○柴田巧君 柴田巧です。
私は、みんなの党を代表して、ただいま議題となりました
平成二十二
年度決算に関し、
総理並びに
関係大臣に
質問をいたします。
さて、
民主党は、さきの総
選挙で、
マニフェストに掲げた政策を
増税することなく実現できると
国民に約束して
政権を獲得しました。しかし、天下りはむしろ巧妙に拡大され、
税金の
無駄遣い撲滅はパフォーマンスに終わり、
予算を組み替えることもできずに
政権交代三年目を迎えています。
そして、あろうことか、自らの
ばらまきによる
歳出の肥大化の後始末、
民主党政権の失政のしり拭いを
消費税増税で賄うべく、現
内閣は、その
発足以来、まさに
増税一直線で突き進もうとしています。
私
たちみんなの党は、
増税の前にやるべきことがあるだろうというのが変わらぬ
政治信条ですが、今
政治に求められているのは、安易に
増税に頼るのではなく、まずは具体的で実効性のある
税金の
無駄遣い削減の仕組みづくりだということを改めて申し上げます。
そういう中で、
平成二十二
年度決算は、鳩山
内閣の下で
予算が編成され、鳩山、菅両
内閣で執行した結果であり、
政権交代後、
民主党政権そのものに対する真の評価、通信簿であります。
ところが、
会計検査院による
決算検査報告によれば、
指摘金額は四千二百八十三億円と、過去二番目に多い金額であり、しかも、独立行政法人や
特別会計に多額の余剰金が判明するなど、依然、国の事業の無駄や不正が後を絶たないのが実情です。これは、
民主党政権の
税金の
無駄遣い切り込みが余りにも弱く、
取組の不十分さ、やる気のなさを如実に表しています。
このような
決算が出ること自体、
政権交代後、財務副
大臣、
財務大臣、そして
総理大臣として一貫して
政権の中枢におられる
総理は最も反省すべきお一人だと
思いますが、
総理の御
見解をまずお
伺いをしたいと
思います。
次に、独立行政法人並びに
特別会計改革についてお聞きをします。
さきに
政府は、独法の数を百二から四割削減して六十五法人に、特会を十七から十一に削減することを柱とする
改革案をまとめました。これは、
消費税増税をにらみ、行革への
取組をアピールするのが狙いなのでしょうが、
マニフェストの財源を生み出すはずだった独法、特会の
改革が、
マニフェストには書いてなかった
増税の地ならし的な役目を担っている現実は、全くの皮肉としか言いようがありません。
そして、その
中身はといえば、例えば独法
改革では、法人の統合が大半で、廃止や民営化などの純減が少ないがゆえに、目標としていた半減には及んでいません。これでは、法人の頭数をたとえ減らしても、組織的な実態は生き延びる可能性が大で、天下りポストが温存されることになりかねません。
とにかく、取って付けたような数合わせや看板の掛け替えでは、
国民の理解は到底得られないでしょう。
しかも、最も肝心の
改革による財源捻出に関しては、今
国会で我が党の議員がその額について
質問しても、
総理や
関係大臣から、幾らか定量化できないとの答弁が続いています。
民主党は、積年の
税金の
無駄遣いを一掃して
予算を組み替えれば、
マニフェストの実現に必要な財源を捻出可能と訴えて
政権を獲得したわけですから、また、
マニフェストに独法・特会
改革等により六兆一千億円と数値目標を示したわけですから、今回の
改革案で支出額を示さないのでは、その本気度が伝わりません。
そこで、
政府の独法・特会
改革案でどれだけの財源が捻出できるのか、
予算削減効果があるのか、まずその試算を出すべきでありますが、
総理に
お尋ねをいたします。
独法
改革は、単なる数合わせよりも
中身、質の
改革こそ求められます。しかし、この点においても
政府の
改革案は生煮えだと言わざるを得ません。
我が党の渡辺喜美代表は、かつて行革担当
大臣の際に独法の整理合理化計画、いわゆる渡辺プランをまとめましたが、
総理は先般、今回の
政府の
改革案にもいかにもそのプランも取り入れたかのごとく答弁をされました。しかし、独法を各省の子会社から
国民共有の財産に変えるという渡辺プランの根底にある基本思想が全く見られません。
まず、各省庁に従属する子会社という現在の独法の位置付けを抜本的に改めたり、
内閣によるガバナンスや人事を一元化するなど、徹底した
改革を断行するという強い
意思が感じられません。また、技術系の研究所を省庁の壁を越えて合併するような発想が皆無であり、省庁縦割りの枠内で
改革案を策定しています。これでは、まさに官僚主導で、
改革のまね事にすぎません。
本当にこんな
改革案でいいのですか。
総理の御
所見をお
伺いをします。
次に、
政府調達
改革についてお聞きをします。
政府調達については、これまでも問題が発生するたびに対策が講じられてきましたが、従前の
取組は対処療法が中心で、問題の背景にある調達契約制度や調達の実施体制には触れず、本質的な問題が解決されてきませんでした。このため、今こそ抜本的、根本的な
改革が必要です。
まず、
政府調達の問題は、一言で言えば
透明性と競争性が極めて乏しいことにありますが、その代表例がいわゆる少額随意契約です。
我が国では、製造、工事の場合二百五十万円、
物品購入の場合百六十万円、そして物件借入れの場合は八十万円以上なら入札になりますが、それ未満の場合は発注者が競争の方法によらず随意契約にしてよいとされています。
この少額随契は、我が事務所の独自の
調査によれば、
平成二十二
年度の場合、各府省の全契約約百九十九万件のうち九二%を占めており、金額にするとおよそ三千二百七億円と推計されますが、実際の取引
状況、契約
状況はやみの中にあります。
というのも、これまでは公開の義務がなく、その
総額、
中身を把握し網羅的に一覧する官庁会計システムも未整備ゆえです。それゆえ、システムを早期に整備することが求められます。また、そのことが
予算執行と
決算の
透明性を高め、外部の監視などが容易になり、職員側も自発的に経費節減に努めるようになる効果が見込めるものと
思います。
安住
財務大臣は、システムの開発を急ぐ旨の答弁をされていますが、いまだでき上がってはおりません。いつまでも不透明な取引
状況を放置していることは、
政府調達
改革においても
民主党はやる気がない証拠だと言わざるを得ません。
そこで、少額随意契約の取引実態を明らかにするために早急に官庁会計システムを構築すべきでありますが、いつまでに開発するのか、安住
財務大臣にお
伺いをします。
政府調達の
見直しを図るには、調達に関する
政府全体の政策を企画立案し、その確実な実施に責任を負う人材と組織が必要です。このため、民間からの登用も含め、専門的な人材の育成や府省を超えて一元的に
改革を実施する組織、つまり司令塔が求められます。このことにより、
予算の節減だけでなく、
政府調達の質の向上や、新しい技術を取り入れてイノベーション促進の手段とすることも可能になります。
総理は、さきの
決算委員会でも、私の
質問に答え、調達
改革を進めるに当たり、司令塔の
必要性は認められました。だとするならば、その設置に向けた
取組方法とスケジュールを明確にすべきであります。
そこで、どのように、そしていつまでに調達
改革の司令塔を設置するのか、
総理に
お尋ねをいたします。
いずれにせよ、口だけで行政の
無駄遣いを一掃と言ってみても、それを実現する仕組みをつくらなければ現実のものになりません。
そこで、調達
改革を推進するには、明確な戦略、
方針の下、具体的な
改革プログラムの策定や数値目標の設定を行い、そして、それらを義務付けるなど、
無駄遣いの撲滅に向けて実効性のある仕組みづくりを進めるべきでありますが、どのように取り組むのか、
総理にお
伺いをいたします。
最後に、
総理のお父様のふるさとは私の地元である富山県でありますが、その西部地方はドジョウのかば焼きの産地として有名であります。
総理がドジョウの
政治を標榜されて以来、おかげさまで富山のドジョウのかば焼きの売行きは大変好調であります。
このことは結構なことでありますが、しかし、御存じのように、ドジョウは都合が悪いと泥の中に潜ってしまうものであります。どうやら
総理にもその傾向が見えているのではないでしょうか。しかも、あのサギが喜んで食べる大好物がドジョウであります。鳩山、菅両
内閣で
民主党の
マニフェストは詐欺であったと言われておりますが、このままでは野田ドジョウ
内閣もサギの腹の中に入ってしまうのは、もはや時間の問題です。そうなりたくなければ、
増税の前にやるべきことをやれということをいま一度申し上げて、私の
質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(
拍手)
〔
内閣総理大臣野田佳彦君
登壇、
拍手〕