務省と金融庁言っているようなレベルじゃないですよ。外務大臣はカークさんに会いましたか、USTRの。会っていますか、十一月。それとも財務大臣、会っていますか、カーク代表に。
  707. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 会っています。
  708. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 会っているときに言われていませんか、郵政について。
  709. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) そのときは言われた記憶ございません。
  710. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 外国貿易障壁報告書の中でも明確に言っていますし、カークさんは明確に、来日したときに、この問題、重要なTPPの障壁になると、こう言っているんですよ。  隠しているのかどうか分からないけれども、知らないならばそういうことを情報としても集めなければ、私は、結論として言いたいのは、私の考えはありますよ、郵政については。竹に木を接ぐか、木に竹を接ぐかのような、こんな妥協案を出したら、完全に民営化しないからがんじがらめだし、そして完全に民営化しないから、ユニバーサルサービスを一方では掛けると言っているし、ビジネスモデルとユニバーサルサービスの提供でどうにもならなくなって、がん保険なんかは出せなくなるということを言っているわけですよ。  今、二人に一人が日本人は亡くなっているんですよ、がんで。ほとんどが海外のものにみんな委ねている。簡易保険ががんをつくったらば、もっといいものになりますよ。そういう視点からこのTPPも考えていかなくちゃならないんですが、まとめ役の官房長官に聞きますよ。  日本のそうした共済制度を含め、郵政もそうなんですが、みんなの善意で助け合って入っていく中で、言ってみれば健康保険とか介護保険を補う形での自助と共助の間のこういう仕組みを、アメリカさん、あなた方もやる時代ではないかと、そういう政治的意図は持っているんでしょう。どうですか。
  711. 藤村修

    国務大臣(藤村修君) 共済のこともおっしゃいました。TPP交渉における保険サービスの在り方ということで、御指摘の共済といった個別分野の扱いについて今のところまだ明らかにはなっておりません。共済の制度、内容等について、これ関係国との協議に応じて、必要に応じて説明をこれは日本が行っていくということかと思います。  いずれにせよ、TPP協定について、関係各国が我が国に求めるものについては更なる情報収集に努めて、それは十分な国民議論を経た上で、あくまで国益の視点に立ってTPPについて結論を得ていきたいと考えております。
  712. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 まとめます。
  713. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、一言で。
  714. 荒井広幸

    ○荒井広幸君 はい。  きずなが今言われている時代、国もお金がなくて保険制度が大変な時代、官から民ではなくて、官から公、みんなが助け合う、官と民が助け合う、公という概念が世界を救います。日本はこの災害でそれを感じたんです。どうぞTPPの交渉前の交渉で、皆さん重要な立場にあるんですから、そういったことをアメリカに教え込んでください。  終わります。
  715. 石井一

    委員長石井一君) 以上で荒井広幸君、新党改革質疑は終了いたしました。(拍手)  次回は明四日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十七分散会