○橋本聖子君 自由民主党の橋本聖子でございます。
私は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表して、
子ども・
子育て支援法案等について質問をいたします。
今回の
法案は、三党合意によって
政府案が
修正され、
基本的に自民党、公明党の案に沿ったものになりました。
調整に当たった関係各位の御尽力に敬意を表します。
同時に、これから
制度を具体化していくに当たっても、これまで幼児
教育・
保育の関係者が積み上げてきた成果を大切にし、全ての
子供たちが質の高い
教育を受けられる
制度にしていただくようお願いいたします。
まず、
法案の
内容について伺います。
三党合意に基づく
修正案では、現行の
幼稚園、
保育所、
認定こども園の
制度を
基本として、幼児
教育・
保育の
充実を図っていくことになりました。同時に、これまでの文部科学省、厚生労働省に加えて、
内閣府にも担当
大臣や担当部局が設置されることになります。
この体制は、見方によっては、幼児
教育・
保育制度が
一元化ではなく三元化になってしまうという批判もあるかと思います。もちろんそういう
趣旨ではないと思いますが、こういった批判に対してどう説明していくのか、我が党の提案者にお伺いをいたします。
今回の
修正で、当初の
政府案にあった株式会社の参入がなくなったことは高く評価をしたいと思っております。既に特区では株式会社の
学校教育への参入が行われておりますが、必ずしも順調にいっていない例も見られます。問題点が多いため、特区の全国展開は見送られることになりましたが、そういう
状況にもかかわらず、
学校教育の一環である総合こども園に株式会社の参入を認めようとした当初の
政府案は、大変乱暴なものだったと言わざるを得ません。
今回は幸いにも
政府案は
修正されたわけですが、今後とも、
学校教育の一環としての幼児
教育には株式会社を参入させるべきではないと考えます。今後も株式会社の参入は
検討する予定はないと、文部科学
大臣から明確におっしゃっていただきたいと思います。
次に、
保護者や
子供にとっての新
制度の意味について伺います。
新
制度は、当然、
家庭教育を中心としながら、これまでより質の高い幼児
教育を
提供することを目指してきた
制度でなくてはなりません。間違っても、単に
子供を預けやすくする、親に楽をさせる、そういう
制度であってはならないと考えます。
そこで、我が党の提案者に伺いますが、新
制度によって、親や
子供の側から見るとどのような点が今よりも良くなるのでしょうか。新
制度が
教育、
保育の質の向上にどのようにつながるのか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、新
制度の
財源について伺います。
新
制度に必要な一兆円のうち、七千億円を
消費税の増税で賄うとされております。しかし、残りの三千億円の
財源については具体的に示されておりません。
総理に伺いますが、この三千億円の
財源はどのようにしてつくられるのでしょうか。ほかの
教育関係の
事業を削ってこれに充てるというようなことでは困りますので、少なくともそうではないことを明言していただき、また、どのように
財源をつくるのか、具体的な方策をお聞かせいただきたいと思います。
次に、新
制度の周知について伺います。
今回の
制度改正によって、
子ども・
子育て支援の
制度がこれまでよりも
充実する一方で、これまでよりも複雑な
制度になるという面もあります。また、三党合意で案が変わりましたので、更に分かりにくくなったことも否定できません。
幼児
教育・
保育に携わっている関係者の方々からも難しいという声を聞くことがあるくらいですから、今まさに
子育て中の一般の方、また、これから親になるという若い方々にとって非常に難しい
制度だと思います。
制度を十分に御理解いただくのはこれからの課題になるかと思います。
そこで、特に
子育て中の
保護者を中心とする方々に対して、今後、新
制度をどのように説明していくのでしょうか。総理に伺いますが、
政府の具体策もお聞かせいただきたいと思います。
子供にとって初めての教師は親であると思います。国や
社会の役割は、全ての親が初めての教師の役割をしっかり果たせるよう見守り、支えてあげることが必要であると思います。
これまで、我々自民党は、
子供は
家庭で育てるということを
基本としてまいりました。それは、親を尊敬する心、人を尊敬する心の根幹を育てるのが
家庭教育だからです。
家庭教育こそが
社会や国を支える根幹になると言っても過言ではないと考えます。
民主党は、
子供は
社会で育てるという
方針を掲げていましたが、もしそうなら、
家庭教育の役割は何だとお考えでしょうか。
子供が親を尊敬する気持ちはどのように育てるのでしょうか。総理と小宮山
大臣の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
二十七日からロンドンにおきましてオリンピックが開催をされます。私自身、
子育てをやりながら、
子育てとスポーツは共通する部分が多いと感じてきました。
オリンピックで活躍するスポーツ選手の姿は、人々に夢や希望、そして感動を与えます。しかし、そうした選手の活躍の裏には、人に見えない苦しい部分、見返りを求めない努力の部分があります。誰にも評価してもらえない、成果が出るか分からない、悩み苦しみながら黙々と練習をする、その長い年月があります。そうしたひたむきな努力の積み重ねがあるからこそ、成果が出たとき、目標を達成したときの喜びも大きくなり、見る人の心も動かすのだと思っております。
子育ても同じで、親がひたすら努力し、献身している時間があるからこそ、
子供は親に愛されていることを感じ、人を愛し、そして人から愛されることを学びます。そうした気持ちこそが親に対する尊敬を生むことになるのだと思っております。
努力と献身は、時に苦労のように思えるかもしれませんが、そういう意味では、
子育てには苦労があって当然であると思います。もちろん、過ぎた苦しみは国がしっかりと支えてあげなければなりませんが、
子供は
社会で育てるなどといって、
子育ての苦労をなくし、親を楽にさせてあげるという政策は、親を尊敬しない
子供をつくり、国家を衰退させる道にほかなりません。
国家の未来に明るい展望が開けるには、まず、人々が、とりわけ
子供たちが夢や希望や感動を持って暮らせることではないでしょうか。総理は、短時間であってもロンドンに赴いてオリンピック外交を展開したいとおっしゃっていただきました。
子供たちが夢を持てる国づくりには、今回のロンドン大会のみならず、二〇二〇年の東京オリンピック、パラリンピックの招致も大変重要な国家戦略であると考えております。総理の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
子供たちが夢を持てる国づくり、そして
子育てから始まる
教育は、国家百年、二百年の計であります。しかしながら、民主党の三年間は、国家百年の計に立った国づくり、
教育とは程遠いものであったと思います。
子供たちの未来のためにも総理には正しい道に進んでいただくよう強くお願いしますが、未来の展望が開かれないのであれば、解散・総選挙しかありません。総理には間違いないこの国の進むべき道を是非お考えいただき、そのことを強く要望して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(
拍手)
〔
内閣総理大臣野田佳彦君
登壇、
拍手〕