○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。
短い時間でありますが、本日は、山、
森林、林野とは切り離せないシイタケ等キノコ類の
放射性物質によります汚染の問題、この点について
質疑したいということであります。
木材生産は、これだけ山が多いんだから相当な金額に上っているんだろうというふうに我々思うところでありますが、
木材生産の生産額は二千億を切っているわけですね。ところで、一方、キノコ類は二千億を超える金額になっています。一般的に、我々、農産物いろんなところで当然のこと接するわけですが、お茶は一千百億円、さらにサトウキビだと三百三十億円、それからミカンは千五百四十億円、リンゴは千三百二十億円。だから、キノコ類は、もう山で生産されているキノコ類はこれらをはるかに超える大変重要な農産物であるわけでありますが、
林産物でもあるわけでありますが、ところが、そのことについて必ずしもどうも我々十分意識していないんじゃないかと。
キノコの生産農家も、どちらかというと
組織はそれぞれ、仲間で
組織されてはおいでになるわけですが、全国的な大きな
組織を持って活発に活動されているということもないということもあるんだろうというふうに思いますが、だからなかなか目立たない。
しかし、今般のセシウムによります新しい基準値が設定されたことによりまして、そのことで物すごい困難に逢着しているわけで、多くの農家がもう生産をもうやめようかという悲嘆に苦しんでおられるわけであります。今、日々、日々それに苦しんでおられるというふうに思います。
だって、一時期に収穫するだけの話じゃないんですから、毎日ハウスないしは露地で生えてくるんですから。それを収穫されている皆さん、そしてそれがセシウムの基準値を超えてしまう、それも、当初原木を導入したときは、洗浄もしながらちゃんとやって大丈夫だったと。ところが、途中で基準値を変えちゃったんだから。だから、原木は二年間使えるんです、二年間八回使えます、露地で使うほだ木になったものについては四年間使うと言っています。この間、基準値変わったわけだから、これはもう大変な苦労です。今までの大丈夫だった、出荷していたほだ木、もう一回使おうと思っていたものをしょせん廃棄せざるを得なくなった。みんなハウスの後ろ側に積み立てたままに、廃棄したままになっております。ましてや、それもすぐどこかへ持っていけるのかといったら、そうじゃない。庭先にちゃんと置いておかなきゃいかぬということになっているわけですから、悲しみは更に増すわけであります。値段はずっと低下のままであります。
この
状況をしっかり解決していかなければ絶対にもう駄目だということであります。もちろん、基準値を決めました
厚生労働省、それから賠償請求の中間指針を作りました文部科学省、それぞれ
役割はあるんですが、この大事な
林産物についての
扱いについて、やはり生産者の立場に立って
仕事をちゃんとやるというのは僕は
農林水産省だと思うんです。
ましてや、基準値を決めるときのいろんな諸会議の中で、五百から百ベクレルにしても、まあ最近はずっと数値も下がっていますから大丈夫ですよということを
農林水産省は言ってきたんじゃないか。議事録を何度も読みますと、
厚生労働省の担当者は、各審議会
委員の鋭い
質問、すなわち、今この厳格な基準をわざわざ決める必要があるのか、世界的にも非常に厳しい基準を今こういう形で決める必要があるのか、安全、安心という名の下にそれで十分な
説明もなく進めるのか、このままでいくと間違いなく生産の
現場で大混乱を生ずるよということを、ずっと議事録の中で何度も何度も議論されていたし、そして、普通の審議会とは異例な形でちゃんと意見書も出されていたという
経緯があるわけであります。
このことについて、しっかりと
農林水産省、対応が必要でありますが、今やまさに、生産者が出荷制限、出荷自粛、それから出したものの回収、さらには返金ということまで迫られているわけで、先に言いました、途中から汚染があるぞというふうに、新基準値の設定の中で出てきた原木の再洗浄、さらに廃棄、そしてまた、高騰している、値段が上がってきている原木の手配に苦労している。一方、
福島は、原木の大産地だったんですが、今は原木を出せない。このことは、当然のこと、
福島の大事な
林業経営においても大変な困難に遭っているということであります。
こうした現状を一体どんなふうに
考えておられるのか、どう対処してきているのか、お聞きします。