運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2012-03-19 第180回国会 参議院 予算委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十四年三月十九日(月曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月十六日     辞任         補欠選任      外山  斎君     林 久美子君      林  芳正君     島尻安伊子君      山崎  力君     高階恵美子君      山田 俊男君     若林 健太君      秋野 公造君     草川 昭三君      小野 次郎君     松田 公太君      田村 智子君     大門実紀史君  三月十九日     辞任         補欠選任      川合 孝典君     櫻井  充君      田城  郁君     大久保 勉君     はた ともこ君     外山  斎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石井  一君     理 事                 植松恵美子君                 川上 義博君                 武内 則男君                 徳永 久志君                 有村 治子君                 礒崎 陽輔君                 山本 一太君                 浜田 昌良君                 中西 健治君     委 員                 石橋 通宏君                 大久保 勉君                 大塚 耕平君                 金子 洋一君                 川合 孝典君                 小西 洋之君                 櫻井  充君                 谷  亮子君                 谷岡 郁子君                 友近 聡朗君                はた ともこ君                 林 久美子君                 姫井由美子君                 広田  一君                 牧山ひろえ君                 蓮   舫君                 赤石 清美君                 猪口 邦子君                 片山さつき君                 片山虎之助君                 川口 順子君                 佐藤ゆかり君                 島尻安伊子君                 末松 信介君                 高階恵美子君                 西田 昌司君                 山谷えり子君                 若林 健太君                 草川 昭三君                 竹谷とし子君                 山本 博司君                 松田 公太君                 大門実紀史君                 福島みずほ君                 荒井 広幸君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣行政刷        新))      岡田 克也君        総務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣沖縄及        び北方対策、地        域主権推進))  川端 達夫君        外務大臣     玄葉光一郎君        財務大臣     安住  淳君        文部科学大臣   平野 博文君        厚生労働大臣   小宮山洋子君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        環境大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(原子力        行政))     細野 豪志君        防衛大臣     田中 直紀君        国務大臣        (内閣官房長官) 藤村  修君        国務大臣        (復興大臣)   平野 達男君        国務大臣        (国家公安委員        会委員長)        (内閣特命担        当大臣消費者        及び食品安全)        )        松原  仁君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        自見庄三郎君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣経済財        政政策科学技        術政策))    古川 元久君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣(「新し        い公共」、防災        、少子化対策、        男女共同参画)        )        中川 正春君    副大臣        復興大臣        内閣府副大臣   末松 義規君        内閣府副大臣        復興大臣    中塚 一宏君        財務大臣    藤田 幸久君        農林水産大臣  筒井 信隆君        経済産業大臣  牧野 聖修君        防衛大臣    渡辺  周君    大臣政務官        防衛大臣政務官  下条 みつ君    事務局側        常任委員会専門        員        藤川 哲史君    政府参考人        内閣官房地域活        性化統合事務局        長代理      枝廣 直幹君        内閣府政策統括        官        泉 紳一郎君        内閣府政策統括        官        井上 源三君        内閣沖縄振興        局長       竹澤 正明君        内閣行政刷新        会議事務局規制        ・制度改革担当        事務局長     舘  逸志君        金融庁監督局長  細溝 清史君        金融庁証券取引        等監視委員会事        務局長      岳野万里夫君        外務大臣官房審        議官       香川 剛廣君        厚生労働省医薬        食品局食品安全        部長       三浦 公嗣君        厚生労働省職業        能力開発局長   小野  晃君        厚生労働省年金        局長       榮畑  潤君        農林水産省消費        ・安全局長    高橋  博君        農林水産省食料        産業局長     針原 寿朗君        環境省総合環境        政策局長     白石 順一君        防衛省地方協力        局長       山内 正和君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○平成二十四年度一般会計予算内閣提出衆議  院送付) ○平成二十四年度特別会計予算内閣提出衆議  院送付) ○平成二十四年度政府関係機関予算内閣提出、  衆議院送付)     ─────────────
  2. 石井一

    委員長石井一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 石井一

    委員長石井一君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事中西健治君を指名いたします。     ─────────────
  4. 石井一

    委員長石井一君) 平成二十四年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。  本日及び来る二十一日は、一般質疑を二百分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会四十五分、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会七十五分、公明党三十三分、みんなの党十七分、日本共産党十分、社会民主党護憲連合十分、新党改革十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。     ─────────────
  5. 石井一

    委員長石井一君) 平成二十四年度一般会計予算平成二十四年度特別会計予算平成二十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。姫井由美子さん。
  6. 姫井由美子

    姫井由美子君 おはようございます。民主党姫井由美子です。  初めに、東日本大震災より一年が経過し、改めて犠牲となられました方々の御冥福をお祈りいたします。  三月十一日に開催されました東日本大震災一周年追悼式での三名の遺族の方の代表の言葉に、震災当時の様子がよみがえり、胸が詰まりました。また、三月九日より参議院会館一階ロビーには東日本大震災写真が展示をされていました。毎朝その写真を見るたびに、何としても東日本復興のために国として責任を果たしていかなければならないと決意を新たにいたしました。  被災地復興は、被災者一人一人の生活再建そのものです。そこで、国民の生活が第一という観点から質問をさせていただきます。  仮設住宅への居住期間長期にわたり、早期に個々の住民健康課題把握健康支援システムの構築が喫緊の課題です。入居者の多くは、長期にわたる避難生活による閉塞感孤独感、精神的、肉体的疲労、また、生活が不活発なことが原因で心身の機能のほとんどが低下することにより、多くの健康課題を抱えています。特に、従来から健康不安があった方々高齢者健康状態把握や適切かつ持続的な指導が必要と考えます。  特に、健康管理食事栄養管理などについては、保健師や栄養士など、全国からの派遣や重点分野雇用創造事業などを活用され、きめ細やかに対応されていると思いますが、そこで、今後の対策、これから長期にわたりますので、どう考えていらっしゃるか、小宮山厚生労働大臣にお伺いいたします。
  7. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今委員がおっしゃったように、仮設だとどうしてもなかなか外へ出ないということもありまして、特に御高齢な方の生活活発病、これの予防というのが必要だと思っています。  それで、仮設住宅に入居されている高齢者などに対して、まず、高齢者のお宅に伺って、健康生活相談、それから体操ですとか食事会など地域活動を主催する健康生活サポーター、これは研修を受けた地域住民にお願いしていますが、その養成をしているということが一つ。また、総合相談居宅サービス地域交流などの総合的な機能を持つサポート拠点、これは今被災三県で百か所余りをもう既につくっていますが、そうしたところですとか、仮設診療所で健康とか生活相談を実施すること、また、訪問看護ステーション看護師による高齢者のお宅へ伺っての健康生活相談の実施など、被災地自治体とともにいろいろな取組を進めています。  今後とも、その地元被災自治体、またNPOや市民の方のお力もお借りして、一層力を入れていきたいと思っています。
  8. 姫井由美子

    姫井由美子君 ありがとうございます。  先ほど大臣は、仮設住宅、おうちに伺って食事会などと言われましたけれども、震災後、二十数回現地入りをされた写真家蓮井幹生さんにお話をお伺いいたしました。何が欲しいですかと言うと、ミネラルウオーターと言うそうです。仮設住宅水道水がまずい、御飯を炊いてもおいしくない、お茶やコーヒーがおいしくない、そして手や顔を洗うと荒れてしまう。そこで、蓮井さんが石巻追波川河川運動公園仮設住宅と、雄勝町水浜仮設住宅水道水を測ってみました。こういう図を出させていただいておりますけれども、そうしますと、仮設住宅水道水塩素濃度で二・〇ミリグラム・パー・リットル、ちなみに、蓮井さんの東京目黒区の水道水は〇・一ミリグラム・パー・リットル。ちなみに、プールの水質基準は〇・四ミリグラム・パー・リットルです。何と目黒区の水道水の二十倍の塩素、そしてカルキも十五倍だそうですが、こういった実態把握対策について、大臣にお伺いしたいと思います。
  9. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 消毒のために、水道法施行規則では、蛇口での残留塩素濃度を一リットル中〇・一ミリグラム以上とすることを定めています。一方で、水のおいしさ、これを損なわないように余り塩素濃度が高くならないように管理することも求めています。  水浜地区の御指摘地区仮設住宅に給水する水道事業者に確認をしたところ、水道水残留塩素濃度は、末端の蛇口に到達するまでに若干ずつ減少していくということを考慮して、現在、浄水場で〇・八ミリグラム程度を管理しているということだったので、二・〇というのがどういう数字かちょっとよく分からないんですけれども、引き続き衛生管理を行いながらも、やはり水をおいしく飲んでいただくということとの兼ね合いが大切だと思いますので、引き続き指導していきたいと思います。
  10. 姫井由美子

    姫井由美子君 また実態把握の方、よろしくお願いしたいと思います。  蓮井さんは、おいしい水の普及活動NPO法人DoTankみやぎにお手伝いしていただいてしておりますので、こういった活動への支援もお願いしたいと思います。  そして、NPOといえば、今回の東日本大震災でも大活躍をしていただきました。官民震災ボランティア連携室を立ち上げ窓口の一元化を図ったり、政府からの直行壁新聞、これを配ってくださったり、政府被災者皆さんとつながっているという安心メッセージを発信することにもNPOが大きな役割を果たしたと思います。その活動取組をいかに評価し、今後の官民連携をどのように図っていくかを末松復興大臣にお伺いいたします。
  11. 末松義規

    ○副大臣末松義規君) お答え申し上げます。  今先生が言われたように、NPO先生がおっしゃられたことのほかに、救援物資仕分とか、瓦れきとか泥の除去とか、避難所とか仮設住宅における心のケアとかコミュニティーづくり支援とか、本当に大活躍をされておられます。  私どもは、こういった、先生が言われたように官民連携、英語で言うと何かコラボレーションと言うんですか、これ行政あと民間との大きな将来的な方向性だとも思っておりますので、こういう事業に対してもっと拡大していきたいということで、今までもやっていますけれども、今具体的にやっているのを言いますと、例えば雇用創出基金なんかを活用して市役所の代行業務を行ってもらったり、あるいは窓口業務をやってもらったり、あるいは事務補助をやってもらったり、そういうことも予算を付けてやっておりますし、また地域支え合い体制づくり事業とか、そういったいろんな事業を今政府の中で持っていまして、そこにまたそのNPO等、そういう方々に参加していただくということでございます。  あと復興庁の中にもボランティア公益的民間連携班とか企業連携班とか、そういう体制を強化して更に拡大していきたい、そういうふうに考えております。
  12. 姫井由美子

    姫井由美子君 ありがとうございます。  今年二月一日、民主党ではNPO関連予算のヒアリングをNPO団体を呼んで行いました。これは野党時代から行っていることで、私は大変評価しておりますので、こういったことももっと広めていっていただきたいと思います。  さて、先日、岡山県玉野市にある三井造船でスーパーテクノライナーの最後試乗見学会に行きました。この船は百十五億もの予算で二〇〇五年に完成しましたが、一度も使われずにこの度廃船となりました。たった一度だけ支援のために石巻の方に行きました。この船を利用した被災者方々からは、初めてゆっくりと一日眠れました、大きくなったらまたこの船に乗りたいという寄せ書きも壁に張られていました。  船による災害支援健康管理平常時にも活用する方法はあると思います。私の地元岡山済生丸という病院船が運航されています。昨年、この様子を乗船して視察してきました。補正予算では病院船調査費が付いています。その進捗状況中川担当大臣にお伺いしたいと思います。
  13. 中川正春

    国務大臣中川正春君) この東日本大震災医療施設行政機能そのものも津波によって流されて大きな被害を受けたという中で、機能が麻痺をしておりました。  そんなことを受けて、民間の有識者によって、今年の一月なんですが、構成される災害多目的船に関する検討会、これは病院船も含めての検討ですが、これを開催して、ずっと今まで調査検討を行っています。  陸、空からの災害対応との関連で、海上からのアプローチをどういうふうに位置付けていくかということ、あるいは運用のスタッフをどういうふうに平常時から確保していくか、教育訓練していくか、あるいは平時の、さっきの御指摘のように平時の活用をどうしていくか、こういうことを詰めておりまして、三月中には、だから今月中にはその検討結果が出てくるという予定になっております。また、それを踏まえて引き続き議論をしていきたいというふうに思います。
  14. 姫井由美子

    姫井由美子君 三月中ということで、ありがとうございます。  世界にはこういった病院船が大活躍しておりますので、日本の、世界災害ボランティアでも活躍できるように検討をよろしくお願いいたします。  続きまして、生活再建のためのいわゆる瓦れき処理についてお伺いしたいと思います。  先日より質問でよく出ておりました現在の被災地三県の瓦れき処理状況がまだ約六・四%、その上、各自治体でかなり格差があるように思いますが、その違いはどのような理由によるものでしょうか。細野環境大臣にお伺いしたいと思います。
  15. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 瓦れき処理につきましては、各議員の皆さん、党派を超えて御協力をいただきまして、本当にありがとうございます。  今、姫井委員指摘のとおり、全体としては六・七%という、こういう数字にとどまっておりますが、場所によっては進捗をしているところもございまして、確かにばらつきがございます。  具体的に数字で申し上げると、昨年から焼却炉が稼働してまいりました仙台市では進捗率が九・九%ということになっております。また、大手のセメント工場での焼却が進んでいる大船渡市では三〇・五%となっておりまして、もうこれはかなり進んできております。  一方で、なかなか進んでいないのは、仮設焼却炉が今まさに建設中で、これから稼働する地域、さらには平地が少ないために地理的な条件から仮設焼却炉を造りにくい地域というのもございまして、そうした地域では被災地での焼却をこれからスピードアップをしていかなければなりませんし、また、仮設が難しいところについては広域処理に是非御協力いただきたいということで、今働きかけを強めているという状況でございます。
  16. 姫井由美子

    姫井由美子君 ありがとうございます。  先ほど、仮設焼却炉という焼却の話が出ましたけれども、いわゆる瓦れきと一言で言いましても、焼却するもの、そして再利用、資源化できるもの、そして埋立てするしかないものと分かれます。埋立てといいましても、建設廃材のような安定型のものもあれば、一般廃棄物のような管理型のものもありますし、こういった内容の内訳の現状の把握はどうなっていますでしょうか。
  17. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) これまで処理が終わったものが百五十一万トンございます。そのうち、熱回収をされているものが百二十七万トン。これは焼却したところという中でも、特に既設炉、これまで動いていた炉で燃やす場合は発電に回っているケースがありますので、そういったものが百二十七万トンということです。単純焼却されたもの、燃してごみとしたものでございますが、これが十四万トン。直接埋立てに回ったものが十万トンという内訳になっております。  再利用などはまだこれからでございますので、これから処理するものについては再利用をできるだけ多くして、焼却するものについてもできるだけ有効活用していくという方向で臨んでまいりたいと考えております。
  18. 姫井由美子

    姫井由美子君 ありがとうございます。  焼却したものを発熱ということでリサイクル、有効活用したという、これは大変うれしいことです。こういった再利用をするためには仕分は欠かせないと思いますけれども、その仕分状況中間処理状況はどうなっていますでしょうか。
  19. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 失礼いたしました。  先ほど百二十七万トンというふうに申し上げたものは、熱回収されたものだけではなく、建設資材であるとかコンクリートの砕石などに回ったものも含めてということでございました。大変失礼をいたしました。  今御質問は……
  20. 姫井由美子

    姫井由美子君 仕分です。
  21. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 仕分ですね。仕分といいますと……
  22. 姫井由美子

  23. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) リサイクル用のですね、はい。  リサイクル用仕分でございますけれども、これはまさにこれからでございまして、有力なものとしては、特に復興需要の、かさ上げであるとか、さらには防潮堤なども含めて、そういうコンクリ系のものはそういった公共事業に使えるだろうというふうに思っております。  そのほかのものをできるだけ効率的に処理をしたいというふうに思っておりまして、昨日、宮城県知事と話をしてまいりましたのは、防災林の下に危険性がないものについては積極的に活用していくという、こういうやり方が取れないだろうかということについての協議に入っております。  そうしたものをどういった形でこれから現実化していくのかということについては、それぞれでの取組はまだスタートした段階でございまして、今ここにこういう形でということで明確に決まっているという状況ではございませんので、できるだけ早く方向性を出したいというふうに考えております。
  24. 姫井由美子

    姫井由美子君 宮脇昭先生瓦れき利用した防災林お話等をよく出されておりましたので、是非よろしくお願いしたいと思います。  また、瓦れき処理に行くための作業員ですけれども、岡山でも何人も、昨年から仕事を辞め、あるいは仕事を就職しないで待っています。ところが、日当はどんどん下がり、そしていまだにまだ呼ばれてない、こういった作業人員のマッチングももっと迅速対応できれば早く進むのではないかと思いますけれども、また実態把握調査対応等、よろしくお願いしたいと思います。  最後に、岡山県もやっと瓦れき受入れ、積極的に発言をしましたので、頑張ってまいります。  続きまして、国の責務として、危機管理対策が今後更に重要となってきます。東日本大震災後の危機管理計画見直しをどのように考え、どのように見直しをされてきたのか、藤村官房長官にお伺いしたいと思います。
  25. 藤村修

    国務大臣藤村修君) 政府としましては、今回の東日本大震災原発事故への対応等について様々な点検を今日までもずっと行い、もちろん、反省するところあるいは様々な教訓事項についてこれらを早急に改善を図るべく取組を進めております。例えば、防災対策充実強化のため、中央防災会議の下に防災対策推進検討会議を設置し、防災対策に係る法制度やあるいは対応制度の在り方などについて幅広く検討を進めてきていただき、先日、三月七日の日には中間報告を取りまとめて、夏には最終報告を取りまとめることとなっております。  こうした報告等も踏まえて、首都直下地震への対策も含め、危機管理体制充実強化、今後迅速に図ってまいりたいと考えております。
  26. 姫井由美子

    姫井由美子君 最近頻繁に起こる地震、首都直下型地震はいつ起こってもおかしくない状況であると言われていますが、その対策についてを中川担当大臣にお伺いしたいと思います。
  27. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 御指摘のように、首都直下型というのは切迫感が出てきておりまして、その対応をしっかりやっていきたいと思っています。  これまでも、首都中枢機能の継続性の確保、これについての検討会、それから官民連携による帰宅困難者対策、これは東京都と一緒になって取り組んでまいりました。これまでマグニチュード七クラスと言っていたのが、相模トラフ沿いで発生するマグニチュード八クラスの地震にもその対象として加えまして被害想定の見直しをこれからやっていくということです。  具体的には、防災対策推進検討会議、先ほどお話が出ましたけれども、その首都直下地震対策検討するワーキンググループというのをこの検討会に設置をしました。そして、このワーキンググループでは、首都中枢機能の継続性の確保対策、それから直下型地震の震度分布、それから津波高を新たに先ほどの新しい想定の中で推計をして、被害想定を実施をしていくということ。それから、この被害想定に基づいて、首都直下地震に対する予防、応急、復旧復興の各対策方向性をまとめていくということにしております。  今年の夏ごろに当面実施すべき首都直下地震対策をまとめるということにしております。
  28. 姫井由美子

    姫井由美子君 今、中枢機能の確保と言われましたが、写真の方、委員長も一緒に撮影をしていただきましたけれども、党の方でも首都中枢機能バックアップワーキングチームがございまして、もしそういった官邸等拠点、災害対策本部がどんどんできなくなった場合には、三番目に立川広域防災基地にある災害対策本部予備施設というところに行くということで、そこと、そして、江東区の有明の丘地区にある東京湾臨海部基幹的広域防災拠点を視察してまいりました。それぞれ今資料を出させていただいておりますけれども。ただ、行ってみて、立川の場合は少し時代遅れで不十分な設備の感じがいたしましたし、また有明の丘の方は、設備としては十分ですけれども、現地対策本部ですから十分なんですけれども、ただ、現地対策本部としては利便性が少し課題かなとも思っております。  今後、この首都機能につきましては、今、大阪の橋下市長が大阪副首都構想も出ておりますけれども、例えば大阪に首都機能一部移転等、今後、首都機能の分散、移転についてどのように考えているかを官房長官にお伺いしたいと思います。
  29. 藤村修

    国務大臣藤村修君) 政府中枢の機能のバックアップということかと思います。今、既に首都直下型地震あるいは東海地震など、緊急事態が首都東京で発生した場合に、政府金融機関、情報通信など首都中枢の機能が途絶なく確保される必要があると考えております。  政府の中枢機能の分散あるいはバックアップの機能の設置については、これは首都をそのまま副首都としてどこかへ持っていく、これはちょっと大変なことではあります。そういうコスト面、それから実現可能性の面からも考え、様々な今検討をしているところであります。機能をやっぱりきちっとバックアップできると、こういうことは必要だと考えております。  政府におきましては、この前の三次補正で予算を付けていただいて、首都機能のバックアップに係る基礎的な調査を今実施しているところであります。御指摘の首都の政府中枢機能の分散、バックアップ機能の在り方も含めて今検討をしておりまして、国交省の方の専門家チームは、今週たしか一つの区切りを付けて報告がいただけると、このように聞いております。
  30. 姫井由美子

    姫井由美子君 首都中枢機能のバックアップの分散化は考えられるけれども、副首都という、首都そのものを二つに分けるということは今考えていないということでよろしいんでしょうか。
  31. 藤村修

    国務大臣藤村修君) それらも今後の当然課題として検討をしているということでありますが、まず機能の部分できちっと分散できる、バックアップできる、こういうことを今喫緊の課題として取り組んでいるところです。
  32. 姫井由美子

    姫井由美子君 今、危機管理庁の創設構想というものが言われておりますけれども、これはどのような役割を果たすんでしょうか。また、現在の進捗といいますか、関係機関とどのような連携を図っていくのかをお伺いいたします。
  33. 藤村修

    国務大臣藤村修君) 多分アメリカのFEMAという、こういうことの想定をされていることと思います。  緊急事態への対処に当たりまして、政府全体として総合力を発揮することができるようにすることが重要と。政府では、これまでも様々な緊急事態に対処するための制度あるいは体制の整備に努めてきたところであります。政府として、自然災害に限らず、国民の生命、身体、財産を脅かす緊急事態に適切に対処するため、先ほど触れました防災対策推進検討会議、これが八月に多分最終報告が出てまいります。先般、三月七日に中間報告をいただきました。これら報告を踏まえて、今後とも、危機管理のためのどういった制度がいいのか、体制充実強化はどのようにしていくのか、それはその報告の結果を見て検討していきたいと考えております。
  34. 姫井由美子

    姫井由美子君 今、中間報告の段階で、八月までにはと言われました。先ほど中川大臣も夏までにはと言われましたけれども、本当に夏までで間に合うのかどうか、本当に、本当に急いでお願いしたいと思います。  さて、私たちの日々の生活の安全を守ってくれる一つに消費者庁がございます。消費者安全法の一部を改正する法律案において新しく設置される調査委員会の意義と調査対象を松原消費者行政担当大臣にお伺いいたします。
  35. 松原仁

    国務大臣(松原仁君) 消費者安全調査委員会を設置する意義は、現行法の下で消費者庁に集約されている消費者事故情報や被害者等からの調査等の申出を踏まえて、新たに科学的に事故原因を究明し、それに基づいて知見を得て、より効果的な事故再発・拡大防止対策につなげるところにあります。  調査対象については、運輸安全委員会の調査対象となり得る、航空、鉄道、船舶事故等を除き、製品、食品、施設・役務の生命身体被害にかかわる消費者事故等に幅広く対応することといたしております。
  36. 姫井由美子

    姫井由美子君 この改正法の施行前に発生した事故についての調査はどうされますでしょうか。
  37. 松原仁

    国務大臣(松原仁君) 現在、このことについてはいろいろな議論が行われていることは承知しておりまして、委員の御指摘は重く受け止めさせていただきます。
  38. 姫井由美子

    姫井由美子君 事故の原因が分からないまま対策が取られていないということは、施行の前、後ろであれ、危険な状態が放置されているということには変わりありません。是非遡及的に調査をしていただくことを強く要求したいと同時に、先ほど運輸関係を除くとおっしゃいましたよね。  平成十八年に起きたシンドラーのエレベーター事故、まだ記憶に新しいかと思います。市川正子さん、大切な息子さんを亡くされました。その全面的な事故原因の徹底解明はまだなされておりません。しかも、このエレベーター事故の御遺族には、事故の報告がされたのが何と事故から三年も経過してです。  是非こういった再発防止に向けてきちんとこたえるべきであり、このエレベーター事故に関しては消費者庁ではないと言われましたけれども、しっかりと説明責任を果たし、是非ともこの事故の早急な調査及び文書での説明を促すように、消費者庁の調査委員会ができることによって是非それも実現していただきたいと強く願望いたします。  続きまして、地方消費者行政についてお伺いいたします。  地方消費者行政活性化基金、そして光交付金、大変地方は有り難がっております。それらの基金や交付金が地方消費者行政の充実にとってどのような効果があったのかを大臣にお伺いいたします。
  39. 松原仁

    国務大臣(松原仁君) お答えいたします。  地方消費者行政活性化基金については約二百二十三億円が措置され、平成二十一年に三十七億円、平成二十二年に約六十二億円、平成二十三年に約七十一億円が取り崩される見込みであります。本基金の活用により、平成二十一年から二十三年の三年間で消費生活センター二百か所程度増えたわけでありますし、また、相談員は五百五十名程度増えました。相談員の処遇改善として、延べ三百程度の自治体で報酬の引上げも行われました。  また、消費者問題の相談員や専門家を育成する神戸市の神戸コンシューマー・スクールや、消費生活相談の困難案件について弁護士、相談員等がチームを構成して対応に当たる京都府の消費者安全チームなどの取組も見られております。    〔委員長退席、理事川上義博君着席〕  住民生活に光を注ぐ交付金については、消費者行政の分野において平成二十二年度に十億円強、加えて、平成二十四年度までに十億円弱が基金として活用される予定であります。  これまでに、消費生活相談のみならず、DV、自殺予防、自立支援などにも幅広く対応するよろず相談窓口を開設した北海道安平町の取組や、医療機関を中心に教育機関や警察、消防、研究機関などが連携し、市を挙げて子供の事故予防を進める長崎県大村市のプロジェクトなど、地域地域において創意ある工夫がなされております。
  40. 姫井由美子

    姫井由美子君 本当に大変な成果をありがとうございます。  ただ、気になるのは人件費のところですけれども、この基金が実は平成二十四年度で終了します。被災地におきましては平成二十五年度に終了しますが、その後の財政措置はどうするおつもりなのでしょうか、お伺いいたします。
  41. 松原仁

    国務大臣(松原仁君) お気持ちはよく分かるわけでありますが、持続的な消費者行政の充実に向けて、活性化基金の終了後の地方消費者行政の財源は極めて重要な課題であります。  平成二十四年度予算案には、食の安全、安心のための取組地域の多様な民間団体への活動支援のための地方消費者行政活性化基金の上積み五億円を計上いたしました。当初予算案に地方消費者行政支援の措置を盛り込んだことは、今後の地方消費者行政充実強化に向けて大きな意義があると考えております。  基金終了後の平成二十五年度以降においても、地方消費者行政に積極的に取り組む自治体を引き続き支援するため、自治体での取組を下支えする支援策の実現に向け、最大限に取り組んでまいりたいと思います。
  42. 姫井由美子

    姫井由美子君 本当にいい答弁をありがとうございます。是非これからも、自治体支援するその支援策をお願いいたします。市長会や全国各地の地方議会からもこの継続の要望が来ているかと思います。是非、そういった皆様の継続の意思の希望があるということを強く受け止めて、要望いたしたいと思います。  また、各消費者団体や消費生活相談員からは、国民生活センターの廃止について非常に心配をする声が届いているかと思います。これも今検討中かと思いますけれども、しっかりと意見を聞いて、そして本当に私たちが安心できる、そういった相談ができる場所の確保というものを要望したいと思いますので、よろしくお願いをいたします。お答えがありますでしょうか。
  43. 松原仁

    国務大臣(松原仁君) どちらにしても、国民生活センターというのは極めて今まで意味があったものでありますから、その意味をどのように維持するかということで考えていきたいと、このように思っております。
  44. 姫井由美子

    姫井由美子君 よろしくお願いいたします。  最後に、郵政改革法案についてお伺いいたします。  先日、私は、中国地方で唯一、四つの事業会社が入っている岡山中央郵便局、三月八日、視察に行ってまいりました。利用者にとっては全く変わらない外観、でも、そこで働く人々は明らかに不便になっています。それを利用者に感じさせないような配慮と努力がそこにはありました。  くしくも、前日の三月七日に郵政民営化の進捗状況についての総合的な見直しに関する郵政民営化委員会の意見の報告が出されました。この報告をどのように受け止め、今後どのような影響があると思われるのか、自見郵政改革担当大臣にお伺いいたします。
  45. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 姫井議員にお答えをさせていただきます。  現行の郵政民営化法では、郵政民営化委員会が三年ごとに民営化の進捗状況について総合的な見直しを行うことがその事務となっておりまして、平成二十三年度がその三年目に当たるものであります。このため、郵政民営化委員会は当該見直しについての議論が行われており、意見書の取りまとめが行われたものと承知をいたしております。  当該意見書は現行の郵政民営化法に基づくものであり、御意見としては承りますけれども、政府としては、郵政改革に関する意思決定も既に終了いたしておりまして、現在は立法府に郵政民営化法の取扱いも含めて全般的に御議論をお願いしている最中でございまして、立法府での早期の結論を期待する立場にございまして、当該意見書について特段のコメントは私からは差し控えさせていただきたいと思っております。
  46. 姫井由美子

    姫井由美子君 多少民主党案とニュアンスが違うところもありますので心配しておりました。ありがとうございます。  さて、私の地元岡山県新見市菅生郵便局では、民営化前には、今資料がありますけれども、幸せの赤いハンカチと愛称された郵便局のサービスがございました。  新見市は、高齢化率が三五%、郵便局の地域高齢化率は五五%の限界集落です。このサービスは、手紙を出したいとき、寂しいとき、何も用がなくても、赤いハンカチを軒先に掲げておけば、郵便配達の職員が声を掛け、寄ってくださいます。まさに、高齢者にとってはライフライン、地域の命のきずな、セーフティーネットでした。民営化がそれを断ち切りました。  特に、高齢者、過疎地の郵便局の役割について、この現状をいかに考えるか、大臣にお伺いしたいと思います。
  47. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 姫井先生のお持ちした、「消えた「幸せの赤いハンカチ」」、「地域の絆を断ち切った郵政民営・分社化」と、新聞を読ませていただきました。  先生がこの記事に感動してあるように、分社化によって地域のサービスの低下の弊害を、こういった地域の本当にきめの細かい三事業一体だったらできたサービスでございますが、低下の弊害を早急に克服する必要があるというふうに、加えて、私も、私事で大変恐縮でございますけれども、十五年前、三事業一体、ユニバーサルサービスという時代でございましたから、こういった地域高齢者方々に本当にかゆいところに手が届くようなサービスをしっかりしていただきたいということを私自身からも強くお願いした経緯もございました。  今こういったことがまさに郵政民営・分社化の中で中止されたということは本当に胸の痛い思いでございますが、こういった地域のサービスの低下の弊害を早急に克服する必要があるというふうに思っておりまして、加えて、日本郵政グループの経営が大変厳しいわけでございますし、経営者が社員に対して事業の将来性を示せず、先行きが不透明な状態ということは、経営者、社員双方にとって大変好ましくないことだと思っていまして、現在、郵政改革については与野党で法案について協議されていると承知しておりまして、早期に結論を出していただくことを強くお願いしたいと思っております。
  48. 姫井由美子

    姫井由美子君 ありがとうございます。今、強くお願いしていくとおっしゃってくださいました。  最後に、鹿児島県の加計呂麻島の高校生の「空っぽのポスト」という作文を紹介させていただきたいと思います。皆様の資料には、その高校生も今や大学生となって愛媛の方にいらっしゃいます。中の一部を紹介したいと思います。  私の住んでいる加計呂麻島はとても不便なところです。本屋もありません。コンビニもありません。信号もありません。夜九時を過ぎると開いているお店もありません。しかし、その加計呂麻島が今、国から見捨てられようとしています。この秋から郵便が大変不便になり、三日も郵便配達員を見ていません。郵政民営化によって、以前よりも快適にサービスを利用できるようになった地域もありますが、その陰に加計呂麻島のように不便な生活を強いられることになってしまった島もあるのです。ということです。    〔理事川上義博君退席、委員長着席〕  是非、もう一度最後に郵政改革法案の実現に向けての御決意を、その加計呂麻島の高校生に向かってもお願いしたいと思います。
  49. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 先生、竹富島でございますか。
  50. 姫井由美子

    姫井由美子君 加計呂麻島です。
  51. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) そうですか。  私は、竹富島に、沖縄に行かせていただきまして、ワンストップサービスを全国で四か所始めた、人口三百人ぐらいでございますが、役所の出先もなくて郵便局だけがあるところでございましたが。  そういった、やはりみんな貴重な国民でございますから、一人一人が明治四年以来の郵政三事業にやはり期待すること、あるいは大変大きいわけでございますから、そういったことを踏まえて、郵政改革については、与野党の協議がきちっとそろい、しっかり結論を得ていただくようにしっかり頑張らせていただきたいと思っております。
  52. 姫井由美子

    姫井由美子君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
  53. 石井一

    委員長石井一君) 以上で姫井由美子君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  54. 石井一

    委員長石井一君) 次に、島尻安伊子君の質疑を行います。島尻安伊子さん。
  55. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 自由民主党島尻安伊子でございます。  冒頭、北朝鮮のミサイル問題についてお聞きをしたいと思っております。  これは、ここ二、三日の出来事でございまして、通告はしておりませんけれども、大臣、答えていただいて当然だという思いで質問をさせていただきます。  報道を見ておりますと、何ですか、このミサイル、沖縄県の上空を通過してフィリピンの沖まで到達するというふうに言われており、大変憂慮をしております。  まず外務大臣、この発射予告は、このほど合意された米朝合意とは相入れないものであります。日米韓で連携をして情報収集を進めて北朝鮮に効果的にプレッシャーを掛けていく必要があるんだというふうに思いますけれども、まず御答弁いただきたいと思います。
  56. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) おっしゃいましたとおり、私にその連絡が入ったのは、たしかあの日の十二時ちょっと過ぎ、参議院の沖北の委員会が開かれようとしていたときだったと思います。十二時五分の段階では、もう次官に、情報収集、分析、おっしゃるような米国、韓国始め関係国と緊密に連絡を取るようにというふうに指示をしたところであります。  これまたおっしゃるとおり、米国と北朝鮮の最近の約束とは相入れないと、インコンシスタントであるということを米国自身が発表をしているということで、私自身もそのように考えております。
  57. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 それでは、防衛大臣にお聞きをいたします。この不測の事態に備えてどのような対応をするのか、あるいはどのような指示をしたのか、お聞かせいただきたいと思います。
  58. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 十六日十二時十分ごろに、北朝鮮が四月十二日から十六日の間に衛星を打ち上げるとの発表の報道があり、私に十二時二十五分に秘書官を通じて連絡を受けました。十二時三十分に、米国等と緊密に連携し、情報収集、警戒監視に万全を期すことを内容とする防衛大臣指示を発出したところでございます。  今の状況でございますけれども、もう一つ、どういう対策をということでございますが、先生は沖縄の御出身でございますので、お答えをさせていただきたいと思いますが、対策につきましては、PAC3やイージス艦の展開について、具体的な状況を踏まえて検討することにしております。平成二十一年の例も踏まえつつ、必要と判断される場合には所要の配備を取るべく検討をさせているところでございます。  いずれにいたしましても、防衛省・自衛隊としては、沖縄県を始め我が国における人命、財産に対する被害を防止するため万全を期してまいる所存でございます。
  59. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 大臣今おっしゃった、必要と判断される場合というふうにおっしゃいましたけれども、どのような場合必要だというふうに判断されるんでしょうか。防衛大臣です。
  60. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 今、北朝鮮からどの方向に発射するかと、こういう情報がございますが、近々その状況が出てくると思います。しかし、万が一そのようなことが実行されるということが、実現があるような状況でありましたら、私は防衛大臣として、前回の例を基に省内で、今、頭の体操といいますか、具体的に前回の例を基にどう配備をしていくかと、こういうことを含めて検討をしていくという状況でございます。(発言する者あり)
  61. 石井一

    委員長石井一君) 田中防衛大臣
  62. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 実際に、いわゆる、防衛大臣といたしましては、自衛隊法第八十二条の三第一項に基づき、内閣総理大臣の承認を得た上、弾道ミサイル等、破壊措置を命ずるということを考えておるわけでありますが、実際に、この期間に北朝鮮から、この事態が現実なものになるということを今調査をいたしておりますので、その危険があるということの判断をいたしましたらこの手続を取るということで今準備をしておるところでございます。(発言する者あり)
  63. 石井一

    委員長石井一君) 田中防衛大臣
  64. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 現在のところ、防衛省は、米国と緊密な連携を取りつつ、また独自にこの事態が現実なものになるかどうかということにつきましては情報本部で今確認をいたしておるところでございまして、その動きが現実なものになってくるということでありましたら、必要な措置をとるという判断を私は確認をした場合には、先ほど申し上げました手続を取っていくということでありますので、これから、今、情報収集そして警戒監視を指示をしておりまして、引き続き、その事態にまだ立ち入っていないというふうに報告を聞いておりますけれども、そういう状況が確認されましたら、必要なことということで手続を取っていくということでございます。(発言する者あり)
  65. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、ちょっと速記を止めて。    〔速記中止〕
  66. 石井一

    委員長石井一君) 速記を起こしてください。
  67. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 先ほど申し上げているとおりでありますが、本件に関しましてはIMOと緊密に連絡を取っております。現在、IMOにおきましては、その関連の回章の発出に向けて作業中であると承知をしておりまして、具体的にその話がございましたら、防衛省といたしましても、今の北朝鮮の報道が現実のものになるかということでございますが、防衛省といたしましては、情報本部でこの北朝鮮の動きを今調査をしておるところでありますが、判断といたしましては、私から内閣にそしてまた関係部署の皆さん方に御相談を申し上げて、そして対処が必要であるかということを判断をさせていただくというのが現状でございます。(発言する者あり)
  68. 石井一

    委員長石井一君) 静粛に願います。
  69. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 全然質問に答えていただいていないと思っております。私がお聞きしたのは、先ほど大臣が必要と判断される場合にはという、であれば、何が必要とされる条件なのか、判断材料なのか、どう判断されるのかということでございます。  今、繰り返し、大臣、報道が本当なのか、つまり現実になるのかというふうにおっしゃっていますけれども、防衛大臣たるもの、不測の事態に備えるというのがあって当然だというふうに思うわけであります。現実になるのかどうかとか、そういうのを大臣答弁として私は聞きたくないというふうに思っておりまして、大臣、もう一度きちんとした答弁、防衛大臣として、この一国を守る大臣としての答弁をきちんとやっていただきたいと思います。(発言する者あり)
  70. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、この問題は、防衛と同時に外務があると思います。外交上の問題であり、安全保障上の問題であります。したがいまして、まず防衛大臣、もう一度簡潔に答えていただいて、その後外務大臣に補足を願いたいと思います。
  71. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 不測の事態に備えて、今防衛省としては真剣にその検討をしておるところでございます。  先ほど申し上げましたとおり、この北朝鮮の動きにつきましては、防衛省といたしましては、情報本部を中心としてこの北朝鮮の動きを把握をするということからスタートをいたしております。その中で不測の事態というものが確認をされましたら、政府あるいは関係の省庁の皆さん方と連絡を取り合って、そして実際の今申し上げましたPAC3あるいはイージス艦の配備というものも真剣に考えていくということで今進めておるところでございまして、必要な事態というのは、この情報収集というものをまず正確に確認して、そしてその判断をしていくということでございますし、諸外国との連携も更に密にしていくということで進めてきておるところでございます。
  72. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 島尻委員がおっしゃったように、これは北朝鮮の発表自体がもう北朝鮮の西部から南の方角に向けて発射する、こういう発表をしているわけであります。ですから、沖縄などの南西諸島上空を通過する可能性は排除されないというふうに私たちは判断をしています。  ただ、このことについても、今まさに田中防衛大臣がおっしゃったように、情報収集、分析をきちっと行って、先ほど防衛省は防衛省で検討していることがあるというお話がございましたけれども、政府全体で対応について考えたいと思うんです。  おっしゃるように、二〇〇九年のときには、そのときにPAC3とイージス艦について、それぞれ日本海、太平洋にイージス艦も配備をされたと、そういう経緯があるのは皆様も御存じのとおりでありますけれども、今回も、まさに今回も、どういう対応を取るかということについては、これは総合的にまさにこれは決めないといけないわけでありまして、現時点で何かをこうするということをはっきりこの場で断定するというのは私はむしろ適切じゃないと思うんです。  ですから、こういった情報収集、分析をきちっと行って、防衛大臣防衛大臣でいろいろ現時点で考えていることがございますので、最終的に内閣全体として判断をしていきたいと、こういうことでございます。(発言する者あり)
  73. 石井一

    委員長石井一君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  74. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、速記を起こしてください。  そして、田中防衛大臣、もう一度簡潔に質問に御答弁を願いたいと存じます。
  75. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 先ほど、必要と判断される場合という答弁をさせていただきました。それは、平成二十一年の例も踏まえつつ、必要と判断される場合に所要の配備をしていくと、こういうことで御説明を申し上げたところでございます。  前回のこれを参考にしながら、防衛省が情報本部で情報収集をいたしております。その情報の中で、我が国の安全保障を脅かされるようなそういう事態という、不測の事態を確認をいたしましたら必要と判断されることでございまして、それに基づいて所定の手続をしていくということで進めていくということでございます。
  76. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 もう本当にこういう答弁ではお粗末です。しかも、その南の方向にということで、外務大臣もおっしゃいましたけれども、沖縄県の上空を通過する、そういう可能性があるということを言われているわけでありまして、今の防衛大臣あるいは外務大臣の答弁では、答弁なさいましたよね、これでは、本当に大丈夫なのかという、もう本当にこれは心配であります。  今日は本当にほかの質問たくさんあるわけでございまして、これはまた外交防衛委員会等々で御質問させていただきたいと思いますが、でも、頭の体操とか、防衛大臣、本当にそんな悠長なことを言っている暇は私はないというふうに思っておりまして、ちゃんと考えていただきたいというふうに思います。  それでは、当初の質問に移らせていただきたいというふうに思います。本日は、主に沖縄関連の法案について御質問をさせていただきたいというふうに思います。  御承知のように、今年度で沖縄振興特別措置法と沖縄県における駐留軍用地の返還及び駐留軍用地跡地の利用の促進に関する特別措置法、いわゆる軍転法は期限を迎えるわけであります。  我が党、自民党といたしまして沖縄振興に関する特別委員会、川口順子委員長を中心に礒崎陽輔副委員長、多くの先生方との御議論の中で平成二十二年の九月より議論を深めてまいりました。同年十一月には、沖縄県知事あるいは現地のあらゆる関係者との十分なすり合わせの下に中間報告を取りまとめて発表をさせていただきました。その後、我が党としての法案をまとめました。公明党、社民党、みんなの党、新党改革と共同で本年二月の七日に、沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の促進に関する特別措置法案を参議院に提出をさせていただいた次第でございます。一方、政府提出の沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案に対しては、その修正案を衆議院に提出をいたしまして、沖縄北方特別委員会において審議をされているところでございます。  御承知のように、衆議院での委員会の審議に並行いたしまして、与野党のPTでの協議が始まっております。こちらが驚くほど与党は我々の提案を入れてくださっております。これ丸のみというんでしょうか、パクりという言葉も聞こえてくるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、ありがとうございます、これは沖縄にとって大変いいことだというふうに思っております。本日は、こちらに寄っていただいたところの認識の確認と、それでもまだ違いのあるところ、そういうところについて御質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず、川端大臣、新たなこの沖縄振興の必要性について改めてお聞きをしたいと思います。  大臣として何度沖縄に足をお運びいただいたのか、ちょっと私の手元に数はありませんけれども、あるいは沖縄の離島に行ってくださったかどうかちょっと確認はできておりませんけれども、大臣自らの沖縄への思い、これを今回のこの法律案にどのように反映なさっているのでしょうか。
  77. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。  参法で新たな御提案をいただいていると同時に、衆議院においては修正案を出していただき、今、衆議院の委員会で真摯に議論を二回やらせていただきました。同時に、政党間でも協議いただいている。その皆さんの思いと私の思いも基本的には共通しているんだというふうに思っております。  長年にわたる沖縄における特別な事情というのは三つよく言われます。地理的に本土から随分離れていると同時に、東西間でも千キロという離島がたくさんで構成されているというふうな地理的な要因と同時に、歴史的にも琉球という時代がありました。そして、戦争、現地において民間人も含めて二十万人以上亡くなるという大変なそういう歴史的経過と同時に、長年にわたって米国のいわゆる占領下にあったと、日本の本土に復帰するのに随分遅れたというふうな状況もありました。  それと同時に、社会的背景ということでの基地の問題、全国の基地の七割を占めているという状況ということの中で、大変経済の状況が厳しい、そして失業率も高い。加えて、若者が多い、自然に恵まれているというふうな非常にプラスの面もあるし、地理的条件を逆にアジアの中心として生かせないかというふうな条件もよくあるけれども、やはり大変苦しい中頑張っていただいているということで、何としてでも、四十年の大きな節目ですので、新たな十年間に向けて県民の皆様の願い、市町村、県の皆さんの思いを含めてできるだけのことをして、沖縄が本当に自立して元気になれるようにと、手だてを取りたいということで取り組んできたつもりでございます。
  78. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 今回のこの沖縄振興特別措置法、今、大臣答弁にも若者が多いということがありました、子供が多いということも言えるというふうに思いますけれども、今回初めて子育ての支援という条項が織り込まれました。このこと自体は大変評価に値するものだというふうに思っております。しかしながら、十分ではない。  大臣、この点いかが思われますでしょうか。
  79. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 今回も政府案において、若者の失業率非常に高いです、全国に比べて非常に高いということで、失業率あるいは待機児童が全国一高い、これは、家庭の状況それからいろんな子育ての状況がやっぱり非常に沖縄は特別な事情があるという、数字的にも失業率が高い、待機児童率が非常に高い、全国一番ですということで、沖縄の将来を担う子供たちにしっかりと育ってほしい、そして若者の支援、育成というものを念頭に置いて、職業安定のための職業訓練等の措置と子育て支援の充実ということをしっかりやらせていただくことを盛り込みました。  参法も含めて政党間協議の中で、ニートの問題あるいは障害者等を含めたいわゆる青少年の問題をしっかりとやるべきだという御意見があることは重々承知をしておりますし、子供、若者の中でも、特にニート、障害者にとっては支援を要する人たちであることはそのとおりだというふうに思っておりますし、いずれにしても、御指摘の件についての配慮規定のことが与野党協議で議論になっていると承知をしておりますので、しっかりと御議論をいただいて、我々としてはそれを注視してまいりたいと思っております。
  80. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 今大臣おっしゃったように、三月五日の衆議院の予算委員会で、我が党馳浩先生の御答弁でも大臣お答えになっておられます。その中で明らかになった不登校の児童、ニート、さらに少年非行事件の件数が全国の平均を随分上回っているということでございます。沖縄県における合計特殊出生率は全国一位、つまり子供が多く生まれているということでありますけれども、生まれても、健やかに育つ環境を整えなければ全体の幸せにはつながらないんだというふうに思っております。  こうなった原因というのは、大臣、何かつかんでおられますか。
  81. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 定性的な問題と定量的な問題とあると思うんですけれども、やはり数字でいうと出生率は一番高い、当然ながら若者の人口に占める比率も一番高い、そして寿命も長いんですけれども、そういう中であるにもかかわらず失業率が高い、そして実は離婚率も日本で図抜けて一番高い、そういう状況にあります。これはやはり、そういうようなのが、数字としてはそういう定量的なのが出てまいります。  しかし、あと状況ということでいいますと、やはり根幹としては経済が厳しい、生活するのに大変であるという状況の中で、やはり子供を取り巻く勉強する環境であるとかいうことが、今は全国的に言えば経済的な背景というのが非常に大きな影響を与えていることは事実でございます。  もう一つは、設備、施設、そういうものも、やはり幼稚園の経過も、アメリカ式でやってきたということでいうと学校に併設した幼稚園というふうな状況とかいうので、やはり日本で今までやってきたことと随分違う状況の中に置かれているということもいろいろ背景としてはあるんだというふうに思いますが、これはそれぞれのケースによって一概に一律的に言えるものではないので、きめ細かく、温かく、子供が育っていけるように、そして学びが支えられるようにということに配慮していくことが一番大事なことだというふうに思っております。
  82. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 これまでの振興法というのは沖縄と本土との格差是正、特に社会資本整備に重きを置いたものだったわけであります。その一方で、県民の暮らしに関するところが置き去りにされてしまった感を私は持っております。  なぜそうなったのかという原因でありますけれども、総合事務局の中に、現在もそうなんですけれども、暮らしを扱う部署がないわけでありますね。実際に、社会保障、教育、文化、科学技術などの部局が入っておりません。当時は、振興開発という言わばトンカチの部門といいましょうか、そういう部門が必死で頑張っていたのだということなんだろうと思うんですが、一方で、暮らしのクオリティーを高めていく、その施策の遅れというのが今の弊害につながっているんだろうというふうに思うわけであります。今後、可及的速やかに行うべきはこういった分野での国と県の連携の強化だというふうに思っております。  一方で、総合事務局の在り方の見直しというものがあるわけでありますけれども、このような権限移譲の流れもあるわけでありますけれども、そことはちょっとその流れを変えて、今申し上げましたような県民の暮らしのクオリティーを上げるための施策を国と一体となってやる必要があるのではないかというふうに思うんですが、大臣の御答弁をいただきたいと思います。
  83. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 御指摘の点は大変大事な点を先生言われたと思います。  過去はやはり相当格差が社会資本整備においてあったということで、とにかくキャッチアップに、やっぱり県市町村挙げて何とか追い付きたいということで、国の振興策もそこにやっぱり大きな力点が置かれていたという部分では、どちらかというとハードが中心であったということで、ソフト事業、特に人、子供と青少年ということにかかわるような教育、そういうことに関しての施策が、やはり限られた財政の中では、やりたいけれども少し後回しになったという面はあったと思います。  今回、新たにこの振興策十か年を迎えるに当たっては、もちろん社会資本の整備ということでは大きく追い付くように、なお仕上げ的にまだ足りないところがいっぱいありますから、と同時に、やはりソフト事業も含めてしっかりやろうということで、大幅な予算の増と同時に一括交付金化ということでの自由度を増やす。これはもう県市町村挙げての強い強い御要望として決議もいただきました。  その部分では、やはり人を中心とした施策はできるだけ地元で身近にきめ細やかにしっかりやるということが肝要であるということで、沖縄県の皆さんともいろいろ相談した中では、御要望としては、国の施策を超えていろいろやりたいことに関しては、できるだけ国は大きな目で見てもらって、細々したことは任せてほしいということが御要望でありましたので、国の関与はできるだけ少なくする中で、財政的にそういう使い勝手のいい資金を手当てするということの中でしっかりやっていただくということにやらせていただきました。
  84. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 文科大臣も経験なさっている大臣ですから、その辺、強力にまたてこ入れをお願いしたいというふうに思っております。  次の質問に行きます。  揮発油税、地方揮発油税の軽減措置について、従来は五年期限で措置されておりましたけれども、なぜ今回は三年なのでしょうか。酒税は五年の延長になってきておりますけれども、違いはどこにあるわけでしょうか。
  85. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 沖縄は、先ほど申し上げましたように離島が多いということで、当然、そこへのいわゆる船が主力の交通手段であると同時に生活手段であるということで、沖縄の揮発油税等の軽減措置あるいはこの措置を通じて活用して、沖縄県は今石油製品の輸送等の補助事業が講じられ、ガソリンを運ぶということに関しての費用の手当てをそれによってしようということで長年にわたってやってこられました。  酒税とかいうのは、五年というのはそれで減免するということでありますが、この揮発油税の場合は、基本は何かといえば、離島においてガソリンが高い、二十円ぐらい本土より高い、やっぱり島民の人たちの生活として大変負担が掛かるということでありまして、それを運ぶ運賃を手当てするとかいうことで、揮発油税の減免を通じてガソリンを安くするためにということが本来の趣旨でありました。  しかし、これ五年、五年でやってきたんですけれども、いつまでも高いんですね。そういう部分で、この施策が島民の最終的なガソリン価格を下げるということにどれだけの効果があるのかを三年を区切ってしっかり検証してみようと。そして、その検証を含めて、新たにほかのやり方も含めて手当てが取れることを見直しをしようという思いで、五年やりますと、五年間そのまま続くんです、過去も五年単位でやってきて、いろいろガソリンを運ぶ運賃は手当てするんですけれども、ガソリン代が下がらないという事態ばっかり起こってきたので、三年、もうかなり意識してやっていただく中で、諸施策を検証と同時に見直しをしたいと、こういう思いで三年とやらせていただきました。
  86. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 今検証するということが理由だとおっしゃったわけですけれども、検証するイコール三年という、なぜ検証の期間が三年だったんでしょうか。
  87. 竹澤正明

    政府参考人竹澤正明君) 御説明をいたします。  今、大臣から今回の措置について、単なる延長ということではなくて、今の実情を検証して、ほかによりいい策、つまり、今二十円程度の差があるわけでございますけれども、これをどう埋めるかという、ほかの仕組みも含めて検証するというお話を申し上げました。  これをもうちょっと砕いて申しますと、これまではある意味、地点を決めて定点観測をして額は幾ら違うかという割と単純な調査でございましたけれども、これから私ども考えておりますのは、例えばガソリンを本島から離島に運ぶ場合に、いろいろ運ぶ場合の、島の需要によって形態も、ドラム缶、いろいろどんなものに、船に載っけて、その後、島でどんな形態で、ドラム缶で運ぶのかとかあるいはローリーで運ぶのかとか、いろんな形態がございます。このプロセスをしっかり離島ごとに調査していくということで、大分調査の段階やサンプル数も増えてまいります。こういう段階、しっかりと調査設計をするという必要がございます。  それから、実際調査する場合には、いきなり全数調査というわけにもいきませんで、調査の効果が発揮されるためには予備調査と、それから、その実施をして、また回収をして、またチェックをすると、こういうことにも一定の時間が掛かってまいります。  それからまた、これをどう、じゃ、結果を具体の政策につなげていくかという辺りは、単に沖縄の制度だけを見るのではなくて、いろいろ関連する諸制度も勉強する必要があると。  こうしたことを大体どのくらい掛かるかというふうに考えますと、約三年が適切であるというふうに考えております。
  88. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 調べてみましたら、今回延長期間が従来五年、五年で来ていたものが五年よりも短くなっているのがそのほかにもあるわけですね。石油石炭税の軽減措置、これ三年になりました、従来五年だったものが。航空燃料税の軽減措置、これ二年になりました。今申し上げました揮発油税及び地方揮発油税の軽減措置三年、それから沖縄電力が電力供給の用に供する償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置というものがありまして、これも三年になりました。  一方で、内閣が沖縄のためにというふうに口では言っていますけれども、こういった措置の在り方を見ると本当にそうなのかなというふうに言わざるを得ません。今後、短くはなって検証するというお話でありますけれども、その期限を迎えたときに、きちんとまたどういう制度をつくることが強い沖縄をつくることなのかということをきちんと見据えた上での措置をお願いをしたいというふうに思っております。  それでは、軍転法の改正案についてお尋ねをいたします。  これまでも何度か触れましたけれども、この法律、国の責任を明記することについて、大臣、御決断いただけましたでしょうか。
  89. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 前回も、川口委員から御指摘をいただきました。  参法、御党を中心として各党で出されました参法においては基本理念として、基本理念という項を起こされて、第三条で基本理念として三つの観点からの基本理念をお示しになられました。そこの中で、表現としては、国の責任を踏まえた、国による跡地の有効、適切な利用の主体的な推進というのが書いてあります。そして、あと二つも書いてあります。  このそれぞれの項目に関しては、私たちは、国、基本理念という立て方ではなくて、第一条の目的、それから第三条の国の責務ということで基本的な考え、物の考え方は包含して書かせていただいていることでは、基本的に立っている立場は一緒だというふうに思っております。そういう中で、沖縄の振興を図ることが大きな責務でありますので、国としての責務という形でこういうことをしっかりやりますというのを書かせていただいた上で、その大きな要素としては、やっぱり基地の返還の跡地利用に関しても国の責任はしっかりあるんだということを申し上げてきました。  あと、国の責任と書くか、国の責務と書くかということは、私は、法律用語としては一般的に責務と書かれるのが多い。責任を踏まえる中でしっかりやるべきことを果たしていくというのが広い意味の責務ということでありますので、そういう書き方をさせていただいたところでございます。政党間においてもいろいろ御議論いただいていることは承知をしております。
  90. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 是非、国の責任と明記することが県民の希望に沿うことなんだということを大臣、是非御認識をいただければというふうに思っております。  それでは、土壌汚染、不発弾の除去についてお尋ねをいたします。  跡地の原状回復に関して、引渡しの前に、全域において土壌汚染、不発弾などの支障除去措置を行うという旨明記すべきというふうに思いますが、いかがでしょうか。これは田中大臣にお聞きをいたします。
  91. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 返還後の跡地利用を図る上での土壌汚染や不発弾等の支障を除去することが重要であり、改正法案においては、国は、土壌の汚染の状況等を調査し、除去等の必要な措置を講ずることといたしております。  改正法案におきましては、過去の原状回復における事例を踏まえ、跡地利用の支障となるものの代表例の一つである土壌汚染を例示として定めたものであり、御指摘の不発弾については、法律に明記はしていないものの、調査や除去の対象になるものと認識をいたしております。  防衛省といたしましては、返還後の跡地利用を図る上で土壌汚染や不発弾等の支障を除去することが重要であると考えておりまして、今後とも万全を尽くしていく所存でございます。
  92. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 引渡しの前に、全域において土壌汚染、不発弾などの支障除去措置を行うかということをお聞きをしております。
  93. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 防衛省としては、跡地を円滑に利用するためには原状回復措置の徹底が重要であると考えております。これまでもできる限り原状回復措置の徹底に努めてきたところでございまして、改正法案においては、国は、県、関係市町村の意見等を踏まえ、客観的に調査を行う必要がある場合に調査を行うことといたしております。  また、国が行う土壌汚染等の調査については、駐留軍の行為に起因する土壌汚染等に限定せず実施することといたしておりまして、防衛省といたしましては、返還後の跡地利用を図る上で原状回復措置の徹底は重要であると認識して、今後とも、地元の意見も踏まえつつ、可能な限り幅広く調査を実施するなど万全を尽くしてまいりたいと思います。
  94. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 大臣、ということは、それ、これまで以上にその支障除去を徹底させるつもりはないということなんですか。
  95. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 防衛省としては、返還後の跡地利用を図る上で原状回復措置の徹底が重要であると認識しており、今後とも、地元の意見も踏まえつつ、可能な限り幅広く調査を実施するなど万全を尽くしてまいりたいと思います。  地元の意見をしっかり踏まえていくということで私は考えておるところでございます。
  96. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 そうすると、田中大臣、なぜ全域ということを明記できないんですか。
  97. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 全域を調査するかについては、今、関係与野党間で法律について修正協議中と承知をしております。協議について注視をしてまいりたいと思いますが、私は、先ほど申し上げたとおり、万全を期していくということで私自身は対処をしていきたいと思っております。
  98. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 私がお聞きしたのは、なぜ全域においてできないかということをお聞きをしているんです。なぜ、その引渡し前に全域でこの不発弾あるいは土壌汚染の支障除去措置を行えないのか。なぜ駄目なんですか。
  99. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 必要であれば、私はできるというふうに判断をいたしておりますので、可能な限り幅広く調査を実施するなど、万全を尽くしてまいりたいと思います。
  100. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 できるということですね、大臣。  今の答弁、何かニュアンスが変わっていらっしゃるかなというふうに思っておりますけれども、できるということですね。大臣御自身としては、できるんだよって今おっしゃったと思ったんですが。
  101. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 当然、地元の要請があれば、そして、できる限り、その方向がいいことでありましたら、それは万全を尽くしていくということでございます。
  102. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 じゃ、それをきちんと法律に明記してください。大臣、お願いします。
  103. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 与野党でその方向が出していただければ、その方向で私は進めていただいて結構だと思っております。
  104. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ありがとうございます。今の大臣答弁で、引渡しの前に全域においてということを明記をしていただけるやの御答弁でございました。大変ありがとうございます。  なぜこの全域ということに私がこだわるかといいますと、今現在、返還された土地、その経緯を見てもそうなんですけれども、もう一つ大変大事なことがございます。それは土壌汚染であります。  実は、北部訓練場で枯れ葉剤が使用されて、そのために前立腺がんになったという退役軍人の訴えを九八年に認めた退役軍人省の例がございます。北部訓練場で枯れ葉剤を使用したという事実が認められた以上、土地の全域の調査とこの汚染除去というのが必要だというふうに私は申し上げたいわけであります。  田中大臣、この事実は御存じですか。(発言する者あり)
  105. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、一遍、渡辺副大臣
  106. 渡辺周

    ○副大臣(渡辺周君) 委員長からの指名でございますのでお答えいたしますと、一九九八年にアメリカの上級審査委員会が退役軍人の主張を認めた結論を出したことは承知をしております。
  107. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 防衛大臣御存じないようなので、じゃ、外務大臣、お聞きをさせていただきたいというふうに思います。  先ほど申しましたこの枯れ葉剤の件、アメリカの退役軍人省の一九九八年の決定についてはこの退役軍人省のウエブサイトに掲載をされております。あらかじめ外務省に重要な部分の翻訳をお願いしてあります。この翻訳文を読み上げていただきたいと思います。
  108. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) おっしゃるとおり、あらかじめ、この言わば退役軍人省、一九九八年一月十三日付けの退役軍人省の地域事務所からの上級審査に関する審決文ですね、その訳をということでございました。  ポイントだけ申し上げますが、彼は、つまりは審査を請求した退役軍人でありますけれども、輸送中及び沖縄の北部において模擬戦争訓練のために使用された際に枯れ葉剤にさらされていたと報告した。それと、しかしながら、退役軍人が所属していた軍の専門家たちは、沖縄で特定のダイオキシンにさらされたことを証明できない一方で、そのような可能性があることを否定していない。あるいは、退役軍人省の上級審査委員会は、この点について、同時期に他に文書化された情報の記録の食い違いに関し、当該退役軍人の説明を信頼できるものであると考えている等々で、かなり長文にわたっておりますので、今エッセンスのところだけ申し上げさせていただきました。
  109. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 かなりエッセンスの部分のみを言っていただいたかなと思いますが、枯れ葉剤が使用された可能性は否定されていない、それから、この彼ですね、この訴えを起こした人の言っていることの信憑性は高い、信頼に値するということですよね。  この二つ、もう一度確認したいと思います。
  110. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 今のこの彼の上級審査委員会での発言というのは、かなり細かく様々な報告がございます。  それで、先ほどエッセンス申し上げましたが、基本的には否定されていないと、可能性があるということをこの審決案そのものは言っていると、この審決案そのものはですね、そういうふうに考えていただいていいと思います。
  111. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 そうすると、外務大臣は、今読み上げていただいたこの文書、あるいはこの退役軍人省の決定についてどのような御見解をお持ちですか。
  112. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) これ、先ほどから何か審決文、審決文と、こういうふうに申し上げているんですけれども、これはまさに退役軍人省という、退役軍人の方々の言わば福利厚生などを見ている行政庁ということなんだと思います。一定の独立性は恐らくあるんだろうというふうに思われますけれども、その中ではこういうふうな審決文になっているということでございます。  先ほど来からお話のある北部訓練場において、枯れ葉剤の関連報道がありました。それも含めて多分どう思うのかということでございますが、したがって、私たちもアメリカの国防総省に本当にそうなのかということについて確認を何度かしているということでございますけれども、国防総省からは、改めて過去の記録を確認した結果として、米軍が当時枯れ葉剤を沖縄へ持ち込んだことを示す資料は何ら確認できなかったという旨の回答があったということでございます。
  113. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 ここで大事なのは、国防総省はそのデータはないというふうに言っているんです、確かに。しかしながら、退役軍人省はこの前立腺がんになった退役軍人の訴えを認めているわけですね。この辺に関しての外務大臣、御見解はいかがですか。  そうすると、国防総省の出した、リリースしたもの、それから退役軍人省の方は若干違うわけで、ただ、データがないというふうに言っているのはペンタゴンの方なんですよね。いかがですか。
  114. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) いや、これは、いわゆる退役軍人の福利厚生をまさに扱っている退役軍人省の中では、いわゆる証言を基にそういうふうに言っていると。データがないというのはまた別の話だと思います。ですから、国防総省としてはまさにデータがないということなんですね。  我々としては、さはさりながら、御心配は例えば沖縄の県民の皆様は当然あるのではないかということもございますから、例えば我々も事務方に、担当者に本当に大丈夫なのかということなどを言っています、私も。例えば、御存じのように、御地元なんで、今年の二月に、北谷町が一連の枯れ葉剤の関連報道等を受けて独自に町内の三地点におけるダイオキシン類の調査を行ったけれども何ら異常がなかったとか、幾つかそういう報告を受けているということでございます。
  115. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 玄葉大臣、同じような報道が韓国でございました。この報道を御存じですか。
  116. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 承知しております。
  117. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 その報道の後、米韓では合同の調査団が一週間で組織されて、米韓一緒にその基地内の汚染状況調査を始めたというわけでありますけれども、あのスピード感、私は実は目の当たりにいたしまして、これがなぜ日米でできないんだろうというふうに思っております。  先ほど北谷のことを言いましたけれども、それはどちらか一方の調査ではなかったかというふうに思います。これ、合同でタスクフォースをつくるということが大事だというふうに思いますが、この件に関してはいかがですか。
  118. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) 済みません、韓国のその例は今手元にございませんが、たしか特定されていて、まさに沖縄と例が違うのは、もう既に特定をされた、場所も含めてですね、そういうことだったと記憶しています。それによって、たしか島尻委員が韓国に行かれてその話を聞かれたという話も私かつて聞いたことありますけれども、それですぐそういう形で委員会を立ち上げたということなんだろうと思うんです。  ですから、我々も、それは御心配だろうと、それはそうだろうということで、先ほど申し上げたように、できることをやるようにということで先ほど来から申し上げているようなことをしていると。  確かに、一方といえば一方です。沖縄県もこれ水質調査を行っているということで、あれ福地ダムだったと思いますけれども、全て水が、あそこに北部の水は集まるということで、そこの水を調査するということで沖縄県が調査されたというふうに聞いていまして、そこからは出ていないということでありますので、ここは私は、更にその調査を国として行っていくかどうかということについては、政府全体として、こういう県の調査とかあるいは町がそれぞれ独自に調査を行っている、そういうことなどを踏まえて検討していかなきゃいけないんだろうと、そういうふうに思っています。
  119. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 韓国ですぐさまタスクフォースができたということでありますけれども、そのときの在韓米軍のプレスリリースが手元にございます。  米韓地位協定の下で、我々は、これはアメリカ軍ですね、キャンプ・キャロルを含め、合衆国軍隊の施設で生活し、仕事をしている合衆国及び韓国の要員の安全を含む公共の安全に妥当な考慮を払って、合衆国軍隊が使用している施設及び区域における軍事上の作業を行う義務を真摯にとらえているというプレスリリースなんです。  ここで引用されている地位協定の文言というのは、何と日米地位協定の三条三項にあるものとほとんど同じ条文だということを、大臣、これ、きちんと御認識をいただきたいと思っております。  地位協定に大変詳しい大臣でありますから、この辺のことをきちんとまた見ていただきたいと思うんですけれども、これに基づけば、日米でも同じようなタスクフォースを、しかもスピードアップをする中でやっていける。しかも、それを情報公開することで地元あるいは国民の安心につながっていくんだというふうに思いますが、大臣、いかがですか。
  120. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) おっしゃる気持ちは本当分かるんです。  それで、ただ、韓国は、先ほどちょっと手元に資料ないと言いましたが、ございましたが、韓国においては、かつて米軍が枯れ葉剤を保有したことについて確かに一定の裏付けがあると、米国自身が完全にもう認めているんですね。  日本の場合は、どうもそういうデータ、探したけれども本当にないと。何回かやっているんです、これ。一回じゃないんです。本当にないというのと、県とか町が調査してもそういうのは出てきていないということなんで、全く韓国と同じという対応をするということの必要性は、また若干これは同列ではないんだろうというふうに思うんです。  ただ、そういうお気持ちは分かりますから、そういう意味で政府全体として今後どういうことができるのか検討していきたいと、こういうことでございます。
  121. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 大臣、今おっしゃっているのは結果論であって、どういう対処をするかということなんだと思います。いかがですか。
  122. 玄葉光一郎

    国務大臣玄葉光一郎君) ですから、どう対処するかということについては、先ほど来からこれ何回も申し上げて恐縮ですけれども、町とか県とか今調査をしていただいたりしているわけです。米国防総省にもこういったデータが本当にないのかということを確認をしていくと、まずそういうことが大事だというふうに思います。
  123. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 繰り返しになりますけれども、この日米の地位協定の条項の中でも、もうすぐに合同のタスクフォースを組織して対処できる、その裏付けはあるということは、大臣、どこかに、頭にはきちんと入れていただきたいというふうに思っております。  それでは、同じく不発弾のことに触れたいというふうに思っております。不発弾の除去に関して、田中防衛大臣にお聞きをしたいと思っております。  現行法では、駐留軍の行為に起因するという要件が設けられているわけでありますけれども、この要件を廃して、今次大戦における不発弾も含めた不発弾の除去というふうに今回の法律に明記していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  124. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 改正法案においては、過去の原状回復における事例を踏まえ、跡地利用の支障となるものの代表例の一つである土壌の汚染を例示として定めたものであり、御指摘の不発弾については、法律には明記していないものの、調査や除去の対象になるものと認識をいたしております。  沖縄県における駐留軍用地跡地の利用の促進及び円滑化のための特別措置に関する法令といたしまして、第二条に、不発弾その他の火薬類の有無について今明記をするかどうか検討中でございます。そのような形で対処をしていければと思っております。
  125. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 そうすると、駐留軍起因の要件は外されるという認識でよろしいですね、大臣
  126. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 国が行う土壌汚染等の調査については、駐留軍の行為に起因する不発弾に限定せず実施することといたしております。
  127. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 大変に前向きな答弁、ありがとうございます。これで大変、先ほど大臣の答弁で全域において、しかも引渡し前に、しかもいろんな要件なしでクリアランスをしていただけるという、このことがそろったというふうに思っております。是非よろしくお願いしたいというふうに思っております。  それでは、給付金のところをお聞きをしたいと思っております。  今回、この法律において、返還給付金の支給開始日を返還日から引渡日の翌日から起算するということになっておりました。政府は当初かなり強い難色を示していたわけでありますけれども、これが取り入れられたこと大変評価に値するというふうに思っておりますが、どんな整理がなされたんでしょうか。田中防衛大臣、お答えいただけますか。
  128. 渡辺周

    ○副大臣(渡辺周君) 具体的には、全国の標準的な土地区画整理事業における仮換地指定の時期や、あらかじめ知り得る様々な状況等を総合的に勘案して定めることにしております。具体的な給付金の支給期間については、個々の事例ごとに適切に判断して政令で定めるということにしております。  以上です。
  129. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 それでは、このバックエンドのところなんですけれども、この期限をどこまでにするかということでございまして、我々としては是非、諸事情を鑑み、使用収益が開始されるまでの間の給付期間というふうにしていただきたいというふうに思うんですけれども、これはいかがでしょうか。
  130. 渡辺周

    ○副大臣(渡辺周君) 御指摘の点についてでございますけど、跡地利用に向けたインセンティブが働くようにと、確保されるようにということで、今のエンドのところにつきましては、実際に土地の使用収益が開始されるまでの日といいますよりも、先ほど申し上げたような、一つには仮換地の指定ということを目安に政府側としては今考えているところでございます。  土地の所有者の意向にいろんなお考えが、意向はあると思いますけれども、是非ともこのインセンティブが失われることがないような形で一つ区切りを設けたいと、そのように今考えているところでございます。
  131. 島尻安伊子

    島尻安伊子君 時間がないので、ここで終わります。  ありがとうございました。
  132. 石井一

    委員長石井一君) 以上で島尻安伊子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  133. 石井一

    委員長石井一君) 次に、谷亮子さんの質疑を行います。谷亮子さん。
  134. 谷亮子

    ○谷亮子君 民主党・新緑風会の谷亮子でございます。本日は、質疑をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  初めに、東日本大震災から一年が過ぎました。改めましてこの災禍の大きさを痛感いたしております。この間、犠牲になられました皆様お一人お一人に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、今日、復旧復興へ向けて全力で取り組んでいただいている多くの皆様に心からの敬意と、そして激励を表させていただきます。  本日は時間が限られておりますので、早速質問に入らせていただきます。  今日、復旧復興へ向けた取組が急がれる中、この瓦れき処理の問題につきましても取り組まなければならない大きな課題の一つでございます。  現在、被災地には約二千百万トンの瓦れき等が山積をしております。そのうちの約一千八百万トンにつきましては、これは被災地処理をしていくということでございます。この被災地、東北三県、岩手県、宮城県、福島県には合計六十五基の現在既存の焼却施設がございますが、これに合わせて新たに仮設焼却施設を二十五基設置をしていくということでございますが、今現在、五基はもう既に稼働中でございまして、全力を挙げていくということでございます。そして、残りの四百万トンにつきましては、これは全国の自治体の皆様そして民間企業の皆様に個別に丁寧にお願いをしていくということであります。また、瓦れき処理の工程表も昨年公開されまして、今まさに瓦れきの受入れをしてくれる自治体が増えてきているという現状でございますが、まだまだ、やはり近隣の皆様そして国民の皆様にとりましてはこの放射性物質の問題というのは大変な不安をお持ちでいらっしゃいます。  そんな中で、やはりこの放射性物質の問題の安全性という点について細野大臣に伺いたいと思いますが、やはりこの安全と安心を国民の皆様に御理解していただくということが大前提となりますが、この安全性につきましてはやはりこれは政府がお示しをしていくものでございますが、この安心につきましては、これはやはり国民の皆様が感じる気持ちの部分でございますので、こういった説明責任をどのように果たしていかれるのかという点と、さらに、やはりこの工程表を実際に実行して完了していくまでには、やはり瓦れきの積込み作業から積卸しの作業、そしてさらには搬出の作業があり、またさらには焼却灰の問題も出てきます。この焼却灰の問題につきましては、焼却はやるけれども灰は引き取ってくださいと、こういった問題もいろいろと考えられておりますけれども、こういったことを全て執り行っていくに当たりましては膨大なコスト、費用が掛かると見込まれておりますので、その点、政府としてどのように対応がなされていくのか、細野大臣に伺います。
  135. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 本当に皆さんに御協力をいただいて、谷委員にも大変強い関心を持っていただいて働きかけをしていただいておりまして、心より感謝申し上げます。  まず、安心、安全の問題なんですが、安全性については、環境省でも専門家を集めて検討してまいりましたし、あとは放射線審議会という法律に基づいた審議会でもかなり詰めた議論をしていただいて、キログラム当たり八千ベクレル以下であれば安全に処理をできるというふうなことをお示しをしております。  ただ、安心という意味では、やはり皆さんに納得をしていただかなければなりませんので、そこをできるだけ丁寧にやっていく必要があるというふうに思っております。私どもも、もちろん専門家を派遣をいたしまして説明をさせていただいておりますが、やはり自治体にも測っていただき、さらには住民の心配をされている方にも測っていただくことで、きちっとその現場で納得していただける方法というのを丁寧にやっていくという、このことを継続していくしか恐らくないと、そのように考えております。  費用の面、さらには具体的に様々な、これから運搬から焼却、さらには埋設ということでやらなければならないことについては、これはそれぞれ地域によって事情が違いますので、それに対応するやり方というのを今進めているところでございます。東京都のように力のあるところはもう自力でほぼやっていただけるわけでありますが、これから出てくるところはやはり国の関与というのが不可欠だというふうに思っております。しっかりと国が明確に関与する形をお示しをいたしまして、それぞれの事情に対応できるような体制を今取っているところでございます。
  136. 谷亮子

    ○谷亮子君 是非、国民の皆様の安全と安心というのはもう大前提になってきますので、細野大臣、連日もう丁寧な御説明をいただいております。私も、この瓦れき処理がスムーズに進んでいくことを望んでいますし、期待をいたしております。  そしてまた、さらに、この瓦れき処理の問題がスムーズに処理が実行されていくためには、やはりこの搬出、運搬の際の交通網、交通機関というのがどのように機能性を持って進んでいくのかという点が大変重要視されておりますけれども、大量の瓦れきを一気に輸送するためには、今鉄道等を使っていらっしゃいますけれども、これからまた更に新たに何かお考えはあるのかという点につきまして伺いたいのと、あと、阪神・淡路大震災の際には、鉄道を含めて海運業の船舶の皆様に大変なお力添えをいただいたと、そしてスムーズに大量の瓦れきを運ぶことができ、大変助かったと記憶をいたしておりますけれども、このように、今後、海運業の船舶の皆様に御活動、そしてまた船舶を活用していくというようなことはお考えでいらっしゃいますでしょうか。
  137. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今、そこも相談をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。  これまでは、JR貨物が非常に安全に運ぶ方法をしっかり確立をしていただいて運搬をしていただきました。それを補完をする形で、陸送で最後は持っていかなければなりませんので、トラックで運ぶということで来たわけです。これから全国的に広がってまいりますと、そうした鉄道よりもむしろ船舶の方がスムーズというケースがあるかと思いますので、そこは是非相談をさせていただきたいというふうに思っております。  谷委員、非常にそうした方とのいろんなネットワーク持っておられますので、是非後押しをいただければ大変幸いでございます。
  138. 谷亮子

    ○谷亮子君 是非、船舶というのは、もう細野大臣御存じだと思いますが、道路の混雑や騒音がなくて、やはり長距離大量輸送というのが可能でございます。また、二酸化炭素等の排出が大変少ないということで地球環境にも大変優しいということでございますので、是非、私は、船舶の皆様にも御理解をいただき、御協力をいただきまして、一緒に一丸となって取り組んでいただきたいと。そして、こういった内航海運を執り行うによって、やはり港の整備等も進んでいくと思われますので、是非活用していただきたいと思っております。  続きまして、次の質問に入らせていただきます。次は、食品の安全性の問題について伺います。  私も含めまして母親の皆様方は、朝、お子さんのお弁当作りから一日をスタートさせます。そしてまた、買物をする主婦の皆様にとりましても、やはりこの食の安全性というのはもう一番の関心事であります。  そういった中で、今、国内外では様々な意見が飛び交いまして、国民の間では安全なんだか危険なんだか、何だかよく分からないといった、諦めにも似たような声が出ておりますけれども、私は、安全性がきちんと確保されているのであれば、この風評被害を招かないためにも、やはり是非この放射性物質の問題について伺いたいと以前から思っておりました。  現在の食品安全の検査体制はどのようになっているのか、そしてまたこの検査報告はどのようになされているのかという点について伺います。
  139. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) この食品の安全は、特にお子さんをお持ちのお母様たちには非常に心配なことだというふうに思っています。そういう意味で検査をきちんとするということで、厚生労働省が定めましたガイドラインに基づいて各自治体でモニタリング検査をしています。厚生労働省では、検疫所ですとか国立試験研究機関を紹介するなどして、地方自治体の検査の支援を行ってきましたし、また国自らが流通段階の買上げ調査を実施をしています。  その検査結果のお伝えの仕方ですけれども、放射性物質が検出されれば検出値を、もちろんその値を公表しますし、検出されなかった場合でも検出下限値、これを公表することにしまして、毎日、厚生労働省で取りまとめて迅速に公表をしています。  そしてまた、今度安全の上に安心をしていただくために、四月から新しい基準値を施行するわけですけれども、ここでも地方自治体が円滑に検査ができるように、短時間での多数の検査を実施するため、スクリーニング検査法を見直すこと、また検査計画のガイドラインを見直すこと、そして新たにゲルマニウム半導体検出器や簡易測定機器の導入費用を補助することなどをいたしまして、新しい基準値でも十分に検査ができる体制を整えたいと思っています。
  140. 谷亮子

    ○谷亮子君 終わります。
  141. 石井一

    委員長石井一君) 以上で午前の部を終わりまして、残余の質疑は午後一時からに譲ることにいたします。  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    正午休憩      ─────・─────    午後一時開会
  142. 石井一

    委員長石井一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成二十四年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。谷亮子さん。
  143. 谷亮子

    ○谷亮子君 午前に引き続き、質疑をさせていただきます。  先ほど厚労大臣の方から御答弁いただきましたけれども、現在被災地を含む十七都県で、放射性物質の検査結果につきましては政府が取りまとめをしてホームページで公表をしているということでしたが、しかしながら、やはりこれは国民の皆様の目に実際に触れる形での報告というのがまだまだ手薄ではないかというふうに感じているんですね。  現在、安全な食品が店頭に並んでいるのか並んでいないのかという点に対してやはり消費者側は大変不安な思いを抱いているわけでございまして、買物に行きますと、一つの商品には放射性物質の検査済みというパッケージに印が付いているものがあります、片方には、ほとんどなんですけれども、その他ほとんどには放射性物質の検査済みというような印が何も付いていない。そうなったときに、消費者側は大変な不安を現場で抱いているんですね。  そういったときに、商品になる前はこれは厚労省の管轄だ、そして商品、パッケージに入ってからはこれは消費者庁の管轄になるということでございますが、やはり国民の皆様が実際に口にする、本当に国民生活そのものでありますので、私は政府としてこれは一貫して公表していただきたいというふうに思っていますけれども、厚労省として今後そのような取組がなされていくのか、お示しいただきたいと思います。
  144. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 現在の、事故後作りました暫定基準値、これでも十分に食品の安全は保たれていますので、その検査結果を、午前中答弁させていただいたようにいろいろな形で今公表をさせていただいています。ですから、今出ているものは安心して食べていただいていいものであって、危険があるものは出荷制限掛けてしまっていますので、並んでいるものは大丈夫だと思っていただいて、余り御心配いただき過ぎることはないと思います。  ただ、これからまた新しい基準値で、更に安心のために基準値を下げますので、それについては、やはり放射線の健康影響ですとか新基準値の内容、そして地方自治体の検査体制とか検査結果、さらに農業生産現場での放射性物質を下げる、低減するための取組などにつきまして、今全国七か所で既に説明会もいたしましたし、今ホームページで公開していますが、今言っていただいたように、あらゆる機会をとらえて安全の上に安心もしていただける基準値で食べ物は守っているということを皆様にきめ細かにお伝えをしていきたいと思います。
  145. 谷亮子

    ○谷亮子君 食の安全は国民生活の基本ですから、こういったことを国民の皆様に分かりやすく執り行っていくことによりまして風評被害にはつながらないということにつながってくると思いますので、是非引き続きよろしくお願いいたします。  次の質問に入らせていただきます。  次は、武道の必修化について平野文科大臣に伺います。  四月から早速、全国の中学校の一年生、二年生の男女を対象にこれは武道の必修化が実施をされていきます。そこで、武道は自らを律し、そして相手を尊重する、精力善用、自他共栄、これは柔道の創始者である嘉納治五郎先生のお言葉ですが、これに伴いまして、新しい学習指導要領が今後円滑にそして安全に実施されていくために、まず、文科省といたしましてこの安全性と方向性について、大臣に御答弁をいただきたいと思います。
  146. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 谷議員はもう専門家でもいらっしゃいますし、また我が国の誇るメダリストでもあるわけでございますので、改めて柔道のこの四月からの必修化、こういうことについて、専門家であればあるほど、そのことについてのお考えと、またそのことの持つ安全性についての部分について御理解をいただいているところがあると思います。改めて私、谷先生の御質問に、なぜ武道を必修化するかと、この観点で二点申し上げます。  我が国の伝統や文化を尊重する、自らを律し、相手を尊重する態度を養うと、このことが非常に大事であるということで、平成十八年に教育基本法の改正に伴いまして、教育の目標として伝統と文化を尊重すると、この規定が盛り込まれたところでございます。また、平成二十年の一月の中央教育審議会におきまして、武道の学習を通じて我が国の固有の伝統と文化により一層触れることができるように改善することと、こういうことでございます。それまで武道又はダンスという選択制でございましたけれども、先生御案内のとおり、この四月からやらせていただこうと、こういうことでございます。  その前提として、やっぱり生徒の安全というのが非常に大事であると、こういう認識も文科省として持っておりまして、全ての中学校で万全の準備をしていただきたいと、かように思っておりまして、平成二十年の学習指導要領を改正して以来三年間、武道必修化に向けて準備を進めてきたところでございます。  そういう中にありまして、特に今年の三月の九日付けで、生徒の安全確保という観点から通知を発出をいたしました。特に学校と教育委員会等でもう一度再点検をしていただきたいということで万全を期していただくと、こういうことで通知を発出したところでございます。もし再点検の結果万が一何らかの問題点が発見されたと、こういう場合には、それを強行するのではなく、しっかりと計画を見直したり、積極的に外部の専門家の方々協力を得たりする適当な改善策も盛り込んでいただきたいと、こういうことでございます。  加えて、今回の通知とともに、柔道の授業を安全に進める上で留意していただきたい事項について分かりやすい手引を作りまして、各学校に配付をいたしているところでございます。加えて、万が一事故が起こった場合に、そのときにも緊急の対応ができるように、より安全性を確保すると、こういうことでございます。  私自身も、先日、三月の六日に、直接国家公安委員長の方に、警察のOBの方々で専門家にも御協力をいただきたいと、また近日中に講道館の方にもお願いに伺おうといたしているところでございます。  いずれにしましても、必修化に伴いましてのあらゆるリスクについては、なくしていくように全力で努力をしてまいりたいと、かように思っております。
  147. 谷亮子

    ○谷亮子君 随時、やはりその都度この安全性を確認しながら必要なことは盛り込んでいくということで是非お願いしたいと思っています。そしてまた、柔道をすることによって、学校における柔道事故に関する勉強会、被害者の方たちの会にも私、先週参加させていただきましたが、そういった方たちの声というものも心から大切にして、そして、より安全性のために被害者の方たちも協力したいんだということをおっしゃっていましたので、これからより良い方向に実施されていくことを望んでいます。  そんな中で、諸外国には、指導者の指導能力を高める国家資格制度というのがございます。これはフランスの、柔道の強豪国になりますけれども、フランスは、国家スポーツ・青年省とフランス柔道連盟が同時に力を合わせまして実施をしている国家免許ですね、国家資格免許制度が今制定をされておりまして、これは一九七二年からスタートをしております。この国家免許を取得しなければ柔道の指導をすることも、そして柔道場を持つことも許されないというような制度でございますけれども、こういった国家免許を是非私はこの日本でも取り入れていかなければならないというふうに考えています。  これは、柔道に限らず各スポーツの指導のための対応の免許でございまして、柔道に限らずあらゆるスポーツでこういった国家資格免許制度というのが実施をされております。そして、この講習時間は約三百八十時間ございまして、初段、そして中段、上段というふうに分かれておりまして、あらゆる面での安全性と安心、これを確保されたすばらしい免許であると私も思っております。  是非、私も、近い将来、こういった国家資格制度がスポーツにも取り入れられていくということを大いに期待をいたしているわけですが、これは関連として平野大臣に、その方向性についてお考えになるところはあるのかという点について伺いたいと思います。
  148. 平野博文

    国務大臣平野博文君) せっかく皆様方の御協力を得て、昨年、スポーツ基本法、こういうことが制定されたわけでありますし、その趣旨に沿いながら、指導者における社会的位置付け等々につきましては、国家資格がいいのかどうかも含めて、議員が御指摘のように、一度そういう方向性も含めて検討してみたいと、かように思っております。
  149. 谷亮子

    ○谷亮子君 ありがとうございます。是非検討していただきまして、前向きな結果が出ることを大変期待いたしております。  そして、この必修化が始まりますと武道用具の購入が必要になりまして、各家族や保護者の方の経済的御負担をいただかなければならない。負担増としてのしかかってくるわけですけれども、この武道用具の購入ができずに武道用具が持てない生徒も中には多少生じてくるかと思われますけれども、こういった国が推し進める武道の必修化の実施ということでございまして、武道用具につきまして、特に柔道着ですね、につきましては国が補助をしていくというようなお考えはないのかという点につきましても関連質問させていただきます。
  150. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 用具の整備と、こういう観点だと思いますが、特に施設や用具の整備につきましては学校の設置者が基本的にやっていただこうと、こういうことでございますが、文科省におきましては、用具についても地方交付税の措置する等々含めて、何らかの支援はしてまいりたいと思っております。特に、新学習指導要領の円滑な実施のための教材整備の緊急三か年計画というのが二十三年までやってまいりました。二十四年から十年間で、新たな教材の整備計画ということで八千億円の準備をいたしておりまして、その中でどういうふうに御支援を申し上げていくかと、こういうことであります。  ただ、私も昔、武道を一部、少しかじったことがございますが、人が着る道着は臭いとかいろんな部分がございますから、そういう意味の、衛生面におきましてもしっかり整備した上で、どういう整備がいいのかということも含めて何らかの御支援はしてまいりたいと、かように思っております。
  151. 谷亮子

    ○谷亮子君 平野大臣は空手家でいらっしゃいますので、そういったいろいろな点にもお気付きになっていただけると思います。是非、前向きな御検討をしていただきたいというふうに大変期待をいたしております。  そして、最後質問に入ります。  現在、国を挙げて、二〇二〇年、オリンピック、パラリンピック大会の招致活動が行われているわけですが、その前の二〇一六年に、実は被災地である岩手県で岩手国体、国民の皆様のための国民体育大会が開催をされます。当初は、震災状況もありまして、これは開催できないのではないかというようなことだったんですけれども、やはり国内外からの、スポーツ界からの支援、義援の輪が広がりまして、やはりスポーツの元気そして勇気、感動といったものを、是非、岩手県で国体を開催するという形で、復興大会として位置付けて開催していこうということで今立ち上がっているわけなんですけれども、そういった活動地元の方たちは一生懸命やられているわけでございますが、何せこの震災により、復興を遂げていかない、しかしながら財政難だということもございまして、開催するには約百億円以上の資金が必要になってきます。  この国体というのは、主に基金ですとか募金をその開催地で集めまして、それで企業の皆様にも御協力いただき、開催がやっとできるんですね。そういったことを踏まえまして、昨年制定されましたスポーツ基本法にも、この国民体育大会の開催の都道府県に対しましては援助を行うと明記をされておりますので、私は、これまで以上の復旧復興を兼ねた援助というものを、是非補助もやっていただきたいなというふうに思いますけれども、大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
  152. 平野博文

    国務大臣平野博文君) スポーツの御質問をいただくと笑みが出るんでありますが、そういう意味におきまして、平成二十八年に、岩手国体の開催申請が遅れておったわけでありますが、改めて昨年十二月に知事が開催を明記されたということで、スポーツ界にとりましても、私にとりましても大変明るいニュースだと認識をいたしております。  そういう中で、今議員が御指摘いただきましたように、特に四年後の岩手国体が、復旧復興のシンボルとして国民の皆さんあるいは世界皆さんに発信していただくことは非常に期待をいたすところでございますし、文部省としては、岩手県さらには体育協会含めてしっかりと連携取りながら御支援をしてまいりたいと思っております。  岩手県におきましても、いろんな知恵を絞って、大変厳しい状況にある、このことも認識をしながら、国として、そういう厳しい中でも開催する上においてどんな知恵を絞って応援できるかということについてはしっかりと私ども受け止めて、元々、国体というのは、国、体育協会、開催県、三者の共同開催でございますから、その趣旨にのっとりまして、議員御指摘のようにしっかり応援できるところは応援をしてまいりたい。  多分、お金のことだと思うんですが、なかなか、今までの経過見ていますと余り出しておりませんが、しかし、そういう大きな目的、趣旨に照らし合わせて出せる努力はしてまいりたいと、かように思っております。
  153. 谷亮子

    ○谷亮子君 ありがとうございます。大臣の本当に取り組む姿勢というものが大変伝わってまいりました。  日本が復活したのだということを実感できるためにも、是非皆で協力をして、財務大臣にも是非協力をしていただきまして、お願いをしたいというふうに思っています。よろしくお願いします。  ありがとうございました。質問を終わります。
  154. 石井一

    委員長石井一君) 関連質疑を許します。大塚耕平君。
  155. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 民主党の大塚でございます。  国民栄誉賞の谷議員から文科大臣財務大臣に今御要望がありましたが、お二人とも元国対委員長ですから、国体、是非よろしくお願いします。  さて、今、被災地復興瓦れきのことについて谷委員から御質問がありましたが、被災地復興を成し遂げると同時に、日本の新たな飛躍に向けて経済も成長させていかなくてはならない、これは車の両輪だと思っております。私は今度はその成長にかかわる話を少しお伺いしたいと思います。  今の政権になりましてから総合特区制度というものがスタートをしておりますけれども、この総合特区制度を御存じない、余りお詳しくない委員の方もいらっしゃるかもしれませんので、その経緯、趣旨、そして現状について御説明をいただきたいと思います。
  156. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。  議員は党の方のこの取りまとめの責任者でありますので、あえてお問いいただきましてありがとうございます。  総合特区制度創設は、経過から申し上げますと、まず、一昨年六月十八日に閣議決定で新成長戦略を決めました。その中で、二十一の国家戦略プロジェクトというものを決定したわけですが、その中の一つとして位置付けをされまして、昨年八月一日に法施行を経まして、昨年末、十二月二十二日に第一次の指定区域として三十三区域、国際戦略総合特区七区域、地域活性化総合特区二十六区域指定されたところでございます。  その制度趣旨としては、国際競争力の強化、地域の活性化のための包括的、先駆的なチャレンジに対し、地域資源を活用する等、実現可能性の高い区域を厳選した上で、規制の特例措置や税制、財政、金融措置により総合的に支援することで我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展を図るものとされているところでございます。  そのために、国としては、地域取組が実現できるように規制緩和等の最大限の努力や前向きな対応が求められると同時に、地方側も、単に国に対する支援要望ではなくて、地域資源の徹底活用、地域独自の戦略的な取組など、地域の本気度が試されていると考えておりまして、現状としましては、既に総合特区法に盛り込み済みの規制特例・税制措置や総合特区推進調整費等の活用を予定している十七特区の計画について内閣総理大臣による認定を行ったところでございます。  さらに、現在、規制の特例措置等に係る地方からの独自提案について、その実現に向けて国と地方の協議に入ったところでございまして、既に全国総合特区が出席していただきまして、一月十八日には国と地方の協議会を開催するなどして現在協議を進めているところでございます。  今後、必要に応じて政務レベルの協議も行って、協議が調ったものについて順次追加認定、既存計画の変更認定を行っていくことと予定をしておりまして、今回、応募それから選考、現在進行中を含めて、地方の皆さんが独自のアイデアを凝らして大変熱心に取り組んでいただくと同時に、我々としても、法の規制緩和だけではなくて財政金融の措置もとるということで、是非ともに前に進めてまいりたいと思っているところでございます。
  157. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今、地域活性化総合特区と国際戦略総合特区というお話があったんですが、とりわけ、どちらも大事なんですが、国際戦略総合特区の七地域について、大臣でも結構ですし政府参考人でも結構なんですが、七つの地域について、もし今御説明していただけるようであればお願いできますか。今日は参考人いらっしゃいますか。
  158. 枝廣直幹

    政府参考人枝廣直幹君) お答えいたします。  国際戦略総合特区、七地区でございますが、北海道のフード・コンプレックス国際総合特区、つくばの国際戦略総合特区、東京はアジアヘッドクォーター特区、それから京浜の臨海部ライフイノベーション特区、中京のアジア航空宇宙産業クラスター形成特区、関西はイノベーション国際戦略特区、それから北九州のグリーンアジア国際戦略総合特区など、現在、我が国が目指すべきグリーンイノベーション、ライフイノベーション、そして航空産業、そして食品産業、そういう戦略的な分野にかかわる総合的な取組をしている、こういうところが指定を受けてございます。
  159. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 参考人、もう一回お願いしたいんですが、七つのうち、やっぱり非常にこの趣旨に沿った四つと、それから少し更に工夫が必要だと思われる三つ、我々、分けてちゃんと与党としてのお考えを伝えていたと思うんですが、今御認識のところを少し開陳していただけますか。我々の認識がどうであったか、皆さんもどう受け止めているかということについて。
  160. 枝廣直幹

    政府参考人枝廣直幹君) 本制度の創設以降、与党からは御指摘を多々いただいてございますが、その中で、つくば国際戦略総合特区、そしてアジアヘッドクォーター特区、これは東京でございますが、それから大阪、京都、兵庫を中心といたしました関西イノベーション総合特区につきましては、それぞれの関与する自治体関連機関との連携の問題や、目指すべき目標設定の在り方、そして過去、研究開発等で実施されてまいりました成果とこの国際戦略総合特区との関連性、そうした多方面からの御指摘をこれまでいただいております、与党からいただいております。それを受けまして、昨年十二月二十二日に各特区の指定を行いましたが、その際に、留意点といたしまして実施主体に対しまして更なる詰めをお願いをしたと、こういうことでございます。
  161. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 この制度は党派関係なく是非野党の先生方にも御支援いただきたいので、もう少し私の方から簡単に申し上げますと、北海道の農業、北九州、福岡の環境、愛知、岐阜の航空宇宙産業、川崎、神奈川の医療、これは非常に目的も明確で、非常に地域がこれまで進めてきたこととうまくマッチして非常にクリアな計画なんですね。  ところが、東京と、けいはんな学園都市を中心にした関西と、それからつくばというのは、元々、この数十年、特区のようなものなんですね。しかし、なかなかそれが成果を上げられていないというところに今日の問題の原因の一部もございますので、この三つの地域皆さんには相当言わば気合を入れてしっかりやっていただかないといけないということでありますけれども、そのことは事務局もちゃんと認識していただいていますか。
  162. 川端達夫

    国務大臣(川端達夫君) 私が言います。  詳細に検討、御議論をいただいて、御提案をいただきました。我々の認識もまさにそういうふうに思っておりまして、提案していただいて、本当に特色を生かして、独創性と特徴を生かして頑張っていただけているテーマと、もう少し工夫と、本気度を含めてです、要るというふうに御指摘をいただいたのは、私たちも全くそのとおりだと思っておりまして、これからいろいろ詳細を詰めていく中では、そういうことが最大、より良く改善されるように我々としても注目してまいりたいし、いろいろ意見交換もして、より良い制度として本当に意義があるものでないと意味がありませんから、そういうふうにやってまいりたいと思っております。
  163. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 是非よろしくお願いします。  せんだって、その七つのうち、最も熱心で、かつ制度の趣旨をよく理解してお取り組みいただいている北九州、福岡、視察に行ってまいりました。  その北九州、福岡は環境技術を中心にイノベーションにチャレンジするということなんですが、その中で九州大学にお邪魔しましたら、大変将来有望で、かつ我々もわくわくするような研究を御紹介いただきました。  ひとつ委員先生方にも是非御理解いただきたいと思いますので、九州大学の次世代燃料電池産学連携研究センターで行われている次世代燃料電池SOFCトリプルコンバインドシステム、これの概要について少し分かりやすく御説明いただけると有り難いのですが。
  164. 牧野聖修

    ○副大臣(牧野聖修君) お答えいたします。  それこそ新エネルギー、新素材、IT等については先生は本当にベテランでございますので、私が答弁していいのかどうか分かりませんが。  トリプルコンバインドシステムにつきましては、ガスタービンと蒸気タービンの複合発電システムに固体酸化物形燃料電池、SOFCを組み合わせた発電システムであり、火力発電システムの発電効果をおおむね二〇%程度向上させることが可能なものと、このように伺っております。したがいまして、計算上、四〇%であれば六〇%、五〇%であれば七〇%ぐらい発電効果があるということを伺っておりまして、大変大きな関心を持ってこの発展、開発のために政策を進めていきたい、このように考えております。
  165. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 なかなか簡単に説明するのは難しいんですけれども、皆さんのお手元にも一枚資料が提出をされておりますが、右下の数字で三ページと書いてある方の、この上の棒のようなものがこれが燃料電池なんですね。これがその右下のSOFCという筐体の中に入って、裏を見ていただくと、ずっと積み上げていくとこれが燃料電池を核とした発電所になるわけなんですけれども。  これは現地の研究者の皆さんお話をしましたら、この三ページにあります絵のこの一つのSOFCが、大体十四メートル掛ける五メートルで七十平米なんです。これが発電する発電量を原子力発電所の発電量と換算しますと、この四階建ての建屋がもし建てられれば、一キロ掛ける一キロのブロックが二ブロックあると、ほぼ原子力発電所の三千万キロワットをカバーするという大変すばらしいもので、あとは国を挙げてこういうものを支援していくということが大変重要なんですけれども、このプロジェクトにはどのくらい国の支援が行われていますでしょうか。
  166. 牧野聖修

    ○副大臣(牧野聖修君) ただいまのトリプルコンバインドシステムを実現する平成二十四年度の政府予算案としては、九億円を今計上させていただいております。二十四年度より三年間の計画で、高圧下に耐え得る燃料電池の開発や、複合開発システムと燃料電池の連携のための制御技術の開発等を行うべく努力をしているところであります。  それで、本研究開発は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOですね、の公募事業として、民間企業、大学等が連携して研究開発を実施していく予定であります。
  167. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 もう相当実用化が近い段階まで来ていて、これから九億円、今年度の予算ですから、財務大臣、これはひとつよろしくお願いしたいんですが、九億円で更に前に進めばすばらしいことだと思います。  あわせて、この研究所お邪魔する前に、有機光エレクトロニクス、EL、要は液晶画面の研究所もお邪魔したんですけれども、これについても少し御説明できる方、もし登録されていましたら説明してください。
  168. 泉紳一郎

    政府参考人(泉紳一郎君) お答え申し上げます。  御指摘の研究開発は、今おっしゃられました有機ELにつきまして、有機ELデバイスの長寿命化、あるいは発光効率の高発光効率化、あるいは低コストを実現する材料の開発、あるいはそのためのプロセス技術の開発を内容としてございまして、最先端研究開発支援プログラムという国のプログラムを通じまして、平成二十一年度からの五年間の研究開発に対しまして約三十四億円の資金が配分されているところでございます。  こういった研究開発を通じまして、有機光エレクトロニクスに関する研究開発の拠点づくり、あるいは技術開発の加速化、将来の新しい産業育成を図ることが目指されているということでございます。
  169. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 先に財政支援数字も言っていただきましたが、約三十億円なんですね。この技術を開発していらっしゃる先生にお伺いしましたら、もう自信満々で、これは特許さえ確保できていれば第六世代とか第五世代の液晶画面と言っていましたが、一〇〇%日本のシェアになるといって自信を持っておられました。  三十億拠出をしておられるんですけれども、九億の燃料電池への財政支援、三十億のこの有機光ELへの財政支援、総合特区を核に着実にこういうことが進んでいっていただきたいなと思っているんですが、総合特区はほかの地域でもいろんなことが動き始めているんですけれども、今度は関西ですね、関西の方でも今厚生労働省といろいろ御相談事が進んでいるやに聞いておりますので、少しどういう内容か御説明いただければと思います。
  170. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 関西イノベーション国際戦略総合特区、この申請で、京都府から、旧私のしごと館をスマートグリッド等の研究拠点施設として活用するために、国からの無償譲渡のための特例措置に関する提案が行われています。  この特例措置の提案につきましては、旧私のしごと館を活用した事業の内容、体制などが産業の国際競争力の強化という国際戦略総合特区の事業としてふさわしいものか、それを見極めていく必要があると考えています。このため、現在、国と地方の協議会で、研究事業の内容、施設、研究の運営体制等につきまして京都府と協議をしているところです。(発言する者あり)
  171. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 後ろで私の敬愛する西田委員が使ってくれよと言っておられますので、是非有効活用したらいいと思うんですが。  小宮山大臣、この私のしごと館は今事実上閉鎖されているわけですが、これを造るのと、運営に要する費用として今までに幾ら投入されましたでしょうか。
  172. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) これは、旧私のしごと館は平成十五年度から平成二十一年度まで運営されていましたが、建設費として五百八十一億円、運営費として百八億円、合計六百八十九億円が事業主負担の雇用保険料を財源として国から支出されていますので、そうであるからこそ、今回また有効利用をするように最大限努力をしていきたいと思っています。
  173. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 有効利用は是非していただきたいので、話がまとまることを期待しておりますが。  今日、あえて私がこの話をさせていただいておりますのは、片方で、たった九億で世界の燃料電池の最先端を行くような開発が行い得たり、あるいはたった三十億で世界の液晶画面のシェアを日本にしっかり取ってくるような研究開発ができる一方で、資金の種類は違いますけれども、何と七百億円近い財源を投入したものが引取り手もなく今空き家になっているという、こういうことが長年いろんなところで起きていたことが、今日の財政状況のミクロで見た現象面の原因だと思うんですが、財務大臣、感想をちょっと聞かせてください。
  174. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 御指摘のところは多分たくさんあると思います。特別会計等を使ってそれぞれの役所が総合的な施策の中で選択をしたというよりは、やはり縦割り行政の中で、自分たちの世界の中でそういう予算が、結果的には今、大塚委員のような、トータルでいうとバランスが悪いということでしょうけれども、そういう予算の使い方になったんではないかと思います。
  175. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 今日は副総理にもおいでいただいていますので、行政改革の責任者でもあられますので、限られた財源を本当に意味のある使い方をしていく、このことが必要だという趣旨で今幾つか質問させていただいておりますが、副総理からも感想と御決意を聞かせていただければと思います。
  176. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 今のお話聞いておりまして、やっぱり私は、そういった過去に行われた間違いということに対してきちんと総括をする、それから、そのとき決めた人たちは今やもういなくなっているとは思いますが、そういう経緯も含めてきちんと総括がなされなければ同じことがまた繰り返されるということではないかと思います。(発言する者あり)
  177. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 重ねて西田さんから、やってくれと言っておられますので、しっかりいい方向で進めたいと思うんですが。  小宮山大臣、これは厚労省の所管ではないんですが、スマートグリッドの研究センターにするという申出が関西からあるわけですから、これはその申出の内容がしっかりしていなければ厚生労働省も余り軽々に、はいそうですかと言うわけにはいかない、また、そこが甘くなると同じことが繰り返されますので、所管ではありませんが、そこは与党なり、あるいは野党の皆さんもそうですが、国会や関係省庁が、なるほど、このスマートグリッドの研究センターの計画であればうまくいくということで我々や関係省庁が納得するまでは、厚生労働省も簡単にはうんと言わないということでよろしいですか。
  178. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) おっしゃるとおりの方向でやりたいと思います。
  179. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 ありがとうございます。  結局、科学技術も、実は小さな額で効果が出るのはそれにこしたことないんですけれども、非常に小規模な金額をいろんな研究室やいろんなプロジェクトに振り分けている結果、科学技術の公共事業というふうに言われてやゆされている面もありますので、是非その点も認識を共有していただければというふうに思います。  さて、この総合特区は、先ほど川端大臣からも御説明いただきましたが、財政措置は後から付いてくるんですね。まずは、規制改革とか、それぞれの地域が自助努力で、環境であるとか農業であるとか、目的に掲げた分野で成果を出せるかどうかということに懸かっているわけでありまして、そうすると、その規制改革というのが非常に重要なポイントになってまいります。  例えば、ちょっと質問の順序が前後して恐縮ですが、先ほどの次世代燃料電池開発にかかわる規制改革要望は、今何か出ていますでしょうか。
  180. 舘逸志

    政府参考人(舘逸志君) お答え申し上げます。  ただいま規制制度改革では、再生エネルギー関連、それから電力改革関連、その他、省エネ技術基準等、多数の規制改革要望をいただいております。それにつきましてただいま調整しているところでございます。
  181. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 この次世代燃料電池に関しては、恐らく環境影響評価法が問題になってくると思うんですが、この環境影響評価法について、どういうものか、もし御説明いただければ、よろしくお願いします。
  182. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) いわゆる環境アセスでございますけれども、この法の中では、規模が大きく環境影響の程度が著しくあるというものについては、そういうおそれがあるものについては、この事業を第一種事業と定めておりまして、アセスの手続の対象といたしております。  また、この第一種事業に準ずる規模、大体七五%ぐらいというところで引いておりますが、これを第二種事業ということで定めておりまして、その中で、例えば発電所などの場合ですと、事業を行う経済産業大臣が環境影響の程度が著しいものとなるおそれがあると判定したものについては、先ほど申し上げた第一種と同じような手続をするということになっております。
  183. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 皆さんのお手元で見ていただいたこのSOFCという燃料電池は、研究者の皆さんの御認識では環境へのマイナスの影響はほとんどないというふうに認識しておられるようなんですけれども、それでもなおかつ、今おっしゃった環境影響評価法の第一種事業、第二種事業という、こういう現行の規制に基づいて環境アセスを求めますでしょうか。
  184. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) お答え申し上げます。  先ほどのアセスメントの発電所に係る規模要件で申し上げますと、火力発電所については、第一種が十五万キロワット以上、第二種が約七五%ということで十一・二五万キロワット以上のものが該当し、アセスメントの対象となり得ます。
  185. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 いや、ちょっと趣旨が違うんですね。  研究者の皆さんは環境へのマイナスの影響はほとんどないという認識をしておられるんですが、それが立証されればこの規制については緩和をするおつもりがありますか。
  186. 白石順一

    政府参考人(白石順一君) 実は、今回の規制改革の中でも、アセスメントにつきましては、特に不必要なまでに時間を掛ける必要はないではないかという御指摘がございます。その関係で、なるべく特に役所の方の審査に掛ける時間を短くするべきだという御指摘がございまして、それはその方向検討しようということになってございます。  また、リプレースと言いまして、同じようなものの、例えば火力から火力へというふうなことで、機械を更新をするような、設備を更新するような場合があります。そういうときに関しましても基本的にはアセスメントの時間をなるべく掛けずにやれるような様々な工夫をするべきではないかという御指摘がございまして、それはその方向での検討をしております。  個別、先ほど資料がお配りになられましたものについては、まだ実用段階ではないので、どのようなことがあるかということについてはまだ検討は行われていない状況にございます。しかし、方向としては同じような方向になろうかというふうに考えております。
  187. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 細野大臣、よく聞いておいてくださいね。  これ、普通に環境アセスをやると三年から四年掛かるんですが、今、原発代替エネルギーを早く開発しなくちゃいけないという中にあって、研究者の皆さんが、今年九億いただければ更に研究を加速して実用化も近いと、環境への影響はないと自分たちは思っていると。そのときに、我々政治家やあるいは議会がしっかりそれを見ていないと、また環境省のところへ行って、いやいや、これは環境アセスちゃんと四年やってくださいとかといってどんどん遅れていくわけですね。  だから、参考人で結構なんですけれども、この件は、研究者から相談があったときには必ずこれは野党の皆さんの関係の部門会議にも行っていただきたいし、与党の我々の関係の部署にも報告に来ていただく、そして勝手に物事を進めることがないということでよろしいですか。そこだけ確約してください。
  188. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 御指摘、非常にごもっともだと思います。  環境省の中でもいろいろ検討しているんですけれども、やはり少し視野を広げて環境をとらえていく必要があると思うんですね。ミクロでいうと、この事業をやるときの環境アセスというのは極めて大事だし、それは精神はこれからも守っていくべきだろうと。しかし、全体として言うと、日本の環境を維持するためには、再生可能エネルギー、こういう蓄電も含めて相当しっかりやっていかないと国の環境を守れないと、そういう観点からこのアセスというのをどういうふうにとらえていくのかという視点は、これは欠かせないというふうに思います。  私も直接事務方に指示しましてその短縮には努めておりますが、こういう新しい事例についてどのように適応していくのかということについては、国会の皆さんの意見もしっかりと尊重したいと考えております。
  189. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 ありがとうございます。  本当にこれはもう与野党関係なく、十年一日のごとしというか、まあ逆ですかね、極めて長い時間を掛けて、よその国であれば一日、二日、一年、半年で終わるようなことが日本は遅々として進まないと、これが我が国のいろんな問題の背景にありますので、これから規制改革は、もちろん安心、安全のためとか、強化をするべきものもありますけれども、その逆のものについてはどんどん弾力化をしていく必要があると思っております。  これに関連してもう一つお伺いしますが、細野大臣にバーゼル条約についてちょっと御説明をいただきたいと思うんですが。
  190. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) いわゆるバーゼル条約といいますのは、正式名称としては、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約ということでございまして、一九八九年にスイスのバーゼルで採択された有害廃棄物の輸出入を規制する国際条約でございます。  この条約の中では、有害廃棄物等の国内処理の原則、輸出国による輸入国、通過国への事前通告及び輸入国、通過国からの同意取得の義務、さらには不法取引が行われた場合等の輸出者による再輸入等の義務等を規定をしております。つまり、基本的には廃棄物というのは国内でしっかり処理をしなさいと、それが海外に行く場合については、きちっとこれは規制をして、他国に押し付けるようなことがないような形の、そういう条約になっております。  それに基づいて、これを履行するために、我が国においては特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律という、いわゆるバーゼル法が整備をされているということでございます。
  191. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 せんだって北九州、福岡に行ったときに、これは会社の名前申し上げてもいいと思うんですが、日本磁力選鉱株式会社という、いわゆる都市鉱山ですね、携帯電話とかテレビの基板とか、そういうものを集めて、実に見事にそこから貴重な資源を自動的に選別をすることを行っておられました。  そこで話を聞いていましたらバーゼル法の話が出てきたんですけれども、小型電子機器や電子基板の輸入などに関して、あるいは国内での調達に関して、書類の交付手続の簡素化や申請、審査の地方自治体への権限移譲を是非お願いしたいと言っておられましたが、大臣、ここで分かりましたと一言言ってもらえませんかね。(発言する者あり)
  192. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 手短でという話を後ろでもおっしゃっていますが、ちょっと一言ではなかなか語り尽くせない問題がございまして、このバーゼル条約、バーゼル法が導入されたときというのは、それこそ先進国が途上国に廃棄物を押し付けるというようなことが非常に問題になった時期でございまして、かなり歴史もあるし、これはこれで大事な条約であり法律であるというふうに思っております。  今御要望が出ているのは、こういう手続をもっともっと簡素化して、逆に日本が輸入するというようなことを考えておられるわけですよね。そういうこと、それにはやはりしっかりと対応するようにしていかなければならないと思っております。必ず国同士の、これまでは少なくとも国同士のやり取りだったわけですね、環境省がそれを受け取って相手国に確認をするというこのやり方を取っておりますので、どうしてもこれまでの考え方に基づけば国の関与はこれはもう必要な部分がございまして、その手続をとにかく簡素化をして、相手国に対してもしっかりと返事を求めてやり取りしていくというのが現段階では我々として考えているところということでございます。
  193. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 お若い大臣にしては頭が余り弾力的ではないなという気もしますが。いや、細野さん、まあ親友ですから、ちょっと口が過ぎたら申し訳ありませんけれども。  しかし、都市鉱山の資源を全国、全世界から集めるというときに、本当に国が全部窓口になってボトルネックにならないかどうかというのは是非よくお考えいただきたいと思いますし、それから、私も厚生労働省や内閣府で仕事をさせていただいて、自民党や公明党の皆さんもそういう御経験がある中で、役所の皆さんが、いや大臣、これはこういうふうにしなきゃいけないんですというふうに御説明にいらっしゃったら、法的にはどこにそれが根拠となっていて、その文言からどういうふうにそれが読み取れるんだということを御自分が腹に落ちるまで徹底的に詰めていただかないと、やっぱり現行の規制は変わらないということが続くと思うんですね。  その辺について、もう一回御答弁いただけると有り難いんですが。
  194. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そうですね、今御指摘は非常にごもっともでございますので、そういう形でもう一度私も確認をしてみたいと思います。今、大体三か月ぐらいでやれているようなんですが、これを例えば国がもっと簡素化して短い期間でできないのかとか、自治体に関与していただく場合はどういった形でできるのか、そこはしっかり詰めた検討をしてまいりたいというふうに思います。
  195. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 我が国が現在のこの国難を乗り切るためには、一つは議会の場で各政党が、与党、野党しっかり議論し合ってしのぎを削るということも必要なんですけれども、ある意味、議会対行政、政治対行政ということもありますので、この規制改革、今申し上げたような点については、野党の皆さん方の担当の会議にも是非いろいろ役所の方をお招きいただいて、どうしてそんなに時間を掛けてやらなきゃいけないんだとか、いろんなことを各政党が言わば一致結束して行政と向き合うということも必要だと思いますので、これは私の意見として申し上げさせていただきたいと思います。  さて、最後質問になりますが、規制改革の中でも、去年の原子力発電所事故を受けてエネルギー関係の規制改革が大変重要になってきておりますが、これらについて今どういう方向で進んでいるのか、今日は副総理においでいただいていますので、現状をお聞かせください。
  196. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) エネルギー、取りあえず自然エネルギーの分野についての規制改革について現在議論を行っているところです。  今後、原子力エネルギーに対する依存が低下する中で、他方で、今ガスの輸入なども増えておりますけれども、地球温暖化問題を考えれば、なるべく自然エネルギーを増やしていくということは非常に重要です。そのための手段として、一つは固定価格買取り制度、これは間もなく動き出すという道は付いたと。  もう一つがやはり規制改革だというふうに思います。これを集中的に今議論しておりまして、三月末までに一定の方向性をきちんと出したいというふうに考えております。関係の副大臣大臣もお見えですけれども、特に太陽光発電につきましては工場立地法上の位置付けを見直すことができないかと、これはもう既に経産省の方でいろいろな御決定をいただいているところであります。  そのほか、小水力発電の導入促進のための河川法上の許可手続の簡素化とか、風力発電導入促進のための自然公園における風力発電施設の審査に関するガイドラインの見直し、地熱発電の導入促進のための自然公園内の地熱発電に係る自然公園法の規制の見直し、それから電力会社が保有する送配電網について、第三者、つまりこれは発電者ということになるわけですが、第三者利用に向けた情報開示の促進など、関係府省と連携しつつ現在最終調整を行っているところでございます。  早くしっかりとした結果をまとめて、そして今月末の閣議決定を目指して調整を急ぎたいというふうに考えております。
  197. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 副総理にもう一つお伺いしたいんですが、今回、その閣議決定するに当たって、それぞれの項目の規制が、法律に基づいた規制なのか、政省令に基づいているのか、その他の根拠なのか、あるいは役所が規制しているのか、あるいは独立行政法人などのルールなのか、そういうことについても全部洗い出していただくという理解でよろしいでしょうか。
  198. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 規制改革の議論というのは、どういう規制があって、どこをどう変えなきゃいけないかという、そういう議論をしておりますので、当然、それは法律の問題なのか、政令、省令の問題なのか、運用の問題なのかということは当然明らかでございます。  今回、方向性を出すだけではなくて、やはり行政刷新会議においてこれをきちんと定期的にフォローをして、各省庁に確認したことをやっていただくということはしっかり進めていきたいと思っています。
  199. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 閣議決定の文書の中に、この項目はこれは法に基づくものか、政省令なのか、その他なのかと明記をしていただくことが非常に重要だと思います。  法に基づくものであれば法改正が必要なので一定の時間が掛かるのは分かるんですけれども、やると決めたものについて、その根拠、ルールが政省令やその他の内規のようなものであれば、それはもう一日二日で変えようと思えば変えられる話なので、そこのところを是非明記をしていただきたいというのをもう一回お願いをしたいんですが、いかがでしょうか。
  200. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) 明記をするというか、それはもちろん明らかなんですが、そういったことを、何が障害になっていて、それをどう変えるかということも当然今議論しておりますので、明らかにしたいと考えております。決めたことはきちんとやるという前提で物事を議論させていただいているところでございます。  法律改正しなきゃいけないものというのはそう実は多くないと思いますが、各省庁がやらないなら、内閣府で束ね法で全部やってしまってもいいというふうに思っております。
  201. 大塚耕平

    ○大塚耕平君 期待をしておりますので、是非副総理の下で進めていただきたいと思います。  今日は、もう谷議員が開始早々、大外刈りで試合時間を短縮していただきまして、少し予定より早いですが、これで終わらさせていただきます。  どうもありがとうございました。
  202. 石井一

    委員長石井一君) 以上で谷亮子さん、大塚耕平君、民主党・新緑風会の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  203. 石井一

    委員長石井一君) 次に、高階恵美子さんの質疑を行います。高階さん。
  204. 高階恵美子

    高階恵美子君 自由民主党高階恵美子です。  初めに、厚生労働大臣にお伺いいたします。  目指す二〇二五年の日本社会、大臣はどんなイメージをお持ちでしょうか、お考えをお聞かせください。
  205. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 二〇二五年といいますと、今年が一二年でございますから十三年後。今が大体一人の御高齢な方を三人弱で支えている、野田総理がいつも言われる騎馬戦型なんですけれども、だんだんそれが、一人で一人を支えるようになる肩車型に近づきつつある途中だというふうに思いますので、一層、持ちたい人が安心して子供を産み育てられることを支援するなどして、なるべく多くの方に負荷が掛からず、効率的な、しかも安心できる社会保障制度を維持できるように一層努めなければいけない、そういう時期かと思っています。
  206. 高階恵美子

    高階恵美子君 そうですね。他国に例のない超高速で超高齢社会に入って、もう今やその次のフェーズに進もうとしている、それがこの国であって、最大の山場はもうこの後の十年、そうなんじゃないかなというふうに思います。そうしますと、次の時代、次世代型の社会保障制度体系への変革、これへの取組はもう今を生きる私たちが総力を挙げて取り組んでいかなければいけない、そう思います。  問題は、どのような姿を目指すのか、それをクリアにする過程で国民のコンセンサスを得るということであります。実際に問題と向き合っている人々の苦しみ、悩み、こういったものを具体的に聞き取って現実的な改善の方策を練り上げる、そして目標を共有する、これは地味な作業ですが、その作業が足りていないんじゃないかという感触を持っておりますが、大臣、率直にいかがでしょうか。
  207. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 確かにおっしゃるとおりのことはあると思っています。今、二〇一五年までを目指している今の社会保障と税の一体改革、これについても、その社会保障改革がどういう方向を目指して二〇一五年までにどうしようとしているのか。高齢者だけが受益をして現役世代が全部負担をしていくという方向ではなくて、いろんな意味で給付も負担も世代で公平になるように、もっと若い人たち、現役の人たちにもその受益感があるようなものに変えていく必要があると思って、今、週末ごとに担当大臣が各地で対話集会も行っていますが、まだまだその努力が足りないということは御指摘のとおりだと思いますので、一層そうした情報が伝わるように努力をしていきたいと思っています。
  208. 高階恵美子

    高階恵美子君 暮らし方、様々ですね。希望もたくさんあるんだと思うんですけれども、是非幅広に聞き取っていただきたいと思います。  子育て支援と総合こども園のことについて中川大臣に確認をさせていただきたいと思います。  三月二日に少子化社会対策会議で決定されました基本制度及び法案の骨子、ここにおきまして、内閣特命担大臣の下で適切に実施するための体制を整備するという書き込みがございます。これは、内閣府が責任を持って適切な実施体制を新たに整備していくという意味と解しておりますが、それでよろしいでしょうか。
  209. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 子ども・子育て新システムで目指すところ、これは、一つは保育環境というのを量的に、いろんな類型も含めて広げていくということ、それからもう一つは質を高めていくということだと思います。その中で、教育とそれから保育、これを両方兼ね合わせた形の機能、これを総合こども園という形でつくり上げていくということでありますが、教育の部分については文部科学省、それから保育の部分については厚生労働省でありますけれども、制度全般については内閣府が所管をしていくということになっております。
  210. 高階恵美子

    高階恵美子君 例えば総合こども園に株式会社の参入を認めるなど、公共の福祉としての制度の趣旨から逸脱するのではないかと懸念される点も含まれております。中川大臣は、具体的にどのような組織構成と実施システムを用いてこのいわゆる適切な実施体制の整備を進める御予定でしょうか。全般的な調整となりますとかなり大変なんじゃないかなと思います。いかがでしょうか。
  211. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 先ほど申し上げましたその文科省、厚労省の部分を、時代とともにこれから先、スクラップ・アンド・ビルドを基本にしていきまして調整を行っていきます。その上で、新システム発足時に、総合こども園に関する制度を始め、子ども・子育て新システムを担当する本部組織というのをつくっていくということであります。これが内閣府特命大臣の下に行くわけですけれども、これまでここは法律上には定義がなかったんですが、今回は法律の上でもこの内閣特命担大臣を設置、必置ですね、必置していくという形で進めてまいります。  その上で、この幼保一体化を円滑にするために、内閣府内にもう一つ、本部の下に幼保一体化推進統括室というのを置きまして、当該統括室において一元的な体制を構築をしていくということであります。  この統括室では、いわゆる学校教育法とそれから児童福祉法ですね、これの整合性を確保していくということ、それから、総合こども園、幼稚園、保育所等を通じた一元的な窓口、これは利用するサイドからいけば一元的なということになるんですが、この一元的な窓口をここでつくっていくということ、それから、幼稚園や保育所等の総合こども園への移行促進、これをつくっていくということ、こういうことで強力に進めていきたいというふうに思っております。
  212. 高階恵美子

    高階恵美子君 ありがとうございます。  そうすると、各省庁から意見を出させて、それをぱちっとホチキスで留める、こういったようなやり方ではなくて実動部隊を抱えると、そういう理解でよろしいですね。  そうすると、かなり経費がかさむと思うんです。この点に関して、政府としてやるという以上は、財務大臣、その財政支出の確保についてしっかりやるんだと、責任を持って取り組む、そういう決意だと思いますけれども、中途半端ではやめませんよね。
  213. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 高階さんの問題意識は、今、日本の社会の抱えている問題だと思います。待機児童は二万五、六千人で横ばいで推移をしておりますし、そうしたことからいうと、今度の社会保障・税一体改革の中で、消費税の使い道の中でも特に七千億円程度を毎年充当し、待機児童対策にはたしか四千億円ほど厚生省提案していただいておりますので、こうした安定財源を確保して、逆に言えば、働けるお母さんがどんどん外に出て頑張れる社会をやっぱりつくっていかないといけないと思っております。
  214. 高階恵美子

    高階恵美子君 小宮山大臣、例えば保育士あるいは幼稚園教諭の大幅な増員も必要と思います。需給見通しは立っているでしょうか。
  215. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 現在、ごく年配の方を除いては保育士の資格と幼稚園教諭の資格両方取っていらっしゃる方が多いんですね。ただ、養成を受けた後、民間会社に勤めたり、勤めないという方もたくさんいらっしゃるので、養成をした方はやっていただけるような環境を整備する必要がある。  そういう意味で、総合こども園には、その職員の方の処遇を改善をしたり、あるいは配置基準を上げたりというようなインセンティブを働かせたいと考えていますので、何とかその資格を取って子供のために働こうとした方が多くの方が働いていただけるように、これも財源も必要ですけれども、しっかり取り組んでいきたいというふうに考えています。
  216. 高階恵美子

    高階恵美子君 あわせて、幅広い子育てニーズにしっかり対応していく、そのための拠点として、保育所の機能強化、こういったことも必要になってくると思います。  経費の確保、拡充という点から、どういう絵姿で、どういう計画でもってこれに取り組んでいくという御予定か、ちょっと最後にお答えいただけますでしょうか。
  217. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今、中川大臣が答弁をされたように、内閣府で全体を統括して、幼稚園、保育所、既成のものだけではなくて、新たに総合こども園、それから小規模な保育ですとか、民間の方がやっていらっしゃるような子育て支援とか、いろいろなところがその基準を満たせば財政支援の対象になる、そのような形でやっていきたいと思っていますので、その方向へ向けて、今も待機児さんの解消のための先取りプロジェクトとか、子供の安全にかかわらない規制は緩和をしながら、そこの財政措置も今基金事業などでしていますので、将来を見据えて、今すぐに必要な方々にも対応できるように、これは厚生労働省としても全力を挙げて、多機能な、いろいろな多様な在り方が確保できるように努めていきたいと思っています。
  218. 高階恵美子

    高階恵美子君 では、ワーク・ライフ・バランスについて、この実現に向けた取組について中川大臣にお尋ねをしたいと思います。  具体的にどんな施策を実施しようと組立てをしておられるか、お答えください。
  219. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 主に次世代法なんかを運用しまして、次世代認定マーク、それから子育てサポート企業に対する税制優遇措置、それから均等・両立推進企業の表彰、それから公共調達における企業の評価の仕組み等々、具体的にこうしたものを導入しているということと同時に、育児休業を取得する場合の休業期間の二か月延長、それから本年七月から短期間勤務制度の導入、それから常時百人以下の労働者を雇う事業主まで拡大というふうなことで、具体的にできるところを精いっぱいやらせていただいています。
  220. 高階恵美子

    高階恵美子君 働き続けることができる、そして子育てを楽しめる、こういうことはとっても大切だと思うんですけれども、そのワーク・ライフ・バランスを推進していくトップの推進者として、大臣は、当然のことながら御自分の職場、指揮下にある省庁の職員の皆様の出産、子育ての悩み、そして労働への悩みを御存じだと思います。傾向と対策、お答えいただけますでしょうか、どんなことをおやりいただいているか。
  221. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 私も同じ問題意識を持って足下を再点検してみたんですけれども、正直、ワーク・ライフ・バランスは実現されていないという現実があるというふうに認めざるを得ないと思うんです。そこはトータルでもう一度再検討をしていくということと同時に、育児休暇の取得率なども、特に男性が率先して取っていけるような、そういう体制といいますか価値観というのを役所の中につくっていくというふうなことが必要だというふうに思います。自分の生活も含めて反省をしなければならないと思っています。
  222. 高階恵美子

    高階恵美子君 そうですね。基本制度においては、事業主に対してワーク・ライフ・バランスの取組の責務を規定すると記されています。ですから、自ら率先して、私どもも含めてモデルとなっていかなきゃと、そういうふうな気持ちがいたします。  さて、次世代型の強靱な社会保障制度体系の構築、そのためには経費が必要となるという話でしたが、改革をまるで目的であるかのように錯覚して、あれもこれもとやみくもに手を出すことは許されません。様々な創意工夫をしながら有機的に自助、共助、公助、こうした仕組みを連動させていくわけですが、常に厳正な政策評価の視点を忘れてはならないと思います。  御提案の社会保障制度と税の一体改革、これは単年度、五年、十年というスパンで見た場合に、その時代の日本社会に一体どのような効果を上げると見込んでおられるでしょうか。これは副総理がお答えいただけるということで期待をしております。止血剤でしょうか、カンフル剤でしょうか、あるいは救命ボートを出すのか、根治療法になるのか。
  223. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) これは救命ボートであり、かつ大きな船であるということだと私は思います。  今回五%の消費税の引上げをお願いしておりますが、その中で、新しいことに対しては一%、残りの四%は既存の制度を強化する、持続可能にするということのために使われるということでございます。新しいことのためにもう少し使えればいいというふうには思いますが、残念ながら財政状況はそれを許さないということでございます。  先ほどから議論されております子ども・子育てなどは、これはもちろん新しいことに含まれるわけでありますし、最低保障年金というか年金の最低保障機能の強化とか、あるいは医療についても新しい話もありますが、残りの四%については、例えば、もう既に決まっている国民年金、基礎年金の国の負担割合三分の一から二分の一への引上げ、もうこれは決まっておりますし、そのこと自身はいいことだと私は思いますが、それを賄うための財源がきちんとしていなかったと、そのために使われる。それから、毎年一兆円強増えていく社会保障費、これを賄うためにも使われる。  そういうことでありますので、大きな方向性は持ちながら、しかし目の前のこの持続可能でない状況を何とかもたせるためにも引上げをお願いしたいということでございます。    〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
  224. 高階恵美子

    高階恵美子君 相当きめ細かく修正しながら、厳しい評価を加えながらやっていかないと、これはなかなか大きな船にはならないかなというふうにも思いますので、是非この辺は慎重に取組を進めていくということをお願いしたいと思います。  少し深掘りになるかもしれませんが、乳幼児の適切な養育環境整備という点で申しますと、現行の児童福祉法の大幅な見直しが必要になるんじゃないかというふうに今私は思っております。厚労大臣の見解はいかがでしょうか。
  225. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 委員がどこの部分をとらえて抜本的な改革とおっしゃるのかはちょっと分かりませんけれども、児童福祉法もやはりその時代に合わせて変わっていかなきゃいけない部分はありますので、例えば、虐待のことにつきましても、今回親権の部分の改正と併せて児童福祉法も改正をしていますし、また、新たに例えば学童保育のことも児童福祉法に盛り込みたいというふうに思っていますし、子供たちの育ちをちゃんと親とともに社会が守っていくというためには、いろいろなきめ細かな改正はその時代に合わせてやっていかなければいけないのではないかと考えています。
  226. 高階恵美子

    高階恵美子君 総務省の政策評価においても、政策全体としての効果の発現は不十分とされました。軌道修正と内容の充実を図るべきではないでしょうか。
  227. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今、その一端、変えていくべきところをお話をいたしましたけれども、また、委員を含め皆さんからの御意見も伺いながら、どういうふうに変えていく必要があるのかは検討していきたいと思います。
  228. 高階恵美子

    高階恵美子君 一人一人の子供の命、国の将来の宝であります。憶測や希望的な観測に頼るのではなくて、実効性の高い介入策を科学的に分析をして取り入れることが必要だというふうに思っています。  続けて厚生労働大臣への質問になってしまうんですが、みとりの問題です。この春、六年に一度の診療報酬、介護報酬の同時改定が行われました。これによって在宅医療やみとりはどう変化すると見込んでおられますでしょうか。
  229. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今回、診療報酬改定の中で、またこれは今の社会保障の目指す改革の方向でもあるんですけれども、多くの方が、今みとりとおっしゃいましたけれども、住み慣れたところで、自宅とかあるいはケア付きの住宅などで過ごしたいとおっしゃる方が大体七割ぐらいいらっしゃるというデータもございます。  ところが、今、現実は病院で亡くなる方が八割というような現状の中で、在宅医療、在宅介護、ここは、そこにそれぞれの専門家の人手も必要なわけですので、そうしたことも含めて今地域包括ケアサービスの充実ということの中でやろうと思っていますけれども、そうしたことの中で、みとりも評価ができるような形でというふうに考えているところでございます。
  230. 高階恵美子

    高階恵美子君 私は、個別の点数評価では足りないと思っているから今この質問させていただいているんですね、実は。  在宅医療へのシフトというのは、これまで政策的に進められてきています。にもかかわらず、実際に地域で在宅ケアやみとりに当たる人材、医療人材、これが圧倒的に不足したまま。これが実は一番の問題でして、このために医療ニーズにあるいは国民ニーズに対応できないという状況が続いていると。  今改定で、これ、何%ぐらい改善されるということを考えた上での取組だったのか、お答えいただきたいんです。
  231. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 申し訳ありません、今、何%という数字は持っていないんですけれども、先ほどおっしゃったみとりのところでも加算は三千点しておりますので、今回はみとりも評価をする。ですから、財務大臣と合意をいたしました重点の項目につきまして、しっかりとその点数を付けて評価ができるような体制にしてございます。
  232. 高階恵美子

    高階恵美子君 とても悲しい話なんですけれども、国民のみとりのニーズには全くこたえるような、そういう政策誘導ができていないということなんだと思うんです。  八割近くの方が、最後は自分の住み慣れたところ、その近くで終えたい、こういうふうに思っているんですよね。しかし、そのうち三分の二はもう諦めているんですよ、かなわない。実際にそれをかなえることのできた方の割合、これ最近どうなっていると思いますか。減少しているんですね。実際にその思いを実現することができた方の割合です。この先、十年間、十五年間、推移を見ていきますと、今の一・五倍ぐらいの方が一年間に亡くなる、数で、実数でそのように推移していく、それが明らかで、政策的に在宅医療に誘導していこう、シフトしていこうと、社会保障の制度全体をいろいろ組替えをしていかなきゃいけない。根っこからの議論がされていないとこんなことになっていくんじゃないのかなって、そういうところがすごく心配なんです。  実際に最後の願いをかなえることができるような仕組みをいつになったら実現できるのか、それなので二〇二五年どうというようなところからお伺いをさせていただいたわけなんですけれども、どういう方法でこれ取り組んでいきましょうか。
  233. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今回、その二〇一五年に向けた社会保障の改革を様々な面で出させていただいているんですが、先ほども在宅医療・介護ということを申し上げましたけれども、今回、地域包括ケアシステムで人口一万人ぐらい、中学校区ぐらいのところで、住まい、自宅やケア付きの高齢者住宅を中心にして、それで医療と介護、これは機能の分化と連携をちゃんとする。  ですから、退院をするときにちゃんと地元で介護をする方にも来ていただいてそこの連携が取れるようにする、その在宅医療ですとか訪問看護、それから二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービス、こうしたところの人材を増やしていくということも今回この改革の中に入れてございますので、そういうところで、例えば日ごろの生活の中で支援をして介護予防をすることも含めて地域の中でそうしたことを、全体を見るような仕組みを、地域包括ケアのシステムをつくり、その中でそれぞれ医療や介護の専門家の方たちに必要なところを連携を取りながら入っていただける、そんなことを描きながら今やっているところです。
  234. 高階恵美子

    高階恵美子君 難しい課題なんだとは思うんです。しかし、一年ごとに一兆円ということをさらっと言い続けることはできないと思うんです。ですから、現場からしっかりと積み上げ型で問題解決をどのぐらい図れるのか、そういう政策の打ち方を考えていくべきだと思っているんです。  実は一昨日も年金生活を送っている方に、保険料返してほしいのよ、そう思っているのよ、私、こういうふうに言われて帰ってきました。結構、地域に参りますとこういうお言葉いただくんですね。胸が痛みませんか。
  235. 川上義博

    理事(川上義博君) 誰ですか。
  236. 高階恵美子

    高階恵美子君 そうですね、厚生労働大臣にお願いしたいと思います。
  237. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) いや、本当に多くの皆さんの、生涯安心して暮らすためにその年金を掛けてきたという、そういう思いというのは重く受け止めさせていただきたいと思います。
  238. 高階恵美子

    高階恵美子君 被災地には更に憂慮すべき事態が進行しております。  一つは訪問看護の問題なんですけれども、極めて高いハードルを越えて、福島県内で特例ケースとして訪問看護サービスの提供を始めた例が一件だけありました。延長しても、これ継続は九月まで。人口減少に加えて急激に人口流出も進んでいる、そういった地域ではもはや国民皆保険が維持できない、こういった状況を修復する次善の策を打っていただきたいんです。  厚生労働大臣より、この国民皆保険の維持に向けて何か次善の策を工夫している、そういうことをやっておられるかどうか、準備の状況をお伺いしたいと思います。
  239. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今委員から御指摘の点は、訪問看護ステーション、二・五人で開所要件のところを特例で、福島で一人での開業を特例的に認めまして、今年の九月三十日まで期間を延長したんですが、訪問看護を十分に提供できる体制が整ったことが福島市で確認ができたので、二月末日をもって特例による訪問看護の実施をやめたいということで、今は行われていないと承知をしています。  こうしたことをしっかりと充実していくためにも、今の社会保障の改革の中で、その方向に向けて一歩ずつ取り組んでいきたいというふうに思っています。
  240. 高階恵美子

    高階恵美子君 福祉の業界用語、アンミツって、ちょっとこの言葉を思い浮かべていただけるといいなと思うんですが、安全、安心、安定ですね。住む人の数は少なくとも、そこでの生活は二十四時間三百六十五日続きます。こういうところで住んでおられる方が平等に保健サービスを受けられる、こういう制度になるように心を是非砕いていただくことをお願いしたいと思うんですね。  これからのことをちょっと思い浮かべてまいりますと、様々な要件を整える必要はあるとは思うんですが、この際、看護を業とする医療施設、これを設置していくための法的基盤整備を進める、この準備を始める必要があるんじゃないかというふうに思います。いかがでしょうか、厚生労働大臣
  241. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今やり取りをさせていただいたように、これから在宅患者に対する看護のニーズも高まる中で、今回、同時改定の中でも訪問看護の充実などは図らせていただいています。一方で、看護を業とする医療施設、これを医療法上に位置付ける、このことにつきましては、病院、診療所など既存の医療提供体制との切り分けも含めまして、施設の役割、機能、これを明確化していく必要があると思っています。  現在は、看護師の業務、今、特定看護師のことはいろいろ議論をさせていただいていますが、現在は医師の指示の下で診療の補助を行う、医師のいない施設類型を創設するということがそのこととどうなのかというような議論もございますので、委員は看護の方のお仕事をされていらっしゃいましたけれども、いろいろな関係者の方から御意見を伺いながらこれは検討していくべきことかというふうに思っています。
  242. 高階恵美子

    高階恵美子君 特定看護師のことを今議論にするつもりは全くなかったんですけれども、要するに、この先どうしたら必要なサービスを安定的に提供できるのかということです。  もう一つだけその関連質問をさせていただきたいんですけれども、同じ福島県内では、もう四月から医療提供できません、大変ですというふうに悲鳴のような電話をよこす施設が何か所か今出てきております。看護職員を派遣したくても、ナースバンクの登録もゼロなんですって。そうすると、福島県内での融通がもう付かない、危機的だという声なんですね。  つまり、ウルトラCでは足りないんです。知恵を絞ってもうD難度、是非考えていく必要があると思うんですが、例えば、DといえばDMATありますよね。あの経験を生かして、これを応用して、国公立の機関でかさ高に人を雇って身分保障をして、そして一定の期間、例えば五年、被災地民間の医療機関に中堅どころを派遣するとか、こういうもう工夫をしていただけないでしょうか。  例えば、国公立といえば、防衛省の中でも相当数の隊員への看護教育、看護師の養成が組織的、計画的に行われているんです。ですから、今申し上げていることは決して非現実的な策ではないと思うんです。厚生労働大臣防衛大臣の英断を是非求めたいんですが、いかがでしょうか。
  243. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) おっしゃるように、本当に看護師さんが特に不足をしています。そういう意味では大変積極的な御提案だと思いますので、関係省庁と調整をしながら検討させていただきたいと思います。
  244. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 防衛省・自衛隊は災害派遣時に被災地における医療活動を行っており、東日本大震災の際には多くの衛生隊員が被災地活動をいたしました。  平時には、医官等は自衛隊病院、部隊等での隊員の健康管理の任務に当たっております。この医官は防衛医科大学の出身の方々が多いわけでございますが、現在、必要数は大幅に不足をしておるという状況でございますけれども、医科大学においても医官を養成していかなきゃいけないと、こういう状況でございますので、地域皆さん方とも御相談を申し上げ、そしてまた、防衛省には衛生監という衛生の統括官がおりますので、私からも研究をするように伝えたいと思います。
  245. 高階恵美子

    高階恵美子君 ありがとうございます。  研究では困るんですよ。災害派遣のときにすごく活躍してくださるという実績もお持ちなわけですし、中でも足りないのであればやっぱり増やすことを考えて、そして、そういう被災地なりなんなりに手を出す、救いの手を出す、これを是非検討していただきたいんですが、いかがでしょうか。
  246. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 先生の御提案でございます。  防衛省の医官も充実を図りますが、地域との連携で更なる協力ができればと思いますので、私も真剣に取り組んでいきたいと思います。
  247. 高階恵美子

    高階恵美子君 ありがとうございます。  次は復興庁の話なんですけれども、稼働めど十年ですね、二〇二二年の春、被災地にはどういう町が広がっているのか、大いに気になっています。  私は、ふるさとにその次の十年を見越した先進的な町づくりが起こっている、そういう姿を期待しています。平野大臣、いかがでしょうか。
  248. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 今、被災地、特に被災自治体復興計画というものを、短期、中期あるいは十年後ぐらいのことを見据えて今計画を作っております。  まず、一番最初に考えるのは、特に津波で被災された地域については、津波が来ても二度とこういう被害が出ないような町づくりをしなければならないということをまず基本に考えているという自治体が多いと思います。あわせて、雇用の問題、それから、あと現実的な観点から見ますと、やっぱり高齢化が進むんじゃないかということの観点から高齢者に優しい町づくりをどうやって進めていくか。さらに、環境エネルギーという新しいエネルギー関係、こういったものに着目しながら、太陽光発電を取り入れたりとか、バイオマス発電を取り入れたりとか、あるいはスマートグリッド、これも取り入れたりとか、そういったような様々な計画が今練られています。  できるだけそういった計画を実現できるように、国としても県と連携しながら今後押ししているところでありますけれども、十年後、まず災害に強い町づくりができていること、それから、私とすれば、やっぱり高齢者に優しい町づくりということが今回の一つの主眼だと思っていまして、繰り返しで恐縮ですけれども、そこに一つの姿ができていて、それがこれからの高齢化が進む日本の社会の一つのモデルになっていればいいなというような、これは前向きの話として聞いていただきたいと思いますけれども、そういう思いを強く持っております。
  249. 高階恵美子

    高階恵美子君 ここからは科学技術政策についてお伺いいたします。  東電の福島原発事故による放射性物質の被曝影響、これは中長期的な評価が必要だと思っています。民間でも様々な調査などの取組が始まってはいるんですけれども、それらの結果を集積、活用する機能がまだ整っておりません。不幸な被害の現場、そこからしか見出すことのできない貴重な知見、これを散逸させたまま放置し続けていけば、福島の住民が被っている苦痛、そして甚大な被害の経過を将来世代へ伝えることもできなくなる、そういう可能性があります。  健康影響については解明されていない点も多いんですけれども、人体への影響はもとより、動物、魚介類、植物、こういった生態系への影響評価を一連のものとして集積し、健康被害の低減とかあるいは除染、その他の対策に生かしていく、こういう観点に立った取組の充実が不可欠だと考えますが、平野大臣、いかがでしょうか、今やるべきことの一つだと考えるんですが。
  250. 平野達男

    国務大臣平野達男君) まず、放射能のレベルがどこでどういうレベルになっているのか。それは空間線量だけではなくて、例えば川の底の汚泥の問題、ため池、ダムの汚泥あるいは田んぼの土壌の放射性物質の割合とか量とか、こういったものについては定点観測を今やることにしております。こういった観測をずっと経年的にやることと併せて、これから生態系に与える様々な影響等々もこれはしっかり調査をしていかなければならないというふうに思っています。  既に淡水魚の調査でありますとか、もう御案内のとおり、海水面における、底生魚それからあと浮遊している魚、こういったことについても定期的に今調査をしてモニタリングをやっているということでございまして、こういったモニタリングをしっかりやっていく中で今回の影響の評価もしっかりやっていくことが大事ではないかというふうに思っております。
  251. 高階恵美子

    高階恵美子君 それらのデータを一元管理する、そういったような仕組みというのはあるでしょうか。
  252. 平野達男

    国務大臣平野達男君) これは、政府内に文部科学省が中心となりましたモニタリング調整会議というのがございますので、そこにできるだけ様々なデータを集めて、そこに復興庁も関与していきますけれども、一元的に見ていくことが大事だというふうに思っております。
  253. 高階恵美子

    高階恵美子君 実は、お聞き及びと思いますけれど、この件に関して複数の省庁間で答弁のたらい回しがありまして、なかなかお答えいただける大臣が決まらなかったんですよ。私は、つまりこの問題の重要性が余り省庁間で議論されていないんだろうかと、そういう理解で今日臨んだんですが、そこは違うんでしょうか。
  254. 平野達男

    国務大臣平野達男君) 例えば、林地、農地については農林水産省が今やっています。水産物については水産庁がやっております。それから、海域の調査については文科省がやっている、空間線量についても文科省がやっている、こういう状況になっていまして、これが各省庁でばらばらにやりますと完璧な、完璧なという言葉を使っちゃいけませんけど、縦割りになってしまいます。  こういうことがないように調整会議がまず機能しなくちゃなりませんし、調整会議機能するようにするというのも復興庁の大切な仕事ではないかということで、これはしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。たらい回しみたいなことがないように、これはしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
  255. 高階恵美子

    高階恵美子君 続いて、科学技術担当大臣にお尋ねします。  中央省庁で研究費の企画、審査、配分に中心的な役割を果たしている職員、この方々の人数と研究歴を教えてください。
  256. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) お答えいたします。  各府省の研究開発の企画、評価、予算の配分に携わっております職員の数は、予算の重点化を行っている内閣府と、予算規模の大きい四省庁、文部科学省、経済産業省、厚生労働省、農林水産省でございますが、その合計で約九百人でございます。  今委員から御指摘がございましたように、こうした府省で研究開発にかかわるこれらの業務を進める上で、実際に研究開発の現場に従事した経験、こういったものは重要なものというふうに考えております。  例えば、内閣府におきましては、科学技術担当部局の職員百十六名のうち、大学等の研究機関や企業において実際に研究開発を経験した三十二名がその一翼を担っておるという現状でございます。
  257. 高階恵美子

    高階恵美子君 そうすると、五分の一ぐらいしか研究歴のあるプログラムオフィサーを配置していないということなんですね、任用していないということですかね。
  258. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) 実際に研究開発を経験したメンバーというのは今御指摘のとおりでございますが、各省庁においてこうした研究開発に携わる職員の資質向上、そのための様々な取組をいたしております。例えば、最新の科学技術動向や研究プログラム評価に関する勉強会を行ったり、また広い視野を持つ学識経験者等の皆さんと意見交換を行ったりと、様々な形でここに携わる職員の資質向上に努めておるところでございます。
  259. 高階恵美子

    高階恵美子君 ありがとうございます。  研究成果についての適正なジャッジは進められていますでしょうか。今般の予算編成、これは第四期の基本計画に基づくものであると承知しておりますけれども、その計画がまとめられたのは昨年の八月十六日でしたか、そのころのことでありました。つまり、震災が発生した後に補正で積んだ分の研究成果、これが反映されたものではありません。幾ら積んだか覚えていらっしゃいますか。
  260. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) お答えいたします。  補正では科学技術関係予算で五千八百三十二億円を計上いたしておりますけれども、これ、そもそも第四期基本計画の策定後、第四期基本計画を踏まえて科学技術関係の補正予算を組んでおりますので、そういった意味では計画を踏まえて、しかもこの基本計画におきましては、震災があったことがございまして、この震災への対応、これを喫緊の課題と、そのことを踏まえて閣議決定をされております。したがいまして、この基本計画の中では、震災からの復興、再生というものを最重点というふうにいたしております。  そうした意味では、この基本計画に基づいて今回組まれました補正予算での科学技術関係予算、この執行につきまして、その成果、評価等についても基本計画の中で、科学技術イノベーション政策においてPDCAサイクルを確立するということになっておりますので、今後、こうした補正予算で措置された事業等が進捗いたしましたら、これは随時適切にフォローアップを行う、そうしたことを行ってまいりたい、そして必要があればまた見直し等も行ってまいりたいというふうに考えております。
  261. 高階恵美子

    高階恵美子君 元々考えていたものに、東日本大震災の発災を受けて、これは今年始めておかなければいけないということで五千八百三十二億を入れたんですよね。少なくとも研究費の部分に関しては、それが本当に取り組むべきものであったかどうか、もうちょっと増やさなきゃいけないものかもしれない。それは、中間的な結果も見ながら、修正を加えた上で次の予算に反映していく、そういう必要があると思うんです。  ですから、震災の発生を受けて新たに開発の重要性が増した課題、国が経費を投じなければいけない課題、そういうことをもう一度精査をして、マイナーチェンジをする必要があるんじゃないかと、そういうふうな観点からの質問でした。  いろいろとまたお伺いしたいこともあったんですけれども、これから社会保障の本当の質の改善、改革に向けて共に取り組んでまいりたいと思います。  ありがとうございます。
  262. 川上義博

    理事(川上義博君) 以上で高階恵美子さんの質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  263. 川上義博

    理事(川上義博君) 次に、若林健太君の質疑を行います。若林健太君。
  264. 若林健太

    若林健太君 自由民主党若林健太でございます。  今日は、予算委員会一般質疑ということで質問の時間をいただきました。精いっぱい頑張ってまいりたいと思います。よろしくお願いします。  まず最初に、お忙しいところ田中防衛大臣に御臨席いただいていますので、何点か防衛予算についてお伺いしたいと思うんですが、通告させていただいておりますが、普天間移設に係る予算ということで、平成二十四年度予算案、契約ベースで八十四億計上されているんですね。これは、二十三年度は六十三億、その前の年は十四億。暦年でどんどんとこう金額が増加しているわけでありますが、移設そのものはそんなに今残念ながら進んでいません。この内訳と、なぜこう増額しているのか、そのことについてお伺いしたいと思います。
  265. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 普天間飛行場移設事業平成二十四年度の予算案につきましては、歳出ベース約三十八億円、契約ベースで約八十四億円を計上したところでございまして、先生の御指摘のとおりでございます。  その内訳は、環境現況調査に要する経費として、歳出ベースで約十五億円、契約ベースで約十億円でございます。また、キャンプ・シュワブ内の陸上工事に要する経費として、歳出ベース約二十二億円、契約ベース約七十四億円という状況になっておりまして、環境の現況調査におきましては、引き続きキャンプ・シュワブ周辺で実施している環境現況調査について継続して実施をするということの経費でございますし、また、キャンプ・シュワブ内の陸上工事七十四億円は既に建設中の建物の附帯工事や着工済みの工事を完成させるものということで、継続的な工事、隊舎等の工事を実施するための予算でございます。
  266. 若林健太

    若林健太君 今、全体の概要についてお話をいただきました。  ということは、新たな工事はやっていない、こういう理解でよろしいでしょうか。
  267. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 平成二十四年度予算案においては、シュワブ内の陸上工事について、既に建設中の建物の附帯工事や着手済みの工事を完了させるもの等の代替施設建設事業でございまして、今、隊舎等の工事等を実施しているということでございますので、継続事業であるということでございます。    〔理事川上義博君退席、委員長着席〕
  268. 若林健太

    若林健太君 新たな工事はやっていないと、継続工事で予算が膨らんでいると、こういうことですね。それは確認をさせていただきました。  次に、その他の防衛関係予算について、これは一体何だろうかなと思えるものがあるんですね。既に通告しておりますけれども、減耗した輸送機の後継機導入に伴う整備補給態勢の検討五億円と、こうあるんですね。検討するのに何で五億円も要るのかなと、このことについてちょっとお伺いしたいと思います。
  269. 石井一

    委員長石井一君) 細目にわたっていますから、防衛大臣かあるいは政府参考人でも、的確に答えてください。(発言する者あり)  それでは、田中防衛大臣
  270. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 大変、通告いただきましたけれども、資料がちょっとその点に及んでいなかったので、大変失礼いたしました。  YS11の航空機をC130に、新しいものに替えると、その手続といいますか、調査という状況で、その費用でございます。
  271. 若林健太

    若林健太君 いや、C1をC2に替えるとか、今のYSを替えると、こういうことは私も承知をしております。しかし、その検討をするのに何で五億円が必要なんだと。その飛行機を購入するわけじゃありませんから、そのことを教えていただきたいということであります。
  272. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) C130に関して、その予算によって、いわゆるどの程度のものが経費として掛かるか、あるいはいろいろな指標を、実際に実験をして、そしてやると、こういうことで予算を計上しておるということでございます。(発言する者あり)
  273. 石井一

    委員長石井一君) 田中防衛大臣
  274. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 通告はいただいておりましたけれども、その他の項目の中で、その点ちょっと資料は整えてきておりませんので、今、資料を提出できるように今対応をさせていただいて、通告は確かにその他でいただいておりましたんですが、その点では大変、ちょっと今すぐ回答いたします。
  275. 石井一

    委員長石井一君) 五億円の内訳、なぜ要るのかということを聞いておられるんですから、役所の方はしっかりとブリーフをしてください。(発言する者あり)ちょっと待って。防衛大臣田中直紀君。
  276. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) これまでC130は持っていなかったので、運用整備につきまして、その要領を検討するための経費でございます。
  277. 若林健太

    若林健太君 先ほどのお答えと同じことを今お話しされていました。検討するのに何で五億円も必要なんですかということを伺っているんです。それは検査費用なのか、どういうことなのか、その飛行機を一旦借りなきゃいけないのか、そういうことを伺っているんです。
  278. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 予算の内容は、運用要領、整備要領を検討するための経費ということでございます。(発言する者あり)
  279. 石井一

    委員長石井一君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  280. 石井一

    委員長石井一君) 速記を起こしてください。  ちょっと静粛に願います。  今、報告を受けましたところ、中身についてまでの通告はなかったので、直ちにこれを調べさせて、後刻ここで……(発言する者あり)  答弁ができますか。  それでは、再度、防衛大臣の答弁を求めます。
  281. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 運用要領あるいは整備要領に加えまして、新しい機種に改良するわけでございますので、そのパイロットの養成をし、そして操縦すると、こういうことも含めておるのは、養成も含めての予算であるということでございます。パイロットの養成ということで経費を計上いたしておるところでございます。
  282. 石井一

    委員長石井一君) それでは、取りあえず防衛大臣が答弁をしておりますので質疑を続行してください。
  283. 若林健太

    若林健太君 まだ補足があるなら。
  284. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、もう一度、若林健太君、質問をお願い申し上げます。
  285. 若林健太

    若林健太君 大臣、もし補足があるならお聞きしたいんですけれど、パイロットの養成、訓練を受けるのに五億円掛かると、こういうことでしょうか。
  286. 田中直紀

    国務大臣(田中直紀君) 操縦パイロットのマニュアルも含むということでございまして、その詳細につきましては今ちょっと資料を持ち合わせておりませんので、先生の方にこの内容につきましては間違いない資料を御提示したいと思っておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
  287. 若林健太

    若林健太君 質問の通告には、震災にかかわる、復旧にかかわる予算項目、無駄なところがあるようでありますがと、こういうことで六個のこの主要項目の中についてのお伺いをさせていただきました。  五億円、全体の防衛予算からすれば小さいかもしれませんが、血税を使うということでいえば緊張感ある措置をしてもらいたいと、このように思います。後ほどその件についてはまた教えていただきたいと思います。  話を変えまして、防衛大臣、これで結構でございますので、消費税法案についてお伺いをしたいというふうに思います。  政府は今、政府・与党の中で大綱に基づいて党内論議が進んでいるようでありますが、二十三日閣議決定に向けてということで今党内論議進めていると。展望はどうですか。二十三日、閣議決定できますか、財務大臣
  288. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 今、鋭意党内で議論していただいておりますけれども、今月中に法案を出させていただくというふうな方針には変わりは全くございません。
  289. 若林健太

    若林健太君 安住財務大臣は、この土日に再増税を定める附則二十八条の削除について言及をされたようですがね。(発言する者あり)
  290. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、ちょっと待ってください。質問者が退席してもいいという御指示がありましたので大臣はそれに従ったと思うんですが、どうです、待機させますか。  それじゃ、この機会にいいじゃないですか、どうぞしっかりと資料を勉強してください。  それじゃ、若林健太君。
  291. 若林健太

    若林健太君 それでは改めて、財務大臣はこの週末に、再増税を定める附則二十八条について検討をすると、こういう記者会見をされたようですけれども、まさかこれ削除をするなんということにならないでしょうね。その件について教えていただきたいと思います。
  292. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 今、与党の中での議論の中の最大の焦点の一つにその部分がなっているということは、私は出席はしておりませんけれども報告を受けておりますので、私があの記者会見で述べたのは、与党としての総意で、こうあるべしという結論でもし党の中での結論が出て、政府の方にそうした意見具申があった場合は、これは検討しなければならないということを申し上げたわけでございます。
  293. 若林健太

    若林健太君 閣議決定した大綱で五年後をめどにということで書いてあったその項目について、まさか法案の中で削除することはないでしょうね、ということをお聞きしていますが、どうでしょうか。
  294. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) この大綱を法律にするための今党内手続でございますので、それぞれの党では、例えば自民党の場合でいえば、政調から総務会へという今までの、その中で例えば与党の結論が政府の案を例えば修正して了解ということもあったと思います、それぞれ。そういう点では、党の結論を今待っている状況でございます。
  295. 若林健太

    若林健太君 今回の一〇%の消費増税による増収は、先ほど岡田副総理も高階さんに対して御答弁されていましたが、子ども・子育て新システムに振り向けられたり、あるいは国庫負担二分の一に振り向けられたりと、こういうことであって、平成二十五年度、法案を提出することを予定している、例えば新しい年金制度に対する財源、これは想定されていません。新たにそういう年金制度をやろうと思えば、新たな税源、財源をどこかから持ってこなければいけない。この理解でよろしいでしょうか。
  296. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 今、御提案をさせていただくことになるこの新しい消費増税部分については、新しい年金制度等を含んだものでは全くございません。
  297. 若林健太

    若林健太君 そうしますと、その税と社会保障一体改革、民主党がマニフェストで掲げた年金制度の改革をもしやろうとすれば、今その財源はないと、こういうことでありますよね。
  298. 岡田克也

    国務大臣(岡田克也君) この一〇%引上げまでの財源の中には含まれておりません。
  299. 若林健太

    若林健太君 したがって、そういう意味では、その附則二十八条というのは、一体改革というものが名に値するのかどうかということをまさに示しているところでありまして、安易に削除できるものではないというふうに私は考えます。これは私の意見でございます。  さて、今日は、給付付き税額控除というものについて少し議論を深めさせていただきたいと思うんですね。  消費税は、御案内のように、年収一千万の人も年収三百万の人もひとしく同じ税率を掛けられるということで、低所得者に対して非常に重税感があると、この逆進性をどうするのかということが大変重要なテーマであるというふうに思います。この逆進性に対して、今度五%上げるに当たってどう対処しようと思っておられるか、財務大臣にお伺いしたいと思います。
  300. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 若林先生指摘のように、消費税はある意味で平等な税でございますから、お子さんが何かコンビニで買っても、消費税はチョコレート買ってもガム買っても掛かるし、また同じ税率が同じ品目で掛かっていきますので、やはり所得を把握しますと、所得の低い方ほどどうしても消費税の負担割合というのは多くなるということでございますので、そうした点からそうしたいわゆる低所得者の方々への配慮というものを考えなければならないと、そういう中でこの給付付き税額控除というものを考えたわけでございます。
  301. 若林健太

    若林健太君 この給付付き税額控除をいつ導入されるんでしょうか。
  302. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) これをきちっと制度設計をして導入をするには、まず国民の皆様方のいわゆるフローの所得を正確に把握をさせていただくことが肝要だと思います。そうした点では、いわゆるマイナンバー制度を今回盛り込んだ法律ができて、その制度設計がしっかりできて運用が開始してから本格的にこの導入ということになるというふうに思っております。
  303. 若林健太

    若林健太君 いつから始まるのかまだ決まっていないと、こういうことでございましょうか。
  304. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) そうでございます。
  305. 若林健太

    若林健太君 そうなんですね。これやっぱり、いつ導入をするのか明確にできないということは、マイナンバー制度がどこまで浸透できるかというのがまだ確かでない、こういうことのために期限が決まらないと、こういう状態なんですね。  実は、納税者の所得を把握するってとても難しいことですね。納税者の所得はたくさんあります。給与所得もあれば利子所得もあるし、不動産所得もある。マイナンバー制度を導入したからといって、この所得が本当に把握できるのか、ここは非常に難しいと思うんですね。  そもそも、クロヨンとかトーゴーサンというふうに言われる言葉がありました。社会が複雑化することによってその所得把握というのが非常に難しくなった、このことが直接税から間接税へ移行していこうじゃないかという大きな社会の流れになってきていると、こういうことだと思うんです。  所得の把握が不十分なままこの給付付き税額控除をもし導入するとなると、実はいっぱい預金持っているんだけれども給与所得がちっちゃいというような人のところへ現金がばらまかれるというような、そういう危険があると思いますけど、いかがでしょうか。
  306. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 全く御指摘のところはあると思います、そういう懸念は。  ですから、フローと先ほど私申し上げましたけど、若林先生も公認会計士でもいらっしゃって一番この分野の専門家ですから、つまり、ストックの部分をどういうふうにじゃ考えるのかと。これを全部把握するということは、これは国民の皆さんのなかなか理解も難しい部分があるわけです。  ですから、そういう点では、例えば利子所得については課税の対象にもう既になっている。こういうやっぱり課税対象については全部フォローできるんですけれども、ストックの部分をどうするかというのは、このマイナンバー制度を導入したとしても全部把握し切れないということは事実でございますので、そうした点から考えれば、様々な工夫といいますか、これから検討しなければならない事項があるというふうに思っております。
  307. 若林健太

    若林健太君 大臣自らがお話しされたように、実は給付付き税額控除を大きく掲げているけれども、この制度導入に当たってまだ未検討の事項が随分あると、こういう状況でないかというふうに思うんですね。  実は、財務省の試算によると、民主党のPTに出されているようですけれども、給付付き税額控除を導入すると大体一兆円ぐらいの財源が必要になると、こういうことでありますが、この一兆円の財源、これはどうやって捻出するんでしょうか。
  308. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 消費税の逆進性対策について、額が全体でどれぐらいになるかというのはまだ決まっておりません。簡易に例えば、仮に若林さんおっしゃるような給付付き税額控除制度が完成したところで幾らになるかということもありますけれども、その前の段階でいかほど例えばやるのかということについては、まだちょっと正確には決まっておりませんが、これは消費税の中から対応するとか、そういうことも含めてこれからの検討でございます。
  309. 若林健太

    若林健太君 今大臣、消費税の中からと言ったけど、消費税の今回の一〇%の増税分の中にはこの財源は想定していませんよね、少なくとも。そして、財務省の試算によりますと、食品を対象にしただけでも一兆円、それに更に被服や何かを入れれば一・五兆円掛かると、こういうような試算が出ております。膨大な財源なんですね。これを一体どうするんですかと、こういうことを聞いております。
  310. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 私どもの資料は先生指摘のとおりでございまして、消費税を五%相当分で負担額で今計算をすると、単純計算ですが、飲食料品で一兆、それから光熱費や被服代で一・五兆、単純計算ではそれぐらいになることは事実でございますから、これが単純にそのまま当てはまるわけではありませんけれども、何らかの財源調達はしなければならないことは事実でございますが、まだ何か具体的に財源をこれで調達するということは決まっているわけではないということです。
  311. 若林健太

    若林健太君 そうなんですね。消費税の一〇%への引上げ、これは大変大きなテーマであります。これに対して、一番気を付けなければいけない、国民の皆さんに逆進性をどうするのかということに対する答え、これについての制度設計は極めて曖昧で、しかもその財源が明らかになっていないと、こういうことが今明らかになったということだというふうに思います。五%の中からは出てこないんです。  そして、今お手元に、皆さんのところへ表をお配りさせていただいておりますけれども、この表を御覧になっていただきますと、付加価値税を国税として導入している欧米の各諸国、比較をさせていただいております。  給付付き税額控除、これ実は各国、逆進性対策としてというよりは、低所得者の就労支援とか、要は一律現金ばらまくと、こういうことでありますが、そういった低所得者対策ということに使っているのがほとんどなんですね。ごく少数ですけれども、カナダのように、逆進性ということでこの給付付き税額控除を設定しているというところもあります。しかし、このカナダも、実は消費税の段階税率というのを導入しているんですね。  私は、その給付付き税額控除、今極めて不安定であるということが明らかになりました、この制度によって逆進性対策をやるよりも、消費税というこの税体系の中にしっかりと逆進性対策をビルトインする、その意味でもその段階税率というのを検討するべきだと思いますけれども、大臣はどうお考えでしょうか。
  312. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 全く正確な御指摘なんです。  給付付き税額控除制度は、例えば子ども・子育て支援とか就労支援で導入している国が、今先生指摘のようなことがあります。それから、ごく限られた国では、消費税の逆進性対策で一部使うと。つまり、これはなぜかというと、組合せだからだと思うんですね。所得の多寡に応じて、控除額を、また更にへこむようなものについては現金給付ですから。  単一税率でやる場合と、先生の御指摘は多分複数税率を含めて検討したらどうかということだと思うんですが、一つ言えることは、一五%を超えると複数税率、さらにそれに伴う例えばインボイスとか、こういう検討というのは各国始まって、具体的に実施しているところは多いんですけれども、五%を、また一桁、一〇%ぐらいで実は複数税率というのはやはりどうなのかなと。余りそういう点では個別品目で分けているところはないようでございますので、そうした点でいうと、今回は単一税率でいかせていただくということで法案を出させていただく予定でございますので、こうした、この税額控除と給付をプラスした制度と、あとは、先般、林先生にここでお答えしましたけれども、ある種簡易な、それが正確に導入されるまでは、現金給付を伴うそうした逆進性対策をしたいというふうに思っております。
  313. 若林健太

    若林健太君 さて、じゃ、その簡易な逆進性対策というのはどれぐらいの予算規模を予定をされておられるんでしょうか。実際に給付付き税額控除、検討されているのは一兆円と、こういう話でありますが、その簡易な逆進性対策は五%アップの今回のこの制度の中で財源の手当てしてありますでしょうか、お伺いしたいと思います。
  314. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) これは、まだ時期、幅、どれぐらいの方々からやるかというのは正確には決まっておりません。  実は、消費税を二回、導入したときと上がったときと、これは若林先生にはもう釈迦に説法ですけれども、臨時給付金を一万円ずつお分けした例がございます、一年に限り、福祉臨時給付金。こうしたことを参考に、八%の段階から、痛みが極端に出るような部分のところではやっぱり手当てをしないといけないと思っておりますけれども、大変お叱り受けるかもしれませんが、この財源で幾らというところまではまだ制度設計できておりません。
  315. 若林健太

    若林健太君 消費税を導入するときに、この逆進性のテーマというのは非常に重要なテーマですね。この逆進性に対する対策が今の案の中にきちっとできていないということが明らかになったわけです。本当にこのままでよろしいでしょうかということを問いかけておきたいというふうに思います。是非、早急な対策、対応をするべきであるというふうに思います。  さて、それで、消費税の、それについては一つ一つ言います。一〇%に消費税すると、全体の税収に対する割合というのは大体消費税が四割になるんですね、三九%になるんですけれども。そうすると、これはもうまさに基幹税なわけでありますから、この逆進性も三%や五%のときと一〇%ではインパクトも違いますし、それはしっかりやるべきであるというふうに思います。  消費税の滞納状況についてお聞きしたいと思いますが、通告させていただいておりますが、今全体の滞納している税収の中で消費税というのはどれぐらいの割合になっているか、お伺いしたいと思います。
  316. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 若林委員にお答えをいたします。  消費税の滞納については、例えば平成二十一年度の例でございますけれども、全体の九六・三%が滞納になることなく納付されております。滞納となった分についても、一時的に納付が遅れているものが多いわけですから、次の年までにはほとんどが納付されていると。したがって、翌年度までには全体の九九・四%が徴収をされているということでございます。取りあえずそういう状況でございます。
  317. 若林健太

    若林健太君 私がお伺いしたのとちょっと違うんですけれども。  今、税金の滞納は大体一兆四千億円ぐらいあると。新規で七千億円あって、そのうち消費税が三千四百億と、こういうふうに承知しておりますが、その確認をさせていただきたいと思います。
  318. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 二十二年度の場合には、消費税の四千二百五十六億円……(発言する者あり)それは二十一年度から二十二年度ということでございまして、それで、滞納となったのは三千七百四十一億円のうち翌年度までに納付されたものが約八四%の三千百三十三億円ということでございます。
  319. 若林健太

    若林健太君 私はずっと税理士業務をやっていまして、中小企業が赤字になると、まず最初に払えなくなるのは社会保険、その次は消費税なんですよ。それで、その消費税の滞納をどうするのかということについてしっかりとした対応をしないと、実は五%から一〇%に上げても税収が上がらないと、こういう事態になりかねないというふうに思うんです。  この滞納対策というものに対して、例えば納付の制度を少し検討するとか、そういうことは考えておられるでしょうか。
  320. 藤田幸久

    ○副大臣(藤田幸久君) 一つは、先ほど申しましたように、〇・三%ということでございますが、まず一つは、未然に防止をする広報、周知対策をしっかりやると。それから、滞納となった場合でも、今申し上げましたようにいろんな事情にございますけれども、法令に基づいて、できるだけ国税当局が更にいろいろな形で滞納を防ぐような対応をしていくという形で、その納付の仕方を含めたいろいろな形について検討していきたいと。未然の場合とその滞納があった場合と両方の、二段階において対応していきたいというふうに思っております。
  321. 若林健太

    若林健太君 これは、私、提案なんですけど、フランスなんかの場合ですと、毎月納付をする、これを原則として、選択制で半年や一年にするということがあるんですね。一年間ずっとためちゃうと、金はずっと回っていっちゃうから納付のときに金がなくなっちゃうんですね。そういう意味では、そうした検討を是非していただきたいと、こんなふうに思います。  じゃ、大臣、一言。
  322. 安住淳

    国務大臣(安住淳君) 実は、御指摘のとおりでございますので、中間報告、中間納付を行えるような制度設計を考えさせていただきます。
  323. 若林健太

    若林健太君 それでは、病気回復されてせっかく今日は鹿野農林大臣に来ていただいているので、消費税の話からちょっと違って、TPPの話をお伺いしたいというふうに思います。  昨年十一月、APEC、ハワイに向かうに当たって、野田総理、TPP参加に向けて協議に入ると表明をされました。包括的経済連携に関する基本方針、これにのっとってその交渉をしていくということで参加国九か国一巡されたと、こういうふうに伺っています。  端的にお伺いしたいんです。  この包括的経済連携に関する基本方針には、センシティブ品目について配慮を行いつつと、この一項目入りましたですよね。これは除外品目というものをこの中に入れているのかいないのか、是非そこのところを教えていただきたいと思います。
  324. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、古川国家戦略大臣、まず答えてください。
  325. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) 今委員からも御指摘ございましたように、平成二十二年十一月に閣議決定されました包括的経済連携に関する基本方針におきまして、センシティブ品目について配慮を行いつつ、全ての品目を自由化交渉対象とすると、そのように決めておりますけれども、TPP協定につきましては、基本的に全ての関税を十年以内に撤廃することが原則になるというふうにされておりますが、最終的に即時撤廃がどの程度になるか、段階的にどのくらいの時間を掛けて撤廃するのか、また関税撤廃の例外がどの程度認められるか等については、現時点ではこれは明らかになっておりません。  したがいまして、ここは私どもとしては、まさに包括的経済連携に関する基本方針で決めた、そうした姿勢で今協議といいますか、協議に向けて関係国と協議をしているわけでございまして、この中において申し上げていますのは、仮にTPP交渉に参加すると、そういうことを決めた場合には、この包括的経済連携に関する基本方針に基づいて私どもとしては行動していくということを申し上げているということでございます。
  326. 若林健太

    若林健太君 よく分からないんですね。まあ分からないように御答弁、まあここ難しいところなんだと思いますが。  要するに、関税を十年に向けて、十年間あるいは二十年、長期に向けてずっと下げるという話と、除外品目を要求するということとは質が違うというふうに思うんですね。政府として、交渉するに当たって除外品目というものを求めて、掲げて交渉するのかどうか、そのことをお伺いしたいと思うんです。
  327. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) 外交交渉でありますから、明確に手のうちを明らかにして交渉に臨むことは、一般論としてこれは適当でないということは委員も御理解をいただけるというふうに思っております。  そうした上で、私どもは、TPP協定交渉に参加するということを決めた場合には、とにかく守るべきものは守り抜く、そして勝ち取るべきものは勝ち取る、そうしたスタンスに立って国益に沿って最終的にTPPについての結論を得るということになっておりますので、そうした姿勢の下で協議に臨みたいというふうに考えております。
  328. 若林健太

    若林健太君 国益に沿って守るべきものは守る、言葉は何度も出てくる言葉でありますが、具体的にそれは要するに除外品目を求めるのか求めないのか。米韓FTAでも、最後、米は除外品目になりましたね。  だから、それはやっぱり強い国家としての交渉に向かう意思というものが必要だというふうに思うんですよ。その点で、この除外品目を求めるのか求めないのか、もう一度お伺いしたいと思います。
  329. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) 今私どもはまだ交渉に参加しているわけではございませんので、情報収集している段階でございますけれども、今私どもが聞いておるところによりますと、このTPP協定の交渉において、最終的に即時撤廃というのがどの程度になるかとか、段階的にどのくらいの時間を掛けて撤廃するのか、また、今御指摘のあった、こういう関税撤廃の例外がどの程度認められるかと、こういったものについてはまさにこれ協議の中で決まってくるものであって、現時点では決まっていないというふうに私どもは承知をいたしております。(発言する者あり)
  330. 若林健太

    若林健太君 そうなんですね、求めなければどうにもならない。  今、本来、入るに当たっては、十一月の段階で、ルールメーキングに立たなければ国益を守れないと、こういうことで言っておりました。現在、そのルールメーキングの中に入ることができているでしょうか。
  331. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) まだ今私どもは交渉参加しているわけではございません。交渉参加に向けて関係国との協議に入っているというところでございます。  今いろいろな情報を収集をいたしておりますけれども、今のところ、決まった部分もあるがまだ決まっていない部分もあると。そういうことで、私どもとしては、まだまだ別に、いつの時点でこれについてどういう判断をするかということを決めているわけではございませんけれども、私どもとしては、ルールメーキングに参加のできるような、仮に参加をする場合にはルールメーキングに参加できるような、そういう形で参加をしていくということになるというふうに考えております。(発言する者あり)
  332. 石井一

    委員長石井一君) ちょっと速記を止めて。    〔速記中止〕
  333. 石井一

    委員長石井一君) 速記を起こしてください。
  334. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) まだ今は交渉に参加しているわけではございませんので、そういう意味でいうと、交渉の中での私どもは参加国となっているわけではございません。
  335. 若林健太

    若林健太君 まさにそうなんですね。御用聞きをしているにすぎないと、こういう状況であります。  その御用聞きをしているにすぎないこの状況の中で、一体日本は何を求めているのかよく分からないと。いつの間にかルールが決まって、それをただ受け入れざるを得ないと、こういう状況になることを大変危惧しております。まず、国として交渉に当たってこういう方針でいくんだと、しっかりとした姿勢を示すことが必要だと。  自由民主党は、そういう意味では、このTPPに向けてこういう姿勢で取り組むべきであるということをお示しをさせていただいております、判断基準を。その判断基準、御覧になったことがありますか。
  336. 古川元久

    国務大臣(古川元久君) はい、見ております。
  337. 若林健太

    若林健太君 是非参考にしていただいて、日本の国益を守るべく、誤ることのないようにと、こういうことを最後申し上げさせていただいて、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  338. 石井一

    委員長石井一君) 以上で若林健太君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────
  339. 石井一

    委員長石井一君) 次に、西田昌司君の質疑を行います。西田君。
  340. 西田昌司

    ○西田昌司君 自民党の西田でございます。  本日最後質問者となりましたので、よろしくお願いします。  まず、先日、我が党の牧野たかお議員が質問したんですけれども、農林水産物等中国輸出促進協議会について、この問題について鹿野農林大臣にお聞きします、前回ちょっとお休みでしたのでね。  改めまして、これはどういう経緯から設立されたのか、その設立の経緯について大臣から御説明ください。
  341. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 概略的に申し上げますと、いわゆる我が国としても諸外国に対する農林水産物の輸出というふうなものを更に促進していくと、こういうふうな考え方で臨んでいく、そういう考え方を示してまいりました。そういう中で、やはりアジアの国が中心的存在になると、こういうふうなことから、一昨年におきまして、中国におけるところの、いわゆる中国の一つの企業と言った方がよろしいと思いますけれども、中農集団というふうなところが窓口になって日本農林水産物を受け入れるというようなこと、そういうことの話合いが進んでまいりました。  そういう中で、当然のことながら、じゃ、日本側がどういうふうな対応がということになりますと、当然その農林水産物を集めてというんでしょうか、そしてそれを送り込むというようなそういう一つの機関が必要じゃないか、こういうようなことから協議会が設立されたものと、こんなふうに私どもは承知をさせていただいております。
  342. 西田昌司

    ○西田昌司君 農林水産物の輸出を増やすためにつくったと、こういうことなんですね。それで、中国側の中農集団と合意を受けてやったということですけれども、これは筒井副大臣がこの合意を受けてその後つくられたということですけれども、間違いないですか。
  343. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 一昨年のたしか秋だと思いますけれども、そういう合意を受けた後に、昨年つくられたものと、こんなふうに承知をしております。
  344. 西田昌司

    ○西田昌司君 それは具体的にどういう合意内容だったんですか。
  345. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 一昨年の十二月に私が訪中いたしまして、中農集団と覚書を締結をいたしました。その中で、日本産食品の輸出促進を合意をした、そしてその輸出業務について農水省として支援協力する、こういう合意を始めとした覚書を結びました。
  346. 西田昌司

    ○西田昌司君 そのときに、向こう側との間で日本側が負うべき何か条件とかはなかったんですか。
  347. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 覚書は公開しておりますので見ていただければ分かりますが、そこに記載したもの以外の約束等はありません。(発言する者あり)日本側が負うべき義務ですか。そこでは、今後、技術交流も行う、それから展示館の開設も行う、さらには食品の安全基準等についてお互いに協議をして、設定のために努力をする、これらのことが記載されていたと思います。
  348. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、その展示館の開設を行うために費用負担があったと思うんですけど、どうだったんでしょう。
  349. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) その際は費用負担の話は一切出ておりません。
  350. 西田昌司

    ○西田昌司君 今、費用負担はどうなっているんですか、じゃ。
  351. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 現在、費用負担は中国側の負担と日本側の促進協議会の負担とそれぞれ分かれていて、合意が成立しているというふうに聞いております。
  352. 西田昌司

    ○西田昌司君 だから、もう少し具体的に言ってほしいんですけどね。我々が聞いているところでは、中国側に四億円を支払うというふうに聞いているんですが、違いますか。
  353. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 私が促進協議会から聞いていることでは、年間賃料を含めて二億円というふうに聞いております。
  354. 石井一

    委員長石井一君) 筒井副大臣、そこへお掛けください。
  355. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) はい。
  356. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、問題は、農林水産物を輸出していく、増やしていくのは別にいいんですよ。ただ、それが何か非常に不明朗な取引になっているのではないかという懸念があるんですね。  一番目の懸念は、まずこの交渉に当たるに当たって、田中さんを、樋口衆議院議員の公設秘書だった方を農林省の顧問として任命されましたね。この顧問として任命した理由は何だったんですか。
  357. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) もう鹿野大臣もそれについて答弁しておりますし、私も答弁しております。  田中氏が、中国の人脈、それから中国との貿易に関する知識、これが優れている、これが顧問として採用した理由だというふうに聞いております。
  358. 西田昌司

    ○西田昌司君 それでは、田中さんという方の御職業はどういう経歴の方だったんですか。
  359. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 詳しい過去の経歴は分かりませんが、樋口事務所の公設秘書をしている、これは当時聞いておりました。
  360. 西田昌司

    ○西田昌司君 今聞いていただいてお分かりでしょうけれども、中国に人脈がある、詳しいと言っているんですが、経歴が分からない、樋口事務所の公設秘書であった。何でそれで中国に詳しいことが分かるんですか。
  361. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 私は経歴が分からないと言っただけで、今度の促進協議会による輸出業務の最初が勉強会でございました。この勉強会には議員も農水省の事務方も参加しておりますが、その際に中国側の人間も参加をしております。その中国側の人間を最初に私に紹介してくれたのが田中氏でございました。そして、その中で、中国側の人間との人脈、そして中国貿易についての、中国へ農産物を輸出することへの情熱、これを詳しく語られましたので、私もその勉強会の設立から参加しているという経過だから、先ほど言ったように申し上げたんです。
  362. 西田昌司

    ○西田昌司君 今の話もおかしいですね。要するに、このビジネスは、ビジネスというか、これを持ってこられたのは田中さんですね。
  363. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 私が、勉強会を設立した経緯で、一番最初にその話を持ってこられたのは田中氏です。
  364. 西田昌司

    ○西田昌司君 だから、そうしますと、筒井副大臣が、これはたしか平成二十二年十二月に中農集団との、子会社と協定書を締結されましたね。その後、田中さんが言ってきたんですか。その前じゃないですか。
  365. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 勉強会の設立が一番最初です。その後に覚書やあるいは促進協議会の設立があったんです。一番最初です。
  366. 西田昌司

    ○西田昌司君 これで明らかになりましたけれども、要するに中国側と協定を結ぶ前に、覚書を結ぶ前に田中さんが皆さん方に勉強会をやって、そこで売り込んできたと。これはいい話だから、じゃ、中国へ行ってくると、こういう話じゃないんですか。
  367. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 勉強会が一番最初と申し上げたので、その勉強会の契機になったのは田中氏からの話だったということです。  しかし、覚書等の締結で中国へ行ったり、あるいはその後の促進協議会の設立に結び付いたのは、その勉強会の中での議論の結果でございます。
  368. 西田昌司

    ○西田昌司君 鹿野大臣、鹿野大臣にちょっとお聞きしますよ。これ、任命されたのは鹿野大臣でしょう。
  369. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) そのとおりです。
  370. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、今、筒井副大臣の話ですと、まず勉強会をやって、そこで田中さんからこういうビジネス的な話があって、そして協定をして、それで設立する話になっているんですよ。これでいいんですか、この流れで合っていますか。
  371. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 勉強会をずっと続けてきまして、そしてそういう中で、筒井副大臣が一昨年中国側に行きまして、そして中農集団との間において、今後、この貿易、特に農林水産物の輸出についてお互いが協力し合っていこうというふうなことの合意がなされたと、こういうふうな経緯だと、私どもはそういうふうな承知をいたしておるところでございます。
  372. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、鹿野大臣に聞きます。さっきと同じ質問なんですよ。なぜその顧問に任命したのか、何をこの田中さんがいいと思って顧問に任命したのか、それを言ってください。
  373. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) いわゆるいろんな意味で農林水産物の輸出を進める上において、やはり人脈なりあるいは知見を持っている人たち、そういう人たちに活躍してもらうというようなことの必要性というものを感じ取ったということでございます。
  374. 西田昌司

    ○西田昌司君 だから、その人脈とか、その人脈があるという根拠は何なんですか、それを教えてください。大臣に聞いているんです。
  375. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 根拠というのは、ずっと勉強会を重ねてまいりまして、そして実質的にその中農集団という、その受入れの、そういう企業との人間関係なりあるいは人脈というふうなものを私どもとしては感じ取ったと、こういうふうなことでございます。
  376. 西田昌司

    ○西田昌司君 今また重要な発言がありましたよ。実質的に中農集団との間の人間関係、それを持っておられたと、田中さんが、そういうことですね。
  377. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) そういうようなこともあって、一昨年、筒井副大臣が中国に渡って、そして中農集団との間で覚書が交わされたと、こういうふうなことだと私どもは承知しております。
  378. 西田昌司

    ○西田昌司君 とんでもない話ですよ、皆さん。今大臣も副大臣も認めたけれども、要するに、田中公男さんという方が自ら、中農集団との間のコネクションがあるから商売できますよと、そういう話を言ってきて、勉強会を通じて、ああ、なるほどコネクションあるんだなと、だったらやってみようということで、それを受けて筒井副大臣がこの覚書の締結をしたと、こういうことじゃないですか。
  379. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 大枠おっしゃるとおりですよ。どこに問題があるんですか。何も問題はないですよ、そこ。
  380. 西田昌司

    ○西田昌司君 鹿野大臣にも聞きますが、今、筒井副大臣、何か開き直っておっしゃっていますが、鹿野大臣も同じように、それで、そういう見解でいいですか。
  381. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) やはりいろいろと農産物の輸出というものを促進する上においては、机上論だけでいわゆる五千億近いものを一兆円にするといったって、ただそこに言葉だけを並べても具体的なことがありませんから、やっぱり具体的な形になっていくというようなことでありますならば、私どもはいろんな形でそういう面を進めていくというふうなのも一つの考え方ではないかなと、こう思っております。
  382. 西田昌司

    ○西田昌司君 そうすると、今の話を集約すると、要するに民間の方、民間の方というか、この方はそもそも樋口俊一衆議院議員の秘書なんですけれども、元々、前の経歴はどういう、元々この樋口俊一議員というのは何の仕事をされている方ですか。
  383. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) それをここで答える必要があるのかどうかもちょっと迷いますが、ヒグチ薬局の経営者というふうに聞いていますよ。
  384. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、この方の秘書はどういう経緯で、だから、田中さんはどういう経緯で中国側とのコネクションがあるということになったんですか。
  385. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) その以前の経緯については、私は聞いておりません。
  386. 西田昌司

    ○西田昌司君 だから、何にも要するに根拠ないんですが、なくやっている。  しかも、今言いましたように、樋口俊一議員は薬ヒグチ、ヒグチ産業の社長さんなんですね。四百二十七店か何か昔あったやつですよね。それで、その方が要するにまた非常に深くかかわっておられるんですよね。民主党のこれは肝煎りでつくったんじゃないかなと思うんですけれども、政府というよりも民主党自身の肝煎りとしてこれやってきているんじゃないですか。
  387. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 農林水産省といたしまして、重ねて申し上げますけれども、輸出促進というふうなものの一つの考え方というふうな中で取り組んでおるということでございます。
  388. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、もう一つ問題は、この顧問にされたときには当然まだ秘書だったんですね、田中さんは。樋口さんの秘書でした。それを秘書から辞められて顧問に就任されたということですけれども、それでいいですね。
  389. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) これも前に答弁させていただきましたけれども、いわゆる兼任の場合は半年以内に手続を行わなきゃならないということでございまして、四か月たって秘書をお辞めになられたと、こういうふうなことでございます。
  390. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、これもおかしいんですけど、まあ衆議院はそういう規則になっているそうです。  それで、問題は、この方は、だから田中さんは公設秘書のときには給料もらっておられるんですよ、当然公設秘書ですから。辞められたらどうなったんですか。この代表理事選任されて、給料もらっておられるんですか。
  391. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 前回私も答弁したと思いますが、代表理事の給料、報酬はゼロです。顧問の報酬もゼロだというふうに聞いております。
  392. 西田昌司

    ○西田昌司君 ということは、この方は今まで公設秘書の給料があるんですけれども、このビジネスと申しましょうか協議会をつくったら、まあそれで給料はやめてやっていくと、こういう形でやられたわけですね。しかし、これは普通に考えましたら、要するに自分がビジネスするために、逆に言えば顧問の肩書とそれから公設秘書の肩書を使ってビジネスのモデルをつくってきたと、こういうふうに取るのが普通じゃないですか。
  393. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) それも答える必要があるかどうかは迷いますが、現在収入がなくて、大変その点では苦労をしているという話は聞いております。
  394. 西田昌司

    ○西田昌司君 いや、苦労されているかどうかは知らないんだけれども、元々、だからこの方は何のためにこの中国ビジネスやってきたかというと、自分が事業をやるために皆さん方にお話を持ち込み、そしてそのときに、田中さんは樋口さんの秘書だという肩書を利用して皆さん方に寄ってきて、そしてそれにうまいこと使われて応援してあげたと、こういうことじゃないんですか。
  395. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 私は、田中氏がやはり中国とのそれまでの関係の人間関係、人脈というものを通して農林水産物を増やしていきたいというふうなことについて、個人的にもそういう思いがあったと思います。ゆえに、協議会が設置された、こういう段階におきましては顧問もお辞めになっておるということでございまして、まさしく御自身が、我々もそうですけれども、田中氏も自分の考え方として、自分の人脈も生かして少しでも中国に対する農林水産物の輸出が増えればよいんじゃないかなというふうな思いがあるものと思っております。
  396. 西田昌司

    ○西田昌司君 それと、今やっているのは中国の農産品等の輸出の促進の協議会なんですよ、それともう一つ、似たような名前で、中国輸出促進サプリメント協議会というのがあるんですね。この団体、副大臣、御存じですね。
  397. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) はい、知っています。
  398. 西田昌司

    ○西田昌司君 これは、平成二十三年の三月二十九日、衆議院の第一議員会館の大会議室でこの協議会の議事が行われていまして、開会の挨拶で樋口俊一衆議院議員、それから農林水産省の挨拶で筒井副大臣がされています。それから、農林省の職員も含め、業界の方々がおられて、閉会の挨拶が、サプリメントの輸出の進め方も含めて話されたのが農林省顧問田中公男さんなんですよ。事実ですね。
  399. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) それは事実だというふうに記憶しています。
  400. 西田昌司

    ○西田昌司君 だから、ここで結び付いてくるんですけれども、農林水産物等中国輸出促進協議会の等ということで、これはサプリメントも入っていますよね。
  401. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 健康食品は、当然食品の中に含めて輸出促進の業務の中に入っております。だから、農水省も食品産業全体の振興としてこのサプリメント業界の振興、これについても所掌の範囲内として今努力をしているところでございます。
  402. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、この先ほどの促進協議会、輸出促進協議会の会員さん、会費とかいろいろ集めておられますけれども、ほとんどが結局薬品関係、サプリメント関係の方が多額の寄附金をされていますが、それはそういう理由からですね。
  403. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) それも前回答弁をしたと思いますが、基金と入会金を出した会社が、企業が全部で二十社、そのうちサプリメント業界は六社でございました。
  404. 西田昌司

    ○西田昌司君 それは、概略で結構ですけれども、金額的にはどれぐらいの金額がサプリメントから出ているんですか。要するに、農林水産物じゃなくて、結局、医薬品とかサプリメントの方が、健康食品の方が重きになっているはずなんですよ。それをちょっと説明してください。
  405. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 私、この前、総額一億八千万ぐらいというふうに、足らずというふうに言いましたが、その個々の金額、どの企業が幾らということについては、促進協議会の了解を得ていませんので、この前もその点は答弁しませんでした。
  406. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、この促進協議会の事務所はどこにあるか御存じですか。
  407. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 紀尾井町ビルですか、そこの促進協議会の事務局に私は行ったことがないですが、そこにあるというふうに聞いております。
  408. 西田昌司

    ○西田昌司君 鹿野大臣はこの事務所に行かれたことありますか。
  409. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) いたことというのはございません、いたというのはどういう意味か分かりませんけれども。
  410. 西田昌司

    ○西田昌司君 行かれたことありますか。
  411. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) あります。
  412. 西田昌司

    ○西田昌司君 あります。  副大臣は行かれたことがない。それで、鹿野大臣は行かれたことがあるということですね。もう一度確認します。
  413. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) そのビル内の協議会そのものには行ったことはございませんが、ビルには行ったことがございます。
  414. 石井一

    委員長石井一君) 西田君、答弁求めますか。
  415. 西田昌司

    ○西田昌司君 どうぞ。
  416. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、筒井副大臣
  417. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 私も今の大臣の答弁と全く一緒でございます。
  418. 西田昌司

    ○西田昌司君 ちょっと今の意味が分からない。行かれたことないんじゃないんですか。
  419. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 紀尾井町ビルには行ったことはあります。しかし、そこに促進協議会の事務局ができて、その事務局の方に行ったことは一度もありません。
  420. 西田昌司

    ○西田昌司君 大臣、副大臣、じゃ、どういう理由でここの新紀尾井町ビルですね、その事務所に行かれた理由をおっしゃってください。
  421. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 私が代表選挙に立候補した際に、いわゆる仮の集まる場所というようなことからその場を提供していただいたと、こういうふうに私は承知しております。その関係でビルにお伺いしたと、こういうことでございます。
  422. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) その点でも今の大臣の答弁と一緒でございます。
  423. 西田昌司

    ○西田昌司君 今、大事な発言がありましたね。要するに、民主党の代表選挙がありまして、鹿野大臣は代表選に立候補されたんです、御存じのように。そのときの事務所が今のこの促進協議会の事務所になっているんですよ。そして、その支援をしてくださった方が厚意でお貸しになった、お借りになったんでしょうけれども、その方の事務所にこの協議会の事務所がある。これ、まさにあなたとひも付きじゃないですか。
  424. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 何もひも付き等々というふうなことじゃございません。厚意によってそういうような場所を提供していただいたと、そして、当然のことながら家賃も支払っておるものと、こういうふうに私は報告を聞いております。(発言する者あり)
  425. 石井一

    委員長石井一君) ちょっと、質問してください。
  426. 西田昌司

    ○西田昌司君 いや、これすごいことを堂々とされていて本当に恐れ入りますが、だから、この代表選に提供された方に、その協議会の事務所があるということは、これ、あなたがそこを推薦されたわけですか。
  427. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 何も推薦とかなんとかは一切ございません。推薦したとかなんとかということはございません。私ども、立候補をするというふうなことに際して、関係の議員の人たちがどこにそういう集まる場所を設けるかというふうなことでいろいろと具体的な形で取り組んでいただいたと、こういうことでございますので、私自身は、どういう経緯でそういう場所をお借りしたかというふうなことは承知しておりませんでした。
  428. 西田昌司

    ○西田昌司君 じゃ、大臣、もう一度伺いますが、この方は病院等を経営されている方ですね。Oさんとしておきましょう、名前。この方とは面識ないんですか。(発言する者あり)  もう一遍言いましょう。要するに、あなたが代表選を行った事務所を貸していただいた方ですよ。その方とは面識ないんですか。
  429. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) どなたがそのビルの持ち主であるかはちょっと私も承知しておりません。ただ、私自身が立候補をするというときに、仲間の議員の人たちがどこか集まる場所必要だねということで、その場所を提供していただいたというふうに報告を聞いております。
  430. 西田昌司

    ○西田昌司君 じゃ、それは誰なんですか。どういう経緯で借りられたんですか。そこを聞いているんですよ。
  431. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 私は立候補者でありましたから、どういう形でその場所を提供していただいたかどうかの詳細な点は私も承知しておりませんでした。
  432. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 所有者か管理者か分かりませんが、その方が、代表選のときに事務所として貸していただいた、それで賃料を払った、それが終わった後、今度は促進協議会に貸したという経過でございますから、これも何の問題もないと思います。
  433. 西田昌司

    ○西田昌司君 あなたは何を言っているんですか。この問題は、弁護士として法律上刑法に触れるとかなんとかという話じゃないんです。政治家のモラル、姿勢を私はさっきから聞いているんですよ。あなた、全くそれが分かっていない。  では、聞きますが、だから促進協議会の事務所に貸した、そのまた前の代表選に事務所を貸した、誰が仲介したんですか。あなたですか。誰なんですか。
  434. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) それは田中氏だと私は思っています。
  435. 西田昌司

    ○西田昌司君 というと、これまた面白い話になってきましたね。田中さんがこの促進協議会つくる話も持込みをし、そしてその前に、そもそも代表選に出るときに田中氏からの紹介でこの事務所の部屋を貸してもらい、代表選にあなた出た。田中さんに全部お膳立てしてもらっているんじゃないですか。そういうことでしょう。(発言する者あり)いやいや、大臣に聞いているんですよ。
  436. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 代表選挙の件については、仲間の人たちがいろいろと相談をして、急な話でありましたから、なかなかそう簡単に場所が見当たる当てがないということで探していただいたということでございまして、協議会のそういうことと代表選挙の話は、私の方は全く別問題だと思っております。
  437. 西田昌司

    ○西田昌司君 大臣、そうおっしゃっていますが、副大臣が田中氏の紹介でやったものだと思いますと言っているんですよ。そのときに、今その話が明らかになって、つまり、あなたの代表選に世話をしてくれたのが、事務所の世話をしたのが田中さん、そして、この協議会をつくろうという知恵を入れてきたのも田中さん、その方を顧問にしてそのビジネスを手伝ったのがあなた。物すごい癒着じゃないですか。これは問題ないと思っているんですか、問題あるでしょう。
  438. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 基本的に私どもとしては、何遍も申し上げますけれども、いい人脈あるいは知見というふうなものを持った人であるならば、そういう人に活躍していただいて少しでも輸出を増やしていきたいと、こういうふうなことでございまして、そして、もちろん、この代表選挙に出た場合は、仲間の人たちが縁があるわけですから、田中さんという人が、今、筒井副大臣から話がありましたけれども、私どもに好意的に、じゃ、場所というふうなもの、こういうところがあるからということで紹介していただいたんじゃないかなと、こんな率直に……(発言する者あり)そういうようなことだと承知しております。
  439. 石井一

    委員長石井一君) 質問としてやってください。
  440. 西田昌司

    ○西田昌司君 ちょっとあきれてしまってね、私も。  今の大臣の話を総合すると、要するに、中国に輸出するためには、なかなかこれはうまいこといかないから人脈が必要だと、コネクションが必要だと、だからそのコネクションを使って何が悪い。そして、代表選に出るためにもいろんな仲間から応援してもらいます、そのコネクション使ってやっていって応援してもらって何が悪い。あなたの発想は全部人とのコネクション、それをどんどん使って政治的な力を発揮する、さらにはビジネスチャンスをどんどん発揮してやっていってもいいと、こういうことですね。
  441. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 先生、私も三十年間こうやって政治の世界におって、それなりの分別はきちっとわきまえさせていただいていると思っておりますので、まあそういうふうな、今先生から申されましたけれども、そういう意識を持って取り組んでいるものではございません。
  442. 西田昌司

    ○西田昌司君 その言葉がでたらめなんですよ、あなたは。あなたは、平成六年の業際研事件、覚えておらないんですか。業際研事件は何だったんですか。あなたの元秘書が逮捕されて有罪確定になった事件ですよ。あなたの関連が、関係がその当時から言われていたんじゃないですか。あなたはそのために責任取って副大臣を辞め、民主党を離党したんでしょう。  あれ、どういう事件だったんですか、どういう反省があるんですか。言ってくださいよ。
  443. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) まあ過去におけるところのものでございますから、もう大分前のことでございますので、私の元秘書がそのいろいろな問題を起こして、そして事件として扱われたと、こういうふうな問題でございます。
  444. 西田昌司

    ○西田昌司君 もう少し、その事件は大分古いから忘れている人も多いんですよ。あなたから反省も含めてきっちりと説明してくださいよ。
  445. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) もう既に、過去におけるところの問題については、もう新聞でも報道され、私もこの委員会において参考人として具体的な形での説明もさせていただきました。  そういうふうなことで、私どもとしては十分そういうものを反省をしながら今日まで取り組んできていると思っております。
  446. 西田昌司

    ○西田昌司君 もう答弁拒否も甚だしいですよ。どういうことか説明しなさいと言っているんですから、私は。  この事件は、平成六年に、いわゆる鹿野事務所におられたOさん、これは違うOさんですがね、業際都市開発研究所という、業際研、通称、これを設立されて、要するに、鹿野大臣の秘書、その秘書の人脈を使って次々と口利きのビジネスをした。もっと言えば、要するに談合のその問題を起こしたわけですよ。裏金も取る、そして入札妨害をする。これが犯罪として立件された事件で、まさにこのビジネスのもとになっているのは、まさに要するにコネクションなんですよ、あなたの立場。  あなたは直接やらなくても、あなたの秘書だったということをもとにしてビジネスをやったことが犯罪となっているんですよ。今やっている促進協議会は全く同じじゃないか。何であなたは同じことを何の反省もなしにできるんですか。
  447. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 先生、過去におけるところの私の元秘書の事件と今回の件を同じようなものだと、こうおっしゃいますけれども、私どもは全くそういう認識に立ちません。何度も申し上げますけれども、いわゆる今回のこの協議会というふうなものを通して農林水産物の輸出というふうなものが少しでも促進されればと、こういうふうなことでございまして、いわゆる過去におけるところのそういうふうな問題と同じような認識に立つものではございません。
  448. 西田昌司

    ○西田昌司君 あなたの辞書には、李下に冠を正さず、瓜田にくつを入れずという、そういうことわざはないんですね。
  449. 鹿野道彦

    国務大臣(鹿野道彦君) 私は、私自身が指弾を受けたわけですから、それ以来、まさしくそういう問題については厳しく自分に当たっていかなきゃならないと、こういうふうな姿勢で来たつもりでございます。
  450. 西田昌司

    ○西田昌司君 いや、これしかも、今まだ犯罪だとかどうかということは分かりません、私も。しかし、明らかに構図は同じなんですよ。お金があのときは渡ったというのがはっきり立証されたから、これは犯罪になった。今このことが、要するに震災が起きたから中国に対する農産品の輸出自体が止まってしまっているんですよ。だから、だからこれは今事件にならずに済んでいるのかもしれません。しかし、現実にはあなた方が言わば鳴り物入りでつくったこの団体、今、開店休業で何もしてないじゃないですか。活動していますか。
  451. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) 開店休業どころではありません。第一陣を少量ですが送った、展示館物品を送った。今、第二陣を船便で送って、そしてなるべく早く展示館を開設する、この準備をしているところです。そして、もう内装工事も、五千平米の広い展示館でございますが、ほとんど終了した、こういう段階ですから、何もしていないなんていうのは、そんな事実は全くありません。
  452. 西田昌司

    ○西田昌司君 まあ、そうおっしゃるんですけれども、私はこの新紀尾井町ビル、行ってきましたよ。看板が掛けてありまして、中国輸出促進協議会、それから、ここの事務所を貸しておられる方がやっておられる事務所のまた看板もあるんです。この促進協議会に電話したんですよ、どういう業務をされておるのか直接聞こうと思って。そうするとどうなったかというと、そこの事務所から、電話を掛けたんですよ、掛かったのは、ここを貸していただいている方がまた別の法人をつくっておられる団体に掛かって、その田中さんという理事長を出してくださいと言ったら、そんな方おられませんと言っていますよ。どうなっているんですか、これは。
  453. 筒井信隆

    ○副大臣(筒井信隆君) そんなことはあり得ないと思います。今もう職員も複数雇ってその事務所に詰めているというふうに私は聞いております。  ただ、今の事実、初めて聞いたんですから、私の方から確認します。もう一度その子細を言ってみてください。
  454. 西田昌司

    ○西田昌司君 時間がないので、後で私の言った発言要領を見たらよろしいです。掛けて、なかったんですから。  それで、要するに、この問題は何かというと、先ほどから言っていますように、農水省が、農水大臣、副大臣が中心となって、まさにビジネスをするためにこの公設秘書を顧問にし、そしてその顧問がやっていく仕事をどんどん応援する。しかも、その顧問の方に、かつて農水省の顧問だった方に紹介で、代表選に鹿野大臣が出て、その事務所を借りておられる。これ、とんでもない癒着構造ですよ。  私は、あなた方が幾ら言っても、もう少し民主党の中にはまともな方おられるでしょう。(発言する者あり)今、くだらぬやじを飛ばした方もおられるけれども、何だ、小西君か、またか、静かにしたまえ、君は。  私は、この中で申し上げたいんだけれども、このサプリとか医薬品、食品の話は農林水産省の所管であるけれども、元々、国内は厚労大臣の担当ですよ。今、この話を聞いておられて、輸出はもちろん農林省の担当だけれども、あなた自身、こういう行動でこのサプリとか食品等の輸出がされていることに疑問感じませんか。
  455. 石井一

    委員長石井一君) 一言申し上げますが、西田さん、あなたはやじ将軍で全国に名がとどろいておる人ですから、あなたがこのささいなやじを注意するのには自らにも御注意をいただきたい、こう思います。  そこで、御答弁は厚生労働大臣小宮山洋子さん。
  456. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今の質疑を聞かせていただきましたが、食品の輸入のときの輸入規制の条件などは科学的に決められますので、私どもがやっている輸入の規制とかいうことには、直接こうした個別の案件はかかわらないというふうに考えます。
  457. 西田昌司

    ○西田昌司君 いや、あなたの言ったのは、その省庁としての話ですよ。一政治家として、政治のこの清潔さを常に言ってこられた小宮山大臣だから聞いているんですよ。一政治家として、今の仕組み、おかしいと思いませんか。  ないなら、ないと言っていただいて結構なんです。
  458. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 一政治家というよりは、私はここに今厚生労働大臣として座っておりますので、大臣としての答弁を今させていただいたところでございます。
  459. 西田昌司

    ○西田昌司君 結局、この話というのは、今答弁拒否を大臣されましたね、とんでもない話で、この問題はまだまだ奥が深いですから、是非、委員長、この問題についての集中審議していただきたいんです。お願いします。
  460. 石井一

    委員長石井一君) まあ、私がノーと言う権利もないでしょう。  理事会で協議をすることとしたいと存じます。
  461. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、ちょっと時間がなくなってきたので次の話題に行きますが、いわゆるAIJ事件についてですよ。このAIJ事件について、どういうことになっているか、今までの経緯について、大臣じゃなくて事務方でも結構ですから、簡潔に分かりやすく説明してください。
  462. 石井一

    委員長石井一君) 今の質問に対してどなたが。事務的に、簡潔に。
  463. 岳野万里夫

    政府参考人岳野万里夫君) AIJ投資顧問の件につきまして御質問がございましたので、現在検査を担当しております監視委員会事務局より、これまでの経緯について簡単に申し述べさせていただきます。  AIJ投資顧問につきましては、投資一任契約を業といたします金融商品取引業者として、平成十六年ぐらいから主として年金資金の運用を請け負ってきた業者でございます。  今年の一月下旬から証券取引等監視委員会が立入検査に入りました。その検査の過程で、私ども、顧客資産の運用状況につきまして疑義が生じたわけでございます。通常でございますと、監視委員会の検査、証券検査は検査を終わってから必要があれば行政処分の勧告をさせていただく、こういうのが通常の検査のルーチンでございますが、その時点で、私どもといたしまして、状況がある意味で非常に良くないということを認識したものですから、取り急ぎ、検査がまだ継続中ではございましたけれども、二月十七日に、金曜日でございますが、金融庁の監督部局の方に連絡をさせていただいた次第でございます。  この連絡を受けまして、これはちょっと私の所管外にはなりますけれどもまとめて御説明をさせていただきますが、金融庁監督部局におきましては、当社に対しまして、法律に基づく報告命令を発出し、当社の見解を確認をしたわけでございます。  その結果、やはり投資者保護上の観点から問題があるということで、極めて異例の対応ではございますが、急遽、二月二十四日金曜日に、当社に対して一か月の業務停止命令を発出しますとともに、業務改善命令によりまして、まずは、私どもの行っております証券取引等監視委員会の証券検査に協力すること、それから、顧客の状況、顧客が出資等をした財産の運用・管理状況を早急に把握すること、会社財産を不当に費消しないこと、運用財産について顧客間の公平に配慮しつつ管理を徹底するなど、万全の措置を講ずる等を命じたところでございます。その後、当監視委員会としては現在検査を継続しているというところでございます。  これが取りあえずの経過ということでよろしゅうございますでしょうか。
  464. 西田昌司

    ○西田昌司君 今、大体概略説明あったんですが、とんでもない事件が起きて、それを、異例の措置ではあるけれども、まだこの検査をしている最中なんだけれども業務監視命令出したんだと、こういう答弁なんですよ。しかし、私は、これ余りにも手ぬるいというか、とんでもないと思いますよ。  というのは、このAIJの投資顧問の社長の浅川さん、この方は、今現在、もちろん逮捕もされませんし身柄拘束されていないし、そもそも預かっている財産がしっかりと財産保全されていないんですよ。これが一番問題なんですよ。これ、物すごくおかしいんじゃないですか、大臣。自見大臣、このことをどうお考えですか。  まあ、事務方が言ってから大臣でもいいです。
  465. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ事務方、まず。
  466. 岳野万里夫

    政府参考人岳野万里夫君) 先生から今、大変な事件であるのにもかかわらずAIJ投資顧問の社長の浅川社長が身柄を拘束されておらず、資産の面での保全の問題があるんではないかという御質問でございます。  これに関しましては、私どもも、当然のことながらこの事態の下で今何をやらなきゃいけないかと、ある意味では住宅が火災で燃えているというときに何をやらなきゃいけないかということがあって考えておりまして、金融庁としましては、先ほど申し上げましたように、二月二十四日の業務改善命令におきまして、顧客の状況、顧客が出資等をした財産の運用・管理状況等を早急に把握すること……(発言する者あり)ですから、それについて今お答えをさせていただくところでございます。運用財産につきまして管理を徹底するなどの命令を出しているところでございます。  その後、先ほど御説明しましたが、私ども検査を継続しておりますけれども、現在、AIJ投資顧問の社長等は検査に協力をしており、また、顧客財産の運用・管理状況把握あるいは運用財産の管理の徹底などを含めまして、現在、業務改善命令の遵守状況に問題は認められておりません。先生御心配の顧客財産の散逸などの御心配もないと、こういうふうに考えております。  このように、現状の下におきまして検査、監督両面にわたって万全の対応を行っておりますということを御説明させていただきます。(発言する者あり)
  467. 石井一

    委員長石井一君) 静粛に、静粛に願います。
  468. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 今答弁を岳野さんからしていただきましたが、これは基本的に、今、浅川さんという方、非常に一斉検査に協力していただいていると。それから、業務改善命令とそれから業務停止命令を出して、そのときにいろいろ条件付いております。資産が散逸しないかとか預かった財産をきちっと保全しているかとか、そういったことを、当然ですが非常に大事なことでございますから、それをきちっと守っているという話がございましたので、やはり基本的な大きな法律があるわけでございますから、法と証拠に基づいて、しかし同時にきちっとやるべきことはやっていくということを、今そういった意味ではプロセスとして適当なというか、正しいプロセスを通っているというふうに私は認識いたしております。
  469. 西田昌司

    ○西田昌司君 大臣も事務方もいいかげんにしなさいよ。これ、あきれますよ。浅川さんとあなた方言っているけれども、今はまだ犯罪として成立していないかもしれないけど、はっきり言いましょう。浅川という、もう完全にこれは犯罪者ですよ、私は。つまり、この問題というのは初めから投資運用も何もしていない、完全に詐欺なんですよ、これは。だからみんな怒っているんですよ。  ところが、その詐欺を見過ごしてきた事務方、そして大臣はその一番の責任者、その方が、浅川さんが協力していただいていますから万全の体制でやっています。ばかにするんじゃないですよ。  今、それじゃ言いますが、この浅川さんはこのまま、皆さん方、拘束力ないんですから、海外に逃亡します、海外に出ていきますといって止められるんですか、今の体制で。そのまま逃げられるじゃないですか。どうなんですか。
  470. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 私も、先生のお気持ちあるいは国民がこの事件で本当に怒り狂っているということはよく感情を理解できます。しかし、日本国は法治国家でございますから、法と証拠によって、きちっとシステムを踏みながらプロセスを踏んでいくということはやはり法治国家の基本ですから、そのことは、私はしっかり担当大臣として、けしからぬから、憎たらしいからとリンチをするようなことは、これはもう法治国家であってはいけないわけでございますから、やはりきちっと、私は法と証拠によってきちっと追及していくべきだというふうに思っております。(発言する者あり)
  471. 石井一

    委員長石井一君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  472. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、速記を起こして。  それじゃ、一言。これ片道ですから、ちょっと事務方まず答弁。どなたですか。金融庁、監視委員会の岳野事務局長。紙を読まずにその質問に答えてください。
  473. 岳野万里夫

    政府参考人岳野万里夫君) 今の先生の御質問は、海外逃亡が可能ではないかという御質問でございます。  これにつきまして、大変申し訳ございませんが、お答えは……(発言する者あり)
  474. 石井一

    委員長石井一君) ちょっと、私語はやめてくださいね。
  475. 岳野万里夫

    政府参考人岳野万里夫君) お答えすることによりまして、今後の本事案の解明あるいは検査、調査の円滑な遂行を妨げるおそれがございますので、御説明は差し控えさせていただきたいと存じます。(発言する者あり)
  476. 石井一

    委員長石井一君) ちょっと、速記を止めて。    〔速記中止〕
  477. 石井一

    委員長石井一君) 速記を起こして。
  478. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 先生、法治国家でございますからね、やはり検査にはきちっと法律とそれから証拠というものが要るわけですよ。それは当然、裁判所の許可を得るためには、それはきちっとした証拠を出さなきゃいけませんからね。そういった意味で、私は、きちっと法律の手続に沿って今この問題は処理中だと思っておりますので、今、何か先生、身柄を拘束したらいいんじゃないかというような雰囲気の話でございますが、そういったことは、今の時点では、今はできません。  ですから、そういった意味で、やっぱり法律によってきちっと身柄を拘束する、あるいは証拠物を押収するということは、それは法治国家でございますから。それは先生の気持ちはよく分かりますよ。私もそういう、人間ですから一面はございますけれども、やはり私は、金融庁を預かる行政の長としては、やっぱり法律に基づいてきちっとやっていくことが必要だと思っておりますよ。(発言する者あり)
  479. 石井一

    委員長石井一君) ちょっと、速記を止めて。    〔速記中止〕
  480. 石井一

    委員長石井一君) それじゃ、速記を起こして。
  481. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 当然、今の時点で身柄拘束を法律上していないわけでございますから、どこへやらこうやら動いて移動することは、それは本人の良心に任せる話だというふうに私は思っております。
  482. 西田昌司

    ○西田昌司君 だから、こういうふうに身柄拘束もできないし、そして海外渡航、逃亡も可能なんですよ。こんなことでいいんですか。  私が言いたいのは、法と証拠、当たり前ですよ、しかし同時に、行政権、政治家として責任持って、あなたが、この検査は今任意検査なんですよ、強制調査して、もっと強制力を持ってこの方を調査協力させなきゃ駄目なんですよ。何で強制調査金融監督庁はやらないんですか。おかしいじゃないですか、監視委員会。
  483. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 先生、政治家のリーダーシップというのは、あくまでやっぱり法治国家ですから法律に基づいてやらなきゃいけませんから……(発言する者あり)先生、違いますよ。先生、よく考えてください。  証券等監視委員会は、これは昔、八条委員会と言われたやつでございまして、金融庁設置法により独立してその権能を行使することとされておりまして、そういった意味で、しかしながら、監視委員会の委員長等は、本日御指摘いただきましたように、監視委員会の調査、検査に対する様々な意見を踏まえて職務を執行されるものと承知しておりまして、独立性が非常に高いものですから、私には基本的に本日、命令をすることはできません。しかし、本日の、西田先生は大変真摯な御指摘でございますから、その監視委員会の委員長には必ず伝えさせていただきたいというふうに思っております。
  484. 西田昌司

    ○西田昌司君 これはとんでもない問題で、実は私の地元の京都でも中小企業の団体がこの年金基金に入っているわけですよ、その方がお願いしているわけですね、信託。そして、その方々は三十億円預けていたと。ところが、三年前に、ちょっと預け方大きいんじゃないかというので二十五億下ろしたので五億の損で済んでいます。しかし、それでも大きいですよ。だから、彼らが今何を言っているかというと、自分たちは、被害に遭ったみんなが集まって弁護士さんに相談して、要するに資産凍結をしてくれるようにお願いしていきたいと、こう言っているんですよ。まさに被害者として当然なんです。  それで、厚生大臣、これはあなたの監督の責任のある団体ですよ。まさに守るために、資産保全するためにやるべきじゃないですか。あなたがもっと依頼すべきですよ。
  485. 小宮山洋子

    国務大臣小宮山洋子君) 今、厚生労働省は企業年金につきまして指導監督をする立場にあります。ただ、これは規制が緩められた結果、今ガイドラインでの指導ということになっておりますので、調査の方は、今私どもの範囲でも調査している天下り等を含む運営状況につきましては今月中にお知らせをいたしますけれども、その調査につきましては監視委員会などがやるものというふうに思っております。
  486. 石井一

    委員長石井一君) 内閣府の中塚一宏副大臣、あなた、もし補足したいことがあれば、委員長、許しますから発言してください。──ない。  それでは西田昌司君。
  487. 西田昌司

    ○西田昌司君 もう時間がなくなってきたので、これも委員長、集中審議をお願いしたいです。
  488. 石井一

    委員長石井一君) 後刻協議いたします。
  489. 西田昌司

    ○西田昌司君 それで、問題は要するに、これ様々な法的な、法律の欠陥があるんです。だから、これは早急に変えなきゃならないけれども、今起きているのは、財産が散逸してしまうのじゃないか、そして元々は当事者が海外逃亡の危険性もある、それについて政治が何にもできない。何ですか、これが政治主導で名を成した民主党政権なんですか。  もう一度、大臣の見解聞きたい。
  490. 自見庄三郎

    国務大臣(自見庄三郎君) 西田議員にお答えしますけれども、金融庁設置法によりまして、証券等監視委員会は、これ昔でいう独立三条委員会でございまして、私には法律上、命令権はございません。  そういった意味で、やはり法と証拠に従って粛々淡々とやっていただくということしか、今、保護の話がございましたが、そういうことが今の現状でございますが、ただし、私は何回も申しておりましたけれども、本件につきましては、このような事態に至ったことは極めて遺憾でございまして、いずれにしましても、様々な批判を真摯に受け止めて、国会でもいろいろ御指摘いただいておりますが、規制、監督の在り方を見直して、あらゆる選択肢を排除することなく、関係省庁、これ厚生労働省が多いわけでございますけれども、密接に連携しながら、金融庁あるいは証券等監視委員会、全力挙げて再発防止に努めてまいりたいというふうに思っております。
  491. 西田昌司

    ○西田昌司君 先ほどから、私は鹿野大臣の話を言ってきました。これは政治主導によってという名前でビジネスをやっているんですよ。明らかなこの自分たちのコネクションを使うビジネスを政治主導でやって、何の問題があるんですかと言って開き直っている。そして、今、多くの国民が二千億という損害を受けているのに、これに対しては指をくわえて、政治家は何にもできないんです。そんな政権ならやめてしまいなさいよ、あなた方は。  これ、とんでもないということを申し上げて、私の質問を終わります。
  492. 石井一

    委員長石井一君) 以上で西田昌司君外三名の自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会の質疑は終了いたしました。(拍手)  次回は来る二十一日午後一時三十分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十四分散会